説明

光電センサ及びウエハ検出装置

【課題】 光透過性を有する被検出物をより確実に検出することが可能な光電センサ及びウエハ検出装置を提供する。
【解決手段】 非検出状態では、順次取り込まれる受光量レベルに対して余裕度が大きい第1閾値Th1との比較を行い、この第1閾値Th1を下回ったことをトリガーとして、本来の第2閾値Th2との比較に基づくウエハWの検出の判定を行う構成とした。また、第1閾値Th1及び第2閾値Th2は、直前に取り込まれた255個或いは235の受光量レベルの平均値に基づき設定する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる透過型の光電センサ及びウエハ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、投光手段と受光手段とを所定の検出領域を挟んで対向配置し、その検出領域内に存在する被検出物の遮光状態に応じて変化する受光手段での受光量レベルと所定の閾値との大小比較に基づき上記被検出物の検出を行う、いわゆる透過型の光電センサがある(下記特許文献1参照)。このような光電センサは、例えば光透過性を有するガラスウエハの製造工程においてそのガラスウエハを検出するために用いられることがある。ガラスウエハが検出領域内にないとき(以下、「非検出状態」という)の受光量レベルに対してガラスウエハが検出領域内にあるとき(以下、「検出状態」という)の受光量レベルが低下する。従って、これらの受光量レベルの間に上記閾値を設定するのである。
【特許文献1】特開2003−87107公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、被検出物がガラスウエハのように光透過性を有する場合、上記検出状態と非検出状態とでの両受光量レベル差が極めて小さい。このため、非検出状態時において瞬間的にでも受光手段での受光量レベルを低下させる事態が生じた場合には、まだ非検出状態であるにもかかわらず、受光量レベルが閾値を下回って検出状態であると誤って判定してしまうおそれがあった。例えば製造ラインを移動中のガラスウエハの破片等が受光手段の前方に落下してきたりする場合があり、このような場合に上記の問題が生じる。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光透過性を有する被検出物をより確実に検出することが可能な光電センサ及びウエハ検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る光電センサは、光透過性を有する被検出物が移動する所定の検出領域に光を出射する投光手段と、前記投光手段から出射され前記検出領域を透過した光を受光可能に配される受光手段と、閾値を設定する閾値設定手段と、前記被検出物の存在により変化する前記受光手段での受光量レベルと前記閾値設定手段に設定されている閾値とを大小比較し、この受光量レベルが、前記閾値以下のときは前記被検出物の検出状態と判定し、前記閾値を上回ったときは前記被検出物の非検出状態と判定する判定手段と、を備える光電センサであって、前記閾値設定手段は、前記判定手段での判定結果が前記非検出状態にあるときは、当該非検出状態のときの受光量レベルと前記検出領域に前記被検出物のエッジが位置するときの受光量レベルとの間の第1閾値を設定する一方で、前記判定手段での判定結果が前記非検出状態から前記検出状態に変化したことを条件に、前記非検出状態のときの受光量レベルと前記検出領域に前記被検出部の前記エッジ以外の部分が位置したときの受光量レベルとの間の第2閾値を設定することを特徴とする。
なお、「光透過性を有する被検出物」としては、例えばガラス製物体等のような透明物体に限らず、シリコン製物体等のような半透明物体も含まれる。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光電センサにおいて、前記非検出状態において、前記受光手段での受光量レベルを読み取り、所定の期間内に読み取られた複数の受光量レベルの平均値を求める平均値測定手段を備え、前記閾値設定手段は、前記第1及び第2の閾値を、前記平均値測定手段で求められる平均値に基づいて設定することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光電センサにおいて、前記第2閾値の設定時において、前記所定の期間は、前記非検出状態から前記検出状態に変化する直前の一定期間以前の期間であることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光電センサにおいて、前記受光手段での受光量レベルが前記第1閾値を下回った時点から所定の一定期間、前記判定手段における前記第2閾値との比較動作を無効化する無効化手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光電センサにおいて、前記判定手段は、前記第2閾値との比較動作においては前記受光手段での受光量レベルが前記第2閾値を上回った状態が所定時間継続したことを条件に前記非検出状態であると判定することを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明に係るウエハ検出装置は、所定の検出領域を移動し、光透過性を有する被検出物としてのウエハを寸法を検出するウエハ検出装置であって、上記請求項1〜請求項5のいずれかの光電センサと、当該光電センサの判定手段において検出状態と判定された継続時間に基づき前記ウエハの寸法を検出する寸法検出手段とを備えることを特徴する。
