説明

内視鏡用撮像光学系及び内視鏡システム

【課題】内視鏡を用いて蛍光観察を行う際に、利便性の低下や患者の負担増、及び挿入部の大径化を招くことなく、励起光の波長が異なる複数種類の蛍光薬剤に対応できるようにする。
【解決手段】内視鏡の撮像ユニット24は、撮像レンズ30と分光特性可変素子31とCCD32とで構成されている。分光特性可変素子31は、各基板33、34の間隔に応じて特定の波長の光のみを透過させ、その他の波長の光を反射させるとともに、アクチュエータ35を駆動して各基板33、34の間隔を変化させることにより、透過する光の波長を変化させる。撮像ユニット24は、分光特性可変素子31が反射させた光をCCD32で撮像する。そして、内視鏡を用いて蛍光観察を行う際に、励起光の波長の光が透過するように各基板33、34の間隔を調整することで、観察対象からの像光に含まれる励起光の成分を分光特性可変素子31で除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に用いられる撮像光学系、及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光薬剤が付着又は吸収された観察対象からの蛍光を観察する内視鏡システムが、特許文献1などで知られている。蛍光薬剤は、特定の生体組織に付着又は吸収された状態で対応する波長の励起光が入射した場合にのみ、その励起光を吸収して励起し、励起光とは異なる波長の蛍光を発する。こうした蛍光薬剤を用いた内視鏡検査では、可視光による検査では見分けることができないような微細な病変部も観察することができる。
【0003】
上記のように蛍光を観察する際、内視鏡の撮像光学系には、観察対象からの蛍光が入射するとともに、観察対象で反射した励起光も入射する。このように撮像光学系に入射した励起光は、観察対象からの蛍光を内視鏡画像として観察する際にノイズとなり、内視鏡画像の画質を劣化させる要因となる。このため、特許文献1では、励起光を除去するための励起光カットフィルタを撮像素子の前に設け、撮像素子に励起光が入射しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−291554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
励起光の波長は、使用する蛍光薬剤の種類によって異なる。このため、特許文献1のように励起光カットフィルタが固定されていると、特定の蛍光薬剤に対してしか内視鏡が使用できなくなってしまう。この対策としては、励起光カットフィルタを着脱自在にし、使用する蛍光薬剤に応じてユーザが任意の波長のフィルタに付け替えたり、複数のフィルタのいずれかを選択的に撮影光軸に侵入させる回転機構を設け、回転機構を駆動することによって任意の波長のフィルタに交換できるようにしたりすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、近年では、蛍光薬剤の種類も増えてきており、1回の検査で複数種類の蛍光薬剤を使用する場合もある。こうした場合、ユーザがフィルタを交換する方式では、異なる蛍光薬剤を使用する毎に、逐一内視鏡の挿入部を抜き挿ししなければならず、利便性が悪いとともに、患者への負担も増加してしまう。一方、回転機構などによって自動的にフィルタを交換する方式では、挿入部を抜き挿しする必要はなくなるが、機構の分だけ挿入部が太くなってしまい、内視鏡の操作性の低下や患者への負担増が懸念される。このため、蛍光観察を行う内視鏡では、利便性の低下や患者の負担増、及び挿入部の大径化を招くことなく、励起光の波長が異なる複数種類の蛍光薬剤に対応できるようにすることが望まれている。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、内視鏡を用いて蛍光観察を行う際に、利便性の低下や患者の負担増、及び挿入部の大径化を招くことなく、励起光の波長が異なる複数種類の蛍光薬剤に対応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、挿入部の先端部分に配置され、前記先端部分に形成された開口を介して入射する観察対象からの像光を撮像する内視鏡用撮像光学系において、前記像光を結像させる撮像レンズと、透光性の有る材料によって略平板状に形成され、平行間隔を空けて対向して設けられた複数の基板と、前記各基板の間隔を変化させる駆動手段とで構成されるとともに、前記撮像レンズが結像させた前記像光が入射するように配置され、前記各基板の間隔に応じて前記像光に含まれる特定の波長の光のみを透過させ、その他の波長の光を反射させる分光特性可変素子と、前記分光特性可変素子が反射させた前記像光を撮像し、その像光に対応した撮像信号を出力する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【0009】
前記分光特性可変素子は、前記像光が入射する光入射面が前記撮像レンズの光軸に対して所定の角度傾斜するように配置され、前記撮像レンズから入射した前記像光を前記撮像レンズと異なる方向に向けて反射させることにより、その像光を前記撮像素子に入射させることが好ましい。
