説明

再生樹脂成形品、家電装置、空気調和装置、家電装置の製造方法

【課題】 現在、様々な使用済み家電から回収されているプラスチック材は、様々な材質が存在するし、例え材質毎に分類しても廃棄物に付着した不純物の除去による材質の価格増加や色調の調整が難しく、殆どのプラスチック廃材は再利用されずに廃棄もしくは燃料として消費されている。
【解決手段】 このため、再生プラスチックの価格増加を抑えつつ、リサイクルが可能な処理を行ない、この再生素材をプラスチック使用量の多い外観意匠部に用いることにより、再生プラスチックの利用率を高める。またファンのみを分別回収して再生プラスチックを生成し再びファンに用いることを行なう。また利用率を高めるため製品全体に使用した再生プラスチックの使用量や利用率を本体やカタログに表記する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄物が解体、分別されて集まった材料のうち、回収されたプラスチック材料等を有効に再度製品に利用したり、再生する樹脂の利用率等を高める技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2001年4月の家電リサイクル法の施行により、エアコン(空気調和装置)、冷蔵庫、テレビなど大量に排出される廃棄物は、リサイクルセンターに集まり、リサイクルセンターでは、廃棄物を手解体による解体作業・分別作業や破砕機による製品の破砕、さらに選別機により、鉄、銅、アルミ、やプラスチック等の材質の選別を行なう。鉄、銅、アルミを再利用する場合は、高熱処理により溶解するため、廃棄物に付着した異物、不純物、汚れ等の影響は少なく再利用が容易であり、有価物として再利用されている。しかしプラスチックは、様々なプラスチック材料や色調があり、ごく一部のリサイクルし易いものだけが再度原料に利用され残りはダストと共に埋立され、或いは、燃料として1回だけの利用に供されている。
【0003】
このようなプラスチックに対し、リサイクルが簡単に行なわれるように、プラスチック部品の表面にその部品の構成材料やグレードを示す文字などを形成させる提案が特許文献1に、またプラスチック成形品の色調や再生した場合の使用回数や期限などを表示する提案が特許文献2に、またリサイクルを行なうにあたり、リサイクル樹脂材料に対して、バージン樹脂材料をどの程度添加するかの表示を特許文献3に開示されている。さらに同一材料からなる合成樹脂組立品に、この組立品を分解しないで良いとする表示や記号や特定の文字で表す提案が、あるいは有価品や破砕不具合品などの解体種別や解体手順を記憶させることの提案などが特許文献4、5などに示されている。又塗膜が付着した塗装成形品に対しリサイクルを可能にする技術が特許文献6に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平2000−233408号号公報(0014欄、図5他)
【特許文献2】特開2002−225030号公報(図3他)
【特許文献3】特開2000−153524号公報(0015欄他)
【特許文献4】特開平2000−267609号号公報(請求項1他)
【特許文献5】特開平2002−177434号(図1他)
【特許文献6】特許第3289914号(請求項1他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
家電リサイクル法の適用は当初エアコン(空気調和装置)、冷蔵庫、テレビなどの大型家電製品を対象としたが小物家電製品やパソコンなどのOA機器、あるいは自動車他に広がりつつある。この様にリサイクルが軌道に乗るにつれ大量に排出される廃棄物の内、プラスチックを単に埋め立てしたり燃料に使用するのではなく回収して再利用するという回収率が問題視される様になってきている。しかしプラスチックは、製品種類の増加に対応して様々なプラスチック材料が用いられ、且つ、色調も各種使用されており、これらのものを再生した製品を使用できるように塵処理やエネルギー問題を解決する環境保護技術対策の確立が急務となってきている。
【0006】
しかしながら、廃棄物から回収される例えば使用済み家電品の材質表示によって分類されるプラスチックの物性範囲は非常に幅広く、この分類によってプラスチック部品を分別・回収使用としても多くの種類が存在し処理が複雑となりすぎるという問題がある。また、成形品を再使用するためプラスチック材料(以下「再生プラスチック」という)に戻した場合、回収・再生単位(以下「ロット」という)の間で、物性値にバラツキが生じてしまう。また、ばらつきを修正するために、物性値を調整しようとすれば、検査費用や調整費用が必要となる。様々な使用済み家電などから回収した部品には付着した異物、不純物、汚れ等によりもバラツキがあり、再利用を行なえるものか選別を行ない、更には十分に洗浄処理を行なう等多くの費用が必要となり、再生プラスチックの価格が新規のプラスチック(以下「バージンプラスチック」という)よりも高くなってしまうという問題点がある。
【0007】
またプラスチックの場合多くの種類がさまざまな用途別に開発され絶縁性能、機械強度性能、色調など目的ごとに特性も異なる。しかも開発競争の激化により、すぐれた特性のものがより安く製造されるようになってきている。このため、廃却品から再生した素材を再度利用しようとしてもまったく同じ材料が得られるとは限らない。したがって製造する際にどのような材料を使用しているかの表示は有効であっても、回収した材料に何をどのくらい混ぜたら元の材料特性を維持できることを表示したとしても例えば10年後のリサイクル時にその表示が妥当かどうか検証が必要になるという問題が残る。また回収したプラスチックには様々な色調のプラスチックが混在しているため、再生しても自由な色調のプラスチック部品が得られないため、再生プラスチックの利用箇所が限定されてしまう。これらの理由により、ごく一部のリサイクルしやすいものだけに再利用するにとどまっており、再生プラスチックの適用範囲が広がらないという問題が生じている。又このようなプラスチック再生とともに金属部品などの再使用も有効であるが再使用のシステムが存在しないためリサイクルといえば材料に戻す考えにより再生エネルギーを必要とする問題点がある。
【0008】
この発明は、廃棄物から回収されたプラスチック材料を再生させ、これを有効に生かす製品及び製造方法を得ることを目的とする。更に本発明は廃棄物から回収されたプラスチック等の部品を再度製品に再利用する利用率を高め製品に使用されるプラスチック再生成型品等の重量をいつでも誰でも把握できるようにし、地球環境保護を推進する技術を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の再生樹脂成形品は、使用済み製品を分解もしくは解体し回収したプラスチック部材を溶融して再生する再生素材と、再生素材を成形して得られたリサイクル樹脂材料を意匠部品もしくは外観部品として使用する樹脂成型品と、樹脂成形品に前記回収したプラスチック部材と相溶するもしくは回収したプラスチック部材と似た構造を有する熱可塑性樹脂で成型品に塗装を行い再生可能に製品に組み込む再生部品と、を備え、再生素材に添加剤を加えずに再生部品とするものである。
【0010】
本発明の家電装置は、使用済み製品を分解もしくは解体し回収したプラスチック部材を溶融して再生する再生素材と、再生素材を成形して製品に組み込む再生部品と、を備え、再生部品は使用済み製品と同じ部品であって繊維物質が混入されたプラスチック部材を成型したものである。
【0011】