なお、「寸法検出手段」は、継続時間に基づきウエハの寸法値を測定する構成以外に、その継続時間を基準時間と比較することで当該ウエハの寸法が所定の基準寸法に合致するかどうかを検出する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
<請求項1の発明>
一般に、投光手段及び受光手段を対向配置してなる、いわゆる透過型光電センサにおいて、その検出領域内に光透過性を有する被検出物のうちエッジ部分以外の部分が位置する場合に比べて、エッジ部分が位置する場合の方が受光手段での受光量レベルが大きく低下する。
そこで、本構成では、例えば、被検出領域に被検出物がない非検出状態では、受光手段での受光量レベルを、正常時の非検出状態における受光量レベル(V1)と検出領域に被検出物のエッジが位置するときの受光量レベル(V2<V1)との間に設定された第1閾値と比較する。そして、被検出物のエッジ部分が検出領域内に位置したときにその受光量レベルが上記第1閾値を下回ることにより判定手段は検出状態と判定する。その後は、受光手段での受光量レベルを、正常時の非検出状態のときの受光量レベル(V1)と前記検出領域に前記被検出部の前記エッジ以外の部分が位置したときの受光量レベル(V3。V2<V3<V1。)との間の第2閾値と比較して判定を行う。つまり、非検出状態では比較的に余裕度の大きい第1閾値との比較し、この比較結果が非検出状態から検出状態に変化したことを条件に、比較的に余裕度の小さい第2閾値との比較動作に移行するのである。
従って、例えば非検出状態において被検出物の破片等が検出領域内に存在し、受光手段での受光量レベルが微小に低減するような場合、単に、受光手段での受光量レベルを、上記第1閾値に相当する閾値だけと比較して検出を行う構成に比べて誤検出の危険性を抑制できる。
【0012】
<請求項2の発明>
本構成によれば、前記第1及び第2の閾値を、前記平均値測定手段で求められる平均値の変化に応じた値に設定する構成であるから、素子劣化等による受光量レベルが経時的に変化する場合でもその変化に応じて第1及び第2の閾値が適切な値に設定され、受光量レベルの経時的な変化による影響を排除できる。
【0013】
<請求項3の発明>
非検出状態から検出状態に変化するときは、受光手段での受光量レベルは第1閾値を下回るように大きく変化する。従って、このときの受光量レベルの平均値に基づき第2閾値を設定することは好ましくない。そこで、本構成では、平均値測定手段で非検出状態から検出状態に変化する直前の一定期間(受光量レベルが大きく変化する期間)以前のタイミングで複数の受光量レベルの平均値に基づき第2閾値を設定する構成とした。
【0014】
<請求項4,5の発明>
第2閾値との比較動作においては当該第2閾値と受光手段での受光量レベルとの余裕度が小さいため、例えばノイズ(例えば被検出物の内面反射)等による微小なレベル変化によって誤検出を引き起こすおそれがある。そこで、請求項4の構成では、受光手段での受光量レベルが第1閾値を下回った時点から所定の一定期間は判定手段における比較動作を無効化する構成とした。また、請求項5の構成では、受光量レベルが単発的に第2閾値を上回るときは非検出状態であるとの判定を行わないようにした。
【0015】
<請求項6の発明>
上記請求項1〜請求項5のいずれかの発明を適用することにより、ウエハの寸法を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。
本実施形態は、図1に示すように、例えばU字状の搬送アーム11によって搬送される光透過性を有するウエハW(例えばガラスウエハやシリコンウエハ。被検出物)を検出するためのウエハ検出装置10に本発明を適用したものである。
【0017】
1.ハードウエア構成
本実施形態に係るウエハ検出装置10は、図2に示すように、投光素子12(例えばLED、レーザダイオード)及び受光素子13(例えばファトダイオードやフォトトランジスタ)等を備えるセンサ本体14から光ファイバF1,F2が導出された、いわゆるファイバセンサを有してなる。具体的には、光ファイバF1は、センサ本体14側の端面が投光素子12の前面に突き当てれており、この投光素子12からの光を伝送し上記ウエハWの通過経路側に配される先端面から出射する。投光素子12は、投光素子駆動回路15から駆動電流が与えられることで発光する。従って、光ファイバF1及び投光素子12が本発明の「投光手段」に相当する。
