説明

制御型エンジンマウント

【課題】支持弾性部材が発生させる液室内の液圧力と、支持弾性部材の防振性能とを両立できる制御型エンジンマウントの提供。
【解決手段】エンジン側取り付け部11と、エンジン側取り付け部11に連結する弾性体13と、弾性体13内に形成する液室19と、液室19内の液圧を制御する液圧制御装置20と、弾性体13と連結し車体に取り付けられるエンジンマウント本体14とを備えている。圧制御装置20は、液室19を閉塞する加振板22と、加振板22を弾性体13に支持する弾性膜23と、加振板22を駆動する駆動機構24とからなる。弾性膜23は、加振板22の中心から周辺に向けて形成した複数の補強部と、補強部の間に形成し液室19の所定以上の圧力上昇を抑制する拡張部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの重量を支え、エンジンから車体への振動を防ぐことができる制御型エンジンマウントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のエンジンマウントとしては、液体封入式の防振装置(特許文献1など)が知られている。
この従来装置は、ゴムからなる弾性体内に形成した液室と、この液室内に封入される液体の圧力を制御する液圧制御部とを含んでいる。
液室は、加振板と支持弾性部材などにより閉塞している。また、加振板は、支持弾性部材によって液室を形成する弾性体などに支持するようになっている。そして、加振板は、アクチュエータにより移動でき、この移動によって液室内の液圧を制御するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−17134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来装置では、支持弾性部材が発生させる液室内の液圧力と、支持弾性部材による防振性能とを両立することについて考慮されておらず、その解決が望まれる。
そこで、本発明は、上記の点に着目したものであり、その目的は、支持弾性部材が発生させる液室内の液圧力と、支持弾性部材による防振性能とを両立できる制御型エンジンマウントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成からなる。
すなわち、本発明は、弾性膜が、加振板の中心から周辺に向けて形成した複数の補強部と、補強部の間に形成し、液室の所定以上の圧力上昇を抑制する拡張部と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、弾性膜が補強部と拡張部を含むので、弾性膜が発生させる液室内の液圧力と、弾性膜が発生させる防振性能とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の制御型エンジンマウントを車両に適用した場合の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の制御型エンジンマウントの第1実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図3】図2に示す第1実施形態の加振部の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A線の断面図である。
【図4】第1実施形態と比較例の実験結果の一例を示す図である。
【図5】第2実施形態の加振部の構成を示す平面図である。
【図6】第3実施形態の加振部の構成を示す平面図である。
【図7】第4実施形態の加振部の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A線の断面図である。
【図8】第5実施形態の加振部の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A線の断面図である。
【図9】第6実施形態の加振部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の制御型エンジンマウントを車両に適用した場合の概略構成を示す図である。
本発明の実施形態に係る制御型エンジンマウント1は、図1に示すように、エンジン2と車両の車体3との間に防振装置として配置してあり、コントローラ4からの駆動信号によって駆動するように構成する。
コントローラ4は、パルス信号発生器5がエンジン2の振動発生状況の検出に基づいて発生する基準信号と、荷重センサ6が車体3の残留振動の検出に基づいて発生する残留信号とを基に、上記の駆動信号を発生する。
【0009】
図2は、図1に示す第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1の断面図である。
