共役モノマー及びポリマー並びにそれらの製造及び用途
本発明は、はしご型π共役コアに基づく小分子化合物に関する。これらの化合物は、良好な半導体活性を示す重合化合物を提供する他の成分と重合又は共重合することができる。この教示は、さらに、これら化合物、そのような化合物を組み込んだ組成物、化合物、材料、部材、構造及びデバイスの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、所望の半導体活性を促進するためのはしご型部位を含む新たな共役化合物(例えば、モノマー及びポリマー)を提供する。そのような共役化合物は、高いn型キャリア移動度及び良好な電流変調特性を示すことができる。また、この技術の化合物は、二極性の半導体活性を示すことができる。さらに、この技術の化合物は、溶媒処理性及び/又は大気条件において良好な安定性等の所定の加工性の利点を有することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2007年8月2日にファイルされた米国仮出願60/963,087号の優先権を主張し、その利益を享有し、その全体を参照として取り込む。
本発明は、一部において、ナバル・リサーチ・オフィス(ONR)によって与えられた登録番号N00014-02-1-0909及びN00014-05-1-0541(双方ともノースウェスタン大学に対して)の下連邦政府の支持でなされた。アメリカ合衆国政府には、この発明において特定の権利がある。
【背景技術】
【0002】
共役ポリマーは、特に、薄膜トランジスタ、光電池及び発光デバイスにおいて、有機エレクトロニクスにおける半導体及び電気活性材料としてのそれらの潜在的用途のために、ここ数数十年の科学的及び技術的研究の主な焦点であった。例えば、Sirringhaus, H.ら、Science, 280: 1741-1744 (1998)参照。なかでも、有機薄膜トランジスタ(OTFT)ハ、大面積カバレッジ、低コスト、構造的な柔軟性の利点を併せもっているため、無機材料に基づくより代表的で、主流となっているトランジスタの実行可能な代替と考えられている。例えば、Horowitz, G.、dv. Mater.、10: 365-377 (1998)を参照。トランジスタは、すべての最新の電子機器において、増幅及びスイッチングのために使われる重要な構成要素である。有機トランジスタの2つの重要なデバイス性能測定基準は、電荷キャリア移動度(μ)及び電流オン/オフ比(Ion/Ioff)である。
【0003】
電荷キャリア移動度は、n型に対して1cm2V-1s-1及びp型に対して10cm2V-1s-1に略等しいが、重合半導体に対する移動度は、未だこれらの値を1〜2桁下回ったままである。例えば、Dimitrakopoulos, C.D.ら、Adv. Mater., 14: 99-117 (2002)参照。OTFT用の新たなπ共役重合半導体の設計、システム及び特性は、例えば、直接印字プリンティング技術との適合性、フィルム形成の容易さ、低コスト製造プロセスとの適合性及び柔軟なプラスチック回路との適合性等のポリマーの固有の技術的特性のために重要である。例えば、Zhu, Y.ら、Macromolecules, 38: 7983-7991 (2005)参照。0.1 cm2 V-1s-1の高い移動度がp型ポリマーに対して得られているが(例えば、Sirringhaus, H.ら、Nature, 401: 685-687 (1999)参照)、可溶性n型ポリマーはまれであり、実用的な条件を用いた移動度として報告されたもののうち、最も高いものでもわずか10-6 cm2 V-1s-1に等しい程度である。0.1 cm2 V-1s-1の移動度がn型ポリマーに対して報告されたが、これはポスト−溶媒キャスト法についてのみ達成され、その方法は一般適用のためには実際的でない方法である。例えば、Babel、A.ら; J. Am. Chem. Soc., 125: 13656-13657 (2003)参照。
【発明の概要】
【0004】
上記を考慮して、本発明の技術は、上述した概要を含む最新技術の種々の不足及び欠点に対処することができる有機半導体材料及び関連組成物、複合材料並びに/又はデバイスを提供する。
【0005】
より詳細には、本発明は、所望の半導体活性を促進するためのはしご型部位を含む新たな共役化合物(例えば、モノマー及びポリマー)を提供する。そのような共役化合物は、高いn型キャリア移動度及び良好な電流変調特性を示すことができる。また、この技術の化合物は、二極性の半導体活性を示すことができる。さらに、この技術の化合物は、溶媒処理性及び/又は大気条件において良好な安定性等の所定の加工性の利点を有することができる。
【0006】
この技術の化合物は、一般に、平面的なπ共役コアを含む。例えば、インダセン、インデノフルオレン及びテトラフェニレン並びに1以上の炭素原子がO、S、Si、Se、N又はP等のヘテロ原子で置き換わったそれらの類似体が挙げられる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まなければ、これらコアの高いπ共役及び平面特性は、π電子の局在化を可能にし、良好な分子間のπスタッキングを提供すると考えられる。
【0007】
これらのコアの物理及び/又は電気化学的特定をさらに高めるために、カルボニル基等の1以上の電子求引基及び/又はマロノニトリル基を、π共役コアに導入することができる。そのような電子欠損官能基は、低LUMO準位に寄与することができ、半導体活性を促進することができる。さらに、π共役の破壊を引き起こすことなく、可溶性を助けるために、アルキル鎖(アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基等のような類似基)を、パイ共役コア又はπ共役における官能基を改変するために導入することができる。
【0008】
一観点において、この技術は、式Iの化合物に関する。
【化1】
ここで、Ra, Ra', Rb, Rb', Rc, Rc'及びWは、ここで定義するとおりである。
【0009】
また、本教示は、式III、式IV及び式Vの化合物に関する。
【化2】
ここで、a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, p, q, W及びZは、ここで定義するとおりである。
さらに、式I、式III、式IV及び式Vの化合物は、ここで説明した1以上の所望の特性を有する特定の重合化合物を提供する構成単位として用いることができる。
【0010】
従って、別の観点では、本教示は、また式I、式III、式IV及び式Vの1以上の化合物の重合生成物に関する。いずれかの実施形態では、本教示は、式II’又は式II”の繰り返し単位を含むポリマーに関する。
【化3】
ここで、Ra, Ra', Rc, Rc', Rd及びWは、ここで定義するとおりである。
【0011】
いずれかの実施形態では、本教示は、式VIの繰り返し単位を含むポリマーに関する。
【化4】
ここで、Aは、存在する場合には独立して、式III’、式IV’又は式V’であり、
【化5】
Eは、存在する場合には独立して、2価のC6-14アリール又は2価の5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれは、任意にここで定義される置換基で置換されていてもよく、a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, p, q, x, y, W及びZは、ここで定義するとおりである。
【0012】
さらに、本教示は、そのような化合物の製造方法並びにここに開示する化合物を組み込んだ半導体材料及び種々の組成物、複合体及びデバイスを提供する。
本教示並びに本教示の他の特性及び利点は、以下の図面、記載及び請求項から十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下に記す図面は、説明の目的のみのためであることを理解すべきである。図面は、どんな形態であっても、本教示の範囲を制限することを意図しない。
【図1A】THF中の本教示の例示化合物(4、5及び6)の周期的ボルタンモグラムを示す(そのピークによる内部標準を0.54Vに調整するようにフェロセンを使用した)。
【図1B】THF中の本教示の例示化合物(9及び10)の周期的ボルタンモグラムを示す(そのピークによる内部標準を0.54Vに調整するようにフェロセンを使用した)。
【図2A】THF中の本教示の例示化合物(4、5及び6)の紫外線−可視(UV-Vis)及びフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図2B】THF中の本教示の例示化合物(9及び10)の紫外線−可視(UV-Vis)及びフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図3A】THF中の本教示の例示化合物(ホモポリマーTPDC)のUV-Visスペクトルを示す。
【図3B】THF中の本教示の例示化合物(ホモポリマーTPDC)の周期的ボルタンモグラムを示す。
【図4A】THF中の本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)のUV-Visスペクトルを示す。
【図4B】THF中の本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)の周期的ボルタンモグラムを示す。
【図5A】本教示の例示化合物(10)を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)の代表的なトランスファープロットである。
【図5B】本教示の例示化合物(10)を含むOFETのな出力プロットである。
【図5C】本教示の例示化合物(10)を含むOFETの薄膜x線回折(XRD)である。
【図6A】本教示の例示化合物(ポリマーTPDC)を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)の代表的なトランスファープロットである。
【図6B】本教示の例示化合物(ポリマーTPDC)を含むOFETの代表的な出力プロットである。
【図7A】本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)の代表的な二極性トランスファープロットである。
【図7B】本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)を含むOFETの代表的なn型出力プロットである。
【図7C】本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【図8】THF中の本教示の例示化合物(5B、9B、10B、19、20及び30)の周期的ボルタンモグラムを示す(そのピークによる内部標準を0.54Vに調整するようにフェロセンを使用した)。
【図9】THF中の本教示の例示化合物(5B、9B、10B、19、20及び30)の紫外線−可視(UV-Vis)スペクトルを示す。
【図10】THF中の本教示の例示化合物(5B、9B、10B、19、20及び30)のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図11AB】本教示の例示化合物(20及びIFDMT4-12)をそれぞれ含む2つのOFETデバイスの薄膜x線回折(XRD)を示す。
【図12】本教示の例示化合物(20)を含むOFETの代表的なトランスファープロットである。
【図13】本教示の例示化合物(20)を含むOFETの代表的な出力プロットである。
【図14】本教示の例示化合物(コポリマーIFDMT4-12)を含むOFETの代表的な二極性トランスファープロットである。
【図15】本教示の例示化合物(コポリマーIFDKT2)を含むOFETの代表的なトランスファープロットである。
【図16】本教示の例示化合物(コポリマーTPDKT2)を含むOFETの代表的なトランスファープロットである。
【図17】本教示の例示化合物(5B)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【図18】本教示の例示化合物(5B)を含むOFETの代表的なn型出力プロットである。
【図19】本教示の例示化合物(19)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【図20】本教示の例示化合物(19)を含むOFETの代表的なn型出力プロットである。
【図21】本教示の例示化合物(9B)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本教示は、はしご型π共役コアに基づく低分子化合物に関する。これらの化合物は、良好な半導体活性を示す重合化合物を提供する他の成分と重合又は共重合することができる。本教示は、さらに、これら化合物の製造方法、そのような化合物を組み込んだ組成物、複合体、材料、製品、構造及びデバイスに関する。
【0015】
明細書全体わたって、組成物は、特定の成分を有する、含む又は備えるものとして説明され、プロセスは、特定の製造工程を有する、含む又は備えるものとして説明され、また、本教示の組成物は、当該化合物から実質的になる又はからなることを意図し、本教示のプロセスは当該製造工程から実質的になる又はからなることを意図する。
【0016】
本願では、要素又は成分は、引用された要素又は成分のリストにおけるものを含み及び/又はリストから選択され、要素又は成分は、引用された要素又は成分のいずれか1つとすることができ、引用された要素又は成分の2以上からなる群から選択することができることを理解すべきである。さらに、要素及び/又は組成物、装置の特徴又はここで説明された方法は、ここで明白であるか黙示的であるかにかかわらず、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく種々の方法により組み合わせることができる。
【0017】
用語「含む」「含む」「含んでいる」「有する」「有する」又は「有している」の使用は、通常、特に断りのない限り、オープンエンド型または非限定として理解すべきである。
ここでの単数形の使用は、特に断りのない限り複数形(その逆)を含む。さらに、用語「約」の使用は、量に関する値の前にあり、本教示は、特に断りのない限り、特定の量に関する値を含む。ここで用いられるように、「約」は、名目上の値の±10%を指す。
【0018】
工程の順序又は特定の作用を行うための順序は、本教示が操作可能である限り、重要でないことを理解すべきである。さらに、2以上の工程又は作用を同時に行ってもよい。
【0019】
ここで用いられるように、「ポリマー」又は「重合性化合物」は、共有化学結合によって結合する繰り返し単位の複数を含む分子をさす。ポリマーは、繰り返し単位の1種のみを有していてもよいし、2以上の異なる繰り返し単位を有していてもよい。前者の場合、ポリマーは、ホモポリマーとみなすことができ、あるモノマーの自己重合の生成物である。後者の場合、用語「コポリマー」又は「共重合性化合物」を特に、ポリマーが化学的に著しく異なる繰り返し単位を含む場合に、その代わりに用いることができる。コポリマーは、2以上の異なるモノマーの重合の生成物である。いくつのタイプの繰り返し単位を有しているかにかかわらず、ポリマーは線形であっても又は分岐されていてもよい。分岐ポリマーは、樹状化ポリマー、超分岐ポリマー、ブラッシュポリマー(また、ボトルブラッシュともいわれる)等のようなデンドリックポリマーを含むことができる。特に断りのない限り、コポリマーにおける繰り返し単位の組み立ては、ヘッド−トゥ−テイル、ヘッド−トゥ−ヘッド又はテイル−トゥ−テイルとすることができる。さらに、特に断りのない限り、ポリマーはランダムコポリマー、交互コポリマー又はブロックコポリマーとすることができる。
【0020】
ここで用いられているように「溶媒処理可能」とは、スピンコーティング、プリンティング(例えば、インクジェットプリンティング)、スプレイコーティング、エレクトロスプレイコーティング、ドロップキャスティング、ディップコーティング及びブレードコーティングを含む種々の溶媒相加工処理で用いることができる化合物、材料又は組成物を指す。
ここで用いられているように、「ハロ」又は「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。
ここで用いられているように、「オキソ」とは、二重結合された酸素(つまり、=O)を指す。
ここで用いられているように、「アルキル」とは、直鎖又は分岐飽和炭化水素基を指す。例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、ヘキシル、ヘプチル等が挙げられる。種々の実施形態において、アルキル基は、1〜30の炭素原子(つまり、C1-30アルキル基)を有することができる。いすれかの実施形態において、アルキル基は、1〜20の炭素原子(つまり、C1-20アルキル基)を有することができる。ある実施形態では、アルキル基は、1〜6の炭素原子を有することができ、「低級アルキル基」として示すことができる。低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)等が挙げられる。いずれかの実施形態では、アルキル基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。アルキル基は、一般に、他のアルキル基又はアルケニル又はアルキニル基で置換されていない。
【0021】
ここで用いられているように、「ハロアルキル」は、1以上のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。ハロアルキル基としては、CF3, C2F5, CHF2, CH2F, CCl3, CHCl2, CH2Cl, C2Cl5等が挙げられる。ペルハロアルキル基、つまり全ての水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基(例えば、CF3及びC2F5)が、「ハロアルキル」の定義に含まれる。例えば、C1-30ハロアルキル基は、式-CmH2m+1-tXt(ここで、XはF, Cl, Br又はI、mは1〜30の整数、tは1〜61の整数、ただし、tは2m+1以下である)を有することができる。ペルハロアルキル基でないハロアルキル基は、ここで開示されているように置換基を有していてもよい。
【0022】
ここで用いられているように、「アリールアルキル」は、−アルキル−アリール基を指し、アリールアルキル基は、アルキル基を介して定義された化学構造に共有結合されている。アリールアルキル基は、-Y-C6-14アリール基の定義のものであり、ここで、Yはここで定義されているとおりである。アリールアルキル基としては、ベンジル基(-CH2-C6H5)が挙げられる。アリールアルキル基は置換されていてもよく、つまり、アリール基及び/又はアルキル基は、ここで開示されるように置換されていてもよい。
【0023】
ここで用いられているように、「アルケニル」とは、1以上の炭素二重結合を有する直鎖又は分岐アルキル基を指す。アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル基等が挙げられる。1以上の炭素−炭素二重結合は、分子内(2−ブテンのように)にあってもよいし、末端(1−ブテンのように)にあってもよい。種々の実施形態において、アルケニル基は、2〜30の炭素原子(つまり、C2-30アルケニル基)を有することができる。いずれかの実施形態において、アルケニル基は、2〜20の炭素原子(つまり、C2-20アルケニル基)を有することができる。ある実施形態では、アルケニル基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。アルケニル基は、一般に、他のアルケニル基又はアルキル又はアルキニル基で置換されていない。
【0024】
ここで用いられているように、「アルキニル」とは、1以上の炭素三重結合を有する直鎖又は分岐アルキル基を指す。アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル基等が挙げられる。1以上の炭素−炭素三重結合は、分子内(2−ブチンのように)にあってもよいし、末端(1−ブチンのように)にあってもよい。種々の実施形態において、アルキニル基は、2〜30の炭素原子(つまり、C2-30アルキニル基)を有することができる。いすれかの実施形態において、アルキニル基は、2〜20の炭素原子(つまり、C2-20アルキニル基)を有することができる。ある実施形態では、アルキニル基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。アルキニル基は、一般に、他のアルキニル基又はアルキル又はアルケニル基で置換されていない。
【0025】
ここで用いられているように、「シクロアルキル」とは、環化アルキル、アルケニル及びアルキニル基を有する非芳香炭素環式基を指す。シクロアルキル基は、単環式(例えば、シクロヘキシル)又は多環式(例えば、縮合、橋かけ及び/又はスピロ環式を含む)であってもよく、炭素原子は、環式の内側又は外側に配置している。シクロアルキル基のいずれかの適切な環位置は、定義された化学構造に共有結合することができる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカリール、アダマンチル及びスピロ[4.5]デカニル基並びに同族体、アイソマー等が挙げられる。ある実施形態では、シクロアルキル基は、ここで開示されるように置換基を有していてもよい。
【0026】
ここで用いられるように、「ヘテロ原子」とは、炭素又は水素以外のいずれかの元素の原子を指し、例えば、窒素、酸素、珪素、硫黄、リン及びセレニウムが挙げられる。
【0027】
ここで用いられるように、「シクロヘテロアルキル」とは、O, S, Se, N, P及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O, S及びN)を含み、1以上の二重又は三重結合を任意に含む非芳香性シクロアルキル基を指す。シクロヘテロアルキル基は、3〜20の環原子、例えば、3〜14の環原子(つまり、3−14員シクロヘテロアルキル基)を有することができる。シクロヘテロアルキル環における1以上のN, P, S又はSe原子(例えば、N又はS)ハ、酸化されていてもよい(例えば、モルホリンN−オキシド、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS,Sジオキシド)。ある実施形態では、シクロヘテロアルキル基の窒素原子は、例えば、水素原子、アルキル基又はここで開示されているような他の置換基等の置換基を有していてもよい。また、シクロヘテロアルキル基は、オキソピペリジル、オキソオキサゾリジル、ジオキソ(1H,3H)−ピリミジル、オキソ−2(1H)−ピリジル等の1以上のオキソ基を含んでいてもよい。シクロヘテロアルキル基としては、特に、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、イミダゾリジニル、イミダゾチニル、オキサゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、プロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニル等が挙げられる。ある実施形態では、シクロヘテロアルキル基は、ここで開示されるように置換されていてもよい。
【0028】
ここで用いられるように、「アリール」は、芳香族単環式炭化水素環又は2以上の芳香族炭化水素環がともに縮合した(つまり、共通した結合を有する)又は少なくとも1つの芳香族単環式炭化水素環が1以上のシクロアルキル及び/又はシクロヘテロアルキル環に縮合した多環式環を指す。アリール基は、6〜14の炭素原子を、多縮合環を含むその環システムに有することができる。ある実施形態では、多環アリール基は、8〜14の炭素原子を含むことができる。アリール基のいくつかの適当な環位置は、定義された化学構造を共有結合することができる。芳香族炭素環のみを有するアリール基としては、フェニル、1−ナフチル(二環式)、2−ナフチル(二環式)、アントラセニル(三環式)、フェナントレニル(三環式)等の基が挙げられる、少なくとも1つの芳香族炭素環が1以上のシクロアルキル及び/又はシクロヘテロアルキル基に縮合した多環式系としては、特に、シクロペンタン(つまり、5,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のインダニル基)、シクロヘキサン(つまり、5,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のテトラヒドロナフチル基)、イミダゾリン(つまり、5,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のベンズイミダゾリニル基)及びプラン(つまり、6,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のクロメニル基)のベンゾ誘導体が挙げられる。アリール基の他の例としては、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、クロマニル、インドリニル基等が挙げられる。いずれかの実施形態では、アリール基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。いずれかの実施形態では、アリール基は、1以上のハロゲン置換基を有していてもよく、「ハロアリール」基ということができる。ペルハロアリール基、つまり、水素原子の全てがハロゲン原子で置き換わったアリール基(例えば、-C6F5)が「ハロアリール」の定義に含まれる。ある実施形態では、アリール基は、他のアリール基で置換され、ビアリール基とすることができる。ビアリール基におけるアリール基のそれぞれは、ここで開示されるように置換されていてもよい。
【0029】
ここで用いられるように、「ヘテロアリール」は、酸素、窒素、硫黄、珪素及びセレニウムから選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む芳香族単環系又は環系に存在する少なくとも1つが芳香性で、少なくとも1つの環へテロ原子を含む多環系を指す。多環へテロアリール基は、ともに縮合した2以上のヘテロアリール環及び1以上の芳香族炭素環、非芳香族炭素環及び/又は非芳香族シクロヘテロアルキル環に縮合した単環式ヘテロアリール環を含む。ヘテロアリール基は、全体として、例えば、5〜14環原子を有することができ、1〜5環へテロ原子を含む。ヘテロアリール基は、安定な構造をもたらすいずれかのヘテロ原子又は炭素原子で定義された化学構造に結合することができる。一般に、ヘテロアリール環は、O-O, S-S又はS-O結合を含まない。しかし、ヘテロアリール基における1以上のN又はS原子が酸化されていてもよい(例えば、ピリジンN−オキシド、チオフェンS−オキシド、チオフェンS,S−ジオキシド)。ヘテロアリール基としては、例えば、以下に示す5又は6員の単環及び5又は6二環系が挙げられる。
【0030】
【化6】
ここで、TはO、S、NH、N-アルキル、N-アリール、N-(アリールアルキル)(例えば、N-ベンジル)、SiH2、SiH-(アルキル)、Si(アルキル)2、SiH-(アリールアルキル)、Si-(アリールアルキル)2又はSi(アルキル)(アリールアルキル)である。
ヘテロアリール環としては、ピロール、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリミダジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、キノリル、2-メチルキノリル、イソキノリル、キノキサリル、キナゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、シンノリニル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフリル、ナフチリジニル、フタラジニル、フテリジニル(pteridinyl)、プリニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニルピリドピラジニル、イミダゾピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ピリドピリミジニル、ピロドピラジニル、ピリドピリダジニル、チエノチアゾリル、チエノキサゾリル、チエノイミダゾリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基のさらなる例として、4,5,6,7−テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾチエノピリジニル、ベンゾフロピリジニル基等が挙げられる。ある実施形態では、ヘテロアリール基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。
【0031】
本教示の化合物は、2つの他の部位と共有結合を形成することができる結合基として、ここに定義される二価基を含むことができる。例えば、本教示の化合物は、例えば、メチレン基のような二価のC1-20アルキル基を含むことができる。
【0032】
全ての一般的な種類を反映する、最も一般的な置換基の数百の電子供与性又は電子求引性が決定され、定量化され、公表されている。電子供与性及び電子求引性で最も一般的な定量化は、ハメットσ値に関するものである。水素はゼロのハメット値を有し、一方、他の置換基は、それらの電子供与性又は電子求引性に直接関連して、陽性又は陰性を増大するハメット値を有する。陰性のハメット値を有する置換基は、電子供与するものと考えられ、一方、陽性のハメット値を有する置換基は、電子求引するものと考えられる。多数の一般に生じる置換基についてのハメット値をリストする、Lange’s Handbook of Chemistry, 12th ed., McGraw Hill, 1979, Table 3-12, pp. 3-134 to 3-138を参照(ここに引用することによって取り込む)。用語「電子受容基」は「電子アクセプター」及び「電子求引基」と同義でここで使うことができることを理解すべきである。特に、「電子求引基」(「EWG」)又は「電子受容基」又は「電子アクセプター」は、それが分子中で同じ位置を占有するならば水素原子がそうであろうよりも自体に電子を求引する官能基を指す。電子求引基の例は、限定されないが、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)、-NO2、-CN、-NC、-OH、-OR0、-SH、-SR0、-S(R0)2+、-NH2、-NHR0、-NR02、-N(R0)3+、-SO3H、-SO2R0、-SO3R0、-SO2NHR0、-SO2N(R0)2、-COOH、-COR0、-COOR0、-CONHR0、-CON(R0)2、C1-30ハロアルキル基、C6-14アリール基及び5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、R0はC1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C1-30アルコキリ基、C6-14アリール基、C3-14シクロアルキル基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基であり、それぞれ、任意に1-5のR9で置換されていてもよく、R9は、ここで定義されたとおりである。
【0033】
本明細書の種々のところで、化合物の置換基は、基又は範囲で開示される。特に、本明細書は、そのような基及び範囲のメンバーのそれぞれの及びすべての個々のサブコンビネーションも含むことを意図する。例えば、用語「C1-6アルキル」は、特に、C1, C2, C3, C4, C5, C6, C1-C6, C1-C5, C1-C4, C1-C3, C1-C2, C2-C6, C2-C5, C2-C4, C2-C3, C3-C6, C3-C5, C3-C4, C4-C6, C4-C5及びC5-C6アルキルのそれぞれを開示することを意図する。他の例として、0から40の範囲の整数は、特に、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39及び40を個々に開示することを意図し、1から20の範囲の整数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19及び20の個々を開示することを意図する。さらなる例として、「任意に1から5の置換基で置換されていてもよい」というフレーズは、0, 1, 2, 3, 4, 5, 0-5, 0-4, 0-3, 0-2, 0-1, 1-5, 1-4, 1-3, 1-2, 2-5, 2-4, 2-3, 3-5, 3-4及び4-5の置換基を含むことができる化学基を個々に開示することを意図する。
【0034】
ここで用いられているように、「p型半導体材料」又は「p型半導体」は、主な電流キャリアとしての正孔を有する半導体材料を指す。ある実施形態では、p型半導体材料が基材上に堆積された場合、約10-5 cm2/Vsを超える正孔移動度を与えることができる。電界効果デバイスの場合、p型半導体は、約10より大きなオン/オフ電流比を示すことができる。
【0035】
ここで用いられているように、「n型半導体材料」又は「n型半導体」は、主な電流キャリアとしての電子を有する半導体材料を指す。ある実施形態では、n型半導体材料が基材上に堆積された場合、約10-5 cm2/Vsを超える電子移動度を与えることができる。電界効果デバイスの場合、n型半導体は、約10より大きなオン/オフ電流比を示すことができる。
【0036】
ここで用いられるように、「電界効果移動度」は電荷キャリア、例えばp型半導体材料の場合正孔(又は正電荷のユニット)及びn型半導体材料の場合電子が電界の影響を受けている材料中を移動する速度の尺度を指す。
明細書を通して、構造は化学名で提示されるかもしれないか、提示されないかもしれない。いずれかの疑問が命名法に関して生じる場合、構造が優先される。
【0037】
一観点において、本教示は、1以上の(例えば2以上)電子求引基と、任意に、可溶性を改善することができる1以上の(例えば2以上)化学基とともに感応化することができる平面的π共役コアを有する化合物を提供する。平面的π共役コアは、通常、3以上の環(例えば3、5、7又は9)を含み、環の中心は、1以上の可溶性を促進すル基で官能化されていてもよい。π共役コアはの他の位置は、ここに開示したように任意に置換されていてもよい。
【0038】
より詳細には、一観点では、本教示は、式Iの化合物を提供する。
【化7】
式中、
Ra及びRa′は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f) -Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、個々のC1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基は、任意に1-5のRi基で置換されていてもよく、あるいは、Rb及びRc、Rb′及びRc′のそれぞれは、各基が結合するそれぞれの炭素原子の対とともに、独立して、任意に1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成してもよい;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NRe又はC(CN)2;
Rdは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)-Y-Rf、h)=W、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよい;
Reは、存在する場合には独立して、H又は任意に1-5のRi基で置換されていてもよいC1-30アルキル基;
Rfは、存在する場合には独立して、-(L)r-Rg;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)〜d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rgは、存在する場合には独立して、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rhは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のぞれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Riは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合;及び
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【0039】
本教示は、所定の化合物を排除することができることを理解すべきである。例えば、本教示は、以下の式を有する化合物を排除することができる。
【化8】
式中、Ra及びRa′は独立して、H又は非置換フェニル基である。
【0040】
式Iの化合物の種々の実施形態で、Wは、O又はC(CN)2とすることができる。ある実施形態では、Wは、Oとすることができる。ある実施形態では、Wは、C(CN)2とすることができる。
【0041】
種々の実施形態において、Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、Ra及びRa′は独立して、H、C6-22アルキル基又はC6-22ハロアルキル基とすることができる。
【0042】
種々の実施形態において、本教示の化合物は、式I’を有することができる。
【化9】
式中、Rb、Rb′、Rc、及びRc′は独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Ra、Ra′、Re、Rf、Ri及びYは、ここに定義した通りである。
【0043】
ある実施形態では、Rb, Rb′, Rc,及びRc′は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rfとすることができる、ここで、Re 、Rf及びYはここに定義したとおりである。例えば、Rb、Rb′、Rc及びRc′は独立して、H、ハロゲン、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rf,とすることができ、ここで、Re, Rf及びYはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Yは共有結合とすることができる。ある実施形態では、Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又はハロゲンである。例えば、少なくとも1つのRb、Rb′、Rc及びRc′は、Brを含むハロゲンとすることができる。ある実施形態では、Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又は-(L)r-Rgとすることができる。ここで、L、Rg及びrは、ここに定義したとおりである。特別な実施形態では、Rc及びRc′のそれぞれは、Hとすることができる。
【0044】
種々の実施形態では、rは、0、1又は2とすることができる。種々の実施形態では、Lは、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよい。ここで、Riはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Lは、任意に1-4のRi基で置換されていてもよい二価のフェニル基とすることができる。ある実施形態では、Lは、任意に1-4のRi 基で置換されていてもよい二価のチエニル基とすることができる。ある実施形態では、Rgは、C6-14アリール基又は5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に、1-5のRh基で置換されていてもよい。ここで、Rhは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rgは、任意に1-5のRh基で置換されたフェニル基である。ある実施形態では、Rg は、任意に1-4のRh基で置換されたチエニル基である。例えば、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択することができる。
【化10】
式中、rは、0、1又は2とすることができ、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiとすることができる。Rkは、存在する場合には独立して、H又はRhとすることができる。Rh及びRiはここに定義するとおりである。
【0045】
種々の実施形態では、Rb及びRcは、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成することができる。ここで、Rdは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rb及びRcは、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-4のRd基で置換されていてもよいフェニル基を形成することができる。種々の実施形態では、Rb′及びRc′は、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成することができる。ここで、Rdは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rb′及びRc′は、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-5のRd基で置換されていてもよいフェニル基を形成することができる。ここで、Rdは、ここに定義したとおりである。
【0046】
従って、種々の実施形態では、本教示の化合物は、式I”を有することができる。
【化11】
ここで、Ra, Ra′及びRdは、ここに定義したとおりである。
【0047】
種々の実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rfとすることができ、ここで、Re、Rf及びYはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン及び-(L)r-Rgとすることができ、ここで、L、Rg及びrは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Yは共有結合とすることができる。ある実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン及び-(L)r-Rgから選択することができ、ここで、L、Rg及びrは、ここに定義したとおりである。例えば、rは、0, 1又は2とすることができる。例えば、Lは二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Riはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Lは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよいフェニル基とすることができる。ある実施形態では、任意に、1-4のRi基で置換されていてもよい二価のチエニル基とすることができる。例えば、Rgは、C6-14アリール基又は5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に、1-5のRh基で置換されていてもよい。ここで、Rhは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rgは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよいフェニル基とすることができる。ある実施形態では、Rgは、任意に、1-4のRi基で置換されていてもよいチエニル基とすることができる。特別な実施形態では、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択することができる。
【化12】
【化13】
ここで、rは、0、1又は2であり、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiとすることができ、Rkは、存在する場合には独立して、H又はRhとすることができ、Rh及びiは、ここに定義したとおりである。