【0010】
また、P偏光又はS偏光の直線偏光光の一方を透過させ、他方を反射させる偏光分離膜を有するとともに、前記撮像レンズが結像させた前記像光が前記偏光分離膜に入射するように配置された偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを透過した直線偏光の前記像光を円偏光に変換し、前記分光特性可変素子に入射させる四分の一波長板とを設け、前記分光特性可変素子で反射した前記像光が再び前記四分の一波長板に入射するように、前記像光が入射する光入射面を前記四分の一波長板の光軸と略直交させて前記分光特性可変素子を配置し、前記分光特性可変素子で反射することによって前記分光特性可変素子に入射したときとは逆向きに回転する円偏光になるとともに、前記四分の一波長板に再び入射することによって前記偏光ビームスプリッタから入射したときとは90度回転した直線偏光となることにより、前記四分の一波長板から再び前記偏光ビームスプリッタに入射した際に、前記偏光分離膜で反射する前記像光を撮像するように前記撮像素子を配置した構成としてもよい。
【0011】
前記分光特性可変素子を透過する光を吸収して減光させる光吸収体を設けることが好ましい。また、前記分光特性可変素子を透過した光が出射する光出射面を有する前記基板を前記光吸収体にすると、より好適である。
【0012】
また、本発明は、蛍光物質を励起させるための励起光を観察対象に向けて照射し、これによって前記観察対象から発せられる蛍光を像光として内視鏡で観察する内視鏡システムにおいて、前記像光を結像させる撮像レンズと、透光性の有る材料によって略平板状に形成され、平行間隔を空けて対向して設けられた複数の基板と、前記各基板の間隔を変化させる駆動手段とで構成されるとともに、前記撮像レンズが結像させた前記像光が入射するように配置され、前記各基板の間隔に応じて前記像光に含まれる特定の波長の光のみを透過させ、その他の波長の光を反射させる分光特性可変素子と、前記分光特性可変素子が反射させた前記像光を撮像し、その像光に対応した撮像信号を出力する撮像素子とからなり、前記内視鏡の挿入部の先端部分に配置され、前記先端部分に形成された開口を介して入射する観察対象からの像光を撮像する内視鏡用撮像光学系と、前記分光特性可変素子を透過する光の波長が前記励起光の波長となるように前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
前記観察対象から発せられる前記蛍光の波長を指示するための蛍光指示手段と、前記撮像素子から出力された前記撮像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換器と、前記画像データに対して分光推定処理を行い、その分光推定処理の結果を基に、前記励起光以外の波長の前記像光に対応した前記画像データから、前記蛍光指示手段で指示された前記蛍光の波長帯域に対応した部分のみを抽出した分光画像を生成する分光画像生成手段とを備えると、より好適である。
【0014】
前記励起光の波長を指示するための励起光指示手段と、前記励起光指示手段で指示された波長の前記励起光を前記内視鏡に供給する光源とを備え、前記内視鏡は、前記光源から供給された前記励起光を照射するための照明窓と、前記光源から供給された前記励起光を前記照明窓に案内するライトガイドとを有し、前記制御手段は、前記励起光選択手段で指示された前記励起光の波長となるように、前記駆動手段の駆動を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、励起光の波長の光が透過するように各基板の間隔を調整することで、観察対象からの像光に含まれる励起光の成分を分光特性可変素子で除去することができる。従って、複数種類の蛍光薬剤に対する蛍光観察を行う際にも、挿入部を逐一抜き挿しして励起光を除去するためのフィルタの交換などを行う必要がなく、利便性の低下や患者の負担増などを招く心配がない。また、複数のフィルタやこれらを交換するための機構を設ける必要がないので、挿入部の大径化を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】内視鏡システムの構成を示す説明図である。
【図2】撮像ユニットの構成を示す説明図である。
【図3】偏光ビームスプリッタと四分の一波長板とを設けた撮像ユニットの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、内視鏡システム2は、患者の体腔内を撮影する電子内視鏡10と、内視鏡画像を生成するプロセッサ装置12と、体腔内を照明するための白色の照明光、及び観察対象内に存在する蛍光物質を励起させるための励起光を電子内視鏡10に供給する光源装置14と、内視鏡画像を表示するモニタ16とからなる。
【0018】
この内視鏡システム2は、電子内視鏡10に白色の照明光を供給することにより、体腔内を可視光で観察する通常観察モードと、電子内視鏡10に励起光を供給することにより、蛍光薬剤を付着又は吸収させた腫瘍などからの蛍光を観察する蛍光観察モードとを有している。