本発明の家電装置の製造方法は、回収した繊維物質が混入されたプラスチックファンを圧縮し、粗く砕いた砕片から異材料を除去する異物除去ステップと、砕片を溶融し新たなプラスチックファンを成型する成形ステップと、成形されたプラスチックファンを家電装置に組立てるステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明はリサイクルにより再生された成型品にそのプラスチック素材と合う塗装材料を使用して、或いは同じ使用個所の同じような材料を集めて再使用することで、繰り返しを可能にし且つ使用できる範囲を増やすことが出来るものである。また本発明は製品の再生品やあるいは再使用品の重量を何時でも誰でも把握できるようにして、再生プラスチック等の技術開発競争及び利用率の改善競争を全体で加速し地球環境対策を有効とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施例として空気調和機の構造とリサイクル処理を図1乃至図8により詳細に説明する。まずルームエアコン室外機の構成とリサイクル処理を例に説明する。図1は室外機の構成の概要を示す図である。また、図2、図6にこの室外機の分解構造及び各部品名称を示す。図1、図2に示すように105は圧縮機であり、その上方に設けられマイコンなどを搭載した室外制御基板126、リアクタ118、コンデンサ119、120等を収納した室外電気品ボックスがある。室外機内部にはモーター117により回転駆動される送風機116が配置されている。又室外機は鉄からなるフロントカバー102、ベース103、バックパネル109、トップパネル114で外囲いを形成され、且つ各パネルはネジ、締め付け具、弾性固定具などで組み立てられており、工具を使用し手で分解できる。更にこの各パネルにプラスチックである例えばポリプロピレンで材料を統一したファンの回転を保護するファンカバー101、据付時やサービス時に簡単にずらし取り外して室外機内部の点検や冷媒回路の修理などを行うサービスパネル108、室外熱交換器115を保持しまた保護するコンデンサネット112が取り付けられている。
【0014】
図6に具体的な部品名称と主な構成材料を示す。室外機の内部には鉄と銅を主体とする圧縮機105、銅を主体とするパイプ組立110、銅合金を主体とストップバルブ106、107、四方弁111、鉄製のモーター送風機を支持するモータサポート113、機械室と通風室との間を仕切るセパレータ104、更に銅とアルミで構成された熱交換器115等有価物である金属が製品の本体重量の主体として構成されている。一方プラスチック材料を構成材料として使用している大物として、ファンカバー101、サービスパネル108、コンデンサネット112がポリプロピレンPPを主体に成型品とされている。また室外側ファン116は回転させるため強度を高められるスチレン・アクリルニトリルAS二繊維物質であるガラスが混入されて成型されている。購入品である制御基板126は紙フェノールが主体であり、端子台125は難燃ABS、なお部品として購入して使用される計測素子や電気品など、例えば図6に示すリード線122、サーミスタ123,127などは絶縁物としてポリオレフィン系樹脂が使用されている。リサイクル時点では一部有害物を含んだり有価物として別途分解され処理されることが多い電気品素子類、例えばコンデンサ119,120、ヒューズ124、ダイオード素子128なども含まれている。
【0015】
上記構成材料は一例であって、安価で取り扱いやすい材料に変更したり、強度や難燃性等の目的に応じて進化した材料に変更されていく。例えばプラスチックに混入されてともに成型される繊維状物質は目的に応じガラス繊維、炭素繊維など多くの種類のものが採用されてきている。また従来塩化ビニールが使用されていたリード線の絶縁は環境保護対策としてポリオレフィン、すなわちポリプロピレン、ポリエチレンなどの塩素を含まない材料にとって替わられている。熱交換器は新構造のものが使用されたり、圧縮機などはその構造に応じ、或いは内部のモータの種類に応じ各種材料が混在しており別途解体されることが多い。或いは、目的に応じた新しい部品などが採用されることもあり室外機の内部構造は毎年変更されている。
【0016】
次に室内機の構成を示す図を図3、4に、さらに詳細な各部品の名称と構成材料を図5に示す。室内機の外囲い部分はボックス1、前面パネル2、ネジなどを覆うネジキャップ3、吸い込みグリル4、コーナー部を覆うコーナボックス6、エアフィルター7、ベーン12、13等のプラスチックにより形成される。据付板5は鉄製である。さらに外囲い部分の内部には、図4のように主にプラスチック材料より形成される、室内機から空気を吹出す吹出し口であるノズル11、モーターを固定するモータバンド17、モータカバー16、基板カバー23、端子台ホルダー22、また、電気品部品としてべーンモータ26、ファンモータ15、電源コード18、室内制御基板21、さらに、銅とアルミで構成された熱交換器8、主に鉄で形成される電気品ボックス24、電気品カバー20で構成されている。プラスチック材料として図6の室外機と異なる材料も多く使用されている。室内機では室内に置かれ意匠面が重要であること、耐熱性などから、ポリスチレンがボックス1、前面パネル2、左右ベーン14などに多く使用され、またアクリルニトリル、ブタジェン、スチレンABSがノズル11、モーターカバー16などに使用される。また説明を省略した構造や材料などは室外機と同様であり、更に日々進歩していることは室内機も室外機と同様である。
【0017】
次に図7、図8にリサイクルセンターなどの廃棄物処理施設での処理方法の概要をしめす。家電品が一般家庭などで使用された後、廃棄されるときST01、廃棄品が先ず市役所などの公的機関、廃却品を扱う専門の業者、家電品販売店、製品製造者などにより収集される。特定の個所などに集められた廃却品はリサイクルセンターに搬入されるST02。リサイクルセンターではリサイクル品として持ち込まれた使用済み家電である、例えば空調装置などの電化製品にあらかじめ手で直接あるいは工具を用いて分解及び分別しST03、プラスチックかどうかを判断するST04。この後、手では分解しにくい部品に関しては、選別が容易かを判断し、破砕機と分別機を用いて材料の分別を行なう。
【0018】
例えば室外機の場合、室外機の圧縮機105内野配管部分など冷媒サイクル内部に封入されている冷媒を回収したあと、サービスパネル108、トップパネル114、フロントカバー102、バックパネル109、等の外観部品を工具を使用し手で分解する。更に電気品等の電気部品を取外し、ファン116、モータサポート113、パイプ組立て110、四方弁111、圧縮機105、セパレータ104、熱交換器115等分解容易な構造部品を随時手で取外し作業を行う。
【0019】
また、取外した部品の中で、銅とアルミで構成された熱交換器の様に手で解体しにくい部品に関しては、手解体終了後、破砕機及び分別機を用いて、銅とアルミの分別作業を行なうST13。この後再生と廃棄に区分けして処理するST14。また、手解体段階で取り出したプラスチック部品は、予め部品に設けたプラスチック材料の表示を基に、容易に分別することが可能なプラスチック材料を選別するST05。また、特定のプラスチックであることが分かる場合、例えば端子台やファンなどのように部品毎、或いは部品の表示に基づいてこのプラスチックの種類だけを集めておく。例えばエアコンのファンにおいては強度を保つためプラスチックにガラス繊維等を混入しているケースがあるため、取り出したファンは他の部品と分けて保管するST06。収集されたプラスチックは破砕しST07、洗浄してST08、再生プラスチックを生成しST09、再び成型品、例えば空気調和装置の外郭部品に形成しST10、この成型品の表面を塗装してST11製品本体の部品として組み立てるST12。このように廃棄された使用済みの古い装置の材料が新しい製品の一部に生まれ変わることが出来、資源を有効に活用でき環境保護対策として非常に優れた技術が得られることになる。
【0020】
また室内機の場合、据付板5、前面パネル4やエアフィルター7、コーナボックス6、ファン9、や電気品ボックス24及びファンモータ15などは、手解体で分別し、その他は破砕機及び分別機により、鉄、銅、アルミ、プラスチック部品、ダスト等を分別する。尚、プラスチック部品である、吸い込みグリル4に関しては、外観意匠部であるため、プラスチックに塗装をおこなっている場合が多い、通常塗装を行なったプラスチック材はリサイクル工程で不純物になり、リサイクルが不可能であるため、リサイクルが可能である表示を行なっている場合を除き、廃却処理を行なう。その他、手解体段階で取り出したプラスチック部品は、予め部品に設けたプラスチック材料の表示を基に、プラスチック材料を選別し収集する。また、特定プラスチックが分かる場合、例えばファンにおいては強度を保つためプラスチックにガラス繊維等を混入しているケースがあるため、取り出したファンは他の部品と分けて保管する。その他、容易にプラスチック部品を選別できないものは集められST15、廃棄するかあるいは燃料として使用するST16。
【0021】
