説明

動画像録画装置

【課題】本発明は、地上波デジタル放送を受信して録画する際に、録画の停止処理や再開処理を行うための受信状態の基準レベルをユーザの感覚を考慮して判断できる動画像録画装置を提供することを目的とする。
【解決手段】動画像を受信して録画する動画像録画装置において、複数段階の品質レベルの動画像を選択可能に表示する表示手段と、品質レベルを基準レベルとして設定するレベル設定手段と、受信している動画像の画像品質を取得する取得手段(S205、S305)と、録画をしている際に、画像品質が基準レベルより低くなった場合、録画を一時停止する一時停止手段(S217)と、録画を一時停止している際に、画像品質が基準レベルより高くなった場合、録画を再開する録画再開手段(S317)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した動画像を録画する動画像録画装置に係り、具体的には、受信した動画像の画像品質に応じて録画処理や一時停止処理を行う動画像録画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタル放送が開始されるのに伴い、携帯電話機やその他の携帯型の移動体により地上波デジタル放送を受信して、視聴や録画が行われるようになった。携帯電話機等の移動体によって動画像を受信して録画する際、録画処理中に移動体が移動すること等により受信状態が悪くなった場合には、正常に録画処理を行えないという問題があった。
【0003】
そこで、地上波デジタル放送の録画処理中に受信状態が悪くなった場合にはこの録画処理を停止し、録画できなかった部分を他のデータで補充するデジタル放送受信器が提案されてきた(特許文献1参照)。
【0004】
このデジタル放送受信器は、地上波デジタル放送を受信する際にこの動画像ストリームの受信状態を検出し、受信状態が悪くなった場合には録画を停止し、また受信状態が良くなった場合には録画を再開するものである。このデジタル放送受信器では、録画処理中の番組の受信状態が悪くなった場合には、受信状態が良好な他の番組に切り換えて受信が行われる。
【特許文献1】特開2006−229794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地上波デジタル放送の録画中に、受信状態が悪くなった場合には録画を停止し、また受信状態が良くなった場合には録画を再開する方法では、その受信状態の良し悪しの判断レベルによっては、ユーザの感覚に反した録画の停止処理や録画の再開処理が行われてしまう恐れがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、地上波デジタル放送を受信して録画する際に、録画の停止処理や再開処理を行うための受信状態の基準レベルをユーザの感覚を考慮して判断できる動画像録画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る動画像録画装置は、動画像を受信して録画する動画像録画装置において、複数段階の品質レベルの動画像を選択可能に表示する表示手段と、前記表示手段により表示された複数段階の品質レベルの動画像から選択された動画像の品質レベルを基準レベルとして設定するレベル設定手段と、受信している動画像の画像品質を取得する取得手段と、録画をしている際に、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された基準レベルより低くなった場合、録画を一時停止する一時停止手段と、前記一時停止手段により録画を一時停止している際に、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された基準レベルより高くなった場合、録画を再開する録画再開手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る動画像録画装置によると、地上波デジタル放送を受信して録画する際に、録画の停止処理や再開処理を行うための受信状態の基準レベルをユーザの感覚を考慮して判断し、最良の録画処理を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る動画像録画装置の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る動画像録画装置1として、動画像の符号化画像ストリームを受信して録画する携帯電話機について詳細に説明する。
【0010】
