説明

加熱可能な電極を備えた分析アレイ及び化学的及び生化学的分析のための方法

本発明は、加熱可能な電極を備えた分析アレイ及び化学的及び生化学的分析方法に関し、その際、少なくとも1つの加熱可能な電極(13)の電極表面(1)が化学的及び生化学的分析のためにそれぞれ各自の均一な温度に調節される。電極(1)の横断面は縦軸(8)に沿って変化し及び/又は少なくとも加熱電流接点(5,5’)は被覆層(4,4’)によって絶縁されている。少なくとも1つの化学的及び/又は生化学的物質を同時に測定する方法の場合には、個々の電極がそれぞれ各自の温度に調節され、その際前記温度は抵抗の測定及び加熱電流の調節により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の上位概念の特徴を有する分析アレイ及び請求項16に記載の上位概念の特徴を有する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的及び生化学的分析においては、しばしば、試料中の複数の分析種(ターゲット分子、アナライト分子)を測定しなければならないことは公知である。例えばpH測定及び様々なイオンの測定は、様々なイオン選択性電極が設けられているアレイを用いて実現される。
【0003】
遺伝子工学においては、例えば、長い核酸配列を解明することや、試料中の複数の様々な核酸配列を見つけだすという問題がある。この問題は、いわゆるDNAチップを用いて達成され得る。その際、様々な核酸分子が、プローブ分子としてそれぞれの適当なアレイ要素上に固定され、ターゲット分子の分子的な認識に利用される。天然の核酸の多様な部分配列を同時に測定することもできる。
【0004】
この場合、分子の識別結果の検出のためには、様々な方法を使用することができる。多くは蛍光分析法が使用されるが、ときには電気化学的方法も使用される。
【0005】
独国特許出願公開(DE−A1)第19940647号明細書によると、作用電極と基準電極もしくは対向電極との間に交流電圧を印加すると、非相補的配列がプローブオリゴヌクレオチドから突き放たれることが公知である。
【0006】
それに対して、独国特許出願公開(DE−A1)第19921490号明細書によると、ミスマッチのないDNA二本鎖の導電性が利用される。それというのもミスマッチ塩基対が存在すると、導電性が低下するためである。
【0007】
核酸分子で修飾されている電気的に加熱可能な電極を使用することも先行技術に属する。従って、独国特許出願公開(DE−A1)第19960398号明細書に記載されているように、ハイブリダイゼーション及び検出の全ての工程をそれぞれの個別の温度で実施もしくは測定することも可能である。
【0008】
米国特許(US−B1)第6,255,677号明細書からは、化学的及び生物学的産物を分析するための分析チップが公知である。この分析チップ上には各々独立に加熱可能な電極が設けられており、前記電極は局所的に加熱することができる。この反応面を備えた電極は、方形渦巻き状の形を有し、かつ直接加熱することができる。この渦巻きの横断面は、全長にわたり同じに保たれている。たいていの場合に、前記電極の加熱は、特定的に配置されたレンズシステムを備えたレーザー源により間接的に行われるか、又は前記電極付近に付加的に配置された加熱ワイヤによって間接的に行われる。
【0009】
各々独立に加熱可能な電極からなる公知の加熱可能な電極及びアレイもしくは分析チップの欠点は、アレイ上の電極表面の温度もしくは前記電極の反応面の温度が、電極表面全体としては均一でないことである。前記電極表面上に望ましくない温度勾配が生じてしまう。その原因は、大きな横断面積を有する加熱電流供給手段による熱放散にある。この大きな横断面積は必要である。なぜならば、これがないと、加熱すべき電極が加熱されず、電流供給手段が加熱されてしまうためである。その結果、両方の加熱電流接点箇所の方向に電極の温度低下が生じる。そのことが原因となって、ターゲット鎖とプローブ鎖が相互に100パーセント相補的ではないにもかかわらず、核酸のハイブリダイゼーションの際に誤って陽性の検出結果が頻繁にでてしまう。
【0010】
ミスマッチのある二重鎖がなお一定の安定性を有することも原因の一つである。しかし、「解離温度」T、つまり二本鎖の核酸の両方の鎖が互いに解離する温度は、ミスマッチのない二本鎖核酸と比較して、ミスマッチ塩基対1つ当たり約5K低下する。これは、ミスマッチ塩基対の検知のために利用されるが、しかしながらこれには電極表面全体の温度の正確な調節が前提となる。二本鎖が長ければそれだけ、その解離温度も高くなる。プローブが十分に短ければ、Tは室温を僅かに上回る程度である。その際、ミスマッチ対が出現している場合には、相応するミスマッチを有する二本鎖はつまり室温の範囲内では不安定である。
【0011】
独国特許出願公開(DE−A1)第19940647号明細書に記載された、作用電極に電圧を印加するか又は電流を供給することによる測定法は、試料マトリックス又はアナライトの成分自体との不所望なレドックス副反応が生じかねないという欠点を有する。プローブ配列の長さ及びグアニジン/シトシン含有量に応じて、ミスマッチ塩基対の識別の際に極めて異なる電流が必要となる。
【0012】
