説明

分光光学装置とそれを備えた分光分析装置

【課題】簡単な構成でありながら分光特性の自由度が高い小型の分光光学装置と、それを備えた分光分析装置を提供する。
【解決手段】分光光学装置10は、回折光学素子5と可動受光部6を有する。回折光学素子5は、光を収束させる正パワーの回折格子構造D1を光軸AXから離れた軸外領域A1の少なくとも一部にのみ有する。可動受光部6は、回折光学素子5から射出した光をその収束点近傍で通過させる開口7hを有する光束規制部材7と、開口7hを通過した光を検出する光センサー8とを有し、回折光学素子5に対する相対位置が光軸AX方向に可変であって、回折光学素子5から射出した光を軸外側から光束規制して受光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分光光学装置とそれを備えた分光分析装置に関するものであり、例えば、赤外領域又は可視領域の波長に基づく分光を行って各波長の光強度を電気的な信号として出力する分光光学装置と、それを用いて分光分析を行う分光分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より様々なタイプの分光分析装置が知られている。なかでも、特許文献1,2等で提案されている分光分析装置は、分光に屈折レンズの軸上色収差を利用することにより、簡単な構成で分光機能の実現を可能としている。つまり、測定対象となる光を高分散の屈折レンズで収束させることにより軸上色収差を大きく発生させ、収束点付近に配置した光束規制用の開口を光軸に沿って移動させることにより分光を行う構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−271528号公報
【特許文献2】特開2009−192284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2で提案されている分光方法では、屈折レンズの軸上色収差で分光が行われるため、屈折レンズの硝材やレンズ面の曲率で分光特性がほとんど決まってしまう。つまり、軸上色収差は屈折作用のパワーと硝材の分散とに依存するため、それが制限となって分光特性の自由度が低くなってしまうという問題がある。
【0005】
また、分光に軸上色収差を利用する場合、軸上付近(つまり光軸を含む軸上領域)の光線が光センサーに入射してノイズにならないようにする必要がある。特許文献1記載の分光分析装置では屈折レンズの後側にマスク部材を設けることにより、また、特許文献2記載の分光分析装置では屈折レンズの前側にマスク部材を設けることにより、それぞれ軸上付近の光線を遮光してノイズの発生を防止している。このため、遮光用の別部材が必要となり、構成の複雑化を招くことになる。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な構成でありながら分光特性の自由度が高い小型の分光光学装置と、それを備えた分光分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明の分光光学装置は、光を収束させる正パワーの回折格子構造を、光軸から離れた軸外領域の少なくとも一部にのみ有する回折光学素子と、前記回折光学素子に対する相対位置が光軸方向に可変であって、前記回折光学素子から射出した光を軸外側から光束規制して受光する可動受光部と、を有することを特徴とする。
【0008】
第2の発明の分光光学装置は、上記第1の発明において、前記回折光学素子が、光を発散させる負パワーの回折格子構造を、光軸を含む軸上領域に有することを特徴とする。
【0009】
第3の発明の分光光学装置は、上記第2の発明において、前記回折光学素子が、前記正パワーの回折格子構造と前記負パワーの回折格子構造を共に光射出側面に有する透過型の回折光学素子であることを特徴とする。
【0010】
第4の発明の分光光学装置は、上記第1の発明において、前記回折光学素子が、光軸を含む軸上領域に遮光構造を有することを特徴とする。
【0011】
第5の発明の分光光学装置は、上記第4の発明において、前記回折光学素子が、光射出側面に前記正パワーの回折格子構造を有し、かつ、光入射側面に前記遮光構造を有する透過型の回折光学素子であることを特徴とする。
【0012】
第6の発明の分光光学装置は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記正パワーの回折格子構造が、光軸から遠いほど強い正パワーを有することを特徴とする。
【0013】
第7の発明の分光光学装置は、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記可動受光部が、前記回折光学素子から射出した光をその収束点近傍で通過させる開口を有する光束規制部材と、前記開口を通過した光を検出する光センサーと、を有することを特徴とする。
【0014】
第8の発明の分光光学装置は、上記第1〜第7のいずれか1つの発明において、前記回折光学素子が、光射出側面に前記正パワーの回折格子構造を有し、かつ、光入射側面にコリメータレンズ面を有する透過型の回折光学素子であることを特徴とする。
