説明

分級装置用の羽根、分級装置ならびに粉体の製造方法

【課題】リチウム二次電池用正極材料などの粉体の製造に利用される遠心式分級装置のローターに好適な羽根、スクリーンの破損を低減し得る分級装置、ならびに、当該分級装置を使用した粉体の製造方法を提供する。
【解決手段】分級装置用の羽根(42)は、帯状に形成され、側面視した場合、ローター(4)の外周部に相当する一方の長辺部の先端および後端に面取りされた形状を備えている。また、分級装置(1A)は、原料粉体(m)を搬送するスクリュー(3)、原料粉体(m)を製品粉体(m)と非製品粉体(m)とに篩分ける円筒状のスクリーン(6)、原料粉体(m)をスクリーン(6)の内面に分散させるローター(4)を備えており、ローター(4)に上記の羽根(42)が付設されている。そして、粉体の製造では、上記の分級装置(1A)を使用し、原料粉体(m)を篩分け、所定粒径以下の製品粉体(m)を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分級装置用の羽根、分級装置ならびに粉体の製造方法に関するものであり、詳しくは、リチウム二次電池用正極材料などの粉体の製造に利用される遠心式分級装置のローターに好適な羽根、および、当該羽根を使用した分級装置、ならびに、当該分級装置を使用した粉体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池においては、正極活物質として、標準組成がLiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム遷移金属複合酸化物が利用され、また、LiCoOやLiNiOと同じ層状構造を有し且つ遷移金属の一部をマンガン等で置換したリチウム遷移金属複合酸化物、具体的には、LiNiOのNiサイトの一部をMnで置換したLiNi1−xMn、Niサイトの一部をMnとCoで置換したLiNi1−x−yMnCoの利用が検討されている。
【0003】
上記のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム二次電池製造用の正極材料として、例えば粒径40μm以下の粉体に製造される。具体的には、リチウム含有化合物と遷移金属含有化合物の混合物を湿式粉砕し、そのスラリーを噴霧乾燥して造粒した後、これを焼成し、更に必要に応じて粗粉砕し、次いで、焼成粉体を分級処理して所定粒径以下の粉体を得る。
【0004】
しかしながら、上記の焼成粉体は、まとわり付き易いと言う性質があり、分級処理において篩網の目詰まりを発生させたり、塊状物を生成することがある。そこで、上記の分級処理においては、遠心式の分級装置を使用した円滑な処理が検討されている。遠心式分級装置は、円筒状スクリーン内側で高速回転するローターによりスクリーン内面に原料の粉体を衝突させ、スクリーンに細かい振動を発生させて目詰まりを防ぎながら、連続的に粉体を篩い分ける装置であり、ローターの遠心力および羽根の押付け力により、スクリーンの網目に対して上記の様な焼成粉体を強制的に通過させ、塊状の生成を抑制できる。
【特許文献1】特開2006−278031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遠心式分級装置を使用した前述の様な粉体の処理においては、スクリーンの目詰まりや塊状物の生成は防止し得る反面、スクリーンが頻繁に破損すると言う問題が生じている。斯かる現象は、羽根による粉体の押付けにより、円筒状スクリーンの固定部分である両端部に衝撃的な負荷が集中し易く、特に、正極材料に使用される粉体などはスクリーンを通過する際の抵抗が大きいために更に負荷が増大するためと考えられる。
【0006】
本発明は、上記の様な実情に鑑み、遠心式分級装置の構造的改良を主眼としてなされたものであり、その目的は、リチウム二次電池用正極材料などの粉体の製造に利用される遠心式分級装置のローターに好適な羽根、および、スクリーンの破損を低減し得る分級装置、ならびに、当該分級装置を使用して効率的に粉体を製造できる粉体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明においては、ローターの軸部の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って付設される帯状の羽根に関して、側面視した場合にローターの外周部に相当する一方の長辺部の後端を面取りされた形状とすることにより、羽根の後端部とスクリーンとの間に形成される隙間を前方に向かうに従い漸次狭くし、当該隙間に捕捉された原料粉体をその移動に伴って円滑に破砕し、これにより、スクリーンの後端取付部分に対する衝撃負荷を減少させ、また、前記の長辺部の先端を面取りされた形状とすることにより、羽根の前端部とスクリーンとの間に形成される隙間を前方に向かうに従い漸次広くし、当該隙間に挟まれた粉体を円滑に排出し、スクリーンの前端取付部分に対する加圧力を緩やかに開放する様にした。
【0008】
