説明

効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス

【課題】効率的且つ省エネな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセスを提供する。
【解決手段】連続鋳造工程に少なくとも二つのカストストランドが設けられ、鋳造ビレットを加熱するために少なくとも二台の加熱炉が設けられ、圧延ライン14を中心線としてずれて配置される。圧延ライン設備配置の最適化により、連続鋳造スラブの潜熱を最大限に利用して、ホットチャージング温度が最も高くなり、工程のエネルギー消費が比較的低くなり、生産ラインを柔軟化させ、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延によっては実現できなかった四つのストランドを一つのラインに合流して同じ温度の高温で直接入れて連続圧延することが実現され、連続鋳造機とロール機との生産能力は高く合わされ、圧延機の生産能力が最大限に発揮でき、単位コストが低くなり、生産ラインが短くなり、敷地も少なくなり、投資が低くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続鋳造プロセスに関し、特に効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
帯鋼連続圧延技術は約半世紀以上にわたって発展して、厚いスラブを原料とした伝統てき通常の熱間連続圧延プロセスと薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスなどの技術を生み出した。
【0003】
スラブの加熱、粗圧延及び仕上げ圧延を採用した伝統てき通常の連続圧延技術は非常に成熟しており、このプロセスには適応性と柔軟性などに優れるという特徴がある。このプロセスによれば、ユーザーの数々のニーズに応じた様々な製品を製造することができ、製品の表面品質が良くなり、冷間圧延に適する品質のいい原料を提供することができる。このプロセスでは、加熱能力が十分であれば、圧延機は最大な生産能力が発揮できる。しかし、この熱間連続圧延プロセスにおいて、連鋳ビレットをラインに離れて組み合わせしなければならない、また、連鋳ビレットは、計画手順に従って加熱炉に入り、加熱圧延されるので、その潜熱はよく利用できず、直接に加熱燃料の無駄使いを引き起こすことになる。
【0004】
薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセス技術として、CSP、FTSRまたはISP(AST)は代表的であり、その最大な利点は高温な連鋳ビレットの潜熱を最大限に利用できることと、燃料を節約できることにある。そして、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスでは、帯スラブの温度差が解消され、仕上げ圧延の定速圧延が実現できるので、極薄い規格の帯鋼を生産することと、超急速冷却で帯鋼の組織性能を制御して高強度鋼を生産することに特に有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスは以下の点でまだ不十分である。
1.プロセスの圧延ラインは二つの連続鋳造ラインしか対応できない、圧延機の生産能
力は大いに制限され、圧延機は常にアイドリング状態にあり、電力の無駄使いは大きい。
【0006】
2.連続鋳造及び連続圧延ではスラブヤードが廃棄され、圧延ラインが短い、敷地面積
が小さくなるはずであり、工場投資が少ない、しかしながら、実際には200〜300メートルの超長いローラハース型加熱炉を装備する必要があるため、連続鋳造機から巻取り機までの距離が短くなるばかりか、かえって伝統てき通常の圧延機とほぼ同じ長さになり、圧延ラインが短いという利点が相殺され、実際の敷地面積は減少されず、工場投資も節約できなかった。
【0007】
3.このプロセスラインの自由度は低すぎ、生産計画の柔軟性が悪い、また、圧延故障
への対応も困難であり、時間がかかる。
【0008】
4.薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスによって生産された帯鋼は降伏強度が比
較的に高い、表面品質も比較的に悪いので、冷間圧延による高精度の製品生産の原料にすることはできない。
【0009】
発明内容
伝統てき通常の熱間連続圧延プロセスでは、高温連続鋳造ビレットを直接に加熱炉に入れて加熱することができず、連続鋳造ビレットの高温潜熱が効率よく利用できないので、エネルギーの無駄使いという課題があり、また、大型スラブヤードを配設しなければならないので、土地資源が無駄になり、スラブヤードの土地が増やし、工場と設備投資という課題がある。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、効率的且つ省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセスを提供することを目的とする。本発明は、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスにおいて、連続鋳造機と圧延機とは生産能力が合わず、圧延機の生産能力が使われず、単位コストが高くなり、製品範囲が狭くなり、レベルが低下し、製品競争能力が低下し、利益が低減するという課題を解決し、また、プロセスラインの自由度が低くて、生産計画が困難であり、故障への対応が困難であるという課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の技術手段は以下である。
効率的且つ省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセスにおいて、鋳造ビレットの連続鋳造、切断、鋳造ビレットのローラコンベアによる加熱炉までの運搬、鋳造ビレットの加熱、ビレットのデスケーリング、粗圧延、クロップエンディング、仕上げ圧延前のデスケーリング、仕上げ圧延、冷却、巻取りという段取りを取っている。連続鋳造工程には少なくとも二つのカストストランドが設けられ、また、鋳造ビレットを加熱するために、少なくとも二台の加熱炉が圧延ラインを中心線としてずれて配置するように設けられている。
【0011】
そして、本発明のプロセスには二つのカストストランドと二台の加熱炉が設けられ、前述の加熱炉のディスチャージローラコンベアは圧延ラインの作業ローラコンベアとして使える。
【0012】
また、本発明のプロセスには四つのカストストランドが設けられ、鋳造ビレットを加熱するのに、四台の加熱炉が圧延ラインを中心線としてそれぞれずれて配置する、あるいは二台づつずれて配置するように設けられている。
【0013】
加熱炉として、ウォキングビーム式短加熱炉が採用され、この加熱炉は、加熱段と均熱段とを備える。
【0014】