【0015】
第9の発明の分光分析装置は、前記可動受光部を光軸方向に移動させる駆動部を更に有する上記第1〜第8のいずれか1つの発明に係る分光光学装置と、前記駆動部を制御して、前記可動受光部の位置とそこで受光した光の強度との関係から波長分布を算出するコンピュータと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光を収束させる正パワーの回折格子構造を、光軸から離れた軸外領域の少なくとも一部にのみ有する構成になっているため、分光光学装置の小型化を達成しながら、簡単な構成で高い自由度の分光特性を得ることができる。そして、本発明に係る分光光学装置を用いることにより、高精度の分光機能を有する小型の分光分析装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】分光分析装置の実施の形態を示す模式図。
【図2】分光光学装置の実施の形態を模式的に示す要部断面図。
【図3】回折光学素子の具体例を模式的に示す平面図。
【図4】回折格子構造の具体例を模式的に示す断面図。
【図5】回折光学素子の第1変形例を模式的に示す平面図。
【図6】回折光学素子の第2変形例を模式的に示す平面図。
【図7】回折光学素子の第3変形例を模式的に示す断面図。
【図8】分光光学装置の実施例に用いられている回折格子構造を示すグラフ。
【図9】分光光学装置の実施例の軸上色収差図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る分光光学装置及び分光分析装置の実施の形態等を、図面を参照しつつ説明する。なお、具体例,変形例等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
【0019】
図1に分光分析装置の一実施の形態を示し、図2に分光光学装置の一実施の形態の要部構成を示す。分光分析装置30は、図1に示すように、光源1,分光光学装置10,コンピュータ20等を備えた分光分析システムである。また分光光学装置10は、図1及び図2に示すように、測定対象部3,コリメータレンズ4,透過型の回折光学素子5,可動受光部6,駆動部9等を備え、赤外領域又は可視領域の波長に基づく分光を行って各波長の光強度を電気的な信号として出力する分光ユニットである。
【0020】
光源1の波長分光を行う場合、光源1からの光が光ファイバー2Aを通ってそのまま測定対象部3から出射される。試料の波長分光を行う場合(例えば、近赤外領域の吸収量で試料の水分量,成分量等を計測する場合)、光源1からの光が光ファイバー2Aを通って試料に照射され、そこで発生した光(反射光又は透過光)が測定対象部3から出射される。測定対象部3から出射された発散光は、コリメータレンズ4で平行光となり、回折光学素子5に入射する(AX:光軸)。
【0021】
回折光学素子5は、図2に示すように、平行平板の光射出側面S2に表面レリーフ型の回折格子構造D1,D2が形成された構成になっており、平面から成る光入射側面S1に対して平行光が垂直に入射するように配置されている。図3に、光軸AXに沿って見た光射出側面S2を示す。回折格子構造D1は、光軸AXから離れた軸外領域A1の一部に形成されており、光を収束させる正パワー(パワー:焦点距離の逆数で定義される量)を有している。回折格子構造D2は、光軸AXを含む軸上領域A2に形成されており、光を発散させる負パワーを有している。つまり、回折光学素子5の光射出側面S2では、軸外領域A1に入射した平行光が回折格子構造D1の正パワーの回折作用により収束し、軸上領域A2に入射した平行光が回折格子構造D2の負パワーの回折作用により発散することになる。
【0022】
回折格子構造D1に正パワーを持たせるため、その格子ピッチは光軸AXから遠いほど細かくなっており、回折格子構造D2に負パワーを持たせるため、その格子ピッチは光軸AXから遠いほど粗くなっている。実際の回折格子構造としては、例えば、図4(A)の断面図に示すように、ピッチの変化した同心円のゾーンプレートタイプの構成を採用してもよく、図4(B)の断面図に示すように、回折効率の高いバイナリー型回折格子を採用してもよい。なお、赤外領域の分光を行う場合の硝材としては、例えば合成石英が挙げられ、回折格子構造D1,D2の形成技術としては、エッチング技術,ナノインプリント技術(紫外線硬化樹脂をコートして回折格子成型する方法等)が挙げられる。
【0023】
回折格子構造D1で収束した光は、可動受光部6に向けて集光される。可動受光部6は、回折光学素子5から射出した光をその収束点近傍で通過させる開口7hを有する光束規制部材7と、開口7hを通過した光を検出する光センサー8と、を有している。したがって、軸外領域A1において回折格子構造D1が設けられていない部分を通過した平行光は、開口7hを通過せずに光束規制部材7で遮られる。また、軸上領域A2において回折格子構造D2に入射した平行光は、負パワーの回折作用により発散され、その発散光の大部分が開口7hを通過せずに光束規制部材7で遮られる。