独国特許出願公開(DE−A1)第19921940号明細書に記載されるような二本鎖DNAの導電性の利用は同様に欠点を有する。ある種の塩基対においては、完全に相補的な鎖(ターゲット)とミスマッチのある鎖との間の識別効果は著しく減少するか、もしくはほとんどない(チミン−チミン、チミン−シトシン)。
【0013】
加熱可能な作用電極、例えば独国特許出願公開(DE−A1)第19960398号明細書又は米国特許(US−B1)第6255677号明細書に記載されているような核酸修飾電極を有するアレイを使用することで、確かに、その温度により、ハイブリダイゼーション工程を最適化、加速し、並びにプローブ分子の再生を可能にする他の可変のパラメータが導入される。しかしながら、1つの電極でそれぞれ1種類の分析種だけが測定できるだけであるか、もしくは個々の電極の反応面積全体の温度が均一ではないことが欠点である。
【0014】
さらに、所定の電極温度に影響を及ぼす障害因子が問題である。例えば、変動する周囲温度又は供給された試料溶液の変化する温度を補整しなければならない。この障害因子が補整されない場合には、必要な電極温度の正確な調節は不可能である。
【0015】
測定と電気的加熱とを同時に行う場合には、前記アレイの個別に加熱された電極は互いに流電気的(galvanisch)に隔離されていなければならないことも欠点である。そうでないと個別的な電気化学的測定は不可能であるためである。
【0016】
加熱された電極を用いた作業の際の更なる欠点は、試料溶液をかなり加熱してしまうことが多いことである。特に、一般に生化学的分析の場合に多いが、試料の体積量が極めて少ない時には、加熱された電極を短時間運転するだけで、分析溶液を数ケルビン加熱してしまう。このことは、所望の電極温度の調節を困難にし、有益な微小撹拌効果を低下させ、試料溶液全体に不所望な温度負荷が生じる結果となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の課題は、
a)個々の電極表面をそれぞれ各自の温度にすることができ、前記温度は電極表面全体で均一な値を有し、かつ
b)個々の電極が互いに害を及ぼし合わずに電気的な加熱及び電気化学的測定が同時に可能であり、かつ
c)試料溶液の不所望な加熱を引き起こさない、
化学的及び生化学的分析のための選択的に加熱可能な電極を有する分析アレイを提供することであり、
本発明の更なる課題は、1種以上のターゲット分子を、それぞれ、正確に調節可能で並びに時間的かつ空間的に制御された各自の電極温度において同時に測定する対応する化学的及び生化学的分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題は、請求項1及び請求項16に記載の特徴部により解決される。更なる好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0019】
従って、本発明においては、アレイの電極は、好ましくは、任意の厚さの層状導電性要素、特に炭素、白金、パラジウム、金、イリジウム、ビスマス、カドミウム、ニッケル、亜鉛、銀、銅、鉄、鉛、アルミニウム、マンガン、水銀又はこれらの合金からなるこのような導電性要素の配列からなり、前記要素は、好ましくは、平坦な支持体としての非導電性の支持体材料、例えばガラス及びガラス様の物質、セラミック、種々のポリマーなどの支持体材料の上にスパッタリング又は蒸着によって形成される。
【0020】
前記支持体上の個々の電極は、それぞれの端部に電流供給のための電気的加熱電流接点を有し、かつ電気的に加熱することができる。
【0021】
電流供給手段を備えたこの加熱電流接点は、電気化学的並びに電気的測定機器、例えばポテンシオスタット、ガルバノスタット、電流計又は電圧計の接続のためにも利用されるのが特に有利である。前記加熱電流接点及び前記電流供給手段は、電解質(試料溶液)との接触を避けるために、なるべく、適当な材料、例えばガラス、塗料、ポリマー性プラスチックで電気絶縁性に被覆される。
【0022】
本発明においては、層状の導電性要素の配置のための方法は、スパッタリング又は蒸着に限られるのではなく、電極は、流電気的手法により又は薄い金属ワイヤ、金属テープ等を相応して配置することによって支持体上に形成できることも判明した。特に、加熱可能な炭素電極は、印刷された層の形で、炭素粉末からなるペーストとして、又は層及びロッドの形のガラス状炭素として実現することができる。
【0023】
本発明では、個々の電極において、大きな熱損失を引き起こす加熱電流接点付近での電極の横断面積が比較的小さくなるように、電極の長さに沿って、電極の縦軸を横切るそれの横断面積を変化させる。
【0024】
加熱電流接点付近での局所的に小さな横断面積のために、電極のこの部分は、同じ加熱電流を供給した場合でもより強く加熱される。電流供給手段が接続された加熱電流接点を介した比較的大きな排熱のために、この比較的強い加熱がちょうど相殺される。
【0025】
それゆえ、本発明においては、電極表面全体に同じ温度を達成することが可能である。
【0026】
この際、電極表面が電極の反応面として長く延在しているがほぼ楕円形を有し、そして電流供給手段が接続された加熱電流接点が電極の狭くなった端部に配置されている場合に特に有利であることが判明した。加熱電流接点の方向に横断面積積を均一に減少させることも可能である。
