説明

加熱条件決定方法、加熱条件決定装置及びそれを備えるリフロー装置

【課題】第1リフロー装置により加熱された対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置において対象基板を予め定められた温度条件に適合するように加熱するための加熱条件を効率的に決定する。
【解決手段】加熱条件決定方法は、第1リフロー装置に対する基準基板又は対象基板の加熱特性を示す第1又は第2加熱特性値を取得する第1取得ステップS101及び第2取得ステップS102と、第2リフロー装置に対する基準基板の加熱特性を示す第3加熱特性値を取得する第3取得ステップS103と、第1加熱特性値に対する第2加熱特性値の比と第3加熱特性値とを演算することにより、第2リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出する加熱特性値算出ステップS104と、第4加熱特性値を用いて、第2リフロー装置において対象基板を加熱するための加熱条件を決定する加熱条件決定ステップS105〜S107とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフロー装置の加熱条件を決定する加熱条件決定方法及び加熱条件決定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品などの部品が実装された実装基板を加熱するリフロー装置は、予め定められた温度条件に適合するように実装基板を加熱することにより、部品の熱による損傷を回避しつつ、部品を基板にはんだ付けすることができる。
【0003】
例えば、リフロー装置は、はんだの溶融点未満の所定温度範囲に所定時間だけ保持されるように実装基板を予備加熱した後に、はんだの溶融点以上の所定温度範囲に所定時間だけ保持されるように実装基板をリフロー加熱する。このように基板の温度を所定温度範囲に所定時間だけ保持するという温度条件に実装基板の温度プロファイルを適合させることにより、リフロー装置は、部品の熱による損傷を回避しつつ、部品を基板にはんだ付けすることができる。
【0004】
そこで、予め定められた温度条件に適合するように実装基板を加熱するためのリフロー装置の加熱条件(加熱温度及び搬送速度など)を決定する方法として、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
特許文献1に記載の方法では、リフロー装置により所定の加熱条件で加熱された実装基板の温度プロファイルを測定し、測定した温度プロファイルを用いてリフロー装置に対する実装基板の加熱特性を示す加熱特性値を算出する。そして、算出された加熱特性値を用いて、加熱条件を変更した場合における実装基板の温度プロファイルがシミュレーションされる。
【0006】
これにより、実装基板の物性値を用いずに、測定された温度プロファイルから算出される加熱特性値を用いて、加熱条件を変更した場合の実装基板の温度プロファイルをシミュレーションできるので、予め定められた温度条件に適合する温度プロファイルが得られる加熱条件を比較的容易に決定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−64002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、同一種類の実装基板を加熱する場合であっても、リフロー装置が異なれば、予め定められた温度条件に適合させるための加熱条件も異なる。したがって、実装基板の加熱条件は、基板に対する加熱特性が異なるリフロー装置ごとに決定されなければならない。
【0009】
例えば、特許文献1に記載の方法によって加熱条件を決定する場合、リフロー装置ごとに実装基板の温度プロファイルを測定し、測定した温度プロファイルを用いて加熱特性値を算出する必要があるので、作業効率が悪い。
【0010】
そこで、本発明は、第1リフロー装置により加熱された対象基板の温度プロファイルを利用して、予め定められた温度条件に適合するように対象基板を加熱するための第2リフロー装置の加熱条件を効率的に決定することができる加熱条件決定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る加熱条件決定方法は、第1リフロー装置により加熱される対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件を決定する加熱条件決定方法であって、前記第1リフロー装置に対する基準基板の加熱特性を示す第1加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される第1加熱特性値を取得する第1取得ステップと、前記第1リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第2加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づいて算出される第2加熱特性値を取得する第2取得ステップと、前記第2リフロー装置に対する前記基準基板の加熱特性を示す第3加熱特性値であって、前記第2リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第3温度プロファイルに基づいて算出される第3加熱特性値を取得する第3取得ステップと、前記第1加熱特性値に対する前記第2加熱特性値の比と前記第3加熱特性値とを演算することにより、前記第2リフロー装置に対する前記対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出する加熱特性値算出ステップと、前記第2リフロー装置により所与の加熱条件で加熱される前記対象基板の第4温度プロファイルを前記第4加熱特性値を用いて推定し、推定した第4温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合する場合に、前記所与の加熱条件を前記第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件として決定する加熱条件決定ステップとを含む。
【0012】