粗圧延の後にはコイルボックスが設けら、このコイルボックスはマンドレルレス型移送式あるいは2ステーションマンドレルレス巻取り式のものである。
【0015】
本発明のプロセスにおいて、粗圧延では前縦ローラを有する4段可逆式圧延機が採用される。
【0016】
本発明のプロセスにおいて、粗圧延機の前で前縦ローラを有する可逆式2段圧延機或い
は非可逆式2段圧延機を選択的に設けられる。
【0017】
本発明のプロセスにおいて、鋳造ビレットを運搬するローラコンベア付近或いは加熱炉のディスチャージローラコンベア付近には、鋳造ビレットをラインに離れるアンロードデバイスが設けられる。
【0018】
本発明のプロセスにおいて、仕上げ圧延後の冷却には層流冷却が採用される。
本発明のプロセスにおいて、コイルボックス後及び/または仕上げ圧延後及び/または巻取り前に超急速冷却段が設けられ、その冷却速度は80℃/sを超える。
【0019】
本発明のプロセスにおいて、連続鋳造工程に四つのカストストランドが設けられ、カストストランドがスラブ切断機により所定長さの塊状鋳造ビレットに切断され、鋳造ビレット運搬ローラコンベアによって圧延ラインの両側まで運搬される。また、圧延ラインの同じ側に位置する鋳造ビレット運搬ローラコンベアの間に、鋳造ビレットを移送できる移載機が設けられる。
【0020】
本発明のプロセスにおいて、粗圧延において3パス、5パス或いは7パスで圧延する。
本発明のプロセスにおいて、粗圧延機の前後に縦ローラが設けられ、製品の幅精度の向上にさらに寄与し、製品辺部の折畳みブラックライン欠陥の除去に寄与する。
【0021】
鋳造ビレットの運搬ローラコンベア付近或いは加熱炉のディスチャージローラコンベア付近には、鋳造ビレットをラインに離れるアンロードデバイスが設けられ、圧延ラインが長時間停止すると、アンロードデバイスにより連続鋳造ビレットを吊り出しもしくは圧延ラインから押し出して、冷間ビレットをまとめて販売する或いは冷間ビレットの生産を計画することが可能である。
【0022】
また、本発明は、操作可能に順に圧延ラインに介設される連続鋳造機と、スラブ切断機と、移載機と、加熱炉と、デスケーリング装置と、粗圧延機と、コイルボックスと、フライングカッタと、仕上げ圧延デスケーリング装置と、仕上げ圧延機と、層流冷却装置と、巻取り機とを主に有する帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置であって、連続鋳造機は、それぞれ圧延ラインの両側に配置される少なくとも二台の連続鋳造機を備え、その一方の連続鋳造機から一方外側鋳造ビレットのストランドが流出し、他方の連続鋳造機から他方外側鋳造ビレットのストランドが流出し、加熱炉は二台あり、この二台の加熱炉は圧延ラインの両側に沿ってずれて配置される帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置を提供する。
【0023】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、粗圧延機は、前後にそれぞれ1セットの縦ローラを有する4段可逆式圧延機である。
【0024】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、粗圧延機は、4段可逆式圧延機の前に設置されるとともに前に縦ローラを1セット有する2段圧延機をも備え、このような配置により、4段可逆式圧延機の後に縦ローラを設ける必要がなくなり、前のみに1セットの縦ローラを設ければよい。
【0025】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、4段可逆式圧延機の前にデスケーリング装置が設けられる。
【0026】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、フライングカッタの前に超急速冷却区が設けられる。
【0027】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、層流冷却装置の前後にそれぞれ超急速冷却区が設けられる。これにより、細粒鋼、HSLA鋼及び二相鋼、TRIP及び変態誘起塑性鋼、多相鋼などの先進てきな高張力鋼(AHSS)のプロセスコントロール及び計画、性能コントロールに強い手段を提供する。
【0028】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、コイルボックスは2ステーションマンドレルレス巻取り式、あるいはマンドレルレス型移送式である。
【0029】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、仕上げ圧延機は6台又は7台の4段圧延
機により構成される。
【0030】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、仕上げ圧延機の前に縦ローラが設けられる。
【0031】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、巻取り機は2台又は3台により構成される。
【0032】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、一方の連続鋳造機から一方外側鋳造ビレットのストランドと一方内側鋳造ビレットのストランドが流出し、他方の連続鋳造機から他方外側鋳造ビレットのストランドと他方内側鋳造ビレットのストランドが流出する。移載機により一方内側鋳造ビレットのストランドを一方外側鋳造ビレットのストランドに合流し、他方内側鋳造ビレットのストランドを他方外側鋳造ビレットのストランドに合流する。四台の加熱炉は、圧延ラインの両側に沿ってそれぞれずれて配置され、合流後の一方外側鋳造ビレットのストランドと一方内側鋳造ビレットのストランドは順に圧延ラインの一側にある二台の加熱炉に入り、合流後の他方外側鋳造ビレットのストランドと他方内側鋳造ビレットのストランドは順に圧延ラインの他方の側にある二台の加熱炉に入る。
【0033】
前述帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、一方の連続鋳造機から一方外側鋳造ビレットのストランドと一方内側鋳造ビレットのストランドが流出し、他方の連続鋳造機から他方外側鋳造ビレットのストランドと他方内側鋳造ビレットのストランドが流出する。移載機により一方内側鋳造ビレットのストランドを一方外側鋳造ビレットのストランドに合流し、他方内側鋳造ビレットのストランドを他方外側鋳造ビレットのストランドに合流する。四台の加熱炉は、圧延ラインの両側に沿って二台づつずれて配置し、合流後の一方外側鋳造ビレットのストランドと一方内側鋳造ビレットのストランドは順に圧延ラインの一側にある二台の加熱炉に入り、合流後の他方外側鋳造ビレットのストランドと他方内側鋳造ビレットのストランドは順に圧延ラインの他方の側にある二台の加熱炉に入る。
【0034】
