説明

免疫関連疾患を治療するための組成物及び方法

【課題】 ヒトを含む哺乳動物の免疫関連疾患の診断又は治療のための方法を提供する。
【解決手段】 特定のアミノ酸配列を有し、Tリンパ球増殖阻害活性をもつポリペプチド、PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、該配列を含むベクター、該ベクターを含み該ポリペプチドを発現する宿主、該ポリペプチドに融合した、エピトープタグ配列または免疫グロブリン異種ポリペプチドとのキメラ分子、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその断片。医薬組成物や免疫関連疾患の診断キットに有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
その必要がある哺乳動物において、免疫反応を抑制するための組成物であって、配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチド、その断片、該ポリペプチドのアゴニスト抗体、又はアゴニスト抗体の断片及び担体又は賦形剤を含んでなることを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
その必要がある哺乳動物のT細胞媒介疾患等の免疫関連疾患を治療するための組成物であって、配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチド、その断片、該ポリペプチドのアゴニスト抗体、又はアゴニスト抗体の断片の有効量を含む医薬組成物。
【請求項3】
疾患が、全身性紅斑性狼瘡、リウマチ様関節炎、変形性関節症、若年性慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症(強皮症)、特発性炎症ミオパシー(皮膚筋炎、多発性筋炎)、シェーグレン症候群、全身性血管炎症症(systemic vasculitis)、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血(免疫再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿)、自己免疫性血小板減少(特発性血小板減少性紫斑病、免疫仲介血小板減少)、甲状腺炎(グレーブス疾患、ハシモト甲状腺炎、若年性リンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、真性糖尿病、免疫仲介腎疾患(糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎)、多発性硬化症、特発性脱髄性多発神経障害又はギラン-バレー症候群、及び慢性炎症脱髄性多発神経障害等の中枢及び末梢神経系の脱髄疾患、伝染性肝炎(A型、B型、C型、D型、E型肝炎及び他の非肝炎性(nonhepatotropic)ウィルス)、自己免疫性慢性活性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、肉芽腫性肝炎、及び硬化性胆管炎等の肝胆道系疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎:クローン病)、グルテン過敏性腸疾患、ウィップル病、水疱性皮膚疾患、多形性紅斑及び接触性皮膚炎を含む自己免疫又は免疫媒介皮膚疾患、乾癬、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症及び蕁麻疹等のアレルギー性疾患、好酸球性肺炎、特発性肺線維症及び過敏性肺炎等の肺の免疫疾患、拒絶反応及び移植片対宿主疾患を含む移植関連疾患から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
アゴニスト抗体がモノクローナル抗体である、請求項1ないし3の何れか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
アゴニスト抗体が一本鎖抗体である、請求項1ないし3の何れか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
アゴニスト抗体が、非ヒト相補性決定領域(CDR)残基及びヒトフレームワーク領域(FR)残基を持つ、請求項4又は5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記ポリペプチドが、配列番号:16に示されるアミノ酸配列と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1ないし6の何れか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記ポリペプチドが、ATCC受託番号PTA−1179で2000年1月11日に寄託されたDNA145583−2820の全長コード配列によってコードされるアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1ないし6の何れか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記ポリペプチドが、
(a)配列番号:16に示され、その関連シグナルペプチドを欠くポリペプチド;
(b)配列番号:16に示され、その関連シグナルペプチドを伴うポリペプチドの細胞外ドメイン;又は
(c)配列番号:16に示され、その関連シグナルペプチドを欠くポリペプチドの細胞外ドメイン;
と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1ないし6の何れか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチドの存在を測定する方法であって、該ポリペプチドを含有すると推測される細胞を、該ポリペプチドに対する抗体に暴露し、抗体の細胞への結合を測定することを含んでなる方法。
【請求項11】
哺乳動物における免疫関連疾患を診断する方法であって、(a)当該哺乳動物から得た組織細胞の試験試料中、及び(b)同じ細胞型の既知の正常組織細胞のコントロール試料中における、配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出することを含んでなり、試験試料中におけるコントロール試料に比較して高い発現レベルが、当該試験組織細胞を得た哺乳動物における免疫関連疾患の存在を示す方法。
【請求項12】
