説明

動力伝達装置

本発明は、動力伝達装置に関する。この動力伝動装置は、駆動装置(2)と、ウォーム軸(3)と第1のウォーム歯車(6)と第2のウォーム歯車(7)とを有していて、この場合、第1及び第2のウォーム歯車(6,7)が前記ウォーム軸(3)と噛み合うようになっており、また第1のピニオン(8)及び第2のピニオン(9)を有しており、前記第1のピニオン(8)が前記第1のウォーム歯車(6)と一緒に回転し、前記第2のピニオン(9)が前記第2のウォーム歯車(7)と一緒に回転するようになっており、二重歯列エレメント(10;14)を有しており、該二重歯列エレメント(10;14)が第1の歯列(11)と第2の歯列(12)とを有していて、前記第1の歯列(11)が前記第1のピニオン(8)と噛み合い、前記第2の歯列(12)が前記第2のピニオン(9)と噛み合うようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車の舵取り装置において、特に回転運動を並進運動に変換するための動力伝達装置に関する。
【0002】
動力伝達装置は、例えば自動車において、回転運動を並進運動に変換する舵取り装置として使用される。この場合、一般的に、回転運動を並進運動に移行させるために循環式ボールねじが使用される。循環式ボールねじの代わりに、ピニオン及びラックを備えた簡単なギヤ段も使用される。このような簡単なギヤ段は費用的に有利である。パワーステアリングにおいては、支援モーメントが一般的にウォーム伝動装置を介して自動車のステアリングコラム又はピニオンに直接伝達される。しかしながらこの場合、ピニオン及びラックの構成に基づいて、伝達可能な力の上限は約8500Nである。またこのような形式の伝動装置の設計においては、狭い取付けスペースでも自動車に問題なく取り付けることができるようにするために、できるだけ構造を小さくし、かつ重量を軽量化することを考慮しなければならない。
【0003】
発明の開示
これに対して、請求項1に記載した特徴を有する本発明による動力伝達装置は、構造がコンパクトで簡単である、という利点を有している。また本発明による動力伝達装置によれば、高いモーメントを伝達することができる。さらに、ウォーム及びラックにおいて半径方向力が互いに相殺されるようになっている。これによって、ウォームの撓みは発生しないので、ウォームの直径を小さくすることができる。これは本発明によれば、動力伝達装置が、駆動装置と、動力伝達装置の入力部材としてのウォーム軸と、第1のウォーム歯車及び第2のウォーム歯車と、二重歯列エレメントとを有していることによって、得られる。それぞれ1つのピニオンが、それぞれ1つのウォーム歯車と一緒に回転する。2つのウォーム歯車は、ウォーム軸の同じウォーム歯列と噛み合う。つまり、できるだけコンパクトな構造を可能にするために、ウォーム軸は1つの共通のウォーム歯列を有していて、このウォーム歯列は、第1のウォーム歯車とも、また第2のウォーム歯車とも噛み合う。この場合、2つのウォーム歯車は、ウォーム軸において力を相殺するために、1つの共通のウォーム歯列において有利には互いに向き合って配置されている。二重歯列エレメントは、出力エレメントとして設けられていて、第1及び第2の歯列を有しており、第1の歯列は第1のピニオンと噛み合い、第2の歯列は第2のピニオンと噛み合う。これによって、比較的安価に製造することができる構造部分を備えた非常にコンパクトな構造が得られ、この場合、特に大きい力を伝達することができる。本発明による動力伝達装置はその構造が非常にフレキシブルであるので、公知の動力伝達装置と比較して、構造スペース的な利点が得られる。本発明による動力伝達装置は、例えば種々異なる電気機械式のブレーキブースタにおける様々な要求、又は舵取り装置における様々な自動車製造業者の要求に簡単に合わせることができる。
【0004】
従属請求項は、本発明の有利な実施態様である。
【0005】
有利な形式で、二重歯列エレメントは、二重歯列を有するラック又はリング歯車である。二重歯列を有するラックは2つの歯列を有しており、これらの歯列は、互いに反対側に配置されていて、例えばブレーキブースタ又は舵取り装置に使用されるか、又は太陽エネルギー装置においてはミラー又は太陽熱集熱器をガイドするための調節駆動装置として使用される。二重歯列を有するリング歯車は、回転可能な構造部例えばクレーン及び掘削機を有する建設機械用のターンテーブルにおいて使用される。さらに、二重歯列を有するリング歯車は、風力エネルギー装置においてロータケージ(Rotorgondeln)のための旋回駆動装置として、又はロータブレードの傾斜角度のための調節駆動装置として使用される。
【0006】
