動き検出装置
【課題】撮像対象となる画像の輝度や当該照射光量等の変化に起因して誤った判定をしてしまう虞れのない動き検出装置を提供すること。
【解決手段】撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、色系信号混合手段から供給された映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段(3a,3b)と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段(5)と、この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る上記撮像対象の動きを表わす判定出力を得る判定手段(6)とを備える。
【解決手段】撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、色系信号混合手段から供給された映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段(3a,3b)と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段(5)と、この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る上記撮像対象の動きを表わす判定出力を得る判定手段(6)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された当該映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る動き検出装置に関する。この種の動き検出装置は、例えば、被写体が静止しているときのみ映像信号出力を記録手段により記録するようなシステムにおいて被写体が動いているか静止しているかを弁別するための手段として適用したり、或いはまた、視野内で被写体が動いている状態でのモニタ映像出力を得るための第1のカメラと静止している状態での被記録映像信号を得るための第2のカメラとの2系統のカメラが備えられた電子的撮像装置で両カメラ出力を選択的に導出するための手段として適用され得る。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の動き検出装置として、本出願人が先に提案した特許文献1に開示されているような方式のものがある。その概要を述べると、上記方式の動き検出装置は、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域、例えば隣接する当該両画素に係る各映像信号のレベル(AおよびB)について、それらのレベルの差分に対応した差分データ(Δx=B−A)を得、この差分データをn値化した出力(A<B;A=B;A>Bに応じて+,0,−の符号を対応付けた3値化出力)に基づいて上記差分データが経時変化したとき(Δx≠0、即ち、上記3値化データが+または−のとき)に上記映像信号に係る対象物が動いたものとする検出出力を得るように構成されている。
【0003】
上記特許文献1に記載されている動き検出装置では、要するに、被写体に対応した映像信号について隣接する当該両画素に係る映像信号レベルの傾斜(これら両画素に係る映像信号レベルの増減に対応したn種類のベクトル)に注目し、同一画像(被写体)に関して上記傾斜が経時的に変化しないときには、当該カメラの視野と被写体との関係は変化せず被写体は静止しており、上記傾斜が経時的に変化したときには、映像信号レベルの傾斜に係る隣接両画素は当初注目したものとは異なった被写体部位のものに関するものとなっている筈であるという仮定に立って、カメラの視野から見て被写体が動いたものと一律に判定するように構成されている。
【特許文献1】特開平2−55485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方式の動き検出装置では、隣接する当該両画素に係る映像信号レベルの傾斜が経時的に変化したときには、一律に被写体が動いたものと判定される為、動き検出の感度は極めて高いが、その反面、撮像対象となる画像の輝度(顕微鏡画像等については照射光量等)の変化等に起因して上述の映像信号レベルの傾斜が変化した場合等において、現実には被写体が静止しているにもかかわらず、動いたものとして誤った判定をしてしまう虞れがある。
【0005】
本願発明は叙上の点に鑑み、撮像対象となる画像の輝度や当該照射光量等の変化に起因して誤った判定をしてしまう虞れのないこの種の動き検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
【0007】
(1)本発明の動き検出装置は:撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る上記撮像対象の動きを表わす判定出力を得る判定手段とを備えて構成されたものとなっている。
(2)本発明の動き検出装置は:撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、この検出手段の出力に依拠して、動きの検出対象とされる所定領域に対する走査時間中において上記映像信号の傾斜が逆になるときを計数し、当該計数した値が所定値に達したときに判定出力を出力する判定手段とを備えて構成されたものとなっている。
(3)本発明の動き検出装置は:順次の画素信号が連続して出力される映像信号をリサンプリングしたリサンプリング信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、この検出手段の出力に依拠して、上記映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る判定手段とを備えて構成されたものとなっている。
【発明の効果】
【0008】
被写体画像の輝度変化や照明光の光量変化などに起因する誤検出の虞れが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述に説明することを通して、本発明を明らかにする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る動き検出装置を概念的に示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態としての動き検出装置100には、図示しないカメラ部等からの映像信号(アナログ映像信号またはディジタル画像データ)がその入力端1から供給されるようになされている。入力端1に供給された上記映像信号はこの入力端1より内部側で2系統に分岐される。分岐された第1の系統の信号は、自己に対する入力を1フレーム期間(または1フィールド期間であり得るも以下この点については説明を省略する)遅延して出力するフレーム遅延手段2を介して差分データ生成手段3aに供給され、分岐された第2の系統の信号は遅延要素を介さずに上記差分データ生成手段3aと全く同様の差分データ生成手段3bに供給されるようになされている。上記両差分データ生成手段3a,3bは、後述するように、1画素乃至3画素の転送時間相応の遅延時間を有する画素データ遅延手段と差分演算手段とを含んでなり、近接乃至隣接する関係にある単位領域たる両画素からの各映像信号のレベルについて、それらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得るためのものである。
【0010】
上記両差分データ生成手段3a,3bの出力は、各対応するエンコーダ4a,4bに夫々供給され、上記差分データの値に応じて3値化される。これらエンコーダ4a,4bによる3値化出力が、後で詳述する検出手段5に供給されるようになされている。この検出手段5では各エンコーダ4a,4bから入力される各3値化出力の関係が所定の関係となる度に、上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の検出出力である動き検出出力を発するようになされている。
【0011】
上記検出手段5の検出出力は判定手段6に供給されるようになされ、上記検出手段5の検出出力が計数されるようになっている。上記判定手段6では所定周期毎にこの計数値が所定値に達したか否かが判定され、上記1周期のうちに計数値が所定値に達した場合において、上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の判定出力が出力端7から出力される。
【0012】
図2は、図1の動き検出装置100内の上記両差分データ生成手段3a,3bの内部構成を示すブロック図である。既述のとおり、両差分データ生成手段3aおよび3bは全く同様の構成をとる。
【0013】
図2において、入力端11に供給された図1のフレーム遅延手段2の出力または図1の入力端1からの映像信号は、この入力端11より内部側で2系統に分岐され、第1の系統の信号は、自己に対する入力を1画素乃至3画素の転送時間相応の遅延時間遅延して出力する画素データ遅延手段12を介して差分演算手段13の一方の入力端に供給されるようになされ、第2の系統の信号は遅延要素を介さずに上記差分演算手段13の他方の入力端に供給されるようになされている。上記差分演算手段13は自己の上記一方の入力端および他方の入力端から供給される入力の差分を求め、当該両入力レベルの差分に対応した差分データD0を出力端14から出力する。
【0014】
上記差分演算手段13の上記両入力端から供給される信号は、画素データ遅延手段12における遅延量相応だけ離隔して近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域たる各画素に係る各映像信号のレベルに対応するものであり、これらの差分として差分演算手段13から出力される差分データD0は、上記所定の両単位領域たる各画素に係る各映像信号のレベル間の傾斜を表わすデータである。
【0015】