【0019】
医師や技師などの術者は、検査を行う場合、まず内視鏡システム2を通常観察モードに設定して体腔内を観察する。そして、病変が疑われる観察対象が発見された場合などに、その観察対象への蛍光薬剤の散布を行った後、内視鏡システム2を蛍光観察モードに切り替え、当該観察対象からの蛍光を観察する。こうした、蛍光薬剤を用いた蛍光観察では、可視光では認識することができないような微細な病変部も観察することができる。
【0020】
電子内視鏡10は、細管状に形成され、患者の体腔内に挿入される挿入部20を有している。また、電子内視鏡10は、図示を省略したユニバーサルコードを有しており、このユニバーサルコードの先端に設けられたコネクタを介してプロセッサ装置12、及び光源装置14に着脱自在に接続される。
【0021】
挿入部20の先端部分には、観察対象からの像光を取り込むための観察窓21と、光源装置14から供給された照明光及び励起光を照射するための照明窓22とが設けられている。各窓21、22は、挿入部20の先端部分に形成された開口20a、20bにそれぞれ嵌め込まれ、これらの各開口20a、20bを塞いでいる。また、各窓21、22には、光学ガラスや光学プラスチックなどの透光性の有る材料が用いられている。これにより、観察対象からの像光が開口20a及び観察窓21を介して挿入部20の内部に入射し、光源装置14から供給された照明光や励起光が開口20b及び照明窓22を介して挿入部20の外部に照射されるとともに、各開口20a、20bから体液などが挿入部20の内部に入り込んでしまうことが防がれる。
【0022】
電子内視鏡10の内部には、撮像ユニット(内視鏡用撮像光学系)24と、ライトガイド25とが設けられている。撮像ユニット24は、挿入部20の先端部分に観察窓21と対面するように配置され、観察窓21を介して入射した像光の撮像を行う。ライトガイド25は、可撓性を有するオプティカルファイバで構成され、光源装置14から供給された照明光及び励起光を照明窓22に案内する。
【0023】
図2に示すように、撮像ユニット24は、撮像レンズ30と、分光特性可変素子31と、CCD(撮像素子)32とで構成されている。撮像レンズ30は、観察窓21から入射した像光を分光特性可変素子31に結像させる。分光特性可変素子31は、略平板状に形成され、平行間隔を空けて対向して設けられた第1及び第2の2枚の基板33、34と、これらの各基板33、34の間に配置され、駆動信号の入力に応じて伸縮することにより、各基板33、34の間隔を変化させるアクチュエータ(駆動手段)35とで構成されている。
【0024】
各基板33、34には、光学ガラスや光学プラスチックなどの透光性材料が用いられている。また、各基板33、34には、それぞれの対向面に反射膜33a、34aが設けられている。この分光特性可変素子31は、いわゆるファブリ・ペロー・エタロンであり、各基板33、34の間隔に応じて特定の波長の光のみを透過させ、その他の波長の光を反射させる。そして、アクチュエータ35を駆動して各基板33、34の間隔を変化させることにより、透過する光の波長を変化させる。
【0025】
第1基板33は、無色透明な透光性材料からなり、高い透過率を有している。一方、第2基板(光吸収体)34は、透光性材料に光吸収物質を熔解させた、いわゆる吸収型のNDフィルタであり、入射した光を吸収して減光させる。なお、この第2基板34は、紫外から赤外までの波長域において、なるべく高い光学濃度を有していることが好ましい。
【0026】
分光特性可変素子31は、第1基板33の表面33bを光入射面とするとともに、第2基板34の表面34bを光出射面とし、この表面33bを撮像レンズ30の後端に向けるとともに、撮像レンズ30の光軸L1と、表面33bの中心とが略一致し、かつ表面33bが光軸L1に対して略45度傾斜するように配置されている。これにより、撮像レンズ30によって結像された像光が分光特性可変素子31に入射し、各基板33、34の間隔に応じて、特定の波長の光が分光特性可変素子31を透過し、その他の波長の光が略90度の角度で反射する。また、この際、分光特性可変素子31を透過する光は、第2基板34に吸収され、減光される。
【0027】
分光特性可変素子31が透過させる光の波長は、内視鏡システム2の観察モードに応じて設定される。蛍光観察を行う際、観察対象に向けて励起光を照射すると、観察対象内に含まれる蛍光物質が励起して蛍光が発せられ、この蛍光が像光として観察窓21に入射するとともに、観察対象で反射した励起光も像光として観察窓21に入射する。励起光の成分は、観察対象からの蛍光を内視鏡画像として観察する際のノイズとなり、画質を劣化させる要因となる。
【0028】
このため、内視鏡システム2が蛍光観察モードに設定されている場合、分光特性可変素子31は、励起光が透過するように、各基板33、34の間隔が設定される。これにより、撮像レンズ30によって結像された像光が、分光特性可変素子31に入射すると、像光に含まれる励起光の成分が透過し、蛍光の成分を含む他の波長の光が反射する。このように、分光特性可変素子31は、蛍光観察を行う際に、像光に含まれる励起光成分を除去するためのフィルタとして用いられる。
