説明

分波器、分波器用基板および電子装置

【課題】小型化、低コスト化および高精度化が可能なキャパシタを用い、分波器のアイソレーション特性を向上させること。
【解決手段】共通端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ10と、共通端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ20と、共通端子、送信端子および受信端子のうち2つの端子間に、送信フィルタまたは受信フィルタと並列に接続された容量40と、絶縁層51と、各々が絶縁層の一面に形成された共通端子、送信端子および受信端子であるフットパッド56と、絶縁層の一面とは反対の面に形成された配線60と、を備えるパッケージと、を具備し、容量は、フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部64を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分波器、分波器用基板および電子装置に関し、特に、容量を基板内に設けた分波器、分波器用基板および電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の無線通信には分波器が用いられる。図1は分波器を示す図である。アンテナに接続される共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ10が接続され、共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ20が接続されている。送信フィルタ10は、送信帯域の信号を通過させるが、送信帯域とは異なる周波数の受信帯域の信号を抑圧する。受信フィルタ20は、受信帯域の信号を通過させるが、送信帯域の信号を抑圧する。これにより、送信端子Txに入力した送信信号は送信フィルタ10を通過し共通端子Antから出力する。しかし、受信端子Rxからは出力しない。受信端子Rxから入力した受信信号は受信フィルタ20を通過し受信端子Rxから出力する。しかし、送信端子Txからは出力しない。
【0003】
送信フィルタ10や受信フィルタ20は、弾性表面波(SAW)共振子や圧電薄膜共振子(FBAR)で構成される。このため、送信フィルタ10や受信フィルタ20は気密封止することが求められている。また、分波器を小型化することが求められている。このため、送信フィルタ10や受信フィルタ20を実装するパッケージとして積層セラミックパッケージ等が用いられる。これらのパッケージは、フィルタチップ等を実装する基板を具備している。基板の外面には、信号を外部に接続するためのフットパッドが設けられている。フットパッドが共通端子、送信端子および受信端子として機能する。
【0004】
特許文献1には、キャパシタの下部電極と上部電極を多角形とし、これらが重ならないように回転させたキャパシタが記載されている。特許文献2には、キャパシタの下部電極と上部電極とをそれぞれ長方形とし、それぞれの長手方向が直交するキャパシタが記載されている。特許文献3には、キャパシタの下部電極の面積を上部電極の面積より大きくしたキャパシタが記載されている。
【特許文献1】特開昭60−126809号公報
【特許文献2】特開昭60−43808号公報
【特許文献3】特開2005−45099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分波器においては、送信端子Txと受信端子Rx間のアイソレーション特性を向上させることが求められる。特に、受信端子Rxから漏れる送信信号を抑圧することが求められる。受信端子Rxへの送信信号の漏れを抑制するためには、送信信号を抑圧し、受信信号を通過させるフィルタを受信端子側に設ける方法がある。しかしながら、この方法では、分波器が大型化、高コスト化、複雑化してしまう。
【0006】
さらに、フィルタにキャパシタやLC回路を付加する方法がある。携帯電話等で用いる周波数は数百MHz〜数GHzと非常に高いため、CやLには非常に高い精度が求められる。半導体デバイスと同様のプロセスで製造される集積化受動素子(IPD)はCやLの精度は高い。しかし、IPDはフィルタとは別チップとなるため、小型化や低コスト化の障害となる。そこで、パッケージ内のセラミック等の絶縁層の両面に配線を形成し、キャパシタを形成する方法がある。この方法では、パッケージ内にキャパシタを形成できるため、小型化、低コスト化が可能である。しかし、キャパシタの容量値にばらつきが大きく高精度化の障害となる。
【0007】
本分波器、パッケージおよび電子装置は、小型化、低コスト化および高精度化が可能なキャパシタを用い、分波器のアイソレーション特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本分波器は、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、絶縁層と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を備えるパッケージと、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの前記配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部を備える。
【0009】