【0024】
また可動受光部6は、駆動部9により光軸AX方向に移動して(図1,図2中の矢印MX)、回折光学素子5に対する相対位置が光軸AX方向に可変となっており、回折光学素子5から射出した光を光束規制部材7で軸外側から光束規制して受光する。なお、回折光学素子5と可動受光部6との相対位置が光軸AX方向に可変であればよいので、回折光学素子5を駆動部9により光軸AX方向に移動する構成にしてもよい。
【0025】
回折格子構造D1により軸上色収差が発生するため、回折格子構造D1から射出した光は波長ごとに異なった位置で結像することになる。回折格子構造D1のピッチをd、回折格子構造D1への入射光の角度をθ1(媒質:n1)、回折次数をM、回折角をθ2(媒質:n2)、波長をλとすると、回折の式:n2×sinθ2−n1×sinθ1=M×λ/dが成立するため、空気中(n1=n2=1)では、sinθ2=M×λ/dとなる。つまり、波長λが長くなると回折角θ2が大きくなるため、図2に示すように、波長λの短い光(λ3>λ2>λ1)ほど回折光学素子5から遠い位置で結像することになる。
【0026】
したがって、可動受光部6を矢印MX(図1,図2)方向に移動させて、回折格子構造D1から開口7hまでの距離を短くしていくと、開口7hを通過して光センサー8に入射する光は、短波長λ1側から長波長λ3側へと変化する。可動受光部6を矢印MXとは逆方向に移動させて、回折格子構造D1から開口7hまでの距離を長くしていくと、開口7hを通過して光センサー8に入射する光は、長波長λ3側から短波長λ1側へと変化する。
【0027】
上記のように、回折格子構造D1から開口7hまでの距離(つまり回折光学素子5に対する可動受光部6の相対位置)は波長λと対応しているため、可動受光部6を光軸AX方向に移動走査すると、可動受光部6の位置と光センサー8で検出した光強度から、各波長の光強度(分光強度)を電気的な信号として出力することができる。光センサー8からの出力は、図1に示すように、USBケーブル2Bを介してコンピュータ20(本体20a,モニター20b等から成る。)に送られる。コンピュータ20では、本体20aが駆動部9を制御して、可動受光部6の位置とそこで受光した光の強度との関係から波長分布を算出し、得られた波長分布をモニター20bで表示する。なお、光センサー8としては、例えばフォトダイオードが挙げられ、赤外領域の分光を行う場合にはInGaAsセンサーが挙げられる。
【0028】
ところで、屈折レンズの軸上色収差で分光を行うと、屈折レンズの硝材やレンズ面の曲率で分光特性がほとんど決まってしまう。つまり、軸上色収差は屈折作用のパワーと硝材の分散とに依存するため、それが制限となって分光特性の自由度が低くなってしまう。それに対し、回折格子構造D1の軸上色収差で分光を行うと、曲率を強くしたり屈折率や分散の高い硝材を選択したりする制限が無くなるため、軸上色収差の制御が容易になって、変化の大きい回折作用により自由度の高い分光が可能となる。
【0029】
したがって、この分光光学装置10によれば、光を収束させる正パワーの回折格子構造D1を光軸AXから離れた軸外領域A1の少なくとも一部にのみ有する構成になっているため、分光光学装置10の小型化を達成しながら、簡単な構成で高い自由度の分光特性を得ることができる。そして、この分光光学装置10を用いることにより、高精度の分光機能を有する小型の分光分析装置30を実現することができる。
【0030】
また、回折光学素子5が、光を発散させる負パワーの回折格子構造D2を、光軸AXを含む軸上領域A2に有することにより、高精度の分光が可能となる。分光に軸上色収差を利用する場合、軸上付近(つまり光軸AXを含む軸上領域A2)の光線が光センサー8に入射してノイズにならないようにする必要がある。回折光学素子5では、軸上領域A2に入射した平行光が回折格子構造D2の負パワーの回折作用により発散するため、その発散光の大部分は開口7hを通過せずに光束規制部材7で遮られることになる。したがって、光センサー8に対する入射光量が抑えられるため、遮光用の別部材を設ける必要が無くなり、構成の複雑化無しにノイズの発生を効果的に防止することができる。
【0031】
また、回折光学素子5の同一光学面に2種類の回折格子構造D1,D2の両方を一体的に形成することができるので、回折光学素子5の小型化,高性能化及び低コスト化が可能になるとともに、その製造も容易になる。したがって、図2〜図4に示すように、回折光学素子5が、正パワーの回折格子構造D1と負パワーの回折格子構造D2を共に光射出側面S2に有する透過型の回折光学素子5であることが好ましい。
【0032】
軸上色収差を大きく発生させれば分光の高精度化が可能になるので、軸上色収差を大きくするような非球面に相当する回折格子構造D1を用いることが好ましい。つまり、光軸AXから遠いほど正パワーが強くなるように格子ピッチを細かくして、光軸AXから遠いほど曲率が強くなる非球面の屈折作用と同様の正パワーの回折作用を、回折格子構造D1に持たせればよい。したがって、回折格子構造D1は光軸AXから遠いほど強い正パワーを有することが好ましい。