【0029】
また、分光特性可変素子31を透過する励起光は、前述のように、第2基板34によって吸収される。これにより、分光特性可変素子31を一度透過した励起光が、他の部材などで反射して第2基板34側から再び分光特性可変素子31に入射し、第1基板33側に透過してしまうことを防ぐことができる。
【0030】
一方、内視鏡システム2が通常観察モードに設定されている場合、分光特性可変素子31は、紫外域や赤外域など可視域以外の波長の光が透過するように、各基板33、34の間隔が設定される。これにより、通常観察モードでは、通常観察に必要な可視光の像光が反射する。
【0031】
CCD32は、分光特性可変素子31で反射した光の光軸L2と受光面32aの中心とが略一致し、かつ光軸L2と受光面32aとが略直交するように配置されている。これにより、分光特性可変素子31で反射した光が、CCD32の受光面32aに入射する。すなわち、内視鏡システム2が通常観察モードに設定されている場合には、可視光の像光が受光面32aに入射し、内視鏡システム2が蛍光観察モードに設定されている場合には、励起光以外の波長の光が像光として受光面32aに入射する。そして、CCD32は、分光特性可変素子31で反射した像光を撮像し、その像光に対応した撮像信号を出力する。
【0032】
図1に戻って、プロセッサ装置12には、CPU40、RAM41、タイミングジェネレータ(以下、TGと称す)42、CCD駆動回路43、分光特性可変素子駆動回路44、相関二重サンプリング/プログラマブルゲインアンプ(以下、CDS/PGAと称す)45、A/D変換器(以下、A/Dと称す)46、画像処理部47、表示制御部48が設けられている。
【0033】
RAM41には、プロセッサ装置12を制御するための各種のプログラムやデータが記憶されている。CPU40は、RAM41から各プログラムを読み出し、それらを逐次処理することによってプロセッサ装置12の各部を統括的に制御する。
【0034】
また、CPU40には、各観察モードの設定を切り替えるためのモード切替スイッチ50と、励起光の波長を選択的に切り替えるようにして指示するための励起光選択ダイヤル(励起光指示手段)51と、観察対象から発せられる蛍光の波長を選択的に切り替えるようにして指示するための蛍光選択ダイヤル(蛍光指示手段)52とが接続されている。
【0035】
CPU40は、モード切替スイッチ50の操作に応じて各観察モードの設定を行い、その観察モードに対応した制御を行う。そして、CPU40は、蛍光観察モードに設定した場合、各選択ダイヤル51、52で指示された波長に応じて各部の制御を行う。なお、モード切替スイッチ50と各選択ダイヤル51、52とは、プロセッサ装置12に限ることなく、光源装置14や電子内視鏡10の手元操作部などに設けてもよい。
【0036】
TG42は、CPU40の制御の下、タイミング信号(クロックパルス)をCCD駆動回路43に入力する。CCD駆動回路43は、入力されたタイミング信号に基づいて駆動信号をCCD32に入力し、CCD32の蓄積電荷の読み出しタイミングやCCD32の電子シャッタのシャッタ速度などを制御する。
【0037】
分光特性可変素子駆動回路44は、CPU40の制御の下、分光特性可変素子31のアクチュエータ35に駆動信号を入力し、各基板33、34の間隔を変化させる。CPU40は、通常観察モードが設定されている場合、分光特性可変素子31を透過する光の波長が、紫外域や赤外域など可視域以外の波長となるように、分光特性可変素子駆動回路44を制御する。一方、CPU40は、蛍光観察モードが設定されている場合、分光特性可変素子31を透過する光の波長が、励起光選択ダイヤル51で指示された励起光の波長となるように、分光特性可変素子駆動回路44を制御する。
【0038】
CDS/PGA45は、CCD駆動回路43の制御に基づいてCCD32から出力される撮像信号に対し、ノイズ除去と増幅とを行い、A/D46に出力する。A/D46は、CDS/PGA45から出力されたアナログの撮像信号をデジタルの画像データに変換し、画像処理部47に出力する。
【0039】
画像処理部47には、通常画像生成部54と、分光画像生成部55とが設けられている。画像処理部47は、通常観察モードが設定されている場合に通常画像生成部54を起動させ、蛍光観察モードが設定されている場合に、分光画像生成部55を起動させる。通常画像生成部54は、A/D46でデジタル化された画像データに対して各種の画像処理を施すことにより、可視光の像光に対応した通常画像を生成し、その通常画像を表示制御部48に出力する。
【0040】
分光画像生成部55は、A/D46でデジタル化された画像データを基に、主成分分析を用いた次元圧縮による線形近似や、ウィナー推定などによる分光推定処理を行う。分光推定処理では、CCD32の画素毎に可視光波長帯域(400〜700nm)における観察対象の分光反射率を画像データから推定する。そして、分光画像生成部55は、分光推定処理の結果を基に、励起光以外の波長の像光に対応した画像データから、蛍光選択ダイヤル52で指示された蛍光の波長帯域に対応した部分のみを抽出した分光画像を生成し、その分光画像を表示制御部48に出力する。