【0048】
式Iの例示化合物は、以下が挙げられる。
【化14】
【化15】
【0049】
他の観点では、本教示は、1以上のモノマーの重合生成物を提供し、少なくとも1つのモノマーは、式Iの化合物とすることができる。
従って、種々の実施形態では、ポリマーは、式II’又は式II”の繰り返し単位を含むことができる。
【化16】
ここで、Ra, Ra′, Rc, Rc′, Rd及びWは、ここに定義したとおりである。
【0050】
式II’及び式II”の化合物の種々の実施形態では、Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、Ra及びRa′は、独立して、H、C6-22アルキル基又はC6-22ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、Ra及びRa′は、存在する場合には独立して、H、ヘキシル基、ドデシル基及びドコシル基とすることができる。ある実施形態では、Rc及びRc′のそれぞれは、Hとすることができる。
【0051】
ある実施形態では、Wは、Oとすることができる。ある実施形態では、Wは、C(CN)2とすることができる。ある実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、H、ヘキシル基、ドデシル基及びドコシル基とすることができる。
【0052】
種々の実施形態では、ポリマーは、式II’又は式II”の繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、1以上のさらなる繰り返し単位は、独立して、以下から選択することができる。
【化17】
【化18】
ここで、Rd はここで定義するとおりである。
【0053】
従って、ある実施形態では、本教示のポリマーは、以下から選択される式を有することができる。
【化19】
【化20】
ここで、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiとすることができ、Riは、ここで定義するとおりであり、nは5から100の範囲の整数とすることができる。
【0054】
他の観点では、本教示は、式III、式IV又は式Vの化合物を提供する。
【化21】
式中、
a、d、e、f、g、j、k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり、
b、c、h及びiは、独立して、CR2、N又はPであり、
pはCR3であり、
qはCRであり、
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NR1又はC(CN)2であり、
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり、
Zは、CR3R4又はSiR3R4であり、
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R2は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2R5、f)-Sn(R5)3、g)-B(OR5)2、h)-Y-R6、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R3及びR4は、独立して、a)C1-30アルキル基、b)C2-30アルケニル基、c)C2-30アルキニル基、d)C1-30ハロアルキル基、e)-Y-C3-14シクロアルキル基、f)-Y-C6-14アリール基、g)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はh)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり、
R6は、存在する場合には独立して、-(L)r-R7であり、
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員 シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R7は、存在する場合には、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよく、
R8は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2R5、e)-Sn(R5)3、f)-B(OR5)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基であり、
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【0055】
種々の実施形態では、Wは、Oとすることができる。種々の実施形態では、Wは、C(CN)2とすることができる。
種々の実施形態では、a, d, e, f, g, j, k及びlは、独立して、CR1とすることができる。例えば、それぞれのa, d, e, f, g, j, k及びlは、CHとすることができる。
【0056】
種々の実施形態では、b, c, h及びiは、独立して、CR2とすることができ、R2は、存在する場合には独立して、H、ハロゲン、-OS(O)2R5, -Sn(R5)3, -B(OR5)2及び -Y-R6基から選択することができ、ここで、R5R6及びYは、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、Yは共有結合とすることができる。ある実施形態では、それぞれのc及びhは、CHとすることができる。ある実施形態では、それぞれのb及びiは、C(Br)とすることができる。ある実施形態では、それぞれのb 及びiは、-(L)r-R7基とすることができ、ここで、r, L及びR7は、ここで定義するとおりである。
【0057】
種々の実施形態では、rは、0, 1又は2とすることができる。種々の実施形態では、Lは、二価の3-14員シクロヘテロアルキル基、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、二価の3-14員シクロヘテロアルキル基、二価のC6-14アリール基及び二価の5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよく、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、Lは、1-4のR9基で任意に置換されていてもよい二価のフェニル基である。ある実施形態では、Lは、1-4のR9基で任意に置換されていてもよい二価のチエニル基である。種々の実施形態では、R7は3-14員シクロヘテロアルキル基、C6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、3-14員シクロヘテロアルキル基、C6-14アリール基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよく、R8は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、R7は、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよいフェニル基である。ある実施形態では、R7は、任意に、1-4のR8基で置換されていてもよいチエニル基である。
【0058】
式IIIの種々の実施形態では、Zは、CR3R4とすることができ、ここで、R3及びR4のそれぞれは、独立して、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C3-14シクロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C6-14アリール基、-(C1-10アルキル)-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-(C1-10アルキル)-5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5のハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、それぞれのR3及び4は、独立して、C6-20アルキル基、C6-20アルケニル基、C6-20アルキニル基又はC6-20ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、R3及びR4のそれぞれは、独立して、C6-20アルキル基又はC6-20ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、R3及びR4のそれぞれは、独立して、C1-20アルキル基又はC2-20アルケニル基とすることができ、直鎖又は分岐のC6-20アルキル又はC6-20アルケニル基を含む。例えば、R3及びR4のそれぞれは、独立して、以下とすることができる。
【化22】
【0059】
式IV又は式Vの化合物の種々の実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基、C(C1-30ハロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C3-14シクロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C6-14アリール)基、C(-C1-10アルキル-3-14員シクロヘテロアルキル)基又はC(-C1-10アルキル-5-14員ヘテロアリール)基とすることができ、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5のハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、、独立して、C(C6-20アルキル)基、C(C6-20アルケニル)基、C(C6-20アルキニル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基としてもよい。例えば、p及びqのそれぞれは、独立して、C(C6-20アルキル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基とすることができる。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、C(C1-20アルキル)基又はC(C2-20アルケニル)基とすることができ、ここで、C1-20アルキル基及びC2-20アルケニル基は、例えば、直鎖又は分岐のC6-20アルキル又はC6-20アルケニル基とすることができる。特定の実施形態では、直鎖又は分岐のC6-20アルキル及びC6-20アルケニル基のそれぞれは、以下とすることができる。
【0060】
【化23】
【0061】
式III、式IV及び式Vの例示化合物としては、以下が挙げられる。
【化24】
【化25】
【0062】
本教示は、式III、式IV又は式Vによって定義される化合物種のうちのある実施形態の化合物を排除することができることを理解すべきである。例えば、式IVの化合物においてa, b, c, d, g, h, i及びjがCH、WがO、p及びqがC(フェニル)又はCHの化合物を排除することができる。
【0063】
別の観点から、本教示は、式VII、式VIII及び式IXの化合物を提供する。
【化26】
式中、
pはCR3′;
qはCR4′;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1);
R3'及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R1, R5R7, R9, r, L W及びYは、ここに定義されたとおりである。
【0064】
式VIIの種々の実施形態では、Zは、CR3′R4′とすることができ、ここで、R3′及びR4′のそれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C3-14シクロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C6-14アリール基、-(C1-10アルキル)-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-(C1-10アルキル)-5-14員ヘテロアリール基とすることができ、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、それぞれのR3′及びR4′は、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、それぞれのR3′及びR4′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。特定の実施形態では、R3′及びR4′のそれぞれは、独立して、Hとすることができる。
【0065】
式VIII又は式IXの種々の実施形態では、p及びqのそれぞれは、、独立して、C(R3′)又はC(R4′)とすることができ、ここで、R3'及びR4'は、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-C1-10アルキル-C3-14シクロアルキル基、-C1-10アルキル-C6-14アリール基、-C1-10アルキル-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-C1-10アルキル-5-14員ヘテロアリールとすることができ、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基とすることができる。ある実施形態では、p及びqびそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基とすることができる。特定の実施形態では、p及びqのそれぞれは、CHとすることができる。
【0066】
ある実施形態では、式VII、式VIII又は式IXの化合物は、以下から選択することができる。
【化27】
【化28】
【0067】
他の観点では、本教示は、1以上のモノマーの重合生成物を提供し、少なくとも1つのモノマーは、式III、式IV、式V、式VII、式VIII又は式IXの化合物とすることができる。
従って、種々の実施形態では、ポリマーは、式VIの繰り返し単位を含むことができる。
【化29】
式中、Aは、存在する場合には独立して、式III'、式IV'又は式V'とすることができる。
【化30】
【化31】
Eは、存在する場合には独立して、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基であり、それぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよい;
xは、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10;
yは、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9及び10;
ここで、a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり、ただし、b及びcの一方ならびにh及びiの一方は、
【化A】
であり;
pはCR3'であり;
qは、CR4'であり;
Wは、存在する場合には独立して、O、S又はC(CN)2であり;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1)であり;
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R3'及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり;
R9、は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基である。
【0068】
ある実施形態では、Aは、存在する場合には、式III”、式IV”又は式V"を有することができる。
【化32】
【化33】
式中、a, c, d, e, f, g, h, j, k, l, p, q, W及びZ は、ここで定義するとおりである。
【0069】
種々の実施形態では、WはO又はC(CN)2とすることができる。ある実施形態では、a, c, d, e, f, g, h, j, k及びlは、独立して、CR1とすることができる。例えば、それぞれのa, c, d, e, f, g, h, j, k及びlは、CHとすることができる。
【0070】
式III”のある実施形態では、Zは、C(O)又はCR3′R4′とすることができ、ここでR3′ 及びR4′のそれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C3-14シクロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C6-14アリール基、-(C1-10アルキル)-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-(C1-10アルキル)-5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここでは、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5のハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、それぞれのR3′及びR4′は、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。特定の実施形態では、R3′及びR4′のそれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができ、例えば、C6-20アルキル基又はC6-20ハロアルキル基とすることができる。
【0071】
式IV''又は式V''のいずれかの実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基、C(C1-30ハロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C3-14シクロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C6-14アリール)基、C(-C1-10アルキル-3-14員シクロヘテロアルキル)基又はC(-C1-10アルキル-5-14員ヘテロアリール)基とすることができ、ここでは、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5ハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基とすることができる。特定の実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基又はC(C1-30アルキル)基とすることができ、例えば、C(C6-20アルキル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基とすることができる。
【0072】
ある実施形態では、Eは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよい二価のフェニル基又は任意に1-4のR9基で置換されていてもよい二価の5-員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、Eは、任意に、1-2のR9基で置換されていてもよい二価のチエニル基とすることができ、ここで、R9は、ここに定義するとおりである。
【0073】
ある実施形態では、R9は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基及びC3-14シクロアルキル基から選択することができる。例えば、R9は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基から選択することができる。ある実施形態では、C1-30アルキル基は、ヘキシル基、ドデシル基又はドコシル基とすることができる。
【0074】
ある実施形態では、xは、1、2、3、4及び5とすることができ、yは、0、1、2、3、4及び5とすることができる。ある実施形態では、xは1、yは0、1又は2とすることができる。
【0075】
従って、種々の実施形態では、ポリマーは、式VI'を有することができる。
【化34】
ここで、nは、5から100の範囲の整数とすることができ、A、E及びyは、ここに定義するとおりである。
【0076】
ある実施形態では、ポリマーは、式III'''、式IV'''又は式V'''を有することができる。
【化35】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは、5から100の範囲の整数であり、R3′, R4′, R9, W及びyは、ここで定義されるとおりである。
【0077】
より詳細には、ポリマーは、以下の式から選択することができる。
【化36】
【化37】
【化38】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは、5から100の範囲の整数であり、R3′,R4′及びR9は、ここに定義するとおりである。
【0078】
上述したポリマーは、任意に、式VI又は式VI’の繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、1以上の繰り返し単位は、半導体活性を示す当該分野で知られている種々の成分(例えば、共役成分)から選択することができる。ある実施形態では、1以上のさらなる繰り返し単位は、以下から選択することができる。
【化39】
【化40】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9とすることができ、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、1以上のさらなる繰り返し単位は以下から選択することができる。
【化41】
ここで、R10は、ここに定義するとおりである。
【0079】
本教示の例示ポリマーは、以下を含む。
【化42】
【化43】
【化44】
ここで、nは5から100の範囲の整数である。
【0080】
本教示の化合物は、市販された原料、文献公知の化合物又は容易に製造できる中間体から、標準的な合成法及び当該分野で公知の方法を採用することによって、以下のスキームに概説された方法に従って製造することができる。標準的な合成法及び有機分子及び官能基変換及び操作の準備のための方法は、関連した科学文献から又は当該分野の標準的な教科書から容易に得ることができる。代表的であるか好ましいプロセス条件(すなわち反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)が考慮されるが、特に明記しない限り、他のプロセス条件を使用することができることはいうまでもない。最適の反応条件は、用いられる特定の反応物又は溶媒によって変化させることができるが、そのような条件は、通常の最適化手順によって当業者によって決定することができる。有機合成の当業者は、提示される合成ステップの性質及び順序がここに記述される化合物の生成を最適化する目的で変化させることができることを認識するであろう。
【0081】
ここで記載された方法は、当該分野で公知の適当な方法に従って、モニターすることができる。例えば、生成物の構造は、核磁気共鳴分光学(NMR(例えば1H又は13C))、赤外線の分光学(IR)、分光測光法(例えば、UV-可視)、質量分析(MS)等の分光器手段で又は、例えば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透性クロマトグラフィ(GPC)又は薄層クロマトグラフィ(TLC)等のクロマトグラフィによってモニターすることができる。
【0082】
ここに記載される反応又はプロセスは、有機合成の当業者によって容易に選択することができる適当な溶媒で実行することができる。適当な溶媒は、一般に、反応が行われる温度で、つまり、溶媒の凝固点から溶媒の沸点の温度範囲の温度で、反応物、中間体及び/又は生成物に、実質的に非反応性である。所定の反応は、複数の溶媒の1つの溶媒又は混合物で行うことができる。特定の反応ステップに従って、特定の反応ステップのための適当な溶媒を選択することができる。
【0083】
式I、式I′、式I”、式III、式IV、式V、式VII、式VIII及び式IXの化合物は、化合物4, 5, 5B, 6, 6B, 9, 9B, 10, 10B, 15, 16, 19, 20, 21, 22, 30及び31を含み、以下のスキーム1〜8に従って、通常、製造することができる。
スキーム1
【化45】
【0084】
シキーム1に示したように、1,4-ジクロロベンゼンとn-ドデシルマグネシウムブロマイドのクマダカップリング反応によって、1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン1を得ることができ、それは光の除外下でジクロロメタン中にて選択的に臭素化して2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン2をもたらすことができる。2-(エトキシカルボニル)フェニルホウ酸ピナコールエステルと化合物2のスズキカップリングによって、化合物3を得ることができる。高温にて、濃硫酸でジエステル3の二重の分子内フリーデルクラフツアシル化によって、インデノフルオレンジオン生成物4を製造することができる。化合物4は、光の除外下でFeCl3/Br2を用いて選択的に2及び8位で臭素化し、モノマー5を与えることができる。TiCl4の存在下、ペリジンでマロノニトリルの過剰量を用いて、化合物5のクネーベナーゲル縮合によって、ジマロノニトリル化合物6を製造することができる、化合物5から化合物6への変換は、フーリエ変換赤外線(FTIR)スペクトルによって確認され、カルボニル伸長が消滅し、シアノ伸長が2222cm-1で見ることができる。
【0085】
スキーム2
【化46】
【0086】
スキーム2に示したように、化合物5B及び6Bは、触媒としてPd(PPh3)4を用いてスティラー反応によって、2-トリブチルスタニルチオフェンとカップリングさせることによってそれぞれ得ることができる。
【0087】
スキーム3
【化47】
【0088】
スキーム3に示したように、モノマー9及び10は、フリーデル-クラフツアシレーション、続いてクネーベナーゲル縮合によって製造することができる。より詳しくは、フルオレンホウ素エステル7が、t-ブチルリチウムでのリチオ化及びその後の2-イソプロポキシ-4,4,5,5テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロランの添加によって、2,7-ジブロモフルオレンから製造することができる。テトラフェニルジエステル化合物8は、得られたホウ素エステル7のメチル2-ヨード-5-ブロモベンゾエートでの選択的なスズキカップリングによって製造することができる。モノマー9は、高温での濃硫酸と化合物8の二重の分子内フリーデル-クラフツアシル化によって製造することができる。ピペリジンの存在下、マロノニトリルによるテトラフェニルジオン9のクネーベナーゲル縮合によって、モノマー10を得ることができる。
【0089】
スキーム4
【化48】
【0090】
スキーム4に示したように、触媒としてPd(PPh3)4を用いた、2-トリブチルスタニルチオフェンと化合物9及び10とのスティラーカップリングによって、化合物9B及び10Bをそれぞれ得ることができる。
【0091】
スキーム5
【化49】
【0092】
スキーム5で示したように、ジエステル11は、メチルアクリルレートと化合物2とのヘックカップリングによって製造することができる。化合物14は、ジエステル11の二重結合の選択的な還元、その後のフリーデル-クラフツアシル化及びα位でのブロム化によって、製造することができる。化合物14の脱ブロム化によって、インダセンジオンモノマー15を提供することができる。ピペリジン存在下、マロノニトリルによる化合物15のクネーベナーゲル縮合によって、ジマロノニトリルインダセン16を提供することができる。
【0093】
スキーム6
【化50】
【0094】
スキーム6に示したように、化合物17は、メチル5-ブロモ-2-ヨードベンゾエートと1,4-ベンゼンジホウ酸ジプナコールエステルとのスズキカップリングによって製造することができる。120℃でのH2SO4と化合物17との分子内フリーデル-クラフツアシル化によって、化合物18を得ることができる。DMF中での化合物18と2-トリブチルスタニル-3-ドデシルチオフェン(24)とのPd(PPh3)2Cl2-触媒スティラーカップリングによって、化合物19を得ることができ、それは、ピリジンとTiCl4の存在下、過剰なマロノニトリルとの反応を経ることにより、化合物20をもたらすことができる。ポリマー構成ブロック21は、化合物19のブロム化によって製造することができ、それは、マロノニトリルとクネーベナーゲル縮合に付すことによって化合物22を提供することができる。
【0095】
スキーム7
【化51】
【0096】
スキーム7に示したように、チオフェン系化合物23-28は、選択的なブロム化及びスタンニレーション反応によって製造することができる。塩化銅の存在下、3-ドデシルチオフェンのモノリチウム化誘導体と3-ヘキシルチオフェンとの酸化カップリングによって、化合物25及び26を与えることができる。2位での3-ドデシルチオフェンの選択的なブロム化及びその後のリチオ化/スタンニル塩化物付加によって、化合物24を与えることができる。化合物27及び28は、重合反応のコーティングモノマーとして用いることができ、それぞれ、n-BuLiによる二重のリチオ化、その後の(CH3)3SnClの添加によって、化合物25及び26から得ることができる。化合物29は、化合物25のモノブロム化、それに続くモノスタンニレーションによって得ることができる。
【0097】
スキーム8
【化52】
【0098】
スキーム8に示したように、化合物30は、化合物18と5-トリブチルスタニル-4.4’-ジドデシル-2,2’-ビチオフェン29とのスティラーカップリングによって得ることができる。化合物30のクネーベナーゲル縮合によって、化合物31を得ることができる。
【0099】
ここで開示されているモノマー(例えば、式I、式I′、式I”、式III、式IV、式V、式VII、式VIII又は式IXの化合物)は、適当なホウ酸エステルと反応させて、共有結合の形態で、式III'''、式IV'''又は式V'''を含む式VI'のポリマーを提供することができる。あるいは、本教示のモノマーは、ホモポリマーの形態で、yが0の式VI'のポリマーのような、式II′、式II”、式III′、式IV′、式V′又は式VIの繰り返し単位を含むポリマーを提供するために、適当な条件下で自己重合させることができる。種々のカップリング反応は、式III'''、式IV'''、式V'''及び式VI′のポリマーを製造するため用いることができる。カップリング反応は、スズキカップリング、山本カップリング、スティーレカップリング及びネギシカップリングを含む。
【0100】
より詳細には、式III'''、式IV'''、式V'''又は式VI'のポリマーは、以下のスキーム9に従って製造することができる。
【0101】
スキーム9
【化53】
【化54】
【0102】
スキーム9に示したように、1以上の本教示のモノマーを含むコポリマー(例えば、本教示のモノマー及びチオフェン、ビチオフェン又は9H-フルオレンを含むコモノマー)は、本教示のジブロモ官能化モノマー(化合物5、9及び10)と適当なホウ酸エステル(例えば、5,5'-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,2'-ビチオフェン又は2,2'-(9,9-ジオクチル-9H-フルオレン-2,7-ジイル)ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン))のスズキカップリングによって製造することができる。例えば、チオフェンホウ酸エステルは、n-ブチルリチウム及びテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)と2,2'-ビチオフェン又はチオフェンとの二重のリチオ化、その後の2-イソプロポキシ-4,4,5,5テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロランとの反応による、公知の方法に従って、モノ及びビチオフェンから製造することができる。Hallberg, J.ら, Synthesis-Stuttgart, 2003: 2199-2205 (2003)参照。あるいは、本教示のコポリマーは、ジブロモ官能化モノマー(例えば、化合物22)と適当な有機スズ化合物(例えば、4,4'-ジヘキシル-2,2'-ビチオフェン-5,5'-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン))とのスティーラカップリングによって製造することができる。ここに記述されるものと類似した以下の方法は、共重合体IFDKT2、TPDKT2、TPDKF、TPDCT2、IFDMT4-12及びIFDMT4-6を製造することができ、これらの共重合体のある実施形態は、クロロホルム、トルエン及びTHFのような一般的な有機溶剤に溶解することを見出した。
【0103】
再度スキーム9を参照すると、本教示のモノマーのホモポリマー(例えば、IFDK、TPDK、TPDC、TIFDMT-12及びTIFDMT-8,12)は、ニッケル媒介ホモ重合反応によって製造することができる。ある実施形態では、ジマロノニトリル基を有するケトンコアの置換(例えば、TPDKからTPDCに変換)は、ポリマーの可溶性を改善することができる。本教示のある実施形態では、ポリマーは限られた可溶性を有することができる。例えば、ジケトン感応化インデノフルオレンとテトラフェニレン系IFDK及びTPDKとは、従来の有機溶剤に若干溶解させることができる。いかなる特定の理論に縛られることがなければ、可溶性は主にラダー型コアの非常に剛性の構造のためであるかもしれない。ある実施形態では、本教示のポリマーは、溶解性とすることができる。例えば、ビチオレンコポリマーは、上述したホモポリマーよりもより溶解性とすることができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)は、TPDCの一実施形態が、室温で、ポリスチレン標品に対して、1.55の多分散性(PD)を有する12,455 g mol-1の重量平均分子量(MW)を有することを示した。この特定の実施形態は、約10の繰り返し単位の重合の数平均に相当する。ある実施形態では、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12の重量平均分子量(MW)は、それぞれ、9,400(PD=1.52)、11,200(PD=1.20)及び23,273 (PD=3.48)とすることができる。
【0104】
ここに議論される化合物は、半導体材料(例えば、組成物及び複合物)を製造するために用いることができ、それは、順次、種々の電子部品、構造及び装置を組み立てるのに用いることができる。本教示の1以上の化合物を取り入れたある実施形態では、半導体材料は、n型半導体活性を示すことができる。本教示の1以上の化合物を取り入れたある実施形態では、半導体材料は、p型半導体活性を示すことができる。本教示の1以上の化合物を取り入れたある実施形態では、半導体材料は、異なる条件下で、二極性の半導体活性、つまり、n型及びp型半導体活性を示すことができる。
【0105】
ここに明らかにされる化合物の特定の実施形態は、一般的な溶媒に溶解することができるため、本教示の化合物は、電気装置(例えば、薄膜半導体、電界効果装置、有機発光ダイオード(OLED)、有機フォトボルタイクス、光検出器、キャパシタ及びセンサ)を組み立てるのに用いられる場合、加工利点を提供することができる。ここで用いられるように、化合物の少なくとも1mgが1mLの溶媒に溶ける場合、化合物は溶媒に可溶性と考えることができる。一般的な有機溶剤としては、石油エーテル;アセトニトリル;芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン);ケトン類(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン);エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びt-ブチルメチルエーテル);アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール及びイソプロピルアルコール);ヘキサン等の脂肪族炭化水素;アセテート(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル及び酢酸ブチル);アミド(例えば、ジメチルホルミアミド及びジメチルアセトアミド);ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ハロゲン化脂肪族化合物及び芳香族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトリクロロベンゼン;環式溶媒(例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及び2-メチピロリドン)が挙げられる。一般的な無機溶媒としては、水及びイオン液体が挙げられる。
【0106】
従って、さらなる本教示は、液体媒体、例えば、有機溶媒、無機溶媒及びそれらの混合物(例えば、有機溶媒、無機溶媒又は有機及び無機溶媒の混合物)に溶解又は分散した、ここに開示された1以上の化合物を含むことができる組成物を提供する。ある実施形態では、組成物は、洗剤、分散剤、結合剤、親和性剤、硬化剤、促進剤、希釈剤、消泡剤、湿潤剤、pH調整剤、殺生物剤及び抗バクテリア剤から独立して選択される1以上の添加剤をさらに含むことができる。例えば、界面活性剤及び/又はポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ-α-メチルスチレン、ポリイソブテン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート等)を、分散剤、結合剤、親和性剤及び/又は消泡剤として含むことができる。ある実施形態では、そのような組成物は、ここに開示される1以上の化合物を含むことができ、例えば、本教示の2以上の異なる化合物は、有機溶媒に溶解され、堆積用組成物を調製することができる。
【0107】
種々の堆積技術は、種々の溶液加工技術を含むが、有機エレクトロニクスにおいて用いられている。例えば、印刷エレクトロニクス技術の多くは、インクジェット印刷に集中している。インクジェット印刷は、非接触プロセスであり、それは位置特徴、多層位置合せ精度のより大きな制御の利益を提供し、形成されたマスタ(接触印刷技術に比較して)並びにインク射出のデジタル制御を必要とせず、よって、ドロップオンデマンド印刷を提供することができる。しかし、接触印刷技術には、非常に速いロール-トゥ-ロール法のために非常に適切であるという重要な長所がある。接触印刷技術の例としては、限定されないが、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷印刷、リソグラフ印刷、パッド印刷及びマイクロコンタクト印刷が挙げられる。ここで用いられているように、「印刷する」ことは、インクジェット印刷等の非接触印刷及びスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷印刷、リソグラフ印刷、パッド印刷、マイクロコンタクト印刷等の接触印刷プロセスを含む。他の溶液加工技術は、例えば、スピンコーティング、ドロップコーティング、ゾーンキャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティング又は噴霧を含む。さらに、堆積ステップは、真空蒸着によって実行することができる。
【0108】
従って、本教示は、半導体材料の製造方法を提供する。その方法は、溶媒又は溶媒混合物中にここで開示された1以上の化合物を含む前駆体組成物を調製し、その前駆体組成物を基材上に堆積して半導体材料前駆体を提供し、その半導体材料前駆体を加工(例えば、熱処理)して、ここに開示された化合物を含む半導体材料(例えば、薄膜半導体)を提供する。ある実施形態では、堆積ステップは、インクジェット印刷及び種々の接触印刷技術(例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、パッド印刷及びマイクロコンタクト印刷)を含む印刷によって行うことができる。他の実施形態では、堆積工程は、スピンコーティング、ドロップコーティング、ゾーンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティングまたは噴霧によって行うことができる。さらに他の実施形態では、堆積工程は、真空蒸着によって行うことができる。
【0109】
本教示は、さらに、例えば、本教示の半導体材料を含む複合体、基材部品及び/又は誘電体部材の製品を提供する。基材複合体は、ドープドシリコン、インジウムスズ酸化物(ITO)、ITOコートガラス、ITOコートポリイミド又は他のプラスチック、ポリマー又は他の基材上にコートされた発光材又は他の材料又はその単独、ドープドポリチオフェン等を含む材料から選択することができる。誘電体部材は、種々の酸化物(例えば、SiO2、Al2O3、HfO2)等の無機誘電体、種々の重合材料(例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリハロエチレン、ポリアクリレート)のような有機誘電体及び自己アセンブリ超格子/自己アセンブリナノ誘電体材料(SAS/SAND)(例えば、Yoon, M-H.ら, PNAS, 102 (13): 4678-4682 (2005)に記載されており、全体を参照としてここに取り込む)並びにハイブリッド有機/無機誘電体材料(米国特許出願11/642,504号に記載、全体を参照として個々に取り込む)等から製造することができる。
【0110】
上述した自己アセンブリ超格子/自己アセンブリナノ誘電体材料は、周期的な交互層を含むことができ、これらの交互層は、2以上の(i)シリル又はシロキサン部位を含む層、(ii)π極性化部位(例えば、スチルバゾリウム基)を含む層及び(iii)シロキサンマトリクスを含むカップリング層を含むことができる。ある実施形態では、自己アセンブリ超格子/自己アセンブリナノ誘電体材料は、分子シリコン前駆体(例えば、シリコン含有脂肪族化合物及び芳香族化合物)の層-バイ-層溶液相堆積によって製造することができる。ハイブリッド有機/無機誘電体材料に関して、その材料は、1以上の主成分金属及び遷移金属から選択された無機部位を有する1以上の無機層及び2以上の(i)シリル又はシロキサン部位を含む層、(ii)π極性化部位(例えば、スチルバゾリウム基)を含む層及び(iii)シロキサンマトリクスを含むカップリング層から選択された2以上の有機層を含む周期的な交互層を有することができる。誘電体部位は、米国特許出願第11/998,159号、第11/823,859号及び第11/315,076号(全体を参照としてここに取り込む)に記載の架橋ポリマーブレンドから製造することができる。ある実施形態では、架橋ポリマーブレンドは、ポリマー成分(例えば、ポリアルキレン)及び架橋剤(例えば、シロキサン成分)を含有することができる。ある実施形態では、ポリマー成分及び架橋剤は、例えば、ポリマー骨格上にペンダント基を架橋することができる、同様の分子とすることができる。
【0111】
複合体は、1以上の電気的コンタクトを含むことができる。ソース、ドレイン及びゲート電極用の適当な材料は、金属(例えば、金、アルミニウム、ニッケル、銅)、透明導電性酸化物(例えば、ITO, IZO, ZITO, GZO, GIO, GITO)及び導電性ポリマー(例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルフォネート)(PEDOT:PSS)、ポリアニリン(PANI)、ポリピロール(PPy))を含む。ここで記載された1以上の複合体は、種々の有機電子、光学及び光電子デバイス(例えば、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、特に、有機電界効果トランジスタ(OFET))に取り込むことができる。
