説明

利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、複合装置等の利用管理、利用制限区域への入出管理等の利用者認証を行う利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】本実施例の複合装置1は、利用許可対象の利用者を認証する利用者認証情報をNVRAM123に登録し、利用者の未ログイン状態においては、近傍用ICカードリーダ110aによって、近距離受信範囲内にいる利用者の所持するICカードと非接触通信して利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報とNVRAM123の利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、また、利用者のログイン状態においては、遠方用ICカードリーダ110bによって、遠距離受信範囲内にいる利用者の所持するICカードと非接触通信を行って利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報がログイン中の利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者のログイン状態を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、プリンタ装置、複写装置、複合装置のOA(Office Automation )装置の利用管理、利用制限区域への入出管理等の利用者認証を行う利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、複写装置、複合装置等のOA装置の利用には、OA装置の維持管理や消耗品の管理を適切に行うために、また、その使用に課金を行うために、従来からOA装置の利用を予め登録された利用者にのみ制限する利用者制限が行われており、また、機密を要する部屋等の利用制限区域への入出を予め登録された利用者にのみ制限する利用者制限等が行われている。
【0003】
これらの利用者制限を行うためには、予め利用を許可する利用者を登録し、利用者による利用の可否を行うために、利用者が予め登録された利用者であるか否かの利用者認証を行っている。
【0004】
この利用者認証においては、近年、非接触型ICカードの普及に伴って、利用者を識別する認証手段として該非接触型ICカード等の非接触型の認証情報記録媒体を用いた利用者認証装置は、該非接触型の認証情報記録媒体と認証情報取得装置とが無線通信等によって信号の授受を行うことで、該非接触型の認証情報記録媒体を所持している利用者が予め利用許可利用者として登録されている利用者であるかを判別している。
【0005】
ところが、この非接触型の認証情報記録媒体を用いた利用者認証装置においては、認証情報取得装置による非接触型の認証情報記録媒体の認識情報取得可能範囲、すなわち、非接触型の認証情報記録媒体と通信して該非接触型の認証情報記録媒体の記録する認証情報を取得することのできる範囲を広くすると、該認証情報取得装置の適用されている機器の近傍を通過するだけの利用者の携帯している非接触型の認証情報記録媒体に反応してしまい、本来の認証対象とすべき非接触型の認証情報記録媒体に対する正常な認証処理が阻害されて誤認証を発生したり、不要な認証を行うおそれがある。
【0006】
一方、認証情報取得装置による非接触型の認証情報記録媒体の認識可能範囲を至近距離のみに限定すると、例えば、認証情報取得装置を比較的大きな装置、例えば、複写装置等に適用した場合、利用者が該複写装置に各種操作を行う距離に対して、認証情報取得装置が非接触型の認証情報記録媒体と通信して認証情報を取得する距離が短いと、利用者は、例えば、用紙切れ等で複写装置から少し離れた場所に保管されている用紙を取りに行ってセットする場合にも認証が解除されずに、複写装置に対して操作を行う全ての間、認証情報取得装置に非接触型の認証情報記録媒体を認識させておくために、非接触型の認証情報記録媒体を複写装置に近くにセットする等の操作を行って一時的に非接触型の認証情報記録媒体を手放すことが必要となり、利用性が悪いだけでなく、操作終了後に非接触型の認証情報記録媒体を置き忘れて、利用制限に支障をきたすおそれがある。
【0007】
そこで、従来、1つの認証手段を利用して、該認証手段がユーザ識別情報を認証すると、該認証手段の感度を高感度に切り替えて、より広い範囲での該ユーザの認証を行って該受信したユーザ識別情報に基づいて処理を継続する技術(特許文献1参照)や、ICカードリーダユニットと、その近傍のICカードセンサを備え、ICカードリーダユニット近傍のログイン領域以外の機器全体を包括する操作領域にログイン中ユーザが存在すると、その状態を把握するコントローラを備えた技術(特許文献2参照)が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−309599号公報
【特許文献2】特開2007−172498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1記載の従来技術にあっては、1つの認証手段の感度を切り替えて2種類の認証距離の認証処理を行うことで、誤認証の防止と機器の操作性の向上を図っており、認証手段の感度の切り替え処理と認証状態の制御が複雑であり、誤認証や制御の複雑さによる装置の大型化や複雑化を招くおそれがあり、改良の必要があった。
【0010】
また、特許文献2記載の従来技術にあっては、ICカードリーダユニットとICカードリーダユニット近傍に配設されたICカードセンサを備え、ICカードリーダユニットでユーザのログインを検知すると、ログイン領域以外の機器全体を包括する操作領域にログイン中ユーザが存在するか否かをICカードセンサで検出してログイン状態を把握しているため、ICカードリーダユニットとICカードセンサが常に検出動作を行っており、省エネルギーを行う上で改良の必要があるとともに、より一層検出精度を向上させてより一層誤認証の防止と利用性の向上を図る上で、改良の必要があった。
【0011】
