説明

光電変換装置

【課題】 光信号を高精度で補正し、高速化に対応しやすくした光電変換装置を提供する。
【解決手段】 全ての光電変換ユニット30に共通に接続され、各光電変換ユニット30からの各増幅光信号を時系列的に出力し、第一寄生容量31を有する光信号共通出力線10と、全ての光電変換ユニット30に共通に接続され、各光電変換ユニット30からの各増幅初期電圧を時系列的に出力し、第二寄生容量32を有する初期電圧共通出力線11と、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続され、第一寄生容量31と第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する容量群20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射光に基づいて出力電圧を出力する光電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ファクシミリ、イメージスキャナ、デジタル複写機、X線撮像装置等の画像読取装置として光電変換装置が用いされている。光電変換装置は、単結晶シリコンチップによって製造され、密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Senser)がよく知られている。
【0003】
ここで、従来の光電変換装置について説明する。
【0004】
光電変換装置は、複数のフォトダイオード、そのフォトダイオードからノイズ信号を読み出して保持するノイズ信号保持手段、及び、そのフォトダイオードから光信号を読み出して保持する光信号保持手段を備えている。また、光電変換装置は、各フォトダイオードに接続され、ノイズ信号を出力するノイズ信号共通出力線、及び、各フォトダイオードに接続され、光信号を出力する光信号共通出力線を備えている。また、光電変換装置は、ノイズ信号保持手段によって保持されたノイズ信号及び光信号保持手段によって保持された光信号を、ノイズ信号共通出力線による容量と光信号共通出力線による容量との容量分割によって読み出す読み出し手段を備えている。また、光電変換装置は、ノイズ信号共通出力線と光信号共通出力線との間に設けられ、オンすることによってノイズ信号共通出力線と光信号共通出力線との電圧のアンバランスを解消して光信号を高精度で補正するためのスイッチを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようにすると、単結晶シリコンチップで集積化が進み、素子及び金属配線が高密度化し、ノイズ信号共通出力線と光信号共通出力線とのマスクレイアウト設計がアンバランスになっても、ノイズ信号共通出力線と光信号共通出力線との電圧のアンバランスを解消して光信号を高精度で補正することができる。
【特許文献1】特開平10−191173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、光信号を高精度で補正するためにノイズ信号共通出力線と光信号共通出力線との間に設けられたスイッチがオンしてからオフし、その後、ノイズ信号及び光信号がそれぞれノイズ信号共通出力線及び光信号共通出力線に読み出されることになるので、スイッチが動作する時間の分、ノイズ信号及び光信号を読み出す時間が短くなってしまう。よって、光電変換装置が高速化されにくくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされ、光信号を高精度で補正することができ、高速化に対応しやすい光電変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、入射光に基づいて出力電圧を出力する光電変換装置において、前記入射光に基づいて光信号を出力する光信号出力手段と、前記光信号出力手段の出力端子に接続され、前記光信号出力手段の出力端子の電圧を所定の初期電圧にリセットするリセット手段と、前記光信号出力手段の出力端子に接続され、前記光信号を増幅して増幅光信号を出力し、前記初期電圧を増幅して増幅初期電圧を出力する増幅手段と、前記増幅手段の出力端子に接続され、前記増幅光信号を保持する光信号保持手段と、前記増幅手段の出力端子に接続され、前記増幅初期電圧を保持する初期電圧保持手段と、を有する複数の光電変換ユニットと、全ての前記光電変換ユニットに共通に接続され、各前記光電変換ユニットからの各前記増幅光信号を時系列的に出力し、第一寄生容量を有する光信号共通出力線と、全ての前記光電変換ユニットに共通に接続され、各前記光電変換ユニットからの各前記増幅初期電圧を時系列的に出力し、第二寄生容量を有する初期電圧共通出力線と、前記光信号共通出力線または前記初期電圧共通出力線に接続され、前記第一寄生容量と前記第二寄生容量との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する調整容量と、前記増幅光信号から前記増幅初期電圧を減算する減算増幅器と、を備えていることを特徴とする光電変換装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、光信号共通出力線による第一寄生容量と初期電圧共通出力線による第二寄生容量との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する調整容量が光信号共通出力線または初期電圧共通出力線に接続されるので、光信号共通出力線による寄生容量と初期電圧共通出力線による寄生容量とが等しくなる。よって、寄生容量による光信号への影響が排除され、光信号が高精度で補正される。