図1及び図2に、動画像録画装置1の一例として説明に用いている折り畳み型の携帯電話機の外観図を示す。図1[A]は、動画像録画装置1の約180度に見開いた状態の正面図であり、図1[B]は、動画像録画装置1の見開いた状態の側面図である。また、図2[A]は、動画像録画装置1の折り畳んだ状態の正面図であり、図2[B]は、動画像録画装置1の折り畳んだ状態の側面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、動画像録画装置1は、中央のヒンジ部21を挟むように第1の筐体22と第2の筐体23とがヒンジ結合されており、ヒンジ部21を介して図1及び図2のX方向に折り畳み可能に形成される。動画像録画装置1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ53)が設けられており、内蔵されたアンテナ53を介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
【0012】
第1の筐体22の中央部には、液晶ディスプレイ25が設けられている。この液晶ディスプレイ25の上部には、例えば、現在のアンテナ53の感度のレベルを示すアンテナピクト、動画像録画装置1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻等が表示される。また、地上波デジタル放送受信時に、液晶ディスプレイ25の中央部に、この地上デジタル放送の動画像が表示される。
【0013】
また、液晶ディスプレイ25の上部の所定の位置にはスピーカ28が設けられており、これにより、ユーザが音声を聞くことが可能となる。
【0014】
第1の筐体22には、その表面に「0」から「9」までの数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、及び電子メールキー等の操作キー24が設けられており、ユーザはこれらの操作キー24を用いて各種指示を入力することができる。また第1の筐体22には、操作キー24として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。
【0015】
第1の筐体22には、操作キー24の下部にマイクロフォン26が設けられており、マイクロフォン26によって通話時のユーザの音声を集音する。また、第1の筐体22には、動画像録画装置1の操作を行うサイドキー27が設けられている。
【0016】
なお、第1の筐体22は、背面側にバッテリパック(図示せず)が挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0017】
また、第1の筐体22と第2の筐体23の内部の所定の位置には、動画像録画装置1の開閉状態を検知するための磁気センサ29a、29b、29c、29dが設けられている。
【0018】
第1の筐体22にはCCDカメラ30が設けられており、これにより、ユーザが所望の撮影対象を撮像することが可能となる。
【0019】
図3は、動画像録画装置1の機能構成図である。動画像録画装置1は、図3に示すように、主制御部41、記憶部42、電源回路部43、操作入力制御部44、LCD制御部45、カメラインターフェース46、画像エンコーダ47、音声コーディック48、変復調回路部49、多重化分離部50、画像デコーダ51、がバス54によって相互に接続されて構成される。
【0020】
主制御部41は、様々なデータ処理や演算を行うCPU(Central Processing Unit)からなる。記憶部42は、主制御部41が行う処理プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク等の磁気的な記憶装置、主制御部41が処理を行う際に使用するデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の電気的な記憶装置とからなる。また、主制御部41には、現在の日付と時刻を計測するタイマが内蔵されている。
【0021】
電源回路部43は、ユーザの操作キー24による入力により電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合には電力供給源(バッテリパック等)から各部に対して電力を供給して、動画像録画装置1を動作可能にする。
【0022】
操作入力制御部44は、操作キー24によって入力されたデータを主制御部41に伝送する。
【0023】
LCD制御部45は、主制御部41の制御に基づいて、画像データをメインディスプレイ25に表示する処理を行う。
