説明

全てイモの春雨の製造方法

【課題】
本発明の目的は、全てイモの春雨の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
イモを洗浄し、不純物を除去した新鮮なイモの皮を剥き或いは皮を剥かずにイモの乾物を作り、イモ汁100重量部、イモ類澱粉20〜200重量部、変性澱粉0.1〜10重量部、追加補給水0〜20重量部の重量比とし、粉混ぜ機に投入して均等に攪拌させ、イモ汁を作成し、熟成成型し、冷却し、春雨を広げ、計量した後ボックス或いはカップに装入して乾燥成型させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は澱粉を含む収穫物を用いて春雨を生産する方法に関し、特に全てイモの春雨の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、さつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシ、えんどう豆、そら豆、緑豆、ササゲ、とうもろこし、高粱、そば等の農業収穫物を用いて春雨を生産し、通常は先に澱粉を製造してから春雨に加工する二つの工程を経ているが、それぞれの工程は多くのステップを含んでおり、このような方法を用いた場合、生産工程は煩雑になり、生産周期は比較的長く、生産コストは比較的高く、役立つ栄養成分も多く流失してしまい、製品の品質はあまりよくなかった。
【0003】
CN178080Aは全てイモの春雨の生産方法を公開している。該製造方法には新鮮なイモを洗浄し、皮を剥き、浸す或いは皮を剥いたイモを粉砕、破砕にし、スパイスと混ぜ、熟成させて春雨或いはチップス形の春雨に成形し、冷却し、春雨を広げ、乾燥させ、包装する等のステップを含む。加工では必ず洗浄した新鮮なイモの皮を剥き、かつ、化学物質を含む水溶液に浸さなければならないため、生産工程及び消耗が増え、生産効率を低下させ、また原料に含まれる食物繊維、β−カロチン、ビタミンB2、ビタミンC及びビタミンE等の一部の栄養成分が流出してしまい、人体の健康に不利となる化学物質が付着してしまい、生産品質を低下させ、廃棄されたイモのかす等処理しづらく環境汚染もたらす。該製造方法を用いて得られた製品は、再水和した後口あたりが硬く、柔軟でなく、色合いは濁り、再水和して12〜15分後には伸びのないほど柔軟になり、短い春雨が生産され、製品品質はあまり理想的とはいえなかった。該製造方法の乾燥方法を用いると、乾燥させた後の春雨は直線状となり、包装ボックス(カップ、袋)に装入する際に不便であり、折れやすく、製品品質や生産効率に影響を与え、製品は消費者へ乱雑である等の比較的マイナスの視覚的効果を与え、製品の商業価値に影響を与えていた。該製造方法を用いると、断続的な生産しか行えず、機械化による連続生産を実現させるのは難しく、依然として前記の生産工程は比較的多く、生産周期は比較的長く、生産コストは比較的高く、製品品質は理想的ではない等の不足がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記のような従来技術での不足を克服し、新鮮或いは乾燥したイモ類の収穫物或いはその新鮮或いは乾燥した葉、茎を主な原料とし、皮を剥かずに直接春雨或いはチップス形の春雨に加工し、原料の栄養成分の流失を少なくし、製品品質が良好で、天然自然食品の特徴を備え、生産工程が少なく、機械化を用いる割合を高めた全てイモの春雨の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は全てイモの春雨の製造方法を提供し、該製造方法は、
(a)洗浄水で新鮮なイモをきれいに洗浄する、或いは不純物を除去した新鮮なイモの皮を剥く或いは皮を剥かずにイモの乾物を作るステップと、
(b)イモ汁の製造:新鮮なイモをベルトコンベアーで輸送し、人工或いは機械で選別を行い、かつ、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去した後、新鮮なイモの皮を剥く或いは剥かずに破砕、磨砕し或いは両者をあわせてイモ汁を作り、イモ汁液における顆粒の直径を1〜500ミクロンとし、或いはイモ乾物を粉砕して製造したイモ乾物の粉と水を1:2〜5の重量比で混合しイモ汁を作る、或いは乾燥イモと水を1:2〜5の重量比で混合し浸した後に磨砕してイモ汁を作るステップと、
(c)成分とスパイス:イモ汁100重量部、イモ類の澱粉20〜200重量部、変性澱粉0.1〜10重量部、追加補給水0〜20重量部の重量比でそれぞれの分量を取り、粉混ぜ機に投入して混合し均等に攪拌させるステップと、
(d)熟成成形:均等に混合された材料を続けて自動熟成式春雨機或いは加熱式春雨機に投入し、摩擦、熟成、押出により篩い板にかけて春雨或いはチップス形の春雨を成形し、適切な長さに切断する、或いはコーティング法で蒸して熟成させ、糸状或いはチップス形に切り、再度適切な長さに切断する、或いは春雨を漏斗で沸騰した湯の中に垂らし入れて煮て熟成させ、再度適切な長さに切断する、或いはダブルスクリュー膨張機で押出により空洞の管形、螺旋形、動物形、植物形、糸状にするステップと、
