説明

共役芳香族化合物の製造方法

【課題】共役芳香族化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(B)とを、
触媒量の二価ニッケル化合物、亜鉛及び下記式(1)


(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ただし、R、R、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。)
で示されるフェナントロリン化合物の存在下に反応させることを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役芳香族化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ゼロ価ニッケル化合物の存在下での芳香族ジハロゲン化合物のホモカップリング反応が開示されている。しかしながら、この反応は、芳香族ジハロゲン化合物に対して、等モル又は過剰量の0価ニッケル錯体を必要とする。特許文献1には、2,2’−ビピリジンと1,5−シクロオクタジエンを配位子とするゼロ価ニッケル錯体を触媒量用いる芳香族ジハロゲン化合物のカップリング反応が開示されている。しかしながら、収率や重合度の点において必ずしも満足のいくものではなかった。
かかる状況において、依然として共役芳香族化合物の良好な製造方法の開発が望まれている。
【特許文献1】特表2005−538154号公報
【非特許文献1】Macromolecules 1992,25,1214−1223
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、共役芳香族化合物の新規な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
[1]:
1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(B)とを、
触媒量の二価ニッケル化合物、亜鉛及び式(1)

(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ただし、R、R、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。)
で示されるフェナントロリン化合物の存在下に反応させることを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法;
[2]:
芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)の芳香環が、同一又は相異なって、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい前記[1]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[3]:
、R、R、R、R及びRが、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、そのうちの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である前記[1]又は[2]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[4]:
とRが同一の基であり、RとRが同一の基であり、RとRが同一の基である前記[1]、[2]又は[3]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[5]:
とRが同一の炭素数6〜10のアリール基である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[6]:
炭素数6〜10のアリール基が、フェニル基である前記[5]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[7]:
、R、R及びRが、水素原子である前記[5]又は[6]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[8]:
、R、R及びRが、全て同一の炭素数1〜6のアルキル基である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[9]:
とRが、水素原子である前記[8]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[10]:
とRが、同一の炭素数1〜6のアルキル基である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[11]:
、R、R及びRが、全て水素原子である前記[10]に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[12]:
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる前記[1]〜[11]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[13]:
芳香族化合物(A)が、式(2)

(式中、Arはn価の芳香族基を表わし、前記芳香族基を構成する芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい芳香環であり、Xは脱離基を表わし、nは1又は2を表わす。nが2のとき、Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
で示される芳香族化合物である前記[1]〜[12]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[14]:
芳香族化合物(A)が、式(3)

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。mは1又は2を表わし、kは4−mを表わす。)
で示される芳香族化合物である前記[1]〜[12]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[15]:
芳香族化合物が、式(4)

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であっていてもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。jは0〜3の整数を表わす。)
で示される芳香族化合物である前記[1]〜[12]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[16]:
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる前記[1]〜[11]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[17]:
芳香族化合物(A)として、前記式(2)で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる前記式(2)で示される芳香族化合物、前記式(3)で示される芳香族化合物、前記式(4)で示される芳香族化合物又は下記式(5)で示される芳香族化合物を用いる前記[1]〜[11]及び[16]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法。
式(5)

(式中、a、b及びcは同一又は相異なって、0又は1を表わし、hは5以上の整数を表わす。
Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、下記(a2)〜(e2)からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;
及びYは、同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
及びZは、同一又は相異なって、−O−又は−S−を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。);
[18]:
芳香族化合物(A)として、前記式(3)で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる前記式(2)で示される芳香族化合物、前記式(3)で示される芳香族化合物、前記式(4)で示される芳香族化合物又は前記式(5)で示される芳香族化合物を用いる前記[1]〜[11]及び[16]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[19]:
芳香族化合物(A)として、前記式(4)で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる前記式(2)で示される芳香族化合物、前記式(3)で示される芳香族化合物、前記式(4)で示される芳香族化合物又は前記式(5)で示される芳香族化合物を用いる前記[1]〜[11]及び[16]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[20]:
脱離基が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基又は炭素数6〜10のアリールスルホニルオキシ基である前記[1]〜[19]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[21]:
二価ニッケル化合物が、ハロゲン化ニッケルである前記[1]〜[20]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[22]:
π型配位子を実質的に用いない前記[1]〜[21]のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
[23]:
二価ニッケル化合物と式(1)

(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ただし、R、R、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。)
で示されるフェナントロリン化合物とを接触させて得られるニッケル錯体;等を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、脱離基を有する芳香族化合物を触媒量の二価ニッケル化合物及び式(1)で示されるフェナントロリン誘導体を用いて、亜鉛の共存下にカップリング反応させることで、収率や重合度の面でより優れた対応する共役芳香族化合物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)は、少なくとも1つの芳香環を有し、1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している化合物である。
芳香族化合物(B)は、芳香族化合物(A)と構造的に異なっている。
芳香環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環等の芳香族複素環が挙げられる。
【0007】
かかる芳香環は、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよく、反応に関与しない基の具体例としては、下記(a1)〜(g1)が挙げられる。
(a1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;
(e1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;
(f1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシルオキシ基;
(g1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールスルホニル基;
(h1)下記式:

(式中、Aは1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)
で示される基;
(i1)シアノ基;
(j1)フッ素原子。
前記(a1)〜(h1)における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
【0008】
前記(a1)〜(h1)における炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。
前記(a1)〜(h1)における炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
前記(a1)における炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
前記(e1)及び(h1)における炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基が挙げられる。
前記(f1)における炭素数2〜20のアシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基等の前記炭素数2〜20のアシル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
前記(g1)における炭素数6〜20のアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
前記(h1)における炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、フェニル基、1,3−ブタジエン−1,4−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ビフェニル−2,2’−ジイル基、o−キシリレン基等が挙げられる。かかる1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、2,2−ジメチルプロピルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、n−ウンデシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基、n−トリデシルアミノ基、n−テトラデシルアミノ基、n−ペンタデシルアミノ基、n−ヘキサデシルアミノ基、n−ヘプタデシルアミノ基、n−オクタデシルアミノ基、n−ノナデシルアミノ基、n−イコシルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基等が挙げられる。
【0009】
(a1)としては、炭素数1〜20の無置換アルキル基、トリフルオロメチル基等の1又は2以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基、メトキシメチル基等の炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、シアノメチル基等のシアノ基で置換された炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
(b1)としては、炭素数1〜20の無置換アルコキシ基、メトキシメトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
(c1)としては、炭素数6〜20の無置換アリール基が好ましい。
(d1)としては、炭素数6〜20の無置換アリールオキシ基が好ましい。
(e1)としては、炭素数2〜20の無置換アシル基、フェノキシベンゾイル基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数2〜20のアシル基が好ましい。
(f1)としては、炭素数2〜20の無置換アシルオキシ基、フェノキシベンゾイルオキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましい。
(g1)としては、炭素数6〜20の無置換アリールスルホニル基が好ましい。
(h1)としては、Aが、イソプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ジエチルアミノ基又はn−ドデシルアミノ基である基が好ましく、Aが、イソプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基又はシクロヘキシルオキシ基である基がより好ましい。
かかる反応に関与しない基としては、前記(a1)、(b1)、(e1)及び(h1)が好ましい。
脱離基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、p−メチルフェニルスルホニルオキシ基等の炭素数6〜10のアリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子がより好ましい。
【0010】
芳香族化合物の具体例としては、式(2)

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(2)と略記する。)が挙げられる。
式(2)中、Arはn価の芳香族基を表わし、前記芳香族基を構成する芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい芳香環である。また、Xは脱離基を表わし、nは1又は2を表わす。nが2のとき、Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
反応に関与しない基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
脱離基としては、上記したものと同様のものが挙げられ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子がより好ましい。
【0011】
芳香族化合物(2)としては、
クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、3−クロロフルオロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、2−クロロトルエン、2,5−ジメチルクロロベンゼン、2−エチルクロロベンゼン、3−n−プロピルクロロベンゼン、4−イソプロピルクロロベンゼン、5−n−ブチルクロロベンゼン、2−イソブチルクロロベンゼン、3−sec−ブチルクロロベンゼン、4−tert−ブチルクロロベンゼン、5−(2,2−ジメチルプロピル)クロロベンゼン、2−n−ヘキシルクロロベンゼン、4−シクロヘキシルクロロベンゼン、4−ベンジルクロロベンゼン、4−クロロベンゾニトリル、4−クロロビフェニル、2−クロロビフェニル、4−クロロベンゾトリフルオリド、2−クロロベンゾトリフルオリド、(4−クロロフェニル)アセトニトリル、
3−クロロアニソール、4−クロロアニソール、2,3−ジメトキシクロロベンゼン、2,4−ジメトキシクロロベンゼン、2,5−ジメトキシクロロベンゼン、2−エトキシクロロベンゼン、3−n−プロポキシクロロベンゼン、4−イソプロポキシクロロベンゼン、5−n−ブトキシクロロベンゼン、4−tert−ブトキシクロロベンゼン、4−フェノキシクロロベンゼン、4−ベンジルオキシクロロベンゼン、4−(メトキシメチル)クロロベンゼン、4−(n−ブトキシメチル)クロロベンゼン、4−(メトキシメトキシ)クロロベンゼン、4−(ベンジルオキシメトキシ)クロロベンゼン、4−{2−(n−ブトキシ)エトキシ}クロロベンゼン、
4−クロロアセトフェノン、2−クロロアセトフェノン、4−クロロプロピオフェノン、1−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチルプロパノン、(4−クロロベンゾイル)シクロヘキサン、4−クロロベンゾフェノン、p−クロロベンザルアセトン、1−クロロ−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン、4−クロロフェニル p−トリル スルホン、4−クロロベンゼンスルホン酸メチル、3−クロロベンゼンスルホン酸メチル、2−クロロベンゼンスルホン酸メチル、4−クロロベンゼンスルホン酸エチル、4−クロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−クロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2−クロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、
N,N−ジメチル−4−クロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジメチル−3−クロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−クロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジエチル−4−クロロベンゼンスルホンアミド、
1−クロロナフタレン、2−ブロモチオフェン、5−ブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2−ブロモ−3−ドデシルチオフェン、5−ブロモ−2,2’−ビチオフェン、5−ブロモ−3−シクロヘキシルチオフェン、2−クロロ−3−オクチルチオフェン、5−クロロ−3−フェニルチオフェン、1−メチル−5−クロロピロール、1−ヘキシル−2−ブロモピロール、1−オクチル−5−クロロピロール、2−クロロピリジン、3−クロロピリジン、5−ブロモピリジン、3−メチル−2−クロロピリジン、3−ヘキシル−5−クロロピリジン、5−クロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−5−クロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジオクチル−5−ブロモ−2,2’−ビピリジン、2−クロロピリミジン、5−クロロピリミジン、2−ブロモピリミジン、5−クロロキノリン、8−ブロモキノリン、2−クロロキノリン、1−クロロイソキノリン、4−クロロイソキノリン、8−ブロモイソキノリン、5−ブロモイソキノリン、4−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、7−クロロベンゾイミダゾール、4−クロロベンゾイミダゾール、5−クロロキノキサリン、5−クロロ−2,3−ジフェニルキノキサリン、2−ブロモキノキサリン、6−ブロモキノキサリン、
1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、
2,4−ジクロロトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,5−ジヨードトルエン、
1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、
2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、1,4−ジブロモ−2−エチルベンゼン、1,4−ジブロモ−2−メトキシベンゼン、ジメチル 2,5−ジブロモテレフタレート、1,4−ジブロモナフタレン、1,1’−ジブロモ−4,4’−ビフェニル、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルオキシベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロトルエン、1−ブロモ−4−クロロ−2−プロピルベンゼン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン、5,5’−ジブルモ−2,2’−ビチオフェン、2,5−ジブロモ−3−シクロヘキシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−オクチルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−フェニルチオフェン、1−メチル−2,5−ジクロロピロール、1−ヘキシル−2,5−ジブロモピロール、1−オクチル−2,5−ジクロロピロール、2,5−ジクロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、3−メチル−2,5−ジクロロピリジン、3−ヘキシル−2,5−ジクロロピリジン、5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジオクチル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン、2,5−ジクロロピリミジン、2,5−ジブロモピリミジン、5,8−ジクロロキノリン、5,8−ジブロモキノリン、2,6−ジクロロキノリン、1,4−ジクロロイソキノリン、5,8−ジブロモイソキノリン、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、4,7−ジクロロベンゾイミダゾール、5,8−ジクロロキノキサリン、5,8−ジクロロ−2,3−ジフェニルキノキサリン、2,6−ジブロモキノキサリン、
2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン等が挙げられる。
【0012】
芳香族化合物の具体例としては、式(3)