これにより、第2リフロー装置において対象基板の温度プロファイルを測定することなく、第2リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出することができる。そして、このように算出された第4加熱特性値を用いることにより、予め定められた温度条件に適合するように対象基板を加熱するための第2リフロー装置の加熱条件を効率的に決定することができる。
【0013】
また、前記第1取得ステップでは、所定の加熱条件で加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される前記第1加熱特性値を取得し、前記第2取得ステップでは、前記所定の加熱条件で加熱される前記対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づく前記第2加熱特性値を取得することが好ましい。
【0014】
これにより、第1温度プロファイル及び第2温度プロファイルが測定されたときの加熱条件が同一となるので、算出される第4加熱特性値の精度を向上させることができる。
【0015】
また、前記所定の加熱条件は、前記第2温度プロファイルを前記予め定められた温度条件に適合させるための加熱条件であることが好ましい。
【0016】
これにより、第2温度プロファイルは、予め定められた温度条件に適合する第4温度プロファイルと類似する。したがって、対象基板の温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合するように加熱条件を高精度に決定することができる。
【0017】
また、前記第3取得ステップでは、前記第2リフロー装置内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第2区分ごとに前記第3加熱特性値を取得し、前記加熱特性算出ステップでは、前記第2区分ごとに前記第4加熱特性値を算出することが好ましい。
【0018】
これにより、区分ごとの第4加熱特性値を用いて第4温度プロファイルを推定することができるので、第4温度プロファイルの推定精度を向上させることができる。
【0019】
また、前記第1取得ステップでは、前記第1リフロー装置内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第1区分ごとに前記第1加熱特性値を取得し、前記第2取得ステップでは、前記第1区分ごとに前記第2加熱特性値を取得し、前記第3取得ステップでは、前記第2リフロー装置内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第2区分ごとに前記第3加熱特性値を取得し、前記加熱特性値算出ステップでは、前記第2区分ごとに、前記第2区分に対応する前記第1区分を特定し、前記第2区分における前記第3加熱特性値と、特定した前記第1区分における前記比とを演算することにより、前記第2区分ごとに前記第4加熱特性値を算出することが好ましい。
【0020】
これにより、区分ごとの第4加熱特性値を用いて第4温度プロファイルを推定することができるので、第4温度プロファイルの推定精度を向上させることができる。
【0021】
また、前記加熱特性値算出ステップでは、前記基準基板が通過するときの時間に基づいて、前記第2区分に対応する前記第1区分を特定することが好ましい。
【0022】
これにより、基板が通過する時間に基づいてリフロー装置間の区分を対応付けることができるので、ゾーン構成が互いに異なる場合であっても区分を対応付けることができ、第4温度プロファイルの推定精度を向上させることができる。
【0023】
また、本発明の一態様に係る加熱条件決定装置は、第1リフロー装置により加熱される対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件を決定する加熱条件決定装置であって、前記第1リフロー装置に対する基準基板の加熱特性を示す第1加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される第1加熱特性値を取得する第1取得部と、前記第1リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第2加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づいて算出される第2加熱特性値を取得する第2取得部と、前記第2リフロー装置に対する前記基準基板の加熱特性を示す第3加熱特性値であって、前記第2リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第3温度プロファイルに基づいて算出される第3加熱特性値を取得する第3取得部と、前記第1加熱特性値に対する前記第2加熱特性値の比と前記第3加熱特性値とを演算することにより、前記第2リフロー装置に対する前記対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出する加熱特性値算出部と、前記第2リフロー装置により所与の加熱条件で加熱される前記対象基板の第4温度プロファイルを前記第4加熱特性値を用いて推定し、推定した第4温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合する場合に、前記所与の加熱条件を前記第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件として決定する加熱条件決定部とを備える。
【0024】
これにより、上記加熱条件決定方法と同様の効果を奏することができる。
【0025】
また、本発明の一態様に係るリフロー装置は、上記加熱条件決定装置を備える。
【0026】
これにより、上記加熱条件決定方法と同様の効果を奏することができる。
【0027】
