説明

加入者装置及び保守モ―ド設定方法

【課題】 電話線に接続された電話機を用いるだけで、無線固定加入者装置を保守モードに設定することができる加入者装置及び保守モード設定方法を提供する。
【解決手段】 無線固定加入者装置1を保守モードに設定したい場合には、操作者は電話機22をオフフックした後にメモリ14に記憶されている特定のコードA及び特定のコードBをダイヤルし、この特定コードAの入力後にタイマA15とタイマC24が起動され、タイマC24は特定コードBが入力される時間を測定し、その後にタイマA15がタイムアウトする前にオンフックしたことが検出されたらタイマB16が起動され、オンフック後に呼出音を鳴動させ、その後タイマB16がタイムアウトする前にオフフックするようにしたら無線固定加入者装置1を保守モードに設定する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Wireless Local Loopなどの、電話線で接続された電話機から、無線を介して電話網に接続された他の電話機と発信、着信を行なえるようにした加入者装置及び保守モード設定方法に関し、特に無線固定加入者装置に電話線で接続された電話機あるいは機器からの遠隔操作により保守モードに設定されるよう構成したものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の無線固定加入者装置の第1の構成例を示すブロック図である。図4において無線固定加入者装置1には、電話線端子12a、12bを備えた電話線接続端子12が設けられており、2本の電話線21により電話機22と接続されている。アンテナ2は図示しない電話網に接続された基地局との間で無線電波を送受信する。無線部3はアンテナ2より受信した信号を音声信号に復調し、かつ電話機22からの音声信号を変調してアンテナ2を介して送受信する。
【0003】受話アンプ4は、無線部3により復調された音声信号を増幅する。送話アンプ5は、音声信号を増幅して無線部3に入力する。4線−2線変換回路6は、受話アンプ4からの2線と送話アンプ5への2線の合計4線の信号を電話機22からの電話線2線に変換する。電流供給回路7は、電話線21に接続された電話機22に電流を供給する。
【0004】呼出音発生回路10は、電話機22のリンガー音を鳴動させる呼出音を発生する。リレー8は、スイッチ8a及び8bを有し、電話線21の接続を電流供給回路7と接続した4線−2線変換回路6、または、呼出音発生回路10に切り替える。電流検出回路9は、電話機22に供給する電流を監視し、電話機22のオンフックやオフフックを検出する。DTMF検出回路11は、電話機22がダイヤル発信時に送出するDTMF信号を検出する。
【0005】制御部13は、無線部3と電流検出回路9とDTMF検出回路11からの信号により無線部3とリレー8と呼出音発生回路10を制御して、電話機22が無線を介して電話網に接続された他の電話機と発信、着信、通話を行なえるように制御する。メモリ14は、無線固定加入者装置1の電話番号、ID番号、その他の設定情報を記憶する。コネクタ17は、外部の機器と制御部13を接続する。
【0006】次に上記第1の構成の従来例の動作について説明する。図4において、無線基地局を通じて相手電話機から発信すると、制御部13は無線部3から着信情報を得る。次に制御部13はリレー8と呼出音発生回路10を制御して電話機22に呼出音を送出する。電話機22がオフフックすると制御部13は電流検出回路9からオフフック情報を入手しリレー8を制御し、電話機22と相手電話機の送受信をアンテナ2、無線部3、受話アンプ4、送話アンプ5、4線−2線変換回路6を通じて接続する。
【0007】このようにして上記従来の無線固定加入者装置1は、無線を通じて電話網に接続された他の電話機と、無線固定加入者装置1に電話線21で接続された電話機22との通話を可能にする。
【0008】このときに制御部13は、メモリ14に記憶された無線固定加入者装置1の電話番号やID番号を読み出し、無線基地局との無線リンクの確立に用いる。また、その他の設定情報により、制御部13は、無線固定加入者装置1の制御を行なう。
