説明

加圧流体、及び外的刺激に対して敏感な、非−着色性の化粧学的に活性な剤を用いた、化粧処置用組成物の製法

【課題】 ケラチン物質、特に皮膚または毛髪等のヒトのケラチン繊維の化粧処置用組成物の製法、並びにこの組成物を用いた、ケラチン物質を処置するための化粧学的な方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも約0.3MPa(3 bar)なる圧力下で、少なくとも蒸気を含む流体を、固体状態またはペースト状態にある、少なくとも1種の非-着色性の、外的刺激に対して敏感な、化粧学的に活性な薬剤に浸透させる工程を含むことを特徴とする、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物の製法およびこの方法に従って、化粧処置用組成物を調製し、得られる組成物をケラチン物質に適用することを特徴とする、ケラチン物質を処置するための化粧学的方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン物質、特に皮膚又は毛髪等のヒトのケラチン繊維の化粧処置用の組成物の製法、並びにこの組成物を用いた、ケラチン物質を処置するための化粧学的な方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料分野では、ケラチン物質の化粧学的特性を改善することが、恒常的に探求されている。即ち、局所的に適用するための組成物において、汚染並びに紫外線輻射等の外的な攻撃因子を排除し、ケラチン繊維又は皮膚の損傷、特に皮膚の老化の徴候を排除し、ケラチン繊維及び皮膚を湿潤し、かつこれらに栄養供給し、しかも皮膚及びこれら組成物で処置される他のケラチン物質に、非-着色性の化粧学的に活性な剤に関連するあらゆる利点を付与するために、これらの化粧学的に活性な剤を使用することは、公知の手法である。
本発明の目的にとって、「非-着色性の化粧学的に活性な剤」とは、ケラチン物質、特に皮膚、口唇、ツメ及び毛髪と接触状態に維持した場合に、該ケラチン物質に如何なる持続性の又は一時的な着色性をも付与しない、あらゆる活性剤を意味する。
例えば、老化過程中に、老化の様々な特徴的徴候が、ヒトの皮膚上に現れ、これは特に皮膚の構造及び機能における変化によって反映される。皮膚の老化に関する主な臨床的徴候は、特に以下に列挙するもの:細かな線(皺)の出現と、それに伴う、加齢と共に増大する深い皺及び皮膚の「肌理」の破壊等である。即ち、細部の起伏(レリーフ)がより不均一になり、しかも異方性に富む特徴を持つことになる。
さらに、一般的に皮膚の色が変更され、青ざめた、またより黄色味を帯びた外観となり、これは基本的に毛細循環系の破壊(皮膚毛根乳頭部におけるヘモグロビンの減少)によるものと考えられる。多数の有色の斑点が、メラニン形成不全のために、表面上に現れる。老化に係る他の臨床上の徴候は皮膚の乾燥及び荒れの出現であり、これらは、より広範な落屑によるものであり、光の回折によって、これらの鱗片は、肌の色における、僅かにグレー状の外観の生成にも部分的に寄与している。
【0003】
従って、特に老化の徴候及び着色欠陥を、例えば以下に記載するようなビタミン、酵素、尿素、ルチン、幾つかの酸及びポリ不飽和脂肪酸を含む化粧料又は皮膚科学的な組成物を用いて処置することが公知の手法である。
同様に、ケラチン繊維が還元処理、例えばパーマネントウエーブ処理及び/又は酸化処理、例えば染髪処理に付されている場合、あるいはこれらが外的な刺激、例えば光に暴露された場合、該ケラチン繊維を、ビタミン、サンスクリーン、例えば桂皮酸エステル、酸化防止剤又は遊離基スキャベンジャー、例えばフラボノイド等で処置することも公知の手法である。この処置によって、該繊維の色及び光沢は回復され、また該繊維の滑らかさが改善される。
しかし、幾つかの非-着色性の化粧学的に活性な剤は、水、酸化剤及び/又は光に対して不安定であるという欠点を有し、即ちこれらは化学的な加水分解、酸化、光分解又は光分解、あるいはまたイオン交換等のメカニズムによる分解を受け、これは、化粧料組成物を、数日以内に、殆ど効果のないものとし、及び/又はその外観、香り及び/又は感触を消費者にとって受け入れ難いものとしてしまう。
このような不安定性を示す、これらの非-着色性の化粧学的に活性な剤を、以下において「外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤」、即ち長時間に渡る水、酸化、日光及び/又は高温の作用に対して敏感な非-着色性の化粧学的に活性な剤と呼ぶものとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、これらの活性剤は、水性の化粧料組成物において使用することは困難であり、またこのような非-着色性の化粧学的に活性な剤を含有する組成物の製造は、多大な注意を払いつつ製造して、これらを化粧料組成物に配合する前における、これら化合物と、特に水分、大気中の酸素又は光との接触を回避する必要がある。
