説明

写真撮影遊技機

【課題】印刷処理にかかる制御装置の負荷を軽減し、制御装置側に必要なメモリ容量を低減し、かつ印刷処理時間を短縮した写真撮影遊技機を提供する。
【解決手段】制御装置100は、カメラ10で被写体を撮影して複数種類の写真画像のデータを生成し、複数種類の写真画像のデータを所定の印刷レイアウトのデータとともにプリンタ55に転送する。プリンタ55は、制御装置100から転送された写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータを受信し、受信したデータに基づき複数種類の写真画像をレイアウトして印刷画像のデータを生成し、生成した印刷画像のデータに基づき印刷画像を印刷する。写真画像のデータはその種類ごと順番に転送される。画像処理と並行して転送処理が実行される。同じ種類の写真画像に対しては1回しか補正処理が施されないし、同じサイズの写真画像に対しては1回しかリサイズ処理が施されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は写真撮影遊技機に関し、さらに詳しくは、被写体を撮影して写真シールを提供する写真撮影遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
写真撮影遊技機は、アミューズメント施設等に設置され、撮影ブース内で利用者である被写体を自動的に撮影し、その得られた写真画像に、付属のタッチペンで利用者により入力された編集画像(文字、図形、スタンプ画像、フレーム画像、背景画像などがあり、落書画像とも呼ばれる。)を合成し、その合成画像をレイアウトしてシールシートに印刷した写真シールを提供するものである。
【0003】
写真シールの一例を図22に示す。この写真シール61は、写真画像と編集画像の合成画像62、撮影日時を示す撮影日時画像63、本写真撮影遊技機の商品名を示す機種情報画像64、合成画像62を利用者に提供するウェブサイトのURLを示すサイト情報画像65、余白の画像66などを有する。
【0004】
写真撮影遊技機は一般に、コンピュータ装置(制御装置)と印刷用プリンタとから構成されている。図22に示した写真シール61を作成する場合、コンピュータ装置は、図22中に一点鎖線で示される印刷領域内の印刷画像67を生成する。具体的には図23に示すように、写真画像と編集画像を合成した複数種類の合成画像62を生成し、これらの合成画像62を利用者により選択された印刷レイアウト68に基づいてレイアウトする。これにより、印刷画像67が生成される。コンピュータ装置は、生成した印刷画像67をプリンタ55に転送する。プリンタ55は、転送されて来た印刷画像67をそのままシールシートに印刷する。これにより、写真シール61が作成される。
【0005】
このような印刷方法の場合、図24に示すように、画像の編集完了から印刷完了までにかかる印刷処理時間Tは、画像処理時間T1、転送時間T2及び印刷時間T3の単純な総和で表される。画像処理時間T1は、合成画像62の明るさや色調等の補正処理、合成画像62を印刷するサイズに拡大又は縮小するリサイズ処理などにかかる時間である。転送時間T2は、コンピュータ装置からプリンタ55に印刷画像67を転送するのにかかる時間である。印刷時間T3は、プリンタ55が印刷画像67を実際に印刷するのにかかる時間である。
【0006】
写真撮影遊技機には、顧客回転率を向上させるために、上記印刷処理時間Tを短縮することが常に求められているが、その一方で、カメラやプリンタの性能向上に伴って画像の解像度が高くなっている。その結果、印刷処理時間Tが長くなったり、印刷処理にかかる負荷の増大に伴って他の処理が遅くなったりするという問題がある。また、印刷画像67のデータ量が大きくなるため、これを一時的に保存しておくために記憶容量の大きいメモリをコンピュータ装置側に設けなければならないという問題もある。
【0007】
特開2000−50052号公報(特許文献1)には、「デジタルカメラ等の画像入力装置に入力された画像だけでなく、画像を出力する際のレイアウト等のデータもプリンタ等の画像出力装置に転送することにより、印刷用紙等に複数の画像を印刷して印刷用紙等を節約できる画像入出力システム」が記載されている(特許文献1の要約)。
【0008】
しかしながら、この画像入出力システムは、デジタルカメラなどで撮影した写真画像をプリンタで印刷するものに過ぎず、写真撮影遊技機に特有の事情は全く考慮されていない。たとえば特許文献1の図5に示されている画像1〜4の各々に3人が写っていると仮定すると、画像1〜4を1枚の印刷用紙501に印刷し、これと同じものを3枚作成して3人に配布するのが一般的である。したがって、複数の同じ画像を1枚の印刷用紙に印刷することはない。
【0009】
これに対し、写真撮影遊技機では、複数の利用者が一緒に利用しても1プレイにつき1枚の写真シールしか作成されない。そのため、利用者は人数に応じて所望のレイアウトを選択し、1枚の写真シールを皆で切り分けしている。したがって、写真撮影遊技機では、図21に示したように、1枚のシールシートに複数の同じ画像を印刷する必要がある。仮に1プレイごとに人数分の写真シールを作成したとすると、印刷処理時間が長くなり、顧客回転率が低下してしまう。また、図21に示した例では画像のサイズは全て同じであるが、サイズの異なる複数の同じ画像を印刷する場合もある。
【特許文献1】特開2000−50052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、印刷処理にかかる制御装置の負荷を軽減した写真撮影遊技機を提供することである。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、制御装置側に必要なメモリ容量を低減した写真撮影遊技機を提供することである。
【0012】
本発明のさらにもう1つの目的は、印刷処理時間を短縮した写真撮影遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0013】
本発明による写真撮影遊技機は、カメラと、プリンタと、カメラ及びプリンタを制御する制御装置とを備える。制御装置は、カメラ制御手段と、データ転送手段とを含む。カメラ制御手段は、被写体を撮影して複数種類の写真画像のデータを生成するようにカメラを制御する。データ転送手段は、複数種類の写真画像のデータを所定の印刷レイアウトのデータとともにプリンタに転送する。プリンタは、データ受信手段と、レイアウト手段と、印刷手段とを含む。データ受信手段は、制御装置から転送された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータを受信する。レイアウト手段は、データ受信手段により受信された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータに基づきその複数種類の写真画像をレイアウトして印刷画像のデータを生成する。印刷手段は、レイアウト手段により生成された印刷画像のデータに基づきその印刷画像を印刷する。
