分光光度計及び方法
【課題】低コスト、高速、且つ小型化された分光光度計を提供する。
【解決手段】分光光度計は、円形アレイ状に配列された複数のLED90を含んでおり、各アレイは、パルス幅変調の使用によって確定される較正電力入力を有し、且つ、固有の蛍光燐光体被覆又はレンズの活用によって確定される固有の波長帯域を有している。LEDの内の少なくとも1つは、燐光体を含んでいない高エネルギーUV LEDを備えている。分光光度計へと反射される光は、線形可変フィルター116と光検出器117を活用することによって所定の波長範囲に分割され、光検出器からのアナログ信号は、自動範囲設定利得技法を使用することによってデジタル値に変換される。
【解決手段】分光光度計は、円形アレイ状に配列された複数のLED90を含んでおり、各アレイは、パルス幅変調の使用によって確定される較正電力入力を有し、且つ、固有の蛍光燐光体被覆又はレンズの活用によって確定される固有の波長帯域を有している。LEDの内の少なくとも1つは、燐光体を含んでいない高エネルギーUV LEDを備えている。分光光度計へと反射される光は、線形可変フィルター116と光検出器117を活用することによって所定の波長範囲に分割され、光検出器からのアナログ信号は、自動範囲設定利得技法を使用することによってデジタル値に変換される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色の測定に、具体的には、光の波長を対応するデジタルデータ表現に変換することによる色の分光光度検出及び評価に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年4月3日に出願され、第60/921,632号の出願番号が与えられた米国仮特許出願「分光測色計」に関係し、同出願に対する優先権を主張する。
濃度計や殆どの比色計の様なスペクトル帯域の広い計器は、様々な実用的用途に役立っているが、それらの実用性は、特定の目的に対応した出力又は小セットの出力に限定される。RGB濃度の測定のみが必要な場合時、濃度計は、どの様な形式の中間データも必要とせずに、直接的で目的に適った結果を提供するであろう。同様に、サンプル又はサンプル群のCIELab値、恐らくは、それらサンプルのXYZ三刺激値が、必要とされる全てである時、安価な比色計でもそれらの結果を提供することができる。これらの装置は、測定対象の色の正味スペクトル内容(spectral content)を利用し、本質的に、情報を数個のみの値、通常は3つ、に絞る。それら3つの値が必要とされている全てである時には、これらの装置はそれらの目的に適っていた。
【0003】
対比的に、分光学的装置(例えば、分光光度計及び分光測光計)は、全く正反対のやり方でデータを送出する。それらは、一回限りの計量で特定の最終結果を提供するのではなく、サンプルの色の最も基本的な測定値、即ち、そのスペクトル内容を提供する。一旦収集され記録されたスペクトル情報を使用して、XYZ、CIELuvなどの様な分析濃度及び比色単位を含め、色を定量化するのに使用される事実上全ての他の計量値を計算することができる。しかしながら、必要な計算を行うためには、スペクトル測定値と併せて、着色剤に関連するデータの様な他のデータが必要になるかもしれないことに注目頂きたい。スペクトルデータを収集することの多能的利点の他に、メタメリズム及び蛍光の様なスペクトル現象を特徴付ける能力を有しているという付加的利点もある。
【0004】
従来の分光光度計は、光源、検出器、及び、サンプルから反射されたか又はサンプルを透過した光を分散又は回折するのに使用される装置を採用することで、スペクトル成分の検出と定量化を行えるようにしている。一般的に使用されている構成要素として、プリズムと回折格子が挙げられる。光源をスペクトル成分に分散させ、次いで、サンプルから反射されたか又はサンプルを透過した光の量を測定する計器は、モノクロメーターとして知られている。
【0005】
プリズムは、通常、ガラス又はプラスチックの様な透明な材料で作られ、光をそのスペクトル成分に分散させる。プリズムを作る材料は、空気とは異なる屈折率を有している。光は、1つの物質から別の物質の中へと進む時に屈折し、つまり、その方向が、2つの物質の屈折率の差に応じた量だけ変化する。また、屈折角度は波長に伴って変化するので、光を構成しているスペクトル成分は空間内に分散される。この空間分散を横切って単一のセンサを並進移動させて各スペクトル成分の量を測定することもできるし、静止リニアセンサを配置してスペクトル成分全てを一度に測定することもできる。
【0006】
プリズム同様、回折格子も、光をスペクトル成分に分散させるが、そのメカニズムは大きく異なっている。回折格子は、材料面に等間隔に配置された一連の細い平行なスリット又は罫線(溝)で構成されている反射又は透過要素である。光がその様な要素を通過すると、フラウンホーファー回折によって或るパターンが作り出される。プリズムに格子を被せることの利点は、それらが提供する高い分解能力である。
【0007】
単一波長から成る光、即ち、単色光が回折格子を通過した時は、得られた回折パターンの分析を罫線間隔の知識と併用すれば光の波長を求めることができる。光が2つの異なる波長から成る場合は、2つのパターンが形成され、而して2つの別々の波長を求めることができる。白色光が回折格子に通されると、各波長は、格子方程式で定義されている異なる方向に送られ、パターンはスペクトルとして現れる。各波長のエネルギーの量は、罫線の間隔によって制約されるスペクトル分解能で求めることができる。この間隔を格子間隔(d)と呼ぶ。この間隔が狭いほど、より幅広くスペクトルは拡大する。
【0008】
高品質回折格子は、透過型格子を製造する場合には平坦なガラス面に、或いは反射型格子を製造する場合には研磨された金属ミラーに、ダイヤモンド先端で細い溝を引くことによって製作される。溝は、光を散乱させ効果的に不透明とし、一方、表面の傷の無い部分は、光を規則的に通すか又は反射し、スリットとして働く。優れた回折格子としての最も基本的な要件は、幅が最大で25cmになることもある格子の表面全体に亘って可能な限り等間隔に線を配置しなくてはならないということである。各溝が引かれた後、ダイヤモンド先端を持ち上げて次の溝の場所に移動させねばならないが、この難しい要件を満たす罫引き機械は殆ど無い。必然的に、高品質の罫引き回折格子は、極めて高価になってしまう。ホログラフィー干渉パターンから格子を作り出せるようにしたフォトリソグラフィー技法が開発されている。製作費用が非常に低いとはいえ、ホログラフィック格子は正弦波状溝を有しているので、罫引き格子ほど効率が良くない。
【0009】
光をスペクトル成分に分散させるのに使用することのできる第3の型式の装置は、ファブリ・ペロー干渉計又はエタロンである。2つの用語は、しばしば同義的に用いられるが、厳密に言えば、前者は、2つの平行な高反射ミラーを使用する装置を指し、後者は、2つの反射面を表面に堆積させた透明なプレートである。前者の装置は、Charles FabryとAlfred Perotに因んで名づけられている。エタロンは、仏語のetalonに由来しており、「計器」又は「標準」を意味している。
【0010】
概括的に述べれば、干渉計は、2つ又はそれ以上の入力波を重ね合わせるか又は干渉させて異なる出力波を作り出し、従ってそれを使用すれば、入力波同士の違いに関する情報を取得できるという科学である。それは、2つの波が同じ振幅を有する場合、位相が一致する2つの波は互いに加え合い、一方、異なる位相を有する2つの波は互いに打ち消し合うという原理に基づいている。エタロンの変化する透過関数は、2つの反射面の間での複数の光の反射の間の干渉によって引き起こされる。伝送波が同位相である時には建設的干渉が起こり、その結果、伝送が強まる。伝送波が位相外れの時には破壊的干渉が起こり、その結果、伝送が弱まる。多重反射波が同位相であるか否かは、光の波長(λ)、エタロンを通って進んでゆく光の角度(θ)、エタロンの厚さ(l)、及び反射面の間の物質の屈折率(n)によって決まる。
【0011】
光の波長と、光がエタロン内部を進む角度の関係は、各最大値(m)に対し、
2nlcosθ=mλ
によって与えられる。
【発明の概要】
【0012】
小型の楔形エタロンがリニアセンサの最上部に取り付けられており、センサの個別のフォトセットからの信号を使用して、各波長での相対エネルギー量が求められる。センサのフォトセット間の距離と、楔形エタロンの全長及びスペクトル範囲との関係により、その様なスペクトルセンサが提供することのできるスペクトル分解能(波長間隔)が決まる。範囲が400nmから700nmの128画素センサでは、この分解能は約3nmである。
【0013】
この様なスペクトルセンサを、十分な白色光光源及び適切に構成された光路と共に使用すれば、低コスト、高速、且つ小型化された分光光度計を作ることができる。高速性は、光源による単回白色光曝露によるものであり、1回の取得でスペクトルデータの全てを捕捉できるおかげである。小型化は、スペクトルセンサ及び光路要件の寸法が相応に小さいことによるものである。低コストは、低コストで大量に製造することのできる小型楔形エタロンを含め、安価な材料を使用することによって実現されている。
【0014】
光源の主要な要件は、スペクトルの可視部分の全波長で、ほぼ等しいエネルギー出力を放出できなくてはならないということである。考慮しなければならない他の特徴には、電力消費量、熱の発生、紫外線放射に関わる安全上の懸念、出力の一貫性、及び寿命が含まれる。
【0015】
市販されている分光光度計では、タングステン−ハロゲン光源が広く使用されているが、それらは、可視スペクトルの約450nm未満の青色部分にエネルギーを欠く傾向がある。それらには、更に、相当量の赤外線エネルギーを生み出す傾向があり、センサの飽和を回避するためIR吸収又は遮断用光学系の使用が必要になる。タングステン−ハロゲン光源の光対熱効率は約20%に過ぎず、生じた熱は、通常は、冷却及び通気システムを使って処理しなければならない。
【0016】
タングステン−ハロゲン光源の代替としてキセノンアーク燈がある。これらの光源は、紫外線及び赤外線を含む、約200nmから2000nmの範囲の広域エネルギー出力を生み出す。これらの光源には高電圧が必要で小型化は難しい。キセノン光源のスペクトル出力又はスペクトルパワー分布は、全体的にタングステン光源や他の黒体発光体ほど滑らかではなく、可視スペクトル全域に亘って多くのスパイクを示す傾向があり、これらエネルギーの孤立したスパイクが問題を提起することもある。
【0017】
色測定装置で人気を博しているもう1つの光源に、発光ダイオード、即ちLEDがある。LEDは、電流が印加されると或る帯域の光を放射する半導体素子であり、効果は電界発光として知られている。放射光の色は、使用されている半導体材料の組成によって決まり、スペクトルの可視部分全域並びに赤外線及び近紫外線に及ぶ。LEDのスペクトルは、非常に狭い帯域から相当広い帯域までを範囲とする。白色光LEDは、単一LED内に2つ又はそれ以上の半導体材料を組み合わせることによって製造されてきた。これらは殆どが青色光と黄色光を放射する材料で構成されている。これらのLEDにより放射される光は、殆どが白色光であるが、通常、非常に冷たい(青味がかっている)か、又は非常に温かい(赤みがかった黄色)かのどちらかにはっきりと偏っている。LEDの幾つかの利点は、それらの効率の良さ、電力消費が少ないこと、赤外線の様な望ましくない波長を排除できること、及び、それらの寿命が長くて安定していることである。
【0018】
可視スペクトルの殆どをカバーする異なるスペクトルパワー分布を有する多種多様なLEDが入手可能であるが、LEDでカバーしきれないスペクトル領域が幾つか存在する。LEDによるカバーを最も欠く領域は、約420nm、485nm、580nm、及び680nmを中心とする帯域である。スペクトルの全可視領域をカバーしている個々のLEDを全て一度に点灯させた場合、及び、得られた光を混合又は統合した場合、混合光は白色光から成り、これを、色測定の目的で反射性サンプルを照射するのに使用することができるようになる。
【0019】
全部のLEDから発せられた光を混合することに代わる1つのやり方は、各々を個別に点灯させ、個々のLEDのそれぞれに対応する1つの読み値を取ることである。この方式は、測定時間が桁外れに長くなるので、数個のLEDを備えた装置では非実用的である。
【0020】
添付図面を参照しながら、本発明を分かり易く説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】選択された蛍光発光材料の発光スペクトルを示すグラフである。
【図2】標準的燐光体の発光スペクトルのグラフである。
【図3】本発明の教示に基づき作られた分光光度計の一部の簡略分解図である。
【図4】各種部品の空間関係を説明するのに役立つ、図3の分光光度計の一部の断面図である。
【図5】本発明のシステムの、パルス幅変調のオペレーションを説明するのに役立つ論理フローチャートである。
【図6】本発明のシステムで使用されるパルス幅変調の説明に役立つ機能ブロック図である。
【図7】多重LEDシステムでのパルス幅変調の使用を説明している機能ブロック図である。
【図8】丸みの付いた円筒形レンズの形態をしている光路幾何学形状変換器の図である。
【図9】光ファイバー型光伝送装置の形態をしている光路幾何学形状変換器の図である。
【図10】本発明に組み込まれているスペクトルセンサ組立体の概略図である。
【図11】図10のコリメート用フェースプレートの光ファイバーアレイ又は毛細管アレイの代替パターンの図である。
【図12】本発明に使用されているフェースプレートのコリメート工程を説明するのに役立つ、ガラス基板と接触している図10及び図11のコリメート用フェースプレートEの部分断面図である。
【図13】干渉フィルター楔被覆の概略図である。
【図14】リニア光検出器アレイの概略表示である。
【図15】光検出器アレイ内の光検出器サイトの代替配列の概略表示である。
【図16】126画素アレイの実寸法を示しているリニア光検出器の概略表示である。
【図17】本発明の教示に基づき構成された分光光度計の1つの実施形態の分解概略表示図である。
【図18】本発明の教示に基づき構成された分光光度計の別の実施形態の分解概略表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
光源としてLEDを使用し、全てのLEDを一度に作動させる色測定装置を構築するためには、LEDの選定は、得られる混合光が、可視スペクトルの全波長でほぼ等しいエネルギーを持つように行わなければならない。これを実現するには、先に述べたスペクトル間隙を埋めなければならない。そうでなければ、混合光のスペクトルは、エネルギーの不足したポケットのせいで相当にでこぼこし、装置の精度を危うくする可能性がある。これらのスペクトル範囲をカバーするLEDを入手することはできなくても、蛍光発光材料なら入手可能であり、これをLEDと組み合わせて追加のエネルギーを提供することはできる。
【0023】
蛍光は、ルミネセンスの一形態、即ち冷体放射である。蛍光は、材料分子の光子吸収が、(通常は)より長い波長を有する別の光子の放出を引き起こした時に起こる。蛍光発光材料の分子の特性にもよるが、通常、吸収された光子の波長は、紫外から青色までの範囲に在り、放出された光子の波長は、ちょうど可視スペクトル内のそれよりは長い波長付近に収まる。材料は、粉末状のものは、光学的に透明なエポキシ樹脂と混ぜ合わせてLEDレンズに置き換えて使用することもできるし、又は、透明な面に被覆して、LEDから放射される光の光路内に設置することもできる。被覆されていないLEDが、適切な波長を有する放射線を出している場合、被覆を施すと、得られるスペクトルパワー分布は、量は減少するが元の波長を有する放射線と、蛍光発光材料に関係付けられるより長い波長を有する可視光線とから構成されることになる。市販されている幾つかの蛍光発光材料の発光スペクトルを図1に示している。
【0024】
LEDと蛍光発光材料を、分光光度計の様な色測定装置の光源として使用することは、他の型式の光源に勝る幾つかの利点をもたらす。第1に、LEDを備えた光源は、光出力量対電力消費量の点から見て非常に効率が高い。例えば、LEDと蛍光発光材料を使って、約3.5Vで180mA未満の電力しか消費しない分光光度計を作ることができ、この計器なら一般的なラップトップコンピューターのUSBポートから電力供給を受けられるようになる。この型式の光源がもたらすもう1つの利点は、その寿命が長いので、全く取り換える必要が無いことである。もう1つの利点は、光源は、望ましくない赤外線が存在せず、大量の熱も発生しないように構成することができるので、望ましくないエネルギーを補償するための費用の掛かるサブシステムが必要無いことである。
【0025】