さらに、外的刺激に対して敏感な、これらの非-着色性の化粧学的に活性な剤は、比較的高価な漏れ防止ボトル又は容器、例えば空気取込み口のないシステム及び/又は不透明な材料で作られたバッグを備えたシステムを有する、ポンプ-ディスペンサボトル内に詰める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願人は、驚いたことに、外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤を含む、ケラチン物質処置用の化粧料組成物の新規な製法の利用が、上で概説した安定性に係る問題の解決を可能とすることを見出した。さらに、この方法は、2分未満という極めて短い時間で、必要に応じて、外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤に関して多少とも濃縮されている、組成物の製造をも可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この方法は実施が簡単であり、消費者にとって適したものである。好ましくは30℃以上の温度を持つ流体を、1分未満という極めて短い時間に渡り、固体又はペースト状態、好ましくは固体形状の、及びより好ましくは粉末状の少なくとも1種の外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤に、加圧下で通す。
また、特に大気中の媒体及び/又は水性組成物において不安定な、これらの非-着色性の化粧学的に活性な剤を、無水状態で使用することも可能である。というのは、これら剤が、大気中の水分又は水と反応するか、あるいはこれら剤が、無水組成物中ではこれらと反応しない化合物と、水性溶液中では反応するからである。
本発明の方法に従って製造した組成物は、限られた貯蔵安定性を持つ恐れがあるが、これはこの場合欠点ではない。というのは、この方法は、組成物の調製後即座に、例えばその製造後5分以内に、特にケラチン物質に対して許容される温度まで、好ましくは60℃以下まで及びより一層好ましくは50℃以下まで冷却した後に使用するための、直に使用する組成物に導くからである。該組成物は、使用する該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤の劣化速度に応じて、その製造の1週間後までに使用できる。
【0007】
このように極めて短い製造時間を与えることにより、所定の化粧学的特性に従って、種々の化粧学的に活性な化合物を混合することによって、該化粧処置用の組成物を、「必要に応じて」製造することが可能となる。
他の態様では、該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、直に使用できるデバイスにより、包装することができるので、予め溶液中の該活性剤の濃度を測定する必要がなく、このことは、使用者による測定誤差を抑制する。
さらに、本発明の方法は、多重仕切り、漏れ防止ボトルの使用回避を可能とし、このために、使用者にとって、この方法は、特に経済的かつ安全なものとなっている。
かくして得た組成物は、単独で、又は他の組成物との混合物として使用できる。
この製法の更なる利点は、良好な化粧料特性を持つ組成物の製造である。特に、本発明の方法に従って得た組成物で処置したケラチン繊維は、改善されたコンディショニング特性、及び特に外的な攻撃因子に対する毛髪のより良好な保護特性を持つ。皮膚に関しては、従って老化を良好に防御し、良好な栄養並びに水分供給を行い、また良好なはんこん形成の防止が達成される。
【0008】
従って、本発明の課題の一つは、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物の製法を提供することにあり、この方法は、加圧流体を、固体又はペースト状態にある、少なくとも1種の外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤に浸透させる工程を含む。
本発明のもう一つの課題は、本発明の上記方法により得られる組成物を提供することにある。
本発明の課題は、また本発明の上記方法により得られる組成物の、ケラチン物質の化粧処置、特に毛髪及び皮膚をコンディショニングするための使用を提供することにある。
また、本発明の課題は、ヒトケラチン物質を処置するための、化粧学的方法に係り、この方法は、a) 少なくとも約0.3MPa(3 bar)なる圧力下で、固体状態又はペースト状態にある、少なくとも1種の外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤に、流体を浸透させることにより、そのまま使用できる化粧料組成物を製造する工程、及びb) 該工程a)で得た組成物を、該ケラチン物質に適用する工程を含む。
該活性剤の特性に応じて、該ケラチン物質に対する適用は局所的に、経口経路で、及び好ましくは局所的に行うことができる。
本発明の課題は、さらに本発明の上記製法を実施するための、包装デバイスを提供することにある。
本発明のその他の課題、特徴、局面及び利点は、以下に記載される説明及び実施例を読んだ際に、より一層明らかになるであろう。
【0009】
本発明によれば、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物の上記製造方法は、少なくとも0.3MPa(3 bar)なる圧力下で、好ましくは30℃以上、さらに好ましくは30〜150℃なる範囲、及びより一層好ましくは40〜120℃なる範囲の温度にて、固体状態又はペースト状態にある、少なくとも1種の外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤に、流体を浸透させる工程を含む。
浸透とは、飽和された多孔質媒体を介して流体を移動させて、圧力の作用又は影響によって、該流体を通過させることである。
該流体は、少なくとも蒸気を含むものである。このものは、場合により液体としての水を含む蒸気、あるいは場合により液体としての水を含む蒸気と、1種以上の化粧学的に許容される液状及び/又は気体状溶媒との混合物からなるものであり得る。好ましくは、該流体は、液体としての水を含んでいてもよい蒸気である。