【0009】このようなメモリ14に記憶された電話番号、ID番号、その他の設定情報は、コネクタ17を介して接続された外部の機器からの専用のコマンドにより、制御部13が無線固定加入者装置1を保守モードに設定し、その後、制御部13と外部の機器との通信により、メモリ14に記憶された電話番号、ID番号、その他の設定情報の書き換えを行なうことができる。
【0010】図5は、従来の無線固定加入者装置の第2の構成例を示すブロック図であり、上記した従来の無線固定加入者装置の第1の構成例の課題に対して電話線21を用いて解決を図ったものである。
【0011】すなわち、無線固定加入者装置1には、コネクタ17の代わりにモデム信号検出回路18を備えている。電話線21には、電話機22の代わりに治具23が接続される。治具23は、モデム信号を送出し、モデム信号検出回路18は、治具23からのモデム信号を検出し、制御部13に検出したデータを送出する。
【0012】次に上記第2の構成の従来例の動作について説明する。図5において、無線固定加入者装置1が屋根裏や屋上など人が触れにくい所に設置されていても、電話線21を介して電話機22が接続され、電話機22は居間などに設置されている。電話機22の代わりに治具23を接続し、治具23からモデム信号を送出する。
【0013】モデム信号検出回路18は、モデム信号を検出し制御部13に検出したデータを伝える。制御部13は、治具23からのコマンドにより、無線固定加入者装置1を保守モードに設定することがでる。その後、制御部13と治具23との通信により、メモリ14に記憶された電話番号、ID番号、その他の設定情報の書き換えを行なうことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の第1の構成の無線固定加入者装置では、メモリ14に記憶された電話番号、ID番号、その他の設定情報の書き換えを行なうために無線固定加入者装置1にコネクタ17を設け、外部の機器と接続しなくてはならないという課題がある。
【0015】無線固定加入者装置1は、通常屋根裏や屋上など人が触れにくい所に設置されることが多い。そのため保守モードの設定時には、そのような所に設置された無線固定加入者装置1と機器を接続しなくてはならないという煩わしさがある。
【0016】また、専用のコネクタ17を備えなくてはならないので、コストが高くなるという課題もある。
【0017】上記従来の第2の構成の無線固定加入者装置1では、保守モードに設定し、治具23と通信を行なうために、無線固定加入者装置1にモデム検出回路18を設けなくてはならず、コストが高くなるという課題がある。
【0018】本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、無線固定加入者装置1に、コネクタ17、モデム信号検出回路18などを設けることなく、また、電話線21に接続された電話機22を用いることで、無線固定加入者装置1を保守モードに設定されるようにして、メモリ14に記憶された電話番号、ID番号、その他の設定情報を書き換えることを可能とする加入者装置及び保守モード設定方法を提供することを目的とする。
【0019】
【発明を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、無線固定加入者装置1に、第1のタイマA、第2のタイマC及び第3のタイマBの3つのタイマを設け、制御部13が前記複数個のタイマを制御して、まず第1のタイマでそのタイムアップ時間内に第1の特定コードを、さらにそのタイムアップ前で第2のタイマのタイムアップ時間後に第2の特定コードを検出し、さらにその後にオンフックし、オンフックしてから第3のタイマのタイムアップ前にオフフックが検出できたら保守モードを設定するようにしたものである。
【0020】また、複数個の特定のコードを入力し、特定のコード照合操作をカウントするカウンタを設け、カウントして規定回数を満たすことで、保守モード設定の信憑性を高めるようにしている。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の加入者装置に関する発明は、電話線で接続された電話機から送出されたダイヤル信号を検出するダイヤル信号検出手段と、前記電話機に呼出音を送出する呼出音発生手段と、前記電話機のオフフックとオンフックを検出する検出手段と、設定情報等を記憶する記憶手段と、オフフック後、あらかじめ前記記憶手段に記憶されている第1の特定コード及び第2の特定コードが入力されてからオンフックされるまでの時間を計数する第1のタイマ手段と、前記第1の特定コードから前記第2の特定コードが入力されるまでの時間を計測する第2のタイマ手段と、オンフック後で呼出音鳴動後にオフフックされるまでの時間を計測する第3のタイマ手段とを備え、前記電話機あるいは機器からダイヤル信号によって、複数の特定のコードを発生し、この特定のコードを、前記第1乃至第3のタイマ手段が計測した異なる時間内または時間後に検出したとき保守モードに設定されることを特徴とする。