【0027】
加熱電流接点での電極の最も小さな横断面積と電極の最も大きな横断面積との比率が1:1〜1:3であることができることが判明した。1から2までの比率が特に有利であることが判明した。
【0028】
しかし、本発明において、この比率は上記の値に限定されることはない。なぜならば、この比率は常に様々な影響要因に左右されるからである。そのような要因の一つは、加熱電流接点のところでの電流供給手段を介した熱の放出がいか程大きいかということ、また電極温度と周囲温度との差がどれ程大きいかということである。使用条件に応じて、電極形状は最適に形成される。
【0029】
本発明の電極の形状によって、アレイの個々の電極の電極面全体で均一な温度を得ることが可能である。この均一な温度は、例えば、比較的短い核酸鎖において、電極表面の正確な温度調節を必要とする核酸の場合の正確な配列決定のために特に必要である。これによってのみ、調査すべき化学的又は生化学的材料の正確な測定が可能である。従って、例えば、もうすでに僅かな温度調節時の不正確さや、電極表面の温度勾配でさえ頻繁にエラー検出を引き起こす核酸配列(特に、比較的短い配列の場合)の決定の際にも、エラーを排除することが今や可能である。
【0030】
しかしながら、本発明においては、加熱電流接点のところで電極表面の末端領域を断熱性及び絶縁性の層で追加的に被覆し、それにより前記加熱電流接点付近での熱損失を低下させることによって、軸方向に熱損失を生じさせないか、または僅かな熱損失が生じるだけにすることも可能である。この被覆は、加熱電流接点の周囲だけに限定するか、電極表面のより広い部分に限定することができる。両方の組合せも可能である。加熱電流接点の末端部で電極を部分的に被覆する場合には、電極に沿った横断面積積の変化はより小さくてよいかまたは不要であるが、個々の電極での反応面の大きさはそれによりいくらか制限される。
【0031】
しかしながら、電極の長さを極端に長くして、接点箇所の付近の所謂「冷たい」端部領域を、電極全長との比で極めて小さな部分とすることも可能である。この極端な場合には、端部での温度差は無視することができる。
【0032】
本発明においては、電極に第3の接点を配置することも可能である。この接点、すなわち電気化学的測定装置の接続を目的とした対称的な接点配置における、所謂、中央の(第3の)接点は、この箇所での熱損失が可能な限り無視できる程度に小さくなるように、常に小さいものとしておくべきである。これは容易に可能である。それというのも測定すべき電気化学的電流は、加熱電流よりも約6桁小さいからである。
【0033】
このアレイの個々の電極への電流供給は、様々な方法で実現することができる。一つの態様においては、電流供給手段は支持体の下からそれを貫いて電極に案内される。しかし、電流供給手段を、電極と同一平面上でアレイの縁部に案内することも可能である。これらの両方法は、組み合わせた形でも可能であり、本発明を限定するものではない。
【0034】
本発明による電極表面形状を有する個々の電極それぞれに関して加熱電流の電圧低下が測定される。この電極を流れる加熱電流の値と共に、抵抗値が式R=U/Iにより計算される。R=R(1+αT)の関係式(抵抗基準値R及び前記電気抵抗の温度係数α)により、測定された抵抗値は電極温度の尺度となる。こうして求められる抵抗値は、それぞれの電極の電極温度ではなく、それぞれの加熱電流を個別に適合させることによって調節される(マルチチャンネル法)。それにより、それぞれの電極に関して別々にいくらか異なる影響を及ぼしうる熱による妨害作用は補われる。好ましくは、その測定部は、干渉を避けるために、オプトカプラーを介して制御対象と結びつける。
【0035】
全体の電流供給は、例えば電流供給源として変圧器を介して行われる。個々の電極への電流の流れは、前方及び後方に設けられている多重ダブルスイッチ(Mehrfachdoppelschalter)によって電気化学的測定の時点で中断される。この電極に印加される電圧及び電流の強さは、それぞれの電極について個別に測定され、この測定された値をさらに、各自の制御装置に送る。各制御装置は、また更に各自のアクチュエータ(例えば電気抵抗体)に接続し、前記アクチュエータは電極に供給すべき電流量に影響を及ぼす。従って、それぞれの個々の電極の温度を正確に制御することができる。
【0036】
しかし、本発明においては、アレイ全体への電流を1つのアクチュエータ(例えば電気抵抗体)を用いて調節することにより、個々の電極の温度を全体的に制御することも可能である。これはシングルチャンネルシステムであるため、低コストである。
【0037】
この場合、個別の温度変動は考慮されない。測定シグナルは、この場合は、中央の温度センサーにより得られ、前記温度センサーは制御ユニットと接続されている。
【0038】
このような簡単な配置の場合には、個々の電極のそれぞれの温度は、中央のアクチュエータによるアレイ全体の基本設定及び制御の他に、個々の電極の前にそれぞれトリム抵抗体を設けることにより定められる。
【0039】
この場合でも、アレイには例えば変圧器を介して電流が供給される。アレイ上で電極間に配置されている少なくとも1つの温度センサーによって温度を測定し、その温度値を制御ユニットに送られ、そして前記制御ユニットが、加熱システム全体のための少なくとも1つのアクチュエータ(例えば、電気抵抗体)に影響を及ぼす。これは、電極の加熱のために必要である所定の電流の強さを中央で調節及び制御することにより達成される。