すなわち、本発明の第1の要旨は、円筒状のスクリーンの筒内にローターを配置し、当該ローターにより粉体を前記スクリーンの内面に分散させて篩分ける遠心式分級装置の前記ローターに適用される羽根であって、帯状に形成され且つ前記ローターの軸部の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って付設され、かつ、側面視した場合、前記ローターの外周部に相当する一方の長辺部の先端および後端に面取りされた形状を備えていることを特徴とする分級装置用の羽根に存する。
【0009】
また、本発明の第2の要旨は、原料粉体を所定粒径以下の製品粉体と前記所定粒径よりも大きな非製品粉体とに篩分ける遠心式分級装置であって、原料粉体を装入する原料供給口が設けられた供給部ケーシングと、篩分けられた製品粉体および非製品粉体を各取り出す製品粉体取出口および非製品粉体取出口が設けられた分級部ケーシングと、前記供給部ケーシングに収容され且つ前記原料供給口から供給された原料粉体を前記分級部ケーシングへ搬送するスクリューと、前記分級部ケーシングに収容され且つ原料粉体を製品粉体と非製品粉体とに篩分ける円筒状のスクリーンと、当該スクリーンの筒内に配置され且つ前記スクリューにより搬送された原料粉体を前記スクリーンの内面に分散させるローターとを備え、当該ローターには、軸部の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って帯状の羽根を付設して構成され、当該羽根は、側面視した場合、前記ローターの外周部に相当する一方の長辺部の先端および後端に面取りされた形状を備えていることを特徴とする分級装置に存する。
【0010】
更に、本発明の第3の要旨は、上記の分級装置を使用し、原料粉体を篩分けることにより、所定粒径以下の製品粉体を製造することを特徴とする粉体の製造方法に存する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遠心式分級装置においてスクリーンの後端部に対する衝撃負荷を減少させ、スクリーンの前端部に対する加圧力を緩やかに開放するため、スクリーンの破損を低減でき、その結果、より長時間に渡って連続して原料粒体を処理でき、一層効率的に製品粉体を製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る分級装置用の羽根、分級装置ならびに粉体の製造方法の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本発明に係る分級装置の主要部を示す縦断面図であり、図2は、分級装置に使用されるローターを示す図であり、図3は、ローターに使用される羽根の側面図である。なお、本発明は、粉体の分級処理に関するものであり、本発明において、粉体の概念には、粉体、粒状体および粉粒体から成る破砕可能な塊状物を含む。また、以下の説明においては、被処理物である粉体を原料粉体と称し、篩分けされた製品としての粉体を製品粉体と称し、篩分けされた残留物としての粉体を非製品粉体と称する。
【0013】
本発明において、分級処理により得られる製品粉体(図1中に符号(m)で示す粉体)としては、各種の電池材料が挙げられ、例えば、リチウム二次電池の正極材料に使用される粉体材料が挙げられる。具体的には、前述の様なリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、標準組成がLiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム遷移金属複合酸化物、あるいは、LiCoOやLiNiOと同じ層状構造を有し且つ遷移金属の一部をマンガン等で置換したリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
【0014】
上記のリチウム二次電池用正極材料の製造においては、先ず、各種のミルを使用し、リチウム遷移金属複合酸化物の構成原料(リチウム含有化合物、遷移金属含有化合物、マンガン、ニッケル、コバルト等)を例えば湿式混合、粉砕した後、得られたスラリーを噴霧乾燥して平均粒径4〜50μmの粉体を生成し、次いで、各種の加熱炉を使用し、前記の粉体を焼成してリチウム遷移金属複合酸化物の粉体(焼成粉体)を得る。また、必要に応じて、後段の分級処理における収率を高めるため、メッシュ、乳鉢、振動篩、ピンミル等を利用し、上記の焼成粉体を更に粗粉砕(解砕)する。
【0015】
本発明において、原料粉体(図1中に符号(m)で示す粉体)としては、上記の正極材料の製造過程で焼成により得られたリチウム遷移金属複合酸化物の粉体(焼成粉体)、または、焼成粉体を更に解砕して得られた粉体が挙げられる。すなわち、原料粉体(m)としては、リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属の焼成物、噴霧乾燥により得られた遷移金属の粉体の焼成物が挙げられる。本発明においては、例えば、平均粒径が5〜15μmの原料粉体(m)を処理し、最大粒径が通常は40μm以下、好ましくは35μm以下の製品粉体(m)を得る。製品粉体(m)の最大粒径を規定する理由は、リチウム二次電池の製造において塗膜作成時に筋ひきが発生し易くなるからであり、粉体の最大粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定できる。なお、以下の実施形態においては、正極材料としての粉体の製造を例に挙げて説明する。