なお、本発明は、このような加熱条件決定方法として実現することができるだけでなく、加熱条件決定方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体、あるいはインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0028】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、第2リフロー装置において対象基板の温度プロファイルを測定することなく、第2リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出することができる。そして、このように算出された第4加熱特性値を用いることにより、予め定められた温度条件に適合するように対象基板を加熱するための第2リフロー装置の加熱条件を効率的に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1に係る第1リフロー装置及び第2リフロー装置の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱条件決定装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱条件決定装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る第1加熱特性値及び第2加熱特性値を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る第3加熱特性値を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る加熱条件決定装置によって決定された加熱条件を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る加熱条件決定装置の機能構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る加熱条件決定装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る第1加熱特性値を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る第2加熱特性値を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る第3加熱特性値を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る加熱条件決定装置によって決定された加熱条件を示す図である。
【図13】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る第1リフロー装置及び第2リフロー装置の概要を示す図である。
【0032】
第1リフロー装置101及び第2リフロー装置は内部に、予熱ゾーンとリフローゾーンと冷却ゾーンとを有する。そして、第1リフロー装置101及び第2リフロー装置は、この予熱ゾーン、リフローゾーン及び冷却ゾーンの順に基板を搬送するコンベアを備える。このコンベアによって基板搬送路が形成される。
【0033】
例えば、第1リフロー装置101及び第2リフロー装置102は、クリームはんだが印刷された基板に電子部品などの部品が実装された実装基板を、この予熱ゾーン、リフローゾーン、及び冷却ゾーンの順に搬送することにより、実装基板を加熱し、部品を基板にはんだ付けする。
【0034】
第1リフロー装置101は、互いに独立して加熱温度を管理できる8つのゾーン(A〜Hゾーン)を有する。第1リフロー装置101において、A〜Eゾーンは予熱ゾーンに相当し、F、Gゾーンはリフローゾーンに相当し、Hゾーンは冷却ゾーンに相当する。
【0035】
第2リフロー装置102は、互いに独立して加熱温度を管理できる6つのゾーン(A〜Fゾーン)を有する。第2リフロー装置102において、A〜Cゾーンは予熱ゾーンに相当し、D、Eゾーンはリフローゾーンに相当し、Fゾーンは冷却ゾーンに相当する。
【0036】
第1リフロー装置101又は第2リフロー装置102により加熱された基準基板又は対象基板の温度プロファイルは、基準基板又は対象基板の所定位置に取り付けられた熱電対などの温度センサによって測定される。ここで、温度プロファイルとは、リフロー装置内を通過する基板の温度推移を示す情報である。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱条件決定装置の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る加熱条件決定装置10は、第1リフロー装置101により加熱された対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置102において前記対象基板を加熱するための加熱条件を決定する。ここで、加熱条件とは、リフロー装置が基板を加熱するときの条件を示し、例えば、基板搬送速度と各ゾーンの加熱温度(雰囲気温度)である。
【0038】
図2に示すように、加熱条件決定装置10は、第1取得部11と、第2取得部12と、第3取得部13と、加熱特性値算出部14と、加熱条件決定部15とを備える。
【0039】
第1取得部11は、第1リフロー装置101により加熱される基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される第1加熱特性値を取得する。
【0040】
ここで、基準基板とは、第1リフロー装置101と第2リフロー装置102との加熱特性の違いを認識するために用いられるキャリブレーション用基板である。第1リフロー装置101と第2リフロー装置102とのそれぞれにおいて、基準基板の温度プロファイルが測定される。
【0041】
また、加熱特性値とは、リフロー装置に対する基板の加熱特性を示す値であり、リフロー装置と基板との双方の物理的特性に依存する値である。つまり、第1加熱特性値は、第1リフロー装置101に対する基準基板の加熱特性を示す。
【0042】
なお、加熱特性値mijは、加熱時間をt、加熱温度をTaij、基板の初期温度をTintij、及びt秒後の基板温度をTsijとを用いて、以下の式(1)により算出される。
【0043】
【数1】

【0044】
