説明

制御語の受信の方法及び装置、及びその伝送の装置

コンディショナルアクセス(CA)データの、複数のスクランブルされたプログラムに接続することが可能な受信機(410)への配信。現在のチャンネルに対するコンディショナルアクセスは、そのチャンネルとともに配信される標準のECMを使用して扱われる(310)。それに並行して、受信機(410)は、全てのチャンネルに対する制御語を含む個別のストリームに対するECMを取り出す(320)。このECMの制御語は、全てのチャンネルに対する制御語にアクセスするために、個別のストリームのスクランブルを解除する(330)。望ましい実施形態において、これらの制御語は、チャンネル・キーを使用して超暗号化され、受信機は、それがアクセス権限を有するチャンネルの対するチャンネル・キーを取得することが出来るのみである。制御語が超暗号化されている場合、それらは解読される(340)。チャンネル変更において、関連の取り出される制御語は、新しいチャンネルのスクランブルを解除する(350)ために使用される。また、受信装置(410)及び伝送装置(420)が供給される。変化形に従って、その個別のストリームにおいて取り出された制御語は、チャンネル変更においてのみ取り扱われる。本発明は、チャンネル間で切り替えるときのCA遅延の縮小又は除去を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、コンディショナルアクセス(CA)テレビジョンに関し、特に、コンディショナルアクセス・メッセージのコンディショナルアクセス・テレビジョン受信機への配信に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、以下に記載される及び/又は請求項に係る本発明の様々な態様に関する、様々な技術の態様を読者に紹介することを目的としている。この考察は、読者に、本発明の様々な態様のより良い理解を促すように予備知識を提供することに役立つと思われる。従って、当然のことながら、これらの記述は、この視点で読むべきであり、従来技術の承認として解釈するべきではない。
【0003】
テレビを見るエンド・ユーザーが知覚する体験の質に関する重要な局面は、チャンネルを変えるのに必要な時間(ザッピング・タイム(zapping time))である。当然、そのエンド・ユーザーが新しいチャンネルにアクセスするために待たなければいけない時間が長ければ長いほど、その体験がより悪くなる。しかし、考えられていることとは対照的に、技術的な進歩にもかかわらず、又はそれが恐らく原因で、ザッピング・タイムは、実際にかつてないほどに悪化している。
【0004】
テレビが普及した初期では、チャンネルを変えるために必要であったのは、ボタンを回すか又は押すことであり、それは、非常に速く出来ることである。しかし、近年では、ザッピング・タイムは、いくつかの技術において他の技術よりもはるかに長くなっている。これは、多数の小さな遅延の蓄積が原因であり、その遅延の各々は、しばしば、通常有益である他の技術的な発達の副次的な効果である。そのような遅延は:
‐遠隔制御送信;
‐輸送ストリームへの接続;
‐入ってくるデータのバッファリング;
‐CAデータ及びデスクランブラー(descrambler)プログラミングなどのコンディショナルアクセス(CA)システム遅延;
‐いわゆるMPEGの画像などの第1の復号可能な画像を見つけるために必要な時間;及び
‐オーディオ同期化;
を含む。
【0005】
これらの遅延のいくつかを低減するための技術が存在するが、CAシステムは、まだ適切には取り組まれていない。CAシステムは、チャンネル変更を1秒までも遅延させる。この遅延は、CAデータを取得し、解読し、デスクランブラーをプログラムするために必要である。多くのシステムにおいて、CAデータは、デスクランブラーが、スクランブルされた(scrambled)プログラムに正しくアクセスするために必要な暗号化された制御語を含む権限制御メッセージ(ECM)である。
【0006】
図1は、受信機側での典型的な従来技術のCAシステムを概略的に描く。その記載は、かなり簡略化されており、本発明を理解するために必要な特徴のみを記載している。その受信機側100は、例えば、パラボラアンテナ(描かれるような)又はケーブルなどの、ある種の受信する手段120に接続されたセットアップボックス110を含む。そのセットトップボックス110は、デスクランブラー140を含み、取り出し可能なスマートカードなどのセキュリティ・モジュール130にも機能的に接続されている。
【0007】