また、本分波器は、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、絶縁層と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を備えるパッケージと、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドが形成された領域に含まれるように形成された配線と、により形成された容量形成部を備える。
【0010】
本分波器用基板は、絶縁層と、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、を実装する実装部と、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、
各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの前記配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部を備える。
【0011】
また、本分波器用基板は、絶縁層と、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、を実装する実装部と、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドが形成された領域に含まれるように形成された配線と、により形成された容量形成部を備える。
【0012】
本電子装置は、上記分波器を含む。
【発明の効果】
【0013】
本分波器、パッケージおよび電子装置は、小型化、低コスト化および高精度化が可能なキャパシタを用い、分波器のアイソレーション特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
図2は、実施例1の分波器100を示すブロック図である。図2のように、実施例1は、図1に比べ、受信フィルタ20と受信端子Rxとの間に、受信フィルタ20と直列に移相回路30が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に容量40が受信フィルタ20とは並列に接続されている。移相回路30は、受信フィルタ20の通過帯域の信号の位相をシフトする回路である。容量40は、共通端子Antと受信端子Rxとの間を高周波(例えば、携帯電話で用いられる800MHz〜2.5GHz)において結合し、直流において遮断する。
【0016】
図3は、実施例1の分波器の回路構成を示す図である。送信フィルタ10および受信フィルタ20はラダー型フィルタである。送信フィルタ10においては、直列共振子S11〜S14と並列共振子P11〜P13とが梯子状に形成されている。同様に、受信フィルタ20においては、直列共振子S21〜S24と並列共振子P21〜P23とが梯子状に形成されている。直列共振子S11〜S14、S21〜S24および並列共振子P11〜P13、P21〜P23は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振器を用いている。圧電薄膜共振子(FBAR:Film Bulk Acoustic wave Resonator、SMR:Solidly Mounted Resonator)を用いることもできる。
【0017】
移相回路30は、インダクタ32とキャパシタ34とを備えている。インダクタ32が直列に接続され、キャパシタ34が並列に接続されている。インダクタ32およびキャパシタ34の個数を変えることにより、移相角を設定することができる。共通端子Antと送信フィルタ10および受信フィルタ20との間に整合回路80が接続されている。整合回路80は、共通端子Antとグランドとの間に接続されたインダクタ82を備えている。
【0018】
W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式に用いられる分波器を想定し、送信フィルタ10の通過帯域を1920〜1980MHzとし、受信フィルタの通過帯域を2110〜2170MHzとし、挿入損失およびアイソレーションをシミュレーションした。容量40の容量値は15fF、移相回路30の移相角は191度とした。
【0019】
図4(a)および図4(b)は、それぞれ受信フィルタ20および送信フィルタ10の通過特性を示す図である。実施例1を実線、比較例1を破線で示している。比較例1は、移相回路30および容量40を有さない分波器である。図4(a)のように、実施例1は比較例1に比べ、送信帯域における受信フィルタ20の減衰量が大きくなっている。受信帯域の通過特性は実施例1と比較例1とでほとんど変わらない。図4(b)のように、送信フィルタ10の通過特性は、実施例1と比較例1とでほとんど変わらない。
【0020】
図5は、送信端子Txから受信端子Rxからの送信信号の漏れの抑圧を示すアイソレーションの周波数特性を示す図である。実施例1を実線、比較例1を破線で示している。実施例1は比較例1に比べ、送信帯域におけるアイソレーションが25dB以上改善している。このように、実施例1によりアイソレーション特性を向上させることができた。
【0021】
このように、共通端子Antから受信フィルタ20および移相回路30を介し受信端子Rxに至る送信信号と共通端子Antから容量40を介し受信端子Rxに至る送信信号とがほぼ逆位相となるようにする。また、それぞれの経路を介した送信信号の強度がほぼ同じとなるように容量40の容量値を設定する。これにより、それぞれの経路を介した送信信号は打ち消し合い、アイソレーション特性が向上する。
【0022】