そこで、本発明は、利用者の認証を消費エネルギーを削減しつつ、利用性が良好な状態でかつ利用態様に適切な状態で認証を行う利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、消費エネルギーを削減しつつ、利用性が良好な状態でかつ利用態様に適切な状態で利用者認証を行うために、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を予め認証情報登録手段に登録し、利用者に対する利用未許可状態においては、近距離認証情報取得手段によって、所定の近距離の範囲内にいる利用者の所持する認証情報記録媒体と非接触で通信して該認証情報記録媒体に記録されている利用者認証情報を取得して、該取得した利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、また、利用者に対する利用許可状態においては、遠距離認証情報取得手段によって、該近距離範囲よりも遠距離の範囲内にいる利用者の所持する認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該認証情報記録媒体に記録されている利用者認証情報を取得して、該取得した利用者認証情報が該利用を許可している利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者の利用許可状態を継続する。
【0013】
また、本発明は、省エネルギーをより一層削減するために、利用者の利用未許可状態においては、近距離範囲内でのみ認証情報取得を行い、利用者の利用許可状態においては、遠距離範囲内での認証情報取得を行う。
【0014】
さらに、本発明は、省エネルギーをより一層削減するために、近距離範囲内での認証情報取得と遠距離範囲内での認証情報取得を所定の駆動間隔で、また、それぞれ異なる駆動間隔で行う。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を予め認証情報登録手段に登録し、利用者に対する利用未許可状態においては、近距離認証情報取得手段によって、所定の近距離の範囲内にいる利用者の所持している認証情報記録媒体と非接触で通信して該認証情報記録媒体から利用者認証情報を取得して、該取得した利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、また、利用者に対する利用許可状態においては、遠距離認証情報取得手段によって、近距離範囲よりも遠距離の範囲内にいる利用者の所持している認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該認証情報記録媒体から利用者認証情報を取得して、該取得した利用者認証情報が該利用を許可している利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者の利用許可状態を継続するので、消費エネルギーを削減することができるとともに、利用性が良好な状態でかつ利用態様に適切な状態で利用者認証を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0017】
図1〜図9は、本発明の利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した複合装置1の正面概略構成図である。
【0018】
図1において、複合装置1は、本体筐体2の上面部に、コンタクトガラス3が配設されており、コンタクトガラス3の下方の本体筐体2の内部に、図示しない第1キャリッジに搭載されたランプ4と第1ミラー5、図示しない第2キャリッジに搭載された第2ミラー6と第3ミラー7及びレンズ8とCCD(Charge Coupled Device )9からなるスキャナエンジンユニット10が配設されている。
【0019】
スキャナエンジンユニット10は、第1キャリッジ及び第2キャリッジが、図示しないモータにより駆動されて、図1の左右方向である副走査方向に移動し、コンタクトガラス3上に固定的にセットされた原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を読み取る。
【0020】
複合装置1は、本体筐体2の上部にADF(Auto Document Feeder)20がコンタクトガラス3の上面を開閉可能に取り付けられており、ADF20は、開くことで、コンタクトガラス3上に原稿をセット可能となっていて、コンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で閉じられると、該原稿をコンタクトガラス3に押しつける圧板の機能をも有している。
【0021】
ADF20は、原稿台21、給送ローラ22、給送ベルト23、該給送ベルト23に沿って複数設けられた搬送ローラ24、排紙ローラ25、排紙台26及び原稿セット検知センサ27等が配設されている。
【0022】
ADF20は、原稿台21に原稿がその画像面を上にして原稿束がセットされている状態で、操作部60(図2参照)上のスタートキーが押下されると、給送ローラ22により原稿台21上にセットされた原稿束の一番下の原稿から1枚ずつ分離して、給送ベルト23に送り出し、給送ベルト23に送り出した原稿を搬送ローラ24で移動される給紙ベルト23によってコンタクトガラス3上の所定の位置に給送する。
【0023】
複合装置1は、コンタクトガラス3上の原稿を、スキャナエンジンユニット10によってその画像情報を読み取った後に、給送ベルト23、排送ローラ25によって排紙台26上に排出する。
【0024】
このADF20は、一枚の原稿の給送完了毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。
【0025】
複写装置1は、原稿セット検知センサ27が原稿台21上に次の原稿が有ることを検知すると、上記同様に、原稿台21上の一番下の原稿を給送ローラ22及び給送ベルト23でコンタクトガラス3上の所定の位置に給送し、コンタクトガラス3上の原稿の画像情報を、スキャナエンジンユニット10で読み取った後、給送ベルト23、排送ローラ25によって排紙台26上に排出する。なお、給送ローラ22、給送ベルト23及び排送ローラ25は、図示しない搬送モータによって駆動される。
【0026】
