加熱調理器
【課題】使用者が被調理物の分量に応じて短時間でコンフィチュールを美味しく加熱調理することができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】被調理物71を収納する加熱室7にマイクロ波を発振するマグネトロン20と、マグネトロン20から発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源23からなり、被調理物71をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、加熱室7の壁面に設けた電熱ヒータ10により被加熱物71を加熱するヒータ加熱と、加熱室に過熱蒸気を供給する蒸気発生手段35により被加熱物71を加熱する高温スチーム加熱の3つの加熱動作を制御する制御手段27を備え、制御手段27により被調理物71を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱と高温スチーム加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理する。
【解決手段】被調理物71を収納する加熱室7にマイクロ波を発振するマグネトロン20と、マグネトロン20から発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源23からなり、被調理物71をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、加熱室7の壁面に設けた電熱ヒータ10により被加熱物71を加熱するヒータ加熱と、加熱室に過熱蒸気を供給する蒸気発生手段35により被加熱物71を加熱する高温スチーム加熱の3つの加熱動作を制御する制御手段27を備え、制御手段27により被調理物71を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱と高温スチーム加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は砂糖の使用量を減らすか、又は砂糖を使用しないで低糖化を図ったジャム(コンフィチュール)を自動調理するオーブンレンジ等の加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オーブンレンジは、マイクロ波によるレンジ加熱と、電熱ヒータによるグリル調理やオーブン調理などのヒータ加熱を行うことができる複合加熱調理器であり、多種多様な調理メニューを加熱調理することができる。
【0003】
従って、オーブンレンジでは、使用者が加熱種類や加熱時間、加熱出力などを自由に設定して調理する手動調理ができるとともに、あらかじめ加熱調理器に記憶された加熱制御によって調理する自動調理が存在する。
【0004】
従来、被調理物である果物などに砂糖を加えて煮つめるジャム作りは、被調理物を入れた鍋を火にかけて行うもので、鍋と被調理物の縁の部分では果汁と糖分がカラメル状になって甘味・旨味が高まり、美味しいジャムを作ることができた。
【0005】
しかし、手軽にジャムを作る調理器として、オーブンレンジが多く利用されるようになり、主にレンジ加熱の手動調理によって加熱時間や加熱出力を設定し、食品状態を観察しながら調理を行っている。そのレシピは調理メニュー本やインターネット上のブログなどで紹介され、様々な被調理物から多様なジャムが作られている。
【0006】
また、特許文献1に記載されているように、特定のジャム(桃ジャム)に関する調理法についてレンジ加熱のみで調理するレシピが公開されている。
【0007】
その一方、フランス語のジャムを意味するコンフィチュールが新しいジャムの形態の一つとして普及してきており、複数種類の果物類や野菜類、ハーブ類などの素材を組み合わせて、果物本来の旨味を損なわずに加熱調理されたものが、日本のコンフィチュールとして注目されている。
【0008】
元来、フランスにおけるコンフィチュールは果物の皮と種を取り除いて砂糖に漬けておき、浸透圧の作用を利用して糖分の吸収と果汁の排出を行った後、果汁のみを煮つめ、実と合わせてさらに煮上げたものである。長期保存品であり、糖度が60%以上のものをコンフィチュール、50〜60%のものをミ・コンフィ、50%以下のものをコンポートと呼んでいる。
【0009】
しかし、近年フランスから複数種類の果物類や野菜類、ハーブ類などの素材を組み合わせて、果物本来の旨味を損なわずに加熱調理した新しいジャムが紹介されると、日本のヘルシー志向などのもと、砂糖の使用量を減らして素材本来の甘味・旨味を活かし、低糖化を図ったジャムが広まり、この日本の低糖化されたジャム=コンフィチュールとして定着しつつある。
【0010】
【特許文献1】特開2003−159003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1等を含めて従来の加熱調理器では、ジャム(コンフィチュール)の加熱用に対応していないため、例えば図6に示すようにレンジ加熱のみで調理を行っている。
【0012】
つまり、レンジ加熱によるジャム(コンフィチュール)作りは、果物に砂糖などを加え、レンジ加熱で煮つめるものであるため、被調理物の誘電率や水分量などのバラツキに応じた加熱ムラが生じ易くなっている。
【0013】
このため、加熱のON−OFF時間動作や出力減少などにより、加熱スピードを下げて被調理物の温度の均一化を図る必要があるため、調理時間が長くかかることになる。
【0014】
また、レンジ加熱の場合、被調理物自体が発熱するため、被調理物内部への熱量の浸透度が大きく、必要以上に被調理物の果汁が排出してしまい、加熱後のジャムがスープ状の仕上がりになりやすい。
【0015】
また、その加熱ムラにより、被調理物特有の甘味・旨味が十分でにくくなるとともに、被調理物の表面が劣化し、色合いが悪くなり易い。
【0016】
よって、ジャム作りには、分量に応じて加熱種類や加熱時間を調整し、最適な加熱制御が必要とされる。
【0017】
本発明は、上記の課題のうち少なくとも1つを解決するために為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、請求項1では、被調理物を収納する加熱室にマイクロ波を発振するマグネトロンと、該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり、被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、前記加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱と、該加熱室に過熱蒸気を供給する蒸気発生手段により被加熱物を加熱する高温スチーム加熱の3つの加熱動作を制御する制御手段を備え、前記制御手段により被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱と高温スチーム加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理するものである。
【0019】
また、請求項2では、被調理物を収納する加熱室にマイクロ波を発振するマグネトロンと、該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり、被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱の2つの加熱動作を制御する制御手段を備え、該制御手段により、被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理するものである。
【0020】