特に有利には、ピニオンの軸がラックに対して所定の確度、有利には90゜より小さい確度で配置されている。これによってウォーム歯車及びウォーム軸及びひいては駆動装置の配置の多様性が得られる。この場合、第1のピニオンの軸がラックに対して、第1の角度で配置されていて、第2のピニオンがラックに対して、前記第1の角度とは異なる第2の角度で配置されている。さらにまた、ウォーム軸を、一方のウォーム歯車の少なくとも1つの軸に対して90゜ではなく、90゜より小さい角度で配置することも可能である。
【0007】
有利な選択的実施例によれば、ウォーム軸が少なくとも3つのウォーム歯列及び4つのウォーム歯車を有しており、この場合、2つのウォーム歯車が同時に、3つのウォーム歯列のうちの1つに噛み合っている。これによって、さらに大きい多様性が得られる。
【0008】
動力伝達装置の遊び補償を可能にするために、動力伝達装置は、少なくとも1つのピニオンとウォーム歯車との間に有利には1つの遊び補償装置を有している。この遊び補償装置は、カムと、第1及び第2のストッパとを有しており、この場合、カムは第1のストッパと第2のストッパとの間に小さい遊びを保って配置されていて、カムを一方のストッパに付勢する付勢部材を有している。付勢部材は、カムを常にストッパと接触させ、それによって動力伝達装置の歯列に遊びが存在しないように保証する。これによって、緊締されていない、しかも遊びのない動力伝達装置が得られる。
【0009】
さらに有利には、ラックは2つのピニオン間に浮動支承されている。これによって、ラックの追加的な支承部を省くことができ、場合によっては、ラックに側方のガイドをさらに設けることもできる。
【0010】
特にコンパクトな構造を得るために、有利には駆動装置はラックに対して平行に配置されている。駆動装置は、有利な形式で電動モータ又は液圧式の駆動装置である。
【0011】
本発明による動力伝達装置は、有利な形式で電子機械式のブレーキブースタとして又はパワーステアリングとして自動車に使用される。自動車の大きさに応じて、1つの駆動装置又は2つ或いはそれ以上の駆動装置、特に電動モータを使用することができる。この駆動装置を使用することによって、回転運動が二重ラックの並進運動に変換される。選択的に、本発明による動力伝達装置を、回転伝動装置、例えば建設機械、風力エネルギー装置、太陽エネルギー装置又はその他の施設に例えばロボットに使用することもできる。
【0012】
以下に本発明の有利な実施例を、添付の図面を用いて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図2】本発明の第2実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図3】本発明の第2実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図4】本発明の第3実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図5】本発明による動力伝達装置のための遊び補償装置の概略図である。
【図6】本発明の第4実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図7】本発明の第5実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図8】本発明の第6実施例による動力伝達装置の概略図である。
【図9】本発明の第7実施例による動力伝達装置の概略図である。
【0014】
図1には、本発明の有利な1実施例による動力伝達装置1の詳細が示されている。
【0015】
図1に示されているように、動力伝達装置1は駆動装置2として電動モータを有しており、該電動モータ2はウォーム軸3を駆動する。ウォーム軸3には、1つの共通のウォーム歯列13が設けられている。動力伝達装置1は、第1のウォーム歯車6と第2のウォーム歯車7と第1のピニオン8と第2のピニオン9とを有している。さらに、二重歯列エレメントとしてのラック10が設けられており、該ラック10は、第1の歯列11と第2の歯列12とを有している。2つの歯列11,12は、ラック10の互いに反対側に配置されている。この場合、第1のピニオン8は、第1の歯列11と噛み合い、第2のピニオン9は第2の歯列12と噛み合う。第1のピニオン8は第1のウォーム歯車6に接続されているので、第1のウォーム歯車6と第1のピニオン8とは一緒に回転する。同様の形式で、第2のウォーム歯車7は第2のピニオン9に接続されている。この場合、第1のウォーム歯車6は、ウォーム軸3に設けられた共通のウォーム歯列13によって駆動され、第2のウォーム歯車6は、同様にウォーム軸3の共通のウォーム歯列13によって駆動される。X−Xによって、ラック10の長手方向軸線が示されている。