複写装置1は、本体筐体2内のスキャナエンジンユニット10の下方に、プロッタエンジンユニット30が配設されており、プロッタエンジンユニット30は、感光体(例えば、感光体ドラム)31、書き込みユニット32、現像部33、搬送ベルト34、定着部35、搬送切り替え排紙部36、両面入紙搬送路37、反転排紙搬送路38、反転ユニット39、両面搬送ユニット40、給紙部群41、搬送ユニット42及び排紙トレイ43等が配設されている。
【0027】
プロッタエンジンユニット30は、図示しないメインモータにより図1の時計方向に回転駆動される感光体31の表面を、図示しない帯電器により一様に帯電させ、その感光体31の表面にスキャナエンジンユニット10で読み取られた画像情報または図示しない外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)から送られてきたデータに基づいて書き込みユニット32により書き込ませて、静電潜像を形成させる。プロッタエンジンユニット30は、静電潜像の形成された感光体31に、現像部33からトナーを供給して、トナー画像として顕像化し、感光体31上の顕像化したトナー画像を転写機能を兼ね備えた搬送ベルト34で、給紙部群41の1つから給紙されて搬送ユニット42で搬送されてきた用紙Pに転写させる。プロッタエンジンユニット30は、トナー画像の転写された用紙Pを搬送ベルト34で定着部35に搬送させて、定着部35で定着処理を行わせた後、搬送切り替え排紙部36に送って、搬送切り替え排紙部36で、搬送経路の切り換えを行う。搬送切り替え排紙部36は、用紙Pをそのまま排紙するときには、本体筐体2の側面に設けられた排紙トレイ43上に排紙させる。プロッタエンジンユニット30は、転写の完了した感光体31を図示しないクリーニング部でクリーニングして残留トナーを除去し、図示しない除電部で除電した後、再度、帯電部で一様に帯電させて、次の画像形成に供する。
【0028】
搬送切り替え排紙部36には、両面入紙搬送路37と反転排紙搬送路38によって、用紙Pの表裏面を反転させる反転ユニット39と反転ユニット39で反転された用紙Pを再度搬送ユニット42を介して感光体31と搬送ベルト34との間に搬送する両面搬送ユニット40が接続されており、搬送切り替え排紙部36は、反転排紙または両面記録が選択されていると、片面に画像が形成されて定着の完了した用紙Pを反転排紙搬送路38を介して反転ユニット39に送り込む。
【0029】
反転ユニット39は、反転排紙が選択されていると、搬送切り替え排紙部36から送り込まれてくる用紙Pを一旦引き込んで用紙Pの表裏面を反転させた状態で、反転排紙搬送路38を介して搬送切り替え排紙部36に送り出し、搬送切り替え排紙部36は、反転ユニット39で表裏面の反転された用紙Pを排紙トレイ43上に排出する。
【0030】
両面搬送ユニット40は、両面記録が選択されていると、反転ユニット39が一旦引き込んで表裏面を反転させた用紙Pを引き込んで、搬送ユニット42に送り出し、搬送ユニット42が、再度、感光体31と搬送ベルト34との間に搬送させて、裏面への画像形成に供する。
【0031】
上記給紙部群41は、第1給紙部51から第3給紙部53の3つの給紙部を備え、各給紙部51〜53は、それぞれ第1給紙トレイ51a〜第3給紙トレイ53aと、各給紙トレイ51a〜53a内の用紙Pを1枚ずつ分離して搬送ユニット42に送り出す給紙ローラ部51b〜53bを備えている。給紙部群41は、選択された給紙部51〜53の給紙ローラ部51b〜53bを駆動させて、該選択された給紙部51〜53の給紙トレイ51a〜53a内の用紙Pを1枚ずつ分離して搬送ユニット42に送り出す。
【0032】
搬送ユニット42は、給紙部群41の給紙部51〜53から送り出された用紙Pを感光体31と搬送ベルト34との間に搬送する。
【0033】
また、複合装置1は、本体筐体2の上部に、図2にその平面図を示すように、操作部60を備えており、操作部60は、液晶タッチパネル(液晶ディスプレイ)61、テンキー62、クリア/ストップキー63、スタートキー64、リセット/認証解除キー65、予熱キー66、初期設定キー67、コピーキー68及びファックスキー69等が設けられている。液晶タッチパネル61には、機能キー及び部数や複合装置1の状態を示すメッセージ等の各種情報、例えば、装置本体2内での紙詰まり(ジャム)の発生情報、ドア・カバー類のオープン情報等が表示される。
【0034】
上記液晶タッチパネル61は、例えば、ログインの許可された利用者によってコピーキー68が押下されると、図3に示すような表示を行い、例えば、液晶タッチパネル61の表示領域の左上部には、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右側には、セットした枚数を表示するコピー枚数表示エリア、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー等が表示される。また、液晶タッチパネル61は、選択されているモードについては、該モードのキーを網掛け表示(黒反転表示)する。
【0035】
そして、液晶タッチパネル61は、利用者が液晶タッチパネル61に表示された機能キーにタッチすることで、選択された機能を示す機能キーを黒く反転させる。また、液晶タッチパネル61は、機能の詳細を指定する場合(例えば、変倍であれば、変倍値等)に、機能キーにタッチされると、詳細機能の設定画面を表示する。このように、液晶タッチパネル61は、ドット表示器を使用しているため、そのときの最適な表示をグラフィカルに行うことができる。
【0036】
初期設定キー67は、複合装置1の初期状態を任意にカスタマイズする際に押下され、複合装置1が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のモードクリアキーを押したときに設定される状態を任意に設定したり、また、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等の選択設定を行ったり、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定やオートオフ/スリープモードへ移行する時間の設定を行ったりすることができる。特に、初期設定キー67は、後述する本発明の利用者認証処理において複合装置1の利用を許可する利用者の利用者認証情報の登録、変更、削除を行うのに使用される。