【0112】
本教示の化合物の製造の他の部品は、フォトボルタイクス又は太陽電池を含む。本教示の化合物は、幅広い光吸収及び/又は種々の積極的にシフトされた還元電位を示すことができ、それをそのような適用のために好適にする。従って、ここに記載された化合物は、光電子デザイン(例えば、化合物を、PN接合をつくる半導性材料に含むことができるような)の半導体として用いることができる。化合物は、薄膜半導体の形態とすることができ、それは基材上に堆積された薄膜半導体の複合物とすることができる。そのような装置における本教示の化合物の開発は、当業者の知識の範囲内である。
【0113】
従って、本教示の他の観点は、本教示の半導体材料を組み込む有機電界効果トランジスタの製造方法に関する。本教示の半導体材料は、トップゲート・トップコンタクトキャパシタ構造、トップゲート・ボトムコンタクトキャパシタ構造、ボトムゲート・トップコンタクトキャパシタ構造及びボトムゲート・ボトムコンタクトキャパシタ構造を含む種々のタイプの有機電界効果トランジスタの製造に用いることができる。
【0114】
ある実施形態では、OTFT装置は、トップコンタクト形状で、誘電体として、熱成長したSiO2(300nm)、HMDS処理及びOTS処理SiO2を用いて、低抵抗n型シリコンウエハの上に、本化合物で組み立てることができる。特定の実施形態では、少なくとも本教示の化合物を取り入れる活性な半導体層は、室温で又は高温で、真空蒸着によって堆積することができる。他の実施形態では、少なくとも本教示の化合物を取り入れる活性な半導体層は、スピンコーティング又はインクジェット印刷によって適用することができる。トップコンタクトデバイスのために、金コンタクトを、約500μmから約2000μmまでの幅、約25μmから約100μmのチャネル長を与えるシャドーマスクを用いて、膜の上面にパターニングすることができる。
【0115】
以下の実施例は、本教示の理解を示し、理解を促すために与えられるものであって、本発明を限定することを意図しない。
全試薬は、市販のものから購入し、特に断りのない限り、さらなる精製を行わずに用いた。無水THF及びトルエンは、Na/ベンゾフェノンから蒸留して得た。従来のシュレンク技術を用い、反応は、特に断りのない限り、窒素下で行った。実施例1〜34は、本教示のある化合物及び関連する中間体の製造を示す。特徴づけデータは、いくつかは、1H-NMR、13C-NMR、元素分析及び/又はエレクトロイオン/エレクトロスプレー(EI/ESI)マススペクトル法によって提供する。エレクトロスプレーイオン化よるマススペクトル法は、Thermo Finnegan model LCQ Advantage mass spectrometerで行った。
【0116】
実施例1:1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(1)の製造
n-ドデシルマグネシウムブロマイド(235 mL, 235.0 mmol, 1.0 Mジエチルエーテル中)を、乾燥エーテル(70 mL)中の1,4-ジクロロベンゼン (15.00 g, 102.0 mmol)及び[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)クロライド((dppp)Cl2Ni, 70 mg)溶液に、0℃にて15分間かけて、滴加した。次いで、反応混合物を、約30分間室温で温め、1日間、還流下で加熱し、再度0℃に冷却した。反応物を注意深く水(10 mL)及びHCl(70 mL, 2 M)でクエンチし、水相をエーテル(2x50 mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(30 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。次いで、その溶液を、真空中で除去し、粗生成物を高真空(〜20 mtorr)下で10時間、100℃にて加熱し、n-オクタン及びn-オクチルブロマイドを除去した。1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(1)を白色固体(35.00 g, 83%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (t, 6H), 1.30 (m, 36H), 1.61 (m, 4H), 2.59 (t, 4H), 7.10 (s, 4H) ppm。
【0117】
実施例2:2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(2)の製造
ブロミン(2.5 mL, 44.2 mmol)を、攪拌した化合物1(5.00 g, 12.1 mmol)及びヨウ素(15 mg)のジクロロメタン(15 mL)の溶液に、0℃にて添加して迅速に攪拌し、得られた混合物を室温にて2日間光を厳密に排除して攪拌した。KOHの水溶液(20 mL, 20%)を、溶液の暗色が消失するまで添加した。ジクロロメタンを、減圧下で除去し、沈殿物をエタノールで洗浄した。粗材料をエタノールから再結晶によって精製し、2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(2)を白色固体(5.20 g, 75%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (t, 6H), 1.33 (m, 36H), 1.59 (m, 4H), 2.67 (t, 4H), 7.37 (s, 2H) ppm。
【0118】
実施例3:2,2''-エトキシカルボニル-2',5'-ジドデシル-[1,1';4',1'']terフェニル(3)の製造
2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(2, 0.7 g, 1.22 mmol)、2-(エトキシカルボニル)フェニルホウ素酸ピナコールエステル(1.01 g, 3.66 mmol)及びPd(PPh3)4(150 mg)を、窒素下、乾燥トルエン(25 mL)に溶解した。脱気したK2CO3(水2.5 mL及びエタノール5.0 mL中に溶解した2.2 g)及びアリコート336溶液(0.4 mL)を、窒素下で添加し、反応混合物を1日間還流温度で加熱した。有機層をCelite(登録商標)のプラグによってろ過し、ろ過物を濃縮して乾燥し、半固体粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム:ヘキサン (7:3))によって精製し、2,2''-エトキシカルボニル-2',5'-ジドデシル-[1,1';4',1'']terフェニル(3)を有色油状物(0.7 g, 45%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (t, 6H), 0.97 (t,6H), 1.13-1.45 (m, 40H), 2.37 (m, 4H), 4.08 (q, 4H), 6.95 (d, 2H), 7.30 (t, 2H), 7.42 (q, 2H), 7.53 (q, 2H), 7.97(d, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 13.83, 14.29, 14.36, 22.94, 29.53, 29.61, 29.64, 29.72, 29.89, 30.87, 30.96, 31.85, 32.17, 32.86, 32.96, 60.79 (d), 127.08 (d), 129.34 (d), 130.21 (d), 130.99 (d), 131.48, 131.61 (d), 136.80 (d), 140.43 (d), 142.76 (d), 168.41 (d) ppm;
元素分析: C, 81.39; H, 9.44, O, 9.30。
【0119】
実施例4:5,11-ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(4)の製造
ジエステル3(1.0 g, 1.39 mmol)をH2SO4(61 mL, 80%)に添加し、混合物を、最初の無色油状物が暗赤色に変化する間、2時間、120℃にて攪拌しながら加熱した。反応混合物を、氷に注ぎ、ろ過して淡橙結晶を採取した。ろ過後、採取した生成物を、炭酸水素ナトリウム溶液中、次いで水中でそれぞれ攪拌し、ろ過し、真空下、70℃にて乾燥し、5,11-ジドデシルインデノール[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(4)を淡橙固体 (0.80 g, 93%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.89 (t, 6H), 1.27-1.69 (m, 40H), 3.43 (broad s, 4H), 7.32 (t, 2H), 7.53 (t, 2H), 7.67 (t, 4H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.38, 22.95, 27.19, 29.62, 29.75, 29.91, 29.94, 29.96, 30.34, 32.18, 123.61, 124.18, 128.77, 134.90, 135.17, 135.94, 138.41, 143.20, 145.12, 194.60 ppm.;
m.p: 123-124℃;
MS(EI) m/z (M+): 618.4;
元素分析: C, 85.23; H, 9.46。
【0120】
実施例5:2,8-ジブロモ-5,11-ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5)の製造
インデノフルオレンジオン4(0.5 g, 0.8 mmol)を、45 mLのCHCl3に溶解した。ブロミン(20.0 mL)及びFeCl3(0.5 g)を添加した。反応混合物を室温にて1時間、光を排除した窒素下で攪拌した。KOH水溶液(20 mL, 20%)を溶液の暗色が消失するまで添加した。クロロホルムを減圧下除去し、沈殿物をろ過し、水で洗浄した。粗材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム:ヘキサン (7:3))で精製し、2,8-ジブロモ-5,11-ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5)を橙固体 (0.53g, 85%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.89 (t, 6H), 1.27-1.59 (m, 40H), 3.29 (broad s, 4H), 7.43 (d, 2H), 7.61 (d, 2H), 7.69 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.38, 22.95, 27.19, 29.61, 29.69, 29.83, 29.90, 29.94, 30.22, 32.04, 32.18, 123.14, 124.91, 127.48, 135.69, 136.36, 137.67, 138.62, 141.51, 144.72, 192.86 ppm;
m.p: 122-123℃;
MS(ESI) m/z (M+): 775.9;
元素分析: C, 66.97; H, 6.84。
【0121】
実施例6:2,2'-(2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジリデン)ジマロノニトリル(6)の製造
2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン5(0.100 g, 0.128 mmol)及びマロニトリル(0.085 g, 1.28mmol)を、窒素下、乾燥クロロベンゼン(20 mL)に溶解し、ピリジン(0.21 mL)及びTiCl4(0.14 mL)を添加した。得られた混合物を、窒素下、120℃にて5時間攪拌した。冷却し、20 mLの水を添加し、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を、水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して乾燥物を得た。生成物を、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,2'-(2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジリデン)ジマトノニトリル (6)を暗緑固体(0.06 g, 50%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.87 (t, 6H), 1.27-1.59 (m, 40H), 3.20 (broad s, 2H), 3.60 (broad s, 2H), 7.57 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.72 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 8.43 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.35, 14.41, 22.93, 29.57, 29.68, 29.76, 29.87, 32.15, 34.64, 81.13, 113.06, 113.35, 123.08, 125.84, 137.25, 137.48, 137.90, 138.97, 140.19, 142.95, 164.41 ppm;
m.p: 136-137℃;
MS(EI) m/z (M+): 873.0;
IR (KBr) ν = 2220 (C≡N) (カルボニルのピークは観察されなかった)
元素分析: C, 68.67; H, 6.48; N, 6.27。
【0122】
実施例7:2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン)-9,9ジドデシルフルオレン(7)の製造
Tert-BuLi(43.9 mL, 74.7 mmol, 1.7 Mのペンタン中)を、窒素下、-78℃にて乾燥THF(90.0 mL)中の2,7-ジブロモ-9,9ジドデシルフルオレン(12.02 g, 18.2 mmol)溶液に30分間かけて添加した。反応混合物を-78℃にて、30 分間攪拌し、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン(22.2 mL, 108.6 mmol)を、一晩室温にて攪拌しながら滴加した。反応物を水でクエンチした。THFを除去し、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とし、2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン)-9,9ジドデシルフルオレン(7)を白色固体(12.36 g, 90%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.55 (t, 4H), 0.88 (m, 6H), 1.01 (m, 6H), 1.15-1.28 (m, 14H), 1.4 (s, 24 H), 2.01(t, 4H), 7.72 (2H, d, J =7.5 Hz), 7.75 (2H, s), 7.82 (2H, d, J =7.5 Hz) ppm。
【0123】
実施例8:ジメチル6,6'-(9,9ジドデシルフルオレン-2,7ジイル)ビス(3-ブロモベンゾエート)(8))の製造
化合物7(3.120 g, 4.14 mmol)、メチル2-インド-5-ブロモベンゾエート(3.300 g, 9.52 mmol)及びアリコート336 (0.800 g)の混合物を、30.0 mLの乾燥トルエンを添加する前に、N2で3回脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.50 g)の炭酸水素ナトリウム水溶液(1M, 1.80 g、2時間脱気した17 mLの水中)を、N2下で添加した。混合物を、3日間還流温度で激しく攪拌した。冷却後、反応物を室温にし、有機層をCelite(登録商標)のプラグに通してパラジウムブラックを除去し、ろ過物を濃縮して減圧下で濃縮して乾燥物を得た。生成物をカラムクロマトグラフィ (シリカゲル、溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン(1:9))で精製し、ジメチル6,6'-(9,9ジドデシルフルオレン-2,7ジイル)ビス(3-ブロモベンゾエート)(8)を有色油状物(3.69g, 96%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.83 (t, 6H), 1.10 (s, 24H), 1.95 (m, 4H), 3.61 (s, 6H), 7.22 (s, 2H), 7.28 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.33 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.67 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.97 (s, 2H) ppm。
【0124】
実施例9:ジブロモテトラフェニレンジオン(9)の製造
ジエステル8(0.341 g, 0.367 mmol)を、H2SO4(13 mL, 80%)に添加し、混合物を、攪拌しながら、165℃にて3時間加熱した。反応混合物を氷に注ぎ、ろ過して暗色結晶を採取し、それをジクロロメタンで抽出した。有機溶液を合わせて、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム:ヘキサン(7:3))で精製し、ジブロモテトラフェニレンジオン(9)を黄色固体として得た(0.220 g, 70%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.66 (br s, 6H), 0.85-1.24 (m, 40H), 2.08 (t, 4H), 7.45 (s, 2H), 7.47 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.64 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.80 (s, 2H), 7.99 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.27, 22.79, 24.10, 29.40, 30.17, 31.97, 40.54, 56.64, 115.16, 116.56, 121.93, 123.14, 127.79, 133.99, 136.76, 137.28, 141.66, 143.39, 143.96, 158.99, 191.87 ppm;
m.p: 138-139℃;
MS(EI) m/z (M+): 864.3.
IR (KBr) ν = 1722 (C=O);
元素分析: C, 70.44; H, 7.18。
【0125】
実施例10:ジブロモテトラフェニレンジマトノニトリル(10)の製造
ジブロモテトラフェニレンジオン9(0.520 g, 0.60 mmol)及びマロニトリル(0.570 g, 8.66 mmol)を乾燥DMSO (14 mL)に溶解し、ピペリジン(0.5 mL)を添加した。得られた混合物を110℃にて5時間攪拌した。冷却し、生成物が、ろ過された褐色固体として溶液から沈殿し、イソプロパノールで洗浄し、真空下で乾燥した。生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、 ジブロモテトラフェニレンマロノニトリルマロノニトリル(10)が紫色固体として得られた(0.37 g, 65%)。 1H NMR (CDCl3): δ 0.67 (br s, 6H), 0.85-1.27 (m, 40H), 2.08 (t, 4H), 7.50 (s, 2H), 7.51 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.67 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.52 (s, 2H), 8.83 (s, 2H) ppm; 13C NMR (CDCl3): δ 14.20, 22.40, 24.15, 29.60, 30.05, 30.17, 31.68, 40.34, 56.74, 113.16, 113.19, 115.55, 118.91, 122.06, 123.22, 129.98, 133.87, 136.72, 137.48, 141.24, 141.39, 141.99, 158.95, 159.68 ppm;
MS(EI) m/z (M+): 960.3;
m.p: 252-253℃;
IR (KBr) ν = 2222 cm-1 (C≡N)(カルボニルピークの観察なし);
元素分析: C, 71.49; H, 6.42; N, 5.59。
【0126】
実施例11:(2E,2'E)ジメチル3,3'-(2,5ジドデシル-1,4-フェニレン)ジアクリレート(11)の製造
化合物2(573 mg, 1 mmol)、メチルアクリレート(20 mmol)、Et3N(2.8 mL, 20 mmol)、Pd(OAc)2(25 mg, 0.11 mmol)及びトリフェニルホスフィン(57 mg, 0.22 mmol)のDMF(20 mL)溶液を、窒素雰囲気下、120℃にて2日間、密閉試験管中で加熱した。冷却後、溶媒を減圧下に除去して残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc, 9:1)で精製して、(2E,2'E)ジメチル3,3'-(2,5ジドデシル-1,4-フェニレン)ジアクリレート (11)をオフホワイトの固体として得た(300 mg, 51%)。
1H NMR (CDCl3):δ 0.87 (t, 6H), 1.26-1.56 (m, 40H), 2.72 (t, 4H), 3.83 (s, 6H), 6.42 (d, 2H), 7.39 (s, 2H), 7.98 (d, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ14.36, 22.94, 29.60, 29.68, 29.81, 29.89, 31.81, 32.17, 33.17, 51.98, 119.63, 128.20, 134.62, 140.66, 141.93, 167.56 ppm;
MS(EI) m/z (M+): 583.2。
【0127】
実施例12: 4,4″-ジブロモ-2,2″-メトキシカルボニル-[1,1′;4′,1″]ターフェニル(17)の製造
1,4-ベンゼンジボロン酸ビス(ピナコール)エステル(4.40 g, 13.33 mmol)、メチル2-ヨード-5-ブロモベンゾエート(9.95 g, 29.18 mmol)及びアリコート336 (1.60 mL)の混合物を、90.0 mLの乾燥トルエンを添加する前に、3回窒素で脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.50 g, 1.30 mmol)及びすでに2時間脱気した1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液(5.73 g、54.0 mLの水中)を窒素下で添加した。混合物を激しく攪拌し、2日間還流温度で加熱し、室温で冷却した。その溶液をCeliteのプラグに通して、パラジウムブラックを除去し、ろ液を濃縮して残渣を得、それをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)で精製し、4,4″-ジブロモ-2,2″-メトキシカルボニル-[1,1′;4′,1″]ターフェニル (17)を白色固体として得た(6.00 g、収率89%)。
1H NMR (CDCl3): δ 3.72 (s, 6H), 7.32(d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.33 (s, 4H), 7.69(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.01 (s, 2H) ppm。
【0128】
実施例13:2,8-ジブロモ-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(18)の製造
4,4″-ジブロモ-2,2″-メトキシカルボニル-[1,1′;4′,1″]ターフェニル17(0.50 g, 0.99 mmol)を、H2SO4(80%, 50.0 mL、10.0 mLのH2O及び40.0 mLの濃(99.99%)H2SO4から調製)に添加し、混合物を120℃にて10時間、攪拌しながら加熱した。反応混合物を氷に注ぎ、得られた混合物をろ過した。固体を炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗浄し、2,8-ジブロモ-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(18)(0.40 g, 92%)を得た。粗生成物をさらに精製しないで次の工程に用いた。
m.p: > 300℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 440.7;
元素分析: C, 54.12; H, 1.72。
【0129】
実施例14: 2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(19)の製造
無水DMF (12.0 mL)中の2-トリブリスタニルスタニル-3-ドデシルチオフェンチオフェン(24) (0.320 g, 0.591 mmol)、2,8-ジブロモ-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン18(0.120 g, 0.273 mmol)及びPd(PPh3)2Cl2(30.0 mg, 0.043 mmol)を一晩、窒素下、125℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(19)を紫色固体として得た(70.0 mg、収率35%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 46H), 2.70 (t, 4H), 7.02 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.29 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.59 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.61(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (s, 2H), 7.81 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.4, 22.96, 29.0, 29.6, 29.7, 29.8, 29.9, 30.0, 31.2, 32.2, 116.3, 121.0, 124.7, 125.5, 130.1, 134.6, 136.1, 136.4, 136.8, 139.8, 140.0, 142.3, 145.9, 192.8 ppm;
m.p: 152-153℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 783.0;
元素分析: C, 79.50; H, 7.89。
【0130】
実施例15:2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(20)の製造
2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン19(50.0 mg, 0.064 mmol)及びマロノニトリル(60.0 mg, 0.91 mmol)の混合物を乾燥クロロベンゼン(5.0 mL)に、窒素下、溶解し、ピリジン(0.100 mL, 1.24 mmol)及びTiCl4(0.070 mL, 0.64 mmol)を加えた。得られた混合物を、110℃にて5時間、窒素下で攪拌した。冷却し、20.0 mLの水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(20)を、暗緑固体として得た(22.5 mg, 40%)。
1H NMR (CDCl3): δ0.88-1.67 (m, 46H), 2.74 (t, 4H), 7.05 (d, 2H, J = 4.0 Hz), 7.33 (d, 2H, J = 4.0 Hz), 7.66 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.71 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 8.52 (s, 2H), 8.60 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.4, 22.9, 29.2, 29.6, 29.7, 29.8, 29.9, 31.1, 32.2, 112.9, 113.3, 118.4, 121.5, 125.1, 127.8, 130.3, 134.7, 134.7, 135.8, 136.1, 137.3, 139.6, 139.7, 140.5, 143.4, 159.8 ppm;
m.p: 232-233℃;
MS(EI) m/z (M+): 879.5;
元素分析: C, 79.07; H, 7.15; N, 6.35;
IR (KBr): ν = 2225 cm-1 (C≡N, カルボニルのピークは観察されず)。
【0131】
実施例16:2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(21)の製造
2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(20, 0.30 g, 0.383 mmol)のCHCl3/HOAc(5:1)(Vt= 24.0 mL)溶液に、ブロミン(Br2; 123.0 mg, 0.766 mmol)を一度に添加した。混合物を、10時間、室温で攪拌し、水(50 mL)を添加した。混合物をクロロホルム(3×50 mL)で抽出し、合わせた有機相を水(50 mL)、KOH水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ろ過後、クロロホルムを除去し、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(21)を暗緑固体として得た(0.340 g、収率95%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.87-1.61 (m, 46H), 2.70 (t, 4H), 6.96 (s, 2H), 7.56 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.61(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.69 (s, 2H), 7.84 (s, 2H) ppm;
MS(EI) m/z (M+): 941.1;
元素分析: C, 66.34; H, 6.43。
【0132】
実施例17:2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(22)の製造
2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(21, 230.0 mg, 0.245 mmol)及びマロノニトリル(230.0 mg, 3.48 mmol)の混合物を乾燥クロロベンゼン(20.0 mL)に、窒素下、溶解し、ピリジン (0.40 mL, 4.94 mmol)及びTiCl4(0.30 mL, 2.73 mmol)を加えた。得られた混合物を110℃にて5時間、窒素下で攪拌した。冷却し、20.0 mLの水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(22)を、暗緑固体として得た(120.0 mg、収率48%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.89-1.62 (m, 46H), 2.66 (t, 4H), 7.00 (s, 2H), 7.59 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.71 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 8.47 (s, 2H), 8.62 (s, 2H) ppm; MS(EI) m/z (M+): 1037.4;
元素分析: C, 66.76; H, 5.82; N, 5.18;
IR (KBr): ν = 2225 cm-1 (C≡N, カルボニルのピークは観察されず)。
【0133】
実施例18:2-ブロモ-3-ドデシルチオフェン(23)の製造
3-ドデシルチオフェン(5.00 g, 19.8 mmol)のCHCl3/HOAc (1:1) (Vt = 20.0 mL)溶液に、0°Cにて、NBS(3.52 g, 19.8 mmol)を、数回で45分間にわたって加えた。反応混合物を1時間、0°Cにて攪拌し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(50.0 mL)に注ぎ、クロロホルム(3×50.0 mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50.0 mL)、NaOH溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。Celiteに通してろ過した後、クロロホルムを真空下で除去し、生成物を無色油状物として得た(6.05 g、収率93%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.84-1.54 (m, 23H), 2.53 (t, 2H), 6.76 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.15 (d, 1H, J = 4.5 Hz)。
【0134】
実施例19:2-トリブチルスタニル-3-ドデシルチオフェン(24)の製造
マグネシウムの削り物(0.160 g, 6.6 mmol)の無水THF(8.0 mL)溶液に、緩和な還流を維持するために加熱して、2-ブロモ-3-ドデシルチオフェン(23; 2.00 g, 6.0 mmol)を滴加した。反応混合物を2時間、トリブチル塩化錫(1.80 mL, 6.41 mmol)の10.0 mL無水THF溶液に、-78°Cで移される前に、還流した。混合物を室温に暖め、一晩攪拌し、水に注いだ。水相をヘキサンで抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を真空下で除去し、2-トリブチルスタニル-3-ドデシルチオフェン(24)を黄色液体として得た(3.10 g、収率95%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.90-1.63 (m, 50H), 2.62 (t, 2H), 7.12 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.55 (d, 1H, J = 4.5 Hz) ppm。
【0135】
実施例20:4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(25)の製造
n-BuLi(7.04 mL, 2.5 Mの ヘキサン溶液)を、3-ドデシルチオフェン (4.000 g, 15.8 mmol)及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(2.75 mL, 17.6 mmol)の80.0 mL乾燥エーテル溶液を攪拌しながら、-78℃にて、滴加した。次いで、溶液を室温に温め、1時間還流した。溶液を-78℃に冷却した後、CuCl2 (2.640 g, 19.6 mmol)を一度に添加した。反応混合物を、室温に温度が上昇する間、一晩攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、得られた混合物をクロロホルムで洗浄した。合わせた有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ物を濃縮して乾燥物とした。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤としてヘキサン)によって精製し、4,4′-及び3,3′ジドデシルビチオフェン(〜15%の1H NMRによる混合物)の混合物を得た。アセトン:エタノール(1:1)混合物からの再結晶によって、4,4’ジドデシル-2,2’-ビチオフェン(25)を白色固体として得た(2.200 g、収率55%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.91 (t, 6H), 1.33 (m, 36H), 1.66 (q, 4H), 2.60 (t, 4H), 6.80 (s, 2H), 7.01 (s, 2H) ppm。
【0136】
実施例21:4,4′ジドデシル-5,5′-トリメチルスラニル-2,2′-ビチオフェン(27)の製造
4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(25, 1.00 g, 2.0 mmol)の30.0 mLのTHF溶液に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.0 mL, 2.5 M, 5.0 mmol)を、-78℃で滴加した。その溶液を-78℃にて30分間攪拌し、1時間室温で攪拌した。次いで、溶液を、-78℃に冷却し、その溶液を、トリメチル塩化錫のTHF溶液(6.0 mL, 1.0 M, 6.0 mmol)に一度で加えた。その溶液を室温まで温め、30.0 mLの水及び30.0 mLの酢酸エチルを添加した。有機相を2回30 mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過した後、溶媒を、真空下、ろ液から除去し、4,4′ジドデシル-5,5′-トリメチルスタニル-2,2′-ビチオフェン(27)を黄色油状物として得た(0.60 g、収率72%)。
1H NMR (CDCl3): δ0.40 (s, 18H), 0.95 (t, 6H), 1.33 (br, 36H), 1.60 (q, 4H), 2.61 (t, 4H), 7.18 (s, 2H)。
【0137】
実施例22:2,8ジチエン-2-イル-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5B)の製造
インデノフルオレンジオン5(0.200 g, 0.257 mmol)、2-トリブチルスタニルチオフェン(0.231 g, 0.618 mmol)及びPd(PPh3)4(20 mg)の無水トルエン溶液 (8.0 mL)を、窒素下、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジチエン-2-イル-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5B)を紫色固体として得た(121 mg、収率60.0%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 46H), 3.41 (b s, 4H), 7.11(t, 2H), 7.39 (d, 2H, J = 3.0 Hz), 7.62(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.88 (s, 2H) ppm;
m.p: 205-206℃; MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 783.0;
元素分析: C, 79.60; H, 7.82。
【0138】
実施例23:2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニレンジオン(9B)の製造
ジブロモテトラフェニレンジオン9(0.400g, 0.531 mmol)、2-トリブチルスタニルチオフェン(0.476 g, 1.275 mmol)及びPd(PPh3)4(50 mg)の無水トルエン溶液(20.0 mL)を、窒素下、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニレンジオン(9B)を黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88-1.66 (m, 46H), 2.13 (t, 4H), 7.15 (t, 2H), 7.36 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.44 (d, 2H, J = 3.0 Hz), 7.50 (s, 2H), 7.61 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.78(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.97 (s, 2H), 8.03 (s, 2H) ppm;
m.p: 180-181℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 871.9;
元素分析: C, 81.15; H, 7.76。
【0139】
実施例24:2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニレンジマロノニトリル(10B)の製造
ジブロモテトラフェニレンマロノニトリル10(180 mg, 0.187 mmol)、2-トリブチルスタニルチオフェン(168 mg, 0.449 mmol)及びPd(PPh3)4(15 mg)の無水トルエン溶液(8.0 mL)を、窒素下、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニルレンジマロノニトリル(10B)を黄色固体として得た(0.114 g、収率70%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 46H), 2.10 (t, 4H), 7.13 (t,2H) 7.35 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.44 (d, 2H, J = 3.5 Hz), 7.51 (s, 2H), 7.75(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.69 (s, 2H), 8.78 (s, 2H) ppm;
m.p: 280-281℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 870.8;
元素分析: C, 79.80; H, 7.74。
【0140】
実施例25:2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'イルl-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(30)の製造