図3は、図2に示した差分データ生成手段3a(3b)内の画素データ遅延手段12の構成の一例を示すブロック図である。この例における画素データ遅延手段12は、入力端15に供給される信号を、同種の1画素遅延手段16a,16b,16cを3段に縦属接続してなる回路によって3画素分のデータの転送時間相応の時間(当該固体撮像素子の1画素の水平転送周期で3周期分)だけ遅延させ、出力端17から出力するように構成されている。
【0016】
図4は、図3に示した画素データ遅延手段12の入出力関係を示す模式図である。図示のように、画素データ遅延手段12に対する第1番目の画素信号入力時点から3画素周期分だけ後の第4番目の画素信号入力時点に同期する関係で画素データ遅延手段12の出力端17から上記第1番目の画素信号入力に対応した第1番目の画素信号出力が出力される。
【0017】
従って、図4のような特性を呈する図3の画素データ遅延手段12を適用してなる図2の差分データ生成手段3a(3b)によれば、3画素相当分だけ離隔した両画素に係る各映像信号レベルの差分が差分演算手段13の出力である差分データD0として得られることになる。
【0018】
このように複数画素相当分だけ離隔した両画素について、それらから差分データD0を得るように構成すれば、隣接画素からの差分データに依拠して各画素に係る各映像信号のレベル間の傾斜を表わすデータを得る場合に較べ、サンプリングポイントたる両画素が離隔している程度に応じて映像信号レベルの傾斜に関するより巨視的な傾向が把握され、近接画素間での映像信号レベルの本来の変化に対するノイズに起因した比較的周波数の高い微細な変動分の影響を低減することができるという利点がある。
【0019】
図5は、図1に示した動き検出装置100内の上記エンコーダ4a,4bの内部構成を示すブロック図である。既述のとおり、両エンコーダ4aおよび4bは全く同様の構成をとる。
【0020】
図5において、エンコーダ4a(4b)の入力端18に供給された図1の差分データ生成手段3a(3b)の出力D0は、このエンコーダ4a(4b)内のn値化演算部19により、D0の値に応じてn値(nは2以上の整数であり、本例ではn=3)データに変換され、このn値化演算部19からの二つの出力D1およびD2として各対応する出力端20及び21から出力されるように構成されている。上記n値化演算部19における入力D0と両出力D1およびD2との関係は以下に表1として示すとおりである。
【表1】
【0021】
上掲の表1から判読されるように、差分データ生成手段3a(3b)において演算され出力される3画素相当分だけ離隔した両画素に係る各映像信号レベルの差分値D0が正の値となるときには、出力(D1,D2)=(1,0)であって例えばこれが映像信号レベルの傾斜が正である状態を表す。反対に、差分値D0が負の値となるときには、出力(D1,D2)=(0,1)であって、例えばこれが映像信号レベルの傾斜が負である状態を表す。映像信号レベルの傾斜がなく差分値D0が0のときは出力(D1,D2)=(0,0)となる。
【0022】
図6は、図1に示した動き検出装置100内の検出手段5に関する動作説明図である。図6において横軸は時間軸である。各縦線はそれらの間隔が1画素分のデータの転送周期に対応するものとして表されている。図1について上述したように、本実施の形態である動き検出装置100の入力端1から入力された映像信号は、既述の第1の系統ではフレーム遅延手段2によって1フレーム期間遅延して差分データ生成手段3aに供給されるようになされ、第2の系統の信号は遅延要素を介さずに上記差分データ生成手段3aと全く同様の差分データ生成手段3bに供給されるようになされている。従って、差分データ生成手段3aへの入力画像は差分データ生成手段3bへの入力画像よりも1フレーム期間前のものとなる。
【0023】
図6で「n−1フレーム」および「nフレーム」の表記は、基準時点から第n−1フレーム目および第nフレーム目の各映像信号の経時変化であることを示すものであり、これらの映像信号が各対応する上記両差分データ生成手段3aおよび3bに夫々供給される。Δn−1は入力された上記第n−1フレームの映像信号について差分データ生成手段3aにより得られる差分データD0であり、図5および表1を用いて説明したような出力D0の値に対応した出力D1,D2による正,0,負を表わす信号がこの図では+,0,−なる表記で表されている。
【0024】
同様に、Δnは入力された上記第nフレームの映像信号について差分データ生成手段3bにより得られる差分データD0であり、このD0の値に対応した出力D1,D2による正,0,負を表わす信号がこの図では+,0,−なる表記で表されている。
【0025】
図6より理解されるとおり、上述のΔn−1とΔnとの符号が異なるときに検出手段5の検出出力「1」が出力され、その他のときには検出出力は出力されない(出力値は「0」となる)。即ち、上記検出手段5では、各エンコーダ4a,4bから入力される各3値化出力の関係が上記の関係となる度に上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の検出出力である動き検出出力「1」を発するようになされている。
【0026】
図7は検出手段5の内部構成をその入力段の各エンコーダ4a,4bとの接続関係と共に示すブロック図である。図示のように、検出手段5は入力段に並設された二つのアンド回路51および52の各出力がオア回路53に入力され、このオア回路53出力が出力端54から出力されるように構成されている。
【0027】
アンド回路51の一方の入力端には検出手段5の前段のエンコーダ4aの出力D1が供給され、同アンド回路51の他方の入力端にはエンコーダ4bの出力D2が供給されるように構成されている。同様に、アンド回路52の一方の入力端には検出手段5の前段のエンコーダ4bの出力D1が供給され、同アンド回路52の他方の入力端にはエンコーダ4aの出力D2が供給されるように構成されている。
【0028】
上記構成の検出手段5に対してその前段の各エンコーダ4a,4bからの出力が上述のように供給されることにより、図6について説明したような形態でその検出出力が発せられる。
【0029】
図8は、図1に示した動き検出装置100内の判定手段6の内部構成を示すブロック図である。この判定手段6にはその入力端61に供給される上記検出手段5の検出出力を計数するためのカウンタ62が設けられている。このカウンタ62での計数値は、当該画面内での動き検出の対象とされる所定領域に対する走査時間を1周期として各周期毎にリセットされる。カウンタ62の計数出力は判定回路63に供給される。この判定回路63では、カウンタ62の計数値が所定値に達したか否かが判定され、上記1周期のうちに計数値が所定値に達した場合に上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の判定出力が出力端64、従って、動き検出装置100の上記出力端7から出力される。
【0030】
上記したように本実施の形態の装置においては、従来の装置のように単に隣接領域乃至隣接画素間での映像信号レベルの傾斜が変化したら直ちに動きがあったものと判定することをせず、1フレーム期間の時間間隔をおいて所定の近接乃至隣接領域間での映像信号レベルの傾斜が変化して逆の傾斜となったときに動きの検出出力を得るように構成されているため、撮像対象となる画像の輝度や当該照射光量等の変化に起因して誤った判定をしてしまう虞れが低減する。
【0031】
図9は撮像カメラ200からの色信号を所定の比率で混合して生成し、図1の動き検出装置100の入力端1に供給するために該入力端1の前段に接続され得る信号合成手段を示すブロック図である。
【0032】
撮像カメラ200からの各色R,G,Bの出力は信号合成手段300の各対応する入力端を通して、R系信号に対する混合比率の係数k1を設定する係数設定器301、G系信号に対する混合比率の係数k2を設定する係数設定器302、B系信号に対する混合比率の係数k3を設定する係数設定器303に各供給される。これら各供給された信号は、各係数をそれぞれ乗じられた後、混合器304で混合され、出力端305から図1の動き検出装置100の入力端1に供給するための信号として出力される。
【0033】
この図9の信号合成手段300にて得られた信号に基づいて、図1に示す動き検出装置100で動き検出を行うようにすれば、動き検出に係る被検出信号としての輝度信号を別途に形成するための回路を特設することなく、簡単な構成で動き検出を行うことができる。この場合、信号合成手段300における上記G系信号に対する混合比率の係数k2を、R系信号およびB系信号に対する各係数k1,k3よりも相対的に高く設定すれば、輝度信号に基づいて検出する場合と同等の高い検出精度を確保することができる。
【0034】
また、顕微鏡の画像のように特定の色に染色した撮像対象を撮像する場合に対応してその色に関する上記混合比率の係数を高くして撮像感度を高め、動きの検出感度を向上させるように構成してもよい。
【0035】
図10は、図1に示した動き検出装置100の入力端1に供給する被検出映像信号として、順次の画素信号が連続して出現する原信号を1画素おきにサンプリングしてなるリサンプリング信号を適用する様子を示す概念図である。本実施の形態の動き検出装置では、被検出映像信号として通常の連続的な映像信号の他に図10のようなリサンプリング信号を適用することもできる。
【0036】
(第2の実施の形態)
図11は本発明の第2の実施の形態に係る動き検出装置を示すブロック図である。図11において既述の図1との対応部は同一の符号により示してある。図示のように、この実施の形態としての動き検出装置101には、図1の装置におけると同様の被検出映像信号がその入力端1から供給されるようになされている。入力端1に供給された上記映像信号は差分データ生成手段30を介してエンコーダ40に供給され、このエンコーダ40により表1について既述の3値化出力が生成される。このエンコーダ40の出力は2系統に分岐され、第1の系統の信号は、図1のものと同様のフレーム遅延手段2を介してこれも図1のものと同様の検出手段5の一方の入力端に供給されるようになされ、第2の系統の信号は遅延要素を介することなく該検出手段5の他方の入力端に供給されるようになされている。検出手段5の出力が判定手段6に供給され、動きを判定する出力を得る点も図1同様である。