【0037】
予熱キー66は、複合装置1を待機状態から電力低減状態に移行させて、定着温度を低下させたり、操作部60の表示を消灯するのに使用される。予熱状態は、国際エネルギースター計画での低電力状態を意味している。また、予熱状態、オフ状態/スリープ状態を解除し、待機状態に移行させるには、この予熱キー66を再度押下する。
【0038】
コピーキー68は、原稿画像のコピーを行う際に押下され、ファックスキー69は、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を複合装置1に実行させるときに押下される。
【0039】
そして、複合装置1は、図4に示すように、ブロック構成されており、メインコントローラ100、IPU(Image Processing Unit:画像処理ユニット)101、上記定着部35、ADF(Auto Document Feeder)20、ADF20の搬送モータ102、ADF20の原稿台への原稿のセットを検出する原稿セット検知センサ27、メインモータ103、中間クラッチ104、第1から第3給紙クラッチ105〜107及び上記操作部60、操作部60の液晶タッチパネル61、テンキー62からファックスキー69を総称するキー入力部108等を備えているとともに、非接触型の認証情報記録媒体であるICカードに記録されている利用者認証情報を読み取るICカードリーダユニット110を備えている。上記ADF20、操作部60及びIPU101は、分散制御部としてメインコントローラ100に接続されており、これらの各分散制御部とメインコントローラ100とは、必要に応じて機器の状態や動作指示のやり取りを行う。また、メインコントローラ100には、メインモータ103、中間クラッチ104、第1〜第3給紙クラッチ105〜107、定着部35及びICカードリーダユニット110が、に直接接続されている。
【0040】
IPU101は、スキャナエンジンユニット10からの画像データに所定の画像処理を施して、該画像処理後の画像データを図示しない画像メモリに保存し、また、画像メモリから読み出した画像データに必要な画像処理、例えば、解像度調整、画像回転、画像拡大/縮小等の画像処理を施して、該画像処理後の画像データをメインコントローラ110に渡す。
【0041】
メインコントローラ100は、MPU(Micro Processing Unit)120、RAM(Random Access Memory)121、ROM(Read Only Memory)122及びNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)123等を備えている。
【0042】
ROM122は、データの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、複合装置1としての基本処理プログラム及び後述する利用者認証処理プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。この利用者認証処理プログラムは、予めROM122に格納されている場合に限るものではなく、ROM122が書き込み可能であって、CD(Compact Disc)、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録されている後述する利用者認証処理プログラムを読み込ませて格納してもよい。そして、この複合装置1は、この記録媒体に記録されている利用者認証処理プログラムが導入されて、実行されることで、本発明の利用者認証方法を実行する利用者認証装置を搭載する複合装置1として構築される。
【0043】
MPU120は、ROM122内のプログラムに基づいて、RAM121をワークメモリとして利用しつつ、複合装置1の各部を制御して、複合装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する利用者認証処理を実行する。
【0044】
NVRAM123は、複合装置1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、複合装置1の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータ、特に、後述する利用者認証処理で使用する各種データや設定情報、特に、複合装置1の利用を許可する利用者に関する利用者認証情報等をMPU120の制御下で記憶する。
【0045】
メインコントローラ110は、ADF20の原稿台21への原稿のセットを検出する原稿セット検知センサ27の検出結果等に基づいて搬送モータ102等の駆動を制御して、ADF20の動作を制御し、メインモータ103、中間クラッチ104及び第1〜第3給紙クラッチ105〜107等を制御して、スキャナエンジン10及びプロッタエンジンユニット30を制御して、原稿読み取り動作(スキャナ動作)、画像形成動作(プリント動作)、コピー動作を制御するとともに、図示しないファクシミリユニットを制御して、ファクシミリ動作処理を実行する。
【0046】
ICカードリーダユニット110は、近傍用ICカードリーダ(近距離認証情報取得手段)110aと遠方用ICカードリーダ(遠距離認証情報取得手段)110bの2つのICカードリーダを備えている。近傍用ICカードリーダ110aは、例えば、図5に近距離受信範囲NAとして示すように、近傍用ICカードリーダ110aから近距離の範囲に位置する利用者の所持するICカード(認証情報記録媒体)と通信を行って該ICカードに記録されている利用者認証情報を受信する。遠方用ICカードリーダ110bは、例えば、図5に遠距離受信範囲TAとして示すように、遠方用ICカードリーダ110bから遠距離の範囲に存在する利用者の所持するICカードと通信を行って該ICカードに記録されている利用者認証情報を受信する。この遠距離受信範囲TAを受信範囲とする遠方用ICカードリーダ110bとしては、例えば、RFID(Radio Frequency-Identification:電波方式認識)リーダを用いることができ、この場合、利用者の所持する非接触型の認証情報記録媒体としては、RFIDタグを用いる。この近距離受信範囲NAは、近傍用ICカードリーダ110aにかざされたICカードと該近傍用ICカードリーダ110aが通信して該ICカードに記録されている利用者認証情報を読み取ることのできる範囲であり、遠距離受信範囲TAは、複合装置1の各種操作を行うのに移動する範囲にいる利用者の所持するICカードと遠方用ICカードリーダ110bが通信して該ICカードに記録されている利用者認証情報を読み取ることのできる範囲である。また、近傍用ICカードリーダ110a及び遠方用ICカードリーダ110bが通信する対象のICカードは、所定のフォーマット方式でフォーマットされて、該ICカードを所持して複合装置1に認証要求する利用者を特定するのに必要な利用者認証情報、例えば、利用者ID、利用者名等が記録されている。