様々なLEDを光源として使用する分光光度計は、従来型の光源では実現することができない新しい特徴を提供することができる。光源のLEDの内の少なくとも1つが紫外線放射を発する型式である場合、当該分光光度計は、印刷用媒体及び着色剤の様な他の材料内の蛍光の状態を検査するのに使用することができる。インクジェット、電子写真、染料昇華、及び従来のハロゲン化銀印刷を含め、画像化プロセスで用いられる媒体は、全て、蛍光増白剤(FWA)又は光学的明色化剤(OBA)として知られている特殊な白色化剤を含んでいる可能性がある。その様な薬剤は、普通に反射された光の混合光に、紫外線放射の蛍光の結果である何らかの光を加えることによって、媒体の明度(L*)を高めるのに使用されている。これは、画像化には非常に有用であるが、媒体のスペクトル反射率にスパイクを加えることになるので、色測定を混乱させる恐れもある。紫外から青色までのスペクトル内容が不十分な光源を使用している分光光度計は、これらのスパイクを検出することができない。
【0026】
FWAとOBAに加えて、インクジェット印刷で使用されるインク、写真撮影及び染料昇華型印刷で使用される染料、及び電子写真で使用されるトナーを含め、画像化着色剤の中には蛍光を呈するものもある。これは、結果的に、望ましくない色ずれの原因となり、望ましくない発光体メタメリズム現象を引き起こす恐れがある。紫外線LEDでは、紫外線の有無に関わらずサンプルを検査することが可能なため、蛍光の存在を検査することができるようになる。
【0027】
LEDを光源として使用することに加え、個別のLEDの通電は、パルス幅変調(PMW)を使用してLEDの輝度を制御することによって制御される。本発明のシステムは、LEDは、主要照射源としては使われておらず、代わりに、LEDレンズ上又はディフューザのカラー内へ切り込まれたLEDチャンバ内部、或いはそうでなければLEDからの照射路内に堆積させた複数の蛍光燐光体層を駆動するのに必要な光エネルギーを提供しており、これを、「電界蛍光」照射と呼ぶ。LED自体は、主に青色、紫色、及び紫外であり、燐光体層を励起するのに、100mWを超えるUVエネルギーがLEDによって生成される。説明のために選定した実施形態では、8個のLEDのそれぞれは、自身のPMW回路によって駆動され、同回路は各LEDを最大50mAまで駆動することができる。PWMパルス周波数を調整することにより、LEDのあらゆる組合せの輝度を、各々独立して、上げたり下げたりすることができる。LEDを駆動し低周波数のちらつきを減らすため、LED1つに1個ずつ、8個の増幅トランジスタが使用されている。
【0028】
この構成により、ファームウェア内に複数の輝度レベルを事前設定できるようになり、一回の白色点較正サイクル中にそれぞれが較正される。(レベルは戦略的に設置した光ダイオードで測定された全反射光エネルギーに基づき)暗色のサンプルには高い輝度レベルを選択し、明色のサンプルには低い輝度レベルを選択する。最適に最も近い輝度レベルが選定され、それに応じてサンプリング間隔が調整される。
【0029】
蛍光燐光体被覆は、UV及び青色LEDの光エネルギー出力を変更するのに使用されてきた。製造者は、黄色燐光体を青色LEDに塗布することにより「白色」LEDを作り出しており、黄色燐光体は480nmと720nmの間で蛍光発光するものであって、ピーク波長が460nmのLEDからの青色光と組み合わされると、青味がかった白色光が得られる。
【0030】
図1と図2は、様々な市販の燐光体の発光スペクトルを示しており、図1は、様々な個別の燐光体を示すグラフであり、一方、図2のグラフは、「白色」光を作り出すために通常460nmの青色LEDに塗布される標準的な「黄色」燐光体を示している。これらの発光スペクトルグラフが示しているものは、より短い波長のUVと青色のエネルギーは燐光体分子によって吸収され、より長い波長の光エネルギーが放出されるということである。燐光体の化学的性質を微調整することによって、優位な再放出波長を変えることができる。但し、全ての場合で、より短い波長のエネルギーは吸収され、より長い波長のエネルギーが放出される。この系統の燐光体(上記図1と図2)は、紫外線LEDと約400nmから470nmの青色LEDの両方で良好に機能し、橙色及び赤色の様なより長い波長の燐光体には、460nmから470mnまでの範囲の青色LED(UV LEDより安価である)で更に良好に機能するものがあることが分かっている。
【0031】
市販のUV系燐光体は、UV LEDとでしか機能せず、一方、幾つかの燐光体は、360nmから390nmまでの範囲のUV−Cエネルギーに対して最適化されていて、約395nmを過ぎると巧く働かない。更に、燐光体被覆の密度を変えることによって、燐光体層を「打ち抜く」元のLED光の量を制御することができる。白色LEDの場合、燐光体層の密度が高いほど、元の青色光はより多く吸収され、白熱電球と同様の、より温かな黄色がかった白色光が作り出される。同様に、燐光体層は、薄いほど、より多くの青色光を通すことができ、青色フィルター付きキセノンガス充填タングステン−ハロゲン自動車ヘッドランプと同様の青味がかった白色光が作り出される。
【0032】
我々は、従来型の高効率UV及び青色LEDと特定の蛍光燐光体を組み合わせると、十二分な青色/暗紅色/紫色のエネルギーがこの重要な領域の光ダイオードアレイの応答性の低下を補償することで、CIE標準D65昼光発光体に非常に近似したものを実現できるようになることを見い出した。更に、パルス式キセノンストロボ又はキセノンガス充填タングステン−ハロゲン燈とは異なり、我々の電界蛍光発光体では、無関係なUVエネルギーは発生せず実際に赤外線も発生しない。よって、我々は、非常に低い電力要件で高い効率を実現している。
【0033】
図3では、本発明の教示に基づいて作られた分光光度計の簡略分解図が示されている。印刷回路板10は、光エネルギーの検出及び測定によって作り出される信号の信号取扱に必要な構成要素を支持している。複数のLED11は、PCBに固定されており、そこから、ディフューザカラー15内に設けられているキャビティ12の中に伸びている。ディフューザカラー15のキャビティ12内に配置されたLEDから発する光エネルギーは、下向きに進み、アパーチャ円錐18を通過して、反射特性を測定しようとする標本に送られる。レンズホルダ20は、レンズ21とベースディフューザ23を支えている。反射光は、ディフューザカラーの開口部25、レンズ21、及びベースディフューザ23を通過し、検出され、説明するやり方で信号が生成される。
【0034】
図4は、様々な部品の相互関係を説明するのに有用である、図3の構成要素の組み立て後の断面である。LED11は、矢印30によって示される様に光を送り、光はアパーチャ円錐18に設けられているアパーチャ31を出る。ディフューザカラー15は、各LEDのためのキャビティ12を提供していることに加え、各LEDから発する光を拡散する。反射された光は、矢印32で示される様に進み、光学チャンバ34、レンズ21、及びベースディフューザ23を通る。この光は、説明するやり方でトリムフィルタを通され光検出器の上へと送られる。LED11は、円形に配列されており、説明するパルス幅変調を組み込んだ調整可能な電力印加技法によって個別に通電される。LEDそれぞれには、個々のLEDそれぞれに固有の燐光体が設けられており、それらは、LEDレンズに塗布するか、キャビティ12内の被覆として使用するか、又はそうでなければ、各LEDからの放射を遮り、個別のLEDと共に使用される特定の燐光体によって決まる一般により長い波長を生成するように配置してもよい。
【0035】
電界蛍光照射のもう1つの重要な利点は、UVエネルギー出力を制御する能力であり、これによりインク及び媒体被覆の蛍光の検査が可能になる。インクの中でも、特に顔料を主成分とするインクは、意図せぬ蛍光を引き起こす化合物を含有している場合があり、これらの化合物は、自然に発生するUVエネルギー(例えば、昼光)を吸収し、可視スペクトル内の何処か別の場所のより長い波長のエネルギーを再放出することもある。この現象は、メタメリズム及び色彩恒常性に深刻な問題を引き起こす恐れがある。実際、商業的印刷産業で今日使用されている全ての分光光度計は、UVエネルギーを生成するか又は生成しないかのどちらかである単一の照射源を採用しているが、少なくとも1つの「燐光体を含まない」395nm高エネルギー(30mW)UV LEDを光アレイに加えることにより、測定サイクル中に作り出されるUVエネルギーの量を調整して、インク内又は媒体白色化剤又は表面被覆内の蛍光の影響を測定するのに使用することのできる可変デジタルUVフィルターを作り出すことができる。単一サンプルのスペクトル反射率を、回毎にUV−Cエネルギー(350nmから400nm)のレベルをゼロから100までの何れかの割合に変えて、複数回に亘って測定し、ユーザー向けの結果を作図又は分析し、或いはデータをカラープロファイルに組み込み、実環境の照射及び観察条件を補償するのに使用することができる。
【0036】
デジタルパルス幅変調(PWM)は、電力源のデューティサイクルを変調して、発光ダイオード(LED)、発光ポリマー又は同様のその様な化合物、又は瞬時ON又はそれに近い能力を備えた他の同様の種類の固体発光素子の様な負荷に提供される電力量を制御する方法である。LED又は同様のその様な素子に提供される電力を制御することにより、素子の見かけの輝度、即ち、出力強度(総光子放射エネルギー)は、妥当な精度で制御される。よって、発光素子に送出される平均電力は、PWM出力の変調されたデューティサイクルに正比例する。
【0037】
LED又は同様のその様な素子が目に見える程ちらつくのを防止するため、パルスの周波数は、ちらつき無し又はそれに近い動作を実現するのに十分な、やや高い値に設定するべきである。選択された周波数は、PWM回路が作り出す時間間隔当たり(例えば、秒当たり)パルス数を定義する。次いで、デューティサイクルが、時間間隔当たりパルス数に対する各パルスの幅として定義される。例えば、秒当たり10000パルスの周波数(10KHz)は、100マイクロ秒(μs)の最大パルス幅を可能にする。従って、パルス周波数10KHzの10μsパルスは、10%のデューティサイクルに相当し、同じパルス周波数での50μsパルスは、50%のデューティサイクルに相当する。
【0038】
マイクロプロセッサ制御式デジタルPWMでは、パルス幅期間値は、PWM比較器の基準値を表す。パルス生成を制御するのに高分解能のタイマー/計数器が使用されている。計数器の値が比較器基準値を超えると、PWM出力が状態を切り替え、パルスサイクルが終了すると計数器がリセットされる。タイマー/計数器の分解能は、所望のパルス周波数及びマイクロプロセッサのクロック速度との組み合わせで、パルス幅が変動してもよい精度を定義する。例えば、1MHzクロックで駆動される16ビットのタイマー/計数器では、0から65535まで約66ミリ秒(ms)で増加し、従って、1カウントは、約1μs間隔と同じになる。
【0039】
上で定義されたパルス周波数の場合、これにより、各パルスの幅は0から100%のデューティサイクルまでほぼ1%に等しい増分幅で定義できるようになる。10MHzクロックを用いれば、パルス周波数は、100KHzまで同じパルス幅制御精度で増大させるか、又は、パルス幅増分分解能0.1%で10KHzに保つことができる。前者の場合、パルスサイクルは100μsで、パルス幅は0から100の間の値であるのに対して、後者の場合、パルスサイクルは10μsで、範囲は0から10までになる。
【0040】
計数器の値が増大して基準値を超えると、PWM出力は、状態が高(オン)から低(オフ)に変化するが、但し、回路は、基準値を超えた場合、回路の基本的な機能を変更すること無く、同様に低(オフ)から高(オン)へ切り替わるように設計することができる。同様に、幾つかのPWM方法、即ち、パルスの中心点を固定しパルスの両縁を動かしてパルス幅を拡大するか又は圧縮する、又はパルスの前縁を固定しパルスの後縁を動かしてパルス幅を変える、又はパルスの後縁を固定し前縁を動かしてパルス幅を変える、という方法を採用しても同様の結果が得られる。全ての場合で、同じ変調後デューティサイクルが実現される。
【0041】
図5は、PWMパルス生成を制御するのに採用されている2つのタイマー/計数器を示している。第1に、タイマー1は、パルスサイクルを制御し、パルスサイクルは、時間間隔当たりパルス数、即ちパルス周波数を定義する。このタイマー/計数器の増分がパルスサイクル値を超えると、タイマー1とタイマー2の両方がリセットされ、PWM出力は高(オン)に設定される。タイマー2は、パルス幅を制御し、このタイマー/計数器の増分がパルス幅(基準)値を超えると、PWM出力が低(オフ)に設定され、タイマー/計数器の両方がリセットされるまで低のままになる。
【0042】
マイクロプロセッサ制御式デジタルPWMでは、PWM出力は、マイクロプロセッサの出力ピンであってもよいが、それでは、LED又は同様の素子の様な発光素子を直接駆動するには電力が足りないかもしれない。その様な場合は、追加の回路を採用し、PWM出力に、直接駆動した場合よりも高い出力の素子を制御できる性能を持たせてもよい。図6では、本発明に組み入れられているパルス幅変調のオペレーションを説明するのに役立つ機能ブロック図が示されている。PWM出力35は、高速トランジスタ切替回路36を通して、対応する発光素子38に印加される。パルス幅変調器35が、LEDを適切に通電するのに十分な出力を有していない場合には、外部の電力源37が、LED38を駆動するのに十分な電力を供給した。
【0043】
上で説明したLEDアレイの様な多数の発光素子が採用されている場合は、多重PWM回路か、又は1つ又は複数の多重チャネルPWMを使用して、個々の素子又は素子のクラスタ又はグループを独立して制御できるようにしてもよい。同様に、広域スペクトル出力を作り出すのに、LEDの組合せ、有機LED、又は様々な色の発光ポリマー類の様な多数の狭帯域発光素子が使用されている状況では、各色の光源の輝度、即ち、強さを制御するのに多重PWM又は1つ又は複数の多重チャネルPWMを採用して、組み合わされた広域スペクトル出力に最適な色の混合を実現すると共に、合成色を変えることなく、組み合わされた出力全体の輝度を制御できるようにしてもよい。図7では、簡略化された機能ブロック図が示されており、同図では、外部電力源40は、複数の高速トランジスタ切替回路42、43、及び44を通して、各発光素子45、46、及び47に電力を提供する。各LEDへの電力源40からの印加は、パルス幅チャネル50、51、及び52それぞれに対応する変調器チャネルを通して各々制御される。パルス幅変調技法は周知であり、得られる信号の変調と利用を実施するための回路は、一般的な回路設計技法である。具体的な変調技法は本発明の一部を成すものではないが、選択されたLEDを通電させて各LEDに印加される電力を制御するためのPWMの実施は、分光光度計に対するパルス変調の新規な適用である。
【0044】
殆どの発光素子は、素子の光出力の輝度、即ち、強さが、通常は周囲温度に反比例するという形で、温度による影響を受けるため、PWM回路と併せて温度センサを採用し、素子の正常な作動範囲に対する温度変化が補償されるようにしている。温度センサは、対応する周囲温度を感知するのに好都合であればどの様な場所に配置してもよい。例えば、パルス幅が一増分幅ずつ増大する都度、輝度が1%増すと較正された場合で、温度が1℃上昇する都度、素子の輝度が0.5%低下する場合、6℃の温度上昇の結果、輝度は3%低下することになるが、この事態は、PWMパルス出力の幅を3増分幅だけ増大することで相殺することができる。PWM回路の使用により、より広範な作動温度に亘ってより安定した輝度レベルを得ることができる。
【0045】
再び図3と図4を参照すると、光学チャンバ34に入ってきた光は、分光計の円形入力アパーチャ31に入ってくる光を方向決めして集束するように設計されている光路幾何学形状変換器又は光集束器を通過し、スペクトルセンサの表面積と一致する細い線になる。光ビームを整形するのに採用できる技法は2つあり、即ち、第1の技法は、図8に示されている様に、スペクトルセンサの長さに近似した直径を有する丸みの付いた円筒形レンズを使用する。円筒形レンズ60は光を1軸上のみに合焦(屈曲)させるため、レンズに入射する光はレンズの直径に近似した長さの線になり、その幅は、センサをレンズの焦点を超えたばかりの位置に配置することによって、スペクトルセンサ61の幅に等しくすることができる。
【0046】
図9を参照すると、第2の技法は、光ファイバー幾何学形状変換器65を採用するというものであり、変換器は、プラスチック又は同様の可撓性を有する(ジャケットの有無は問わない)光ファイバーストランドを固定具に嵌め込みエポキシ又は他の手段で所定の位置に固定されるように作られているか、又は光学等級のガラスファイバーを溶融し、入力端である一端66は長さと幅が略等しくなる形状(略円形、方形、六角形、又は類似のその様な幾何学形状)にし、出力端67はスペクトルセンサ61の長さと幅に近似するように作られている。入力端と出力端は、両方が略等しい面積でなくてはならないので、出力端の面積が約2.1mm×9.5mm、即ち20平方mmであれば、入力端を、一辺が約4.5mmの方形又は直径が約5mmの円にすれば略等しい面積になる。ファイバー自体は、十分な光伝送と湾曲点での多大な光損失を防止するためのファイバーコア内への光の閉じ込めとを可能にする適度な値の開口数(NA)を有していなければならない。コントラストを改善するために、光学等級の溶融ガラスで作られた変換器に、暗色ガラスの様な壁外吸収性(EMA)材料を比較的少ない割合で添加することもできるが、(先に説明した基本的な設計と著しく異ならないということを前提とした上で)EMA材料の添加又は除去、NA値の差、又はファイバー原料の選定によって、この用途における変換器導管の基本的機能が著しく変わることはないであろう。
