説明

分流式流量計及び流量制御装置

【課題】実流量に合わせて適切な測定範囲を選択可能な流量計を提供する。
【解決手段】主流路11、主流路11に通じる少なくとも三以上の複数の孔4a, 4b, 6a, 6b、及び前記複数の孔4a, 4b, 6a, 6bを介して前記主流路11と連通する分流路25が設けられた流路保持体10と、複数の孔4a, 4b, 6a, 6bから選択された二つの被選択孔6a, 6b以外の複数の孔4a, 4bを閉塞する閉塞部材21Aと、分流路25を流れる流体の流量を検出する流れセンサ8と、被選択孔を検出する被選択孔検出機構9A, 9Bと、被選択孔に応じた、分流路25と主流路11の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置400と、分流路25を流れる流体の流量、及び検出された被選択孔に応じた分流比に関する情報に基づいて、主流路11を流れる流体の流量を算出する算出モジュール300と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計測技術に関し、特に分流式流量計及び流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業炉、ボイラ、及び空調熱源機器等においては、適切な流量の流体が供給されることが求められている。そのため、流量を正確に計測するための流量計が種々開発されている(例えば、特許文献1、2参照。)。流量計が測定可能な流量の範囲は限られている。したがって、配管等に流量計を設置する場合、配管に流れる流体の予測される流量に対応しうる測定範囲を有する流量計をあらかじめ選定する必要がある。しかし、配管に流量計を設置した後に、配管を流れる流体の流量が、予測よりも少なくなったり、あるいは多くなったりし、流量計の測定範囲を超えてしまう場合がある。この場合、流量計を交換する工事をする必要があり、コストがかかるという問題がある。予測される流量に対して十分に測定範囲の広い流量計を設置しておけば、この問題は生じないが、その反面、フルスケールに対して小流量の領域で測定が行われる機会が多くなるので、測定精度が悪化しがちになる。
【特許文献1】特開2007-3387号公報
【特許文献2】特開平11-173896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、適切な測定範囲を選択可能な分流式流量計及び流量制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特徴は、(イ)主流路、主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔、及び複数の孔を介して主流路と連通する分流路が設けられた流路保持体と、(ロ)複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての複数の孔を閉塞し、被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、(ハ)分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、(ニ)被選択孔に応じた、分流路と主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、(ホ)分流路を流れる流体の流量、及び被選択孔に応じた分流比に関する情報に基づいて、主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、を備える分流式流量計であることを要旨とする。
【0005】
また、本発明の他の特徴は、(イ)主流路、及び主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔が設けられた流路保持体と、(ロ)複数の孔を介して主流路と連通する分流路と、(ハ)複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての複数の孔を閉塞し、被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、(ニ)分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、(ホ)被選択孔に応じた、分流路と主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、(ヘ)分流路を流れる流体の流量、及び検出された被選択孔に応じた分流比に関する情報に基づいて、主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、を備える分流式流量計であることを要旨とする。
【0006】
本発明に係る分流式流量計によれば、被選択孔を適宜選択することにより、分流比を容易に変更できる。そのため、分流路を流れる流体の流量を、流れセンサの測定範囲内にすることができる。
【0007】
さらに、本発明の他の特徴は、(イ)主流路、主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔、及び複数の孔を介して主流路と連通する分流路が設けられた流路保持体と、(ロ)複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての複数の孔を閉塞し、被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、(ハ)分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、(ニ)被選択孔に応じた、分流路と主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、(ホ)分流路を流れる流体の流量、及び被選択孔に応じた分流比に関する情報に基づいて、主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、(ヘ)主流路を流れる流体の流量を制御するための制御弁と、(ト)算出された流量に基づき、制御弁を駆動し、主流路を流れる流体の流量を調節するコントローラと、を備える流量制御装置であることを要旨とする。
【0008】