さらに、請求項3では、被調理物は、主に細切りした果実と野菜及び果汁100%ジュースを混入したものよりなり、蓋やラップをしない調理容器に入れるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1によれば、レンジ加熱とヒータ加熱と高温スチーム加熱を適宜組み合わせた加熱による自動調理を行うことができるので、加熱調理器の使用者が被調理物の分量に応じてコンフィチュールの自動調理を選択するだけで、コンフィチュールに最適な加熱制御を行うことができ、また、高温スチームにより被調理物を短時間で均一に温度上昇させ、素材の甘味・旨味を逃がさず、美味しいコンフィチュールを仕上げることができる。
【0022】
また、本発明の請求項2によれば、レンジ加熱とヒータ加熱を便宜組み合わせた加熱による自動調理を行うことができるので、加熱室内の温度をヒータ加熱を利用して管理し、コンフィチュール作りに適した加熱制御を実現できるので、手軽にコンフィチュール作りが行えるとともに、高い利便性を提供できる。
【0023】
さらに、請求項3によれば、被調理物における食材の素材の味を損なわないように煮つめ、素材本来の甘味・旨味を活かし、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーな美味しいコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は本発明の電気式オーブンレンジの正面側から見た斜視図であり、図3、図4に示されている外枠を構成するカバー51を取り外した状態である。
【0026】
図2は図1の電気式オーブンレンジのドア52を開成した状態の正面斜視図である。
【0027】
図3は図1の電気式オーブンレンジの側面断面図である。
【0028】
図4は図1の電気式オーブンレンジを背面側から見た斜視図であり、外枠であるカバー51を本体前方に取り外した状態である。
【0029】
図示した電気式オーブンレンジは、加熱調理する食品等の被調理物71を収容する加熱室7、該加熱室7の底面に設けられた被調理物71を載置する回転しないテーブル70、加熱室7に熱風を循環させる熱風ユニット9、レンジ調理の加熱源であるマイクロ波を発振するマグネトロン20、マグネトロン20から発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源23、マグネトロン20から発振したマイクロ波を加熱室7に導く導波管25、加熱室7に照射されたマイクロ波を撹拌する回転アンテナ57及びアンテナモータ22等で構成されている。
【0030】
レンジ加熱は、テーブル70上に載置した被調理物71をマイクロ波で加熱するものである。そのため、被調理物はその水分等の分子・原子振動によって積極的に加熱される。
【0031】
尚、上記マグネトロン20、導波管25、回転アンテナ57及びアンテナモータ22等の構成部品は図示されているように加熱室7と本体底面との間の機械室2に配置されている。
【0032】
また、電気式オーブンレンジでは、加熱室7をヒータ加熱するために、少なくとも加熱室7の上壁面の外側に電熱ヒータ10が設置されている。この電熱ヒータ10は、加熱室7の壁面を加熱し、その壁面を介した輻射熱で庫内温度を上昇させることにより、グリル調理やオーブン調理を行うことができる。
【0033】
図示したオーブンレンジでは輻射熱を利用した電熱ヒータ10とともに、熱風を利用できる熱風ユニット9を備えた構成となっており、高温空気を加熱室7に供給して加熱調理に利用している。
【0034】
主に、オーブン調理に使われる熱風ユニット9は、加熱室7のほぼ中央に回転自在に設けられたファン等の送風手段30、この送風手段30の外周の下方、すなわち空気流の流出側に設けられた電熱ヒータ12、送風手段30に連結されたファンモータ32等で構成され、加熱室7の背面壁75に配置されている。
【0035】
また、加熱室7の背面壁75には、多数のパンチング孔よりなる通風口72a、72bが設けられており、加熱室7内の空気を吸い込む通風口72bは送風手段30の略中心部に、庫内に熱風を吹き出す通風口72aは通風口72bを囲むように、その外周位置に設けられている。
【0036】
さらに、加熱室7の前方には被調理物71を出し入れする開閉自在なドア52が設けられている。
【0037】
本実施例の電気式オーブンレンジは、加熱室7の中央に回転するテーブルがない、いわゆるターンテーブルレス式オーブンレンジと言われるものである。図示したターンテーブルレス式オーブンレンジは、該テーブルを重量検出手段8a、8b、8cで支えた構成であり、例えばレンジ加熱時の加熱時間が被調理物71の重量検出結果をもとに決められる。
【0038】
熱風ユニット9の背面には蒸気発生手段35が設置されてあり、貯水される容器と、該容器を加熱するヒータ、サーミスタ等の温度検出器(図示せず)等から構成されている。
【0039】
ここで、該容器は、例えばアルミダイキャスト等のアルミニウム材やステンレス材等の錆び難い金属材料で構成され、ヒータは容器の肉部に埋め込まれたシーズヒータ等で構成されている。但し、容器は昇温時間を短くするために熱容量を小さくすることが好ましい。
【0040】
また、蒸気発生手段35のヒータは、同じように昇温時間を短くするために、望ましくは消費電力を500W〜1000W程度にするのがよい。
【0041】
このように、質量や消費電力を上記の数値にすることにより、蒸気発生手段35の所定温度までの昇温時間を30秒〜1分程度、もしくはそれ以下にすることができる。
【0042】
もちろん、容器とヒータは、この仕様や数値に限定する必要はないし、それぞれ複数個に分割されていてもよい。また、蒸気発生手段35の外壁を断熱材で覆い、周囲への放熱を抑制すると、昇温時間が短縮されたり、加熱効率の向上/省エネに繋がる。
【0043】
蒸気発生手段35への水の供給は、加熱室7の下方に設けられた水タンクなどの給水手段36からポンプなど送水手段37とそれらを連結する水配管39a、39bを介して行われる。ここで、水としては、衛生面を考えると、塩素成分を若干含む水道水等が望ましい。
【0044】
また、給水手段36や送水手段37、水配管39は、図1及び図4に示す位置に限る必要はない。特に、給水手段36は、本体前方から容易に取り出しやすい位置がよく、本体前方から見えるように、ドア52の底面か上面、又は側面がよい。
【0045】
ここで、スチーム加熱は、加熱室7に蒸気発生手段35により生成される水蒸気を供給するもので、被調理物71に水分を与えたり、又は蒸し調理などを行うことができる。
【0046】
さらに、本実施例では、蒸気発生手段35で生成した水蒸気を過熱して高温スチーム加熱を行う為に、蒸気発生手段35から熱風ユニット9に水蒸気を吹き出させ、その水蒸気を送風手段30から流出する空気流に吹き付けるような構成となっている。
【0047】
このため、水蒸気がヒータ12で過熱され、高温スチームとなって加熱室7に吹き出される。
【0048】
ここで、最も望ましくは、送風手段30から流出した直後の空気流に向けて水蒸気を吹き付け、空気流に衝突させるようにすれば水蒸気に衝撃を与えて細かく破砕し、より微細な水分子を構成して被調理物71を加熱調理できる。
【0049】
また、図示した電気式オーブンレンジでは、図5に示すように、ドア52の下側に操作パネル6が設けられ、操作パネル6は操作部60と表示部62で構成される。操作部60には、自動調理するメニューが決められたキー63、該キー63にないメニュー及び加熱強さ等を選択する選択手段61a、61b、加熱調理を実行するキー64などが設けられる。ここで、図5に示す選択手段61aはダイヤル式、61bは上下キー式で記載しているが、これらの選択手段に限定する必要はない。
【0050】