【0022】また、請求項2に記載の保守モード設定方法に関する発明は、オフフック後に記憶手段に記憶されている第1の特定コード及び第2の特定コードをダイヤルし、この第1の特定コードの入力後に第1のタイマ手段と第2のタイマ手段が起動され、前記第2のタイマ手段は前記第2の特定コードが入力される時間を測定し、その後に前記第1のタイマ手段がタイムアウトする前にオンフックしたことが検出されたら第3のタイマ手段が起動され、オンフック後に呼出音を鳴動させ、その後前記第3のタイマ手段がタイムアウトする前にオフフックされるかどうかを検出して、検出された場合に保守モードが設定されることを特徴とする。
【0023】また、請求項3に記載の加入者装置に関する発明は、電話線で接続された電話機から送出されたダイヤル信号を検出するダイヤル信号検出手段と、前記電話機に呼出音を送出する呼出音発生手段と、前記電話機のオフフックとオンフックを検出する検出手段と、設定情報等を記憶する記憶手段と、特定コード照合操作回数をカウントするカウンタとを備え、前記電話機あるいは機器からダイヤル信号によって、複数の特定のコードを発生し、この特定のコードの照合操作を前記カウンタでカウントし、所定の照合操作回数を検出したとき保守モードに設定されることを特徴とする。
【0024】また、請求項4に記載の加入者装置に関する発明は、請求項3記載の加入者装置において、前記カウンタの特定コードの照合操作回数が規定された回数であるときに保守モードに設定されることを特徴とする。
【0025】以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1及び第2の実施の形態を含む加入者装置の構成を示すブロック図である。図1において無線固定加入者装置1には、電話線端子12a、12bを備えた電話線接続端子12が設けられており、2本の電話線21により電話機22と接続されている。アンテナ2は、図示しない電話網に接続された基地局との間で無線電波を送受信する。無線部3はアンテナ2より受信した信号を音声信号に復調し、かつ電話機22からの音声信号を変調してアンテナ2を介して送受信する。
【0027】受話アンプ4は、無線部3により復調された音声信号を増幅する。送話アンプ5は、音声信号を増幅して無線部3に入力する。4線−2線変換回路6は、受話アンプ4からの2線と送話アンプ5への2線の合計4線の信号を電話機22からの電話線2線に変換する。電流供給回路7は、電話線21に接続された電話機22に電流を供給する。
【0028】呼出音発生回路10は、電話機22のリンガー音を鳴動させる呼出音を発生する。リレー8は、スイッチ8a及び8bを有し、電話線21の接続を電流供給回路7と接続した4線−2線変換回路6、または、呼出音発生回路10に切り替える。電流検出回路9は、電話機22に供給する電流を監視し、電話機22のオンフックやオフフックを検出する。DTMF検出回路11は、電話機22がダイヤル発信時に送出するDTMF信号を検出する。
【0029】制御部13は、無線部3と電流検出回路9とDTMF検出回路11からの信号により無線部3とリレー8と呼出音発生回路10を制御して、電話機22が無線を介して電話網に接続された他の電話機と発信、着信、通話を行なえるように制御する。メモリ14は、無線固定加入者装置1の電話番号、ID番号、その他の設定情報を記憶する。第1のタイマA15、第2のタイマC24および第3のタイマB16は、制御部13からの指示により規定の時間を計測する。
【0030】次に第1の実施形態の動作について説明する。図1において、無線固定加入者装置1に接続された電話機22が、無線を通して電話網に接続された他の電話機と、発信、着信、通話を行なう動作については、上記した従来の動作と同じであるのでここでは再説しない。