【0014】
本発明によれば、制御装置からプリンタに、写真画像をレイアウトした印刷画像のデータではなく、複数種類の写真画像のデータと印刷レイアウトのデータとが転送され、制御装置ではなく、プリンタにより印刷画像のデータが生成されるので、印刷処理にかかる制御装置の負荷が軽減される。
【0015】
好ましくは、データ転送手段は写真画像のデータをその種類ごと順番に転送する。この場合、制御装置側に必要なメモリ容量が低減される。
【0016】
好ましくは、制御装置はさらに、複数種類の写真画像のデータに対して1つずつ順番に所定の画像処理を施す画像処理手段を含む。データ転送手段は、画像処理手段によりある種類の写真画像のデータに対して画像処理が施されている最中に、画像処理手段により画像処理が既に施された別の種類の写真画像のデータを転送する。この場合、画像処理と並行して転送処理が実行されるので、印刷処理時間が短縮される。
【0017】
好ましくは、制御装置はさらに、補正処理手段と、画像種類判別手段とを含む。補正処理手段は、複数種類の写真画像のデータに対して1つずつ順番に画質の補正処理を施す。画像種類判別手段は、補正処理手段による補正処理を施そうとする写真画像のデータの種類が既に補正処理が施された写真画像のデータの種類と異なるか同じかを判断し、種類が異なる場合は補正処理手段による補正処理を許容し、種類が同じ場合は補正処理手段による画像処理を禁止する。この場合、同じ種類の写真画像に対しては1回しか補正処理が施されないので、補正処理時間が短縮される。これにより、印刷処理にかかる制御装置の負荷が軽減され、また印刷処理時間が短縮される。
【0018】
好ましくは、制御装置はさらに、リサイズ処理手段と、画像サイズ判別手段とを含む。リサイズ処理手段は、複数種類の写真画像のデータに対して1つずつ順番に所定のリサイズ処理を施す。画像サイズ判別手段は、リサイズ処理手段によるリサイズ処理を施そうとする写真画像のサイズが既にリサイズ処理が施された写真画像のサイズと異なるか同じかを判断し、サイズが異なる場合は前記リサイズ処理手段によるリサイズ処理を許容し、サイズが同じ場合はリサイズ処理手段によるリサイズ処理を禁止する。この場合、同じサイズの写真画像に対しては1回しかリサイズ処理が施されないので、リサイズ処理時間が短縮される。これにより、印刷処理にかかる制御装置の負荷が軽減され、また印刷処理時間が短縮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
1.外観構成
図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態による写真撮影遊技機1は、撮影を行う撮影ブース2と、撮影により得られた写真画像の編集を行う2つの編集ブース3とに分かれる。撮影ブース2には、撮影装置4及び背面パネル5が互いに対向して設置され、編集ブース3には、2つの画像編集装置8が背中合わせに設置され、かつ撮影装置4に隣接して設置される。背面パネル5の前面には椅子6が設置され、クロマキ用に背面パネル5及び椅子6は単一色(たとえば緑色)にされている。撮影ブース2及び編集ブース3はサイドカーテン(図示せず)などにより外部と区分されている。
【0021】
撮影ブース2の側面にはコインを投入するためのコイン投入口31が設けられ、撮影装置4の側面には撮影ブース2で撮影しかつ編集ブース3で編集した写真画像をシールシートに印刷して排出するプリント排出口51が設けられる。
【0022】
この写真撮影遊技機1を利用する場合、プレイヤはコイン投入口31にコインを投入した後、撮影ブース2に入り、撮影装置4に向かって撮影操作を行う。撮影終了後、プレイヤは写真撮影遊技機1が指定するどちらかの編集ブース3に移動し、今度は画像編集装置8に向かって画像編集操作、具体的には、フレーム、スタンプ、ペン書きの文字や図形などの編集画像を入力する。編集終了後、プレイヤはプリント排出口51から排出された写真シールを受け取る。
【0023】
撮影装置4の正面中央にはカメラ10が設けられ、その下方には撮影用ディスプレイ11が設けられ、さらにそれらの周りには照明装置9が設けられる。
【0024】
カメラ10はプレイヤを被写体として撮影するもので、一般にデジタルカメラが用いられる。カメラ10は複数台設けたり、移動や角度調節をできるようにしたりしてもよい。
【0025】
撮影用ディスプレイ11は、自身が被写体となるプレイヤ用の確認モニタで、表示画面が見やすいようにプレイヤに向けられている。撮影用ディスプレイ11は、カメラ10で撮影されている映像を左右反転してライブ映像(動画)としてリアルタイムで表示する。したがって、プレイヤは鏡のように映る自分の姿を見ながら撮影を行うことができる。さらに、その表示画面上には透明なタッチパネル12(図3参照)が貼り付けられており、撮影用ディスプレイ11は、タッチパネル12に対するプレイヤの入力操作を受け付ける。撮影用ディスプレイ11には、プレイヤによる種々の操作をタッチパネル12上で入力するためのタッチペン13が設けられる。撮影用ディスプレイ11はライブ映像の他、確認用の撮影済み写真画像、各種案内画面、操作ボタンなども表示する。
【0026】
照明装置9は、カメラ10の上下左右及び天井に設けられ、被写体を前方から照明する。照明装置9はその内部に、蛍光灯などの常灯照明と、ストロボなどの閃光照明(フラッシュ)とを有する。ストロボは、プレイヤから撮影の開始が指示され、カメラ10が撮影しているライブ映像を写真画像(静止画)として取り込む瞬間に発光し、被写体を強く照明する。照明装置は上記以外に、被写体の側方及び後方にも設けられ、被写体をあらゆる方向から照明する。
【0027】
画像編集装置8は、撮影装置4で得られた写真画像を編集処理するための装置である。画像編集装置8の正面中央には編集用ディスプレイ40が設けられる。
【0028】
編集用ディスプレイ40は、カメラ10で撮影された写真画像の中から選択された1又は複数の写真画像を表示する。さらに、その表示画面上には透明なタッチパネル41(図3参照)が貼り付けられており、編集用ディスプレイ40は、タッチパネル41に対するプレイヤの編集操作を受け付ける。編集用ディスプレイ40の両側には、編集画像をタッチパネル41上で入力するためのタッチペン42が設けられる。画像編集装置8は、プレイヤの編集操作に応じて写真画像に対して画像編集処理を実行する。
