説明

冷却装置

【課題】発熱体の発熱量が一時的に増加するときに、放熱体の冷却効率を十分に高めることができる冷却装置を提供すること。
【解決手段】発熱体2を冷却する冷却装置10において、冷媒流路12を流れる冷媒14と熱交換する放熱体20と、冷媒流路12を覆う蓋体40と、放熱体20を蓋体40に対して移動可能に支持する支持機構30とを有し、支持機構30は、所定温度に加熱されると融解して膨張する相変化材料、または所定温度に加熱されると形状回復する形状記憶材料で構成される駆動体36を有し、駆動体36は、相変化材料の融解による膨張を利用して、または形状記憶材料の形状回復を利用して、冷媒流路12の断面積が小さくなるように、放熱体20を蓋体40に対して移動させる冷却装置10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子などの発熱体を冷却する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体素子などの発熱体を冷却する冷却装置として、発熱体に熱的に接続される放熱体および蓄熱体を有する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置において、蓄熱体は、相変化材料で構成される。相変化材料は、一般的に、所定温度に加熱されると融解して潜熱を蓄熱し、所定温度に冷却されると凝固して潜熱を放熱する性質を有する。この性質を利用すれば、発熱体の発熱量が一時的に増加するとき、その増加した熱を、潜熱として、蓄熱体に蓄熱することができる。また、発熱体の発熱量が元に戻るとき、蓄熱体から放熱される潜熱を放熱体に伝達することができる。よって、放熱体からの放熱量を平準化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−147761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発熱体を冷却する冷却装置において、放熱体の冷却効率を高めるため、冷媒が流れる冷媒流路に放熱体を設置して、放熱体と冷媒との間で熱交換を行うことが考えられる。
【0005】
しかしながら、単に、冷媒が流れる冷媒流路に放熱体を設置しただけでは、発熱体の発熱量が一時的に増加するときに、放熱体の冷却効率を十分に高めることができない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、発熱体の発熱量が一時的に増加するときに、放熱体の冷却効率を十分に高めることができる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、
発熱体を冷却する冷却装置において、
冷媒流路を流れる冷媒と熱交換する放熱体と、
前記冷媒流路を覆う蓋体と、
前記放熱体を前記蓋体に対して移動可能に支持する支持機構とを有し、
該支持機構は、所定温度に加熱されると融解して膨張する相変化材料、または所定温度に加熱されると形状回復する形状記憶材料で構成される駆動体を有し、
該駆動体は、前記相変化材料の融解による膨張を利用して、または前記形状記憶材料の形状回復を利用して、前記冷媒流路の断面積が小さくなるように、前記放熱体を前記蓋体に対して移動させる冷却装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、発熱体の発熱量が一時的に増加するときに、放熱体の冷却効率を十分に高めることができる冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態による冷却装置の概略断面図(1)である。
【図2】本発明の第1の実施形態による冷却装置の概略断面図(2)である。
【図3】本発明の第2の実施形態による冷却装置の概略断面図(1)である。
【図4】本発明の第2の実施形態による冷却装置の概略断面図(2)である。
【図5】本発明の第3の実施形態による冷却装置の概略断面図(1)である。
【図6】本発明の第3の実施形態による冷却装置の概略断面図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施形態による冷却装置の概略断面図である。図1は、全ての発熱体2が負荷の低い処理を行っている状態を示し、図2は、図1に示す3つの発熱体2のうち、中央の発熱体2のみが負荷の高い処理を行っている状態を示す。