【0037】
差分データ生成手段30の構成は、図2の差分データ生成手段3a,3bと同様であり、近接乃至隣接する関係にある単位領域たる両画素からの各映像信号のレベルについて、それらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得るためのものである。またエンコーダ40も図5のエンコーダ4a,4bと同様に差分データの値に応じて表1について既述の3値化出力を得るように構成されている。
【0038】
検出手段5にはその一方の入力端と他方の入力端に、1フレーム期間の時間間隔をもったエンコーダ40の3値化出力が供給される。検出手段5自体は図1,図6および図7に基づいて説明したものと同様の構成である。従って、エンコーダ40からの1フレーム遅延したものと遅延しないものとの両3値化出力の関係がそれによって表される映像信号レベルの傾斜(+,−)が逆の関係となる度に当該対象物に動きが生じた旨の検出出力である動き検出出力「1」を発するようになされている。
【0039】
上記検出手段5の検出出力が図1および図8に基づいて説明したものと同様の判定手段6に供給されるようになされ、上記検出手段5の検出出力が計数されるようになされている。上記判定手段6では所定周期毎にこの計数値が所定値に達したか否かが判定され、上記1周期のうちに計数値が所定値に達した場合に上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の判定出力が出力端7から出力される点も図1のものと同様である。図11に示した実施の形態によれば、図1の実施の形態におけるように差分データ生成手段3a(3b)とエンコーダ4a(4b)との縦属接続でなる回路を2系統持った構成に対し、差分データ生成手段30とエンコーダ40との縦属接続でなる回路は1系統のみで構成されるため構成が簡素化される。
【0040】
(第3の実施の形態)
図12は本発明の第3の実施の形態に係る動き検出装置を示すブロック図である。図12において動き検出装置102の部分は既述の図1の動き検出装置100とブロック図上での構成は略同様であるため、各ブロックには同一の符号を附して各部の説明は省略する。この図12の実施の形態ではこのような動き検出装置102の部分に、該部分の出力端7からの出力に対して検出手段5の出力に基づいて信頼性検出出力を得る信頼性検出手段70の出力で制御される選択手段71を設け、信頼性検出手段70の信頼性検出出力に応じて該選択手段71の出力端72から判定出力を導出するか否かを選択するように構成されている。
【0041】
図12に示す実施の形態における上記信頼性検出手段70は、例えば、検出手段5の出力「1」が連続してn個(nは2以上の整数)到来したときに信頼性検出出力を発してゲート回路態様の選択手段71の出力端72から動きの判定出力を導出せしめるように構成されている。
【0042】
このような構成によれば、比較的微小な振動的な変位についてはこれを当該対象物の本来の動きとしては検出せず、動き検出の信頼性を向上させることができる。
【0043】
(第4の実施の形態)
図13は図1,図11乃至図12に基づいて、上述したような動き検出装置を組み込んだシステムとしての第4の実施の形態を示すブロック図である。
【0044】
図示のシステムは、第1の信号入力系統である例えば高精細度のカメラ等の静止画映像信号発生手段43からの比較的精細度の高い映像信号と、第2の信号入力系統である例えば通常のカメラ等の動画映像信号発生手段44からの比較的精細度の低い映像信号とが、動き検出装置45からの判定出力に応動するようになされた出力選択手段46によって選択され、その出力端47から出力されるように構成されている。
【0045】
このシステムにおける上記第1の信号入力系統に適用される静止画映像信号発生手段43は、例えば顕微鏡画像記録用の高精細度のカメラ(カメラヘッド)であり、また第2の信号入力系統である動画映像信号発生手段44は、光学的手段等によって上記高精細度のカメラと同じ視野を撮像するように設けられた例えば顕微鏡画像監視用の通常のカメラヘッドであり得る。同システムでは、被写体が静止しているときのみ比較的精細度の高い映像信号出力を記録手段により記録するようになされており、動き検出装置45は、図1,図11乃至図12について既述のものと同様のものであって、動画映像信号発生手段44の出力を被検出映像信号として受け、この信号に基づいて被写体が動いているか静止しているかを弁別するための動きの判定出力を出力選択手段46に制御信号として供給するようになされている。
【0046】
図14は図1,図11乃至図12の装置における検出手段の他の構成例を示すブロック図である。この図14の検出手段50では、入力端55に供給された例えば図5のものと同様のエンコーダの符号化信号について、その正負の符号が反転したことを反転検出手段56により検出し、この反転後の状態の継続期間をその後段の状態検出手段57により検出して、当該反転後の状態がn画素区間(nは2以上の整数)以上継続した場合に検出手段50の出力端58から検出出力を発するように構成されている。
【0047】
図15は、図14に示した検出手段50内の上記状態検出手段57の構成例を示すブロック図である。図示のように入力端57−1から供給される反転検出手段56からの出力を第1の入力とし、同反転検出手段56からの出力に応動する第1のフリップフロップ回路57−2の出力を第2の入力とし、該第1のフリップフロップ回路57−2の出力に応動する第2のフリップフロップ回路57−3の出力を第3の入力とするアンドゲート57−4を設けることにより、入力端57−1から供給される信号の反転状態が3個(3クロック分)継続した場合にゲートを開いて入力端57−1から供給される反転検出手段56の出力を出力端57−5から検出出力として出力せしめるようになされている。
【0048】
このような構成によれば、対象物の本来の動きではない微細な振動などを動きとして誤検出してしまう虞れが低減される。図16は、図12に示したような動き検出装置を適用してなる図13のようなシステムの動作の一例を示すタイミング図である。
【0049】
図1または図11の動き検出装置の出力端7からの出力もしくは図12の選択手段71の出力端72からの動き検出信号が、動きがあることを示す「1」のレベルに遷移したときには、静止画映像信号発生手段43から映像信号(静止画出力)が出力されている状態から、動画映像信号発生手段44から映像信号(動画出力)が出力される状態へと直ちに切り換わる。
【0050】
上記とは反対に、該動き検出信号が動きがあることを示す「1」のレベルから静止した状態であることを示す「0」のレベルに遷移したときには、動画映像信号発生手段44から映像信号(動画出力)が出力されている状態から静止画映像信号発生手段43から映像信号(静止画出力)が出力される状態へは直ちには切り変わらず、所定の待ち時間tを経過した後において上記切り換えがなされる。即ち、動画映像信号から静止画映像信号への切り換えについては所定の不感帯特性を呈する応答を示し、その反対に静止画映像信号から動画映像信号への切り換えは直ちに行われる。
【0051】
このような構成とすることにより、動きの検出が多少不安定な状況となっても一旦静止画映像信号に切り換わった状態となった後、すぐに動画映像信号への切り換えが行われ、再度静止画映像信号に切り換わるといったように、頻繁に画像の切り換えがなされてシステムの操作が困難になるといった事態の発生が抑制され、動作が安定する。
【0052】
このときの上記待ち時間tは、低速の動きに対応する場合には比較的長く、速い動きに対応する場合には比較的短くなるように選択的に設定し得るようになされている。例えばこの場合、対象物の動きが比較的低速であるかそれとも高速であるかは、検出手段5の出力が「1」となっているときの継続時間の長短に応じて、この時間が長いときには比較的高速であり、反対に短いときには比較的低速であることが推測できる。このため、上記のような継続時間の長短に応動するようにして自動的に時間tが選択されるように構成してもよい。
【0053】
(まとめ)
上記各実施の形態により説明した本発明を請求項並びに技術思想の要旨をまとめた各項の順にその構成並びに技術課題および効果等について次に要約する。
(1)近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルについてそれらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づく検出出力を得る検出手段と、この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る判定手段と、を備えてなる動き検出装置であって、上記検出手段は、上記両時点での双方の差分データにより表された映像信号レベルの各傾斜が該双方の差分データについて逆の傾斜となっているときに検出出力を発するように構成されてなるものであることを特徴とする動き検出装置。
【0054】
上記(1)の発明以前、この種の動き検出装置では上記映像信号レベルの傾斜が変化すると直ちに動き検出出力を出力していたため、検出の感度が高い反面、輝度変化等に起因して誤検出の虞れがあった。
【0055】
これに対し、上記(1)の発明によれば、被写体画像の輝度変化や照明光の光量変化などに起因する誤検出の虞れが低減される。
【0056】
(2)上記差分データ生成手段は、1以上の画素間隔をおいた両画素に係る各映像信号のレベルについて、それらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得るように構成されてなるものであることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0057】