また、表示部62には、選択手段61a、61bで選択された状態を表示する選択状態表示部66a、66bなどが設けられる。ここで、本発明では選択手段61と選択状態表示部66において、それぞれコンフィチュールの選択と選択状態表示ができることが特徴である。
【0051】
選択手段61によるメニュー選択は、ドア52に印刷されたドア印字部65の割付表を見て行ってもよいし、付属の料理本に記載された番号を選んでもよい。
【0052】
ここで、図5に示す選択手段61aは、メニュー選択を表示部62に表示される数字によって行うものであるが、メニュー名称をスクロールする構成でも何ら差し支えない。
【0053】
尚、操作部60と表示部62を制御する制御手段27は機械室2に配置されている。
【0054】
以上のように、レンジ加熱とヒータ加熱と高温スチーム加熱ができるように構成された熱風ユニット9を有するターンテーブルレス方式の電気式オーブンレンジで、コンフィチュール作りを行う場合、本発明では使用者の手順によって、以下の加熱制御が実行される。ここでは一例として、苺を主体とした苺のコンフィチュールの調理法を示す。
【0055】
まず、以下に代表的な材料とその分量を示す。
(材料)
苺 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g、
赤ピーマン ・・・・・・・・・・・・・・・170g、
パイナップル ・・・・・・・・・・・・・・・70g、
果汁100%パイナップルジュース ・・・100mL、
果汁100%林檎ジュース ・・・・・・・100mL、
レモン汁 ・・・・・・・・・・・・・・・1/2個分
次に前記材料によるコンフィチュールの作り方を示す。
(作り方)
まず、加熱しても変形などが生じない耐熱性のある調理容器を用意する。ここで、該容器は直径20cm〜25cm、深さ6cm〜8cm程度のものがよく、これを使用した場合には、前記材料の分量を混入した加熱時に材料が容器から溢れたり、温度ムラが生じたりすることがなく、効率よく調理できる。
【0056】
次に材料は、苺のヘタ(他の果実の場合、皮など実以外のもの)を取り除き、2cmから3cm長さに細切りしたものを用い、これを前記調理容器に入れ、各ジュースとレモン汁も一緒に加える。これが加熱前の被調理物となる。
【0057】
ここで、調理容器には、蓋やラップをしないで材料にレンジ加熱やヒータ加熱による熱が入り易いようにし、食材の素材の味を損なわないように短時間で煮つめる。これによって、素材本来の甘味・旨味を活かし、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーな美味しいコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【0058】
また、本実施例で使用した果実以外に、ブルーベリーやオレンジ、バナナ、パイナップルなどジャム作りに向いている果実であれば何でも使うことができる。ここで、特に本発明のように、砂糖を使わないコンフチュールを作るのであれば、糖分の高い熟した果実が適している。
【0059】
また、本実施例で使用した野菜以外に、黄ピーマンやトマト、かぼちゃ、人参など色鮮やかものであれば仕上がりの良好なコンフィチュールを作ることができる。ここで、かぼちゃや人参などの野菜は、前もって加熱したものを使うとよい。
【0060】
また、前記分量で作れるコンフチュールの仕上がり分量は、約200gであり、該分量の0.8倍〜1.3倍程度の分量であれば、前記容器で調理できる。
【0061】
次にその後の動作について説明する。
【0062】
使用者は前記調理容器を、電気式オーブンレンジのドア52を開けてテーブル70上に載置した後、ドア52を閉め、図5のドアに印刷された自動調理メニューから、例えばコンフィチュールの「7」を見つけ、選択手段61aのダイヤルを回すことで数字が前後にスクロールし、選択手段61aと同期して連動する表示部62の選択状態表示部66bに「7」と表示されるように、ダイヤル回転を調整する。また、調理する速さやカラメル固さの好みなどに応じて、選択手段61bの上下キーを押し、「強・中・弱」からそれらを選択でき、その選択状態が選択状態表示部66aで確認できる。
【0063】
次に操作パネル6のスタートキー64を操作すると、制御部27の働きにより加熱調理が開始される。従来のジャム作りは図6に示すように、被調理物71をレンジ加熱するだけであるが、コンフィチュール作りでは、図7に示すように、調理容器を均一に迅速に温度上昇させるために有効な加熱パターンを必要とする。
【0064】
加熱工程として、まず、被調理物71を均一且つ徐々に温度を上昇させるため、レンジ加熱とヒータ加熱の両方を同時に行う。家庭用電源では最大電力量が1500Wであるため、レンジ加熱とヒータ加熱の両方を行うために双方とも低出力で稼動することになる。
【0065】
被調理物71が十分温まったら、ヒータ加熱により加熱室7の庫内温度を100℃から150℃まで上昇させ、被調理物71を外部から一気に加熱させることにより、素材の味が損ない難くなる。
【0066】
また、低出力のレンジ加熱により外部に染み出た果汁の温度を短時間で上昇させ、濃縮された果汁から風味の高いカラメルを作りやすくする。
【0067】
さらに、高温スチーム加熱により加熱室7を200℃から250℃の高温に保持することで、素材に微細水分子が浸入して短時間で効率よく余分な水分を表面から染み出すとともに、濃縮された果汁を素材が吸収して、素材本来の甘味・旨味が良好になる。
【0068】
次の高温スチーム加熱のあとに、レンジ加熱を高出力で行うことにより、余分な水分を短時間で蒸発させ、香り高いカラメルを作るように、スープ状からゼリー状にカラメルの状態を変化させる。最後に最初と同様に、レンジ加熱とヒータ加熱の両方で、調理容器を内外の両方から均一加熱することにより、艶があるコンフィチュールを短時間で高品位に仕上げることができる。つまり、調理過程において、少なくとも一度ヒータ加熱或いは高温スチーム加熱により、加熱室7の温度を高めて外部から調理容器71を加熱して、水分を染み出させた後、その水分をレンジ加熱で一気に蒸発させることで、美味しいコンフィチュールを作ることができる。
【0069】
ここで、本発明では図7に示す加熱パターンにおいて、レンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う時間を、調理開始時の時間(T2−Ts)より仕上げ段階の時間(Te−T5)を長く設けたことが特徴である。また、T2〜T5の間のレンジ加熱、ヒータ加熱、高温スチーム加熱を少なくとも1度入れた加熱パターンとなっている。
【0070】
加熱調理終了後に、電気式オーブンレンジのドア52を開けて調理容器71を加熱室7から取り出し、調理容器71のあら熱をとったのち蓋をして冷蔵庫で冷やせば、美味しいコンフィチュールの完成である。
【0071】
調理容器を取りだした直後は、コンフィチュールがゆるくスープ状に近い状態であるが、冷やすことで「とろみ」と「甘味」が増して、素材本来の甘味・旨味が引き立ち、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーなコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【0072】
尚、加熱が足りないと感じた場合、レンジ加熱でさらに好みの硬さになるまで観察しながら加熱してもよい。
【0073】
ここで、本実施例では、調理容器71に自動調理に合わせた分量で調理する手順について示したが、図示した重量検出手段8a、8b、8cにより検出した重量をもとに、加熱時間なども適宜調整されるように制御させてもよい。
【0074】
尚、本実施例の各加熱動作について、以下に示す。
【0075】