【0041】
表示制御部48は、画像処理部47から出力された通常画像又は分光画像をモニタ16の形式に対応したビデオ信号(コンポーネント信号、コンポジット信号など)に変換し、そのビデオ信号をモニタ16に出力する。これにより、可視光の波長帯域に対応した通常画像、又は観察対象からの蛍光の波長帯域に対応した分光画像が、患者の体腔内を撮影した内視鏡画像としてモニタ16に表示される。
【0042】
光源装置14には、照明光を照射する照明光用光源60と、励起光を照射する励起光用光源61と、照明光用光源を点灯/消灯させるための照明光用駆動回路62と、励起光用光源を点灯/消灯させるための励起光用駆動回路63とが設けられている。照明光用光源60は、可視域全体に亘って比較的フラットな波長特性の白色光を照明光として照射する。この照明光用光源60には、例えば、キセノンランプが用いられる。励起光用光源61には、紫外から赤外の範囲で任意に波長を変えることができる波長可変レーザが用いられている。これらの各光源60、61から照射された光は、図示を省略した導光路を介して、光源装置14に接続された電子内視鏡10のライトガイド25の光入射面に入射する。これにより、照明光又は励起光が電子内視鏡10に供給される。
【0043】
各駆動回路62、63は、プロセッサ装置12のCPU40と電気的に接続されており、CPU40からの駆動信号に応じて対応する各光源60、61を点灯/消灯させる。CPU40は、通常観察モードが設定されている場合、照明光用駆動回路62に駆動信号を送信し、照明光用光源60を点灯させる。
【0044】
一方、CPU40は、蛍光観察モードが設定されている場合、励起光用駆動回路63に駆動信号を送信し、励起光用光源61を点灯させる。また、この際、CPU40は、励起光選択ダイヤル51で指示された波長の情報を励起光用駆動回路63への駆動信号に含める。励起光用駆動回路63は、駆動信号を受信すると、これに応じて励起光用光源61を駆動することにより、励起光選択ダイヤル51で指示された波長の光を励起光として照射させる。
【0045】
次に、上記構成による内視鏡システム2の作用について説明する。術者は、内視鏡システム2で検査を行う場合、まず図1に示すように、内視鏡システム2の各部をセットアップする。術者は、各部のセットアップを行ったら、モード切替スイッチ50を操作し、内視鏡システム2を通常観察モードに設定する。この後、術者は、各部の電源をONにし、通常観察モードで内視鏡システム2を起動させる。
【0046】
プロセッサ装置12のCPU40は、通常観察モードで起動すると、照明光用駆動回路62に駆動信号を送信し、照明光用光源60を点灯させるとともに、TG42を制御して撮像ユニット24のCCD32を駆動させる。また、これと同時に、CPU40は、分光特性可変素子駆動回路44を制御して分光特性可変素子31のアクチュエータ35を駆動させ、可視光以外の波長の光が分光特性可変素子31を透過するように、各基板33、34の間隔を変化させる。これにより、分光特性可変素子31で反射した可視光の像光がCCD32によって撮像され、その像光に対応した撮像信号がCCD32から出力される。
【0047】
CCD32から出力された撮像信号は、プロセッサ装置12のCDS/PGA45に入力される。CDS/PGA45は、入力された撮像信号に対してノイズ除去と増幅とを行い、処理後の撮像信号をA/D46に出力する。A/D46は、入力された撮像信号をデジタルの画像データに変換し、画像処理部47に出力する。画像処理部47は、画像データが入力されると、通常画像生成部54を起動させ、その画像データから通常画像を生成し、その通常画像を表示制御部48に出力する。表示制御部48は、入力された通常画像をビデオ信号に変換し、そのビデオ信号をモニタ16に出力する。これにより、可視光の波長帯域に対応した通常画像が内視鏡画像としてモニタ16に表示される。
【0048】
術者は、証明用光源60の点灯によって照明窓22から照明光が照射され、モニタ16に通常画像が表示された後、挿入部20を患者の体腔内に挿入し、検査を開始する。そして、術者は、病変が疑われる観察対象が発見された場合などに、通常観察モードから蛍光観察モードに切り替えると判断する。
【0049】
術者は、蛍光観察モードに切り替えると判断すると、まず図示を省略した鉗子チャンネルに挿通して使用される処置具などを用いて、蛍光観察したい観察対象に、その検査の用途に応じた蛍光薬剤を散布する。術者は、蛍光薬剤の散布を行ったら、各選択ダイヤル51、52を操作し、その蛍光薬剤の励起光の波長、及び蛍光の波長を指示する。この後、モード切替スイッチ50を操作し、内視鏡システム2の観察モードの設定を通常観察モードから蛍光観察モードに切り替える。
【0050】