【0029】
編集終了後、写真撮影遊技機1は編集画像と写真画像の合成画像をシールシートに印刷してプリント排出口51から排出し、出来上がった写真シールをプレイヤに提供する。
【0030】
2.機能構成
図3を参照して、写真撮影遊技機1は、撮影処理を実行する撮影用コンピュータ装置101aと、画像編集処理を実行する画像編集用コンピュータ装置101bと、動作中のコンピュータ装置101a,101bからの指示を受け付けて、接続されている各種装置を制御する制御基板102と、クロマキキャプチャボード17とを備える。撮影用コンピュータ装置101aと画像編集用コンピュータ装置101bとは互いに接続され、画像データなどの授受をピアツーピアで行う。これらは写真撮影遊技機1の制御装置100として機能する。
【0031】
コンピュータ装置101a,101bは、CPU(Central Processing Unit)103a,103bと、本装置に所定の処理を実行させるための制御プログラム、処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された写真画像、入力された編集画像、予め用意された複数の背景画像等の合成用画像などを記憶するハードディスク104a,104b、制御プログラムの一時的な作業領域となるメモリ105a,105bとを含む。
【0032】
撮影用コンピュータ装置101aは、撮影ブース2での撮影処理を実行する。具体的には、撮影用コンピュータ装置101aは制御プログラムを実行し、タッチパネル12に対するタッチペン13による入力操作に応じて制御信号を制御基板102に送信する。また、撮影用コンピュータ装置101aは、カメラ10、撮影用ディスプレイ11、制御基板102と接続され、それらを制御する。クロマキキャプチャボード17は、カメラ10で撮影されている映像を所定の時間間隔(たとえば30フレーム/秒)でデジタルデータ(静止画像)として取り込み、取り込んだ静止画像の中からクロマキ技術により被写体以外の領域を検出し、その検出した領域に選択された所望の背景画像を合成する。
【0033】
画像編集用コンピュータ装置101bは、編集ブース3での画像編集処理及び印刷処理を実行する。具体的には、画像編集用コンピュータ装置101bは制御プログラムを実行し、タッチパネル41に対するタッチペン42による入力操作に応じて制御信号を制御基板102に送信する。画像編集用コンピュータ装置101bは、プリンタ55、編集用ディスプレイ40、制御基板102に接続され、それらを制御する。画像編集装置8は2台設けられるので、編集用ディスプレイ40、タッチパネル41及びタッチペン42は2組設けられる。
【0034】
画像編集用コンピュータ装置101b内のハードディスク104bは、制御プログラムを記憶する。ハードディスク104bはまた、後述する画像編集処理に利用する背景画像等の合成用画像、スタンプ画像等を記憶する。
【0035】
プリンタ55は、写真画像に編集画像を合成した合成画像をシールシート等の印刷媒体に印刷する。この実施の形態のプリンタ55は合成画像をシールシートに印刷するが、印刷媒体はシールシートに限定されることなく、他の印刷媒体でもよい。
【0036】
タッチパネル12は、撮影用ディスプレイ11の上に積層されている。タッチパネル12は、タッチペン13の接触を検知し、それに応じた指示信号を撮影用コンピュータ装置101aに送信する。撮影用ディスプレイ11は、撮影用コンピュータ装置101aから送信された画像、具体的には、カメラ10で撮像された写真画像、撮影のための案内、選択肢など表示する。
【0037】
タッチパネル41は、編集用ディスプレイ40の上に積層されている。タッチパネル41は、タッチペン42の接触を検知し、それに応じた指示信号を画像編集用コンピュータ装置101bに送信する。編集用ディスプレイ40は、画像編集用コンピュータ装置101bから送信された編集画像を写真画像上に重ねて表示する。
【0038】
制御基板102は、コンピュータ装置101a,101bの他に、ストロボ制御部110、ストロボ15、蛍光灯14、サービスパネル113、印刷中LED52、印刷エラーLED53、コイン制御部112、及び音声制御部111に接続される。
【0039】
ストロボ制御部110はカメラ10に接続され、カメラ10のシャッタタイミングに応じて発光するようにストロボ15を制御する。音声制御部111は制御基板102を介して撮影用コンピュータ装置101a及び画像編集用コンピュータ装置101bに接続される。撮影用スピーカ16は、撮影ブース2に配備され、撮影用コンピュータ装置101aから制御基板102を介して与えられる指示信号に基づいて、撮影プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。編集用スピーカ46は、編集ブース3に配備され、画像編集用コンピュータ装置101bから制御基板102を介して与えられる指示信号に基づいて、編集プレイのための操作方法などの案内やBGMなどを出力する。
【0040】
3.動作
上述した写真撮影遊技機1の動作は概略次の通りである。
【0041】
まず、撮影用コンピュータ装置101aは、撮影ブース2においてカメラ10で被写体を撮影して写真画像を得る撮影処理を実行する。次に、画像編集用コンピュータ装置101bは、編集ブース3において利用者の入力操作に応じて写真画像を編集する編集処理を実行する。最後に、画像編集用コンピュータ装置101bはプリンタ55を制御し、編集された写真画像をシールシートに印刷する印刷処理を実行する。以下、撮影処理、編集処理及び印刷処理の詳細を順に説明する。
【0042】
3−1.撮影処理
まず、撮影ブース2での写真撮影遊技機1の動作を説明する。撮影用コンピュータ装置101aのCPU103aは、ハードディスク104aに記憶されたコンピュータプログラムをメモリ105aに読出して実行することにより、この撮影処理を実現する。
【0043】
図4を参照して、CPU103aは、写真撮影遊技機1の利用を促すタイトルデモ画面を撮影用ディスプレイ11に表示する(S1)。タイトルデモ画面の表示中にコイン制御部112が所定枚数のコインの投入を受け付ける(S2)。
【0044】