図6は、分波器100の断面図である。図6のように、パッケージ50は第1層53、ダイアタッチ層52およびフットパット層51の3つのセラミック層を積層した分波器用基板を備えている。第1層53はフィルタチップ12、14を封止するキャビティ38を形成する。第1層53上にリッジ55が固着されることにより、フィルタチップ12、14は封止される。ダイアタッチ層52(実装部)の表面にはバンプ59を介しフィルタチップ12および14がフリップチップ実装される。移相回路もダイアタッチ層52にフリップチップ実装されている。バンプ59は、ダイアタッチ層52上面に形成された配線(不図示)に接続されている。フットバッド層51の裏面にはフットパット56が形成されている。フィルタチップ12には、送信フィルタ10が形成され、フィルタチップ14には、受信フィルタ20が形成されている。
【0023】
図7(a)は、フットパッド層51の上面の平面図である。図7(b)は、図7(a)のA−A´断面図である。図7(a)では、フットパッド層51の下面に形成されたフットパッド56を透過して破線で示している。図7(a)のように、フットパッド層51の下面(一面)には、共通端子Antに対応する共通フットパッドAntf、送信端子Txに相当する送信フットパッドTxf、受信端子Rxに対応する受信フットパッドRxfおよびグランド端子に対応するグランドフットパッドGndfが形成されている。
【0024】
フットパッド層51の上面(一面の反対の面)には、共通フットパッドAntfに接続された配線60が形成されている。配線60と共通フットパッドAntfとは、フットパッド層51を貫通し導電材料で埋め込まれたビア62を介し接続されている。配線60は、一部が受信フットパッドRxfに重なるように形成されている。すなわち、2つの配線60aおよび60bは、受信フットパッドRxfの相対する2つの辺65aおよび65bとそれぞれ重なっている。また、受信フットパッドRxfと2つの配線60aおよび60bとは、互いに並列に接続された2つの容量形成部64aおよび64bを形成している。このように、容量40は、2つの容量形成部64aおよび64bを備えている。なお、図7(a)および図7(b)において、配線60以外の配線は省略している。
【0025】
次に、実施例1の効果について説明する。平行平板型のキャパシタの静電容量Cは、C=(εεS)/dである。ここで、εは真空中の誘電率、εは比誘電率、Sは電極面積、dは電極間距離である。フットパッド層51として膜厚が100μmのアルミナセラミックを用いた場合、ε=9.8、d=100μmとなる。容量40の容量値C=15fFとするためには、S=1.73×10−8となる。
【0026】
図8(a)および図8(b)は比較例2および比較例3として、フットパッド56と配線60からなる容量40aおよび40bを示す図である。図8(a)を参照に、フットパッド56の大きさは、パッケージサイズにより事実上規格化されている場合がある。例えば、底面積が3.0mm×2.5mmサイズのパッケージでは、フットパッド56の一辺LFは500μmである。S=1.73×10−8の容量40aを、配線60がフットパッド56を横断するように形成しようとすると、配線60の幅Wは34.6μmとなる。配線60は低コスト化のため印刷法で形成されており、50μm以下のパターンを形成することは難しい。このように、フットパッド56の大きさが決まっているため、比較例2で小さい容量値の容量を形成することは難しい。
【0027】
そこで、図8(b)の比較例3のように、配線60の幅Wを100μmとし、配線60をフットパッド56の一辺にのみ形成すると、配線60のフットパッド56との重なりLは173μmとなる。フットパッド56はフットパッド層51の下面に例えば印刷法を用い形成される。配線60は、フットパッド層51の上面またはダイアタッチ層52の下面に印刷法を用い形成される。印刷法の位置合わせ精度や、セラミック層間の重ね合わせ精度はよくない。よって、フットパッド層51と配線60との位置関係が所望の位置関係よりずれてしまうことがある。図8(b)の比較例3では、配線60がフットパッド56に対し位置ずれして形成されると、容量40bの容量値が変化してしまい、高精度なキャパシタを提供することができない。
【0028】
図9(a)は、実施例1において、フットパッド56と配線60との位置がずれした場合を示す図である。図9(b)は、図9(a)の受信フットパッドRxf付近を拡大した図である。配線60のフットパッド56に対する所望の位置を破線で示し、配線60がフットパッド56に対しずれた位置関係を実線で示す。配線60aおよび60bの幅WaおよびWbを例えば100μmとすると、配線60aおよび60bがフットパッド56に重なる長さは例えば計173μm、片側86.5μmとなる。図9(b)のように、配線60aは所望の位置よりX方向にXa、Y方向にYaずれて形成される。配線60bは所望の位置よりX方向にXb、Y方向にYbずれて形成される。XaとXbはほぼ同じであり、YaとYbはほぼ同じである。容量形成部64aと64bは並列に接続されていることから、容量40の容量値は、容量形成部64aと64bの容量値の和となる。よって、配線60がフットパッド56に対し位置ずれしても、容量40の容量値は、ほとんど変化しない。なお、より容量40の容量値の精度を向上させるため、容量形成部64aおよび64bのX方向の幅(辺65aおよび65b方向の幅)WaおよびWbは、ほぼ同じであることが好ましい。また、辺65aおよび65bは平行であり、容量形成部64aおよび64bは長方形または正方形であることが好ましい。
【0029】