上記(2)の発明以前、この種の動き検出装置では隣接画素の映像信号レベルの傾斜に注目して動き検出を行っていたため、対象物の本来の動きではないノイズの影響により誤検出が起こる虞れがあった。
【0058】
これに対し、上記(2)の発明によれば、離隔した画素間での映像信号レベルの傾斜に注目して検出するため、巨視的な視点でこの傾斜の傾向を見ることとなり、対象物の本来の動きではない微細なノイズの影響により誤検出が起こる虞れが低減される。
【0059】
(3)上記差分データ生成手段により上記傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを生成するために、該差分データ生成手段に供給する映像信号として当該各原色系信号乃至補色系信号を所定の比率で混合してなる信号を生成し、出力するようになされた色系信号混合手段を更に備えてなることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0060】
上記(3)の発明以前、輝度信号を被検出信号として用いて動きを検出していたため、カメラからのRGBの出力に基づいてこの輝度信号を生成する必要があり、構成が複雑化した。
【0061】
これに対し、上記(3)の発明によれば、簡単な回路構成により被検出信号を得ることができる。
【0062】
(4)上記色系信号混合手段はG系の信号に関する混合比率を比較的高く設定してなるものであることを特徴とする上記(3)に記載の動き検出装置。
【0063】
カメラからのRGBの出力を単純に混合して被検出信号を合成したのでは、場合によっては検出感度が低下する虞れがある。これに対し、上記(4)の発明によれば、感度のよい検出が可能となる。
【0064】
(5)上記色系信号混合手段は撮像対象の色の状況に応じて特定色の信号に関する混合比率を比較的高く設定してなるものであることを特徴とする上記(3)に記載の動き検出装置。
【0065】
上記(5)のように構成しない場合、顕微鏡の画像のように特定の色に染色した撮像対象を撮像する場合には、その色に対する感度が低いと、動きの検出感度も確保できない。
【0066】
これに対し、上記(5)の発明によれば、顕微鏡の画像のように特定の色に染色した撮像対象に対してその色に対する撮像感度が高くなるため、動きの検出感度も十分なものとなる。
【0067】
(6)上記差分データ生成手段は当該入力映像信号に対して1系統設けられ、上記検出手段で一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づく検出出力を得るための該一定の時間間隔をおいた二つの入力を、上記1系統の差分データ生成手段の遅延のない出力と、該出力を上記時間間隔遅延させる手段を用いて遅延せしめた出力と、により得るように構成されてなることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0068】
上記(6)のように構成しない場合、上記二つの入力を得るために差分データ生成手段が2系統必要となり、構成が複雑であった、これに対し、上記(6)の発明によれば、差分データ生成手段が1系統で済むため構成が簡素化される。
【0069】
(7)上記判定手段の判定出力に基づいて、所定期間連続して判定出力を得たときのみ動きが生じた旨の検出出力を発するようになされた信頼性検出手段を更に備えてなることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0070】
上記(7)のように構成しない場合、上記判定手段の判定出力のみから直接動きの有無を判定すると、振動的動きを本来の動きであるとして誤判定する虞れがある。これに対し、上記(7)の発明によれば、振動的動きを本来の動きであると誤判定する虞れが低減する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る動き検出装置を概念的に示すブロック図である。
【図2】図1の動き検出装置100内の上記両差分データ生成手段3a,3bの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の差分データ生成手段3a(3b)内の画素データ遅延手段12の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図3の画素データ遅延手段12の入出力関係を示す模式図である。
【図5】図1の動き検出装置100内の上記エンコーダ4a,4bの内部構成を示すブロック図である。
【図6】図1の動き検出装置100内の検出手段5に関する動作説明図である。
【図7】検出手段5の内部構成をその入力段の各エンコーダ4a,4bとの接続関係と共に示すブロック図である。
【図8】図1の動き検出装置100内の上記判定手段6の内部構成を示すブロック図である。
【図9】撮像カメラ200からの色信号を所定の比率で混合して生成し、図1の動き検出装置100の入力端1に供給するために該入力端1の前段に接続され得る信号合成手段を示すブロック図である。
【図10】図1の動き検出装置100の入力端1に供給する被検出映像信号として順次の画素信号が連続して出現する原信号を1画素おきにサンプリングしてなるリサンプリング信号を適用する様子を示す概念図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態としての動き検出装置を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態としての動き検出装置を示すブロック図である。
【図13】図1,図11乃至図12の動き検出装置を組み込んだシステムとしての第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図14】図1,図11乃至図12の装置における検出手段の他の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の検出手段50における状態検出手段57の構成例を示すブロック図である。
【図16】図12に示すような動き検出装置を適用してなる図13のようなシステムの動作の一例を示すタイミング図である。
【符号の説明】
【0072】
1…入力端
2…フレーム遅延手段
3a,3b…差分データ生成手段
4a,4b…エンコーダ
5…検出手段
6…判定手段
7…出力端
12…画素データ遅延手段
13…差分演算手段
62…カウンタ
63…判定回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された当該映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る動き検出装置に関する。この種の動き検出装置は、例えば、被写体が静止しているときのみ映像信号出力を記録手段により記録するようなシステムにおいて被写体が動いているか静止しているかを弁別するための手段として適用したり、或いはまた、視野内で被写体が動いている状態でのモニタ映像出力を得るための第1のカメラと静止している状態での被記録映像信号を得るための第2のカメラとの2系統のカメラが備えられた電子的撮像装置で両カメラ出力を選択的に導出するための手段として適用され得る。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の動き検出装置として、本出願人が先に提案した特許文献1に開示されているような方式のものがある。その概要を述べると、上記方式の動き検出装置は、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域、例えば隣接する当該両画素に係る各映像信号のレベル(AおよびB)について、それらのレベルの差分に対応した差分データ(Δx=B−A)を得、この差分データをn値化した出力(A<B;A=B;A>Bに応じて+,0,−の符号を対応付けた3値化出力)に基づいて上記差分データが経時変化したとき(Δx≠0、即ち、上記3値化データが+または−のとき)に上記映像信号に係る対象物が動いたものとする検出出力を得るように構成されている。
【0003】
上記特許文献1に記載されている動き検出装置では、要するに、被写体に対応した映像信号について隣接する当該両画素に係る映像信号レベルの傾斜(これら両画素に係る映像信号レベルの増減に対応したn種類のベクトル)に注目し、同一画像(被写体)に関して上記傾斜が経時的に変化しないときには、当該カメラの視野と被写体との関係は変化せず被写体は静止しており、上記傾斜が経時的に変化したときには、映像信号レベルの傾斜に係る隣接両画素は当初注目したものとは異なった被写体部位のものに関するものとなっている筈であるという仮定に立って、カメラの視野から見て被写体が動いたものと一律に判定するように構成されている。
【特許文献1】特開平2−55485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方式の動き検出装置では、隣接する当該両画素に係る映像信号レベルの傾斜が経時的に変化したときには、一律に被写体が動いたものと判定される為、動き検出の感度は極めて高いが、その反面、撮像対象となる画像の輝度(顕微鏡画像等については照射光量等)の変化等に起因して上述の映像信号レベルの傾斜が変化した場合等において、現実には被写体が静止しているにもかかわらず、動いたものとして誤った判定をしてしまう虞れがある。
【0005】
本願発明は叙上の点に鑑み、撮像対象となる画像の輝度や当該照射光量等の変化に起因して誤った判定をしてしまう虞れのないこの種の動き検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
【0007】
(1)本発明の動き検出装置は:撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る上記撮像対象の動きを表わす判定出力を得る判定手段とを備えて構成されたものとなっている。