【0047】
なお、本実施例では、ICカードリーダユニット110として、2つのICカードリーダ110a、110bを用いているが、2つのICカードリーダ110a、110bを用いるものに限るものではなく、例えば、1つのICカードリーダを用いて、該1つのICカードリーダの発信電力を調整して、受信感度を近距離受信範囲NAと遠距離受信範囲TAとに切り替えてもよい。
【0048】
メインコントローラ(認証制御手段)100は、後述するように、ICカードリーダユニット110の近傍用ICカードリーダ110aと遠方用ICカードリーダ110bを利用した利用者認証処理を行う。すなわち、メインコントローラ100は、利用者を認証前(ログイン前)には、近傍用ICカードリーダ110aによって近距離受信範囲NA内にいる利用者のICカードのみを認証の対象として限定して利用者認証処理を行い、利用者認証後(ログイン後)は、遠距離受信範囲TAの範囲内であれば、ICカードを所持している利用者が移動しても所定のオートログアウト期間(利用継続可能期間)が経過するまでの間は、認証が継続される。
【0049】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、ICカードリーダユニット110の近傍用ICカードリーダ110aと遠方用ICカードリーダ110bを、利用者の認証を認証済状態と未認証状態とで切り替えて利用して、簡単にかつ適切に利用者認証処理を行う。
【0050】
すなわち、複合装置1は、待機状態において、図6に示すように、操作部60の液晶タッチパネル61に認証前(ログイン前)の認証要求画面を表示して、利用者に対して認証要求を行うとともに、複合装置1を操作するための操作キー等の液晶タッチパネル61への表示を行わないで、複合装置1の操作を禁止する。この認証要求画面では、例えば、図6に示すように、「ICカードを認証装置に近づけてください」等の近距離受信範囲NA内へのICカードのかざし等を要求する表示のみを液晶タッチパネル61に行って、操作キー等の表示を行わない。
【0051】
複合装置1は、この認証要求画面を表示している待機状態において、図7に示すように、利用者認証処理を実行して、利用者認証結果に基づく複合装置1の利用の可否を制御する。すなわち、複合装置1は、メインコントローラ100が、所定の認証処理タイミング毎、例えば、100msec毎に、未認証状態(ログイン前状態)であるかチェックし(ステップS101)、未認証状態であると、近傍用ICカードリーダ110aのみを駆動させて(ステップS102)、ICカードが近距離受信範囲NA内に存在して該近傍用ICカードリーダ110aが該ICカードから利用者認証情報を受信したかチェックする(ステップS103)。
【0052】
ステップS103で、利用者認証情報を受信しないときには、メインコントローラ100は、利用者認証要求がないと判断して、近傍用ICカードリーダ110aの駆動を停止させて処理を終了する(ステップS107)。
【0053】
ステップS103で、利用者認証情報を受信すると、メインコントローラ100は、利用者認証要求があると判断して、該受信した利用者認証情報が予めNVRAM123に登録されている利用者認証情報と一致して認証チェックOKの利用者であるか判断し(ステップS104)、該受信した利用者認証情報が予めNVRAM123に登録されている利用者認証情報と一致せず、認証チェックNGの利用者であると、複合装置1の利用を拒否し、近傍用ICカードリーダ110aの駆動を停止させて処理を終了する(ステップS107)。
【0054】
ステップS104で、受信した利用者認証情報が予めNVRAM123に登録されている利用者認証情報と一致して認証チェックOKの利用者であると、メインコントローラ100は、液晶タッチパネル61に表示していた認証要求画面を消去して、該利用者のログインを許可し、図3に示したような操作画面を液晶タッチパネル61に表示して、複合装置1の利用を可能とする(ステップS105)。メインコントローラ100は、次に、認証済(ログイン済)の利用者を自動的にログアウトさせるまでのオートログアウト期間(利用継続可能期間)を計時するオートログアウトタイマをリセットして(ステップS106)、近傍用ICカードリーダ110aの駆動を停止させて処理を終了する(ステップS107)。そして、コントローラ100は、このオートログアウト期間における印刷等に伴う複合装置1の利用に対する課金情報を、ICカードリーダユニット110を介して利用者の所持するICカードに対してID付きでカウント要求として出力する。
【0055】
メインコントローラ100は、ステップS101で、未承認状態ではなく、既に利用者承認してログイン済の利用者がいるときには、オートログアウト期間をカウントするサイクルカウンタCNTを「1」だけインクリメントして(ステップS108)、サイクルカウンタCNTのカウント値が予め設定されているオートログアウトサイクル、図7では、50サイクルを超えているかチェックする(ステップS109)。このオートログアウトサイクルは、上記オートログアウト期間を計時するためのサイクルであり、いま、認証処理を100msec毎に実行し、オートログアウトサイクルを50としているので、オートログアウト期間としての100msec×50=5秒が経過したかチェックしている。
【0056】