さらに、本発明の他の特徴は、(イ)主流路、及び主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔が設けられた流路保持体と、(ロ)複数の孔を介して主流路と連通する分流路と、(ハ)複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての複数の孔を閉塞し、被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、(ニ)分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、(ホ)被選択孔に応じた、分流路と主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、(ヘ)分流路を流れる流体の流量、及び被選択孔に応じた分流比に関する情報に基づいて、主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、(ト)主流路を流れる流体の流量を制御するための制御弁と、(チ)算出された流量に基づき、制御弁を駆動し、主流路を流れる流体の流量を調節するコントローラと、を備える流量制御装置であることを要旨とする。
【0009】
本発明に係る流量制御装置によれば、分流路を流れる流体の流量を、容易に流れセンサの測定範囲内にすることができる。そのため、正確な流量の算出が可能となり、算出された流量に基づいて、流体の流量を正確に調節することが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分流比の変更が容易であるため、実流量に合わせて適切な測定範囲を選択可能な分流式流量計及び流量制御装置を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る分流式流量計は、図1に示すように、主流路11、及び主流路11に通じる少なくとも三以上の複数の孔4a, 4b, 6a, 6bが設けられた流路保持体10を備え、流路保持体10には、複数の孔4a, 4b, 6a, 6bから選択された少なくとも二つの被選択孔を接続する分流路25が設けられている。図1においては、孔6a, 6bが被選択孔として選択され、分流路25に接続されている。被選択孔として選択された孔6a, 6bは、閉塞部材21Aによって閉塞されていないが、被選択孔として選択されなかった総ての孔4a, 4bは、閉塞部材21Aによって閉塞されている。これに対し、孔4a, 4bを被選択孔として選択する場合は、図2に示すように、被選択孔として選択されなかった総ての孔6a, 6bを閉塞する閉塞部材21Bが用いられる。さらに分流式流量計は、分流路25を流れる流体の流量を検出する流れセンサ8と、被選択孔を検出する被選択孔検出機構9A, 9Bと、被選択孔に応じた、分流路25と主流路11の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置400と、分流路25を流れる流体の流量、及び検出された被選択孔に応じた分流比に関する情報に基づいて、主流路11を流れる流体の流量を算出する算出モジュール300を備える。なお、図1及び図2において、分流比記憶装置400及び算出モジュール300は模式的に描かれている。
【0013】
上面図である図3、IV-IV方向から見た断面図である図4、V-V方向から見た断面図である図5、及びVI-VI方向から見た断面図である図6に示すように、六面体の流路保持体10の対向する二面に、注入口13及び排出口14が設けられている。注入口13及び排出口14のそれぞれには、ガスや液体等の流体を通す配管が挿入される。流路保持体10の内部に設けられた主流路11は、注入口13から排出口14に貫通する。主流路11の一部に、主流路11の内径を狭めるオリフィス12が設けられている。オリフィス12によって、主流路11の上流側と下流側の間で、流体の流速に応じた差圧が発生する。なお、差圧発生構造としては、オリフィス以外に、ベンチュリー等を用いてもよい。
以下、主流路11のオリフィス12より注入口13側を上流と呼び、主流路11のオリフィス12より排出口14側を下流と呼ぶ。
【0014】
流路保持体10の主流路11と平行な面には、凹部16が設けられている。凹部16から主流路11の上流に孔4a, 6aが貫通し、凹部16から主流路11の下流に孔4b, 6bが貫通している。孔4a, 6aと孔4b, 6bは、凹部16の長手方向において、中心に関して、上流側と下流側に対称的に設けられている。換言すれば、孔4a, 6aと孔4b, 6bは、流路保持体10の長手方向に左右対称的に設けられている。具体的には、複数の孔4a, 4b, 6a, 6bのうち、孔4a, 6aが、主流路11から分流路25に流体を導くための流入孔であり、孔4b, 6bが、分流路25から主流路11に流体を導くための流出孔であって、孔4a, 6aと孔4b, 6bが、点対称に設けられている。ここで、孔4a, 4bの内径は孔6a, 6bの内径よりも大きい。したがって、孔4a, 4bの断面積は孔6a, 6bの断面積よりも大きい。流路保持体10の材料には、金属又は樹脂等が使用可能である。
【0015】
図4乃至図6に示す凹部16に、図7及びVIII-VIII方向から見た断面図である図8に示す閉塞部材21Aが配置される。図7及び図8に示す閉塞部材21Aの2箇所には、開口126a, 126bが設けられている。閉塞部材21Aが図4乃至図6に示す凹部16に配置されることにより、上面図である図9、X-X方向から見た断面図である図10、XI-XI方向から見た断面図である図11、及びXII-XII方向から見た断面図である図12に示すように、孔4a, 4bが閉塞される。しかし、閉塞部材21Aが凹部16に配置されたとき、閉塞部材21Aの開口126a, 126bが孔6a, 6bの上方に位置する。したがって、開口126a, 126bによって孔6a, 6bは露出し、閉塞しない。また、図4に示す複数の孔4a, 4b, 6a, 6bのうち、孔4a, 4bを被選択孔として選択し、他の孔6a, 6bを閉塞する場合、図13に示すように、孔4a, 4bの上方に位置するよう開口124a, 124bが設けられた閉塞部材21Bが、凹部16に配置される。閉塞部材21A, 21Bのそれぞれの材料には、金属又は樹脂等が使用可能である。
【0016】
図10に示す凹部16を覆うように、図1に示す計測部筐体30が着脱自在に配置される。計測部筐体30で覆われた凹部16が、被選択孔を接続する分流路25になる。主流路11の上流から流れてきた流体は、オリフィス12によって一部が被選択孔6aに流入する。ここで、図1に示すように孔6a, 6bが分流路25に通じる被選択孔として選択された場合、孔6a, 6bの断面積が小さいため、孔6a、分流路25、及び孔6bを流れる流体の流量に対する、主流路11を流れる流体の流量の分流比は大きくなる。これに対し、図2に示すように孔4a, 4bが分流路25に通じる被選択孔として選択された場合、孔4a, 4bの断面積が大きいため、孔4a、分流路25、及び孔4bを流れる流体の流量に対する、主流路11を流れる流体の流量の分流比は小さくなる。したがって、被選択孔の断面積に応じて、分流比が変化する。
【0017】