【0033】
図2等に示す分光光学装置10では、光学的に回転対称な回折光学素子5を用いて点状に集光し、光センサー8で受光する構成になっているが、図5に示すように、光学的に非回転対称な回折光学素子5A(第1変形例)を用いて線状に集光し、光センサー8としてラインセンサーを用いて受光する構成にしてもよい。図5に示す回折光学素子5Aは、シリンドリカルレンズ面の屈折作用と同様のパワーの回折作用を持った1次元(直線状)の回折格子構造D1,D2を有しているほかは、前記回折光学素子5と同様に作用する。
【0034】
図6(B)に示すように、光軸AXを含む軸上領域A2に遮光構造T0を有する回折光学素子5B(第2変形例)を用いてもよい。図2等に示す分光光学装置10では、回折光学素子5の光射出側面S2に回折格子構造D1,D2の両方が一体的に形成された構成になっているが、図6(A)に示すように光射出側面S2に回折格子構造D1を(図3と同様に)形成し、図6(B)に示すように光入射側面S1に遮光構造T0を前記回折格子構造D2の代わりに形成してもよい(T1は透過領域である。)。この遮光構造T0としては、例えばクロムコートから成るものを用いることができる。
【0035】
光入射側面S1では透過領域T1のみを光が透過する。遮光構造T0は光入射側面S1の最外周にも形成されているので、透過領域T1を通過した光は、ほとんどすべて光射出側面S2の回折格子構造D1に入射し、その正パワーで可動受光部6に向けて集光される。遮光構造T0で少なくとも軸上領域A2の光を遮ることにより、光入射側面S1を透過した光の大部分を回折格子構造D1に入射させることができる。したがって、光射出側面S2に正パワーの回折格子構造D1を有し、かつ、光入射側面S1に遮光構造T0を有する透過型の回折光学素子5Bを用いることにより、ノイズの発生を効果的に防止して高精度の分光を行うことが可能となる。
【0036】
図7に示すように、光射出側面S2に正パワーの回折格子構造D1等を有し、かつ、光入射側面S1にコリメータレンズ面R1を有する透過型の回折光学素子5C(第3変形例)を用いてもよい。このコリメータレンズ面R1は、前記コリメータレンズ4(図1)に相当するものである。したがって、光学系として回折光学素子5Cのみ用いればよく、測定対象部3から出射した発散光をコリメータレンズ面R1で平行光にして、光射出側面S2の回折格子構造D1,D2に入射させることができる。
【0037】
回折光学素子5Cを用いれば、別部材としてコリメータレンズ4を用いる必要がないので、分光光学装置10(図1)の小型化が可能となる。また、コリメータレンズ面R1を光入射側面S1に配置することにより、その屈折作用が回折格子構造D1の回折作用と相殺されないようにすることができる。なお、コリメータレンズ面R1の屈折作用と同様の正パワーの回折作用を有する回折格子構造を、光入射側面S1に設けたり、回折格子構造D1,D2に重ねて光射出側面S2に設けてもよい。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施した分光光学装置10に用いられる回折光学素子5の光学構成等を更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例は、前述した回折光学素子5が有する回折格子構造D1(図2〜図4等)の数値実施例である。
【0039】
回折光学素子5の回折格子構造D1は、以下の式(DS)で定義される。
φ=M・Σ(Ai・ρ2i) …(DS)
ただし、
φ:位相関数、
M:回折次数、
ρ:正規化アパチャー座標、
i:ρの2i乗項の係数、
である。
【0040】
図8に、回折格子構造D1の直径をΦ20mmとした場合の直径Φ10mm以上の軸外領域A1における位相関数:φ=−3020.00ρ2+37.27ρ4−0.80ρ6を示す。また、回折格子構造D1の作製時の数値データとして、半径5mm以上の領域の掘り始めの周期(Cycles)mと半径(radius)の値を以下に示す。2×m×piに相当する半径の位置から2×(m+1/2)×piまでの区間を掘るものとし(pi:格子ピッチ)、作製する回折格子構造D1の最大半径を10mmとし、半径5mm以上の領域で収束(集光)し、半径5mm以下の領域で発散するものとする。
【0041】
実施例
Cycles (m) radius
-120.000000 5.004322
-121.000000 5.025195
-122.000000 5.045982
-123.000000 5.066685
-124.000000 5.087305
-125.000000 5.107842
-126.000000 5.128299
-127.000000 5.148675
-128.000000 5.168972
-129.000000 5.189190
-130.000000 5.209331
-131.000000 5.229396
-132.000000 5.249385
-133.000000 5.269299
-134.000000 5.289139
