説明

共振タグ製造装置および共振タグ製造方法

【課題】 共振タグの製造方法において、少量多品種の共振タグを効率よく生産する共振タグ製造装置および共振タグ製造方法を提供すること。
【解決手段】 基材の片面にコイルに相当する螺旋状の回路パターンと、コンデンサの一方の電極に相当する電極板を形成し、絶縁体を介して、コンデンサの他方の電極に相当する電極板を形成し、共振回路を形成する共振タグ製造装置であって、電子写真法を用いて、基材の少なくとも一方に、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方に相当する電極板、もしくは、コンデンサの他方に相当する電極板、を印刷する印刷部を備えた共振タグ製造装置および製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法の印刷方式を用いて基材に形成した共振タグの製造装置および共振タグの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン等の樹脂フィルムを用いて、この樹脂フィルムの両面にアルミニウム箔等の金属箔を貼り付けコンデンサを形成し、片方の面に螺旋状の金属箔の回路パターンを貼り付けコイルを形成して、さらに、金属箔を突き刺すなどして両面を電気的に接続して、共振回路を形成した共振タグが知られている(例えば、特許文献1の図7など)。
【0003】
図5に従来の共振タグの構成を示す概略斜視図を示す。螺旋状に回路パターンが形成された部分がコイルLに相当する。また、コイルLに接続された、所定の面積部分がコンデンサCの片側の電極C1に相当し、樹脂フィルム51を介して電極C1に対向する位置にコンデンサCの片側の電極C2に相当する部分が配置されるようになっている。このコンデンサCとコイルLで共振回路を形成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−93671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィルムやガラス等の基材に回路パターンを形成する技術として、スクリーン印刷やフォトリソグラフィ工程が行われている。フォトリソグラフィ工程の中で、金属箔をエッチングする方法の一例を図6を参照して説明する。まず、基材となる樹脂フィルム51にアルミ箔61または銅箔63をラミネートする(図6(a))。次に、マスクを用いてアルミ箔61または銅箔63上にレジスト67のパターンを印刷する(図6(b))。次に、レジスト67から露出したアルミ箔61または銅箔63をエッチングする(図6(c))。その後、レジスト67を除去し回路パターンが完成する(図6(d))。これらの印刷では回路パターン毎のマスクが必要とされるため、少量多品種の生産には向かない。またスクリーン印刷において、上記のような共振タグでは、共振周波数を変更しようとすると、スクリーンを変更しなければならず、変更に伴う装置の段取り替えなど生産性が上がらない問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、共振タグの製造方法において、少量多品種の共振タグを効率よく生産する共振タグ製造装置および共振タグ製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
基材の片面にコイルに相当する螺旋状の回路パターンと、コンデンサの一方の電極に相当する電極板を形成し、絶縁体を介して、コンデンサの他方の電極に相当する電極板を形成し、共振回路を形成する共振タグ製造装置であって、
電子写真法を用いて、基材の少なくとも一方に、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方に相当する電極板、もしくは、コンデンサの他方に相当する電極板、を印刷する印刷部を備えた共振タグ製造装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記印刷部が、
コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方の電極に相当する電極板を電子印刷法により印刷する第1印刷部と、
前記第1印刷部で印刷された基材に、絶縁体を介して、前記コンデンサの他方の電極に相当する電極板を電子写真法により印刷する第2印刷部と、
から構成される共振タグ製造装置である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、
基材に共振タグを形成する共振タグの製造方法であって、
