内容物充填ボトルの製造方法及びその装置
【課題】底部の凹凸反転によって胴部の減圧変形を防止する内容物充填ボトルの製造において、衛生的に優れ且つ効率良く品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる方法及び装置を提供する。
【解決手段】反転突出部15が胴部外部に突出状態の空ボトル4に内容物を充填し、ボトル4の口部にキャップ5を嵌着して封止した後に、ボトル4の底部10にパック27を装着する。次いで、パック27が装着されたボトル4の底部をパック27を介して支持し、下方に突出する反転突出部15を上方に押圧してボトル4の内方に反転凹入させる。続いて、ボトル4の口部を把持してボトル4からパック27を分離させる。
【解決手段】反転突出部15が胴部外部に突出状態の空ボトル4に内容物を充填し、ボトル4の口部にキャップ5を嵌着して封止した後に、ボトル4の底部10にパック27を装着する。次いで、パック27が装着されたボトル4の底部をパック27を介して支持し、下方に突出する反転突出部15を上方に押圧してボトル4の内方に反転凹入させる。続いて、ボトル4の口部を把持してボトル4からパック27を分離させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物充填ボトルの製造方法及びその装置に関し、詳しくは、底部の一部が胴部の軸線方向に外側に突出して形成されており、この突出する部分が胴部内方に反転して凹入自在とされている合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物を充填して充填ボトルを製造する方法、及びその方法を実現する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等の液状内容物を収容する内容物充填用のボトルとして、例えばポリエチレンテレフタレート製のブロー成形ボトル(PETボトル)が知られている。
【0003】
この種のボトルにおいては、キャップにより口部を密封した後に内容物が冷却されると、内容物の体積減少等によりボトル内が減圧状態となり、この影響からボトルの胴部が変形して外観上好ましくない。
【0004】
このため、充填後の内容物の冷却による内部の減圧に伴う変形を均等に吸収する撓み自在のパネルを胴部に複数形成しておくことが行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このようなパネルを設けた場合には、ボトル形状が複雑となってボトルの材料コストが増加する。
【0005】
そこで、ボトルの底部の一部を凹凸反転自在とし、その反転部を底部の外側に突出させた状態で液状内容物を充填し、ボトル口部をキャップによって封止した後に反転部をボトルの内方に凹入させるようにしたものが知られている(特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2に記載のボトルにおいては、液状内容物の充填に先立って、ボトル底部の反転部を外側に押出して突出状態とする。次いで、底部の反転部が外側に突出した状態のボトルの内部に加熱された高温の液状内容物を充填し(ホット充填)、ボトル口部をキャップにより封止する。その後、ボトル内部の液状内容物が冷めて減圧状態となるとき、外側に突出した状態のボトル底部の反転部をボトル内部方向に押し上げ凹入する。これによって、減圧状態の内部圧力が相殺されて容器の胴部の減圧変形が生じない。このように、ボトル底部に凹凸反転自在の反転部を設け、内容物充填ボトルの製造段階で反転部を反転させるようにすれば、ボトルの胴部に前述のような変形を均等に吸収するためのパネルを設ける必要がなく、ボトルデザインの自由度が向上すると共にボトルの材料コストを低減することができる。
【特許文献1】特開平6−72423号公報
【特許文献2】特表2006−501109
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ボトル底部の凹凸反転によって胴部の減圧変形を防止するボトルにおいては、内容物の充填に先立ってボトル底部の反転部を外側に突出させておかなければならず、ボトル底部が不安定となって自立させた状態で搬送することが困難となる。
【0008】
そこで、ボトル底部に、安定した接地部を有する筒状のパックを装着してパック内に底部の反転部を収容することにより、反転部の凹凸状態にかかわらずパックを介してボトルを自立させることができ、安定した自立搬送が行える。
【0009】
しかし、例えば、ボトル内に加熱された内容物を充填(所謂ホット充填)する場合に、内容物の充填に先立ってボトルを倒立させて洗浄水によるボトルの洗浄が行われるが、洗浄時にパックが装着されているボトルを倒立させると、パックに付着した洗浄液がボトルの口部に流下して不衛生となるおそれがある。また、常温の内容物を充填(所謂アセプティック充填)する場合には、内外面が殺菌処理されたボトルが用いられて無菌状態での充填作業が行われるが、このときボトルにパックを装着しておくためには、パック自体にも殺菌処理等を施さなければならず作業工数が増加して効率が低下する。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、底部の凹凸反転によって胴部の減圧変形を防止する内容物充填ボトルの製造において、衛生的に優れ且つ効率良く品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる方法及び装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物が密封されてなる内容物充填ボトルを製造する方法と装置に関するものである。本発明においては、中空の胴部の上端部にキャップが嵌着可能な口部を備えると共に、該胴部の下端部を閉塞する底部を備え、該底部の一部には、胴部外部に向かって胴部の軸線方向に突出形成されていて胴部の軸線方向内方に反転して凹入自在の反転突出部が設けられているボトルを採用する。
【0012】
前記目的を達成するための本発明の方法は、先ず、前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされて内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填工程と、該内容物充填工程により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止工程とを行う。なお、内容物充填工程においては、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填(所謂ホット充填)してもよく、或いは、常温の内容物を空ボトルに充填(所謂アセプティック充填)してもよい。次いで、ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止工程によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着工程を行い、該パック装着工程により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、下方に突出する前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入工程を行う。そして、該底部凹入工程により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離工程を行う。
【0013】
本発明の方法によれば、封止工程の後にパック装着工程を行う。これによって、内容物充填工程を行う際のボトルにはパックが装着されていないので、ホット充填の場合に行われるボトルの洗浄が衛生的に良好に行え、アセプティック充填の場合にはパックの殺菌処理が不要となるので作業工程が増加せず、効率よく充填及び封止作業を行うことができる。
【0014】
そして更に、パック装着工程によりボトルにパックを装着した後に底部凹入工程を行うので、パックによってボトルの底部の不用意な変形等が防止され、反転突出部を確実にボトル内方に反転凹入させることができる。これによって、ボトル底部に不適切な変形が生じることがなく、品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる。
【0015】