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(3)と略記する。)も挙げられる。
式(3)中、Aとしては、前記Aと同様のものが挙げられ、炭素数3〜20の無置換アルコキシ基が好ましく、イソプロピル基、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基及びシクロヘキシルオキシ基がより好ましい。
における炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜20の無置換アルキル基、炭素数1〜20の無置換アルコキシ基が好ましい。
【0013】
としては、塩素原子、臭素原子が好ましく、mは1であることが好ましい。
芳香族化合物(3)の具体例としては、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、
2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、1−(2,5−ジクロロベンゼンスルホニル)ピロリジン等が挙げられる。
なかでも、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド及びN−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミドが好ましい。
【0014】
芳香族化合物の具体例としては、式(4)

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(4)と略記する。)も挙げられる。
式(4)中、Aとしては、前記Aと同様のものが挙げられ、炭素数3〜20の無置換アルコキシ基が好ましく、イソプロピル基、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基及びシクロヘキシルオキシ基がより好ましい。
における炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜20の無置換アルキル基、炭素数1〜20の無置換アルコキシ基が好ましい。
としては、塩素原子、臭素原子が好ましく、jは0であることが好ましい。
【0015】
芳香族化合物(4)としては、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
N,N−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジエチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、6,6’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
N,N−ジメチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジエチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド等が挙げられる。
なかでも、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)が好ましい。
【0016】
芳香族化合物(2)としては、市販のものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
芳香族化合物(3)は、第3級アミン化合物又はピリジン化合物の存在下に、式(10)

(式中、R、X、m及びkは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(10)と略記する。)と式(11)

(式中、Aは、上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(11)と略記する。)とを反応させることにより製造することができる。
【0017】
化合物(10)としては、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸クロリド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸クロリド等が挙げられる。かかる化合物(10)としては、通常市販されているものが用いられる。
化合物(11)としては、イソプロパノール、イソブタノール、2,2−ジメチルプロパノール、シクロヘキサノール、n−オクタノール、n−ペンタデカノール、n−イコサノール、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,2−ジメチルプロピルアミン、n−ドデシルアミン、n−イコシルアミン等が挙げられる。かかる化合物(11)としては、通常市販されているものが用いられる。
【0018】
化合物(11)の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、通常0.2モル以上であり、その上限は特になく、化合物(11)が反応温度において液体である場合には、反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。実用的な化合物(11)の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、0.5〜2モルである。
【0019】
第3級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルピロリジン等が挙げられる。第3級アミン化合物は、通常、市販されているものが用いられる。第3級アミン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特になく、第3級アミン化合物が反応温度において液体である場合には、反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。実用的な第3級アミン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、1〜30モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜10モルである。
【0020】
ピリジン化合物としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。ピリジン化合物は、通常市販されているものが用いられる。ピリジン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特になく、ピリジン化合物が反応温度において液体である場合には、反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。実用的なピリジン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、1〜30モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜10モルである。
【0021】
化合物(10)と化合物(11)との反応は、通常、溶媒の存在下に、化合物(10)と化合物(11)と第3級アミン化合物もしくはピリジン化合物とを混合することにより実施される。混合順序は特に制限されない。
溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。また、上記したとおり、化合物(11)、第3級アミン化合物もしくはピリジン化合物が、反応温度において液体である場合には、これらを反応溶媒として用いてもよい。かかる溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は特に制限されない。
【0022】
化合物(10)と化合物(11)との反応温度は、通常−30〜150℃、好ましくは−10〜70℃である。反応時間は、通常0.5〜24時間である。
反応終了後、例えば、反応混合物に、水もしくは酸の水溶液、及び、必要に応じて、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒等の水に不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理することにより、芳香族化合物(3)を含む有機層を得ることができる。得られた有機層を、必要に応じて、水、アルカリ水溶液等で洗浄した後、濃縮することにより、芳香族化合物(3)を取り出すことができる。
【0023】
芳香族化合物(4)は、前記芳香族化合物(3)の製造方法において、化合物(10)に代えて、式(12)

(式中、R、X及びjは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(12)と略記する。)を用い、化合物(11)に代えて、式(13)