(e)冷却:成形した春雨或いはチップス形の春雨を自然冷却或いは冷却キャビン或いは冷却ボックスにて室温にまで冷却させる、或いは−9℃至−15℃の冷蔵庫に入れて急速に温度を下げ、春雨を速やかに氷晶にさせ、2〜10時間冷凍するステップと、
(f)春雨を広げる:自然冷却した春雨を手作業或いは機械でローラーにかける或いは振動により分散させる、或いは冷凍した春雨に常温水のシャワーをかける或いは常温水に浸して自動解凍させて春雨が広がって分散した状態にするステップと、
(g)乾燥成形:分散させた春雨を計量した後成形ボックス或いはカップの中へ装入し、乾燥機の中で乾燥定型させ、乾燥定型した春雨の含水率は≦16%である、これより、全てイモの餅形春雨製品が製造されるステップと、を含むことを特徴とする。
全てイモの餅形春雨は、密封された調味料の小袋、密封された調味油の小袋、箸或いはスプーン等とともにカップ、ボックス或いは袋へ装入して封をすると即席春雨製品を構成する。
【0006】
本発明のステップ(c)の成分とスパイスは、イモ汁100重量部、食用油、硬化油、蜜蝋、グリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物0.05〜0.3重量部、イモ類澱粉20〜200重量部、食用キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、こんにゃく精粉からなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物0.1〜0.5重量部、追加補給水0〜20重量部の重量比でそれぞれの分量を取り、粉混ぜ機に投入して混合し均等に攪拌させ、得られた均等に混合された材料に置き換えられる。
【0007】
本発明のステップ(g)の前記成形ボックス或いはカップは、上部が開口していて春雨を盛りやすく、周壁或いは底部に通気口を有する容器でもよい。
【0008】
本発明の前記新鮮なイモは、さつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物でもよい。
【0009】
本発明の前記イモの乾物は、新鮮なさつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシを洗浄し、皮を剥き或いは皮を剥かず、スライスし、乾燥させた産物であり、とうもろこし、高粱、そば、えんどう豆、そら豆、緑豆、ササゲからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物でもよい。
【0010】
本発明の前記イモ類澱粉はさつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシ、とうもろこし、高粱、そば、えんどう豆、そら豆、緑豆、ササゲからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物でもよい。
【0011】
本発明の前記新鮮なイモ或いはイモの乾物は、80重量%〜100重量%の新鮮なイモ或いはイモの乾物、及び0〜20重量%の新鮮なイモ植物の新鮮な葉或いは茎、或いは粉砕した乾いた葉或いは茎の組合せでもよい。
【0012】
本発明の前記イモ汁は、新鮮なイモを洗浄し、選抜し、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去し、皮を剥いてから、蒸す或いは煮て熟成させ、泥形に搗いて作ったイモ汁でもよい。
【0013】
本発明の前記変性澱粉は、馬鈴薯変性澱粉或いは/及び架橋澱粉等でもよい。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較すると、本発明には以下のような特徴及び優れた効果を有する。
(1)本発明を採用すると、皮を剥く作業を行わず、100%新鮮なイモ或いはイモの乾物の収穫物を用いて春雨(チップス形の春雨)を直接加工し、製品は原料特有の香りと味を有し、特に新鮮な原料で製造した春雨(チップス形の春雨)は最大限に原料の栄養成分を留めることができる。本発明とCN178080Aを比較し、その作業、製品及び効果の相違点は下記表1に示したとおりである。
【表1】

【0015】
(2)本発明の成分には、例えば架橋澱粉、馬鈴薯変性澱粉等の変性澱粉を用いた。架橋澱粉そのものは熱を受けた際には粘着度が増し、最大粘着度のピーク値は現れず、冷却後粘着度は更に高まり、さつまいもに含まれる比較的多くの繊維及び他の成分が引き起こす粘着度の低下を補うことができるとともに、架橋澱粉、馬鈴薯変性澱粉は糊化した後、粘着度の安定性は向上し、熱、酸及び剪断力に対する影響は比較的高い安定性を示し、架橋澱粉は糊化した後、膜の性能が良好になり、かつ、強度は比較的高く、沸騰した湯の中で加熱しても時間の推移によって強度が低下する傾向は現れず、沸騰した湯の中での加熱過程において架橋澱粉は材料内の澱粉粒子の全体性を維持することができ、架橋澱粉の流出を起こさせることはなく、春雨と春雨間で粘つきにより分散しにくいという問題を解決し、同時にスープが濁るのを防ぐこともでき、従来技術が添加する植物油或いは乳化剤に代わり、油脂肪が酸化しやすいために生じる保存期間が短いという問題を避けられる。本発明で添加する架橋澱粉、馬鈴薯変性澱粉は材料が糊化する温度を著しく下げ、消耗を減らすとともに、馬鈴薯変性澱粉が老化した後に結晶状態の結合で安定するため、全てイモの春雨の光沢度は更に良好なものとなり、これにより製品価値は大幅に向上する。製品効果の比較は下記表2のとおりである。
