説明

内燃機関装置およびその制御方法並びにハイブリッド車

【課題】エンジンを冷却する冷却水が循環する循環流路の空気をより適正に排出する。
【解決手段】エンジンの冷却系に混入した空気を排出するために冷却水の循環流路に冷却水を圧送する電動ウォータポンプを駆動するよう指示がなされたときに、エンジンの間欠運転を禁止してエンジンの運転を継続すると共に(ステップS110)、電動ウォータポンプの駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路に循環する冷却水の流量を増減させる(ステップS120〜S190)。これにより、冷却水の温度を上昇させると共に循環流路に滞留している空気の移動を促進することができ、循環流路に混入した空気をより適正に排出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関装置およびその制御方法並びにハイブリッド車に関し、詳しくは、内燃機関が搭載された内燃機関装置およびその制御方法並びに内燃機関と走行用の動力を出力可能な電動機とを備え内燃機関の間欠運転を伴って走行可能なハイブリッド車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内燃機関装置としては、電動機と、エンジンの冷却水を循環させる電動ウォータポンプと、暖房装置とを備えたハイブリッド電気自動車に搭載されるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この内燃機関装置では、暖房装置の作動が検出されたときにエンジンの冷却水温が所定温度より高いことが検出されたときには、エンジンを非駆動状態として且つ暖房のために電動ウォータポンプを駆動状態として冷却水を循環させることにより、暖房装置の使用時にエンジンの作動を抑制して燃費の性能の向上を図っている。
【特許文献1】特開2005−163545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の内燃機関装置では、エンジンの冷却水を交換した後にエンジンに冷却水を循環する循環流路などに残留している空気(エア)をどのようにして排出するかが何ら開示されていない。循環流路に空気が残留しているのは好ましくないため、残留している空気を適正に排出することが望ましい。
【0004】
本発明の内燃機関装置およびその制御方法並びにハイブリッド車は、内燃機関を冷却する冷却媒体が循環する循環流路の空気をより適正に排出することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の内燃機関装置およびその制御方法並びにハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の内燃機関装置は、
内燃機関が搭載された内燃機関装置であって、
前記内燃機関を冷却するための冷却媒体を前記内燃機関に循環させる循環流路と、該循環流路に前記冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、該電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、前記循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有する機関冷却系と、
前記循環流路の空気を排出するために前記電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、前記内燃機関が運転されると共に前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記内燃機関と前記電動圧送手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の内燃機関装置では、循環流路の空気を排出するために電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、内燃機関が運転されると共に循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう内燃機関と電動圧送手段とを制御する。これにより、循環流路の空気をより適正に排出することができる。
【0008】
こうした本発明の内燃機関装置において、前記制御手段は、前記空気排出駆動要求がなされたときに、前記電動圧送手段の駆動と該電動圧送手段の駆動の停止とを繰り返すことにより前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記電動圧送手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、循環流路の空気をより適正に排出することができる。
【0009】
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、を備え、前記内燃機関の間欠運転を伴って走行可能なハイブリッド車であって、
前記内燃機関を冷却するための冷却媒体を前記内燃機関に循環させる循環流路と、該循環流路に前記冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、該電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、前記循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有する機関冷却系と、
前記循環流路の空気を排出するために前記電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、前記内燃機関の間欠運転を禁止して前記内燃機関の運転を継続されると共に前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記内燃機関と前記電動圧送手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0010】
この本発明のハイブリッド車では、循環流路の空気を排出するために電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、内燃機関の間欠運転を禁止して内燃機関の運転が継続されると共に循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう内燃機関と電動圧送手段とを制御する。これにより、循環流路の空気をより適正に排出することができる。
【0011】
こうした本発明のハイブリッド車において、動力を入出力する発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備え、前記電動機は、回転軸が前記駆動軸に接続されてなるものとすることもできる。
【0012】
本発明の内燃機関装置の制御方法は、
