説明

入力装置

【課題】 操作性の向上が可能な入力装置を提供する。
【解決手段】 複数個のボタン61〜63をタッチパネル11のディスプレイに表示させるとともに、いずれかのボタン61〜63に使用者が接触したことがタッチパネル11の接触センサによって検出されたとき、接触されたボタン61〜63に応じた信号の出力や表示の変更を行う。位置情報を取得する位置情報検出部を有し、取得された位置情報に応じて、図1(a)(b)のように各ボタン61〜63の表示を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、タッチパネルを用いた入力装置が、例えばインターホンシステムの親機等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
タッチパネルは、画像を表示する表示手段と、使用者による操作入力を受け付ける入力手段とが一体化されたものである。上記のようなタッチパネルを用いると、表示手段と入力手段とが別途に設けられる場合に比べ、表示手段の面積の割に小型化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−339144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような入力装置として、タッチパネルの画像においてボタンが表示され、この画像上のボタンに使用者が接触することによって操作入力が受け付けられるものがある。この種の入力装置では、ボタンがどのように表示されるかによって操作性が変化する。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、操作性の向上が可能な入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、画像を表示するディスプレイ、並びに、前記ディスプレイにおける使用者の接触位置を検出する接触センサを有するタッチパネルと、少なくとも1個の外部装置と通信を行うことができる通信部と、前記接触センサの出力に応じた前記通信部の制御、並びに、前記ディスプレイの制御を行う制御部と、自身の位置情報を取得する位置情報取得部とを備え、前記制御部は、複数個の選択肢のいずれかを使用者に選択させる状態では、選択肢に一対一に対応する複数個のボタンを前記ディスプレイに表示させるとともに、該複数個のボタンのいずれかに使用者が接触したことが前記接触センサによって検出されると、接触が検出されたボタンに応じた前記制御を行うものであって、前記位置情報取得部によって取得された位置情報に応じて前記複数個のボタンの表示態様を変更することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、通信部が通信を行う外部装置は1個であって、前記位置情報取得部によって取得される位置情報は、前記外部装置からの距離であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、位置情報取得部によって取得された位置情報に応じて複数個のボタンの表示態様が変更されることで、操作性の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)(b)はそれぞれ本実施形態のタッチパネルに表示される画像の例を示す説明図であり、(a)は副親機と親機との距離が切替距離未満である場合の画像を示し、(b)は副親機と親機との距離が切替距離以上である場合の画像を示す。
【図2】本実施形態を用いたインターホンシステムの概略構成を示す説明図である。
【図3】同上を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図2に示すように、本実施形態の入力装置を搭載した副親機1は、外部装置としての親機2との間で無線通信が可能なものである。
【0013】
上記の副親機1と親機2とは、子器3と、電気錠4とともに、周知のインターホンシステムを構成する。子器3は信号線SLを介して親機2に接続され親機2との間で通話可能なものである。また、子器3にはカメラ(図示せず)を有してこのカメラによる撮像で得られた画像信号を親機2に送信可能となっている。さらに、電気錠4は、例えば玄関の扉(図示せず)等に設けられ、親機2から信号線SLを介して電気信号として送信される制御信号によって制御(解錠及び施錠)されるものである。上記のような親機2と子器3と電気錠4とはそれぞれ周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0014】
詳しく説明すると、副親機1は、タッチパネル11と、通信部12と、通話部13と、制御部14と、位置情報取得部15とを備える。
【0015】
タッチパネル11は、画像を表示するディスプレイ11aとディスプレイ11aにおいて使用者が接触した位置を検出する接触センサ11bとが一体化されたものである。タッチパネル11のディスプレイ11aとしては例えば液晶パネルを用いることができる。また、タッチパネル11の接触センサ11bは、例えば抵抗膜方式や光学方式や超音波方式といった周知の方式で実現することができる。
【0016】
通信部12は、電波を媒体とするワイヤレス信号を親機2との間で送受信するものである。このような通信部12は周知技術で実現可能であるので詳細な図示並びに説明は省略する。
【0017】
通話部13は、親機2との通話に用いられるものである。具体的には、通話部13は、音声を電気信号である音声信号に変換する周知のマイクロホン(図示せず)と、入力された音声信号を音声に変換する周知のスピーカー(図示せず)と、マイクロホンが出力した音声信号(以下、「送話信号」と呼ぶ。)を増幅して通信部12に入力する送話状態と通信部12から入力され増幅された音声信号(以下、「受話信号」と呼ぶ。)をスピーカーに入力する受話状態との一方に択一的に切り替わる周知の音声スイッチ(図示せず)とを備える。音声スイッチは、制御部14の制御によって開始される通話状態では、送話信号の強度と受話信号の強度とを比較し、送話信号の強度の方が受話信号の強度よりも高い場合には送話状態に切り替わり、受話信号の強度の方が送話信号の強度よりも高い場合には受話状態に切り替わるという比較動作を随時行う。上記のような通話部13は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0018】
制御部14は、タッチパネル11のディスプレイ11aと通信部12と通話部13とをそれぞれ制御するものである。このような制御部14は、周知のマイクロコントローラを用いて実現可能である。
【0019】
