説明

分岐管腔用一分枝型ステントグラフト

分岐した身体管腔の分岐部に配置されるように構成された分岐ステント(12)を含むステントグラフトが提供される。ステントグラフトは、更に、分岐ステントの少なくとも一部を裏打ち又は被覆するグラフト(20)を含む。グラフトは、非分岐部から分岐ステントの一方の分枝への体液通路を画成する。クロージャ−が、第2の分枝を介して身体管腔の他方の分枝に流入することを防止する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐した身体管腔に用いる一分枝型ステントグラフトに関する。より詳しくは、本発明は、2本の分枝を含むと共に、一方の分枝への体液の流入を防止するステントグラフトに関する。
【背景技術】
【0002】
ステントグラフト(グラフト層によって裏打ち又は被覆されたステント)は、典型的に、例えば、狭窄症又は動脈瘤の場合に、補綴の腔内壁を設けて、狭窄症又は動脈瘤の領域における血管用の非閉塞導管を提供するのに使用される。ステントグラフトは、身体管腔、例えば、狭窄症又は動脈瘤の部位における血管内でいわゆる「最小侵襲性手法」によって管腔内展開される。最小侵襲性手法では、ステントグラフトは、半径方向で内方に圧縮されて、患者の皮膚を貫通して、又は、問題の血管がアクセスできる個所における「カットダウン」手法によって、必要とする部位までカテーテルで配送される。ステントグラフトが正確な個所に位置決めされる時、ステントグラフトは、血管内で所定直径まで再拡張させられたり、再拡張を許容される。
【0003】
一分枝設計のステントグラフトは、典型的に生体血管分岐部において利用されて、体液を分岐部の分枝の1個だけに送る。例えば、大動脈・単一腸骨動脈ステントグラフトは、大動脈から2本の腸骨動脈の一方だけに流れる血管用非閉塞導管を提供する。大動脈で使用される時、血液は、単一分枝血管ステントグラフトを介して、生体分岐部のステントグラフトを包含する分岐血管に流れる一方、血液が、生体分岐部の分岐した他方の分枝に流れることが防止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的な単一分枝設計ステントグラフトは、最初に展開した位置から遠位方向に進む傾向を有する。当業者は、ステントが所定位置から遊走することを防止することが望ましいことを理解するだろう。特に、ステント又は補綴の望ましい適用部位が生体血管分岐部である場合、従来の補綴の使用における遠位方向の遊走は重大な不具合を構成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のステントグラフトは、分岐ステント、即ち、2本の分枝に体液連通する非分岐部を含む。ステントグラフトは、更に、分岐ステントの少なくとも一部を裏打ち又は被覆するグラフトを含む。このステントグラフトのグラフトは、非分岐部から分岐ステントの一方の分枝への体液通路を画成する。グラフトの一部であり得るクロージャーは、体液が他方の分枝に流れるのを防止する。ステントグラフトは、ステントグラフトの遠位方向の遊走を阻止するように、身体管腔の生体分岐部の近傍にステント分岐部を配置するように構成されることが好ましい。このようなステントグラフトの一つの使用が、閉塞した腸骨動脈に血流を供給するように、大腿−大腿バイパスが外科的に設置される腹部大動脈瘤を迂回する時である。
【0006】
本発明の一態様によれば、生体血管分岐部に配置されるように構成されたステントグラフトが提供される。ステントグラフトは、生体分岐部の非分岐領域内に配置されるように構成された近位部を有する分岐ステントを含む。本明細書で使用する用語「近位の」は、ステント又はステントグラフトの非分岐端、即ち、分岐管腔が腹部大動脈である時に心臓に最も近いことを意味し、又、用語「遠位の」は、その反対、即ち、ステント又はステントグラフトの分岐端を意味する。分岐ステントは、更に、2個の遠位部を含む。第1の遠位部が、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成される。第2の遠位部が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。グラフトライニングが、分岐ステントの近位部から分岐ステントの第1の遠位部まで延在する体液通路を画成する。グラフトライニングは、分岐した他方の分枝に対して閉鎖されている。
【0007】