前記目的を達成するための本発明の装置は、前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされた内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填手段と、該内容物充填手段により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止手段とを備える。なお、前記内容物充填手段は、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填(ホット充填)してもよく、或いは、常温の内容物を空ボトルに充填(アセプティック充填)してもよい。更に、ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止手段によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着手段と、該パック装着手段により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入手段と、該底部凹入手段により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離手段とを備える。
【0016】
本発明の装置においては、前記パック装着手段は、封止手段によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周にパックを装着する。これにより、内容物充填手段及び封止手段による作業時にはパックがボトルに装着されていない状態で充填及び封止作業が行われる。これにより、充填及び封止作業を衛生的に良好に且つ効率よく行うことができる。
【0017】
更に、パック装着手段によりボトルにパックが装着されるので、例えば、ボトルをコンベア上に自立させて搬送することができる。また、パック装着手段によりボトルにパックを装着した後に底部凹入手段により反転突出部をボトル内方に反転凹入させるので、ボトルの底部に装着したパックによってボトルの底部の不用意な変形等が防止され、品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の装置は飲料等の内容物が充填された内容物充填ボトルを製造するものであり、その一部に図1に示すパック装着手段1と図2に示す底部凹入手段2及びパック分離手段3とを備えることにより構成されている。更に、図示しないが、パック装着手段1の上流側には、ボトル4(図3参照)に内容物を充填する周知の構成の内容物充填手段であるフィラーと、ボトル4をキャップ5により封止する周知の構成の封止手段であるキャッパー6(図1において仮想線示する)とが設けられる。なお、周知のように、フィラーによる充填においては、加熱された高温状態の液状内容物を充填するホット充填と、殺菌後に常温となった液状内容物を充填するアセプティック充填との何れかが行われる。ホット充填においては、フィラーの上流側にボトル4の内部を洗浄するリンサーが設けられ、アセプティック充填においては、フィラーの上流側にボトル4の殺菌処理装置が設けられる。また、アセプティック充填が行われる場合には、少なくともキャッパー6を含む上流側が無菌環境に設定される。
【0019】
本実施形態において採用するボトル4は、ブロー成形されたポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製であって、図3に示すように、上方に開口する口部7と、口部7の下端部から拡径する肩部8を介して連なる中空の胴部9と、胴部9の下端部を閉塞する底部10とからなっている。
【0020】
口部7には、キャップ5(図10等参照)を螺着する螺着部11が形成され、螺着部11の下部には外周に張り出す鍔部12が形成されている。更に、鍔部12と肩部8との間には首部13が形成されている。
【0021】
底部10には、その外周側に環状の接地部14が形成され、接地部14の内方には胴部9の軸線に沿って外側(下方)に突出する反転突出部15が形成されている。反転突出部15は胴部9の内方と外方とに向かって対称形状に凹凸反転自在の傾斜部16と、傾斜部16に包囲された領域(底部10の中央部)に胴部9の内方に突出形成された内方突出部17とを備えている。傾斜部16の外周縁には第1ヒンジ部18が環状に設けられ、傾斜部16の内周縁(内方突出部17との境界)には第2ヒンジ部19が環状に設けられている。傾斜部16は第1ヒンジ部18と第2ヒンジ部19との屈曲により凹凸反転されるようになっている。一方、内方突出部17は反転するものではなく、傾斜部16の反転に伴う上下位置の移動が生じるだけで、その形状は維持される。また、胴部9には強度を確保するために複数のビード20が形成されている。更に、図示しないが、胴部9に減圧吸収パネルを形成してもよい。
【0022】
また、ボトル4は、少なくともフィラーに投入される前に反転突出部15が胴部9の外側(下方)に突出している。このようなボトル4は、ブロー成形時に金型(図示しない)内で反転突出部15が外側に突出するように成形することにより得られる。このように反転突出部15が外側に突出した状態で成形されたボトル4を用いることにより、反転突出部15が内側に凹入された状態のボトルを用いた場合のフィラー投入前に反転突出部15を外側に突出させる作業工程が不要となるため効率及びコスト的に有利である。
【0023】
次に、本実施形態の装置の要部を説明する。図1に示すように、前記パック装着手段1の上流には、内容物が充填されて口部7がキャップ5により封止されてキャッパー6から排出されたボトル4(以下、充填ボトルと言う)を投入する充填ボトル投入ターレット21とパック投入ターレット22とが設けられている。
【0024】
なお、図1においては、ホット充填の場合に好適なようにキャッパー6とパック装着手段1の充填ボトル投入ターレット21とが隣接して設置されている例を示しているが、アセプティック充填においては、無菌環境にあるキャッパー6の排出側における外気の影響が考慮されている。即ち、アセプティック充填を行う場合には、図示しないが、前述した通りキャッパー6が無菌雰囲気内にあって、キャッパー6を構成する各機器類の無菌状態が維持される。そして、キャッパー6の排出側においては、例えば、無菌雰囲気と外気とが接する位置をキャッパー6を構成する各機器類からできるだけ遠ざけることで、無菌雰囲気への外気混入を抑制する。具体的な一例を挙げれば、キャッパー6の排出側に下流に向かって複数の排出ターレットを配設することによりキャッパー6の排出路を比較的長距離とし、複数の排出ターレットを設けた排出路の終端までの間を無菌雰囲気とする。これにより、排出路の終端側で無菌雰囲気と外気とが接しても、排出路の始端側は外気によって無菌雰囲気が阻害されず、キャッパー6を構成する各機器類の無菌状態が維持される。一方、ホット充填の場合には、キャッパー6への外気混入にかかる悪影響がないため、図1に示すように、キャッパー6とパック装着手段1の充填ボトル投入ターレット21とが隣接して設けられる。
【0025】
充填ボトル投入ターレット21は、図13(a)に一部を示すように、充填ボトル4の下半部を保持する保持部23と、保持部23内の充填ボトル4の外れを防止する規制板24とを備え、キャッパー6から排出された充填ボトル4を、パック装着手段1に投入する。パック投入ターレット22は、図1に示すように、スクリューコンベア25を備えるパック投入路26の終端に接続され、パック装着手段1にパック27を投入する。また、パック装着手段1の下流側には、パック27が装着された充填ボトル4を排出する排出ターレット28及び排出コンベア29が設けられている。排出コンベア29は、パック27が装着された充填ボトル4を図2に示す底部凹入手段2へ搬送する。
【0026】
パック27は、比較的硬質の合成樹脂により筒状に形成されてボトル4の胴部9の下端部から底部10を覆うようにしてボトル4に装着自在とされ、図4及び図5に示すように、周壁30と底部支持部31とによって構成されている。パック27の周壁30には、内側に突出して胴部9の形成された最下部のビード20に係脱自在のビード係合爪32が設けられている。ビード係合爪32は周囲の切込33によってボトル4のビード20に弾発的に係合する。また、パック27の底部支持部31には、ボトル4の反転突出部15に対応する位置に開放部34が形成され、外周面には環状の係止溝35が形成されている。なお、本実施形態のパック27においては、ボトル4の形状に対応して円筒状としたが、例えば、ボトルの形状が多角柱状である場合には、それに対応してパックの形状を多角筒状とする。
【0027】
パック装着手段1は、図6に示すように、基台36に立設された支柱37と、該支柱37に回転自在に支持された駆動用ギヤ38と、該ギヤ38と一体に回転するターンテーブル39とを備えている。また、支柱37の上端部には天板40が回転自在に支持され、天板40とターンテーブル39とは上下方向に延びる複数の案内ロッド41によって一体に連結されている。ギヤ38は図示しないモータ等の回転駆動手段に連結されている。
