説明

加硫ゴムの分解回収方法

【課題】反応温度が低くエネルギー効率性が高いだけでなく、反応速度の速さにも、分解反応物のリサイクル回収性にも優れた、加硫ゴムの分解回収方法を提供する。
【解決手段】本発明の加硫ゴムの分解回収方法は、反応開始剤として二価の鉄イオンを使用し、リノール酸などの脂質過酸化反応によって充填剤を含む加硫ゴムを分解し、分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加硫ゴムの分解回収方法に関し、より詳しくは分解反応温度が低くエネルギー効率に優れ、分解速度も速く、さらに、回収の容易な反応物に分解し、該分解反応物をリサイクル容易に回収する、加硫ゴムの分解回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品はプラスチック製品とともに再利用しにくい材料であり、セメント工場などを中心として燃料として利用されている場合が多い。しかしながら、近年環境問題に対する関心の高まりとともに、ゴム製品を燃料として燃やすのではなく、コンポストのように低温で分解する省エネルギー型の方法や分解した材料を再利用するマテリアルリサイクルの方法の開発が求められている。
【0003】
従来、加硫ゴムのリサイクル技術としては脱硫反応が知られているが、反応温度が高いため、エネルギー効率が悪いという問題点がある。また、反応温度が低いリサイクル技術としては微生物分解が知られているが、分解速度が遅いという問題点がある。
【0004】
こうした中、例えば特許文献1には、加硫ゴムを、特定の有機溶媒中、特定の酸の存在下で、分解させる加硫ゴムの分解方法が開示されている。また、非特許文献1、2には、微生物酵素成分等を用いたポリイソプレンゴム等の分解方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−70127号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Macromolecular Bioscience 第2003巻 第3号 第668−674頁 (2003)
【非特許文献2】Biomacromolecules 第4巻 第2号 第314−320頁 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、昨今の加硫ゴムのリサイクル技術においては、分解反応温度が低くエネルギー効率に優れるのみならず、分解速度も速く、さらにリサイクル回収の容易な分解生成物が得られる必要があり、優れたエネルギー効率のみならず、分解速度や回収容易性に優れた加硫ゴムのリサイクル技術が求められているのに対し、上記のような加硫ゴムのリサイクル技術において、エネルギー効率と分解速度とが、両立できない状況である。例えば、微生物分解のように、エネルギー効率が優れれば、分解速度が遅く、一方、脱硫反応のように、分解速度が速ければ、エネルギー効率が悪く、エネルギー効率と分解速度とを両立する加硫ゴムのリサイクル技術に関しては、依然として改善の余地が残されている。さらに、リサイクル回収が容易な分解生成物が得られる技術と両立する加硫ゴムのリサイクル技術に関しても、依然として改善の余地が残されている。
【0008】
そこで、本発明は、分解反応温度が低くエネルギー効率に優れ、分解速度も速く、さらにリサイクル回収の容易な分解生成物が得られる加硫ゴムの分解回収方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、特定の分解反応工程と処理回収工程による加硫ゴムの分解回収方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の加硫ゴムの分解回収方法は、脂質過酸化反応により加硫ゴムを分解する工程と、前記加硫ゴムを分解した後、分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記脂質としてリノール酸を使用することが望ましく、また、反応開始剤として
二価の鉄イオンを使用することが望ましい。
また、前記加硫ゴムがジエン系ゴムであることが望ましい。
また、前記加硫ゴムが充填剤を含むことが望ましく、更に、前記充填剤がシリカ、カーボンブラックから選択される少なくとも一種であることがより望ましい。
また、前記加硫ゴム中の老化防止剤を有機溶媒で抽出することが望ましい。
また、前記有機溶媒に溶解した後、不溶分をろ過することが望ましく、また、該不溶分を遠心分離することが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加硫ゴムの分解回収方法によれば、分解反応温度が低くエネルギー効率に優れ、分解速度も速く、さらにリサイクル回収の容易な分解生成物が得られる加硫ゴムの分解回収方法を提供することができる。このように、本発明の加硫ゴムの分解回収方法は、工業的採算性のみならず、省エネルギーやリサイクル性等の環境配慮も重視されつつある昨今の加硫ゴム再利用処理においても充分に対応することが可能な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の加硫ゴムの分解回収方法は、脂質過酸化反応により加硫ゴムを分解する工程と、前記加硫ゴムの分解方法によって加硫ゴムを分解した後、分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する工程を含むことを特徴としている。