-135.000000 5.308906
-136.000000 5.328601
-137.000000 5.348224
-138.000000 5.367776
-139.000000 5.387258
-140.000000 5.406672
-141.000000 5.426016
-142.000000 5.445293
-143.000000 5.464503
-144.000000 5.483647
-145.000000 5.502725
-146.000000 5.521738
-147.000000 5.540687
-148.000000 5.559572
-149.000000 5.578394
-150.000000 5.597154
-151.000000 5.615852
-152.000000 5.634489
-153.000000 5.653066
-154.000000 5.671583
-155.000000 5.690040
-156.000000 5.708438
-157.000000 5.726779
-158.000000 5.745062
-159.000000 5.763287
-160.000000 5.781457
-161.000000 5.799570
-162.000000 5.817628
-163.000000 5.835630
-164.000000 5.853579
-165.000000 5.871473
-166.000000 5.889314
-167.000000 5.907102
-168.000000 5.924837
-169.000000 5.942521
-170.000000 5.960153
-171.000000 5.977733
-172.000000 5.995264
-173.000000 6.012743
-174.000000 6.030173
-175.000000 6.047554
-176.000000 6.064886
-177.000000 6.082169
-178.000000 6.099404
-179.000000 6.116592
-180.000000 6.133732
-181.000000 6.150825
-182.000000 6.167872
-183.000000 6.184873
-184.000000 6.201828
-185.000000 6.218738
-186.000000 6.235602
-187.000000 6.252422
-188.000000 6.269198
-189.000000 6.285930
-190.000000 6.302618
-191.000000 6.319263
-192.000000 6.335865
-193.000000 6.352425
-194.000000 6.368942
-195.000000 6.385417
-196.000000 6.401851
-197.000000 6.418244
-198.000000 6.434596
-199.000000 6.450907
-200.000000 6.467178
-201.000000 6.483409
-202.000000 6.499600
-203.000000 6.515751
-204.000000 6.531864
-205.000000 6.547938
-206.000000 6.563973
-207.000000 6.579970
-208.000000 6.595929
-209.000000 6.611850
-210.000000 6.627734
-211.000000 6.643580
-212.000000 6.659390
-213.000000 6.675163
-214.000000 6.690900
-215.000000 6.706601
-216.000000 6.722265
-217.000000 6.737894
-218.000000 6.753488
-219.000000 6.769047
-220.000000 6.784570
-221.000000 6.800059
-222.000000 6.815514
-223.000000 6.830934
-224.000000 6.846321
-225.000000 6.861674
-226.000000 6.876993
-227.000000 6.892279
-228.000000 6.907532
-229.000000 6.922752
-230.000000 6.937940
-231.000000 6.953095
-232.000000 6.968218
-233.000000 6.983309
-234.000000 6.998368
-235.000000 7.013395
-236.000000 7.028392
-237.000000 7.043357
-238.000000 7.058291
-239.000000 7.073194
-240.000000 7.088067
-241.000000 7.102909