前述効率的な連続鋳造及び連続圧延装置とプロセスにおいて、連続鋳造スラブの潜熱が最大限に利用され、ホットチャージング温度が最も高くなり、工程のエネルギー消費が比較的低くなり、仕上げ圧延機の生産能力が最大限に発揮でき、単位コストが低くなり、生産ラインが短くなり、敷地も少なくなり、投資が低くなり、カタログにある各種鋼と規格の生産に対応でき、薄くて広い高強度の品種のものが生産でき、製品カバー率が大きくなり、製品表面品質が良くなり、付加価値が高くなり、経済利益が高くなる。
【0035】
本発明は従来の技術と比べ、以下の効果がある。
1.本発明において、二台又は四台の加熱炉はそれぞれずれて配置する或いは二台づつ
ずれて配置するように設けられ、移載機により、四つのストランドが二つのストランドに合流されるとともに、それぞれ圧延ラインの両側にある加熱炉の入炉ローラコンベアに接続されるので、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延によってはできなった、四つのストランドを一つの圧延ラインに合流して同じ温度の高温で直接入れて連続圧延するという夢を適え、連続鋳造機とロール機との生産能力は高く合わされた。よって、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスに固有の、連続鋳造機の生産能力が足りなく、圧延機の生産能力と合わず、圧延機が常にアイドリング状態で待機し、生産能力が最大限に発揮できないという問題点が解決され、そして、エネルギーも節約できる。
【0036】
2.本発明の加熱炉にはウォキングビーム式短加熱炉が採用され、各加熱炉内には半炉
分の溶鋼量の連続鋳造ビレットが入れる緩衝保温区が設けられ、圧延ラインが短時間停止する場合、加熱炉内の緩衝区及び加熱炉のチャージローラコンベアの延長部分を介して、スラブが直接にラインに離れることができ、溶かした溶鋼は全部鋳造され、鋳造は停止しないことが確保される。このような行き届いた設計により、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスの生産ラインの自由度が低すぎるという重大な欠陥は根本的に解決されたので、伝統的通常の連続圧延生産ラインに近い柔軟性を持つことができ、生産計画、故障への対応に大いに便宜を図り、快速な生産回復と故障費の低減に有利である。加熱炉の長さは通常15〜30メートルであり、幅は12メートル程度であり、伝統的通常の連続圧延における加熱炉の長さは通常45〜50メートルである。四台の加熱炉の幅方向を圧延ライン沿い配置された総長は100メートル程度であり、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延におけるローラハーストンネル炉の長さの二分の一から三分の一までであり、生産ラインの長さが短くなり、敷地面積も大幅に減少した。
【0037】
3.本発明のプロセスはコイルボックス技術を適用したものであり、このコイルボック
スはマンドレルレス型移送式或いは2ステーションマンドレルレス巻取り式のものであり、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延の高温連続鋳造ビレットの主な特徴と全く同じ特徴を持つ高温連鋳連続鋳造ビレットは直接に加熱炉に入り、定速圧延が達成され、仕上げ圧延に入った中間ビレットの両端及び断面の温度は均一であり、厚さ<2.0mmの薄い規格の鋼コイルと微細結晶高張力鋼の大量、安定の生産及び連続鋳造ビレットの高温潜熱の十分利用に応ずる。従来の伝統的通常の連続圧延にはコイルボックスが設けられず、中間ビレット両端の大きい温度差、仕上げ圧延のホイッピングと圧延の安定が解決できないため、定速圧延ができない、そのため、超薄い帯鋼と微細結晶高張力鋼の大量、安定した生産の能力を有していない。
【0038】
4.本発明のプロセスにおいて、複合穴型つき縦ローラが設けられ、辺部のブラックラ
インを除去する能力を備えた。
【0039】
5.本発明の冷却プロセスにおいて、層流冷却と超急速冷却という二種類の冷却プロセ
スが採用され、従来の合金の混入によって低温・高圧で行うコストが高くて安定しない微細結晶高張力鋼の生産プロセスに替えて、冷却過程の相転移の制御及び最終相転移プロダクトの正確制御による低コストプロセスを採用することで、微細結晶高張力鋼を安定して生産し、これにより、酸性洗ラインに多量の品質の高い熱間圧延原料コイルを提供できる。
【0040】
6.本発明の連続鋳造と加熱炉の配置はきちんと整えて、合理であり、加熱炉は圧延ラ
インに沿ってそれぞれずれて配置され、スラブの潜熱が十分利用され、すべての鋳造ビレットが800〜900℃の温度で加熱炉に装入され、最大限の省エネが達成される。伝統的通常の連続圧延プロセスでは、せいぜい熱間ビレットの50%〜60%が300℃〜600℃の範囲でホットチャージングされる。
【0041】
7.本発明のプロセスの生産量は300万トン以上に達することができ、連続鋳造機に
おいて2機・2ストランドが採用され、また、ずれて対向配置の二台の加熱炉により2機・2ストランドの合流・圧延が実現され、加熱炉の構成は簡単であり、高温の連続鋳造ビレットが100%直接に加熱炉に入れることができ、加熱時間は更に短い。一次投資が低い、メンテナンスし易いという特徴がある。
【0042】
8.スラブの板厚は140〜250mm範囲にあるので、温度下がりがさらに小さくな
り、もっとエネルギーが節約できる。スピードは薄いスラブの場合よりも低い、故障率が低い、品種が多くなり、圧縮比が大きくなり、連続鋳造及び連続圧延の潜熱が最大限に利用でき、連続鋳造ビレットの入炉温度が800〜900℃に達することができ、加熱炉に残る時間が一番短い、エネルギー消費は一番低い。伝統的通常の連続圧延の上に、本当の意味でのすべての連続鋳造ビレットの連続鋳造及び連続圧延が実現され、省エネといい効率が図り、これは完全に新たなプロセス構想である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は本発明の実施例1のプロセスフローの模式図である。
【図2】図2は本発明の実施例2のプロセスフローの模式図である。
【図3】図3は本発明の実施例3のプロセスフローの模式図である。
【図4】図4は本発明の実施例4のプロセスフローの模式図である。
【図5】図5は本発明の実施例5のプロセスフローの模式図である。
【図6】図6は本発明の実施例6のプロセスフローの模式図である。
【図7】図7は本発明のコイルボックスの構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
発明を実施するための最良の形態