【0028】
更に、パック装着手段1は、案内ロッド41に固定して支持された充填ボトルチャック42と、充填ボトルチャック42の下方位置で案内ロッド41に昇降自在に支持されたパック支持テーブル43とを備えている。
【0029】
充填ボトルチャック42は、図7に示すように、案内ロッド41に固定支持されたベースブロック44と、該ベースブロック44に開閉自在に支持された一対の爪部材45とを備えている。また、充填ボトルチャック42のベースブロック44の外側にはピニオンギヤ46が設けられ、ピニオンギヤ46は、図6に示すように、案内ロッド41に沿って昇降自在に設けられたラック47に歯合する。図7に示すように、ピニオンギヤ46は、回転軸48を介してベースブロック44に内蔵された図示しない開閉機構を駆動する。そして、ラック47の昇降に応じてピニオンギヤ46が回転し、これによって両爪部材45が開閉する。図6に示すように、ラック47はカムフォロア49を備え、カムフォロア49は前記支柱37の外周に設けられたカムレール50に案内されてラック47を昇降させる。充填ボトルチャック42の両爪部材45は、図8に示すように、充填ボトル4の首部13を外側から把持する。
【0030】
パック支持テーブル43は、図6及び図8に示すように、パック投入ターレット22(図1参照)から投入されたパック27を載置するパック載置部51と、案内ロッド41に昇降自在に支持された昇降ブロック52とを備えている。図6に示すように、昇降ブロック52はカムフォロア53を備え、カムフォロア53は前記支柱36の外周に設けられたカムレール54に案内されてパック載置部51を昇降させる。パック支持テーブル43は、充填ボトルチャック42に保持された充填ボトル4の底部10に向かって上昇することによってパック載置部43に載置されたパック27を充填ボトル4に装着する。
【0031】
次に、底部凹入手段2及びパック分離手段3について説明する。図2に示すように、底部凹入手段2とパック分離手段3とは隣接して設けられ、パック分離手段3は、充填ボトル移送ターレット55を介して底部凹入手段2の下流側に接続されている。底部凹入手段2の上流側には、充填ボトル投入ターレット56が設けられている。充填ボトル投入ターレット56は、スクリューコンベア57を備える充填ボトル投入路58の終端に接続され、前述したパック装着手段1から排出されたパック27装着済みの充填ボトル4を底部凹入手段2に投入する。また、パック分離手段3の下流側には、充填ボトル排出ターレット59と第1及び第2パック排出ターレット60,61とが設けられている。充填ボトル排出ターレット59には、充填ボトル排出コンベア62の始端が接続され、第2パック排出ターレット61には、パック排出コンベア63の始端が接続されている。
【0032】
底部凹入手段2は、図9に示すように、基台64に立設された支柱65と、該支柱65に回転自在に支持された駆動用ギヤ66と、該ギヤ66と一体に回転する外筒支持体67とを備えている。外筒支持体67には、充填ボトル支持テーブル68が一体に設けられている。充填ボトル支持テーブル68には、その上方に延びる複数の第1案内ロッド69と、下方に延びる複数の第2案内ロッド70とが設けられ、第1案内ロッド69の上端には天板71が一体に支持されている。ギヤ66は図示しないモータ等の回転駆動手段に連結されている。
【0033】
充填ボトル支持テーブル68は、複数の充填ボトル載置部72を備え、充填ボトル載置部72には充填ボトル4の反転突出部15に対応する開口部73が上下方向に貫通して形成されている。
【0034】
第1案内ロッド69には、肩部押さえ74が昇降自在に支持されている。肩部押さえ74はカムフォロア75を備え、カムフォロア75は前記支柱65の外周に設けられたカムレール76に案内されて肩部押さえ74を昇降させる。肩部押さえ74は、図10に示すように、充填ボトル4の肩部8に対応する形状の押さえ凹部77を備え、図11に平面視するように、キャップ5が嵌着されている口部7が挿通自在の挿通孔78を備えている。
【0035】
第2案内ロッド70には、図9に示すように、アクチベータパンチ79が昇降自在に支持されている。アクチベータパンチ79は、図10に示すように、昇降軸80の上端に連設され、昇降軸80は案内筒81に緩衝用バネ82を介して昇降自在に保持されている。アクチベータパンチ79の先端には、反転突出部15の傾斜部16及び内方突出部17に対応する形状の押し上げ当接部83が形成されている。案内筒81は第2案内ロッド70に摺動自在に保持された摺動ブロック84に連設されている。摺動ブロック84はカムフォロア85を備え、カムフォロア85は、図9に示すように、前記支柱65の周囲に間隔を存して固定された筒状壁板86のカムレール87に案内されてアクチベータパンチ79を昇降させる。なお、本実施形態においては、図10に示すように、押し上げ当接部83の形状は、反転突出部15の傾斜部16及び内方突出部17に対応するものを示したが、例えば、図示しないが、傾斜部16の一部に周状に当接する形状であってもよい。
【0036】
アクチベータパンチ79は、充填ボトル支持テーブル68の各充填ボトル載置部72の下方に配設され、支柱65周りの回転時にカムレール87の案内により充填ボトル載置部72の開口部73を貫通して上昇する。これにより、アクチベータパンチ79の先端が充填ボトル4の下方に突出している反転突出部15を押し上げ、充填ボトル4の内方に向かって凹入させる。このとき、案内筒81の内部には緩衝用バネ82が設けられていることにより、アクチベータパンチ79からの過剰な押し上げ力が反転突出部15に付与されるのが防止され、反転突出部15の損傷が確実に防止される。また、アクチベータパンチ79の先端に押し上げ当接部83を設けたことにより、反転突出部15を凹入するときに凹入形状に沿って確実に凹入することができ、不用意な底部10の変形を確実に防止して反転突出部15を円滑に凹入させることができる。なお、図9及び図10において符号88により示すものは、充填ボトル4を側方から支持するホルダである。
【0037】
パック分離手段3は、図9に示すように、基台64に立設された支柱89と、該支柱89に回転自在に支持された駆動用ギヤ90と、該ギヤ90と一体に回転する外筒支持体91とを備えている。外筒支持体91の上端外周には、鍔状の張出部92が設けられており、張出部92には、上方に延びる複数の第1案内ロッド93と、下方に延びる複数の第2案内ロッド94とが設けられている。第1案内ロッド93の上端には天板95が一体に支持されている。ギヤ90は、充填ボトル移送ターレット55の駆動ギヤ96を介して前述した底部凹入手段2のギヤ66と同期して回転されるようになっている。
【0038】
第1案内ロッド93には、充填ボトルチャック97が固定状態で支持されている。充填ボトルチャック97は、開閉する一対の爪部材98を備えている。なお、充填ボトルチャック97は、前述したパック装着手段1の充填ボトルチャック42と同様の構成であるのでその詳しい説明は省略する。
【0039】
図9に示すように、第2案内ロッド94には、パック連結部材99が昇降自在に支持されている。パック連結部材99はカムフォロア100を備え、カムフォロア100は前記支柱89の周囲に間隔を存して設けられた筒状壁板101のカムレール102に案内されてパック連結部材99を昇降させる。図12に示すように、パック連結部材99は、パック27の外周面に形成された係止溝35に係止する突起103を備え、パック27に向かって上昇して突起103を係止溝35に係止させ、この係止状態を維持して下降することで、充填ボトル4からパック27を分離する。こうして互いに分離された充填ボトル4とパック27とは、図2に示すように、夫々充填ボトル排出ターレット59と第1パック排出ターレット60とに受け渡されて排出される。
【0040】
以上のように構成された本実施形態の装置によって、次のようにして内容物充填ボトルを製造する。即ち、図示しないが、フィラーにより、反転突出部15が下方に反転突出された図3示した空ボトル4の内部に液状内容物を充填し(内容物充填工程)、キャッパー6により、内部に液状内容物が充填された充填ボトル4の口部7にキャップ5を嵌着して封止する(封止工程)。なお、空ボトル4は、フィラー及びキャッパー6においては、自立させることなくボトル4の首部13を把持して搬送しつつ作業が進められ、図3に示すように、ブロー成形時に反転突出部15が下方に反転突出された状態に形成されていても支障なく充填及び封止作業を行うことができる。
【0041】