この第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1は、図2に示すように、エンジン側取り付け部11と、ケース12と、エンジン側取り付け部11とケース12とを連結する弾性体13とを備える。そして、ケース12内には、後述の各構成要素を配置し、形成する。ケース12は、車体3に取り付けられるエンジンマウント本体14に連結するように構成する。
【0010】
エンジン側取り付け部11には、連結ボルト15でエンジン2が取り付けられるように構成する。ケース12の上部側の開口には、ゴムなどからなる弾性体13を嵌合し、これにより弾性体13をケース12に連結する。
弾性体13の一部には、車両上下方向の下向きに凹部を形成している。ケース12内は、複数の連通孔16を有する仕切り部材17で仕切られている。そして、弾性体13の凹部と、ケース12の内周面と、仕切り部材17とで囲まれる空間によって、液体が充填される液室19を形成する。
【0011】
また、ケース12内の仕切り部材17の下側には、液室19の液圧を制御する液圧制御装置20を配置してある。液圧制御装置20は、図2に示すように、加振部21と、駆動機構24とを備えている。
加振部21は、加振板22と、この加振板22をケース12に支持するための弾性膜23とを備えている。加振板22には、ゴムなどからなる弾性膜23が取り付け、弾性膜23の周縁部は環状の環状部材18に取り付けている。環状部材18は、仕切り部材17の下面の周縁と、ケース12の内周面の周方向とに固定してある。
【0012】
このように、加振板22は、弾性膜23と環状部材18とを用いてケース12に支持し、これにより液室19を密封するように構成する。また、加振板22は、駆動機構24により駆動するように構成する。
駆動機構24は、加振板22と連結する可動子25と、ケース12内に固定する固定子26とを備え、固定子26のコイル27を励磁することにより、可動子25が車両上下方向に往復動するように構成する。
【0013】
(加振部の構成)
次に、図1に示す加振部21の構成について、図3を参照して詳細に説明する。
図3(A)は加振部21の構成を示す平面図であり、図3(B)はそのA−A線の断面図である。
加振部21は、図3に示すように、加振板22と弾性膜23とを備えている。加振板22は、例えば図3(B)に示すように縦断面がT字状に構成する。弾性膜23は、ゴムなどからなり、その中央部を加振板22の取り付け部に固定し、その周縁部を環状部材18に接続している。
【0014】
また、弾性膜23は、図3(A)に示すように、平面視でほぼ円形からなり、液室19の液体などの荷重を支持する3個の補強部23aと、液室19の液圧の上昇を抑制する3個の拡張部23bとを備えている。
3個の補強部23aは、加振板22の中心部から周辺に向かって形成する。また、3個の拡張部23bは、補強部23aの間に加振板22の中心部から周辺に向かって形成する。
【0015】
3個の補強部23aは、図3(A)に示すように弾性膜23の中央から放射状に配置している。また、3個の補強部23aは、円周方向に等間隔に配置している。
また、補強部23aは、拡張部23bよりも弾性膜23の肉厚を厚く形成している。言い換えると、拡張部23bは、補強部23aよりも弾性膜23の肉厚を薄く形成している。
【0016】
(動作)
次に、第1実施形態の動作例について、図1〜図3を参照して説明する。
エンジン2からの振動がエンジン側取り付け部11に入力すると、パルス信号発生器5がエンジン2の振動発生状況を検出し、この信号に応じた基準信号を発生し、これをコントローラ4に出力する。また、車体3側に残留振動が発生すると、荷重センサ6がその残留振動を検出し、この検出に基づいて残留信号を発生し、これをコントローラ4に出力する。
【0017】
コントローラ4は、その入力された基準信号および残留信号に基づき駆動信号を生成し、その駆動信号を基に、駆動機構24における固定子26のコイル27を励磁すると、可動子25が車両上下方向に往復動する。これ伴って、加振板22が上下方向に往復動するので、液室19の容積が変化し、エンジン2からの振動が車体3に伝達しないように制御している。
【0018】
次に、第1実施形態における弾性膜23の効果を確認するために、第1実施形態について図4に示すような試験を行い、曲線aに示すような結果を得た。
この試験は、第1実施形態に対して付与する振動の周波数を変化していき、これに対応する反共振後の弾性膜23のばね定数を測定するようにした。
また、これと比較するために、その弾性膜23の肉厚を一定(均質)にした比較例を作成し、この比較例について第1実施形態と同様の試験を行い、図4の曲線bに示すような結果を得た。
【0019】