図1に示すように、本発明の実施例1のプロセスフローは、1機・1ストランドの垂直曲げ型連続鋳造機1を二台用いて、2機・2ストランド方式で鋳造ビレットを連続鋳造するものであり、また、加熱炉3を2台設けて、ロールライン14を中心線としてずれるように配置するものである。なお、連続鋳造機1からの2本のカストストランドがスラブ切断機20により切断され、切断後の塊状の鋳造ビレットは鋳造ビレット運搬ローラコンベア21、21’によって加熱炉3のチャージローラコンベアまで運搬され、加熱炉3のチャージローラコンペア15の上における鋳造ビレットが押出機を介して加熱炉3に搬入され、そして、鋳造ビレットは二台の加熱炉3で加熱され、圧延ライン14で合流され、デスケーリング装置4でデスケーリングされて粗圧延に入り、また、粗圧延では、前後の縦ローラ5を有する4段可逆式圧延機(粗圧延機7)が使用され、さらに、粗圧延機7(4段可逆式圧延機)の入口にはデスケーリング装置4が設けられている。また、粗圧延の後にはコイルボックスが用いられ、鋳造ビレットは、超急速冷却区9、フライングカッター10によるクロップエンディング、仕上げ圧延・デスケーリング装置4などを通ってから、仕上げ圧延11に入り、なお、仕上げ圧延11は6台又は7台の4段圧延機により構成
される。仕上げ圧延機の前には、1セットの縦ローラ5が設けられている。仕上げ圧延11後、鋳造ビレットは、超急速冷却区9と層流冷却装置12を通って、再び超急速冷却区9を通し、その後、巻取り機13により巻取られる。ビレット厚さ100〜180mmの中薄スラブのロールパスが3パスである圧延、又はビレット厚さ180〜230mmの厚スラブ(粗圧延は、強力4段可逆式圧延機である粗圧延機7により行われる。)のロールパスが5〜7パスである圧延に適する。有効作業ローラ(work roll)胴長の違いにより
、生産能力の規模は200〜300万トン/年である。なお、仕上げ圧延前の超急速冷却区9は製品のカタログプロセスと性能要求に応じて設置される。
【0045】
特に、本発明のプロセスでは、連続鋳造工程において、鋳造ビレット運搬ローラコンベア21、21’付近と、加熱炉のチャージローラコンベアの延長部分には鋳造ビレットをラインに離れる通路とアンロードデバイス19が設けられ、圧延ラインが長時間停止する場合、アンロードデバイス19により連鋳ビレットを吊り出しもしくは圧延ラインから押し出して、冷間ビレットをまとめて販売する或いは冷間ビレット生産を計画することが可能である。
【0046】
図2に示すように、本発明の実施例2は、実施例1と比べて、粗圧延において一台の2段可逆式/非可逆式圧延機6が追加され、4段可逆式圧延機である粗圧延機7には前の縦
ローラ5が1セットのみ配置され、ビレット厚さ180〜250mmの厚いスラブの、ロールパスが3+3パス又は1+5パスである圧延に適する。有効作業ローラ胴長の違いにより、生産能力の規模は200〜300万トン/年である。仕上げ圧延前の超急速冷却区9は、製品のカタログプロセスと性能要求に応じて、設置してもしなくてもよいである。
【0047】
図3に示すように、本発明の実施例3は、2機・2ストランドの垂直曲げ型連続鋳造機1を採用して、(2台で4機・4ストランド)2台の連続鋳造機において連続鋳造機ごとに二つの鋳造ビレットストランドを鋳造する方式で鋳造ビレットを連続鋳造するものであり、スラブ切断機による火炎切断後、移載機2により、両方の内側の鋳造ビレットストランド16及び17をそれぞれ対応側の外側の鋳造ビレットストランド15及び18に合流することで、4ストランドを2ストランドに合流するようになっている。
【0048】
加熱炉3が4台設けられ、4台の加熱炉3は、ロール線14を中心線として、一側に二台で、それぞれずれて配置される。
【0049】
移載機2によって、4ストランドの連続鋳造スラブが同じ温度で直接に加熱炉に装入され、一本の圧延ラインに合流するという薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延で実現できないことを実現した。
【0050】
粗圧延機は前後でそれぞれ1セットの縦ローラ5を有する1台の4段可逆式圧延機(粗圧延機7)であり、スラブ厚さ100〜180mmの中等厚さのスラブの3パスによる圧延、又はスラブ厚さ180〜230mmの厚いスラブの5パス又は7パスによる圧延に適している。有効作業ローラ胴長の違いにより、生産能力の規模が350〜450万トン/年の中等厚さのスラブと厚いスラブの連続鋳造及び連続圧延の生産ラインに適する。仕上げ圧延前の超急速冷却区9は、製品のカタログプロセスと性能要求に応じて、設置してもしなくてもよいである。
【0051】
図4に示すように、本発明の実施例4において、実施例3と異なる点は、粗圧延機は前縦ローラ5を有する可逆式/非可逆式の一台の2段圧延機6と、前縦ローラ5を1セット有する一台の4段可逆式圧延機(粗圧延機7)であるという点にあり、スラブ厚さ180mm〜250mmの厚いスラブで、ロールパスが3+3パス又は1+5パスで、また生産能力の規模が350〜500万トン/年の中等厚さのスラブと厚いスラブの連続鋳造及び連続圧延生産ラインに適している。そのほかは同様である。
【0052】
図5に示すように、本発明の実施例5では、加熱炉3を二台づつずれて配置する方式が採用され、粗圧延において前後に縦ローラを有する4段可逆式圧延機が設けられ、スラブ厚さ100〜180mmの中等厚さのスラブの3パスによる圧延、又はスラブ厚さ180〜230mmの厚いスラブ(粗圧延機7は強力4段可逆式圧延機である)の5パス又は7パスによる圧延に適している。有効作業ローラ胴長の違いにより、生産能力の規模は350〜450トン/年である。仕上げ圧延前の超急速冷却区9は製品カタログプロセスと性能要求に応じて設置される。
【0053】
図6に示すように、本発明の実施例6において、実施例5と異なる点は、粗圧延において前縦ローラ5を有する可逆式/非可逆式2段圧延機6が一台追加され、粗圧延機7(4段可逆式圧延機)に前縦ローラ5のみが配置されるという点にある。スラブ厚さ180mm〜250mmの厚いスラブで、ロールパスが3+3パス又は1+5パスで、また生産能力の規模が350〜500万トン/年の中等厚さスラブと厚いスラブの連続鋳造及び連続圧延生産線に適している。そのほかは同様である。
【0054】
具体的には、本発明の各工程の実施内容は以下のようになる。
(1)鋳造ビレットの連続鋳造(2機・2ストランドとは、2台の連続鋳造機ごとに一つの鋳造ビレットストランドを鋳造することであり、また、2機・4ストランドとは、2台の連続鋳造機ごとに二つの鋳造ビレットストランドを鋳造することである)
保温溶鋼缶、取り瓶または中間缶によって、溶鋼が連続鋳造機まで運搬され、鋳造機のタイプは垂直曲げ型CONROLL連続鋳造機であり、鋳造速度<3.7m/min、鋳造後断面140〜150mm×900〜1650mm、そして、スラブ切断機により火炎切断され、パソコンにより所要の一定長さになるように制御される。二台の1機・1ストランド、もしくは2機・2ストランドの垂直曲げ型連続鋳造機を採用することで、2機(連続鋳造機)2ストランド(鋳造ビレットストランド)又は4機(連続鋳造機)4ストランド(鋳造ビレットストランド)の方式で鋳造ビレットを連続鋳造し、火炎切断で切断して、断面が100〜250mm×900〜1650mmで、ビレット長さがコイル重量とコイル材の外径によって選択される鋳造ビレットを連続鋳造する。4ストランド方式で鋳造ビレットを連続圧延する場合、移載機(移載機は一台の連続鋳造機の二つの鋳造ビレットストランドの間に横方向において移動可能である)によって、一台の連続鋳造機の二つの鋳造ビレットストランドを1ストランドに合流することができるので、4ストランドを2ストランドに合流することができる。