【0012】
冷却装置10は、発熱体2を冷却する装置である。発熱体2は、その種類に制限はないが、例えば半導体素子などの電子部品であって良い。半導体素子の具体例としては、ICやLSI、IGBTなどが挙げられる。
【0013】
発熱体2は、通常時には、負荷の低い処理を行っているが、外部からの要求に応じて、一時的に、負荷の高い処理を行うことがある。そのため、発熱体2の発熱量が、一時的に増加することがある。
【0014】
冷却装置10は、冷媒流路12を流れる冷媒14と熱交換する放熱体20と、冷媒流路12を覆う蓋体40と、放熱体20を蓋体40に対して移動可能に支持する支持機構30とを有している。以下、図1および図2に基づいて、各構成について説明する。
【0015】
(冷媒流路)
冷媒流路12は、放熱体20と蓋体40との間の隙間などで構成される。冷媒流路12を流れる冷媒14としては、水などの液体、空気などの気体などが用いられる。冷媒14は、放熱体20に接触しながら、冷媒流路12を通って外部に移動することで、放熱体20の熱、ひいては、発熱体2の熱を外部に排出する。冷媒14は、外部に移動した後、冷却器によって冷却され、再び、冷媒流路12に還流される。
【0016】
(放熱体)
放熱体20は、発熱体2に熱的に接続されており、発熱体2からの熱を、冷媒流路12を流れる冷媒14に放熱する。放熱体20は、熱伝導率の良い材料で構成され、例えばアルミニウムや銅などで構成される。
【0017】
放熱体20は、板状の基体22、および該基体22の冷媒流路12側の表面に間隔をおいて複数設けられるフィン24で構成される。フィン24の配列方向は、特に限定されないが、例えば図1などに示すように、冷媒14の流れ方向(矢印X方向)であっても良いし、冷媒14の流れ方向と直交する方向であっても良い。フィン24の形状は、特に限定されないが、例えば図1などに示すように、冷媒14の流れ方向に直交する板状であって良い。
【0018】
放熱体20は、冷媒流路12に沿って間隔をおいて複数設けられており、各発熱体2に対向するように配置されている。各放熱体20は、主に直近の発熱体2に熱的に接続されており、直近の発熱体2からの熱を、冷媒流路12を流れる冷媒14に放熱する。
【0019】
(蓋体)
蓋体40は、熱伝導率の良い材料で構成され、例えばアルミニウムや銅などで構成される。蓋体40は、後述の支持機構30の伝熱板32や固定壁34と一体化されている。
【0020】
(支持機構)
支持機構30は、放熱体20を蓋体40に対して移動可能に支持する機構である。支持機構30は、例えば、伝熱板32と、固定壁34と、駆動体36とを有している。
【0021】
以下、駆動体36が相変化材料で構成される場合について説明する。なお、駆動体が形状記憶材料で構成される場合については、後述の第3の実施形態で説明する。
【0022】
(伝熱板)
伝熱板32は、発熱体2と駆動体36との間に設けられる。よって、駆動体36を構成する相変化材料の体積変化(詳しくは後述)を、発熱体2と反対側、即ち、放熱体20側に集中的に伝達させることができる。
【0023】
伝熱板32は、熱伝導率の良い材料で構成され、例えばアルミニウムや銅などで構成される。伝熱板32の一面には、複数の発熱体2が固定されており、伝熱板32の発熱体2と反対側の面には、複数の駆動体36が密着している。
【0024】
(固定壁)
固定壁34は、伝熱板32の発熱体2と反対側の面に固定される。固定壁34は、熱伝導率の良い材料で構成され、例えばアルミニウムや銅などで構成される。固定壁34は、放熱体20を移動可能に支持している。固定壁34は、隣り合う放熱体20の間に配置され、複数の放熱体20を独立に移動可能に支持している。
【0025】
固定壁34は、各駆動体36を囲繞するように設けられる。よって、駆動体36を構成する相変化材料の体積変化(詳しくは後述)を、放熱体20側に集中的に伝達させることができる。
【0026】
(駆動体)
駆動体36は、伝熱板32、固定壁34および放熱体20で囲まれる空間に配置され、周囲に密着している。駆動体36を構成する相変化材料が体積変化すると、その体積変化を許容するように(または、その体積変化に追従するように)、放熱体20が固定壁34に対して移動する。その結果、放熱体20が蓋体40に対して移動し、冷媒流路12の断面積が変化する。