図4によれば、第1実施形態では、比較例に比べると、周波数の高い領域において弾性膜23のばね定数を小さくすることができることがわかる。このため、加振板22の動作に伴う液室19の液圧上昇の際に、弾性膜23はその液圧上昇を抑制することができる。
以上のように、第1実施形態では、弾性膜23が補強部23aと拡張部23bとを備えたので、弾性膜23の強度を確保できる上に、液室19の液圧上昇の際に弾性膜23はその液圧上昇を抑制できる。
【0020】
また、第1実施形態では、補強部23aと拡張部23bとを弾性膜23により一体成形するようにしたので、その構成が簡易な上に、部品点数の増加を招くことがない。
さらに、第1実施形態では、3個の補強部23aから構成するようにしたので、強度を得るための補強部23aの個数を最少にできる。このため、拡張部23bの面積を大きくとり、特性バランスの自由度を大きくできる。
また、第1実施形態では、3個の補強部23aを等間隔に配置するようにしたので、弾性膜23の重心と駆動機構24の可動子25の軸心と一致させることができ、可動子25の可動抵抗を小さくできる。
【0021】
なお、第1実施形態において、エンジン側取り付け部11がエンジン側取り付け部に対応し、弾性体13が弾性体に対応し、液室19が液室に対応し、液圧制御装置20が液圧制御装置に対応し、エンジンマウント本体1がエンジンマウント本体に対応する。また、加振板22が加振板に対応し、弾性膜23が弾性膜に対応し、駆動機構24が駆動機構に対応する。さらに、補強部23aが補強部に対応し、拡張部23bが拡張部に対応する。
【0022】
(第1実施形態の効果)
(1)弾性膜は補強部と拡張部とを備えたので、弾性膜の強度を確保できる上に、液室の液圧上昇の際に弾性膜はその液圧上昇を抑制できる。
(2)弾性膜により補強部と拡張部とを一体成形するようにしたので、その構成が簡易な上に、部品点数の増加を招くことがない。
(3)3個の補強部から構成するようにしたので、強度を得るための補強部の個数を最少にできる。このため、拡張部の面積を大きくとり、特性バランスの自由度を大きくできる。
(4)3個の補強部を等間隔に配置するようにしたので、弾性膜の重心と駆動機構の軸心と一致させることができ、駆動機能の可動抵抗を小さくできる。
【0023】
(第2実施形態)
この第2実施形態に係る制御型エンジンマウントは、第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1の図3に示す加振部21を、図5に示す加振部21aに置き換えたものである。
この加振部21aは、図3の加振部21と同様に、加振板22と弾性膜23とを備えている。しかし、弾性膜23は、図5に示すように、補強部23aを3個から4個に増加し、これに伴い拡張部23bを3個から4個に増加するようにした。
【0024】
4個の補強部23aは、加振板22の中心部から周辺に向かって形成した。また、4個の補強部23aは、補強部23aの間に加振板22の中心部から周辺に向かって形成した。4個の補強部23aは、図5に示すように十字状に配置した。また、4個の補強部23aは、円周方向に等間隔に配置した。
なお、第2実施形態の他の部分の構成は第1実施形態の構成と同様である。
以上のように、第2実施形態によれば、弾性膜23の補強部23aを4個にしたので、軸のずれを低減できる。
なお、第2実施形態において、弾性膜23が弾性膜に対応し、補強部23aが補強部に対応し、拡張部23bが拡張部に対応する。
(第2実施形態の効果)
弾性膜の補強部を4個にしたので、軸のずれを低減できる。
【0025】
(第3実施形態)
この第3実施形態に係る制御型エンジンマウントは、第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1の図3に示す加振部21を、図6に示す加振部21bに置き換えたものである。
この加振部21bは、図3の加振部21と同様に、加振板22と弾性膜23とを備えている。しかし、弾性膜23の複数の補強部23aを、図6に示すように、等間隔ではなく、異なる間隔で配置するようにした。
【0026】
この例では、複数の補強部23aは、弾性膜23の前後方向および左右方向の剛性バランスをとるようにするために、幅の広い1個の補強部23aと、幅の狭い3個の補強部23aとから構成し、これらを図6に示す位置に配置するようにした。
なお、第3実施形態の他の部分の構成は第1実施形態の構成と同様である。
以上のように、第3実施形態によれば、拡張部23bの面積を大きくとることができ、補強部23aと拡張部23bの剛性バランス設定の自由度を拡大できる。
なお、第3実施形態において、弾性膜23が弾性膜に対応し、補強部23aが補強部に対応し、拡張部23bが拡張部に対応する。
(第3実施形態の効果)