(2)本発明の動き検出装置は:撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、この検出手段の出力に依拠して、動きの検出対象とされる所定領域に対する走査時間中において上記映像信号の傾斜が逆になるときを計数し、当該計数した値が所定値に達したときに判定出力を出力する判定手段とを備えて構成されたものとなっている。
(3)本発明の動き検出装置は:順次の画素信号が連続して出力される映像信号をリサンプリングしたリサンプリング信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、この検出手段の出力に依拠して、上記映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る判定手段とを備えて構成されたものとなっている。
【発明の効果】
【0008】
被写体画像の輝度変化や照明光の光量変化などに起因する誤検出の虞れが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述に説明することを通して、本発明を明らかにする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る動き検出装置を概念的に示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態としての動き検出装置100には、図示しないカメラ部等からの映像信号(アナログ映像信号またはディジタル画像データ)がその入力端1から供給されるようになされている。入力端1に供給された上記映像信号はこの入力端1より内部側で2系統に分岐される。分岐された第1の系統の信号は、自己に対する入力を1フレーム期間(または1フィールド期間であり得るも以下この点については説明を省略する)遅延して出力するフレーム遅延手段2を介して差分データ生成手段3aに供給され、分岐された第2の系統の信号は遅延要素を介さずに上記差分データ生成手段3aと全く同様の差分データ生成手段3bに供給されるようになされている。上記両差分データ生成手段3a,3bは、後述するように、1画素乃至3画素の転送時間相応の遅延時間を有する画素データ遅延手段と差分演算手段とを含んでなり、近接乃至隣接する関係にある単位領域たる両画素からの各映像信号のレベルについて、それらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得るためのものである。
【0010】
上記両差分データ生成手段3a,3bの出力は、各対応するエンコーダ4a,4bに夫々供給され、上記差分データの値に応じて3値化される。これらエンコーダ4a,4bによる3値化出力が、後で詳述する検出手段5に供給されるようになされている。この検出手段5では各エンコーダ4a,4bから入力される各3値化出力の関係が所定の関係となる度に、上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の検出出力である動き検出出力を発するようになされている。
【0011】
上記検出手段5の検出出力は判定手段6に供給されるようになされ、上記検出手段5の検出出力が計数されるようになっている。上記判定手段6では所定周期毎にこの計数値が所定値に達したか否かが判定され、上記1周期のうちに計数値が所定値に達した場合において、上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の判定出力が出力端7から出力される。
【0012】
図2は、図1の動き検出装置100内の上記両差分データ生成手段3a,3bの内部構成を示すブロック図である。既述のとおり、両差分データ生成手段3aおよび3bは全く同様の構成をとる。
【0013】
図2において、入力端11に供給された図1のフレーム遅延手段2の出力または図1の入力端1からの映像信号は、この入力端11より内部側で2系統に分岐され、第1の系統の信号は、自己に対する入力を1画素乃至3画素の転送時間相応の遅延時間遅延して出力する画素データ遅延手段12を介して差分演算手段13の一方の入力端に供給されるようになされ、第2の系統の信号は遅延要素を介さずに上記差分演算手段13の他方の入力端に供給されるようになされている。上記差分演算手段13は自己の上記一方の入力端および他方の入力端から供給される入力の差分を求め、当該両入力レベルの差分に対応した差分データD0を出力端14から出力する。
【0014】
上記差分演算手段13の上記両入力端から供給される信号は、画素データ遅延手段12における遅延量相応だけ離隔して近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域たる各画素に係る各映像信号のレベルに対応するものであり、これらの差分として差分演算手段13から出力される差分データD0は、上記所定の両単位領域たる各画素に係る各映像信号のレベル間の傾斜を表わすデータである。
【0015】
図3は、図2に示した差分データ生成手段3a(3b)内の画素データ遅延手段12の構成の一例を示すブロック図である。この例における画素データ遅延手段12は、入力端15に供給される信号を、同種の1画素遅延手段16a,16b,16cを3段に縦属接続してなる回路によって3画素分のデータの転送時間相応の時間(当該固体撮像素子の1画素の水平転送周期で3周期分)だけ遅延させ、出力端17から出力するように構成されている。
【0016】
図4は、図3に示した画素データ遅延手段12の入出力関係を示す模式図である。図示のように、画素データ遅延手段12に対する第1番目の画素信号入力時点から3画素周期分だけ後の第4番目の画素信号入力時点に同期する関係で画素データ遅延手段12の出力端17から上記第1番目の画素信号入力に対応した第1番目の画素信号出力が出力される。
【0017】
従って、図4のような特性を呈する図3の画素データ遅延手段12を適用してなる図2の差分データ生成手段3a(3b)によれば、3画素相当分だけ離隔した両画素に係る各映像信号レベルの差分が差分演算手段13の出力である差分データD0として得られることになる。
【0018】
このように複数画素相当分だけ離隔した両画素について、それらから差分データD0を得るように構成すれば、隣接画素からの差分データに依拠して各画素に係る各映像信号のレベル間の傾斜を表わすデータを得る場合に較べ、サンプリングポイントたる両画素が離隔している程度に応じて映像信号レベルの傾斜に関するより巨視的な傾向が把握され、近接画素間での映像信号レベルの本来の変化に対するノイズに起因した比較的周波数の高い微細な変動分の影響を低減することができるという利点がある。
【0019】
図5は、図1に示した動き検出装置100内の上記エンコーダ4a,4bの内部構成を示すブロック図である。既述のとおり、両エンコーダ4aおよび4bは全く同様の構成をとる。
【0020】
図5において、エンコーダ4a(4b)の入力端18に供給された図1の差分データ生成手段3a(3b)の出力D0は、このエンコーダ4a(4b)内のn値化演算部19により、D0の値に応じてn値(nは2以上の整数であり、本例ではn=3)データに変換され、このn値化演算部19からの二つの出力D1およびD2として各対応する出力端20及び21から出力されるように構成されている。上記n値化演算部19における入力D0と両出力D1およびD2との関係は以下に表1として示すとおりである。
【表1】
【0021】
上掲の表1から判読されるように、差分データ生成手段3a(3b)において演算され出力される3画素相当分だけ離隔した両画素に係る各映像信号レベルの差分値D0が正の値となるときには、出力(D1,D2)=(1,0)であって例えばこれが映像信号レベルの傾斜が正である状態を表す。反対に、差分値D0が負の値となるときには、出力(D1,D2)=(0,1)であって、例えばこれが映像信号レベルの傾斜が負である状態を表す。映像信号レベルの傾斜がなく差分値D0が0のときは出力(D1,D2)=(0,0)となる。
【0022】
図6は、図1に示した動き検出装置100内の検出手段5に関する動作説明図である。図6において横軸は時間軸である。各縦線はそれらの間隔が1画素分のデータの転送周期に対応するものとして表されている。図1について上述したように、本実施の形態である動き検出装置100の入力端1から入力された映像信号は、既述の第1の系統ではフレーム遅延手段2によって1フレーム期間遅延して差分データ生成手段3aに供給されるようになされ、第2の系統の信号は遅延要素を介さずに上記差分データ生成手段3aと全く同様の差分データ生成手段3bに供給されるようになされている。従って、差分データ生成手段3aへの入力画像は差分データ生成手段3bへの入力画像よりも1フレーム期間前のものとなる。
【0023】
図6で「n−1フレーム」および「nフレーム」の表記は、基準時点から第n−1フレーム目および第nフレーム目の各映像信号の経時変化であることを示すものであり、これらの映像信号が各対応する上記両差分データ生成手段3aおよび3bに夫々供給される。Δn−1は入力された上記第n−1フレームの映像信号について差分データ生成手段3aにより得られる差分データD0であり、図5および表1を用いて説明したような出力D0の値に対応した出力D1,D2による正,0,負を表わす信号がこの図では+,0,−なる表記で表されている。
【0024】
同様に、Δnは入力された上記第nフレームの映像信号について差分データ生成手段3bにより得られる差分データD0であり、このD0の値に対応した出力D1,D2による正,0,負を表わす信号がこの図では+,0,−なる表記で表されている。
【0025】
図6より理解されるとおり、上述のΔn−1とΔnとの符号が異なるときに検出手段5の検出出力「1」が出力され、その他のときには検出出力は出力されない(出力値は「0」となる)。即ち、上記検出手段5では、各エンコーダ4a,4bから入力される各3値化出力の関係が上記の関係となる度に上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の検出出力である動き検出出力「1」を発するようになされている。
【0026】