【0047】
円筒形レンズと光ファイバー変換器導管の間の選択は、集光能力とアパーチャサイズの間の選択であり、どちらも光学的幾何学形状変換器としての役目を果たす。但し、円筒形レンズ構成では、レンズ直径(従って入力アパーチャ)がスペクトルセンサの長さと概ね等しくなっていなければならないので、最大集光が可能になる。この場合、レンズは、光集束器として大いに働き、そうでなければスペクトルセンサの活動区域から外れてしまう光をセンサ面に向かわせ、実際のセンサ活動区域より数倍広い区域から集められた光を収束することができる。光ファイバー導管方式では、光ファイバー変換器導管の入力と出力の両方は略等しいことから、入力アパーチャ直径は小さい。この方式では、光学系の総集光能力は低下するが、サンプリング区域を縮小化でき、光ファイバーケーブルと画像導管を直接インターフェースさせ易くなる。
【0048】
光ファイバーケーブル及び光学画像導管とのインターフェース(前者は、通常、可撓性プラスチックファイバーで作られ、主に、可視光線の伝送に使用され、後者は、通常、可視光線と近赤外線の両方の伝送に適した光学等級ガラスファイバーで作られている)に関し、光ファイバー幾何学形状変換器の入力端は、分光計モジュールをサンプリング区域に密に近接させる必要の無いように、(使用材料にもよるが)幾分伸ばすことができる。これは、過酷な環境でサンプリングが行われる場合、又は、サンプル区域付近の空間が分光計自体を利用用可能寸法に合わせることができない地点に制約される場合に、好都合である。
【0049】
幾何学形状変換器にプラスチックファイバーが使用されている場合、ファイバー自体を分光計アパーチャ開口部から先へ伸ばすことができ、その場合、それらを束ねてジャケットを被せ、長さ数センチメートルから数メートルの可撓性ケーブルに形成してもよい。ガラスファイバーが使用されている場合は、ファイバー束をガラス導管として分光計アパーチャより先へ幾分伸ばすことができ、その場合、それを可撓性光ファイバーケーブルと接続してもよいし、又はサンプル区域を覆うように配置してもよい。その様な場合、ガラス導管は、分光計モジュールの外部の追加の光学的構成要素とのインターフェースに適した光学的「筒口」を形成することになる。
【0050】
本発明に組み込まれているスペクトルセンサは、多色又は「白色」光を、それを構成しているスペクトルに変換する「デジタルプリズム」の役目を果たしており、スペクトルには、350nmから750nmの間の波長の可視スペクトル(VIS)白色光、750nmから1500nmの間の近赤外(NIR)光、1500nm波長より上の遠赤外線(IR)、及び350nm波長より下の紫外(UV)光が含まれる。スペクトルセンサ組立体には、次の3大副構成要素が組み込まれており、即ち、1.)感光性を有する光検出器サイトのアレイであって、関心対象の波長領域と一致していて、直線状のアレイ、又は光検出器サイトの行が長軸を成し列が短軸を成す略矩形のグループに配列された複数の光検出器サイトで構成されている、光ダイオード、光トランジスタ、又は、他の類似のその様な光検出回路を含む、光検出器サイトのアレイと、2.)合成干渉被覆層の厚さが縁と縁の間で変化し、楔に似た形状が光検出器アレイの長軸に沿ってサブミクロンの規模で形成されるように塗布された多数の帯域通過フィルター被覆層で形成されている楔形エタロン又は干渉フィルター楔であって、各通過帯域の中心波長(CWL)は被覆厚さの関数なので、フィルタの所与の点を通して伝送されるピーク波長は、フィルタ被覆楔の方向(即ち、センサの長軸方向)に略直線状に変化する、楔形エタロン又は干渉フィルター楔と、3.)5ミクロンから100ミクロン規模の直径で、中心から中心までの間隔が同じで、低い開口数の、光学的に透明なプラスチック又はガラス製の光ファイバー要素のアレイを、或る割合の壁外吸収性(EMA)材料と組み合わせて備えているか、又は、EMA型材料の様な光吸収性材料の同様のモノリシックプレートであって、直径が5から100ミクロン規模で、中心から中心までの間隔が同じである穴又は毛細管のアレイが、吸光プレートにエッチング、穿孔、又は別のやり方で切られている、プレートを備えている、コリメート用フェースプレートにおいて、光ファイバーか毛細管か何れのアレイ設計であろうと、フェースプレートの目的は、干渉フィルター被覆に入射する光をコリメートして、被覆面に対して20°より大きい入射角度の光を拒絶し、半角20°以下の一連の円錐が重なり合って、その重なり面積が光検出器のアレイに重ね置かれている被覆層の全区域に概ね均一な照射レベルを提供するのに十分な形で出現するようにすることである、コリメート用フェースプレートと、が組み込まれている。図10では、本発明に組み込まれているスペクトルセンサ組立体の概略図が示されている。組立体には、A層からE層までの各層が示されており、各々について以下に説明する。
【0051】
A.光検出器サイトと補助的サポート回路を含む光検出器アレイ。
B.光検出器アレイを製造することを目的とした干渉フィルター楔被覆を支持するのに用いられるガラス基板。この部分は随意的なものであり、被覆は直接アレイに塗布することもできるが、現在の製造方法ではそれを行えない。この層は、厚さが最大で1000ミクロンまで可能であるが、最適には500ミクロンである。
【0052】
C.干渉フィルター楔被覆又は可変帯域通過被覆。この被覆は非常に薄くて自力で支えきれないため、通常は高品質の光学等級ガラスである支持ガラス基板に塗布しなくてはならない。
【0053】
D.上記「B」と同じ種類で同じか又は非常に似た屈折率を有しているガラス分離層。このガラス層は、干渉フィルター楔被覆を支持するのにも使用できるが、主たる目的は、コリメート用フェースプレートによって作り出される、重なり合って出現する円錐を形成できるようにすることである。この層の厚さは、コリメート用フェースプレートの幾何学形状(開口数、ファイバー又は毛細管の直径、中心から中心までの間隔、出現円錐半角など)によって決まる。
【0054】
E.干渉フィルター楔被覆への入射を20°以下の入射角度に絞ることと、被覆層が光検出器サイトに重ね置かれる全ての区域において被覆を略均一に照射することを保証するコリメート用フェースプレート。フェースプレートは、光ファイバー要素を使って形成される場合、殆どの用途で厚さは少なくとも500ミクロンはなくてはならず、最適には1000ミクロンから2000ミクロンの厚さであり、通常のVIS又はNIR用途でのファイバーコアは、直径が40ミクロンから45ミクロンの範囲内で、2ミクロン厚のクラッディングと、ファイバー当たり4ミクロンから5ミクロンのEMAジャケットを備え、全体の中心から中心までの間隔が約55ミクロンの場合は、開口面積比(OAR)が60%から70%になって、開口数(NA)は0.2となり、空間に出現する円錐の半角は大凡11.5°になる。同様に構成された毛細管アレイプレートなら、厚さは500ミクロンであり、OAR約45%から50%でNA値は0.1から0.15の間になる。何れの場合も、ファイバー要素又は毛細管のアレイは、矩形又は六角形構造に配列することができる。
【0055】
図11では、図10に組み込まれたコリメート用フェースプレート上の光ファイバーアレイ又は毛細管アレイの代替パターンの図が示されている。図12は、図10と図11のコリメート用フェースプレートEの部分的断面を表している。図10の干渉フィルター楔被覆Cが図13に示されており、被覆の厚さが縁と縁間で長軸に沿って変化していることが矢印70で示されている。干渉フィルター楔被覆の厚さが直線的に増すと、楔型エタロンと同様の様式で放射エネルギーに対する作用が引き起こされる。被覆の厚さを直線的に増すと、楔型エタロンの厚さが直線的に増した場合と同じ機能を果たす。コリメート用フェースプレートは、許容半角20°以下で設計されており、即ち、20°より大きい入射角度の光は吸収されるか又は排除されるかの何れかとなる。コリメート用フェースプレートにより作り出される重なり合って出現する円錐は、干渉フィルター楔被覆Cを均一に照射し、これにより、光検出器アレイAに入射するスペクトルは連続した直線形に近いものになる。図14は、直線状の光検出器アレイの概略表示であり、複数の光検出器サイトが、検出器の全長に亘って単一軸に沿って分散配置されている。各光検出器サイトは、1又は2ナノメートル程の非常に狭いスペクトル帯域を表している。このスペクトル帯域によって表されている光子エネルギーは、1つ又は複数の高分解能アナログ対デジタル変換回路を介してデジタル表現に変換される。次いで、元の光子スペクトルが、デジタル式に再度組み立てられ、光子エネルギーの単位(例えば、放射フラックスの単位)で報告されることになる。
【0056】
センサの分解能を更に改善するため、複数の光検出器の行を、光検出器サイトが単一光検出器サイトの幅の数分の1だけずれるように構成してもよい。例えば、図15では、3行の光検出器サイト72、73、及び74は、各行を次の行から単一の光検出器サイトの幅の三分の一だけずらして並べられている。この様に構成すれば、スペクトル分解能と集光能力は、同じ光検出器が1行の場合の3倍になる。同様に、2行の光検出器サイト75と76は、各行を次の行から単一の光検出器サイトの幅の二分の一だけずらして並ばせることができる。その様に構成すれば、スペクトル分解能は、1行の場合の2倍になる。
【0057】
複数のスペクトルセンサ組立体を極めて密に近づけて隣り合わせに並べ、光ファイバー幾何学形状変換器導管を使うなどして単一の光源から照射してもよく、そうすれば、極めて広い帯域のスペクトルサンプルを採取することができるようになる。例えば、400nmから700nmまで(可視スペクトル)のスペクトル範囲を有する1つのセンサ組立体を、700nmから1200nmまで(赤外線)のスペクトル範囲を有するNIRセンサ、及び追加的に300nmから400nmのスペクトル範囲を有するUVセンサと組にすることもできる。スペクトルセンサ組立体の圧縮小型化により数多くの構成が可能になる。
【0058】
図16は、本発明の好適な実施形態に有用であることが分かっている128x1画素の直線状のアレイの上面図である。全ての測定値はマイクロメートル単位である。光ダイオードアレイの幅は約8.1mm、一方、パッケージ自体は約8.9mmで、各側約0.38mmの死界が残されている。パッケージは高さ約1.0mmである。
【0059】
線形可変フィルター(LVF)を形成している干渉フィルター楔被覆とその支持ガラス層は十分に小型化されているので、アレイ内の光ダイオードには、LVFの全有効長さが見える。各端部の数個の光ダイオードには何も見えないかもしれないが、それは許容可能である。LVFの最適範囲は約380nmから720nmであるが、最短の約360nmから400nmと最長の約700nmから760nmまでの何れも許容可能である。LVFの最適寸法は、360nmから720nm、1.0×8.0mmである。
【0060】
LVFは、光学的に透明なエポキシを使って光ダイオードアレイに貼り合わされる。各素子はソフトウェアで較正されるので、整列は最重要ではない。較正プロセスで、どの光ダイオードサイトがどの波長帯域に対応するかを識別する。場合によっては、2つ以上のサイトが単一の帯域に対応することもあれば、2つの帯域に跨っているサイトもある。サイトは、最適な結果が得られるように較正中に選択され、サイトの選択は素子毎に異なるので、予想されるばらつきを補償するのにソフトウェアを使用するのが良い。
【0061】
スペクトルデータは、周期的な高信号の「スパイク」を伴う低信号レベルで構成されている場合が非常に多い。従って、低信号状態に対して適切な分解能を提供するには、非常に高い分解能のアナログ対デジタル変換(ADC)の必要性がしばしば要件となる。低い信号分解能を改善するため、信号増幅又は「利得」をADC回路に組み込むこともできるが、これには高信号スパイクを飽和させるリスクが伴う。飽和が起これば、スパイクのピークを確認することができず、データは信用できなくなってしまう。このため、自動範囲設定利得特性を備えた分光器が好ましい。
【0062】
自動範囲設定利得とは、低信号レベルのみに増幅を提供し、高信号スパイクの場合は増幅を遮断する(又は下げる)利得機能を指す。これは、2つ又はそれ以上の基準電圧(Vref)値を確立することによって達成され、ここでは、1つのVrefは基線、即ち、ゼロ利得電圧基準(内部Vrefとも呼ばれる)であり、追加のVrefレベルは、外部Vref又は利得Vrefと呼ばれる利得レベルである。
【0063】
アナログ対デジタル変換器は、周知であり、異なる技術への広範な適用可能性を有するシステム及び回路を含んでいる。変換器は、通常、変化する振幅を有するアナログ信号を受信し、入ってくるアナログ信号の瞬間振幅をデジタル値に変換する。アナログ信号振幅は、通常、変換器からの得られた出力が、振幅の様な信号の各種属性を含むアナログ信号のデジタル表現となるように、所定の抽出率でサンプリングされる。ADCは、マイクロプロセッサ回路の一部として提供されることが多く、ユーザーは、回路チップへの外部接続を通して、ADCへのアクセスを利用できる。その様なアナログ対デジタル変換器(ADC)は、一般的に、分光光度計における信号変換の実施を含め、電子技術の全ての態様に普通に見られる。信号振幅のデジタルフォーマットへの変換は、アナログ信号振幅の範囲により頻繁に錯綜する。その様な問題は、しばしば、システム分解能とシステム範囲の間のトレードオフを招くことになる。ADCは、通常、入ってくるアナログ信号と比較するための基準電圧を、振幅又は振幅の変化率を測るための手段として採用している。
【0064】
先に説明した様に、スペクトルセンサは、光検出器サイトのアレイを含んでおり、各光検出器サイトは、光子エネルギーを電気信号に変換し、それがADC回路によってサンプリングされ、デジタル値に変換される。利得が採用されていない場合、ゼロデジタル値は、ゼロ電気エネルギー、従ってゼロ光子エネルギーを表すことになる。12ビットADCでは、最大デジタル値は4095になり、その様な場合、4095のデジタル値は最大電気エネルギー、従って最大光子エネルギー(飽和状態)を表すことになる。光子エネルギーをこの点より増やしてもデジタル値は大きくならない。
【0065】
ADCは、光検出器電圧を比較しデジタル値を割り当てるのに基準電圧Vrefを採用している。基準電圧(Vref+とVref−)は、ADCの動的範囲を確立する。ADCの分解能は、Vref+とVref−により定義される電圧範囲に関係無く、一定に保たれるので、ADCの増分それぞれは特定の増分電圧を表す。例えば、Vref+が3.3Vに設定され、Vref−が0ボルトに設定されている場合、12ビットADCの一増分は、約0.8ミリボルト(mV)に相当する。しかしながら、Vref+が、その正常値の四分の一、即ち、8.25mVまで下がると、同じADCの一増分は、4倍の利得増幅と等しい0.2mVに相当することになる。
【0066】
0から600Mvを範囲とする低信号がADCに供されると、先に説明した様なゼロ利得のADCは、信号を、最大750段で分解することになり、各段は0.8mVに等しくなる。これは、分解能10ビット未満での信号のデジタル化に匹敵する(10ビットのADCであれば、0から1023の最大デジタル範囲を提供する)。しかしながら、Vref+を3.3Vから825mVに下げることにより4倍の利得増幅が提供されれば、前記信号は3000段で分解することができ、各ステップは、0.2mVに等しくなる。これは、ほぼ12ビットの分解能に匹敵する。
【0067】
しかしながら、3Vスパイクが突然発生すると、3Vは4x利得Vref+を超えるので、ADCは飽和する。更に、幾つかのADC回路では、その様な事象は、電気的構成要素に物理的損傷を引き起こす。従って、3Vのスパイクは、ゼロ利得Vrefを3.3Vに設定した上でこれを使用して測定しなくてはならない。しかしながら、このため、そして、値をユーザーにとって意味のあるものにするために、以下の方法を使用してもよい。
【0068】
1.ADC回路が、ゼロ利得Vref(基線)である一方と、利得Vrefである(単数又は複数の)他方の間で切り替わるように、2つ(又はそれ以上)のVref+値を選択する。
【0069】
2.ADCVref+を、ゼロ利得Vrefと利得Vrefの間で切り替え、再度、光検出器サイトの各サンプリング間に戻ると、各光検出器サイトは、一度はゼロ利得Vrefを使ってサンプリングされ、再度、(光検出器サイト電圧が利得Vref電圧より小さい場合のみ)利得Vrefを使ってサンプリングされることになる。