ステップS109で、サイクルカウンタCNTのカウント値が予め設定されているオートログアウトサイクル(50サイクル)になっていないときには、メインコントローラ100は、利用者認証情報の取得を行うことなく、そのまま処理を終了し、サイクルカウンタCNTのカウント値が予め設定されているオートログアウトサイクル50になっていると、サイクルカウンタCNTをリセットして(ステップS110)、遠方用ICカードリーダ110bのみを駆動させる(ステップS111)。
【0057】
メインコントローラ100は、遠方用ICカードリーダ110bを駆動させると、該遠方用ICカードリーダ110bが利用者認証情報を受信したかチェックし(ステップS112)、利用者認証情報を受信しないときには、遠方用ICカードリーダ110bの駆動を停止して、処理を終了する(ステップS116)。
【0058】
ステップS112で、遠方用ICカードリーダ110bが利用者認証情報を受信すると、メインコントローラ100は、該受信した利用者認証情報と現在ログイン中の利用者の利用者認証情報を比較して受信した利用者が現在ログイン中の利用者であるかチェックし(ステップS113)、現在ログイン中の利用者でないときには、該利用者認証情報の検出を無視して、遠方用ICカードリーダ110bの駆動を停止して、処理を終了する(ステップS116)。
【0059】
ステップS113で、遠方用ICカードリーダ110bの受信した利用者認証情報の利用者がログイン中の利用者であるときには、メインコントローラ100は、該ログイン中の利用者の認証を継続して(ステップS114)、オートログアウトタイマのリセットを行い(ステップS115)、遠方用ICカードリーダ110bの駆動を停止して、処理を終了する(ステップS116)。
【0060】
このように、複合装置1は、ログイン中の利用者がいるときには、所定のオートログアウトサイクル毎に、複合装置1の操作に必要な距離内の利用者、すなわち、遠距離受信範囲TA内の利用者の検出を遠方用ICカードリーダ110bによって行って、遠距離受信範囲TAに利用者がいるときには、ログインを継続する。したがって、遠方用ICカードリーダ110bの駆動回数を削減しつつ、ログイン中の利用者の存在を確認して、複合装置1の操作の継続を可能とすることができる。
【0061】
そして、認証済の利用者がログインしている状態においては、該利用者は、複合装置1の操作を継続して行うことができるが、ログアウトについては、利用者自身のリセット/認証解除キー65の手動操作によるログアウトと、上記オートログアウトタイマを利用した自動ログアウトとがある。
【0062】
まず、リセット/認証解除キー65の手動操作によるログアウトについて、図8に基づいて説明する。メインコントローラ100は、所定タイミング毎、例えば、100msec毎に、リセット/認証解除キー65が押下されたかチェックし(ステップS201)、リセット/認証解除キー65が押下されると、認証状態であるか、すなわち、ログイン中の利用者がいるかチェックする(ステップS202)。メインコントローラ100は、認証状態でないときには、ログアウトすべき利用者がいないため、そのまま処理を終了する。
【0063】
ステップS202で、認証状態であるときには、メインコントローラ100は、認証状態を解除し(ステップS203)、図6に示した認証要求画面を操作部60の液晶タッチパネル61に表示して、初期状態に戻って処理を終了する(ステップS204)。
【0064】
したがって、複合装置1は、利用者を認証すると、ログインを許可して、複合装置1の利用を許可し、ICカードをICカードリーダユニット110の近くにセットしておくことなく、利用者が認証用のICカードを携帯した状態であっても、複合装置1の操作範囲である遠距離受信範囲TA内での該ログイン利用者の認証を継続して操作を可能とするとともに、利用者による利用が完了してリセット/認証解除キー65が操作されると、認証を解除して、ログアウト処理を行う。その結果、ICカードの置き忘れを防止することができるとともに、利用性を向上させつつ、確実な利用者認証を行うことができる。
【0065】
次に、オートログアウトタイマを利用した自動ログアウトについて、図9に基づいて説明する。
【0066】
メインコントローラ100は、所定タイミング毎、例えば、100msec毎に、オートログアウトタイマのタイマ計時処理(カウントアップ処理)を行い(ステップS301)、オートログアウトタイマの計時時間が予め設定されているオートログアウト期間を計時したかチェックする(ステップS302)。
【0067】
ステップS302で、オートログアウトタイマの計時時間がオートログアウト期間を計時していないときには、メインコントローラ100は、利用者の自動ログアウトを行うことなく、そのまま処理を終了する。
【0068】
ステップS302で、オートログアウトタイマの計時時間がオートログアウト期間を計時しているときには、メインコントローラ100は、ログインしている利用者の認証状態を解除し(ステップS303)、図6に示した認証要求画面を操作部60の液晶タッチパネル61に表示して、初期状態に戻って処理を終了する(ステップS304)。
【0069】
そして、このオートログアウトタイマは、図7に示したように、ログイン時にリセットされ(ステップS106)、遠方用ICカードリーダ110bがログイン中の利用者認証情報を受信する毎に、リセットされるので(ステップS115)、ICカードをICカードリーダユニット110の近くにセットしておくことなく、利用者が認証用のICカードを携帯した状態であっても、複合装置1の操作範囲である遠距離受信範囲TA内での該ログイン利用者の認証を継続して操作を可能とするとともに、利用者が遠距離受信範囲TAからオートログアウト期間以上の離れると、複合装置1の利用が完了したと判断して、認証を解除し、ログアウト処理を行う。その結果、ICカードの置き忘れを防止することができるとともに、利用性を向上させつつ、確実な利用者認証を行うことができる。
【0070】