【0040】
スイッチの位置に応じて多重ダブルスイッチを介して、個々の電極に電流が供給されるか又は供給されない。それにより、アレイ上の電極を各々別に温度調節し、前記調節された温度を全体的に制御し、そしてそれとは時間的に離れて、個々の電極が互いに妨害し合うことなく多数の電気化学的測定を行うことが可能である。
【0041】
電気加熱及び電気化学的測定を前後して行う場合は、前記したように多重ダブルスイッチを用いて電極アレイを加熱システムから流電気的に切断することができる。この措置は、測定及び加熱を同時にするべき場合には、行うことはできない。
【0042】
その代わりに、この場合には流電気的分離は、個々の電極をそれぞれ各自のトランスデューサー(Uebertrager)を用いて加熱システムから切り離すことにより行われなければならない。これは、全体的な温度制御の場合に簡単に達成することができる。個別的な温度制御の場合には、電気的分離は、制御回路中でも、電極の電気抵抗体のための測定装置と加熱システム中のそれぞれのアクチュエータ(例えば電気抵抗体)との間に追加的に必要とされる。これは例えばオプトカプラーを用いて行うことができる。
【0043】
平坦な下側を備え、好ましくはアルミニウム又は銅からなる冷却要素がアレイの上に配置される場合には、試料溶液はアレイと冷却要素との間に薄い層の形で閉じ込められる。前記冷却要素は、例えば、十分な寸法を有するリブ付きのパッシブヒートシンクと接触させることができる。比較的大きな熱量の場合又は室温を下回る初期温度の場合には、ペルティエ素子を前記冷却要素と接触させるか又はペルティエ素子自体が冷却要素であってもよい。試料溶液と接触する前記冷却要素の平面は、不活性の金層又は白金層で有利に被覆される。前記冷却要素は、その大きい面積に基づき、有利に共通の対電極として使用することもできる。
【0044】
他の利点、詳細及び本発明の根本的な特徴は、例えば、添付する図面に基づく本発明の次のより詳しい説明から明らかである。
【0045】
以後、同じ部材には同じ符号が付与されている。
【0046】
図1a及び1bには、金からなる16個の電極13を備えたアレイが図示されており、前記電極はガラスからなる支持体3上にスパッタリングにより設けられる。各電極は、HS修飾されたプローブ鎖からなる各々別の核酸−SAMである反応媒体6で修飾されており、前記反応媒体は試料溶液22中のターゲット鎖の認識のために利用される。この場合、電極表面縁部7はわずかに丸まっているため、電極表面1の形が長く引き延ばされた楕円の形状を有する。電極表面1の最も大きな幅と、加熱電流接点5の被覆層4に直に接する最も狭い幅との比率は、10:7である。電極13の端部にある加熱電流接点5,5’は、電極13の加熱のための電流供給手段2,2’と接続しており、前記電流供給手段は、図1bから明らかなように、支持体3を貫通して下から電極に通じている。前記電極13の端部は、プラスチックからなる被覆層4,4’によって付加的に被覆されている。それにより、接する溶液に対して電気的絶縁と、場合により電極表面1をより大きく被覆する場合には熱損失の低減が供される。
【0047】
電極表面1の幅が長軸8に沿って加熱電流接点5,5’に向かって狭くなる(この場合10:7の比率)ことが明らかである。
【0048】
図2には、平坦な形のアレイ配置が図示されている。この電極13は電流供給手段2,2’と端部で接続しており、前記電流供給手段はこの場合は電極13と同じく支持体3上に水平に配置されている。前記電流供給手段2,2’は、被覆層4,4’としてのプラスチックからなる絶縁材料で被覆されている。
【0049】
また別の態様では、本発明によるアレイは、図3に示されているように、電流供給手段2,2’としての垂直方向に直立する金属プレートからなるパッケージから構成される。前記金属プレートは平行に並べられ、そして絶縁層によって区切られている。前記金属プレート(電流供給手段2,2’)の上側で露出する平行に配置された縁部は、加熱可能な薄い電極13,13’用の加熱電流接点5,5’として利用される。この配置は、より小さな寸法にもかかわらず、電流供給手段2,2’の横断面積が、加熱可能な電極13,13’の横断面積よりも極めて大きいことを保証する。電極13の電極表面1上での及び個々の電極13の内部での温度分布の均一性が保証される。それというのも、電流供給手段2の付近の電極表面1のかなりの部分(この部分は、個々の場合において経験的に決定すべきものである)が電気絶縁性の被覆層4により被覆されているためである。前記の加熱可能な電極13,13’は、2つのU字型の部分からなり、前記U字型の部分は互いに接続されており、そして対称的な配置を形成している。前記接続箇所に、電気化学的機器の接続のために中央接点19,19’が設けられている。
【0050】
図4には、図1と類似のアレイが図示されている。しかし、この配置の場合には、電極13,13’間で温度センサー9によって温度が測定され、前記温度センサーは図示されていない制御ユニットに影響を及ぼす。
【0051】