【0016】
先ず、本発明に係る分級装置と共に、当該分級装置のローターに適用される分級装置用の羽根について説明する。本発明の処理装置は、縦型または横型の何れの構造にも構成できるが、図1に符号(1A)で示す様に、通常は横型構造に構成されている。分級装置(1A)は、概略、円筒状のスクリーン(6)の筒内にローター(4)を配置し、当該ローターにより原料粉体(m)をスクリーン(6)の内面に分散させ、原料粉体(m)を上記の所定粒径以下の製品粉体(m)と前記の所定粒径よりも大きな非製品粉体(m)とに篩分ける遠心式の分級装置である。なお、以下の説明においては、被処理物である原料粉体(m)の移動方向上流側を装置の基端側と言い、原料粉体(m)の移動方向下流側のを装置の先端側と言う。
【0017】
具体的には、上記の処理装置(1A)は、原料粉体(m)を装入する原料供給口(12)、製品粉体(m)を排出する製品粉体取出口(7)及び非製品粉体(m)を排出する非製品粉体取出口(8)が設けられたケーシング(1)と、当該ケーシングの後述する供給部ケーシング(1b)に収容され且つ原料供給口(12)から供給された原料粉体(m)を先端側へ搬送するスクリュー(3)と、ケーシング(1)の後述する分級部ケーシング(1c)に収容され且つ原料粉体(m)を製品粉体(m)と非製品粉体(m)とに篩分ける円筒状のスクリーン(6)と、スクリーン(6)の筒内に配置され且つスクリュー(3)により搬送された原料粉体(m)をスクリーン(6)の内面に分散させるローター(4)とを備えている。
【0018】
ケーシング(1)は、主に、駆動軸(21)を水平に収容する駆動部ケーシング(1a)と、当該駆動部ケーシングの先端側に連続して設けられ且つスクリュー(3)を収容する供給部ケーシング(1b)と、当該供給部ケーシングの先端側に連続して設けられ且つローター(4)及びスクリーン(6)を収容する分級部ケーシング(1c)とから成る。
【0019】
駆動部ケーシング(1a)は、円筒状に形成されており、駆動部ケーシング(1a)の基端部には、駆動軸(2)を回転させるモーター(21)が配置されている。供給部ケーシング(1b)は、上部に原料供給機構(5)を構成し且つ下部にスクリュー(3)を収容するため、水平断面が方形の縦長のダクト状に形成されている。供給部ケーシング(1b)の上端には、原料粉体(m)を装入するための原料供給口(12)設けられている。また、供給部ケーシング(1b)内の底部近傍には、スクリュー(3)によってコンベヤを構成するため、原料粉体(m)の移動方向に直交する断面形状を半円弧状に形成され且つスクリュー(3)の下半部を囲繞する案内板(13)が配置されている。
【0020】
分級部ケーシング(1c)は、ローター(4)及び分級用のスクリーン(6)を収容し且つ篩分けられた製品粉体(m)を一時的に収容可能な粉体収容室(17)をスクリーン(6)の更に外周側に形成し得る十分な大きさの内径の円筒状に形成されている。分級部ケーシング(1c)の底部には、スクリーン(6)で篩分けられた製品粉体(m)を回収するための粉体取出口(7)が取り付けられており、そして、分級部ケーシング(1c)の先端には、篩分けられた非製品粉体(m)を排出するダクト状の非製品粉体取出口(8)が取り付けられている。
【0021】
上記の駆動部ケーシング(1a)には、スクリュー(3)及びローター(4)を回転させるための駆動軸(2)が挿通されている。駆動軸(2)は、駆動部ケーシング(1a)内にブロックを介して配置された一対の軸受(25)、(25)により支持されている。そして、駆動部ケーシング(1a)の基端部に備えられたイバーター制御のモーター(21)によって所定速度で回転する様に構成されている。通常、駆動軸(2)の回転速度、換言すれば、スクリュー(3)及びローター(4)の回転速度は、400〜1800rpmに設定されている。
【0022】
駆動部ケーシング(1a)の先端部には、中央部が凹没し且つ中心に駆動軸(2)が相対的に挿通される短軸円柱状のブロック(11)が先端側の軸受(22)に隣接して配置されおり、各軸受(22)を含む駆動軸(2)の周囲は、ブロック(11)の駆動軸挿通穴との間に挿入されたシール材(23)により封止されている。また、ブロック(11)の中央の凹没部分は、スクリュー(3)の後端に同軸状に装着された円板状の防塵板(31)が緩く嵌合する防塵板収容部(11c)として構成されており、防塵板収容部(11c)は、空気供給管(32)及びブロック(11)内の通気路を通じて、加圧空気を供給可能に構成されている。これにより、分級部ケーシング(1c)に原料粉体(m)を供給した際の駆動部ケーシング(1a)内への粉塵の進入を防止できる。