このように、本実施例の複合装置1は、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を予めNVRAM123に登録し、利用者に対する利用未許可状態(未ログイン状態)においては、近傍用ICカードリーダ110aによって、近距離受信範囲NA内に位置する利用者の所持しているICカードと非接触で通信して該ICカードから利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報とNVRAM123に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、また、利用者に対する利用許可状態(ログイン状態)においては、ICカードリーダ110bによって、近距離受信範囲NAよりも遠距離の遠距離受信範囲TA内にいる利用者の所持しているICカードと非接触で通信を行って該ICカードから利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報が該利用を許可している利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者の利用許可状態を継続している。
【0071】
したがって、利用許可を求めている利用者を適切かつ確実に認証して、利用(ログイン)を許可して、複合装置1の利用を許可し、ICカードをICカードリーダユニット110の近くにセットしておくことなく、利用者が認証用のICカードを携帯した状態であっても、複合装置1の操作範囲である遠距離受信範囲TA内での該ログイン利用者の認証を継続して操作を可能とすることができる。
【0072】
また、本実施例の複合装置1は、利用者の利用未許可状態(未ログイン状態)においては、近傍用ICカードリーダ110aのみを駆動させ、利用者の利用許可状態(ログイン状態)においては、遠方用ICカードリーダ110bのみを駆動させている。
【0073】
したがって、利用者のログインの状態に応じて必要な利用者情報を取得するのに適切なICカードリーダ110a、110bのみを駆動させることができ、消費電力を削減することができるとともに、必要な利用者情報を確実かつ適切に取得して、適切な利用者認証を行うことができる。
【0074】
さらに、本実施例の複合装置1は、近傍用ICカードリーダ110aと遠方用ICカードリーダ110bを所定の駆動間隔で駆動させている。
【0075】
したがって、消費電力を削減することができるとともに、必要な利用者情報を確実かつ適切に取得して、適切な利用者認証を行うことができる。
【0076】
また、本実施例の複合装置1は、近傍用ICカードリーダ110aと遠方用ICカードリーダ110bをそれぞれ異なる所定の駆動間隔で駆動させている。
【0077】
したがって、近傍用ICカードリーダ110aと遠方用ICカードリーダ110bをそれぞれ利用者情報の取得目的に応じた状態で駆動させて、消費電力をより一層削減することができるとともに、必要な利用者情報を確実かつ適切に取得して、適切な利用者認証を行うことができる。
【0078】
さらに、本実施例の複合装置1は、利用者の利用許可状態において、所定のオートログアウト期間(利用継続可能期間)を超えて、遠方用ICカードリーダ110bによる該利用を許可している利用者の利用者認証情報の未取得状態が継続すると、該利用者の利用許可を解除している。
【0079】
したがって、利用者が遠距離受信範囲TA外にオートログアウト期間以上の時間継続して離れると、複合装置1の利用が完了したと判断して、認証を解除し、ログアウト処理を行うことができ、ICカードの置き忘れを防止することができるとともに、利用性を向上させつつ、確実な利用者認証を行うことができる。
【0080】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、利用者を利用者情報に基づいて制限する複合装置、複写装置等のOA装置の利用上の利用者認証や利用制限区域への入出における利用者認証を行う利用者認証装置、利用者認証方法、利用者認証プログラム及び記録媒体に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の正面概略構成図。
【図2】図1の複合装置の操作部の平面図。
【図3】図2の液晶タッチパネルの利用状態時の表示の一例を示す図。
【図4】図1の複合装置の要部ブロック構成図。
【図5】図4のICカードリーダユニットの受信範囲の説明図。
【図6】操作部の液晶タッチパネルに表示される認証要求画面の一例を示す図。
【図7】図1の複合装置による利用者認証処理を示すフローチャート。
【図8】図1の複合装置による手動ログアウト処理を示すフローチャート。
【図9】図1の複合装置による自動ログアウト処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0083】
1 複合装置
2 本体筐体
3 コンタクトガラス
4 ランプ
5 第1ミラー
6 第2ミラー
7 第3ミラー
8 レンズ
9 CCD
10 スキャナエンジンユニット
20 ADF
21 原稿台
22 給送ローラ
23 給送ベルト
24 搬送ローラ
25 排紙ローラ
26 排紙台
27 原稿セット検知センサ
30 プロッタエンジンユニット
31 感光体
32 書き込みユニット
33 現像部
34 搬送ベルト
35 定着部
36 搬送切り替え排紙部
37 両面入紙搬送路
38 反転排紙搬送路
39 反転ユニット
40 両面搬送ユニット
41 給紙部群
42 搬送ユニット
43 排紙トレイ
51〜53 給紙部
51a〜53a 給紙トレイ
P 用紙
51b〜53b 給紙ローラ部
60 操作部
61 液晶タッチパネル
62 テンキー
63 クリア/ストップキー
64 スタートキー
65 リセット/認証解除キー 66 予熱キー
67 初期設定キー
68 コピーキー
69 ファックスキー
100 メインコントローラ
101 IPU
102 搬送モータ
103 メインモータ
104 中間クラッチ
105〜107 第1〜第3給紙クラッチ
108 キー入力部
110 ICカードリーダユニット
110a 近傍用ICカードリーダ
110b 遠方用ICカードリーダ
120 MPU
121 RAM
122 ROM