5-トリメチルスタニル-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29, 0.457 g, 0.686 mmol)、化合物18(0.140 g, 0.312 mmol)及びPd(PPh3)2Cl2(45.0 mg, 0.064 mmol)の無水DMF溶液(25.0 mL)を、窒素下、125℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(4:6))によって精製し、2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'-イル-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(30)を緑固体として得た(100.0 mg、収率25%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 92H), 2.60 (t, 4H), 2.67(t, 4H), 6.83 (s, 2H), 7.03 (s, 2H), 7.05 (d, 2H), 7.61(q, 4H), 7.77 (s, 2H), 7.83 (s, 2H) ppm;
m.p: 96-97℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 1284.0;
元素分析: C, 78.20; H, 8.60。
【0141】
実施例26:2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'イルl-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(31)の製造
2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'-イル-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン30(40.0 mg, 0.031 mmol)及びマロノニトリル(35.0 mg, 0.53 mmol) の混合物を、乾燥クロロベンゼン(3.0 mL)に、窒素下、溶解し、ピリジン(0.06 mL)及びTiCl4(0.04 mL, 0.64 mmol)を加えた。得られた混合物を110℃にて5時間、窒素下で攪拌した。冷却し、20.0 mLの水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'-イル-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(31)を暗緑固体として得た(25 mg、58%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 92H), 2.58 (t, 4H), 2.71(t, 4H), 6.83 (s, 2H), 7.05 (s, 2H), 7.06 (d, 2H), 7.63 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.68(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.51 (s, 2H), 8.56 (s, 2H) ppm;
m.p: 96-97℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 1380.0;
元素分析: C, 78.55; H, 8.49。
【0142】
実施例27:5-ブロモ-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29A)の製造
4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(0.100 g, 0.199 mmol)のCHCl3/HOAc(1:1)(Vt = 2.0 mL)溶液に、0°Cにて、N-ブロモサクシミド(NBS, 35.7 mg, 0.199 mmol)を、数回、45分間にわたって添加した。反応混合物を1時間0°Cにて攪拌し、一晩室温で攪拌した。反応混合物を水(50.0 mL)に注ぎ、クロロホルム(3×50.0 mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50.0 mL)、NaOH溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。Celiteに通してろ過した後、クロロホルムを真空下で除去し、5-ブロモ-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29A)を無色油状物として得た(98.0 mg、収率85%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.84-1.54 (m, 46H), 2.57 (m, 4H), 6.81 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.94 (s, 1H)。
【0143】
実施例28:5-トリメチルスタニル-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29)の製造
5-ブロモ-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29A, 100 mg, 0.172 mmol)の4.0 mLのTHF溶液に、ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.076 mL, 2.5 M, 0.189 mmol)を、-78℃にて滴加した。溶液を、1時間、-78℃で攪拌し、トリメチル塩化錫のTHF溶液(0.20 mL, 1.0 M, 0.20 mmol)を一度に添加した。溶液を室温まで温め、10.0 mLの水及び10.0 mLのジエチルエーテルを添加した。有機相を分離し、20 mLの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を真空下で濃縮し、5-トリメチルスタニル-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29, 0.103 g、収率90%)を黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.84-1.64 (m, 46H), 2.58 (m, 4H), 6.77 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.13 (s, 1H)。
【0144】
実施例29:インデノフルオレンジオンビチオフェンコポリマー(IFDKT2)の製造
2,5-ビス(トリブチルスタニル)チオフェン(0.095 g, 0.128mmol)、2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン5(0.100 g, 0.128 mmol)及びPd(PPh3)4 (10 mg)の無水トルエン溶液 (5 mL)を、窒素下、110℃にて2日間攪拌しながら加熱した。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(300 mL)に注いだ。得られた固体を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、ソックスレー抽出によって、クロロベンゼンに溶解した。メタノールを添加し、析出した生成物を採取し、テトラフェニレンジマロノニトリル コポリマーを黒色固体として得た(78.0 mg、40%)。
RT GPC: Mn = 9400 g mol-1, Mw = 11,200 g mol-1、
D = 1.20 (PS標品に対して);
元素分析: C, 79.65; H, 7.50。
【0145】
実施例30:テトラフェニレンジオンビチオフェンコポリマー(TPDKT2)の製造
2,5-ビス(トリブチルスタニル)ビチオフェン(0.143 g, 0.193 mmol)、ジブロモテトラフェニレンジオン9(0.145 g, 0.193 mmol)及びPd(PPh3)4(25 mg) の無水トルエン溶液(10 mL)を、窒素下、110℃にて2日間攪拌しながら加熱した。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(300 mL)に注いだ。得られた固体を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、ソックスレー抽出によって、クロロベンゼンに溶解した。メタノールを添加し、析出した生成物を採取し、テトラフェニレンジマロノニトリル コポリマーを黒色固体として得た(100 mg, 35%)。
RT GPC: Mn = 6200 g mol-1, Mw = 9,400 g mol-1
D = 1.52 (PS標品に対して);
元素分析: C, 81.20; H, 7.10。
【0146】
実施例31:IFDMT4-12の製造
20 mLの マイクロ波ガラスバイアルに、2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(22)(100.0 mg, 0.096 mmol)、4,4′ジドデシル-5,5′-トリメチルスタニル-2,2′-ビチオフェン(26; 80.0 mg, 0.096 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.0 mg, 0.002 mmol)、トリ-(o-トリルホスフィン)(2.5 mg, 0.008 mmol)及びクロロベンゼン(2.0 mL)を充填した。ガラスバイアルを窒素でパージし、密閉し、マイクロ波反応器で加熱した。バイアルを、140℃にて120秒間、160℃にて120秒間及び180℃にて900秒間で攪拌しながら加熱するように、温度勾配を利用した。反応中のパワーを300 Wとした。50℃に冷却した後、粗生成物をメタノールで析出した。析出物をろ過によって採取し、THFに溶解し、0.45 μmフィルターでろ過紙、再度メタノールで析出させた。この溶解/析出工程をさらに3回繰り返した。最終ポリマーをソックスレー抽出(アセトン及びメタノールで)に付し、100℃にて一晩乾燥し、IFDMT4-12を暗有色固体として得た(79.6 mg、収率60%)。
1H NMR (CDCl3): δ0.88-1.62 (br m, 92H), 2.57 (br, 4H), 2.74 (br, 4H), 7.00 (br, 2H), 7.42 (br, 2H), 7.65 (br, 4H), 8.55 (br, 4H) ppm;
元素分析: C, 78.87; H, 8.42; N, 3.65;
GPC (HT in TCB) Mw = 23273 g/mol , Mn =6685 g/mol, PDI = 3.48。
【0147】
実施例32:テトラフェニレンジオン-フルオレンコポリマー(TPDKF)の製造
化合物9 (150.0 mg, 0.173 mmol)、2,2'-(9,9ジオクチル-9H-フルオレン-2,7ジイル)ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン)(131.0 mg, 0.173 mmol)及びアリコート336 (0.02 g)の混合物を、3回、窒素で脱気し、3.0 mLの乾燥トルエンを加えた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(10 mg, 0.005 mmol)の炭酸水素ナトリウム水溶液(0.6 mL, 2M, 2時間脱気)を、N2下、添加した。混合物を激しく攪拌し、2日間、還流温度に加熱した。高い粘土の反応混合物を沸騰メタノール (30 mL)に注ぎ、橙ポリマーを析出させた。そのポリマーをろ過によって採取し、アセトン、メタノール、水で洗浄し、一晩、真空下、60oCで乾燥そた。そのポリマーをTHF(170 mg 、9 mLのTHF中)に溶解し、40 mLのアセトンで、2回再析出し、140 mgのTPDKFを橙ポリマーとして得た(45%)。
元素分析: C, 87.30; H, 9.57; O, 2.58。
【0148】
実施例33:テトラフェニレンジマロノニトリルホモポリマー(TPDC)の製造
Ni(COD)2(211 mg, 0.746 mmol)、2,2'-ビピリジル(116.5 mg, 0.746 mmol)及び1,5-シクロオクタジエン(COD, 0.091 mL, 0.746 mmol)を、グローブボックス内で、乾燥DMF(5 mL)及び乾燥トルエン(1.6 mL)中で混合した。紫色溶液を80℃にて30分間加熱した。ジブロモテトラフェニレンジマロノニトリル10(300 mg, 0.311 mmol)の6 mLの乾燥トルエン溶液を添加した。その溶液を、アルゴン下、1日間攪拌し、ブロモベンゼン(1.0 mL)を添加した。反応混合物をメタノール中に注ぎ、ろ過した。得られた溶液を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、THF中に溶解し、メタノール中に析出させ(3回)、ろ過してテトラフェニレンジマロノニトリルホモポリマーを黄色固体として得た(125 mg, 50%)。
RT GPC: Mn = 8037 g mol-1, Mw = 12,455 g mol-1、
D = 1.55 (against PS standard);
元素分析: C, 83.85; H, 7.63; N, 6.77。
【0149】
実施例34:テトラフェニレンジマロノニトリルビチオフェンコポリマー(TPDCT2)の製造
2,5-ビス(トリブチルスタニル)ビチオフェン(0.45 mmol, 0.30 g)、ジブロモテトラフェニレンジマロノニトリル10(0.45 mmol, 0.43 g)及びPd(PPh3)2Cl2(40 mg)の無水トルエン溶液(10 mL)を、2日間、窒素下で攪拌しながら、80℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(300 mL)に注いだ。得られた固体を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、クロロホルムに溶解し、メタノールから析出させた(3回)。得られた固体をろ過し、テトラフェニレンジマロノニトリル コポリマーを黒色固体として得た(210 mg, 50%)。
RT GPC: Mn = 8100 g mol-1, Mw = 10,500 g mol-1
D = 1.30 (against PS standard);
元素分析: C, 81.95; H, 6.70; N, 6.60。
【0150】
実施例35:サイクリックボルタンメトリー
化合物4, 5及び6, 9及び10、5B、9B、10B、19、20及び30についてのTHF中でのサイクリックボルタンメトリーを図1A、1B及び8にそれぞれ示す。対応するデータを表1に示す。可逆反応が全ての試験化合物で観察された。
【表1】
a LUMO エネルギーレベルは、E11/2+ 4.44 eVとして計算した。
【0151】
実施例36:共役モノマーのUV-可視分光法及び蛍光分光法
THF中の化合物4、5及び6、化合物9及び10のUV-可視吸収及び光ルミネセンススペクトルを、それぞれ図2A及び図2Bに示し、THF中の化合物5B、9B、10B、19、20及び30のUV-可視吸収及び光ルミネセンススペクトルを、それぞれ図9及び図10に示す。表2に対応データを示す。
【表2】
bバンドギャップは、UV-可視スペクトルの低エネルギーバンドギャップから推測した。
cカブトニル基によるn-π* 遷移
dHOMOエネルギーレベルをLUMO + Egとして計算した。
eブロード及び弱いエミッションピーク
【0152】
実施例37:TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12のUV-可視分光法及びサイクリックボルタンメトリー
ホモポリマーTPDC及びコポリマーTPDCT2、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12の電気特性を、溶液中にてUV-可視分光法によって、薄膜形状でサイクリックボルタンメトリーによって、研究した(代表的なUV-可視スペクトル及びサイクリックボルタノグラムを図3及び図4に示す)。UV-可視スペクトルの低エネルギーバンドギャップから計算された光学バンドギャップは、それぞれ、TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12について、1.80 eV、1.75 eV、1.90 eV、1.85 eV及び1.36 eVである。ホモポリマーTPDCの吸収スペクトルは、相当の赤方偏移を示した。さらに、580 nm周辺のショルダーが、ポリマー濃度が増加したときに現れた。ポリマーの電気化学的特性を、アセトニトリル中での白金作用電極上で行い、重合薄膜を用いた。可逆的酸化還元は、TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12について、1.31 V、1.12 V、0.90 V、0.98 V及び1.07 Vのオンセット酸化電位とともに、-0.37 V、-0.60 V、-0.90 V、-0.80 V及び -0.29 Vのオンセット還元電位で観察された。電気化学的バンドギャップは、TPDKT2、IFDKT2、IFDMT4-12、TPDC及びTPDCT2について、それぞれ、1.80 eV、1.78 eV、1.36 eV、1.68 eV及び1.72 eVとして計算され、それは光学バンドギャップと良好に一致していた。スタンダードカロメル電極の真空エネルギー準位が4.44 eVであることを考慮して、LUMOエネルギー準位は、それぞれ、TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12について、約4.07 eV、3.84 eV、3.54 eV、3.64 eV、4.15 eVであった。
【0153】
実施例38:FETデバイスの製造及び測定
OTFTデバイスを、トップコンタクト形状で、誘電体として、熱成長したSiO2(300nm)、HMDS処理及びOTS処理がなされたSiO2を用いて、低抵抗n型シリコンウエハ上に組み立てた。化合物10を含む活性半導体層を、真空蒸着によって堆積した。X線回折は、気相成長膜が非常に結晶質であることを示す。ブラッグ反射のプログレッションは、d-間隔18.4 A及びπ-πスタック距離4.6 Aに一致する。トップコンタクトデバイスのために、金のコンタクトを、約25μm〜約100μmのチャネル長及び約500μm〜約2000μのチャネル幅を与えるシャドーマスクを使って膜のトップをパターニングした。OFET特徴付けを真空下で行った。出力及び移動特性並びに薄膜XRDを図5に示す。
4×105のIon/Ioffを有する0.001-0.002 cm2/V sの電子移動度が、OTS処理された基体上に基体温度90℃で堆積された膜に観察された。〜10-5-10-6cm2/V s (Ion/Ioff 10-100)の低電子移動度が、HMDS処理された及び未処理の基体上に室温で堆積された膜に、観察された。
【0154】
ポリマー薄膜を、n−ドープSi/SiO2基体上に、クロロホルム及びTHF中のポリマー溶液からスピンコーティング及びドロップキャスティングによって製造した。HMDS-又はOTS処理及び未処理基体を用いた。クロロホルム(2mg/mLの滴加キャスティング及び10mg/mLのスピンコーティング)から堆積され、100℃でアニールしたホモポリマーTPDCの膜で作製したFETについて、2×103のIon/Ioffを有する0.8×10-5cm2/V sの電子移動度が真空下で観察された(図6)。
【0155】
コポリマーTPDCT2は、THF溶液から堆積した場合、〜104のIon/Ioffを有する4×10-5cm2/V sの電子移動度を示した。TPDCと比較したその非常に小さなバンドギャップ及び高いHOMOエネルギー準位のために、二極性の動向が、4×10-5 cm2/V s (〜104のIon/Ioff)の電子移動度及び3×10-5 cm2/V s (〜104のIon/Ioff)のホール移動度を有して、OTS処理基体で観察された。閾値電圧は、n型半導電性動向について35V及びp型半導電性動向について-65Vであった。いかなる理論にも拘束されることがなければ、p型出力プロットにおける高い閾値電圧及び非オーミック動向は、ホールについての0.5eVの高い注入バリアのために可能となると考えられ、一方、金フェルミレベル(-5.1eV)と比較して停滞しているHOMOエネルギー準位(-5.6eV)のために可能となる。
【0156】
トップコンタクトFETを、OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理のp+-Si/SiO2(300 nm)基体上に、CHCl3(5.0 mg/mL)中の20又はIFDMT4-12溶液のスピンコーティングによって作製した。半導体膜(60-65nm)を、真空下で30分間、150oCでアニールし、その後Au電極(50nm)を堆積した。薄膜マイクロ構造的なオーダーが、面外θ-2θXRD及び斜入射X線回折(GIXRD)によって分析された。図11Aに示すように、20及びIFDMT4-12薄膜は非常に結晶質であり、それぞれ第4(400)及び第2(200)のオーダーまでのブラッグ反射を示す。主な反射が、20について2θ = 3.46°(d-間隔= 25.6 A)及びポリマーIFDMT4-12について、2θ = 4.12°(d-間隔= 21.4 A)が観察された。これらのデータは、基体表面と比較した一般の優先分子/チェーン真横向きの(edge-on)配向を有する良好に組織化された薄板状微細構造と一致している。割り当てられたπ-πスタッキング繰り返し距離は、3.1 A (2θ = 28.5°、図11Bに表す)であり、それは、オリゴ-/ポリ-チオフェン(3.4 A-3.8 A)での代表的な観察よりもきわめて小さい。
【0157】
これらのFETのデバイス特性は、大気中で測定し、20の代表的な移動度及び出力プロットを図12及び図13に示す。これらのデバイスは、μe= 0.10-0.16 cm2V-1s-1、Ion/Ioff= 107-108及びVT= 0 〜 +5 Vのn−チャネル特性を示す。さらに、これらのデバイスは、光又は湿気を排除することなく、空気中で5ヶ月保管の後、TFT特性において、極わずかな変化を示した。さらに、IFDMT4-12系のFETは、大気中で二極性であり、〜 +5 V (n-チャネル)及び-10 V (p-チャネル)のVTを有し、同様の電子及びホール移動度(〜 2x10-4 cm2V-1s-1) 及びIon/Ioff比(〜 104)を示す(図14)。IFDMT4-12が、空気安定性であり、非常に可溶の二極性半導体ポリマーの第1実施例である点に留意する必要がある。また、本ポリマーのユニークな電子構造は、非常に小さなバンドギャップ(1.36 eV)を与え、Auコンタクトによって、HOMO準位(-5.51 eV)をホール注入のために利用でき、よって、p−チャネル作用を高めることができることに留意すべきである。
どのような理論にも束縛されることを望まないならば、20で観察された高移動度は、おそらく、強化された分子間π軌道のオーバーラップ、非常にざらつきのある薄膜及び大きな膜ゲインサイズの組み合わせを反映する。さらに、どのような理論にも拘束されることを望まないならば、優先的な真横向き(edge-on)分子配向は、面内のソース−ドレイン(S→D)移動を支持する。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、20及びIFDMT4-12の優れた空気安定性は、低いLUMO順位(-4.15 and -4.32 eV)に関連がありそうである。
【0158】
コポリマーIFDKT2及びTPDKT2は、それぞれ、〜104-105のIon/Ioff 比を有し、〜104-1052×10-3 cm2/V s及び1×10-4 cm2/V sのホール移動度を、それぞれ示す(図15及び図16)。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、これらのポリマーにおける極わずかのn−チャネル伝導は、電子のために>1.0eVの高い注入バリアをもたらすLUMOエネルギー準位によると考えられる。さらに、どのような理論にも拘束されることを望まないならば、おそらく、低HOMOエネルギー準位(〜5.3-5.4 eV)のため、p型伝導が、空気安定性であることが分かった。
【0159】
モノチオフェン末端構造5B及び19は、二極性の性質を示す。化合物5Bでは、電子及びホール移動度が、それぞれ、0.003 (Ion/Ioff〜 105) cm2/V s 及び4×10-4 cm2/V s (Ion/Ioff〜 105)と計算される(図17及び図18)。化合物19は、電子及びホール移動度が、それぞれ、0.006 cm2/V s (Ion/Ioff〜 104)及び0.002 cm2/V s (Ion/Ioff〜 104)を示す。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、これらの2つの半導体の二極性の動向は、バランスのとれたHOMO及びLUMOエネルギー準位並びに低い注入バリア(0.5eV)をもたらすドナー−アクセプタ型の骨格に起因するかもしれず、それは、同様に、電子及びホール注入の双方を高める。他方、チオフェン末端化合物9Bは、6×10-4 cm2/Vs及びIon/Ioff〜 105のホール移動度を有するp型動向を示すのみである(図21)。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、この化合物(3.19eV)についての高いLUMOエネルギー準位は、ほとんど極わずかのn-チャンネル作用をもたらす電子に対して、注入バリアを増加するかもしれない。
【0160】
本教示は、その精神又は必須の特徴から逸脱することなく、他の種々の実施形態を包含する。前述の実施形態は、従って、あらゆる点で、ここに記載される本教示を制限するというよりむしろ実例となると考えられる。本発明の範囲は、請求項と同等の意味及び範囲内の前述の記載及び全ての変更がここに包含されることを意図するよりもむしろ、添付の請求項によって記載されている。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2007年8月2日にファイルされた米国仮出願60/963,087号の優先権を主張し、その利益を享有し、その全体を参照として取り込む。
本発明は、一部において、ナバル・リサーチ・オフィス(ONR)によって与えられた登録番号N00014-02-1-0909及びN00014-05-1-0541(双方ともノースウェスタン大学に対して)の下連邦政府の支持でなされた。アメリカ合衆国政府には、この発明において特定の権利がある。
【背景技術】
【0002】
共役ポリマーは、特に、薄膜トランジスタ、光電池及び発光デバイスにおいて、有機エレクトロニクスにおける半導体及び電気活性材料としてのそれらの潜在的用途のために、ここ数数十年の科学的及び技術的研究の主な焦点であった。例えば、Sirringhaus, H.ら、Science, 280: 1741-1744 (1998)参照。なかでも、有機薄膜トランジスタ(OTFT)ハ、大面積カバレッジ、低コスト、構造的な柔軟性の利点を併せもっているため、無機材料に基づくより代表的で、主流となっているトランジスタの実行可能な代替と考えられている。例えば、Horowitz, G.、dv. Mater.、10: 365-377 (1998)を参照。トランジスタは、すべての最新の電子機器において、増幅及びスイッチングのために使われる重要な構成要素である。有機トランジスタの2つの重要なデバイス性能測定基準は、電荷キャリア移動度(μ)及び電流オン/オフ比(Ion/Ioff)である。
【0003】
電荷キャリア移動度は、n型に対して1cm2V-1s-1及びp型に対して10cm2V-1s-1に略等しいが、重合半導体に対する移動度は、未だこれらの値を1〜2桁下回ったままである。例えば、Dimitrakopoulos, C.D.ら、Adv. Mater., 14: 99-117 (2002)参照。OTFT用の新たなπ共役重合半導体の設計、システム及び特性は、例えば、直接印字プリンティング技術との適合性、フィルム形成の容易さ、低コスト製造プロセスとの適合性及び柔軟なプラスチック回路との適合性等のポリマーの固有の技術的特性のために重要である。例えば、Zhu, Y.ら、Macromolecules, 38: 7983-7991 (2005)参照。0.1 cm2 V-1s-1の高い移動度がp型ポリマーに対して得られているが(例えば、Sirringhaus, H.ら、Nature, 401: 685-687 (1999)参照)、可溶性n型ポリマーはまれであり、実用的な条件を用いた移動度として報告されたもののうち、最も高いものでもわずか10-6 cm2 V-1s-1に等しい程度である。0.1 cm2 V-1s-1の移動度がn型ポリマーに対して報告されたが、これはポスト−溶媒キャスト法についてのみ達成され、その方法は一般適用のためには実際的でない方法である。例えば、Babel、A.ら; J. Am. Chem. Soc., 125: 13656-13657 (2003)参照。
【発明の概要】
【0004】
上記を考慮して、本発明の技術は、上述した概要を含む最新技術の種々の不足及び欠点に対処することができる有機半導体材料及び関連組成物、複合材料並びに/又はデバイスを提供する。
【0005】
より詳細には、本発明は、所望の半導体活性を促進するためのはしご型部位を含む新たな共役化合物(例えば、モノマー及びポリマー)を提供する。そのような共役化合物は、高いn型キャリア移動度及び良好な電流変調特性を示すことができる。また、この技術の化合物は、二極性の半導体活性を示すことができる。さらに、この技術の化合物は、溶媒処理性及び/又は大気条件において良好な安定性等の所定の加工性の利点を有することができる。
【0006】
この技術の化合物は、一般に、平面的なπ共役コアを含む。例えば、インダセン、インデノフルオレン及びテトラフェニレン並びに1以上の炭素原子がO、S、Si、Se、N又はP等のヘテロ原子で置き換わったそれらの類似体が挙げられる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まなければ、これらコアの高いπ共役及び平面特性は、π電子の局在化を可能にし、良好な分子間のπスタッキングを提供すると考えられる。
【0007】
これらのコアの物理及び/又は電気化学的特定をさらに高めるために、カルボニル基等の1以上の電子求引基及び/又はマロノニトリル基を、π共役コアに導入することができる。そのような電子欠損官能基は、低LUMO準位に寄与することができ、半導体活性を促進することができる。さらに、π共役の破壊を引き起こすことなく、可溶性を助けるために、アルキル鎖(アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基等のような類似基)を、パイ共役コア又はπ共役における官能基を改変するために導入することができる。
【0008】
一観点において、この技術は、式Iの化合物に関する。
【化1】
ここで、Ra, Ra', Rb, Rb', Rc, Rc'及びWは、ここで定義するとおりである。
【0009】
また、本教示は、式III、式IV及び式Vの化合物に関する。
【化2】
ここで、a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, p, q, W及びZは、ここで定義するとおりである。
さらに、式I、式III、式IV及び式Vの化合物は、ここで説明した1以上の所望の特性を有する特定の重合化合物を提供する構成単位として用いることができる。
【0010】
従って、別の観点では、本教示は、また式I、式III、式IV及び式Vの1以上の化合物の重合生成物に関する。いずれかの実施形態では、本教示は、式II’又は式II”の繰り返し単位を含むポリマーに関する。
【化3】
ここで、Ra, Ra', Rc, Rc', Rd及びWは、ここで定義するとおりである。
【0011】
いずれかの実施形態では、本教示は、式VIの繰り返し単位を含むポリマーに関する。
【化4】
ここで、Aは、存在する場合には独立して、式III’、式IV’又は式V’であり、
【化5】
Eは、存在する場合には独立して、2価のC6-14アリール又は2価の5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれは、任意にここで定義される置換基で置換されていてもよく、a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, p, q, x, y, W及びZは、ここで定義するとおりである。
【0012】
さらに、本教示は、そのような化合物の製造方法並びにここに開示する化合物を組み込んだ半導体材料及び種々の組成物、複合体及びデバイスを提供する。
本教示並びに本教示の他の特性及び利点は、以下の図面、記載及び請求項から十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下に記す図面は、説明の目的のみのためであることを理解すべきである。図面は、どんな形態であっても、本教示の範囲を制限することを意図しない。
【図1A】THF中の本教示の例示化合物(4、5及び6)の周期的ボルタンモグラムを示す(そのピークによる内部標準を0.54Vに調整するようにフェロセンを使用した)。
【図1B】THF中の本教示の例示化合物(9及び10)の周期的ボルタンモグラムを示す(そのピークによる内部標準を0.54Vに調整するようにフェロセンを使用した)。
【図2A】THF中の本教示の例示化合物(4、5及び6)の紫外線−可視(UV-Vis)及びフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図2B】THF中の本教示の例示化合物(9及び10)の紫外線−可視(UV-Vis)及びフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図3A】THF中の本教示の例示化合物(ホモポリマーTPDC)のUV-Visスペクトルを示す。
【図3B】THF中の本教示の例示化合物(ホモポリマーTPDC)の周期的ボルタンモグラムを示す。
【図4A】THF中の本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)のUV-Visスペクトルを示す。
【図4B】THF中の本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)の周期的ボルタンモグラムを示す。
【図5A】本教示の例示化合物(10)を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)の代表的なトランスファープロットである。
【図5B】本教示の例示化合物(10)を含むOFETのな出力プロットである。
【図5C】本教示の例示化合物(10)を含むOFETの薄膜x線回折(XRD)である。
【図6A】本教示の例示化合物(ポリマーTPDC)を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)の代表的なトランスファープロットである。
【図6B】本教示の例示化合物(ポリマーTPDC)を含むOFETの代表的な出力プロットである。
【図7A】本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)の代表的な二極性トランスファープロットである。
【図7B】本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)を含むOFETの代表的なn型出力プロットである。
【図7C】本教示の例示化合物(コポリマーTPDCT2)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【図8】THF中の本教示の例示化合物(5B、9B、10B、19、20及び30)の周期的ボルタンモグラムを示す(そのピークによる内部標準を0.54Vに調整するようにフェロセンを使用した)。
【図9】THF中の本教示の例示化合物(5B、9B、10B、19、20及び30)の紫外線−可視(UV-Vis)スペクトルを示す。
【図10】THF中の本教示の例示化合物(5B、9B、10B、19、20及び30)のフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図11AB】本教示の例示化合物(20及びIFDMT4-12)をそれぞれ含む2つのOFETデバイスの薄膜x線回折(XRD)を示す。
【図12】本教示の例示化合物(20)を含むOFETの代表的なトランスファープロットである。
【図13】本教示の例示化合物(20)を含むOFETの代表的な出力プロットである。
【図14】本教示の例示化合物(コポリマーIFDMT4-12)を含むOFETの代表的な二極性トランスファープロットである。
【図15】本教示の例示化合物(コポリマーIFDKT2)を含むOFETの代表的なトランスファープロットである。
【図16】本教示の例示化合物(コポリマーTPDKT2)を含むOFETの代表的なトランスファープロットである。
【図17】本教示の例示化合物(5B)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【図18】本教示の例示化合物(5B)を含むOFETの代表的なn型出力プロットである。
【図19】本教示の例示化合物(19)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【図20】本教示の例示化合物(19)を含むOFETの代表的なn型出力プロットである。
【図21】本教示の例示化合物(9B)を含むOFETの代表的なp型出力プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本教示は、はしご型π共役コアに基づく低分子化合物に関する。これらの化合物は、良好な半導体活性を示す重合化合物を提供する他の成分と重合又は共重合することができる。本教示は、さらに、これら化合物の製造方法、そのような化合物を組み込んだ組成物、複合体、材料、製品、構造及びデバイスに関する。
【0015】
明細書全体わたって、組成物は、特定の成分を有する、含む又は備えるものとして説明され、プロセスは、特定の製造工程を有する、含む又は備えるものとして説明され、また、本教示の組成物は、当該化合物から実質的になる又はからなることを意図し、本教示のプロセスは当該製造工程から実質的になる又はからなることを意図する。
【0016】
本願では、要素又は成分は、引用された要素又は成分のリストにおけるものを含み及び/又はリストから選択され、要素又は成分は、引用された要素又は成分のいずれか1つとすることができ、引用された要素又は成分の2以上からなる群から選択することができることを理解すべきである。さらに、要素及び/又は組成物、装置の特徴又はここで説明された方法は、ここで明白であるか黙示的であるかにかかわらず、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく種々の方法により組み合わせることができる。
【0017】
用語「含む」「含む」「含んでいる」「有する」「有する」又は「有している」の使用は、通常、特に断りのない限り、オープンエンド型または非限定として理解すべきである。
ここでの単数形の使用は、特に断りのない限り複数形(その逆)を含む。さらに、用語「約」の使用は、量に関する値の前にあり、本教示は、特に断りのない限り、特定の量に関する値を含む。ここで用いられるように、「約」は、名目上の値の±10%を指す。
【0018】
工程の順序又は特定の作用を行うための順序は、本教示が操作可能である限り、重要でないことを理解すべきである。さらに、2以上の工程又は作用を同時に行ってもよい。
【0019】
ここで用いられるように、「ポリマー」又は「重合性化合物」は、共有化学結合によって結合する繰り返し単位の複数を含む分子をさす。ポリマーは、繰り返し単位の1種のみを有していてもよいし、2以上の異なる繰り返し単位を有していてもよい。前者の場合、ポリマーは、ホモポリマーとみなすことができ、あるモノマーの自己重合の生成物である。後者の場合、用語「コポリマー」又は「共重合性化合物」を特に、ポリマーが化学的に著しく異なる繰り返し単位を含む場合に、その代わりに用いることができる。コポリマーは、2以上の異なるモノマーの重合の生成物である。いくつのタイプの繰り返し単位を有しているかにかかわらず、ポリマーは線形であっても又は分岐されていてもよい。分岐ポリマーは、樹状化ポリマー、超分岐ポリマー、ブラッシュポリマー(また、ボトルブラッシュともいわれる)等のようなデンドリックポリマーを含むことができる。特に断りのない限り、コポリマーにおける繰り返し単位の組み立ては、ヘッド−トゥ−テイル、ヘッド−トゥ−ヘッド又はテイル−トゥ−テイルとすることができる。さらに、特に断りのない限り、ポリマーはランダムコポリマー、交互コポリマー又はブロックコポリマーとすることができる。
【0020】
ここで用いられているように「溶媒処理可能」とは、スピンコーティング、プリンティング(例えば、インクジェットプリンティング)、スプレイコーティング、エレクトロスプレイコーティング、ドロップキャスティング、ディップコーティング及びブレードコーティングを含む種々の溶媒相加工処理で用いることができる化合物、材料又は組成物を指す。
ここで用いられているように、「ハロ」又は「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。
ここで用いられているように、「オキソ」とは、二重結合された酸素(つまり、=O)を指す。
ここで用いられているように、「アルキル」とは、直鎖又は分岐飽和炭化水素基を指す。例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、ヘキシル、ヘプチル等が挙げられる。種々の実施形態において、アルキル基は、1〜30の炭素原子(つまり、C1-30アルキル基)を有することができる。いすれかの実施形態において、アルキル基は、1〜20の炭素原子(つまり、C1-20アルキル基)を有することができる。ある実施形態では、アルキル基は、1〜6の炭素原子を有することができ、「低級アルキル基」として示すことができる。低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)等が挙げられる。いずれかの実施形態では、アルキル基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。アルキル基は、一般に、他のアルキル基又はアルケニル又はアルキニル基で置換されていない。
【0021】
ここで用いられているように、「ハロアルキル」は、1以上のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。ハロアルキル基としては、CF3, C2F5, CHF2, CH2F, CCl3, CHCl2, CH2Cl, C2Cl5等が挙げられる。ペルハロアルキル基、つまり全ての水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基(例えば、CF3及びC2F5)が、「ハロアルキル」の定義に含まれる。例えば、C1-30ハロアルキル基は、式-CmH2m+1-tXt(ここで、XはF, Cl, Br又はI、mは1〜30の整数、tは1〜61の整数、ただし、tは2m+1以下である)を有することができる。ペルハロアルキル基でないハロアルキル基は、ここで開示されているように置換基を有していてもよい。
【0022】
ここで用いられているように、「アリールアルキル」は、−アルキル−アリール基を指し、アリールアルキル基は、アルキル基を介して定義された化学構造に共有結合されている。アリールアルキル基は、-Y-C6-14アリール基の定義のものであり、ここで、Yはここで定義されているとおりである。アリールアルキル基としては、ベンジル基(-CH2-C6H5)が挙げられる。アリールアルキル基は置換されていてもよく、つまり、アリール基及び/又はアルキル基は、ここで開示されるように置換されていてもよい。
【0023】