内燃機関が搭載され、前記内燃機関を冷却するための冷却媒体を前記内燃機関に循環させる循環流路と、該循環流路に前記冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、該電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、前記循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有する機関冷却系を備える内燃機関装置の制御方法であって、
前記循環流路の空気を排出するために前記電動圧送手段が駆動されるよう駆動要求がなされたとき、前記内燃機関が運転されると共に前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記内燃機関と前記電動圧送手段とを制御する
ことを特徴とする。
【0013】
この本発明の内燃機関装置の制御方法では、循環流路の空気を排出するために電動圧送手段が駆動されるよう駆動要求がなされたとき、内燃機関が運転されると共に循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう内燃機関と電動圧送手段とを制御する。これにより、循環流路の空気をより適正に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例としての内燃機関装置を備えるハイブリッド自動車の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、エンジン22を冷却するためのエンジン冷却系200と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。ここで、実施例の内燃機関装置としては、主として、エンジン22と、エンジン冷却系200と、ハイブリッド用電子制御ユニット70と、後述するエンジン用電子制御ユニット24とが相当する。
【0016】
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
【0017】
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。また、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
【0018】
エンジン冷却系200は、図3に示すように、加圧密封型冷却サイクルとして構成されており、例えばエチレングリコールや防錆剤,酸化防止剤,水等を含むLLC(ロングライフクーラント)といった冷却水を用いて発熱体としてのエンジン22を冷却するものであり、エンジン22のシリンダブロックやシリンダヘッドに冷却水を循環させてエンジン22と熱交換する循環流路202と、バッテリ50からの電力を用いて駆動するウォータポンプ用モータ204により駆動されて循環流路202に冷却水を圧送する電動ウォータポンプ206と、冷却水を外気により冷却するラジエータ208と、ラジエータ208に取り付けられ循環流路202の圧力を調整するラジエータキャップ210と、ラジエータ208の近傍に配置されクーリングファン用モータ212により駆動されてラジエータ208に外気を送風するクーリングファン214と、ラジエータキャップ210と流路215で連通されており冷却水を貯留するリザーブタンク216と、エンジン22の下流側で循環流路202から分岐して電動ウォータポンプ206の上流側で循環流路202と合流するバイパス流路218と、流入する冷却水の温度が所定温度以下であるときにはバイパス流路218を流通した冷却水が電動ウォータポンプ206に流入するよう流路を切り替えると共に流入する冷却水の温度が所定温度より高いときにはラジエータ208を通過した冷却水が電動ウォータポンプ206に流入するよう流路を切り替えるサーモスタットバルブ220と、を備える。ラジエータキャップ210は、図4,図5に例示するように、ラジエータ208側の流路内が所定圧力以上になると開くプレッシャーバルブ210aと、ラジエータ208側の流路内が大気圧以下になると閉じるベントバルブ210bとを備え、図4に例示するように冷却水の温度が上がり冷却水の熱膨張によってラジエータ208側の流路内の圧力が上がって大気圧より高い所定圧力以上となるとプレッシャーバルブ206aが開いて冷却水をリザーブタンク216側に戻し、図5に例示するように冷却水の温度が下がりラジエータ208側の流路内の圧力が大気圧より下がるとベントバルブ210bが開きリザーブタンク216から冷却水が補充されるよう構成されている。なお、実施例では冷却水を用いてエンジン22を冷却するものとしたが、水とは異なる媒体を用いてエンジン22を冷却するものとしてもよい。電動ウォータポンプ206の上流側には冷却水の温度(冷却水温)Twを検出する水温センサ222が取り付けられており、水温センサ222からの冷却水温TwはエンジンECU24に入力されている。なお、エンジン冷却系200のウォータポンプ用モータ204やクーリングファン用モータ212は、エンジンECU24により駆動制御されている。
【0019】
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
【0020】
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
【0021】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。また、車両の整備や点検などが行なわれるときには、ハイブリッド用電子制御ユニット70の通信ポートにはCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成された図示しない整備用ツールが接続される。こうした整備用ツールが接続されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、通信ポートを介して入力される整備用ツールからの指示信号に基づいてエンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各制御信号やデータのやりとりを行なう。
【0022】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
【0023】
また、ハイブリッド自動車20では、エンジン22の温度がハイブリッド自動車20の状態(走行状態等)に応じた所望の温度となるようにエンジン冷却系200の電動ウォータポンプ206のウォータポンプ用モータ204やクーリングファン214のクーリングファン用モータ212が制御される。実施例では、エンジンECU24により、エンジン22の回転数Neや吸入空気量(負荷)に応じて冷却水の目標温度と循環流路202に循環させるべき冷却水の目標流量が設定され、目標流量分の冷却水が循環流路202を循環するようにウォータポンプ用モータ204,クーリングファン用モータ212のデューティ比が調整される。