【0014】
[分解工程]
本発明の前段、分解工程は、脂質過酸化反応によってラジカルを発生させ、加硫ゴムの二重結合部位を分解する工程である。
【0015】
[対象物:加硫ゴム]
分解対象物の加硫ゴムは、少なくともゴム成分と加硫剤を含むゴム組成物を加硫してなる。分解可能なゴム成分としては、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、SBRなどが挙げられる。加硫剤としては、可溶性硫黄; 単体硫黄(遊離硫黄);有機シランポリスルフィド類、アミンジスルフィド類、ポリスルフィド類等の硫黄供与加硫剤又は硫黄オレフィン付加物類及び不溶性の高分子硫黄等が挙げられる。さらに、活性化剤、遅延剤、加硫促進剤、オイル等の加工助剤、粘着付与性樹脂を含む樹脂、可塑剤、顔料、追加充填剤、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、素練り促進剤等の様々な一般的に使用される添加物を含む加硫ゴム、好ましくはジエン系ゴムを含むものであれば如何なるものも対象物とすることができる。また、前記加硫ゴムが充填剤を含むものが望ましく、該充填剤がシリカ、カーボンブラックから選択される少なくとも一種であることがより望ましい。具体的に対象物としては、加硫ゴムを用いて製造された各種工業製品や家庭用品又はその廃棄物、或いは、当該工業製品及び廃棄物を前処理した処理物等を挙げることができる。工業製品等としては、例えば、タイヤ、マット、ホース、ベルト、ゴルフボール、免震支承材、各種シール・パッキング類、ケーブル被覆材、各種クッション、手袋、輪ゴム、接着剤等を挙げることができる。
【0016】
[前処理]
前処理としては、具体的に、工業製品等の対象物をシュレッダー等により粉砕する処理、加熱処理及び加熱・加湿処理等を挙げることができる。さらに、老化防止剤を有機溶媒で抽出する前処理を行うことが好ましい。
【0017】
[分解反応]
分解反応は、脂質過酸化反応によってラジカルを発生させ、加硫ゴムの二重結合部位を分解する反応である。脂質過酸化反応としては、フェントン試薬と不飽和脂肪酸の存在下で、加硫ゴムを分解する工程が好適である。
【0018】
[開始剤]
開始物質としてフェントン(Fenton)試薬として知られている、2価の鉄イオンを使用すると、反応が早く進む。フェントン試薬とは、過酸化水素(H22)と鉄(II)塩とを混合した酸化呈色試薬である。
フェントン試薬としては、過酸化水素(H22)と鉄(II)塩との混合物を使用することができる。鉄(II)塩としては、例えば、硫酸鉄(II)(FeSO)、フマル酸第一鉄、シュウ酸第一鉄、塩化第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、オロチン酸第一鉄及び酢酸第一鉄等を使用することができ、好ましくは、硫酸鉄(II)(FeSO)を使用することができる。
フェントン試薬(1ml)の構成要素としての鉄(II)塩の濃度は、例えば、0.1〜50mMが好ましく、0.3〜10mMがより好ましく、0.5〜3mMとすることがより一層好ましい。また、フェントン試薬の構成要素として過酸化水素の濃度は、例えば、0.001〜5mMが好ましく、0.03〜1mMがより好ましく、0.05〜0.3mMがより一層好ましい。
【0019】
[反応機構]
この反応は、フェントン反応と呼ばれる。フェントン試薬の酸化機構は、以下の反応により水酸化ラジカル(OH)を発生するためと考えられている。
22 + Fe2+ → Fe3+ + HO + OH
該フェントン反応により発生した水酸化ラジカル(OH)は、迅速な有機化学物質の酸化分解に対して有用な活性酸素種である。
【0020】
【化1】

【0021】
水酸化ラジカル(OH)が、開始剤の働きをする。脂質(L−H)から、水素を引き抜き、脂質アルキルラジカル(L)に変える。さらに、酸化反応等を経ることで、脂質ラジカル類(L,LO,LOO)となる。この脂質アルキルラジカルは、不安定で、雰囲気中の酸素と速やかに反応して、脂質ペルオキシラジカル(LOO)となる。該脂質ペルオキシラジカルは、水素引き抜きをして、脂質ペルオキシド(LOOH)となる。この過酸化結合(O−O結合)は、容易に開裂し、水酸化ラジカル(OH)と脂質アルコキシラジカル(LO)の2つを生成して、ラジカル濃度を急激に増加させる。これら脂質ラジカル類が、加硫ゴム(R−H)をラジカル化する(R)。脂質アルコキシラジカル(LO)は、脂質ペルオキシラジカル(LOO)や水酸化ラジカル(OH)よりも水素引き抜き速度が大きく、反応の中心的な位置を占める。このため、加硫ゴムは、主に脂質ラジカル類によってラジカル化される。
【0022】