その受信する手段120は、スクランブルされたプログラム及び暗号化されたECMを、そのスクランブルされたプログラムに対して受信し、各ECMは、暗号有効期間(cryptoperiod)と呼ばれる期間の間(及び場合によっては、それに続く暗号有効期間の間にも)、そのプログラムのスクランブルの解除を可能にする情報を含む。ECMは、セキュリティ・モジュール130に送信1され、スクランブルされたプログラムは、デスクランブラー140に送信3される。セキュリティ・モジュール130は、ECMを複合化し、抽出された制御語を、これらを使用して暗号化されていないプログラムを出力4するように、そのスクランブルされたプログラムのスクランブルを解除するデスクランブラー140へと転送2する。
【0008】
しばしば、その制御語は、約10秒ごとに変更され、それは、維持するために対応するECMを受信しなければいけないことを意味する。また、ECMが2つの制御語を埋め込むことが一般的であり、その1つは、現在のいわゆる暗号有効期間であり、もう1つは次の暗号有効期間である。これは、ECMの扱いに対して、いくらかの遅延を提供する。
【0009】
しかし、チャンネルの変更において、適切な制御語は、ECMが現在のチャンネルに対してのみ受信することから利用可能ではない。従って、新しいチャンネルに対して、セットトップボックスは、通常、ECM抽出及び解読が、プログラムのスクランブルを解除出来る前に起こるように待たなければいけない。これは、通常、300ミリ秒から1秒かかり、500ミリ秒が概ねの平均値である。
【0010】
この遅延は、セキュリティ・モジュール及びセットトップボックスが複数のアクションを実施しなければいけないことが知られている場合、より良く理解されるはずである。そのセキュリティ・モジュールは、ECMを受信し、そのECMを解読し、そのECMのインテグリティを確認し、そのECMに含まれる権限を検証し(例えば、そのユーザがそのチャンネルを購読していることの検証)、セットトップボックスと供給しているキーを使用して制御語を暗号化及びインテグリティ保護し、且つ保護された制御語をセットトップボックスへ送信する。そのセットトップボックスは、ECMを抽出し(1つのECMは通常、ストリームにおいて10ミリ秒ごとに存在する)、そのECMをセキュリティ・モジュールへ送信し、暗号化された制御語を受信し、その暗号化された制御語を解読し、その制御語のインテグリティを検証しなければいけない。
【0011】
多くの最近のシステムにおいて、このCA遅延は、しばしば、ザッピングの間に余分な遅延は全く起こさない。これに対する理由は、模範的なインターネットTV(IPTV)システムにおけるチャンネルの変更の後にプログラムを表示するために必要なステップに関し、一般的に予測される遅延を描いた図2に示されている。
【0012】
チャンネル変更の後に、マルチキャストを設定するには700ミリ秒必要とされる。その時のみにおいて、バッファリング及びGroup Of Pictures(GOP)の開始の待機が始まり、それは、ECMの受信及び制御語の抽出と並行して実施される。I-Frameが見つかったとき、ハードウェアは、スクランブルされたプログラムのスクランブルを解除してもよく、それは、100ミリ秒かかる。その後に、MPEG4複合化及びプログラムの表示が、また700ミリ秒かかる。図2から分かるように、GOPの開始までの遅延は、1000ミリ秒と予測され、一方、CA遅延は、通常、それよりも短く、模範的には500ミリ秒である。これらの遅延は並行して起こることから、CA遅延は、如何なる余分な遅延も導入しないことが分かる。
【0013】
しかし、例えば、特許文献1及び特許文献2に見られるものなどのいくつかの解決策は、GOP開始に対する遅延の期間を、CA遅延よりも短いように縮小する。一方、特許文献3に記載されている解決策は、バッファリング遅延を縮小する。
【0014】
従って、当然のことながら、CA遅延を、特にチャンネル変更において縮小する解決策に対する必要性が存在する。
【0015】
特許文献4は、セットトップボックスが、輸送ストリームから、ユーザが購読する全てのチャンネルのECMを受信する。その受信したECMは、次に保存される。従って、ザッピングにおいて、そのセットトップボックスは、直ちに正しいECMを有し、それを解読のためにスマートカードへ送信することができる。しかし、そのような解決策では、CA遅延は、わずかに減少するだけである。通常、MPEG2ストリームにおいて、ECMは、10ミリ秒ごとに存在する。従って、ECM抽出時間は、ECM解読時間と比べてほぼ無視できる。
【0016】