列挙可能な有機溶媒の例は、C1-C4低級アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノエチルエーテル;また芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール;及びこれらの混合物を含む。
【0010】
本発明において使用する、外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、固体状態又はペースト状態、好ましくは固体状態及びより一層好ましくは粉末状態にある。
本発明の目的にとって、該用語「ペースト状態」とは、固相及び液相の中間のコンシステンシーを持つものを意味するものとする。このペースト相の粘度は、剪断速度10 s-1で、25℃にて、好ましくは0.1 Pa.sを越えるものであり、またより一層好ましくは1 Pa.sを越えるものである。
該用語「ケラチン物質」とは、皮膚、瞼、頭皮、口唇及び/又は外皮、例えばツメ、ケラチン繊維、例えば眉毛、睫及び毛髪を意味するものとする。
本発明の方法は、加圧流体を生成するための標準的なデバイスを用いて、好ましくは30℃以上、及びより好ましくは30〜150℃なる範囲及びより一層好ましくは40〜120℃なる範囲の温度にて実施することができる。このようなデバイスは、耐熱ブロックを備えた、耐圧性のチャンバー及び生成する該流体を、固体状態又はペースト状態にある、該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤まで搬送する回路を含む。
もう一つの態様によれば、このデバイスは、さらに液体の貯蔵槽及び該液体を該チャンバーまで搬送するためのポンプを含む。
この貯蔵槽に含まれる該液体は水、又は水と1種以上の化粧学的に許容される溶媒との混合物である。好ましくは、該液体は水である。
本発明の方法を実施するのに特に有用なデバイスは、「エスプレッソ」式のコーヒー飲料製造装置である。このような装置は、当分野において周知である。例えば、これらの装置は、特許:AT 168,405、US 2,688,911、DE 324 33 870及びIT 1,265,636に記載されている。
【0011】
本発明の特定の1態様によれば、該浸透(パーコレーション)段階は、30℃以上、好ましくは30〜150℃なる範囲及びより一層好ましくは40〜120℃なる範囲の温度にて、0.3〜3 MPa (3〜30 bar)なる範囲、好ましくは少なくとも0.4 MPa (4 bar)、より好ましくは1 MPa (10 bar)以上、及び最も好ましくは1〜3 MPa (10〜30 bar)なる範囲の圧力にて、流体を使用して行われる。
固体又はペースト形状にある、少なくとも1種の外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、この目的のための容器内で、該加圧流体を発生するデバイス内で直接使用することができる。該組成物は、また特定の、シングル-ドーズ(single-dose)式の、包装デバイス内で包装することができ、このデバイスは、少なくとも一つの壁によって境界が定められた、閉じたハウジングを含み、該少なくとも一つの壁は、少なくとも0.3 MPa (3 bar)なる圧力下にある流体に対して、少なくとも部分的に透過性である。このようなデバイスは、例えば特許出願:WO 00/56629、EP 512470、US 5,897,899又はWO 99/03753に記載されている。これらの包装デバイスは、一般に気密式、水密式及び/又は遮光式である。
特定の態様によれば、該ハウジングは、二枚の封止したシートによって、境界が定められている。もう一つの態様によれば、該ハウジングは、蓋で閉じられたトレイによって、境界が定められている。
これらのデバイスは、織り又は不織り、プラスチック又は植物材料、例えばセルロース、アルミニウム等の金属、あるいは複合材料から製造できる。このようなデバイスは、例えば特許出願:WO 00/56629、EP 512470、US 5,897,899又はWO 99/03573に記載されている。
【0012】
本発明において使用可能な、上記の外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、水、酸化及び/又は光、及び好ましくは水に対して敏感な非-着色性の化粧学的に活性な剤であり得る。特に列挙できるこのような活性剤の例は、ビタミン、酵素、天然抽出物、尿素、酸化防止剤、又は遊離基スキャベンジャー、幾つかの酸、ポリ不飽和脂肪酸及びサンスクリーンを含む。
本発明において使用可能な、水及び酸化に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤としては、特に以下に列挙するものを例示できる:
・ビタミン、例えばアスコルビン酸(ビタミンC)及びその誘導体、特にそのリン酸誘導体、例えばジ-α-トコフェリルジアスコルビルリン酸のカリウム塩(センジュファーマシューティカル(Senju Pharmaceutical)社から、セピバイタル(Sepivital) EPCとして市販されている)、アスコルビルリン酸マグネシウム及びアスコルビルリン酸ナトリウム(ロッシュ(Roche)社からステイ(Stay)-C50として市販されている)、及びそのエステル、例えばアスコルビルアセテート、パルミテート及びプロピオネート;レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、特にそのエステル、例えばレチニルアセテート、パルミテート及びプロピオネート;パントテン酸(ビタミンB)及びその及び誘導体、例えばパントラクトン及びD-パンテノール;皮膚の毛細血管拡張症及び特に酒さの治療のために使用できる、ビオチン(ビタミンH)、フィオジオン(ビタミンK1);