【0024】
カメラインターフェース46は、CCDカメラ30で撮影した画像信号をLCD制御部45を介してメインディスプレイ25に表示する。
【0025】
画像エンコーダ47は、主制御部41の制御に基づいて、CCDカメラ30が入力した画像信号を、例えばMPEG−4(Moving Picture Experts Group−4)等の所定の符号化方式によって圧縮符号化して画像データを作成したり、符号化された画像データを他の符号化方式に変換して新たな画像データを作成したりする。
【0026】
音声コーディック48は、主制御部41の制御に基づいて、マイクロフォン26で集音した音声からデジタル音声信号を生成する。変復調回路部49は、音声通話の際に、音声コーディック48からデジタル音声信号を入力して、送受信回路部52に伝送する。送受信回路部52はこのデジタル音声信号をアンテナ53を介して送信する。
【0027】
また、変復調回路部49は、送受信回路部52がアンテナ53を介して受信したデジタル音声信号を入力する。音声コーディック48は、音声通話の際に、このデジタル音声信号を取得してアナログ音声信号に変換し、スピーカ28から音声として出力する。
【0028】
多重化分離部50は、複数の信号を重ねて多重化信号を生成する多重化処理、及び、多重化信号を複数の信号に分離する分離処理を行う。
【0029】
例えば、多重化分離部50は、変復調回路部49から入力した多重化動画像信号を、符号化画像信号と音声信号とに分け、バス54を介して符号化画像信号を画像デコーダ51に伝送するとともに、音声信号を音声コーディックに伝送する。
【0030】
また、多重化分離部50は、画像エンコーダ47から入力した画像信号と音声コーディック48から入力した音声信号とを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化信号を、変復調回路部49に伝送する。
【0031】
画像デコーダ51は、送受信回路部52から符号化画像信号を入力し、この符号化画像信号を所定の符号化方式に対応した復号化方式で復号することにより再生動画像信号を生成し、生成された再生動画像信号をLCD制御部45に伝送する。LCD制御部45は、この生成動画信号をメインディスプレイ25に表示する。
【0032】
動画像録画装置1は、地上波デジタル放送等の動画像の符号化ストリームを受信して録画(記憶部42に記憶)するが、この録画処理を行う際に、受信した動画像の品質レベルに従って、録画処理を一時停止する一時停止処理、及び一時停止中の録画処理を再開する再開処理を行う。
【0033】
すなわち、動画像録画装置1は、受信した動画像の録画処理を行っている際に、動画像の受信品質が劣化して基準レベルを下回った状態が所定時間(後述する低品質許容時間)継続した場合に、録画処理を一時的に停止する一時停止処理を行う。また、動画像録画装置1は、録画処理中の動画像の一時停止処理を行っている際に、動画像の受信品質が向上して基準レベルを上回った状態が所定時間(後述する高品質許容時間)継続した場合に、録画処理を再開する。
【0034】
記憶部42は、この動画像の基準レベルとすべき品質レベルが列挙された品質情報60を記憶している。品質情報60は、品質レベルを示す複数のレベル情報61に対して、画像の受信品質を示す画像品質情報62と録画音声の受信品質を示す録画音声情報63とが対応付けられた情報である。
【0035】
例えば品質情報60は、図4に示すように、レベル情報61として品質レベルがレベル1からレベル5までの5段階で示されている。レベル1は、受信した動画像の画像品質が良好であり(画像品質良好)、録画音声も正常に受信できている(録画音声有り)ことを示す。レベル2は、受信した動画像の画像品質がレベル1よりは衰えるものの普通に動画像として受信され(画像品質中)、録画音声も正常に受信できていることを示す。レベル3は、受信した動画像の画像品質が不良であるが一応動画像として受信され(画像品質不良)、録画音声が正常に受信できていることを示す。一方でレベル4は、受信した動画像の画像品質が悪く動画像ではなく静止画として受信され(画像品質不良)、録画音声は正常に受信できていることを示す。レベル5は、受信した動画像の画像品質が悪く動画像ではなく静止画として受信され(画像品質不良)、録画音声も正常に受信できていない(録画音声無し)ことを示す。
【0036】
動画像録画装置1がこの品質情報60に基づいて基準レベルや許容時間の設定処理を行う際の手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