ここで、iはリフロー装置の種別を示し、jは基板の種別を示す。具体的には、i=1が第1リフロー装置101を示し、i=2が第2リフロー装置102を示す。また、j=0が基準基板を示し、j=1が対象基板を示す。つまり、第1加熱特性値はm10と、第2加熱特性値はm11と、第3加熱特性値はm20と、第4加熱特性値はm21と表される。
【0045】
第2取得部12は、第1リフロー装置101により加熱される対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づいて算出される第2加熱特性値を取得する。第2加熱特性値は、第1リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す。
【0046】
ここで、対象基板とは、予め定められた温度条件に適合するように加熱するための第2リフロー装置102の加熱条件を決定する必要がある基板である。例えば、対象基板は、第2リフロー装置102を用いて、これから製造される予定の基板である。
【0047】
第3取得部13は、第2リフロー装置102により加熱される基準基板の温度を測定することによって得られる第3温度プロファイルに基づいて算出される第3加熱特性値を取得する。第3加熱特性値は、第2リフロー装置102に対する基準基板の加熱特性を示す。
【0048】
具体的には、第3取得部13は、例えば、第2リフロー装置102内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第2区分ごとに第3加熱特性値を取得する。
【0049】
加熱特性値算出部14は、式(2)に示すように、第1加熱特性値に対する第2加熱特性値の比と第3加熱特性値とを演算することにより第4加熱特性値を算出する。具体的には、加熱特性値算出部14は、例えば、第2リフロー装置102内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第2区分ごとに第4加熱特性値を算出する。
【0050】
【数2】

【0051】
なお、式(2)により第4加熱特性値m21を算出することができる理由については後述する。
【0052】
加熱条件決定部15は、第2リフロー装置102により所与の加熱条件で加熱される対象基板の第4温度プロファイルを第4加熱特性値を用いて推定する。そして、加熱条件決定部15は、推定した第4温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合する場合に、当該所与の加熱条件を第2リフロー装置102において対象基板を加熱するための加熱条件として決定する。
【0053】
具体的には、加熱条件決定部15は、式(3)で表される加熱基本式に従って、所与の加熱条件で加熱される対象基板の温度プロファイルを推定する。
【0054】
【数3】

【0055】
次に、式(2)により第4加熱特性値m21を算出することができる理由について説明する。
【0056】
加熱特性値mijは、式(3)における温度変化と熱量の関係に基づいて、熱伝達率αij、基板厚みDj、基板密度ρj及び基板比熱Cpjとを用いて式(4)のように表される。
【0057】
【数4】

【0058】
ここで、基板の違いが熱伝達率に与える影響は小さいと考えられるので、以下の式(5)が成り立つ。
【0059】
【数5】

【0060】
上記の式(5)を、第4加熱特性値m21について解くことにより、式(2)が導き出される。
【0061】
次に、以上のように構成された加熱条件決定装置10における各種動作について、図3〜図6を用いて説明する。
【0062】
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱条件決定装置の動作を示すフローチャートである。また、図4は、本発明の実施の形態1に係る第1加熱特性値及び第2加熱特性値を説明するための図である。また、図5は、本発明の実施の形態1に係る第3加熱特性値を説明するための図である。また、図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱条件決定装置によって決定された加熱条件を示す図である。
【0063】
以下、図3のフローチャートに従って、加熱条件決定装置の動作を図4〜図6を参照しながら説明する。
【0064】
まず、第1取得部11は、第1加熱特性値m10を取得する(S101)。ここで取得される第1加熱特性値m10は、例えば、図4の(b)に示す第1温度プロファイル110に基づいて算出される加熱特性値である。
【0065】
この第1温度プロファイル110は、図4の(a)に示す加熱条件に従って加熱された基準基板の温度を測定することにより得られる。具体的には、第1温度プロファイル110は、基板搬送速度が1.0m/sに設定され、かつ、A〜Hゾーンの各加熱温度又は冷却温度が170℃、175℃、180℃、180℃、180℃、250℃、240℃、及び100℃に設定された第1リフロー装置101において測定された基準基板の温度プロファイルである。
【0066】
そして、図4の(b)及び(c)に示すように、第1加熱特性値m10は、第1区分Nにおける、加熱時間t、加熱温度Ta10、基板の初期温度Tint10、及び基板の到達温度Ts10を用いて算出される。なお、第1区分は、第1リフロー装置101において、基板搬送路を基板の搬送方向に沿って分割することにより得られる区分である。そして、第1区分Nは、複数の第1区分のうちの任意の1つの第1区分である。
【0067】
続いて、第2取得部12は、第2加熱特性値m11を取得する(S102)。ここで取得される第2加熱特性値m11は、例えば、図4の(b)に示す第2温度プロファイル111に基づいて算出される加熱特性値である。
【0068】
この第2温度プロファイル111は、第1温度プロファイル110が測定されたときと同一の加熱条件(図4の(a))に従って加熱された対象基板の温度を測定することにより得られる。このように、第1温度プロファイル及び第2温度プロファイルが測定されるときの加熱条件を同一にすることにより、加熱条件決定装置10は、算出する第4加熱特性値の精度を向上させることができる。
【0069】
そして、図4の(b)及び(c)に示すように、第2加熱特性値m11は、第1区分Nにおける、加熱時間t、加熱温度Ta11、基板の初期温度Tint11、及び基板の到達温度Ts11を用いて算出される。