図5は、アレイ電極の個別的な温度制御の原理的なブロック配線図を表す。2つの別々のアレイ制御回路が部分図として示されている。電極13,13’に供給される加熱電流は、アクチュエータ(例えば電気抵抗体12,12’)により調節される。前記アクチュエータの制御は、制御装置17,17’を介して行われ、前記制御装置は、電流の測定要素(電流計16,16’)及び電圧用の測定要素(電圧計15,15’)から必要とされる測定データを受け取る。
【0052】
図6は、本発明によるアレイの電流強度の個別的な制御用の回路図を示し、この場合、加熱及び電気化学的測定が前後して行われる。この電流供給は、図示された中央の変圧器14を介して行われる。電極13,13’,13”の前方及び後方の多重ダブルスイッチ11,11’は、この電極の加熱のために前記電極13,13’,13”を通過する電流をオン又はオフし、かつ電気化学的測定の目的で電極13,13’,13”の互いの流電気的隔離を可能にする。同時に、電圧計15,15’,15”を介して電極13,13’,13”に印加される電圧が測定され、かつ電流計16,16’,16”を用いて電流の強さが測定される。測定されたデータは、電極13,13’,13”の各自の制御装置17,17’,17”に送信され、前記制御装置は電気抵抗体12,12’,12”にそれの電流の流量に関して影響を及ぼす。
【0053】
図7は、個別的な温度制御のための回路図を示し、この場合、加熱及び電気化学的測定は同時に行われる。この場合には、加熱された電極13,13’は各時点で流電気的に互いに隔離されている。加熱電流供給手段との接続は、個々のトランスデューサー18,18’を用いて実現されている。電気化学的測定装置と加熱された電極13,13’との対称的な接続のためには、中央接点19,19’が用いられる。
【0054】
図8は、中央のアクチュエータ(例えば電気抵抗体12)を用いた全ての電極の中央温度制御の原理的構成を示し、前記アクチュエータは全ての電極13,13’,13”のための加熱電流に影響を及ぼす。これは制御ユニット10により制御され、前記制御ユニットは測定要素(温度センサ9)のデータを受け取る。それぞれ異なる加熱は、前方に配置されたトリム抵抗体20,20’,20”によって達成される。
【0055】
図9には、同時の加熱及び電気化学的測定を予定しない簡単な変法が示されている。この場合は、その電流供給は、中央の変圧器14を介しても行われ、その際、電極13,13’,13”を流れる電流は、電気抵抗体12を介して中央制御される。この抵抗体12は、制御ユニット10によって制御され、前記制御ユニットは、図4から明らかなように、アレイ上に配置されている温度センサー9により影響される。この場合も、電極13,13’,13”の前方及び後方には多重ダブルスイッチ11,11’が配置されており、前記多重ダブルスイッチは電気化学的測定のために前記の電極を互いに流電気的に隔離することができる。電極13,13’,13”に直接接続されているトリム抵抗体20,20’,20”によって、個々の電極13,13’,13”間の加熱のための電流の強さの差を調節することができ、従って電極13,13’,13”のそれぞれ異なる加熱が行われる。
【0056】
図10は、個々のトランスデューサー18,18’によって電極13,13’を永続的に流電気的に互いに隔離することができるため、加熱及び電気化学的測定が同時に可能である簡単な変法を示す。この場合も、電気化学的測定装置と加熱された電極との対称的な接続のためには、中央接点19,19’が用いられる。
【0057】
図11には、パッシブヒートシンク21によって、試料溶液22の温度を一定に保つ様子が図示される。前記試料溶液22は、電極アレイ(支持体3上の電極13から構成される)とヒートシンク21との間に薄層の形で存在する。
【0058】
図12は、試料溶液22の積極的な冷却を行う変法を表す。ヒートシンク21と、電極13と支持体3との上に存在する試料溶液22との間に、ペルティエ素子23が配置されている。ペルティエ素子23の熱い面24にはヒートシンク21が当接している。それにより、一方で試料溶液22は、ペルティエ素子23の冷却された冷たい面25で周囲温度を下回る値に冷却され、他方で試料溶液22の温度は、ペルティエ電流の影響により任意の値に調節される。好ましくは、ヒートシンク21の下側又は試料溶液22と接しているペルティエ素子23の下側は、金又は白金で被覆されている。この金層又は白金層は、電気化学的測定の目的でアレイの作用電極用の共通の対電極として利用される。
【実施例】
【0059】
実施例1
アレイは、ガラスからなる支持体3上にスパッタリング又は蒸着により形成された、層状の貴金属製要素の電極13の配列からなる。本発明による楕円形の電極13は図1、2及び4に図示されている。この形状により、本発明においては、加熱電流が供給されると直ぐに、個々の電極13の表面が均一に加熱される。電極13は、それぞれ、2つの電気的加熱電流接点5,5’を有し、それに比較的大きな横断面を有する銅からなる電流供給手段2,2’が接続されており、そして前記電極13は電気的に加熱することができる。また、前記加熱電流接点5,5’は、電気化学的測定機器、例えばポテンシオスタット、ガルバノスタット、電圧計の接続のために用いられる。図1bには、被覆層4,4’が図示されており、前記被覆層は加熱電流接点5,5’及び電気的電流供給手段2,2’を電気的に絶縁している。
【0060】
実施例2