図7は検出手段5の内部構成をその入力段の各エンコーダ4a,4bとの接続関係と共に示すブロック図である。図示のように、検出手段5は入力段に並設された二つのアンド回路51および52の各出力がオア回路53に入力され、このオア回路53出力が出力端54から出力されるように構成されている。
【0027】
アンド回路51の一方の入力端には検出手段5の前段のエンコーダ4aの出力D1が供給され、同アンド回路51の他方の入力端にはエンコーダ4bの出力D2が供給されるように構成されている。同様に、アンド回路52の一方の入力端には検出手段5の前段のエンコーダ4bの出力D1が供給され、同アンド回路52の他方の入力端にはエンコーダ4aの出力D2が供給されるように構成されている。
【0028】
上記構成の検出手段5に対してその前段の各エンコーダ4a,4bからの出力が上述のように供給されることにより、図6について説明したような形態でその検出出力が発せられる。
【0029】
図8は、図1に示した動き検出装置100内の判定手段6の内部構成を示すブロック図である。この判定手段6にはその入力端61に供給される上記検出手段5の検出出力を計数するためのカウンタ62が設けられている。このカウンタ62での計数値は、当該画面内での動き検出の対象とされる所定領域に対する走査時間を1周期として各周期毎にリセットされる。カウンタ62の計数出力は判定回路63に供給される。この判定回路63では、カウンタ62の計数値が所定値に達したか否かが判定され、上記1周期のうちに計数値が所定値に達した場合に上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の判定出力が出力端64、従って、動き検出装置100の上記出力端7から出力される。
【0030】
上記したように本実施の形態の装置においては、従来の装置のように単に隣接領域乃至隣接画素間での映像信号レベルの傾斜が変化したら直ちに動きがあったものと判定することをせず、1フレーム期間の時間間隔をおいて所定の近接乃至隣接領域間での映像信号レベルの傾斜が変化して逆の傾斜となったときに動きの検出出力を得るように構成されているため、撮像対象となる画像の輝度や当該照射光量等の変化に起因して誤った判定をしてしまう虞れが低減する。
【0031】
図9は撮像カメラ200からの色信号を所定の比率で混合して生成し、図1の動き検出装置100の入力端1に供給するために該入力端1の前段に接続され得る信号合成手段を示すブロック図である。
【0032】
撮像カメラ200からの各色R,G,Bの出力は信号合成手段300の各対応する入力端を通して、R系信号に対する混合比率の係数k1を設定する係数設定器301、G系信号に対する混合比率の係数k2を設定する係数設定器302、B系信号に対する混合比率の係数k3を設定する係数設定器303に各供給される。これら各供給された信号は、各係数をそれぞれ乗じられた後、混合器304で混合され、出力端305から図1の動き検出装置100の入力端1に供給するための信号として出力される。
【0033】
この図9の信号合成手段300にて得られた信号に基づいて、図1に示す動き検出装置100で動き検出を行うようにすれば、動き検出に係る被検出信号としての輝度信号を別途に形成するための回路を特設することなく、簡単な構成で動き検出を行うことができる。この場合、信号合成手段300における上記G系信号に対する混合比率の係数k2を、R系信号およびB系信号に対する各係数k1,k3よりも相対的に高く設定すれば、輝度信号に基づいて検出する場合と同等の高い検出精度を確保することができる。
【0034】
また、顕微鏡の画像のように特定の色に染色した撮像対象を撮像する場合に対応してその色に関する上記混合比率の係数を高くして撮像感度を高め、動きの検出感度を向上させるように構成してもよい。
【0035】
図10は、図1に示した動き検出装置100の入力端1に供給する被検出映像信号として、順次の画素信号が連続して出現する原信号を1画素おきにサンプリングしてなるリサンプリング信号を適用する様子を示す概念図である。本実施の形態の動き検出装置では、被検出映像信号として通常の連続的な映像信号の他に図10のようなリサンプリング信号を適用することもできる。
【0036】
(第2の実施の形態)
図11は本発明の第2の実施の形態に係る動き検出装置を示すブロック図である。図11において既述の図1との対応部は同一の符号により示してある。図示のように、この実施の形態としての動き検出装置101には、図1の装置におけると同様の被検出映像信号がその入力端1から供給されるようになされている。入力端1に供給された上記映像信号は差分データ生成手段30を介してエンコーダ40に供給され、このエンコーダ40により表1について既述の3値化出力が生成される。このエンコーダ40の出力は2系統に分岐され、第1の系統の信号は、図1のものと同様のフレーム遅延手段2を介してこれも図1のものと同様の検出手段5の一方の入力端に供給されるようになされ、第2の系統の信号は遅延要素を介することなく該検出手段5の他方の入力端に供給されるようになされている。検出手段5の出力が判定手段6に供給され、動きを判定する出力を得る点も図1同様である。
【0037】
差分データ生成手段30の構成は、図2の差分データ生成手段3a,3bと同様であり、近接乃至隣接する関係にある単位領域たる両画素からの各映像信号のレベルについて、それらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得るためのものである。またエンコーダ40も図5のエンコーダ4a,4bと同様に差分データの値に応じて表1について既述の3値化出力を得るように構成されている。
【0038】
検出手段5にはその一方の入力端と他方の入力端に、1フレーム期間の時間間隔をもったエンコーダ40の3値化出力が供給される。検出手段5自体は図1,図6および図7に基づいて説明したものと同様の構成である。従って、エンコーダ40からの1フレーム遅延したものと遅延しないものとの両3値化出力の関係がそれによって表される映像信号レベルの傾斜(+,−)が逆の関係となる度に当該対象物に動きが生じた旨の検出出力である動き検出出力「1」を発するようになされている。
【0039】
上記検出手段5の検出出力が図1および図8に基づいて説明したものと同様の判定手段6に供給されるようになされ、上記検出手段5の検出出力が計数されるようになされている。上記判定手段6では所定周期毎にこの計数値が所定値に達したか否かが判定され、上記1周期のうちに計数値が所定値に達した場合に上記映像信号に係る対象物に動きが生じた旨の判定出力が出力端7から出力される点も図1のものと同様である。図11に示した実施の形態によれば、図1の実施の形態におけるように差分データ生成手段3a(3b)とエンコーダ4a(4b)との縦属接続でなる回路を2系統持った構成に対し、差分データ生成手段30とエンコーダ40との縦属接続でなる回路は1系統のみで構成されるため構成が簡素化される。
【0040】
(第3の実施の形態)
図12は本発明の第3の実施の形態に係る動き検出装置を示すブロック図である。図12において動き検出装置102の部分は既述の図1の動き検出装置100とブロック図上での構成は略同様であるため、各ブロックには同一の符号を附して各部の説明は省略する。この図12の実施の形態ではこのような動き検出装置102の部分に、該部分の出力端7からの出力に対して検出手段5の出力に基づいて信頼性検出出力を得る信頼性検出手段70の出力で制御される選択手段71を設け、信頼性検出手段70の信頼性検出出力に応じて該選択手段71の出力端72から判定出力を導出するか否かを選択するように構成されている。
【0041】
図12に示す実施の形態における上記信頼性検出手段70は、例えば、検出手段5の出力「1」が連続してn個(nは2以上の整数)到来したときに信頼性検出出力を発してゲート回路態様の選択手段71の出力端72から動きの判定出力を導出せしめるように構成されている。
【0042】
このような構成によれば、比較的微小な振動的な変位についてはこれを当該対象物の本来の動きとしては検出せず、動き検出の信頼性を向上させることができる。
【0043】
(第4の実施の形態)
図13は図1,図11乃至図12に基づいて、上述したような動き検出装置を組み込んだシステムとしての第4の実施の形態を示すブロック図である。
【0044】
図示のシステムは、第1の信号入力系統である例えば高精細度のカメラ等の静止画映像信号発生手段43からの比較的精細度の高い映像信号と、第2の信号入力系統である例えば通常のカメラ等の動画映像信号発生手段44からの比較的精細度の低い映像信号とが、動き検出装置45からの判定出力に応動するようになされた出力選択手段46によって選択され、その出力端47から出力されるように構成されている。
【0045】
このシステムにおける上記第1の信号入力系統に適用される静止画映像信号発生手段43は、例えば顕微鏡画像記録用の高精細度のカメラ(カメラヘッド)であり、また第2の信号入力系統である動画映像信号発生手段44は、光学的手段等によって上記高精細度のカメラと同じ視野を撮像するように設けられた例えば顕微鏡画像監視用の通常のカメラヘッドであり得る。同システムでは、被写体が静止しているときのみ比較的精細度の高い映像信号出力を記録手段により記録するようになされており、動き検出装置45は、図1,図11乃至図12について既述のものと同様のものであって、動画映像信号発生手段44の出力を被検出映像信号として受け、この信号に基づいて被写体が動いているか静止しているかを弁別するための動きの判定出力を出力選択手段46に制御信号として供給するようになされている。
【0046】
図14は図1,図11乃至図12の装置における検出手段の他の構成例を示すブロック図である。この図14の検出手段50では、入力端55に供給された例えば図5のものと同様のエンコーダの符号化信号について、その正負の符号が反転したことを反転検出手段56により検出し、この反転後の状態の継続期間をその後段の状態検出手段57により検出して、当該反転後の状態がn画素区間(nは2以上の整数)以上継続した場合に検出手段50の出力端58から検出出力を発するように構成されている。