流体の流速又は流量を検出する流れセンサ8は、計測部筐体30の凹部16を覆う面に配置されている。流れセンサ8は、斜視図である図14、及びXV-XV方向から見た断面図である図15に示すように、キャビティ66が設けられた基板60、基板60上にキャビティ66を覆うように配置された絶縁膜65、絶縁膜65に設けられたヒータ61、ヒータ61より上流側に設けられた上流側測温抵抗素子62、ヒータ61より下流側に設けられた下流側測温抵抗素子63、及び上流側測温抵抗素子62より上流側に設けられた周囲温度センサ64を備える。
【0018】
絶縁膜65のキャビティ66を覆う部分は、断熱性のダイアフラムをなしている。周囲温度センサ64は、図1に示す分流路25に流入してきた流体の温度を測定する。図14及び図15に示すヒータ61は、キャビティ66を覆う絶縁膜65の中心に配置されており、分流路25に流れる流体を、周囲温度センサ64が計測した温度よりも一定温度、例えば10℃高くなるよう、加熱する。上流側測温抵抗素子62はヒータ61より上流側の温度を検出するために用いられ、下流側測温抵抗素子63はヒータ61より下流側の温度を検出するために用いられる。
【0019】
ここで、図1に示す分流路25中の流体が静止している場合、図14及び図15に示すヒータ61で加えられた熱は、上流方向と下流方向へ対称的に拡散する。したがって、上流側測温抵抗素子62及び下流側測温抵抗素子63の温度は等しくなり、上流側測温抵抗素子62及び下流側測温抵抗素子63の電気抵抗は等しくなる。これに対し、図1に示す分流路25中の流体が上流から下流に流れている場合、図14及び図15に示すヒータ61で加えられた熱は、下流方向に運ばれる。したがって、上流側測温抵抗素子62の温度よりも、下流側測温抵抗素子63の温度が高くなる。そのため、上流側測温抵抗素子62の電気抵抗と、下流側測温抵抗素子63の電気抵抗に差が生じる。下流側測温抵抗素子63の電気抵抗と上流側測温抵抗素子62の電気抵抗の差は、図1に示す分流路25中の流体の速度と相関関係がある。そのため、下流側測温抵抗素子63の電気抵抗と上流側測温抵抗素子62の電気抵抗の差から、分流路25を流れる流体の流量が求められる。
【0020】
図14及び図15に示す基板60の材料としては、シリコン(Si)等が使用可能である。絶縁膜65の材料としては、酸化ケイ素(SiO2)等が使用可能である。キャビティ66は、異方性エッチング等により形成される。またヒータ61、上流側測温抵抗素子62、下流側測温抵抗素子63、及び周囲温度センサ64のそれぞれの材料には白金(Pt)等が使用可能であり、リソグラフィ法等により形成可能である。
【0021】
図1に示す計測部筐体30の凹部16を覆う面の上流側に被選択孔検出機構9Bが配置され、下流側に被選択孔検出機構9Aが配置される。ここで、孔6a, 6bを被選択孔として選択し、孔4a, 4bを閉塞する閉塞部材21Aには、図1、及び図7乃至図10に示すように、被選択孔識別用構造130Aが設けられている。被選択孔識別用構造130Aは、例えば凹部であり、閉塞部材21Aが流路保持体10に装着されたときに、被選択孔検出機構9Aの直下に位置するよう設けられている。また、孔4a, 4bを被選択孔として選択し、孔6a, 6bを閉塞する図2及び図13に示す閉塞部材21Bには、被選択孔識別用構造130Bが設けられている。被選択孔識別用構造130Bも、例えば凹部であり、閉塞部材21Bが流路保持体10に装着されたときに、被選択孔検出機構9Bの直下に位置するよう設けられている。
【0022】
図1に示す被選択孔検出機構9Aは、被選択孔識別用構造130Aの有無を光学的又は機械的に検出する。また図2に示す被選択孔検出機構9Bは、被選択孔識別用構造130Bの有無を光学的又は機械的に検出する。被選択孔検出機構9A, 9Bのそれぞれには、例えば反射型光電センサ又はディップスイッチが使用可能である。流れセンサ8、被選択孔検出機構9A、及び被選択孔検出機構9Bは、計測部筐体30の内部に配置されている算出モジュール300に電気的に接続されている。図1に示すように、被選択孔検出機構9Aが被選択孔識別用構造130Aを検出し、被選択孔検出機構9Bが被選択孔識別用構造130Bを検出しなかった場合、算出モジュール300は、孔6a, 6bが分流路25に通じる被選択孔として選択されたと認識する。また図2に示すように、被選択孔検出機構9Aが被選択孔識別用構造130Aを検出せず、被選択孔検出機構9Bが被選択孔識別用構造130Bを検出した場合、算出モジュール300は、孔4a, 4bが分流路25に通じる被選択孔として選択されたと認識する。
【0023】
算出モジュール300には、分流比記憶装置400が接続されている。分流比記憶装置400は、孔6a, 6bが被選択孔として選択された場合の分流比に関する情報と、孔4a, 4bが被選択孔として選択された場合の分流比に関する情報を予め保存する。算出モジュール300は、認識した被選択孔に対応する分流比に関する情報を、分流比記憶装置400から読み出す。さらに算出モジュール300は、流れセンサ8で検出した分流路25を流れる流体の流量、及び分流比記憶装置400から読み出した分流比に関する情報に基づいて、主流路11を流れる流体の流量を算出する。算出モジュール300には例えば中央演算処理装置(CPU)が、分流比記憶装置400には不揮発性メモリ等が使用可能である。ここで、「分流比に関する情報」とは、例えば分流比の値そのものである。
【0024】
計測部筐体30の上には、表示装置35が配置される。表示装置35は、算出モジュール300が分流比記憶装置400から読み出した分流比に関する情報、及び算出モジュール300が算出した主流路11を流れる流体の流量を表示する。なお、表示装置35は、計測部筐体30から離れた位置に配置されてもよい。
【0025】
以上示した第1の実施の形態に係る分流式流量計によれば、図1に示すように孔6a, 6bを選択して配管等に設置した後に、分流比が高すぎて流れセンサ8で流量を適切に測定できないことが判明した場合でも、閉塞部材21Aを図2に示す閉塞部材21Bに交換することにより、容易に分流比を下げることが可能となる。また反対に、分流比が低すぎて流れセンサ8で流量を適切に測定できないことが判明した場合でも、閉塞部材21Bを図1に示す閉塞部材21Aに交換することにより、容易に分流比を上げることが可能となる。よって、流れセンサ8の測定範囲が一定であっても、分流比を変更することにより、分流式流量計の測定範囲を実質的に広げることが可能となる。さらに分流比の変更に際して、流路保持体10を配管から取り外す必要がない。したがって、従来の分流比を変更できない分流式流量計で必要だった配管からの取り外し工事が不要となり、コストを下げることも可能となる。なお、第1の実施の形態においては、分流路25が流路保持体10に設けられている例を示したが、分流路は流路保持体とは別の部材に設けられていてもよい。
【0026】
(第1の実施の形態の第1の変形例)