【0055】
(2)鋳造ビレットの加熱
ウォキングビーム式短加熱炉を二台又は四台用いる。加熱炉が二台用いられる場合、加熱炉を圧延ラインを中心線として、一側に一台でずれて配置する一方、加熱炉が四台用いられる場合、圧延ラインを中心線として、一側に二台でそれぞれずれて配置する、或いは二台づつずれて配置する。移載機により4ストランドから合流された2ストランドを、圧延ライン両側の加熱炉の入炉ローラコンベアにそれぞれ接続する。よって、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延の4ストランドを一本の圧延ラインに合流して同じ温度で直装連続圧延する夢を適えて、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスが固有する克服できない課題、即ち、連続鋳造機の能力が小さい、圧延機の生産能力と対応できず、圧延機は常にアイドリング状態で待機し、生産能力は最大限に発揮できないといった技術問題を解決した。急速加熱炉では二段ウォキングビーム機構、もしくは長ストローク押出機が採用され、各加熱炉の後段に半炉分の溶鋼が装入可能なスラブ緩衝保温区が設けられ、その上、加熱炉のチャージローラコンベアの延長部分を介して、スラブを直接ラインに離れることができ、このような行き届いた設計により、薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延プロセスの生産ラインの自由度が低すぎるといった重大な欠陥を根本的に解決できるので、伝統的な連続圧延生産ラインに近い柔軟性を持ち、生産計画、故障処理に大いに便宜を図り、快速な生産回復と故障コストの低減に有利である。加熱炉は気化により冷却され、炉の長さは必要に応じて15〜30mが選択され、炉幅は11〜17mであり、加熱能力は130〜200t/hであり、鋳造ビレットホットチャージング温度は800〜900℃に達し、鋳造ビレットが炉を出た時の温度は1100〜1250℃である。
【0056】
(3)ビレットのデスケーリング
鋳造ビレットは、加熱されて炉を出た後に、圧力15〜18Mpaの高圧水デスケーリング装置でデスケーリングされ、その吐出角が15度を揺れる。
【0057】
(4)粗圧延
機前縦ローラを有する2段圧延機一台と機前縦ローラを1セット有する一台の4段強力
可逆式圧延機或いは機の前後にそれぞれ前縦ローラを1セット有する一台の4段強力可逆
式圧延機が採用され、4段可逆式圧延機の入り口にはデスケーリング装置が設けられる。4段強力可逆式圧延機の縦ローラの直径はΦ1000〜1100mmであり、ローラ胴長
は650mmであり、縦ローラの一回の最大側圧量は80mmに達し、最大ロール圧力は7000KNに達し、クリアランスの調整は全て液圧で行われ、主伝動効率は2×1100KWである。水平圧延機の作業ローラの直径はΦ1100〜Φ1200mmであり、ローラ胴長は1780mmであり、また、支持ローラの直径はΦ1300〜Φ1450mmであり、ローラ胴長は1750mmであり、最大圧延圧力は45000KNであり、また、作業ローラの最大速度は5.5m/sに達し、主伝動効率は2×7500KWであり、速度は0〜45/90rpmである。そして、粗圧延機の出入り口にはそれぞれデスケーリング装置が設けられ、デスケーリング圧力は15〜18Mpaであり、その吐出角が15度を揺れる。
【0058】
(5)取巻き
コイルボックスはマンドレルレス型移送式、即ち2ステーションマンドレルレス巻取り式であり、最大巻取り速度は5.5mpsで、コイルボックスの巻取り厚さは20〜40mmで、幅は800〜1650mmで、巻取り温度は900〜1100℃で、最大コイル重量は28tであり、コイル材の外径は1400〜2200mmで、アンコイリング速度は最大1.5mpsである。
【0059】
図7の構成模式図に示すように、本発明のコイルボックス8は、ガイドローラ81、曲げローラ82、成形ローラ83、巻取りパッドローラ84A,84B、アンコイリングアーム89、シャベル91、アンコイリングパッドローラ85A,85B、コイルボックス8の運搬ローラコンベア88、レテンションピン90、ポジションローラ86、挟持ローラ87を備えている。その内、ガイドローラ81、曲げローラ82、成形ローラ83、および巻取りパッドローラ84A,84Bにより巻取りステーション94を構成し、アンコイリングアーム89、シャベル91、アンコイリングパッドローラ85A,85B、コイルボックス8の運搬ローラコンベア88、レテンションピン90、ポジションローラ86、および挟持ローラ87によりアンコイリングロールステーション93を構成する。
【0060】
巻取り途中に、入口ガイドローラ81は所定位置まで上がり、粗圧延ローラコンベア80により運搬されてきた中間ビレットがガイドローラ81に沿って曲げローラ82に導入され、なお、予め中間ビレットの厚さに応じて曲げロール82のクリアランスを設定しておく、成形ローラ83は自動的に巻取り位置まで上がり、巻取りパッドローラ84Aは初期位置に保持され、巻取りパッドローラ84Bは巻取り位置まで上がり、また、巻取り途中に、中間ビレットは曲げロール82において、ある程度弾性・塑性的に曲げ変形し、中間ビレットのヘッド部が曲げロール82から離す際、弾性回復モーメートにより、ある程度弾性回復し、巻取りの継続に伴って、中間ビレットのヘッド部が成形ローラ83と衝突しようとなり、帯鋼が更に曲がられ、一周目の巻取りが完成され、巻取りの継続に伴い、中間ビレットコイルは巻取りパッドローラ84Aに巻き上がり、曲げローラ82のクリアランスが中間ビレットコイルの外径寸法の増大に伴って大きくなり、巻取りパッドローラ84Bが中間ビレットコイルの外径寸法の増大に伴って小さくなり、最終的にはコイルが形成される。
【0061】