【0027】
駆動体36は、複数の放熱体20を、蓋体40に対して、独立に移動させるため、複数設けられている。各駆動体36は、主に直近の発熱体2に熱的に接続されており、直近の発熱体2からの熱を、密着する放熱体20に伝達する。
【0028】
駆動体36は、相変化材料で構成される。相変化材料は、所定温度に加熱されると融解して潜熱を蓄熱し、所定温度に冷却されると凝固して潜熱を放熱する性質を有する。この性質を利用すれば、発熱体2の発熱量が一時的に増加するとき、その増加した熱を、潜熱として、駆動体36に蓄熱することができる。また、発熱体2の発熱量が元に戻るとき、駆動体36から放熱される潜熱を放熱体20に伝達することができる。よって、放熱体20からの放熱量を平準化することができる。
【0029】
相変化材料は、蓄熱材料として一般的なものが用いられ、発熱体2の種類などに応じて適宜選定される。例えば、相変化材料には、パラフィンやテトラコサンなどが用いられる。パラフィンは、炭素数などによるが、通常、42℃〜44℃の間に固相−液相の相変化を示し、この相変化によって7.4%程度の体積変化を示す。テトラコサンは、48℃で固相−固相の相変化を示し、50℃で固相−液相の相変化を示し、これらの相変化によって15%程度の体積変化を示す。
【0030】
このように、相変化材料は、所定温度に加熱されると融解して膨張し、所定温度に冷却されると凝固して収縮する性質を有する。この性質を利用して、駆動体36は、放熱体20を蓋体40に対して移動させる。その結果、冷媒流路12の断面積が変化する。
【0031】
駆動体36は、相変化材料の融解による膨張を利用して、冷媒流路12の断面積が小さくなるように、放熱体20を蓋体40に対して移動させる。よって、発熱体2の発熱量が一時的に増加するとき、冷媒流路12の断面積を小さくすることができる。そうすると、冷媒流路12を流れる冷媒14の流量を維持しつつ、放熱体20に接触する冷媒14の流量を増やすことができ、放熱体20の冷却効率を高めることができる。
【0032】
また、駆動体36は、相変化材料の凝固による収縮を利用して、冷媒流路12の断面積が大きくなるように、放熱体20を蓋体40に対して移動させる。よって、発熱体2の発熱量が元に戻るとき、冷媒流路12の断面積を大きくすることができる。そうすると、冷媒流路12を流れる冷媒14の流量を維持しつつ、冷媒14を圧送するポンプの負荷を低減することができる。よって、長時間、高い能力を発揮することができるポンプの代わりに、短時間だけ高い能力を発揮することができるポンプを使用することができ、ポンプのコストを削減することができる。
【0033】
ところで、本実施形態では、放熱体20は、各発熱体2に対向して複数設けられ、それぞれ、蓋体40に対して独立に移動可能となっている。そのため、図2に示すように、一部の発熱体2のみが高負荷の処理を行っている場合、一部の発熱体2に直近の放熱体20のみを移動させることができる。一部の発熱体2に直近の駆動体36では、相変化材料が所定温度に加熱され、溶解して膨張するが、残りの駆動体36では、相変化材料が、所定温度に達しないので、固相の状態を保つからである。よって、必要な時に、必要な場所の冷却効率を高めることができ、無駄を省くことができる。また、冷却装置10の均温化を図ることができ、冷却装置10の熱変形を低減することができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、駆動体36は、所定温度に加熱されると溶解して膨張する相変化材料で構成され、その相変化材料の性質を利用して冷媒流路12の断面積を小さくする。よって、発熱体2の発熱量が一時的に増加した場合に、冷媒流路12の断面積を小さくすることができ、冷媒流路12を流れる冷媒14の流量を維持しつつ、放熱体20に接触する冷媒14の流量を増やすことができる。よって、冷媒流路12に設置される放熱体20の冷却効率を高めることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、駆動体36は、所定温度に加熱されると溶解して潜熱を蓄熱する相変化材料で構成されるので、発熱体2の発熱量が一時的に増加した場合に、その増加した熱を、潜熱として駆動体36に蓄熱することができ、発熱体2の過熱を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、駆動体36は、所定温度に冷却されると凝固して収縮する相変化材料で構成され、その相変化材料の性質を利用して冷媒流路12の断面積を大きくする。