図4に示す例では、凹部16の中心に関して、孔4a, 6aと孔4b, 6bが対称的に設けられている。そのため、孔4aが孔6aよりも上流側に設けられているのに対し、孔4bは孔6bよりも下流側に設けられている。しかし実施の形態はこれに限定されない。図16、及びXVII-XVII方向から見た断面図である図17に示すように、凹部16の中心に関して、孔4a, 6aと孔4b, 6bが非点対称に設けられていてもよい。換言すれば、流入孔としての孔4a, 6aと流出孔としての孔4b, 6bが、流路保持体10の長手方向に左右非対称的に設けられていてもよい。この場合、孔6a, 6bを選択するための閉塞部材21Aに設けられる開口126a, 126bも、中心に関して非対称的に設けられる。また、図18、及びXIX-XIX方向から見た断面図である図19に示すように、孔4a, 4bを選択するための閉塞部材21Bに設けられる開口124a, 124bも、中心に関して非対称的に設けられる。
【0027】
(第1の実施の形態の第2の変形例)
第1の実施の形態においては、被選択孔検出機構9A及び算出モジュール300が、被選択孔を特定し、算出モジュール300が、特定された被選択孔に対応する分流比の値を分流比記憶装置400から読み出す例を説明した。しかし、実施の形態はこれに限定されない。例えば、被選択孔検出機構9A及び算出モジュール300が、被選択孔に対応する識別信号を検出し、分流比記憶装置400が、識別信号に対応する分流比の値の表を保存しており、算出モジュール300が分流比記憶装置400に保存されている表から、識別信号に対応する分流比の値を読み出してもよい。
【0028】
(第2の実施の形態)
図20に示すように、第2の実施の形態に係る分流式流量計の流路保持体100においては、主流路11に平行な2面に凹部116A及び凹部116Bが各々設けられている。凹部116Aから主流路11の上流側に孔104aが貫通し、凹部116Aから主流路11の下流側に孔104bが貫通している。また凹部116Bから主流路11の上流側に孔106aが貫通し、凹部116Bから主流路11の下流側に孔106bが貫通している。孔104a, 104bの断面積は、孔106a, 106bの断面積よりも大きい。
【0029】
ここで、孔104a, 104bを選択する場合は、凹部116A上に、図21に示すように計測部筐体30を配置し、分流路125Aを形成する。この場合、被選択孔検出機構9A, 9Bは、孔104a, 104bを直接検出してもよい。また凹部116Bを、開口を有さない遮蔽部材21Cで覆い、孔106a, 106bを遮蔽する。なお、遮蔽部材21Cが金属等からなる場合に、遮蔽部材21Cと凹部116Bの底面の間に、ゴム等からなるパッキン22を配置してもよい。また遮蔽部材21Cは、ネジ23A, 23B等で固定されてもよい。孔106a, 106bを選択する場合は、図20に示す凹部116B上に図21に示す計測部筐体30を配置し、孔104a, 104bを閉塞すればよい。第2の実施の形態に係る分流式流量計のその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
【0030】
以上示した第2の実施の形態に係る分流式流量計においても、流れセンサ8の測定範囲と、主流路11を流れる流体の流量に応じて、適切な分流比を容易に選択することが可能となる。なお、直方体状の流路保持体100の主流路11に平行な3面、あるいは4面に凹部と、主流路11に貫通する複数の孔をさらに設けてもよい。
【0031】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態においては、図3乃至図6に示すように、直方体状の流路保持体10を説明した。しかし、流路保持体の形状はこれに限定されない。例えば、図22に示すように、側面が五角形状の七面体であってもよい。XXIII- XXIII方向から見た断面図である図23に示すように、流路保持体101の主流路11と平行な五面のうちの一面に凹部107Aが設けられており、凹部107Aから主流路11の上流側に孔103aが貫通し、凹部107Aから主流路11の下流側に孔103bが貫通している。また図22のXXIV-XXIV方向から見た断面図である図24に示すように、流路保持体101の主流路11と平行な五面のうち、凹部107Aが設けられた面と別の一面に凹部107Bが設けられており、凹部107Bから主流路11の上流側に孔105aが貫通し、凹部107Bから主流路11の下流側に孔105bが貫通している。
【0032】
図23に示す孔103a, 103bの断面積は、図24に示す孔105a, 105bの断面積よりも大きい。孔103a, 103bの組、あるいは孔105a, 105bの組を被選択孔として選択する方法は、第2の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。図22乃至図24に示す流路保持体101を用いる第3の実施の形態に係る流量計においても、適切な分流比を容易に選択することが可能となる。
【0033】
(第4の実施の形態)
図25に示すように、第4の実施の形態に係る流路保持体102には、主流路11と平行な二面に、凹部116Aと凹部116Bが各々設けられている。凹部116Aから主流路11の上流側に孔94a, 104aが貫通し、凹部116Aから主流路11の下流側に孔94b, 104bが貫通している。また、凹部116Bから主流路11の上流側に孔96a, 106aが貫通し、凹部116Bから主流路11の下流側に孔96b, 106bが貫通している。ここで、孔104a, 104bのそれぞれの断面積が最も大きく、次に孔94a, 94bのそれぞれの断面積が大きい。次に孔96a, 96bのそれぞれの断面積が大きく、孔106a, 106bのそれぞれの断面積が最も小さい。
【0034】
流路保持体102の凹部116Aが設けられた面の上面図である図26に示すように、凹部116Aの底面の上流側には面識別用構造71Bが設けられており、下流側には面識別用構造71C, 71Dが設けられている。例えば面識別用構造71B, 71C, 71Dのそれぞれは、凹部116Aの底面に設けられた凸部である。また、流路保持体102の凹部116Bが設けられた面の上面図である図27に示すように、凹部116Bの底面の上流側には面識別用構造72A, 72Bが設けられており、下流側には面識別用構造72Cが設けられている。面識別用構造72A, 72B, 72Cのそれぞれは、凹部116Bの底面に設けられた凸部である。
【0035】
図25に示す孔94a, 94bを選択する場合は、凹部116B全体が遮蔽され、凹部116Aに、図28、及びXXIX-XXIX方向から見た断面図である図29に示す閉塞部材24Aが配置される。閉塞部材24Aには、孔94a, 94bを露出させるための開口126a, 126bが設けられている。さらに閉塞部材24Aには、開口81A, 81B, 81C, 81Dが設けられている。閉塞部材24Aを凹部116Aに配置すると、図26に示す面識別用構造71B, 71C, 71Dが、図28に示す閉塞部材24Aの開口81B, 81C, 81Dにそれぞれはまる。しかし、閉塞部材24Aの開口81Aには何もはまらない。そのため、開口81Aを検出することにより、閉塞部材24Aが図25に示す凹部116Aに配置されたことを識別可能である。