特許文献4の変化形として、ECMは、それらを解読するスマートカードによって受信される。そのスマートカードによって返還される制御だけが、セットトップボックスに保存される。この変化形は、1つの主な欠点を有する:ECM解読時間は、通常、300ミリ秒から1秒かかり、暗号有効期間は、通常10秒間持続する(すなわち、10秒ごとに新しいECM)ことから、その解決策は、購読されているチャンネルの数に関しては、あまり適切ではない。もしブーケが、20又は30チャンネルよりも多く含む場合、特許文献4によって開示されている解決策は、スマートカードが全てのECMを解読する時間を有していないため、適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0048808号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第2004/114668号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願第07301453.2号明細書
【特許文献4】特開第2000‐101984号公報
【特許文献5】国際特許出願公開第2006/04804号パンフレット
【特許文献6】欧州特許出願第1447983号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
当然のことながら、コンディショナルアクセス遅延の縮小を可能にする代替の解決策に対する必要性が存在する。本発明は、そのような解決策を多数の変化形を用いて提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1態様において、本発明は、制御語の受信の方法に向けられ、各制御語は、個別のコンテンツのチャンネルを解読するために使用が可能である。受信機は、そのコンテンツ・チャンネルとははっきりと異なるチャンネルにおいて制御語のストリームを受信し、その制御語のストリームは、ストリーム・キーを使用して暗号化されており、受信機は、制御語を得るために、その制御語のストリームを、ストリーム・キーを使用して解読する。
【0020】
第1の望ましい実施形態において、制御語は、さらに、チャンネル・キーを使用して暗号化され、そのチャンネル・キーは、制御語が解読できるコンテンツ・チャンネル又はそのようなチャンネルが属するブーケ(bouquet)に特有である。その受信機は、その制御語を、チャンネル・キーを使用して解読する。第1変化形において、そのチャンネル・キーがメッセージにおいて受信され、それは、受信機がそのチャンネル又はブーケを購読している場合のみ解読され、受信機は、そのチャンネル・キーを得るためにそのメッセージを解読する。第2変化形において、そのチャンネル・キーは、特有のユーザに向けられ、そのユーザによってのみ解読可能なメッセージにおいて受信され、受信機は、そのメッセージを、チェンネル・キーを得るために解読する。
【0021】
第2の望ましい実施形態において、受信機がアクセスするコンテンツ・チャンネルに対するストリーム・キーが、そのコンテンツ・チャンネル又は制御のストリームに運ばれた権限制御メッセージ(ECM)から取り戻される。
【0022】
第2態様において、本発明は、制御語を受信するための装置に向けられ、各制御語は、個別のコンテンツ・チャンネルを解読するために使用が可能である。その装置は、コンテンツ・チャンネルとは異なるチャンネルにおいて制御語のストリームを受信する手段であり、その制御のストリームは、ストリーム・キーを使用して暗号化される、手段;及び制御語のストリームを、その制御語を得るためにストリーム・キーを使用して解読する手段;を含む。
【0023】
第1の望ましい実施形態において、制御語は、チャンネル・キーを使用してさらに暗号化され、そのチャンネル・キーは、その制御語が解読することができるコンテンツ・チャンネル又はそのようなチャンネルが付属するブーケに対して特有であり、その解読手段は、そのチャンネル・キーを使用して制御語をさらに解読するための手段である。第1変化形において、受信手段は、特有のユーザに向けられ、そのユーザによってのみ解読が可能なメッセージにおいて、チャンネル・キーをさらに受信するための手段であり;解読手段は、チャンネル・キーを得るためにメッセージをさらに解読するための手段である。
【0024】
第3態様において、本発明は、制御語の送信の装置に向けられ、各制御語は、個別のコンテンツ・チャンネルを解読するために使用可能である。その装置は、ストリーム・キーを使用して制御語のストリームを暗号化する手段;及び暗号化された制御語のストリームを伝送する手段;を含み、その制御語のストリームは、コンテンツ・チャンネルとは異なっている。
【0025】
本発明の望ましい特徴は、付属する図を参照して非限定的な例によってこれから記載される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】既に考察したように、受信側での典型的な従来技術のCAシステムを概略的に描く図である。