主制御部41は、品質レベル設定モードが選択されたか否かを判断する(S101)。この品質レベル設定モードは、動画像の録画処理を一時停止する際の基準とする品質レベル、または動画像の録画処理を一時停止した後再度録画処理を再開する際の基準とする品質レベルを設定するためのモードであり、例えばユーザにより操作キー24が操作されることにより選択される。品質レベル設定モードが選択されていない場合(S101のNo)は、主制御部41はそのまま待機する。
【0038】
品質レベル設定モードが選択された場合(S101のYes)は、主制御部41は、ユーザに品質レベルを選択させるための品質レベル選択画面70、72を液晶ディスプレイ25に表示する(S103)。これらの品質レベル選択画面70、72は、別個の画面として表示されても良く、同画面上に表示されても良い。
【0039】
品質レベル選択画面70(図6〔A〕)は、録画中の動画像の録画処理を一時停止する際の基準レベルを設定する画面であり、品質レベル選択画面72(図6〔B〕)は、一時停止中の動画像の録画処理を再開する際の基準レベルを設定する画面の一例であり、これらは所定のキーを押すことによって画面を切り替えることができる。品質レベル選択画面70、72は、図6に示すように、それぞれ複数の動画表示領域71、73を有し、各々の動画表示領域71、73には、レベル1からレベル5までの品質レベルを表す動画像のサンプルが表示される。また、ユーザが操作キー24を用いて動画像表示領域71、73にカーソルを合わせると、各々の品質レベルを表す録画音声のサンプルが出力される。また、例えば任意の動画像表示領域71、73にカーソルが合った状態で所定の操作キー24が押下されることにより、所定の品質レベルが選択される。
【0040】
なお、それぞれレベル1からレベル5までのサンプル(画像、音声)ごとにそれぞれ許容するパラメータの値(例えば、レベルに応じた画像の誤り率や、レベルに応じたデコードできていない画像の割合、レベルに応じた画像の受信レベルの値など)があらかじめ設定されている。
【0041】
主制御部41は、品質レベルが選択されたか否かを判断する(S105)。品質レベルが選択されていない場合(S105のNo)は、主制御部41はそのまま待機する。
【0042】
品質レベルが選択された場合(S105のYes)は、主制御部41は、選択された品質レベルを、録画処理及び一時停止処理を行う際の基準レベルとして設定し、この品質レベルを記憶部42に記憶する(S107)。
【0043】
また、主制御部41は、品質レベルの許容時間を選択する品質レベル許容時間選択画面80を表示する(S109)。品質レベル許容時間選択画面80は、図7に示すように、一時停止処理中の高品質許容時間を選択するための高品質許容時間選択領域81と、録画処理中の低品質許容時間を選択するための低品質許容時間選択領域82とを有する。
【0044】
主制御部41は、高品質許容時間及び低品質許容時間の許容時間が選択されたか否かを判断する(S111)。許容時間が選択されていない場合(S111のNo)は、主制御部41はそのまま待機する。
【0045】
許容時間が選択された場合(S111のYes)は、主制御部41は、選択された許容時間を設定して、記憶部42に記憶する(S113)。
【0046】
以上のようにして、動画像録画装置1が、受信された動画像の録画処理を一時停止する際の基準とする品質レベル、または動画像の録画処理を一時停止した後再度録画処理を再開する際の基準とする品質レベル、および許容時間の設定が行われる。
【0047】
なお、図5に示した方法は、受信された動画像の録画処理を一時停止する際の基準とする品質レベルと動画像の録画処理を一時停止した後再度録画処理を再開する際の基準とする品質レベルとを別々の基準レベルとして設定する場合を例に挙げたが、これに限らず、動画像の録画処理を一時停止する際の基準とする品質レベルと、動画像の録画処理を一時停止した後再度録画処理を再開する際の基準とする品質レベルとを区別せずに、同一のものとして設定してもよい。
【0048】
次に、動画像録画装置1が動画像の符号化ストリームを受信した際に録画処理や一時低処理を行う際の手順を、図8及び図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
始めに、動画像録画装置1による録画処理を、画像品質に基づいて一時停止する場合について説明する。主制御部41は、録音処理が開始されたか否かを判断する(S201)。この録音処理は、ユーザにより操作キー24が操作されることにより開始されても、記憶部42に予め記憶されていた予約情報に基づいて開始されても良い。録音処理が開始されていない場合(S201のNo)は、主制御部41は録音処理を行わずに待機する。