【0023】
スクリュー(3)は、駆動軸(2)と同軸状に設けらており、螺旋状のブレード構成部材を駆動軸(21)に装着して構成されるか、或いは、図示する様に、螺旋状に連続するブレードが外周面に設けられた円筒状部材に駆動軸(2)を相対的に挿通して構成されている。スクリュー(3)は、供給部ケーシング(1b)に収められてコンベヤを構成し、供給された原料粉体(m)を先端側の分級部ケーシング(1c)へ一定速度で搬送する機能を備えている。一般的には、スクリュー(3)の外径は70〜120mm程度、ブレード(螺旋刃)の高さは20〜30mm程度、刃(ブレード)のピッチは35〜50mm程度である。
【0024】
供給部ケーシング(1b)の上部には、スクリュー(3)に対して均一に原料粉体(m)を供給し且つローター(4)における原料粉体(m)の変動を低減するために原料供給機構(5)が備えられている。原料供給機構(5)は、供給部ケーシング(1b)の側壁に取り付けられ且つその回転軸(52)がスクリュー(3)と平行かつ並列に供給部ケーシング(1b)内に挿入されたモーター(51)と、前記の回転軸(52)に付設された一対のスクレーパー(53)とから構成されている。
【0025】
各スクレーパー(53)は、モーター(51)の回転軸(52)を側面視した場合、一端部が僅かに長いU字状に帯状板を屈曲させた形状に形成され、かつ、回転軸(52)の軸線に対して相互に対称な状態に前記の一端部を回転軸(52)に取り付けて構成されられている。通常、スクレーパー(53)の回転直径は150〜250mm程度、回転軸(52)の軸方向に沿った一方のスクレーパー(53)の長さ(刃渡り)は60〜80mm程度に設計され、そして、各スクレーパー(53)の回転軸(52)からの長さは、モーター(51)を回転させた際、スクリュー(3)のブレード先端に近接した状態における隙間が5〜20mm程度となる様に設計される。なお、処理量の変動を低減し、ローター(4)及びスクリーン(6)の脈動を防止するため、原料供給口(12)には、ロータリーバルブやインバーター制御のスクリューフィーダーを介して原料粒体(m)を定量供給する原料供給機構(図示省略)が使用される。
【0026】
ローター(4)は、駆動軸(2)及びスクリュー(3)と同軸状に上記のスクリュー(3)の先端側に配置されており、被処理物である原料粒体(m)を撹拌し且つ当該原料粉体をスクリーン(6)の内面に分散させる機能、および、スクリーン(6)との隙間に原料粒体(m)を挟み込んで更に破砕する機能を有する。ローター(4)は、駆動軸(2)が相対的に挿通され且つ駆動軸(2)に伴って回転する円筒状の軸部(41)と、軸部(41)の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って付設された帯状の羽根(42)とから構成されている。
【0027】
具体的には、図2に示す様に、ローター(4)を構成する軸部(41)の基端部(図2(a)において右側部分)及び先端部(図2(a)において左側部分)には、各角部が切り欠かれた三角形の盤面形状を有する羽根取付板(43)(図2(b)参照)がそれぞれ取り付けられており、これら羽根取付板(43)の各先端部(切り欠かれた形状の部分)には、羽根(42)の厚みに相当する隙間の切込が当該羽根取付板の中心方向へ向けて設けられている。
【0028】
他方、ローター(4)の羽根(42)は、軸部(41)の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って且つ当該軸部に対してその軸線周りの対称な位置に複数枚配置されている。羽根(42)は、図3に示す様に、ポリアセタール、ニューライト等の樹脂から成る細長の帯状板で構成されている。羽根(42)の一方の長辺部(42b)は、ローター(4)の外周へ原料粉体(m)を飛翔させ且つスクリーン(6)の内面に原料粉体(m)を押付ける直線状のブレードとして形成され、他方の長辺部(図3中の下側の長辺部)は、その基端側および先端側にそれぞれ脚部(42f)を備えている。
【0029】
上記の羽根(42)は、各脚部(42f)の先端縁に設けられた切込(42s)を前述の前後1組の羽根取付板(43)の切込に噛合せることにより、図2に示す様に羽根取付板(43)の各先端部に例えば合計で3枚取り付けられ、更に、各羽根(42)は、各脚部(42f)に開口されたワイヤー穴(42h)と羽根取付板(43)に装着したテンション螺子(45)とに順次にワイヤー(44)を掛け回すと共に、当該ワイヤーの両端を羽根取付板(43)に固定し、テンション螺子(45)を締め付けることにより、軸部(41)の外周側に固定される。
【0030】