プロセッサ装置12のCPU40は、各観察モードの設定が通常観察モードから蛍光観察モードに切り替えられると、照明光用駆動回路62への駆動信号の送信を停止して照明光用光源60を消灯させた後、励起光用駆動回路63に駆動信号を送信して励起光用光源61を点灯させ、励起光選択ダイヤル51で指示された波長の光を励起光として励起光用光源61に照射させる。
【0051】
また、CPU40は、これと同時に、分光特性可変素子駆動回路44を制御して分光特性可変素子31のアクチュエータ35を駆動させ、励起光選択ダイヤル51で指示された励起光が分光特性可変素子31を透過するように、各基板33、34の間隔を変化させる。これにより、分光特性可変素子31で反射した励起光以外の波長の光がCCD32によって撮像され、その光に対応した撮像信号がCCD32から出力される。
【0052】
また、この際、分光特性可変素子31を透過した励起光は、第2基板34によって吸収・減光される。従って、分光特性可変素子31を一度透過した励起光が、他の部材などで反射して第2基板34側から再び分光特性可変素子31に入射し、第1基板33側に透過してしまうことが抑えられ、励起光の入射に起因する内視鏡画像の画質の劣化を適切に防ぐことができる。
【0053】
CCD32から出力された撮像信号は、通常観察モードの場合と同様に、CDS/PGA45によってノイズ除去や増幅が行われた後、A/D46によってデジタルの画像データに変換され、画像処理部47に入力される。画像処理部47は、画像データが入力されると、分光画像生成部55を起動させ、その画像データから分光画像を生成し、その分光画像を表示制御部48に出力する。このように、蛍光選択ダイヤル52で指示された蛍光の波長帯域に対応した部分のみを抽出した分光画像を表示するようにすれば、観察対象の蛍光の発光具合をより詳細に観察することができる。
【0054】
表示制御部48は、入力された分光画像をビデオ信号に変換し、そのビデオ信号をモニタ16に出力する。これにより、観察対象からの蛍光の波長帯域に対応した分光画像が内視鏡画像としてモニタ16に表示される。
【0055】
術者は、モニタ16に表示された分光画像を参照し、蛍光薬剤が付着又は吸収された観察対象の蛍光の発光具合を観察することにより、病変の有無などを確認する。そして、術者は、分光画像を観察した後、必要に応じて他の蛍光薬剤での蛍光観察を行う。
【0056】
他の蛍光薬剤の蛍光観察を行う場合、術者は、1回目の場合と同様に、処置具などを用いて蛍光観察したい観察対象に蛍光薬剤を散布する。そして、各選択ダイヤル51、52を操作し、その蛍光薬剤に合わせて励起光及び蛍光の波長を指示し直す。
【0057】
CPU40は、励起光選択ダイヤル51が操作されたら、その操作結果に応じて励起光用駆動回路63への駆動信号を更新することにより、指示し直された波長の励起光を励起光用光源61に照射させる。また、CPU40は、これと同時に、分光特性可変素子駆動回路44を制御して分光特性可変素子31のアクチュエータ35を駆動させ、指示し直された波長の励起光が分光特性可変素子31を透過するように、各基板33、34の間隔を変化させる。これにより、変更後の蛍光薬剤に対応した励起光が照明窓22から照射され、その蛍光薬剤の分光画像がモニタ16に表示される。
【0058】
このように、本例では、各選択ダイヤル51、52を操作するだけで複数種類の蛍光薬剤に対する蛍光観察を行うことができ、挿入部20を逐一抜き挿しして励起光を除去するためのフィルタの交換などを行う必要がないので、利便性の低下や患者の負担増などを招く心配がない。
【0059】
また、本例では、分光特性可変素子31によって、観察対象からの像光に含まれる励起光成分を除去するようにした。この分光特性可変素子31では、各基板33、34の間隔を変えるだけで任意の波長の励起光を除去することができ、挿入部20の内部に複数のフィルタやこれらを交換するための機構を設ける必要がないので、挿入部20の大径化を招くこともない。
【0060】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と機能・構成上同一のものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。図3に示すように、本実施形態の撮像レンズ81、偏光ビームスプリッタ82、四分の一波長板83、分光特性可変素子84、CCD85で構成されている。
【0061】
撮像レンズ81は、上記第1の実施形態の撮像レンズ30と同様に、観察窓21から入射した像光を偏光ビームスプリッタ82に結像させる。偏光ビームスプリッタ82は、P偏光成分の直線偏光光を透過させ、S偏光成分の直線偏光光を反射させる特性を有する偏光分離膜82aが設けられている。四分の一波長板83は、偏光ビームスプリッタ82を透過したP偏光の像光を円偏光に変換し、分光特性可変素子84に入射させる。
【0062】
分光特性可変素子84は、上記第1の実施形態の分光特性可変素子31と同様に、各基板33、34と、アクチュエータ35とで構成されている。そして、各基板33、34の間隔も同様に、通常観察モードの場合に可視光以外の波長の光が透過するように設定され、蛍光観察モードの場合に励起光が透過するように設定される。