本発明の更に別の態様によれば、生体血管分岐部に配置されるように構成されたステントグラフトは、生体分岐部の非分岐領域内に配置されるように構成された近位部を有する分岐ステントを含む。分岐ステントは、更に、2個の遠位部を含む。第1の遠位部が、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成されている。第2の遠位部が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。グラフトライニング又はグラフト被覆層が、分岐ステントの近位部から分岐ステントの遠位部まで延在する体液通路を画成する。閉塞物装置が、第2の遠位部内に配置されるように構成されている。閉塞物装置は、分岐ステントグラフトの第2の遠位部を介して分岐管腔の第2の分枝に通じる体液通路を防止する。
【0008】
本発明の別の態様によれば、生体血管分岐部に配置されるように構成されたステントグラフトが提供される。ステントグラフトは、直線状分岐ステントグラフトとテーパ状ステントグラフトを含む。直線状分岐ステントグラフトは、生体分岐部の非分岐領域内に配置されるように構成された近位部と2個の遠位部を含む。第1の遠位部が、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成されている。第2の遠位部が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。グラフトライニング又はグラフト被覆層が、直線状分岐ステントグラフトの近位部から直線状分岐ステントグラフトの遠位部まで延在する。テーパ状ステントグラフトは、テーパ状近位部と遠位部を含む。テーパ状近位部は、直線状分岐ステントグラフトの近位部内に配置されるように構成され、遠位部は、直線状分岐ステントグラフトの第1の遠位部内に配置されるように構成されている。グラフトライニング又はグラフト被覆層が、テーパ状ステントグラフトのテーパ状近位部からテーパ状ステントグラフトの遠位部まで延在する。テーパ状ステントグラフトは、直線状分岐ステントグラフトの第1の遠位部への体液通路を画成するが、テーパ状ステントグラフトのグラフトライニング又はグラフト被覆層によって、直線状分岐ステントグラフトの第2の遠位部への体液通路に対して閉鎖されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、本願において特定の実施の形態について図示及び記載されているけれども、本発明は、示した詳細に限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明の真の精神と範囲から逸脱することなしに、請求項の均等物の範囲内において各種の変形例がなされ得る。
【0010】
図1A乃至図1Cを特に参照すると、生体血管分岐部に配置されるように構成されたステントグラフト10が示されている。ステントグラフト10は、生体分岐部の非分岐領域に配置されるように構成された近位部14を有する分岐ステント12を含む。分岐ステント12は、更に、2個の遠位部16と18を含む。第1遠位部16は、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝内に延在するように構成されている。第2遠位部18は、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方へ延在する。グラフトライニング20は、分岐ステント12の近位部14から分岐ステント12の遠位部16まで延在する体液通路を画成する。グラフトライニング20は、生体分岐部の分岐した一方の分枝まで延在するように構成されているが、分岐した他方の分枝に対しては閉鎖されている。ステントグラフト10は、ステント分岐部22を生体分岐部の近傍に配置するように構成されている。
【0011】
図1Bは、図1Aに図示された分岐ステント12の詳細図である。典型的に、分岐ステント12は、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する。換言すれば、分岐ステント12は、半径方向で内方に圧縮されて、患者の皮膚を貫通して、又は、問題の血管が、アクセスできる個所において簡単な外科用手段によって露出させられる「カットダウン」手法によって、必要とする部位までカテーテルで配送される。分岐ステント12が正確な個所に位置決めされる時、分岐ステント12は、血管内で所定直径まで再拡張させられたり、再拡張を許容されて、カテーテルが後退させられる。
【0012】
図1Cは、図1Aに図示されたグラフトライニング20の詳細図である。グラフトライニング20は、縫製、縫合又は接着によって、図1Aに示すように、分岐ステント12の内面に止着される。
【0013】