【図2】既に考察したように、模範的なインターネットTV(IPTV)システムにおいてチャンネルの変更の後にプログラムを表示するために必要なステップに対して予測される遅延を描く図である。
【図3】本発明に従って、受信機でのコンディショナルアクセス処理の方法の望ましい実施形態を描くフローチャートである。
【図4】本発明の望ましい実施形態に従って、CAデータの輸送のためのシステムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
それらの図において、表わされているブロックは、単に機能的構成要素であって、必ずしも物理的に分離された構成要素に対応しない。これらの機能的構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせとして実装されてもよく;さらに、それらは1つ又はそれ以上の集積回路において実装されてもよい。
【実施例】
【0028】
本発明は、以下、非限定的な例として使用されるコンディショナルアクセス(CA)インターネットTV(IPTV)に適切に適用される。しかし、当然のことながら、それは、特にチャンネル変更においてCA遅延を縮小するために、クラシック・ブロードキャスト・システムなどの他の適切なコンディショナルアクセス・テレビジョン・システムに使用されてもよい。この非限定的な例において、コンディショナルアクセス・テレビジョン受信機は、セットトップボックス(STB)であるが、当然のことながら、本発明は、コンピュータ及び携帯通信機(例えば、携帯電話)などの他の種の受信機にも適用可能である。
【0029】
IPTVシステムにおいて、輸送層は、IPTVストリームを配信しているものとは別に他のチャンネルを提供する。本発明は、そのような「帯域外」チャンネル(バック・チャンネル又はサイド・チャンネルとも呼ばれる)を、CAデータを1つ又はそれ以上のメッセージにおいて配信するために使用する。従って、そのSTBは、事前に又は素早くCAデータを取得してもよく、CAが使用可能なチャンネルにおいてザッピングを行うとき、実際に即時に正しい制御語でデスクランブラーをプログラミングすることができる。
【0030】
STBは、一般的に、ユーザがどのチャンネルをザッピングするかは知っていないことを覚えておくことが大事である。当然のことながら、どのチャンネルをユーザがザッピングするか(最も明らかな例は、数回押されるP+キーである)を推測するヒューリスティック(heuristic)を開発することができるが、ヒューリスティックはいずれも間違いが無いわけではない。よって、理想的には、STBは、それがアクセスできる全てのCA保護されたチャンネルの制御語を認識しなければいけなく、それは数が多くなり得る。これらの制御語は、定期的に更新されることから、STBは、また、情報を最新に維持しなければいけない。
【0031】
注目すべきは、現在のプログラムに対するECMは、常に、IPTVサービスの帯域内で送信され得る。これらのECMは、有利にも、現在のプログラムを複合化するために使用されることから、優先順位が与えられる。
【0032】
本発明に従って、セキュア認証チャンネル(SAC)がIPTV配信サービスとSTBのセキュリティ・モジュールとの間のサイド・チャンネルにおいて設立され、CAデータが設立されたSACの方へ送信される。これは、スマートカードによってECMを分析するために必要とされる時間を縮小することを可能にし、一方、そのセキュリティ・レベルは、高いままで維持してよい。望ましい実施形態において、そのセキュリティ・モジュールは、STBに挿入された取り出し可能なスマートカードであるが、当然のことながら、そのセキュリティ・モジュールは、また、他の場合には、例えばSTB自体のハードウェア及び/又はソフトウェアとして具現化されてもよい。
【0033】
そのSACは、有利にも、その設立が如何なる遅延も加えないように、事前に設立される。SACは、適切な従来技術の方法を用いて、以下のように設立される。
‐特許文献5に有利にも記載されている、バック・チャンネルを使用して、セキュリティ・モジュールとヘッド・エンド(head-end)との間に直接設立される。
‐存在するキー・インフラ構造を使用して、セキュリティ・モジュールとヘッド・エンドとの間に設立される(すなわち、ECMを解読するのに使用されたキーの使用)。当然のことながら、これは、本発明がIPTV及びその類似物だけではなく、「クラシック」なブロードキャスト・システムにおいても使用することを可能にする。
【0034】
その設立が成功した場合、2つの側、すなわち、一方の側にあるヘッド・エンド及びセ他方の側にあるセキュリティ・モジュールは、将来の通信を保護するために使用される共通のセッション・キーを共有する。