本発明の特定のプラスチックを収集するという考えは、使用済み家電品を回収し、家電リサイクル工場により分解・解体処理を行なったプラスチック部品の中で、予め定めた機器の、予め定めたプラスチック部品を分別回収することにより、汚れ状態や物性特性がほぼ均一したプラスチック材料にて再生することにより洗浄工程の簡素化を図り、再生プラスチックの価格を抑え、また物性特性が安定することで、バージンプラスチックを混合させずに、再生プラスチックのみで、部品を再生することも可能とすることで、再生プラスチックの利用率をさらに高めることである。この例として例えばエアコンのファンや冷蔵庫の野菜ケースなどがある。或いは難燃剤を使用した部品、ABSと表記された部品を集めても良い。図8、図17によりこの特定プラスチックの収集以降のリサイクル処理内容を説明する。
【0022】
図17に示すように室内機のファン9は軸流ファンが一般的である。ファンの両端にはファンを回転させるために必要な金属シャフト41が、防振ゴム43とともにインサート成形されている。金属シャフト41や防振ゴム43は、ファンをリサイクルする上でプラスチックではない異物となり、その混入はリサイクル材の品質低下につながる。よって、ファン回収時ST21、該当部位を除去する必要があるが、ファン端部は円盤状のプレート形状をしており、ファン本体とは複数本の細いブレードでつながれているだけである。よって、端部のプレートとブレードの連結部をハンマー等で叩くと、連結部が破壊でき、容易に金属、防振ゴムを含んだ部位が分離できる。また、叩き割って分離することを明示する記号や、叩き割る位置を示す記号がファンに記されていると回収作業がしやすくなる。
【0023】
このように回収したファンを先ず破砕するST22というリサイクル工程へまわすが、ファンの本体部分には場合によっては、ファンの偏芯を補正するためのバランスピース42が備え付けられている。バランスピースは通常金属であるため、そのままリサイクル工程へまわすとリサイクル材の品質低下やリサイクル材押出し工程のスクリュー破損などの原因となる。よって、これも事前に除去する必要があるが、リサイクル材をペレット化する押出機の原料投入口等、或いはリサイクル工程の破砕装置の主要個所に金属異物除去のための磁石を備え付けることにより、少量の金属異物は除去可能である。この磁石による除去を可能にするためにも磁性を有する材料をバランスピースに用いることが必要となる。
【0024】
一方、使用済み家電品から回収したファンに付着する異物は、エアコン製造時よりファンに接合した異材料ばかりでなく、エアコン使用中にファン表面へ付着するホコリなども含まれる。これらの使用中に付着する異物は、ファン表面に一様に付着していることもあり、洗浄により除去することが効果的であるST23。ファン形状そのままでは、ファン内面側の洗浄がしにくくなるので、ある程度の大きさにファンを粉砕することが望ましい。しかしながら、あまり細かく粉砕すると洗浄工程における物理的な剥離作用が期待できなくなるため、数cm〜20cm程度の大きさに粉砕を留めることが望ましいST22。
【0025】
以上の様に、選別された、鉄、銅、アルミ等の金属は、鉄鋼メーカ等に有償または無償で引渡し、各材料を溶解して再生し、空気調和装置や其の他機器・装置等で再利用される。プラスチック部品に関しては、現在、自動車、家庭用品、家電品等に使用されているプラスチックは、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)などがその特長に応じて使用されており、現状のリサイクル工程では、様々な材質が混在されるため、材質表示を行なっており同一材質のもので容易に分別可能なプラスチック部品は分別収集する。このとき、プラスチックの色が多数混在してもよく、同一材質のものであれば、可能な限り分別収集を図る。
【0026】
また、ファン等のように強度を保つためプラスチックにガラス繊維等を混入しているケースがあるため、取り出した特定プラスチック、例えばファンは他の部品と分けて保管する。空気調和装置の中でファンは比較的プラスチック使用量が多い部品であるが、ファンは熱による変形や、回転による強度を確保するため、ガラス繊維等充填剤を混入した樹脂を用いることが多いため、プラスチック物性がその他のプラスチック部品と異なることが多い。このため、今までは再生プラスチックとして使用せずに廃却されていた。この問題を解決するために、家電リサイクル工場等で、空気調和装置の解体作業中に、物性特性や汚れ状態がほぼ均一であり、また解体処理において形状などから識別しやすく分別が容易なファンのみを分別・収集し、ここで得られたプラスチック材料を異物除去行なったのち再生し、再度ファン部品に成形し、製品のファン部品として使用する事で、再生プラスチックの利用率を向上することができる。
【0027】
回収したプラスチック製品から再生素材を得るため、回収したプラスチック材料は粉砕し、粉砕物を風力を用いた軽量異物の除去による異物の選別、浮沈層の液または水を使用して比重の差による異物の選別、遠心脱水装置を用いた異物の選別の順に粉砕物の異物を除去し、異物除去を行なった粉砕プラスチックに酸化防止剤を含む添加剤をバージン材の添加量と同程度になる様に加えて再生プラスチックを生成する。また、以上の洗浄工程は、プラスチック材の特性がバージン材の特性と同等近くになり、品質に問題ない範疇に留め、意匠性を高めるまで洗浄工程を行なわなくてもよく、再生プラスチックのコストを極力抑えた状態で、再生プラスチック材料を抽出する。なお添加剤を加える処理が一般的であるが、ファンのように材質特性、使用条件に違いが少ない特定プラスチックを集めた場合はこの添加材を加えなくともバージン材をあらかじめ決められた分追加することにより十分な性能の再生素材が得られる。この段階での再生プラスチックにおいては、材質の統一化がはかれているため、バージンプラスチックと物性特性は近いが、回収したプラスチックには様々な色調のプラスチックが混在しているため、再生しても自由な色調のプラスチック部品が得られないとともに、若干異物が混入し意匠的に濁点等が発生する場合がある。これに対し図7で説明したリサイクル塗装ST10を行えばよい。
【0028】
なお、本実施例では、空気調和装置を解体・分解・分別する例を示しているが、他の使用済み家電品や自動車部品、家庭用品などより回収し得られたプラスチック材料を用いてもよい。
【0029】
次に本発明の再生樹脂をより多く利用するための技術について説明する。回収して得られた再生プラスチックをより多く利用を図るため、プラスチック使用量が多い箇所であり、使用時に汚れ易い箇所である、室内機の外観意匠部である、吸込みグリル、前面パネル、ベーンに用いて回収プラスチックからの再生素材を使用して成形を行なう。これらの部品は、空気調和装置の風路を構成している部品であるため、他の家電機器等の回収プラスチック部品の中でも汚れ易い部品で新しく製品にしたときの新部品に濁点などが残り解消するわけには行かないが、室内機は壁据付に使用する形態が主流であり、上のほうに据付けられ、更には一部しか除き見ることが出来ない部分などが多く外部から微小な汚れ等は識別しにくいため、再生プラスチックのコストを抑えて利用するのに適している。
【0030】
以上のように、使用済み家電を家電リサイクル工場により分解および解体し、回収したプラスチック材料を異物除去を行なったのち、得られたリサイクル樹脂材料に用いて成形されたプラスチック部品にリサイクルが可能な熱可塑性塗料をもちいて塗装を行なう。この塗装をした再生プラスチックを、家電製品のなかでも使用することで汚れ易い部品である、空気調和装置の風路にあたる外観部品に使用することで、再生プラスチックに発生しやすい、色調のバラツキや異物混入により生じる濁点等の課題を対策し、更に空気調和装置の中でプラスチック部品の使用量が多い室内機の外殻部品に用いることにより、再生プラスチックの利用率を高められる。さらにリサイクル樹脂材料にリサイクルが可能な、熱可塑性塗料を用いて塗装を行うことで、次回廃棄されたときに、再生樹脂を再度リサイクル化が可能とし、バージン樹脂の利用率をさらに抑制し、環境負荷低減に貢献することである。
【0031】