使用時に、図1Aに示すステントグラフト10は、動脈や静脈の分岐部、例えば、総結腸動脈への哺乳類の大動脈動脈の分岐部に並置されたり該分岐部をはさんで延在する。本明細書を通して、このような分岐部を、「生体血管分岐部」と呼ぶ。総腸骨動脈の一つに貫入する大動脈の腎臓下部分における腹部大動脈瘤(AAA)の場合、ステント分岐部22が生体血管分岐部の近傍に配置されるように、ステントグラフト10が展開される。第1遠位部16が、生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入し、又、第2遠位部18が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。グラフトライニング20のテーパ形状が、分岐ステント12の近位部14から分岐ステント12の第1遠位部16まで延在する体液通路に帰着する。換言すれば、血液は、ステントグラフト10を介して、生体分岐部において第1遠位部16を包含する分岐した血管分枝に流れる一方、血管は、ステントグラフト10を介して、生体分岐部において第2遠位部18を包含する分岐した他方の分枝に流れることが防止される。
【0014】
従って、第2遠位部18は、体液通路としてではなく、構造部材として機能する。第1遠位部16、ステント分岐部22と第2遠位部18の間の関係が、ステントグラフト10の遠位方向の遊走を防止しがちになるように、ステント分岐部22を生体血管分岐部の近傍に配置してステントグラフト10を展開する時に、ステントグラフト10が生体血管分岐部をまたぐ又はまたがることを許容する。ステント分岐部22と生体血管分岐部の間の実際の当接は、ステントグラフト10が最初に展開した位置から下方移動することを防止する。
【0015】
本発明の本実施の形態及び他の実施の形態において、ステントとグラフトは、夫々、ニチノールと延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)等の従来の材料で形成し得る。
【0016】
図2A乃至図2Dを参照すると、生体血管分岐部に配置されるように構成された図示の別のステントグラフト30が、生体分岐部の非分岐領域に配置されるように構成された近位部34を有する分岐ステント32を含む。分岐ステント32は、更に、2個の遠位部36と38を含む。第1遠位部36は、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成されている。第2遠位部38は、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。グラフトライニング又はグラフト被覆層40(グラフト被覆層40は図2Aに表される)は、分岐ステント32の近位部34から分岐ステント32の遠位部36と38まで延在する体液通路を画成する。閉塞物装置42が、第2遠位部38内に配置されるように構成されている。閉塞物装置42は、第2遠位部38を介して生体分岐部の分岐した一方の分枝に通じる体液通路を防止する。ステントグラフト30は、ステント分岐部44を生体分岐部の近傍に配置するように構成されている。
【0017】
図2Bは、図2Aに図示された分岐ステント32の詳細図である。分岐ステント32は、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する。換言すれば、分岐ステント32は、半径方向で内方に圧縮されて、患者の皮膚を貫通して、又は、問題の血管が、簡単な外科用手段によって露出させられる「カットダウン」手法によって、必要とする部位までカテーテルで配送される。分岐ステント32が正確な個所に位置決めされる時、分岐ステント32は、血管内で所定直径まで再拡張させられたり、再拡張を許容される。
【0018】
図2Cは、図2Aに図示されたグラフトライニング又はグラフト被覆層40の詳細図である。グラフトライニング又はグラフト被覆層40は、ライニングとして機能するように、分岐ステント32の内面に止着されてもよい。別のやり方として、グラフトライニング又はグラフト被覆層40は、被覆層として機能するように、図2Aに示すように分岐ステント32の外面に止着されてもよい。
【0019】
図2Dは、ステントグラフト30と組合せて有用な閉塞物の一形状の詳細図である。特に図示されている閉塞物装置42は、閉鎖された直線状のステントグラフトを備える。このステントグラフトは、ステントグラフト30が展開及び拡張された後に、第2遠位部38内に管腔内配送されるように典型的に構成されている。分岐ステント32に類似して、閉塞物装置42は、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する。閉塞物装置42は、ステント43と、図2A及び図2Dに示すように、ステント43の一部又は全てを裏打ち又は被覆するグラフト44とを含む。しかしながら、グラフト43は、閉塞物装置42を貫通する、よって、ステントグラフト30の第2遠位部38を貫通する体液流れを閉塞するように、一端において閉鎖されている。
【0020】