【0035】
図3は、本発明に従って、受信機でのコンディショナルアクセス処理のための方法の望ましい実施形態に対するフローチャートを示す。通常の従来技術の作動において、STBは、特にそのセキュリティ・モジュールが取り出し可能なスマートカードである場合、セキュリティ・モジュールとともにSACを設立している。STBは、現在のチャンネルに対するECMを検索する。見つかると、そのECMは、その対応するチャンネルが購読している場合、少なくとも1つの制御語を取得し、これを、SACを通してSTBに返還するセキュリティ・モジュールに渡される。STBは、次に、制御語を使用してそのチャンネルのスクランブルを解く。STBは、この操作(ステップ310)を、暗号有効期間の各変更で繰り返す。
【0036】
既に述べたように、本発明は、チャンネルを切り替えるときのCA遅延を縮小するための解決策を提案する。これを可能にするために、ヘッド・エンドは、提供されるチャンネルのいくつか、望ましくは全ての制御語専用のマルチキャスト・チャンネル(CW(制御語)ストリーム)を供給する。STBは、望ましくは、このマルチキャスト・チャンネルに可能な限り早く接続し、そうすることによって、このチャンネルが必要なときに、如何なる遅延も回避する。
【0037】
CWストリームは、望ましくは、選択された各チャンネルに対し:
‐そのチャンネルを識別する情報、
‐そのチャンネルに対する制御語。その制御語は、暗号化されていない状態で送信されてもよい一方、望ましい実施形態において暗号化される。その暗号化は、望ましくはランダムであり、そのチャンネル又はブーケ(すなわち、チャンネルのグループ)に対してさらに特有であるチャンネル・キーを使用して実施される。その暗号化アルゴリズムは、例えば、制御語とチャンネル・キーとの間のシンプルなXORなどの如何なる適切なアルゴリズムであってもよい。
【0038】
‐例えば、受信機がそのチャンネルのコンテンツのどの部分に制御語が当てはまるかを知ることを可能にするパリティビットなどの同期化情報、
を含む。
【0039】
CWストリームは、有利にも、標準のMPEG2‐TSストリームにおいて実行されるが、当然のことながら、その伝送技術は、本発明の範囲外である。そのCWストリームは、例えば、追加の制御語(ストリーム・キー)、KFCCを使用してスクランブルすることによって保護されているのが望ましい。その追加の制御は、有利にも、そのCWストリーム、1つ又はそれ以上のコンテンツ・チャンネル、又はCWストリーム及び1つ又はそれ以上のコンテンツ・チャンネルの両方における追加のECM(ECMCWS)においてSTBに伝送される。当然、そのKFCCは、少なくとも1つのチャンネルの暗号有効期間に等しいか又はそれと異なってもよい暗号有効期間を用いて一定間隔で変更してよく、そのECMCWSは、1つ又はそれ以上の追加の制御語を含む。これは、CWが最初にチャンネル・キーで暗号化され、次に、KFCCを使用して暗号化されているECMに挿入されることから、望ましい実施形態においてそのCWの超暗号化(super-encryption)をもたらす。
【0040】
受信機側において、STBは、そのCWストリームに対するECM、を同時に検索320する。すなわち、そのSTBは、ECMCWSを検索する。見つかったとき、そのECMCWSは、セキュリティ・モジュールに渡され、そのセキュリティ・モジュールは、通常の検証後にECMCWSを解読し、KFCCを取り出し、それを、SACを通してSTBに返還する。
【0041】
注目すべきは、標準の暗号有効期間の10秒を使用する本発明は、2つのECMのセキュリティ・モジュールによる検証及び解読を必要とする。これは、通常、およそ1秒かかり、それは、各暗号有効期間に対してこれを行う十分な時間があることを意味する。
【0042】
チャンネル変更において、STBは、追加の制御語KFCCを使用してCWストリームのスクランブルを解除する330ために、付属する情報を使用し、新しいチャンネルに対する制御語を得る。その新しいチャンネルに対する制御語は、次に、その新しいチャンネルのスクランブルを解除する350ために使用される。セキュリティ・モジュール又はそのセキュリティ・モジュールにおける如何なる処理を用いた通信も必要でないことから、その復旧は、新しいチャンネルに対するECMを、そのチャンネル自体に対するストリームにおいて見つけるよりもはるかに速い。さらに、当然のことながら、そのCWストリームは、チャンネル変更の前に解読されてもよい。例えば、それが連続的に解読されると、プロセスがさらに速くなる。CWストリームの連続的な解読に対して考えられる代替手段は、例えば、特許文献6に記載される解決策に基づいて、トリック・モード(trick mode)実装を改善するために使用される技術を使用することである。例えば、適切なI-Frameに関連するECMを表に記録する代わりに、各チャンネルの各制御語のストリームにおける位置を表に記録する。これは、復号器が、必要な制御語により速く復旧することを可能にする。