次いで、図1及び図6に示すパック装着手段1により、パック27を充填ボトル4の底部10に装着する(パック装着工程)。続いて、図2及び図9に示す底部凹入手段2により、図10に示すように、充填ボトル4の下方に突出する反転突出部15を上方に押圧してボトル4の内方に反転凹入させる(底部凹入工程)。そして、図12に示すパック分離手段3により、反転突出部15が凹入された充填ボトル4からパック27を分離させる(パック分離工程)。
【0042】
次に、各部の詳細な作動を説明する。パック装着手段1においては、先ず、図13(a)に示すように、充填ボトル投入ターレット21に保持されて投入された充填ボトル4が、図13(b)に示すように、パック装着手段1の充填ボトルチャック42の把持により受け渡される。充填ボトルチャック42は充填ボトル4の首部13を外側から把持する。充填ボトル4の受け渡しが完了した後、図13(c)に示すように、パック27を載置したパック支持テーブル43の上昇を開始させる。更にパック支持テーブル43を上昇させると、図13(d)に示すように、充填ボトルチャック42に保持された充填ボトル4の底部10にパック27が装着される。その後、充填ボトルチャック42による保持を解除して、充填ボトル4を図1に示す排出ターレット28に受け渡して排出する。ここで排出された充填ボトル4は、図2に示す底部凹入手段2に投入される。
【0043】
底部凹入手段2においては、先ず、図14(a)に示すように、充填ボトル4を充填ボトル支持テーブル68に載置する。次いで、図14(b)に示すように、肩部押さえ74が下降して、充填ボトル支持テーブル68に載置された充填ボトル4の肩部8を上方から押さえる。これにより、充填ボトル4は上動不能に位置決めされた状態となる。そして、この位置決め状態を維持して、図14(c)に示すように、アクチベータパンチ79を上昇させ、充填ボトル4の突出状態の反転突出部15をアクチベータパンチ79の先端により押し上げて凹入させる。このとき、図10に示すように、アクチベータパンチ79の押し上げ当接部83が、凹入形状に沿って反転突出部15を凹入するので、不用意な底部10の変形を確実に防止して反転突出部15を円滑に凹入させることができる。しかも、充填ボトル4が肩部押さえ74により位置決めされ、更に、パック27により底部10の外周への変形が十分に規制されているので、アクチベータパンチ79の押し上げ当接部83が精度良く反転突出部15の傾斜部16及び内方突出部17に当接されると共に、底部10の不用意な変形もなく、反転突出部15を確実に凹入させることができる。その後、図14(d)に示すように、アクチベータパンチ79を充填ボトル支持テーブル68の下方に下降させ、肩部押さえ74を上昇させて、図2に示すように、充填ボトル4を充填ボトル移送ターレット55に受け渡す。充填ボトル移送ターレット55は、パック分離手段3に充填ボトル4を移送する。
【0044】
パック分離手段3においては、充填ボトル移送ターレット55から移送された充填ボトル4を、図15(a)に示すように、充填ボトルチャック97により保持する。このとき、充填ボトルチャック97は、充填ボトル4の首部13を外側から把持する。次いで、図15(b)に示すように、パック連結部材99を上昇させ、充填ボトル4に装着されたパック27に連結させる。そして、図15(c)に示すように、パック連結部材99を下降させ、充填ボトル4に装着されたパック27を下方に引き下げて充填ボトル4から分離させる。その後、図2に示すように、パック27を第1パック排出ターレット60に受け渡して排出し、充填ボトルチャック97による保持を解除して充填ボトル4を充填ボトル排出ターレット59に受け渡して排出する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態の装置におけるパック装着手段の概略構成を示す平面図。
【図2】本実施形態の装置における底部凹入手段及びパック分離手段の概略構成を示す平面図。
【図3】本実施形態において採用する合成樹脂製ボトルの断面説明図。
【図4】パックの斜視図。
【図5】パックの説明的縦断面図。
【図6】パック装着手段を示す説明的断面図。
【図7】充填ボトルチャックの説明的平面図。
【図8】充填ボトルの保持状態を示す説明図。
【図9】底部凹入手段及びパック分離手段を示す説明的断面図。
【図10】底部凹入手段における充填ボトルの保持状態を示す説明図。
【図11】肩部押さえの説明的平面図。
【図12】パック分離手段における充填ボトルの保持状態を示す説明図。
【図13】本実施形態の装置によるパック装着工程を模式的に示す説明図。
【図14】本実施形態の装置による底部凹入工程を模式的に示す説明図。
【図15】本実施形態の装置によるパック分離工程を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
【0046】
1…パック装着手段、2…底部凹入手段、3…パック分離手段、4…ボトル、5…キャップ、6…キャッパー(封止手段)、7…口部、9…胴部、10…底部、15…反転突出部、27…パック。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物充填ボトルの製造方法及びその装置に関し、詳しくは、底部の一部が胴部の軸線方向に外側に突出して形成されており、この突出する部分が胴部内方に反転して凹入自在とされている合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物を充填して充填ボトルを製造する方法、及びその方法を実現する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等の液状内容物を収容する内容物充填用のボトルとして、例えばポリエチレンテレフタレート製のブロー成形ボトル(PETボトル)が知られている。
【0003】
この種のボトルにおいては、キャップにより口部を密封した後に内容物が冷却されると、内容物の体積減少等によりボトル内が減圧状態となり、この影響からボトルの胴部が変形して外観上好ましくない。
【0004】
このため、充填後の内容物の冷却による内部の減圧に伴う変形を均等に吸収する撓み自在のパネルを胴部に複数形成しておくことが行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このようなパネルを設けた場合には、ボトル形状が複雑となってボトルの材料コストが増加する。
【0005】
そこで、ボトルの底部の一部を凹凸反転自在とし、その反転部を底部の外側に突出させた状態で液状内容物を充填し、ボトル口部をキャップによって封止した後に反転部をボトルの内方に凹入させるようにしたものが知られている(特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2に記載のボトルにおいては、液状内容物の充填に先立って、ボトル底部の反転部を外側に押出して突出状態とする。次いで、底部の反転部が外側に突出した状態のボトルの内部に加熱された高温の液状内容物を充填し(ホット充填)、ボトル口部をキャップにより封止する。その後、ボトル内部の液状内容物が冷めて減圧状態となるとき、外側に突出した状態のボトル底部の反転部をボトル内部方向に押し上げ凹入する。これによって、減圧状態の内部圧力が相殺されて容器の胴部の減圧変形が生じない。このように、ボトル底部に凹凸反転自在の反転部を設け、内容物充填ボトルの製造段階で反転部を反転させるようにすれば、ボトルの胴部に前述のような変形を均等に吸収するためのパネルを設ける必要がなく、ボトルデザインの自由度が向上すると共にボトルの材料コストを低減することができる。
【特許文献1】特開平6−72423号公報
【特許文献2】特表2006−501109
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ボトル底部の凹凸反転によって胴部の減圧変形を防止するボトルにおいては、内容物の充填に先立ってボトル底部の反転部を外側に突出させておかなければならず、ボトル底部が不安定となって自立させた状態で搬送することが困難となる。
【0008】
そこで、ボトル底部に、安定した接地部を有する筒状のパックを装着してパック内に底部の反転部を収容することにより、反転部の凹凸状態にかかわらずパックを介してボトルを自立させることができ、安定した自立搬送が行える。
【0009】