弾性膜の複数の補強部を異なる間隔で配置するようにしたので、拡張部の面積を大きくとることができ、補強部と拡張部の剛性バランス設定の自由度を拡大できる。
【0027】
(第4実施形態)
この第4実施形態に係る制御型エンジンマウントは、第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1の図3に示す加振部21を、図7に示す加振部21cに置き換えたものである。
この加振部21cは、図3の加振部21と同様に、加振板22と弾性膜23とを備えている。しかし、弾性膜23は、図3の弾性膜23の構成とは異なり、その膜厚がほぼ均一になるようにした(図7(B)参照)。そして、弾性膜23に対して弾性膜23とは別体(別個)の補強部材30を設け、この補強部材30により、弾性膜23が補強部と拡張部に相当する機能を有するようにした。
【0028】
補強部材30は、図7に示すように、円板状の中央部31と、中央部31の周囲に配置する環状の環状部32と、中央部31と環状部32とを連結する4個の補強部33とを備えている。そして、中央部31は、加振板22に取り付ける。また、環状部32の4箇所は、ボルトとナットで環状部材18に取り付けている。
4個の補強部33は、中央部31からその周辺に向けて形成している。また、4個の補強部33の間に、中央部31からその周辺に向かって4つの開口部34を形成している。4個の補強部33は、図7(A)に示すように中央部31から放射状に配置している。また、4個の補強部33は、円周方向に等間隔に配置している。
【0029】
なお、第4実施形態の他の部分の構成は第1実施形態の構成と同様である。
以上のように、第4実施形態では、弾性膜23に対して弾性膜23とは別体の補強部材30を設けるようにした。そして、弾性膜23は、補強部材30の補強部33によって補強され、補強部材30の開口部34に対向する部分が拡張部の機能を担うようになっている。このため、第4実施形態によれば、弾性膜23の補強部を強化でき、その補強部と拡張部との弾性力バランス設定の自由度を拡大できる。
なお、第4実施形態において、弾性膜23が弾性膜に対応し、補強部33が補強部に対応する。
(第4実施形態の効果)
弾性膜とは別体に補強部を設けるようにしたので、弾性膜は、その補強部によって補強される。このため、弾性膜の補強部を強化でき、その補強部と拡張部との弾性力バランス設定の自由度を拡大できる。
【0030】
(第5実施形態)
この第5実施形態に係る制御型エンジンマウントは、第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1の図3に示す加振部21を、図8に示す加振部21dに置き換えたものである。
この加振部21dは、図3の加振部21と同様に、加振板22と弾性膜23とを備えている。しかし、弾性膜23は、その肉厚をほぼ均一に形成し、弾性膜23内に弾性膜23とは材質の異なる補強部材40を埋め込んである(充填してある)。
補強部材40は、樹脂などから構成する。また、補強部材40は、図8(A)に示すように、環状の第1環状部41と、第1環状部41の周囲に配置され環状の第2環状部42と、第1環状部41と第2環状部42とを連結する3個の補強部43とを備えている。
【0031】
3個の補強部43は、第1環状部41からその周辺に向けて形成する。また、3個の補強部43の間に、第1環状部41からその周辺に向かって3つの開口部44を形成している。3個の補強部43は、図8(A)に示すように第1環状部41から放射状に配置している。また、3個の補強部43は、第1環状部41と第2環状部42の間の円周方向に等間隔に配置している。
【0032】
なお、第5実施形態の他の部分の構成は第1実施形態の構成と同様である。
以上のように、第5実施形態では、弾性膜23内に弾性膜23とは材質の異なる別個の補強部材40を埋め込むようにした。そして、弾性膜23は、補強部材40の補強部43によって補強され、補強部材40の開口部44の部分が拡張部の機能を担うようになっている。このため、第5実施形態によれば、弾性膜23の補強部を強化でき、その補強部と拡張部との弾性力バランス設定の自由度を拡大できる。
なお、第5実施形態において、弾性膜23が弾性膜に対応し、補強部43が補強部に対応する。
(第5実施形態の効果)
弾性膜内に補強部材を埋め込むようにしたので、弾性膜の補強部を強化でき、補強部と拡張部との弾性力バランス設定の自由度を拡大できる。
【0033】
(第6実施形態)
この第6実施形態に係る制御型エンジンマウントは、第1実施形態に係る制御型エンジンマウント1の図3に示す加振部21を、図9に示す加振部21eに置き換えたものである。
この加振部21eは、図3の加振板22を加振板22aに置き換え、この置き換えた加振板22aと、弾性膜23とを備えている。