電子写真法を用いて、基材の少なくとも一方に、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方に相当する電極板、もしくは、コンデンサの他方に相当する電極板、を基材に印刷することにより共振タグを製造する共振タグの製造方法である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
コイルに相当する螺旋状の回路パターンと、コンデンサの一方の電極に相当する電極板を、電子写真法により基材に印刷し、
前記基材の所定の領域に絶縁体を貼り付け、
前記基材に前記絶縁体を介して、前記コンデンサの他方の電極に相当する電極板および、前記コイルと前記コンデンサで構成される共振回路の回路パターンを電子写真法により印刷し、
前記基材に共振回路を形成する共振タグの製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の共振タグ製造装置および共振タグ製造方法によれば、電子写真法を用いて、基材の少なくとも一方に、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方に相当する電極板、もしくは、コンデンサの他方に相当する電極板、を印刷する印刷部を備えているので、共振周波数の種類毎にスクリーンを準備しなくても、少量多品種の共振タグを効率よく生産することができる。また、金属箔をエッチングするフォトリソグラフィ工程のように、複数の工程で共振タグを製造する方法に比べ、単一の工程で直接回路パターンを形成しているので、共振タグの生産性が上がる。
【0012】
また、従来の共振タグ製造装置では、形成される回路パターンのサイズがマスクやスクリーンのサイズに依存するが(マスクやスクリーンのサイズ以上の回路パターンを形成できない)、電子写真法を用いて回路パターンを形成しているので、印刷される基材の長さおよび幅に応じて任意の大きさの回路パターンを形成することができる。特に、長尺の基材に対して容易に対応できる。
【0013】
また、電子写真法を用いて回路パターンを形成しているので、電子写真法における感光ドラム上の帯電、露光、現像を制御することにより、基材に印刷される回路パターンの厚みを制御することができ、信頼性の高い共振回路を形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る共振タグ製造装置の概略平面図である。
【図2】樹脂フィルムと粘着フィルムの位置関係を説明する平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る共振タグ製造装置の動作フローチャートである。
【図4】樹脂フィルムに共振回路を形成するステップを説明する平面図である。
【図5】従来の共振タグの構成を説明する斜視図である。
【図6】従来の共振タグの製造工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、一実施形態の共振タグ製造装置を示す概略平面図である。図1に示すように、本実施形態の共振タグ製造装置1は、基材である樹脂フィルム51を供給する巻出部100と、樹脂フィルム51にコイル部分とコンデンサの電極の一方に相当する回路パターンを印刷する第1印刷部200と、片面に接着剤が塗布された粘着フィルム57を供給する粘着フィルム供給部300と、基材にコンデンサの電極の他方に相当する回路パターンと回路形成部分を印刷する第2印刷部400と、共振回路が形成された樹脂フィルム51を巻き取る巻取部500と、共振タグ製造装置1の全体を制御する制御部600とを備える。当該共振タグ製造装置1は、第1印刷部200、粘着フィルム供給部300、第2印刷部400、の順に、各部が樹脂フィルム51に対して所定の処理を行うことよって、導電性の回路パターンを基材に形成し、コンデンサとコイルに相当する共振回路を形成する。なお、回路パターンの画像情報は制御部600から入力され、当該画像情報は、第1印刷部200、第2印刷部400の各々に送られる。
【0017】
巻出部100は、樹脂フィルム51を供給する巻出ロール101と、押さえロール103とから構成されている。樹脂フィルム51は、巻出部100から第1印刷部200、粘着フィルム供給部300、第2印刷部400を経由して巻取部500に巻き取られるようになっている。
【0018】
第1印刷部200は、電子写真法を用いて印刷する回路パターン形成装置であって、導電性トナー53によって樹脂フィルム51に回路パターンを印刷する。第1印刷部200は、感光ドラム201と、帯電器203と、露光器205と、現像器207と、転写器209と、残留トナー除去部211と、除電部213と、定着部215とを有する。
【0019】
感光ドラム201は、静電潜像等が担持されるドラム状の像担持体であって、図1に示す矢印A方向に回転する。帯電器203は、感光ドラム201の表面を帯電させる。露光器205は、制御部600から送られた画像情報に基づき、帯電された感光ドラム201上にレーザ光を照射して静電潜像を書き込む。現像器207は、静電潜像が書き込まれた感光ドラム201上の静電潜像を、導電性トナー53を用いて可視像化する。静電潜像の可視像化によって、導電性トナー53によるトナー像が感光ドラム201上に形成される。