実施例1によれば、受信フットパッドRxfと共通フットパッドAntfとの間(すなわち受信端子Rxと共通端子Antの間)に、受信フィルタ20と並列に容量40が接続されているため、分波器100のアイソレーション特性を向上させることができる。容量40をフットパッド56が形成された一面とフットパッド層51(絶縁層)の一面とは反対の面に形成された配線60とで形成する。このように、容量40が接続される端子であるフットパッド56を用い容量を形成するため、分波器の小型化および低コスト化が可能となる。さらに、容量形成部64aおよび64bを、フットパッド56とフットパッド56の相対する2つの辺65aおよび65bとそれぞれ重なる2つの配線60aおよび60bと、により形成し、互いに並列に接続する。これにより、図9(a)および図9(b)で説明したように、フットパッド56と配線60の合わせ位置がずれた場合も、容量値の変化を抑制することができる。よって、容量値を高精度化することができる。
【実施例2】
【0030】
実施例2は、容量形成部が3つある例である。図10は、実施例2のフットパッド層51の上面図である。図10のように、実施例2では、受信フットパッドRxfと、2つの辺65aおよび65bとは別の辺65cと重なる別の配線60cと、により別の容量形成部64cが形成されている。容量形成部64cは、2つの容量形成部64aおよび64bと並列に接続されている。その他の構成は実施例1の図9(a)と同じであり説明を省略する。このように、容量形成部を3つとしてもよい。これにより、容量40の容量値を大きくできる。
【実施例3】
【0031】
実施例2は、容量形成部が4つある例である。図11は、実施例3のフットパッド層51の上面図である。図11のように、実施例3では、受信フットパッドRxfと、2つの辺65aおよび65bとは異なり互いに相対する別の2つの辺65cおよび65dと重なる別の2つの配線60cおよび60dと、により別の2つの容量形成部64cおよび64dが形成されている。容量形成部64cおよび64dは、2つの容量形成部64aおよび64bと並列に接続されている。その他の構成は実施例1の図9(a)と同じであり説明を省略する。このように、容量形成部を43つとしてもよい。これにより、容量40の容量値を大きくできる。
【0032】
実施例2および3において、別の辺65cおよび65dは辺65aおよび65bと直交することが好ましい。また、容量形成部64cおよび64dは長方形または正方形であることが好ましい。これにより、容量40の容量値をより高精度化することができる。
【実施例4】
【0033】
実施例4は配線がフットパッドに含まれる例である。図12(a)は、実施例4のフットパッド層51の上面図である。フットパッド層51の下面に形成されたフットパッド層51、ダイアタッチ層52の上面に形成された配線66を破線で示している。図12(b)は図12(a)のA−A´断面図である。
【0034】
図12(a)および図12(b)のように、フットパッド層51の上面に形成された配線60eはフットパッド56に含まれている。つまり、配線60eはフットパッド56の外周の辺に重なっていない。ダイアタッチ層52の上面には配線66が形成されている。ダイアタッチ層52には金属で埋め込まれ貫通するビア62および68が形成されている。配線60eは共通フットパッドAntfとビア62、68および配線66を介し接続されている。フットパッド56と配線60eとで容量形成部64eが形成される。
【0035】
実施例4によれば、配線60eがフットパッド56が形成された領域に含まれるように形成されている。これにより、配線60eがフットパッド56に対し位置ずれしても容量形成部64eの面積は変わらない。よって、高精度な容量を提供することができる。
【0036】
また、別の配線66が受信フットパッドRxfとは反対側に形成されている。配線60eと別の配線66とはビア(ビア金属)で接続されている。このように、配線60eからの引き出しをビア金属および別の配線66で行なうことにより、配線60eが受信フットパッドRxfの外周の辺に重なることなく、配線60eを共通フットパッドAntfに接続することができる。
【0037】
さらに、配線60eは円形であることが好ましい。配線60が長方形等で形成されている場合、配線60を印刷法を用い形成すると、配線60の角が正確に形成されないことがある。このため、容量形成部64eの容量の精度が低下してしまう。実施例4では、配線60eを円形とすることにより、容量値の高精度化が可能となる。
【実施例5】
【0038】
図13は、実施例5の一例を示すブロック図である。図13のように、共通端子Antと受信端子Rxとの間に容量40が2個直列に接続されている。2つの容量40の間のノードとグランドとの間にインダクタ44が接続されている。このように、容量40は複数設けられてもよい。また、インダクタ44が設けられてもよい。容量40を複数直列に接続することにより、一つの容量40の容量値を大きくできる。よって、配線60をある程度の大きさ以上とすることができ、容量40の精度を向上させることができる。
【0039】
図14は、実施例5の別の例である。送信端子Txと受信端子Rxとの間に容量40が設けられている。この例では、送信端子Txから送信フィルタ10、受信フィルタ20および移相回路30を介し受信端子Rxに至る経路の送信信号の位相と、送信端子Txから容量40を介し受信端子Rxに至る経路の送信信号の位相が打ち消しあえばよい。これにより、アイソレーション特性を向上させることができる。
【0040】