このようなリサイクルが可能な塗装材として熱可塑性の塗装材があるが、この塗装材を用いて、外観意匠部の塗装を行なう。これにより、これまで色調にバラツキが生じたり、異物が混入して外観部品には使用できなかった再生プラスチック材をより多く利用することが可能になる。また、リサイクル可能な塗装を行なっているため、製品が再度廃棄物になった場合でも、再度リサイクルが可能になる。さらに、リサイクルが可能であることを示す表示、材質表示、再生プラスチックを使用していることを示す表示等を行う事で、さらに廃棄されたときに有効な情報を与える。
【0032】
塗料としてウレタン系のような熱硬化性樹脂を使用すると硬化した塗料は再加熱しても溶融せずに再生素材中、すなわちペレット中に物理的に分散するだけで強度低下などを引き起こす異物として残るため、プラスチック用の塗料として熱可塑性塗料であるアクリル系が望ましい。廃棄物をリサイクル処理するときは、リサイクル可能な熱可塑性塗料を塗装してある回収プラスチック成型品を粉砕し、溶融してリペレット化する。この素材を樹脂成型材として樹脂成型品を成型する。成型後リサイクル可能な塗料で塗装する製品とすることで再び同じパターンのリサイクルが可能になり再使用率を上げることが出来る。熱可塑性塗料であってもリサイクル処理における溶融時に素材と塗料が良く交じり合うため、例えば素材がポリスチレン樹脂であれば塗料にはポリスチレン樹脂と似た構造を付与する。すなわちアクリル系樹脂にスチレン基を付与したスチレン変性アクリル樹脂を用いる。
【0033】
なお再生素材から成型した成型品に塗装する場合、濃い色の再生プラスチックに淡い色の塗装をする場合などは、塗装を厚くする、或いは再生プラスチックに顔料を混ぜて一旦白っぽくするなどの配慮を要する。また再生プラスチックがポリプロピレン樹脂などの結晶性樹脂の場合はプライマー処理などの前処理を行う。このような塗装をする部品としては室内機の風向ベーンのような一部が外部から見ることが出来る部品や正面の外観部である吸い込みグリル、扉、カバーなどを開くことにより外部から見ることが出来る冷蔵庫内部部品等多くの使用が可能になる。
【0034】
図9に冷蔵庫の内部に設けてあるバージン材であった野菜ケースからエアコン室外機のサービスパネル108へ再利用した場合のフローを示す。先ずポリプロピレンPPであるST30を成型してST31野菜ケースを製造しST32そのまま冷蔵庫に組み込み使用しST33、使用後廃却時に回収するST34。回収されたプラスチック成型品である野菜ケースST35を粉砕しST36、洗浄してST37、溶融混練リペレット化ST38により再生素材とする。これをリサイクル材ST39として成型しST40、更にリサイクル塗装を行ってST41、エアコンサービスパネルとするST42。この完成した成型品をエアコンに組み立てることにより新製品の一部に再使用した材料が使用されることになる。しかも本発明のリサイクル塗装により、エアコン使用後の廃却時にこのエアコンサービスパネルを野菜ケースの変わりに回収しST35て粉砕ST36することで再びエアコンサービスパネルST42とするリサイクル処理が循環することになり、有限の材料を生かしきることが出来る。
【0035】
次にエアコン室内機から回収したファンを再びエアコン室内機へ循環させるフローを図10に示す。エアコンの室内機ファン9はスチレン・アクリルニトリルにガラス繊維を混ぜたものST50を成型しST51、部品ST52としてエアコンに組み立てられているST53。使用済みエアコンを回収しST54、この回収された成型品ST55を粗く粉砕しST56、洗浄しST57、その後で再度微粉砕を行いST58、金属を除去しST59、溶融混練リペレット化するST60。これをリサイクル材ST61としてバージン材ST50を混合ST62して成型ST51することで再びファンとしての成型品ST52が得られる。このように廃却され使用済みエアコンが回収されたときに室内機ファンもプラスチック成型部品として回収され再使用される。この場合、前記再生プラスチックの物性値が、バージンプラスチックの特性に近づけることができない場合は、再生プラスチック材を生成する時やプラスチック部品を成形する時に、バージンプラスチックとの混合を行う事で、パージン材の物性に近い再生プラスチックを生成してもよい。尚、予め定めた機器の予め定めた部品のプラスチックを収集することにより、プラスチック材質の統一化が図れ、再生プラスチックの特性をバージン材の特性に近づけることが可能になり、バージンプラスチックを混合しなくても、製品に使用することが可能である。なお図10のフローにおいて粉砕された破片表面の付着物除去効果を高めるため一旦粗く砕いた後洗浄し、その後再度細かく、例えば数mm程度の寸法に粉砕する。これ以上細かくすると粉体になり静電気付着などによる取り扱いのしにくさや作業環境上望ましくない。なおファンに混入する繊維状の長さは数百ミクロン程度であり粉砕時の影響はほとんど強度に関係しない。但しリペレット工程で押し出し機を通す際のスクリュウで繊維がおれる可能性があり溶融し混練した材料をそのまま成形する工程がより品質を安定させる。
【0036】
このようにリサイクルセンターにて個別に分別されたファンは、分別されたファン材料を用いて再生処理を行なう。製造業者は違っても回収されるエアコンに使用されているファンのプラスチック材料は、強度や熱膨張特性を改善するためにガラス繊維等を混入しており、更にファンの材料の種類も類似もしくはほぼ同じようなものが使用されている。したがって廃却エアコンの製造業者にかかわらず回収ファン成型品を収集すれば再使用可能である。分別され収集されたファンにより再生処理を行なえば、バージン材の物性特性に比較的近い特性が得られる。そこで、再生プラスチックのバラツキ特性を踏まえ、再生プラスチック材とバージン材との混合比をあらかじめ選定しておくことでファン再生の標準化が出来る。回収品の調査結果によると、再生前の洗浄工程における洗浄度にもよるが、安全率を考慮して、再生材を20〜60%の範囲で使用することで良く、このような再使用により、これまで廃棄されていたファンの利用率を高めることができる。さらに、次回の廃棄時を考慮して、再生材を使用していることの表示等を行う事で、次回の廃棄処理に有効な情報を与える配慮も行うとさらに効果的である。
【0037】
次に図11乃至図14により今まで説明してきたプラスチック成型品再使用を促進する表記などの例を説明する。図11、図12は製品本体、例えば室内機に表記する再生プラスチック使用量を示すマークの例である。図11(a)(b)はプラスチック成形品に表記するマークであって、図11(a)はこの部品が再生プラスチックPSを使用し10gの重量であること、更に繰返しリサイクルすることが可能であることを示している。図11(b)はこの部品が部品重量の10%に再生プラスチックPSを使用していること、更に繰返しリサイクルすることが可能であることを示している。この様に製品全体で再生プラスチックを使用している全部の部品にこのような表記をしても良いし、あるいは回収が容易で重量の大きな主要部品にこの表示を行ない、製品カタログや取扱説明書あるいは製品本体に取りつけたタグのような電子情報記憶装置に製品全体の部品名、材質、再生プラスチックを使用しているかどうかとその重量などその製品の廃却時に役立てるデータを記載したり記憶させてても良い。その製品に再生プラスチックを利用したことを示す表示を部品に表記するだけでなく、さらに詳細を記載する場合は、各部品で使用している再生プラスチックの重量や再生プラスチックとバージン材の混合比などを示す表示を行なうことも可能である。
【0038】