【0036】
また孔96a, 96bを選択する場合は、凹部116A全体が遮蔽され、凹部116Bに、図28及び図29に示す閉塞部材24Aが配置される。閉塞部材24Aの開口126a, 126bは、孔96a, 96bも露出させる。また、図27に示す面識別用構造72A, 72B, 72Cが、図28に示す閉塞部材24Aの開口81A, 81B, 81Cにそれぞれはまる。ここで開口81Dには何もはまらないため、開口81Dを検出することにより、閉塞部材24Aが図25に示す凹部116Bに配置されたことを識別可能である。
【0037】
以上示したように、1枚の閉塞部材24Aで孔94a, 94b又は孔96a, 96bを選択可能である。さらに、閉塞部材24Aの開口81A, 81B, 81C, 81Dに挿入される面識別用構造の組み合わせのパターンから、閉塞部材24Aが凹部116A, 116Bのいずれに配置されたか識別可能である。そのため、孔94a, 94bと孔96a, 96bのどちらが選択されたかも、識別することが可能となる。孔104a, 104b又は孔106a, 106bを選択する場合は、孔104a, 104b又は孔106a, 106bに対応する位置に開口を有する閉塞部材を用意すればよい。また流路保持体102の四面総てに凹部及び複数の孔が設けられていてもよい。
【0038】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る流量制御装置は、図30に示すように、分流式流量計50、分流式流量計50の排出口14に接続された流路99、及び流路99に接続され、流体の流量を制御する制御弁41を備える。制御弁41は、例えばソレノイド弁である。制御弁41は、流路43及び流路44と、流路43及び流路44を連通する弁室45が設けられた弁座42、弁室45に収納され、流路44を開閉する弁体46、弁体46に連結された磁性体のプランジャ47、及び通電されてプランジャ47を上下させるソレノイドコイル48を備える。
【0039】
分流式流量計50は、第1の実施の形態に係る流量計の構成要素に加えて、算出モジュール300により算出された流量に基づき、制御弁41を駆動し、主流路11及び流路99を流れる流体の流量を調節するコントローラ142をさらに備える。コントローラ142は、算出モジュール300及び制御弁41のソレノイドコイル48に電気的に接続されている。コントローラ142は算出モジュール300から流量の信号を受信し、流量が設定値よりも多い場合は、ソレノイドコイル48に通電して、流量を減少させる。また流量が設定値よりも少ない場合は、ソレノイドコイル48に通電して、流量を増加させる。
【0040】
第5の実施の形態に係る流量制御装置は、第1の実施の形態で説明した分流式流量計を採用しているため、高い精度で検出された流量に基づき、流量を制御することが可能となる。また、分流式流量計50と制御弁41を一体化してもよい。なお、第2乃至第4の実施の形態で説明した流量計を採用してもよいことはもちろんである。
【0041】
(第6の実施の形態)
図31及びXXXII-XXXII方向から見た断面図である図32に示すように、第6の実施の形態に係る分流式流量計の流路保持体610の上面には、楕円状の凹部616が設けられている。図31及びXXXIII-XXXIII方向から見た断面図である図33に示すように、凹部616の底面から主流路11の上流に孔604a, 606aが貫通し、凹部616から主流路11の下流に孔604b, 606bが貫通している。ここで、孔604a, 604bの内径は孔606a, 606bの内径よりも大きい。したがって、孔604a, 604bの断面積は孔606a, 606bの断面積よりも大きい。
【0042】
図31に示す流路保持体610の凹部616には、図34及び図35に示す分流路整流部材620Aがはめ込まれる。図31に示す流路保持体610の凹部616の内周と図34及び図35に示す分流路整流部材620Aの外周は略同一である。図31に示す流路保持体610の凹部616の底面に対向する図34に示す分流路整流部材620Aの面611Aの外周近傍には、囲壁635が配置されている。囲壁635の内部は、略S字状の仕切り壁630で、上流側と下流側に二分されている。
【0043】
仕切り壁630で二分された囲壁635の内部の上流側において、楕円状の分流路整流部材620Aの長軸と外周の接点近傍にバッファ用凹部33が設けられている。また、楕円状の分流路整流部材620Aの短軸と平行に、3本の整流片131A, 131B, 131Cが配置されている。整流片131Aが最もバッファ用凹部33の近傍に配置されている。整流片131Aの長さが最も短く、整流片131Aの高さが最も高い。整流片131Aに隣接して配置された整流片131Bは、整流片131Aより長さが長い。整流片131Bに隣接して配置された整流片131Cは、整流片131Bより長さが長い。さらに、仕切り壁630で二分された囲壁635の内部の上流側において、楕円状の分流路整流部材620Aの短軸と外周の接点近傍に、第1の連通孔231が設けられている。
【0044】
仕切り壁630で二分された囲壁635の内部の下流側においても、楕円状の分流路整流部材620Aの長軸と外周の接点近傍にバッファ用凹部34が設けられている。また、楕円状の分流路整流部材620Aの短軸と平行に、3本の整流片132A, 132B, 132Cが配置されている。整流片132Aが最もバッファ用凹部34の近傍に配置されている。整流片132Aの長さが最も短く、整流片132Aの高さが最も高い。整流片132Aに隣接して配置された整流片132Bは、整流片132Aより長さが長い。整流片132Bに隣接して配置された整流片132Cは、整流片132Bより長さが長い。さらに、仕切り壁630で二分された囲壁635の内部の下流側において、楕円状の分流路整流部材620Aの短軸と外周の接点近傍に、第2の連通孔232が設けられている。
【0045】
また、分流路整流部材620Aの面611A上には、閉塞部材698Aと閉塞部材699Aが配置されている。分流路整流部材620Aが図31に示す凹部616にはめ込まれたとき、閉塞部材698Aは孔604aを閉塞し、閉塞部材699Aは孔604bを閉塞する。しかし、閉塞部材698Aは孔606aを閉塞せず、閉塞部材699Aは孔606bを閉塞しない。したがって、図34に示す分流路整流部材620Aを図31に示す凹部616にはめ込むことによって、孔606a, 606bが被選択孔として選択される。
【0046】