【0070】
なお、第2温度プロファイル111は、図4の(b)に示すように、第1温度条件131及び第2温度条件132とに適合することが好ましい。つまり、図4の(a)に示す加熱条件は、第2温度プロファイル111を予め定められた温度条件(第1温度条件131、第2温度条件132等)に適合させるための加熱条件であることが好ましい。これにより、第2温度プロファイル111は、予め定められた温度条件に適合する第4温度プロファイル121と類似する。したがって、加熱条件決定装置10は、対象基板の温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合するように加熱条件を高精度に決定することができる。
【0071】
また、第1温度条件131は、対象基板の温度が、例えば、150℃〜190℃の温度範囲において60秒以上保持されることを示す。また、第2温度条件132は、対象基板の温度が、例えば、230℃〜245℃の温度範囲において40秒以上保持されることを示す。
【0072】
次に、第3取得部13は、第3加熱特性値m20を第2区分ごとに取得する(S103)。ここで取得される第3加熱特性値m20は、例えば、図5の(b)に示す第3温度プロファイル120に基づいて第2区分ごとに算出される加熱特性値である。
【0073】
この第3温度プロファイル120は、図5の(a)に示す加熱条件に従って加熱された基準基板の温度を測定することにより得られる。具体的には、第3温度プロファイル120は、基板搬送速度が1.0m/sに設定され、かつ、A〜Fゾーンの各加熱温度又は冷却温度が180℃、180℃、180℃、240℃、240℃、及び100℃に設定された第2リフロー装置102において測定された基準基板の温度プロファイルである。
【0074】
そして、図5の(b)及び(c)に示すように、第3加熱特性値m20は、加熱時間t、加熱温度Ta20、基板の初期温度Tint20、及び基板の到達温度Ts20を用いて、第2区分ごとに算出される。なお、第2区分は、第2リフロー装置102において、基板搬送路を搬送方向に沿って分割することにより得られる区分である。
【0075】
次に、加熱特性値算出部14は、式(2)を用いて、第4加熱特性値m21を第2区分ごとに算出する(S104)。そして、加熱条件決定部15は、第2リフロー装置102により所与の加熱条件で加熱される対象基板の第4温度プロファイル121を、算出された第4加熱特性値m21を用いて推定する(S105)。
【0076】
そして、加熱条件決定部15は、推定された第4温度プロファイル121が予め定められた温度条件に適合するか否かを判定する(S106)。具体的には、加熱条件決定部15は、推定された第4温度プロファイル121が、第1温度条件131と第2温度条件132とに適合するか否かを判定する。
【0077】
ここで、第4温度プロファイル121が予め定められた温度条件に適合しない場合(S106のNo)、加熱条件決定部15は、再びステップS105に戻り、今までとは異なる所与の加熱条件で加熱される対象基板の第4温度プロファイル121を推定する(S105)。
【0078】
一方、第4温度プロファイル121が予め定められた温度条件に適合する場合(S106のYes)、加熱条件決定部15は、当該第4温度プロファイル121が推定されたときの所与の加熱条件を、第2リフロー装置102の加熱条件として決定し(S107)、処理を終了する。
【0079】
例えば、加熱条件決定部15は、図6の(b)に示すように、第4加熱特性値m21を用いて、図6(a)に示す所与の加熱条件で加熱された対象基板の第4温度プロファイル121を推定する。そして、推定した第4温度プロファイル121が、第1温度条件131及び第2温度条件132に適合する場合、加熱条件決定部15は、その第4温度プロファイルが推定されたときの所与の加熱条件(図6の(a))を、第2リフロー装置102の加熱条件として決定する。
【0080】
以上のように、本実施の形態に係る加熱条件決定装置10は、第2リフロー装置102において対象基板の温度プロファイルを測定することなく、第2リフロー装置102に対する対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値m21を算出することができる。そして、加熱条件決定装置10は、このように算出された第4加熱特性値m21を用いることにより、予め定められた温度条件に適合するように対象基板を加熱するための第2リフロー装置102の加熱条件を効率的に決定することができる。
【0081】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。
【0082】
本実施の形態に係る加熱条件決定装置20は、実施の形態1に係る加熱条件決定装置10と異なり、第1区分ごとに第1加熱特性値及び第2加熱特性値を取得し、それらを用いて加熱条件を決定する。以下、実施の形態1に係る加熱条件決定装置10と異なる点を中心に、本実施の形態に係る加熱条件決定装置20について説明する。
【0083】
図7は、本発明の実施の形態2に係る加熱条件決定装置の機能構成を示すブロック図である。なお、図7において、図2に示す構成要素と同様の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0084】
第1取得部21は、第1リフロー装置101により加熱される基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて第1区分ごとに算出される第1加熱特性値を取得する。ここで第1区分とは、第1リフロー装置101内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した区分である。
【0085】
第2取得部22は、第1リフロー装置101により加熱される対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づいて第1区分ごとに算出される第2加熱特性値を取得する。
【0086】