【0018】
一方、光ファイバF2は、センサ本体14側に端面が受光素子13の前面に突き当てられ、ウエハWの通過経路側に配される先端面から入光した光を受光素子13に導く役割を果たす。受光素子13は、受光した光の光量(受光量)に応じたレベルの受光信号を出力し、図示しないA/D変換器によってA/D変換されて制御回路16に取り込まれる。従って、光ファイバF2及び受光素子13が本発明の「受光手段」に相当する。なお、制御回路16には、上記投光素子駆動回路15、揮発性メモリ17(例えばRAMなど)、不揮発性メモリ18(例えばEPPROMなど)及び出力回路19がそれぞれ接続されている。
【0019】
そして、各光ファイバF1,F2の先端部F1a,F2aがウエハWの通過経路を例えば上下で挟むように対向配置される。つまり、いわゆる透過型センサとして使用するのである。
【0020】
2.ソフトウエア構成
さて、図3に示すように、ウエハWが光ファイバF1,F2の先端部F1a,F2aの対向領域(以下、「検出領域X」という)内にないとき(同図(A)(E))には、受光素子13から高い受光量レベルV1の受光信号が出力される。一方、ウエハWが検出領域X内に完全に進入したとき(同図(C))には、このウエハWが光透過性を有するゆえに上記受光量レベルV1よりも僅かに低い受光量レベルV2(例えば受光量レベルV1の90%)の受光信号が出力される。従って、前述したように、単に両受光量レベルV1,V2の間に第2閾値Th2を設定して比較するだけの構成では、非検出状態(同図(A)(B))において破片等によって一時的に受光量レベルが低下すると、検出領域XにウエハWがないにもかかわらずウエハ有りとの検出を誤ってしてしまうおそれがある。
【0021】
ここで、図3の受光量レベルの変位をみると、検出領域XにウエハWのエッジ部分が介在したとき(同図(B)(D))には、一時的に受光量レベルが大きく低下する(このときの受光量レベルV3は上記受光量レベルV1の例えば50%とする)。これはウエハWの端面は実際には凸凹になっており、ここで光が屈折したりするからであると考えられる。
【0022】
そこで、制御回路16は、図4に示す制御を実行する。まず、S1で検出フラグが立っているかどうかを判断し、立っていなければ(S1で「N」)、S2で投光素子駆動回路15を駆動させて投光素子12を発光させるとともに、それに同期して受光素子13から受光信号を取り込んで揮発性メモリ17に記憶する。次いで、S3で不揮発性メモリ18に受光信号データが所定数(例えば255個)記憶されているかどうかを判断する。そして、255個記憶されていれば(S3で「Y」)、S4でこれら255個の受光信号データに基づき受光量レベルの平均値を算出する。具体的には、255個の受光信号データの合計受光量を255で除算する。そして、この平均値の例えば75%の値を第1閾値Th1として設定し、S5でこの算出した第1閾値Th1と現在取り込んだ受光量レベルとを比較する。なお、この第1閾値Th1は不揮発性メモリ18に記憶する。既に不揮発性メモリ18に以前設定した第1閾値Th1が記憶されていればこれを書換更新する。従って、この場合、255個の受光信号の取り込み期間が本発明の「所定の期間」に相当する。
【0023】
一方、255個未満であれば(S3で「N」)、S6で不揮発性メモリ18に既に第1閾値Th1が記憶されているかどうかを判断し、記憶されてなければ(S6で「N」)再びS1に戻る。記憶されていれば、S5でこの不揮発性メモリ18に記憶された第1閾値Th1と現在取り込んだ受光量レベルとを比較する。そして、受光量レベルが第1閾値Th1より大きいとき(S5で「N」)は、まだ検出領域XにウエハWがない(図3(A)の状態)ものとして再びS1に戻る。これに対して、受光量レベルが第1閾値Th1より小さいとき(S5で「Y」)は、S7で検出フラグを立てるとともに、第1カウントを開始してS1に戻る。ここで、第1閾値Th1は、検出領域XにウエハW全体が介在したときの受光量レベルV1より小さく、かつ、検出領域XにウエハWのエッジ部分が介在したときの受光量レベルV3よりも大きい値に設定される。従って、現在読み込まれた受光量レベルが第1閾値Th1よりも小さいときとは、検出領域XにウエハWのエッジ部分が進入してきた(図3(B)の状態)ことを意味する。
【0024】