-242.000000 7.117721
-243.000000 7.132504
-244.000000 7.147256
-245.000000 7.161979
-246.000000 7.176672
-247.000000 7.191336
-248.000000 7.205971
-249.000000 7.220577
-250.000000 7.235154
-251.000000 7.249702
-252.000000 7.264223
-253.000000 7.278715
-254.000000 7.293179
-255.000000 7.307615
-256.000000 7.322023
-257.000000 7.336404
-258.000000 7.350757
-259.000000 7.365083
-260.000000 7.379382
-261.000000 7.393654
-262.000000 7.407900
-263.000000 7.422118
-264.000000 7.436311
-265.000000 7.450476
-266.000000 7.464616
-267.000000 7.478730
-268.000000 7.492818
-269.000000 7.506880
-270.000000 7.520917
-271.000000 7.534928
-272.000000 7.548914
-273.000000 7.562874
-274.000000 7.576810
-275.000000 7.590721
-276.000000 7.604607
-277.000000 7.618468
-278.000000 7.632305
-279.000000 7.646118
-280.000000 7.659906
-281.000000 7.673671
-282.000000 7.687411
-283.000000 7.701127
-284.000000 7.714820
-285.000000 7.728490
-286.000000 7.742136
-287.000000 7.755758
-288.000000 7.769358
-289.000000 7.782934
-290.000000 7.796487
-291.000000 7.810018
-292.000000 7.823525
-293.000000 7.837011
-294.000000 7.850473
-295.000000 7.863914
-296.000000 7.877332
-297.000000 7.890728
-298.000000 7.904102
-299.000000 7.917454
-300.000000 7.930784
-301.000000 7.944093
-302.000000 7.957380
-303.000000 7.970645
-304.000000 7.983889
-305.000000 7.997112
-306.000000 8.010314
-307.000000 8.023494
-308.000000 8.036654
-309.000000 8.049793
-310.000000 8.062911
-311.000000 8.076008
-312.000000 8.089085
-313.000000 8.102142
-314.000000 8.115178
-315.000000 8.128194
-316.000000 8.141190
-317.000000 8.154165
-318.000000 8.167121
-319.000000 8.180057
-320.000000 8.192973
-321.000000 8.205869
-322.000000 8.218746
-323.000000 8.231603
-324.000000 8.244441
-325.000000 8.257260
-326.000000 8.270059
-327.000000 8.282840
-328.000000 8.295601
-329.000000 8.308343
-330.000000 8.321067
-331.000000 8.333771
-332.000000 8.346457
-333.000000 8.359125
-334.000000 8.371773
-335.000000 8.384404
-336.000000 8.397016
-337.000000 8.409609
-338.000000 8.422185
-339.000000 8.434742
-340.000000 8.447282
-341.000000 8.459803
-342.000000 8.472307
-343.000000 8.484793
-344.000000 8.497261
-345.000000 8.509711
-346.000000 8.522144
-347.000000 8.534559