加硫ゴムラジカルは、酸化されて加硫ゴムペルオキシラジカル(ROO)、加硫ゴムアルコキシラジカル(RO)を経て、その一部が、ベータ−開裂を起こす。このようにして、加硫ゴムは酸化ラジカル反応で、低分子化して、分解反応が進行する。
OH + L−H → H2O + L
,LO,LOO +R−H → L−H,LOH,LOOH + R
+ O2 → ROO → RO → ベータ開裂(β−scission)
加硫ゴムの二重結合部位が、脂質ラジカル類の攻撃を受けて、ベータ開裂することで、分解していく。
2=O → R + R2=O
【0023】
通常リサイクルされる加硫ゴムにおいては、添加成分として、酸化防止剤や老化防止剤が含まれている。ラジカルを直接捕捉するタイプのフェノール系防止剤等や、ペルオキシドを分解し、ラジカル増殖を阻止するタイプのリン酸系防止剤等が加硫ゴムに練りこまれている。このため、通常リサイクルされる加硫ゴムでは、ラジカル連鎖反応を主とする、脂質過酸化反応に対する抵抗が大きく、分解速度は遅くなる。このため、老化防止剤を有機溶媒で抽出する前処理を行うことが好ましい。
【0024】
[脂質]
上記脂質過酸化反応には、脂質を使用する。該脂質としては、不飽和脂肪酸が好ましい。不飽和脂肪酸として、リノール酸を使用することが特に好ましい。リノール酸以外の不飽和脂肪酸としては、例えば、リノレン酸、アラキドン酸及びオレイン酸を使用することができる。例えば不飽和脂肪酸の濃度は、0.1mM〜100mMが好ましく、1mM〜20mMがより好ましく、3mM〜10mMがより一層好ましい。
【0025】
[反応系]
反応系は、例えば、フェントン試薬及び不飽和脂肪酸並びに界面活性剤などその他の成分を、適当な緩衝液等に混合することによって調製することができる。調製した反応系に対象物を接触させる際には、反応系に対象物を浸漬するだけでもよいし、反応系に対象物が浸漬した状態で攪拌してもよい。さらに通気しながら反応系に対象物を接触させてもよい。
【0026】
[反応条件]
反応系の温度は、15〜50℃の範囲に維持することが好ましく、25〜45℃の範囲に維持することがより好ましく、35〜40℃の範囲に維持することがより一層好ましい。また、反応系のpHは、5〜9の範囲に維持することが好ましく、6〜8の範囲に維持することがより好ましく、6.5〜7.5の範囲に維持することがより一層好ましい。さらに、反応系に含まれる対象物の割合は、0.1〜10g/Lが好ましく、0.5〜5g/Lに維持することがより好ましい。また、反応時間は、1〜240時間が好ましく、6〜48時間がより好ましい。BHTなどの反応停止剤を添加して反応を停止することが好ましい。
【0027】
[回収工程]
分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する工程である。
一般に加硫ゴムはいかなる有機溶媒にも不溶であるが、本発明による分解方法により、有機溶媒に可溶となる。有機溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、クロロホルムなど未加硫の原料ゴムが可溶であるものを選択する。ただし、分解前の試料にカーボンブラックなどの充填剤が配合されている場合と配合されていない場合で、回収方法が異なる。
【0028】
充填剤が配合されていない場合は分解物が液状になるため、反応液との分離はクロロホルムなどの水と混ざらないで、且つゴムを溶解する有機溶媒を反応液に加え、ゴム分を液−液抽出する必要がある。
カーボンブラックなどの充填剤が配合されている場合は、反応液と分解ゴムの分離はろ紙などを用いたろ過やデカンテーションにより、容易に分離することができるが、分解されたゴム成分には充填剤が含まれるため、分解物を有機溶媒に溶解するとカーボンブラック、シリカや酸化亜鉛などの無機充填剤などが不溶成分として残るため、これらをろ過や遠心分離によって除去する。
【0029】
[脂質の除去]
次に、脂質の除去処理を行う。上記の処理で分解されたゴム分が溶解された有機溶媒中には脂質過酸化反応で使われた不飽和脂肪酸が混入している。そこで、発明者は鋭意検討した結果、アルカリを添加したアルコール中にゴム分解物を再沈すると、効率良く不飽和脂肪酸とゴムが分離できることを見出した。ここで、アルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが例示されるが水酸化カリウム水溶液が好適である。アルカリの濃度としては0.1〜5Nが好ましく、さらに好ましくは0.2〜2Nである。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノールなどが例示されるがエタノールが好ましい。
【0030】
[分離処理]
上記の処理で分解されたゴムを取り出すと、このゴムは有機溶媒に可溶となる。このため、容易に回収できるだけでなく、原料ゴムに類似の構造であり、マテリアルリサイクルに利用しやすい状態での回収ができる。
【0031】
[評価方法]