第3取得部23は、第2リフロー装置102により加熱される基準基板の温度を測定することによって得られる第3温度プロファイルに基づいて第2区分ごとに算出される第3加熱特性値を取得する。ここで第2区分とは、第2リフロー装置102内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した区分である。
【0087】
加熱特性値算出部24は、第2区分ごとに、当該第2区分に対応する第1区分を特定する。具体的には、加熱特性値算出部24は、例えば、基準基板が区分を通過するときの時間に基づいて、第2区分に対応する第1区分を特定する。例えば、加熱特性値算出部24は、基準基板が装置内に搬入されてから第1区分又は第2区分に到達するまでの時間が一致する第1区分と第2区分とを対応付ける。
【0088】
そして、加熱特性値算出部24は、第2区分における第3加熱特性値と、当該第2区分に対応する第1区分における、第1加熱特性値に対する第2加熱特性値の比と、を演算することにより、第2区分ごとに第4加熱特性値を算出する。
【0089】
なお、第1温度プロファイルと第3温度プロファイルとは略一致することが好ましい。これにより、異なるゾーン構成を有する第1リフロー装置101と第2リフロー装置102とにおいて、第1区分と第2区分とを時間的に対応付けることができる。
【0090】
次に、以上のように構成された加熱条件決定装置20における各種動作について、図8〜図12を用いて説明する。
【0091】
図8は、本発明の実施の形態2に係る加熱条件決定装置の動作を示すフローチャートである。なお、図8において、図3に示す処理と同様の処理については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0092】
また、図9は、本発明の実施の形態2に係る第1加熱特性値を説明するための図である。また、図10は、本発明の実施の形態2に係る第2加熱特性値を説明するための図である。また、図11は、本発明の実施の形態2に係る第3加熱特性値を説明するための図である。また、図12は、本発明の実施の形態2に係る加熱条件決定装置によって決定された加熱条件を示す図である。
【0093】
以下、図8のフローチャートに従って、加熱条件決定装置の動作を図9〜図12を参照しながら説明する。
【0094】
まず、第1取得部21は、第1区分ごとに第1加熱特性値m10を取得する(S201)。ここで取得される第1加熱特性値m10は、例えば、図9の(b)に示す第1温度プロファイル210に基づいて、第1区分ごとに算出される加熱特性値である。
【0095】
この第1温度プロファイル210は、図9の(a)に示す加熱条件に従って加熱された基準基板の温度を測定することにより得られる。そして、第1加熱特性値m10は、図9の(b)及び(c)に示すように、第1区分ごとに、加熱時間t、加熱温度Ta10、基板の初期温度Tint10、及び基板の到達温度Ts10を用いて算出される。
【0096】
続いて、第2取得部22は、第1区分ごとに第2加熱特性値m11を取得する(S202)。ここで取得される第2加熱特性値m11は、例えば、図10の(b)に示す第2温度プロファイル211に基づいて、第1区分ごとに算出される加熱特性値である。
【0097】
この第2温度プロファイル211は、第1温度プロファイル210が測定されたときの加熱条件(図9の(a))と異なる加熱条件(図10の(a))に従って加熱された対象基板の温度を測定することにより得られる。そして、第2加熱特性値m11は、図10の(b)及び(c)に示すように、第1区分ごとに、加熱時間t、加熱温度Ta11、基板の初期温度Tint11、及び基板の到達温度Ts11を用いて算出される。
【0098】
なお、第2温度プロファイル211は、図10の(b)に示すように、第1温度条件231及び第2温度条件232とに適合することが好ましい。つまり、図10の(a)に示す加熱条件は、第2温度プロファイル211を予め定められた温度条件に適合させるための加熱条件であることが好ましい。これにより、第2温度プロファイルは、予め定められた温度条件に適合する第4温度プロファイルと類似する。したがって、加熱条件決定装置20は、対象基板の温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合するように加熱条件を高精度に決定することができる。
【0099】
次に、第3取得部23は、第2区分ごとに第3加熱特性値m20を取得する(S203)。ここで取得される第3加熱特性値m20は、例えば、図11の(b)に示す第3温度プロファイル220に基づいて、第2区分ごとに算出される加熱特性値である。
【0100】
この第3温度プロファイル220は、第1温度プロファイル210と略一致し、図11の(a)に示す加熱条件に従って加熱された基準基板の温度を測定することにより得られる。つまり、図11(a)に示す加熱条件は、第3温度プロファイル220が第1温度プロファイル210と一致するように設定された加熱条件である。
【0101】
そして、第3加熱特性値m20は、図11の(b)及び(c)に示すように、第2区分ごとに、加熱時間t、加熱温度Ta20、基板の初期温度Tint20、及び基板の到達温度Ts20を用いて算出される。
【0102】
次に、加熱特性値算出部24は、第2区分ごとに、第2区分に対応する第1区分を特定する(S204)。そして、加熱特性値算出部24は、第4加熱特性値m21を第2区分ごとに算出する(S205)。具体的には、加熱特性値算出部24は、第2区分yの第4加熱特性値m21(y)を算出する際には、ステップS204において特定された第2区分yに対応する第1区分xの第1加熱特性値m10(x)及び第2加熱特性値m11(x)と、第2区分yの第3加熱特性値m20(y)とを用いて、第4加熱特性値m21(y)を算出する。
【0103】
そして、加熱条件決定部15は、実施の形態1と同様に、ステップS104〜ステップS107の処理を実行することにより、第4温度プロファイル221が予め定められた温度条件に適合する加熱条件を、図12に示すように決定する。
【0104】