-348.000000 8.546957
-349.000000 8.559338
-350.000000 8.571701
-351.000000 8.584047
-352.000000 8.596377
-353.000000 8.608689
-354.000000 8.620984
-355.000000 8.633262
-356.000000 8.645523
-357.000000 8.657768
-358.000000 8.669996
-359.000000 8.682207
-360.000000 8.694402
-361.000000 8.706581
-362.000000 8.718743
-363.000000 8.730888
-364.000000 8.743018
-365.000000 8.755131
-366.000000 8.767228
-367.000000 8.779309
-368.000000 8.791374
-369.000000 8.803423
-370.000000 8.815456
-371.000000 8.827474
-372.000000 8.839476
-373.000000 8.851462
-374.000000 8.863432
-375.000000 8.875387
-376.000000 8.887326
-377.000000 8.899250
-378.000000 8.911159
-379.000000 8.923053
-380.000000 8.934931
-381.000000 8.946794
-382.000000 8.958642
-383.000000 8.970474
-384.000000 8.982292
-385.000000 8.994095
-386.000000 9.005883
-387.000000 9.017656
-388.000000 9.029415
-389.000000 9.041159
-390.000000 9.052888
-391.000000 9.064602
-392.000000 9.076302
-393.000000 9.087988
-394.000000 9.099659
-395.000000 9.111316
-396.000000 9.122958
-397.000000 9.134586
-398.000000 9.146200
-399.000000 9.157800
-400.000000 9.169386
-401.000000 9.180958
-402.000000 9.192516
-403.000000 9.204059
-404.000000 9.215589
-405.000000 9.227106
-406.000000 9.238608
-407.000000 9.250096
-408.000000 9.261571
-409.000000 9.273033
-410.000000 9.284481
-411.000000 9.295915
-412.000000 9.307336
-413.000000 9.318743
-414.000000 9.330137
-415.000000 9.341518
-416.000000 9.352885
-417.000000 9.364239
-418.000000 9.375580
-419.000000 9.386908
-420.000000 9.398223
-421.000000 9.409525
-422.000000 9.420813
-423.000000 9.432089
-424.000000 9.443352
-425.000000 9.454602
-426.000000 9.465840
-427.000000 9.477064
-428.000000 9.488276
-429.000000 9.499475
-430.000000 9.510662
-431.000000 9.521835
-432.000000 9.532997
-433.000000 9.544146
-434.000000 9.555282
-435.000000 9.566406
-436.000000 9.577518
-437.000000 9.588617
-438.000000 9.599705
-439.000000 9.610779
-440.000000 9.621842
-441.000000 9.632893
-442.000000 9.643931
-443.000000 9.654957
-444.000000 9.665972
-445.000000 9.676974
-446.000000 9.687965
-447.000000 9.698943
-448.000000 9.709910
-449.000000 9.720865
-450.000000 9.731808
-451.000000 9.742739
-452.000000 9.753659
-453.000000 9.764567