(式中、Aは、上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(13)と略記する。)を用い、同様に実施することにより製造することができる。
【0024】
化合物(12)としては、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメチル4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド等が挙げられ、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリドが好ましい。かかる化合物(12)としては、市販されているものを用いてもよいし、例えば、Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047−1049等に記載の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
化合物(13)としては、化合物(11)と同様のものが挙げられ、通常市販されているものが用いられる。
【0025】
芳香族化合物の具体例としては、式(5)

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(5)と略記する。)も挙げられる。
式(5)中、hは10以上の整数であることが好ましい。
Ar、Ar、Ar及びArにおける2価の芳香族基としては、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニル−1,1’−ジイル基等の2価の単環状芳香族基;ナフタレン−1,3−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−1,7−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基、9H−フルオレン−2,7−ジイル基等の2価の縮合芳香族基;ピリジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル基、ピロール−2,5−ジイル基、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、キノリン−5,8−ジイル基、キノリン−2,6−ジイル基、イソキノリン−1,4−ジイル基、イソキノリン−5,8−ジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ベンゾイミダゾール−4,7−ジイル基、キノキサリン−5,8−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基等の2価の複素芳香族基;等が挙げられる。なかでも、2価の単環状芳香族基及び2価の縮合芳香族基が好ましく、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基及びナフタレン−2,7−ジイル基がより好ましい。
【0026】
かかる2価の芳香族基は、下記(a2)〜(e2)からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基。
【0027】
(a2)〜(e2)における炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数2〜20のアシル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
(a2)としては、前記(a1)と同様のものが挙げられる。(b2)としては、前記(b2)と同様のものが挙げられる。(c2)としては、前記(c1)と同様のものが挙げられる。(d2)としては、前記(d1)と同様のものが挙げられる。(e2)としては、前記(e1)と同様のものが挙げられる。
【0028】
としては、塩素原子、臭素原子が好ましい。
芳香族化合物(5)の具体例としては、下記に示す化合物、下記に示す化合物の両末端の塩素原子が臭素原子に代わった化合物等が挙げられる。なお、下記式中、hは上記と同一の意味を表わす。

【0029】

【0030】

【0031】

【0032】

【0033】

【0034】

芳香族化合物(5)としては、日本国特許第2,745,727号公報等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
芳香族化合物(5)としては、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000以上のものを用いることが好ましく、3,000以上であるものがより好ましい。
本願発明は、芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させるものである。
【0035】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合の具体例としては、
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(2)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(3)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用いる場合;等が挙げられる。
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合の具体例としては、
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(2)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(3)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(5)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(3)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(2)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(3)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(3)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(3)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(3)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(5)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(2)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(3)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(5)を用いる場合;等が挙げられる。
【0036】
二価ニッケル化合物としては、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等のハロゲン化ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケルカルボン酸塩、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等が挙げられ、ハロゲン化ニッケルが好ましい。
二価ニッケル化合物の使用量は、触媒量であるが、使用量が少なすぎると、分子量の小さい共役芳香族化合物が得られやすく、また、使用量が多すぎると、重合反応後の後処理が煩雑になる傾向があるため、二価ニッケル化合物の使用量は、用いる全ての芳香族化合物1モルに対して、通常0.001〜0.8モル、好ましくは、0.01〜0.4モルである。
【0037】
亜鉛としては、通常市販されているものが用いられる。その形状には特に制限はないが、通常、粉末状の亜鉛が用いられる。その使用量は、用いる全ての芳香族化合物1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特に制限されないが、多すぎると、重合反応後の後処理が煩雑になり、また、経済的にも不利になりやすいため、実用的には10モル以下、好ましくは5モル以下である。
【0038】
式(1):