このように、本実施の形態に係る加熱条件決定装置20は、実施の形態1に係る加熱条件決定装置10と同様に、第2リフロー装置102において対象基板の温度プロファイルを測定することなく、第2リフロー装置102に対する対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値m21を算出することができる。そして、加熱条件決定装置20は、このように算出された第4加熱特性値m21を用いることにより、予め定められた温度条件に適合するように対象基板を加熱するための第2リフロー装置102の加熱条件を効率的に決定することができる。
【0105】
また、加熱条件決定装置20は、基板が通過する時間に基づいてリフロー装置間の区分を対応付けることができるので、ゾーン構成が互いに異なる場合であっても区分を対応付けることができ、第4温度プロファイルの推定精度を向上させることができる。
【0106】
以上、本発明に係る加熱条件決定装置について、実施の形態1及び2に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0107】
例えば、上記実施の形態1及び2において、第1リフロー装置101と第2リフロー装置102とは、図1に示すゾーン構成であったが、必ずしも図1に示すゾーン構成である必要はない。例えば、第1リフロー装置101と第2リフロー装置102とは、同一のゾーン構成であってもよい。第1リフロー装置101と第2リフロー装置102とのゾーン構成が同一であっても、本発明の一態様に係る加熱条件決定装置は、第1リフロー装置101と第2リフロー装置102との加熱特性が異なる場合などに効果を奏する。
【0108】
また、上記実施の形態2において、加熱特性値算出部24は、第2区分に対応する第1区分を特定する際に、基準基板が通過する時間に基づいて第1区分を特定していたが、例えば区分の位置に基づいて第1区分を特定してもよい。具体的には、第1リフロー装置101と第2リフロー装置102とが同様のゾーン構成である場合、加熱特性値算出部24は、リフロー装置内の位置が一致する第1区分及び第2区分を、互いに対応する区分と特定してもよい。
【0109】
なお、本発明は、このような加熱条件決定装置を備えるリフロー装置(第1リフロー装置又は第2リフロー装置)として実現することもできる。
【0110】
さらに、本発明は、このような加熱条件決定装置の特徴的な構成要素が行う処理を実行する加熱条件決定方法として実現することもできる。また、その加熱条件決定方法を図13に示すようなコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体、インターネット等の伝送媒体を介して配信することができる。
【0111】
図13は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。加熱条件決定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、例えば、コンピュータが読取可能な媒体であるCD−ROM515に記憶され、CD−ROM装置514を介して読み出される。また例えば、加熱条件決定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、有線若しくは無線ネットワーク、又は放送などを介して伝送される。
【0112】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、ハードディスク504、通信インタフェース505等を備える。
【0113】
CPU501は、CD−ROM装置514を介して読み出されたプログラム、又は通信インタフェース505を介して受信したプログラムを実行する。具体的には、CPU501は、CD−ROM装置514を介して読み出されたプログラム、又は通信インタフェース505を介して受信したプログラムをRAM503に展開する。そして、CPU501は、RAM503に展開されたプログラム中のコード化された各命令を実行する。
【0114】
ROM502は、コンピュータ500の動作に必要なプログラム及びデータを記憶する読み出し専用メモリである。RAM503は、CPU501がプログラムを実行するときにワークエリアとして使用される。具体的には、RAM503は、例えば、プログラム実行時のパラメータなどのデータを一時的に記憶する。ハードディスク504は、プログラム、データなどを記憶する。
【0115】
通信インタフェース505は、ネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行なう。バス506は、CPU501、ROM502、RAM503、ハードディスク504、通信インタフェース505、ディスプレイ511、キーボード512、マウス513及びCD−ROM装置514を相互に接続する。
【産業上の利用可能性】
【0116】
第1リフロー装置により加熱された対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置において対象基板を加熱するための加熱条件を決定する加熱条件決定装置及びそれを備えるリフロー装置等として利用することができる。
【符号の説明】
【0117】
10、20 加熱条件決定装置
11、21 第1取得部
12、22 第2取得部
13、23 第3取得部
14、24 加熱特性値算出部
15 加熱条件決定部
101 第1リフロー装置
102 第2リフロー装置
110、210 第1温度プロファイル
111、211 第2温度プロファイル
120、220 第3温度プロファイル
121、221 第4温度プロファイル
131、231 第1温度条件
132、232 第2温度条件
500 コンピュータ
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 ハードディスク
505 通信インタフェース
506 バス
511 ディスプレイ
512 キーボード
513 マウス
514 CD−ROM装置
515 CD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リフロー装置により加熱される対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件を決定する加熱条件決定方法であって、