-454.000000 9.775463
-455.000000 9.786348
-456.000000 9.797221
-457.000000 9.808083
-458.000000 9.818933
-459.000000 9.829772
-460.000000 9.840599
-461.000000 9.851416
-462.000000 9.862220
-463.000000 9.873014
-464.000000 9.883796
-465.000000 9.894567
-466.000000 9.905327
-467.000000 9.916076
-468.000000 9.926813
-469.000000 9.937540
-470.000000 9.948255
-471.000000 9.958960
-472.000000 9.969654
-473.000000 9.980336
-474.000000 9.991008
【0042】
図9に、波長ごとの結像位置(縦収差図)を示す。測定波長幅:ΔW(nm)、測定波長分解能:ΔP(nm)、軸上色収差量:ΔA(μm)、走査分解能:ΔL(μm)とすると、軸上色収差量の好ましい範囲は、ΔA/ΔL≧ΔW/ΔPである。分光光学装置10の波長分解能を0.1nmとすると、900nm〜2600nmの範囲(1700nm)を分光走査する場合、ステッピングモーター等の駆動方法を用いれば、走査分解能は1μm程度であるため、ΔA≧1(μm)×1700(nm)/0.1(nm)=17(mm)となり、17mm以上の収差量が最低必要となる。したがって、軸上色収差量は17mm以上であることが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
D1 正パワーの回折格子構造
D2 負パワーの回折格子構造
A1 軸外領域
A2 軸上領域
T0 遮光構造
T1 透過領域
1 光源
2A 光ファイバー
2B USBケーブル
3 測定対象部
4 コリメータレンズ
5,5A,5B,5C 回折光学素子
6 可動受光部
7 光束規制板
7h 開口
8 光センサー
9 駆動部
10 分光光学装置
20 コンピュータ
30 分光分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を収束させる正パワーの回折格子構造を、光軸から離れた軸外領域の少なくとも一部にのみ有する回折光学素子と、前記回折光学素子に対する相対位置が光軸方向に可変であって、前記回折光学素子から射出した光を軸外側から光束規制して受光する可動受光部と、を有することを特徴とする分光光学装置。
【請求項2】
前記回折光学素子が、光を発散させる負パワーの回折格子構造を、光軸を含む軸上領域に有することを特徴とする請求項1記載の分光光学装置。
【請求項3】
前記回折光学素子が、前記正パワーの回折格子構造と前記負パワーの回折格子構造を共に光射出側面に有する透過型の回折光学素子であることを特徴とする請求項2記載の分光光学装置。
【請求項4】
前記回折光学素子が、光軸を含む軸上領域に遮光構造を有することを特徴とする請求項1記載の分光光学装置。
【請求項5】
前記回折光学素子が、光射出側面に前記正パワーの回折格子構造を有し、かつ、光入射側面に前記遮光構造を有する透過型の回折光学素子であることを特徴とする請求項4記載の分光光学装置。
【請求項6】
前記正パワーの回折格子構造が、光軸から遠いほど強い正パワーを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の分光光学装置。
【請求項7】
前記可動受光部が、前記回折光学素子から射出した光をその収束点近傍で通過させる開口を有する光束規制部材と、前記開口を通過した光を検出する光センサーと、を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の分光光学装置。
【請求項8】
前記回折光学素子が、光射出側面に前記正パワーの回折格子構造を有し、かつ、光入射側面にコリメータレンズ面を有する透過型の回折光学素子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の分光光学装置。
【請求項9】
前記可動受光部を光軸方向に移動させる駆動部を更に有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の分光光学装置と、前記駆動部を制御して、前記可動受光部の位置とそこで受光した光の強度との関係から波長分布を算出するコンピュータと、を備えることを特徴とする分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−247583(P2011−247583A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117514(P2010−117514)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】