【0010】
また、調整容量が光信号共通出力線または初期電圧共通出力線に接続され、この調整容量は信号によって制御されず、調整容量の制御のための時間が必要ないので、光信号及び初期電圧を読み出す時間が短くならない。よって、光電変換装置は高速化に対応しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
まず、入射光に基づいて出力電圧を出力する光電変換装置に搭載される光電変換ユニットの構成について説明する。図1は、光電変換ユニットを示す回路図である。
【0013】
光電変換ユニット30は、フォトダイオード1、リセットスイッチ2、バッファアンプ3、スイッチ14、スイッチ15、容量12、容量13、スイッチ16及びスイッチ17を有している。
【0014】
リセットスイッチ2及びバッファアンプ3は、フォトダイオード1の出力端子に接続されている。容量12は、スイッチ14を介してバッファアンプ3の出力端子に接続され、容量13は、スイッチ15を介してバッファアンプ3の出力端子に接続されている。また、容量12は、スイッチ16を介して光信号共通出力線10に接続され、容量13は、スイッチ17を介して初期電圧共通出力線11に接続されている。
【0015】
フォトダイオード1は、入射光に基づいて光電荷を発生し、光電荷に基づいて光信号を出力する。リセットスイッチ2は、フォトダイオード1の出力端子の電圧を所定の初期電圧にリセットする。バッファアンプ3は、光信号を増幅して増幅光信号を出力し、初期電圧を増幅して増幅初期電圧を出力する。容量12は、増幅光信号を保持し、容量13は、増幅初期電圧を保持する。
【0016】
次に、光電変換装置の前段部分の構成について説明する。図2は、光電変換装置の前段部分を示す回路図である。
【0017】
光電変換装置の前段部分は、複数の光電変換ユニット30、光信号共通出力線10、初期電圧共通出力線11、スイッチ18、スイッチ19、容量群20、金属配線20z、第一寄生容量31及び第二寄生容量32を有している。
【0018】
光信号共通出力線10は、全ての光電変換ユニット30に共通に接続され、第一寄生容量31を有している。初期電圧共通出力線11は、全ての光電変換ユニット30に共通に接続され、第二寄生容量を有している。また、光信号共通出力線10は、スイッチ18を介して電圧Vclamp1が印加される。初期電圧共通出力線11は、スイッチ19を介して電圧Vclamp1が印加される。容量群20は、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続されている。
【0019】
光信号共通出力線10は、各光電変換ユニット30からの各増幅光信号を時系列的に出力し、初期電圧共通出力線11は、各光電変換ユニット30からの各増幅初期電圧を時系列的に出力する。容量群20は、第一寄生容量31と第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する。
【0020】
次に、光電変換装置の後段部分の構成について説明する。図3は、光電変換装置の後段部分を示す回路図である。
【0021】
光電変換装置の後段部分は、バッファアンプ22、バッファアンプ23、減算増幅器24、クランプ回路25、バッファアンプ26、サンプルホールド回路27、バッファアンプ28及びトランスミッションゲート29を有している。
【0022】
光信号共通出力線10は、バッファアンプ22を介して減算増幅器24に接続され、初期電圧共通出力線11は、バッファアンプ23を介して減算増幅器24に接続されている。減算増幅器24の出力端子は、クランプ回路25に接続され、クランプ回路25の出力端子は、バッファアンプ26に接続されている。バッファアンプ26の出力端子は、サンプルホールド回路27に接続され、サンプルホールド回路27の出力端子は、バッファアンプ28に接続され、バッファアンプ28の出力端子は、トランスミッションゲート29に接続されている。
【0023】
次に、光電変換ユニット30の動作について説明する。
【0024】