【0070】
ゼロ利得Vrefを使用して光検出器サイトのそれぞれのサンプリング前に(単数又は複数の)利得Vref電圧を求めるADCは、光検出器サイトの電圧閾値(利得Vref+電圧を基準として使って光検出器サイトを安全にサンプリングできるか否かを判定するのに、ADCが使用する値)を確立する。ファームウェアは、光検出器サイトがADC回路によって少なくとも2回、即ち、一度目は電圧レベルを確立するためゼロ利得Vref+を使い、二度目は(前記レベルが光検出器サイト電圧閾値より下であった場合)適切な利得Vrefを使って、サンプリングされるだけの十分に長い期間に亘って、各光検出器サイトの電圧レベルが保持又はフリーズされるように指示する。所定のコーディングスキームは、測定された電圧レベルを表すデジタル値と、電圧範囲を確立した選択された利得値の両方をエンコードするように定義されているので、エンコードされたデジタル値を後でデコードすると、その時の光子エネルギーの実際のレベルを知ることができる。よって、デジタル出力は、基準電圧範囲のデジタルビット表現と検出された電圧のデジタル値を含んでいる。
【0071】
従って、代表的なファームウェアアルゴリズムは、以下の論理命令として現れる。
1.ADCをゼロ利得(内部)Vref+に設定せよ
2.外部Vref+オプション(利得オプション、即ち、1/2−、1/4−、1/8−Vrefなど)を設定せよ
3.外部Vref+をサンプリングし、実電圧レベルを識別せよ −12ビット分解能でデジタル化された数個の連続したサンプルの平均値を使用
4.温度センサを使用可能にし、サンプリングを行って周辺ボード温度を識別せよ −12ビット分解能でデジタル化された数個の連続したサンプルの平均値を使用
5.アレイを循環させて値をクリアにすることによって光検出器アレイをリセットせよ −再度繰り返し、計2サイクル
6.光検出器サイトを充電するため、ミリ秒で定義されている指定のサンプリング積算時間の間待機せよ
7.ループのサンプリングを開始せよ、n=ゼロから光検出器サイト総数まで
内部Vref+を使って光検出器サイト「n」をサンプリングせよ
サンプル値<外部Vref+値の場合、
外部Vref+に切り替え
ADC回路が安定するのを待ち
外部Vref+を使って光検出器サイト「n」をサンプリングし
サンプル値(例えば、12ビット)+利得値識別子を記憶し
内部Vref+に切り替え
ADC回路が安定するのを待て
サンプル値>=外部Vref+値の場合、
サンプル値(例えば、12ビット)+利得値識別子(ゼロ利得)を記憶し
繰り返せ
8.サンプルデータをホストにダンプせよ。この列(string)は、
利得電圧と利得識別子
ボード温度
光検出器サイト値−サンプル値(例えば、12ビット)+利得値識別子、を含んでいなければならない。
【0072】
本システムは、単一の広帯域光ダイオードを追加的にスペクトルセンサの隣に配置し、サンプル区域に反射された総光エネルギーを測定できるようにする構成を含んでいる。この装置は、スペクトルセンサより100+倍感度が高く、スペクトルセンサに当たる総光エネルギーをほぼ瞬時に表示することができる。測定された値に基づき、2つの変数、即ち、光源の照射輝度とスペクトルセンサ積算時間が調整される。この能力は、固定された照射レベルと固定された積算時間に依存する先行技術の分光光度計に勝る重要な改良点である。目標の白色サンプルから反射される光のエネルギー量は、紺又は暗紅色のサンプルから反射されるものに比べ著しく多く、従って、明色サンプルで測定される総信号強度(総光エネルギー)は、暗色サンプルの場合より遥かに大きくなる。どの様なスペクトル測定でも一定量の「ノイズ」は常に存在し、このノイズは通常はほぼ一定なので、微弱信号では信号対ノイズ率が低くて信頼性に劣る傾向がある。分光光度計では、このことは、光ダイオードの反応がより鈍い暗い領域、特に紺色/暗紅色/紫色の領域の測定における精度、安定性、再現可能性が低下するという意味に解釈することができる。広帯域光ダイオードは、光がスペクトルセンサに当たる前に光をレンズから受けるように配置されていて、反射光を光ダイオードに直接送る単一のストランド光ファイバーを含んでいるか、又は、センサに送られる光の一部を、入ってくる光が拡散又は濾過される前又は後に受けるように配置されている。
【0073】
図17では、本発明の教示に基づき構成された分光光度計の1つの実施形態の分解概略表示図が示されている。複数のLED90は、円形アレイ状に配列されているものとして示されている。これらのLEDは、LEDアパーチャ92を各LEDに対応させて配したLED取付ブラケット91内に配置されている。先に説明した様に、LED及び/又はアパーチャを適した蛍光燐光体被覆で覆って、LEDアパーチャを出ていく光が所望の波長に対応するように修正することができる。LED90は、個別に選択され、対応する蛍光燐光体被覆と組み合わされて、所定の選択波長範囲を提供することになるが、この範囲は、残りのLED及び蛍光燐光体被覆によって提供される波長範囲と組み合わされると、基本的に白色光になる。LED90は、上で説明した様にパルス幅変調を使用して通電され、各LEDそれぞれは選択された出力強度を提供するように較正される。上で説明した様に、LED90の1つは、燐光体無し395nm高エネルギーUV LEDであってもよい。このUV LEDの活用は、目標表面への蛍光の衝撃を測定するのに利用することができる。単一サンプルのスペクトル反射率は、パルス幅変調を使ってUV LEDを様々なレベルまで通電させることによって何回か測定され、異なるレベルのUVエネルギーが目標に当たった場合の結果が求められ、該当する場合には、表面の反射率及びその様な蛍光によって生じる色の変化にUVがもたらす効果が分析される。
【0074】
LED90からの光は、対応するLEDアパーチャ92を通過し、ディフューザカラー93に入り、カラー出口面94を出て、アパーチャ円錐98の内部に至るものもある。アパーチャ99を出て拡散した光は、意図された目標物に当たり、それにより生じた反射光は、シール用Oリング101によってアパーチャ円錐の内部に固定されている保護レンズ100を通過する。光が保護レンズ100を通過すると、反射光がディフューザレンズ102に当たって、赤外線又は紫外線の様な望ましくない波長を反射光からフィルター除去するのに使用されているトリムフィルター104に送られ、これに当たる。拡散し整えられた反射光は、先に説明した丸みの付いた円筒形レンズ110を通過し、略矩形形式にされてコリメータ115でコリメートされる。コリメートされた光は、先に説明した直線状の可変フィルター116を通過し、フィルターの長さに沿って直線的に変化する波長出力を提供する。直線状の可変フィルターを通過する光は、こうして、それを構成しているスペクトルに変換され、それが光検出器アレイ117に衝突し、そこから、反射光の所定の波長成分に対応する信号を導き出すことができるようになる。先に説明した様に、広帯域光ダイオード120は、光検出器に伝送されてゆく光を検出し、スペクトルセンサに当たる総光エネルギーを表示できるように配置されている。
【0075】
図18では、本発明の教示に基づき構成された分光光度計の別の実施形態の分解概略表示図が示されている。図18に示されている装置の構造は、図17に示されているものと同様であり、類似部品には同様の参照番号が付けられている。図18の実施形態の大きな違いは、図17の実施形態の丸みの付いた円筒形レンズが、本書で先に説明した光ファイバー幾何学形状変換器111に置き換えられていることである。光ファイバー幾何学形状変換器111は、先の実施形態の円筒形レンズより小さい入力アパーチャを提供する円形の入力アパーチャ112を含んでいる。従って、ディフューザ102とトリムフィルター104は、対応して小さい。光ファイバー幾何学形状変換器111は、光路の円形入力アパーチャ112から基本的に矩形の出力アパーチャ113までを「作り直す」。出力アパーチャ113は、光検出器117に対応する形状に作られているのが好都合である。図18の実施形態の広帯域光ダイオード120は、先に説明した様に、単一のストランド光ファイバー121を設けて、光検出器手前の光を捕捉し、広帯域光ダイオード機能を発揮させるようにしてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、色の測定に、具体的には、光の波長を対応するデジタルデータ表現に変換することによる色の分光光度検出及び評価に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年4月3日に出願され、第60/921,632号の出願番号が与えられた米国仮特許出願「分光測色計」に関係し、同出願に対する優先権を主張する。
濃度計や殆どの比色計の様なスペクトル帯域の広い計器は、様々な実用的用途に役立っているが、それらの実用性は、特定の目的に対応した出力又は小セットの出力に限定される。RGB濃度の測定のみが必要な場合時、濃度計は、どの様な形式の中間データも必要とせずに、直接的で目的に適った結果を提供するであろう。同様に、サンプル又はサンプル群のCIELab値、恐らくは、それらサンプルのXYZ三刺激値が、必要とされる全てである時、安価な比色計でもそれらの結果を提供することができる。これらの装置は、測定対象の色の正味スペクトル内容(spectral content)を利用し、本質的に、情報を数個のみの値、通常は3つ、に絞る。それら3つの値が必要とされている全てである時には、これらの装置はそれらの目的に適っていた。
【0003】
対比的に、分光学的装置(例えば、分光光度計及び分光測光計)は、全く正反対のやり方でデータを送出する。それらは、一回限りの計量で特定の最終結果を提供するのではなく、サンプルの色の最も基本的な測定値、即ち、そのスペクトル内容を提供する。一旦収集され記録されたスペクトル情報を使用して、XYZ、CIELuvなどの様な分析濃度及び比色単位を含め、色を定量化するのに使用される事実上全ての他の計量値を計算することができる。しかしながら、必要な計算を行うためには、スペクトル測定値と併せて、着色剤に関連するデータの様な他のデータが必要になるかもしれないことに注目頂きたい。スペクトルデータを収集することの多能的利点の他に、メタメリズム及び蛍光の様なスペクトル現象を特徴付ける能力を有しているという付加的利点もある。
【0004】
従来の分光光度計は、光源、検出器、及び、サンプルから反射されたか又はサンプルを透過した光を分散又は回折するのに使用される装置を採用することで、スペクトル成分の検出と定量化を行えるようにしている。一般的に使用されている構成要素として、プリズムと回折格子が挙げられる。光源をスペクトル成分に分散させ、次いで、サンプルから反射されたか又はサンプルを透過した光の量を測定する計器は、モノクロメーターとして知られている。
【0005】
プリズムは、通常、ガラス又はプラスチックの様な透明な材料で作られ、光をそのスペクトル成分に分散させる。プリズムを作る材料は、空気とは異なる屈折率を有している。光は、1つの物質から別の物質の中へと進む時に屈折し、つまり、その方向が、2つの物質の屈折率の差に応じた量だけ変化する。また、屈折角度は波長に伴って変化するので、光を構成しているスペクトル成分は空間内に分散される。この空間分散を横切って単一のセンサを並進移動させて各スペクトル成分の量を測定することもできるし、静止リニアセンサを配置してスペクトル成分全てを一度に測定することもできる。
【0006】
プリズム同様、回折格子も、光をスペクトル成分に分散させるが、そのメカニズムは大きく異なっている。回折格子は、材料面に等間隔に配置された一連の細い平行なスリット又は罫線(溝)で構成されている反射又は透過要素である。光がその様な要素を通過すると、フラウンホーファー回折によって或るパターンが作り出される。プリズムに格子を被せることの利点は、それらが提供する高い分解能力である。
【0007】
単一波長から成る光、即ち、単色光が回折格子を通過した時は、得られた回折パターンの分析を罫線間隔の知識と併用すれば光の波長を求めることができる。光が2つの異なる波長から成る場合は、2つのパターンが形成され、而して2つの別々の波長を求めることができる。白色光が回折格子に通されると、各波長は、格子方程式で定義されている異なる方向に送られ、パターンはスペクトルとして現れる。各波長のエネルギーの量は、罫線の間隔によって制約されるスペクトル分解能で求めることができる。この間隔を格子間隔(d)と呼ぶ。この間隔が狭いほど、より幅広くスペクトルは拡大する。
【0008】
高品質回折格子は、透過型格子を製造する場合には平坦なガラス面に、或いは反射型格子を製造する場合には研磨された金属ミラーに、ダイヤモンド先端で細い溝を引くことによって製作される。溝は、光を散乱させ効果的に不透明とし、一方、表面の傷の無い部分は、光を規則的に通すか又は反射し、スリットとして働く。優れた回折格子としての最も基本的な要件は、幅が最大で25cmになることもある格子の表面全体に亘って可能な限り等間隔に線を配置しなくてはならないということである。各溝が引かれた後、ダイヤモンド先端を持ち上げて次の溝の場所に移動させねばならないが、この難しい要件を満たす罫引き機械は殆ど無い。必然的に、高品質の罫引き回折格子は、極めて高価になってしまう。ホログラフィー干渉パターンから格子を作り出せるようにしたフォトリソグラフィー技法が開発されている。製作費用が非常に低いとはいえ、ホログラフィック格子は正弦波状溝を有しているので、罫引き格子ほど効率が良くない。
【0009】
光をスペクトル成分に分散させるのに使用することのできる第3の型式の装置は、ファブリ・ペロー干渉計又はエタロンである。2つの用語は、しばしば同義的に用いられるが、厳密に言えば、前者は、2つの平行な高反射ミラーを使用する装置を指し、後者は、2つの反射面を表面に堆積させた透明なプレートである。前者の装置は、Charles FabryとAlfred Perotに因んで名づけられている。エタロンは、仏語のetalonに由来しており、「計器」又は「標準」を意味している。
【0010】
概括的に述べれば、干渉計は、2つ又はそれ以上の入力波を重ね合わせるか又は干渉させて異なる出力波を作り出し、従ってそれを使用すれば、入力波同士の違いに関する情報を取得できるという科学である。それは、2つの波が同じ振幅を有する場合、位相が一致する2つの波は互いに加え合い、一方、異なる位相を有する2つの波は互いに打ち消し合うという原理に基づいている。エタロンの変化する透過関数は、2つの反射面の間での複数の光の反射の間の干渉によって引き起こされる。伝送波が同位相である時には建設的干渉が起こり、その結果、伝送が強まる。伝送波が位相外れの時には破壊的干渉が起こり、その結果、伝送が弱まる。多重反射波が同位相であるか否かは、光の波長(λ)、エタロンを通って進んでゆく光の角度(θ)、エタロンの厚さ(l)、及び反射面の間の物質の屈折率(n)によって決まる。
【0011】
光の波長と、光がエタロン内部を進む角度の関係は、各最大値(m)に対し、
2nlcosθ=mλ
によって与えられる。
【発明の概要】
【0012】
小型の楔形エタロンがリニアセンサの最上部に取り付けられており、センサの個別のフォトセットからの信号を使用して、各波長での相対エネルギー量が求められる。センサのフォトセット間の距離と、楔形エタロンの全長及びスペクトル範囲との関係により、その様なスペクトルセンサが提供することのできるスペクトル分解能(波長間隔)が決まる。範囲が400nmから700nmの128画素センサでは、この分解能は約3nmである。
【0013】
この様なスペクトルセンサを、十分な白色光光源及び適切に構成された光路と共に使用すれば、低コスト、高速、且つ小型化された分光光度計を作ることができる。高速性は、光源による単回白色光曝露によるものであり、1回の取得でスペクトルデータの全てを捕捉できるおかげである。小型化は、スペクトルセンサ及び光路要件の寸法が相応に小さいことによるものである。低コストは、低コストで大量に製造することのできる小型楔形エタロンを含め、安価な材料を使用することによって実現されている。
【0014】
光源の主要な要件は、スペクトルの可視部分の全波長で、ほぼ等しいエネルギー出力を放出できなくてはならないということである。考慮しなければならない他の特徴には、電力消費量、熱の発生、紫外線放射に関わる安全上の懸念、出力の一貫性、及び寿命が含まれる。
【0015】
市販されている分光光度計では、タングステン−ハロゲン光源が広く使用されているが、それらは、可視スペクトルの約450nm未満の青色部分にエネルギーを欠く傾向がある。それらには、更に、相当量の赤外線エネルギーを生み出す傾向があり、センサの飽和を回避するためIR吸収又は遮断用光学系の使用が必要になる。タングステン−ハロゲン光源の光対熱効率は約20%に過ぎず、生じた熱は、通常は、冷却及び通気システムを使って処理しなければならない。
【0016】