本発明によるアレイは、25μmの直径を有する薄い金ワイヤの配列からなる。それぞれのワイヤ片が、分析アレイの加熱可能な要素である。その表面が、核酸オリゴマーからなる自己集合した単分子層で修飾されている。全てのワイヤ片は個別に制御可能であり、従ってそれぞれ個別に調節された加熱電流を流すことができる。ハイブリダイゼーション及びその検出は実施例3に記載したのと同様に行う。ワイヤに沿った均一な温度は、加熱電流接点の領域での絶縁材料による部分的な被覆によって達成され、その寸法は経験的に決定することができる。
【0061】
実施例3
45個の塩基を含みかつ末端がHS−(CH)−基で修飾されているオリゴヌクレオチドが、自己集合した単分子層の形で金層又は金ワイヤ上に存在する。このオリゴヌクレオチドはプローブ分子として利用され、これらは場合により存在するアナライト分子もしくはターゲット分子と、その塩基配列が十分に互いに相補的である場合には結合する。それにより、ターゲット分子そのものを一定の確実性で同定することができる。前記金層は、オーム抵抗体としてのその特性から加熱電流回路の一部である。前記金層は電気化学的測定回路とも接続されている。本発明においては、この金層は、他のこの種の層と一緒に、ガラス基材である支持体上に存在し、そして熱的分析アレイの電極を形成する。前記アレイ電極は、金のスパッタリング又は蒸着によってガラス基材上に形成される。図1には、16個の要素から構成されるこのようなアレイが図示されている。プローブ分子及びターゲット分子の間の結合の強さは、特に分子長、グアニン−シトシン塩基対の含有量並びにプローブ配列とターゲット配列との間の一致の度合いに依存する。十分に高い温度においてこの結合が切り離される。適切な温度の選択により、高い一致性を有する分子と低い一致性を有する分子とを区別することができる。それぞれのアレイ電極は、それに固定されたプローブ分子の固有の塩基配列によって特徴付けられているために、完全に相補的な分子とミスマッチ分子とを区別するために固有の「適切な」温度を有する。この場合、本発明では、各アレイ電極の温度は、各自の加熱電流によって個別に調節され、そして全ての電極は1つの温度センサーによって中央で一緒に制御される。それにより、外部からの熱的影響、例えば周囲温度の変動又は異なる試料溶液温度を補うことができる。
【0062】
実施例4
多数の試料を、所定の核酸配列によるハイブリダイゼーション技術を用いて分析する。前記配列は極めて長いか、又は配列断片の決定すべき数が極めて多く、DNAアレイの使用が必要であるかのいずれかである。この場合、適当なプローブ分子が設けられた熱的分析アレイを、フローシステム(Fliessapparatur)中の検出器として使用することができる。各試料は、ハイブリダイゼーション、電気化学的シグナルトランスダクション及び熱的再生からなるサイクルで測定した。前記再生の際は、プローブ分子は、それぞれの核酸配列の解離温度を上回る加熱によって熱的にターゲット分子から分離される。引き続き、同じアレイが次の試料のために使用され、それにより大きな試料処理量が可能となる。前記ハイブリダイゼーションは、完全に相補的なターゲット配列の場合にだけ高い選択率でハイブリッド複合体を形成することができる温度で行われる。
【0063】
実施例5
他の応用例は、タンパク質の分析である。プロテオーム分析の場合には、同時に異なるタンパク質種を特性決定しなければならないという問題がある。それというのもプロテオームは全ての存在するタンパク質のそれぞれの状態によって特徴付けられ、かつ常に時間的な変化が起こっているためである。
【0064】
タンパク質はイムノアッセイにより決定することができ、前記イムノアッセイは分子的認識(鍵と鍵穴の原理)に基づく。これは、本発明による分析アレイを用いてそれぞれの種類に合わせた様々な温度で同時に行うことができる。
【0065】
実施例6
水性試料を、pH値、塩化物含有量、グルコース含有量及び鉛含有量について検査する。これは、電気化学的方法のポテンシオメトリー、アンペロメトリー及びインバースボルタンメトリーを用いて行うことができる。この場合も、4つの反応表面(電極)を有する簡単な選択的に加熱される分析アレイが使用され、前記4つの反応表面は全て相応に修飾されている。これは、室温でpH値もしくは塩化物含有量をポテンシオメトリーにより測定するための2種のイオン選択性電極と、40℃でのアンペロメトリーによるグルコース測定するための酵素修飾された電極と、80℃での濃縮工程を有するインバースボルタンメトリー鉛測定のための炭層電極から構成される。
【0066】
実施例7
酵素の活性は、0、10、20、30、40、50及び60℃の温度で同時に測定する。このためには、冷却のためのペルティエ素子と結合されている分析アレイが使用される。その反応表面は相応な酵素で修飾されており、そして電気化学的セル中に導入されている。ペルティエ素子を用いて、アレイの初期温度を0℃に低下させる。選択的加熱により、個々の反応表面を、0〜60℃の間の所望の温度に調節する。酵素の活性は、基質の添加の後にアンペロメトリーにより個々のアレイ要素で追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1aは、16個の電極を備えたアレイの上から見た図を表す。図1bは、電極を備えたアレイの断面図を表す。