【0050】
録音処理が開始された場合(S201のYes)には、主制御部41は、録画画像低品質検出経過時間をリセットして(「0」にして)、タイマーを開始させる(S203)。
【0051】
主制御部41は、受信している動画像の符号化ストリームの録画画像品質を取得する(S205)。録画画像品質は、受信電解強度レベル、あるいは誤り率により検出される。また主制御部41は、S107で設定された品質レベル(録画中の動画像の録画処理を一時停止する際の基準レベル)を取得する(S207)。
【0052】
主制御部41は、S205で取得した録画画像品質とS207で取得した品質レベルとを比較し、録画画像品質が設定された品質レベルより低いか否かを判断する(S209)。録画画像品質が設定された品質レベルより高い場合(S209のNo)は、S203に戻り、主制御部41は、再び録画画像低品質検出経過時間をリセットしてタイマーを開始して(S203)、S205からS209までの処理を行う。
【0053】
録画画像品質が設定された品質レベルより低い場合(S209のYes)は、録画画像の低品質な状態が継続しているので、主制御部41は、録画画像低品質検出経過時間のタイマーを進める(S211)。
【0054】
主制御部41は、S113で設定された低品質許容時間を取得する(S213)。そして主制御部41は、録画画像低品質検出経過時間が低品質許容時間を超えたか否かを判断する(S215)。録画画像低品質検出経過時間が低品質許容時間を超えていない場合(S215のNo)は、S205に戻る。
【0055】
録画画像低品質検出経過時間が低品質許容時間を超えた場合(S215のYes)は、受信している動画像の画像品質が低いため、主制御部41は、録画処理を一時停止する(S217)。
【0056】
次に、動画像録画装置1により一時停止中の録画処理を受信画像の画像品質に基づいて再開する場合について説明する。主制御部41は、録画処理が一時停止されたか否かを判断する(S301)。すなわち、主制御部41は、S215で一時停止された場合に、一時停止されたと判断する。一時停止されていない場合(S301のNo)は、主制御部41はそのまま待機する。
【0057】
一時停止された場合(S301のYes)は、主制御部41は、録画画像高品質検出経過時間を「0」にリセットして、タイマーを開始させる(S303)。
【0058】
主制御部41は、S205と同様にして録画画像品質を取得する(S305)。また主制御部41は、S107で設定された品質レベル(一時停止中の動画像の録画処理を再開する際の基準レベル)を取得する(S307)。
【0059】
主制御部41は、S305で取得した録画画像品質とS307で取得した品質レベルとを比較し、録画画像品質が設定された品質レベルより高いか否かを判断する(S309)。録画画像品質が設定された品質レベルより低い場合(S309のNo)は、S303に戻り、再び主制御部41は、録画画像高品質検出経過時間をリセットして、タイマーを開始して(S303)、S305からS309までの処理を行う。
【0060】
録画画像品質が設定された品質レベルより高い場合(S309のYes)は、受信している動画像の高品質状態が継続しているので、主制御部41は、録画画像高品質検出経過時間のタイマーを進める(S311)。
【0061】
主制御部41は、S113で設定された高品質許容時間を取得する(S313)。そして主制御部41は、録画画像高品質検出経過時間が高品質許容時間を超えたか否かを判断する(S315)。録画画像高品質検出経過時間が高品質許容時間を超えていない場合(S315のNo)は、S205に戻る。
【0062】
録画画像高品質検出経過時間が高品質許容時間を超えた場合(S315のYes)は、受信している動画像の画像品質が高いため、主制御部41は、一時停止していた録画処理を再開する(S317)。
【0063】
以上のようにして、動画像録画装置1により、動画像の符号化ストリームの録画処理や一時停止処理が行われる。
【0064】
ここで、動画像録画装置1による録画処理の動作例について、図10に基づいて説明する。なお、図10に示す動作例1乃至動作例3において、高品質許容時間及び低品質許容時間は3分に設定されている。また図10において、「○」は録画画像品質が基準レベルを上回った状態、「×」は録画画像品質が基準レベルを下回った状態を示す。