続いて、CPU103aは、利用者の選択操作に応じて所望の背景画像を選択し(S3)、カメラ10で撮影されているライブ映像を撮影用ディスプレイ11に表示し(S4)、そのライブ映像を所定のシャッタタイミングで固定して写真画像としてメモリ105aに保存し(S5)、その写真画像を利用者に確認してもらうために撮影用ディスプレイ11に表示する(S6)。CPU103aは、所定枚数を撮影し終えるまで上記ステップS4〜S6を繰り返す(S7)。
【0045】
所定枚数の撮影を終え、撮影制限時間が経過すると(S8でYES)、CPU103aは、撮影終了の画面を撮影用ディスプレイ11に表示し(S9)、撮影で得られた写真画像のデータを画像編集用コンピュータ装置101bに転送する(S10)。最後に、CPU103aは、編集ブース3へ移動するよう促す案内を撮影用ディスプレイ11に表示し(S11)、ステップS1に戻って再びタイトルデモ画面を表示する。
【0046】
3−2.編集処理
次に、編集ブース3での写真撮影遊技機1の動作を説明する。画像編集用コンピュータ装置101bのCPU103bはハードディスク104bに記憶された制御プログラムをメモリ105bに読出して実行することにより、編集処理を実現する。
【0047】
図5を参照して、CPU103bは、撮影プレイから始めるよう促す待機画面を編集用ディスプレイ40に表示する(S21)。図4に示した撮影処理が終了すると、撮影用コンピュータ装置101aから画像編集用コンピュータ装置101bに写真画像のデータが転送されて来るので、画像編集用コンピュータ装置101bはこれを受信する(S22)。CPU103bは図6に示すように写真画像を表示し、タッチペン42による利用者の落書き入力に応じて写真画像を編集する(S23)。CPU103bは編集された写真画像を複数枚並べて表示し、その中から印刷したい写真画像を選択するよう利用者に促す(S24)。利用者が写真画像を選択すると、CPU103bは予め定められた印刷レイアウトを複数種類表示し、その中から所望の印刷レイアウトを選択するよう利用者に促す(S25)。利用者が印刷レイアウトを選択すると、CPU103bは選択された印刷レイアウトで写真画像をシールシートにプリンタ55で印刷し、写真シールをプリント排出口51から利用者に提供する(S26)。以下、この印刷処理の詳細を説明する。
【0048】
3−3.印刷処理
この印刷処理においては、制御装置100は、写真画像をレイアウトすることなく、写真画像のデータと印刷レイアウトのデータとをプリンタ55に転送する。プリンタ55は、印刷レイアウトのデータに基づいて写真画像をレイアウトし、そのレイアウトした写真画像をシールシートに印刷する。これを実現するために、プリンタ55にはCPUを含む制御装置が内蔵され、後に詳述する制御プログラムがインストール(実装)されている。
【0049】
図7を参照して、CPU103bは、上記ステップS25で選択された印刷レイアウトに対応するレイアウトデータLDを特定する(S261)。レイアウトデータLDのフォーマットの一例を図8に示す。レイアウトデータLDは、画像編集用コンピュータ装置101bのハードディスク104bに記憶される。図8に示すように、レイアウトデータLDは、1枚の写真シールにエントリされるm個の画像に対応してm個のエントリを含む。最初のエントリの前には、エントリ数mが記録される。各エントリには、当該画像の画像番号、当該画像のX方向のサイズ(Xサイズ)、当該画像のY方向のサイズ(Yサイズ)、当該画像のX方向の位置(X位置)、当該画像のY方向の位置(Y位置)、当該画像の配置方向(画像方向)が記録される。画像番号は画像を特定するために「01」〜「99」の値を取るが、「00」の場合は1つ前のエントリと同じ画像番号を示す。Xサイズ又はYサイズも同様に、「00」の場合は1つ前のエントリと同じ画像サイズを示す。
【0050】
たとえば図9に示した印刷レイアウト(8分割)の場合、レイアウトデータLDは図10に示した通りである。この印刷レイアウトには、4種類の合成画像A,B,C,Dがあり、各種類ごとに同じ合成画像が2個ずつある。8個の合成画像以外に、機種情報画像64、撮影日時画像63、サイト情報画像65があり、合計11個の画像があるので、エントリ数は「11」である。
【0051】
画像A1用のエントリにおいては、画像番号は画像Aを示す「01」、XサイズはWX1=「720」、YサイズはWY2=「960」、X位置はX1=「360」、Y位置はY1=「240」、画像方向は「0」である。画像A2用のエントリにおいては、画像番号は画像A1用のエントリと同じ画像を示す「00」、Xサイズ及びYサイズは画像A1用のエントリと同じ画像サイズを示す「00」、X位置はX2=「360」、Y位置はY2=「1200」、画像方向は「0」である。他の画像B1,B2,C1,C2,D1,D2用のエントリも同様である。
【0052】
機種情報画像64用のエントリにおいては、画像番号は機種情報画像64を示す「20」、Xサイズは「1200」、Yサイズは「110」、X位置は「360」、Y位置は「120」、画像方向は「0」である。撮影日時画像63用のエントリにおいては、画像番号は撮影日時画像63を示す「30」、Xサイズは「1200」、Yサイズは「100」、X位置は「240」、Y位置は「2160」、画像方向は「1」である。サイト情報画像65用のエントリにおいては、画像番号はサイト情報画像65を示す「40」、Xサイズは「1920」、Yサイズは「120」、X位置は「1320」、Y位置は「2200」、画像方向は「0」である。
【0053】
画像方向は、図11に示すように「0」〜「3」の4通りの値を取り、具体的には、標準方向の場合は「0」、標準方向から反時計回りに90度回転した方向の場合は「1」、標準方向から反転した方向の場合は「2」、標準方向から時計回りに90度回転した方向の場合は「3」である。
【0054】
たとえば図12に示した印刷レイアウト(混合16分割)の場合、レイアウトデータLDは図13に示した通りである。この印刷レイアウトには、4種類の合成画像A,B,C,Dがあり、合成画像A及びBは同じ画像が6個ずつあり、合成画像C及びDは同じ画像が2個ずつある。14個の合成画像以外に、機種情報画像64、撮影日時画像63、サイト情報画像65があり、合計19個の画像があるので、エントリ数は「19」である。本例では画像C1,C2,D1,D2は標準方向から反時計回りに90度回転しているから、画像C1,C2,D1,D2用の4個のエントリにおいては、画像方向はいずれも「1」である。
【0055】