巻取りの終了前、アンコイリング際にアンコイリングアーム89のシャベル91に接触するように、中間ビレットコイルのエンド部に一定長さの中間ビレットを残しておく、その後、巻取りパッドローラ84Bが圧延ラインよりも下側のある位置まで降りて、後続するアンコイリングと、鋼コイルのアンコイリングパッドローラ85までの運搬に準備を整え、この際、中間ビレットは完全に曲げローラ82から離れており、巻取り過程全体が終了する。アンコイリングしようとする時に、アンコイリングアーム89がある位置まで降りると、シャベル91は予め保留された中間ビレットのエンド部に接触し、中間ビレットのエンド部を押さ、中間ビレットを展開させて、アンコイリングしようとする。アンコイリングの段階では、中間ビレットの巻取り時の前述エンド部はアンコイリング時のヘッド部になり、アンコイリングが開始した直後に、中間ビレットコイルはそれに接触する巻取りパッドローラ84により前へ移動する動力が提供され、アンコイリングの進行に伴い、中間ビレットコイルのヘッド部が順次アンコイリングパッドローラ85、コイルボックス8の運搬ローラコンベア88(中間ビレットコイルのアンコイリング過程の支えとして機能する)を通過して、挟持ローラ87(中間ビレットを矯正するとともに、中間ビレットに前へ移動する動力を提供する)に入り、中間ビレットコイルのヘッド部が挟持ローラ87から離れてフライングカッター10前の運搬ローラコンベア92に入り、その後、中間ビレットコイルのヘッド部がフライングカッター10によりカットされ、デスケーリングされてから、仕上げ圧延機群11の一台目に入る。アンコイリングアーム89は中間ビレットコイルのヘッド部がフライングカッター10によりカットされてから上がることができる。
【0062】
中間ビレットコイルのヘッド部が仕上げ圧延機群11の一台目に入った後、中間ビレットコイルを巻取りパッドローラ84から直接にアンコイリングパッドローラ85まで移動しようとする際に、アンコイリングパッドローラ85が比較的低い位置にあり、巻取りパッドローラ84Aが圧延ライン位置よりも上の位置まで上がり、巻取りパッドローラ84Bが圧延ライン位置よりも下の位置まで下がり、巻取りパッドローラ84の反転力と中間ビレットコイルの前へ移動する張力により、中間ビレットコイルを巻取りパッドローラ84から直接にアンコイリングパッドローラ85まで移動する。中間ビレットコイルがアンコイリングパッドローラ85の上になった際、アンコイリングパッドローラ85が圧延ライン位置まで上がり、それと同時に、巻取りパッドローラ84Aが巻取り位置まで下がり、巻取りパッドローラ84Bが巻取り位置まで上がり、これにより、巻取りパッドローラ84が巻き待ち位置にあり、次の鋼の巻取りを待つ状態になり、よって、アンコイリング圧延ステーション93で前の中間ビレットコイルを巻き始めると同時に、巻取りステーション94が次の中間ビレットコイルの巻取りに備えたことが実現した。
【0063】
ポジションローラ86が最初の位置で中間ビレットコイルを待ち、そして、ポジションローラ86が中間ビレットに接触すると、それと同時に、ポジションローラ86が設定値に基づいて指定位置まで進め、中間ビレットと接触する。ポジションローラ86が鋼コイルの固定に用いられる。
【0064】
最後の2〜3周の中間ビレットコイルが残されるまでアンコイリングした際に、レテンションピン90が中間ビレットコイルの芯部に挿入して、中間ビレットコイルの積層圧延を防止する。最後の1周までアンコイリングした際に、中間ビレットコイルがレテンションピン90に密接して円滑に展開され、中間ビレットコイルがレテンションピン90から離れてから、レテンションピン90が最初の位置まで戻る。これで、アンコイリング過程全体が完了する。この際、アンコイリング圧延ステーション93は次の中間ビレットコイルのアンコイリングを待つ状態にある。
【0065】
中間ビレットコイルが全てアンコイリング圧延ステーション93まで運搬された時、巻取りステーション94は同時に次の中間ビレットコイルを巻取ることができる。巻取りステーション94とアンコイリング圧延ステーション93とは同じ時間内で同時に稼動できるので、アンコイリング時に増やした時間が取り戻され、従来のコイルボックスが圧延機の生産能力の発揮を制限する障害である課題が解決され、また、中間芯部温度が低く、圧延時間が増やし、生産量に損なうという重大な欠陥が有効に解決され、よって、コイルボックスの全ての利点が十分に発揮できる。
【0066】
(6)クロップエンディング
ドラム式フライングカッターにより、スラブに対してクロップエンディングする。フライングカッターの最大せん断断面は50×1650mmで、最大せん断力は9600KNで、せん断速度は0.35〜1.5mpsで、主伝動効率は980KWで、主伝動速度は0〜680rpmである。
【0067】
(7)仕上げデスケーリング
仕上げ圧延デスケーリング装置により、スラブに対してデスケーリングする。仕上げ圧延デスケーリング装置はマニホルダを2セット備え、圧力は15〜20Mpaであり、吐
出角は15°である。
【0068】
(8)仕上げ圧延
仕上げ圧延の前に強冷却区が設けられ、その長さは5mであり、方式は水冷壁方式であり、冷却用水の最大水量は600m3phであり、フィライトのロールに寄与する。
【0069】
仕上げ圧延機の一台目のスタンドの前に1セットの縦ローラが設けられ、仕上げ圧延機
群が6台又は7台の4段圧延機で構成される。F1−F7は何れもCVC圧延機であり、
ローラ飛び跳ね量は±150mmであり、ローラ曲げ力は何れも+1200KN一定であり、なお、F1−F3は電動AGCであり、F4−F7は液圧AGCであり、作業ローラの軸受けは4列の円錐ころ軸受けであり、支持ローラの軸受けは動静圧油膜軸受けであり
、また、F1−F2の作業ローラの直径はΦ720〜820mmであり、F3−F7の作業ローラの直径はΦ650〜750mmであり、ローラ胴長は1780mmであり、また、F1−F2の支持ローラの直径はΦ1300〜1450mmであり、F3−F7の支持ローラの直径はΦ1270〜1400mmであり、ローラ胴長は1750mmである。F1−F3の最大圧延力は35000KNであり、F4−F7の最大圧延力は30000KNであり、主モータはいずれも交流周波数変換タイプのものであり、F1−F3のモータ出力は6500KWであり、F4−F7のモータ出力は5500KWである。最大圧延速度は12mpsであり、F1−F7の上下ローラはいずれも潤滑つき圧延することで、帯鋼の表面品質を向上させる。仕上げ圧延の入口の温度は900〜1080℃であり、出口の温度は800〜900℃であり、また、F3−F7の出口がウェット式除塵法で除塵して、環境を確保する。
【0070】
(9)帯鋼層流冷却と超急速冷却
層流冷却区の前後に超急速冷却が設けられる。帯鋼層流冷却は全部で100mであり、その内、普通冷却区は50mであり、強冷却区は20mであり、それ以外は空冷区であり、また、層流冷却水量は8400m3phであり、サイド噴水量は180m3phであり、層流水圧は0.03〜0.05Mpaであり、サイド噴水圧は1.0Mpaであり、水温はいずれも<40℃であり、そして、圧力を安定させるために、圧延機の近傍に水タンクが設けられ、巻取り温度はCTCモデルにより制御される。
【0071】
超急速冷却の冷却レートは80℃/Sより速い、その水圧、水量は層流冷却の水圧、水
量の少なくとも2倍である。
【0072】
(10)帯鋼の巻取り
必要に応じて、巻取り機は2台又は3台が選択できる。巻取り機はフートステップコントロールつきで、巻取り仕様は、炭素鋼:X65、X70で、規格が1.0〜12.7×1650mmで、鋼コイル内径が762mmで、最大外径が2000mmで、最大コイル重量が29tである。挟持ローラの上下ローラの直径は920/460mmであり、ロー