次にS1に戻ってきたとき、検出フラグが立っていれば(S1で「Y」)、S8で投光素子駆動回路15を駆動させて投光素子12を発光させるとともに、それに同期して受光素子13から受光信号を取り込む。このとき、ウエハWは図3(C)の状態にある。そして、S9で揮発性メモリ17に記憶された受光信号データが255個記憶されているかどうかを判断する。255個記憶されていれば(S9で「Y」)、S10で現在不揮発性メモリ18に記憶された255個の受光信号データのうち、直近に取得した所定数(例えば20個)の受光信号データを除く235個の受光信号データに基づき受光量レベルの平均値を算出する。具体的には、235個の受光信号データの合計受光量を235で除算する。そして、この平均値の例えば90%の値を第2閾値Th2として設定し、不揮発性メモリ18に記憶する。既に不揮発性メモリ18に以前設定した第2閾値Th2が記憶されていればこれを書換更新する。従って、この場合、235個の受光信号の取り込み期間が本発明の「所定の期間」に相当する。
【0025】
ここで、このとき不揮発性メモリ18に記憶されている255個の受光信号データは、S5で受光量レベルが第1閾値Th1を下回ったとき、つまり、非検出状態から検出状態に変化したとき以前に記憶されたものである。そして、このうち直近の20個の受光信号データは、図3に示すように、受光量レベルが大きく変化する時間T内に取得されたものであり、これらも含めて平均値を算出すべきでないからである。
一方、255個未満であれば(S9で「N」)、S11で不揮発性メモリ18に既に第2閾値Th2が記憶されていれば(S11で「Y」)S12に進み、記憶されてなければ(S11で「N」)S1に戻る。
【0026】
次にS12で上記第1カウントが所定時間t1経過しているかどうかを判断し、経過していなければ(S12で「N」)S1に戻り、経過していれば(S12で「Y」)、S13で上記第2閾値Th2と現在取り込んだ受光量レベルとを比較する。このように、受光量レベルが第1閾値Th1を下回ってから所定時間t1経過するまで第2閾値Th2との比較を行わない(無効化)ようにしたのは、前述したように、検出領域XにウエハW全体が介在したとき(図3(C)の状態)の受光量レベルV2は、第2閾値Th2との差が小さいためノイズによる影響を受けやすいからである。
【0027】
続いてS13で受光量レベルが第2閾値Th2を下回ったとき(S13で「Y」)は、S14で第2カウントを開始し、S15でその第2カウントが所定時間t2経過していなければ(S15で「N」)再びS1に戻る。次のS8での投受光動作で読み込まれた受光量レベルが第2閾値Th2を上回ったときは(S13で「N」)は、S16で第2カウントをクリアしてS1に戻る。これに対して、受光量レベルが第2閾値Th2を下回った状態(S13で「Y」)が所定時間t2継続したとき(S15で「Y」)に初めて検出動作を実行する(S17)。例えば図2に示す出力回路19から検出信号を出力させたり、動作表示灯20を点灯させたりするのである。なお、上記検出フラグは、一旦検出動作が実行された後に、受光量レベルが第2閾値Th2を上回ったとき(図3(D))にクリアする。
【0028】
3.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、非検出状態(図3(A))においては、順次取り込まれる受光量レベルに対して余裕度が大きい第1閾値Th1との比較を行い、この第1閾値Th1を下回ったことをトリガーとして、本来の第2閾値Th2との比較に基づくウエハWの検出の判定を行う構成とした。従って、非検出状態時における受光量レベルに微小な変動による誤検出を防止できる。
(2)また、第1閾値Th1及び第2閾値Th2は、直前に取り込まれた255個或いは235の受光量レベルの平均値に基づき設定する構成とした。従って、直近の受光量レベル状態に応じて適切な閾値を設定でき、例えば受光量レベルの経時的変化に対しても対応できる。
【0029】
(3)更に、第2閾値Th2については、非検出状態から検出状態に変化したときの直前に取り込まれた20個の受光信号データを除いた235個の受光信号データに基づき平均値を算出して設定する構成とした。直近の20個の受光信号データは、図3に示すように、受光量レベルが大きく変化する時間T内に取得されたものであり、これらも含めて平均値を算出すべきでないからである。
(4)また、検出状態(図3(C))では、余裕度の小さい第2閾値Th2との比較を行うため、例えばノイズ等による影響を受けやすい。そこで、所定時間t1経過までは第2閾値Th2との比較を無効化したり、受光量レベルが第2閾値Th2を下回った状態が所定時間t2継続したことを条件に検出動作を行う構成とした。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、光ファイバF1,F2を備えたファイバセンサとしたが、これに限らず、投光素子12を有する投光ヘッドと、受光素子13を有する受光ヘッドとを対向配置してなる通常の透過型光電センサであってもよい。
【0031】
(2)また、被検出物としてガラスウエハ等としたが、これに限らず、光透過性を有するものであれば本発明による効果を得ることができる。
【0032】