・酵素、例えばラクトパーオキシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ、セルラーゼ又はスーパーオキシドジスムターゼ;
【0013】
・固体形状にある天然抽出物、例えばバーム抽出物、タイム抽出物、プロシアニドール(procyannidol)オリゴマー(又はPCOs)、例えばサンザシPCOs、松PCOs(ピクノゲノール)及びグレープPCOs、及び果実抽出物、例えばクロフサスグリ及びコケモモの抽出物;
・尿素;
・フラボノイド、例えばスリム化の目的で、及び目の輪郭描写の目的で使用されるルチン;
・特に、ふけ取り剤として使用される硫化セレン;
・ある種の酸、例えばコウジ酸、レチノイン酸及びその誘導体、例えばレチノール及びレチニルパルミテート、ベンゼン-1,4-ビス(3-メチリデン-10-カンファースルホン酸)、及びサリチル酸及びその誘導体、例えば5-n-オクタノイルサリチル酸;
・ポリ不飽和脂肪酸、例えばγ-リノレン酸又はリノール酸、及びこれらのエステル。
本発明において使用できる、光に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、ある種のビタミン類、例えばフィトジオン(phytodione)(ビタミンK1)、フラボノイド、レチノイド又はアントラリンであり得る。
【0014】
本発明において特に好ましい、外部刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、酵素、尿素、フラボノイド、硫化セレン、上記のような酸及びポリ不飽和脂肪酸である。
この外部刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、1種以上の固体又はペースト状の、及び好ましくは粉末状のアジュバントとの混合物として使用できる。該アジュバントはクレー、塩、アニオン性、ノニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤、天然又は合成増粘剤、場合により変性された澱粉、ガラスビーズ、シリカ、ナイロン、アルミナ、二酸化チタン、ゼオライト、ポリ(メチルメタクリレート) (PMMA)、キトサン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、モノ-又はジ-サッカライド、例えばグルコース、スクロース、ソルビトール又はフルクトース、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、樹脂粒子、例えばシリコーン又はシリカビーズ、タルク、ポリアスパラギン酸、ホウ珪酸塩、特にホウ珪酸カルシウム、ポリエチレン、綿、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロース及びその誘導体、超吸収性化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、コーン種子、ポリジメチルシロキサンガム、ポリアクリルアミド、多孔質ヒドロキシアパタイト、絹、コラーゲン、鋸屑、海草粉末、小麦、米、エンドウ、ルピナス種子、大豆又は大麦の粗粉又は抽出物、架橋したポリビニルピロリドン、アルギン酸カルシウム、活性炭素、及びポリ(ビニリデンクロリド/アクリロニトリル)粒子、特にアクゾノーベル(Akzo Nobel)社により一般名「エクスパンセル(ExpancelTM)」として、また個別的に「エクスパンセルWE」又は「エクスパンセルDE」として市販されているもの、及びこれらの混合物から選択できる。
【0015】
1種以上のアジュバントが存在する場合、本発明において使用する該外部刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤は、固体又はペースト状の外部刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤及びアジュバントの全質量を基準として、好ましくは0.5〜99質量%なる範囲、より一層好ましくは1〜80質量%なる範囲、及びさらに一層好ましくは2〜60質量%なる範囲の量で存在する。
本発明の方法において、植物又は植物抽出物を使用する場合、該浸透工程に先立って、これらを予備処理することができる。この予備処理は、乾燥、焙焼、低温粉砕又は、凍結乾燥処理であり得る。
本発明の方法に従って得た、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物は、該外部刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤及び該流体の成分、即ち水及び/又は化粧学的に許容される溶媒に加えて、場合により、固体又はペースト状混合物として存在する該アジュバントの全て又はその幾分かを含むことができる。
本発明は、また本発明の上記方法により得ることのできる組成物にも係り、特に好ましい組成物は、如何なる保存剤をも含まない。
本発明の製造方法を利用することによって、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物が得られ、この組成物は、該ケラチン物質に直接適用することができ、あるいは化粧学的に許容される媒体と混合することが可能であり、あるいはまた化粧品において従来から使用されている、少なくとも1種の添加物を、オペレータがこの組成物に添加することもできる。本発明の方法によって得られた、少なくとも2種の組成物を、一緒に混合することも可能である。上記のように、場合により混合し及び/又は添加物の添加により得られる、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物は、以下において、最終的化粧処置用組成物又は最終組成物と呼ぶことにする。