使用時に、ステントグラフト30は、動脈又は静脈の分岐部に並置されたり該分岐部をはさんで延在する。分岐ステント32は、ステント分岐部44が生体血管分岐部の近く又は近傍に配置されるように、展開される。第1遠位部36が、生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入し、又、第2遠位部38が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。ステントグラフト30が展開及び拡張された後、閉塞物装置42が分岐ステント32の第2遠位部38内に配置されて、グラフト43が閉鎖体液通路を画成することにより、閉塞物装置42は、体液が分岐ステント32の第2遠位部38を貫流することを防止する。このような形態が、分岐ステント32の近位部34から分岐ステント32の第1遠位部36間で延在する体液通路を形成する。換言すれば、血液が、ステントグラフト30を介して、第1遠位部36を包含する生体分岐部の分岐した血液分枝に流れる一方、血液は、ステントグラフト30を介して、第2遠位部38を包含する生体分岐部の分岐した他方の分枝に流れることが防止される。
【0021】
従って、ステント34の第2遠位部38は、体液通路としてではなく、構造部材として機能する。第1遠位部36、ステント分岐部44と第2遠位部38の間の関係が、ステント分岐部44を生体血管分岐部の近傍に配置してステントグラフト30を展開する時に、ステントグラフト30が生体血管分岐部をまたぐ又はまたがることを許容する。このような形態は、ステントグラフト30の遠位方向の遊走を阻止しがちである。ステント分岐部44と生体血管分岐部の間の当接は、ステントグラフト30が最初に展開した位置から下方移動することを防止することが好ましい。
【0022】
図3A乃至図3Cを参照すると、図示のステントグラフト50が、生体血管分岐部に配置されるように構成されている。ステントグラフト50は、直線状分岐ステントグラフト52とテーパ状ステントグラフト54を含む。直線状分岐ステントグラフト52は、生体分岐部の非分岐領域に配置されるように構成された近位部56と、2個の遠位部58及び60とを含む。第1遠位部58は、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成されている。第2遠位部60は、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入する。グラフトライニング又はグラフト被覆層68(グラフト被覆層68は図3Aに表される)は、テーパ状ステントグラフト54の近位部64からテーパ状ステントグラフト65の遠位部66まで延在する。テーパ状ステントグラフト54は、直線状分岐ステントグラフト52の第1遠位部58への閉鎖体液通路を画成すると共に、直線状分岐ステントグラフト52の第2遠位部60への体液通路に対して閉鎖されている。
【0023】
図3Bと図3Cは、夫々、図3Aに図示された直線状分岐ステントグラフト52とテーパ状ステントグラフト54の詳細図である。両ステントグラフト52と54は、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する。換言すれば、ステントグラフト52と54は、半径方向で内方に圧縮されて、患者の皮膚を貫通して、又は、問題の血管が、簡単な外科用手段によって露出させられる「カットダウン」手法によって、必要とする部位までカテーテルで配送される。ステントグラフト52と54が正確な個所に位置決めされる時、ステントグラフト52と54は、血管内で所定直径まで再拡張させられたり、再拡張を許容される。
【0024】
グラフトライニング又はグラフト被覆層62と68は、ライニングとして機能するように、夫々のステント52と54の内面に止着されてもよい。別のやり方として、グラフトライニング又はグラフト被覆層62と68は、被覆層として機能するように、図3Aと図3Bに示すように、夫々のステント52と54の外面に止着されてもよい。
【0025】
使用時に、図3Aに示すステントグラフト50は、動脈又は静脈の分岐部に並置されたり該分岐部をはさんで延在する。直線状分岐ステントグラフト52は、ステント分岐部70が生体血管分岐部の近く又は近傍に配置されるように、展開される。第1遠位部58が、生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入し、又、第2遠位部60が、生体分岐部の分岐した他方の分枝に貫入する。テーパ状ステントグラフト54は、遠位部66が直線状分岐ステントグラフト52の近位部56内及び第1遠位部58内に配置されるように、位置決めされる。テーパ状ステントグラフト54のグラフトライニング又はグラフト被覆層68は、直線状分岐ステントグラフト52の近位端56から直線状分岐ステントグラフト52の第1遠位部58まで延在する体液通路を画成する。換言すれば、血液が、ステントグラフト50を介して、第1遠位部58を包含する生体分岐部の分岐した血液分枝だけに流れる一方、血液は、ステントグラフト50を介して、第2遠位部60を包含する生体分岐部の分岐した他方の分枝に流れることが防止される。