実施例5のように、実施例1〜4の容量40は、共通端子Ant、送信端子Txおよび受信端子Rxのうち2つの端子間に接続されていればよい。また、容量40は、送信フィルタ10または受信フィルタ20と並列に接続されていればよい。さらに、容量形成部は、共通フットパッドAntf、送信フットパッドTxfおよび受信フットパッドRxfのいずれか2つのフットパッドのうち一方のフットパッドと、他方のフットパッドに接続された配線60と、により形成されていればよい。
【0041】
送信フィルタ10(または受信フィルタ20)の通過帯域の信号の位相をシフトする移相回路30が、容量40が並列に接続された受信フィルタ20(または送信フィルタ10)に直列に設けられていることが好ましい。これにより、容量40を介した信号と受信フィルタ20(または送信フィルタ10)を介した信号との位相差を大きくすることができる。2つの端子の一方から他方に容量40を介し伝送された信号と、2つの端子の一方から他方に送信フィルタ10または受信フィルタ20を介し伝送された信号と、は逆位相であることが好ましい。これにより、よりアイソレーション特性をより改善することができる。
【0042】
なお、送信フィルタ10または受信フィルタ20を介した信号と容量40を介した信号の位相差が所望のものであれば、移相回路30は設けなくてもよい。送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションが問題となることが多いため、容量40が接続される端子のうち1つは受信端子Rxであることが好ましい。
【実施例6】
【0043】
図15は、実施例6の分波器の回路構成を示す図である。送信フィルタ10は、直列共振子S11〜S13および並列共振子P11〜P12を含むラダー型フィルタであり、受信フィルタ20は、直列共振子S21〜S23および並列共振子P21〜P23を含むラダー型フィルタである。整合回路80は、共通端子Antと送信フィルタ10および受信フィルタ20との間に、それぞれ直列にインダクタ84、並列にキャパシタ86が接続されている。送信端子Txと受信端子Rxとの間に直列に2つの容量42が接続され、容量42の間のノードとグランドとの間にインダクタ44が接続されている。その他の構成は、実施例1の図3と同じであり説明を省略する。
【0044】
実施例1と同様に、W−CDMA方式に用いられる分波器を想定し、送信フィルタ10の通過帯域を1920〜1980MHzとし、受信フィルタの通過帯域を2110〜2170MHzとし、挿入損失およびアイソレーションをシミュレーションした。実施例6において、容量40の容量値は0.8fF、容量42の容量値を各0.37pF、インダクタ44のインダクタンスを0.14nH、移相回路30の移相角は158度とした。比較例6においては、容量40、42およびインダクタ44は設けられていない。
【0045】
図16(a)および図16(b)は、図4(a)および図4(b)と同様に、それぞれ受信フィルタ20および送信フィルタ10の通過特性を示す図である。図17は、図5と同様に、送信端子から受信端子へのアイソレーションの周波数特性を示す図である。実施例6を実線、比較例6を破線で示している。図16(a)のように、受信フィルタ20の送信帯域において、実施例6は比較例6に比べ減衰量が大きい。図16(b)のように、送信フィルタ10の通過特性は、実施例6と比較例6でほとんど変わらない。図17のように、実施例6は比較例6に比べ、送信帯域におけるアイソレーションが10dB以上改善している。このように、実施例6によりアイソレーション特性を向上させることができた。
【0046】
実施例6においては、受信端子Rxが共通端子Antと送信端子Txの2つの端子に対し容量結合している。送信端子Txの送信信号と共通端子Antの送信信号とでは位相が若干異なっている。これは、送信信号が送信フィルタ10と整合回路80を通過することにより位相がシフトするためである。送信端子Txから容量42を介し受信端子Rxに至る送信信号と、共通端子Antから容量40を介し受信端子Rxに至る送信信号と、は位相が若干異なっている。このように、若干位相の異なる2つの信号で、受信フィルタ20を漏れてきた送信信号を打ち消させる。これにより、位相の幅が広い送信信号に対しアイソレーション特性を向上させることができる。よって、送信帯域全体において、アイソレーション特性を向上させることができる。
【0047】
実施例6の容量40および42の少なくとも1つを実施例1〜4で示した容量とすることができる。また、容量40および42を全て実施例1〜4で示した容量とすることができる。これにより、分波器の小型化、低コスト化および高精度化が可能となる。
【実施例7】
【0048】
実施例7は、受信端子が不平衡端子である例である。図18は、実施例7の分波器の回路構成を示す図である。図18のように、受信フィルタ20は、バラン70と2つのフィルタ20aおよび20bを備えている。バラン70は、インダクタ72、76とキャパシタ74、78を含んでいる。共通端子Antと出力端子24aとの間に直列にインダクタ72が並列にキャパシタ74が接続されている。共通端子Antと出力端子24bとの間に直列にキャパシタ78が並列にインダクタ76が接続されている。バラン70は、共通端子Antに入力した信号の位相を約90°遅らせ出力端子24aに出力し、共通端子Antに入力した信号の位相を約90°進め出力端子24bに出力する。このように、バラン70は不平衡−平衡変換を行なう。
【0049】