【0043】
STBは、次に、チャンネル・ストリーム自体(このオプションが提供される場合)において新しいチャンネルに対してさらなるECM及びECMCWSも取り出してよい。
【0044】
既に述べたように、CWストリームにおける制御語は、望ましくは、各チャンネル又は各ブーケに対して有利にも異なるチャンネル・キーで超暗号化される。それらのチャンネル・キーは、例えば、専用のメッセージにおいて事前に受信機に配信されるが、望ましくは、そのチャンネル及び/又はブーケに対応するコンディショナルアクセス・メッセージ(ECM及びEMMなど)において配信される。そのセキュリティ・モジュールは、それがアクセスできるコンディショナルアクセス・メッセージを解読することが出来るのみであるため、取り出されたチャンネル・キーは、そのアクセス権限が利用可能であるチャンネル用であることを保証することができる。セキュリティ・モジュールは、取り出されたチャンネル・キーを供給する。すなわち、そのセキュリティ・モジュールがアクセス権限を有するチャンネルのチャンネル・キーのうち少なくともいくつか、望ましくは全てを供給する。当業者は、この条件が、例えば、ECMCWSの各受信の後、月一度(そのチャンネル・キーを含む毎月のEMMの受信の後であり、そのEMMは単一のユーザに向けられており、そのユーザによって解読可能である)、又はSTBとセキュリティ・モジュールとの間のSACの設定又は更新において、選択された実装によって、多数の異なる場合に実施されてもよいことを理解するであろう。
【0045】
望ましい実施形態において、チャンネル変更において(又は前に)、STBは、上記の一般的な例のように新しいチャンネルに対する制御語を取り出す。例外であるのは、その取り出された制御語が超暗号化されることである。その新しいチャンネルが、ユーザ(すなわちセキュリティ・モジュール)がアクセス権限を有していないチャンネルである場合、そのSTBは、チャンネル・キーを取得することができなく、よって、そのチャンネルのスクランブルをとくための制御語を取得することができない。他方で、そのユーザがそのチャンネルへのアクセス権限を有する場合、それは、既に対応するチャンネル・キーを有しているか、又はそれを取得することが可能である。そのチャンネル・キーを使用して、STBは、超暗号化された制御語340のスクランブルを解き、取得hした制御語を、そのコンテンツのスクランブルを解く350ために使用する。
【0046】
図4は、本発明の望ましい実施形態に従って、サーバ420からのCAデータを受信装置(STB410によって例証する)に転送するシステムを描く。明確化のため、内部接続は示されておらず、1つのSTBのみが示されている。しかし、当然のことながら、サーバ420は、複数のSTBに普通に接続されており、それらと相互作用する。
【0047】
STB410は、少なくとも1つのプロセッサ411(以下、「プロセッサ」)、第1接続413を通してコンテンツ・サーバ430から少なくとも1つのプログラムを取り出し、必要な場合は、そのプログラムを、第2接続においてスクランブルされたプログラムのスクランブルを解き、そのスクランブルが解かれたプログラムを、例えば、表示装置(示されていない)に出力するように適合されたデスクランブラー416に転送するように適合されている少なくとも1つのインターフェース412(以下、「インターフェース」)を含む。
【0048】
インターフェース412は、コンディショナルアクセス(CA)サーバ420から第3接続450を通してCWストリームを受信するようにさらに適合されている。当然のことながら、少なくとも第1接続413及び第3接続450は、少なくとも部分的に単一の物理的接続として実装されてもよい。また、当然のことながら、コンテンツ・サーバ430及びCAサーバ420は一緒に配置されてもよい。
【0049】
STBは、さらに、現在の購読に関する情報を保存するためのメモリ(非表示)をさらに含むが、当然のことながら、この情報は、有利にも、少なくとも最初は、スマートカード419に保存される。スマートカード419は、また、サーバ420及びSTB410とともにSACを設定し、解読されたECMの制御語をデスクランブラー316に送信するように有利に適合されている。
【0050】
スマートカード419は、有利にも現在のチャンネル及びCWストリームの両方に対してECMを解読し、制御語をプロセッサ411に送信するようにさらに適合されている。そのプロセッサ411は、取り出された制御語を、現在のチャンネル及びCWストリームを解読するために使用するように適合されている。