【0031】そこで無線固定加入者装置1を保守モードに設定するための動作について説明する。操作者は、無線固定加入者装置1を保守モードに設定したい場合、電話機22をオフフックした後、特定の第1のコードAをダイヤルボタンを押下して送信してその後一定期間空け、さらに特定の第2のコードBをダイヤルボタンを押下して送信し、その後、オフフックした後から一定期間内にオンフックを行なう。次に、電話機22の呼出音が鳴動するので、鳴動後一定期間内にオフフックを行なう。
【0032】無線固定加入者装置1は、オフフック後のダイヤルが、メモリ14に記憶されている特定の第1のコードAであり、特定の第1のコードAの入力後第1のタイマA15と第2のタイマC24を起動し、第2のタイマC24がタイムアウト後に特定の第2のコードBが入力された後、第1のタイマA15がタイムアウトする前にオンフックされ、次に、リレー8と呼出音発生回路10を制御して、呼出音を電話線21に送出し、電話機22を鳴動させる。
【0033】呼出音が鳴動後、第3のタイマB16がタイムアウトする前にオフフックされたことを検出した場合、操作者が無線固定加入者装置1を保守モードにしたいと判断し、無線固定加入者装置1を保守モードに設定する。
【0034】この動作を図2のフローチャートを用いて説明する。あらかじめ、例えば第1の特定のコードAを「123」に、また第2の特定のコードBを「456」に定め、メモリ14に記憶しておく。
【0035】操作者は、電話機22をオフフックし(ステップ1、図示では鍵括弧内にステップの数字が示されている)、電話機22を使用してダイヤル番号を押下する。電話機22からDTMF信号が送出され、DTMF信号検出回路11がその信号を検出し、DTMF信号入力(ステップ2)を制御部13に伝える。制御部13は、オフフック後のダイヤルを検出し、第1の特定のコードA「123」かを判断する(ステップ3)。第1の特定のコードA「123」でない場合は、通常のダイヤル操作と判断し、通常のダイヤル処理(ステップ8)を行なう。第1の特定のコードA「123」であれば、制御部13は、第1のタイマA15、第2のタイマC24を起動する(ステップ4)。
【0036】操作者は、第1の特定のコードA「123」を押下後、一定期間を空け、電話機22を使用してダイヤル番号を押下する。電話機22からDTMF信号が送出され、DTMF信号検出回路11がその信号を検出し、DTMF信号入力(ステップ5)を制御部13に伝える。制御部13は、ダイヤルを検出し、第2の特定のコードB「456」かを判断する(ステップ6)。第2の特定のコード「456」でない場合は、通常のダイヤル操作と判断し、通常のダイヤル処理(ステップ8)を行なう。第2の特定のコードB「456」であれば、第2のタイマC24がタイムアウト後に入力されているか判断し(ステップ7)、オンフック検出待ちに移行する(ステップ9)。タイムアウトしていなければ、通常のダイヤル処理(ステップ8)を行なう。
【0037】操作者は、保守モードに設定したい場合、すぐに一旦オンフックを行なう。制御部13は、第1のタイマA15起動後、オンフックの検出(ステップ9)と、新たなダイヤルの検出(ステップ10)を、第1のタイマA15がタイムアウトするまで行なう(ステップ12)。
【0038】新たなダイヤルが入力されたならば、第1の特定のコードA「123」、第2の特定のコードB「456」に続くダイヤルが押下されたと判断し(ステップ10)、通常のダイヤル処理を行なう(ステップ14)。また、第1のタイマA15がタイムアウトしたならば(ステップ12)、操作者は保守モードに入る意志がないものと判断し、通常のダイヤル処理を行なう(ステップ14)。
【0039】第1のタイマA15がタイムアウトする前にオンフックを検出する(ステップ9)と、制御部13は、第3のタイマB16を起動し(ステップ11)、同時に、リレー8と呼出音発生回路10を制御して、呼出音を電話線21に送出し、電話機22を鳴動させる(ステップ13)。
【0040】操作者は、オンフック後電話機22が鳴動したならば、すぐにオフフックする。制御部13は、第3のタイマB16が起動後、オフフックの検出(ステップ15)を、第3のタイマB16がタイムアウトするまで行なう(ステップ16)。第3のタイマB16がタイムアウトしたならば、操作者は保守モードに入る意志がないものと判断し、待機状態に移行する(ステップ18)。第3のタイマB16がタイムアウトする前にオフフックを検出する(ステップ15)と、保守モードに移行する(ステップ17)。