【0026】
従って、第2遠位部60は、体液通路としてではなく、構造部材として機能する。第1遠位部58、ステント分岐部70と第2遠位部60の間の関係が、装置の遠位方向の遊走を防止するように、ステント分岐部70を生体血管分岐部の近傍に配置してステントグラフト50を展開する時に、ステントグラフト50が生体血管分岐部をまたぐ又はまたがることを許容する。ステント分岐部70と生体血管分岐部の間の当接は、ステントグラフト50が最初に展開した位置から下方移動することを防止する。
【0027】
本発明のいくつかの実施の形態を本願において図示及び記載したけれども、このような実施の形態は例示であることが理解されるであろう。当業者であれば、本願に開示された本発明の本質的な新規性を利用して他の実施の形態を考案できるだろう。添付の請求項は、本願に開示されているか否かに拘わらず、このような全ての実施の形態を包含すると解釈されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】分岐ステントとグラフトライニングを含む本発明の一つの実施の形態にかかるステントグラフトの正面図である。
【図1B】図1Aの分岐ステントの詳細図である。
【図1C】図1Aのグラフトライニングの詳細図である。
【図2A】分岐ステント、グラフトライニングと閉塞物装置を含む本発明の別の実施の形態にかかるステントグラフトの正面図である。
【図2B】図2Aの分岐ステントの詳細図である。
【図2C】図2Aのグラフトライニングの詳細図である。
【図2D】図2Aの閉塞物装置の詳細図である。
【図3A】直線状分岐ステントグラフトとテーパ状ステントグラフトを含む本発明の更に別の実施の形態にかかるステントグラフトの正面図である。
【図3B】図3Aの直線状分岐ステントグラフトの詳細図である。
【図3C】図3Aのテーパ状ステントグラフトの詳細図である。
【符号の説明】
【0029】
10 ステントグラフト
12 分岐ステント
20 グラフトライニング
30 ステントグラフト
32 分岐ステント
40 グラフトライニング
42 閉塞物装置
50 ステントグラフト
52 直線状分岐ステントグラフト
54 テーパ状ステントグラフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐した身体管腔の一分枝を迂回するステントグラフトにおいて、
非分岐部、及び該非分岐部から延在する2個の分枝を含んで、ステント分岐部を身体管腔の分岐部の近傍に配置すると共に、2個の分枝が分岐した身体管腔の分岐部に貫入するように構成された分岐ステントと、分岐ステントの少なくとも一部を裏打ち又は被覆すると共に、非分岐部から一方の分枝まで体液通路を画成するグラフトと、体液が他方の分枝に流れることを防止するクロージャーとを備えるステントグラフト。
【請求項2】
クロージャーが、グラフトの一部を備える請求項1に記載のステントグラフト。
【請求項3】
クロージャーが、分岐ステントの第2分枝内に配置される閉塞物装置である請求項1に記載のステントグラフト。
【請求項4】
分岐ステントが、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項1に記載のステントグラフト。
【請求項5】
閉塞物装置が、第2ステントグラフトである請求項3に記載のステントグラフト。
【請求項6】
第2スタントグラフトが、第2ステントグラフトを被覆又は裏打ちすると共に一端が閉鎖されたグラフトを含む請求項5に記載のステントグラフト。
【請求項7】
第2ステントグラフトが、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項6に記載のステントグラフト。
【請求項8】
クロージャーが、分岐ステントの非分岐部内に配置されると共に分岐ステントの1個の分枝だけに貫入する第2ステントグラフトである請求項1に記載のステントグラフト。
【請求項9】
生体血管分岐部に配置されるように構成された分岐したステントグラフトにおいて、
生体分岐部の非分岐領域内に配置されるように構成された近位部、及び2個の遠位部を有する分岐ステントと、分岐ステントの近位部から分岐ステントの遠位部まで延在する体液通路を画成するグラフトライニング又はグラフト被覆層とを備え、又、第1の遠位部が、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成される一方、第2の遠位部が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在、且つ、その分枝に貫入し、更に、グラフトライニングが、生体分岐部の分岐した一方の分枝まで延在するように構成されるが、分岐した他方の分枝に対して閉鎖され、又、ステント分岐部を生体分岐部の近傍に配置するように構成されたステントグラフト。