図12(a)(b)(c)(d)(e)は上記で説明した部品に取り付けるものではなく、製品本体にその製品が再生プラスチックを使用していることを直接マークで表記させることを示す図である。製品本体とは空気調和装置であればその室内機、室外機を別々に表示させると見易く、且つ、廃却時に便利である。名板そのものあるいは名板と同じ位置に表記させても良いし、カバーや扉を開けると目に付く位置に取り付けても良い。図12(a)はこの表記がある製品には再生プラスチックを重量で100g使用していることを示している。図12(b)は製品における再生プラスチックの使用率を示すマークで、本製品にはプラスチック部品を1000g使用しており、その内再生プラスチックを300g使用していることを説明している。この様に例えば再生PL使用率30%との表記により環境保護対策への成果が目に見えるものとなる。一方直接パーセンテージで示さずに成果を環境保護活動の目安となるランク付けて表示することも可能である。図12(c)は30%以上あるので最も良いランクであることをAAA記号で示している。プラスチック部品は製品解体時に直接解体困難な構造である場合、あるいはリード線絶縁の様に購入部品と一体で解体できない場合、あまりに小さな部品で解体の経済性がはなはだ悪い場合など多くの問題が残りその製品毎にこのパーセントとランク記号の関係は異なるものとなることが考えられる。図12(d)は製品にプラスチック部品1000g使用しており、その中で再生プラスチックを100g使用しているので再使用率10−30%の目安であるランク記号AAにて表示している。図12(e)は製品に表記するマークの一例であって、この製品が環境対策としてどの程度貢献しているかの目安を表記しているマーク記号であって、再生プラスチック利用の目安であるAAA記号だけでなく、省エネランク記号とその成果を示す数値、有害物質が少ないというような貢献を表す記号とその内容等、環境負荷低減活動のレベルを表記している。
【0039】
なお図11と同様に直接マークを刻印いるものではなく、製品カタログや取扱説明書あるいは製品本体に取りつけたタグのような電子情報記憶装置もしくはインターネットを介して読み出し可能にデータベースに登録させることにより製品本体の材料再使用状態を開示することも出来る。図11、図12の様に製品本体や組み込まれた部品にマークとして刻印したり、あるいは本体に取りつけた名板として表記させたり、あるいは取りつけられた名板状のICカードなどのような電子情報記憶装置に記憶させたり、あるいは本体にはインターネットでアクセスするための情報だけを添付させてデータベースに登録させるなど製品の再使用部品、再生材料の使用時様態など材料情報を公開する情報開示手段を設けることで環境対策を推進できる。製品全体の再生プラスチック使用量や環境対策の推進に役立つ種類の項目、例えばプラスチック以外の金属などの再生使用量あるいはそのまま流用した再使用量、エネルギー使用量、有害物質の使用の程度、等具体的な材料データや省エネルギーに関するデータを記載したり記憶させて公表し環境に及ぼす製品情報の透明化を図り世の中の環境対策に役立てることも可能である。
【0040】
即ち本発明は、回収されたプラスチック部品より得られた再生プラスチック材料より成形された部品を用いた空気調和装置等の家電装置や自動車などにおいて、再生プラスチックを用いた部品の一部もしくは主要部品毎に、再生プラスチック材料を用いたことの表示を行ない、製品全体の再生プラスチック使用量の総重量の目安、もしくはプラスチック部品の総重量に占めるリサイクル樹脂材料の割合の目安を本体に表記、もしくはカタログ、取り扱い説明書等の印刷物に記載、もしくは本体に取り付けられるタグ等の電子データ記憶装置に記憶、もしくはデータベースに登録させることにより、製品の環境に及ぼす情報、例えば使用した再生プラスチック材料の総重量、若しくは使用量の割合等を、第3者、即ち使用者であろうと、他の製造者であろうと、公共機関であろうと誰でもがその確認を行なう事を可能とすることで、製品環境情報、即ち再生プラスチックの利用率等に関する、空気調和装置等家電装置、あるいは自動車などの製造業者間の公正・公平な競争が可能となり、各製造業者間の競争を踏まえて、再生プラスチック利用率等の環境改善活動を製造業者全体で加速することを可能とする。なお、本発明では再生プラスチックの使用量、あるいは使用率を材料再利用における指針として取り上げたが、例えば金属などを再生して使用する簡単なものは既に相当実行されており、これに比べプラスチックはどのような製品にも簡単に使用できる素材ではあるが、その種類が多く日々進歩しており、更にその材料を再生する条件も各種各様で困難性が大きいものは、放棄されれば環境への影響が大きいにもかかわらず放棄されたり塵として燃やされており、本発明はこのための対策として製品の環境改善活動情報の透明化を行うシステムを開発したものであり環境保護に役に立ち、燃やすなどの資源の無駄を排除するものである。もちろん、これ以外の材料に対してもマークによる表示や数値の記載、記憶なども環境対策として有効なことは言うまでもない。
【0041】
以上の様に、再生プラスチックを製品に再利用すれば、再生プラスチックの利用率を大幅に高める事が可能となる。この様な再生プラスチックの利用率の改善が、製品購入者が購入時の製品選定のための情報として活用できるために、図12にて説明した様に、製品全体で使用した再生プラスチック総重量または、製品全体の重量に占める、再生プラスチック部品の総重量の割合、または製品で使用したプラスチック部品の総重量に占める、使用した再生プラスチックの総重量の割合、などを示す表示を、本体またはカタログ等の第三者が確認可能な印刷物、あるいは読み出し可能な電子データとして製品に取りつけ、あるいはデータベースにして公表するなど製品環境情報の透明化を図る。この製品全体の再生プラスチックの重量や利用率等の表示の裏付けを使用者、他社、第3機関等誰でも簡単に確認が出来る様に、再生プラスチックを利用した部品の全てまたは主要部品に、図11の如く表示すると良い。
【0042】
この様なデータを表示や記載あるいは記憶させることを行なう事で、使用者、他社、第3機関等誰でもが製品全体の再生プラスチックの利用率に関する妥当性検証評価を行なう事が可能となる。例えば、図11および図12に示す様に表示してある場合、他社または検査を行なう第三機関等は、製品を解体して、再生プラスチックを使用していることを示す表示を元に、表示された全ての部品を収集する。次に、各部品の中で、再生プラスチックとバージン材の混合比を記載されている場合は、部品毎の重量を測り、混合比より、各部品に使用している再生プラスチックの量を算出する。同様に再生プラスチックを利用した部品毎に、再生プラスチックの重量を求め、製品全体に使用している再生プラスチックの総重量を確認する。この様にして検査した再生プラスチックの総重量が、本体に記載された再生プラスチックの総重量と妥当性があるか、容易に検証することが可能になる。また、各部品毎に設ける再生プラスチックであることを示す表示は、全ての部品に表示する必要はなく、主要部品のみの表示のみでも、第三機関等は一定の検証評価が可能である。
【0043】
以上の様に再生プラスチックを使用している各部品毎に表示および、製品全体の再生プラスチックの利用率を表記することで、他社や第三機関等により再生プラスチックの利用率に関して検証評価が可能となることで、各製造業社間で再生プラスチックの利用率の競争が公正で公平な運用が図れ、ますます再生プラスチックの利用率の改善活動を加速することができるとともに、製品購入者が購入時の製品選定のための環境改善活動情報としても活用できる。さらに、製品購入者に購入時の製品選定のための情報を判り易く伝えるために、再生プラスチック利用率に応じて、既に説明してきた様に使用ランクが明確なランク記号などによる表示もしくは、ラベル等を貼付することを行なえばさらに、再生プラスチックの利用率の改善活動を加速することができる。また、省エネによる環境配慮や、有害物質等の不使用等の環境配慮に寄与する項目を含め、製品全体の環境負荷低減を示すラベル等の表記により製品購入者に情報提供をおこなうことを行なえば、再生プラスチック利用率改善の加速のみだけでなく、環境負荷低減に関する項目の環境改善活動情報全体の取り組みを加速する事ができる。
【0044】
図13、図14に再生プラスチック利用率改善を例として環境負荷低減に関する環境改善活動情報全体に関する製品への表示板の表記についての一例を説明する。図13は室内機の主として内部構造部品に関する再生プラスチックを使用している部品毎の再生プラスチック少量を示す表示例で、図14Aは室内ユニットの外観部に表記され室内機と室外機に使用されている再生プラスチックの総重量表記を示す図である。図14Bは室外ユニットにおける部品毎の再生プラスチックの表記を説明する図である。部品毎の表記201−207はその部品材料が繰返し使用できることを示す3角形マークと、その部品が再生プラスチックであることの表示と、その部品の重量が記載されている。又製品全体の再生プラスチックの重量を示す表記200は使用している再生プラスチックが更にその材料を繰返し使用できることを示す3角形マークと、その再生プラスチックの総計の重量が記載されている。
【0045】