【表2】

【0016】
(3)本発明が冷蔵庫を用いて急速に温度を−9℃至−15℃まで下げ、春雨を速やかに氷結晶にさせ、2〜10時間冷凍する作業を行った際の作業、製品及び効果の比較は下記表3のとおりである。
【表3】

【0017】
(4)本発明は皮を剥く作業、色を保護する作業、及び生産の人工操作を減少させたため、コストを低く抑え、二酸化硫黄の残留を減少させ、また製品の品質を向上させた。
【0018】
(5)本発明の方法を用いて生産した春雨は、現在ある全てイモの春雨と比較して3倍以上の食物繊維と更に多くのビタミンを含有し、常食することにより便秘を防ぎ、大便の通じをよくし、直腸癌の発生を防ぎ、食用者の健康に有利である。特に新鮮な葉を加えた春雨(チップス形の春雨)は、栄養が更に豊富になっただけでなく、かつ、色もさらに自然である。
【0019】
(6)本発明を用いて生産した春雨(チップス形の春雨)は、作業が簡単であり、生産コストは現在ある作業と比較すると20%以上低くなり、製品品質は良好であり、製品付加価値は高い。本発明は2000グラムの新鮮なさつまいも或いは新鮮な馬鈴薯を用いて1000グラムの春雨を加工できるが、従来技術では2500グラムの新鮮なさつまいも或いは新鮮な馬鈴薯を用いて1000グラムの春雨を加工している。本発明を用いて1000グラムのさつまいも或いは馬鈴薯のイモ乾物の春雨を生産するコストはわずか2元であり、通常春雨の販売価格8.0元/1000グラムとしてだけでも純利益は6元/1000グラムに達する。かつ、全てイモの春雨の栄養価値は通常の春雨よりも高く、その販売価格は普通の春雨よりも高くなる。20000元を投資して現在ある自動熟成式春雨加工設備一セットを購入すると、一年間で春雨100トン生産することができ、純利益60万元以上を得られ、商業効果は明らかである。本発明の生産方法の「成分とスパイス」のステップにおいて、変性澱粉(架橋澱粉、馬鈴薯変性澱粉等)を添加した場合、一方では製品の外観を改善でき、伸びを向上させ、消耗を低下させまた春雨が絡まるのを防ぐのに有効であり、成形しやすくなり、春雨を広げる等の利点があり、また他方においては植物油脂の添加によって、製品の保存期間内に油脂酸化による変質が製品の品質問題に与える影響を防ぐことができ、製品品質の向上に有効である。
【0020】
(7)本発明は投資が少なく、リスクが少なく、適用方面は広い。前記原料は中国の東西南北に渡って分布しており、特に南方はさつまいも、キャッサバの生産が盛んであり、北方は馬鈴薯、とうもろこし等の生産が盛んであり、資源は豊富ではあるが、利用開発が十分でないために農民はしばしば新鮮なイモを売り切れずに悩み、投資が少なく、早く効果が得られる製造方法を見つけられずに苦労している。本発明は特に工業機械化の連続生産に適し、また農家個人が投資して生産するにも適しており、即ち一台の自動熟成式春雨機、一台の破砕機と粉混ぜ機だけあれば、若干種類の異なる原料、粗さの異なる春雨(或いはチップス形の春雨)を加工でき、生産周期は短く、効果は極めて高く、また新鮮なイモを貯蔵しづらいという問題を同時に解決することができ、中国のイモ生産地域の農民が豊かになるための近道を見つけたものとなる。経済効果と社会効果は著しい。
【0021】
(8)本発明はイモ類などの収穫物に新たな加工ルートを開拓しただけにとどまらず、今後環境汚染を予防するための問題解決の重要な手段と開発思考を提供し、実用性に優れている。
【0022】
本発明が提供する方法を用いて製造した全てイモの餅形春雨は、密封された調味料の小袋、密封された調味油の小袋、箸或いはスプーン等とともにカップ、ボックス或いは袋へ装入して封をすると即席春雨製品を構成する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例を用いて本発明を詳しく説明する。
【0024】
[実施例1]
以下のステップに基づいて全てイモの春雨を製造した。
(a)洗浄水で新鮮なさつまいも、馬鈴薯及びキャッサバを含む新鮮なイモをきれいに洗浄するステップと、
(b)イモ汁の製造:新鮮なイモをベルトコンベアーで輸送し、機械で選別を行い、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去し、新鮮なイモの皮を剥かずに破砕、磨砕してイモ汁を作り、イモ汁液における顆粒の直径を1〜500ミクロンとするステップと、
