説明

内歯ギア製造用マンドレルおよびそのマンドレルを使用した内歯ギア製造方法と製造装置

【課題】高精度な内歯ギアを鍛造により低コストで製造できるようにする。
【解決手段】テーパ状の縮径部9が形成されたダイス6をプレス装置5に配設し、該プレス装置に環状パンチ14を設け、歯型2が形成されたマンドレル1が環状パンチに保持され、縮径部9上に環状の歯車素材Wをセットして環状パンチおよびマンドレルを進出させることにより、マンドレルを歯車素材内に挿入するとともに環状パンチにより該歯車素材を軸方向に押圧し塑性変形させることにより該歯車素材を該マンドレルを抱き込んで歯型内に侵入させ、それに従いマンドレルが押圧部から離脱し、該マンドレルを円筒形空孔7内に残したまま環状パンチを後退させて該環状パンチに新たなマンドレルを保持させ、先にセットされた歯車素材上に新たな歯車素材W′をセットしてから該環状パンチおよび該マンドレル1′を再進出させることにより、先にセットされた歯車素材をさらに塑性変形させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍛造により内歯ギアを製造するためのマンドレル、およびそのマンドレルを使用した内歯ギア製造方法と製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に、冷間鍛造によって押出し成形を行う内歯ギアの製造方法が示されている。しかし従来の押出し成形による製造方法では、特にヘリカルギヤ(歯スジがねじれた歯車)を製造しようとすると、押出し時に素材に強いねじりが生じるために、十分な成形精度が得られないという問題がある。それでも、ねじれ角が20度以下であれば、押出し初期の導入部(ネジレはじめ)の形状を工夫することで素材のねじれが抑えられ、ある程度の成形精度を保つことができたが、高ねじれ角のヘリカルギヤを製造するには押出し製法では精度が保てず、鍛造による成形は不可能とされてきた。なお、下記特許文献2に示されたような肉寄せ製法を用いた成形方案も提示されているが、この肉寄せ製法は成形初期部分のギア歯精度が悪いといった問題がある。
一方、特許文献3に示された内歯ギアの製造方法は、プレス装置に設けられる鍛造型の概略を図13〜図15に示すように、内周面に一定の傾斜角度を有するテーパ状の縮径部aが形成された円筒形空孔gを有するダイスbを設け、外周面に歯型hが形成された円柱形のマンドレルdを該ダイスbと相対するように該プレス装置の押圧部iに設け、該マンドレルdの外周に環状のパンチcを該マンドレルdとは独立して可動し得るように設け、ダイスbの縮径部a上に環状の歯車素材eを配置した後、図14、図15に示したように、マンドレルdおよびパンチcを圧下することにより該素材eを該縮径部aに沿って内向きに塑性変形させ、該素材eをマンドレルdの外周面歯形内に侵入させることにより、内歯ギアを製造するものである。このように、歯車素材eを縮径部aに沿って内向きに塑性変形させてマンドレルdの外周面歯形内に侵入させ内歯ギアを製造する方法によれば、高ねじれ角のヘリカルギヤでも高精度を保つことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−342779号公報
【特許文献2】特開平11−147158号公報
【特許文献3】特開2010−64100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図13〜図15に示した製造方法では、成形時に歯車素材eに押し残し部fが残存してしまい、この押し残し部fは成形後の機械加工で切除せざるを得ない部分になるために、歩留りが悪く、製造コストが高くなるという問題がある。また、この製造方法では、成形後の歯車素材に例えば旋盤により組付部分等を機械加工する際に、成形で出来た歯形と機械加工部との芯合わせが難しく、旋盤のチャックで把持する部分が悪いと、製品の精度を悪化させるおそれがある。