ローター(4)の羽根(42)の数は、通常は2〜4枚の範囲とされ、好ましくは図2に示す様に3枚に設定されている。ローター(4)の外径(羽根(42)の外周部の回転直径)は、分級する原料粉体(m)の規模に応じて80〜500mm程度の範囲において適宜設定される。羽根(42)の板厚は、3〜6mm程度とされ、羽根(42)の長さは、分級する原料粉体の規模に応じて100〜400mm程度の範囲において適宜設定される。なお、後述する面取り形状による効果を発揮させるため、羽根(42)の長さは、スクリーン(6)の有効長さと略同一に設定されている。そして、図2(a)に示す様に、羽根(42)は、平面視した場合、その先端側が軸部(41)の軸線に対して当該軸部の回転方向と反対方向へ所定の角度(θ)だけ傾斜した状態に取り付けられている。これにより、スクリュー(3)で供給された原料粉体(m)をローター(4)の回転によって破砕しながら先端側へ送り出すことが出来る。傾斜角度(θ)は、2〜10°程度である。
【0031】
本発明においては、スクリーン(6)の破損を防止して効率的に原料粒体(m)を処理するため、図3に示す様に、上記の羽根(42)は、側面視した場合、ローター(4)の外周部に相当する一方の長辺部(42b)の先端および後端に面取りされた形状を備えている。そして、後端部(図3における右側の端部)の面取り角度(θ)は、下限が通常は20°以上、好ましくは25°以上、更に好ましくは30°以上であり、上限が通常は50°以下、好ましくは48°以下、更に好ましくは45°以下である。前端部(図3における左側の端部)の面取り角度(θ)は、下限が通常は10°以上、好ましくは15°以上、更に好ましくは18°以上であり、上限が通常は40°以下、好ましくは35°以下、更に好ましくは30°以下である。なお、面取り角度とは、羽根(42)を側面視した場合の長辺部(42b)の外郭線に対する面取り部分の後退角度を言う。また、図2及び図3中の矢印は原料粉体(m)の移動方向を示す。
【0032】
また、後端部(図3における右側の端部)の面取り長さは、下限が通常は5mm以上、好ましくは6mm以上、更に好ましくは7mm以上であり、上限が通常は20mm以下、好ましくは18mm以下、更に好ましくは15mm以下である。前端部(図3における左側の端部)の面取り長さは、下限が通常は2mm以上、好ましくは3mm以上、更に好ましくは4mm以上であり、上限が通常は12mm以下、好ましくは10mm以下、更に好ましくは8mm以下である。なお、面取り長さとは、羽根(42)を側面視した場合の長辺部(42b)の外郭線に対する面取り部分の長さを言う。
【0033】
羽根(42)の前端部および後端部の形状を上記の様な特定形状に形成することにより、スクリーン(6)の破損防止に優れた効果が得られる理由は次の様に考えられる。すなわち、羽根(42)の長辺部(42b)の後端の面取り部分(角度(θ)の部分)においては、スクリーン(6)との間に形成される隙間が前方に向かうに従い漸次狭くなっており、当該隙間に捕捉された原料粒体(m)を羽根(42)によるスクリーン(6)への押付けにより移動させながら漸次破砕するため、スクリーン(6)の後端取付部分に対する衝撃負荷が少なくなると考えられる。
【0034】
羽根(42)の後端部の面取り角度(θ)が20°未満の場合は、スクリーン(6)の後端部に対する衝撃力をさほど緩和できす、スクリーン(6)が損傷し易いと言う傾向が現れる。一方、羽根(42)の後端部の面取り角度(θ)が50°を越えた場合にも、長辺部(42b)と面取り部分との角部が鋭角に近付き、面取り形状の効果が得られず、上記と同様に、スクリーン(6)が損傷し易いと言う傾向が現れる。また、羽根(42)の後端部の面取り長さが5mm未満の場合は、スクリーン(6)の後端部に対する衝撃力をさほど緩和できず、スクリーン(6)が損傷し易いと言う傾向が現れる。一方、羽根(42)の後端部分の面取り長さが20mmを超えた場合にも、長辺部(42b)と面取り部分との角部が鋭角に近付き、面取り形状の効果が得られず、上記と同様に、スクリーン(6)が損傷し易いと言う傾向が現れる。
【0035】
また、羽根(42)の長辺部(42b)の前端の面取り部分(角度(θ)の部分)においては、スクリーン(6)との間に形成される隙間が前方に向かうに従い漸次広くなっており、スクリーン(6)を通過せずに羽根(42)とスクリーン(6)との間に挟まれた非製品粉体(m)を円滑に排出し、スクリーン(6)の前端取付部分において羽根(42)による加圧力を緩やかに開放するため、前記の取付部分(スクリーン(6)とその固定部材との係合部分)での部材間の競合いが少なくなると考えられる。
【0036】
羽根(42)の前端部の面取り角度(θ)が10°未満の場合は、スクリーン(6)の前端取付部分における加圧力の変化率が大きくなり、スクリーン(6)の前端取付部分での損傷が発生し易くなる。一方、先端部の面取り角度(θ)が40°を越えている場合にも、面取り形状の効果が得られず、上記と同様に、スクリーン(6)の前端取付部分での損傷が発生し易くなる。また、羽根(42)の前端部の面取り長さが2mm未満の場合は、スクリーン(6)の前端部取付部分における加圧力の変化率が大きくなり、スクリーン(6)の前端取付部分での損傷が発生し易くなる。一方、先端部の面取り長さが12mmを超えている場合にも、面取り形状の効果が得られず、上記と同様に、スクリーン(6)の前端取付部分での損傷が発生し易くなる。