ラ胴長は1780mmであり、また、モータ出力は150/300KWであり、回転速度
は525/900rpmである。リール拡張後の内径は762mmで、2級拡張、モータ
出力は370KWであり、回転速度は340/1080rpmである。ラッパーローラが
三つあり、ローラ直径は350mmであり、ローラ胴長は1780mmであり、モータ出力は37/74KWであり、回転速度は570/1000rpmであり、また、クリアランス調整はサーボバルブにより制御される。巻取り入口側のガイドブレートは液圧サーボ式であり、開度は500〜1880mmで、位置及び圧力コントロールつきである。
【0073】
前述したように、本発明では、圧延ラインの設備配置の最適化により、連続鋳造スラブの潜熱が最大限に利用され、ホットチャージング温度が高い、工程のエネルギー消費が比較的低い、仕上げ圧延機の生産能力が最大限に発揮され、単位コストが低くなり、生産ラインが短くなり、敷地も少なくなり、投資が低くなり、カタログにある各種鋼と規格の生産に対応でき、薄いくて広い高強度の品種のものが安定して生産でき、製品カバー率が大きくなり、製品の表面品質が良くなり、付加価値が高くなり、経済利益が高くなる。薄いスラブ連続鋳造及び連続圧延と比べ、大きな利点を持つ。省エネと、薄い規格及び微細結晶の高張力鋼の生産などの方面において、伝統てき通常の圧延機と比べて、顕著な利点がある。
【符号の説明】
【0074】
1 連続鋳造機、2 移載機、3 均熱炉、4 デスケーリング装置、5 縦ローラ、6
2段圧延機、7 粗圧延機、8 コイルボックス、9 超急速冷却区、10 フライングカッタ、11 仕上げ圧延機(6台又は7台)、12 層流冷却装置、13 巻取り機(2台又は3台)、14 圧延ライン、15 一方外側鋳造ビレットのストランド、16
一方内側鋳造ビレットのストランド、17 他方内側鋳造ビレットのストランド、18
他方外側鋳造ビレットのストランド、19 アンロードデバイス、20 スラブ切断機、21,21’ 鋳造ビレット運搬ローラコンベア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセスにおいて、鋳造ビレットの連続鋳造、切断、鋳造ビレットのローラコンベアによる加熱炉までの運搬、鋳造ビレットの加熱、ビレットのデスケーリング、粗圧延、クロップエンディング、仕上げ圧延前のデスケーリング、仕上げ圧延、冷却、巻取りを備え、前述連続鋳造工程には少なくとも二つのカストストランドが設けられ、鋳造ビレットを加熱するために、少なくとも二台の加熱炉が圧延ラインを中心線としてずれて配置するように設けられることを特徴とする効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項2】
二つのカストストランドと二台の加熱炉が設けられ、前述加熱炉のディスチャージローラコンベアは圧延ラインの作業ローラコンベアとして使えることを特徴とする請求範囲1に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項3】
四つのカストストランドが設けられ、鋳造ビレットを加熱するのに四台の加熱炉が設けられ、この四台の加熱炉は圧延ラインを中心線としてそれぞれずれて配列されあるいは二台づつずれて配列されていることを特徴とする請求範囲1に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項4】
加熱炉として、ウォキングビーム式短加熱炉が採用され、この加熱炉は加熱段と均熱段を備えることを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項5】
粗圧延の後にコイルボックスが設けられ、このコイルボックスはマンドレルレス型移送式あるいは2ステーションマンドレルレス巻取り式コイルボックスであることを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項6】
粗圧延には前縦ローラを有する4段可逆式圧延機を採用することを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項7】
粗圧延には前縦ローラを有する4段可逆式圧延機を採用することを特徴とする請求範囲5に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項8】
粗圧延機の前に、前縦ローラを有する可逆式2段圧延機或いは非可逆式2段圧延機が選択的に設けられることを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項9】
粗圧延機の前に、前縦ローラを有する可逆式2段圧延機或いは非可逆式2段圧延機が選択的に設けられることを特徴とする請求範囲5に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項10】
鋳造ビレットを運搬するローラコンベア付近或いは加熱炉のディスチャージローラコンベア付近には、鋳造ビレットをラインに離れるアンロードデバイスが設けられることを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項11】
鋳造ビレットを運搬するローラコンベア付近或いは加熱炉のディスチャージローラコンベア付近には、鋳造ビレットをラインに離れるアンロードデバイスが設けられることを特徴とする請求範囲5に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項12】
仕上げ圧延後の冷却は層流冷却を採用することを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項13】
仕上げ圧延後の冷却は層流冷却を採用することを特徴とする請求範囲5に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項14】
コイルボックスの後及び/または仕上げ圧延の後及び/または巻取りの前に超急速冷却区が設けられ、冷却速度は80℃/sを超えることを特徴とする請求範囲5に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項15】
連続鋳造工程に四つのカストストランドが設けられ、鋳造ビレット運搬ローラコンベアによって圧延ラインの両側まで運搬され、圧延ラインの同一側に位置する鋳造ビレット運搬ローラコンベアの間に、鋳造ビレットを移送する移載機が設けられることを特徴とする請求範囲1または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項16】
連続鋳造工程に四つのカストストランドが設けられ、鋳造ビレット運搬ローラコンベアによって圧延ラインの両側まで運搬され、圧延ラインの同一側に位置する鋳造ビレット運搬ローラコンペアの間に、鋳造ビレットを移送する移載機が設けられることを特徴とする請求範囲5、9、11、13、または14に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項17】