【0063】
分光特性可変素子84は、光入射面である第1基板33の表面33bが四分の一波長板83の光軸と略直交するように配置されている。これにより、分光特性可変素子84で反射した像光は、再び四分の一波長板83に入射する。四分の一波長板83は、分光特性可変素子84から入射した円偏光の像光を直線偏光の光に変換し、偏光ビームスプリッタ82に入射させる。この際、像光は、分光特性可変素子84で反射することにより、分光特性可変素子84に入射したときとは逆向きに回転する円偏光になる。従って、分光特性可変素子84から四分の一波長板83に入射した像光は、偏光ビームスプリッタ82から入射した像光に対して90度回転した直線偏光、すなわちS偏光の直線偏光光に変換される。
【0064】
偏光ビームスプリッタ82は、入射したS偏光の像光を偏光分離膜82aで反射させ、CCD85の受光面85aに入射させる。これにより、通常観察モードが設定されている場合には、可視光の像光が受光面85aに入射し、蛍光観察モードが設定されている場合には、励起光以外の波長の光が像光として受光面85aに入射する。CCD85は、受光面85aに入射した像光を撮像し、その像光に応じた撮像信号を出力する。
【0065】
上記のように構成された撮像ユニット80でも、観察対象からの像光に含まれる励起光成分を分光特性可変素子84で除去することができるので、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
上記各実施形態では、内視鏡用撮像光学系である撮像ユニット24、80と観察窓21とを分けて記載したが、これに限ることなく、観察窓21をレンズ状に形成し、撮像ユニット24、80の一部としてもよい。
【0067】
上記各実施形態では、2枚の基板33、34を有する分光特性可変素子31、84を示したが、分光特性可変素子31、84の基板の枚数は、3枚以上でもよい。また、上記各実施形態では、第2基板34を光吸収体として示したが、光吸収体は、これに限ることなく、例えば、分光特性可変素子31、84の後方に配置されるNDフィルタでもよい。
【0068】
上記各実施形態では、撮像素子としてCCD32、85を示したが、これに限ることなく、CMOSイメージセンサなどの周知の撮像素子でよい。上記各実施形態では、励起光指示手段及び蛍光指示手段として各選択ダイヤル51、52を示したが、励起光指示手段及び蛍光指示手段は、これに限定されるものではない。例えば、波長を数値で入力する入力装置などを励起光指示手段及び蛍光指示手段としてもよい。
【0069】
上記各実施形態では、画像処理部47に分光画像生成部55を設け、励起光以外の波長の像光に対応した画像データから、蛍光選択ダイヤル52で指示された蛍光の波長帯域に対応した部分のみを抽出した分光画像を生成して表示するようにしたが、これに限ることなく、励起光以外の波長の像光に対応した画像データをそのまま表示するようにしてもよい。
【0070】
上記各実施形態では、プロセッサ装置12と光源装置14とを有する内視鏡システム2に本発明を適用した例を示したが、これに限ることなく、プロセッサ装置12と光源装置14とが一体になった内視鏡システムに適用してもよい。また、上記各実施形態では、電子内視鏡10から励起光を照射するようにしたが、これに限ることなく、例えば、電子内視鏡10の鉗子チャンネルに挿通して使用される処置具から励起光を照射するようにしてもよい。
【0071】
上記各実施形態では、医療用の内視鏡に本発明を適用した例を示したが、本発明は、これに限ることなく、機器の内部や狭い配管内などを観察する工業用の内視鏡(ファイバスコープ)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0072】
2 内視鏡システム
10 電子内視鏡(内視鏡)
12 プロセッサ装置
14 光源装置
20 挿入部
21 観察窓
22 照明窓
24、80 撮像ユニット(内視鏡用撮像光学系)
25 ライトガイド
30、81 撮像レンズ
31、84 分光特性可変素子
32、85 CCD(撮像素子)
33 第1基板
34 第2基板(光吸収体)
35 アクチュエータ(駆動手段)
46 A/D
47 画像処理部
51 励起光選択ダイヤル(励起光指示手段)
52 蛍光選択ダイヤル(蛍光指示手段)
55 分光画像生成部(分光画像生成手段)
60 照明用光源
61 励起光用光源
82 偏光ビームスプリッタ
83 四分の一波長板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部の先端部分に配置され、前記先端部分に形成された開口を介して入射する観察対象からの像光を撮像する内視鏡用撮像光学系において、
前記像光を結像させる撮像レンズと、
透光性の有る材料によって略平板状に形成され、平行間隔を空けて対向して設けられた複数の基板と、前記各基板の間隔を変化させる駆動手段とで構成されるとともに、前記撮像レンズが結像させた前記像光が入射するように配置され、前記各基板の間隔に応じて前記像光に含まれる特定の波長の光のみを透過させ、その他の波長の光を反射させる分光特性可変素子と、