まず、レンジ加熱とヒータ加熱の同時稼動する場合、マグネトロン20をマイクロ波出力を制御するインバータ電源23を制御し、300〜600W程度の出力に低下させるとともに、加熱室7上方の電熱ヒータ10に通電し、500〜800W程度の出力に制御し、双方が同時に稼動する。レンジ加熱ではマグネトロン20とインバータ電源23を冷却するためにファン24が機械室2に搭載される。
【0076】
尚、このヒータ加熱には、熱風ユニット9のヒータ12を用いてもよい。
【0077】
次に、ヒータ加熱では、加熱室7上方の電熱ヒータ10と、熱風ユニット9のヒータ12に通電され、両方で1300〜1450W程度の出力で双方が発熱する。熱風ユニット9では、ファン30が回転して、ヒータ12で加熱された熱風43aを通風口72aから庫内に吹き出すとともに、通風口72bから庫内空気43bを吸い込み、庫内温度を急上昇させる。
【0078】
さらに、高温スチーム加熱では、熱風ユニット9のヒータ12を常時通電するとともに、電熱ヒータ10と蒸気発生手段35に交互通電を行い、熱風ユニット9に供給された水蒸気を熱風に勢い良く衝突させて蒸気の水分子を微細化した高温スチーム(過熱蒸気)化させ、加熱室7に吹き出す構成となる。
【実施例2】
【0079】
図8、図9及び図10は本発明の他の実施例を示すもので、図1と同様にターンテーブルレス方式の電気式オーブンレンジであるが、加熱室7の底面に置かれたテーブル70が加熱室7とは分離されておらず、加熱室7に固定された構成となっている。尚、本発明は、加熱室7に回転テーブルをもったターンテーブルレス電気式オーブンレンジであっても、機械室2が加熱室の上下左右又は後方のいずれに配置された構成であっても、容易に適用できることは言うまでもない。
【0080】
図8に示す電気式オーブンレンジでは、前記実施例に示す蒸気発生手段を具備して高温スチーム加熱ができなくとも、レンジ加熱とヒータ加熱を組み合わせた制御により、前記実施例に近い仕上がりのコンフィチュールが作れる構成を示すものである。
【0081】
図9は図8のドア52を開けた電気式オーブンレンジの正面斜視図であり、熱風ユニット9は前記実施例と同様に有している。
【0082】
図10は図8の電気式オーブンレンジを背面側から見た斜視図であり、外枠であるカバー51を本体前方に取り外した状態である。
【0083】
本実施例では機械室2が加熱室7の側面に配置され、マグネトロン20やインバータ電源23等の部品は、その機械室2に収納される。従って、マグネトロン20から出たマイクロ波は導波管(図示せず)を介して加熱室7の側面から被調理物71に照射される構成である。
【0084】
テーブル70の下方には、図2と同様に回転アンテナ57が配置され、マイクロ波を撹拌してレンジ加熱を行うことができる。
【0085】
また、図示したオーブンレンジでは、ヒータ加熱を加熱室7上方の電熱ヒータ10と、熱風ユニット9のヒータで行うことができ、前記実施例と同様なヒータ加熱を行うことができる。
【0086】
また、操作パネル6は機械室2の前方に配置しており、例えば図11に示すように、操作部60と表示部62から構成される。本実施例の操作は、選択手段である左右キー61bでメニューを選択することで、選択状態表示部66bにメニュー番号を表示させる。
【0087】
本構成の電気式オーブンレンジで、レンジ加熱とヒータ加熱を組み合わせて制御し、コンフィチュールを作る加熱パターンを図12に示す。
【0088】
図7の加熱パターンと比べると、高温スチーム加熱の代わりに、レンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱、その後の高出力でのヒータ加熱の時間割合を広くしており、レンジ加熱の前にヒータ加熱で加熱室を100℃〜150℃の高温に保持させることにより、前記実施例に近いコンフィチュールを作ることができる。
【0089】
ここで、本発明では図12に示す加熱パターンにおいて、レンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う時間を、図7と同様に調理開始時の時間(T6−Ts)より仕上げ段階の時間(Te−T8)を長く設けたことが特徴である。また、T6〜T8の間のレンジ加熱、ヒータ加熱を少なくとも1度入れた加熱パターンとなっている。
【0090】
以上説明したように、本発明によれば、加熱調理器の使用者が被調理物の分量に応じてコンフィチュールの自動調理を選択するだけで、コンフィチュールに最適な加熱制御を行うことができ、また、高温スチームにより被調理物を短時間で均一に温度上昇させ、素材の甘味・旨味を逃がさず、美味しいコンフィチュールを仕上げることができる。
【0091】
また、レンジ加熱とヒータ加熱を便宜組み合わせた加熱による自動調理を行うことができるので、加熱室内の温度をヒータ加熱を利用して管理し、コンフィチュール作りに適した加熱制御を実現できるので、手軽にコンフィチュール作りを行うことができる。
【0092】
さらに、被調理物における食材の素材の味を損なわないように煮つめ、素材本来の甘味・旨味を活かし、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーな美味しいコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第一の実施例におけるカバーを外した加熱調理器の正面斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施例における加熱調理器のドア開成状態での正面斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施例における加熱調理器の側面断面図である。
【図4】本発明の第一の実施例における加熱調理器の背面斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施例における加熱調理器の操作部の拡大図である。
【図6】従来の加熱調理器におけるジャム作りの加熱パターンである。
【図7】本発明の第一の加熱調理器におけるコンフィチュール作りの加熱パターンである。
【図8】本発明の第二の実施例におけるカバーを外した加熱調理器の正面斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施例における加熱調理器のドア開成状態での正面斜視図である。
【図10】本発明の第二の実施例における加熱調理器の背面斜視図である。
【図11】本発明の第二の実施例における加熱調理器の操作部の拡大図である。
【図12】本発明の第二の加熱調理器におけるコンフィチュール作りの加熱パターンである。
【符号の説明】
【0094】
2 機械室
6 操作パネル
7 加熱室
8 重量検出手段
9 熱風ユニット
10 電熱ヒータ
12 熱風ヒータ
20 マグネトロン
23 インバータ電源
35 蒸気発生手段
60 操作部
61a、61b 選択手段
62 表示部
65 ドア印字部
70 テーブル
71 被調理物
【技術分野】
【0001】
本発明は砂糖の使用量を減らすか、又は砂糖を使用しないで低糖化を図ったジャム(コンフィチュール)を自動調理するオーブンレンジ等の加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オーブンレンジは、マイクロ波によるレンジ加熱と、電熱ヒータによるグリル調理やオーブン調理などのヒータ加熱を行うことができる複合加熱調理器であり、多種多様な調理メニューを加熱調理することができる。
【0003】
従って、オーブンレンジでは、使用者が加熱種類や加熱時間、加熱出力などを自由に設定して調理する手動調理ができるとともに、あらかじめ加熱調理器に記憶された加熱制御によって調理する自動調理が存在する。
【0004】
従来、被調理物である果物などに砂糖を加えて煮つめるジャム作りは、被調理物を入れた鍋を火にかけて行うもので、鍋と被調理物の縁の部分では果汁と糖分がカラメル状になって甘味・旨味が高まり、美味しいジャムを作ることができた。