しかし、例えば、ボトル内に加熱された内容物を充填(所謂ホット充填)する場合に、内容物の充填に先立ってボトルを倒立させて洗浄水によるボトルの洗浄が行われるが、洗浄時にパックが装着されているボトルを倒立させると、パックに付着した洗浄液がボトルの口部に流下して不衛生となるおそれがある。また、常温の内容物を充填(所謂アセプティック充填)する場合には、内外面が殺菌処理されたボトルが用いられて無菌状態での充填作業が行われるが、このときボトルにパックを装着しておくためには、パック自体にも殺菌処理等を施さなければならず作業工数が増加して効率が低下する。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、底部の凹凸反転によって胴部の減圧変形を防止する内容物充填ボトルの製造において、衛生的に優れ且つ効率良く品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる方法及び装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物が密封されてなる内容物充填ボトルを製造する方法と装置に関するものである。本発明においては、中空の胴部の上端部にキャップが嵌着可能な口部を備えると共に、該胴部の下端部を閉塞する底部を備え、該底部の一部には、胴部外部に向かって胴部の軸線方向に突出形成されていて胴部の軸線方向内方に反転して凹入自在の反転突出部が設けられているボトルを採用する。
【0012】
前記目的を達成するための本発明の方法は、先ず、前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされて内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填工程と、該内容物充填工程により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止工程とを行う。なお、内容物充填工程においては、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填(所謂ホット充填)してもよく、或いは、常温の内容物を空ボトルに充填(所謂アセプティック充填)してもよい。次いで、ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止工程によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着工程を行い、該パック装着工程により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、下方に突出する前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入工程を行う。そして、該底部凹入工程により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離工程を行う。
【0013】
本発明の方法によれば、封止工程の後にパック装着工程を行う。これによって、内容物充填工程を行う際のボトルにはパックが装着されていないので、ホット充填の場合に行われるボトルの洗浄が衛生的に良好に行え、アセプティック充填の場合にはパックの殺菌処理が不要となるので作業工程が増加せず、効率よく充填及び封止作業を行うことができる。
【0014】
そして更に、パック装着工程によりボトルにパックを装着した後に底部凹入工程を行うので、パックによってボトルの底部の不用意な変形等が防止され、反転突出部を確実にボトル内方に反転凹入させることができる。これによって、ボトル底部に不適切な変形が生じることがなく、品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる。
【0015】
前記目的を達成するための本発明の装置は、前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされた内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填手段と、該内容物充填手段により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止手段とを備える。なお、前記内容物充填手段は、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填(ホット充填)してもよく、或いは、常温の内容物を空ボトルに充填(アセプティック充填)してもよい。更に、ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止手段によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着手段と、該パック装着手段により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入手段と、該底部凹入手段により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離手段とを備える。
【0016】
本発明の装置においては、前記パック装着手段は、封止手段によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周にパックを装着する。これにより、内容物充填手段及び封止手段による作業時にはパックがボトルに装着されていない状態で充填及び封止作業が行われる。これにより、充填及び封止作業を衛生的に良好に且つ効率よく行うことができる。
【0017】
更に、パック装着手段によりボトルにパックが装着されるので、例えば、ボトルをコンベア上に自立させて搬送することができる。また、パック装着手段によりボトルにパックを装着した後に底部凹入手段により反転突出部をボトル内方に反転凹入させるので、ボトルの底部に装着したパックによってボトルの底部の不用意な変形等が防止され、品質の高い内容物充填ボトルを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の装置は飲料等の内容物が充填された内容物充填ボトルを製造するものであり、その一部に図1に示すパック装着手段1と図2に示す底部凹入手段2及びパック分離手段3とを備えることにより構成されている。更に、図示しないが、パック装着手段1の上流側には、ボトル4(図3参照)に内容物を充填する周知の構成の内容物充填手段であるフィラーと、ボトル4をキャップ5により封止する周知の構成の封止手段であるキャッパー6(図1において仮想線示する)とが設けられる。なお、周知のように、フィラーによる充填においては、加熱された高温状態の液状内容物を充填するホット充填と、殺菌後に常温となった液状内容物を充填するアセプティック充填との何れかが行われる。ホット充填においては、フィラーの上流側にボトル4の内部を洗浄するリンサーが設けられ、アセプティック充填においては、フィラーの上流側にボトル4の殺菌処理装置が設けられる。また、アセプティック充填が行われる場合には、少なくともキャッパー6を含む上流側が無菌環境に設定される。
【0019】
本実施形態において採用するボトル4は、ブロー成形されたポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製であって、図3に示すように、上方に開口する口部7と、口部7の下端部から拡径する肩部8を介して連なる中空の胴部9と、胴部9の下端部を閉塞する底部10とからなっている。
【0020】
口部7には、キャップ5(図10等参照)を螺着する螺着部11が形成され、螺着部11の下部には外周に張り出す鍔部12が形成されている。更に、鍔部12と肩部8との間には首部13が形成されている。
【0021】
底部10には、その外周側に環状の接地部14が形成され、接地部14の内方には胴部9の軸線に沿って外側(下方)に突出する反転突出部15が形成されている。反転突出部15は胴部9の内方と外方とに向かって対称形状に凹凸反転自在の傾斜部16と、傾斜部16に包囲された領域(底部10の中央部)に胴部9の内方に突出形成された内方突出部17とを備えている。傾斜部16の外周縁には第1ヒンジ部18が環状に設けられ、傾斜部16の内周縁(内方突出部17との境界)には第2ヒンジ部19が環状に設けられている。傾斜部16は第1ヒンジ部18と第2ヒンジ部19との屈曲により凹凸反転されるようになっている。一方、内方突出部17は反転するものではなく、傾斜部16の反転に伴う上下位置の移動が生じるだけで、その形状は維持される。また、胴部9には強度を確保するために複数のビード20が形成されている。更に、図示しないが、胴部9に減圧吸収パネルを形成してもよい。
【0022】
また、ボトル4は、少なくともフィラーに投入される前に反転突出部15が胴部9の外側(下方)に突出している。このようなボトル4は、ブロー成形時に金型(図示しない)内で反転突出部15が外側に突出するように成形することにより得られる。このように反転突出部15が外側に突出した状態で成形されたボトル4を用いることにより、反転突出部15が内側に凹入された状態のボトルを用いた場合のフィラー投入前に反転突出部15を外側に突出させる作業工程が不要となるため効率及びコスト的に有利である。