図34に示す第1の連通孔231及び第2の連通孔232は、分流路整流部材620Aの流路保持体610の凹部616の底面に対向する面611Aの裏側の図35に示す面611Bに連通している。分流路整流部材620Aの面611Bには、楕円状の分流路整流部材620Aの短軸と平行に、敷居片38A, 38Bが設けられている。敷居片38A, 38Bの間隔は、図1に示す流れセンサ8の幅より長い。図35に示す敷居片38A, 38Bの外側には、壁部37A, 37Bが平行に設けられている。また、図35に示す分流路整流部材620Aの面611Bには、金網固定部36が配置されている。金網固定部36によって、金網が適宜固定される。
【0047】
さらに分流路整流部材620Aの面611Bには、被選択孔識別用構造697Aが設けられている。凹部又は切り欠き等の被選択孔識別用構造697Aが設けられた位置によって、孔606a, 606bが閉塞されておらず被選択孔として選択されており、孔604a, 604bが閉塞されていることを識別可能である。
【0048】
図31及び図32に示す流路保持体610の凹部616に図35及び図36に示す分流路整流部材620Aが配置された後、流路保持体610に図1に示した計測部筐体30が配置される。第6の実施の形態において、流れセンサ8は、図36に示す敷居片38A, 38Bの間に配置される。
【0049】
ここで、第6の実施の形態における分流路中の流体の流れについて説明する。図33に示す主流路11から孔604aに流入した流体は、孔604aが図34に示す閉塞部材698Aで閉塞されているため、進行を妨げられる。これに対し、孔606aは閉塞されていないため、主流路11から孔606aに流入した流体は、孔606aを通り抜け、図36に示すバッファ用凹部33に溜まる。バッファ用凹部33に最も近い整流片131Aの高さが最も高いため、流体がバッファ用凹部33に溜まりやすくなっている。バッファ用凹部33に一度溜められるによって、流体の流速が抑えられる。その後、流体は、一定角度の広がりを持ちながら、仕切り壁630に向かって進行する。この際、バッファ用凹部33に最も近く、最も高さが高い整流片131Aによっても、流体の流速は抑えられる。
【0050】
流体は仕切り壁630によって進行方向を変えられ、整流片131A, 131B, 131C及び仕切り壁630の間を通過する。ここで、整流片131A、整流片131B、整流片131Cの順に長さが長くなるので、整流片131Aと整流片131Bの間、整流片131Bと整流片131Cの間、並びに整流片131Cと仕切り壁630の間を、ほぼ均等な量の流体が流れ、流体は整流される。整流された流体は、第1の連通孔231を通って、面611Aの裏側の図37に示す面611B側に向かう。
【0051】
第1の連通孔231を通った流体は、金網固定部36に固定された金網636によって整流される。さらに、壁部37A, 37B及び敷居片38A, 38Bによって、流体の流速ベクトルが均一化される。流速ベクトルが均一化された流体は、図1に示した流れセンサ8の下方を通過し、図37に示す第2の連通孔232に向かって進行する。その後、流体は、第2の連通孔232を通って、図36に示す面611A側に戻る。
【0052】
面611A側に戻った流体は、整流片132A, 132B, 132Cによって整流され、仕切り壁630に向かって進行する。さらに流体は、仕切り壁630によって進行方向を変えられ、バッファ用凹部34に溜まる。その後、バッファ用凹部34に溜まった流体は、閉塞部材699Aで閉塞されていない図31に示す孔606bを経て、図32に示す主流路11に流出する。
【0053】
以上、図31に示す孔606a, 606bを被選択孔として選択し、孔604a, 604bを閉塞する例について説明した。これに対し、孔604a, 604bを被選択孔として選択し、孔606a, 606bを閉塞する場合は、孔606a, 606bを閉塞する図38に示す閉塞部材698B, 699Bを備える流路保持体620Bを用意すればよい。この場合、分流路整流部材620Bの面611Bには、被選択孔識別用構造697Bが設けられている。被選択孔識別用構造697Bが設けられた位置によって、孔604a, 604bが閉塞されておらず被選択孔として選択されており、孔606a, 606bが閉塞されていることを識別可能である。
【0054】
第6の実施の形態に係る分流式流量計によれば、図34及び図36に示す整流片131A, 131B, 131Cによって、分流路における流体の流速が下げられ、かつ流体が整流される。したがって、流体の流量を安定的に測定することが可能になる。また、第1の連通孔231及び第2の連通孔232を介して、流体が分流路整流部材620Aの両面を通過して整流される。そのため、図31に示す凹部616の底面積が小さくても、充分な整流効果を得ることが可能になる。なお、図34及び図36に示すように、仕切り壁630で二分された囲壁635の内部の下流側においても、整流片132A, 132B, 132Cが配置されているため、下流側から上流側に流体が逆流した場合も、流体が整流される。したがって、逆流した場合も、流量を正確に測定することが可能になる。
【0055】
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば分流式流量計は、図1に示す算出モジュール300が分流比記憶装置400から読み出した分流比に関する情報、及び算出モジュール300が算出した主流路11を流れる流体の流量を、外部のCPU等に送信する通信ポートを備えていてもよい。また分流式流量計は、算出モジュール300が分流比記憶装置400から読み出した分流比に関する情報を保存し、着脱可能な設定値記憶装置をさらに備えていてもよい。着脱可能な設定値記憶装置に保存された分流比に関する情報を、外部の機器で読み出すことが可能となる。この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る流分流式量計の第1の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る分流式流量計の第2の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る流路保持体の上面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る流路保持体の図3のIV-IV方向から見た断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る流路保持体の図3のV-V方向から見た断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る流路保持体の図3のVI-VI方向から見た断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材の上面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