【0005】
しかし、手軽にジャムを作る調理器として、オーブンレンジが多く利用されるようになり、主にレンジ加熱の手動調理によって加熱時間や加熱出力を設定し、食品状態を観察しながら調理を行っている。そのレシピは調理メニュー本やインターネット上のブログなどで紹介され、様々な被調理物から多様なジャムが作られている。
【0006】
また、特許文献1に記載されているように、特定のジャム(桃ジャム)に関する調理法についてレンジ加熱のみで調理するレシピが公開されている。
【0007】
その一方、フランス語のジャムを意味するコンフィチュールが新しいジャムの形態の一つとして普及してきており、複数種類の果物類や野菜類、ハーブ類などの素材を組み合わせて、果物本来の旨味を損なわずに加熱調理されたものが、日本のコンフィチュールとして注目されている。
【0008】
元来、フランスにおけるコンフィチュールは果物の皮と種を取り除いて砂糖に漬けておき、浸透圧の作用を利用して糖分の吸収と果汁の排出を行った後、果汁のみを煮つめ、実と合わせてさらに煮上げたものである。長期保存品であり、糖度が60%以上のものをコンフィチュール、50〜60%のものをミ・コンフィ、50%以下のものをコンポートと呼んでいる。
【0009】
しかし、近年フランスから複数種類の果物類や野菜類、ハーブ類などの素材を組み合わせて、果物本来の旨味を損なわずに加熱調理した新しいジャムが紹介されると、日本のヘルシー志向などのもと、砂糖の使用量を減らして素材本来の甘味・旨味を活かし、低糖化を図ったジャムが広まり、この日本の低糖化されたジャム=コンフィチュールとして定着しつつある。
【0010】
【特許文献1】特開2003−159003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1等を含めて従来の加熱調理器では、ジャム(コンフィチュール)の加熱用に対応していないため、例えば図6に示すようにレンジ加熱のみで調理を行っている。
【0012】
つまり、レンジ加熱によるジャム(コンフィチュール)作りは、果物に砂糖などを加え、レンジ加熱で煮つめるものであるため、被調理物の誘電率や水分量などのバラツキに応じた加熱ムラが生じ易くなっている。
【0013】
このため、加熱のON−OFF時間動作や出力減少などにより、加熱スピードを下げて被調理物の温度の均一化を図る必要があるため、調理時間が長くかかることになる。
【0014】
また、レンジ加熱の場合、被調理物自体が発熱するため、被調理物内部への熱量の浸透度が大きく、必要以上に被調理物の果汁が排出してしまい、加熱後のジャムがスープ状の仕上がりになりやすい。
【0015】
また、その加熱ムラにより、被調理物特有の甘味・旨味が十分でにくくなるとともに、被調理物の表面が劣化し、色合いが悪くなり易い。
【0016】
よって、ジャム作りには、分量に応じて加熱種類や加熱時間を調整し、最適な加熱制御が必要とされる。
【0017】
本発明は、上記の課題のうち少なくとも1つを解決するために為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、請求項1では、被調理物を収納する加熱室にマイクロ波を発振するマグネトロンと、該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり、被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、前記加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱と、該加熱室に過熱蒸気を供給する蒸気発生手段により被加熱物を加熱する高温スチーム加熱の3つの加熱動作を制御する制御手段を備え、前記制御手段により被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱と高温スチーム加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理するものである。
【0019】
また、請求項2では、被調理物を収納する加熱室にマイクロ波を発振するマグネトロンと、該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり、被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱の2つの加熱動作を制御する制御手段を備え、該制御手段により、被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理するものである。
【0020】
さらに、請求項3では、被調理物は、主に細切りした果実と野菜及び果汁100%ジュースを混入したものよりなり、蓋やラップをしない調理容器に入れるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1によれば、レンジ加熱とヒータ加熱と高温スチーム加熱を適宜組み合わせた加熱による自動調理を行うことができるので、加熱調理器の使用者が被調理物の分量に応じてコンフィチュールの自動調理を選択するだけで、コンフィチュールに最適な加熱制御を行うことができ、また、高温スチームにより被調理物を短時間で均一に温度上昇させ、素材の甘味・旨味を逃がさず、美味しいコンフィチュールを仕上げることができる。
【0022】
また、本発明の請求項2によれば、レンジ加熱とヒータ加熱を便宜組み合わせた加熱による自動調理を行うことができるので、加熱室内の温度をヒータ加熱を利用して管理し、コンフィチュール作りに適した加熱制御を実現できるので、手軽にコンフィチュール作りが行えるとともに、高い利便性を提供できる。
【0023】
さらに、請求項3によれば、被調理物における食材の素材の味を損なわないように煮つめ、素材本来の甘味・旨味を活かし、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーな美味しいコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は本発明の電気式オーブンレンジの正面側から見た斜視図であり、図3、図4に示されている外枠を構成するカバー51を取り外した状態である。
【0026】
図2は図1の電気式オーブンレンジのドア52を開成した状態の正面斜視図である。
【0027】
図3は図1の電気式オーブンレンジの側面断面図である。
【0028】
図4は図1の電気式オーブンレンジを背面側から見た斜視図であり、外枠であるカバー51を本体前方に取り外した状態である。
【0029】
図示した電気式オーブンレンジは、加熱調理する食品等の被調理物71を収容する加熱室7、該加熱室7の底面に設けられた被調理物71を載置する回転しないテーブル70、加熱室7に熱風を循環させる熱風ユニット9、レンジ調理の加熱源であるマイクロ波を発振するマグネトロン20、マグネトロン20から発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源23、マグネトロン20から発振したマイクロ波を加熱室7に導く導波管25、加熱室7に照射されたマイクロ波を撹拌する回転アンテナ57及びアンテナモータ22等で構成されている。
【0030】
レンジ加熱は、テーブル70上に載置した被調理物71をマイクロ波で加熱するものである。そのため、被調理物はその水分等の分子・原子振動によって積極的に加熱される。
【0031】
尚、上記マグネトロン20、導波管25、回転アンテナ57及びアンテナモータ22等の構成部品は図示されているように加熱室7と本体底面との間の機械室2に配置されている。
【0032】