で示されるフェナントロリン化合物(以下、フェナントロリン化合物(1)と略記する。)の式中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、R、R、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
、R、R、R、R及びRがそれぞれ同一又は相異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、そのうちの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であるフェナントロリン化合物(1)が好ましい。
、R、R、R、R及びRがそれぞれ同一又は相異なって、水素原子、メチル基又はフェニル基であり、そのうちの少なくとも1つはメチル基又はフェニル基であるフェナントロリン化合物(1)がより好ましい。
とRが同一の基であり、RとRが同一の基であり、RとRが同一の基であるフェナントロリン化合物(1)が好ましい。
【0039】
とRが同一の基であり、RとRが同一の炭素数6〜10のアリール基であり、RとRが同一の基であるフェナントロリン化合物(1)、RとRとRとRが同一の炭素数1〜6のアルキル基であり、RとRが同一の基であるフェナントロリン化合物(1)及びRとRとRとRが同一の基であり、RとRが同一の炭素数1〜6のアルキル基であるフェナントロリン化合物(1)がより好ましく、RとRが同一の基であり、RとRがフェニル基であり、RとRが同一の基であるフェナントロリン化合物(1)、RとRとRとRがメチル基であり、RとRが同一の基であるフェナントロリン化合物(1)及びRとRとRとRが同一の基であり、RとRがメチル基であるフェナントロリン化合物(1)がさらに好ましく、R、R、R及びRが水素原子であり、RとRがフェニル基であるフェナントロリン化合物(1)、RとRとRとRがメチル基であり、RとRが水素原子であるフェナントロリン化合物(1)及びRとRとRとRが水素原子であり、RとRがメチル基であるフェナントロリン化合物(1)が特に好ましい。
【0040】
フェナントロリン化合物(1)として、具体的には、5−メチル−1,10−フェナントロリン、4−メチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,8−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、3,8−ジ−tert−ブチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジ−tert−ブチル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメトキシ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェノキシ−1,10−フェナントロリンが挙げられ、5−メチル−1,10−フェナントロリン、4−メチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、3,8−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリンが好ましい。
【0041】
フェナントロリン化合物(1)としては、市販されているものを用いてもよいし、例えば、Journal of Heterocyclic Chemistry,18,641(1981)等に記載の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
フェナントロリン化合物(1)の使用量は、二価ニッケル化合物1モルに対して、通常0.2〜2モル、好ましくは0.5〜1.7モルである。
フェナントロリン化合物(1)と二価ニッケル化合物とを予め接触させて、フェナントロリン化合物(1)が配位したニッケル錯体を調製し、調製したニッケル錯体をそのままもしくは単離した後用いてもよい。ニッケル錯体の調製は、通常後述する溶媒中で実施され、反応混合物の色相の変化により、ニッケル錯体が調製されたことを判別することができる。
【0042】
本反応は、通常、溶媒の存在下に実施される。溶媒としては、用いる芳香族化合物及び生成する共役芳香族化合物が溶解し得る溶媒であればよい。かかる溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、エーテル溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。溶媒の使用量は、多すぎると、分子量の小さな共役芳香族化合物が得られやすく、少なすぎると、反応混合物の性状が悪くなりやすいため、用いる全ての芳香族化合物1重量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部である。
【0043】
反応は、通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で、芳香族化合物、二価ニッケル化合物、亜鉛及びフェナントロリン化合物(1)を混合することにより実施される。反応温度は、通常0〜250℃であり、好ましくは30〜100℃である。反応時間は、通常0.5〜48時間である。
反応の反応速度を上げるため、ハロゲン化塩を用いてもよく、その具体例としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化カリウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等のハロゲン化アンモニウム等が挙げられ、ハロゲン化ナトリウムが好ましく、ヨウ化ナトリウムがより好ましい。その使用量は、用いる全ての芳香族化合物1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。
【0044】
本反応においては、π型配位子を実質的に用いないことが好ましい。
かかる反応により、共役芳香族化合物が得られるが、共役芳香族化合物とは、少なくとも1つの芳香環を有し、その分子の一部又は全部に、非局在化したπ−電子系を有する化合物を意味する。
【0045】
生成した共役芳香族化合物が重合体である場合には、例えば、反応終了後、生成した共役芳香族化合物を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合することにより、共役芳香族化合物を析出させ、析出した共役芳香族化合物を濾過により、反応混合物から分離することにより取り出すことができる。生成した共役芳香族化合物を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合した後、塩酸等の酸の水溶液を加え、析出した共役芳香族化合物を濾過により、反応混合物から分離してもよい。得られた共役芳香族化合物の分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。生成した共役芳香族化合物を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
生成した共役芳香族化合物が重合体でない場合には、例えば、反応終了後、反応混合物を濃縮することにより、生成した共役芳香族化合物を取り出すことができる。取り出した共役芳香族化合物は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0046】
得られる共役芳香族化合物の具体例を以下に示す。
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)としてnが1である芳香族化合物(2)を用いた場合には、下記式(20)

(Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される共役芳香族化合物が得られる。
【0047】
かかる式(20)で示される共役芳香族化合物としては、
ビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジフルオロビフェニル、2,2’−ジフルオロビフェニル、2,2’−ジメチルビフェニル、2,2’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2’−ジエチルビフェニル、3,3’−ジ−n−プロピルビフェニル、4,4’−ジイソプロピルビフェニル、5,5’−ジ−n−ブチルビフェニル、2,2’−ジイソブチルビフェニル、3,3’−ジ−sec−ブチルビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル、5,5’−ビス(2,2−ジメチルプロピル)ビフェニル、2,2’−ジ−n−ヘキシルビフェニル、4,4’−ジシクロヘキシルビフェニル、4,4’−ジベンジルビフェニル、4,4’−ジシアノビフェニル、4,4’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(シアノメチル)ビフェニル、
3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジメトキシビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメトキシビフェニル、2,2’,4,4’−テトラメトキシビフェニル、2,2’,5,5’−テトラメトキシビフェニル、2,2’−ジエトキシビフェニル、3,3’−ジ−n−プロポキシビフェニル、4,4’−ジイソプロポキシビフェニル、5,5’−ジ−n−ブトキシビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブトキシビフェニル、4,4’−ジフェノキシビフェニル、4,4’−ジベンジルオキシビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(n−ブトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(ベンジルオキシメトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス{2−(n−ブトキシ)エトキシ}ビフェニル、
4,4’−ジアセチルビフェニル、4,4’−ジベンゾイルビフェニル、4,4’−ビス(フェニルスルホニル)ビフェニル、ビフェニル−4,4’−ジスルホン酸ジメチル、ビフェニル−4,4’−ジスルホン酸ジエチル、ビフェニル−4,4’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、1,1’−ビナフタレン、2,2’−ビチオフェン、3,3’−ジヘキシル−5,5’−ビチオフェン、1,1’−ジメチル−5,5’−ビピロール、2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジヘキシル−5,5’−ビピリジン、2,2’−ビピリミジン、5,5’−ビキノリン、1,1’−ビイソキノリン、4,4’−ビス(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)、7,7’−ビス(ベンゾイミダゾール)等が挙げられる。
【0048】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)としてnが2である芳香族化合物(2)を用いた場合には、下記式(21)

(Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位を有する共役芳香族化合物が得られる。かかる共役芳香族化合物は、通常2〜10,000個の式(21)で示される繰り返し単位を含んでおり、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常500〜3,000,000である。
かかる式(21)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0049】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(3)を用いた場合には、下記式(22)

(A、R、k及びmは上記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位を有する共役芳香族化合物が得られる。かかる共役芳香族化合物は、通常2〜10,000個の式(22)で示される繰り返し単位を含んでおり、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常500〜3,000,000である。
式(22)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記式(22a)〜(22e)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0050】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(4)を用いた場合には、下記式(23)