以上のように、使用済み家電を廃棄物処理業者などから解体・収集し、ここで得られたプラスチック材料を回収し、ここで得られた再生プラスチックを用いて、プラスチック部品に成形し、この再生プラスチック部品を用いた合成樹脂を有する製品に対し、製品全体で使用した再生プラスチックの総重量の目安、もしくは、製品総重量に占める製品全体で使用した再生プラスチックとの割合の目安、または製品全体のプラスチック部品の総重量に占める、製品全体で使用した再生プラスチックの割合の目安を本体に表記、もしくはカタログ、取り扱い説明書等の印刷物などに記載、もしくは電子データとして製品本体あるいはインターネットなどで問合せ可能なものに記憶させるなど、誰でもが確認できる方法で表記を行なったので、製品の環境改善活動状況が製品環境情報の公開により透明化され環境改善を大幅に進める社会システムや体制が出来あがる。
【0046】
なお以上の説明は空気調和機の室外機、室内機の構造を説明して空気調和機の場合を主体に説明したが、プラスチックを使用する製品であって再生樹脂を利用している再生樹脂使用装置全てに展開できることは言うまでもない。例えば再生プラスチックを強度要素としている構造部品、絶縁部品としている電気部品、収納など用途部品としている部品、断熱部品としている部品、等家電装置としての冷蔵庫、テレビ、洗濯機、掃除機など、自動車や電車、事務機器など全てに適用できることは当然である。エアコンにおける再生プラスチックの総重量の表記は室内機の見やすい位置であって直接風を吹出す位置を避けて汚れの少ない位置に設ける例を示したが、冷蔵庫の扉の裏側にこのマークを取りつけたり、自動車のボンネット裏側や扉内側のハンドル部など、あるいは車両の内部車両番号取りつけ部など、あるいはパソコンやプリンターなどは名板と同じ位置にするなど見易く、且つ、汚れの少ない位置に取りつけると良い。
【0047】
以上本発明では回収したプラスチックを溶融させて次の製品に成形する方法の再生品使用の例を説明したが、次に製品本体や装置のプラスチック以外の一部部品として廃却した製品から回収したままもしくは若干の手入れだけで使用している場合の再使用例を説明する。回収品を再使用する場合は意匠性が要求されない部分に使用するもの、腐食環境にない部品、取り外しが容易な部品などを満足する部品を使用済み製品から回収する。使用済み製品からこの様に選択して回収した金属部品としては冷蔵庫背面基板の板金の蓋や冷蔵庫のキャスター、あるいは回収する樹脂部品としては庫内の仕切に使用する透明棚などが対象であり、これらの再使用品を使用している場合でも図11乃至図14にて説明した表記を取りつけ、環境改善活動の情報として公開することは有効である。
【0048】
上記のように略そのまま再使用する部品の例として、既に説明してきたファンの様に、廃却品から再生する場合に特定部品を選択して回収し収集する例を説明したが、再使用部品に関しても特定部品を回収することが有効である。次にこのあらかじめ選択した家電装置などの製品種類における特定個所で使用されていた特定部品を回収して再使用する説明を行う。使用済み家電品等を解体するにあたり、手作業でネジ等を取外す作業を行なうが、例えば室内機や室外機の外殻面を取外した後の内部の風路でない部分、更には水系統回りとは異なる部分に配置して使用していたネジは、劣化が少ないため分別して収集するとよい。収集した金属製ネジは、汚れが少なく腐食などがほとんどないので先ず家電機器の製造元に有償または無償で返却する。製造元はこのネジをリサイクルネジとして有効に再利用することができる。このネジの使用方法を図15、図16にて説明する。
【0049】
例えば家電機器を輸送する上で固定しているネジ部、空気調和装置であれば、室内機本体と据付け板とを梱包する前に、両者をネジで固定している場合がある。このネジは梱包時および開梱時の作業性改善や、輸送時の振動で据付け板で本体を傷つけない目的でネジで固定しているが、このネジは使用時には不要な箇所であるため、多少の汚れや錆等が発生していても、十分に機能を満足できるため、回収したネジを有効に再利用することができる。図15にこのリサイクルネジ、即ち回収し再利用するネジの利用例を示す。新製品を発送する場合、室内機30の本体を両サイドは梱包材であるサイドクッション31で覆い付属品であるリモコン32や取扱説明書33は室内機本体内部に収納する。この場合室内機30を室内壁面に固定するための据付板5でこの収納したリモコンなどを抑えるが、据付け板に穴をあけて室内機本体側に設けたネジ孔に回収したリサイクルネジでこの据付け板を本体に固定すれば良い。図16は輸送状態の組立て後を示している。このリサイクルネジは据付け時に不要であり、輸送時に使用するだけであり、再度そのまま利用することが出来る。また、再利用したネジにおいて再利用した部品であることを示すマーキングや塗装、例えばネジの頭や全体に再使用品を意味する赤色等識別塗装を行うと、製造時及び据付時等に新規ネジとの混在を防止する効果が得られる。
【0050】
また、室内機、室外機をつなぐ延長冷媒配管端部に取り付けているプラスチックキャップについても、特定部品として回収し、再利用することができる。このプラスチックキャップは配管内にゴミ、水分が進入することを防止するため、延長配管の配管端部に取り付けられている。室内機据え付け時に取り外したプラスチックキャップは外気に暴露されていたわけではないので、劣化はほとんどなく、分別して収集することができ、製造元はプラスチックキャップを有効に再利用することができる。
【0051】
さらに、今後リユース部品の構成比率が増加していった場合、その部品がバージン品か、リユース品か、または、再利用不可能品か、リユース可能品かについても識別を要求されてくる。その場合、予め、対象部品の製造時にリユース可能部品にはマークを取り付けることで、上記の違いを識別させることができる。これにより、リサイクル工程で部品に書かれたマークを確認し、再利用不可能品かリユース可能品かを容易に判断し、分別することができる。
【0052】
さらに構成部品にICタグを埋め込む、または取り付けることにより、部品の素材名称、使用履歴、返却先メーカー名を読み出し、分別回収、リサイクル、リユースの目的で分類することができる。例えば、図18に示すように、ST70の分解工程を経て、ST71でICタグの情報を読み出す。ICタグの情報の中で、リユース可能可否の情報を基に、ST72でリユース可能かどうかを判断する。可能な場合、最終的にリユース可能かどうかを評価、確認するためST75でメーカーへ返却する。一方、ST72でリユース不可能と判断されると、ST73でリサイクル可能かどうかを判定する。リサイクル可能の場合、ST76のリサイクル工程へ進む。ST73でリサイクル不可能と判定されるとST74でリサイクル不可能品と判定され、ST77の廃却・焼却工程に進む。
【0053】
また、リユース性を高める目的で、例えば電源プラグコードなどでは、コードの被覆に光触媒材料を練り込んだ物で成形するか、被覆表面に光触媒材料を塗布し、ほこりや汚れが付着し難い、またはほこりや汚れが付着してもふき取り易くすることで、リユース性を高めることができる。また、ストップバルブなどの冷媒回路部品では、取り外したときに内部に残留した油や汚れ(スラッジ)を超音波洗浄等で清掃しやすい構造とすることで、リユース性を高めることができる。
【0054】
本発明は以上のように、使用済み家電を家電リサイクル工場により分解および解体し、回収したプラスチック部材より異物除去を行い、ここで得られたリサイクル樹脂材料を用いて成形されたプラスチック部品にリサイクルが可能な熱可塑性の塗料を用いて、塗装を行なうことで、繰返し使用することが出来、更に室内機の吸込みグリル部品や、風向を制御するベーン部品などの外観意匠部に使用範囲を広げられるのでプラスチック再使用率を向上させることが出来る。
【0055】
本発明は以上のように使用済み家電品を回収し、家電リサイクル工場にて分解・解体処理を行なったプラスチック部品や金属部品の中で、予め定めた機器の回収しやすい部品であって、予め定めた形状の部品あるいはあらかじめ定められた個所の部品を回収して、再使用やプラスチック部品を再生させるので、リサイクル処理における経済性の良い活動が可能になる。又、特にプラスチック製ファン部品を収集し、ここで得られたプラスチック材料を異物除去を行なったのち再生し、再度ファン部品に成形して再びファン部品として使用することは再使用率アップの効果が大きい。このプラスチックファン回収時、異材料接合部位をハンマー等でたたき割った後、所望のプラスチック部位のみを回収することで簡単な異物排除が可能である。更にプラスチックファンに備え付けられるバランスピースが磁性を有する材料にしておけば繰返しの再生が簡単に行える。