【0037】
更に、分級部ケーシング(1c)においては、ローター(4)の羽根(42)と後述するスクリーン(6)との隙間が5〜15mmに設定されているのが好ましい。羽根(42)とスクリーン(6)との隙間を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、羽根(42)とスクリーン(6)との隙間が5mm未満の場合は、隙間に捕捉される原料粉体(m)の量が少なく、破砕量が低下するため、製品粉体(m)の収率が低下し、また、スクリーン(6)に対する負荷も増大する。一方、羽根(42)とスクリーン(6)との隙間が15mmを越えた場合は、隙間に捕捉される原料粉体(m)の量は増加するものの、スクリーン(6)への押付け力が低下し、破砕力自体も低下するため、上記と同様に製品粉体(m)の収率が低下する。
【0038】
分級部ケーシング(1c)には、分級用のスクリーン(6)が配置されている。スクリーン(6)は、ローター(4)の回転および当該ローターによる原料粉体(m)の押付けにより振動し、目詰まりを生じることなく、製品粉体(m)と非製品粉体(m)とを篩分けるフィルターである。スクリーン(6)は、筒状体に形成され、駆動軸(2)の軸線方向に沿って配置されている。具体的には、スクリーン(6)は、例えば、分級部ケーシング(1c)の基端部に配置された短軸円筒状のブロック(14)及び(15)の段差部と、分級部ケーシング(1c)の先端部に配置された短軸円筒状の段差付のブロック(16)段差部とを利用し、分級部ケーシング(1c)内でローター(4)と同軸状に配置されている。
【0039】
スクリーン(6)の素材としては、金属製などの網も使用できるが、製品粉体(m)がリチウム二次電池用正極材料などの電池材料である場合は、電池の安全性を損なわせる金属異物の混入を防止すると言う観点から、通常はナイロン、ポリエステル、ポリアリレート等の樹脂製の網が使用される。スクリーン(6)の内径は、分級する原料粉体(m)の規模に応じて100〜500mm程度の範囲において適宜設定される。また、スクリーン(6)の有効長さは、分級する原料粉体(m1)の規模に応じて100〜400mm程度の範囲において適宜設定される。更に、スクリーン(6)の目開き(篩目開き)は、下限が通常は27μm以上、好ましくは30μm以上、更に好ましくは35μm以上であり、上限が通常は55μm以下、好ましくは52μm以下、更に好ましくは50μm以下である。目開きが上記の下限値より大きい場合は、分級効率が良いので好ましい。また、目開きが上記の上限値より小さい場合は、製品粉体(m)に悪影響を及ぼす粗大粒子を排除できるので好ましい。
【0040】
スクリーン(6)は、対向させた環状のフランジ(61)及び(62)の各内側端部に対し、予め円筒状に巻回された網の中心線方向の両端部を係止すると共に、フランジ(61)の鍔とフランジ(62)の鍔に亙ってテンションロッド(63)(図1中に鎖線で示す部分)を複数本架け渡して構成されている。テンションロッド(63)は、例えば、両端が螺子棒で構成されており、フランジ(61)及び(62)の鍔に均等配置された穴に両端を挿通してナットで固定し、かつ、一方のナットの固定位置を調節することにより、フランジ(61)とフランジ(62)の離間距離を変え、網の張力を調節する様になされている。
【0041】
なお、分級部ケーシング(1c)において、上記のブロック(15)は、その内周部が供給部ケーシング(1b)内の案内板(13)と同一直径に形成され且つ当該案内板に連続し、スクリュー(3)で供給される原料粒体(m)をスクリーン(6)の内部へ導入する様に構成されている。また、スクリーン(6)の先端部は、分級部ケーシング(1c)の先端部において開口し、スクリーン(6)を通過しなかった非製品粉体(m)を非製品粉体取出口(8)へ排出する様になされている。そして、分級部ケーシング(1c)の底部に配置された粉体取出口(7)は、スクリーン(6)を通過して粉体収容室(17)に取り出された製品粉体(m)を自由落下、または、ファン、ブロワー等による吸引により装置外へ排出する様になされている。
【0042】
また、分級部ケーシング(1c)の上部には、ローター(4)による分級操作で発生した粉塵(製品粉体(m)よりも更に小径の製品に適さない微粉)を除去するため、粉体収容室(17)の空気を濾材を介して排出する濾過装置としてのバグフィルター(9)が付設されている。
【0043】
上記の様に、分級装置(1A)においては、ローター(4)による原料粒体(m)の撹拌と原料粒体(m)同士の衝突、および、スクリーン(6)への押付けにより、原料粒体(m)を更に破砕し、ローター(4)の羽根(42)による遠心力と押付力により所定粒径以下の製品粉体(m)をスクリーン(6)で篩分ける様になされている。しかも、ローター(4)の羽根(42)が特定の形状を備えていることにより、スクリーン(6)の破損を低減でき、より長時間に渡って連続して原料粒体(m)を処理でき、一層効率的に製品粉体(m)を製造することが出来る。