(3)上記実施形態では、所定のタイミング毎に受光量レベルを読み取って各平均化処理を行う構成としたが、これに限らず、例えば積分回路によって所定時間内における受光量レベルを平均化するアナログ的な処理であってもよい。
【0033】
(4)また、上記実施形態では、所定時間t1経過までは第2閾値Th2との比較を無効化する処理と、受光量レベルが第2閾値Th2を下回った状態が所定時間t2継続したかどうかを判定する処理との両方を実行する構成としたが、これに限らず、いずれか一方の処理を選択させて当該一方の処理だけを実行させる構成であってもよい。また、上記2つの処理のいずれも実行しない構成であっても勿論よい。
【0034】
(5)また、上記実施形態では、単にウエハWの有無を検出する構成であったが、これに限らず、例えば、受光量レベルが第1閾値Th1を下回った時点から、受光量レベルが第2閾値Th2を上回るまでの時間(図3に示す検出状態の継続時間)に基づきウエハWの寸法を測定、或いは所定の基準寸法と一致するかどうかを検出する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係るウエハ検出装置の使用状態を示す斜視図
【図2】ウエハ検出装置のハードウエア構成を示すブロック図
【図3】ウエハの移動と受光量レベルの変位との関係を示す説明図
【図4】制御回路の制御内容を示すフローチャート
【符号の説明】
【0036】
10…ウエハ検出装置(光電センサ)
12…投光素子(投光手段)
13…受光素子(受光手段)
16…制御回路(判定手段、閾値設定手段、平均値測定手段、無効化手段)
F1,F2…光ファイバ
Th1…第1閾値
Th2…第2閾値
T…時間(直前の一定期間)
W…ウエハ(被検出物)
X…検出領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する被検出物が移動する所定の検出領域に光を出射する投光手段と、
前記投光手段から出射され前記検出領域を透過した光を受光可能に配される受光手段と、
閾値を設定する閾値設定手段と、
前記被検出物の存在により変化する前記受光手段での受光量レベルと前記閾値設定手段に設定されている閾値とを大小比較し、この受光量レベルが、前記閾値以下のときは前記被検出物の検出状態と判定し、前記閾値を上回ったときは前記被検出物の非検出状態と判定する判定手段と、を備える光電センサであって、
前記閾値設定手段は、前記判定手段での判定結果が前記非検出状態にあるときは、当該非検出状態のときの受光量レベルと前記検出領域に前記被検出物のエッジが位置するときの受光量レベルとの間の第1閾値を設定する一方で、
前記判定手段での判定結果が前記非検出状態から前記検出状態に変化したことを条件に、前記非検出状態のときの受光量レベルと前記検出領域に前記被検出部の前記エッジ以外の部分が位置したときの受光量レベルとの間の第2閾値を設定することを特徴とする光電センサ。
【請求項2】
前記非検出状態において、前記受光手段での受光量レベルを読み取り、所定の期間内に読み取られた複数の受光量レベルの平均値を求める平均値測定手段を備え、
前記閾値設定手段は、前記第1及び第2の閾値を、前記平均値測定手段で求められる平均値に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の光電センサ。
【請求項3】
前記第2閾値の設定時において、前記所定の期間は、前記非検出状態から前記検出状態に変化する直前の一定期間以前の期間であることを特徴とする請求項2に記載の光電センサ。
【請求項4】
前記受光手段での受光量レベルが前記第1閾値を下回った時点から所定の一定期間、前記判定手段における前記第2閾値との比較動作を無効化する無効化手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光電センサ。
【請求項5】
前記判定手段は、前記第2閾値との比較動作においては前記受光手段での受光量レベルが前記第2閾値を上回った状態が所定時間継続したことを条件に前記非検出状態であると判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光電センサ。
【請求項6】
所定の検出領域を移動し、光透過性を有する被検出物としてのウエハを寸法を検出するウエハ検出装置であって、
上記請求項1〜請求項5のいずれかの光電センサと、
当該光電センサの判定手段において検出状態と判定された継続時間に基づき前記ウエハの寸法を検出する寸法検出手段とを備えることを特徴するウエハ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−19939(P2006−19939A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194435(P2004−194435)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】