よって、発熱体2の発熱量が元の状態に戻る場合に、冷媒流路12の断面積を大きくすることができ、冷媒流路12を流れる冷媒14の流量を維持しつつ、冷媒14を圧送するポンプの負荷を軽減することができる。よって、ポンプのコストを削減することができる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、放熱体20は、各発熱体2に対向して複数設けられ、それぞれ、蓋体40に対して独立に移動可能となっている。そのため、図2に示すように、一部の発熱体2のみが高負荷の処理を行っている場合、一部の発熱体2に直近の放熱体20のみを移動させることができる。よって、必要な時に、必要な場所の冷却効率を高めることができ、無駄を省くことができる。また、冷却装置10の均温化を図ることができ、冷却装置10の熱変形を低減することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図3および図4は、本発明の第2の実施形態による冷却装置の概略断面図である。図3は、全ての発熱体2が負荷の低い処理を行っている状態を示し、図4は、図3に示す3つの発熱体2のうち、中央の発熱体2のみが負荷の高い処理を行っている状態を示す。なお、図3および図4において、図1および図2と同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態の冷却装置10Aは、放熱体20Aと、支持機構30Aと、蓋体40とを有している。以下、図3および図4に基づいて、各構成について説明する。
【0040】
放熱体20Aは、複数の板状のフィン24Aで構成される。フィン24Aは、熱伝導率の良い材料で構成され、例えばアルミニウムや銅などで構成される。
【0041】
支持機構30Aは、伝熱板32、固定壁34、駆動体36の他、支持体38Aを有している。支持体38Aは、固定壁34の冷媒流路12側の開口部を覆うように、固定壁34に固定されている。支持体38Aは、熱伝導率の良い材料で構成され、例えばアルミニウムや銅などで構成される。
【0042】
支持体38Aには、フィン24Aを移動可能に支持する貫通溝が複数設けられている。各フィン24Aは、支持体38Aの冷媒流路12側の表面から突出しており、各フィン24Aの端部は、駆動体36に密着している。
【0043】
駆動体36は、伝熱板32、固定壁34、支持体38A、および放熱体20Aで囲まれる空間に配置され、周囲に密着している。駆動体36を構成する相変化材料が体積変化すると、その体積変化を許容するように(または、その体積変化に追従するように)、放熱体20Aが支持体38Aに対して移動する。その結果、放熱体20Aが蓋体40に対して移動し、冷媒流路12の断面積が変化する。
【0044】
本実施形態では、固定壁34の冷媒流路12側の開口部を覆うように支持体38Aを設置してあるので、駆動体36の冷媒流路12側の表面のうち一部のみが変形可能となっている。よって、駆動体36の体積変化時に、放熱体20Aの冷媒流路12に対する移動量を大きくすることができ、冷媒流路12の断面積の変動幅を大きくすることができる。
【0045】
ちなみに、第1の実施形態では、複数のフィン24が基体22を介して一体化されているので、冷却装置10の部品点数を削減することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、駆動体36が相変化材料で構成されているので、また、放熱体20Aは、各発熱体2に対向して複数設けられ、それぞれ、蓋体40に対して独立に移動可能となっているので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(第3の実施形態)
図5および図6は、本発明の第3の実施形態による冷却装置の概略断面図である。図5は、全ての発熱体2が負荷の低い処理を行っている状態を示し、図6は、図5に示す3つの発熱体2のうち、中央の発熱体2のみが負荷の高い処理を行っている状態を示す。なお、図5および図6において、図1および図2と同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