さらには、この製造方法を採るためには、機構的に複雑な多軸複動プレス装置が必要となるので、設備が高価なものになるといった問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、高精度な内歯ギアを鍛造により低コストで製造できるようにするための、内歯ギア製造用マンドレルおよびそのマンドレルを使用した内歯ギア製造方法と製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために請求項1に記載した内歯ギア製造用マンドレルの発明は、外周面に歯型が形成された円盤形のマンドレルであって、環状パンチの内側に同軸上に配置され、かつ成形時に歯車素材から受ける引張力によってプレス装置の押圧部から離脱可能に保持する保持手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載した内歯ギアの製造方法の発明は、貫通状の円筒形空孔の内周面にテーパ状の縮径部が形成されたダイスをプレス装置に配設し、該ダイスと相対する該プレス装置の押圧部に環状パンチを設け、外周面に歯型が形成された円盤形のマンドレルが該環状パンチの内側に同軸上でかつ該プレス装置の押圧部から離脱可能に保持され、前記縮径部上に環状の歯車素材をセットして前記環状パンチおよび前記マンドレルを該円筒形空孔内に進出させることにより、該マンドレルを該歯車素材内に挿入するとともに該環状パンチにより該歯車素材を軸方向に押圧し該歯車素材を前記縮径部に沿って内向きに塑性変形させることにより該歯車素材が該マンドレルを抱き込んで外周面の歯型内に侵入し、該歯車素材がマンドレルを抱き込んで塑性変形するのに従い該マンドレルは該プレス装置の押圧部から離脱し、次いで該マンドレルを円筒形空孔内に残したまま該環状パンチを後退させて該プレス装置の押圧部に新たな同形状のマンドレルを保持させるとともに、先にセットされた歯車素材上に新たな同形状の歯車素材をセットしてから該環状パンチおよび新たなマンドレルを円筒形空孔内に進出させることにより、新たにセットされた歯車素材は新たなマンドレルを抱き込んで塑性変形し、先にセットされた歯車素材は新たにセットされた歯車素材によってさらに押圧されることによりさらに塑性変形してマンドレルを抱き込んだ状態で該円筒形空孔を貫通し排出されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した内歯ギアの製造方法において、マンドレルを抱き込んだ状態で排出された歯車素材からマンドレルを分離することなく該マンドレルを把持して該歯車素材を機械加工することを特徴とする。これによって成形後の機械加工精度が向上する。
【0006】
また、請求項4に記載した内歯ギアの製造装置の発明は、プレス装置と、貫通状の円筒形空孔の内周面にテーパ状の縮径部が形成されたダイスと、該ダイスと相対する該プレス装置の押圧部に設けられた環状パンチと、外周面に歯型が形成された円盤形の複数のマンドレルとを具備し、該マンドレルは前記環状パンチの内側に同軸上でかつ該プレス装置の押圧部から離脱可能に保持されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した内歯ギアの製造装置において、プレス装置の押圧部にマグネットを設け、該マグネットの磁力によりマンドレルが該押圧部から離脱可能に保持されるようにするとともに、複数のマンドレルが同軸上に位置決めされて連なるよう各マンドレルの両端面に互いに嵌合する凸部と凹部が形成されていることを特徴とする。これによって成形精度が向上する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構造のプレス装置により内歯ギアを連続的に成形することができ、生産効率が向上するとともに、高ねじれ角のヘリカルギヤでも高精度にしかも歩留りよく成形され、製造コストが軽減される。また、成形後の機械加工精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る内歯ギア製造用マンドレルの外観斜視図。
【図2】図1に示したマンドレルの縦断面図。
【図3】複数のマンドレルを連ねたときの縦断面図。
【図4】本発明に係る内歯ギア製造装置の縦断面図。
【図5】図4に示した装置の作動状態図。
【図6】図5に示した装置のさらなる作動状態図。