信号φRによってリセットスイッチ2がオンする。すると、フォトダイオード1の出力端子の電圧Vdiは、リセット電圧Vresetになる。その後、信号φRによってリセットスイッチ2がオフする。すると、電圧Vdiは、リセット電圧Vresetにフォトダイオード1によるノイズ電圧Voffを加算した電圧(以下、初期電圧という)になる。リセットスイッチ2がオフした直後、信号φRINによってスイッチ15がオンし、初期電圧は信号φSELによって制御されたバッファアンプ3を介して増幅初期電圧VBITRになり、この増幅初期電圧VBITRは容量13に読み出される。増幅初期電圧VBITRは、リセットスイッチ2がオフしてからスイッチ15がオフするまで、読み出される。
【0025】
その後、フォトダイオード1が入射光に基づいて光電荷を発生して保持し、光電荷の量に基づいて電圧Vdiが変動する。すると、電圧Vdiは、リセット電圧Vresetにフォトダイオード1によるノイズ電圧Voff及びフォトダイオード1によって保持された光電荷の量に基づいた電圧を加算した電圧(以下、光信号という)になる。信号φSINによってスイッチ14がオンしていて、光信号はバッファアンプ3を介して増幅光信号VBITSになり、この増幅光信号VBITSは容量12に読み出される。増幅光信号VBITSは、リセットスイッチ2がオフしてからスイッチ14がオフするまで、読み出される。
【0026】
信号φSCHに基づいてスイッチ16及びスイッチ17が同時にオンし、さらに、所定の条件が成立すると、増幅光信号VBITS及び初期電圧VBITRがそれぞれ光信号共通出力線10及び初期電圧共通出力線11に読み出される。後段の回路が増幅光信号VBITSから初期電圧VBITRを減算することにより、入射光に基づいた光電荷に基づいた出力電圧が取り出される。
【0027】
上記における増幅初期電圧VBITRが容量13に読み出される動作と増幅光信号VBITSが容量12に読み出される動作とは、繰り返し行われる。
【0028】
次に、光電変換装置の前段部分の動作について説明する。
【0029】
ここで、各光電変換ユニット30は、時系列的に順番に、増幅光信号VBITS及び増幅初期電圧VBITRを出力している。
【0030】
信号φSCHがハイになって信号φclamp1がローになると(以下、前半期間という)、スイッチ16及びスイッチ17がオンし、スイッチ18及びスイッチ19がオフする。よって、容量12に保持された所定の光電変換ユニット30からの増幅光信号VBITSが、容量12と第一寄生容量31との分圧比により、光信号共通出力線10に読み出され、同時に、容量13に保持された所定の光電変換ユニット30からの増幅初期電圧VBITRが、容量13と第一寄生容量32との分圧比により、初期電圧共通出力線11に読み出される。
【0031】
また、信号φSCHがハイになって信号φclamp1がハイになると(以下、後半期間という)、スイッチ16及びスイッチ17がオンし、スイッチ18及びスイッチ19もオンする。よって、光信号共通出力線10及び初期電圧共通出力線11の電圧が、電圧Vclamp1の電圧に初期化される。
【0032】
光信号共通出力線10は、第一寄生容量31を有し、第一寄生容量31による影響を受けている。また、初期電圧共通出力線11は、第二寄生容量32を有し、第二寄生容量32による影響を受けている。また、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11は、第一寄生容量31と第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する容量群20を有し、容量群20による影響を受けている。よって、容量による光信号共通出力線10への影響は、容量による初期電圧共通出力線11への影響と等しくなっている。
【0033】
ここで、例えば、バッファアンプ3、バッファアンプ22及びバッファアンプ23の増幅率は約1倍であり、減算増幅器24の増幅率は約4倍であり、バッファアンプ26及びバッファアンプ28の増幅率は約2倍である。増幅光信号VBITS及び増幅初期電圧VBITRが大きく増幅される前の段階で、容量による光信号共通出力線10への影響は、容量による初期電圧共通出力線11への影響と等しくなることになる。
【0034】
次に、光電変換装置の後段部分の動作について説明する。
【0035】
ここで、各光電変換ユニット30は、時系列的に順番に、増幅光信号VBITS及び増幅初期電圧VBITRを出力している。
【0036】
前半期間に、所定の光電変換ユニット30からの増幅光信号VBITSはバッファアンプ22を介して減算増幅器24に入力し、所定の光電変換ユニット30からの増幅初期電圧VBITRもバッファアンプ23を介して減算増幅器24に入力する。減算増幅器24は、増幅光信号VBITSから増幅初期電圧VBITRを減算することにより、増幅光信号VBITSのノイズ電圧Voffを除去する。減算増幅器24の前半期間の出力信号は、増幅光信号VBITSから増幅初期電圧VBITRを減算してゲイン倍して基準電圧VREFを加算した信号になる。
【0037】