また、電気式オーブンレンジでは、加熱室7をヒータ加熱するために、少なくとも加熱室7の上壁面の外側に電熱ヒータ10が設置されている。この電熱ヒータ10は、加熱室7の壁面を加熱し、その壁面を介した輻射熱で庫内温度を上昇させることにより、グリル調理やオーブン調理を行うことができる。
【0033】
図示したオーブンレンジでは輻射熱を利用した電熱ヒータ10とともに、熱風を利用できる熱風ユニット9を備えた構成となっており、高温空気を加熱室7に供給して加熱調理に利用している。
【0034】
主に、オーブン調理に使われる熱風ユニット9は、加熱室7のほぼ中央に回転自在に設けられたファン等の送風手段30、この送風手段30の外周の下方、すなわち空気流の流出側に設けられた電熱ヒータ12、送風手段30に連結されたファンモータ32等で構成され、加熱室7の背面壁75に配置されている。
【0035】
また、加熱室7の背面壁75には、多数のパンチング孔よりなる通風口72a、72bが設けられており、加熱室7内の空気を吸い込む通風口72bは送風手段30の略中心部に、庫内に熱風を吹き出す通風口72aは通風口72bを囲むように、その外周位置に設けられている。
【0036】
さらに、加熱室7の前方には被調理物71を出し入れする開閉自在なドア52が設けられている。
【0037】
本実施例の電気式オーブンレンジは、加熱室7の中央に回転するテーブルがない、いわゆるターンテーブルレス式オーブンレンジと言われるものである。図示したターンテーブルレス式オーブンレンジは、該テーブルを重量検出手段8a、8b、8cで支えた構成であり、例えばレンジ加熱時の加熱時間が被調理物71の重量検出結果をもとに決められる。
【0038】
熱風ユニット9の背面には蒸気発生手段35が設置されてあり、貯水される容器と、該容器を加熱するヒータ、サーミスタ等の温度検出器(図示せず)等から構成されている。
【0039】
ここで、該容器は、例えばアルミダイキャスト等のアルミニウム材やステンレス材等の錆び難い金属材料で構成され、ヒータは容器の肉部に埋め込まれたシーズヒータ等で構成されている。但し、容器は昇温時間を短くするために熱容量を小さくすることが好ましい。
【0040】
また、蒸気発生手段35のヒータは、同じように昇温時間を短くするために、望ましくは消費電力を500W〜1000W程度にするのがよい。
【0041】
このように、質量や消費電力を上記の数値にすることにより、蒸気発生手段35の所定温度までの昇温時間を30秒〜1分程度、もしくはそれ以下にすることができる。
【0042】
もちろん、容器とヒータは、この仕様や数値に限定する必要はないし、それぞれ複数個に分割されていてもよい。また、蒸気発生手段35の外壁を断熱材で覆い、周囲への放熱を抑制すると、昇温時間が短縮されたり、加熱効率の向上/省エネに繋がる。
【0043】
蒸気発生手段35への水の供給は、加熱室7の下方に設けられた水タンクなどの給水手段36からポンプなど送水手段37とそれらを連結する水配管39a、39bを介して行われる。ここで、水としては、衛生面を考えると、塩素成分を若干含む水道水等が望ましい。
【0044】
また、給水手段36や送水手段37、水配管39は、図1及び図4に示す位置に限る必要はない。特に、給水手段36は、本体前方から容易に取り出しやすい位置がよく、本体前方から見えるように、ドア52の底面か上面、又は側面がよい。
【0045】
ここで、スチーム加熱は、加熱室7に蒸気発生手段35により生成される水蒸気を供給するもので、被調理物71に水分を与えたり、又は蒸し調理などを行うことができる。
【0046】
さらに、本実施例では、蒸気発生手段35で生成した水蒸気を過熱して高温スチーム加熱を行う為に、蒸気発生手段35から熱風ユニット9に水蒸気を吹き出させ、その水蒸気を送風手段30から流出する空気流に吹き付けるような構成となっている。
【0047】
このため、水蒸気がヒータ12で過熱され、高温スチームとなって加熱室7に吹き出される。
【0048】
ここで、最も望ましくは、送風手段30から流出した直後の空気流に向けて水蒸気を吹き付け、空気流に衝突させるようにすれば水蒸気に衝撃を与えて細かく破砕し、より微細な水分子を構成して被調理物71を加熱調理できる。
【0049】
また、図示した電気式オーブンレンジでは、図5に示すように、ドア52の下側に操作パネル6が設けられ、操作パネル6は操作部60と表示部62で構成される。操作部60には、自動調理するメニューが決められたキー63、該キー63にないメニュー及び加熱強さ等を選択する選択手段61a、61b、加熱調理を実行するキー64などが設けられる。ここで、図5に示す選択手段61aはダイヤル式、61bは上下キー式で記載しているが、これらの選択手段に限定する必要はない。
【0050】
また、表示部62には、選択手段61a、61bで選択された状態を表示する選択状態表示部66a、66bなどが設けられる。ここで、本発明では選択手段61と選択状態表示部66において、それぞれコンフィチュールの選択と選択状態表示ができることが特徴である。
【0051】
選択手段61によるメニュー選択は、ドア52に印刷されたドア印字部65の割付表を見て行ってもよいし、付属の料理本に記載された番号を選んでもよい。
【0052】
ここで、図5に示す選択手段61aは、メニュー選択を表示部62に表示される数字によって行うものであるが、メニュー名称をスクロールする構成でも何ら差し支えない。
【0053】
尚、操作部60と表示部62を制御する制御手段27は機械室2に配置されている。
【0054】
以上のように、レンジ加熱とヒータ加熱と高温スチーム加熱ができるように構成された熱風ユニット9を有するターンテーブルレス方式の電気式オーブンレンジで、コンフィチュール作りを行う場合、本発明では使用者の手順によって、以下の加熱制御が実行される。ここでは一例として、苺を主体とした苺のコンフィチュールの調理法を示す。
【0055】
まず、以下に代表的な材料とその分量を示す。
(材料)
苺 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g、
赤ピーマン ・・・・・・・・・・・・・・・170g、
パイナップル ・・・・・・・・・・・・・・・70g、
果汁100%パイナップルジュース ・・・100mL、
果汁100%林檎ジュース ・・・・・・・100mL、
レモン汁 ・・・・・・・・・・・・・・・1/2個分
次に前記材料によるコンフィチュールの作り方を示す。
(作り方)
まず、加熱しても変形などが生じない耐熱性のある調理容器を用意する。ここで、該容器は直径20cm〜25cm、深さ6cm〜8cm程度のものがよく、これを使用した場合には、前記材料の分量を混入した加熱時に材料が容器から溢れたり、温度ムラが生じたりすることがなく、効率よく調理できる。
【0056】
次に材料は、苺のヘタ(他の果実の場合、皮など実以外のもの)を取り除き、2cmから3cm長さに細切りしたものを用い、これを前記調理容器に入れ、各ジュースとレモン汁も一緒に加える。これが加熱前の被調理物となる。
【0057】
ここで、調理容器には、蓋やラップをしないで材料にレンジ加熱やヒータ加熱による熱が入り易いようにし、食材の素材の味を損なわないように短時間で煮つめる。これによって、素材本来の甘味・旨味を活かし、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーな美味しいコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【0058】
また、本実施例で使用した果実以外に、ブルーベリーやオレンジ、バナナ、パイナップルなどジャム作りに向いている果実であれば何でも使うことができる。ここで、特に本発明のように、砂糖を使わないコンフチュールを作るのであれば、糖分の高い熟した果実が適している。
【0059】