【0016】
本発明の一特定の態様は、如何なるヒトの介入も必要とせず、かつ場合により冷却手段を備えたデバイスによって、得られる組成物を適用する工程からなる。
もう一つの特定の態様は、毒性の問題が、当分野において全く知られていない場合には、例えば該化粧学的に活性な剤が、脂肪酸又はビタミンA及びE等のビタミンである場合には、本発明の方法によって得られた、化粧処置用組成物を摂取することからなる。
該最終的化粧処置用組成物中に存在する、該外部刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤の量は、該最終的化粧処置用組成物の全質量を基準として、一般に約0.001〜50質量%なる範囲、好ましくは0.005〜30質量%なる範囲及びより一層好ましくは0.01〜20質量%なる範囲内にある。
本発明の方法によって得られた化粧料組成物を、化粧学的に許容される媒体と混合する場合、該媒体は、一般に水又は水と、水に対する溶解度が十分でない成分を溶解するための、少なくとも1種の有機溶媒との混合物からなる。
該用語「化粧学的に許容される(cosmetically acceptable)」とは、ケラチン物質及び特に皮膚、口唇及び/又は外皮と相溶性であり、かつ付随的に、利用者にとって快適な、外観、感触、香り又は場合によっては芳香を持つ媒体を意味する。
列挙することのできる有機溶媒の例は、C1-C4低級アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、及び芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、及びこれらの混合物を含む。
これら溶媒は、該最終的化粧処置用組成物の全質量を基準として、好ましくは1〜40質量%なる範囲、及びより一層好ましくは5〜30質量%なる範囲の割合で存在する。
【0017】
また、化粧品において従来から使用されている、少なくとも1種の添加物を、本発明の方法によって得られた化粧学的処置用の組成物に添加することができる。列挙可能なこのような添加物の例としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤又はその混合物、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性ポリマー又はその混合物、無機又は有機増粘剤、及び特にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性ポリマー会合性の増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、上記以外のコンディショニング剤、例えばシリコーンオイル、フィルム形成剤、セラミド、保存剤、乳白剤及び有色又は真珠箔顔料を挙げることができる。
上記添加物は、該添加物各々に対して、一般に該最終組成物の全質量を基準として、0.01〜20質量%なる範囲内の量で存在する。
勿論、当業者は、この又はこれら随意の化合物を、本発明による化粧料組成物と関連する固有の有利な諸特性が、もくろまれた添加により悪影響を受けず、あるいは実質的に悪影響を受けないように、選択すべく注意するであろう。
該最終的化粧処置用組成物のpHは、一般に3〜12なる範囲、及び好ましくは5〜11なる範囲にある。これは、通常化粧品において使用されている酸性化剤又は塩基性化剤を用いて、あるいはまた標準的な緩衝系を用いて、所定値に調節できる。
列挙できる酸性化剤は、例えば無機又は有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、及びスルホン酸である。
列挙できる塩基性化剤は、例えばアンモニア、アルカリ炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-及びトリ-エタノールアミン及びその誘導体;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び以下の式で表される化合物である:
【化1】

ここで、Wは場合によりヒドロキシル基又はC1-C4アルキル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり、Ra、Rb、Rc及びRdは同一でも、異なっていてもよく、水素原子、C1-C4アルキル基又はC1-C4ヒドロキシアルキル基を表す。
【0018】
該最終的化粧処置用組成物は、液体、クリーム又はジェル等の様々な形状、又はケラチン物質を処置するための、シャンプー、洗い流される又は付けたまま残されるコンディショナー、ディープダウン(deep-down)ケアマスク、シャワージェル、ローション又はクリーム、あるいは皮膚や毛髪用の日焼け防止製品等として使用するのに適した任意の他の形状を採ることができる。
本発明は、またケラチン物質を処置するための化粧学的方法にも関連し、該方法は、上に定義したような方法に従って、化粧処置用組成物を調製する工程及びこの組成物を、例えばオペレータにより、あるいはヒトの介入を全く必要としないデバイスにより、該ケラチン物質に適用する工程を含む。その適用時間は、15秒〜1時間なる範囲内であり得る。
その適用に先立って、本発明の方法に従って得た該化粧処置用組成物を、上記のような化粧学的に許容される媒体及び/又は1種又はそれ以上の化粧品において従来使用されている添加物と混合することができる。