ここで用いられているように、「アルケニル」とは、1以上の炭素二重結合を有する直鎖又は分岐アルキル基を指す。アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル基等が挙げられる。1以上の炭素−炭素二重結合は、分子内(2−ブテンのように)にあってもよいし、末端(1−ブテンのように)にあってもよい。種々の実施形態において、アルケニル基は、2〜30の炭素原子(つまり、C2-30アルケニル基)を有することができる。いずれかの実施形態において、アルケニル基は、2〜20の炭素原子(つまり、C2-20アルケニル基)を有することができる。ある実施形態では、アルケニル基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。アルケニル基は、一般に、他のアルケニル基又はアルキル又はアルキニル基で置換されていない。
【0024】
ここで用いられているように、「アルキニル」とは、1以上の炭素三重結合を有する直鎖又は分岐アルキル基を指す。アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル基等が挙げられる。1以上の炭素−炭素三重結合は、分子内(2−ブチンのように)にあってもよいし、末端(1−ブチンのように)にあってもよい。種々の実施形態において、アルキニル基は、2〜30の炭素原子(つまり、C2-30アルキニル基)を有することができる。いすれかの実施形態において、アルキニル基は、2〜20の炭素原子(つまり、C2-20アルキニル基)を有することができる。ある実施形態では、アルキニル基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。アルキニル基は、一般に、他のアルキニル基又はアルキル又はアルケニル基で置換されていない。
【0025】
ここで用いられているように、「シクロアルキル」とは、環化アルキル、アルケニル及びアルキニル基を有する非芳香炭素環式基を指す。シクロアルキル基は、単環式(例えば、シクロヘキシル)又は多環式(例えば、縮合、橋かけ及び/又はスピロ環式を含む)であってもよく、炭素原子は、環式の内側又は外側に配置している。シクロアルキル基のいずれかの適切な環位置は、定義された化学構造に共有結合することができる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカリール、アダマンチル及びスピロ[4.5]デカニル基並びに同族体、アイソマー等が挙げられる。ある実施形態では、シクロアルキル基は、ここで開示されるように置換基を有していてもよい。
【0026】
ここで用いられるように、「ヘテロ原子」とは、炭素又は水素以外のいずれかの元素の原子を指し、例えば、窒素、酸素、珪素、硫黄、リン及びセレニウムが挙げられる。
【0027】
ここで用いられるように、「シクロヘテロアルキル」とは、O, S, Se, N, P及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O, S及びN)を含み、1以上の二重又は三重結合を任意に含む非芳香性シクロアルキル基を指す。シクロヘテロアルキル基は、3〜20の環原子、例えば、3〜14の環原子(つまり、3−14員シクロヘテロアルキル基)を有することができる。シクロヘテロアルキル環における1以上のN, P, S又はSe原子(例えば、N又はS)ハ、酸化されていてもよい(例えば、モルホリンN−オキシド、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS,Sジオキシド)。ある実施形態では、シクロヘテロアルキル基の窒素原子は、例えば、水素原子、アルキル基又はここで開示されているような他の置換基等の置換基を有していてもよい。また、シクロヘテロアルキル基は、オキソピペリジル、オキソオキサゾリジル、ジオキソ(1H,3H)−ピリミジル、オキソ−2(1H)−ピリジル等の1以上のオキソ基を含んでいてもよい。シクロヘテロアルキル基としては、特に、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、イミダゾリジニル、イミダゾチニル、オキサゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、プロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニル等が挙げられる。ある実施形態では、シクロヘテロアルキル基は、ここで開示されるように置換されていてもよい。
【0028】
ここで用いられるように、「アリール」は、芳香族単環式炭化水素環又は2以上の芳香族炭化水素環がともに縮合した(つまり、共通した結合を有する)又は少なくとも1つの芳香族単環式炭化水素環が1以上のシクロアルキル及び/又はシクロヘテロアルキル環に縮合した多環式環を指す。アリール基は、6〜14の炭素原子を、多縮合環を含むその環システムに有することができる。ある実施形態では、多環アリール基は、8〜14の炭素原子を含むことができる。アリール基のいくつかの適当な環位置は、定義された化学構造を共有結合することができる。芳香族炭素環のみを有するアリール基としては、フェニル、1−ナフチル(二環式)、2−ナフチル(二環式)、アントラセニル(三環式)、フェナントレニル(三環式)等の基が挙げられる、少なくとも1つの芳香族炭素環が1以上のシクロアルキル及び/又はシクロヘテロアルキル基に縮合した多環式系としては、特に、シクロペンタン(つまり、5,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のインダニル基)、シクロヘキサン(つまり、5,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のテトラヒドロナフチル基)、イミダゾリン(つまり、5,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のベンズイミダゾリニル基)及びプラン(つまり、6,6二環式シクロアルキル/芳香族環系のクロメニル基)のベンゾ誘導体が挙げられる。アリール基の他の例としては、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、クロマニル、インドリニル基等が挙げられる。いずれかの実施形態では、アリール基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。いずれかの実施形態では、アリール基は、1以上のハロゲン置換基を有していてもよく、「ハロアリール」基ということができる。ペルハロアリール基、つまり、水素原子の全てがハロゲン原子で置き換わったアリール基(例えば、-C6F5)が「ハロアリール」の定義に含まれる。ある実施形態では、アリール基は、他のアリール基で置換され、ビアリール基とすることができる。ビアリール基におけるアリール基のそれぞれは、ここで開示されるように置換されていてもよい。
【0029】
ここで用いられるように、「ヘテロアリール」は、酸素、窒素、硫黄、珪素及びセレニウムから選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む芳香族単環系又は環系に存在する少なくとも1つが芳香性で、少なくとも1つの環へテロ原子を含む多環系を指す。多環へテロアリール基は、ともに縮合した2以上のヘテロアリール環及び1以上の芳香族炭素環、非芳香族炭素環及び/又は非芳香族シクロヘテロアルキル環に縮合した単環式ヘテロアリール環を含む。ヘテロアリール基は、全体として、例えば、5〜14環原子を有することができ、1〜5環へテロ原子を含む。ヘテロアリール基は、安定な構造をもたらすいずれかのヘテロ原子又は炭素原子で定義された化学構造に結合することができる。一般に、ヘテロアリール環は、O-O, S-S又はS-O結合を含まない。しかし、ヘテロアリール基における1以上のN又はS原子が酸化されていてもよい(例えば、ピリジンN−オキシド、チオフェンS−オキシド、チオフェンS,S−ジオキシド)。ヘテロアリール基としては、例えば、以下に示す5又は6員の単環及び5又は6二環系が挙げられる。
【0030】
【化6】
ここで、TはO、S、NH、N-アルキル、N-アリール、N-(アリールアルキル)(例えば、N-ベンジル)、SiH2、SiH-(アルキル)、Si(アルキル)2、SiH-(アリールアルキル)、Si-(アリールアルキル)2又はSi(アルキル)(アリールアルキル)である。
ヘテロアリール環としては、ピロール、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリミダジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、キノリル、2-メチルキノリル、イソキノリル、キノキサリル、キナゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、シンノリニル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフリル、ナフチリジニル、フタラジニル、フテリジニル(pteridinyl)、プリニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニルピリドピラジニル、イミダゾピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ピリドピリミジニル、ピロドピラジニル、ピリドピリダジニル、チエノチアゾリル、チエノキサゾリル、チエノイミダゾリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基のさらなる例として、4,5,6,7−テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾチエノピリジニル、ベンゾフロピリジニル基等が挙げられる。ある実施形態では、ヘテロアリール基は、ここに開示されるように置換されていてもよい。
【0031】
本教示の化合物は、2つの他の部位と共有結合を形成することができる結合基として、ここに定義される二価基を含むことができる。例えば、本教示の化合物は、例えば、メチレン基のような二価のC1-20アルキル基を含むことができる。
【0032】
全ての一般的な種類を反映する、最も一般的な置換基の数百の電子供与性又は電子求引性が決定され、定量化され、公表されている。電子供与性及び電子求引性で最も一般的な定量化は、ハメットσ値に関するものである。水素はゼロのハメット値を有し、一方、他の置換基は、それらの電子供与性又は電子求引性に直接関連して、陽性又は陰性を増大するハメット値を有する。陰性のハメット値を有する置換基は、電子供与するものと考えられ、一方、陽性のハメット値を有する置換基は、電子求引するものと考えられる。多数の一般に生じる置換基についてのハメット値をリストする、Lange’s Handbook of Chemistry, 12th ed., McGraw Hill, 1979, Table 3-12, pp. 3-134 to 3-138を参照(ここに引用することによって取り込む)。用語「電子受容基」は「電子アクセプター」及び「電子求引基」と同義でここで使うことができることを理解すべきである。特に、「電子求引基」(「EWG」)又は「電子受容基」又は「電子アクセプター」は、それが分子中で同じ位置を占有するならば水素原子がそうであろうよりも自体に電子を求引する官能基を指す。電子求引基の例は、限定されないが、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)、-NO2、-CN、-NC、-OH、-OR0、-SH、-SR0、-S(R0)2+、-NH2、-NHR0、-NR02、-N(R0)3+、-SO3H、-SO2R0、-SO3R0、-SO2NHR0、-SO2N(R0)2、-COOH、-COR0、-COOR0、-CONHR0、-CON(R0)2、C1-30ハロアルキル基、C6-14アリール基及び5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、R0はC1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C1-30アルコキリ基、C6-14アリール基、C3-14シクロアルキル基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基であり、それぞれ、任意に1-5のR9で置換されていてもよく、R9は、ここで定義されたとおりである。
【0033】
本明細書の種々のところで、化合物の置換基は、基又は範囲で開示される。特に、本明細書は、そのような基及び範囲のメンバーのそれぞれの及びすべての個々のサブコンビネーションも含むことを意図する。例えば、用語「C1-6アルキル」は、特に、C1, C2, C3, C4, C5, C6, C1-C6, C1-C5, C1-C4, C1-C3, C1-C2, C2-C6, C2-C5, C2-C4, C2-C3, C3-C6, C3-C5, C3-C4, C4-C6, C4-C5及びC5-C6アルキルのそれぞれを開示することを意図する。他の例として、0から40の範囲の整数は、特に、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39及び40を個々に開示することを意図し、1から20の範囲の整数は、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19及び20の個々を開示することを意図する。さらなる例として、「任意に1から5の置換基で置換されていてもよい」というフレーズは、0, 1, 2, 3, 4, 5, 0-5, 0-4, 0-3, 0-2, 0-1, 1-5, 1-4, 1-3, 1-2, 2-5, 2-4, 2-3, 3-5, 3-4及び4-5の置換基を含むことができる化学基を個々に開示することを意図する。
【0034】
ここで用いられているように、「p型半導体材料」又は「p型半導体」は、主な電流キャリアとしての正孔を有する半導体材料を指す。ある実施形態では、p型半導体材料が基材上に堆積された場合、約10-5 cm2/Vsを超える正孔移動度を与えることができる。電界効果デバイスの場合、p型半導体は、約10より大きなオン/オフ電流比を示すことができる。
【0035】
ここで用いられているように、「n型半導体材料」又は「n型半導体」は、主な電流キャリアとしての電子を有する半導体材料を指す。ある実施形態では、n型半導体材料が基材上に堆積された場合、約10-5 cm2/Vsを超える電子移動度を与えることができる。電界効果デバイスの場合、n型半導体は、約10より大きなオン/オフ電流比を示すことができる。
【0036】
ここで用いられるように、「電界効果移動度」は電荷キャリア、例えばp型半導体材料の場合正孔(又は正電荷のユニット)及びn型半導体材料の場合電子が電界の影響を受けている材料中を移動する速度の尺度を指す。
明細書を通して、構造は化学名で提示されるかもしれないか、提示されないかもしれない。いずれかの疑問が命名法に関して生じる場合、構造が優先される。
【0037】
一観点において、本教示は、1以上の(例えば2以上)電子求引基と、任意に、可溶性を改善することができる1以上の(例えば2以上)化学基とともに感応化することができる平面的π共役コアを有する化合物を提供する。平面的π共役コアは、通常、3以上の環(例えば3、5、7又は9)を含み、環の中心は、1以上の可溶性を促進すル基で官能化されていてもよい。π共役コアはの他の位置は、ここに開示したように任意に置換されていてもよい。
【0038】
より詳細には、一観点では、本教示は、式Iの化合物を提供する。
【化7】
式中、
Ra及びRa′は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f) -Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、個々のC1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基は、任意に1-5のRi基で置換されていてもよく、あるいは、Rb及びRc、Rb′及びRc′のそれぞれは、各基が結合するそれぞれの炭素原子の対とともに、独立して、任意に1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成してもよい;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NRe又はC(CN)2;
Rdは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)-Y-Rf、h)=W、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよい;
Reは、存在する場合には独立して、H又は任意に1-5のRi基で置換されていてもよいC1-30アルキル基;
Rfは、存在する場合には独立して、-(L)r-Rg;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)〜d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rgは、存在する場合には独立して、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rhは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のぞれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Riは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合;及び
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【0039】
本教示は、所定の化合物を排除することができることを理解すべきである。例えば、本教示は、以下の式を有する化合物を排除することができる。
【化8】
式中、Ra及びRa′は独立して、H又は非置換フェニル基である。
【0040】
式Iの化合物の種々の実施形態で、Wは、O又はC(CN)2とすることができる。ある実施形態では、Wは、Oとすることができる。ある実施形態では、Wは、C(CN)2とすることができる。
【0041】
種々の実施形態において、Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、Ra及びRa′は独立して、H、C6-22アルキル基又はC6-22ハロアルキル基とすることができる。
【0042】
種々の実施形態において、本教示の化合物は、式I’を有することができる。
【化9】
式中、Rb、Rb′、Rc、及びRc′は独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Ra、Ra′、Re、Rf、Ri及びYは、ここに定義した通りである。
【0043】
ある実施形態では、Rb, Rb′, Rc,及びRc′は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rfとすることができる、ここで、Re 、Rf及びYはここに定義したとおりである。例えば、Rb、Rb′、Rc及びRc′は独立して、H、ハロゲン、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rf,とすることができ、ここで、Re, Rf及びYはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Yは共有結合とすることができる。ある実施形態では、Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又はハロゲンである。例えば、少なくとも1つのRb、Rb′、Rc及びRc′は、Brを含むハロゲンとすることができる。ある実施形態では、Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又は-(L)r-Rgとすることができる。ここで、L、Rg及びrは、ここに定義したとおりである。特別な実施形態では、Rc及びRc′のそれぞれは、Hとすることができる。
【0044】
種々の実施形態では、rは、0、1又は2とすることができる。種々の実施形態では、Lは、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよい。ここで、Riはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Lは、任意に1-4のRi基で置換されていてもよい二価のフェニル基とすることができる。ある実施形態では、Lは、任意に1-4のRi 基で置換されていてもよい二価のチエニル基とすることができる。ある実施形態では、Rgは、C6-14アリール基又は5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に、1-5のRh基で置換されていてもよい。ここで、Rhは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rgは、任意に1-5のRh基で置換されたフェニル基である。ある実施形態では、Rg は、任意に1-4のRh基で置換されたチエニル基である。例えば、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択することができる。
【化10】
式中、rは、0、1又は2とすることができ、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiとすることができる。Rkは、存在する場合には独立して、H又はRhとすることができる。Rh及びRiはここに定義するとおりである。
【0045】
種々の実施形態では、Rb及びRcは、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成することができる。ここで、Rdは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rb及びRcは、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-4のRd基で置換されていてもよいフェニル基を形成することができる。種々の実施形態では、Rb′及びRc′は、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成することができる。ここで、Rdは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rb′及びRc′は、各基が結合している炭素原子の各対とともに、任意に、1-5のRd基で置換されていてもよいフェニル基を形成することができる。ここで、Rdは、ここに定義したとおりである。
【0046】
従って、種々の実施形態では、本教示の化合物は、式I”を有することができる。
【化11】
ここで、Ra, Ra′及びRdは、ここに定義したとおりである。
【0047】
種々の実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rfとすることができ、ここで、Re、Rf及びYはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン及び-(L)r-Rgとすることができ、ここで、L、Rg及びrは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Yは共有結合とすることができる。ある実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン及び-(L)r-Rgから選択することができ、ここで、L、Rg及びrは、ここに定義したとおりである。例えば、rは、0, 1又は2とすることができる。例えば、Lは二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Riはここに定義したとおりである。ある実施形態では、Lは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよいフェニル基とすることができる。ある実施形態では、任意に、1-4のRi基で置換されていてもよい二価のチエニル基とすることができる。例えば、Rgは、C6-14アリール基又は5-14員ヘテロアリール基とすることができ、それぞれは、任意に、1-5のRh基で置換されていてもよい。ここで、Rhは、ここに定義したとおりである。ある実施形態では、Rgは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよいフェニル基とすることができる。ある実施形態では、Rgは、任意に、1-4のRi基で置換されていてもよいチエニル基とすることができる。特別な実施形態では、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択することができる。
【化12】
【化13】
ここで、rは、0、1又は2であり、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiとすることができ、Rkは、存在する場合には独立して、H又はRhとすることができ、Rh及びiは、ここに定義したとおりである。
【0048】
式Iの例示化合物は、以下が挙げられる。
【化14】
【化15】
【0049】
他の観点では、本教示は、1以上のモノマーの重合生成物を提供し、少なくとも1つのモノマーは、式Iの化合物とすることができる。
従って、種々の実施形態では、ポリマーは、式II’又は式II”の繰り返し単位を含むことができる。
【化16】
ここで、Ra, Ra′, Rc, Rc′, Rd及びWは、ここに定義したとおりである。
【0050】
式II’及び式II”の化合物の種々の実施形態では、Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、Ra及びRa′は、独立して、H、C6-22アルキル基又はC6-22ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、Ra及びRa′は、存在する場合には独立して、H、ヘキシル基、ドデシル基及びドコシル基とすることができる。ある実施形態では、Rc及びRc′のそれぞれは、Hとすることができる。
【0051】
ある実施形態では、Wは、Oとすることができる。ある実施形態では、Wは、C(CN)2とすることができる。ある実施形態では、Rdは、存在する場合には独立して、H、ヘキシル基、ドデシル基及びドコシル基とすることができる。
【0052】
種々の実施形態では、ポリマーは、式II’又は式II”の繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、1以上のさらなる繰り返し単位は、独立して、以下から選択することができる。
【化17】
【化18】
ここで、Rd はここで定義するとおりである。
【0053】
従って、ある実施形態では、本教示のポリマーは、以下から選択される式を有することができる。
【化19】
【化20】
ここで、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiとすることができ、Riは、ここで定義するとおりであり、nは5から100の範囲の整数とすることができる。
【0054】
他の観点では、本教示は、式III、式IV又は式Vの化合物を提供する。
【化21】
式中、
a、d、e、f、g、j、k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり、
b、c、h及びiは、独立して、CR2、N又はPであり、
pはCR3であり、
qはCRであり、
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NR1又はC(CN)2であり、
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり、
Zは、CR3R4又はSiR3R4であり、
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R2は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2R5、f)-Sn(R5)3、g)-B(OR5)2、h)-Y-R6、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R3及びR4は、独立して、a)C1-30アルキル基、b)C2-30アルケニル基、c)C2-30アルキニル基、d)C1-30ハロアルキル基、e)-Y-C3-14シクロアルキル基、f)-Y-C6-14アリール基、g)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はh)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり、
R6は、存在する場合には独立して、-(L)r-R7であり、
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員 シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R7は、存在する場合には、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよく、
R8は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2R5、e)-Sn(R5)3、f)-B(OR5)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基であり、
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【0055】
種々の実施形態では、Wは、Oとすることができる。種々の実施形態では、Wは、C(CN)2とすることができる。
種々の実施形態では、a, d, e, f, g, j, k及びlは、独立して、CR1とすることができる。例えば、それぞれのa, d, e, f, g, j, k及びlは、CHとすることができる。
【0056】
種々の実施形態では、b, c, h及びiは、独立して、CR2とすることができ、R2は、存在する場合には独立して、H、ハロゲン、-OS(O)2R5, -Sn(R5)3, -B(OR5)2及び -Y-R6基から選択することができ、ここで、R5R6及びYは、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、Yは共有結合とすることができる。ある実施形態では、それぞれのc及びhは、CHとすることができる。ある実施形態では、それぞれのb及びiは、C(Br)とすることができる。ある実施形態では、それぞれのb 及びiは、-(L)r-R7基とすることができ、ここで、r, L及びR7は、ここで定義するとおりである。
【0057】
種々の実施形態では、rは、0, 1又は2とすることができる。種々の実施形態では、Lは、二価の3-14員シクロヘテロアルキル基、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、二価の3-14員シクロヘテロアルキル基、二価のC6-14アリール基及び二価の5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよく、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、Lは、1-4のR9基で任意に置換されていてもよい二価のフェニル基である。ある実施形態では、Lは、1-4のR9基で任意に置換されていてもよい二価のチエニル基である。種々の実施形態では、R7は3-14員シクロヘテロアルキル基、C6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、3-14員シクロヘテロアルキル基、C6-14アリール基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよく、R8は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、R7は、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよいフェニル基である。ある実施形態では、R7は、任意に、1-4のR8基で置換されていてもよいチエニル基である。
【0058】
式IIIの種々の実施形態では、Zは、CR3R4とすることができ、ここで、R3及びR4のそれぞれは、独立して、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C3-14シクロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C6-14アリール基、-(C1-10アルキル)-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-(C1-10アルキル)-5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5のハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、それぞれのR3及び4は、独立して、C6-20アルキル基、C6-20アルケニル基、C6-20アルキニル基又はC6-20ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、R3及びR4のそれぞれは、独立して、C6-20アルキル基又はC6-20ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、R3及びR4のそれぞれは、独立して、C1-20アルキル基又はC2-20アルケニル基とすることができ、直鎖又は分岐のC6-20アルキル又はC6-20アルケニル基を含む。例えば、R3及びR4のそれぞれは、独立して、以下とすることができる。
【化22】
【0059】
式IV又は式Vの化合物の種々の実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基、C(C1-30ハロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C3-14シクロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C6-14アリール)基、C(-C1-10アルキル-3-14員シクロヘテロアルキル)基又はC(-C1-10アルキル-5-14員ヘテロアリール)基とすることができ、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5のハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、、独立して、C(C6-20アルキル)基、C(C6-20アルケニル)基、C(C6-20アルキニル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基としてもよい。例えば、p及びqのそれぞれは、独立して、C(C6-20アルキル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基とすることができる。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、C(C1-20アルキル)基又はC(C2-20アルケニル)基とすることができ、ここで、C1-20アルキル基及びC2-20アルケニル基は、例えば、直鎖又は分岐のC6-20アルキル又はC6-20アルケニル基とすることができる。特定の実施形態では、直鎖又は分岐のC6-20アルキル及びC6-20アルケニル基のそれぞれは、以下とすることができる。
【0060】
【化23】
【0061】
式III、式IV及び式Vの例示化合物としては、以下が挙げられる。
【化24】
【化25】
【0062】
本教示は、式III、式IV又は式Vによって定義される化合物種のうちのある実施形態の化合物を排除することができることを理解すべきである。例えば、式IVの化合物においてa, b, c, d, g, h, i及びjがCH、WがO、p及びqがC(フェニル)又はCHの化合物を排除することができる。
【0063】
別の観点から、本教示は、式VII、式VIII及び式IXの化合物を提供する。
【化26】
式中、
pはCR3′;
qはCR4′;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1);
R3'及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R1, R5R7, R9, r, L W及びYは、ここに定義されたとおりである。
【0064】
式VIIの種々の実施形態では、Zは、CR3′R4′とすることができ、ここで、R3′及びR4′のそれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C3-14シクロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C6-14アリール基、-(C1-10アルキル)-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-(C1-10アルキル)-5-14員ヘテロアリール基とすることができ、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、それぞれのR3′及びR4′は、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。ある実施形態では、それぞれのR3′及びR4′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。特定の実施形態では、R3′及びR4′のそれぞれは、独立して、Hとすることができる。
【0065】
式VIII又は式IXの種々の実施形態では、p及びqのそれぞれは、、独立して、C(R3′)又はC(R4′)とすることができ、ここで、R3'及びR4'は、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-C1-10アルキル-C3-14シクロアルキル基、-C1-10アルキル-C6-14アリール基、-C1-10アルキル-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-C1-10アルキル-5-14員ヘテロアリールとすることができ、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基とすることができる。ある実施形態では、p及びqびそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基とすることができる。特定の実施形態では、p及びqのそれぞれは、CHとすることができる。
【0066】
ある実施形態では、式VII、式VIII又は式IXの化合物は、以下から選択することができる。
【化27】
【化28】
【0067】
他の観点では、本教示は、1以上のモノマーの重合生成物を提供し、少なくとも1つのモノマーは、式III、式IV、式V、式VII、式VIII又は式IXの化合物とすることができる。
従って、種々の実施形態では、ポリマーは、式VIの繰り返し単位を含むことができる。
【化29】
式中、Aは、存在する場合には独立して、式III'、式IV'又は式V'とすることができる。
【化30】
【化31】
Eは、存在する場合には独立して、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基であり、それぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよい;
xは、1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9又は10;
yは、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9及び10;
ここで、a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり、ただし、b及びcの一方ならびにh及びiの一方は、
【化A】
であり;
pはCR3'であり;
qは、CR4'であり;
Wは、存在する場合には独立して、O、S又はC(CN)2であり;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1)であり;
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R3'及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり;
R9、は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基である。
【0068】
ある実施形態では、Aは、存在する場合には、式III”、式IV”又は式V"を有することができる。
【化32】
【化33】
式中、a, c, d, e, f, g, h, j, k, l, p, q, W及びZ は、ここで定義するとおりである。
【0069】
種々の実施形態では、WはO又はC(CN)2とすることができる。ある実施形態では、a, c, d, e, f, g, h, j, k及びlは、独立して、CR1とすることができる。例えば、それぞれのa, c, d, e, f, g, h, j, k及びlは、CHとすることができる。
【0070】
式III”のある実施形態では、Zは、C(O)又はCR3′R4′とすることができ、ここでR3′ 及びR4′のそれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C3-14シクロアルキル基、-(C1-10アルキル)-C6-14アリール基、-(C1-10アルキル)-3-14員シクロヘテロアルキル基又は-(C1-10アルキル)-5-14員ヘテロアリール基とすることができ、ここでは、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5のハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、それぞれのR3′及びR4′は、独立して、H、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができる。特定の実施形態では、R3′及びR4′のそれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基とすることができ、例えば、C6-20アルキル基又はC6-20ハロアルキル基とすることができる。
【0071】
式IV''又は式V''のいずれかの実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基、C(C1-30ハロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C3-14シクロアルキル)基、C(-C1-10アルキル-C6-14アリール)基、C(-C1-10アルキル-3-14員シクロヘテロアルキル)基又はC(-C1-10アルキル-5-14員ヘテロアリール)基とすることができ、ここでは、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基(例えば、1-5ハロゲン)で置換されていてもよい。ある実施形態では、p及びqのそれぞれは、、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基、C(C2-30アルケニル)基、C(C2-30アルキニル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基とすることができる。特定の実施形態では、p及びqのそれぞれは、独立して、CH、C(C1-30アルキル)基又はC(C1-30アルキル)基とすることができ、例えば、C(C6-20アルキル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基とすることができる。
【0072】