【0044】
次に、上記の分級装置(1A)を使用した本発明に係る粉体の製造方法について説明する。原料粉体(m)の処理においては、先ず、原料供給口(12)から供給部ケーシング(1b)内へ原料粉体(m)を連続的に定量供給する。その際、原料供給機構(5)のスクレーパー(53)により、スクリュー(3)上に供給された原料粉体(m)が供給部ケーシング(1b)内で閉塞するのを防止し、そして、駆動軸(2)によって回転するスクリュー(3)により、分級部ケーシング(1c)のスクリーン(6)の筒内へ原料粉体(m)を移送する。装置規模によっても異なるが、通常、原料粉体(m)の供給量は100g〜2000g/分である。
【0045】
分級部ケーシング(1c)内のスクリーン(6)の内部では、一定速度で回転するローター(4)により原料粉体(m)を当該ローターの外周側に飛散させてスクリーン(6)の内面に分散させる。その際、原料粉体(m)を十分に飛翔させて原料粉体(m)同士の衝突効果を高め、しかも、スクリーン(6)に高周期の振動を発生させるため、ローター(4)の回転速度は、前述の様に、下限が通常は400rpm以上、好ましくは500rpm以上、更に好ましくは600rpm以上であり、上限が通常は1800rpm以下、好ましくは1700rpm以下、更に好ましくは1600rpm以下である。回転速度が上記の下限値より速い場合は、分級効率が良いので好ましい。また、回転速度が上記の上限値より遅い場合は、スクリーンにかかる負荷を軽減でき、スクリーンの損傷を低減できるので好ましい。ローター(4)の回転速度は、例えば1400rpmに制御される。
【0046】
分級操作においては、ローター(4)の羽根(42)により原料粉体(m)を撹拌し、かつ、遠心力と羽根(42)によるスクリーン(6)への押付けにより、原料粉体(m)中の例えば粒径45μm以下の製品粉体(m)をスクリーン(6)で篩分ける。しかも、分級操作においては、ローター(4)の羽根(42)によって原料粉体(m)を撹拌し且つ原料粉体(m)同士を衝突させ、更に、羽根(42)によって原料粉体(m)をスクリーン(6)へ押付けることにより、原料粉体(m)を更に破砕しながら篩分けを行う。その結果、上記の粒径の製品粉体(m)を効率的に製造でき、その収率を高めることが出来る。
【0047】
また、分級部ケーシング(1c)の底部に設けられた製品粉体取出口(7)は、十分な容量を備えた缶などの容器や、負圧に保たれた流路などに接続されており、上記の分級操作においてスクリーン(6)外周の粉体収容室(17)に篩分けられた製品粉体(m)は、製品粉体取出口(7)から装置外へ取り出される。一方、分級操作においてスクリーン(6)を通過しなかった所定粒径よりも大きな非製品粉体(m)は、スクリーン(6)の先端部から残留粉体として非製品粉体取出口(8)から取り出される。なお、取り出された非製品粉体(m)は、製品粉体(m)の収率を高めるため、原料粉体(m)として再利用してもよい。
【0048】
本発明においては、前述の様に、ローター(4)の羽根(42)が特定の形状に形成されており、スクリーン(6)の後端取付部分に対する衝撃負荷を減少させることが出来、また、羽根(42)前端部とスクリーン(6)との間に形成される隙間に挟まれた非製品粉体(m)を円滑に排出し、スクリーン(6)の前端取付部分に対する加圧力を緩やかに開放できるため、スクリーン(6)の破損を低減することが出来る。その結果、より長時間に渡って連続して原料粉体(m)を処理でき、一層効率的に製品粉体(m)を製造することが出来る。
【実施例】
【0049】
実施例:
図示した構造の分級装置(1A)を使用し、平均粒径8μmのリチウム遷移金属複合酸化物の焼成粉体を分級処理してリチウム二次電池の正極材料を製造した。分級装置(1A)は、ターボ工業社により商品名「ターボスクリーナー TS125 200」として製造された装置の本体を利用して構成した。
【0050】
分級装置(1A)においては、スクリーン(6)として、内径が125mm、有効長さが200mm、目開きが45μmのポリエステル製スクリーンを使用した。ローター(4)は、長さが200mmの羽根(42)を3枚取り付け、外径(羽根(42)の回転径)を116mmに設計した。羽根(42)の後端の面取り形状の部分については、その長さを10mm、面取り角度(θ)を40°に設定し、羽根(42)の前端の面取り形状の部分については、その長さを5mm、面取り角度(θ)は20°に設定した。
【0051】
分級装置(1A) による処理では、ローター(4)の回転速度を1400rpmに制御し、1回分の処理で約190〜200kgの焼成粉体を原料粉体(m)として1kg/minの供給量で供給した。そして、10回の処理を行い、かつ、1回分の処理毎に得られた製品粉体(m)及び非製品粉体(m)の量と共にスクリーン(6)の破損の有無を確認した。その結果、表1に示す様に、1〜9回目を連続して処理することが出来、10回目の処理においてスクリーン(6)に破損が見られた。なお、表中の○印はスクリーン(6)に損傷がなかったことを示し、 印はスクリーン(6)に損傷が発生したことを示す。