【0051】
望ましい実施形態において(制御語がCWストリームにおけるチェンネル・キーを使用して暗号化されている)、スマートカード419は、既に記載されたように、それらのチャンネル・キーを取得し、プロセッサ411に転送するように適合されている。プロセッサ411は、それらのチャンネル・キーを使用して、少なくとも1つの暗号化された制御語を、場合によってはチャンネル変更のときにだけ解読するように適合されており。後者の場合、プロセッサ411も、また、この解読された制御語をデスクランブラー416に送信するように適合されている。
【0052】
CAサーバ420は、通信ユニット(I/O)426を通して、スクランブルされたCWストリームを1つ又はそれ以上のSTBに送信するためのプロセッサ422を含む。当然のことながら、CAサーバ420は、チャンネル・キーを使用してCWストリームにおける制御を超暗号化してもよい。CAサーバ420は、チャンネル・キー、制御語及び他の必要な情報を保存するためのメモリ424をさらに含む。
【0053】
第2実施形態において、個別のCWストリームは使用されない。代わりに、各チャンネルは、それ自身の制御語及び他のチャンネル用の制御語の少なくともいくつか、望ましくは全てを運ぶ。これらの他のチャンネルは、1つ又はそれ以上のブーケのチャンネルに限定することができるが、追加のチャンネルを含むこともできる。第2実施形態において、そのチャンネル自体の制御語は、ECMに送信され、その他のチャンネルの制御語は、1つ又はそれ以上の分離されたECMに送信されるのが望ましい。当然のことながら、扱うECMの合計数が最小であるように別々のECMの数を低く維持することが望ましい;制御語は、次の暗号有効期間の開始に対して準備が出来ていることを保証することが重要である。それらの制御語は、上記に記載されたように、超暗号化されているのが望ましい。
【0054】
変化形において、他のチャンネル用の制御語は、チャンネル・キーで暗号化されている(すなわち、FCCキーを用いた暗号化は無い)のみである。この変化形において、制御語保護専用のECMは必要ではなく、チャンネル・キーは、1つ又はそれ以上のECM、1つ又はそれ以上のEMM、又はそれらの組み合わせに配信され、復号器が、アクセスする権限が与えられていないチャンネルにアクセスしなくてもよいことが保証され得る。言いかえれば、「クリア(clear)」なチャンネルとは別に、復号器は、ユーザの購読に対応するチャンネルにアクセスするだけでよい。
【0055】
当然のことながら、ある一定の状況において、CAサーバ420が、CWストリームにおける暗号化されていない制御語を配信することが望まれる。これは、例えば、全ての購読者に対して利用可能である一定のプログラムに対して、例えば、チャンネルの一種のプレビューとして実行されてもよい。その決定は、サーバ側でされる。
【0056】
当業者は、その追加の制御語を、それがSACを通してSTBへ転送されるセキュリティ・モジュールへ輸送するためのECMCWSを使用することは、ヘッド・エンドからそのSTBまでSACを方向付けることに等しい。当業者は、例えば、ECM及びEMMの表現の使用は、そのようなメッセージに対する解釈を限定することを目的としていないことを理解するであろう;むしろ、幅広い解釈が取られ、例えば、ECMは解読(又はスクランブルを解く)キーを輸送する如何なるメッセージにも及ぶことを目的とする。また、当然のことながら、ヘッド・エンドという用語は、例えば、コンディショナルアクセス・サーバ及び複数のコンテンツ・サーバなどのコンテンツ配信を保証するように一緒に作用する複数の装置を含んでもよい。
【0057】
従って、本発明は、当然のことながら、コンディショナルアクセス・テレビジョン・システムにおいてチャンネル変更でのCA遅延を縮小又は除去できるCAデータの配信に対する解決策を提供する。
【0058】
本記載及び(適切な場合)請求項及び図表において開示されている各特徴は、個別に又は如何なる適切な組み合わせにおいて提供されてもよい。ハードウェアにおいて実装されるとして記載されている特徴は、ソフトウェアにおいても実装されてよく、また、その逆でもよい。接続は、該当する箇所では、無線接続又は有線接続として実装されてもよく、必ずしも直接的又は専用の接続でなくてもよい。
【0059】
請求項において現れる参照符号は、説明のみを目的としており、該請求項の範囲に限定的な効果は有していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御語を受信するための方法であり、各制御語は、個別のコンテンツ・チャンネルを解読するために使用可能であり:
‐前記コンテンツ・チャンネルとはっきりと異なるチャンネルにおいて制御語のストリームを受信するステップであり、該制御語のストリームは、ストリーム・キーを使用して暗号化される、ステップ;及び
‐前記制御語のストリームを、前記ストリーム・キーを使用して、前記制御語を取得するために解読するステップ;
を受信機において含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、制御語は、チャンネル・キーを使用してさらに暗号化され、該チャンネル・キーは、前記制御語が解読できるコンテンツ・チャンネル又は該チャンネルが属するブーケに特有であり、前記制御語を前記チャンネル・キーを使用して解読するステップをさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり:
‐前記チャンネル・キーをメッセージにおいて受信し、該メッセージは、前記受信機が前記チャンネル又は前記ブーケを購読している場合のみにおいて、解読されてもよい、ステップ;及び
‐前記チャンネル・キーを取得するために前記メッセージを解読するステップ;
をさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であり:
‐前記チャンネル・キーを、特有のユーザに向けられ且つ該ユーザによって解読可能であるメッセージにおいて受信するステップ;及び
‐該メッセージを、前記チャンネル・キーを取得するための解読するステップ;
をさらに含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、前記受信機がアクセスするコンテンツ・チャンネルに対するストリーム・キーは、該コンテンツ・チャンネル又は前記制御語のストリームにおいて配信される権限制御メッセージ(ECM)から取り出される、方法。
【請求項6】
制御語を受信する装置であり、各制御語は、個別のコンテンツ・チャンネルを解読するために使用可能であり:
‐前記コンテンツ・チャンネルとはっきりと異なるチャンネルにおいて制御語のストリームを受信する手段であり、該制御語のストリームは、ストリーム・キーを使用して暗号化されている、手段;及び
‐前記制御語を取得するために、前記ストリーム・キーを使用して、前記制御語のストリームを解読する手段;
を含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であり、制御語は、チャンネル・キーを使用してさらに暗号化され、該チャンネル・キーは、該制御語が解読できるコンテンツ・チャンネル又は該チャンネルが属するブーケに特有であり、前記解読する手段は、さらに、前記制御語を、前記チャンネル・キーを使用して解読するためである、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であり:
‐前記受信する手段は、さらに、前記受信機が前記チャンネル又は前記ブーケを購読している場合のみに解読されてもよいメッセージにおいて前記チャンネル・キーを受信するためであり;且つ
‐前記解読する手段は、さらに、前記チャンネル・キーを取得するために前記メッセージを解読するためである;装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置であり:
‐前記受信する手段は、さらに、特有のユーザに向けられ、且つ該ユーザによってのみ解読可能であるメッセージにおいて、前記チャンネル・キーを受信するためであり;且つ
‐前記解読する手段は、さらに、該チャンネル・キーを取得するために前記メッセージを解読するためである;装置。
【請求項10】
制御語を伝送するための装置であり、各制御語は、個別のコンテンツ・チャンネルを解読するために使用可能であり:
‐ストリーム・キーを使用して制御語のストリームを暗号化する手段;及び
‐前記の暗号化された制御語のストリームを伝送する手段であり、該制御語のストリームは、前記コンテンツ・チャンネルとははっきりと異なっている、手段;
を含む、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−515460(P2012−515460A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544874(P2011−544874)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050164
【国際公開番号】WO2010/079219
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】