フィルタ20aはバラン70の出力端子24aと受信端子Rx1との間に接続され、フィルタ20bはバラン70の出力端子24bと受信端子Rx2との間に接続されている。フィルタ20aおよび20bはそれぞれ直列共振子S1〜S4および並列共振子P1〜P4を備えたラダー型フィルタである。フィルタ20aおよび20bによる位相のシフトをほぼ同じとすることにより、共通端子Antに入力した受信信号は、受信端子Rx1およびRx2から平衡出力される。平衡受信端子の1つRx1と共通端子Antの間に容量40が接続されている。送信フィルタ10は、直列共振子S1〜S4と並列共振子P1〜P4を備えるラダー型フィルタである。
【0050】
実施例7の分波器の通過特性をシミュレーションした。シミュレーションにおいて、バラン70のインダクタ72,76のインダクタンスを5.7nH、キャパシタ74、78の容量値を1.15pF、容量40の容量値を0.05pFとした。比較例7では、容量40は設けられていない。
【0051】
図19は、実施例7と比較例7の受信フィルタ、送信フィルタの通過特性を示す図である。なお、受信フィルタ20の特性は、受信端子Rx1およびRx2に出力される信号をバラン合成した後の特性である。実施例7を実線、比較例7を破線で示している。送信フィルタ10の通過特性は、実施例7と比較例7でほとんど同じである。受信フィルタ20の受信帯域での通過特性はほとんど同じである。一方、受信フィルタ20の送信帯域では、実施例7は比較例7に対し抑圧特性が向上している。
【0052】
図20は、送信端子から受信端子へのアイソレーションの周波数特性を示している。実施例7は比較例7に比べ、送信帯域におけるアイソレーションが約10dB程度向上している。
【0053】
実施例7によれば、受信フィルタ20はバラン70を含み、受信端子Rxは、1対の平衡端子である。容量40は、1対の平衡端子のいずれかに接続されている。バラン70が位相をシフトさせることから、実施例1のような移送回路を用いなくとも、共通端子Antからバラン70およびフィルタ20aを介し受信端子Rx1に至る送信信号と、共通端子Antから容量40を介し受信端子Rx1に至る送信信号と、の位相をほぼ逆位相とすることができる。よって実施例1のような移相回路が不要となる。なお、送信フィルタ10がバランを含み送信端子Txが平衡端子であってもよい。
【実施例8】
【0054】
実施例8は、実施例1から実施例7の分波器を用いた電子装置として携帯電話端末の例である。図21は、実施例8に係る携帯電話端末190の主にRF(Radio Frequency)部のブロック図である。携帯電話端末190は、GSM(Global System for Mobile Communication)通信方式およびW−CDMA通信方式に対応している。GSM方式については、850MHz帯(GSM850)、900MHz帯(GSM900)、1800MHz帯(GSM1800)、1900MHz帯(GSM1900)に対応している。アンテナ171は、GSM方式およびW−CDMA方式いずれの送受信信号をも送受信させることができる。アンテナスイッチ172は、W−CDMA方式の信号を送受信する場合、W−CDMA部192を選択し、W−CDMA部192とアンテナ171とを接続する。GSM方式の信号を送受信する場合、GSM部194を選択し、GSM部194とアンテナ171とを接続する。
【0055】
W−CDMA部192は、分波器173、ローノイズアンプ174、パワーアンプ175および信号処理部176を備えている。信号処理部176はW−CDMA送信信号を生成する。パワーアンプ175は送信信号を増幅する。分波器173の受信フィルタ173aは送信信号を通過させアンテナスイッチ172に出力する。受信フィルタ173aは、アンテナスイッチ172が出力するW−CDMA受信信号を通過させローノイズアンプ174に接続する。ローノイズアンプ174は受信信号を増幅する。信号処理部176は受信信号をダウンコーバートし、以後の処理部に出力する。
【0056】
GSM部194は、フィルタ177〜180、パワーアンプ181および182、および信号処理部183を備えている。信号処理部183はGSM送信信号を生成する。GSM850、GSM900の信号の場合、パワーアンプ181が送信信号を増幅する。GSM1800、GSM1900の信号の場合、パワーアンプ182が送信信号を増幅する。アンテナスイッチ172は、GSM信号の種類に応じパワーアンプ181または182を選択する。アンテナスイッチ172は、アンテナ171から受信したGSM信号の種類に応じフィルタ177〜180を選択する。フィルタ177〜180は、受信信号をフィルタリングし信号処理部183に出力する。信号処理部183は受信信号をダウンコーバートし、以後の処理部に出力する。実施例8においては、分波器1を実施例〜6の分波器とすることができる。
【0057】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0058】
以上、実施例1〜8を含む実施形態に関し、さらに、以下に付記を開示する。
【0059】
付記1:共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、絶縁層と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を備えるパッケージと、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの前記配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部を備えることを特徴とする分波器。