もう一つの態様は、本発明の方法に従って、少なくとも2種の化粧処置用組成物を製造する工程と、これら組成物を一緒に混合する工程と、場合により、上記のような、化粧学的に許容される媒体及び/又は1種又はそれ以上の化粧品において従来使用されている添加物を添加する工程と、これに続くこの得られた最終組成物を、該ケラチン物質に適用する工程からなる。
以下の実施例は、本発明を例示するためのものである。
【0019】

例1
以下の固体成分を、固体混合物全質量を基準とする、質量%で表された、指定された割合で、一緒に混合する:
− 50%の純尿素
− 25%のアンホテンシド(Amphotensid) B4PVなる商品名で市販されている、粉末状ラウロイルアミドプロピルベタイン
− 25%の粉末状スクロース
この混合物5gを、市販のエスプレッソ装置に投入した。次いで、最終体積50mlを有する組成物(A)が得られるまで、蒸気をこの混合物に通じた。
直に皮膚に適用することのできる、処置用組成物を得た。
かくして、毛髪の改善された滑らかさ及び柔軟性が達成された。
適用を容易にするために、該組成物(A)の2質量部に、1質量部の水性組成物(B)を添加することができる。この組成物(B)は、1質量%のヒドロキシエチルセルロースを含む。
【0020】
例2
プロテアーゼ粉末を、市販のエスプレッソ装置に投入した。次いで、最終体積50mlを有する組成物(A)が得られるまで、これに蒸気を通じた。
直に顔面に適用することのできる、処置用組成物を得た。この組成物は、顔面を滑らかにし、かつ顔色を柔らかくすることを可能とした。
2質量%の80-85%エステル化されたプロピレングリコールアルギネートを含む水性組成物(B)の1質量部を、適用を容易にするために、該組成物(A)の1質量部に添加することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質を処置するための化粧料組成物の製法であって、少なくとも0.3MPa(3 bar)なる圧力下で、少なくとも蒸気を含む流体を、固体状態又はペースト状態にある、少なくとも1種の非-着色性の、外的刺激に対して敏感な、化粧学的に活性な剤に浸透させる工程を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
該流体が、場合により液体としての水を含む蒸気、又は場合により液体としての水を含む蒸気と、1種又はそれ以上の化粧学的に許容される液状及び/又は気体状の溶媒との混合物からなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤が、ビタミン、酵素、天然抽出物、尿素、酸化防止剤、又は遊離基スキャベンジャー、コウジ酸、レチノイン酸及びその誘導体、ベンゼン-1,4-ビス(3-メチリデン-10-カンファースルホン酸)、サリチル酸及びその誘導体、ポリ不飽和脂肪酸、硫化セレン及びサンスクリーンから選択される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
該化粧学的に活性な剤が、酵素、尿素、フラボノイド、硫化セレン、コウジ酸、レチノイン酸及びその誘導体、ベンゼン-1,4-ビス(3-メチリデン-10-カンファースルホン酸)、サリチル酸及びその誘導体及びポリ不飽和脂肪酸から選択される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
該酵素が、ラクトパーオキシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ、セルラーゼ及びスーパーオキシドジスムターゼから選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該フラボノイドが、ルチンである、請求項4記載の方法。
【請求項7】
該ポリ不飽和脂肪酸が、γ-リノレン酸又はリノール酸及びこれらのエステルから選択される、請求項4記載の方法。
【請求項8】
該外的刺激に対して敏感な、固体状態又はペースト状態にある、非-着色性の化粧学的に活性な剤を、少なくとも1種のアジュバントとの混合物として使用する、上記請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
該アジュバントが、クレー、塩、アニオン性、ノニオン性、カチオン性又は双性イオン性界面活性剤、天然又は合成増粘剤、場合により変性された澱粉、ガラスビーズ、シリカ、ナイロン、アルミナ、二酸化チタン、ゼオライト、ポリ(メチルメタクリレート) (PMMA)、キトサン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、モノ-又はジ-サッカライド、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、シリカビーズ、タルク、ポリアスパラギン酸、ホウ珪酸塩、特にホウ珪酸カルシウム、ポリエチレン、綿、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロース、超吸収性化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、コーン種子、ポリジメチルシロキサンガム、ポリアクリルアミド、多孔質ヒドロキシアパタイト、絹、コラーゲン、鋸屑、海草粉末、小麦、米、エンドウ、ルピナス種子、大豆又は大麦の粗粉又は抽出物、架橋したポリビニルピロリドン、アルギン酸カルシウム、活性炭素、及びポリ(ビニリデンクロリド/アクリロニトリル)粒子から選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤が、固体状態又はペースト状態にある、非-着色性の化粧学的に活性な剤及びアジュバントの全質量を基準として、0.5〜99質量%なる範囲及び好ましくは1〜80質量%なる範囲の量で存在する、請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