回収したゴムは乾燥して重量測定を行った。また、分子量測定のため、試料を0.1%濃度でテトラヒドロフランに溶解し、0.45μのフィルターで濾過し、GPC装置に100μlを注入した。カラムはTSK−GMHを使用し、検出器は示差屈折率検出器を使用した。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)とは、GPCにより測定されたポリスチレン換算で求められる値を意味する。
【0032】
上述のように、本発明の加硫ゴムの分解回収方法は、反応温度が低くエネルギー効率性が高いだけでなく、反応速度の速さにも、分解反応物のリサイクル回収性にも優れる。そのため、本発明の加硫ゴムの分解回収方法は、マテリアルリサイクルに好適に利用することができ、より具体的には、ゴム製品等の添加剤などとして非常に有用である。
【実施例】
【0033】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
過酸化水素0.2mM、硫酸第一鉄(硫酸鉄(II)[FeSO])1mM、リノール酸5mM、緩衝剤15mM、非イオン系界面活性剤0.01mMの組成の100mlの反応液中で、37℃、24時間、攪拌しながら、ラテックス手袋ゴム0.1gを分解した。この反応液に10mMのBHTを含むクロロホルム50mlを加え、ゴム成分を液−液抽出した。このクロロホルム溶液を反応液と分離した後、クロロホルム溶液を、1N水酸化カリウムを添加したエタノールに滴下し、ゴム成分を回収した。回収したゴム量は0.06gであり、重量平均分子量は13500であった。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様な組成で、その配合を表1に示したカーボン配合加硫天然ゴム0.1gを分解回収した。加硫ゴム分解物が、重量平均分子量9550の液状のゴムとして0.03g回収できた。
【0036】
【表1】

【0037】
(比較例1)
実施例1の反応液から硫酸第1鉄を除いた反応液で、実施例1と同様な処理を行っても、手袋ゴムは分解しなかった。
【0038】
実施例1により、本方法で加硫ゴムが容易に分解でき、液状ゴムとして好適に回収できることがわかる。また、実施例2によりさらにカーボン配合の加硫ゴムからも液状ゴムが得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明により、脂質過酸化反応により加硫ゴムを分解した後、分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する方法が提供された。本発明の方法は常温常圧に近い条件での化学反応を利用した分解回収方法であるので、エネルギー消費量が少なく、炭酸ガス排出量等の環境負荷も少なく、コストも安いという利点があり、さらに、回収されたゴム分が利用しやすいという利点があるので、廃タイヤなどの使用済み加硫ゴムの再利用などに大いに資すると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂質過酸化反応により加硫ゴムを分解する工程と、前記加硫ゴムを分解した後、分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する工程を含む加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項2】
前記脂質過酸化反応を脂質としてリノール酸を使用して行うことを特徴とする請求項1に記載の加硫ゴムの加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項3】
前記脂質過酸化反応の反応開始剤として二価の鉄イオンを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項4】
前記加硫ゴムがジエン系ゴムを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項5】
前記加硫ゴムが充填剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項6】
前記充填剤がシリカ、カーボンブラックから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項7】
前記加硫ゴムが老化防止剤を含み、該老化防止剤を有機溶媒で抽出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項8】
前記有機溶媒に溶解した後、不溶分をろ過することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の加硫ゴムの分解回収方法。
【請求項9】
前記有機溶媒に溶解した後、不溶分を遠心分離することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の加硫ゴムの分解回収方法。

【公開番号】特開2011−153272(P2011−153272A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17317(P2010−17317)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】