【0041】このように、上記第1の実施形態によれば、制御部13内に複数の時間計測手段として第1のタイマA15、第2のタイマC24及び第3のタイマB16を設け、ダイヤル検出用のDTMF信号検出回路11を兼用し、第1の特定のコードA「123」、第2の特定のコードB「456」が入力後にオンフックされるまでの時間を第1のタイマA15を用いて計測し、第1の特定のコードA「123」と第2の特定のコードB「456」入力される時間を第2のタイマC24で測定し、オンフック後の呼出音鳴動後にオフフックされるまでの時間を第3のタイマB16を用いて計測し、規定時間内であれば、無線固定加入者装置1を保守モードに設定することができる。その為、コネクタ、モデム信号検出回路等の部品を増やすことなく保守モードに設定できるという効果を有する。
【0042】また、保守モードに移行後は、電話機のダイヤルを用いて、DTMF信号によるコマンドを送出することができるので、制御部13はそのコマンドより、メモリ14に記憶された電話番号、ID番号、その他の設定情報を書き換えることができる。
【0043】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施形態において、無線固定加入者装置1に接続された電話機22が、無線を通して電話網に接続された他の電話機と、発信、着信、通話を行なう動作については、上記した従来の動作と同じであるのでここでは再説しない。
【0044】そこで無線固定加入者装置1を保守モードに設定するための動作について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、オフフック操作(図3R>3のステップ1)に始まり、途中のオンフック操作(図3R>3のステップ9)を経てオフフック操作(図3のステップ15)に至るまでを図1に示したカウンタ25でカウントし、規定回数を満した後に保守モードに移行するものである。
【0045】この動作を図3のフローチャートを用いて説明する。あらかじめ、例えば第1の特定のコードAを「123」に、第2の特定のコードBを「456」に定め、メモリ14に記憶しておく。
【0046】操作者は、電話機22をオフフックし(ステップ1)、電話機22を使用してダイヤル番号を押下する。制御部13は、既に保守モード設定中かを判断し(ステップ19)、保守モード設定中なら、電話機22からDTMF信号が送出され、DTMF信号検出回路11がその信号を検出し、DTMF信号入力(ステップ2)を制御部13に伝える状態に移行する。
【0047】保守モード設定中でなければ、カウンタ25を0に設定する(ステップ20)。保守モードへの移行のためには、上記した図2に示される第1の実施形態と同じ操作(ステップ2からステップ16参照)をし、保守モード設定の一連の操作を満たしていれば、操作回数をカウントし、規定回数に満たしているか判断する(ステップ21)。規定回数を満たしていなければ、オフフック待ち(ステップ1)状態に戻る。規定回数を満たしていれば、保守モードに移行する(ステップ17)。
【0048】このように、第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の加入者装置にカウンタを追加し保守モード設定の操作回数をカウントすることで、保守モード設定の信憑性を高めている。
【0049】
【発明の効果】本発明は上記した実施形態の説明から明らかなように、操作者が加入者装置の電話線に接続された電話機をオフフックし、ダイヤル操作し、加入者装置の制御部が、あらかじめ記憶手段に記憶されている第1の特定のコード及び第2の特定のコードを第1のタイマA15がタイムアウトする前に検出し、さらに第2の特定のコードを第2のタイマCがタイムアウト後に検出した後にオンフックし、その後、電話機の呼出音が鳴動後第3のタイマB16がタイムアウトする前にオフフックすることで、加入者装置を保守モードに設定できるので、特別な装置を用いなくてすむという効果を有する。
【0050】また、加入者装置にコネクタ、検出回路等を備えなくて良いので、加入者装置の回路構成を簡単にし、コストを低くすることができるという効果も有する。