また、本実施例で使用した野菜以外に、黄ピーマンやトマト、かぼちゃ、人参など色鮮やかものであれば仕上がりの良好なコンフィチュールを作ることができる。ここで、かぼちゃや人参などの野菜は、前もって加熱したものを使うとよい。
【0060】
また、前記分量で作れるコンフチュールの仕上がり分量は、約200gであり、該分量の0.8倍〜1.3倍程度の分量であれば、前記容器で調理できる。
【0061】
次にその後の動作について説明する。
【0062】
使用者は前記調理容器を、電気式オーブンレンジのドア52を開けてテーブル70上に載置した後、ドア52を閉め、図5のドアに印刷された自動調理メニューから、例えばコンフィチュールの「7」を見つけ、選択手段61aのダイヤルを回すことで数字が前後にスクロールし、選択手段61aと同期して連動する表示部62の選択状態表示部66bに「7」と表示されるように、ダイヤル回転を調整する。また、調理する速さやカラメル固さの好みなどに応じて、選択手段61bの上下キーを押し、「強・中・弱」からそれらを選択でき、その選択状態が選択状態表示部66aで確認できる。
【0063】
次に操作パネル6のスタートキー64を操作すると、制御部27の働きにより加熱調理が開始される。従来のジャム作りは図6に示すように、被調理物71をレンジ加熱するだけであるが、コンフィチュール作りでは、図7に示すように、調理容器を均一に迅速に温度上昇させるために有効な加熱パターンを必要とする。
【0064】
加熱工程として、まず、被調理物71を均一且つ徐々に温度を上昇させるため、レンジ加熱とヒータ加熱の両方を同時に行う。家庭用電源では最大電力量が1500Wであるため、レンジ加熱とヒータ加熱の両方を行うために双方とも低出力で稼動することになる。
【0065】
被調理物71が十分温まったら、ヒータ加熱により加熱室7の庫内温度を100℃から150℃まで上昇させ、被調理物71を外部から一気に加熱させることにより、素材の味が損ない難くなる。
【0066】
また、低出力のレンジ加熱により外部に染み出た果汁の温度を短時間で上昇させ、濃縮された果汁から風味の高いカラメルを作りやすくする。
【0067】
さらに、高温スチーム加熱により加熱室7を200℃から250℃の高温に保持することで、素材に微細水分子が浸入して短時間で効率よく余分な水分を表面から染み出すとともに、濃縮された果汁を素材が吸収して、素材本来の甘味・旨味が良好になる。
【0068】
次の高温スチーム加熱のあとに、レンジ加熱を高出力で行うことにより、余分な水分を短時間で蒸発させ、香り高いカラメルを作るように、スープ状からゼリー状にカラメルの状態を変化させる。最後に最初と同様に、レンジ加熱とヒータ加熱の両方で、調理容器を内外の両方から均一加熱することにより、艶があるコンフィチュールを短時間で高品位に仕上げることができる。つまり、調理過程において、少なくとも一度ヒータ加熱或いは高温スチーム加熱により、加熱室7の温度を高めて外部から調理容器71を加熱して、水分を染み出させた後、その水分をレンジ加熱で一気に蒸発させることで、美味しいコンフィチュールを作ることができる。
【0069】
ここで、本発明では図7に示す加熱パターンにおいて、レンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う時間を、調理開始時の時間(T2−Ts)より仕上げ段階の時間(Te−T5)を長く設けたことが特徴である。また、T2〜T5の間のレンジ加熱、ヒータ加熱、高温スチーム加熱を少なくとも1度入れた加熱パターンとなっている。
【0070】
加熱調理終了後に、電気式オーブンレンジのドア52を開けて調理容器71を加熱室7から取り出し、調理容器71のあら熱をとったのち蓋をして冷蔵庫で冷やせば、美味しいコンフィチュールの完成である。
【0071】
調理容器を取りだした直後は、コンフィチュールがゆるくスープ状に近い状態であるが、冷やすことで「とろみ」と「甘味」が増して、素材本来の甘味・旨味が引き立ち、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーなコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【0072】
尚、加熱が足りないと感じた場合、レンジ加熱でさらに好みの硬さになるまで観察しながら加熱してもよい。
【0073】
ここで、本実施例では、調理容器71に自動調理に合わせた分量で調理する手順について示したが、図示した重量検出手段8a、8b、8cにより検出した重量をもとに、加熱時間なども適宜調整されるように制御させてもよい。
【0074】
尚、本実施例の各加熱動作について、以下に示す。
【0075】
まず、レンジ加熱とヒータ加熱の同時稼動する場合、マグネトロン20をマイクロ波出力を制御するインバータ電源23を制御し、300〜600W程度の出力に低下させるとともに、加熱室7上方の電熱ヒータ10に通電し、500〜800W程度の出力に制御し、双方が同時に稼動する。レンジ加熱ではマグネトロン20とインバータ電源23を冷却するためにファン24が機械室2に搭載される。
【0076】
尚、このヒータ加熱には、熱風ユニット9のヒータ12を用いてもよい。
【0077】
次に、ヒータ加熱では、加熱室7上方の電熱ヒータ10と、熱風ユニット9のヒータ12に通電され、両方で1300〜1450W程度の出力で双方が発熱する。熱風ユニット9では、ファン30が回転して、ヒータ12で加熱された熱風43aを通風口72aから庫内に吹き出すとともに、通風口72bから庫内空気43bを吸い込み、庫内温度を急上昇させる。
【0078】
さらに、高温スチーム加熱では、熱風ユニット9のヒータ12を常時通電するとともに、電熱ヒータ10と蒸気発生手段35に交互通電を行い、熱風ユニット9に供給された水蒸気を熱風に勢い良く衝突させて蒸気の水分子を微細化した高温スチーム(過熱蒸気)化させ、加熱室7に吹き出す構成となる。
【実施例2】
【0079】
図8、図9及び図10は本発明の他の実施例を示すもので、図1と同様にターンテーブルレス方式の電気式オーブンレンジであるが、加熱室7の底面に置かれたテーブル70が加熱室7とは分離されておらず、加熱室7に固定された構成となっている。尚、本発明は、加熱室7に回転テーブルをもったターンテーブルレス電気式オーブンレンジであっても、機械室2が加熱室の上下左右又は後方のいずれに配置された構成であっても、容易に適用できることは言うまでもない。
【0080】
図8に示す電気式オーブンレンジでは、前記実施例に示す蒸気発生手段を具備して高温スチーム加熱ができなくとも、レンジ加熱とヒータ加熱を組み合わせた制御により、前記実施例に近い仕上がりのコンフィチュールが作れる構成を示すものである。
【0081】
図9は図8のドア52を開けた電気式オーブンレンジの正面斜視図であり、熱風ユニット9は前記実施例と同様に有している。
【0082】
図10は図8の電気式オーブンレンジを背面側から見た斜視図であり、外枠であるカバー51を本体前方に取り外した状態である。
【0083】
本実施例では機械室2が加熱室7の側面に配置され、マグネトロン20やインバータ電源23等の部品は、その機械室2に収納される。従って、マグネトロン20から出たマイクロ波は導波管(図示せず)を介して加熱室7の側面から被調理物71に照射される構成である。
【0084】
テーブル70の下方には、図2と同様に回転アンテナ57が配置され、マイクロ波を撹拌してレンジ加熱を行うことができる。
【0085】
また、図示したオーブンレンジでは、ヒータ加熱を加熱室7上方の電熱ヒータ10と、熱風ユニット9のヒータで行うことができ、前記実施例と同様なヒータ加熱を行うことができる。
【0086】
また、操作パネル6は機械室2の前方に配置しており、例えば図11に示すように、操作部60と表示部62から構成される。本実施例の操作は、選択手段である左右キー61bでメニューを選択することで、選択状態表示部66bにメニュー番号を表示させる。