加振板22aは、弾性膜23を取り付ける取り付け部を、図9に示すように、図3の加振板22の弾性膜23の取り付け部よりも小さくするようにした。弾性膜23は、その肉厚がほぼ均一に形成するようにした。
したがって、加振板22aは、弾性膜23の取り付け部の表面積を弾性膜23の表面積よりも小さくなるようにした。
なお、第6実施形態の他の部分の構成は第1実施形態の構成と同様である。
【0034】
以上のように、第6実施形態では、図3の加振板22を加振板22aに置き換え、この置き換えた加振板22aと、弾性膜23とを備えるようにした。このため、第6実施形態によれば、弾性膜23は、補強部と拡張部の機能を保持しつつ、加振板22aを環状部材18に支持する部分を拡大できる。
なお、第6実施形態において、弾性膜23が弾性膜に対応し、加振板22aが加振板に対応する。
(第6実施形態の効果)
弾性膜の取り付け部の表面積を弾性膜の表面積よりも小さくなるようにしたので、弾性膜が加振板を支持する部分の面積を拡大できる。
【符号の説明】
【0035】
1 制御型エンジンマウント
2 エンジン
3 車体
4 コントローラ
11 エンジン側取り付け部
12 ケース
13 弾性体
14 エンジンマウント本体
17 仕切り部材
18 環状部材
19 液室
20 液圧制御装置
21、21a〜21e 加振部
22、22a 加振板
23 弾性膜
23a 補強部
23b 拡張部
24 駆動機構
30、40 補強部材
31 中央部
32 環状部
33 補強部
34、44 開口部
41 第1環状部
42 第2環状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン側取り付け部と、
前記エンジン側取り付け部に連結する弾性体と、
前記弾性体内に形成される液室と、
前記液室内の液圧を制御する液圧制御装置と、
前記弾性体と連結し車体に取り付けられるエンジンマウント本体とを備え、
前記液圧制御装置は、
前記液室を閉塞する加振板と、
前記加振板を前記弾性体に支持する弾性膜と、
前記加振板を駆動する駆動機構とからなり、
前記弾性膜は、
前記加振板の中心から周辺に向けて形成した複数の補強部と、
前記補強部の間に形成し、前記液室の所定以上の圧力上昇を抑制する拡張部と、
を含むことを特徴とする制御型エンジンマウント。
【請求項2】
前記補強部または前記拡張部を前記弾性膜に一体に形成したことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項3】
前記補強部または前記拡張部を前記弾性膜とは別体に形成したことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項4】
前記補強部は、放射状の3個の補強部からなることを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項5】
前記補強部は、十字状の4個の補強部からなることを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項6】
前記補強部は、円周方向に等間隔に配列したことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項7】
前記補強部は、円周方向に異なる間隔で配置したことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項8】
前記補強部は、前記拡張部よりも前記弾性膜の肉厚を厚く形成したことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項9】
前記拡張部は、前記補強部よりも前記弾性膜の肉厚を薄く形成したことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項10】
前記補強部は、別個の補強部材を前記弾性膜内に埋め込むようにしたことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。
【請求項11】
前記加振板の前記弾性膜の取り付け部の表面積を前記弾性膜の表面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1記載の制御型エンジンマウント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−127380(P2012−127380A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277662(P2010−277662)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】