材の図7のVIII-VIII方向から見た断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材を装着した流路保持体の上面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材を装着した流路保持体の図9のX-X方向から見た断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材を装着した流路保持体の図9のXI-XI方向から見た断面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材を装着した流路保持体の図9のXII-XII方向から見た断面図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る閉塞部材を装着した流路保持体の断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る流れセンサの斜視図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る流れセンサの図14のXV-XV方向から見た断面図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る閉塞部材を装着した流路保持体の第1の上面図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る閉塞部材を装着した流路保持体の図16のXVII-XVII方向から見た断面図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る閉塞部材を装着した流路保持体の第2の上面図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る閉塞部材を装着した流路保持体の図18のXIX-XIX方向から見た断面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る流路保持体の断面図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係る分流式流量計の断面図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る流路保持体の側面図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態に係る流路保持体の図22のXXIII-XXIII方向から見た断面図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態に係る流路保持体の図22のXXIV-XXIV方向から見た断面図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態に係る流路保持体の断面図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態に係る流路保持体の第1の上面図である。
【図27】本発明の第4の実施の形態に係る流路保持体の第2の上面図である。
【図28】本発明の第4の実施の形態に係る閉塞部材の上面図である。
【図29】本発明の第4の実施の形態に係る閉塞部材の図28のXXIX-XXIX方向から見た断面図である。
【図30】本発明の第5の実施の形態に係る流量制御装置の模式図である。
【図31】本発明の第6の実施の形態に係る流路保持体の上面図である。
【図32】本発明の第6の実施の形態に係る流路保持体の図31のXXXII-XXXII方向から見た断面図である。
【図33】本発明の第6の実施の形態に係る流路保持体の図31のXXXIII-XXXIII方向から見た断面図である。
【図34】本発明の第6の実施の形態に係る分流路整流部材の第1の斜視図である。
【図35】本発明の第6の実施の形態に係る分流路整流部材の第2の斜視図である。
【図36】本発明の第6の実施の形態に係る分流路整流部材の第1の上面図である。
【図37】本発明の第6の実施の形態に係る分流路整流部材の第2の上面図である。
【図38】本発明の第6の実施の形態に係る分流路整流部材の第3の斜視図である。
【図39】本発明の第6の実施の形態に係る分流路整流部材の第4の斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
4a, 4b, 6a, 6b, 94a, 94b, 96a, 96b, 103a, 103b, 104a, 104b, 105a, 105b, 106a, 106b・・・孔
8・・・流れセンサ
9A, 9B・・・被選択孔検出機構
10, 100, 101, 102・・・流路保持体
11・・・主流路
12・・・オリフィス
13・・・注入口
14・・・排出口
16, 107A, 107B, 116A, 116B・・・ 凹部
21A, 21B, 24A・・・閉塞部材
21C・・・遮蔽部材
22・・・パッキン
23A, 23B・・・ネジ
25, 125A・・・分流路
30・・・計測部筐体
35・・・表示装置
60・・・基板
61・・・ヒータ
62・・・上流側測温抵抗素子
63・・・下流側測温抵抗素子
64・・・周囲温度センサ
65・・・絶縁膜
66・・・キャビティ
71B, 71C, 71D, 72A, 72B, 72C・・・面識別用構造
81A, 81B, 81C, 81D, 124a, 124b, 126a, 126b・・・開口
130A, 130B・・・被選択孔識別用構造
300・・・算出モジュール
400・・・分流比記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主流路、前記主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔、及び前記複数の孔を介して前記主流路と連通する分流路が設けられた流路保持体と、
前記複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての前記複数の孔を閉塞し、前記被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、
前記分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、
前記被選択孔に応じた、前記分流路と前記主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、
前記分流路を流れる流体の流量、及び前記被選択孔に応じた前記分流比に関する情報に基づいて、前記主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、
を備えることを特徴とする分流式流量計。