ある実施形態では、Eは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよい二価のフェニル基又は任意に1-4のR9基で置換されていてもよい二価の5-員ヘテロアリール基とすることができ、ここで、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、Eは、任意に、1-2のR9基で置換されていてもよい二価のチエニル基とすることができ、ここで、R9は、ここに定義するとおりである。
【0073】
ある実施形態では、R9は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基及びC3-14シクロアルキル基から選択することができる。例えば、R9は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基から選択することができる。ある実施形態では、C1-30アルキル基は、ヘキシル基、ドデシル基又はドコシル基とすることができる。
【0074】
ある実施形態では、xは、1、2、3、4及び5とすることができ、yは、0、1、2、3、4及び5とすることができる。ある実施形態では、xは1、yは0、1又は2とすることができる。
【0075】
従って、種々の実施形態では、ポリマーは、式VI'を有することができる。
【化34】
ここで、nは、5から100の範囲の整数とすることができ、A、E及びyは、ここに定義するとおりである。
【0076】
ある実施形態では、ポリマーは、式III'''、式IV'''又は式V'''を有することができる。
【化35】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは、5から100の範囲の整数であり、R3′, R4′, R9, W及びyは、ここで定義されるとおりである。
【0077】
より詳細には、ポリマーは、以下の式から選択することができる。
【化36】
【化37】
【化38】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは、5から100の範囲の整数であり、R3′,R4′及びR9は、ここに定義するとおりである。
【0078】
上述したポリマーは、任意に、式VI又は式VI’の繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、1以上の繰り返し単位は、半導体活性を示す当該分野で知られている種々の成分(例えば、共役成分)から選択することができる。ある実施形態では、1以上のさらなる繰り返し単位は、以下から選択することができる。
【化39】
【化40】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9とすることができ、R9は、ここに定義するとおりである。ある実施形態では、1以上のさらなる繰り返し単位は以下から選択することができる。
【化41】
ここで、R10は、ここに定義するとおりである。
【0079】
本教示の例示ポリマーは、以下を含む。
【化42】
【化43】
【化44】
ここで、nは5から100の範囲の整数である。
【0080】
本教示の化合物は、市販された原料、文献公知の化合物又は容易に製造できる中間体から、標準的な合成法及び当該分野で公知の方法を採用することによって、以下のスキームに概説された方法に従って製造することができる。標準的な合成法及び有機分子及び官能基変換及び操作の準備のための方法は、関連した科学文献から又は当該分野の標準的な教科書から容易に得ることができる。代表的であるか好ましいプロセス条件(すなわち反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)が考慮されるが、特に明記しない限り、他のプロセス条件を使用することができることはいうまでもない。最適の反応条件は、用いられる特定の反応物又は溶媒によって変化させることができるが、そのような条件は、通常の最適化手順によって当業者によって決定することができる。有機合成の当業者は、提示される合成ステップの性質及び順序がここに記述される化合物の生成を最適化する目的で変化させることができることを認識するであろう。
【0081】
ここで記載された方法は、当該分野で公知の適当な方法に従って、モニターすることができる。例えば、生成物の構造は、核磁気共鳴分光学(NMR(例えば1H又は13C))、赤外線の分光学(IR)、分光測光法(例えば、UV-可視)、質量分析(MS)等の分光器手段で又は、例えば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透性クロマトグラフィ(GPC)又は薄層クロマトグラフィ(TLC)等のクロマトグラフィによってモニターすることができる。
【0082】
ここに記載される反応又はプロセスは、有機合成の当業者によって容易に選択することができる適当な溶媒で実行することができる。適当な溶媒は、一般に、反応が行われる温度で、つまり、溶媒の凝固点から溶媒の沸点の温度範囲の温度で、反応物、中間体及び/又は生成物に、実質的に非反応性である。所定の反応は、複数の溶媒の1つの溶媒又は混合物で行うことができる。特定の反応ステップに従って、特定の反応ステップのための適当な溶媒を選択することができる。
【0083】
式I、式I′、式I”、式III、式IV、式V、式VII、式VIII及び式IXの化合物は、化合物4, 5, 5B, 6, 6B, 9, 9B, 10, 10B, 15, 16, 19, 20, 21, 22, 30及び31を含み、以下のスキーム1〜8に従って、通常、製造することができる。
スキーム1
【化45】
【0084】
シキーム1に示したように、1,4-ジクロロベンゼンとn-ドデシルマグネシウムブロマイドのクマダカップリング反応によって、1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン1を得ることができ、それは光の除外下でジクロロメタン中にて選択的に臭素化して2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン2をもたらすことができる。2-(エトキシカルボニル)フェニルホウ酸ピナコールエステルと化合物2のスズキカップリングによって、化合物3を得ることができる。高温にて、濃硫酸でジエステル3の二重の分子内フリーデルクラフツアシル化によって、インデノフルオレンジオン生成物4を製造することができる。化合物4は、光の除外下でFeCl3/Br2を用いて選択的に2及び8位で臭素化し、モノマー5を与えることができる。TiCl4の存在下、ペリジンでマロノニトリルの過剰量を用いて、化合物5のクネーベナーゲル縮合によって、ジマロノニトリル化合物6を製造することができる、化合物5から化合物6への変換は、フーリエ変換赤外線(FTIR)スペクトルによって確認され、カルボニル伸長が消滅し、シアノ伸長が2222cm-1で見ることができる。
【0085】
スキーム2
【化46】
【0086】
スキーム2に示したように、化合物5B及び6Bは、触媒としてPd(PPh3)4を用いてスティラー反応によって、2-トリブチルスタニルチオフェンとカップリングさせることによってそれぞれ得ることができる。
【0087】
スキーム3
【化47】
【0088】
スキーム3に示したように、モノマー9及び10は、フリーデル-クラフツアシレーション、続いてクネーベナーゲル縮合によって製造することができる。より詳しくは、フルオレンホウ素エステル7が、t-ブチルリチウムでのリチオ化及びその後の2-イソプロポキシ-4,4,5,5テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロランの添加によって、2,7-ジブロモフルオレンから製造することができる。テトラフェニルジエステル化合物8は、得られたホウ素エステル7のメチル2-ヨード-5-ブロモベンゾエートでの選択的なスズキカップリングによって製造することができる。モノマー9は、高温での濃硫酸と化合物8の二重の分子内フリーデル-クラフツアシル化によって製造することができる。ピペリジンの存在下、マロノニトリルによるテトラフェニルジオン9のクネーベナーゲル縮合によって、モノマー10を得ることができる。
【0089】
スキーム4
【化48】
【0090】
スキーム4に示したように、触媒としてPd(PPh3)4を用いた、2-トリブチルスタニルチオフェンと化合物9及び10とのスティラーカップリングによって、化合物9B及び10Bをそれぞれ得ることができる。
【0091】
スキーム5
【化49】
【0092】
スキーム5で示したように、ジエステル11は、メチルアクリルレートと化合物2とのヘックカップリングによって製造することができる。化合物14は、ジエステル11の二重結合の選択的な還元、その後のフリーデル-クラフツアシル化及びα位でのブロム化によって、製造することができる。化合物14の脱ブロム化によって、インダセンジオンモノマー15を提供することができる。ピペリジン存在下、マロノニトリルによる化合物15のクネーベナーゲル縮合によって、ジマロノニトリルインダセン16を提供することができる。
【0093】
スキーム6
【化50】
【0094】
スキーム6に示したように、化合物17は、メチル5-ブロモ-2-ヨードベンゾエートと1,4-ベンゼンジホウ酸ジプナコールエステルとのスズキカップリングによって製造することができる。120℃でのH2SO4と化合物17との分子内フリーデル-クラフツアシル化によって、化合物18を得ることができる。DMF中での化合物18と2-トリブチルスタニル-3-ドデシルチオフェン(24)とのPd(PPh3)2Cl2-触媒スティラーカップリングによって、化合物19を得ることができ、それは、ピリジンとTiCl4の存在下、過剰なマロノニトリルとの反応を経ることにより、化合物20をもたらすことができる。ポリマー構成ブロック21は、化合物19のブロム化によって製造することができ、それは、マロノニトリルとクネーベナーゲル縮合に付すことによって化合物22を提供することができる。
【0095】
スキーム7
【化51】
【0096】
スキーム7に示したように、チオフェン系化合物23-28は、選択的なブロム化及びスタンニレーション反応によって製造することができる。塩化銅の存在下、3-ドデシルチオフェンのモノリチウム化誘導体と3-ヘキシルチオフェンとの酸化カップリングによって、化合物25及び26を与えることができる。2位での3-ドデシルチオフェンの選択的なブロム化及びその後のリチオ化/スタンニル塩化物付加によって、化合物24を与えることができる。化合物27及び28は、重合反応のコーティングモノマーとして用いることができ、それぞれ、n-BuLiによる二重のリチオ化、その後の(CH3)3SnClの添加によって、化合物25及び26から得ることができる。化合物29は、化合物25のモノブロム化、それに続くモノスタンニレーションによって得ることができる。
【0097】
スキーム8
【化52】
【0098】
スキーム8に示したように、化合物30は、化合物18と5-トリブチルスタニル-4.4’-ジドデシル-2,2’-ビチオフェン29とのスティラーカップリングによって得ることができる。化合物30のクネーベナーゲル縮合によって、化合物31を得ることができる。
【0099】
ここで開示されているモノマー(例えば、式I、式I′、式I”、式III、式IV、式V、式VII、式VIII又は式IXの化合物)は、適当なホウ酸エステルと反応させて、共有結合の形態で、式III'''、式IV'''又は式V'''を含む式VI'のポリマーを提供することができる。あるいは、本教示のモノマーは、ホモポリマーの形態で、yが0の式VI'のポリマーのような、式II′、式II”、式III′、式IV′、式V′又は式VIの繰り返し単位を含むポリマーを提供するために、適当な条件下で自己重合させることができる。種々のカップリング反応は、式III'''、式IV'''、式V'''及び式VI′のポリマーを製造するため用いることができる。カップリング反応は、スズキカップリング、山本カップリング、スティーレカップリング及びネギシカップリングを含む。
【0100】
より詳細には、式III'''、式IV'''、式V'''又は式VI'のポリマーは、以下のスキーム9に従って製造することができる。
【0101】
スキーム9
【化53】
【化54】
【0102】
スキーム9に示したように、1以上の本教示のモノマーを含むコポリマー(例えば、本教示のモノマー及びチオフェン、ビチオフェン又は9H-フルオレンを含むコモノマー)は、本教示のジブロモ官能化モノマー(化合物5、9及び10)と適当なホウ酸エステル(例えば、5,5'-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,2'-ビチオフェン又は2,2'-(9,9-ジオクチル-9H-フルオレン-2,7-ジイル)ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン))のスズキカップリングによって製造することができる。例えば、チオフェンホウ酸エステルは、n-ブチルリチウム及びテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)と2,2'-ビチオフェン又はチオフェンとの二重のリチオ化、その後の2-イソプロポキシ-4,4,5,5テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロランとの反応による、公知の方法に従って、モノ及びビチオフェンから製造することができる。Hallberg, J.ら, Synthesis-Stuttgart, 2003: 2199-2205 (2003)参照。あるいは、本教示のコポリマーは、ジブロモ官能化モノマー(例えば、化合物22)と適当な有機スズ化合物(例えば、4,4'-ジヘキシル-2,2'-ビチオフェン-5,5'-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン))とのスティーラカップリングによって製造することができる。ここに記述されるものと類似した以下の方法は、共重合体IFDKT2、TPDKT2、TPDKF、TPDCT2、IFDMT4-12及びIFDMT4-6を製造することができ、これらの共重合体のある実施形態は、クロロホルム、トルエン及びTHFのような一般的な有機溶剤に溶解することを見出した。
【0103】
再度スキーム9を参照すると、本教示のモノマーのホモポリマー(例えば、IFDK、TPDK、TPDC、TIFDMT-12及びTIFDMT-8,12)は、ニッケル媒介ホモ重合反応によって製造することができる。ある実施形態では、ジマロノニトリル基を有するケトンコアの置換(例えば、TPDKからTPDCに変換)は、ポリマーの可溶性を改善することができる。本教示のある実施形態では、ポリマーは限られた可溶性を有することができる。例えば、ジケトン感応化インデノフルオレンとテトラフェニレン系IFDK及びTPDKとは、従来の有機溶剤に若干溶解させることができる。いかなる特定の理論に縛られることがなければ、可溶性は主にラダー型コアの非常に剛性の構造のためであるかもしれない。ある実施形態では、本教示のポリマーは、溶解性とすることができる。例えば、ビチオレンコポリマーは、上述したホモポリマーよりもより溶解性とすることができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)は、TPDCの一実施形態が、室温で、ポリスチレン標品に対して、1.55の多分散性(PD)を有する12,455 g mol-1の重量平均分子量(MW)を有することを示した。この特定の実施形態は、約10の繰り返し単位の重合の数平均に相当する。ある実施形態では、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12の重量平均分子量(MW)は、それぞれ、9,400(PD=1.52)、11,200(PD=1.20)及び23,273 (PD=3.48)とすることができる。
【0104】
ここに議論される化合物は、半導体材料(例えば、組成物及び複合物)を製造するために用いることができ、それは、順次、種々の電子部品、構造及び装置を組み立てるのに用いることができる。本教示の1以上の化合物を取り入れたある実施形態では、半導体材料は、n型半導体活性を示すことができる。本教示の1以上の化合物を取り入れたある実施形態では、半導体材料は、p型半導体活性を示すことができる。本教示の1以上の化合物を取り入れたある実施形態では、半導体材料は、異なる条件下で、二極性の半導体活性、つまり、n型及びp型半導体活性を示すことができる。
【0105】
ここに明らかにされる化合物の特定の実施形態は、一般的な溶媒に溶解することができるため、本教示の化合物は、電気装置(例えば、薄膜半導体、電界効果装置、有機発光ダイオード(OLED)、有機フォトボルタイクス、光検出器、キャパシタ及びセンサ)を組み立てるのに用いられる場合、加工利点を提供することができる。ここで用いられるように、化合物の少なくとも1mgが1mLの溶媒に溶ける場合、化合物は溶媒に可溶性と考えることができる。一般的な有機溶剤としては、石油エーテル;アセトニトリル;芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン);ケトン類(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン);エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びt-ブチルメチルエーテル);アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール及びイソプロピルアルコール);ヘキサン等の脂肪族炭化水素;アセテート(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル及び酢酸ブチル);アミド(例えば、ジメチルホルミアミド及びジメチルアセトアミド);ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ハロゲン化脂肪族化合物及び芳香族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトリクロロベンゼン;環式溶媒(例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及び2-メチピロリドン)が挙げられる。一般的な無機溶媒としては、水及びイオン液体が挙げられる。
【0106】
従って、さらなる本教示は、液体媒体、例えば、有機溶媒、無機溶媒及びそれらの混合物(例えば、有機溶媒、無機溶媒又は有機及び無機溶媒の混合物)に溶解又は分散した、ここに開示された1以上の化合物を含むことができる組成物を提供する。ある実施形態では、組成物は、洗剤、分散剤、結合剤、親和性剤、硬化剤、促進剤、希釈剤、消泡剤、湿潤剤、pH調整剤、殺生物剤及び抗バクテリア剤から独立して選択される1以上の添加剤をさらに含むことができる。例えば、界面活性剤及び/又はポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ-α-メチルスチレン、ポリイソブテン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート等)を、分散剤、結合剤、親和性剤及び/又は消泡剤として含むことができる。ある実施形態では、そのような組成物は、ここに開示される1以上の化合物を含むことができ、例えば、本教示の2以上の異なる化合物は、有機溶媒に溶解され、堆積用組成物を調製することができる。
【0107】
種々の堆積技術は、種々の溶液加工技術を含むが、有機エレクトロニクスにおいて用いられている。例えば、印刷エレクトロニクス技術の多くは、インクジェット印刷に集中している。インクジェット印刷は、非接触プロセスであり、それは位置特徴、多層位置合せ精度のより大きな制御の利益を提供し、形成されたマスタ(接触印刷技術に比較して)並びにインク射出のデジタル制御を必要とせず、よって、ドロップオンデマンド印刷を提供することができる。しかし、接触印刷技術には、非常に速いロール-トゥ-ロール法のために非常に適切であるという重要な長所がある。接触印刷技術の例としては、限定されないが、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷印刷、リソグラフ印刷、パッド印刷及びマイクロコンタクト印刷が挙げられる。ここで用いられているように、「印刷する」ことは、インクジェット印刷等の非接触印刷及びスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷印刷、リソグラフ印刷、パッド印刷、マイクロコンタクト印刷等の接触印刷プロセスを含む。他の溶液加工技術は、例えば、スピンコーティング、ドロップコーティング、ゾーンキャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティング又は噴霧を含む。さらに、堆積ステップは、真空蒸着によって実行することができる。
【0108】
従って、本教示は、半導体材料の製造方法を提供する。その方法は、溶媒又は溶媒混合物中にここで開示された1以上の化合物を含む前駆体組成物を調製し、その前駆体組成物を基材上に堆積して半導体材料前駆体を提供し、その半導体材料前駆体を加工(例えば、熱処理)して、ここに開示された化合物を含む半導体材料(例えば、薄膜半導体)を提供する。ある実施形態では、堆積ステップは、インクジェット印刷及び種々の接触印刷技術(例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、パッド印刷及びマイクロコンタクト印刷)を含む印刷によって行うことができる。他の実施形態では、堆積工程は、スピンコーティング、ドロップコーティング、ゾーンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティングまたは噴霧によって行うことができる。さらに他の実施形態では、堆積工程は、真空蒸着によって行うことができる。
【0109】
本教示は、さらに、例えば、本教示の半導体材料を含む複合体、基材部品及び/又は誘電体部材の製品を提供する。基材複合体は、ドープドシリコン、インジウムスズ酸化物(ITO)、ITOコートガラス、ITOコートポリイミド又は他のプラスチック、ポリマー又は他の基材上にコートされた発光材又は他の材料又はその単独、ドープドポリチオフェン等を含む材料から選択することができる。誘電体部材は、種々の酸化物(例えば、SiO2、Al2O3、HfO2)等の無機誘電体、種々の重合材料(例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリハロエチレン、ポリアクリレート)のような有機誘電体及び自己アセンブリ超格子/自己アセンブリナノ誘電体材料(SAS/SAND)(例えば、Yoon, M-H.ら, PNAS, 102 (13): 4678-4682 (2005)に記載されており、全体を参照としてここに取り込む)並びにハイブリッド有機/無機誘電体材料(米国特許出願11/642,504号に記載、全体を参照として個々に取り込む)等から製造することができる。
【0110】
上述した自己アセンブリ超格子/自己アセンブリナノ誘電体材料は、周期的な交互層を含むことができ、これらの交互層は、2以上の(i)シリル又はシロキサン部位を含む層、(ii)π極性化部位(例えば、スチルバゾリウム基)を含む層及び(iii)シロキサンマトリクスを含むカップリング層を含むことができる。ある実施形態では、自己アセンブリ超格子/自己アセンブリナノ誘電体材料は、分子シリコン前駆体(例えば、シリコン含有脂肪族化合物及び芳香族化合物)の層-バイ-層溶液相堆積によって製造することができる。ハイブリッド有機/無機誘電体材料に関して、その材料は、1以上の主成分金属及び遷移金属から選択された無機部位を有する1以上の無機層及び2以上の(i)シリル又はシロキサン部位を含む層、(ii)π極性化部位(例えば、スチルバゾリウム基)を含む層及び(iii)シロキサンマトリクスを含むカップリング層から選択された2以上の有機層を含む周期的な交互層を有することができる。誘電体部位は、米国特許出願第11/998,159号、第11/823,859号及び第11/315,076号(全体を参照としてここに取り込む)に記載の架橋ポリマーブレンドから製造することができる。ある実施形態では、架橋ポリマーブレンドは、ポリマー成分(例えば、ポリアルキレン)及び架橋剤(例えば、シロキサン成分)を含有することができる。ある実施形態では、ポリマー成分及び架橋剤は、例えば、ポリマー骨格上にペンダント基を架橋することができる、同様の分子とすることができる。
【0111】
複合体は、1以上の電気的コンタクトを含むことができる。ソース、ドレイン及びゲート電極用の適当な材料は、金属(例えば、金、アルミニウム、ニッケル、銅)、透明導電性酸化物(例えば、ITO, IZO, ZITO, GZO, GIO, GITO)及び導電性ポリマー(例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルフォネート)(PEDOT:PSS)、ポリアニリン(PANI)、ポリピロール(PPy))を含む。ここで記載された1以上の複合体は、種々の有機電子、光学及び光電子デバイス(例えば、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、特に、有機電界効果トランジスタ(OFET))に取り込むことができる。
【0112】
本教示の化合物の製造の他の部品は、フォトボルタイクス又は太陽電池を含む。本教示の化合物は、幅広い光吸収及び/又は種々の積極的にシフトされた還元電位を示すことができ、それをそのような適用のために好適にする。従って、ここに記載された化合物は、光電子デザイン(例えば、化合物を、PN接合をつくる半導性材料に含むことができるような)の半導体として用いることができる。化合物は、薄膜半導体の形態とすることができ、それは基材上に堆積された薄膜半導体の複合物とすることができる。そのような装置における本教示の化合物の開発は、当業者の知識の範囲内である。
【0113】
従って、本教示の他の観点は、本教示の半導体材料を組み込む有機電界効果トランジスタの製造方法に関する。本教示の半導体材料は、トップゲート・トップコンタクトキャパシタ構造、トップゲート・ボトムコンタクトキャパシタ構造、ボトムゲート・トップコンタクトキャパシタ構造及びボトムゲート・ボトムコンタクトキャパシタ構造を含む種々のタイプの有機電界効果トランジスタの製造に用いることができる。
【0114】
ある実施形態では、OTFT装置は、トップコンタクト形状で、誘電体として、熱成長したSiO2(300nm)、HMDS処理及びOTS処理SiO2を用いて、低抵抗n型シリコンウエハの上に、本化合物で組み立てることができる。特定の実施形態では、少なくとも本教示の化合物を取り入れる活性な半導体層は、室温で又は高温で、真空蒸着によって堆積することができる。他の実施形態では、少なくとも本教示の化合物を取り入れる活性な半導体層は、スピンコーティング又はインクジェット印刷によって適用することができる。トップコンタクトデバイスのために、金コンタクトを、約500μmから約2000μmまでの幅、約25μmから約100μmのチャネル長を与えるシャドーマスクを用いて、膜の上面にパターニングすることができる。
【0115】
以下の実施例は、本教示の理解を示し、理解を促すために与えられるものであって、本発明を限定することを意図しない。
全試薬は、市販のものから購入し、特に断りのない限り、さらなる精製を行わずに用いた。無水THF及びトルエンは、Na/ベンゾフェノンから蒸留して得た。従来のシュレンク技術を用い、反応は、特に断りのない限り、窒素下で行った。実施例1〜34は、本教示のある化合物及び関連する中間体の製造を示す。特徴づけデータは、いくつかは、1H-NMR、13C-NMR、元素分析及び/又はエレクトロイオン/エレクトロスプレー(EI/ESI)マススペクトル法によって提供する。エレクトロスプレーイオン化よるマススペクトル法は、Thermo Finnegan model LCQ Advantage mass spectrometerで行った。
【0116】
実施例1:1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(1)の製造
n-ドデシルマグネシウムブロマイド(235 mL, 235.0 mmol, 1.0 Mジエチルエーテル中)を、乾燥エーテル(70 mL)中の1,4-ジクロロベンゼン (15.00 g, 102.0 mmol)及び[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)クロライド((dppp)Cl2Ni, 70 mg)溶液に、0℃にて15分間かけて、滴加した。次いで、反応混合物を、約30分間室温で温め、1日間、還流下で加熱し、再度0℃に冷却した。反応物を注意深く水(10 mL)及びHCl(70 mL, 2 M)でクエンチし、水相をエーテル(2x50 mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(30 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。次いで、その溶液を、真空中で除去し、粗生成物を高真空(〜20 mtorr)下で10時間、100℃にて加熱し、n-オクタン及びn-オクチルブロマイドを除去した。1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(1)を白色固体(35.00 g, 83%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (t, 6H), 1.30 (m, 36H), 1.61 (m, 4H), 2.59 (t, 4H), 7.10 (s, 4H) ppm。
【0117】
実施例2:2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(2)の製造
ブロミン(2.5 mL, 44.2 mmol)を、攪拌した化合物1(5.00 g, 12.1 mmol)及びヨウ素(15 mg)のジクロロメタン(15 mL)の溶液に、0℃にて添加して迅速に攪拌し、得られた混合物を室温にて2日間光を厳密に排除して攪拌した。KOHの水溶液(20 mL, 20%)を、溶液の暗色が消失するまで添加した。ジクロロメタンを、減圧下で除去し、沈殿物をエタノールで洗浄した。粗材料をエタノールから再結晶によって精製し、2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(2)を白色固体(5.20 g, 75%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (t, 6H), 1.33 (m, 36H), 1.59 (m, 4H), 2.67 (t, 4H), 7.37 (s, 2H) ppm。
【0118】
実施例3:2,2''-エトキシカルボニル-2',5'-ジドデシル-[1,1';4',1'']terフェニル(3)の製造
2,5-ジブロモ-1,4-ジ-n-ドデシルベンゼン(2, 0.7 g, 1.22 mmol)、2-(エトキシカルボニル)フェニルホウ素酸ピナコールエステル(1.01 g, 3.66 mmol)及びPd(PPh3)4(150 mg)を、窒素下、乾燥トルエン(25 mL)に溶解した。脱気したK2CO3(水2.5 mL及びエタノール5.0 mL中に溶解した2.2 g)及びアリコート336溶液(0.4 mL)を、窒素下で添加し、反応混合物を1日間還流温度で加熱した。有機層をCelite(登録商標)のプラグによってろ過し、ろ過物を濃縮して乾燥し、半固体粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム:ヘキサン (7:3))によって精製し、2,2''-エトキシカルボニル-2',5'-ジドデシル-[1,1';4',1'']terフェニル(3)を有色油状物(0.7 g, 45%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88 (t, 6H), 0.97 (t,6H), 1.13-1.45 (m, 40H), 2.37 (m, 4H), 4.08 (q, 4H), 6.95 (d, 2H), 7.30 (t, 2H), 7.42 (q, 2H), 7.53 (q, 2H), 7.97(d, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 13.83, 14.29, 14.36, 22.94, 29.53, 29.61, 29.64, 29.72, 29.89, 30.87, 30.96, 31.85, 32.17, 32.86, 32.96, 60.79 (d), 127.08 (d), 129.34 (d), 130.21 (d), 130.99 (d), 131.48, 131.61 (d), 136.80 (d), 140.43 (d), 142.76 (d), 168.41 (d) ppm;
元素分析: C, 81.39; H, 9.44, O, 9.30。
【0119】
実施例4:5,11-ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(4)の製造
ジエステル3(1.0 g, 1.39 mmol)をH2SO4(61 mL, 80%)に添加し、混合物を、最初の無色油状物が暗赤色に変化する間、2時間、120℃にて攪拌しながら加熱した。反応混合物を、氷に注ぎ、ろ過して淡橙結晶を採取した。ろ過後、採取した生成物を、炭酸水素ナトリウム溶液中、次いで水中でそれぞれ攪拌し、ろ過し、真空下、70℃にて乾燥し、5,11-ジドデシルインデノール[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(4)を淡橙固体 (0.80 g, 93%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.89 (t, 6H), 1.27-1.69 (m, 40H), 3.43 (broad s, 4H), 7.32 (t, 2H), 7.53 (t, 2H), 7.67 (t, 4H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.38, 22.95, 27.19, 29.62, 29.75, 29.91, 29.94, 29.96, 30.34, 32.18, 123.61, 124.18, 128.77, 134.90, 135.17, 135.94, 138.41, 143.20, 145.12, 194.60 ppm.;
m.p: 123-124℃;
MS(EI) m/z (M+): 618.4;
元素分析: C, 85.23; H, 9.46。
【0120】
実施例5:2,8-ジブロモ-5,11-ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5)の製造
インデノフルオレンジオン4(0.5 g, 0.8 mmol)を、45 mLのCHCl3に溶解した。ブロミン(20.0 mL)及びFeCl3(0.5 g)を添加した。反応混合物を室温にて1時間、光を排除した窒素下で攪拌した。KOH水溶液(20 mL, 20%)を溶液の暗色が消失するまで添加した。クロロホルムを減圧下除去し、沈殿物をろ過し、水で洗浄した。粗材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム:ヘキサン (7:3))で精製し、2,8-ジブロモ-5,11-ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5)を橙固体 (0.53g, 85%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.89 (t, 6H), 1.27-1.59 (m, 40H), 3.29 (broad s, 4H), 7.43 (d, 2H), 7.61 (d, 2H), 7.69 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.38, 22.95, 27.19, 29.61, 29.69, 29.83, 29.90, 29.94, 30.22, 32.04, 32.18, 123.14, 124.91, 127.48, 135.69, 136.36, 137.67, 138.62, 141.51, 144.72, 192.86 ppm;
m.p: 122-123℃;
MS(ESI) m/z (M+): 775.9;
元素分析: C, 66.97; H, 6.84。
【0121】
実施例6:2,2'-(2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジリデン)ジマロノニトリル(6)の製造
2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン5(0.100 g, 0.128 mmol)及びマロニトリル(0.085 g, 1.28mmol)を、窒素下、乾燥クロロベンゼン(20 mL)に溶解し、ピリジン(0.21 mL)及びTiCl4(0.14 mL)を添加した。得られた混合物を、窒素下、120℃にて5時間攪拌した。冷却し、20 mLの水を添加し、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を、水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して乾燥物を得た。生成物を、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,2'-(2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジリデン)ジマトノニトリル (6)を暗緑固体(0.06 g, 50%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.87 (t, 6H), 1.27-1.59 (m, 40H), 3.20 (broad s, 2H), 3.60 (broad s, 2H), 7.57 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.72 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 8.43 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.35, 14.41, 22.93, 29.57, 29.68, 29.76, 29.87, 32.15, 34.64, 81.13, 113.06, 113.35, 123.08, 125.84, 137.25, 137.48, 137.90, 138.97, 140.19, 142.95, 164.41 ppm;
m.p: 136-137℃;
MS(EI) m/z (M+): 873.0;
IR (KBr) ν = 2220 (C≡N) (カルボニルのピークは観察されなかった)
元素分析: C, 68.67; H, 6.48; N, 6.27。
【0122】
実施例7:2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン)-9,9ジドデシルフルオレン(7)の製造
Tert-BuLi(43.9 mL, 74.7 mmol, 1.7 Mのペンタン中)を、窒素下、-78℃にて乾燥THF(90.0 mL)中の2,7-ジブロモ-9,9ジドデシルフルオレン(12.02 g, 18.2 mmol)溶液に30分間かけて添加した。反応混合物を-78℃にて、30 分間攪拌し、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン(22.2 mL, 108.6 mmol)を、一晩室温にて攪拌しながら滴加した。反応物を水でクエンチした。THFを除去し、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とし、2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン)-9,9ジドデシルフルオレン(7)を白色固体(12.36 g, 90%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.55 (t, 4H), 0.88 (m, 6H), 1.01 (m, 6H), 1.15-1.28 (m, 14H), 1.4 (s, 24 H), 2.01(t, 4H), 7.72 (2H, d, J =7.5 Hz), 7.75 (2H, s), 7.82 (2H, d, J =7.5 Hz) ppm。
【0123】
実施例8:ジメチル6,6'-(9,9ジドデシルフルオレン-2,7ジイル)ビス(3-ブロモベンゾエート)(8))の製造
化合物7(3.120 g, 4.14 mmol)、メチル2-インド-5-ブロモベンゾエート(3.300 g, 9.52 mmol)及びアリコート336 (0.800 g)の混合物を、30.0 mLの乾燥トルエンを添加する前に、N2で3回脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.50 g)の炭酸水素ナトリウム水溶液(1M, 1.80 g、2時間脱気した17 mLの水中)を、N2下で添加した。混合物を、3日間還流温度で激しく攪拌した。冷却後、反応物を室温にし、有機層をCelite(登録商標)のプラグに通してパラジウムブラックを除去し、ろ過物を濃縮して減圧下で濃縮して乾燥物を得た。生成物をカラムクロマトグラフィ (シリカゲル、溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン(1:9))で精製し、ジメチル6,6'-(9,9ジドデシルフルオレン-2,7ジイル)ビス(3-ブロモベンゾエート)(8)を有色油状物(3.69g, 96%)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.83 (t, 6H), 1.10 (s, 24H), 1.95 (m, 4H), 3.61 (s, 6H), 7.22 (s, 2H), 7.28 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.33 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.67 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.97 (s, 2H) ppm。
【0124】
実施例9:ジブロモテトラフェニレンジオン(9)の製造
ジエステル8(0.341 g, 0.367 mmol)を、H2SO4(13 mL, 80%)に添加し、混合物を、攪拌しながら、165℃にて3時間加熱した。反応混合物を氷に注ぎ、ろ過して暗色結晶を採取し、それをジクロロメタンで抽出した。有機溶液を合わせて、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム:ヘキサン(7:3))で精製し、ジブロモテトラフェニレンジオン(9)を黄色固体として得た(0.220 g, 70%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.66 (br s, 6H), 0.85-1.24 (m, 40H), 2.08 (t, 4H), 7.45 (s, 2H), 7.47 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.64 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.80 (s, 2H), 7.99 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.27, 22.79, 24.10, 29.40, 30.17, 31.97, 40.54, 56.64, 115.16, 116.56, 121.93, 123.14, 127.79, 133.99, 136.76, 137.28, 141.66, 143.39, 143.96, 158.99, 191.87 ppm;
m.p: 138-139℃;
MS(EI) m/z (M+): 864.3.