【0024】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン冷却系200の冷却水を交換する際に循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出する際の動作について説明する。図6は、エンジンECU24により実行されるウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPが駐車用のPレンジであり且つエンジン22がアイドル運転されているときや、冷却水が交換された後にハイブリッド用電子制御ユニット70に接続された図示しない整備用ツールからハイブリッド用電子制御ユニット70に空気を排出するために電動ウォータポンプ206の駆動を指示する駆動指示信号が入力されて、こうした駆動指示信号の入力を受けてハイブリッド用電子制御ユニット70からエンジンECU24に電動ウォータポンプ206を駆動するようウォータポンプ駆動要求がなされたときに、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
【0025】
ウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、水温センサ222からの冷却水温Twを入力する処理を実行し(ステップS100)、エンジン22が運転していなければエンジン22のアイドル運転を開始し、エンジン22がアイドル運転されていればエンジン22の間欠運転を禁止してエンジン22の運転を継続する処理を実行する(ステップS110)。こうしてエンジン22を運転することにより、冷却水の温度が上昇して循環流路202内の圧力が上昇するから、混入している空気を冷却水と共にラジエータキャップ210からリザーブタンク216側に排出することができる。なお、こうしてエンジン22をアイドル運転しているときに、バッテリ50の残容量が低下してエンジン22からの動力を用いてモータMG1で発電した電力でバッテリ50を充電するためにハイブリッド用電子制御ユニット70からエンジンECU24にエンジン22を負荷運転するよう運転要求がなされたときには、エンジン22を負荷運転するものとしてもよい。
【0026】
続いて、前回本ルーチンが実行されたときに電動ウォータポンプ206を駆動するために設定されたウォータポンプ用モータ204の目標デューティ比dB*に基づいて電動ウォータポンプ206が停止しているか否かを調べ(ステップS120)、電動ウォータポンプ206が停止しているときには電動ウォータポンプ206が所定時間ts1の間停止するようウォータポンプ用モータ204のデューティ比の仮の値としての仮デューティ比dBtmpに値0を設定し(ステップS130,S140)、所定時間ts1停止した後は所定時間ts2の間仮デューティ比dBtmpに循環流路202を循環する冷却水の流量を電動ウォータポンプ206で圧送可能な範囲内で最大の流量とするデューティ比dBrefを設定し(ステップS120,S130,S150)、こうして電動ウォータポンプ206の駆動を開始したら所定時間ts2の間電動ウォータポンプ206の駆動を継続するよう仮デューティ比dBtmpを所定デューティ比dBrefに設定し(ステップS120,S160,S150)、所定時間ts2後に電動ウォータポンプ206が駆動停止するよう仮デューティ比dBtmpに値0を設定する(ステップS120,S160,S170)。このように仮デューティ比を設定するのは、電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202を循環する冷却水の流量を増減することにより、循環流路202やバイパス流路218,特に、循環流路202のうち電動ウォータポンプ206の近傍の部位に滞留している空気のラジエータキャップ210への移動を促進するためである。なお、所定時間ts1,ts2は、電動ウォータポンプ206の駆動を停止していてもエンジン22が高温に至らない程度の時間であり且つ循環流路202やバイパス流路218に滞留している空気のラジエータキャップ210への移動を促進する時間として予め実験などにより設定されており、例えば、4秒,5秒,6秒などに設定されるものとした。
【0027】
こうして仮デューティ比dBtmpを設定したら、エンジン22の急激な温度上昇を抑制するために最低限必要な流量の冷却水を循環流路202に圧送するためのデューティ比dBminを冷却水温Twに基づいて設定すると共に仮デューティ比dBtmpとデューティ比dBminとのうち大きいほうを目標デューティ比dB*として設定し(ステップS180)、設定した目標デューティ比dB*で駆動するようウォータポンプ用モータ204を制御して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。こうして、電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202を循環する冷却水の流量を増減することにより、エンジン冷却系200の循環流路202やバイパス流路218などに滞留した空気の移動を促進することができ、空気をより適正に排出することができる。
【0028】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するために電動ウォータポンプ206を駆動するよう指示がなされたときに、エンジン22の間欠運転を禁止してエンジン22の運転を継続すると共に電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202やバイパス流路218に循環する冷却水の流量を増減させることにより、冷却水の温度を上昇させると共に循環流路に滞留している空気の移動を促進することができ、循環流路202やバイパス流路218に混入した空気をより適正に排出することができる。
【0029】
実施例のハイブリッド自動車20では、電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返すことにより循環流路202やバイパス流路218に循環する冷却水の流量を増減させるものとしたが、必ずしも電動ウォータポンプ206を駆動停止しなくてもよく、例えば、電動ウォータポンプ206の駆動を継続したまま周期的に冷却水の流量が増減するよう電動ウォータポンプ206を駆動制御するものとしてもよい。
【0030】
実施例のハイブリッド自動車20では、ラジエータキャップ210から循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するものとしたが、循環流路202やバイパス流路218に空気抜き用のキャップを設けて、整備や点検時に循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するために電動ウォータポンプ206を駆動するよう駆動要求がなされたときには、開けられた空気抜き用のキャップから空気を排出するものとしてもよい。
【0031】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0032】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22からの動力により発電する発電機230と、この発電機230やバッテリ50からの電力により駆動輪63a,63bの車軸側に動力を出力するモータMGとを備える、いわゆるシリーズハイブリッド車の形態としてもよい。
【0033】