【請求項2】
主流路、及び前記主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔が設けられた流路保持体と、
前記複数の孔を介して前記主流路と連通する分流路と、
前記複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての前記複数の孔を閉塞し、前記被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、
前記分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、
前記被選択孔に応じた、前記分流路と前記主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、
前記分流路を流れる流体の流量、及び前記被選択孔に応じた前記分流比に関する情報に基づいて、前記主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、
を備えることを特徴とする分流式流量計。
【請求項3】
前記被選択孔の断面積に応じて、前記分流比が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の分流式流量計。
【請求項4】
前記被選択孔を検出する被選択孔検出機構を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項5】
前記閉塞部材に、前記被選択孔検出機構が前記被選択孔を検出するための被選択孔識別用構造が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の分流式流量計。
【請求項6】
前記複数の孔の半分が、前記主流路から前記分流路に前記流体を導くための複数の流入孔であり、前記複数の孔の他の半分が、前記分流路から前記主流路に前記流体を導くための複数の流出孔であって、前記複数の流入孔と前記複数の流出孔が、点対称に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項7】
前記複数の孔の半分が、前記主流路から前記分流路に前記流体を導くための複数の流入孔であり、前記複数の孔の他の半分が、前記分流路から前記主流路に前記流体を導くための複数の流出孔であって、前記複数の流入孔と前記複数の流出孔が、非点対称に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項8】
前記流路保持体が六面体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項9】
前記流路保持体の前記主流路に平行な四面の少なくとも一つに、前記複数の孔が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の分流式流量計。
【請求項10】
前記被選択孔検出機構が、前記被選択孔識別用構造を機械的に検出することを特徴とする請求項5に記載の分流式流量計。
【請求項11】
前記被選択孔検出機構が、前記被選択孔識別用構造を光学的に検出することを特徴とする請求項5に記載の分流式流量計。
【請求項12】
前記分流比に関する情報を表示する表示装置を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11に記載の分流式流量計。
【請求項13】
前記複数の孔のうち、前記流れセンサの上流に位置する孔と、前記流れセンサの下流に位置する孔との間に位置するように、前記主流路に差圧発生構造が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項14】
前記主流路を流れる流体の流量の算出に用いられた前記分流比に関する情報を送信する通信ポートを更に備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項15】
前記主流路を流れる流体の流量の算出に用いられた前記分流比に関する情報を保存する設定値記憶装置を更に備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の分流式流量計。
【請求項16】
主流路、前記主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔、及び前記複数の孔を介して前記主流路と連通する分流路が設けられた流路保持体と、
前記複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての前記複数の孔を閉塞し、前記被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、
前記分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、
前記被選択孔に応じた、前記分流路と前記主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、
前記分流路を流れる流体の流量、及び前記被選択孔に応じた前記分流比に関する情報に基づいて、前記主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、
前記主流路を流れる流体の流量を制御するための制御弁と、
前記算出された流量に基づき、前記制御弁を駆動し、前記主流路を流れる流体の流量を調節するコントローラと、
を備えることを特徴とする流量制御装置。
【請求項17】
主流路、及び前記主流路に通じる少なくとも三以上の複数の孔が設けられた流路保持体と、
前記複数の孔を介して前記主流路と連通する分流路と、
前記複数の孔から選択された少なくとも二つの被選択孔以外の総ての前記複数の孔を閉塞し、前記被選択孔を閉塞しない閉塞部材と、
前記分流路を流れる流体の流量を検出するための流れセンサと、
前記被選択孔に応じた、前記分流路と前記主流路の分流比に関する情報を保存する分流比記憶装置と、
前記分流路を流れる流体の流量、及び前記被選択孔に応じた前記分流比に関する情報に基づいて、前記主流路を流れる流体の流量を算出する算出モジュールと、
前記主流路を流れる流体の流量を制御するための制御弁と、
前記算出された流量に基づき、前記制御弁を駆動し、前記主流路を流れる流体の流量を調節するコントローラと、
を備えることを特徴とする流量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2010−85296(P2010−85296A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255951(P2008−255951)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】