説明

加熱調理器

【課題】オーブン機能、所望の仕上がり等を実現するため、調理庫65内の温度状況の正確な把握を実現する加熱調理器を実現する。
【解決手段】被加熱物100の上下方向に位置するように設けた上側電熱ヒータ61、下側電熱ヒータ62と、調理庫65の前面に設けられるグリル扉7と、調理庫65においてグリル扉7の対面の左右のいずれか寄りの位置に設けられる排気風路口65aと、グリル扉7の対面近傍において、排気風路口65aと反対側の位置に設けられる奥側サーミスタ63と、調理庫65内のグリル扉7の近傍において、排気風路口65aと対角となる位置に設けられる扉側サーミスタ64と、2つのサーミスタからの信号による検出温度と目標制御温度とに基づいて、上側電熱ヒータ61、下側電熱ヒータ62に供給する電力を制御するグリル加熱制御手段66とを備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱調理器に係るものである。特に調理庫内において温度の検出を行うための温度検出手段の配置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器具の一種であるロースターグリルは、魚、肉等を焼くロースター機能、ピザを丸ごと焼くようなグリル機能を備え、調理庫内の被加熱物を直接的に加熱するものである。そのため、被加熱物に表面に焼き色、焦げ目等を付けることができる。一方でロースターグリルにオーブン機能を持たせた調理への要求も高まりつつある。オーブンは例えば調理庫内の(空気の)温度を高めることにより間接的に被加熱物を加熱するものである。
【0003】
これらの要求を満たそうとすると調理庫内の温度監視が必要不可欠となる。ここで被加熱物が調理庫内に置かれていない状態で略同じ温度が検出される複数の位置にそれぞれ温度検出手段を設け、温度検出手段からの信号に基づいて検出した温度の低い方に合わせて加熱制御を行う加熱調理器も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−349556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の加熱調理器のように、複数の温度検出手段に基づいて検出された温度の低い方に合わせて加熱制御を行うと、温度が高い位置において被加熱物を焦がしてしまう可能性がある。そのため、このような制御はオーブン調理を行おうとする場合には不向きである。一方で、所望の仕上がりを実現するためには調理庫内の空気の流れを把握することも重要となるが、上記の加熱調理器では、被加熱物が調理庫内に置かれていない状態で略同じ温度が検出されるような位置に配置しているだけで空気の流れまで考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明は、オーブン機能、所望の仕上がり等を実現するため、調理庫内の温度状況の正確な把握を実現する加熱調理器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、略直方体の調理庫内に載置される被加熱物の上下方向に位置するように設けた加熱手段と、調理庫の前面に設けられ、調理庫内に被加熱物を出し入れするための扉と、調理庫において扉の対面の左右のいずれか寄りの位置に設けられる排気風路口と、調理庫内の、扉の対面近傍において、排気風路口と反対側の位置に設けられ、その位置における温度に基づく信号を送信する第1の温度検出素子と、調理庫内の扉の近傍において、排気風路口と略対角となる位置に設けられ、その位置における温度に基づく信号を送信する第2の温度検出素子と、第1の温度検出素子及び第2の温度検出素子から送信された信号により、それぞれの位置における検出温度と、基準とする目標制御温度とに基づいて、加熱手段に供給する電力を制御する制御手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の温度検出素子を調理庫内の扉の対面における排気風路口と反対側の位置に設け、第2の温度検出素子を調理庫内の扉の近傍における排気風路口と略対角となる位置に設けて、2つの温度検出素子による検出温度に基づいて、調理庫の中央部分の位置の温度が設定温度になるように、加熱手段に供給する電力を制御するようにしたので、被加熱物が載置される調理庫中央部分の温度を正確に捉え、被加熱物(及び被加熱物周辺の空気の温度)を設定温度で加熱、制御することができる。