【図2】図2は、平面状に配置された電極を備えたアレイを表す。
【図3】図3は、U字型電極を備えたアレイを表し、その際、2つの電極がそれぞれ1つの対照的な配置になるように接続されている。
【図4】図4は、温度センサーを有する、16個の電極を備えたアレイの上から見た図を表す。
【図5】図5は、個別的な温度制御の原理的なブロック配線図を表す。
【図6】図6は、個別的な温度制御及び多重ダブルスイッチを介した接続のためのアレイの回路を表す。
【図7】図7は、個別的な温度制御及びそれぞれ各自のトランスデューサーを介した電極の接続のためのアレイの回路を表す。
【図8】図8は、全体的な温度制御の原理的なブロック配線図を表す。
【図9】図9は、中央温度制御及び多重ダブルスイッチを介した接続を備えたアレイの回路を表す。
【図10】図10は、中央温度制御及びそれぞれ各自のトランスデューサーを介した電極の接続を備えたアレイの回路を表す。
【図11】図11は、リブ付きのパッシブヒートシンクを用いたアレイ上での試料溶液の冷却を表す。
【図12】図12は、ペルティエ素子とリブ付きのヒートシンクを用いたアレイ上での試料溶液の積極的冷却を表す。
【符号の説明】
【0068】
1 電極表面
2,2’ 電流供給手段
3 支持体
4,4’ 被覆層
5,5’ 加熱電流接点
6 反応媒体
7 反応表面縁部
8 縦軸
9 温度センサー
10 制御ユニット
11,11’ スイッチ
12,12’,12” 抵抗体
13,13’,13” 電極
14 変圧器
15,15’,15” 電圧計
16,16’,16” 電流計
17,17’,17” 制御装置
18,18’,18” トランスデューサー
19,19’,19” 中央接点
20,20’,20” トリム抵抗体
21 ヒートシンク
22 試料溶液
23 ペルティエ素子
24 ペルティエ素子の熱い面
25 ペルティエ素子の冷たい面
【図1a】

【図1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学的又は生化学的分析のための少なくとも1つの加熱可能な電極(13)を備え、その電極表面(1)はそれぞれ各自の温度に調節される分析アレイにおいて、電極表面(1)を備えた少なくとも1つの導電性の電極(13)は支持体(3)の上に設けられており、
a)前記電極(13)の縦軸(8)を横切るそれの横断面積を変化させることにより、及び/又は
b)接点箇所で加熱電流接点(5,5’)を絶縁するための被覆層(4,4’)が少なくとも前記接点箇所を覆うか及び/又は部分的に前記電極表面の外側の端部をも覆うことにより、又は
c)電極(13)の長さを前記電極の横断面との比率で大きくして、加熱電流接点(5,5’)の付近において不均一な温度の領域を無視できる程度に小さくすることにより、
電極表面(1)全体上で均一な温度が保証されることを特徴とする、分析アレイ。
【請求項2】
電極(13)の最も大きい横断面積と最も小さい横断面積との比率が1:1〜1:3であることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項3】
電気化学的測定のための接続がそれぞれ加熱電流接点(5,5’)のうちの一つで行われていることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項4】
個々の電極(13)がそれぞれ導電層として支持体(3)上に作られており、かつ電流によって加熱可能であることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項5】
個々の電極(13)が導電性ワイヤとして、テープ又は繊維として作られていることを特徴とする、請求項1及び4のいずれか一項に記載の分析アレイ。
【請求項6】
電極(13)が対称的に作られており、両方の加熱電流接点(5,5’)の間の中央に、前記加熱電流接点と比べて小さな、電気化学的測定装置との接続のための接点(19)が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項7】
電極(13)の電極表面(1)がプローブ分子で変性された反応表面として作られていることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項8】
電極(13)の電極表面(1)が、前記電極表面と流電気的に隔離されたその下に存在する導電層によって間接的に電気的に加熱可能であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の分析アレイ。
【請求項9】
支持体(3)上の電極(13)間の全体的な温度制御のために、少なくとも1つの温度センサー(9)が測定構成要素として配置されており、前記温度センサーは制御要素(10)を介して抵抗体(12)と接続されており、それにより加熱電流が中央制御されることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項10】
個別的な温度制御のために、制御装置(17,17’)が抵抗体(12,12’)を介して加熱電流を個別的に制御し、かつそれぞれの電極(13,13’)の抵抗の測定のために、測定構成要素としての電流計(16,16’)及び電圧計(15,15’)と接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項11】