で示される繰り返し単位を有する共役芳香族化合物が得られる。かかる共役芳香族化合物は、通常2〜10,000個の式(23)で示される繰り返し単位を含んでおり、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜6,000,000である。
式(23)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記式(23a)〜(23d)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0051】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(5)を用いた場合には、前記式(21)で示される繰り返し単位と下記式(24):

で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物が得られる。該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜3,000,000である。
式(24)で示されるセグメントの具体例としては、下記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントが挙げられる。なお、下記式中、hは上記と同一の意味を表わし、好ましくは10以上である。

【0052】

【0053】

【0054】

【0055】

【0056】

【0057】

【0058】

【0059】

【0060】
式(21)で示される繰り返し単位と式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物としては、前記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(I−1)〜(I−16)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。ここで、下記式中、hは上記と同一の意味を表わし、pは2以上の整数を表わす。

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】

【0066】

【0067】

【0068】

【0069】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(3)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(5)を用いた場合には、前記式(22)で示される繰り返し単位と前記式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物が得られる。該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜3,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(22)で示される繰り返し単位の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましく、式(24)で示されるセグメントの量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、10重量%以上、70重量%以下がより好ましい。
式(22)で示される繰り返し単位と式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物としては、前記式(22a)〜(22e)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(II−1)〜(II−9)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。ここで、下記式中、hは上記と同一の意味を表わし、pは2以上の整数を表わす。
【0070】

【0071】

【0072】

【0073】

【0074】

【0075】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(5)を用いた場合には、前記式(23)で示される繰り返し単位と前記式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物が得られる。該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜3,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(23)で示される繰り返し単位の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましく、式(24)で示されるセグメントの量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、10重量%以上、70重量%以下がより好ましい。
【0076】
式(23)で示される繰り返し単位と式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物としては、前記式(23a)〜(23d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(III−1)〜(III−6)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。ここで、下記式中、hは上記と同一の意味を表わし、pは2以上の整数を表わす。
【0077】

【0078】

【0079】

【0080】

【0081】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(3)を用いた場合には、前記式(21)で示される繰り返し単位と前記式(22)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が得られる。該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(21)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましく、式(22)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましい。
【0082】
式(21)で示される繰り返し単位と式(22)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物としては、前記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(22a)〜(22e)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(IV−1)〜(IV−4)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。

【0083】

【0084】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(2)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(4)を用いた場合には、前記式(21)で示される繰り返し単位と前記式(23)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が得られる。該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(21)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましく、式(23)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましい。
式(21)で示される繰り返し単位と式(23)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物としては、前記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(23a)〜(23d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(V−1)〜(V−4)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。
【0085】

【0086】

【0087】

二種類以上の繰り返し単位を含む共役芳香族化合物中の各繰り返し単位の含量は、用いる芳香族化合物の使用量を適宜調整することにより、調整することができる。
式(22)又は式(23)で示される繰り返し単位を含む共役芳香族化合物は、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質の合成原料として用いることができ、その場合の好ましいポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000であり、より好ましくは3,000〜800,000である。
【実施例】
【0088】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。得られた共役芳香族化合物が重合体でない場合には、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、その結果から収量を算出した。得られた共役芳香族化合物が重合体である場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)により分析し(分析条件は下記のとおり)、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
[分析条件]
GPC測定装置:CTO−10A(株式会社島津製作所製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルアセトアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
【0089】
[参考例1]
2,2−ジメチルプロパノール44.9gをピリジン145gに溶解させた。これに、0℃で、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド100gを加え、室温で、1時間攪拌、反応させた。反応混合物に、酢酸エチル740mL及び2mol%塩酸740mLを加え、30分間撹拌した後、静置し、有機層を分離した。分離した有機層を水740mL、10重量%炭酸カリウム水溶液740mL、さらに飽和食塩水740mLで洗浄した後、減圧条件下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:クロロホルム)で精製した。得られた溶出液から溶媒を、減圧条件下で留去した。残渣を、65℃でヘキサン970mLに溶解させた後、室温まで冷却した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥し、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)の白色固体99.4gを得た。収率:82.1%。
H−NMR(CDCl,δ(ppm)):0.97(s,9H),3.78(s,2H),7.52−7.53(c,2H),8.07(d,1H)
マススペクトル(m/z):297(M
【0090】
[実施例1]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル50mg、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン54mg、亜鉛粉末98mg、N−メチル−2−ピロリドン4mL及び2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)227mgをN−メチル−2−ピロリドン1mLに溶解させて得られた溶液を加えた。得られた混合物を70℃で4時間反応させ、下記式(i)

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは44,000、Mnは21,000であった。
【0091】
[比較例1]
実施例1において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン54mgに代えて2,2’−ビピリジン36mgを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは25,000、Mnは13,000であった。
【0092】
[参考例2]
2,2−ジメチルプロパノール25.2gをテトラヒドロフラン200mLに溶解させた。これに、0℃で、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.57M)151.6mLを滴下した。その後、室温で1時間攪拌し、リチウム2,2−ジメチルプロポキシドを含む溶液を調製した。4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド40gをテトラヒドロフラン300mLに溶解させて得られた溶液に、0℃で、調製したリチウム2,2−ジメチルプロポキシドを含む溶液を滴下した。その後、室温で1時間攪拌、反応させた。反応混合物を濃縮した後、残渣に、酢酸エチル1000mL及び2mol/L塩酸1000mLを加え、30分間攪拌した。静置した後、有機層を分離した。分離した有機層を飽和食塩水1000mLで洗浄した後、減圧条件下で溶媒を留去した。濃縮残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(溶媒;クロロホルム)により精製した。得られた溶出液から溶媒を、減圧条件下で留去した。残渣を、70℃でトルエン500mLに溶解させた後、室温まで冷却した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を乾燥し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)の白色固体31.2gを得た。収率:62.6%。
H−NMR(CDCl,δ(ppm)):0.92(s,18H),3.69−3.86(c,4H),7.34−7.37(c,2H),7.59−7.62(c,2H),8.03−8.04(c,2H)
マススペクトル(m/z):451(M−C11
【0093】
[実施例2]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル8mg、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン14mg、亜鉛粉末72mg、N,N−ジメチルアセトアミド2mL及び4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)366mgをN,N−ジメチルアセトアミド3mLに溶解させて得られた溶液を加えた。得られた混合物を70℃で4時間反応させ、下記式(ii)