粗圧延において3パス、5パス或いは7パスで圧延することを特徴とする請求範囲1、2または3に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項18】
粗圧延において3パス、5パス或いは7パスで圧延することを特徴とする請求範囲5、9、11、13、または14に記載の効率的且省エネルギーな帯鋼連続鋳造及び連続圧延プロセス。
【請求項19】
圧延ライン(14)の前方と上方に沿って操作可能に順に配置される連続鋳造機(1)と、切断機(20)と、運搬ローラコンペア(21、21’)と加熱炉(3)と、デスケーリング装置(4)と、粗圧延機(7)と、フライングカッタ(10)と、二次デスケーリング装置(4)、仕上げ圧延機(11)と、層流冷却装置(12)と、巻取り機(13)とを備える帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置において、前述連続鋳造機(1)は少なくとも2ストランドの鋳造ビレット(16、18及び/または15、17)を提供し、前述加熱炉(3)は少なくとも2台設けられ、圧延ライン(14)の両側にそれぞれずれて布置され、前述少なくとも2ストランドの鋳造ビレット(20)の各半分はそれぞれ前述圧延ライン(14)両側の前述加熱炉(3)に入り、加熱されることを特徴とする帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項20】
前述連続鋳造機(1)は少なくとも2ストランドの鋳造ビレット(15、18)を提供し、前述加熱炉(3)は2台設けられ、前述圧延ライン(14)の両側にそれぞれずれて布置され、前述各1ストランドの鋳造ビレットはそれぞれ前述圧延ライン(14)両側の前述加熱炉(3)に入り、加熱されることを特徴とする請求範囲19に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項21】
前述連続鋳造機(1)は少なくとも4ストランドの鋳造ビレット(15、16、17、18)を提供し、前述加熱炉(3)は4台設けられ、前述圧延ライン(14)の両側にそれぞれずれて布置され、各2ストランドの間には移載機(2)が設けられ、前述各2ストランドの鋳造ビレットは前述移載機(2)により1ストランドの鋳造ビレットに合流され、各合流後の1ストランドの鋳造ビレットはそれぞれ前述圧延ライン(14)両側の前述加熱炉(3)に入り、加熱されることを特徴とする請求範囲19に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項22】
前述連続鋳造機(1)は4ストランドの鋳造ビレット(15、16、17、18)を提供し、前述加熱炉(3)は4台設けられ、前述圧延ライン(14)の両側に二台づつずれて布置され、各2ストランドの間には移載機(2)が設けられ、前述各2ストランドの鋳造ビレットは前述移載機(2)により1ストランドの鋳造ビレットに合流され、各合流後の1ストランドの鋳造ビレットはそれぞれ前述圧延ライン(14)両側の前述加熱炉(3)に入り、加熱されることを特徴とする請求範囲19に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項23】
前述粗圧延機(7)は前後に穴型つきの縦ローラ(5)を有する4段可逆式圧延機であることを特徴とする請求範囲19から22の何れかに記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項24】
前述粗圧延機(7)の前に、さらに、前側に縦ローラ(5)を有する2段圧延機(6)が配置されることを特徴とする請求範囲19の何れかに記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項25】
前述粗圧延機(7)の前に、それぞれデスケーリング装置(4)が設置されることを特徴とする請求範囲19または24に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項26】
前述フライングカッタ(10)の前または層流冷却装置(12)の前または巻取り機(13)の前に、超急速冷却区(9)が設置されることを特徴とする請求範囲19または25に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項27】
コイルボックス(8)が設けられ、このコイルボックス(8)は粗圧延機(7)の後に位置することを特徴とする請求範囲19に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項28】
前述コイルボックス(8)は2ステーションマンドレルレスコイルボックスであることを特徴とする請求範囲27に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項29】
前述仕上げ圧延機(11)は6〜7台の4段圧延機により構成されることを特徴とする請求範囲19に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項30】
前述仕上げ圧延機(11)の前に縦ローラ(5)が設置されることを特徴とする請求範囲19または26に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項31】
前述巻取り機(13)は2〜3台により構成されることを特徴とする請求範囲19に記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。
【請求項32】
鋳造ビレットを運搬するローラコンベア付近或いは加熱炉のディスチャージローラコンベア付近には、さらに、鋳造ビレットをラインから離れるアンロードデバイスが設けられることを特徴とする請求範囲19、20、21、22、24の何れかに記載の帯鋼連続鋳造及び連続圧延装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−213807(P2012−213807A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138788(P2012−138788)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【分割の表示】特願2010−513613(P2010−513613)の分割
【原出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(302022474)宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 (17)
【Fターム(参考)】