【0060】
付記2:前記容量は、前記少なくとも一つのフットパッドと、前記2つの辺とは別の辺と重なる別の配線と、により形成され、前記2つの容量形成部と並列に接続された別の容量形成部を備えることを特徴とする付記1記載の分波器。
【0061】
付記3:前記容量は、前記少なくとも一つのフットパッドと、前記2つの辺とは異なり相対する別の2辺と重なる別の2つの配線と、により形成され、前記2つの容量形成部と並列に接続された別の2つの容量形成部を備えることを特徴とする付記1記載の分波器。
【0062】
付記4:前記2つの容量形成部の前記2つの辺方向の幅は同じであることを特徴とする付記1記載の分波器。
【0063】
付記5:共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、絶縁層と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を備えるパッケージと、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドが形成された領域に含まれるように形成された配線と、により形成された容量形成部を備えることを特徴とする分波器。
【0064】
付記6:前記配線は円形であることを特徴とする付記5記載の分波器。
【0065】
付記7:前記配線と、前記少なくとも一つのフットパッドとは反対側に形成された別の配線と、を接続するビア金属を具備することを特徴とする付記5または6記載の分波器。
【0066】
付記8:絶縁層と、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、を実装する実装部と、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの前記配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部を備えることを特徴とする分波器用基板。
【0067】
付記9:絶縁層と、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、を実装する実装部と、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を具備し、前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドが形成された領域に含まれるように形成された配線と、により形成された容量形成部を備えることを特徴とする分波器用基板。
【0068】
付記10:付記1から7のいずれか一項記載の分波器を含む電子装置。
【0069】
付記11:前記送信フィルタおよび前記受信フィルタのうち一方に直列に、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタの他方の通過帯域の信号の位相をシフトする移相回路が接続されていることを特徴とする付記1から7のいずれか一項記載の分波器。
【0070】
付記12:前記2つの端子の一方から他方に前記容量を介し伝送された信号と、前記2つの端子の一方から他方に前記送信フィルタまたは前記受信フィルタを介し伝送された信号と、は逆位相であることを特徴とする付記1から7のいずれか一項記載の分波器。
【0071】
付記13:前記容量は、前記受信端子と、前記共通端子または前記送信端子と、の間に接続されていることを特徴とする付記1から7のいずれか一項記載に分波器。
【0072】
付記14:前記容量は、前記受信端子と前記共通端子との間、前記受信端子と前記送信端子との間に、それぞれ接続されていることを特徴とする付記1から7のいずれか一項記載に分波器。
【0073】
付記15:前記受信フィルタまたは前記送信フィルタはバランを含み、前記受信端子または前記送信端子は、一対の平衡端子であり、前記容量は、前記一対の平衡端子のいずれかに接続されていることを特徴とする付記1から7のいずれか一項記載の分波器。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、従来の分波器のブロック図である。
【図2】図2は、実施例1の分波器のブロック図である。
【図3】図3は、実施例1の分波器の回路構成を示す図である。
【図4】図4(a)および図4(b)は、実施例1および比較例1の通過特性を示す図である。
【図5】図5は、実施例1および比較例1のアイソレーション特性を示す図である。
【図6】図6は、実施例1の断面図である。
【図7】図7(a)は、フットパッド層の上面図、図7(b)は断面図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は、比較例2、3の容量を示す図である。
【図9】図9(a)および図9(b)は、実施例1の効果を説明する図である。
【図10】図10は、実施例2のフットパッド層の上面図である。
【図11】図11は、実施例3のフットパッド層の上面図である。
【図12】図12(a)および図12(b)は、実施例4のフットパッド層の上面図および断面図である。
【図13】図13は、実施例5の分波器の一例を示すブロック図である。
【図14】図14は、実施例5の分波器の別の例を示すブロック図である。
【図15】図15は、実施例6の分波器の回路構成を示す図である。
【図16】図16(a)および図16(b)は、実施例6および比較例6の通過特性を示す図である。
【図17】図17は、実施例6および比較例6のアイソレーション特性を示す図である。
【図18】図18は、実施例7の分波器の回路構成を示す図である。