IR (KBr) ν = 1722 (C=O);
元素分析: C, 70.44; H, 7.18。
【0125】
実施例10:ジブロモテトラフェニレンジマトノニトリル(10)の製造
ジブロモテトラフェニレンジオン9(0.520 g, 0.60 mmol)及びマロニトリル(0.570 g, 8.66 mmol)を乾燥DMSO (14 mL)に溶解し、ピペリジン(0.5 mL)を添加した。得られた混合物を110℃にて5時間攪拌した。冷却し、生成物が、ろ過された褐色固体として溶液から沈殿し、イソプロパノールで洗浄し、真空下で乾燥した。生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、 ジブロモテトラフェニレンマロノニトリルマロノニトリル(10)が紫色固体として得られた(0.37 g, 65%)。 1H NMR (CDCl3): δ 0.67 (br s, 6H), 0.85-1.27 (m, 40H), 2.08 (t, 4H), 7.50 (s, 2H), 7.51 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.67 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.52 (s, 2H), 8.83 (s, 2H) ppm; 13C NMR (CDCl3): δ 14.20, 22.40, 24.15, 29.60, 30.05, 30.17, 31.68, 40.34, 56.74, 113.16, 113.19, 115.55, 118.91, 122.06, 123.22, 129.98, 133.87, 136.72, 137.48, 141.24, 141.39, 141.99, 158.95, 159.68 ppm;
MS(EI) m/z (M+): 960.3;
m.p: 252-253℃;
IR (KBr) ν = 2222 cm-1 (C≡N)(カルボニルピークの観察なし);
元素分析: C, 71.49; H, 6.42; N, 5.59。
【0126】
実施例11:(2E,2'E)ジメチル3,3'-(2,5ジドデシル-1,4-フェニレン)ジアクリレート(11)の製造
化合物2(573 mg, 1 mmol)、メチルアクリレート(20 mmol)、Et3N(2.8 mL, 20 mmol)、Pd(OAc)2(25 mg, 0.11 mmol)及びトリフェニルホスフィン(57 mg, 0.22 mmol)のDMF(20 mL)溶液を、窒素雰囲気下、120℃にて2日間、密閉試験管中で加熱した。冷却後、溶媒を減圧下に除去して残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc, 9:1)で精製して、(2E,2'E)ジメチル3,3'-(2,5ジドデシル-1,4-フェニレン)ジアクリレート (11)をオフホワイトの固体として得た(300 mg, 51%)。
1H NMR (CDCl3):δ 0.87 (t, 6H), 1.26-1.56 (m, 40H), 2.72 (t, 4H), 3.83 (s, 6H), 6.42 (d, 2H), 7.39 (s, 2H), 7.98 (d, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ14.36, 22.94, 29.60, 29.68, 29.81, 29.89, 31.81, 32.17, 33.17, 51.98, 119.63, 128.20, 134.62, 140.66, 141.93, 167.56 ppm;
MS(EI) m/z (M+): 583.2。
【0127】
実施例12: 4,4″-ジブロモ-2,2″-メトキシカルボニル-[1,1′;4′,1″]ターフェニル(17)の製造
1,4-ベンゼンジボロン酸ビス(ピナコール)エステル(4.40 g, 13.33 mmol)、メチル2-ヨード-5-ブロモベンゾエート(9.95 g, 29.18 mmol)及びアリコート336 (1.60 mL)の混合物を、90.0 mLの乾燥トルエンを添加する前に、3回窒素で脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.50 g, 1.30 mmol)及びすでに2時間脱気した1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液(5.73 g、54.0 mLの水中)を窒素下で添加した。混合物を激しく攪拌し、2日間還流温度で加熱し、室温で冷却した。その溶液をCeliteのプラグに通して、パラジウムブラックを除去し、ろ液を濃縮して残渣を得、それをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)で精製し、4,4″-ジブロモ-2,2″-メトキシカルボニル-[1,1′;4′,1″]ターフェニル (17)を白色固体として得た(6.00 g、収率89%)。
1H NMR (CDCl3): δ 3.72 (s, 6H), 7.32(d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.33 (s, 4H), 7.69(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.01 (s, 2H) ppm。
【0128】
実施例13:2,8-ジブロモ-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(18)の製造
4,4″-ジブロモ-2,2″-メトキシカルボニル-[1,1′;4′,1″]ターフェニル17(0.50 g, 0.99 mmol)を、H2SO4(80%, 50.0 mL、10.0 mLのH2O及び40.0 mLの濃(99.99%)H2SO4から調製)に添加し、混合物を120℃にて10時間、攪拌しながら加熱した。反応混合物を氷に注ぎ、得られた混合物をろ過した。固体を炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗浄し、2,8-ジブロモ-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(18)(0.40 g, 92%)を得た。粗生成物をさらに精製しないで次の工程に用いた。
m.p: > 300℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 440.7;
元素分析: C, 54.12; H, 1.72。
【0129】
実施例14: 2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(19)の製造
無水DMF (12.0 mL)中の2-トリブリスタニルスタニル-3-ドデシルチオフェンチオフェン(24) (0.320 g, 0.591 mmol)、2,8-ジブロモ-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン18(0.120 g, 0.273 mmol)及びPd(PPh3)2Cl2(30.0 mg, 0.043 mmol)を一晩、窒素下、125℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(19)を紫色固体として得た(70.0 mg、収率35%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 46H), 2.70 (t, 4H), 7.02 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.29 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.59 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.61(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (s, 2H), 7.81 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.4, 22.96, 29.0, 29.6, 29.7, 29.8, 29.9, 30.0, 31.2, 32.2, 116.3, 121.0, 124.7, 125.5, 130.1, 134.6, 136.1, 136.4, 136.8, 139.8, 140.0, 142.3, 145.9, 192.8 ppm;
m.p: 152-153℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 783.0;
元素分析: C, 79.50; H, 7.89。
【0130】
実施例15:2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(20)の製造
2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン19(50.0 mg, 0.064 mmol)及びマロノニトリル(60.0 mg, 0.91 mmol)の混合物を乾燥クロロベンゼン(5.0 mL)に、窒素下、溶解し、ピリジン(0.100 mL, 1.24 mmol)及びTiCl4(0.070 mL, 0.64 mmol)を加えた。得られた混合物を、110℃にて5時間、窒素下で攪拌した。冷却し、20.0 mLの水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(20)を、暗緑固体として得た(22.5 mg, 40%)。
1H NMR (CDCl3): δ0.88-1.67 (m, 46H), 2.74 (t, 4H), 7.05 (d, 2H, J = 4.0 Hz), 7.33 (d, 2H, J = 4.0 Hz), 7.66 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.71 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 8.52 (s, 2H), 8.60 (s, 2H) ppm;
13C NMR (CDCl3): δ 14.4, 22.9, 29.2, 29.6, 29.7, 29.8, 29.9, 31.1, 32.2, 112.9, 113.3, 118.4, 121.5, 125.1, 127.8, 130.3, 134.7, 134.7, 135.8, 136.1, 137.3, 139.6, 139.7, 140.5, 143.4, 159.8 ppm;
m.p: 232-233℃;
MS(EI) m/z (M+): 879.5;
元素分析: C, 79.07; H, 7.15; N, 6.35;
IR (KBr): ν = 2225 cm-1 (C≡N, カルボニルのピークは観察されず)。
【0131】
実施例16:2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(21)の製造
2,8ジ-(3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(20, 0.30 g, 0.383 mmol)のCHCl3/HOAc(5:1)(Vt= 24.0 mL)溶液に、ブロミン(Br2; 123.0 mg, 0.766 mmol)を一度に添加した。混合物を、10時間、室温で攪拌し、水(50 mL)を添加した。混合物をクロロホルム(3×50 mL)で抽出し、合わせた有機相を水(50 mL)、KOH水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ろ過後、クロロホルムを除去し、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(21)を暗緑固体として得た(0.340 g、収率95%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.87-1.61 (m, 46H), 2.70 (t, 4H), 6.96 (s, 2H), 7.56 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.61(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.69 (s, 2H), 7.84 (s, 2H) ppm;
MS(EI) m/z (M+): 941.1;
元素分析: C, 66.34; H, 6.43。
【0132】
実施例17:2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(22)の製造
2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(21, 230.0 mg, 0.245 mmol)及びマロノニトリル(230.0 mg, 3.48 mmol)の混合物を乾燥クロロベンゼン(20.0 mL)に、窒素下、溶解し、ピリジン (0.40 mL, 4.94 mmol)及びTiCl4(0.30 mL, 2.73 mmol)を加えた。得られた混合物を110℃にて5時間、窒素下で攪拌した。冷却し、20.0 mLの水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(22)を、暗緑固体として得た(120.0 mg、収率48%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.89-1.62 (m, 46H), 2.66 (t, 4H), 7.00 (s, 2H), 7.59 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.71 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 8.47 (s, 2H), 8.62 (s, 2H) ppm; MS(EI) m/z (M+): 1037.4;
元素分析: C, 66.76; H, 5.82; N, 5.18;
IR (KBr): ν = 2225 cm-1 (C≡N, カルボニルのピークは観察されず)。
【0133】
実施例18:2-ブロモ-3-ドデシルチオフェン(23)の製造
3-ドデシルチオフェン(5.00 g, 19.8 mmol)のCHCl3/HOAc (1:1) (Vt = 20.0 mL)溶液に、0°Cにて、NBS(3.52 g, 19.8 mmol)を、数回で45分間にわたって加えた。反応混合物を1時間、0°Cにて攪拌し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(50.0 mL)に注ぎ、クロロホルム(3×50.0 mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50.0 mL)、NaOH溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。Celiteに通してろ過した後、クロロホルムを真空下で除去し、生成物を無色油状物として得た(6.05 g、収率93%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.84-1.54 (m, 23H), 2.53 (t, 2H), 6.76 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.15 (d, 1H, J = 4.5 Hz)。
【0134】
実施例19:2-トリブチルスタニル-3-ドデシルチオフェン(24)の製造
マグネシウムの削り物(0.160 g, 6.6 mmol)の無水THF(8.0 mL)溶液に、緩和な還流を維持するために加熱して、2-ブロモ-3-ドデシルチオフェン(23; 2.00 g, 6.0 mmol)を滴加した。反応混合物を2時間、トリブチル塩化錫(1.80 mL, 6.41 mmol)の10.0 mL無水THF溶液に、-78°Cで移される前に、還流した。混合物を室温に暖め、一晩攪拌し、水に注いだ。水相をヘキサンで抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を真空下で除去し、2-トリブチルスタニル-3-ドデシルチオフェン(24)を黄色液体として得た(3.10 g、収率95%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.90-1.63 (m, 50H), 2.62 (t, 2H), 7.12 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.55 (d, 1H, J = 4.5 Hz) ppm。
【0135】
実施例20:4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(25)の製造
n-BuLi(7.04 mL, 2.5 Mの ヘキサン溶液)を、3-ドデシルチオフェン (4.000 g, 15.8 mmol)及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(2.75 mL, 17.6 mmol)の80.0 mL乾燥エーテル溶液を攪拌しながら、-78℃にて、滴加した。次いで、溶液を室温に温め、1時間還流した。溶液を-78℃に冷却した後、CuCl2 (2.640 g, 19.6 mmol)を一度に添加した。反応混合物を、室温に温度が上昇する間、一晩攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、得られた混合物をクロロホルムで洗浄した。合わせた有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ物を濃縮して乾燥物とした。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤としてヘキサン)によって精製し、4,4′-及び3,3′ジドデシルビチオフェン(〜15%の1H NMRによる混合物)の混合物を得た。アセトン:エタノール(1:1)混合物からの再結晶によって、4,4’ジドデシル-2,2’-ビチオフェン(25)を白色固体として得た(2.200 g、収率55%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.91 (t, 6H), 1.33 (m, 36H), 1.66 (q, 4H), 2.60 (t, 4H), 6.80 (s, 2H), 7.01 (s, 2H) ppm。
【0136】
実施例21:4,4′ジドデシル-5,5′-トリメチルスラニル-2,2′-ビチオフェン(27)の製造
4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(25, 1.00 g, 2.0 mmol)の30.0 mLのTHF溶液に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.0 mL, 2.5 M, 5.0 mmol)を、-78℃で滴加した。その溶液を-78℃にて30分間攪拌し、1時間室温で攪拌した。次いで、溶液を、-78℃に冷却し、その溶液を、トリメチル塩化錫のTHF溶液(6.0 mL, 1.0 M, 6.0 mmol)に一度で加えた。その溶液を室温まで温め、30.0 mLの水及び30.0 mLの酢酸エチルを添加した。有機相を2回30 mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過した後、溶媒を、真空下、ろ液から除去し、4,4′ジドデシル-5,5′-トリメチルスタニル-2,2′-ビチオフェン(27)を黄色油状物として得た(0.60 g、収率72%)。
1H NMR (CDCl3): δ0.40 (s, 18H), 0.95 (t, 6H), 1.33 (br, 36H), 1.60 (q, 4H), 2.61 (t, 4H), 7.18 (s, 2H)。
【0137】
実施例22:2,8ジチエン-2-イル-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5B)の製造
インデノフルオレンジオン5(0.200 g, 0.257 mmol)、2-トリブチルスタニルチオフェン(0.231 g, 0.618 mmol)及びPd(PPh3)4(20 mg)の無水トルエン溶液 (8.0 mL)を、窒素下、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジチエン-2-イル-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(5B)を紫色固体として得た(121 mg、収率60.0%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 46H), 3.41 (b s, 4H), 7.11(t, 2H), 7.39 (d, 2H, J = 3.0 Hz), 7.62(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.88 (s, 2H) ppm;
m.p: 205-206℃; MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 783.0;
元素分析: C, 79.60; H, 7.82。
【0138】
実施例23:2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニレンジオン(9B)の製造
ジブロモテトラフェニレンジオン9(0.400g, 0.531 mmol)、2-トリブチルスタニルチオフェン(0.476 g, 1.275 mmol)及びPd(PPh3)4(50 mg)の無水トルエン溶液(20.0 mL)を、窒素下、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニレンジオン(9B)を黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3): δ0.88-1.66 (m, 46H), 2.13 (t, 4H), 7.15 (t, 2H), 7.36 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.44 (d, 2H, J = 3.0 Hz), 7.50 (s, 2H), 7.61 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.78(d, 2H, J = 7.5 Hz), 7.97 (s, 2H), 8.03 (s, 2H) ppm;
m.p: 180-181℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 871.9;
元素分析: C, 81.15; H, 7.76。
【0139】
実施例24:2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニレンジマロノニトリル(10B)の製造
ジブロモテトラフェニレンマロノニトリル10(180 mg, 0.187 mmol)、2-トリブチルスタニルチオフェン(168 mg, 0.449 mmol)及びPd(PPh3)4(15 mg)の無水トルエン溶液(8.0 mL)を、窒素下、110℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(7:3))によって精製し、2,8ジチエン-2-イル-テトラフェニルレンジマロノニトリル(10B)を黄色固体として得た(0.114 g、収率70%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 46H), 2.10 (t, 4H), 7.13 (t,2H) 7.35 (d, 2H, J = 4.5 Hz), 7.44 (d, 2H, J = 3.5 Hz), 7.51 (s, 2H), 7.75(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.69 (s, 2H), 8.78 (s, 2H) ppm;
m.p: 280-281℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 870.8;
元素分析: C, 79.80; H, 7.74。
【0140】
実施例25:2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'イルl-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(30)の製造
5-トリメチルスタニル-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29, 0.457 g, 0.686 mmol)、化合物18(0.140 g, 0.312 mmol)及びPd(PPh3)2Cl2(45.0 mg, 0.064 mmol)の無水DMF溶液(25.0 mL)を、窒素下、125℃にて一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてCHCl3/ヘキサン(4:6))によって精製し、2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'-イル-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン(30)を緑固体として得た(100.0 mg、収率25%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 92H), 2.60 (t, 4H), 2.67(t, 4H), 6.83 (s, 2H), 7.03 (s, 2H), 7.05 (d, 2H), 7.61(q, 4H), 7.77 (s, 2H), 7.83 (s, 2H) ppm;
m.p: 96-97℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 1284.0;
元素分析: C, 78.20; H, 8.60。
【0141】
実施例26:2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'イルl-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(31)の製造
2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'-イル-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン30(40.0 mg, 0.031 mmol)及びマロノニトリル(35.0 mg, 0.53 mmol) の混合物を、乾燥クロロベンゼン(3.0 mL)に、窒素下、溶解し、ピリジン(0.06 mL)及びTiCl4(0.04 mL, 0.64 mmol)を加えた。得られた混合物を110℃にて5時間、窒素下で攪拌した。冷却し、20.0 mLの水を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥物とした。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶離剤としてクロロホルム)によって精製し、2,8ジ-(4'-ドデシルチエン-2'-イル-4-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(31)を暗緑固体として得た(25 mg、58%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88-1.66 (m, 92H), 2.58 (t, 4H), 2.71(t, 4H), 6.83 (s, 2H), 7.05 (s, 2H), 7.06 (d, 2H), 7.63 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.68(d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.51 (s, 2H), 8.56 (s, 2H) ppm;
m.p: 96-97℃;
MS(MALDI-TOF) m/z (M+): 1380.0;
元素分析: C, 78.55; H, 8.49。
【0142】
実施例27:5-ブロモ-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29A)の製造
4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(0.100 g, 0.199 mmol)のCHCl3/HOAc(1:1)(Vt = 2.0 mL)溶液に、0°Cにて、N-ブロモサクシミド(NBS, 35.7 mg, 0.199 mmol)を、数回、45分間にわたって添加した。反応混合物を1時間0°Cにて攪拌し、一晩室温で攪拌した。反応混合物を水(50.0 mL)に注ぎ、クロロホルム(3×50.0 mL)で抽出した。合わせた有機相を水(50.0 mL)、NaOH溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。Celiteに通してろ過した後、クロロホルムを真空下で除去し、5-ブロモ-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29A)を無色油状物として得た(98.0 mg、収率85%)。
1H NMR (CDCl3): δ 0.84-1.54 (m, 46H), 2.57 (m, 4H), 6.81 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.94 (s, 1H)。
【0143】
実施例28:5-トリメチルスタニル-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29)の製造
5-ブロモ-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29A, 100 mg, 0.172 mmol)の4.0 mLのTHF溶液に、ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.076 mL, 2.5 M, 0.189 mmol)を、-78℃にて滴加した。溶液を、1時間、-78℃で攪拌し、トリメチル塩化錫のTHF溶液(0.20 mL, 1.0 M, 0.20 mmol)を一度に添加した。溶液を室温まで温め、10.0 mLの水及び10.0 mLのジエチルエーテルを添加した。有機相を分離し、20 mLの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を真空下で濃縮し、5-トリメチルスタニル-4,4′ジドデシル-2,2′-ビチオフェン(29, 0.103 g、収率90%)を黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.84-1.64 (m, 46H), 2.58 (m, 4H), 6.77 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.13 (s, 1H)。
【0144】
実施例29:インデノフルオレンジオンビチオフェンコポリマー(IFDKT2)の製造
2,5-ビス(トリブチルスタニル)チオフェン(0.095 g, 0.128mmol)、2,8-ジブロモ-5,11ジドデシルインデノ[1,2-b]フルオレン-6,12-ジオン5(0.100 g, 0.128 mmol)及びPd(PPh3)4 (10 mg)の無水トルエン溶液 (5 mL)を、窒素下、110℃にて2日間攪拌しながら加熱した。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(300 mL)に注いだ。得られた固体を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、ソックスレー抽出によって、クロロベンゼンに溶解した。メタノールを添加し、析出した生成物を採取し、テトラフェニレンジマロノニトリル コポリマーを黒色固体として得た(78.0 mg、40%)。
RT GPC: Mn = 9400 g mol-1, Mw = 11,200 g mol-1、
D = 1.20 (PS標品に対して);
元素分析: C, 79.65; H, 7.50。
【0145】
実施例30:テトラフェニレンジオンビチオフェンコポリマー(TPDKT2)の製造
2,5-ビス(トリブチルスタニル)ビチオフェン(0.143 g, 0.193 mmol)、ジブロモテトラフェニレンジオン9(0.145 g, 0.193 mmol)及びPd(PPh3)4(25 mg) の無水トルエン溶液(10 mL)を、窒素下、110℃にて2日間攪拌しながら加熱した。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(300 mL)に注いだ。得られた固体を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、ソックスレー抽出によって、クロロベンゼンに溶解した。メタノールを添加し、析出した生成物を採取し、テトラフェニレンジマロノニトリル コポリマーを黒色固体として得た(100 mg, 35%)。
RT GPC: Mn = 6200 g mol-1, Mw = 9,400 g mol-1
D = 1.52 (PS標品に対して);
元素分析: C, 81.20; H, 7.10。
【0146】
実施例31:IFDMT4-12の製造
20 mLの マイクロ波ガラスバイアルに、2,8ジ-(5-ブロモ-3-ドデシルチエン-2-イル)-インデノ[1,2-b]フルオレン-6,12ジマロノニトリル(22)(100.0 mg, 0.096 mmol)、4,4′ジドデシル-5,5′-トリメチルスタニル-2,2′-ビチオフェン(26; 80.0 mg, 0.096 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.0 mg, 0.002 mmol)、トリ-(o-トリルホスフィン)(2.5 mg, 0.008 mmol)及びクロロベンゼン(2.0 mL)を充填した。ガラスバイアルを窒素でパージし、密閉し、マイクロ波反応器で加熱した。バイアルを、140℃にて120秒間、160℃にて120秒間及び180℃にて900秒間で攪拌しながら加熱するように、温度勾配を利用した。反応中のパワーを300 Wとした。50℃に冷却した後、粗生成物をメタノールで析出した。析出物をろ過によって採取し、THFに溶解し、0.45 μmフィルターでろ過紙、再度メタノールで析出させた。この溶解/析出工程をさらに3回繰り返した。最終ポリマーをソックスレー抽出(アセトン及びメタノールで)に付し、100℃にて一晩乾燥し、IFDMT4-12を暗有色固体として得た(79.6 mg、収率60%)。
1H NMR (CDCl3): δ0.88-1.62 (br m, 92H), 2.57 (br, 4H), 2.74 (br, 4H), 7.00 (br, 2H), 7.42 (br, 2H), 7.65 (br, 4H), 8.55 (br, 4H) ppm;
元素分析: C, 78.87; H, 8.42; N, 3.65;
GPC (HT in TCB) Mw = 23273 g/mol , Mn =6685 g/mol, PDI = 3.48。
【0147】
実施例32:テトラフェニレンジオン-フルオレンコポリマー(TPDKF)の製造
化合物9 (150.0 mg, 0.173 mmol)、2,2'-(9,9ジオクチル-9H-フルオレン-2,7ジイル)ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2ジオキサボロラン)(131.0 mg, 0.173 mmol)及びアリコート336 (0.02 g)の混合物を、3回、窒素で脱気し、3.0 mLの乾燥トルエンを加えた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(10 mg, 0.005 mmol)の炭酸水素ナトリウム水溶液(0.6 mL, 2M, 2時間脱気)を、N2下、添加した。混合物を激しく攪拌し、2日間、還流温度に加熱した。高い粘土の反応混合物を沸騰メタノール (30 mL)に注ぎ、橙ポリマーを析出させた。そのポリマーをろ過によって採取し、アセトン、メタノール、水で洗浄し、一晩、真空下、60oCで乾燥そた。そのポリマーをTHF(170 mg 、9 mLのTHF中)に溶解し、40 mLのアセトンで、2回再析出し、140 mgのTPDKFを橙ポリマーとして得た(45%)。
元素分析: C, 87.30; H, 9.57; O, 2.58。
【0148】
実施例33:テトラフェニレンジマロノニトリルホモポリマー(TPDC)の製造
Ni(COD)2(211 mg, 0.746 mmol)、2,2'-ビピリジル(116.5 mg, 0.746 mmol)及び1,5-シクロオクタジエン(COD, 0.091 mL, 0.746 mmol)を、グローブボックス内で、乾燥DMF(5 mL)及び乾燥トルエン(1.6 mL)中で混合した。紫色溶液を80℃にて30分間加熱した。ジブロモテトラフェニレンジマロノニトリル10(300 mg, 0.311 mmol)の6 mLの乾燥トルエン溶液を添加した。その溶液を、アルゴン下、1日間攪拌し、ブロモベンゼン(1.0 mL)を添加した。反応混合物をメタノール中に注ぎ、ろ過した。得られた溶液を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、THF中に溶解し、メタノール中に析出させ(3回)、ろ過してテトラフェニレンジマロノニトリルホモポリマーを黄色固体として得た(125 mg, 50%)。
RT GPC: Mn = 8037 g mol-1, Mw = 12,455 g mol-1、
D = 1.55 (against PS standard);
元素分析: C, 83.85; H, 7.63; N, 6.77。
【0149】
実施例34:テトラフェニレンジマロノニトリルビチオフェンコポリマー(TPDCT2)の製造
2,5-ビス(トリブチルスタニル)ビチオフェン(0.45 mmol, 0.30 g)、ジブロモテトラフェニレンジマロノニトリル10(0.45 mmol, 0.43 g)及びPd(PPh3)2Cl2(40 mg)の無水トルエン溶液(10 mL)を、2日間、窒素下で攪拌しながら、80℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、メタノール(300 mL)に注いだ。得られた固体を、2日間、アセトン中で、ソックスレー抽出に付し、クロロホルムに溶解し、メタノールから析出させた(3回)。得られた固体をろ過し、テトラフェニレンジマロノニトリル コポリマーを黒色固体として得た(210 mg, 50%)。
RT GPC: Mn = 8100 g mol-1, Mw = 10,500 g mol-1
D = 1.30 (against PS standard);
元素分析: C, 81.95; H, 6.70; N, 6.60。
【0150】
実施例35:サイクリックボルタンメトリー
化合物4, 5及び6, 9及び10、5B、9B、10B、19、20及び30についてのTHF中でのサイクリックボルタンメトリーを図1A、1B及び8にそれぞれ示す。対応するデータを表1に示す。可逆反応が全ての試験化合物で観察された。
【表1】
a LUMO エネルギーレベルは、E11/2+ 4.44 eVとして計算した。
【0151】
実施例36:共役モノマーのUV-可視分光法及び蛍光分光法
THF中の化合物4、5及び6、化合物9及び10のUV-可視吸収及び光ルミネセンススペクトルを、それぞれ図2A及び図2Bに示し、THF中の化合物5B、9B、10B、19、20及び30のUV-可視吸収及び光ルミネセンススペクトルを、それぞれ図9及び図10に示す。表2に対応データを示す。
【表2】
bバンドギャップは、UV-可視スペクトルの低エネルギーバンドギャップから推測した。
cカブトニル基によるn-π* 遷移
dHOMOエネルギーレベルをLUMO + Egとして計算した。
eブロード及び弱いエミッションピーク
【0152】
実施例37:TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12のUV-可視分光法及びサイクリックボルタンメトリー
ホモポリマーTPDC及びコポリマーTPDCT2、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12の電気特性を、溶液中にてUV-可視分光法によって、薄膜形状でサイクリックボルタンメトリーによって、研究した(代表的なUV-可視スペクトル及びサイクリックボルタノグラムを図3及び図4に示す)。UV-可視スペクトルの低エネルギーバンドギャップから計算された光学バンドギャップは、それぞれ、TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12について、1.80 eV、1.75 eV、1.90 eV、1.85 eV及び1.36 eVである。ホモポリマーTPDCの吸収スペクトルは、相当の赤方偏移を示した。さらに、580 nm周辺のショルダーが、ポリマー濃度が増加したときに現れた。ポリマーの電気化学的特性を、アセトニトリル中での白金作用電極上で行い、重合薄膜を用いた。可逆的酸化還元は、TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12について、1.31 V、1.12 V、0.90 V、0.98 V及び1.07 Vのオンセット酸化電位とともに、-0.37 V、-0.60 V、-0.90 V、-0.80 V及び -0.29 Vのオンセット還元電位で観察された。電気化学的バンドギャップは、TPDKT2、IFDKT2、IFDMT4-12、TPDC及びTPDCT2について、それぞれ、1.80 eV、1.78 eV、1.36 eV、1.68 eV及び1.72 eVとして計算され、それは光学バンドギャップと良好に一致していた。スタンダードカロメル電極の真空エネルギー準位が4.44 eVであることを考慮して、LUMOエネルギー準位は、それぞれ、TPDC、TPDCT2、TPDKT2、IFDKT2及びIFDMT4-12について、約4.07 eV、3.84 eV、3.54 eV、3.64 eV、4.15 eVであった。
【0153】
実施例38:FETデバイスの製造及び測定
OTFTデバイスを、トップコンタクト形状で、誘電体として、熱成長したSiO2(300nm)、HMDS処理及びOTS処理がなされたSiO2を用いて、低抵抗n型シリコンウエハ上に組み立てた。化合物10を含む活性半導体層を、真空蒸着によって堆積した。X線回折は、気相成長膜が非常に結晶質であることを示す。ブラッグ反射のプログレッションは、d-間隔18.4 A及びπ-πスタック距離4.6 Aに一致する。トップコンタクトデバイスのために、金のコンタクトを、約25μm〜約100μmのチャネル長及び約500μm〜約2000μのチャネル幅を与えるシャドーマスクを使って膜のトップをパターニングした。OFET特徴付けを真空下で行った。出力及び移動特性並びに薄膜XRDを図5に示す。
4×105のIon/Ioffを有する0.001-0.002 cm2/V sの電子移動度が、OTS処理された基体上に基体温度90℃で堆積された膜に観察された。〜10-5-10-6cm2/V s (Ion/Ioff 10-100)の低電子移動度が、HMDS処理された及び未処理の基体上に室温で堆積された膜に、観察された。
【0154】
ポリマー薄膜を、n−ドープSi/SiO2基体上に、クロロホルム及びTHF中のポリマー溶液からスピンコーティング及びドロップキャスティングによって製造した。HMDS-又はOTS処理及び未処理基体を用いた。クロロホルム(2mg/mLの滴加キャスティング及び10mg/mLのスピンコーティング)から堆積され、100℃でアニールしたホモポリマーTPDCの膜で作製したFETについて、2×103のIon/Ioffを有する0.8×10-5cm2/V sの電子移動度が真空下で観察された(図6)。
【0155】
コポリマーTPDCT2は、THF溶液から堆積した場合、〜104のIon/Ioffを有する4×10-5cm2/V sの電子移動度を示した。TPDCと比較したその非常に小さなバンドギャップ及び高いHOMOエネルギー準位のために、二極性の動向が、4×10-5 cm2/V s (〜104のIon/Ioff)の電子移動度及び3×10-5 cm2/V s (〜104のIon/Ioff)のホール移動度を有して、OTS処理基体で観察された。閾値電圧は、n型半導電性動向について35V及びp型半導電性動向について-65Vであった。いかなる理論にも拘束されることがなければ、p型出力プロットにおける高い閾値電圧及び非オーミック動向は、ホールについての0.5eVの高い注入バリアのために可能となると考えられ、一方、金フェルミレベル(-5.1eV)と比較して停滞しているHOMOエネルギー準位(-5.6eV)のために可能となる。
【0156】
トップコンタクトFETを、OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理のp+-Si/SiO2(300 nm)基体上に、CHCl3(5.0 mg/mL)中の20又はIFDMT4-12溶液のスピンコーティングによって作製した。半導体膜(60-65nm)を、真空下で30分間、150oCでアニールし、その後Au電極(50nm)を堆積した。薄膜マイクロ構造的なオーダーが、面外θ-2θXRD及び斜入射X線回折(GIXRD)によって分析された。図11Aに示すように、20及びIFDMT4-12薄膜は非常に結晶質であり、それぞれ第4(400)及び第2(200)のオーダーまでのブラッグ反射を示す。主な反射が、20について2θ = 3.46°(d-間隔= 25.6 A)及びポリマーIFDMT4-12について、2θ = 4.12°(d-間隔= 21.4 A)が観察された。これらのデータは、基体表面と比較した一般の優先分子/チェーン真横向きの(edge-on)配向を有する良好に組織化された薄板状微細構造と一致している。割り当てられたπ-πスタッキング繰り返し距離は、3.1 A (2θ = 28.5°、図11Bに表す)であり、それは、オリゴ-/ポリ-チオフェン(3.4 A-3.8 A)での代表的な観察よりもきわめて小さい。
【0157】