【請求項10】
グラフトライニングが、縫製又は縫合によってステントの内面に止着される請求項9に記載のステントグラフト。
【請求項11】
グラフト被覆層が、縫製又は縫合によってステントの外面に止着される請求項9に記載のステントグラフト。
【請求項12】
グラフトライニングが、接着によってステントの内面に止着される請求項9に記載のステントグラフト。
【請求項13】
グラフト被覆層が、接着によってステントの外面に止着される請求項9に記載のステントグラフト。
【請求項14】
分岐ステントが、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項9に記載のステントグラフト。
【請求項15】
生体血管分岐部に配置されるように構成されたステントグラフトにおいて、
生体分岐部の非分岐領域内に配置されるように構成された近位部、及び2個の遠位部を有する分岐ステントと、分岐ステントの近位部から分岐ステントの遠位部まで延在する体液通路を画成するグラフトライニング又はグラフト被覆層と、閉塞物装置とを備え、又、第1の遠位部が、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成される一方、第2の遠位部が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在し、更に、閉塞物装置が、第2の遠位部内に配置されるように構成されると共に、第1の遠位部を介して生体分岐部の分岐した一方の分枝に通じる体液通路を防止し、又、ステント分岐部を生体分岐部の近傍に配置するように構成されたステントグラフト。
【請求項16】
閉塞物装置が、閉鎖された直線状のステントグラフトを備える請求項15に記載のステントグラフト。
【請求項17】
分岐ステントが、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項15に記載のステントグラフト。
【請求項18】
閉塞物装置が、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項15に記載のステントグラフト。
【請求項19】
生体血管分岐部に配置されるように構成されたステントグラフトにおいて、
生体分岐部の非分岐領域内に配置されるように構成された近位部、2個の遠位部、及び第1のグラフトライニング又はグラフト被覆層を含む直線状分岐ステントと、直線状分岐ステントの近位部内に配置されるように構成されたテーパ状近位部、直線状分岐ステントの第1の遠位部内に配置されるように構成された遠位部、及び第2のグラフトライニング又はグラフト被覆層を含むテーパ状ステントとを備え、又、第1の遠位部が、生体分岐部の非分岐領域から生体分岐部の分岐した一方の分枝に貫入するように構成される一方、第2の遠位部が、生体分岐部の分岐した他方の分枝の方に延在し、更に、第1のグラフトライニング又はグラフト被覆層が、直線状分岐ステントの近位部から直線状分岐ステントの遠位部まで延在する一方、第2のグラフトライニング又はグラフト被覆層が、テーパ状ステントのテーパ状近位部からテーパ状ステントの遠位部まで延在し、且つ、テーパ状ステントが、直線状分岐ステントの第1の遠位部への体液通路を画成するが、直線状分岐ステントの第2の遠位部への体液通路に対して閉鎖されているステントグラフト。
【請求項20】
直線状分岐ステントが、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項19に記載のステントグラフト。
【請求項21】
テーパ状ステントが、管腔内に導入されるように半径方向に圧縮された形態と、管腔内で展開されるように半径方向に拡張された形態とを有する請求項19に記載のステントグラフト。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公表番号】特表2007−502196(P2007−502196A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533145(P2006−533145)
【出願日】平成16年5月18日(2004.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/015428
【国際公開番号】WO2005/000166
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(500238446)ボストン サイエンティフィック リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】Boston Scientific Limited
【Fターム(参考)】