そのため、オーブンに比べて調理庫が狭いグリル機器においても、被加熱物への直接の熱伝達を抑え、表面を焦がさないようにすることができるので、被加熱物を調理庫内に入れたまま、調理庫内の温度を設定温度に到達させることができ、グリル調理を行う場合と同じ感覚でオーブン調理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を表す図である。また、図2はロースターグリル部6の構成を中心とする加熱調理器の構成を示すブロック図である。図1は、ロースターグリルを備えたビルトイン型のIHクッキングヒーターである。図1において、加熱調理器上面のトッププレート1には、左電磁誘導コイル21及び右電磁誘導コイル22を有する誘導加熱部2、中央ヒータ31を有するヒータ部3、上面操作部4、上面表示部5が設けられている。また、加熱調理器内にはロースターグリル部6が設けられている。そして、ロースターグリル部6に被加熱物を出し入れするための取っ手71を有するグリル扉7、前面操作部8及び前面表示部9が加熱調理器前面に設けられている。
【0009】
本実施の形態の加熱調理器の誘導加熱部2及びヒータ部3には、トッププレート1の下面と対向するように、例えば左電磁誘導コイル21及び右電磁誘導コイル22並びに中央ヒータ31(例えばラジエントヒータ)がそれぞれ配設されている。トッププレート1前方の外枠部分に上面操作部4が設けられている。また、調理器の前面右側に前面操作部8が設けられ、さらに左電磁誘導コイル21、右電磁誘導コイル22、ロースターグリル部6(中央ヒーター31)の動作状態等をそれぞれ表示する上面表示部5がトッププレート1に設けられている。
【0010】
左温度検出素子23、右温度検出素子24は、例えばサーミスタからなり、トッププレート1を介してそれぞれ得られる鍋(容器)の加熱物の温度に基づく信号を、それぞれ左誘導加熱制御手段25、右誘導加熱制御手段26に送信する。中央温度検出素子32は、例えばサーモスタットからなり、トッププレート1を介して置かれた鍋の反射熱と中央ヒータ31の自己発熱による温度上昇を検出し、その検出に基づく信号を中央ヒータ制御手段33に送信する。
【0011】
左誘導加熱制御手段25及び右誘導加熱制御手段26は、例えば1チップマイクロコンピュータ(マイコン)、インバータ等で構成される。それぞれ、後述する主制御手段11からの指示を含む信号、左温度検出素子23、右温度検出素子24からの信号等に基づいて、それぞれ左電磁誘導コイル21、右電磁誘導コイル22への電力供給を制御し、加熱(火力)制御を行う。また、例えば温度等のデータを含む信号を主制御手段11に送信する。中央ヒータ制御手段33についても同様に、主制御手段11からの指示を含む信号、中央温度検出素子32からの信号等に基づいて、中央ヒータ31の加熱(火力)制御等を行う。
【0012】
図3はロースターグリル部6の構成を表す平面図である。図3は、主として調理庫65内の位置関係を表すものである。図1〜図3に示すように、ロースターグリル部6は、前面(扉側)に開口部、後面(奥側)に排気風路口65aを備えた板金で形成される調理庫65と、開口部を塞ぐことができ、調理庫65内に被加熱物100を出し入れするための引き出し開閉可能なグリル扉7とを有している。調理庫65内には、網101上に置かれた被加熱物100を上下から挟むように設けられた上側電熱ヒータ61及び下側電熱ヒータ62が設けられている。ここでは、両面焼きをするために上下に電熱ヒータを設けているが、特に限定するものではない。特に下側電熱ヒータ62は、グリル扉7に連接されたフレームに配設された受け皿(図示せず)と網101との間に設けられている。また、調理庫65内の奥部には温度検出素子となる奥側サーミスタ63が配設され、さらに、調理庫65手前となるグリル扉7の近傍で、かつ上側電熱ヒータ61と下側電熱ヒータ62と間の位置に扉側サーミスタ64が配設されている。温度検出手段63a、64aは、それぞれ奥側サーミスタ63、扉側サーミスタ64からの信号に基づいてこれらのサーミスタが検出した温度(以下、検出温度という)に関する信号をグリル加熱制御手段66に送信する。ヒータ駆動手段67は、グリル加熱制御手段66からの指示に基づいて、上側電熱ヒータ61、下側電熱ヒータ62へのそれぞれの電力供給を制御する。
【0013】
さらに、調理庫65の後面(グリル扉7の対面)には排気風路口65aが設けられている。本実施の形態では、グリル扉7側から見て後面の右寄りの位置が開口されて設けられているが、これに限らず左寄りでもよい。そして、奥側サーミスタ63は、調理庫65の後面において排気風路口65aと反対側(本実施の形態ではグリル扉7側から見て左寄りの位置)に設けられている。一方、扉側サーミスタ64は、グリル扉7近傍の、中心排気風路口65aと略対角となる位置(本実施の形態では、グリル扉7の左側)に設けられている。