【0023】
次に、本実施形態の装置の要部を説明する。図1に示すように、前記パック装着手段1の上流には、内容物が充填されて口部7がキャップ5により封止されてキャッパー6から排出されたボトル4(以下、充填ボトルと言う)を投入する充填ボトル投入ターレット21とパック投入ターレット22とが設けられている。
【0024】
なお、図1においては、ホット充填の場合に好適なようにキャッパー6とパック装着手段1の充填ボトル投入ターレット21とが隣接して設置されている例を示しているが、アセプティック充填においては、無菌環境にあるキャッパー6の排出側における外気の影響が考慮されている。即ち、アセプティック充填を行う場合には、図示しないが、前述した通りキャッパー6が無菌雰囲気内にあって、キャッパー6を構成する各機器類の無菌状態が維持される。そして、キャッパー6の排出側においては、例えば、無菌雰囲気と外気とが接する位置をキャッパー6を構成する各機器類からできるだけ遠ざけることで、無菌雰囲気への外気混入を抑制する。具体的な一例を挙げれば、キャッパー6の排出側に下流に向かって複数の排出ターレットを配設することによりキャッパー6の排出路を比較的長距離とし、複数の排出ターレットを設けた排出路の終端までの間を無菌雰囲気とする。これにより、排出路の終端側で無菌雰囲気と外気とが接しても、排出路の始端側は外気によって無菌雰囲気が阻害されず、キャッパー6を構成する各機器類の無菌状態が維持される。一方、ホット充填の場合には、キャッパー6への外気混入にかかる悪影響がないため、図1に示すように、キャッパー6とパック装着手段1の充填ボトル投入ターレット21とが隣接して設けられる。
【0025】
充填ボトル投入ターレット21は、図13(a)に一部を示すように、充填ボトル4の下半部を保持する保持部23と、保持部23内の充填ボトル4の外れを防止する規制板24とを備え、キャッパー6から排出された充填ボトル4を、パック装着手段1に投入する。パック投入ターレット22は、図1に示すように、スクリューコンベア25を備えるパック投入路26の終端に接続され、パック装着手段1にパック27を投入する。また、パック装着手段1の下流側には、パック27が装着された充填ボトル4を排出する排出ターレット28及び排出コンベア29が設けられている。排出コンベア29は、パック27が装着された充填ボトル4を図2に示す底部凹入手段2へ搬送する。
【0026】
パック27は、比較的硬質の合成樹脂により筒状に形成されてボトル4の胴部9の下端部から底部10を覆うようにしてボトル4に装着自在とされ、図4及び図5に示すように、周壁30と底部支持部31とによって構成されている。パック27の周壁30には、内側に突出して胴部9の形成された最下部のビード20に係脱自在のビード係合爪32が設けられている。ビード係合爪32は周囲の切込33によってボトル4のビード20に弾発的に係合する。また、パック27の底部支持部31には、ボトル4の反転突出部15に対応する位置に開放部34が形成され、外周面には環状の係止溝35が形成されている。なお、本実施形態のパック27においては、ボトル4の形状に対応して円筒状としたが、例えば、ボトルの形状が多角柱状である場合には、それに対応してパックの形状を多角筒状とする。
【0027】
パック装着手段1は、図6に示すように、基台36に立設された支柱37と、該支柱37に回転自在に支持された駆動用ギヤ38と、該ギヤ38と一体に回転するターンテーブル39とを備えている。また、支柱37の上端部には天板40が回転自在に支持され、天板40とターンテーブル39とは上下方向に延びる複数の案内ロッド41によって一体に連結されている。ギヤ38は図示しないモータ等の回転駆動手段に連結されている。
【0028】
更に、パック装着手段1は、案内ロッド41に固定して支持された充填ボトルチャック42と、充填ボトルチャック42の下方位置で案内ロッド41に昇降自在に支持されたパック支持テーブル43とを備えている。
【0029】
充填ボトルチャック42は、図7に示すように、案内ロッド41に固定支持されたベースブロック44と、該ベースブロック44に開閉自在に支持された一対の爪部材45とを備えている。また、充填ボトルチャック42のベースブロック44の外側にはピニオンギヤ46が設けられ、ピニオンギヤ46は、図6に示すように、案内ロッド41に沿って昇降自在に設けられたラック47に歯合する。図7に示すように、ピニオンギヤ46は、回転軸48を介してベースブロック44に内蔵された図示しない開閉機構を駆動する。そして、ラック47の昇降に応じてピニオンギヤ46が回転し、これによって両爪部材45が開閉する。図6に示すように、ラック47はカムフォロア49を備え、カムフォロア49は前記支柱37の外周に設けられたカムレール50に案内されてラック47を昇降させる。充填ボトルチャック42の両爪部材45は、図8に示すように、充填ボトル4の首部13を外側から把持する。
【0030】
パック支持テーブル43は、図6及び図8に示すように、パック投入ターレット22(図1参照)から投入されたパック27を載置するパック載置部51と、案内ロッド41に昇降自在に支持された昇降ブロック52とを備えている。図6に示すように、昇降ブロック52はカムフォロア53を備え、カムフォロア53は前記支柱36の外周に設けられたカムレール54に案内されてパック載置部51を昇降させる。パック支持テーブル43は、充填ボトルチャック42に保持された充填ボトル4の底部10に向かって上昇することによってパック載置部43に載置されたパック27を充填ボトル4に装着する。
【0031】
次に、底部凹入手段2及びパック分離手段3について説明する。図2に示すように、底部凹入手段2とパック分離手段3とは隣接して設けられ、パック分離手段3は、充填ボトル移送ターレット55を介して底部凹入手段2の下流側に接続されている。底部凹入手段2の上流側には、充填ボトル投入ターレット56が設けられている。充填ボトル投入ターレット56は、スクリューコンベア57を備える充填ボトル投入路58の終端に接続され、前述したパック装着手段1から排出されたパック27装着済みの充填ボトル4を底部凹入手段2に投入する。また、パック分離手段3の下流側には、充填ボトル排出ターレット59と第1及び第2パック排出ターレット60,61とが設けられている。充填ボトル排出ターレット59には、充填ボトル排出コンベア62の始端が接続され、第2パック排出ターレット61には、パック排出コンベア63の始端が接続されている。
【0032】
底部凹入手段2は、図9に示すように、基台64に立設された支柱65と、該支柱65に回転自在に支持された駆動用ギヤ66と、該ギヤ66と一体に回転する外筒支持体67とを備えている。外筒支持体67には、充填ボトル支持テーブル68が一体に設けられている。充填ボトル支持テーブル68には、その上方に延びる複数の第1案内ロッド69と、下方に延びる複数の第2案内ロッド70とが設けられ、第1案内ロッド69の上端には天板71が一体に支持されている。ギヤ66は図示しないモータ等の回転駆動手段に連結されている。
【0033】
充填ボトル支持テーブル68は、複数の充填ボトル載置部72を備え、充填ボトル載置部72には充填ボトル4の反転突出部15に対応する開口部73が上下方向に貫通して形成されている。
【0034】
第1案内ロッド69には、肩部押さえ74が昇降自在に支持されている。肩部押さえ74はカムフォロア75を備え、カムフォロア75は前記支柱65の外周に設けられたカムレール76に案内されて肩部押さえ74を昇降させる。肩部押さえ74は、図10に示すように、充填ボトル4の肩部8に対応する形状の押さえ凹部77を備え、図11に平面視するように、キャップ5が嵌着されている口部7が挿通自在の挿通孔78を備えている。
【0035】
第2案内ロッド70には、図9に示すように、アクチベータパンチ79が昇降自在に支持されている。アクチベータパンチ79は、図10に示すように、昇降軸80の上端に連設され、昇降軸80は案内筒81に緩衝用バネ82を介して昇降自在に保持されている。アクチベータパンチ79の先端には、反転突出部15の傾斜部16及び内方突出部17に対応する形状の押し上げ当接部83が形成されている。案内筒81は第2案内ロッド70に摺動自在に保持された摺動ブロック84に連設されている。摺動ブロック84はカムフォロア85を備え、カムフォロア85は、図9に示すように、前記支柱65の周囲に間隔を存して固定された筒状壁板86のカムレール87に案内されてアクチベータパンチ79を昇降させる。なお、本実施形態においては、図10に示すように、押し上げ当接部83の形状は、反転突出部15の傾斜部16及び内方突出部17に対応するものを示したが、例えば、図示しないが、傾斜部16の一部に周状に当接する形状であってもよい。