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、走行用の動力を出力するモータを搭載せずにエンジンからの動力のみを用いて走行する通常のエンジン車に適用するものとしてもよいし、自動車以外の電車などの車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される内燃機関装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた内燃機関装置の形態としても構わない。さらに、こうした内燃機関装置の制御方法の形態としてもよい。
【0034】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、内燃機関装置としては、エンジン22が「内燃機関」に相当し、循環流路202が「循環流路」に相当し、電動ウォータポンプ206が「電動圧送手段」に相当し、バッテリ50が「電力供給手段」に相当し、ラジエータキャップ210が「空気排出手段」に相当し、エンジン冷却系200が「機関冷却系」に相当し、循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するために電動ウォータポンプ206を駆動するよう指示するハイブリッド用電子制御ユニット70と、こうした指示がなされたときに、エンジン22の間欠運転を禁止してエンジン22の運転を継続する図6のウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンのステップS110の処理や電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202やバイパス流路218に循環する冷却水の流量を増減させるステップS120〜S190の処理を実行するエンジンECU24が「制御手段」に相当する。また、実施例では、ハイブリッド車としては、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、電動ウォータポンプ206が「電動圧送手段」に相当し、バッテリ50が「電力供給手段」に相当し、ラジエータキャップ210が「空気排出手段」に相当し、エンジン冷却系200が「機関冷却系」に相当し、循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するために電動ウォータポンプ206を駆動するよう指示するハイブリッド用電子制御ユニット70と、こうした指示がなされたときに、エンジン22の間欠運転を禁止してエンジン22の運転を継続する図6のウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンのステップS110の処理や電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202やバイパス流路218に循環する冷却水の流量を増減させるステップS120〜S190の処理を実行するエンジンECU24が「制御手段」に相当する。モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。また、循環流路202とバイパス流路218とを組み合わせたものも「循環流路」に相当する。
【0035】
ここで、内燃機関装置において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「循環流路」としては、循環流路202に限定されるものではなく、内燃機関を冷却するための冷却媒体を内燃機関に循環させるものであれば如何なるものとしても構わない。「電動圧送手段」としては、電動ウォータポンプ206に限定されるものではなく、循環流路に冷却媒体を電力を用いて圧送するものであれば如何なるものとしても構わない。「電力供給手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電動圧送手段に電力を供給するものであれば如何なるものとしても構わない。「空気排出手段」としては、ラジエータキャップ210に限定されるものではなく、循環流路の空気を排出可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「機関冷却系」としては、エンジン冷却系200に限定されるものではなく、内燃機関を冷却するための冷却媒体を内燃機関に循環させる循環流路と、循環流路に冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有するものあれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するために電動ウォータポンプ206を駆動するよう指示がなされたときに、エンジン22の間欠運転を禁止してエンジン22の運転を継続する図6のウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンのステップS110の処理や電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202やバイパス流路218に循環する冷却水の流量を増減させるものに限定されるものではなく、循環流路の空気を排出するために電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、内燃機関が運転されると共に循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう内燃機関と電動圧送手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。また、ハイブリッド車において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。また、「循環流路」としては、循環流路202に限定されるものではなく、内燃機関を冷却するための冷却媒体を内燃機関に循環させるものであれば如何なるものとしても構わない。「電動圧送手段」としては、電動ウォータポンプ206に限定されるものではなく、循環流路に冷却媒体を電力を用いて圧送するものであれば如何なるものとしても構わない。「電力供給手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電動圧送手段に電力を供給するものであれば如何なるものとしても構わない。