【0087】
本構成の電気式オーブンレンジで、レンジ加熱とヒータ加熱を組み合わせて制御し、コンフィチュールを作る加熱パターンを図12に示す。
【0088】
図7の加熱パターンと比べると、高温スチーム加熱の代わりに、レンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱、その後の高出力でのヒータ加熱の時間割合を広くしており、レンジ加熱の前にヒータ加熱で加熱室を100℃〜150℃の高温に保持させることにより、前記実施例に近いコンフィチュールを作ることができる。
【0089】
ここで、本発明では図12に示す加熱パターンにおいて、レンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う時間を、図7と同様に調理開始時の時間(T6−Ts)より仕上げ段階の時間(Te−T8)を長く設けたことが特徴である。また、T6〜T8の間のレンジ加熱、ヒータ加熱を少なくとも1度入れた加熱パターンとなっている。
【0090】
以上説明したように、本発明によれば、加熱調理器の使用者が被調理物の分量に応じてコンフィチュールの自動調理を選択するだけで、コンフィチュールに最適な加熱制御を行うことができ、また、高温スチームにより被調理物を短時間で均一に温度上昇させ、素材の甘味・旨味を逃がさず、美味しいコンフィチュールを仕上げることができる。
【0091】
また、レンジ加熱とヒータ加熱を便宜組み合わせた加熱による自動調理を行うことができるので、加熱室内の温度をヒータ加熱を利用して管理し、コンフィチュール作りに適した加熱制御を実現できるので、手軽にコンフィチュール作りを行うことができる。
【0092】
さらに、被調理物における食材の素材の味を損なわないように煮つめ、素材本来の甘味・旨味を活かし、ノンシュガーで、且つ、ヘルシーな美味しいコンフィチュールを色彩鮮やかに仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第一の実施例におけるカバーを外した加熱調理器の正面斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施例における加熱調理器のドア開成状態での正面斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施例における加熱調理器の側面断面図である。
【図4】本発明の第一の実施例における加熱調理器の背面斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施例における加熱調理器の操作部の拡大図である。
【図6】従来の加熱調理器におけるジャム作りの加熱パターンである。
【図7】本発明の第一の加熱調理器におけるコンフィチュール作りの加熱パターンである。
【図8】本発明の第二の実施例におけるカバーを外した加熱調理器の正面斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施例における加熱調理器のドア開成状態での正面斜視図である。
【図10】本発明の第二の実施例における加熱調理器の背面斜視図である。
【図11】本発明の第二の実施例における加熱調理器の操作部の拡大図である。
【図12】本発明の第二の加熱調理器におけるコンフィチュール作りの加熱パターンである。
【符号の説明】
【0094】
2 機械室
6 操作パネル
7 加熱室
8 重量検出手段
9 熱風ユニット
10 電熱ヒータ
12 熱風ヒータ
20 マグネトロン
23 インバータ電源
35 蒸気発生手段
60 操作部
61a、61b 選択手段
62 表示部
65 ドア印字部
70 テーブル
71 被調理物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収納する加熱室に、マイクロ波を発振するマグネトロンと、該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり、被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、前記加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱と、該加熱室に過熱蒸気を供給する蒸気発生手段により被加熱物を加熱する高温スチーム加熱の3つの加熱動作を制御する制御手段を備え、前記制御手段により被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱と高温スチーム加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
被調理物を収納する加熱室にマイクロ波を発振するマグネトロンと該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱の2つの加熱動作を制御する制御手段を備え、該制御手段により、被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理することを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
被調理物は、主に細切りした果実と野菜及び果汁100%ジュースを混入したものよりなり、蓋やラップをしない調理容器に入れることを特徴とする特許請求項1ないし2記載の加熱調理器。
【請求項1】
被調理物を収納する加熱室に、マイクロ波を発振するマグネトロンと、該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり、被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、前記加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱と、該加熱室に過熱蒸気を供給する蒸気発生手段により被加熱物を加熱する高温スチーム加熱の3つの加熱動作を制御する制御手段を備え、前記制御手段により被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱と高温スチーム加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
被調理物を収納する加熱室にマイクロ波を発振するマグネトロンと該マグネトロンから発振するマイクロ波の出力を制御するインバータ電源からなり被調理物をマイクロ波で加熱するレンジ加熱と、加熱室の壁面に設けた電熱ヒータにより被加熱物を加熱するヒータ加熱の2つの加熱動作を制御する制御手段を備え、該制御手段により、被調理物を初めにレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行い、次にヒータ加熱を行い、次にレンジ加熱を行い、最後にレンジ加熱とヒータ加熱の同時加熱を行う順に制御し、コンフィチュールを自動調理することを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
被調理物は、主に細切りした果実と野菜及び果汁100%ジュースを混入したものよりなり、蓋やラップをしない調理容器に入れることを特徴とする特許請求項1ないし2記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−10161(P2007−10161A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187531(P2005−187531)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]