再び図7を参照して、レイアウトデータLDの特定後、CPU103bは、プリンタ55に転送すべきプリンタ転送データPDを初期化する(S262)。プリンタ転送データPDのフォーマットの一例を図14に示す。プリンタ転送データPDは、画像編集用コンピュータ装置101bからプリンタ55に転送される。図14に示すように、プリンタ転送データPDは、n個のエントリを含み、最初のエントリの前にはエントリ数nが記録される。各エントリには、当該画像のX位置、当該画像のY位置、当該画像のXサイズ、当該画像のYサイズ、当該画像の画像方向が記録される。最後のエントリの後には、写真画像と編集画像を合成した合成画像に対して色調等の補正処理が施され、さらに所定のサイズにリサイズ処理が施された画像データ(実データ)が記録される。この画像データの画像が各エントリに記録された情報に従って実際に印刷されることになる。なお、撮影日時画像63、機種情報画像64、サイト情報画像65など、色調やサイズがあらかじめ設定された固定的な画像(写真画像以外の画像)については補正処理やリサイズ処理が施されることなく、そのまま実データとして処理されてもよい。
【0056】
プリンタ転送データPDの初期化後、CPU103bは、レイアウトデータLDからエントリ数を読み出し、変数mに代入する(S263)。
【0057】
続いて、CPU103bはm=0か否か、つまり処理終了か否かを判別する(S264)。たとえば図10に示したレイアウトデータLDからエントリ数「11」を読み出した直後においてはm=11であるから、CPU103bは、レイアウトデータLDから最初の画像番号「01」を読み出し、変数fに代入する(S265)。変数mは後述するステップS279でデクリメントされるので、CPU103bは画像番号をレイアウトデータLDの上から順に読み出していく。したがって、変数mは「01」→「00」→「02」→「00」→「03」→「00」→「04」→「00」→「20」→「30」→「40」と変化していく。
【0058】
続いて、CPU103bはf≠0か否か、つまり新たな種類の画像か否かを判別する(S266)。f≠0、つまり新たな種類の画像の場合(S266でYES)、CPU103bは、これまでに設定されたプリンタ転送データPDを転送するデータ転送処理を実行するとともに(S267)、新たな種類の画像に対して補正処理を実行する(S268)。データ転送処理の詳細は後述する。補正処理では具体的には、画像番号fの合成画像Pfの明るさや色調等の画質を変更し、その結果得られた補正画像Pfcを保存する。一方、f=0、つまり前と同じ種類の画像の場合(S266でNO)、CPU103bは上記ステップS267及びS268をスキップする。たとえば画像番号が「00」でない画像A1,B1,C1,D1、機種情報画像64、撮影日時画像63又はサイト情報画像65の場合、前回処理した画像の種類と異なるので、前回処理した画像をプリンタ55に転送するためにデータ転送処理S267が実行されるとともに、今回の新たな種類の画像を補正するために補正処理S268が実行されるが、画像番号が「00」である画像A2,B2,C2,D2の場合、前回処理した画像の種類と同じであるので、これらの処理S267,S268は実行されない。
【0059】
次に、CPU103bは、レイアウトデータLDからXサイズを読み出して変数WXに代入し(S269)、かつレイアウトデータLDからYサイズを読み出して変数WYに代入する(S270)。たとえば画像A1の場合、WX=720、WY=960となり、画像A2の場合、WX=0、WY=0となる。
【0060】
続いて、CPU103bはWX≠0か否か、新たなサイズへの変更か否かを判別する(S271)。WX≠0、つまり新たなサイズへの変更の場合(S271でYES)、CPU103bは、これまでに設定されたプリンタ転送データPDを転送するためにデータ転送処理を実行するとともに(S272)、今回処理の対象となっている画像(最後にステップS268で補正処理が施された補正画像Pfc)に対して新たなサイズ変更(リサイズ)処理を実行する(S273)。サイズ変更処理では具体的には、既に保存されている補正画像Pfcを読み出し、XサイズWX及びYサイズWYに変更(縮小、拡大、トリミングなど)し、その結果得られたリサイズ画像Pfcwを補正画像Pfcとは別に保存する。CPU103bはさらに、XサイズWX及びYサイズWYをプリンタ転送データPDに設定する(S274)。一方、WX=0、つまり前と同じサイズの場合(S271でNO)、CPU103bは上記ステップS272〜S274をスキップする。たとえば画像A1の場合、その補正画像を元に720×960のサイズを持つリサイズ画像が生成され、かつ図15に示すようにWX=720及びWY=960がプリンタ転送データPDに設定される。画像A2の場合、WX=0であるから、サイズ変更処理S273等は繰り返し実行されない。
【0061】
続いて、CPU103bは、レイアウトデータLDからX位置を読み出して変数Xに代入し(S275)、かつレイアウトデータLDからY位置を読み出して変数Yに代入する(S276)。たとえば画像A1の場合、X=360、Y=240となり、画像A2の場合、X=360、Y=1200となる。
【0062】
続いて、CPU103bは、X位置、Y位置及び画像方向をプリンタ転送データPDに設定する(S277)。たとえば図15に示すようにプリンタ転送データPDには、画像A1に対してX=360及びY=240が設定され、画像A2に対してX=360及びY=1200が設定される。画像A1及びA2のいずれも画像方向は「0」に設定される。また、撮影日時画像63用のプリンタ転送データPDには、X=240及びY=2160が設定され、画像方向は「1」に設定される。
【0063】
最後に、CPU103bは、プリンタ転送データPDのエントリ数を1つだけ加算し(S278)、かつ変数mを1つだけ減算し(S279)、その後、上記ステップS264に戻る。たとえば画像A1のX位置、Y位置及び画像方向が設定された直後はプリンタ転送データPDのエントリ数は「1」になり、m=10になる。次に、画像A2のX位置、Y位置及び画像方向が設定された直後はプリンタ転送データPDのエントリ数は「2」になり、m=9になる。
【0064】
変数mが1つずつ減算され、「0」になった場合(S264でYES)、CPU103bはデータ転送処理を実行し(S280)、印刷の開始をプリンタ55に指示する(S281)。
【0065】
次に図16を参照し、データ転送処理の詳細を説明する。CPU103bはプリンタ転送データPDが設定されているか否かを判別し(S291)、設定されている場合(S291でYES)、そのプリンタ転送データPDに実データを設定する(S292)。続いて、CPU103bは設定されたプリンタ転送データPDをプリンタ55に転送し(S293)、最後にそのプリンタ転送データPDを初期化する(S294)。