(c)成分とスパイス:イモ汁100重量部、さつまいも澱粉200重量部、馬鈴薯変性澱粉10重量部、追加補給水20重量部の重量比でそれぞれの分量を取り、粉混ぜ機に投入して混合し均等に攪拌させるステップと、
(d)熟成成形:均等に混合された材料を続けて精製式春雨機に投入し、摩擦、熟成、押出により篩い板にかけて春雨に成形し、適切な長さに切断するステップと、
(e)冷却:成形した春雨を−15℃の冷蔵庫に入れて急速に温度を下げ、春雨を速やかに氷晶にさせ、2時間冷凍するステップと、
(f)春雨を広げる:前記冷凍した春雨に常温水をシャワーして春雨を自動解凍させて春雨が広がって分散した状態にするステップと、
(g)乾燥成形:分散させた春雨を計量した後成形ボックス或いはカップの中へ装入し、乾燥機の中で乾燥定型させ、乾燥定型春雨の含水率を≦16%とする、これより、全てイモの餅形春雨製品が製造されるステップと、に基づいて製造し、検測を行い製品を衛生基準を満たすようにする。
【0025】
[実施例2乃至9]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、その成分(単位;重量部を変更した。下記表4を参照すること。
【表4】

【0026】
[実施例10]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、ステップ(a)で馬鈴薯の乾物を用い、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモの乾物を粉砕して製造したイモの乾物の粉を用いて水と1:2の重量比で混合してイモ汁を製造した。
【0027】
[実施例11]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、ステップ(a)でタロイモの乾物を用い、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモの乾物を用いて水と1:2の重量比で混合し浸した後に磨砕してイモ汁を製造した。
【0028】
[実施例12]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、熟成成形のステップ(d)において、均等に混合された材料をコーティング法によって蒸して熟し、チップス形に切り、再度適切な長さに切断した。
【0029】
[実施例13]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、熟成成形のステップ(d)において、均等に混合された材料を漏斗で沸騰した湯の中へ垂らし入れて煮て熟し、再度適切な長さに切断した。
【0030】
[実施例14]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、熟成成型のステップ(d)において、均等に混合された材料をダブルスクリュー膨張機で押出して空洞の螺旋状にした。
【0031】
[実施例15]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、冷却ステップ(e)において、成形した春雨を冷却キャビンにて室温まで冷却する方式を用いた。
【0032】
[実施例16]
実施例1の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、イモ汁を製造するステップ(b)におけるイモ汁は、新鮮なイモを洗浄、選別、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いはイモの芽及び他の不純物を除去した後、皮を剥いてから熟すまで蒸し、泥形に搗いて得たイモ汁である。
【0033】
[実施例17]
以下のステップに基づいて全てイモの春雨を製造した。
(a)洗浄水で新鮮なイモをきれいに洗浄するステップと、
(b)イモ汁の製造:新鮮なイモをベルトコンベアーで輸送し、人工で選別を行い、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去した後、新鮮なイモの皮を剥かずに磨砕してイモ汁を作り、イモ汁液における顆粒の直径を1〜500ミクロンとするステップと、
(c)成分とスパイス:イモ汁100重量部、食用油、硬化油、蜂蝋、ショ糖脂肪酸エステルの重量比を1:1:1:1とする混合物0.25重量部、さつまいも澱粉20重量部、食用キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、こんにゃく精粉の重量比を1:2:1:1とする混合物0.1重量部、追加補給水10重量部の重量比でそれぞれの分量を取り、粉混ぜ機に投入して混合し均等に攪拌させ、均等に混合された材料を得るステップと、
(d)熟成成形:均等に混合された材料を続けて加熱式春雨機に投入し、摩擦、熟成、押出により篩い板でチップス形の春雨に成形し、適切な長さに切断するステップと、
(e)冷却:成形したチップス形の春雨を室温まで自然冷却するステップと、
(f)春雨を広げる:前記自然冷却したチップス形の春雨を機器の振動により分散させるステップと、