アレイの個々の電極(13)が、ポテンシオメトリーの実施のために、各自の電界効果トランジスタのゲートと間接的に又は直接的に接続していることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項12】
電極(13)の前方及び後方にスイッチ(11)が電流供給手段(2,2’)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項13】
配置されたスイッチ(11)は、好ましくは多重ダブルスイッチ(11)であることを特徴とする、請求項1及び12のいずれか一項に記載の分析アレイ。
【請求項14】
アレイの個々の電極(13)が流電気的に互いに隔離されており、かつ加熱電流の供給は個々のトランスデューサー(18)を介して行われることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項15】
アレイは、試料溶液(22)の冷却のために少なくとも1つのペルティエ素子(23)又はパッシブヒートシンク(21)と接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の分析アレイ。
【請求項16】
個々の電極(13)がそれぞれ各自の温度に調節される分析アレイを用いて、少なくとも1種の化学的及び/又は生化学的物質を同時に測定する方法において、前記物質(ターゲット分子)の測定のためのプローブ分子が、電極表面(1)を有する少なくとも1つの電極(13)上に被着されており、前記電極(13)は支持体(3)上に設けられており、前記電極(13)の縦軸(8)に沿ってそれぞれ同じ温度が存在しておりかつ加熱電流接点(5,5’)と接続する電流供給手段(2,2’)によって個々の電極(13)の同時加熱及びその抵抗の測定が行われ、個々の電極(13)の温度はそれの抵抗の測定及び加熱電流の調節によって制御されることを特徴とする、上記方法。
【請求項17】
抵抗体(12)によって加熱電流の強さに影響を及ぼすことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
個々の電極(13)の温度調節を電子的に制御することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
電気化学的測定装置に接続する電流供給手段(2,2’)の間に中央の接点(19)を対称的に取り付け、かつ前記電極を互いに永続的に流電気的に隔離して、加熱電流を個々のトランスデューサー(18)を用いて供給することにより、障害のない同時測定及びそれぞれの電極(13,13’)の加熱が可能となることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
シグナルトランスダクションを、電気化学的方法で、好ましくはアンペロメトリー、直流電圧又は交流電圧ボルタンメトリー、ポテンシオメトリー又はクロノポテンシオメトリー、クーロメトリー及び/又はインピーダンス分光分析により行うことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
シグナルトランスダクションをIR分光分析、ラマン分光分析、UV−VIS分光分析及び/又は蛍光分光分析によって行うことを特徴とする、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
シグナルトランスダクションを放射性ラベリング及び放射能測定によって行うことを特徴とする、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
電極表面(1)がタンパク質を分子的に認識する分子で修飾されていることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
電極表面(1)は、同時に様々な分析法、例えばアンペロメトリー、ボルタンメトリー、ポテンシオメトリー、光学的表面プラズモン分光分析及び/又はインピーダンス分光分析がそれぞれ個々のアレイ要素で各自それぞれの温度で実施されるように作られていることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
フローシステムにおいて実施されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
分析アレイを用いて核酸フラグメントを測定することを特徴とする、請求項16に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−531886(P2007−531886A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506655(P2007−506655)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000643
【国際公開番号】WO2005/098438
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506337057)
【Fターム(参考)】