【0020】
なお、第1印刷部200が利用する導電性トナー53は、導電性金属粒子の外周に熱可塑性樹脂を被覆して、その外周に荷電制御剤を固着させた粉末である。なお、導電性金属粒子は、例えば、金、銀、銅、ニッケル、合金又はカーボンである。但し、これらの金属に限らず、その他の金属粒子又はこれらの酸化物若しくは合金等であっても良い。熱可塑性樹脂は、例えば、スチレンアクリル系樹脂である。荷電制御剤は、例えば、アゾ系金属染料である。導電性金属粒子の径は例えば1〜20[μm]であり、導電性トナー53の粒子径は例えば2〜25[μm]である。
【0021】
転写器209は、感光ドラム201上のトナー像を樹脂フィルム51に静電転写する。すなわち、感光ドラム201上の導電性トナー53を樹脂フィルム51に転移させる。残留トナー除去部211は、ドラムクリーナであって、感光ドラム201上に残留した導電性トナーを除去する。除電部213は、感光ドラム201の帯電を除去する。定着部215は、転写器209によってトナー像が静電転写された樹脂フィルム51にフラッシュランプ等の光を照射又は熱を加えて、トナー像を樹脂フィルム51に定着させる。
【0022】
定着部215によって導電性トナー53に熱が加わると、導電性トナー53の図示されていない熱可塑性樹脂が融解する。その結果、導電性トナー53に含まれていた図示されていない導電性金属粒子が樹脂フィルム51上に定着し、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方の電極に相当する電極板の回路パターンが形成される。
【0023】
粘着フィルム供給部300は、片面に粘着材が塗布されている粘着フィルム57を供給する巻出ロール301と、粘着フィルム57の粘着材の仕切り紙59を回収する回収ロール303と、粘着フィルム57から仕切り紙59を剥がす剥がしロール305と、粘着フルム57を樹脂フィルム51に貼り付ける貼付ロール307とから構成されている。
【0024】
図2(a)に樹脂フィルム51上に粘着フィルム57が貼り付けられ、更に第2印刷部400を経て製造された状態を示す。樹脂フィルム51上に形成されたコイルLの粘着フィルム57によって隠れる部分は点線で示した。図2(b)に図2(a)の断面を示す。コイルLの一部分を粘着フィルム57が被い、コンデンサCを形成し図2(c)に示す共振回路が形成される。
【0025】
第2印刷部400は、第1印刷部200と同様に、電子写真法を用いて印刷する回路パターン形成装置であって、導電性トナー53によって樹脂フィルム51に回路パターンを印刷する。第2印刷部400は、感光ドラム401と、帯電器403と、露光器405と、現像器407と、転写器409と、残留トナー除去部411と、除電部413と、定着部415とを有する。各部材は、第1印刷部200と同様の機能を有している。詳細の説明は省略する。
【0026】
巻取部500は、樹脂フィルム51を巻き取る巻取ロール501と、押さえロール503とから構成されている。
【0027】
制御部600は、ハードディスクやメモリなどの記憶部601と、マイクロプロセッサなどの演算部602と、タッチパネルやキーボードなどの入出力部603と、各部分のデータの通信をおこなうインターフェース部604とから構成されている。制御部600は、第1印刷部200の制御、粘着フィルム供給部300、第2印刷部400の制御などの共振タグ製造装置1の全体の制御を行う。
【0028】
共振タグの共振回路のコンデンサおよびコイルの回路パターン情報や、樹脂フィルム51の表裏面のどの箇所を短絡すると共振回路が形成されるかなどの回路形成情報は、制御部600の記憶部601に記憶されている。共振タグの製造品種に合わせて、回路パターン情報および回路形成情報が、第1印刷部200、第2印刷部400に転送されるようになっている。そのため、多品種少量生産に容易に対応できるようになっている。また、各共振タグごとに、1枚ずつ異なるコンデンサ及び/またはコイルの回路パターンを変更することも可能である。そうすることにより、異なった共振周波数の共振タグを容易に製造することができる。
【0029】
以下、本実施形態の共振タグ製造装置1の動作について、図3を参照して説明する。図3は、図1に示した共振タグ製造装置1の動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、巻出部100の巻出ロール101を駆動し、樹脂フィルム51が、第1印刷部200と、粘着フィルム供給部300と、第2印刷部400を経由して巻取部500の巻取ロール501に巻き取られようにする。巻き取られた状態で、巻出ロール101と巻取ロール501を停止し、樹脂フィルム51が共振タグ製造装置1のフィルム供給側からフィルム回収側に通された状態にする(ステップS101)。