【0014】
排気風路口65aには排気風路81が連通しており、調理庫65内の空気を排気口(図示せず)を介して加熱調理器1外に排気する。また、排気風路81上には脱煙触媒フィルタ82が設けられており、その脱煙触媒フィルタ82を加熱する触媒ヒータ83も設けられている。強制排気を行うための排気ファン84は、脱煙触媒フィルタ82(触媒ヒータ83)よりも排気口側に設けられている。排気ファン84はファン駆動回路85を介してグリル加熱制御手段66により回転数等が制御される。
【0015】
グリル加熱制御手段66は、ロースターグリル部6における加熱制御を行うため、本実施の形態においては記憶手段、タイマ、カウンタ(図示せず)を有しているものとする。そして、主制御手段11からの指示を含む信号、奥側サーミスタ63及び扉側サーミスタ64に基づいて温度検出手段63a、64aから送信される検出温度に関する信号等に基づいて、ヒータ駆動手段67を介して上側電熱ヒータ61及び下側電熱ヒータ62の電力供給を制御し、火力(加熱)制御を行う。また、例えば温度等のデータを含む信号を主制御手段11に送信する。特に、主制御手段11から送信された信号に含まれる設定温度のデータ、奥側サーミスタ63及び扉側サーミスタ64からの信号に含まれる検出温度のデータ等に基づいて、被加熱物100を調理庫65内に入れた状態で、調理庫65内の温度を設定温度に到達させ、一定に保つように制御を行う。また、触媒ヒータ83への電力供給制御、排気ファン84の駆動制御等も行う。
【0016】
図2に示す主制御手段11は、加熱調理器の全体の制御を行う。例えば、上面操作部4を介して調理者からの指示、データを含む信号をグリル加熱制御手段66に送信し、上面表示部5に設定温度を表示させる。また、グリル加熱制御手段66から送信される温度に関する信号に基づいて、調理庫65内の温度も上面表示手段5に表示させてもよい。
【0017】
図4はロースターグリル部6における調理庫65内の空気の流れを表す図である。矢印が調理庫65内の空気の流れ(対流)を示している。調理庫65内の空気は上側電熱ヒータ61及び下側電熱ヒータ62で加熱されることによって膨張し、また、被加熱物100からの水蒸気等が発生することで、排気風路口65a、排気風路81から自然に排気される。また、排気風路81上に設けた強制排気手段となる排気ファン84が駆動することにより、調理庫65内の空気は強制的に排気される。
【0018】
ここで、調理庫65内の空気の流れは排気風路口65a(位置A)で大きくなる(速くなる)。また、調理庫65内中央部C及び排気風路口65aと略対角に位置するグリル扉7近傍(扉側サーミスタ64の位置E)で比較的大きくなり、調理庫65内後面の排気風路口65a反対側(奥側サーミスタ63の位置B)とグリル扉7近傍で扉側サーミスタ64の位置Eの反対側(位置D)においては小さくなる(遅くなる又は流れない)。この空気の流れは、排気ファン84が調理庫65内の空気を強制的に排出することによりさらに顕著になる。また、排気ファン84が駆動することにより、調理庫65内における空気の流れが安定する。
【0019】
調理庫65内の中央部Cは上側電熱ヒータ61及び下側電熱ヒータ62に囲まれて温度が高くなりやすい。一方、グリル扉7近傍(位置D、位置E)では外気の流入やグリル扉7の窓(ガラス面)から外部への放熱が大きく、温度は低めとなる。ここで、位置Dと位置Eを比較した場合、位置Dは、空気の流れが小さく、外気の流入も不安定であり、前述した窓からの放熱の影響を受けやすく、加熱調理器1外の環境によって温度が変化しやすい。位置Eは、排気風路口65aと略対角に位置し、空気の流れが比較的大きいため、その影響を受けることが多く、比較的温度が安定する。また、グリル扉7の近傍であるため、温度が低く、調理庫65内で最も温度が低い部分になるものと考えられる。そこで、調理庫65において排気風路口65aと略対角に位置する位置E(空気の流れが大きく温度が低い部分)に扉側サーミスタ64を設けるようにする。
【0020】
また、調理庫65の後面(奥側)部分(位置A、位置B)では、後面の壁からの放熱がグリル扉7の窓よりも小さい。また、位置Bにおいては空気の動きが小さいので、温度がやや高めで安定しているものと考えられる。位置Aは、空気の流れが大きいが、触媒ヒータ83による加熱の影響を大きく受ける。そのため、位置Aにおける温度を検出したとしても調理庫65内の温度の制御に用いるのは難しい。そこで、調理庫65の後面において排気風路口65aと反対側に位置する位置B(空気の流れが小さく温度が高い部分)に奥側サーミスタ63を設けるようにする。