本実施形態の冷却装置10Bは、放熱体20と、支持機構30Bと、蓋体40とを有している。以下、図5および図6に基づいて、主に、支持機構30Bについて説明する。
【0049】
支持機構30Bは、伝熱板32と、固定壁34と、駆動体36Bとを有する。駆動体36Bは、例えば図5などに示すように、伝熱板32に固定される一端部と、放熱体20に固定される他端部とを有する。駆動体36Bは、固定壁34から離間している。
【0050】
駆動体36Bは、複数の放熱体20を、蓋体40に対して、独立に移動させるため、複数設けられている。各駆動体36Bは、主に直近の発熱体2に熱的に接続されており、直近の発熱体2からの熱を、密着する放熱体20に伝達する。
【0051】
駆動体36Bは、所定温度に加熱されると形状回復する形状記憶材料で構成される。形状記憶材料は、一般的なものが用いられ、発熱体2の種類などに応じて適宜選定される。例えば、形状記憶材料としては、形状記憶合金、形状記憶樹脂などが用いられる。これらの中でも、冷却効率の観点から、熱伝導率の高い形状記憶合金が好適に用いられる。
【0052】
形状記憶合金は、低温相(例えば、マルテンサイト相)と、高温相(例えば、オーステナイト相)との間で可逆的に相変態し、低温相から高温相に相変態する際に形状回復する。形状記憶合金には、Ni−Ti合金、Cu系合金(例えば、Cu−Zn−Al合金)、Fe系合金(例えば、Fe−Mn−Si合金)などがある。
【0053】
駆動体36Bは、所定温度未満で予め変形されたうえで、伝熱板32と放熱体20との間に介装される。駆動体36Bは、所定温度未満では、変形後の形状を保ち、所定温度に加熱されると、変形前の形状に形状回復する。
【0054】
駆動体36Bは、この形状記憶材料の形状回復を利用して、冷媒流路12の断面積が小さくなるように、放熱体20を蓋体40に対して移動させるので、発熱体2の発熱量が一時的に増加した場合に、冷媒流路12の断面積を小さくすることができる。そうすると、冷媒流路12を流れる冷媒14の流量を維持しつつ、放熱体20に接触する冷媒14の流量を増やすことができ、放熱体20の冷却効率を高めることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、放熱体20は、各発熱体2に対向して複数設けられ、蓋体40に対して独立に移動可能となっている。よって、必要な時に、必要な場所の冷却効率を高めることができ、無駄を省くことができる。また、冷却装置10Bの均温化を図ることができ、冷却装置10Bの熱変形を低減することができる。
【0056】
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0057】
例えば、上述した実施形態において、フィン24(24A)は、板状であるとしたが、その形状に制限はなく、例えば、ピン状であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
2 発熱体
10 冷却装置
12 冷媒流路
14 冷媒
20 放熱体
22 基体
24 フィン
30 支持機構
32 伝熱板
34 固定壁
36 駆動体
40 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を冷却する冷却装置において、
冷媒流路を流れる冷媒と熱交換する放熱体と、
前記冷媒流路を覆う蓋体と、
前記放熱体を前記蓋体に対して移動可能に支持する支持機構とを有し、
該支持機構は、所定温度に加熱されると融解して膨張する相変化材料、または所定温度に加熱されると形状回復する形状記憶材料で構成される駆動体を有し、
該駆動体は、前記相変化材料の融解による膨張を利用して、または前記形状記憶材料の形状回復を利用して、前記冷媒流路の断面積が小さくなるように、前記放熱体を前記蓋体に対して移動させる冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−69725(P2012−69725A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213152(P2010−213152)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】