【0056】
本発明は以上のように再生プラスチック部品において、リサイクル樹脂材料を用いたことを示す表示または、リサイクル樹脂を用いた重量を示す表示、またはリサイクル樹脂とバージン樹脂との混合比を示す表示を行なうことで環境活動成果を誰に対しても示すことが出来環境保護対策として効果が大きい。例えば、使用済み家電を廃棄物処理業者などから解体・収集し、ここで得られたプラスチック材料を回収し、ここで得られた再生プラスチックを用いて、プラスチック部品に成形し、この再生プラスチック部品を用いた合成樹脂を有する製品に対し、製品全体で使用した再生プラスチックの総重量の目安、もしくは、製品総重量に占める製品全体で使用した再生プラスチックとの割合の目安、または製品全体のプラスチック部品の総重量に占める、製品全体で使用した再生プラスチックの割合の目安を本体に表記、もしくはカタログ、取り扱い説明書等の印刷物など、第三者が確認できる方法で表記を行なうと良い。又、再生プラスチック部品を用いた合成樹脂を有する製品に対し、再生プラスチックを用いた部品の全て、若しくは主要部品毎に、リサイクル樹脂材料を用いたことを示す表示を行なうと、更に、再生プラスチックを用いた部品の全て、もしくは主要部品毎に、リサイクル樹脂材料を用いたことを示す表示と各部品毎に再生プラスチックを使用した重量若しくは、再生プラスチック材とバージン材との混合比を表記すると、第3者の評価が簡単に行える。
【0057】
又本発明の製品の一部部品である、使用済み製品を分解もしくは解体し回収したプラスチック部材より得られたリサイクル樹脂材料を用いた成形品を意匠部品もしくは外観部品として使用する樹脂成型品は、回収したプラスチック部材と相溶するもしくは回収したプラスチック部材と似た構造を有する熱可塑性樹脂で成型品に熱可塑性塗装を行い、再度のリサイクル使用を可能にする。この回収したプラスチック部材であるポリスチレン樹脂に対し熱可塑性樹脂にスチレン基を付与すると良いし、回収したプラスチック部材であるポリプロピレン樹脂のような結晶性樹脂に対しては熱可塑性塗装の前にプライマー処理を行うと良い。
【0058】
本発明は以上のように、廃却家電から回収されたプラスチック製部材を再生させて成型品材料とする再生素材と、再生素材にて空気調和機のファン、グリル部品、ベーン部品等少なくとも一部が外部から見ることが出来る部品もしくは冷蔵庫のケース、棚等の扉開閉により外部から見ることが出来る部品を成型し、且つ、再生材は添加剤を加えないため再生工程が簡単で確実なものが得られる。但し再生成型品であるファンは、廃却されたプラスチック製のファンから回収されガラス繊維が混入された部材を成型するものであり、再生素材と類似の材料であってまだ使用していない材料を再生素材に混入して成型すると強度のような性能の安定した製品が得られる。
【0059】
本発明の製造方法は、分解もしくは解体し回収したプラスチック部材である部品を破砕し洗浄して再生素材とし、再生素材を成型した後で再生素材と相溶する熱可塑性樹脂にてこの成形品を塗装し、成型品を家電装置の意匠部品もしくは外観部品として使用する際に、再生素材は添加剤を加えないことにより利用範囲が広く安価な部品を製造できる。
【0060】
本発明は回収したプラスチック部材である部品を破砕し洗浄して再生素材とし、この再生素材を使用し成型した成型品を使用する本体における成型品の総重量値、もしくは成型品の総重量が本体のプラスチック部品の総重量に占める割合、もしくは成型品の総重量が本体の総重量に占める割合を、本体に表記、もしくは本体に添付されるカタログ、取り扱い説明書等の印刷物に記載、もしくは本体に添付されるタグなどの電子記録媒体に読み出し可能に記憶させ、あるいはこのような記憶させた情報をインターネットなどで公開させることにより、環境対策に関する情報を周知徹底させることが出来る。
【0061】
以上のように本発明は、使用済み家電を家電リサイクル工場により分解および解体し、回収したプラスチック材料を異物除去を行なったのち、得られたリサイクル樹脂材料に用いて成形されたプラスチック部品にリサイクルが可能な熱可塑性塗料をもちいて塗装を行ないうこと、また、この再生プラスチックを、家電製品のなかでも使用することで汚れ易い部品である、空気調和装置の風路にあたる外観部品に使用することで、再生プラスチックに発生しやすい、色調のバラツキや異物混入により生じる濁点等の課題を対策し、更に空気調和装置の中でプラスチック部品の使用量が多い室内機の外殻部品に用いることにより、再生プラスチックの利用率を高めることである。
【0062】
さらに使用済み家電品を回収し、家電リサイクル工場により分解・解体処理を行なったプラスチック部品の中で、予め定めた機器の、予め定めたプラスチック部品を分別回収することにより、汚れ状態や物性特性がほぼ均一したプラスチック材料にて再生することにより洗浄工程の簡素化を図り、再生プラスチックの価格を抑え、また物性特性が安定することで、バージンプラスチックを混合させずに、再生プラスチックのみで、部品を再生することも可能とすることで、再生プラスチックの利用率をさらに高めることである。さらにリサイクル樹脂材料にリサイクルが可能な、熱可塑性塗料を用いて塗装を行うことで、次回廃棄されたときに、再生樹脂を再度リサイクル化が可能とし、バージン樹脂の利用率をさらに抑制し、環境負荷低減に貢献することである。
【0063】
また本発明は、空気調和装置等家電装置の中で次にプラスチック使用量が多い部品は、ファンであるが、ファンは熱による変形や、回転による強度を確保するため、ガラス繊維等充填剤を混入した樹脂を用いることが多いため、プラスチック物性がその他のプラスチック部品と異なることが多い。このため、再生プラスチックとして使用せずに、廃却されている。この問題を解決するために、家電リサイクル工場は、空気調和装置等の解体作業中に、物性特性や汚れ状態がほぼ均一であり、また解体処理において識別しやすく分別が容易なファンのみを分別・収集し、ここで得られたプラスチック材料を異物除去行なったのち再生し、再度ファン部品に成形し、製品のファン部品として使用する事で、再生プラスチックの利用率を向上することである。
【0064】
又本発明は、回収されたプラスチック部品より得られた再生プラスチック材料より成形された部品を用いた製品に対し、再生プラスチックを用いた部品の一部もしくは主要部品に毎に、再生プラスチック材料を用いたことの表示を行ない、製品全体の再生プラスチック使用量の総重量の目安、もしくはプラスチック部品の総重量に占めるリサイクル樹脂材料の割合の目安を本体に表記、もしくはカタログ、取り扱い説明書等の印刷物に表記を行なうことにより、製品に使用した再生プラスチック材料の総重量、若しくは使用量の割合を、第3者がその検証を行なう事を可能とすることで、再生プラスチックの利用率に関する競争が、空気調和装置製造業者間で公正・公平に競争が可能となり、各製造業者間の競争を踏まえて、再生プラスチック利用率の改善活動を製造業者全体で加速することを可能とする事である。
【0065】