【0066】
たとえば図10に示した8分割のレイアウトデータLDが選択された場合において、画像A1が処理対象になったときは、f=01であるから、ステップS266で新たな種類の画像と判別され、ステップS267でデータ転送処理が実行されるが、このときはまだプリンタ転送データPDは何も設定されていないので、ステップS292〜S294はスキップされ、直ちにステップS268で画像A1の補正処理が実行される。続いて、WX=720であるから、ステップS271で新たなサイズへの変更と判別され、ステップS272でデータ転送処理が実行されるが、このときもまだプリンタ転送データPDは何も設定されていないので、直ちにステップS273で画像A1のサイズ変更処理が実行される。その後、画像A1のXサイズ、Yサイズ、X位置、Y位置及び画像方向がプリンタ転送データPDに設定される。
【0067】
次に、画像A2が処理対象になったときは、f=00であるから、ステップS266で前と同じ種類の画像と判別され、データ転送処理(S267)も補正処理(S268)も実行されない。続いて、WX=00であるから、ステップS271で前と同じサイズへの変更と判別され、データ転送処理(S272)もサイズ変更処理(S273)もサイズ設定処理(S274)も実行されない。その後、画像A2のX位置、Y位置及び画像方向がプリンタ転送データPDに設定される。
【0068】
次に、画像B1が処理対象になったときは、f=02であるから、ステップS266で新たな種類の画像と判別され、ステップS267でデータ転送処理が実行される。このときは、画像A(=A1=A2)に関するプリンタ転送データPDが既に設定されているので、ステップS292で画像Aの実データがプリンタ転送データPDに追加された後、ステップS293でそのプリンタ転送データPDが転送される。画像B1に対する処理は上記A1に対する処理と同様であり、画像B2に対する処理は上記A2に対する処理と同様である。
【0069】
最後に、サイト情報画像65が処理対象になったときは、f=40であるから、ステップS266で新たな種類の画像と判別され、ステップS267でデータ転送処理が実行される。このときは、撮影日時画像63に関するプリンタ転送データPDが既に設定されているので、ステップS292で撮影日時画像63の実データがプリンタ転送データPDに追加された後、ステップS293でそのプリンタ転送データPDが転送される。
【0070】
そして、ステップS279で変数mがデクリメントされ、「0」になるので、ステップS280でデータ転送処理が実行される。このときは、サイト情報画像65に関するプリンタ転送データPDが既に設定されているので、ステップS292でサイト情報画像65の実データがプリンタ転送データPDに追加された後、ステップS293でそのプリンタ転送データPDが転送される。
【0071】
以上のように、1つの印刷レイアウト内に同じ種類の画像が2つ以上ある場合、補正処理は1回だけ実行され、繰り返し無駄に実行されることはない。また、同じ種類の画像データは1回だけ転送され、繰り返し無駄に転送されることもない。加えて、同じ種類でかつ同じサイズの画像が2つ以上ある場合、サイズ変更処理は1回だけ実行され、繰り返し無駄に実行されることはない。
【0072】
図14及び図15に示したプリンタ転送データPDの例では、1つの印刷レイアウト内に同じ種類でかつ同じサイズの画像が2つ以上ある場合、同じXサイズ及びYサイズが繰り返し設定されている。そこで、このような無駄な設定を削減したプリンタ転送データPDのフォーマットの一例を図17に示す。図17に示すように、最初のエントリの前でかつエントリ数nの後に共通のXサイズ及びYサイズがまとめて記録される。
【0073】
このようなフォーマットが採用された場合において、たとえば図12及び図13に示した混合16分割のレイアウトデータLDが選択されたときは、図18に示したプリンタ転送データPDが設定される。
【0074】
たとえば画像A1が処理対象になったときは、f=01であるから、ステップS266で新たな種類の画像と判別され、ステップS268で画像A1の補正処理が実行される。続いて、WX=720であるから、ステップS271で新たなサイズへの変更と判別され、ステップS273で画像A1のサイズ変更処理が実行される。その後、画像A1のXサイズ、Yサイズ、X位置、Y位置及び画像方向がプリンタ転送データPDに設定される。
【0075】
次に、画像A2が処理対象になったときは、f=00であるから、ステップS266で前と同じ種類の画像と判別され、データ転送処理(S267)も補正処理(S268)も実行されない。続いて、WX=00であるから、ステップS271で前と同じサイズへの変更と判別され、データ転送処理(S272)もサイズ変更処理(S273)もサイズ設定処理(S274)も実行されない。その後、画像A2のX位置、Y位置及び画像方向がプリンタ転送データPDに設定される。
【0076】
次に、画像A3が処理対象になったときは、f=00であるから、ステップS266で前と同じ種類の画像と判別され、データ転送処理(S267)も補正処理(S268)も実行されない。続いて、WX=360であるから、ステップS271で新たなサイズへの変更と判別され、ステップS272でデータ転送処理が実行される。このときは、画像A(=A1=A2)に関するプリンタ転送データPDが既に設定されているので、ステップS292で画像A(720×960)の実データがプリンタ転送データPDに追加された後、ステップS293でそのプリンタ転送データPDが転送される。続いて、ステップS273で画像A3のサイズ変更処理が実行された後、画像A3のXサイズ、Yサイズ、X位置、Y位置及び画像方向がプリンタ転送データPDに設定される。以降、画像A4〜A6に対する処理は上記A2に対する処理と同様である。
【0077】
なお、ここでは、同じ種類の画像に対する補正処理や同じサイズへのサイズ変更処理は繰り返し実行しないようにしているが、あえて繰り返し実行することも可能である。
【0078】
一方、プリンタ55は、図19に示したファームウェアに従って印刷処理を実行する。具体的には、上記ステップS267,S272,S280で制御装置100から転送されて来たプリンタ転送データPDを受信する(S301)。プリンタ55はまず、プリンタ転送データPDの画像方向に従い、必要に応じて画像を回転させ(S302)、その後、プリンタ転送データPDのXサイズ、Yサイズ、X位置、Y位置に従って、画像をレイアウトする(S303)。上記ステップS281で制御装置100から印刷開始の指示を受けるまで、プリンタ55は上記ステップS301〜S303を繰り返し、これにより印刷画像67のデータを生成する(S304)。印刷開始の指示を受けると(S304でYES)、プリンタ55は印刷画像67のデータに基づき印刷画像67をシールシートに印刷する(S305)。