【0031】
次に、粘着フィルム供給部300の粘着フィルム57を巻出ロール301から引きだし、仕切り紙59を剥がしロール305を介して回収ロール303に巻き取る。そして、粘着面の露出した粘着フィルム57を貼付ロール307を用いてフィルム通しされた樹脂フィルム51の所定位置に貼り付ける(ステップS102)。
【0032】
図2に示すように、粘着フィルム57は、樹脂フィルム51の進行方向に対して一部が隠れるように貼り付けられる。
【0033】
次に、巻出部100の巻出ロール101と、巻取部500の巻取ロール501と、粘着フィルム供給部300の巻出ロール301と、を駆動し樹脂フィルム51と粘着フィルム57の搬送を開始する(ステップS103)。
【0034】
次に、第1印刷部200の帯電器203が、感光ドラム201の表面を帯電させる(ステップS104)。
【0035】
次に、第1印刷部200の露光器205が、制御部600からの回路パターン情報に基づき、帯電された感光ドラム201上に静電潜像を書き込む(ステップS105)。
【0036】
次に、第1印刷部200の現像器207が、導電性トナー53を用いて感光ドラム201上の静電潜像を可視像化する(ステップS106)。
【0037】
次に、第1印刷部200の転写器209が、感光ドラム201上のトナー像を樹脂フィルム51に静電転写する(ステップS107)。
【0038】
次に、第1印刷部200の定着部215が、トナー像を樹脂フィルム51に定着させて、回路パターン(コンデンサの片側の電極に相当する回路パターンとコイルに相当する回路パターン)を形成する(ステップS108)。
【0039】
次に、片面に回路パターンの形成された樹脂フィルム51が、粘着フィルム供給部300に搬送される(ステップS109)。
【0040】
次に、第1印刷部200から搬送されてきた樹脂フィルム51に、貼付ロール307を介して粘着フィルム57が貼り付く(ステップS110)。
【0041】
次に、粘着フィルム57が貼り付いた樹脂フィルム51が、第2印刷部400に搬送される(ステップS111)。
【0042】
次に、第2印刷部400の帯電器403が、感光ドラム401の表面を帯電させる(ステップS112)。
【0043】
次に、第2印刷部400の露光器405が、制御部600からの回路パターン情報に基づき、帯電された感光ドラム401上に静電潜像を書き込む(ステップS113)。
【0044】
次に、第2印刷部400現像器407が、導電性トナー53を用いて感光ドラム401上の静電潜像を可視像化する(ステップS114)。
【0045】
次に、第2印刷部400の転写器409が、感光ドラム401上のトナー像を粘着フィルム57が貼り付けられた樹脂フィルム51に静電転写する(ステップS115)。
【0046】
次に、第2印刷部400の定着部415が、トナー像を粘着フィルム57が貼り付けられた樹脂フィルム51に定着させて、回路パターン(コンデンサの片側の電極に相当する回路パターンおよびコンデンサCとコイルLを接続する回路パターン)を形成する(ステップS116)。
【0047】
図4の(a)〜(b)に、樹脂フィルム51に粘着フィルム57が貼り付けられる前の回路パターンと、粘着フィルム57が貼り付けられた後の回路パターンを示し、それぞれの状態における回路図を示す。
【0048】
図4(a)に示すように、第1印刷部200により樹脂フィルム51上に、コイルに相当する回路パターンLと、コンデンサの片側の電極に相当する回路パターンC1と、回路パターンLの接続端L1と回路パターンC1とを接続する回路パターンP1が、樹脂フィルム51に形成される。
【0049】
次に、図4(b)に示すように、粘着フィルム57が、樹脂フィルム51の回路パターンC1と、回路パターンLの一部を被うように貼り付けられる。
【0050】
次に、第2印刷部400により粘着フィルム57上に、コンデンサの片側の電極に相当する回路パターンC2と回路パターンLの接続端L2と回路パターンC2とを接続する回路パターンP2が、形成される。これにより粘着フィルム57を介してコンデンサCが回路パターンC1,C2により形成される。また、コンデンサCのそれぞれの電極が、回路パターンP1,P2によりコイルLの接続端L1,L2に接続され、コイルLとコンデンサCによる共振回路が形成される。
【0051】
次に、共振回路が形成された樹脂フィルム51が巻取部500に搬送される(ステップS117)。
【0052】
次に、巻取部500の巻取ロール501に共振回路が形成された樹脂フィルム51が巻き取られる(ステップS118)。以上で、共振タグの製造が完了し、連続して共振タグの製造を続行する。