タングステン−ハロゲン光源の代替としてキセノンアーク燈がある。これらの光源は、紫外線及び赤外線を含む、約200nmから2000nmの範囲の広域エネルギー出力を生み出す。これらの光源には高電圧が必要で小型化は難しい。キセノン光源のスペクトル出力又はスペクトルパワー分布は、全体的にタングステン光源や他の黒体発光体ほど滑らかではなく、可視スペクトル全域に亘って多くのスパイクを示す傾向があり、これらエネルギーの孤立したスパイクが問題を提起することもある。
【0017】
色測定装置で人気を博しているもう1つの光源に、発光ダイオード、即ちLEDがある。LEDは、電流が印加されると或る帯域の光を放射する半導体素子であり、効果は電界発光として知られている。放射光の色は、使用されている半導体材料の組成によって決まり、スペクトルの可視部分全域並びに赤外線及び近紫外線に及ぶ。LEDのスペクトルは、非常に狭い帯域から相当広い帯域までを範囲とする。白色光LEDは、単一LED内に2つ又はそれ以上の半導体材料を組み合わせることによって製造されてきた。これらは殆どが青色光と黄色光を放射する材料で構成されている。これらのLEDにより放射される光は、殆どが白色光であるが、通常、非常に冷たい(青味がかっている)か、又は非常に温かい(赤みがかった黄色)かのどちらかにはっきりと偏っている。LEDの幾つかの利点は、それらの効率の良さ、電力消費が少ないこと、赤外線の様な望ましくない波長を排除できること、及び、それらの寿命が長くて安定していることである。
【0018】
可視スペクトルの殆どをカバーする異なるスペクトルパワー分布を有する多種多様なLEDが入手可能であるが、LEDでカバーしきれないスペクトル領域が幾つか存在する。LEDによるカバーを最も欠く領域は、約420nm、485nm、580nm、及び680nmを中心とする帯域である。スペクトルの全可視領域をカバーしている個々のLEDを全て一度に点灯させた場合、及び、得られた光を混合又は統合した場合、混合光は白色光から成り、これを、色測定の目的で反射性サンプルを照射するのに使用することができるようになる。
【0019】
全部のLEDから発せられた光を混合することに代わる1つのやり方は、各々を個別に点灯させ、個々のLEDのそれぞれに対応する1つの読み値を取ることである。この方式は、測定時間が桁外れに長くなるので、数個のLEDを備えた装置では非実用的である。
【0020】
添付図面を参照しながら、本発明を分かり易く説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】選択された蛍光発光材料の発光スペクトルを示すグラフである。
【図2】標準的燐光体の発光スペクトルのグラフである。
【図3】本発明の教示に基づき作られた分光光度計の一部の簡略分解図である。
【図4】各種部品の空間関係を説明するのに役立つ、図3の分光光度計の一部の断面図である。
【図5】本発明のシステムの、パルス幅変調のオペレーションを説明するのに役立つ論理フローチャートである。
【図6】本発明のシステムで使用されるパルス幅変調の説明に役立つ機能ブロック図である。
【図7】多重LEDシステムでのパルス幅変調の使用を説明している機能ブロック図である。
【図8】丸みの付いた円筒形レンズの形態をしている光路幾何学形状変換器の図である。
【図9】光ファイバー型光伝送装置の形態をしている光路幾何学形状変換器の図である。
【図10】本発明に組み込まれているスペクトルセンサ組立体の概略図である。
【図11】図10のコリメート用フェースプレートの光ファイバーアレイ又は毛細管アレイの代替パターンの図である。
【図12】本発明に使用されているフェースプレートのコリメート工程を説明するのに役立つ、ガラス基板と接触している図10及び図11のコリメート用フェースプレートEの部分断面図である。
【図13】干渉フィルター楔被覆の概略図である。
【図14】リニア光検出器アレイの概略表示である。
【図15】光検出器アレイ内の光検出器サイトの代替配列の概略表示である。
【図16】126画素アレイの実寸法を示しているリニア光検出器の概略表示である。
【図17】本発明の教示に基づき構成された分光光度計の1つの実施形態の分解概略表示図である。
【図18】本発明の教示に基づき構成された分光光度計の別の実施形態の分解概略表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
光源としてLEDを使用し、全てのLEDを一度に作動させる色測定装置を構築するためには、LEDの選定は、得られる混合光が、可視スペクトルの全波長でほぼ等しいエネルギーを持つように行わなければならない。これを実現するには、先に述べたスペクトル間隙を埋めなければならない。そうでなければ、混合光のスペクトルは、エネルギーの不足したポケットのせいで相当にでこぼこし、装置の精度を危うくする可能性がある。これらのスペクトル範囲をカバーするLEDを入手することはできなくても、蛍光発光材料なら入手可能であり、これをLEDと組み合わせて追加のエネルギーを提供することはできる。
【0023】
蛍光は、ルミネセンスの一形態、即ち冷体放射である。蛍光は、材料分子の光子吸収が、(通常は)より長い波長を有する別の光子の放出を引き起こした時に起こる。蛍光発光材料の分子の特性にもよるが、通常、吸収された光子の波長は、紫外から青色までの範囲に在り、放出された光子の波長は、ちょうど可視スペクトル内のそれよりは長い波長付近に収まる。材料は、粉末状のものは、光学的に透明なエポキシ樹脂と混ぜ合わせてLEDレンズに置き換えて使用することもできるし、又は、透明な面に被覆して、LEDから放射される光の光路内に設置することもできる。被覆されていないLEDが、適切な波長を有する放射線を出している場合、被覆を施すと、得られるスペクトルパワー分布は、量は減少するが元の波長を有する放射線と、蛍光発光材料に関係付けられるより長い波長を有する可視光線とから構成されることになる。市販されている幾つかの蛍光発光材料の発光スペクトルを図1に示している。
【0024】
LEDと蛍光発光材料を、分光光度計の様な色測定装置の光源として使用することは、他の型式の光源に勝る幾つかの利点をもたらす。第1に、LEDを備えた光源は、光出力量対電力消費量の点から見て非常に効率が高い。例えば、LEDと蛍光発光材料を使って、約3.5Vで180mA未満の電力しか消費しない分光光度計を作ることができ、この計器なら一般的なラップトップコンピューターのUSBポートから電力供給を受けられるようになる。この型式の光源がもたらすもう1つの利点は、その寿命が長いので、全く取り換える必要が無いことである。もう1つの利点は、光源は、望ましくない赤外線が存在せず、大量の熱も発生しないように構成することができるので、望ましくないエネルギーを補償するための費用の掛かるサブシステムが必要無いことである。
【0025】
様々なLEDを光源として使用する分光光度計は、従来型の光源では実現することができない新しい特徴を提供することができる。光源のLEDの内の少なくとも1つが紫外線放射を発する型式である場合、当該分光光度計は、印刷用媒体及び着色剤の様な他の材料内の蛍光の状態を検査するのに使用することができる。インクジェット、電子写真、染料昇華、及び従来のハロゲン化銀印刷を含め、画像化プロセスで用いられる媒体は、全て、蛍光増白剤(FWA)又は光学的明色化剤(OBA)として知られている特殊な白色化剤を含んでいる可能性がある。その様な薬剤は、普通に反射された光の混合光に、紫外線放射の蛍光の結果である何らかの光を加えることによって、媒体の明度(L*)を高めるのに使用されている。これは、画像化には非常に有用であるが、媒体のスペクトル反射率にスパイクを加えることになるので、色測定を混乱させる恐れもある。紫外から青色までのスペクトル内容が不十分な光源を使用している分光光度計は、これらのスパイクを検出することができない。
【0026】
FWAとOBAに加えて、インクジェット印刷で使用されるインク、写真撮影及び染料昇華型印刷で使用される染料、及び電子写真で使用されるトナーを含め、画像化着色剤の中には蛍光を呈するものもある。これは、結果的に、望ましくない色ずれの原因となり、望ましくない発光体メタメリズム現象を引き起こす恐れがある。紫外線LEDでは、紫外線の有無に関わらずサンプルを検査することが可能なため、蛍光の存在を検査することができるようになる。
【0027】
LEDを光源として使用することに加え、個別のLEDの通電は、パルス幅変調(PMW)を使用してLEDの輝度を制御することによって制御される。本発明のシステムは、LEDは、主要照射源としては使われておらず、代わりに、LEDレンズ上又はディフューザのカラー内へ切り込まれたLEDチャンバ内部、或いはそうでなければLEDからの照射路内に堆積させた複数の蛍光燐光体層を駆動するのに必要な光エネルギーを提供しており、これを、「電界蛍光」照射と呼ぶ。LED自体は、主に青色、紫色、及び紫外であり、燐光体層を励起するのに、100mWを超えるUVエネルギーがLEDによって生成される。説明のために選定した実施形態では、8個のLEDのそれぞれは、自身のPMW回路によって駆動され、同回路は各LEDを最大50mAまで駆動することができる。PWMパルス周波数を調整することにより、LEDのあらゆる組合せの輝度を、各々独立して、上げたり下げたりすることができる。LEDを駆動し低周波数のちらつきを減らすため、LED1つに1個ずつ、8個の増幅トランジスタが使用されている。
【0028】
この構成により、ファームウェア内に複数の輝度レベルを事前設定できるようになり、一回の白色点較正サイクル中にそれぞれが較正される。(レベルは戦略的に設置した光ダイオードで測定された全反射光エネルギーに基づき)暗色のサンプルには高い輝度レベルを選択し、明色のサンプルには低い輝度レベルを選択する。最適に最も近い輝度レベルが選定され、それに応じてサンプリング間隔が調整される。
【0029】
蛍光燐光体被覆は、UV及び青色LEDの光エネルギー出力を変更するのに使用されてきた。製造者は、黄色燐光体を青色LEDに塗布することにより「白色」LEDを作り出しており、黄色燐光体は480nmと720nmの間で蛍光発光するものであって、ピーク波長が460nmのLEDからの青色光と組み合わされると、青味がかった白色光が得られる。
【0030】
図1と図2は、様々な市販の燐光体の発光スペクトルを示しており、図1は、様々な個別の燐光体を示すグラフであり、一方、図2のグラフは、「白色」光を作り出すために通常460nmの青色LEDに塗布される標準的な「黄色」燐光体を示している。これらの発光スペクトルグラフが示しているものは、より短い波長のUVと青色のエネルギーは燐光体分子によって吸収され、より長い波長の光エネルギーが放出されるということである。燐光体の化学的性質を微調整することによって、優位な再放出波長を変えることができる。但し、全ての場合で、より短い波長のエネルギーは吸収され、より長い波長のエネルギーが放出される。この系統の燐光体(上記図1と図2)は、紫外線LEDと約400nmから470nmの青色LEDの両方で良好に機能し、橙色及び赤色の様なより長い波長の燐光体には、460nmから470mnまでの範囲の青色LED(UV LEDより安価である)で更に良好に機能するものがあることが分かっている。
【0031】
市販のUV系燐光体は、UV LEDとでしか機能せず、一方、幾つかの燐光体は、360nmから390nmまでの範囲のUV−Cエネルギーに対して最適化されていて、約395nmを過ぎると巧く働かない。更に、燐光体被覆の密度を変えることによって、燐光体層を「打ち抜く」元のLED光の量を制御することができる。白色LEDの場合、燐光体層の密度が高いほど、元の青色光はより多く吸収され、白熱電球と同様の、より温かな黄色がかった白色光が作り出される。同様に、燐光体層は、薄いほど、より多くの青色光を通すことができ、青色フィルター付きキセノンガス充填タングステン−ハロゲン自動車ヘッドランプと同様の青味がかった白色光が作り出される。
【0032】
我々は、従来型の高効率UV及び青色LEDと特定の蛍光燐光体を組み合わせると、十二分な青色/暗紅色/紫色のエネルギーがこの重要な領域の光ダイオードアレイの応答性の低下を補償することで、CIE標準D65昼光発光体に非常に近似したものを実現できるようになることを見い出した。更に、パルス式キセノンストロボ又はキセノンガス充填タングステン−ハロゲン燈とは異なり、我々の電界蛍光発光体では、無関係なUVエネルギーは発生せず実際に赤外線も発生しない。よって、我々は、非常に低い電力要件で高い効率を実現している。
【0033】
図3では、本発明の教示に基づいて作られた分光光度計の簡略分解図が示されている。印刷回路板10は、光エネルギーの検出及び測定によって作り出される信号の信号取扱に必要な構成要素を支持している。複数のLED11は、PCBに固定されており、そこから、ディフューザカラー15内に設けられているキャビティ12の中に伸びている。ディフューザカラー15のキャビティ12内に配置されたLEDから発する光エネルギーは、下向きに進み、アパーチャ円錐18を通過して、反射特性を測定しようとする標本に送られる。レンズホルダ20は、レンズ21とベースディフューザ23を支えている。反射光は、ディフューザカラーの開口部25、レンズ21、及びベースディフューザ23を通過し、検出され、説明するやり方で信号が生成される。
【0034】
図4は、様々な部品の相互関係を説明するのに有用である、図3の構成要素の組み立て後の断面である。LED11は、矢印30によって示される様に光を送り、光はアパーチャ円錐18に設けられているアパーチャ31を出る。ディフューザカラー15は、各LEDのためのキャビティ12を提供していることに加え、各LEDから発する光を拡散する。反射された光は、矢印32で示される様に進み、光学チャンバ34、レンズ21、及びベースディフューザ23を通る。この光は、説明するやり方でトリムフィルタを通され光検出器の上へと送られる。LED11は、円形に配列されており、説明するパルス幅変調を組み込んだ調整可能な電力印加技法によって個別に通電される。LEDそれぞれには、個々のLEDそれぞれに固有の燐光体が設けられており、それらは、LEDレンズに塗布するか、キャビティ12内の被覆として使用するか、又はそうでなければ、各LEDからの放射を遮り、個別のLEDと共に使用される特定の燐光体によって決まる一般により長い波長を生成するように配置してもよい。
【0035】
電界蛍光照射のもう1つの重要な利点は、UVエネルギー出力を制御する能力であり、これによりインク及び媒体被覆の蛍光の検査が可能になる。インクの中でも、特に顔料を主成分とするインクは、意図せぬ蛍光を引き起こす化合物を含有している場合があり、これらの化合物は、自然に発生するUVエネルギー(例えば、昼光)を吸収し、可視スペクトル内の何処か別の場所のより長い波長のエネルギーを再放出することもある。この現象は、メタメリズム及び色彩恒常性に深刻な問題を引き起こす恐れがある。実際、商業的印刷産業で今日使用されている全ての分光光度計は、UVエネルギーを生成するか又は生成しないかのどちらかである単一の照射源を採用しているが、少なくとも1つの「燐光体を含まない」395nm高エネルギー(30mW)UV LEDを光アレイに加えることにより、測定サイクル中に作り出されるUVエネルギーの量を調整して、インク内又は媒体白色化剤又は表面被覆内の蛍光の影響を測定するのに使用することのできる可変デジタルUVフィルターを作り出すことができる。単一サンプルのスペクトル反射率を、回毎にUV−Cエネルギー(350nmから400nm)のレベルをゼロから100までの何れかの割合に変えて、複数回に亘って測定し、ユーザー向けの結果を作図又は分析し、或いはデータをカラープロファイルに組み込み、実環境の照射及び観察条件を補償するのに使用することができる。
【0036】
デジタルパルス幅変調(PWM)は、電力源のデューティサイクルを変調して、発光ダイオード(LED)、発光ポリマー又は同様のその様な化合物、又は瞬時ON又はそれに近い能力を備えた他の同様の種類の固体発光素子の様な負荷に提供される電力量を制御する方法である。LED又は同様のその様な素子に提供される電力を制御することにより、素子の見かけの輝度、即ち、出力強度(総光子放射エネルギー)は、妥当な精度で制御される。よって、発光素子に送出される平均電力は、PWM出力の変調されたデューティサイクルに正比例する。
【0037】
LED又は同様のその様な素子が目に見える程ちらつくのを防止するため、パルスの周波数は、ちらつき無し又はそれに近い動作を実現するのに十分な、やや高い値に設定するべきである。選択された周波数は、PWM回路が作り出す時間間隔当たり(例えば、秒当たり)パルス数を定義する。次いで、デューティサイクルが、時間間隔当たりパルス数に対する各パルスの幅として定義される。例えば、秒当たり10000パルスの周波数(10KHz)は、100マイクロ秒(μs)の最大パルス幅を可能にする。従って、パルス周波数10KHzの10μsパルスは、10%のデューティサイクルに相当し、同じパルス周波数での50μsパルスは、50%のデューティサイクルに相当する。
【0038】