【0052】
【表1】

【0053】
比較例:
羽根(42)の前後端に面取り形状を付与しなかった点を除き、実施例と同様の分級装置(1A)を使用し、実施例と同様の処理を行った。その結果、表2に示す様に、2、4、6、8、10回目の処理においてスクリーン(6)に破損が確認され、2回以上の処理を連続して行うことは出来なかった。
【0054】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る分級装置の主要部の構造を一部破断して側面側から示した縦断面図である。
【図2】図1の分級装置に使用されるローターを示す図であり、分図(a)、(b)はそれぞれ上面図、正面図である。
【図3】図2のローターに使用される羽根の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
1A :分級装置
1 :ケーシング
1a :駆動部ケーシング
1b :供給部ケーシング
1c :分級部ケーシング
12 :原料供給口
17 :粉体収容室
2 :駆動軸
21 :モーター
3 :スクリュー
4 :ローター
41 :軸部
42 :羽根
42b:長辺部
5 :原料供給機構
53 :スクレーパー
6 :スクリーン
7 :製品粉体取出口
8 :非製品粉体取出口
:原料粉体(焼成粉体)
:製品粉体(正極材料)
:非製品粉体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のスクリーンの筒内にローターを配置し、当該ローターにより粉体を前記スクリーンの内面に分散させて篩分ける遠心式分級装置の前記ローターに適用される羽根であって、帯状に形成され且つ前記ローターの軸部の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って付設され、かつ、側面視した場合、前記ローターの外周部に相当する一方の長辺部の先端および後端に面取りされた形状を備えていることを特徴とする分級装置用の羽根。
【請求項2】
後端の面取り角度が20〜50°、先端の面取り角度が10〜40°である請求項1に記載の羽根。
【請求項3】
樹脂により構成されている請求項1又は2に記載の羽根。
【請求項4】
原料粉体を所定粒径以下の製品粉体と前記所定粒径よりも大きな非製品粉体とに篩分ける遠心式分級装置であって、原料粉体を装入する原料供給口が設けられた供給部ケーシングと、篩分けられた製品粉体および非製品粉体を各取り出す製品粉体取出口および非製品粉体取出口が設けられた分級部ケーシングと、前記供給部ケーシングに収容され且つ前記原料供給口から供給された原料粉体を前記分級部ケーシングへ搬送するスクリューと、前記分級部ケーシングに収容され且つ原料粉体を製品粉体と非製品粉体とに篩分ける円筒状のスクリーンと、当該スクリーンの筒内に配置され且つ前記スクリューにより搬送された原料粉体を前記スクリーンの内面に分散させるローターとを備え、当該ローターには、軸部の外周側に当該軸部の長さ方向に沿って帯状の羽根を付設して構成され、当該羽根は、側面視した場合、前記ローターの外周部に相当する一方の長辺部の先端および後端に面取りされた形状を備えていることを特徴とする分級装置。
【請求項5】
後端の面取り角度が20〜50°、先端の面取り角度が10〜40°である請求項4に記載の分級装置。
【請求項6】
ローターの回転数が400〜1800rpmに設定されている請求項4又は5に記載の分級装置。
【請求項7】
請求項4〜6の何れかに記載の分級装置を使用し、原料粉体を篩分けることにより、所定粒径以下の製品粉体を製造することを特徴とする粉体の製造方法。
【請求項8】
ローターにより原料粉体を更に破砕しながら篩分けることにより、所定粒径以下の製品粉体を製造する請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
製品粉体が、電子材料である請求項7又は8に記載の製造方法。
【請求項10】
製品粉体が、電池材料である請求項7〜9の何れかに記載の製造方法。
【請求項11】
原料粉体が、リチウム遷移金属複合酸化物である請求項7〜10の何れかに記載の製造方法。
【請求項12】
原料粉体が、遷移金属の焼成物である請求項7〜11の何れかに記載の製造方法。
【請求項13】
原料粉体が、噴霧乾燥により得られた遷移金属の粉体の焼成物である請求項12に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−64049(P2010−64049A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235391(P2008−235391)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】