【図7】図6に示した装置のさらなる作動状態図。
【図8】図7に示した装置のさらなる作動状態図。
【図9】図8に示した装置のさらなる作動状態図。
【図10】本発明に係る内歯ギア製造装置の製造ラインの概略図。
【図11】本発明に係る内歯ギアの機械加工時の要部の概略図。
【図12】本発明に係る内歯ギアの機械加工時の要部の概略図。
【図13】従来の内歯ギア製造装置の要部の縦断面図。
【図14】図13に示した装置の作動状態図。
【図15】図14に示した装置のさらなる作動状態図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の実施形態を説明する。図1、図2に示したように、本発明に係る内歯ギア製造用マンドレル1は、硬質金属からなり、外周面に歯型2が形成された円盤形のもので、その上面中心に円柱状の凸部3が一体に形成され、下面中心には該凸部3が摺動自在に嵌合し得る凹部4が形成されたものである。そして、該凸部3と凹部4とを互いに嵌合することにより、図3に示したように、複数のマンドレル1が同軸上に位置決めされて連なり得るようにしている。
【0010】
図4は該マンドレル1を使用した内歯ギア製造装置を示し、5はプレス装置、6は該プレス装置のボルスターにベースプレート5aによって固設されたダイスで、該ダイスには貫通状の円筒形空孔7が形成され、該円筒形空孔7は、上方開口縁から続く大径円筒形部分8と、該円筒形部分に続くテーパ状の縮径部9と、該縮径部9に続く小径円筒形部分10とからなり、該小径円筒形部分10の下方は下部空間11に開口し、該下部空間11の側方に取出口12が形成されている。該プレス装置5はダイス6に相対するように押圧部13がベースプレート5bに固設されていて、該押圧部13が油圧によって進出動および後退動(図では上下動)する簡単な構造のもので、該押圧部13の周縁部に前記大径円筒形部分8中に嵌入し得る外径の環状パンチ14が設けられる。15は該環状パンチ14の内側の押圧部13の中心に同軸上に形成された凹所、16は該凹所15の内底部に固設されたマグネットで、前記マンドレル1の凸部3を該凹所15に嵌入するとともに、該マグネットの磁力により該マンドレル1を吸着することにより、該マンドレル1は環状パンチ14の内側に同軸上でかつ該押圧部13から離脱可能に保持される。ここに離脱可能に保持とは、マグネット16の磁力がマンドレル1の重量を負担し得る以上でありつつも、後述するように、成形時に歯車素材から受ける引張力によっては離脱し得る程度の保持力であることをいう。
【0011】
次にこの装置により内歯ギアを製造するための鍛造工程を説明する。歯車素材Wは、外径が前記大径円筒形部分8より僅かに小さく(直径差で0.1mm程度)、内径がマンドレル1の外径よりも僅かに大きい(直径差で0.1mm程度)環状に予め形成されたもので、該歯車素材Wを図4に示したように前記縮径部9上にセットする。そして図5に示したように押圧部13を圧下することにより環状パンチ14およびマンドレル1を円筒形空孔7内に進出させ、該マンドレル1を該歯車素材W内に挿入させる。そして、該環状パンチ14により歯車素材Wを押圧する。これにより図6に示したように該歯車素材Wを縮径部6に沿って内向きに塑性変形させ、該歯車素材Wを該マンドレル1を抱き込んで歯型2内に侵入させる。このように歯車素材Wがマンドレル1を抱き込んで塑性変形するとき、該歯車素材Wは軸方向にも伸びることから該歯車素材Wはその変形に従い該マンドレル1を押圧部13から離脱させる。即ち、歯車素材Wが変形するのに伴いマンドレル1が引っ張られ、その引張力は前記マグネット16による保持力より強力であることから、該マンドレル1は図6に示したように押圧部13から次第に離脱する。
【0012】
次いで図7に示したように、円筒形空孔7内に該マンドレル1を残したままで環状パンチ14のみをいったん後退させ、押圧部13に新たな同形状のマンドレル1′をマグネット16により保持させる。そして先に塑性変形している歯車素材Wの上に新たな同形状の歯車素材W′をセットし、図8に示したように該環状パンチ14および新たなマンドレル1′を円筒形空孔4内に再進出させ、該歯車素材W′を同様に塑性変形をさせる。このとき、先にセットされた歯車素材Wはこの新たな歯車素材W′によってさらに押圧されることからさらに塑性変形しマンドレル1を抱き込んだ状態で該円筒形空孔4を貫通して、図9に示したように下部空間11に排出される。そして該下部空間11に排出された歯車素材Wはマンドレル1とともに取出口12から側方に取り出される。