マイクロプロセッサ制御式デジタルPWMでは、パルス幅期間値は、PWM比較器の基準値を表す。パルス生成を制御するのに高分解能のタイマー/計数器が使用されている。計数器の値が比較器基準値を超えると、PWM出力が状態を切り替え、パルスサイクルが終了すると計数器がリセットされる。タイマー/計数器の分解能は、所望のパルス周波数及びマイクロプロセッサのクロック速度との組み合わせで、パルス幅が変動してもよい精度を定義する。例えば、1MHzクロックで駆動される16ビットのタイマー/計数器では、0から65535まで約66ミリ秒(ms)で増加し、従って、1カウントは、約1μs間隔と同じになる。
【0039】
上で定義されたパルス周波数の場合、これにより、各パルスの幅は0から100%のデューティサイクルまでほぼ1%に等しい増分幅で定義できるようになる。10MHzクロックを用いれば、パルス周波数は、100KHzまで同じパルス幅制御精度で増大させるか、又は、パルス幅増分分解能0.1%で10KHzに保つことができる。前者の場合、パルスサイクルは100μsで、パルス幅は0から100の間の値であるのに対して、後者の場合、パルスサイクルは10μsで、範囲は0から10までになる。
【0040】
計数器の値が増大して基準値を超えると、PWM出力は、状態が高(オン)から低(オフ)に変化するが、但し、回路は、基準値を超えた場合、回路の基本的な機能を変更すること無く、同様に低(オフ)から高(オン)へ切り替わるように設計することができる。同様に、幾つかのPWM方法、即ち、パルスの中心点を固定しパルスの両縁を動かしてパルス幅を拡大するか又は圧縮する、又はパルスの前縁を固定しパルスの後縁を動かしてパルス幅を変える、又はパルスの後縁を固定し前縁を動かしてパルス幅を変える、という方法を採用しても同様の結果が得られる。全ての場合で、同じ変調後デューティサイクルが実現される。
【0041】
図5は、PWMパルス生成を制御するのに採用されている2つのタイマー/計数器を示している。第1に、タイマー1は、パルスサイクルを制御し、パルスサイクルは、時間間隔当たりパルス数、即ちパルス周波数を定義する。このタイマー/計数器の増分がパルスサイクル値を超えると、タイマー1とタイマー2の両方がリセットされ、PWM出力は高(オン)に設定される。タイマー2は、パルス幅を制御し、このタイマー/計数器の増分がパルス幅(基準)値を超えると、PWM出力が低(オフ)に設定され、タイマー/計数器の両方がリセットされるまで低のままになる。
【0042】
マイクロプロセッサ制御式デジタルPWMでは、PWM出力は、マイクロプロセッサの出力ピンであってもよいが、それでは、LED又は同様の素子の様な発光素子を直接駆動するには電力が足りないかもしれない。その様な場合は、追加の回路を採用し、PWM出力に、直接駆動した場合よりも高い出力の素子を制御できる性能を持たせてもよい。図6では、本発明に組み入れられているパルス幅変調のオペレーションを説明するのに役立つ機能ブロック図が示されている。PWM出力35は、高速トランジスタ切替回路36を通して、対応する発光素子38に印加される。パルス幅変調器35が、LEDを適切に通電するのに十分な出力を有していない場合には、外部の電力源37が、LED38を駆動するのに十分な電力を供給した。
【0043】
上で説明したLEDアレイの様な多数の発光素子が採用されている場合は、多重PWM回路か、又は1つ又は複数の多重チャネルPWMを使用して、個々の素子又は素子のクラスタ又はグループを独立して制御できるようにしてもよい。同様に、広域スペクトル出力を作り出すのに、LEDの組合せ、有機LED、又は様々な色の発光ポリマー類の様な多数の狭帯域発光素子が使用されている状況では、各色の光源の輝度、即ち、強さを制御するのに多重PWM又は1つ又は複数の多重チャネルPWMを採用して、組み合わされた広域スペクトル出力に最適な色の混合を実現すると共に、合成色を変えることなく、組み合わされた出力全体の輝度を制御できるようにしてもよい。図7では、簡略化された機能ブロック図が示されており、同図では、外部電力源40は、複数の高速トランジスタ切替回路42、43、及び44を通して、各発光素子45、46、及び47に電力を提供する。各LEDへの電力源40からの印加は、パルス幅チャネル50、51、及び52それぞれに対応する変調器チャネルを通して各々制御される。パルス幅変調技法は周知であり、得られる信号の変調と利用を実施するための回路は、一般的な回路設計技法である。具体的な変調技法は本発明の一部を成すものではないが、選択されたLEDを通電させて各LEDに印加される電力を制御するためのPWMの実施は、分光光度計に対するパルス変調の新規な適用である。
【0044】
殆どの発光素子は、素子の光出力の輝度、即ち、強さが、通常は周囲温度に反比例するという形で、温度による影響を受けるため、PWM回路と併せて温度センサを採用し、素子の正常な作動範囲に対する温度変化が補償されるようにしている。温度センサは、対応する周囲温度を感知するのに好都合であればどの様な場所に配置してもよい。例えば、パルス幅が一増分幅ずつ増大する都度、輝度が1%増すと較正された場合で、温度が1℃上昇する都度、素子の輝度が0.5%低下する場合、6℃の温度上昇の結果、輝度は3%低下することになるが、この事態は、PWMパルス出力の幅を3増分幅だけ増大することで相殺することができる。PWM回路の使用により、より広範な作動温度に亘ってより安定した輝度レベルを得ることができる。
【0045】
再び図3と図4を参照すると、光学チャンバ34に入ってきた光は、分光計の円形入力アパーチャ31に入ってくる光を方向決めして集束するように設計されている光路幾何学形状変換器又は光集束器を通過し、スペクトルセンサの表面積と一致する細い線になる。光ビームを整形するのに採用できる技法は2つあり、即ち、第1の技法は、図8に示されている様に、スペクトルセンサの長さに近似した直径を有する丸みの付いた円筒形レンズを使用する。円筒形レンズ60は光を1軸上のみに合焦(屈曲)させるため、レンズに入射する光はレンズの直径に近似した長さの線になり、その幅は、センサをレンズの焦点を超えたばかりの位置に配置することによって、スペクトルセンサ61の幅に等しくすることができる。
【0046】
図9を参照すると、第2の技法は、光ファイバー幾何学形状変換器65を採用するというものであり、変換器は、プラスチック又は同様の可撓性を有する(ジャケットの有無は問わない)光ファイバーストランドを固定具に嵌め込みエポキシ又は他の手段で所定の位置に固定されるように作られているか、又は光学等級のガラスファイバーを溶融し、入力端である一端66は長さと幅が略等しくなる形状(略円形、方形、六角形、又は類似のその様な幾何学形状)にし、出力端67はスペクトルセンサ61の長さと幅に近似するように作られている。入力端と出力端は、両方が略等しい面積でなくてはならないので、出力端の面積が約2.1mm×9.5mm、即ち20平方mmであれば、入力端を、一辺が約4.5mmの方形又は直径が約5mmの円にすれば略等しい面積になる。ファイバー自体は、十分な光伝送と湾曲点での多大な光損失を防止するためのファイバーコア内への光の閉じ込めとを可能にする適度な値の開口数(NA)を有していなければならない。コントラストを改善するために、光学等級の溶融ガラスで作られた変換器に、暗色ガラスの様な壁外吸収性(EMA)材料を比較的少ない割合で添加することもできるが、(先に説明した基本的な設計と著しく異ならないということを前提とした上で)EMA材料の添加又は除去、NA値の差、又はファイバー原料の選定によって、この用途における変換器導管の基本的機能が著しく変わることはないであろう。
【0047】
円筒形レンズと光ファイバー変換器導管の間の選択は、集光能力とアパーチャサイズの間の選択であり、どちらも光学的幾何学形状変換器としての役目を果たす。但し、円筒形レンズ構成では、レンズ直径(従って入力アパーチャ)がスペクトルセンサの長さと概ね等しくなっていなければならないので、最大集光が可能になる。この場合、レンズは、光集束器として大いに働き、そうでなければスペクトルセンサの活動区域から外れてしまう光をセンサ面に向かわせ、実際のセンサ活動区域より数倍広い区域から集められた光を収束することができる。光ファイバー導管方式では、光ファイバー変換器導管の入力と出力の両方は略等しいことから、入力アパーチャ直径は小さい。この方式では、光学系の総集光能力は低下するが、サンプリング区域を縮小化でき、光ファイバーケーブルと画像導管を直接インターフェースさせ易くなる。
【0048】
光ファイバーケーブル及び光学画像導管とのインターフェース(前者は、通常、可撓性プラスチックファイバーで作られ、主に、可視光線の伝送に使用され、後者は、通常、可視光線と近赤外線の両方の伝送に適した光学等級ガラスファイバーで作られている)に関し、光ファイバー幾何学形状変換器の入力端は、分光計モジュールをサンプリング区域に密に近接させる必要の無いように、(使用材料にもよるが)幾分伸ばすことができる。これは、過酷な環境でサンプリングが行われる場合、又は、サンプル区域付近の空間が分光計自体を利用用可能寸法に合わせることができない地点に制約される場合に、好都合である。
【0049】
幾何学形状変換器にプラスチックファイバーが使用されている場合、ファイバー自体を分光計アパーチャ開口部から先へ伸ばすことができ、その場合、それらを束ねてジャケットを被せ、長さ数センチメートルから数メートルの可撓性ケーブルに形成してもよい。ガラスファイバーが使用されている場合は、ファイバー束をガラス導管として分光計アパーチャより先へ幾分伸ばすことができ、その場合、それを可撓性光ファイバーケーブルと接続してもよいし、又はサンプル区域を覆うように配置してもよい。その様な場合、ガラス導管は、分光計モジュールの外部の追加の光学的構成要素とのインターフェースに適した光学的「筒口」を形成することになる。
【0050】
本発明に組み込まれているスペクトルセンサは、多色又は「白色」光を、それを構成しているスペクトルに変換する「デジタルプリズム」の役目を果たしており、スペクトルには、350nmから750nmの間の波長の可視スペクトル(VIS)白色光、750nmから1500nmの間の近赤外(NIR)光、1500nm波長より上の遠赤外線(IR)、及び350nm波長より下の紫外(UV)光が含まれる。スペクトルセンサ組立体には、次の3大副構成要素が組み込まれており、即ち、1.)感光性を有する光検出器サイトのアレイであって、関心対象の波長領域と一致していて、直線状のアレイ、又は光検出器サイトの行が長軸を成し列が短軸を成す略矩形のグループに配列された複数の光検出器サイトで構成されている、光ダイオード、光トランジスタ、又は、他の類似のその様な光検出回路を含む、光検出器サイトのアレイと、2.)合成干渉被覆層の厚さが縁と縁の間で変化し、楔に似た形状が光検出器アレイの長軸に沿ってサブミクロンの規模で形成されるように塗布された多数の帯域通過フィルター被覆層で形成されている楔形エタロン又は干渉フィルター楔であって、各通過帯域の中心波長(CWL)は被覆厚さの関数なので、フィルタの所与の点を通して伝送されるピーク波長は、フィルタ被覆楔の方向(即ち、センサの長軸方向)に略直線状に変化する、楔形エタロン又は干渉フィルター楔と、3.)5ミクロンから100ミクロン規模の直径で、中心から中心までの間隔が同じで、低い開口数の、光学的に透明なプラスチック又はガラス製の光ファイバー要素のアレイを、或る割合の壁外吸収性(EMA)材料と組み合わせて備えているか、又は、EMA型材料の様な光吸収性材料の同様のモノリシックプレートであって、直径が5から100ミクロン規模で、中心から中心までの間隔が同じである穴又は毛細管のアレイが、吸光プレートにエッチング、穿孔、又は別のやり方で切られている、プレートを備えている、コリメート用フェースプレートにおいて、光ファイバーか毛細管か何れのアレイ設計であろうと、フェースプレートの目的は、干渉フィルター被覆に入射する光をコリメートして、被覆面に対して20°より大きい入射角度の光を拒絶し、半角20°以下の一連の円錐が重なり合って、その重なり面積が光検出器のアレイに重ね置かれている被覆層の全区域に概ね均一な照射レベルを提供するのに十分な形で出現するようにすることである、コリメート用フェースプレートと、が組み込まれている。図10では、本発明に組み込まれているスペクトルセンサ組立体の概略図が示されている。組立体には、A層からE層までの各層が示されており、各々について以下に説明する。
【0051】
A.光検出器サイトと補助的サポート回路を含む光検出器アレイ。
B.光検出器アレイを製造することを目的とした干渉フィルター楔被覆を支持するのに用いられるガラス基板。この部分は随意的なものであり、被覆は直接アレイに塗布することもできるが、現在の製造方法ではそれを行えない。この層は、厚さが最大で1000ミクロンまで可能であるが、最適には500ミクロンである。
【0052】
C.干渉フィルター楔被覆又は可変帯域通過被覆。この被覆は非常に薄くて自力で支えきれないため、通常は高品質の光学等級ガラスである支持ガラス基板に塗布しなくてはならない。
【0053】
D.上記「B」と同じ種類で同じか又は非常に似た屈折率を有しているガラス分離層。このガラス層は、干渉フィルター楔被覆を支持するのにも使用できるが、主たる目的は、コリメート用フェースプレートによって作り出される、重なり合って出現する円錐を形成できるようにすることである。この層の厚さは、コリメート用フェースプレートの幾何学形状(開口数、ファイバー又は毛細管の直径、中心から中心までの間隔、出現円錐半角など)によって決まる。
【0054】
E.干渉フィルター楔被覆への入射を20°以下の入射角度に絞ることと、被覆層が光検出器サイトに重ね置かれる全ての区域において被覆を略均一に照射することを保証するコリメート用フェースプレート。フェースプレートは、光ファイバー要素を使って形成される場合、殆どの用途で厚さは少なくとも500ミクロンはなくてはならず、最適には1000ミクロンから2000ミクロンの厚さであり、通常のVIS又はNIR用途でのファイバーコアは、直径が40ミクロンから45ミクロンの範囲内で、2ミクロン厚のクラッディングと、ファイバー当たり4ミクロンから5ミクロンのEMAジャケットを備え、全体の中心から中心までの間隔が約55ミクロンの場合は、開口面積比(OAR)が60%から70%になって、開口数(NA)は0.2となり、空間に出現する円錐の半角は大凡11.5°になる。同様に構成された毛細管アレイプレートなら、厚さは500ミクロンであり、OAR約45%から50%でNA値は0.1から0.15の間になる。何れの場合も、ファイバー要素又は毛細管のアレイは、矩形又は六角形構造に配列することができる。
【0055】
図11では、図10に組み込まれたコリメート用フェースプレート上の光ファイバーアレイ又は毛細管アレイの代替パターンの図が示されている。図12は、図10と図11のコリメート用フェースプレートEの部分的断面を表している。図10の干渉フィルター楔被覆Cが図13に示されており、被覆の厚さが縁と縁間で長軸に沿って変化していることが矢印70で示されている。干渉フィルター楔被覆の厚さが直線的に増すと、楔型エタロンと同様の様式で放射エネルギーに対する作用が引き起こされる。被覆の厚さを直線的に増すと、楔型エタロンの厚さが直線的に増した場合と同じ機能を果たす。コリメート用フェースプレートは、許容半角20°以下で設計されており、即ち、20°より大きい入射角度の光は吸収されるか又は排除されるかの何れかとなる。コリメート用フェースプレートにより作り出される重なり合って出現する円錐は、干渉フィルター楔被覆Cを均一に照射し、これにより、光検出器アレイAに入射するスペクトルは連続した直線形に近いものになる。図14は、直線状の光検出器アレイの概略表示であり、複数の光検出器サイトが、検出器の全長に亘って単一軸に沿って分散配置されている。各光検出器サイトは、1又は2ナノメートル程の非常に狭いスペクトル帯域を表している。このスペクトル帯域によって表されている光子エネルギーは、1つ又は複数の高分解能アナログ対デジタル変換回路を介してデジタル表現に変換される。次いで、元の光子スペクトルが、デジタル式に再度組み立てられ、光子エネルギーの単位(例えば、放射フラックスの単位)で報告されることになる。
【0056】
センサの分解能を更に改善するため、複数の光検出器の行を、光検出器サイトが単一光検出器サイトの幅の数分の1だけずれるように構成してもよい。例えば、図15では、3行の光検出器サイト72、73、及び74は、各行を次の行から単一の光検出器サイトの幅の三分の一だけずらして並べられている。この様に構成すれば、スペクトル分解能と集光能力は、同じ光検出器が1行の場合の3倍になる。同様に、2行の光検出器サイト75と76は、各行を次の行から単一の光検出器サイトの幅の二分の一だけずらして並ばせることができる。その様に構成すれば、スペクトル分解能は、1行の場合の2倍になる。
【0057】