【0047】
図15は、図14に示した検出手段50内の上記状態検出手段57の構成例を示すブロック図である。図示のように入力端57−1から供給される反転検出手段56からの出力を第1の入力とし、同反転検出手段56からの出力に応動する第1のフリップフロップ回路57−2の出力を第2の入力とし、該第1のフリップフロップ回路57−2の出力に応動する第2のフリップフロップ回路57−3の出力を第3の入力とするアンドゲート57−4を設けることにより、入力端57−1から供給される信号の反転状態が3個(3クロック分)継続した場合にゲートを開いて入力端57−1から供給される反転検出手段56の出力を出力端57−5から検出出力として出力せしめるようになされている。
【0048】
このような構成によれば、対象物の本来の動きではない微細な振動などを動きとして誤検出してしまう虞れが低減される。図16は、図12に示したような動き検出装置を適用してなる図13のようなシステムの動作の一例を示すタイミング図である。
【0049】
図1または図11の動き検出装置の出力端7からの出力もしくは図12の選択手段71の出力端72からの動き検出信号が、動きがあることを示す「1」のレベルに遷移したときには、静止画映像信号発生手段43から映像信号(静止画出力)が出力されている状態から、動画映像信号発生手段44から映像信号(動画出力)が出力される状態へと直ちに切り換わる。
【0050】
上記とは反対に、該動き検出信号が動きがあることを示す「1」のレベルから静止した状態であることを示す「0」のレベルに遷移したときには、動画映像信号発生手段44から映像信号(動画出力)が出力されている状態から静止画映像信号発生手段43から映像信号(静止画出力)が出力される状態へは直ちには切り変わらず、所定の待ち時間tを経過した後において上記切り換えがなされる。即ち、動画映像信号から静止画映像信号への切り換えについては所定の不感帯特性を呈する応答を示し、その反対に静止画映像信号から動画映像信号への切り換えは直ちに行われる。
【0051】
このような構成とすることにより、動きの検出が多少不安定な状況となっても一旦静止画映像信号に切り換わった状態となった後、すぐに動画映像信号への切り換えが行われ、再度静止画映像信号に切り換わるといったように、頻繁に画像の切り換えがなされてシステムの操作が困難になるといった事態の発生が抑制され、動作が安定する。
【0052】
このときの上記待ち時間tは、低速の動きに対応する場合には比較的長く、速い動きに対応する場合には比較的短くなるように選択的に設定し得るようになされている。例えばこの場合、対象物の動きが比較的低速であるかそれとも高速であるかは、検出手段5の出力が「1」となっているときの継続時間の長短に応じて、この時間が長いときには比較的高速であり、反対に短いときには比較的低速であることが推測できる。このため、上記のような継続時間の長短に応動するようにして自動的に時間tが選択されるように構成してもよい。
【0053】
(まとめ)
上記各実施の形態により説明した本発明を請求項並びに技術思想の要旨をまとめた各項の順にその構成並びに技術課題および効果等について次に要約する。
(1)近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルについてそれらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づく検出出力を得る検出手段と、この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る判定手段と、を備えてなる動き検出装置であって、上記検出手段は、上記両時点での双方の差分データにより表された映像信号レベルの各傾斜が該双方の差分データについて逆の傾斜となっているときに検出出力を発するように構成されてなるものであることを特徴とする動き検出装置。
【0054】
上記(1)の発明以前、この種の動き検出装置では上記映像信号レベルの傾斜が変化すると直ちに動き検出出力を出力していたため、検出の感度が高い反面、輝度変化等に起因して誤検出の虞れがあった。
【0055】
これに対し、上記(1)の発明によれば、被写体画像の輝度変化や照明光の光量変化などに起因する誤検出の虞れが低減される。
【0056】
(2)上記差分データ生成手段は、1以上の画素間隔をおいた両画素に係る各映像信号のレベルについて、それらの間の傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを得るように構成されてなるものであることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0057】
上記(2)の発明以前、この種の動き検出装置では隣接画素の映像信号レベルの傾斜に注目して動き検出を行っていたため、対象物の本来の動きではないノイズの影響により誤検出が起こる虞れがあった。
【0058】
これに対し、上記(2)の発明によれば、離隔した画素間での映像信号レベルの傾斜に注目して検出するため、巨視的な視点でこの傾斜の傾向を見ることとなり、対象物の本来の動きではない微細なノイズの影響により誤検出が起こる虞れが低減される。
【0059】
(3)上記差分データ生成手段により上記傾斜を表わす当該両レベルの差分に対応した差分データを生成するために、該差分データ生成手段に供給する映像信号として当該各原色系信号乃至補色系信号を所定の比率で混合してなる信号を生成し、出力するようになされた色系信号混合手段を更に備えてなることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0060】
上記(3)の発明以前、輝度信号を被検出信号として用いて動きを検出していたため、カメラからのRGBの出力に基づいてこの輝度信号を生成する必要があり、構成が複雑化した。
【0061】
これに対し、上記(3)の発明によれば、簡単な回路構成により被検出信号を得ることができる。
【0062】
(4)上記色系信号混合手段はG系の信号に関する混合比率を比較的高く設定してなるものであることを特徴とする上記(3)に記載の動き検出装置。
【0063】
カメラからのRGBの出力を単純に混合して被検出信号を合成したのでは、場合によっては検出感度が低下する虞れがある。これに対し、上記(4)の発明によれば、感度のよい検出が可能となる。
【0064】
(5)上記色系信号混合手段は撮像対象の色の状況に応じて特定色の信号に関する混合比率を比較的高く設定してなるものであることを特徴とする上記(3)に記載の動き検出装置。
【0065】
上記(5)のように構成しない場合、顕微鏡の画像のように特定の色に染色した撮像対象を撮像する場合には、その色に対する感度が低いと、動きの検出感度も確保できない。
【0066】
これに対し、上記(5)の発明によれば、顕微鏡の画像のように特定の色に染色した撮像対象に対してその色に対する撮像感度が高くなるため、動きの検出感度も十分なものとなる。
【0067】
(6)上記差分データ生成手段は当該入力映像信号に対して1系統設けられ、上記検出手段で一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づく検出出力を得るための該一定の時間間隔をおいた二つの入力を、上記1系統の差分データ生成手段の遅延のない出力と、該出力を上記時間間隔遅延させる手段を用いて遅延せしめた出力と、により得るように構成されてなることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0068】
上記(6)のように構成しない場合、上記二つの入力を得るために差分データ生成手段が2系統必要となり、構成が複雑であった、これに対し、上記(6)の発明によれば、差分データ生成手段が1系統で済むため構成が簡素化される。
【0069】
(7)上記判定手段の判定出力に基づいて、所定期間連続して判定出力を得たときのみ動きが生じた旨の検出出力を発するようになされた信頼性検出手段を更に備えてなることを特徴とする上記(1)に記載の動き検出装置。
【0070】
上記(7)のように構成しない場合、上記判定手段の判定出力のみから直接動きの有無を判定すると、振動的動きを本来の動きであるとして誤判定する虞れがある。これに対し、上記(7)の発明によれば、振動的動きを本来の動きであると誤判定する虞れが低減する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る動き検出装置を概念的に示すブロック図である。
【図2】図1の動き検出装置100内の上記両差分データ生成手段3a,3bの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の差分データ生成手段3a(3b)内の画素データ遅延手段12の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図3の画素データ遅延手段12の入出力関係を示す模式図である。
【図5】図1の動き検出装置100内の上記エンコーダ4a,4bの内部構成を示すブロック図である。
【図6】図1の動き検出装置100内の検出手段5に関する動作説明図である。
【図7】検出手段5の内部構成をその入力段の各エンコーダ4a,4bとの接続関係と共に示すブロック図である。
【図8】図1の動き検出装置100内の上記判定手段6の内部構成を示すブロック図である。
【図9】撮像カメラ200からの色信号を所定の比率で混合して生成し、図1の動き検出装置100の入力端1に供給するために該入力端1の前段に接続され得る信号合成手段を示すブロック図である。
【図10】図1の動き検出装置100の入力端1に供給する被検出映像信号として順次の画素信号が連続して出現する原信号を1画素おきにサンプリングしてなるリサンプリング信号を適用する様子を示す概念図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態としての動き検出装置を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態としての動き検出装置を示すブロック図である。