【0016】
図1に示されているように、ウォーム軸3は二重歯列を有するラック10に対して90°の角度で配置されているので、運転中に発生する、ラック10に作用する力は互いに相殺される。従って本発明によれば、2つのピニオン8,9を介して高い力がラック10に伝達されるので、特に費用のかかる高価な循環式ボールねじは省くことができる。この場合、ラックは、2つのピニオン8,9間でも転動ガイドされているので、ラックは2つのピニオン8,9間で浮動式に支承されている。有利な形式で、さらにラックのための側方ガイドが設けられている。
【0017】
図5は遊び補償装置20を示しており、該遊び補償装置20は、ピニオン8,9とウォーム歯車6,7との間に配置されている。遊び補償装置20は、カム21と第1のストッパ22と第2のストッパ23と付勢部材24とを有している。図5に示されているように、第1のストッパ22とカム21との間に遊び25が存在している時に、付勢部材24は、カム21が第2のストッパ23に当接するようにカム21を付勢するようになっている。構成部材の公差を補償することができるようにするために、組立時にウォーム歯車は相応のピニオン軸線を中心にして回転可能でなければならない。ピニオンとウォーム歯車とは、互いの正しい角度位置で組立側から組み立てられる。次いで、歯列が互いに完全に締め付けられ、それによって遊びが無くなる。このようにして、付勢部材24のばね力を設定する所定のパワーレベル以下において、遊び25内でカム21と第1のストッパ22との間の遊びの補償が得られる。有利な形式で、遊び補償時における減衰を可能にするために、減衰部材(図示せず)が設けられている。本発明による遊び補償装置は、任意のピニオン・ウォーム歯車ユニット内に組み込まれている。このような形式の遊び補償装置は、図示のすべての実施例において使用することができる。
【0018】
図2及び図3は、本発明の第2実施例による動力伝達装置1を示す。第1実施例のものと同じ部材若しくは同じ機能を有する部材には同じ符号が付けられている。
【0019】
図2に示されているように、駆動装置2はラック10(二重歯列エレメント)に対して平行に配置されている。これによって、特に簡単な構造が得られる。さらに、ウォーム軸3には共通のウォーム歯列13が設けられている。このウォーム歯列13は、同時に第1のウォーム歯車6及び第2のウォーム歯車7に噛み合う、この際に、第1のウォーム歯車6と第2のウォーム歯車7とは、力の補償を行うために、ウォーム軸3において互いに向き合って位置している。二重歯列エレメントとしてのラック10は、さらに切欠10aを有しているので、構造がさらにコンパクトである。何故ならば駆動装置2の一部が切欠10a内に突入するからである。その他の、第2実施例の構造は、前記第1実施例の構造と同じであるので、前記実施例が参照される。
【0020】
以下に図4を用いて、本発明の第3実施例による動力伝達装置1の詳細について説明する。この第3実施例は前記第2実施例のものとほぼ同じであるが、第2実施例のものに対して、駆動装置2若しくはウォーム軸3の軸線が、ラック10の長手方向軸線X−Xに対して角度αを成して配置されている点で相違している。この第3実施例においても、2つのウォーム歯車6,7に共通の1つのウォーム歯列13が設けられている。その他の、第3実施例の構造は、前記第2実施例の構造と同じであるので、前記実施例が参照される。
【0021】
図6は、本発明の第4実施例を示す。第1実施例のものと同じ部材若しくは同じ機能を有する部材には同じ符号が付けられている。この第4実施例は、第1の環状歯車15と第2の環状歯車16とを有する二重歯列エレメントとして構成された二重リングギヤ14を備えた動力伝達装置1を示す。図6に示されているように、二重リングギヤ14は、内歯列と外歯列とを備えたリング歯車として構成されている。さらに、第4実施例による動力伝達装置1は、2つの駆動装置、つまり第1の駆動装置2と第2の駆動装置2′とを有している。図6には、第2の駆動装置2′の構成部分が示されている。第2の駆動装置は、第1の駆動装置と同じ符号にダッシュを付けて示されている。図6に示した装置によって、二重リングギヤ14に半径方向力が加えられ、また非常に大きい力若しくはモーメントが伝達され得る。内側の第2の環状歯車16の周面は、外側の第1の環状歯車15の周面よりも小さいので、内側のピニオン8,8′のピッチ円も外側のピニオン9,9′のピッチ円よりも小さくなくてはならない。図6に示した実施例は基本的に、唯一の駆動装置2だけを備えた構成であってもよい。図6に示した回転式の動力伝達装置は、例えば建設機械、風力エネルギー装置、太陽エネルギー装置又はその他の施設に使用される。