【0021】
従来のロースターグリルでも、調理庫内の複数箇所による温度検出に基づいて温度の上昇を監視してはいたが、調理庫内に入れられた加熱物から離れた位置のサーミスタ(温度検出素子)は温度上昇が急である。一方、被加熱物に近くなるほど、より被加熱物の温度に近い温度が検出できることから、制御用として被加熱物に近いサーミスタによる検出温度を用いていた。本実施の形態は、被加熱物の温度(調理庫内の温度)の制御に複数の温度検出素子である奥側サーミスタ63及び扉側サーミスタ64を用い、調理庫65内全体の温度上昇を、平均値として捉え、複数箇所の検出温度の差が大きくなるようにする。これにより、温度分布の上下限を概略捉えることができ、中心部分の温度を推定することができる。
【0022】
図5は調理庫65内における排気流量と各位置の温度との関係を示すグラフである。図5における位置は、それぞれ図4において示した位置に対応している。図5から、調理庫65内における各位置の温度は排気流量(空気の流れる速度)によって異なることがわかる。
【0023】
例えば、図5(a)と図5(b)とを比較すると、排気流量が多い方が、排気による調理庫65内からの熱量放出が大きくなるため、位置Cにおける温度が低い。また、空気の流れが小さい位置Bと位置Dでは排気流量による差があまり見られない。逆に、流れの通り道上に位置する位置Aと位置Eでは排気流量の影響を受け、排気流量が多いと温度が低くなり、少ないと温度が高くなる。つまり、排気流量が多いと位置Bと位置Eとによりそれぞれ検出される検出温度の温度差が大きく、少ないと小さくなる。
【0024】
一方で、空気の流れやすさは被加熱物100の大きさ(場合によっては形状)によって異なると考えられる。被加熱物100が大きいと空気の流れを遮り、小さいと遮らない傾向にある。このことから、例えば、奥側サーミスタ63からの信号と扉側サーミスタ64からの信号に基づく検出温度の温度差に基づいて被加熱物100の大きさを推定、判断し、大きさに基づく処理を行うこともできる。
【0025】
図6はサーミスタ毎の目標制御温度の一例を示す表である。例えば図4からもわかるように調理庫65内においては温度分布は均一でなく、温度勾配を有する。したがって、調理庫65内で位置が異なる複数のサーミスタ(ここでは奥側サーミスタ63と扉側サーミスタ64)からの信号による検出温度を、全箇所一律の目標制御温度を基準にして処理を行っても、位置Cにおける温度を設定温度にするのが困難である。そこで、サーミスタの配設位置に応じて、同じ設定温度に対して別個に目標制御温度を設定した上で、例えば何れかの検出温度が、対応する目標制御温度に関する条件を満たせば、条件を満たしたものとして処理を行うように、グリル加熱制御手段66による温度制御処理を行うことで、より精度の高い温度制御が調理庫65内(特に中央部分である位置C)において可能となる。図6の表に係るデータはグリル加熱制御手段66が有する記憶手段(図示せず)に記憶し、制御の際にデータを参照する。
【0026】
以上のように実施の形態1によれば、空気の流れが小さく、調理庫65内で比較的高い温度が検出される、排気風路口65aと反対側に位置する位置Bに奥側サーミスタ63を設け、また、空気の流れが大きく、調理庫65内で低い温度が検出される、グリル扉7近傍の排気風路口46と対角に位置する位置Eに扉側サーミスタ64を設ける。これにより、グリル加熱制御手段66が両方のサーミスタの検出温度に基づいて、調理庫65内の温度分布の上下限を概略捉えることができ、全体の温度上昇を平均値として捉え、調理庫65の中央部分の位置Cにおける温度を捉えることができるようになり、位置Cが設定温度になるように上側電熱ヒータ61及び下側電熱ヒータ62による加熱を制御することができる。被加熱物は、通常、調理庫65の中央部分に載置されることから、被加熱物の温度も正確に推定することができる。
【0027】
また、調理庫65内における被加熱物100の大小により、調理庫65内の空気の流れが変わり、被加熱物100が大きいほど奥側サーミスタ63と扉側サーミスタ64とによる検出温度の差が縮まることを利用して、被加熱物の大きさ(負荷量)を推定することができ、調理時間の算出、温度制御のパラメータとして用いることができる。そのため、調理の仕上がり具合が良好な加熱調理器を得ることができる。
【0028】