哺乳動物における免疫関連疾患を診断する方法であって、(a)配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチドに対する抗体を当該哺乳動物から得た組織細胞の試験試料と接触させ、そして(b)試験試料中での抗体とポリペプチドとの間の複合体形成を検出することを含んでなり、該複合体の形成が該哺乳動物における該免疫関連疾患の存在を示す方法。
【請求項13】
配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチドに対する抗体又はその断片及び担体を適当な包装中に具備してなる免疫関連疾患の診断キット。
【請求項14】
抗体を上記ポリペプチドの検出に使用するための説明書をさらに具備する、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
配列番号:16で示されるアミノ酸配列からなるか、または配列番号:16で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列を持ち、かつTリンパ球増殖阻害活性を持つポリペプチドの発現又は活性を阻害することのできる化合物を同定する方法であって、候補化合物と該ポリペプチドとを、これら2成分を相互作用させる条件下で十分な時間接触させることを含んでなる方法。
【請求項16】
候補化合物あるいは上記ポリペプチドが固体支持体上に固定化される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
非固定化成分が検出可能な標識を担持する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
配列番号:16に示したアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸であり、該核酸がコードするポリペプチドがTリンパ球増殖阻害活性を持つ核酸。
【請求項19】
配列番号:15に示したヌクレオチド配列と少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸であり、該核酸がコードするポリペプチドがTリンパ球増殖阻害活性を持つ核酸。
【請求項20】
配列番号:15に示したヌクレオチド配列の全長コード配列と少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸であり、該核酸がコードするポリペプチドがTリンパ球増殖阻害活性を持つ核酸。
【請求項21】
ATCC受託番号PTA−1179で2000年1月11日に寄託されたDNA145583−2820の全長コード配列と少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸であり、該核酸がコードするポリペプチドがTリンパ球増殖阻害活性を持つ核酸。
【請求項22】
請求項18ないし21の何れか1項に記載の核酸を含んでなるベクター。
【請求項23】
ベクターで形質転換される宿主細胞に認識されるコントロール配列に作用可能に結合した請求項22に記載のベクター。
【請求項24】
請求項22に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項25】
前記細胞がCHO細胞である請求項24に記載の宿主細胞。
【請求項26】
前記細胞が大腸菌である請求項24に記載の宿主細胞。
【請求項27】
前記細胞が酵母菌細胞である請求項24に記載の宿主細胞。
【請求項28】
請求項24に記載の宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培養物から前記PROポリペプチドを回収することを含んでなるPROポリペプチドの製造方法。
【請求項29】
配列番号:16に示したアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
【請求項30】
ATCC受託番号PTA−1179で2000年1月11日に寄託されたDNA145583−2820の全長コード配列によってコードされるアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
【請求項31】
異種アミノ酸配列に融合した請求項29又は30に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
【請求項32】
前記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列である請求項31に記載のキメラ分子。
【請求項33】
前記異種アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である請求項31に記載のキメラ分子。
【請求項34】
請求項29又は30に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体。
【請求項35】
前記抗体がモノクローナル抗体、ヒト化抗体又は一本鎖抗体である請求項34に記載の抗体。
【請求項36】
(a)配列番号:16に示したポリペプチドをコードし、その関連シグナルペプチドを欠くヌクレオチド配列;
(b)配列番号:16に示したポリペプチドの細胞外ドメインをコードし、その関連シグナルペプチドを伴うヌクレオチド配列;又は
(c)配列番号:16に示したポリペプチドの細胞外ドメインをコードし、その関連シグナルペプチドを欠くヌクレオチド配列;
と少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
【請求項37】
(a)配列番号:16に示され、その関連シグナルペプチドを欠くポリペプチド;
(b)配列番号:16に示され、その関連シグナルペプチドを伴うポリペプチドの細胞外ドメイン;又は
(c)配列番号:16に示され、その関連シグナルペプチドを欠くポリペプチドの細胞外ドメイン;
と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−197937(P2006−197937A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13034(P2006−13034)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【分割の表示】特願2005−235351(P2005−235351)の分割
【原出願日】平成12年11月10日(2000.11.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】