【0053】
上述したように、制御部600に記憶された回路パターン情報および回路形成情報に基づいて、電子写真法による印刷により回路パターンを基材に印刷しているので、共振周波数の変更が容易に行え少量多品種の共振タグの生産を効率よく行うことができる。
【0054】
本実施の形態では、第1印刷部200および第2印刷部400を用いて樹脂フィルム51と粘着フィルム57にコンデンサCとコイルLによる共振回路を形成したが、第2印刷部400を備えずに、第1印刷部200で片面の印刷が終了した後、制御部600から裏面側の回路パターン情報を第1印刷部200に送信し、樹脂フィルム51を反転し、第1印刷部200を用いて裏面の印刷を行っても良い。
【0055】
そして、樹脂フィルム51の両面に回路パターンを印刷した後、樹脂フィルム51に貫通ジグを用いて所定の位置に貫通穴をあけ、表面と裏面の回路パターンを接続しても良い。
【0056】
また、事前に、レーザ、マイクロパンチング、NCドリルなどで樹脂フィルム51の所定位置に貫通穴をあけておき、樹脂フィルム51の両面に回路パターンを印刷する工程で貫通穴に導電性トナー53が入り込むことで、表面と裏面の回路パターンを接続しても良い。
【0057】
このように、コンデンサCとコイルLの共振回路を電子写真法を用いて、印刷により樹脂フィルム51に形成するので、多品種少量生産の共振タグの生産に対応できる。
【符号の説明】
【0058】
1 共振タグ製造装置
51 樹脂フィルム
53 導電性トナー
55 導電性金属粒子
57 熱可塑性樹脂
59 仕切り紙
61 アルミ箔
63 銅箔
67 レジスト
100 巻出し部
200 第1印刷部
201 感光ドラム
203 帯電器
205 露光器
207 現像器
209 転写器
211 残留トナー除去部
213 除電部
215 定着部
300 粘着フィルム供給部
301 巻出ロール
303 回収ロール
305 剥がしロール
307 貼付ロール
400 第2印刷部
401 感光ドラム
403 帯電器
405 露光器
407 現像器
409 転写部
411 残留トナー除去部
413 除電部
415 定着部
500 巻取部
501 巻取ロール
503 押さえロール
600 制御部
601 記憶部
602 演算部
603 入出力部
604 インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の片面にコイルに相当する螺旋状の回路パターンと、コンデンサの一方の電極に相当する電極板を形成し、絶縁体を介して、コンデンサの他方の電極に相当する電極板を形成し、共振回路を形成する共振タグ製造装置であって、
電子写真法を用いて、基材の少なくとも一方に、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方に相当する電極板、もしくは、コンデンサの他方に相当する電極板、を印刷する印刷部を備えた共振タグ製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、
前記印刷部が、
コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方の電極に相当する電極板を電子印刷法により印刷する第1印刷部と、
前記第1印刷部で印刷された基材に、絶縁体を介して、前記コンデンサの他方の電極に相当する電極板を電子写真法により印刷する第2印刷部と、
から構成される共振タグ製造装置。
【請求項3】
基材に共振タグを形成する共振タグの製造方法であって、
電子写真法を用いて、基材の少なくとも一方に、コイルに相当する螺旋状の回路パターンとコンデンサの一方に相当する電極板、もしくは、コンデンサの他方に相当する電極板、を基材に印刷することにより共振タグを製造する共振タグの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発明において、
コイルに相当する螺旋状の回路パターンと、コンデンサの一方の電極に相当する電極板を、電子写真法により基材に印刷し、
前記基材の所定の領域に絶縁体を貼り付け、
前記基材に前記絶縁体を介して、前記コンデンサの他方の電極に相当する電極板および、前記コイルと前記コンデンサで構成される共振回路の回路パターンを電子写真法により印刷し、
前記基材に共振回路を形成する共振タグの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−4293(P2011−4293A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147126(P2009−147126)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】