【0051】また、特定のコード照合操作をカウントするカウンタを設け、カウントし規定回数を満たすことで、保守モード設定の信憑性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2の実施形態を含む無線固定加入者装置の構成を示す概略ブロック図、
【図2】本発明の第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート、
【図3】本発明の第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート、
【図4】従来の無線固定加入者装置の第1の構成を示す概略ブロック図、
【図5】従来の無線固定加入者装置の第2の構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 無線固定加入者装置
2 アンテナ
3 無線部
4 送話アンプ
5 受話アンプ
6 4線−2線変換回路
7 電流供給回路
8 リレー
9 電流検出回路
10 呼出音発生回路
11 DTMF信号検出回路
12 電話線端子
13 制御部
14 メモリ
15 タイマA(第1のタイマ手段)
16 タイマB(第3のタイマ手段)
17 コネクタ
18 モデム信号検出回路
21 電話線
22 電話機
23 治具
24 タイマC(第2のタイマ手段)
25 カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電話線で接続された電話機から送出されたダイヤル信号を検出するダイヤル信号検出手段と、前記電話機に呼出音を送出する呼出音発生手段と、前記電話機のオフフックとオンフックを検出する検出手段と、設定情報等を記憶する記憶手段と、オフフック後、あらかじめ前記記憶手段に記憶されている第1の特定コード及び第2の特定コードが入力されてからオンフックされるまでの時間を計数する第1のタイマ手段と、前記第1の特定コードから前記第2の特定コードが入力されるまでの時間を計測する第2のタイマ手段と、オンフック後で呼出音鳴動後にオフフックされるまでの時間を計測する第3のタイマ手段とを備え、前記電話機あるいは機器からダイヤル信号によって、複数の特定のコードを発生し、この特定のコードを、前記第1乃至第3のタイマ手段が計測した異なる時間内または時間後に検出したとき保守モードに設定されることを特徴とする加入者装置。
【請求項2】 オフフック後に記憶手段に記憶されている第1の特定コード及び第2の特定コードをダイヤルし、この第1の特定コードの入力後に第1のタイマ手段と第2のタイマ手段が起動され、前記第2のタイマ手段は前記第2の特定コードが入力される時間を測定し、その後に前記第1のタイマ手段がタイムアウトする前にオンフックしたことが検出されたら第3のタイマ手段が起動され、オンフック後に呼出音を鳴動させ、その後前記第3のタイマ手段がタイムアウトする前にオフフックされるかどうかを検出して、検出された場合に保守モードが設定されることを特徴とする保守モード設定方法。
【請求項3】 電話線で接続された電話機から送出されたダイヤル信号を検出するダイヤル信号検出手段と、前記電話機に呼出音を送出する呼出音発生手段と、前記電話機のオフフックとオンフックを検出する検出手段と、設定情報等を記憶する記憶手段と、特定コード照合操作回数をカウントするカウンタとを備え、前記電話機あるいは機器からダイヤル信号によって、複数の特定のコードを発生し、この特定のコードの照合操作を前記カウンタでカウントし、所定の照合操作回数を検出したとき保守モードに設定されることを特徴とする加入者装置。
【請求項4】 前記カウントの特定コードの照合操作回数が規定された回数であるときに保守モードに設定されることを特徴とする請求項3記載の加入者装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2000−217140(P2000−217140A)
【公開日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−15302
【出願日】平成11年1月25日(1999.1.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】