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは288,000、Mnは89,000であった。
【0094】
[比較例2]
実施例2において、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン14mgに代えて2,2’−ビピリジン7mgを用いた以外は実施例2と同様に反応を行い、前記式(ii)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは70,000、Mnは28,000であった。
【0095】
[実施例3]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15mg、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン28mg、亜鉛粉末76mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)366mgをN,N−ジメチルアセトアミド3mLに溶解させて得られた溶液及び下記式(iii)

で示されるスミカエクセルPES 5200P(住友化学株式会社製;Mw 94,000、Mn 40,000:上記分析条件で測定)206mgをN,N−ジメチルアセトアミド2mLに溶解させて得られた溶液を加えた。その後、70℃で4時間重合反応を行い、上記式(ii)で示される繰り返し単位と下記式

で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは276,000、Mnは91,000であった。
【0096】
[実施例4]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル11mg、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン21mg、亜鉛粉末74mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)366mgをN,N−ジメチルアセトアミド3mLに溶解させて得られた溶液及び下記式(iv)

で示されるポリフェニルスルホン(Aldrich製;Mw 60,000、Mn 32,000:上記分析条件で測定)100mgをN,N−ジメチルアセトアミド2mLに溶解させて得られた溶液を加えた。得られた混合物を70℃で4時間反応させ、上記式(ii)で示される繰り返し単位と下記式

で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは348,000、Mnは127,000であった。
【0097】
[実施例5]
実施例4において、式(iv)で示されるポリフェニルスルホン100mgに代えて下記式(v)

で示される芳香族化合物(Mw 5,900、Mn 3,900:上記分析条件で測定)206mgを用いた以外は実施例4と同様に反応を行い、上記式(ii)で示される繰り返し単位と下記式

で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは567,000、Mnは140,000であった。
【0098】
[実施例6]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル46mg、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン84mg、亜鉛粉末92mg、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン240mg及びN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加えた。得られた混合物を70℃で4時間反応させ、下記式

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは154,000、Mnは36,000であった。
【0099】
[実施例7]
実施例6において、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン240mgに代えて2,5−ジクロロ−1−デシルオキシベンゼン212mgを、N,N−ジメチルアセトアミド5mLに代えてN−メチル−2−ピロリドン3mLを用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、下記式

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは32,000、Mnは15,000であった。
【0100】
[実施例8]
実施例6において、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン84mgに代えて3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン60mgを、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン240mgに代えて2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン462mgを、N,N−ジメチルアセトアミド5mLに代えてN,N−ジメチルアセトアミド3.5mLとトルエン1.5mLの混合溶媒を用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、下記式

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは343,000、Mnは75,000であった。
【0101】
[実施例9]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15mg、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mg及び亜鉛粉末92mgを加えた。得られた混合物に、室温で、4−クロロトルエン89mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は55mgであった。
【0102】
[実施例10]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン28mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は49mgであった。
【0103】
[実施例11]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン17mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は57mgであった。
【0104】
[実施例12]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5−メチル−1,10−フェナントロリン16mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は49mgであった。
【0105】
[比較例3]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて2,2’−ビピリジン13mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は36mgであった。
【0106】
[実施例13]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロアニソール100mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメトキシビフェニルの収量は58mgであった。
【0107】
[実施例14]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン17mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロアニソール100mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメトキシビフェニルの収量は56mgであった。
【0108】
[実施例15]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代えて3−クロロアニソール100mgを用いた以外は同様に反応を行い、3,3’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。3,3’−ジメトキシビフェニルの収量は69mgであった。
【0109】
[実施例16]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン28mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて3−クロロアニソール100mgを用いた以外は同様に反応を行い、3,3’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。3,3’−ジメトキシビフェニルの収量は64mgであった。
【0110】
[実施例17]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン17mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて3−クロロアニソール100mgを用いた以外は同様に反応を行い、3,3’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。3,3’−ジメトキシビフェニルの収量は66mgであった。
【0111】
[実施例18]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5−メチル−1,10−フェナントロリン16mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて3−クロロアニソール100mgを用いた以外は同様に反応を行い、3,3’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。3,3’−ジメチルビフェニルの収量は66mgであった。
【0112】
[実施例19]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代えて4’−クロロアセトフェノン108mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジアセチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジアセチルビフェニルの収量は79mgであった。
【0113】
[実施例20]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン28mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4’−クロロアセトフェノン108mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジアセチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジアセチルビフェニルの収量は76mgであった。
【0114】
[実施例21]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン17mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4’−クロロアセトフェノン108mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジアセチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジアセチルビフェニルの収量は74mgであった。
【0115】
[実施例22]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5−メチル−1,10−フェナントロリン16mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4’−クロロアセトフェノン108mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジアセチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジアセチルビフェニルの収量は76mgであった。
【0116】
[実施例23]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロフルオロベンゼン91mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジフルオロビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジフルオロビフェニルの収量は61mgであった。
【0117】
[実施例24]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン28mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロフルオロベンゼン91mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジフルオロビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジフルオロビフェニルの収量は55mgであった。
【0118】
[実施例25]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン17mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロフルオロベンゼン91mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジフルオロビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジフルオロビフェニルの収量は57mgであった。
【0119】
[実施例26]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5−メチル−1,10−フェナントロリン16mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロフルオロベンゼン91mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジフルオロビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジフルオロビフェニルの収量は57mgであった。
【0120】
[実施例27]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロベンゾニトリル96mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ジシアノビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジシアノビフェニルの収量は57mgであった。
【0121】
[実施例28]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代わりに4−クロロ−1−(メトキシメチル)ベンゼン110mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルの収量は68mgであった。
【0122】
[実施例29]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン17mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロ(メトキシメチル)ベンゼン110mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルの収量は68mgであった。
【0123】
[実施例30]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5−メチル−1,10−フェナントロリン16mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて4−クロロ(メトキシメチル)ベンゼン110mgを用いた以外は同様に反応を行い、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルの収量は65mgであった。
【0124】
[実施例31]
実施例9において、4−クロロトルエン89mgに代えて2−ブロモチオフェン114mgを用いた以外は同様に反応を行い、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は45mgであった。
【0125】
[実施例32]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン28mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて2−ブロモチオフェン114mgを用いた以外は同様に反応を行い、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は43mgであった。
【0126】
[実施例33]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて5−メチル−1,10−フェナントロリン16mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて2−ブロモチオフェン114mgを用いた以外は同様に反応を行い、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は42mgであった。
【0127】
[比較例4]
実施例9において、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン20mgに代えて2,2’−ビピリジン13mgを、4−クロロトルエン89mgに代えて2−ブロモチオフェン114mgを用いた以外は同様に反応を行い、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は25mgであった。
【0128】
[実施例34]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル8mg、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン14mg及びN,N−ジメチルアセトアミド2mLを加えた。得られた混合物は、黄土色のスラリーであった。該スラリーを70℃に加熱し、ニッケル錯体を含む緑色の均一溶液を得た。
【0129】
[実施例35]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、上記実施例34で得たニッケル錯体を含む溶液、亜鉛粉末72mg及び4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)366mgを加えた。得られた混合物を70℃で4時間反応させ、上記式(ii)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。共役芳香族化合物のMwは143,000、Mnは48,000であった。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明によれば、共役芳香族化合物をよりに有利に製造できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(B)とを、
触媒量の二価ニッケル化合物、亜鉛及び下記式(1)