【0022】
図7は、本発明の第5実施例による動力伝達装置1を示す。この場合、同じ部材若しくは同じ機能を有する部材には、前記実施例と同じ符号が付けられている。
【0023】
図7に示されているように、第5実施例では駆動装置2が、ラック10として構成された二重歯列エレメントに対して平行に配置されている。また、第1のウォーム歯車6を通る平面E1が、ラックの長手方向軸線X−Xに対して角度β1を成して配置されている。第2のウォーム歯車7を通る平面E2は、ラックの長手方向軸線X−Xに対して角度β2を成して配置されている。この場合、角度β1とβ2とは符号は異なっているが、同じ大きさである。これによって、ピニオン軸の中心軸線Y−Yはラックの長手方向軸線X−Xに対して角度γを成して配置される。またこれによって、第1のピニオン8と第2のピニオン9との間の角度δの射影が、角度β1とβ2との合計に相当する。図7には、符号17でステアリングホイールが示され、符号18でインタミディエイトシャフトが示され、符号19でトルクセンサが示されている。ラックを側方ガイドするために、第1の滑り軸受30と第2の滑り軸受31とが設けられている。
【0024】
図8は、図7に示した実施例にほぼ類似した第6実施例を示すが、この図8に示した実施例は、図7に示した実施例とは異なり、2つのウォーム歯車6,7が1つの共通の平面に配置されている。また、駆動装置2は、ラック10の長手方向軸線X−Xに対して角度αを成して配置されている。図8においては、第1のウォーム歯車6及び第1のピニオン8が、それぞれ第2のウォーム歯車及び第2のピニオンと重なっている。図8に示した動力伝達装置1は、特に安価に製造可能であるので、特に、安価な車両に使用される。
【0025】
図9は、本発明の第7実施例による動力伝達装置を示す。この場合、同じ部材若しくは機能的に同じ部材は、前記実施例と同じ符号が付けられている。
【0026】
図9より分かるように、動力伝達装置1は駆動装置2とウォーム軸3とを有している。ウォーム軸3に3つの歯列、つまり第1の歯列34と第2の歯列35と第3の歯列36とが配置されている。駆動装置2は、ラック10の中心軸線X−Xに対して角度αを成して配置されている。第7実施例による動力伝達装置1はさらに、4つのウォーム歯車41,42,43,44並びに4つのピニオン45,46,47,48を有している。図9に示されているように、この場合、ピニオン45及び46はラックの第1の歯列11に噛み合い、ピニオン47,48は第2の歯列12に噛み合う。さらに、第1のウォーム歯車41は第1の歯列34に噛み合い、第2及び第3のウォーム歯車42,43は第2の歯列35に噛み合い、第4のウォーム歯車44は第3の歯列36に噛み合う。これによって、この実施例の動力伝達装置1は、複数のピニオンによって高い動力を伝達することができる。それ以外の構成については、この図9に示した実施例は、前記図1乃至図8の実施例に相当するので、前記実施例が参照される。
【0027】
ラックを有する前記すべての実施例において、ラックの歯列は有利にははす歯として構成されている。この場合特に有利には、ラックの歯列の傾斜は同じであり、射影図で見て歯列は交差し合っている。
【0028】
本発明の前記実施例は、それぞれ駆動装置2として電動モータを備えているが、電動モータの代わりに、別の駆動装置、特に油圧駆動装置を使用してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 動力伝達装置、 2 第1の駆動装置、 2′ 第2の駆動装置、 3 ウォーム軸、 6 第1のウォーム歯車、 7 第2のウォーム歯車、 8 第1のピニオン、 9 第2のピニオン、 10 ラック(二重歯列エレメント)、 11 第1の歯列、 12 第2の歯列、 13 ウォーム歯列、 14 二重リングギヤ、 15 第1の環状歯車、 16 第2の環状歯車、 17 ステアリングホイール、 18 インタミディエイトシャフト、 19 トルクセンサ、 20 遊び補償装置、 22 第1のストッパ、 23 第2のストッパ、 24 付勢部材、 25 遊び、 E1 第1のウォーム歯車6を通る平面、 E2 第2のウォーム歯車7を通る平面、 34,35,36 第1、第2及び第3の歯列、 41,42,43,44 ウォーム歯車、 45,46,47,48 ピニオン、 X−X ラックの長手方向軸線、 Y−Y ピニオン軸の中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達装置において、
駆動装置(2)と、ウォーム軸(3)と第1のウォーム歯車(6)と第2のウォーム歯車(7)とを有しており、