前記分光特性可変素子が反射させた前記像光を撮像し、その像光に対応した撮像信号を出力する撮像素子とを備えたことを特徴とする内視鏡用撮像光学系。
【請求項2】
前記分光特性可変素子は、前記像光が入射する光入射面が前記撮像レンズの光軸に対して所定の角度傾斜するように配置され、前記撮像レンズから入射した前記像光を前記撮像レンズと異なる方向に向けて反射させることにより、その像光を前記撮像素子に入射させることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用撮像光学系。
【請求項3】
P偏光又はS偏光の直線偏光光の一方を透過させ、他方を反射させる偏光分離膜を有するとともに、前記撮像レンズが結像させた前記像光が前記偏光分離膜に入射するように配置された偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタを透過した直線偏光の前記像光を円偏光に変換し、前記分光特性可変素子に入射させる四分の一波長板とを設け、
前記分光特性可変素子で反射した前記像光が再び前記四分の一波長板に入射するように、前記像光が入射する光入射面を前記四分の一波長板の光軸と略直交させて前記分光特性可変素子を配置し、
前記分光特性可変素子で反射することによって前記分光特性可変素子に入射したときとは逆向きに回転する円偏光になるとともに、前記四分の一波長板に再び入射することによって前記偏光ビームスプリッタから入射したときとは90度回転した直線偏光となることにより、前記四分の一波長板から再び前記偏光ビームスプリッタに入射した際に、前記偏光分離膜で反射する前記像光を撮像するように前記撮像素子を配置したことを特徴とする請求項1記載の内視鏡用撮像光学系。
【請求項4】
前記分光特性可変素子を透過する光を吸収して減光させる光吸収体を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内視鏡用撮像光学系。
【請求項5】
前記分光特性可変素子を透過した光が出射する光出射面を有する前記基板を前記光吸収体にしたことを特徴とする請求項4記載の内視鏡用撮像光学系。
【請求項6】
蛍光物質を励起させるための励起光を観察対象に向けて照射し、これによって前記観察対象から発せられる蛍光を像光として内視鏡で観察する内視鏡システムにおいて、
前記像光を結像させる撮像レンズと、透光性の有る材料によって略平板状に形成され、平行間隔を空けて対向して設けられた複数の基板と、前記各基板の間隔を変化させる駆動手段とで構成されるとともに、前記撮像レンズが結像させた前記像光が入射するように配置され、前記各基板の間隔に応じて前記像光に含まれる特定の波長の光のみを透過させ、その他の波長の光を反射させる分光特性可変素子と、前記分光特性可変素子が反射させた前記像光を撮像し、その像光に対応した撮像信号を出力する撮像素子とからなり、前記内視鏡の挿入部の先端部分に配置され、前記先端部分に形成された開口を介して入射する観察対象からの像光を撮像する内視鏡用撮像光学系と、
前記分光特性可変素子を透過する光の波長が前記励起光の波長となるように前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項7】
前記観察対象から発せられる前記蛍光の波長を指示するための蛍光指示手段と、
前記撮像素子から出力された前記撮像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換器と、
前記画像データに対して分光推定処理を行い、その分光推定処理の結果を基に、前記励起光以外の波長の前記像光に対応した前記画像データから、前記蛍光指示手段で指示された前記蛍光の波長帯域に対応した部分のみを抽出した分光画像を生成する分光画像生成手段とを備えたことを特徴とする請求項6記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記励起光の波長を指示するための励起光指示手段と、
前記励起光指示手段で指示された波長の前記励起光を前記内視鏡に供給する光源とを備え、
前記内視鏡は、前記光源から供給された前記励起光を照射するための照明窓と、前記光源から供給された前記励起光を前記照明窓に案内するライトガイドとを有し、
前記制御手段は、前記励起光指示手段で指示された前記励起光の波長となるように、前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする請求項6又は7記載の内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−177247(P2011−177247A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42739(P2010−42739)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】