【0013】
図9に示したように先にセットされた歯車素材Wおよびマンドレル1が下部空間11に排出され、新たにセットされた歯車素材W′が塑性変形しマンドレル1′を抱き込んで歯型2内に侵入したら、該マンドレル1′を円筒形空孔7内に残したままで再び環状パンチ14を図7に示したように後退させて、押圧部13にまた新たな同形状のマンドレルをマグネット16により保持させるとともに該歯車素材W′の上にまた新たな同形状の歯車素材をセットし、該環状パンチ14およびマンドレルを円筒形空孔4内に再々進出させる。以降も同様に環状パンチ14を進出動・後退動させる度に新たなマンドレルおよび歯車素材を上記にようにセットすることにより、該歯車素材が歯型2内に侵入することで内歯が形成され、マンドレルを一体的に抱き込んだ状態で下部空間11に連続的に排出される。
【0014】
なお、図8に示したように円筒形空孔4内に複数のマンドレルが連なっているとき、それらのマンドレルは互いの凸部3と凹部4とが軸方向に摺動自在に嵌合していることでそれらのマンドレルは常に同軸上に保持され、該マンドレルが常に円筒形空孔4の中心に位置する。このため円筒形空孔4の内周面とマンドレルの外周面との間に歯車素材が充填する空隙が高精度で形成され、成形精度を極めて高くすることができる。
【0015】
また、この製造方法によれば、高ねじれ角のヘリカルギヤでも高精度に成形できるとともに、先にセットされた歯車素材が新たにセットされた歯車素材によって押圧されて縮径部6から小径円筒形部分10に移動するので、下部空間11に排出された歯車素材の外径を一様に小径円筒形部分10の内径に一致させることができる。このため、従来の歯車素材のように押し残し部が生じることなく歩留りが向上し、製造コストを軽減させる。また、この製造方法には単純なプレス装置が使用され、従来のような複雑な構造の高価な多軸複動プレス装置を必要としないので設備費も軽減される利点がある。
【0016】
取出口12から取り出されたマンドレル1と一体的となった歯車素材Wは、図10に製造ラインを示したように、鍛造工程Aから機械加工工程Bに移動され、図11に示したように旋盤20のチャック21に該マンドレル1の凸部3を把持させ、バイト22を歯車素材Wの所要外周部分や端部に当てることによりこれらの部分が切削加工される。このようにマンドレル1を抱き込んだ状態で排出された歯車素材Wから該マンドレル1を分離することなく該マンドレル1の凸部3をチャック21により把持し、該マンドレル1を証として歯車素材Wを機械加工することにより、該歯車素材Wに成形された内歯と該機械加工部分との同芯性が保たれるので、加工精度を向上させ、不良品をなくし、高精度の内歯ギアが容易に製造されるようになる。
【0017】
次いで、これを機械加工工程Cに移動し、マンドレル1の凸部3を取外し機構(図示せず)により把持固定し、歯車素材Wの一端面を軸方向に押し込むことにより、該歯車素材Wが回転しながら該マンドレル1から分離する。そして必要に応じ、図12に示したように、旋盤23のチャック24により該歯車素材Wの外周部分を把持し、該歯車素材Wの端部や内周面の一部にバイト25を当てて該歯車素材Wの端部や内周面が切削加工され、さらにバリ取り工程Dに移されてバリ取りが行われた後、検査工程Eに移動され、出来上がった内歯ギアの製品検査をする。
【0018】
一方、機械加工工程Cにて分離されたマンドレル1は鍛造工程Aに戻され再使用される。このため本発明に係るマンドレルは、一つの製造ラインについて予め数個から十数個備えておき、これら複数のマンドレルを鍛造工程Aと機械加工工程Cとの間で循環させることで、内歯ギアを連続的に製造することが可能となり生産効率を高められる。
【0019】