【0036】
アクチベータパンチ79は、充填ボトル支持テーブル68の各充填ボトル載置部72の下方に配設され、支柱65周りの回転時にカムレール87の案内により充填ボトル載置部72の開口部73を貫通して上昇する。これにより、アクチベータパンチ79の先端が充填ボトル4の下方に突出している反転突出部15を押し上げ、充填ボトル4の内方に向かって凹入させる。このとき、案内筒81の内部には緩衝用バネ82が設けられていることにより、アクチベータパンチ79からの過剰な押し上げ力が反転突出部15に付与されるのが防止され、反転突出部15の損傷が確実に防止される。また、アクチベータパンチ79の先端に押し上げ当接部83を設けたことにより、反転突出部15を凹入するときに凹入形状に沿って確実に凹入することができ、不用意な底部10の変形を確実に防止して反転突出部15を円滑に凹入させることができる。なお、図9及び図10において符号88により示すものは、充填ボトル4を側方から支持するホルダである。
【0037】
パック分離手段3は、図9に示すように、基台64に立設された支柱89と、該支柱89に回転自在に支持された駆動用ギヤ90と、該ギヤ90と一体に回転する外筒支持体91とを備えている。外筒支持体91の上端外周には、鍔状の張出部92が設けられており、張出部92には、上方に延びる複数の第1案内ロッド93と、下方に延びる複数の第2案内ロッド94とが設けられている。第1案内ロッド93の上端には天板95が一体に支持されている。ギヤ90は、充填ボトル移送ターレット55の駆動ギヤ96を介して前述した底部凹入手段2のギヤ66と同期して回転されるようになっている。
【0038】
第1案内ロッド93には、充填ボトルチャック97が固定状態で支持されている。充填ボトルチャック97は、開閉する一対の爪部材98を備えている。なお、充填ボトルチャック97は、前述したパック装着手段1の充填ボトルチャック42と同様の構成であるのでその詳しい説明は省略する。
【0039】
図9に示すように、第2案内ロッド94には、パック連結部材99が昇降自在に支持されている。パック連結部材99はカムフォロア100を備え、カムフォロア100は前記支柱89の周囲に間隔を存して設けられた筒状壁板101のカムレール102に案内されてパック連結部材99を昇降させる。図12に示すように、パック連結部材99は、パック27の外周面に形成された係止溝35に係止する突起103を備え、パック27に向かって上昇して突起103を係止溝35に係止させ、この係止状態を維持して下降することで、充填ボトル4からパック27を分離する。こうして互いに分離された充填ボトル4とパック27とは、図2に示すように、夫々充填ボトル排出ターレット59と第1パック排出ターレット60とに受け渡されて排出される。
【0040】
以上のように構成された本実施形態の装置によって、次のようにして内容物充填ボトルを製造する。即ち、図示しないが、フィラーにより、反転突出部15が下方に反転突出された図3示した空ボトル4の内部に液状内容物を充填し(内容物充填工程)、キャッパー6により、内部に液状内容物が充填された充填ボトル4の口部7にキャップ5を嵌着して封止する(封止工程)。なお、空ボトル4は、フィラー及びキャッパー6においては、自立させることなくボトル4の首部13を把持して搬送しつつ作業が進められ、図3に示すように、ブロー成形時に反転突出部15が下方に反転突出された状態に形成されていても支障なく充填及び封止作業を行うことができる。
【0041】
次いで、図1及び図6に示すパック装着手段1により、パック27を充填ボトル4の底部10に装着する(パック装着工程)。続いて、図2及び図9に示す底部凹入手段2により、図10に示すように、充填ボトル4の下方に突出する反転突出部15を上方に押圧してボトル4の内方に反転凹入させる(底部凹入工程)。そして、図12に示すパック分離手段3により、反転突出部15が凹入された充填ボトル4からパック27を分離させる(パック分離工程)。
【0042】
次に、各部の詳細な作動を説明する。パック装着手段1においては、先ず、図13(a)に示すように、充填ボトル投入ターレット21に保持されて投入された充填ボトル4が、図13(b)に示すように、パック装着手段1の充填ボトルチャック42の把持により受け渡される。充填ボトルチャック42は充填ボトル4の首部13を外側から把持する。充填ボトル4の受け渡しが完了した後、図13(c)に示すように、パック27を載置したパック支持テーブル43の上昇を開始させる。更にパック支持テーブル43を上昇させると、図13(d)に示すように、充填ボトルチャック42に保持された充填ボトル4の底部10にパック27が装着される。その後、充填ボトルチャック42による保持を解除して、充填ボトル4を図1に示す排出ターレット28に受け渡して排出する。ここで排出された充填ボトル4は、図2に示す底部凹入手段2に投入される。
【0043】
底部凹入手段2においては、先ず、図14(a)に示すように、充填ボトル4を充填ボトル支持テーブル68に載置する。次いで、図14(b)に示すように、肩部押さえ74が下降して、充填ボトル支持テーブル68に載置された充填ボトル4の肩部8を上方から押さえる。これにより、充填ボトル4は上動不能に位置決めされた状態となる。そして、この位置決め状態を維持して、図14(c)に示すように、アクチベータパンチ79を上昇させ、充填ボトル4の突出状態の反転突出部15をアクチベータパンチ79の先端により押し上げて凹入させる。このとき、図10に示すように、アクチベータパンチ79の押し上げ当接部83が、凹入形状に沿って反転突出部15を凹入するので、不用意な底部10の変形を確実に防止して反転突出部15を円滑に凹入させることができる。しかも、充填ボトル4が肩部押さえ74により位置決めされ、更に、パック27により底部10の外周への変形が十分に規制されているので、アクチベータパンチ79の押し上げ当接部83が精度良く反転突出部15の傾斜部16及び内方突出部17に当接されると共に、底部10の不用意な変形もなく、反転突出部15を確実に凹入させることができる。その後、図14(d)に示すように、アクチベータパンチ79を充填ボトル支持テーブル68の下方に下降させ、肩部押さえ74を上昇させて、図2に示すように、充填ボトル4を充填ボトル移送ターレット55に受け渡す。充填ボトル移送ターレット55は、パック分離手段3に充填ボトル4を移送する。
【0044】
パック分離手段3においては、充填ボトル移送ターレット55から移送された充填ボトル4を、図15(a)に示すように、充填ボトルチャック97により保持する。このとき、充填ボトルチャック97は、充填ボトル4の首部13を外側から把持する。次いで、図15(b)に示すように、パック連結部材99を上昇させ、充填ボトル4に装着されたパック27に連結させる。そして、図15(c)に示すように、パック連結部材99を下降させ、充填ボトル4に装着されたパック27を下方に引き下げて充填ボトル4から分離させる。その後、図2に示すように、パック27を第1パック排出ターレット60に受け渡して排出し、充填ボトルチャック97による保持を解除して充填ボトル4を充填ボトル排出ターレット59に受け渡して排出する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態の装置におけるパック装着手段の概略構成を示す平面図。
【図2】本実施形態の装置における底部凹入手段及びパック分離手段の概略構成を示す平面図。
【図3】本実施形態において採用する合成樹脂製ボトルの断面説明図。
【図4】パックの斜視図。
【図5】パックの説明的縦断面図。
【図6】パック装着手段を示す説明的断面図。
【図7】充填ボトルチャックの説明的平面図。
【図8】充填ボトルの保持状態を示す説明図。
【図9】底部凹入手段及びパック分離手段を示す説明的断面図。
【図10】底部凹入手段における充填ボトルの保持状態を示す説明図。
【図11】肩部押さえの説明的平面図。
【図12】パック分離手段における充填ボトルの保持状態を示す説明図。
【図13】本実施形態の装置によるパック装着工程を模式的に示す説明図。
【図14】本実施形態の装置による底部凹入工程を模式的に示す説明図。
【図15】本実施形態の装置によるパック分離工程を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
【0046】