複数のスペクトルセンサ組立体を極めて密に近づけて隣り合わせに並べ、光ファイバー幾何学形状変換器導管を使うなどして単一の光源から照射してもよく、そうすれば、極めて広い帯域のスペクトルサンプルを採取することができるようになる。例えば、400nmから700nmまで(可視スペクトル)のスペクトル範囲を有する1つのセンサ組立体を、700nmから1200nmまで(赤外線)のスペクトル範囲を有するNIRセンサ、及び追加的に300nmから400nmのスペクトル範囲を有するUVセンサと組にすることもできる。スペクトルセンサ組立体の圧縮小型化により数多くの構成が可能になる。
【0058】
図16は、本発明の好適な実施形態に有用であることが分かっている128x1画素の直線状のアレイの上面図である。全ての測定値はマイクロメートル単位である。光ダイオードアレイの幅は約8.1mm、一方、パッケージ自体は約8.9mmで、各側約0.38mmの死界が残されている。パッケージは高さ約1.0mmである。
【0059】
線形可変フィルター(LVF)を形成している干渉フィルター楔被覆とその支持ガラス層は十分に小型化されているので、アレイ内の光ダイオードには、LVFの全有効長さが見える。各端部の数個の光ダイオードには何も見えないかもしれないが、それは許容可能である。LVFの最適範囲は約380nmから720nmであるが、最短の約360nmから400nmと最長の約700nmから760nmまでの何れも許容可能である。LVFの最適寸法は、360nmから720nm、1.0×8.0mmである。
【0060】
LVFは、光学的に透明なエポキシを使って光ダイオードアレイに貼り合わされる。各素子はソフトウェアで較正されるので、整列は最重要ではない。較正プロセスで、どの光ダイオードサイトがどの波長帯域に対応するかを識別する。場合によっては、2つ以上のサイトが単一の帯域に対応することもあれば、2つの帯域に跨っているサイトもある。サイトは、最適な結果が得られるように較正中に選択され、サイトの選択は素子毎に異なるので、予想されるばらつきを補償するのにソフトウェアを使用するのが良い。
【0061】
スペクトルデータは、周期的な高信号の「スパイク」を伴う低信号レベルで構成されている場合が非常に多い。従って、低信号状態に対して適切な分解能を提供するには、非常に高い分解能のアナログ対デジタル変換(ADC)の必要性がしばしば要件となる。低い信号分解能を改善するため、信号増幅又は「利得」をADC回路に組み込むこともできるが、これには高信号スパイクを飽和させるリスクが伴う。飽和が起これば、スパイクのピークを確認することができず、データは信用できなくなってしまう。このため、自動範囲設定利得特性を備えた分光器が好ましい。
【0062】
自動範囲設定利得とは、低信号レベルのみに増幅を提供し、高信号スパイクの場合は増幅を遮断する(又は下げる)利得機能を指す。これは、2つ又はそれ以上の基準電圧(Vref)値を確立することによって達成され、ここでは、1つのVrefは基線、即ち、ゼロ利得電圧基準(内部Vrefとも呼ばれる)であり、追加のVrefレベルは、外部Vref又は利得Vrefと呼ばれる利得レベルである。
【0063】
アナログ対デジタル変換器は、周知であり、異なる技術への広範な適用可能性を有するシステム及び回路を含んでいる。変換器は、通常、変化する振幅を有するアナログ信号を受信し、入ってくるアナログ信号の瞬間振幅をデジタル値に変換する。アナログ信号振幅は、通常、変換器からの得られた出力が、振幅の様な信号の各種属性を含むアナログ信号のデジタル表現となるように、所定の抽出率でサンプリングされる。ADCは、マイクロプロセッサ回路の一部として提供されることが多く、ユーザーは、回路チップへの外部接続を通して、ADCへのアクセスを利用できる。その様なアナログ対デジタル変換器(ADC)は、一般的に、分光光度計における信号変換の実施を含め、電子技術の全ての態様に普通に見られる。信号振幅のデジタルフォーマットへの変換は、アナログ信号振幅の範囲により頻繁に錯綜する。その様な問題は、しばしば、システム分解能とシステム範囲の間のトレードオフを招くことになる。ADCは、通常、入ってくるアナログ信号と比較するための基準電圧を、振幅又は振幅の変化率を測るための手段として採用している。
【0064】
先に説明した様に、スペクトルセンサは、光検出器サイトのアレイを含んでおり、各光検出器サイトは、光子エネルギーを電気信号に変換し、それがADC回路によってサンプリングされ、デジタル値に変換される。利得が採用されていない場合、ゼロデジタル値は、ゼロ電気エネルギー、従ってゼロ光子エネルギーを表すことになる。12ビットADCでは、最大デジタル値は4095になり、その様な場合、4095のデジタル値は最大電気エネルギー、従って最大光子エネルギー(飽和状態)を表すことになる。光子エネルギーをこの点より増やしてもデジタル値は大きくならない。
【0065】
ADCは、光検出器電圧を比較しデジタル値を割り当てるのに基準電圧Vrefを採用している。基準電圧(Vref+とVref−)は、ADCの動的範囲を確立する。ADCの分解能は、Vref+とVref−により定義される電圧範囲に関係無く、一定に保たれるので、ADCの増分それぞれは特定の増分電圧を表す。例えば、Vref+が3.3Vに設定され、Vref−が0ボルトに設定されている場合、12ビットADCの一増分は、約0.8ミリボルト(mV)に相当する。しかしながら、Vref+が、その正常値の四分の一、即ち、8.25mVまで下がると、同じADCの一増分は、4倍の利得増幅と等しい0.2mVに相当することになる。
【0066】
0から600Mvを範囲とする低信号がADCに供されると、先に説明した様なゼロ利得のADCは、信号を、最大750段で分解することになり、各段は0.8mVに等しくなる。これは、分解能10ビット未満での信号のデジタル化に匹敵する(10ビットのADCであれば、0から1023の最大デジタル範囲を提供する)。しかしながら、Vref+を3.3Vから825mVに下げることにより4倍の利得増幅が提供されれば、前記信号は3000段で分解することができ、各ステップは、0.2mVに等しくなる。これは、ほぼ12ビットの分解能に匹敵する。
【0067】
しかしながら、3Vスパイクが突然発生すると、3Vは4x利得Vref+を超えるので、ADCは飽和する。更に、幾つかのADC回路では、その様な事象は、電気的構成要素に物理的損傷を引き起こす。従って、3Vのスパイクは、ゼロ利得Vrefを3.3Vに設定した上でこれを使用して測定しなくてはならない。しかしながら、このため、そして、値をユーザーにとって意味のあるものにするために、以下の方法を使用してもよい。
【0068】
1.ADC回路が、ゼロ利得Vref(基線)である一方と、利得Vrefである(単数又は複数の)他方の間で切り替わるように、2つ(又はそれ以上)のVref+値を選択する。
【0069】
2.ADCVref+を、ゼロ利得Vrefと利得Vrefの間で切り替え、再度、光検出器サイトの各サンプリング間に戻ると、各光検出器サイトは、一度はゼロ利得Vrefを使ってサンプリングされ、再度、(光検出器サイト電圧が利得Vref電圧より小さい場合のみ)利得Vrefを使ってサンプリングされることになる。
【0070】
ゼロ利得Vrefを使用して光検出器サイトのそれぞれのサンプリング前に(単数又は複数の)利得Vref電圧を求めるADCは、光検出器サイトの電圧閾値(利得Vref+電圧を基準として使って光検出器サイトを安全にサンプリングできるか否かを判定するのに、ADCが使用する値)を確立する。ファームウェアは、光検出器サイトがADC回路によって少なくとも2回、即ち、一度目は電圧レベルを確立するためゼロ利得Vref+を使い、二度目は(前記レベルが光検出器サイト電圧閾値より下であった場合)適切な利得Vrefを使って、サンプリングされるだけの十分に長い期間に亘って、各光検出器サイトの電圧レベルが保持又はフリーズされるように指示する。所定のコーディングスキームは、測定された電圧レベルを表すデジタル値と、電圧範囲を確立した選択された利得値の両方をエンコードするように定義されているので、エンコードされたデジタル値を後でデコードすると、その時の光子エネルギーの実際のレベルを知ることができる。よって、デジタル出力は、基準電圧範囲のデジタルビット表現と検出された電圧のデジタル値を含んでいる。
【0071】
従って、代表的なファームウェアアルゴリズムは、以下の論理命令として現れる。
1.ADCをゼロ利得(内部)Vref+に設定せよ
2.外部Vref+オプション(利得オプション、即ち、1/2−、1/4−、1/8−Vrefなど)を設定せよ
3.外部Vref+をサンプリングし、実電圧レベルを識別せよ −12ビット分解能でデジタル化された数個の連続したサンプルの平均値を使用
4.温度センサを使用可能にし、サンプリングを行って周辺ボード温度を識別せよ −12ビット分解能でデジタル化された数個の連続したサンプルの平均値を使用
5.アレイを循環させて値をクリアにすることによって光検出器アレイをリセットせよ −再度繰り返し、計2サイクル
6.光検出器サイトを充電するため、ミリ秒で定義されている指定のサンプリング積算時間の間待機せよ
7.ループのサンプリングを開始せよ、n=ゼロから光検出器サイト総数まで
内部Vref+を使って光検出器サイト「n」をサンプリングせよ
サンプル値<外部Vref+値の場合、
外部Vref+に切り替え
ADC回路が安定するのを待ち
外部Vref+を使って光検出器サイト「n」をサンプリングし
サンプル値(例えば、12ビット)+利得値識別子を記憶し
内部Vref+に切り替え
ADC回路が安定するのを待て
サンプル値>=外部Vref+値の場合、
サンプル値(例えば、12ビット)+利得値識別子(ゼロ利得)を記憶し
繰り返せ
8.サンプルデータをホストにダンプせよ。この列(string)は、
利得電圧と利得識別子
ボード温度
光検出器サイト値−サンプル値(例えば、12ビット)+利得値識別子、を含んでいなければならない。
【0072】
本システムは、単一の広帯域光ダイオードを追加的にスペクトルセンサの隣に配置し、サンプル区域に反射された総光エネルギーを測定できるようにする構成を含んでいる。この装置は、スペクトルセンサより100+倍感度が高く、スペクトルセンサに当たる総光エネルギーをほぼ瞬時に表示することができる。測定された値に基づき、2つの変数、即ち、光源の照射輝度とスペクトルセンサ積算時間が調整される。この能力は、固定された照射レベルと固定された積算時間に依存する先行技術の分光光度計に勝る重要な改良点である。目標の白色サンプルから反射される光のエネルギー量は、紺又は暗紅色のサンプルから反射されるものに比べ著しく多く、従って、明色サンプルで測定される総信号強度(総光エネルギー)は、暗色サンプルの場合より遥かに大きくなる。どの様なスペクトル測定でも一定量の「ノイズ」は常に存在し、このノイズは通常はほぼ一定なので、微弱信号では信号対ノイズ率が低くて信頼性に劣る傾向がある。分光光度計では、このことは、光ダイオードの反応がより鈍い暗い領域、特に紺色/暗紅色/紫色の領域の測定における精度、安定性、再現可能性が低下するという意味に解釈することができる。広帯域光ダイオードは、光がスペクトルセンサに当たる前に光をレンズから受けるように配置されていて、反射光を光ダイオードに直接送る単一のストランド光ファイバーを含んでいるか、又は、センサに送られる光の一部を、入ってくる光が拡散又は濾過される前又は後に受けるように配置されている。
【0073】
図17では、本発明の教示に基づき構成された分光光度計の1つの実施形態の分解概略表示図が示されている。複数のLED90は、円形アレイ状に配列されているものとして示されている。これらのLEDは、LEDアパーチャ92を各LEDに対応させて配したLED取付ブラケット91内に配置されている。先に説明した様に、LED及び/又はアパーチャを適した蛍光燐光体被覆で覆って、LEDアパーチャを出ていく光が所望の波長に対応するように修正することができる。LED90は、個別に選択され、対応する蛍光燐光体被覆と組み合わされて、所定の選択波長範囲を提供することになるが、この範囲は、残りのLED及び蛍光燐光体被覆によって提供される波長範囲と組み合わされると、基本的に白色光になる。LED90は、上で説明した様にパルス幅変調を使用して通電され、各LEDそれぞれは選択された出力強度を提供するように較正される。上で説明した様に、LED90の1つは、燐光体無し395nm高エネルギーUV LEDであってもよい。このUV LEDの活用は、目標表面への蛍光の衝撃を測定するのに利用することができる。単一サンプルのスペクトル反射率は、パルス幅変調を使ってUV LEDを様々なレベルまで通電させることによって何回か測定され、異なるレベルのUVエネルギーが目標に当たった場合の結果が求められ、該当する場合には、表面の反射率及びその様な蛍光によって生じる色の変化にUVがもたらす効果が分析される。
【0074】
LED90からの光は、対応するLEDアパーチャ92を通過し、ディフューザカラー93に入り、カラー出口面94を出て、アパーチャ円錐98の内部に至るものもある。アパーチャ99を出て拡散した光は、意図された目標物に当たり、それにより生じた反射光は、シール用Oリング101によってアパーチャ円錐の内部に固定されている保護レンズ100を通過する。光が保護レンズ100を通過すると、反射光がディフューザレンズ102に当たって、赤外線又は紫外線の様な望ましくない波長を反射光からフィルター除去するのに使用されているトリムフィルター104に送られ、これに当たる。拡散し整えられた反射光は、先に説明した丸みの付いた円筒形レンズ110を通過し、略矩形形式にされてコリメータ115でコリメートされる。コリメートされた光は、先に説明した直線状の可変フィルター116を通過し、フィルターの長さに沿って直線的に変化する波長出力を提供する。直線状の可変フィルターを通過する光は、こうして、それを構成しているスペクトルに変換され、それが光検出器アレイ117に衝突し、そこから、反射光の所定の波長成分に対応する信号を導き出すことができるようになる。先に説明した様に、広帯域光ダイオード120は、光検出器に伝送されてゆく光を検出し、スペクトルセンサに当たる総光エネルギーを表示できるように配置されている。
【0075】
図18では、本発明の教示に基づき構成された分光光度計の別の実施形態の分解概略表示図が示されている。図18に示されている装置の構造は、図17に示されているものと同様であり、類似部品には同様の参照番号が付けられている。図18の実施形態の大きな違いは、図17の実施形態の丸みの付いた円筒形レンズが、本書で先に説明した光ファイバー幾何学形状変換器111に置き換えられていることである。光ファイバー幾何学形状変換器111は、先の実施形態の円筒形レンズより小さい入力アパーチャを提供する円形の入力アパーチャ112を含んでいる。従って、ディフューザ102とトリムフィルター104は、対応して小さい。光ファイバー幾何学形状変換器111は、光路の円形入力アパーチャ112から基本的に矩形の出力アパーチャ113までを「作り直す」。出力アパーチャ113は、光検出器117に対応する形状に作られているのが好都合である。図18の実施形態の広帯域光ダイオード120は、先に説明した様に、単一のストランド光ファイバー121を設けて、光検出器手前の光を捕捉し、広帯域光ダイオード機能を発揮させるようにしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)アレイ状に配列された複数のLEDを備えており
(b)各LEDは、該LEDの出力強度を変化させるために個別に調整可能に通電されるように構成されている、分光光度計。
【請求項2】
各LEDは、各LEDに供給される電力をパルス幅変調により変調することによって、個別に調整可能に通電される、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項3】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項4】
各LEDは、異なる中心波長を有する所定のスペクトル帯域幅を有しており、全LEDの前記スペクトル帯域幅は、組み合わされると白色光を作り出す、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項5】
前記複数のLEDの内の1つは、紫外放射線を放射する、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項6】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)円形アレイ状に配列され同時に通電されるように接続されている複数のLEDを備えており、
(b)各LEDは、該LEDの出力強度を変化させるために個別に調整可能に通電され、
(c)各LEDは、異なる中心波長を有する所定のスペクトル帯域幅を有するように構成されている、分光光度計。
【請求項7】
各LEDの前記所定のスペクトル帯域幅は、他の全てのLEDのスペクトル帯域幅と組み合わされると白色光を作り出す、請求項6に記載の分光光度計。
【請求項8】
前記複数のLEDの内の1つは、紫外放射線を放射する、請求項6に記載の分光光度計。
【請求項9】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項6に記載の分光光度計。