(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ただし、R、R、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。)
で示されるフェナントロリン化合物の存在下に反応させることを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項2】
芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)の芳香環が、同一又は相異なって、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項3】
、R、R、R、R及びRが、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、そのうちの少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基である請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項4】
とRが同一の基であり、RとRが同一の基であり、RとRが同一の基である請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項5】
とRが、同一の炭素数6〜10のアリール基である請求項4に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項6】
炭素数6〜10のアリール基が、フェニル基である請求項5に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項7】
、R、R及びRが、水素原子である請求項6に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項8】
、R、R及びRの全てが、同一の炭素数1〜6のアルキル基である請求項4に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項9】
とRが、水素原子である請求項8に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項10】
とRが、同一の炭素数1〜6のアルキル基である請求項4に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項11】
、R、R及びRの全てが、水素原子である請求項10に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項12】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項13】
芳香族化合物(A)が、式(2)

(式中、Arはn価の芳香族基を表わし、前記芳香族基を構成する芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい芳香環であり、Xは脱離基を表わし、nは1又は2を表わす。nが2のとき、Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
で示される芳香族化合物である請求項12に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項14】
芳香族化合物(A)が、式(3)

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。mは1又は2を表わし、kは4−mを表わす。)
で示される芳香族化合物である請求項12に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項15】
芳香族化合物が、式(4)

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であっていてもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。jは0〜3の整数を表わす。)
で示される芳香族化合物である請求項12に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項16】
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項17】
芳香族化合物(A)として、請求項13に記載の式(2)で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる請求項13に記載の式(2)で示される芳香族化合物、請求項14に記載の式(3)で示される芳香族化合物、請求項15に記載の式(4)で示される芳香族化合物又は下記式(5)で示される芳香族化合物を用いる請求項16に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
式(5)

(式中、a、b及びcは同一又は相異なって、0又は1を表わし、hは5以上の整数を表わす。
Ar、Ar、Ar及びArは同一又は相異なって、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、下記(a2)〜(e2)からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;
及びYは同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
及びZは同一又は相異なって、−O−又は−S−を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
【請求項18】
芳香族化合物(A)として、請求項14に記載の式(3)で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる請求項13に記載の式(2)で示される芳香族化合物、請求項14に記載の式(3)で示される芳香族化合物、請求項15に記載の式(4)で示される芳香族化合物又は請求項17に記載の式(5)で示される芳香族化合物を用いる請求項16に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項19】
芳香族化合物(A)として、請求項15に記載の式(4)で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる請求項13に記載の式(2)で示される芳香族化合物、請求の範囲第14項に記載の式(3)で示される芳香族化合物、請求項15に記載の式(4)で示される芳香族化合物又は請求項17に記載の式(5)で示される芳香族化合物を用いる請求項16に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項20】
脱離基が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基又は炭素数6〜10のアリールスルホニルオキシ基である請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項21】
二価ニッケル化合物が、ハロゲン化ニッケルである請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項22】
π型配位子を実質的に用いない請求項1に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項23】
二価ニッケル化合物と式(1)

(式中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ同一又は相異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わす。ただし、R、R、R、R、R及びRが同時に水素原子であることはない。)
で示されるフェナントロリン化合物とを接触させて得られるニッケル錯体。

【公開番号】特開2008−208121(P2008−208121A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20886(P2008−20886)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】