なお、この実施形態ではマンドレルをマグネット16によって押圧部13に保持するようにしたが、マンドレルの保持はこの実施形態のような磁力による吸着のほか、押圧部13に真空吸着部材を設けてマンドレルを真空吸着し、その吸着力が上記引張力よりも弱くなるように設定することでマンドレルを離脱可能に保持してもよい。或いは、押圧部13に保持力が上記引張力よりも弱いように設定し得る機械的なチャッキング機構を設けることで、マンドレルを離脱可能に保持してもよい。
【符号の説明】
【0020】
1,1′ マンドレル
2 歯型
3 凸部
4 凹部
5 プレス装置
6 ダイス
7 円筒形空孔
8 大径円筒形部分
9 縮径部
10 小径円筒形部分
11 下部空間
12 取出口
13 押圧部
14 環状パンチ
15 凹所
16 マグネット
20 旋盤
21 チャック
W,W′ 歯車素材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に歯型が形成された円盤形のマンドレルであって、環状パンチの内側に同軸上に配置され、かつ成形時に歯車素材から受ける引張力によってプレス装置の押圧部から離脱可能に保持する保持手段を備えていることを特徴とする内歯ギア製造用マンドレル。
【請求項2】
貫通状の円筒形空孔の内周面にテーパ状の縮径部が形成されたダイスをプレス装置に配設し、該ダイスと相対する該プレス装置の押圧部に環状パンチを設け、外周面に歯型が形成された円盤形のマンドレルが該環状パンチの内側に同軸上でかつ該プレス装置の押圧部から離脱可能に保持され、前記縮径部上に環状の歯車素材をセットして前記環状パンチおよび前記マンドレルを該円筒形空孔内に進出させることにより、該マンドレルを該歯車素材内に挿入するとともに該環状パンチにより該歯車素材を軸方向に押圧し該歯車素材を前記縮径部に沿って内向きに塑性変形させることにより該歯車素材が該マンドレルを抱き込んで外周面の歯型内に侵入し、該歯車素材がマンドレルを抱き込んで塑性変形するのに従い該マンドレルは該プレス装置の押圧部から離脱し、次いで該マンドレルを円筒形空孔内に残したまま該環状パンチを後退させて該プレス装置の押圧部に新たな同形状のマンドレルを保持させるとともに、先にセットされた歯車素材上に新たな同形状の歯車素材をセットしてから該環状パンチおよび新たなマンドレルを円筒形空孔内に進出させることにより、新たにセットされた歯車素材は新たなマンドレルを抱き込んで塑性変形し、先にセットされた歯車素材は新たにセットされた歯車素材によってさらに押圧されることによりさらに塑性変形してマンドレルを抱き込んだ状態で該円筒形空孔を貫通し排出されるようにしたことを特徴とする内歯ギアの製造方法。
【請求項3】
マンドレルを抱き込んだ状態で排出された歯車素材からマンドレルを分離することなく該マンドレルを把持して該歯車素材を機械加工することを特徴とする請求項2に記載した内歯ギアの製造方法。
【請求項4】
プレス装置と、貫通状の円筒形空孔の内周面にテーパ状の縮径部が形成されたダイスと、該ダイスと相対する該プレス装置の押圧部に設けられた環状パンチと、外周面に歯型が形成された円盤形の複数のマンドレルとを具備し、該マンドレルはパンチの内側に同軸上でかつ該プレス装置の押圧部から離脱可能に保持されるようにしたことを特徴とする内歯ギアの製造装置。
【請求項5】
プレス装置の押圧部にマグネットを設け、該マグネットの磁力によりマンドレルが該押圧部から離脱可能に保持されるようにするとともに、複数のマンドレルが同軸上に位置決めされて連なるよう各マンドレルの両端面に互いに嵌合する凸部と凹部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載した内歯ギアの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−625(P2012−625A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136217(P2010−136217)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000003713)大同特殊鋼株式会社 (916)
【Fターム(参考)】