【請求項10】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)円形アレイ状に配列され同時に通電されるように接続されている複数のLEDを備えており、
(b)各LEDは、該LEDの出力強度を変化させるために個別に調整可能に通電され、
(c)各LEDは、異なる所定のスペクトル帯域幅を有するように構成されている、分光光度計。
【請求項11】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)それぞれ異なる発光スペクトルを有する複数の電界蛍光発光体を備えており、
(b)各発光体は、パルス幅変調信号により個別に調整可能に通電されるように構成されている、分光光度計。
【請求項12】
各発光体は、異なる中心波長を有する所定のスペクトル帯域幅を有している、請求項11に記載の分光光度計。
【請求項13】
前記発光体は、燐光体をベースとする発光体である、請求項11に記載の分光光度計。
【請求項14】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)アレイ状に配列された複数のLEDと、
(b)対応する複数の電界蛍光発光体であって、それぞれが前記LEDの内の異なるLEDに対応しており、それぞれが前記LEDの内の対応する異なるLEDから放出された光エネルギーを遮り、光エネルギーを異なる波長で放出し直すように配置されている、電界蛍光発光体と、
を備えている、分光光度計。
【請求項15】
各電界蛍光発光体は、異なる発光スペクトルを有しており、全ての電界蛍光発光体の組み合わされた発光は白色光を作り出す、請求項14に記載の分光光度計。
【請求項16】
前記発光体は、燐光体をベースとする発光体である、請求項14に記載の分光光度計。
【請求項17】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項14に記載の分光光度計。
【請求項18】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)円形アレイ状に配列され同時に通電されるように接続されている複数のLEDと、
(b)対応する複数の電界蛍光発光体であって、それぞれが前記LEDの内の異なるLEDに対応しており、それぞれが前記LEDの内の対応する異なるLEDから放出された光エネルギーを遮り、光エネルギーを異なる波長で放出し直すように、前記異なるLED上に被覆されている、電界蛍光発光体と、
を備えている、分光光度計。
【請求項19】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項18に記載の分光光度計。
【請求項20】
各電界蛍光発光体により再放出される光エネルギーは、所定のスペクトル帯域幅と、異なる中心波長とを有しており、各電界蛍光発光体の前記所定のスペクトル帯域幅は、他の電界蛍光発光体のスペクトル帯域幅と組み合わされると白色光を作り出す、請求項18に記載の分光光度計。
【請求項21】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、スペクトル反射率を判別するための方法であって、
(a)光を反射面へと向けて、反射光を生成する段階と、
(b)前記反射光を干渉フィルターに通して、アレイ状に配列された複数の光検出器へと向かわせ、各光検出器に存在する光子エネルギーに対応する電気アナログ信号を生成する段階と、
(c)前記電気アナログ信号を、アナログ対デジタル変換器(ADC)に送る段階と、
(d)前記ADC内で前記アナログ信号と比較するための、少なくとも2つの基準値、即ち、一方の基準値は低又はゼロ利得に相当し、他方の基準値は高利得に相当する、を選択して、それらに対応するデジタル信号を導き出す段階と、
(e)電気アナログ信号を各光検出器で2回サンプリングし、前記一方の基準値と前記他方の基準値を交互に使用する段階と、
から成る方法。
【請求項22】
分光光度計において、測定される光のスペクトル内容を判別するための方法であって、
(a)前記光を干渉フィルターに通して、アレイ状に配列された複数の光検出器へと向かわせ、各光検出器に存在する光子エネルギーに対応する電気アナログ信号を生成する段階と、
(b)前記電気アナログ信号を、アナログ対デジタル変換器(ADC)に送る段階と、
(c)前記ADC内で前記アナログ信号と比較するための、少なくとも2つの基準値、即ち、一方の基準値は低又はゼロ利得に相当し、他方の基準値は高利得に相当する、を選択して、それらに対応するデジタル信号を導き出す段階と、
(d)電気アナログ信号を各光検出器で2回サンプリングし、前記一方の基準値と前記他方の基準値を交互に使用する段階と、
から成る方法。
【請求項23】
光路幾何学形状変換器を含む光路を有し、且つスペクトルセンサを有し、入力アパーチャに入ってくる測定対象の光のスペクトル内容を判別するための分光光度計において、改良された光路幾何学形状変換器は、
(a)光入力端に前記入力アパーチャに対応する所定の合成断面形状が形成されるように、互いに接触して平行に配置されている複数の光ファイバーストランドを備えており、
(b)前記光ファイバーストランドは、光出力端に前記スペクトルセンサに対応する異なる断面形状が形成されるように、前記光入力端から伸張するように構成されている、分光光度計。
【請求項24】
前記光ファイバーストランドは、エポキシで所定の位置に固定されている、請求項23に記載の分光光度計。
【請求項25】
前記複数の光ファイバーストランドは、溶融して、互いに対して所定の位置に固定されている、請求項23に記載の分光光度計。
【請求項26】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有しており、また、反射光をスペクトルセンサに送るための光路を有している分光光度計において、改良点として、
(a)複数の帯域通過フィルター被覆層で形成されている干渉フィルター楔と、
(b)穴又は毛細管のアレイを備えているコリメート用フェースプレートであって、前記反射光路内の光を前記干渉フィルターの手前でコリメートするように配置されている、コリメート用フェースプレートと、
を備えている分光光度計。
【請求項27】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有しており、反射光をスペクトルセンサに送るための光路を有している分光光度計において、改良点として、
(a)複数の帯域通過フィルター被覆層で形成されている干渉フィルター楔と、
(b)前記反射光路内の光を前記干渉フィルターの手前でコリメートするよう配置されている、光学的に透明なプラスチック又はガラスファイバー要素のアレイを備えているコリメート用フェースプレートと、を備えている分光光度計。
【請求項1】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)アレイ状に配列された複数のLEDを備えており
(b)各LEDは、該LEDの出力強度を変化させるために個別に調整可能に通電されるように構成されている、分光光度計。
【請求項2】
各LEDは、各LEDに供給される電力をパルス幅変調により変調することによって、個別に調整可能に通電される、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項3】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項4】
各LEDは、異なる中心波長を有する所定のスペクトル帯域幅を有しており、全LEDの前記スペクトル帯域幅は、組み合わされると白色光を作り出す、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項5】
前記複数のLEDの内の1つは、紫外放射線を放射する、請求項1に記載の分光光度計。
【請求項6】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)円形アレイ状に配列され同時に通電されるように接続されている複数のLEDを備えており、
(b)各LEDは、該LEDの出力強度を変化させるために個別に調整可能に通電され、
(c)各LEDは、異なる中心波長を有する所定のスペクトル帯域幅を有するように構成されている、分光光度計。
【請求項7】
各LEDの前記所定のスペクトル帯域幅は、他の全てのLEDのスペクトル帯域幅と組み合わされると白色光を作り出す、請求項6に記載の分光光度計。
【請求項8】
前記複数のLEDの内の1つは、紫外放射線を放射する、請求項6に記載の分光光度計。
【請求項9】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項6に記載の分光光度計。
【請求項10】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)円形アレイ状に配列され同時に通電されるように接続されている複数のLEDを備えており、
(b)各LEDは、該LEDの出力強度を変化させるために個別に調整可能に通電され、
(c)各LEDは、異なる所定のスペクトル帯域幅を有するように構成されている、分光光度計。
【請求項11】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)それぞれ異なる発光スペクトルを有する複数の電界蛍光発光体を備えており、
(b)各発光体は、パルス幅変調信号により個別に調整可能に通電されるように構成されている、分光光度計。
【請求項12】
各発光体は、異なる中心波長を有する所定のスペクトル帯域幅を有している、請求項11に記載の分光光度計。
【請求項13】
前記発光体は、燐光体をベースとする発光体である、請求項11に記載の分光光度計。
【請求項14】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)アレイ状に配列された複数のLEDと、
(b)対応する複数の電界蛍光発光体であって、それぞれが前記LEDの内の異なるLEDに対応しており、それぞれが前記LEDの内の対応する異なるLEDから放出された光エネルギーを遮り、光エネルギーを異なる波長で放出し直すように配置されている、電界蛍光発光体と、
を備えている、分光光度計。
【請求項15】
各電界蛍光発光体は、異なる発光スペクトルを有しており、全ての電界蛍光発光体の組み合わされた発光は白色光を作り出す、請求項14に記載の分光光度計。
【請求項16】
前記発光体は、燐光体をベースとする発光体である、請求項14に記載の分光光度計。
【請求項17】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項14に記載の分光光度計。
【請求項18】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、改良された光源は、
(a)円形アレイ状に配列され同時に通電されるように接続されている複数のLEDと、
(b)対応する複数の電界蛍光発光体であって、それぞれが前記LEDの内の異なるLEDに対応しており、それぞれが前記LEDの内の対応する異なるLEDから放出された光エネルギーを遮り、光エネルギーを異なる波長で放出し直すように、前記異なるLED上に被覆されている、電界蛍光発光体と、
を備えている、分光光度計。
【請求項19】
各LEDは、パルス幅変調信号により、個別に調整可能に通電される、請求項18に記載の分光光度計。
【請求項20】
各電界蛍光発光体により再放出される光エネルギーは、所定のスペクトル帯域幅と、異なる中心波長とを有しており、各電界蛍光発光体の前記所定のスペクトル帯域幅は、他の電界蛍光発光体のスペクトル帯域幅と組み合わされると白色光を作り出す、請求項18に記載の分光光度計。
【請求項21】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有している分光光度計において、スペクトル反射率を判別するための方法であって、
(a)光を反射面へと向けて、反射光を生成する段階と、
(b)前記反射光を干渉フィルターに通して、アレイ状に配列された複数の光検出器へと向かわせ、各光検出器に存在する光子エネルギーに対応する電気アナログ信号を生成する段階と、
(c)前記電気アナログ信号を、アナログ対デジタル変換器(ADC)に送る段階と、
(d)前記ADC内で前記アナログ信号と比較するための、少なくとも2つの基準値、即ち、一方の基準値は低又はゼロ利得に相当し、他方の基準値は高利得に相当する、を選択して、それらに対応するデジタル信号を導き出す段階と、
(e)電気アナログ信号を各光検出器で2回サンプリングし、前記一方の基準値と前記他方の基準値を交互に使用する段階と、
から成る方法。
【請求項22】
分光光度計において、測定される光のスペクトル内容を判別するための方法であって、
(a)前記光を干渉フィルターに通して、アレイ状に配列された複数の光検出器へと向かわせ、各光検出器に存在する光子エネルギーに対応する電気アナログ信号を生成する段階と、
(b)前記電気アナログ信号を、アナログ対デジタル変換器(ADC)に送る段階と、
(c)前記ADC内で前記アナログ信号と比較するための、少なくとも2つの基準値、即ち、一方の基準値は低又はゼロ利得に相当し、他方の基準値は高利得に相当する、を選択して、それらに対応するデジタル信号を導き出す段階と、
(d)電気アナログ信号を各光検出器で2回サンプリングし、前記一方の基準値と前記他方の基準値を交互に使用する段階と、
から成る方法。
【請求項23】
光路幾何学形状変換器を含む光路を有し、且つスペクトルセンサを有し、入力アパーチャに入ってくる測定対象の光のスペクトル内容を判別するための分光光度計において、改良された光路幾何学形状変換器は、
(a)光入力端に前記入力アパーチャに対応する所定の合成断面形状が形成されるように、互いに接触して平行に配置されている複数の光ファイバーストランドを備えており、
(b)前記光ファイバーストランドは、光出力端に前記スペクトルセンサに対応する異なる断面形状が形成されるように、前記光入力端から伸張するように構成されている、分光光度計。
【請求項24】
前記光ファイバーストランドは、エポキシで所定の位置に固定されている、請求項23に記載の分光光度計。
【請求項25】
前記複数の光ファイバーストランドは、溶融して、互いに対して所定の位置に固定されている、請求項23に記載の分光光度計。
【請求項26】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有しており、また、反射光をスペクトルセンサに送るための光路を有している分光光度計において、改良点として、
(a)複数の帯域通過フィルター被覆層で形成されている干渉フィルター楔と、
(b)穴又は毛細管のアレイを備えているコリメート用フェースプレートであって、前記反射光路内の光を前記干渉フィルターの手前でコリメートするように配置されている、コリメート用フェースプレートと、
を備えている分光光度計。
【請求項27】
サンプル表面のスペクトル反射率を測定するために反射性のサンプルへと向けられる光源を有しており、反射光をスペクトルセンサに送るための光路を有している分光光度計において、改良点として、
(a)複数の帯域通過フィルター被覆層で形成されている干渉フィルター楔と、
(b)前記反射光路内の光を前記干渉フィルターの手前でコリメートするよう配置されている、光学的に透明なプラスチック又はガラスファイバー要素のアレイを備えているコリメート用フェースプレートと、を備えている分光光度計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−40952(P2013−40952A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−210949(P2012−210949)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2010−502305(P2010−502305)の分割
【原出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(307015301)武藤工業株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210949(P2012−210949)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2010−502305(P2010−502305)の分割
【原出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(307015301)武藤工業株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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