得られる該化粧処置用組成物が、該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤及び該流体の成分に加えて、場合により、固体又はペースト状の混合物として存在する、アジュバントの全て又はその幾分かをも含む、上記請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
該浸透工程を、0.3〜3 MPa (3〜30 bar)なる範囲の圧力下にある流体を用いて行う、上記請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
該浸透工程を、少なくとも1 MPa (10 bar)なる圧力下にある流体を用いて行う、請求項12記載の方法。
【請求項14】
上記請求項の何れか1項に記載の方法によって得ることのできる、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物。
【請求項15】
如何なる保存剤をも含まない、請求項14記載のケラチン物質を処置するための化粧料組成物。
【請求項16】
請求項1〜13の何れか1項に記載の方法に従って化粧処置用の組成物を調製し、この組成物をケラチン物質に適用することを特徴とする、ケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項17】
該組成物を、人の介入を全く必要としないデバイスによって、該ケラチン物質に適用する、請求項16記載のケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項18】
該組成物の適用前に、請求項1〜13の何れか1項に記載の方法に従って調製した、該化粧処置用の組成物を、化粧学的に許容される媒体及び/又は化粧品において使用される1種又はそれ以上の添加物と混合する、請求項16記載のケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項19】
請求項1〜13の何れか1項に記載の方法に従って少なくとも2種の化粧処置用組成物を調製し、これら組成物を一緒に混合し、かつ該混合物をケラチン物質に適用することを特徴とする、ケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項20】
化粧料組成物を包装するためのデバイスであって、少なくとも一つの壁によって境界が定められた、閉じたハウジングを含み、該少なくとも一つの壁は、少なくとも0.3 MPa (3 bar)なる圧力下で、流体に対して、少なくとも部分的に透過性であり、該組成物が、少なくとも1種の、外的刺激に対して敏感な、固体状態又はペースト状態にある、非-着色性の化粧学的に活性な剤を含むことを特徴とする、上記デバイス。
【請求項21】
該ハウジングが、二枚の封止されたシートによって、その境界が定められている、請求項20記載のデバイス。
【請求項22】
該ハウジングが、蓋によって閉じられたトレイにより、その境界が定められている、請求項20記載のデバイス。
【請求項23】
請求項1〜13の何れか1項に記載の方法によって調製した組成物の、ケラチン物質の化粧学的な処置における使用。
【請求項24】
請求項1〜13の何れか1項に記載の方法によって調製した組成物の、毛髪又は皮膚のコンディショニングのための使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質を処置するための化粧料組成物の製法であって、少なくとも0.3MPa(3 bar)なる圧力下で、少なくとも蒸気を含む流体を、固体状態又はペースト状態にある、少なくとも1種の非-着色性の、外的刺激に対して敏感な、化粧学的に活性な剤に浸透させる工程を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
該流体が、場合により液体としての水を含む蒸気、又は場合により液体としての水を含む蒸気と、1種又はそれ以上の化粧学的に許容される液状及び/又は気体状の溶媒との混合物からなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤が、ビタミン、酵素、天然抽出物、尿素、酸化防止剤、又は遊離基スキャベンジャー、コウジ酸、レチノイン酸及びその誘導体、ベンゼン-1,4-ビス(3-メチリデン-10-カンファースルホン酸)、サリチル酸及びその誘導体、ポリ不飽和脂肪酸、硫化セレン及びサンスクリーンから選択される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
該化粧学的に活性な剤が、酵素、尿素、フラボノイド、硫化セレン、コウジ酸、レチノイン酸及びその誘導体、ベンゼン-1,4-ビス(3-メチリデン-10-カンファースルホン酸)、サリチル酸及びその誘導体及びポリ不飽和脂肪酸から選択される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
該酵素が、ラクトパーオキシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ、セルラーゼ及びスーパーオキシドジスムターゼから選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該フラボノイドが、ルチンである、請求項4記載の方法。