これらのFETのデバイス特性は、大気中で測定し、20の代表的な移動度及び出力プロットを図12及び図13に示す。これらのデバイスは、μe= 0.10-0.16 cm2V-1s-1、Ion/Ioff= 107-108及びVT= 0 〜 +5 Vのn−チャネル特性を示す。さらに、これらのデバイスは、光又は湿気を排除することなく、空気中で5ヶ月保管の後、TFT特性において、極わずかな変化を示した。さらに、IFDMT4-12系のFETは、大気中で二極性であり、〜 +5 V (n-チャネル)及び-10 V (p-チャネル)のVTを有し、同様の電子及びホール移動度(〜 2x10-4 cm2V-1s-1) 及びIon/Ioff比(〜 104)を示す(図14)。IFDMT4-12が、空気安定性であり、非常に可溶の二極性半導体ポリマーの第1実施例である点に留意する必要がある。また、本ポリマーのユニークな電子構造は、非常に小さなバンドギャップ(1.36 eV)を与え、Auコンタクトによって、HOMO準位(-5.51 eV)をホール注入のために利用でき、よって、p−チャネル作用を高めることができることに留意すべきである。
どのような理論にも束縛されることを望まないならば、20で観察された高移動度は、おそらく、強化された分子間π軌道のオーバーラップ、非常にざらつきのある薄膜及び大きな膜ゲインサイズの組み合わせを反映する。さらに、どのような理論にも拘束されることを望まないならば、優先的な真横向き(edge-on)分子配向は、面内のソース−ドレイン(S→D)移動を支持する。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、20及びIFDMT4-12の優れた空気安定性は、低いLUMO順位(-4.15 and -4.32 eV)に関連がありそうである。
【0158】
コポリマーIFDKT2及びTPDKT2は、それぞれ、〜104-105のIon/Ioff 比を有し、〜104-1052×10-3 cm2/V s及び1×10-4 cm2/V sのホール移動度を、それぞれ示す(図15及び図16)。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、これらのポリマーにおける極わずかのn−チャネル伝導は、電子のために>1.0eVの高い注入バリアをもたらすLUMOエネルギー準位によると考えられる。さらに、どのような理論にも拘束されることを望まないならば、おそらく、低HOMOエネルギー準位(〜5.3-5.4 eV)のため、p型伝導が、空気安定性であることが分かった。
【0159】
モノチオフェン末端構造5B及び19は、二極性の性質を示す。化合物5Bでは、電子及びホール移動度が、それぞれ、0.003 (Ion/Ioff〜 105) cm2/V s 及び4×10-4 cm2/V s (Ion/Ioff〜 105)と計算される(図17及び図18)。化合物19は、電子及びホール移動度が、それぞれ、0.006 cm2/V s (Ion/Ioff〜 104)及び0.002 cm2/V s (Ion/Ioff〜 104)を示す。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、これらの2つの半導体の二極性の動向は、バランスのとれたHOMO及びLUMOエネルギー準位並びに低い注入バリア(0.5eV)をもたらすドナー−アクセプタ型の骨格に起因するかもしれず、それは、同様に、電子及びホール注入の双方を高める。他方、チオフェン末端化合物9Bは、6×10-4 cm2/Vs及びIon/Ioff〜 105のホール移動度を有するp型動向を示すのみである(図21)。どのような理論にも拘束されることを望まないならば、この化合物(3.19eV)についての高いLUMOエネルギー準位は、ほとんど極わずかのn-チャンネル作用をもたらす電子に対して、注入バリアを増加するかもしれない。
【0160】
本教示は、その精神又は必須の特徴から逸脱することなく、他の種々の実施形態を包含する。前述の実施形態は、従って、あらゆる点で、ここに記載される本教示を制限するというよりむしろ実例となると考えられる。本発明の範囲は、請求項と同等の意味及び範囲内の前述の記載及び全ての変更がここに包含されることを意図するよりもむしろ、添付の請求項によって記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物。
【化1】
式中、
Ra及びRa′は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよく、あるいは、Rb及びRc、Rb′及びRc′のそれぞれは、各基が結合するそれぞれの炭素原子の対とともに、独立して、任意に1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成してもよい;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NRe又はC(CN)2;
Rdは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)-Y-Rf、h)=W、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよい;
Reは、存在する場合には独立して、H又は任意に1-5のRi基で置換されていてもよいC1-30アルキル基;
Rfは、存在する場合には独立して、-(L)r-Rg;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)〜d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rgは、存在する場合には独立して、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rhは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のぞれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Riは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合;及び
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり、
ただし、WがOで、Rb及びRc並びにRb′及びRc′のぞれぞれが、各基が結合するそれぞれのついの炭素原子とともにフェニル基を形成する場合は、Ra及びRa′のそれぞれは、H又は非置換フェニル基でない。
【請求項2】
WがC(CN)2である請求項1の化合物。
【請求項3】
化合物が式I′又は式I″である請求項2の化合物。
【化2】
式中、Rb、Rb′、Rc及びRc′は独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Ra、Ra′、Rd、Re、Rf、Ri及びYは、請求項1に定義したとおりである。
【請求項4】
Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1つの化合物。
【請求項5】
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rfであり、ここで、Re、Rf及びYは、請求項1に定義したとおりである請求項1〜4のいずれか1つの化合物。
【請求項6】
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又はハロゲンである請求項5の化合物。
【請求項7】
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又は-(L)r-Rgであり、ここで、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択される請求項5の化合物。
【化3】
rは0、1又は2;
Rjは、存在する場合には独立して、H又はRi;
Rkは、存在する場合には独立して、H又はRh;
Rh及びRiは請求項1で定義したとおりである。
【請求項8】
Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2及び-Y-Rfから選択され、Re、Rf及びYは、請求項1で定義したとおりである、
【請求項9】
Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン-(L)r-Rgから選択され、ここで、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択される請求項8の化合物。
【化4】
ここで、rは、0、1又は2であり、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiであり、Rkは存在する場合には独立して、H又はRhであり、Rh及びRiは請求項1で定義したとおりである。
【請求項10】
以下から選択される請求項1の化合物。
【化5】
【化6】
【化7】
【請求項11】
1以上のモノマーの重合生成物を含むポリマーであって、少なくとも1つのモノマーが請求項1の化合物であるポリマー。
【請求項12】
式II′又は式II″の繰り返し単位を含むポリマーである請求項11のポリマー。
【化8】
式中、Rc及びRc′は独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Ra、Ra′、Rd、Re、Rf、Ri及びYは、請求項1に定義したとおりである。
【請求項13】
Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基である請求項11又は12のポリマー。
【請求項14】
Rc及びRc′のそれぞれは、Hである請求項11〜13のいずれか1つのポリマー。
【請求項15】
WがO又はC(CN)2である請求項11〜14のいずれか1つのポリマー。
【請求項16】
式II′又は式II″の繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含むポリマーである請求項11〜15のいずれか1つのポリマー。
【請求項17】
1以上のさらなる繰り返し単位が以下から選択される請求項16のポリマー。
【化9】
ここで、Rdは請求項1に定義したとおりである。
【請求項18】
Ra、Ra′及びRdは、存在する場合には独立して、H、ヘキシル基、ドデシル基及びドコシル基から選択される請求項11〜17のいずれか1つのポリマー。
【請求項19】
以下から選択される請求項11のポリマー。
【化10】
【化11】
ここで、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiであり、Riは請求項1に定義したとおりであり、nは5から100の整数である。
【請求項20】
以下から選択される請求項19のポリマー。
【化12】
【化13】
【請求項21】
式III、式IV又は式Vの化合物。
【化14】
式中、
a、d、e、f、g、j、k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり;
b、c、h及びiは、独立して、CR2、N又はPであり;
pはCR3であり;
qはCR;であり;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NR1又はC(CN)2であり;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、CR3R4又はSiR3R4であり;
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R2は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2R5、f)-Sn(R5)3、g)-B(OR5)2、h)-Y-R6、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R3及びR4は、独立して、a)C1-30アルキル基、b)C2-30アルケニル基、c)C2-30アルキニル基、d)C1-30ハロアルキル基、e)-Y-C3-14シクロアルキル基、f)-Y-C6-14アリール基、g)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はh)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり;
R6は、存在する場合には独立して、-(L)r-R7であり;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員 シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R7は、存在する場合には、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよく;
R8は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2R5、e)-Sn(R5)3、f)-B(OR5)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基であり;
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【請求項22】
b、c、h及びiは、独立して、CR2であり、R2は、存在する場合には独立して、H、ハロゲン、-OS(O)2R5、-Sn(R5)3、-B(OR5)2及び-Y-R6基から選択される請求項21の化合物。
【請求項23】
b及びiのそれぞれは、C(Br)又は-(L)r-R7基であり、c及びhのそれぞれは、0、1又は2であり、Lは、存在する場合には、任意に1-5のR9基で置換されていてもよい二価の5-員ヘテロアリール基、R7は、任意に1-5のR8基で置換されていてもよい二価の5-員ヘテロアリール基である請求項21又は22の化合物。
【請求項24】
a、d、e、f、g、j、k及びlは、独立して、CR1である請求項21〜23のいずれか1つの化合物。
【請求項25】
a、d、e、f、g、j、k及びlのそれぞれが、CHである請求項24の化合物。
【請求項26】
p及びqは、独立して、C(C6-20アルキル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基である請求項21〜25のいずれか1つの化合物。
【請求項27】
WがO又はC(CN)2である請求項21〜26のいずれか1つの化合物。
【請求項28】
ZがCR3R4であり、R3及びR4のそれぞれは独立して、C6-20アルキル基又はC6-20ハロアルキル基である請求項21〜27のいずれか1つの化合物。
【請求項29】
以下の化合物から選択される請求項21の化合物。
【化15】
【化16】
【請求項30】
1以上のモノマーの重合生成物を含むポリマーであって、少なくとも1つのモノマーが請求項21の化合物であるポリマー。
【請求項31】
式VIの繰り返し単位を含むポリマー。
【化17】
ここで、Aは、存在する場合には独立して、式III'、式IV'又は式V'であり:
【化18】
Eは、存在する場合には独立して、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基であり、それぞれは、1-5のR9基で任意に置換されていてもよい、
xは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10;
yは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10であり;
ここで、
a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり、ただし、b及びcのひとつ並びにh及びiの1つは
【化A】
であり;
pは、CR3';
qはCR4';
Wは、存在する場合には独立して、O, S又はC(CN)2;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1)であり;
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、1-5のR9基で任意に置換されていてもよく;
R3 及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり;
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基である。
【請求項32】
Aが式III''、式IV''又は式V''である請求項31のポリマー。
【化19】
ここでa, c, d, e, f, g, h, j, k, l, p, q, W及びZは、請求項31で定義したとおりである。
【請求項33】
a, c, d, e, f, g, h, j, k及びlは、独立して、CR1である請求項31又は32のポリマー。
【請求項34】
a, c, d, e, f, g, h, j, k及びlのそれぞれがCHである請求項33のポリマー。
【請求項35】
p及びqは、独立して、H、C(C1-30アルキル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基である請求項31〜34のいずれかのポリマー。
【請求項36】
ZがC(O)又はCR3'R4である請求項31〜35のいずれかのポリマー。
【請求項37】
ZがCR3'R4'である請求項36のポリマー。
【請求項38】
R3'及びR4'のぞれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基またはC1-30ハロアルキル基である請求項36又は37のポリマー。
【請求項39】
WはO又はC(CN)2である請求項31〜38のいずれかのポリマー。
【請求項40】
WはC(CN)2である請求項39のポリマー。
【請求項41】
xが1である請求項31〜40のいずれかのポリマー。
【請求項42】
yが0、1又は2である請求項31〜41のいずれかのポリマー。
【請求項43】
Eが、任意に1-5のR9基で置換された二価のフェニル基である請求項31〜42のいずれかのポリマー。
【請求項44】
Eが、任意に1-4のR9基で置換された二価の5-員ヘテロアリール基である請求項31〜42のいずれかのポリマー。
【請求項45】
Eが、任意に1-2のR9基で置換された二価のチエニル基である請求項44のポリマー。
【請求項46】
R9は、存在する場合には独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-30アルキル基及びハロアルキル基から選択される請求項31〜45のいすれか1つのポリマー。
【請求項47】
式VIの繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含むポリマーである請求項31〜46のいずれか1つのポリマー。
【請求項48】
1以上のさらなる繰り返し単位は以下から選択される。
【化20】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、R9は請求項31に定義したとおりである。
【請求項49】
ポリマーが式VI'を有する請求項31のポリマー。
【化21】
ここで、nは5から100の整数であり;
A、E及びyは請求項31に定義したとおりである。
【請求項50】
ポリマーが式III'''、式IV'''又は式V'''である請求項49のポリマー。
【化22】
【化23】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは5から100の整数であり、
R3′、R4′、R9、W及びyが請求項31に定義したとおりである。
【請求項51】
以下の式を有する請求項31にポリマー。
【化24】
【化25】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは5から100の整数であり、R3′、R4′及びR9は請求項31に定義したとおりである。
【請求項52】
以下から選択される請求項31のポリマー。
【化26】
【化27】
ここで、nは5から100の整数である。
【請求項53】
式VII、式VIII又は式IXの化合物。
【化28】
【化29】
ここで、
pはCR3′;
qはCR4′;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NR1又はC(CN)2;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1);
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R3'及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R7は、存在する場合には、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に1-5のR8基で置換されていてもよく;
R8は、存在する場合には立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2R5、e)-Sn(R5)3、f)-B(OR5)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基であり;
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【請求項54】
Wは、存在する場合には独立して、C(CN)2である請求項53の化合物。
【請求項55】
以下から選択される請求項53の化合物。
【化30】
【化31】
【請求項56】
液体媒体に溶解された請求項1〜55のいずれか1つの1以上の化合物又はポリマーを含む組成物。
【請求項57】
液体媒体が水又は有機溶媒を含む請求項56の組成物。
【請求項58】
1以上の添加剤を含む請求項56又は57の組成物。
【請求項59】
添加剤が、洗剤、分散剤、結合剤、親和性剤、硬化剤、促進剤、希釈剤、消泡剤、湿潤剤、pH調整剤、殺生物剤及び抗バクテリア剤から独立して選択される請求項58の組成物。
【請求項60】
請求項1〜55のいずれか1つの1以上の化合物又はポリマーを含む製品。
【請求項61】
製品が、電子デバイス、光学デバイス又フォトエレクトロニックデバイスである請求項60の製品。
【請求項62】
請求項1〜55のいずれか1つの1以上の化合物又はポリマーを含む薄膜半導体。
【請求項63】
基体と、基体上に堆積された請求項62の薄膜半導体を含む複合体。
【請求項64】
請求項62の薄膜半導体を含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項65】
請求項63の複合体を含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項66】
誘電体材料を含み、該誘電体材料は、有機誘電体材料、無機誘電体材料又はハイブリッド有機/無機誘電体材料を含む請求項64又は65の電界効果トランジスタデバイス。
【請求項67】
請求項62の薄膜半導体を含む光起電性デバイス。
【請求項68】
請求項63の複合体を含む光起電性デバイス。
【請求項69】
1以上のポリマーに隣接するp型半導体材料を含む請求項67又は68の光起電性デバイス。
【請求項70】
請求項62の薄膜半導体を含む有機発光ダイオードデバイス。
【請求項71】
請求項63の複合体を含む有機発光ダイオードデバイス。
【請求項72】
基体上に請求項56〜59のいずれか1つの組成物を堆積することを含む請求項60又は61の製品の製造方法。
【請求項73】
組成物の堆積を、印刷法、スピンコート法、ドロップキャスト法、ゾーンキャスト法、ディップコート法、ブレードコティング及びスプレー法の少なくとも1つを含む請求項72の方法。
【請求項1】
式Iの化合物。
【化1】
式中、
Ra及びRa′は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよく、あるいは、Rb及びRc、Rb′及びRc′のそれぞれは、各基が結合するそれぞれの炭素原子の対とともに、独立して、任意に1-5のRd基で置換されていてもよいC6-14アリール基を形成してもよい;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NRe又はC(CN)2;
Rdは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)-Y-Rf、h)=W、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に1-5のRi基で置換されていてもよい;
Reは、存在する場合には独立して、H又は任意に1-5のRi基で置換されていてもよいC1-30アルキル基;
Rfは、存在する場合には独立して、-(L)r-Rg;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)〜d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rgは、存在する場合には独立して、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Rhは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2Re、e)-Sn(Re)3、f)-B(ORe)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のぞれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよい;
Riは、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合;及び
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり、
ただし、WがOで、Rb及びRc並びにRb′及びRc′のぞれぞれが、各基が結合するそれぞれのついの炭素原子とともにフェニル基を形成する場合は、Ra及びRa′のそれぞれは、H又は非置換フェニル基でない。
【請求項2】
WがC(CN)2である請求項1の化合物。
【請求項3】
化合物が式I′又は式I″である請求項2の化合物。
【化2】
式中、Rb、Rb′、Rc及びRc′は独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Ra、Ra′、Rd、Re、Rf、Ri及びYは、請求項1に定義したとおりである。
【請求項4】
Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1つの化合物。
【請求項5】
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2又は-Y-Rfであり、ここで、Re、Rf及びYは、請求項1に定義したとおりである請求項1〜4のいずれか1つの化合物。
【請求項6】
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又はハロゲンである請求項5の化合物。
【請求項7】
Rb、Rb′、Rc及びRc′は、独立して、H又は-(L)r-Rgであり、ここで、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択される請求項5の化合物。
【化3】
rは0、1又は2;
Rjは、存在する場合には独立して、H又はRi;
Rkは、存在する場合には独立して、H又はRh;
Rh及びRiは請求項1で定義したとおりである。
【請求項8】
Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OS(O)2Re、-Sn(Re)3、-B(ORe)2及び-Y-Rfから選択され、Re、Rf及びYは、請求項1で定義したとおりである、
【請求項9】
Rdは、存在する場合には独立して、ハロゲン-(L)r-Rgから選択され、ここで、-(L)r-Rgは、存在する場合には独立して、以下から選択される請求項8の化合物。
【化4】
ここで、rは、0、1又は2であり、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiであり、Rkは存在する場合には独立して、H又はRhであり、Rh及びRiは請求項1で定義したとおりである。
【請求項10】
以下から選択される請求項1の化合物。
【化5】
【化6】
【化7】
【請求項11】
1以上のモノマーの重合生成物を含むポリマーであって、少なくとも1つのモノマーが請求項1の化合物であるポリマー。
【請求項12】
式II′又は式II″の繰り返し単位を含むポリマーである請求項11のポリマー。
【化8】
式中、Rc及びRc′は独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2Re、f)-Sn(Re)3、g)-B(ORe)2、h)-Y-Rf、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のRi基で置換されていてもよく、Ra、Ra′、Rd、Re、Rf、Ri及びYは、請求項1に定義したとおりである。
【請求項13】
Ra及びRa′は、独立して、H、C1-30アルキル基又はC1-30ハロアルキル基である請求項11又は12のポリマー。
【請求項14】
Rc及びRc′のそれぞれは、Hである請求項11〜13のいずれか1つのポリマー。
【請求項15】
WがO又はC(CN)2である請求項11〜14のいずれか1つのポリマー。
【請求項16】
式II′又は式II″の繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含むポリマーである請求項11〜15のいずれか1つのポリマー。
【請求項17】
1以上のさらなる繰り返し単位が以下から選択される請求項16のポリマー。
【化9】
ここで、Rdは請求項1に定義したとおりである。
【請求項18】
Ra、Ra′及びRdは、存在する場合には独立して、H、ヘキシル基、ドデシル基及びドコシル基から選択される請求項11〜17のいずれか1つのポリマー。
【請求項19】
以下から選択される請求項11のポリマー。
【化10】
【化11】
ここで、Rjは、存在する場合には独立して、H又はRiであり、Riは請求項1に定義したとおりであり、nは5から100の整数である。
【請求項20】
以下から選択される請求項19のポリマー。
【化12】
【化13】
【請求項21】
式III、式IV又は式Vの化合物。
【化14】
式中、
a、d、e、f、g、j、k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり;
b、c、h及びiは、独立して、CR2、N又はPであり;
pはCR3であり;
qはCR;であり;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NR1又はC(CN)2であり;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、CR3R4又はSiR3R4であり;
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R2は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)-OS(O)2R5、f)-Sn(R5)3、g)-B(OR5)2、h)-Y-R6、i)C1-30アルキル基、j)C2-30アルケニル基、k)C2-30アルキニル基又はl)C1-30ハロアルキル基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R3及びR4は、独立して、a)C1-30アルキル基、b)C2-30アルケニル基、c)C2-30アルキニル基、d)C1-30ハロアルキル基、e)-Y-C3-14シクロアルキル基、f)-Y-C6-14アリール基、g)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はh)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり;
R6は、存在する場合には独立して、-(L)r-R7であり;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14員 シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基であり、ここで、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R7は、存在する場合には、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14員シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR8基で置換されていてもよく;
R8は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2R5、e)-Sn(R5)3、f)-B(OR5)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基であり、ここで、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基であり;
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【請求項22】
b、c、h及びiは、独立して、CR2であり、R2は、存在する場合には独立して、H、ハロゲン、-OS(O)2R5、-Sn(R5)3、-B(OR5)2及び-Y-R6基から選択される請求項21の化合物。
【請求項23】
b及びiのそれぞれは、C(Br)又は-(L)r-R7基であり、c及びhのそれぞれは、0、1又は2であり、Lは、存在する場合には、任意に1-5のR9基で置換されていてもよい二価の5-員ヘテロアリール基、R7は、任意に1-5のR8基で置換されていてもよい二価の5-員ヘテロアリール基である請求項21又は22の化合物。
【請求項24】
a、d、e、f、g、j、k及びlは、独立して、CR1である請求項21〜23のいずれか1つの化合物。
【請求項25】
a、d、e、f、g、j、k及びlのそれぞれが、CHである請求項24の化合物。
【請求項26】
p及びqは、独立して、C(C6-20アルキル)基又はC(C6-20ハロアルキル)基である請求項21〜25のいずれか1つの化合物。
【請求項27】
WがO又はC(CN)2である請求項21〜26のいずれか1つの化合物。
【請求項28】
ZがCR3R4であり、R3及びR4のそれぞれは独立して、C6-20アルキル基又はC6-20ハロアルキル基である請求項21〜27のいずれか1つの化合物。
【請求項29】
以下の化合物から選択される請求項21の化合物。
【化15】
【化16】
【請求項30】
1以上のモノマーの重合生成物を含むポリマーであって、少なくとも1つのモノマーが請求項21の化合物であるポリマー。
【請求項31】
式VIの繰り返し単位を含むポリマー。
【化17】
ここで、Aは、存在する場合には独立して、式III'、式IV'又は式V'であり:
【化18】
Eは、存在する場合には独立して、二価のC6-14アリール基又は二価の5-14員ヘテロアリール基であり、それぞれは、1-5のR9基で任意に置換されていてもよい、
xは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10;
yは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10であり;
ここで、
a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k及びlは、独立して、CR1、N又はPであり、ただし、b及びcのひとつ並びにh及びiの1つは
【化A】
であり;
pは、CR3';
qはCR4';
Wは、存在する場合には独立して、O, S又はC(CN)2;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1)であり;
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、1-5のR9基で任意に置換されていてもよく;
R3 及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基であり;
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基である。
【請求項32】
Aが式III''、式IV''又は式V''である請求項31のポリマー。
【化19】
ここでa, c, d, e, f, g, h, j, k, l, p, q, W及びZは、請求項31で定義したとおりである。
【請求項33】
a, c, d, e, f, g, h, j, k及びlは、独立して、CR1である請求項31又は32のポリマー。
【請求項34】
a, c, d, e, f, g, h, j, k及びlのそれぞれがCHである請求項33のポリマー。
【請求項35】
p及びqは、独立して、H、C(C1-30アルキル)基又はC(C1-30ハロアルキル)基である請求項31〜34のいずれかのポリマー。
【請求項36】
ZがC(O)又はCR3'R4である請求項31〜35のいずれかのポリマー。
【請求項37】
ZがCR3'R4'である請求項36のポリマー。
【請求項38】
R3'及びR4'のぞれぞれは、独立して、H、C1-30アルキル基またはC1-30ハロアルキル基である請求項36又は37のポリマー。
【請求項39】
WはO又はC(CN)2である請求項31〜38のいずれかのポリマー。
【請求項40】
WはC(CN)2である請求項39のポリマー。
【請求項41】
xが1である請求項31〜40のいずれかのポリマー。
【請求項42】
yが0、1又は2である請求項31〜41のいずれかのポリマー。
【請求項43】
Eが、任意に1-5のR9基で置換された二価のフェニル基である請求項31〜42のいずれかのポリマー。
【請求項44】
Eが、任意に1-4のR9基で置換された二価の5-員ヘテロアリール基である請求項31〜42のいずれかのポリマー。
【請求項45】
Eが、任意に1-2のR9基で置換された二価のチエニル基である請求項44のポリマー。
【請求項46】
R9は、存在する場合には独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-30アルキル基及びハロアルキル基から選択される請求項31〜45のいすれか1つのポリマー。
【請求項47】
式VIの繰り返し単位以外の1以上のさらなる繰り返し単位を含むポリマーである請求項31〜46のいずれか1つのポリマー。
【請求項48】
1以上のさらなる繰り返し単位は以下から選択される。
【化20】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、R9は請求項31に定義したとおりである。
【請求項49】
ポリマーが式VI'を有する請求項31のポリマー。
【化21】
ここで、nは5から100の整数であり;
A、E及びyは請求項31に定義したとおりである。
【請求項50】
ポリマーが式III'''、式IV'''又は式V'''である請求項49のポリマー。
【化22】
【化23】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは5から100の整数であり、
R3′、R4′、R9、W及びyが請求項31に定義したとおりである。
【請求項51】
以下の式を有する請求項31にポリマー。
【化24】
【化25】
ここで、R10は、存在する場合には独立して、H又はR9であり、nは5から100の整数であり、R3′、R4′及びR9は請求項31に定義したとおりである。
【請求項52】
以下から選択される請求項31のポリマー。
【化26】
【化27】
ここで、nは5から100の整数である。
【請求項53】
式VII、式VIII又は式IXの化合物。
【化28】
【化29】
ここで、
pはCR3′;
qはCR4′;
Wは、存在する場合には独立して、O、S、NR1又はC(CN)2;
Yは、存在する場合には独立して、a)二価のC1-10アルキル基、b)二価のC2-10アルケニル基、c)二価のC2-10アルキニル基、d)二価のC1-10ハロアルキル基又はe)共有結合であり;
Zは、a)CR3'R4'、b)SiR3'R4'、c)C(O)、d)C(S)、e)C(NR5)又はf)C(CR1R1);
R1は、存在する場合には独立して、a)H、b)ハロゲン、c)-CN、d)-NO2、e)C1-30アルキル基、f)C2-30アルケニル基、g)C2-30アルキニル基、h)C1-30ハロアルキル基、i)-Y-C3-14シクロアルキル基、j)-Y-C6-14アリール基、k)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はl)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R3'及びR4'は、独立して、a)H、b)C1-30アルキル基、c)C2-30アルケニル基、d)C2-30アルキニル基、e)C1-30ハロアルキル基、f)-Y-C3-14シクロアルキル基、g)-Y-C6-14アリール基、h)-Y-3-14員シクロヘテロアルキル基又はi)-Y-5-14員ヘテロアリール基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基、C1-30ハロアルキル基、C3-14シクロアルキル基、C6-14アリール基、3-14員シクロヘテロアルキル基及び5-14員ヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R5は、存在する場合には独立して、H又はC1-30アルキル基;
Lは、存在する場合には独立して、a)二価のC3-14シクロアルキル基、b)二価のC6-14アリール基、c)二価の3-14シクロヘテロアルキル基又はd)二価の5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R7は、存在する場合には、a)C3-14シクロアルキル基、b)C6-14アリール基、c)3-14シクロヘテロアルキル基又はd)5-14員ヘテロアリール基であり、a)-d)のそれぞれは、任意に1-5のR8基で置換されていてもよく;
R8は、存在する場合には立して、a)ハロゲン、b)-CN、c)-NO2、d)-OS(O)2R5、e)-Sn(R5)3、f)-B(OR5)2、g)C1-30アルキル基、h)C2-30アルケニル基、i)C2-30アルキニル基又はj)C1-30ハロアルキル基であり、C1-30アルキル基、C2-30アルケニル基、C2-30アルキニル基及びC1-30ハロアルキル基のそれぞれは、任意に、1-5のR9基で置換されていてもよく;
R9は、存在する場合には独立して、a)ハロゲン、b)-CN、e)-NO2、f)-OH、g)-NH2、h)-OC1-10アルキル、i)-NH(C1-10アルキル)、j)-N(C1-10アルキル)2、k)-CHO、l)-C(O)OH、m)-C(O)(C1-10アルキル)、n)-C(O)O(C1-10アルキル)、o)-C(O)NH2、p)-C(O)NH(C1-10アルキル)、q)-C(O)N(C1-10アルキル)2、r)C1-30アルキル基、s)C2-30アルケニル基、t)C2-30アルキニル基、u)C1-30ハロアルキル基、v)C3-14シクロアルキル基、w)C6-14アリール基、x)3-14員シクロヘテロアルキル基又はy)5-14員ヘテロアリール基であり;
rは、存在する場合には独立して、0、1、2、3、4、5又は6である。
【請求項54】
Wは、存在する場合には独立して、C(CN)2である請求項53の化合物。
【請求項55】
以下から選択される請求項53の化合物。
【化30】
【化31】
【請求項56】
液体媒体に溶解された請求項1〜55のいずれか1つの1以上の化合物又はポリマーを含む組成物。
【請求項57】
液体媒体が水又は有機溶媒を含む請求項56の組成物。
【請求項58】
1以上の添加剤を含む請求項56又は57の組成物。
【請求項59】
添加剤が、洗剤、分散剤、結合剤、親和性剤、硬化剤、促進剤、希釈剤、消泡剤、湿潤剤、pH調整剤、殺生物剤及び抗バクテリア剤から独立して選択される請求項58の組成物。
【請求項60】
請求項1〜55のいずれか1つの1以上の化合物又はポリマーを含む製品。
【請求項61】
製品が、電子デバイス、光学デバイス又フォトエレクトロニックデバイスである請求項60の製品。
【請求項62】
請求項1〜55のいずれか1つの1以上の化合物又はポリマーを含む薄膜半導体。
【請求項63】
基体と、基体上に堆積された請求項62の薄膜半導体を含む複合体。
【請求項64】
請求項62の薄膜半導体を含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項65】
請求項63の複合体を含む電界効果トランジスタデバイス。
【請求項66】
誘電体材料を含み、該誘電体材料は、有機誘電体材料、無機誘電体材料又はハイブリッド有機/無機誘電体材料を含む請求項64又は65の電界効果トランジスタデバイス。
【請求項67】
請求項62の薄膜半導体を含む光起電性デバイス。
【請求項68】
請求項63の複合体を含む光起電性デバイス。
【請求項69】
1以上のポリマーに隣接するp型半導体材料を含む請求項67又は68の光起電性デバイス。
【請求項70】
請求項62の薄膜半導体を含む有機発光ダイオードデバイス。
【請求項71】
請求項63の複合体を含む有機発光ダイオードデバイス。
【請求項72】
基体上に請求項56〜59のいずれか1つの組成物を堆積することを含む請求項60又は61の製品の製造方法。
【請求項73】
組成物の堆積を、印刷法、スピンコート法、ドロップキャスト法、ゾーンキャスト法、ディップコート法、ブレードコティング及びスプレー法の少なくとも1つを含む請求項72の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2010−535270(P2010−535270A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519928(P2010−519928)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/009268
【国際公開番号】WO2009/017798
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(596057893)ノースウエスタン ユニバーシティ (35)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/009268
【国際公開番号】WO2009/017798
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(596057893)ノースウエスタン ユニバーシティ (35)
【Fターム(参考)】
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