123 NVRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報の登録される認証情報登録手段と、利用を要求する利用者が所持し該利用者に関する利用者認証情報の記録されている認証情報記録媒体と、所定の近距離の範囲に位置する該認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該利用者認証情報を取得する近距離認証情報取得手段と、該近距離範囲よりも遠距離の範囲に位置する該認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得する遠距離認証情報取得手段と、利用者の利用未許可状態においては該近距離認証情報取得手段を駆動させて該近距離範囲内の該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、利用者の利用許可状態においては該遠距離認証情報取得手段を駆動させて該遠距離範囲内の該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報が該利用を許可している利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者の利用許可状態を継続する認証制御手段と、を備えていることを特徴とする利用者認証装置。
【請求項2】
前記認証制御手段は、前記利用者の利用未許可状態においては、前記近距離認証情報取得手段のみを駆動させ、前記利用者の利用許可状態においては、前記遠距離認証情報取得手段のみを駆動させることを特徴とする請求項1記載の利用者認証装置。
【請求項3】
前記認証制御手段は、前記近距離認証情報取得手段及び前記遠距離認証情報取得手段を所定の駆動間隔で駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の利用者認証装置。
【請求項4】
前記認証制御手段は、前記近距離認証情報取得手段及び前記遠距離認証情報取得手段をそれぞれ異なる所定の駆動間隔で駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の利用者認証装置。
【請求項5】
前記認証制御手段は、前記利用者の利用許可状態において、所定の継続利用可能期間を超えて、前記遠距離認証情報取得手段による該利用を許可している利用者の前記利用者認証情報の未取得状態が継続すると、該利用者の利用許可を解除することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の利用者認証装置。
【請求項6】
利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を認証情報登録手段に登録する認証情報登録処理と、利用を要求する利用者が所持して所定の近距離の範囲に位置し該利用者に関する利用者認証情報の記録されている認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該利用者認証情報を取得する近距離認証情報取得処理と、該近距離範囲よりも遠距離の範囲に位置する該認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該利用者認証情報を取得する遠距離認証情報取得処理と、該利用者の利用未許可状態においては該近距離認証情報取得処理によって該近距離範囲内の該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、利用者の利用許可状態においては該遠距離認証情報取得処理によって該遠距離範囲内の該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報が該利用を許可している利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者の利用許可状態を継続する認証制御処理と、を実行することを特徴とする利用者認証方法。
【請求項7】
前記認証制御処理は、前記利用者の利用未許可状態においては、前記近距離認証情報取得処理のみを実行し、前記利用者の利用許可状態においては、前記遠距離認証情報取得処理のみを実行することを特徴とする請求項6記載の利用者認証方法。
【請求項8】
前記認証制御処理は、前記近距離認証情報取得処理及び前記遠距離認証情報取得処理をそれぞれ異なる所定の駆動間隔で実行することを特徴とする請求項6または請求項7記載の利用者認証方法。
【請求項9】
利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を認証情報登録手段に登録する認証情報登録処理ステップと、利用を要求する利用者が所持して所定の近距離の範囲に位置し該利用者に関する利用者認証情報の記録されている認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得する近距離認証情報取得処理ステップと、該近距離範囲よりも遠距離の範囲に位置する該認証情報記録媒体と非接触で通信を行って該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得する遠距離認証情報取得処理ステップと、該利用者の利用未許可状態においては該近距離認証情報取得処理ステップによって該近距離範囲内の該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御し、利用者の利用許可状態においては該遠距離認証情報取得処理ステップによって該遠距離範囲内の該認証情報記録媒体から該利用者認証情報を取得し、該取得した利用者認証情報が該利用を許可している利用者の利用者認証情報と一致すると該利用者の利用許可状態を継続する認証制御処理ステップと、を有していることを特徴とする利用者認証プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の利用者認証プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−117955(P2009−117955A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286080(P2007−286080)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】