【請求項7】
該ポリ不飽和脂肪酸が、γ-リノレン酸又はリノール酸及びこれらのエステルから選択される、請求項4記載の方法。
【請求項8】
該外的刺激に対して敏感な、固体状態又はペースト状態にある、非-着色性の化粧学的に活性な剤を、少なくとも1種のアジュバントとの混合物として使用する、上記請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
該アジュバントが、クレー、塩、アニオン性、ノニオン性、カチオン性又は双性イオン性界面活性剤、天然又は合成増粘剤、場合により変性された澱粉、ガラスビーズ、シリカ、ナイロン、アルミナ、二酸化チタン、ゼオライト、ポリ(メチルメタクリレート) (PMMA)、キトサン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、モノ-又はジ-サッカライド、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、シリカビーズ、タルク、ポリアスパラギン酸、ホウ珪酸塩、特にホウ珪酸カルシウム、ポリエチレン、綿、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロース、超吸収性化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、コーン種子、ポリジメチルシロキサンガム、ポリアクリルアミド、多孔質ヒドロキシアパタイト、絹、コラーゲン、鋸屑、海草粉末、小麦、米、エンドウ、ルピナス種子、大豆又は大麦の粗粉又は抽出物、架橋したポリビニルピロリドン、アルギン酸カルシウム、活性炭素、及びポリ(ビニリデンクロリド/アクリロニトリル)粒子から選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤が、固体状態又はペースト状態にある、非-着色性の化粧学的に活性な剤及びアジュバントの全質量を基準として、0.5〜99質量%なる範囲の量で存在する、請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
得られる該化粧処置用組成物が、該外的刺激に対して敏感な、非-着色性の化粧学的に活性な剤及び該流体の成分に加えて、場合により、固体又はペースト状の混合物として存在する、アジュバントの全て又はその幾分かをも含む、上記請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
該浸透工程を、0.3〜3 MPa (3〜30 bar)なる範囲の圧力下にある流体を用いて行う、上記請求項の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記請求項の何れか1項に記載の方法によって得ることのできる、ケラチン物質を処置するための化粧料組成物。
【請求項14】
如何なる保存剤をも含まない、請求項13記載のケラチン物質を処置するための化粧料組成物。
【請求項15】
請求項1〜12の何れか1項に記載の方法に従って化粧処置用の組成物を調製し、この組成物をケラチン物質に適用することを特徴とする、ケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項16】
該組成物を、人の介入を全く必要としないデバイスによって、該ケラチン物質に適用する、請求項15記載のケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項17】
該組成物の適用前に、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法に従って調製した、該化粧処置用の組成物を、化粧学的に許容される媒体及び/又は化粧品において使用される1種又はそれ以上の添加物と混合する、請求項15記載のケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項18】
請求項1〜12の何れか1項に記載の方法に従って少なくとも2種の化粧処置用組成物を調製し、これら組成物を一緒に混合し、かつ該混合物をケラチン物質に適用することを特徴とする、ケラチン物質を処置するための化粧学的方法。
【請求項19】
化粧料組成物を包装するためのデバイスであって、少なくとも一つの壁によって境界が定められた、閉じたハウジングを含み、該少なくとも一つの壁は、少なくとも0.3 MPa (3 bar)なる圧力下で、流体に対して、少なくとも部分的に透過性であり、該組成物が、少なくとも1種の、外的刺激に対して敏感な、固体状態又はペースト状態にある、非-着色性の化粧学的に活性な剤を含むことを特徴とする、上記デバイス。
【請求項20】
該ハウジングが、二枚の封止されたシートによって、その境界が定められている、請求項19記載のデバイス。
【請求項21】
該ハウジングが、蓋によって閉じられたトレイにより、その境界が定められている、請求項19記載のデバイス。
【請求項22】
請求項1〜12の何れか1項に記載の方法によって調製した組成物の、ケラチン物質の化粧学的な処置における使用。
【請求項23】
毛髪又は皮膚のコンディショニングのための、請求項22記載の使用。

【公開番号】特開2006−206562(P2006−206562A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−51898(P2005−51898)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】