(g)乾燥成形:分散させたチップス形の春雨を計量した後成形ボックス或いはカップの中へ装入し、乾燥機の中で乾燥定型させ、乾燥定型したチップス形の春雨の含水率を≦16%とする、これより、全てイモの餅形春雨製品が製造されるステップと、に基づいて製造し、検測を行い製品を衛生基準を満たすようにする。
【0034】
[実施例18乃至25]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、その成分の組合せ(単位:重量部)を変更した。下記表5を参照すること。
【表5】

【0035】
[実施例26]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、イモ汁製造のステップ(b)におけるイモ汁は、新鮮なイモを洗浄、選別、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去した後、皮を剥いてから熟すまで蒸す或いは煮て、泥形に搗いて得たイモ汁であり、食用キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、こんにゃく精粉の重量比を1:2:1:1とする混合物0.1重量部を0.1重量部のグアーガムに置き換えた。
【0036】
[実施例27]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、ステップ(a)でイモの乾物を用い、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモの乾物を粉砕してイモの乾物の粉を用いて水と1:2の重量比で混合してイモ汁を製造した。
【0037】
[実施例28]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、ステップ(a)でイモの乾物を用い、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモの乾物を用いて水と1:5の重量比で混合し浸した後に磨砕してイモ汁を製造した。
【0038】
[実施例29]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモ汁を80重量%の新鮮なイモ、及び20重量%の新鮮なイモ植物の新鮮な葉を用いて製造した。
【0039】
[実施例30]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモ汁を90重量%のキャッサバの乾物、及び10重量%のキャッサバの新鮮な植物を粉砕した乾いた茎と水を、(イモの乾物+乾いた茎):水を1:3の重量比で製造した。
【0040】
[実施例31]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造するが、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモ汁を98重量%の新鮮なイモ、及び2重量%の新鮮なイモ植物の粉砕した乾いた葉を用いて製造した。
【0041】
[実施例32]
実施例17の前記方法に基づいて全てイモの春雨を製造したが、イモ汁を製造するステップ(b)において、イモ汁を85重量%のイモの乾物、及び15%イモの新鮮な植物の茎と水を、(イモの乾物+新鮮な茎):水を1:4の重量比で製造した。
【0042】
下記表6は本発明の方法を用いて生産した全てイモの春雨の特徴の一部である。
【表6】

【0043】
本発明は前記実施例に限らず、本発明の前記要旨の範囲においていずれも実施可能であり、かつ前記良好な効果を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全てイモの春雨の製造方法であって、
(a)洗浄水で新鮮なイモをきれいに洗浄する、或いは不純物を除去した新鮮なイモの皮を剥く或いは皮を剥かずにイモの乾物を作るステップと、
(b)イモ汁の製造:新鮮なイモをベルトコンベアーで輸送し、人工或いは機械で選別を行い、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去した後、新鮮なイモの皮を剥く或いは剥かずに破砕、磨砕し或いは両者をあわせてイモ汁を作り、イモ汁液における顆粒の直径を1〜500ミクロンとする、或いはイモの乾物を粉砕して製造したイモ乾物の粉と水を1:2〜5の重量比で混合しイモ汁を作り、或いは乾燥イモと水を1:2〜5の重量比で混合し浸した後に磨砕してイモ汁を作るステップと、
(c)成分とスパイス:イモ汁100重量部、イモ類の澱粉20〜200重量部、変性澱粉0.1〜10重量部、追加補給水0〜20重量部の重量比でそれぞれの分量を取り、粉混ぜ機に投入して混合し均等に攪拌させるステップと、