【0079】
上記実施の形態では、制御装置100がプリンタ転送データPDに画像方向を設定し、プリンタ55が制御装置100から転送されて来たプリンタ転送データPDの画像方向に従って画像を回転させているが、制御装置100があらかじめ画像を回転させ、画像方向を含まないプリンタ転送データPDをプリンタ55に転送し、プリンタ55は画像を回転させることなくそのままレイアウトして印刷するようにしてもよい。たとえば図20に示すように画像方向が「1」の場合(たとえば図12に示した印刷レイアウト中の画像C1,C2,D1,D2がこれに該当する)、制御装置100が画像を反時計回りに90度回転させ、X位置及びY位置を示す原点座標を元の画像の左上頂点から右上頂点に変更し、Xサイズを元の画像のYサイズに設定し、Yサイズを元の画像のXサイズに設定する。
【0080】
図7に示したフロー図では、データ転送処理(S267,S272)後に補正処理(S268)やサイズ変更処理(S273)等の画像処理が実行されるように記載されているが、画像処理の対象となる画像よりも1つ前の画像についてはプリンタ転送データPDが既に設定され、そのプリンタ転送データPDの転送を開始するCPU103bは処理を離れ、DMA(Direct Memory Access)等の別のハードウェアがデータ転送処理を継続するので、データ転送処理と画像処理とは同時に並行して実行することができる。
【0081】
具体的には図21に示すように、画像Aに対する画像処理の後、CPU103bは画像A用のプリンタ転送データPDを転送する(S267,S272)と同時に、次の画像Bに対する画像処理を実行する(S268,S273)。続いて、CPU103bは画像B用のプリンタ転送データPDを転送する(S267,S272)と同時に、次の画像Cに対する画像処理を実行する(S268,S273)。続いて、CPU103bは画像C用のプリンタ転送データPDを転送する(S267,S272)と同時に、次の画像Dに対する画像処理を実行する(S268,S273)。続いて、CPU103bは画像D用のプリンタ転送データPDを転送する(S280)。そして、プリンタ55は転送されて来たプリンタ転送データPDに基づいてレイアウトした画像A〜Dを印刷する(S305)。
【0082】
データ転送処理と画像処理とを並行して実行すれば、図23に示した従来の印刷方法と比較し、画像処理時間T1や印刷時間T3を短縮することはできないが、転送時間T2'を短縮することができる。その結果、画像処理時間T1、転送時間T2'及び印刷時間T3を合計した印刷処理時間T'を短縮することができる。また、画像処理が終了した画像から順次、プリンタ転送データPDをプリンタ55に転送するので、従来のように写真シール1枚分の面積に相当する大きな印刷画像67のデータを一括して転送する場合に比べて、画像編集用コンピュータ装置101bにおけるメモリ105bの容量を小さくすることができる。
【0083】
なお、図20では、たとえば画像A用のプリンタ転送データPDの転送処理と、画像Bの画像処理とが同時に開始されているように示されているが、これは説明を簡単にするために揃えて示されているのであって、この開始時期は実際にはずれていてもよい。
【0084】
また、ここでは、画像Dを最後に画像処理した上でそのデータ転送処理を実行しているが、いずれの画像を最後に画像処理してもよい。最後に画像処理を行った画像のデータ転送処理にかかる時間が転送時間T2'となるので、この時間が最も短い画像を最後に画像処理するのが好ましい。
【0085】
上記実施の形態では、制御装置100の画像編集用コンピュータ装置101bのCPU103bにおいて印刷処理を実行させているが、撮影用コンピュータ装置103aのCPU103aにおいて印刷処理を実行させてもよく、特に印刷処理を実行させるコンピュータ装置は限定されない。この場合、印刷処理に必要な画像及びデータを、印刷処理を実行させるコンピュータ装置に転送又は読み出せばよい。さらに、コンピュータ装置を撮影用、画像編集用、印刷用など、3台以上で構成してもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、図7に示した印刷処理において図16に示したデータ転送処理を直列的に行うようになっているが、データ転送処理を別のタスクとして起動させておき、並列的に処理を行うようになっていてもよい。この場合、この別のタスクのデータ転送処理は、印刷処理からのデータ転送処理の開始指示を待機し、印刷処理が図7中のステップS267,S272,S280で当該開始指示を発行し、データ転送処理が当該開始指示を受けてステップS291〜S294を実行すればよい。また、この場合、実データやプリンタ転送データPDが印刷処理やデータ転送処理で衝突し、破壊されないように、ダブルバッファ化しておいたり、書き込む前に読み込み中か否かを確認するなど同期をとっておいたりするのが好ましい。
【0087】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態による写真撮影遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した写真撮影遊技機における画像編集装置及び撮影装置の斜視図である。
【図3】図1に示した写真撮影遊技機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図3中の撮影用コンピュータ装置による処理を示すフロー図である。
【図5】図3中の画像編集用コンピュータ装置による処理を示すフロー図である。
【図6】図5中の画像編集時の表示画面を示す図である。
【図7】図3中の制御装置による印刷処理を示すフロー図である。
【図8】図7に示した印刷処理に用いるレイアウトデータのフォーマットを示す図である。
【図9】図7に示した印刷処理に用いる印刷レイアウトの例を示す図である。
【図10】図9に示した印刷レイアウトのレイアウトデータを示す図である。
【図11】図8中の画像方向を説明するための図である。
【図12】印刷レイアウトの他の例を示す図である。
【図13】図13に示した印刷レイアウトのレイアウトデータを示す図である。
【図14】図7に示した印刷処理に用いるプリンタ転送データのフォーマットの例を示す図である。
【図15】図14に示したフォーマットを採用した場合において、図10に示したレイアウトデータに基づき生成されるプリンタ転送データを示す図である。