【図19】図19は、実施例7および比較例7の通過特性を示す図である。
【図20】図20は、実施例7および比較例7のアイソレーション特性を示す図である。
【図21】図21は実施例8に係る携帯電話端末のブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
10 送信フィルタ
20 受信フィルタ
30 移相回路
40 容量
50 パッケージ
56 フットパッド
60 配線
70 バラン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、
前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、
前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、
絶縁層と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を備えるパッケージと、
を具備し、
前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの前記配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部を備えることを特徴とする分波器。
【請求項2】
前記容量は、前記少なくとも一つのフットパッドと、前記2つの辺とは別の辺と重なる別の配線と、により形成され、前記2つの容量形成部と並列に接続された別の容量形成部を備えることを特徴とする請求項1記載の分波器。
【請求項3】
前記容量は、前記少なくとも一つのフットパッドと、前記2つの辺とは異なり相対する別の2辺と重なる別の2つの配線と、により形成され、前記2つの容量形成部と並列に接続された別の2つの容量形成部を備えることを特徴とする請求項1記載の分波器。
【請求項4】
前記2つの容量形成部の前記2つの辺方向の幅は同じであることを特徴とする請求項1記載の分波器。
【請求項5】
共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、
前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、
前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、
絶縁層と、各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、を備えるパッケージと、
を具備し、
前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドが形成された領域に含まれるように形成された配線と、により形成された容量形成部を備えることを特徴とする分波器。
【請求項6】
前記配線は円形であることを特徴とする請求項5記載の分波器。
【請求項7】
前記配線と、前記少なくとも一つのフットパッドとは反対側に形成された別の配線と、を接続するビア金属を具備することを特徴とする請求項5または6記載の分波器。
【請求項8】
絶縁層と、
共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、を実装する実装部と、
前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、
各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、
前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、
を具備し、
前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドの相対する2つの辺とそれぞれ重なる2つの前記配線と、により各々形成され、各々が並列に接続された2つの容量形成部を備えることを特徴とする分波器用基板。
【請求項9】
絶縁層と、
共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、を実装する実装部と、
前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子のうち2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された容量と、
各々が前記絶縁層の一面に形成された前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子であるフットパッドと、
前記絶縁層の前記一面とは反対の面に形成された配線と、
を具備し、
前記容量は、前記フットパッドのうち少なくとも一つのフットパッドと、前記少なくとも一つのフットパッドが形成された領域に含まれるように形成された配線と、により形成された容量形成部を備えることを特徴とする分波器用基板。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項記載の分波器を含む電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−154437(P2010−154437A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332671(P2008−332671)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】