(d)熟成成形:均等に混合された材料を続けて自動熟成式春雨機或いは加熱式春雨機に投入し、摩擦、熟成、押出により篩い板にかけて春雨或いはチップス形の春雨を成形し、適切な長さに切断する、或いはコーティング法で蒸して熟成させ、糸状或いはチップス形に切り、再度適切な長さに切断する、或いは春雨を漏斗で沸騰した湯の中に垂らし入れて煮て熟成させ、再度適切な長さに切断する、或いはダブルスクリュー膨張機で押出により空洞の管形、螺旋形、動物形、植物形、糸状にするステップと、
(e)冷却:成形した春雨或いはチップス形の春雨を自然冷却或いは冷却キャビン或いは冷却ボックスにて室温にまで冷却させる、或いは−9℃至−15℃の冷蔵庫に入れて急速に温度を下げ、春雨を速やかに氷晶にさせ、2〜10時間冷凍するステップと、
(f)春雨を広げる:自然冷却した春雨を手作業或いは機械でローラーにかける或いは振動により分散させる、或いは冷凍した春雨に常温水のシャワーをかける或いは常温水に浸して自動解凍させて春雨が広がって分散した状態にするステップと、
(g)乾燥成形:分散させた春雨を計量した後成形ボックス或いはカップの中へ装入し、乾燥機の中で乾燥定型させ、乾燥定型した春雨の含水率は≦16%である、これより、全てイモの餅形春雨製品が製造されるステップと、
を含むことを特徴とする全てイモの春雨の製造方法。
【請求項2】
前記ステップ(c)の成分とスパイスは、イモ汁100重量部、食用油、硬化油、蜜蝋、グリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物0.05〜0.3重量部、イモ類澱粉20〜200重量部、食用キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、こんにゃく精粉からなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物0.1〜0.5重量部、追加補給水0〜20重量部の重量比でそれぞれの分量を取り、粉混ぜ機に投入して混合し均等に攪拌させて、得られた均等に混合された材料に置き換えられる、請求項1に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項3】
ステップ(g)の前記成形ボックス或いはカップは、上部が開口していて春雨を盛りやすく、周壁或いは底部に通気口を有する容器である、請求項1又は2に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項4】
前記新鮮なイモ或いはイモの乾物は、80重量%〜100重量%とする新鮮なイモ或いはイモの乾物、及び0〜20重量%の新鮮なイモ植物の新鮮な葉或いは茎、或いは粉砕した乾いた葉或いは茎の組合せである、請求項1に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項5】
前記イモ汁は、新鮮なイモを洗浄し、選抜し、凍傷、腐乱した新鮮なイモ或いは新鮮なイモの芽及び他の不純物を除去し、皮を剥いてから蒸す或いは煮て熟成させ、泥形に搗いて作ったイモ汁である、請求項1に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項6】
前記新鮮なイモは、さつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物である、請求項1、4又は5に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項7】
前記イモの乾物は、新鮮なさつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシを洗浄し、皮を剥き或いは皮を剥かずに、スライスし、乾燥させた産物であり、とうもろこし、高粱、そば、えんどう豆、そら豆、緑豆、ササゲからなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物でもよい、請求項1又は4に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項8】
前記イモ類の澱粉は、さつまいも、馬鈴薯、キャッサバ、タロイモ、クズウコン、蓮根、蕨の根、葛根、ナズナ、百合、トウビシ、とうもろこし、高粱、そば、えんどう豆、そら豆、緑豆、ササゲ澱粉からなる群から選ばれる一種或いは二種或いは二種以上の混合物である、請求項1又は2に記載の全てイモの春雨の製造方法。
【請求項9】
前記変性澱粉は、馬鈴薯変性澱粉或いは/及び架橋澱粉等である、請求項1又は2に記載の全てイモの春雨の製造方法。

【公表番号】特表2010−533002(P2010−533002A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516353(P2010−516353)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【国際出願番号】PCT/CN2008/071551
【国際公開番号】WO2009/009988
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(510011765)
【Fターム(参考)】