位置情報取得部15は、位置情報として親機2との間の距離を、例えば親機2から受信されるワイヤレス信号の強度に基いて取得するものである。このような位置情報取得部15は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0020】
また、親機2と子器3とは、それぞれ、副親機1と同様の通話部(図示せず)を備える。
【0021】
以下、制御部14の動作を説明する。
【0022】
後述するモニタ動作や通話動作や電気錠表示動作が行われていない状態(以下、「待機状態」と呼ぶ。)では、制御部14は、図1(a)(b)に示すように、3個のボタン61〜63を表示するように、ディスプレイ11aを制御する。そして、使用者が上記のボタン61〜63のいずれかの領域に接触したことが接触センサ11bに検出されると、制御部14は、接触が検出されたボタン61〜63に応じた動作を行う。
【0023】
すなわち、子器3に対応するボタン(以下、「カメラボタン」と呼ぶ。)61の領域での接触が接触センサ11bにおいて検出された場合、制御部14は、子器3に設けられたカメラでの撮像により得られた画像信号の送信の開始を要求する制御信号を親機2に送信するように通信部12を制御するとともに、該制御信号に応答して親機2から送信された画像信号を画像として再生するようにディスプレイ11aを制御するというモニタ動作を行う。また、制御部14は、モニタ動作中には、上記の画像上に、モニタ動作の終了を指示するボタンを表示させ、モニタ動作中に該ボタンへの接触が検出された場合、画像信号の送信の停止を要求する制御信号を親機2に送信するように通信部12を制御するとともに、モニタ動作を終了して待機状態に復帰する。なお、カメラを有する子器3が複数台接続されている場合、通信部12の制御の前に、子器3の選択を受け付ける動作を挟むとともに、選択された子器3との間で制御信号及び画像信号の送受信が行われるようにすることで、上記のモニタ動作に用いる子器3を選択可能としてもよい。
【0024】
また、親機2に対応するボタン(以下、「室内呼ボタン」と呼ぶ。)62の領域での接触が接触センサ11bにおいて検出された場合、制御部14は、親機2との間での通信部12を介した適宜の信号の送受信の後、親機2との間での通話が可能な通話状態とするように通信部12と通話部13とをそれぞれ制御するという通話動作を開始する。また、制御部14は、通話動作中には、通話動作の終了を指示するボタンを表示させるようにディスプレイ11aを制御し、通話動作中に該ボタンへの接触が検出された場合、通話動作を終了して待機状態に復帰する。なお、上記の通話動作の対象として親機1に接続された子器3等の装置も選択可能とする場合には、通信部12の制御の前に、通話動作の対象の選択を受け付ける動作を挟むとともに、選択された対象との間で通話状態が開始されるようにすることで、通話動作の対象を選択可能としてもよい。
【0025】
さらに、電気錠4に対応するボタン(以下、「電気錠ボタン」と呼ぶ。)63の領域での接触が接触センサ11bにおいて検出された場合、制御部14は、通信部12と親機2と信号線SLとを介した電気錠4との通信により、電気錠4が解錠・施錠のいずれの状態であるかの情報を取得し、取得された情報を表示するようにディスプレイ11aを制御するという電気錠表示動作を開始する。また、制御部14は、電気錠表示動作の終了を指示するボタンを表示させるようにディスプレイ11aを制御し、電気錠表示動作中に該ボタンへの接触が検出された場合、電気錠表示動作を終了して待機状態に復帰する。さらに、取得された情報を表示する画像上で、電気錠4の解錠・施錠の切り替えの操作が受け付けられるようにしてもよい。
【0026】
ここで、制御部14は、位置情報取得部15で取得された位置情報に応じて、同時に表示される複数個のボタン61〜63の表示の態様を変化させる。
【0027】
具体的には、制御部14は、待機状態を開始する際、位置情報取得部15で取得された位置情報としての親機2との距離を所定の切替距離と比較する。
【0028】
そして、親機2との距離が切替距離未満であった場合、親機2との通話が開始される可能性は低く、従って室内呼ボタン62が操作される可能性は低いので、残り2個のボタン61,63のうち比較的に操作される可能性が高いと予想されるカメラボタン61を他の2個のボタン62,63よりも大きく表示する。
【0029】
また、親機2との距離が切替距離以上であった場合、操作される可能性が最も高いと予想される室内呼ボタン62を他の2個のボタン61,63よりも大きく表示する。
【0030】
上記構成によれば、位置情報取得部15で取得された位置情報に基いて、選択される可能性が最も高いと予想されるボタン61〜63の面積を他のボタン61〜63の面積よりも大きくして接触しやすくすることで、操作性の向上が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 副親機(入力装置を含む)
2 親機(外部装置)
4 電気錠
11 タッチパネル
11a ディスプレイ
11b 接触センサ
12 通信部
13 通話部
14 制御部
15 位置情報取得部
61〜63 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するディスプレイ、並びに、前記ディスプレイにおける使用者の接触位置を検出する接触センサを有するタッチパネルと、
少なくとも1個の外部装置と通信を行うことができる通信部と、
前記接触センサの出力に応じた前記通信部の制御、並びに、前記ディスプレイの制御を行う制御部と、
自身の位置情報を取得する位置情報取得部とを備え、
前記制御部は、複数個の選択肢のいずれかを使用者に選択させる状態では、選択肢に一対一に対応する複数個のボタンを前記ディスプレイに表示させるとともに、該複数個のボタンのいずれかに使用者が接触したことが前記接触センサによって検出されると、接触が検出されたボタンに応じた前記制御を行うものであって、前記位置情報取得部によって取得された位置情報に応じて前記複数個のボタンの表示態様を変更することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
通信部が通信を行う外部装置は1個であって、
前記位置情報取得部によって取得される位置情報は、前記外部装置からの距離であることを特徴とする請求項1記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−175580(P2011−175580A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40688(P2010−40688)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】