【図13】図1,図11乃至図12の動き検出装置を組み込んだシステムとしての第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図14】図1,図11乃至図12の装置における検出手段の他の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の検出手段50における状態検出手段57の構成例を示すブロック図である。
【図16】図12に示すような動き検出装置を適用してなる図13のようなシステムの動作の一例を示すタイミング図である。
【符号の説明】
【0072】
1…入力端
2…フレーム遅延手段
3a,3b…差分データ生成手段
4a,4b…エンコーダ
5…検出手段
6…判定手段
7…出力端
12…画素データ遅延手段
13…差分演算手段
62…カウンタ
63…判定回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、
上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、
一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、
この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る上記撮像対象の動きを表わす判定出力を得る判定手段と、
を備えることを特徴とする動き検出装置。
【請求項2】
撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、
上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、
一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、
この検出手段の出力に依拠して、動きの検出対象とされる所定領域に対する走査時間中において上記映像信号の傾斜が逆になるときを計数し、当該計数した値が所定値に達したときに判定出力を出力する判定手段と、
を備えることを特徴とする動き検出装置。
【請求項3】
上記撮像対象は、上記特定色に染色した撮像対象であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動き検出装置。
【請求項4】
上記差分データ生成手段は、順次の画素信号が連続して出力される映像信号をリサンプリングしたリサンプリング信号から、上記近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の動き検出装置。
【請求項5】
順次の画素信号が連続して出力される映像信号をリサンプリングしたリサンプリング信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、
一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、
この検出手段の出力に依拠して、上記映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る判定手段と、
を備えることを特徴とする動き検出装置。
【請求項6】
上記判定手段は、上記検出手段の出力に依拠して、動きの検出対象とされる所定領域に対する走査時間中において上記映像信号の傾斜が逆になるときを計数し、当該計数した値が所定値に達したときに上記判定出力を出力することを特徴とする請求項5に記載の動き検出装置。
【請求項7】
上記差分データは、上記両単位領域に係る各映像信号の傾斜を表わすデータであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の動き検出装置。
【請求項8】
上記差分データ生成手段は、入力される映像信号に対して1系統設けられ、上記一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データを、上記1系統の差分データ生成手段の遅延のない出力と、該出力を上記時間間隔遅延させる手段を用いて遅延せしめた出力と、により得るように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の動き検出装置。
【請求項9】
第1の映像信号発生手段と、
第2の映像信号発生手段と、
上記判定手段からの判定出力に基づいて、上記第1の映像信号発生手段からの映像信号と上記第2の映像信号発生手段からの映像信号とを選択して出力する出力選択手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の動き検出装置。
【請求項10】
上記第1の映像信号発生手段は静止画の信号を発生し、上記第2の映像信号発生手段は動画の信号を発生することを特徴とする請求項9に記載の動き検出装置。
【請求項1】
撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、
上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、
一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、
この検出手段の出力に依拠して上記映像信号に係る上記撮像対象の動きを表わす判定出力を得る判定手段と、
を備えることを特徴とする動き検出装置。
【請求項2】
撮像対象の色の状況に応じて、特定色の信号に関する混合比率を高く設定した比率で、撮像カメラから出力される原色系信号乃至補色系信号を混合してなる映像信号を出力する色系信号混合手段と、
上記色系信号混合手段から出力された上記映像信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、
一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、
この検出手段の出力に依拠して、動きの検出対象とされる所定領域に対する走査時間中において上記映像信号の傾斜が逆になるときを計数し、当該計数した値が所定値に達したときに判定出力を出力する判定手段と、
を備えることを特徴とする動き検出装置。
【請求項3】
上記撮像対象は、上記特定色に染色した撮像対象であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動き検出装置。
【請求項4】
上記差分データ生成手段は、順次の画素信号が連続して出力される映像信号をリサンプリングしたリサンプリング信号から、上記近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の動き検出装置。
【請求項5】
順次の画素信号が連続して出力される映像信号をリサンプリングしたリサンプリング信号から、近接乃至隣接する関係にある所定の両単位領域に係る各映像信号のレベルの差分に対応した差分データを得る差分データ生成手段と、
一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データの比較値に基づいて、上記単位領域に係る映像信号の傾斜が逆になるときに検出出力を発する検出手段と、
この検出手段の出力に依拠して、上記映像信号に係る対象物の動きを表わす判定出力を得る判定手段と、
を備えることを特徴とする動き検出装置。
【請求項6】
上記判定手段は、上記検出手段の出力に依拠して、動きの検出対象とされる所定領域に対する走査時間中において上記映像信号の傾斜が逆になるときを計数し、当該計数した値が所定値に達したときに上記判定出力を出力することを特徴とする請求項5に記載の動き検出装置。
【請求項7】
上記差分データは、上記両単位領域に係る各映像信号の傾斜を表わすデータであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の動き検出装置。
【請求項8】
上記差分データ生成手段は、入力される映像信号に対して1系統設けられ、上記一定の時間間隔をおいた両時点での上記差分データを、上記1系統の差分データ生成手段の遅延のない出力と、該出力を上記時間間隔遅延させる手段を用いて遅延せしめた出力と、により得るように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の動き検出装置。
【請求項9】
第1の映像信号発生手段と、
第2の映像信号発生手段と、
上記判定手段からの判定出力に基づいて、上記第1の映像信号発生手段からの映像信号と上記第2の映像信号発生手段からの映像信号とを選択して出力する出力選択手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の動き検出装置。
【請求項10】
上記第1の映像信号発生手段は静止画の信号を発生し、上記第2の映像信号発生手段は動画の信号を発生することを特徴とする請求項9に記載の動き検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−259473(P2007−259473A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119314(P2007−119314)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【分割の表示】特願平7−296946の分割
【原出願日】平成7年11月15日(1995.11.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【分割の表示】特願平7−296946の分割
【原出願日】平成7年11月15日(1995.11.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]