また、後半期間に、電圧Vclamp1はバッファアンプ22及びバッファアンプ23を介して減算増幅器24に入力する。よって、減算増幅器24の2つの入力端子は、電圧差を有さないので、減算増幅器24の後半期間の出力信号は、基準電圧VREFになる。
【0038】
ここで、前半期間及び後半期間で、バッファアンプ22、バッファアンプ23及び減算増幅器24のオフセットが、減算増幅器24の出力信号に乗っている。この減算増幅器24の出力信号は、クランプ回路25に入力する。
【0039】
後半期間に、クランプ回路25へのクランプパルスφCLAMPに基づき、図示しないが、基準電圧VREFが印加された端子がスイッチ回路を介してクランプ回路25の出力端子に接続される。よって、クランプ回路25の後半期間の出力信号は、基準電圧VREFにクランプされる。
【0040】
また、前半期間に、クランプパルスφCLAMPに基づき、図示しないが、基準電圧VREFが印加された端子がクランプ回路25の出力端子に接続されない。よって、クランプ回路25の入力端子と出力端子との間に容量が設けられていて、クランプ回路25の前半期間の出力信号は、入力端子における減算増幅器24の前半期間の出力信号から、出力端子における基準電圧VREFにクランプされているクランプ回路25の1期間前の後半期間の出力信号を減算し、基準電圧VREFを加算した信号になる。よって、クランプ回路25の前半期間の出力信号は、増幅光信号VBITSから増幅初期電圧VBITRを減算してゲイン倍して基準電圧VREFを加算した信号になる。なお、バッファアンプ22、バッファアンプ23及び差動増幅器24のオフセットが、このクランプ回路25の前半期間の出力信号に乗らなくなる。
【0041】
クランプ回路25の出力信号はバッファアンプ26に入力する。バッファアンプ26の出力信号はサンプルホールド回路27に入力する。
【0042】
前半期間に、サンプルホールド回路27は、サンプルホールド回路27へのサンプルホールドパルスφSHに基づき、クランプ回路25の前半期間の出力信号に基づいたバッファアンプ26の出力信号をサンプルする。
【0043】
また、後半期間に、サンプルホールド回路27は、サンプルホールドパルスφSHに基づき、サンプルされた信号をホールドし、サンプルホールド回路27の出力信号が、長い期間維持される。
【0044】
サンプルホールド回路27の出力信号はバッファアンプ28に入力する。バッファアンプ28の出力信号はトランスミッションゲート29に入力する。トランスミッションゲート29は、入射光に基づいた光電荷に基づいた出力電圧VOUTを出力する。
【0045】
このようにすると、光信号共通出力線10による第一寄生容量31と初期電圧共通出力線11による第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する容量群20が光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続されるので、光信号共通出力線10による寄生容量と初期電圧共通出力線11による寄生容量とが等しくなる。よって、寄生容量による光信号への影響が排除され、光信号が高精度で補正される。
【0046】
また、容量群20が光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続され、この容量群20は信号によって制御されず、容量群20の制御のための時間が必要ないので、光信号及び初期電圧を読み出す時間が短くならない。よって、光電変換装置は高速化に対応しやすい。
【0047】
また、フォトダイオード1の数が増減したり光電変換ユニット30の数が増減したりしても、その時の状態に基づき、光信号共通出力線10による寄生容量と初期電圧共通出力線11による寄生容量とが等しくなる。よって、フォトダイオード1の数及び光電変換ユニット30の数に関係なく、寄生容量による光信号への影響が排除され、光信号が高精度で補正される。
【0048】
次に、容量群20について説明する。図4は、第一の容量群を示す図である。
【0049】
容量群20は、図4に示すように、複数の容量20a及び複数の金属配線20bを有している。同じ容量値の容量20aが複数用意されてもよいし、異なる容量値の容量20aが複数用意されてもよい。各容量において、容量20aは、対応する金属配線20bを介し、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続されている。
【0050】
このようにすると、半導体装置を製造するために使用されるマスクが変更されて金属配線20bが変更されることにより、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続される容量20cの数が変更され、容量群20の容量値がトリミングされる。よって、第一寄生容量31と第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値が実現されやすくなる。