「空気排出手段」としては、ラジエータキャップ210に限定されるものではなく、循環流路の空気を排出可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「機関冷却系」としては、エンジン冷却系200に限定されるものではなく、内燃機関を冷却するための冷却媒体を内燃機関に循環させる循環流路と、循環流路に冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有するものあれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、循環流路202やバイパス流路218に混入した空気を排出するために電動ウォータポンプ206を駆動するよう指示がなされたときに、エンジン22の間欠運転を禁止してエンジン22の運転を継続する図6のウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンのステップS110の処理や電動ウォータポンプ206の駆動と駆動停止とを繰り返して循環流路202やバイパス流路218に循環する冷却水の流量を増減させるものに限定されるものではなく、循環流路の空気を排出するために電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、内燃機関の間欠運転を禁止して内燃機関の運転を継続されると共に循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう内燃機関と電動圧送手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせたものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され、3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。
【0036】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、内燃機関装置やハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関装置を備えるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】エンジン22の構成の概略を示す構成図である。
【図3】エンジン冷却系200の構成の概略を示す構成図である。
【図4】ラジエータキャップ210の構成の概略とラジエータ208側の流路内が所定圧力以上になったときのラジエータキャップ210の様子とを示す説明図である。
【図5】ラジエータキャップ210の構成の概略とラジエータ208側の流路内が大気圧未満になったときのラジエータキャップ210の様子とを示す説明図である。
【図6】実施例のエンジンECU24により実行されるウォータポンプ駆動要求時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図8】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
【0039】
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142,222 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、200 エンジン冷却系、202 循環流路、204 ウォータポンプ用モータ、206 電動ウォータポンプ、208 ラジエータ、210 ラジエータキャップ、212 クーリングファン用モータ、214 クーリングファン、215 流路、216 リザーブタンク、218 バイパス流路、220 サーモスタット、230 発電機、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関が搭載された内燃機関装置であって、
前記内燃機関を冷却するための冷却媒体を前記内燃機関に循環させる循環流路と、該循環流路に前記冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、該電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、前記循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有する機関冷却系と、
前記循環流路の空気を排出するために前記電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、前記内燃機関が運転されると共に前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記内燃機関と前記電動圧送手段とを制御する制御手段と、
を備える内燃機関装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記空気排出駆動要求がなされたときに、前記電動圧送手段の駆動と該電動圧送手段の駆動の停止とを繰り返すことにより前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記電動圧送手段を制御する手段である請求項1記載の内燃機関装置。
【請求項3】
内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、を備え、前記内燃機関の間欠運転を伴って走行可能なハイブリッド車であって、
前記内燃機関を冷却するための冷却媒体を前記内燃機関に循環させる循環流路と、該循環流路に前記冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、該電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、前記循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有する機関冷却系と、
前記循環流路の空気を排出するために前記電動圧送手段が駆動されるよう空気排出駆動要求がなされたとき、前記内燃機関の間欠運転を禁止して前記内燃機関の運転が継続されると共に前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記内燃機関と前記電動圧送手段とを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド車。
【請求項4】
請求項3記載のハイブリッド車であって、
動力を入出力する発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
を備え、
前記電動機は、回転軸が前記駆動軸に接続されてなる
ハイブリッド車。
【請求項5】
内燃機関が搭載され、前記内燃機関を冷却するための冷却媒体を前記内燃機関に循環させる循環流路と、該循環流路に前記冷却媒体を電力を用いて圧送する電動圧送手段と、該電動圧送手段に電力を供給する電力供給手段と、前記循環流路の空気を排出可能な空気排出手段と、を有する機関冷却系を備える内燃機関装置の制御方法であって、
前記循環流路の空気を排出するために前記電動圧送手段が駆動されるよう駆動要求がなされたとき、前記内燃機関が運転されると共に前記循環流路を循環する冷却媒体の流量が増減されるよう前記内燃機関と前記電動圧送手段とを制御する
ことを特徴とする内燃機関装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−1826(P2010−1826A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161956(P2008−161956)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】