前記第1リフロー装置に対する基準基板の加熱特性を示す第1加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される第1加熱特性値を取得する第1取得ステップと、
前記第1リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第2加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づいて算出される第2加熱特性値を取得する第2取得ステップと、
前記第2リフロー装置に対する前記基準基板の加熱特性を示す第3加熱特性値であって、前記第2リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第3温度プロファイルに基づいて算出される第3加熱特性値を取得する第3取得ステップと、
前記第1加熱特性値に対する前記第2加熱特性値の比と前記第3加熱特性値とを演算することにより、前記第2リフロー装置に対する前記対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出する加熱特性値算出ステップと、
前記第2リフロー装置により所与の加熱条件で加熱される前記対象基板の第4温度プロファイルを前記第4加熱特性値を用いて推定し、推定した第4温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合する場合に、前記所与の加熱条件を前記第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件として決定する加熱条件決定ステップとを含む
加熱条件決定方法。
【請求項2】
前記第1取得ステップでは、所定の加熱条件で加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される前記第1加熱特性値を取得し、
前記第2取得ステップでは、前記所定の加熱条件で加熱される前記対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づく前記第2加熱特性値を取得する
請求項1に記載の加熱条件決定方法。
【請求項3】
前記所定の加熱条件は、前記第2温度プロファイルを前記予め定められた温度条件に適合させるための加熱条件である
請求項2に記載の加熱条件決定方法。
【請求項4】
前記第3取得ステップでは、前記第2リフロー装置内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第2区分ごとに前記第3加熱特性値を取得し、
前記加熱特性算出ステップでは、前記第2区分ごとに前記第4加熱特性値を算出する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱条件決定方法。
【請求項5】
前記第1取得ステップでは、前記第1リフロー装置内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第1区分ごとに前記第1加熱特性値を取得し、
前記第2取得ステップでは、前記第1区分ごとに前記第2加熱特性値を取得し、
前記第3取得ステップでは、前記第2リフロー装置内の基板搬送路を搬送方向に沿って分割した第2区分ごとに前記第3加熱特性値を取得し、
前記加熱特性値算出ステップでは、前記第2区分ごとに、前記第2区分に対応する前記第1区分を特定し、前記第2区分における前記第3加熱特性値と、特定した前記第1区分における前記比とを演算することにより、前記第2区分ごとに前記第4加熱特性値を算出する
請求項1に記載の加熱条件決定方法。
【請求項6】
前記加熱特性値算出ステップでは、前記基準基板が通過するときの時間に基づいて、前記第2区分に対応する前記第1区分を特定する
請求項5に記載の加熱条件決定方法。
【請求項7】
第1リフロー装置により加熱される対象基板の温度プロファイルを利用して、第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件を決定する加熱条件決定装置であって、
前記第1リフロー装置に対する基準基板の加熱特性を示す第1加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第1温度プロファイルに基づいて算出される第1加熱特性値を取得する第1取得部と、
前記第1リフロー装置に対する対象基板の加熱特性を示す第2加熱特性値であって、前記第1リフロー装置により加熱される前記対象基板の温度を測定することによって得られる第2温度プロファイルに基づいて算出される第2加熱特性値を取得する第2取得部と、
前記第2リフロー装置に対する前記基準基板の加熱特性を示す第3加熱特性値であって、前記第2リフロー装置により加熱される前記基準基板の温度を測定することによって得られる第3温度プロファイルに基づいて算出される第3加熱特性値を取得する第3取得部と、
前記第1加熱特性値に対する前記第2加熱特性値の比と前記第3加熱特性値とを演算することにより、前記第2リフロー装置に対する前記対象基板の加熱特性を示す第4加熱特性値を算出する加熱特性値算出部と、
前記第2リフロー装置により所与の加熱条件で加熱される前記対象基板の第4温度プロファイルを前記第4加熱特性値を用いて推定し、推定した第4温度プロファイルが予め定められた温度条件に適合する場合に、前記所与の加熱条件を前記第2リフロー装置において前記対象基板を加熱するための加熱条件として決定する加熱条件決定部とを備える
加熱条件決定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の加熱条件決定装置を備えるリフロー装置。
【請求項9】
請求項1に記載の加熱条件決定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−171518(P2011−171518A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34037(P2010−34037)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】