【図16】図7中のデータ転送処理の詳細を示すフロー図である。
【図17】プリンタ転送データのフォーマットの他の例を示す図である。
【図18】図17に示したフォーマットを採用した場合において、図13に示したレイアウトデータに基づき生成されるプリンタ転送データを示す図である。
【図19】図3中のプリンタによる印刷処理を示すフロー図である。
【図20】図8中の画像方向を設定しない場合における制御装置のサイズ変更処理を説明するための図である。
【図21】図7及び図19に示した印刷処理のタイミング図である。
【図22】従来の写真撮影遊技機で作成される写真シールを示す図である。
【図23】従来の写真撮影遊技機による写真シールの作成方法を説明するための図である。
【図24】従来の写真撮影遊技機の印刷処理時間の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 写真撮影遊技機
55 プリンタ
100 制御装置
101a 撮影用コンピュータ装置
101b 画像編集用コンピュータ装置
105a,105b メモリ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、プリンタと、前記カメラ及び前記プリンタを制御する制御装置とを備えた写真撮影遊技機であって、
前記制御装置は、
被写体を撮影して複数種類の写真画像のデータを生成するように前記カメラを制御するカメラ制御手段と、
前記複数種類の写真画像のデータを所定の印刷レイアウトのデータとともに前記プリンタに転送するデータ転送手段とを含み、
前記プリンタは、
前記制御装置から転送された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータに基づきその複数種類の写真画像をレイアウトして印刷画像のデータを生成するレイアウト手段と、
前記レイアウト手段により生成された印刷画像のデータに基づきその印刷画像を印刷する印刷手段とを含む、ことを特徴とする写真撮影遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の写真撮影遊技機であって、
前記データ転送手段は前記写真画像のデータをその種類ごと順番に転送する、ことを特徴とする写真撮影遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の写真撮影遊技機であって、
前記制御装置はさらに、
前記複数種類の写真画像のデータに対して1つずつ順番に所定の画像処理を施す画像処理手段を含み、
前記データ転送手段は、前記画像処理手段によりある種類の写真画像のデータに対して画像処理が施されている最中に、前記画像処理手段により画像処理が既に施された別の種類の写真画像のデータを転送する、ことを特徴とする写真撮影遊技機。
【請求項4】
請求項1に記載の写真撮影遊技機であって、
前記制御装置はさらに、
前記複数種類の写真画像のデータに対して1つずつ順番に画質の補正処理を施す補正処理手段と、
前記補正処理手段による補正処理を施そうとする写真画像のデータの種類が既に補正処理が施された写真画像のデータの種類と異なるか同じかを判断し、種類が異なる場合は前記補正処理手段による補正処理を許容し、種類が同じ場合は前記補正処理手段による画像処理を禁止する画像種類判別手段とを含む、ことを特徴とする写真撮影遊技機。
【請求項5】
請求項1に記載の写真撮影遊技機であって、
前記制御装置はさらに、
前記複数種類の写真画像のデータに対して1つずつ順番に所定のリサイズ処理を施すリサイズ処理手段と、
前記リサイズ処理手段によるリサイズ処理を施そうとする写真画像のサイズが既にリサイズ処理が施された写真画像のサイズと異なるか同じかを判断し、サイズが異なる場合は前記リサイズ処理手段によるリサイズ処理を許容し、サイズが同じ場合は前記リサイズ処理手段によるリサイズ処理を禁止する画像サイズ判別手段とを含む、ことを特徴とする写真撮影遊技機。
【請求項6】
カメラと、プリンタと、前記カメラ及び前記プリンタを制御する制御装置とを備えた写真撮影遊技機の制御方法であって、
被写体を撮影して複数種類の写真画像のデータを生成するように前記カメラを制御するステップと、
前記複数種類の写真画像のデータを所定の印刷レイアウトのデータとともに前記制御装置から前記プリンタに転送するステップと、
前記制御装置から転送された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータを前記プリンタで受信するステップと、
前記受信された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータに基づき前記プリンタでその複数種類の写真画像をレイアウトして印刷画像のデータを生成するステップと、
前記生成された印刷画像のデータに基づきその印刷画像を印刷するステップとを含む、ことを特徴とする写真撮影遊技機の制御方法。
【請求項7】
写真撮影遊技機のカメラ及びプリンタを制御する制御装置に実装される制御プログラムであって、
被写体を撮影して複数種類の写真画像のデータを生成するように前記カメラを制御するステップと、
前記複数種類の写真画像のデータを所定の印刷レイアウトのデータとともに前記制御装置から前記プリンタに転送するステップとをコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項8】
写真撮影遊技機のプリンタに実装される制御プログラムであって、
前記写真撮影遊技機のカメラで被写体を撮影することにより生成され、前記カメラ及び前記プリンタを制御する制御装置から転送された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータを受信するステップと、
前記受信された複数種類の写真画像のデータ及び印刷レイアウトのデータに基づき前記プリンタでその複数種類の写真画像をレイアウトして印刷画像のデータを生成するステップと、
前記生成された印刷画像のデータに基づきその印刷画像を印刷するステップとをコンピュータに実行させるための制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−40988(P2008−40988A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217472(P2006−217472)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】