前記ウォーム軸(3)が1つの共通のウォーム歯列(13)を有していて、該ウォーム歯列(13)が前記第1のウォーム歯車(6)及び第2のウォーム歯車(7)に同時に噛み合うようになっており、
第1のピニオン(8)及び第2のピニオン(9)を有しており、前記第1のピニオン(8)が前記第1のウォーム歯車(6)と一緒に回転し、前記第2のピニオン(9)が前記第2のウォーム歯車(7)と一緒に回転するようになっており、
二重歯列エレメント(10;14)を有しており、該二重歯列エレメント(10;14)が第1の歯列(11)と第2の歯列(12)とを有していて、前記第1の歯列(11)が前記第1のピニオン(8)と噛み合い、前記第2の歯列(12)が前記第2のピニオン(9)と噛み合うようになっている、
ことを特徴する、動力伝達装置。
【請求項2】
前記二重歯列エレメント(14)が二重歯列を有するリング歯車である、請求項1記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記二重歯列エレメント(10)が二重歯列を有するラックである、請求項1記載の動力伝達装置。
【請求項4】
少なくとも1つのピニオン(8)の軸が、ラックに対して角度(γ)、特に90゜より小さい角度で配置されている、請求項3記載の動力伝達装置。
【請求項5】
前記第1のピニオン(8)がラックに対して第1の角度で配置されていて、第2のピニオン(9)がラックに対して第2の角度で配置されている、請求項3又は4記載の動力伝達装置。
【請求項6】
2つのウォーム歯車がウォーム軸(3)の共通のウォーム歯列(13)において、互いに180゜向き合っている、請求項1から5までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項7】
前記ウォーム軸(3)が、前記ウォーム歯車(6,7)の平面(E1,E2)に対して所定の角度(β1,β2)を成して配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項8】
前記ラック(10)が、前記第1のピニオン(8)と前記第2のピニオン(9)との間で浮動式に支承されている、請求項3から7までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項9】
前記ウォーム軸(3)が少なくとも3つのウォーム歯列(34,35,36)と少なくとも4つのウォーム歯車(41,42,43,44)とを有しており、少なくとも2つの前記ウォーム歯車(42,43)が1つの共通のウォーム歯列(35)と噛み合っている、請求項1から8までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項10】
遊び補償装置(20)が設けられており、該遊び補償装置(20)が、少なくとも1つのピニオン(8,9)と少なくとも1つのウォーム歯車(5,6)との間に配置されており、前記遊び補償装置(20)が、
カム(21)と、第1のストッパ(22)と第2のストッパ(23)とを有していて、前記カム(21)が前記第1のストッパ(22)と前記第2のストッパ(23)との間に小さい遊び(25)を保って配置されており、
付勢部材(24)を有しており、該付勢部材(24)が前記カム(21)を前記ストッパの一方に向かって押し付ける、
請求項1から9までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項11】
前記駆動装置(2)が、ラックに対して平行に配置されている、請求項3から10までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項12】
前記二重歯列エレメント(10;14)の歯列がはす歯であって、該はす歯の歯列が射影図で見て互いに逆向きの傾斜方向を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の動力伝達装置。
【請求項13】
請求項3から12までのいずれか1項記載の動力伝達装置を有することを特徴とする、ブレーキブースタ又は舵取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−532297(P2012−532297A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518838(P2012−518838)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056146
【国際公開番号】WO2011/003643
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】