1…パック装着手段、2…底部凹入手段、3…パック分離手段、4…ボトル、5…キャップ、6…キャッパー(封止手段)、7…口部、9…胴部、10…底部、15…反転突出部、27…パック。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物が密封されてなる内容物充填ボトルの製造方法において、
前記ボトルは、中空の胴部の上端部にキャップが嵌着可能な口部を備えると共に、該胴部の下端部を閉塞する底部を備え、該底部の一部には、胴部外部に向かって胴部の軸線方向に突出形成されていて胴部の軸線方向内方に反転して凹入自在の反転突出部が設けられており、
前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされて内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填工程と、該内容物充填工程により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止工程とを備え、
更に、ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止工程によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着工程と、
該パック装着工程により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、下方に突出する前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入工程と、
該底部凹入工程により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離工程とを備えることを特徴とする内容物充填ボトルの製造方法。
【請求項2】
前記内容物充填工程は、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項1記載の内容物充填ボトルの製造方法。
【請求項3】
前記内容物充填工程は、常温の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項1記載の内容物充填ボトルの製造方法。
【請求項4】
合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物が密封されてなる内容物充填ボトルの製造装置において、
前記ボトルは、中空の胴部の上端部にキャップが嵌着可能な口部を備えると共に、該胴部の下端部を閉塞する底部を備え、該底部の一部には、胴部外部に向かって胴部の軸線方向に突出形成されていて胴部の軸線方向内方に反転して凹入自在の反転突出部が設けられており、
前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされた内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填手段と、
該内容物充填手段により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止手段と、
ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止手段によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着手段と、
該パック装着手段により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入手段と、
該底部凹入手段により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離手段とを備えることを特徴とする内容物充填ボトルの製造装置。
【請求項5】
前記内容物充填手段は、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項4記載の内容物充填ボトルの製造装置。
【請求項6】
前記内容物充填手段は、常温の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項4記載の内容物充填ボトルの製造装置。
【請求項1】
合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物が密封されてなる内容物充填ボトルの製造方法において、
前記ボトルは、中空の胴部の上端部にキャップが嵌着可能な口部を備えると共に、該胴部の下端部を閉塞する底部を備え、該底部の一部には、胴部外部に向かって胴部の軸線方向に突出形成されていて胴部の軸線方向内方に反転して凹入自在の反転突出部が設けられており、
前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされて内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填工程と、該内容物充填工程により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止工程とを備え、
更に、ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止工程によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着工程と、
該パック装着工程により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、下方に突出する前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入工程と、
該底部凹入工程により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離工程とを備えることを特徴とする内容物充填ボトルの製造方法。
【請求項2】
前記内容物充填工程は、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項1記載の内容物充填ボトルの製造方法。
【請求項3】
前記内容物充填工程は、常温の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項1記載の内容物充填ボトルの製造方法。
【請求項4】
合成樹脂製ボトルの内部に液状内容物が密封されてなる内容物充填ボトルの製造装置において、
前記ボトルは、中空の胴部の上端部にキャップが嵌着可能な口部を備えると共に、該胴部の下端部を閉塞する底部を備え、該底部の一部には、胴部外部に向かって胴部の軸線方向に突出形成されていて胴部の軸線方向内方に反転して凹入自在の反転突出部が設けられており、
前記反転突出部が胴部外部に突出状態とされた内容物が未充填の空ボトルの内部に液状内容物を充填する内容物充填手段と、
該内容物充填手段により内部に液状内容物が充填された充填ボトルの口部にキャップを嵌着して封止する封止手段と、
ボトルの底部に着脱自在となる形状に形成されて前記反転突出部に対応する底部下方が開放された筒状のパックを、前記封止手段によりキャップが嵌着された充填ボトルの底部外周に装着するパック装着手段と、
該パック装着手段により底部にパックが装着された充填ボトルの底部をパックを介して支持し、前記反転突出部を上方に押圧してボトル内方に反転凹入させる底部凹入手段と、
該底部凹入手段により反転突出部が胴部内方に凹入された充填ボトルから前記パックを分離させるパック分離手段とを備えることを特徴とする内容物充填ボトルの製造装置。
【請求項5】
前記内容物充填手段は、所定温度に加熱された状態の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項4記載の内容物充填ボトルの製造装置。
【請求項6】
前記内容物充填手段は、常温の内容物を空ボトルに充填することを特徴とする請求項4記載の内容物充填ボトルの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−13186(P2008−13186A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183198(P2006−183198)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(505440295)北海製罐株式会社 (58)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(505440295)北海製罐株式会社 (58)
【Fターム(参考)】
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