【0051】
次に、上記と異なる容量群20について説明する。図5は、第二の容量群を示す図である。
【0052】
容量群20は、図5に示すように、複数の容量20c及び複数のスイッチ20dを有している。同じ容量値の容量20cが複数用意されてもよいし、異なる容量値の容量20cが複数用意されてもよい。各容量において、容量20cは、対応するスイッチ20dを介し、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続されている。
【0053】
このようにすると、スイッチ20dのオンオフが制御されることにより、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続される容量20aの数が変更され、容量群20の容量値がトリミングされる。よって、第一寄生容量31と第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値が実現されやすくなる。
【0054】
なお、この電圧Vclamp1は、通常、バッファアンプ22及びバッファアンプ23の電源電圧である。
【0055】
また、図2では、容量群20は、初期電圧共通出力線11に接続されているが、光信号共通出力線10に接続されてもよい。この時、容量群20は、光信号共通出力線10と初期電圧共通出力線11との中で寄生容量が小さいほうに接続される。
【0056】
また、図4では、全ての容量20aが、光信号共通出力線10または初期電圧共通出力線11に接続されているが、一部の容量20aが、接続されてもよい。この時、容量群20の容量値が、第一寄生容量31と第二寄生容量32との差分容量値とほぼ等しい容量値になるよう接続される。
【0057】
また、図1では、フォトダイオードが使用されているが、フォトトランジスタが使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】光電変換ユニットを示す回路図である。
【図2】光電変換装置の前段部分を示す回路図である。
【図3】光電変換装置の後段部分を示す回路図である。
【図4】第一の容量群を示す図である。
【図5】第二の容量群を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
30 光電変換ユニット 10 光信号共通出力線
11 初期電圧共通出力線 18、19 スイッチ
20 容量群 31 第一寄生容量
32 第二寄生容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光に基づいて出力電圧を出力する光電変換装置において、
前記入射光に基づいて光信号を出力する光信号出力手段と、
前記光信号出力手段の出力端子に接続され、前記光信号出力手段の出力端子の電圧を所定の初期電圧にリセットするリセット手段と、
前記光信号出力手段の出力端子に接続され、前記光信号を増幅して増幅光信号を出力し、前記初期電圧を増幅して増幅初期電圧を出力する増幅手段と、
前記増幅手段の出力端子に接続され、前記増幅光信号を保持する光信号保持手段と、
前記増幅手段の出力端子に接続され、前記増幅初期電圧を保持する初期電圧保持手段と、を有する複数の光電変換ユニットと、
全ての前記光電変換ユニットに共通に接続され、各前記光電変換ユニットからの各前記増幅光信号を時系列的に出力し、第一寄生容量を有する光信号共通出力線と、
全ての前記光電変換ユニットに共通に接続され、各前記光電変換ユニットからの各前記増幅初期電圧を時系列的に出力し、第二寄生容量を有する初期電圧共通出力線と、
前記光信号共通出力線または前記初期電圧共通出力線に接続され、前記第一寄生容量と前記第二寄生容量との差分容量値とほぼ等しい容量値を有する調整容量と、
前記増幅光信号から前記増幅初期電圧を減算する減算増幅器と、
を備えていることを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】
前記調整容量は、複数の容量を有し、前記複数の容量は、それぞれ金属配線を介して前記光信号共通出力線または前記初期電圧共通出力線に接続されることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記調整容量は、複数の容量を有し、前記複数の容量は、それぞれスイッチ回路を介して前記光信号共通出力線または前記初期電圧共通出力線に接続されることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−211591(P2008−211591A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47142(P2007−47142)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】