さらに、グリル加熱制御手段66が検出温度に基づく判断を行う場合、奥側サーミスタ63による検出温度と扉側サーミスタ64による検出温度とで、判断の基準とする温度を異ならせて設定するようにしたので、一様ではなく、勾配を有している調理庫65内における温度分布に応じた設定をすることができる。その際、空気の流れによって検出温度も異なるため、両方が条件を満たしていなくても、どちらかの検出温度が条件を満たせば条件を満たしているものとしてもよい。
【0029】
また、排気ファン84を用いて、調理庫65内の空気を強制排気することにより、自然排気に比べて調理庫65内の空気の流れる方向、流量を一定にし、変化を起こさないようにすることで、奥側サーミスタ63と扉側サーミスタ64とによる検出温度の温度差をより顕著にすることができるので、グリル加熱制御手段66が、調理庫65内の被加熱物の大きさ等の判断、調理過程の仕上がり状況等の判断をより的確に行うことができる。
【0030】
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、IHクッキングヒーターを加熱調理器とし、加熱調理器が有するロースターグリル部6について説明したが、これに限定するものではない。例えば、ロースターグリル単体の加熱調理器においても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を表す図である。
【図2】ロースターグリル部6の構成を中心とする構成を示すブロック図である。
【図3】ロースターグリル部6の構成を表す平面図である。
【図4】ロースターグリル部6の調理庫65内の空気の流れを表す図である。
【図5】調理庫65内の排気流量と各位置の温度との関係を示すグラフである。
【図6】サーミスタ毎の目標制御温度の一例を示す表である。
【符号の説明】
【0032】
1 トッププレート、11 主制御手段、12 主制御記憶手段、2 誘導加熱部、21 左電磁誘導コイル、22 右電磁誘導コイル、23 左温度検出素子、24 右温度検出素子、25 左誘導加熱制御手段、26 右誘導加熱制御手段、3 ヒータ部、31 中央ヒータ、32 中央温度検出素子、33 中央ヒータ制御手段、4 上面操作部、5 上面表示部、6 ロースターグリル部、61 上側電熱ヒータ、62 下側電熱ヒータ、63 奥側サーミスタ、63a 温度検出手段、64 扉側サーミスタ、64a 温度検出手段、65 調理庫、65a 排気風路口、66 グリル加熱制御手段、67 ヒータ駆動手段、7 グリル扉、71 取っ手、8 前面操作部、81 排気風路、82 脱煙触媒フィルタ、83 触媒ヒータ、84 排気ファン、85 ファン駆動回路、9 前面表示部、100 被加熱物、101 網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体の調理庫内に載置される被加熱物の上下方向に位置するように設けた加熱手段と、
前記調理庫の前面に設けられ、前記調理庫内に前記被加熱物を出し入れするための扉と、
前記調理庫において該扉の対面の左右のいずれか寄りの位置に設けられる排気風路口と、
前記調理庫内の該扉の対面において、前記排気風路口と反対側の位置に設けられ、その位置における温度に基づく信号を送信する第1の温度検出素子と、
前記調理庫内の、前記扉の近傍において、前記排気風路口と略対角となる位置に設けられ、その位置における温度に基づく信号を送信する第2の温度検出素子と、
前記第1の温度検出素子及び前記第2の温度検出素子から送信された信号により、それぞれの位置における検出温度と、基準とする目標制御温度とに基づいて、前記加熱手段に供給する電力を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
第1の温度検出素子が設けられた位置、第2の温度検出素子が設けられた位置に基づいて、それぞれ別個の目標制御温度を設定し、
前記制御手段は、第1の温度検出素子が設けられた位置に基づく検出温度、第2の温度検出素子が設けられた位置に基づく検出温度の少なくとも一方が、それぞれに設定した目標制御温度となるように前記加熱手段に供給する電力を制御することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記排気風路口から調理庫内の空気を強制的に排気する強制排気手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−93063(P2007−93063A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−281187(P2005−281187)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】