以上のように本発明は、家電品など製品本体に使用されている再生材料、再使用部品などの製品環境情報を製品本体などに開示し、この製品環境情報を誰でもが評価できるように開示された製品環境情報が得られる具体的なデータを公開するシステムにより環境対策の一層の活性化を図るものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す室外機の部品構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す室外機の部品構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示す室内機の部品構成図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示す室内機の部品構成図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示す室内機の部品の構成材料を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示す室外機の部品の構成材料を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例を示すリサイクル処理工程フローを説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例を示すリサイクル処理工程フローを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例を示すリサイクル処理工程フローを説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例を示すリサイクル処理工程フローを説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例を示す再生プラスチックを使用している表示を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態の一例を示す再生プラスチックを使用している表示を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態の一例を示す再生プラスチックを使用している表示を説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態の一例を示す再生プラスチックを使用している表示を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態の一例を示す再使用部品の利用状態を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態の一例を示す再使用部品の利用状態を説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態の一例を示す回収プラスチックファンを説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態の一例を示すICタグによるリサイクル判別工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0067】
1 ボックス、 2 吸込みグリル、 3 ネジキャップ、 4 前面パネル、 5 据付け板、 6 コーナーボックス、 7 エアフィルター、 8 熱交換器、 9 ファン、 10 ドレンホース、 11 ノズル、 12 上ベーン、 13 下ベーン、 14 左右ベーン、 15 ファンモータ、 16 モータカバー、 17 モータバンド、 18 電源コード、 19 管温サーミスタ、 20 電気品カバー、 21 室内制御基板、 22 端子台ホルダー、 23 室内制御基板カバー、 24 電気品ボックス、 25 室温サーミスタ、 26 ベーンモータ、 30 室内機、 31 梱包材、 32 リモコン、 33 取扱説明書、 34 室内機背面、 35 リサイクルネジ、 41 金属シャフト、 42バランスネジ、 43 防振ゴム、 101 ファンカバー、 102 フロントカバー、 103 ベース、 104 セパレータ、 105 圧縮機、 106 ストップバルブ、 107 ストップバルブ、 108 サービスパネル、 109 バックパネル、 110 パイプ組立て、 111 四方弁、 112 コンデンサネット、 113 モータサポート、 114 トップパネル、 115 室外熱交換器、 116 室外側ファン、 117 ファンモータ、 118 リアクタ、 119 コンデンサ、 120 コンデンサ、 121 四方弁コイル、 122 圧縮機用リード線、 123 サーミスタ、 124 ヒューズ、 125 端子台、 126、 127、 128、 200−207 表示板(刻印)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済み製品を分解もしくは解体し回収したプラスチック部材を溶融して再生する再生素材と、前記再生素材を成形して得られたリサイクル樹脂材料を意匠部品もしくは外観部品として使用する樹脂成型品と、前記樹脂成型品に前記回収したプラスチック部材と相溶するもしくは前記回収したプラスチック部材と同じ官能基を有する熱可塑性樹脂で前記成型品に塗装を行い再生可能に製品に組み込む再生部品と、を備え、前記再生素材はバージンプラスチックを混合していない再生素材で再生部品とすることを特徴とする再生樹脂成型品。
【請求項2】
使用済み製品を分解もしくは解体し回収したプラスチック部材を溶融して再生する再生素材と、前記再生素材を成形して得られたリサイクル樹脂材料を意匠部品もしくは外観部品として使用する樹脂成型品と、前記樹脂成型品に前記回収したプラスチック部材と相溶するもしくは前記回収したプラスチック部材と同じ官能基を有する熱可塑性樹脂で前記成型品に塗装を行い再生可能に製品に組み込む再生部品と、を備え、前記再生素材に酸化防止剤である添加剤を加えずに、バージンプラスチックを混合した再生素材で再生部品とすることを特徴とする再生樹脂成型品。
【請求項3】
前記回収したプラスチック部材であるポリスチレン樹脂に対しスチレン基を付与した熱可塑性樹脂で塗装することを特徴とする請求項1または2記載の再生樹脂成型品。
【請求項4】
前記プラスチック部材を回収した前記使用済み製品に組み込まれていた部品と同じ部品を再生して前記再生部品とすることを特徴とする請求項1または2記載の再生樹脂成型品。
【請求項5】
分解もしくは解体し回収したプラスチック部材である部品を破砕し洗浄して再生素材とするステップと、前記再生素材を成型した後で前記再生素材と相溶する熱可塑性樹脂にてこの成型品を塗装するステップと、前記成型品を家電装置の意匠部品もしくは外観部品として使用するステップと、を備え、前記再生素材はバージンプラスチックを加えないことを特徴とする家電装置の製造方法。
【請求項6】
分解もしくは解体し回収したプラスチック部材である部品を破砕し洗浄して再生素材とするステップと、前記再生素材を成型した後で前記再生素材と相溶する熱可塑性樹脂にてこの成型品を塗装するステップと、前記成型品を家電装置の意匠部品もしくは外観部品として使用するステップと、を備え、前記再生素材は添加剤を加えずに、バージンプラスチックを混合したことを特徴とする家電装置の製造方法。
【請求項7】
回収した繊維物質が混入されたプラスチックファンを圧縮し、粗く砕いた砕片から異材料を除去する異物除去ステップと、前記砕片を溶融し新たなプラスチックファンを成型する成型ステップと、前記成型されたプラスチックファンを家電装置に組立てるステップと、を備えたことを特徴とする家電装置の製造方法。
【請求項8】
前記プラスチックファンに固定されるバランスピースが磁化されやすい材料であることを特徴とする請求項6または7記載の家電装置の製造方法。
【請求項9】
回収したプラスチック部材である部品を破砕し洗浄して再生素材とするステップと、前記再生素材を使用し成型した成型品を装置の本体に組立てるステップと、前記本体における前記成型品の総重量値、もしくは前記成型品の総重量が前記本体のプラスチック部品の総重量に占める割合、もしくは前記成型品の総重量が前記本体の総重量に占める割合等の前記本体に使用する本体環境情報を開示するステップと、前記開示された本体環境情報とともに、この情報を評価するデータを前記本体に表記、もしくは頒布されるカタログ、取り扱い説明書等の印刷物に記載、もしくは前記本体に添付されるタグなどの電子記録媒体に読み出し可能に記憶、もしくはインターネットを介して読み出し可能にデータベースに登録させ公開するステップと、を備えたことを特徴とする再生樹脂使用装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−81448(P2009−81448A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283055(P2008−283055)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【分割の表示】特願2005−309884(P2005−309884)の分割
【原出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】