【0065】
動作例1では、録画処理中に、画像受信品質が基準レベルを下回った状態(×)が低品質許容時間の3分間経過した時に録画が一時停止される。その後、画像受信品質が基準レベルを下回った状態(×)が4分間経過した時に画像受信品質が基準レベルを上回り、さらにこの画像受信品質が基準レベルを上回った状態(○)が高品質許容時間の3分間経過した時に、録画処理が再開される。
【0066】
動作例2では、録画処理中に、録画画像品質が基準レベルを下回った状態(×)が2分間経過した時に録画画像品質が基準レベルを上回り、録画画像品質が基準レベルを下回った状態(×)が低品質許容時間の3分間継続しなかったため、一時停止処理が行われない。そして、再び録画画像品質が基準レベルを下回り、この画像受信品質が基準レベルを下回った状態(×)が低品質許容時間の3分間経過した時に録画が一時停止される。
【0067】
動作例3では、一時停止処理中に、録画画像品質が基準レベルを上回った状態(○)が1分間継続するが、この状態が高品質許容時間の3分間継続しなかったため、録画の再開処理が行われない。また録画画像品質が基準レベルを下回って1分経過後に、録画画像品質が基準レベルを上回り、この録画画像品質が基準レベルを上回った状態(○)が高品質許容時間の3分間経過した時に、録画が再開される。
【0068】
このように、動画像録画装置1により録画処理を行う際、一時停止処理や再開処理を行うための基準レベルや許容時間がユーザにより設定されることにより、一時停止処理や再開処理を開始する判断に、ユーザの感覚が反映される。
【0069】
なお、動画像録画装置1において一時停止処理が行われた際には、録画データにその旨を示す画像やアニメーションをはめ込むと良い。
【0070】
本発明に係る動画像録画装置1によると、地上波デジタル放送を受信して録画する際に、録画の一時停止処理や録画の再開処理を行うための受信状態の基準レベルをユーザに選択させることにより、ユーザの感覚を考慮して録画の停止処理や再開処理を行うことが可能となった。
【0071】
また、録画の一時停止処理や録画の再開処理を行うための受信状態の基準レベルに対して、許容時間を設定することにより、最良の録画処理を行うことが可能となった。
【0072】
なお、録画の一時停止時の画像品質レベルの検出タイミング(回数)を、録画時の検出タイミング(回数)に比べ少なくする事で、録画の一時停止時状態での携帯電話本体の電池の消耗を抑える事も可能となる。
【0073】
なお、ステップS103が表示手段であり、ステップS107の処理がレベル設定手段であり、ステップS109が時間入力手段であり、ステップS113の処理が時間設定手段である。また、ステップS205、S305が取得手段であり、ステップS217が一時停止手段であり、ステップS317が録画再開手段である。
【0074】
第1実施形態では携帯電話機型の動画像復号装置1について説明したが、これに限らず、携帯型テレビやPDA(Personal Digital Assistants)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る動画像録画装置の外観図。
【図2】本発明に係る動画像録画装置の外観図。
【図3】本発明に係る動画像録画装置の機能構成図。
【図4】品質レベル情報のデータ構成図。
【図5】本発明に係る動画像録画装置が品質レベル設定処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図6】〔A〕録画処理中の動画像の録画処理を一時停止する際の品質レベル設定画面を示す図。〔B〕一時停止中の動画像の録画処理を再開する際の品質レベル設定画面を示す図。
【図7】許容時間設定画面を示す図。
【図8】本発明に係る動画像録画装置が動画像の録画処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明に係る動画像録画装置が動画像の録画処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明に係る動画像録画装置による録画処理の動作例を示す図。
【符号の説明】
【0076】
1…動画像録画装置,41…主制御部,42…記憶部,43…電源回路部,44…操作入力制御部,45…LCD制御部,46…カメラインターフェース,47…画像エンコーダ,48…音声コーディック,49…変復調回路部,50…多重化分離部,51…画像デコーダ,52…送受信回路部,53…アンテナ,54…バス,60…品質情報,70,72…品質レベル選択画面,80…品質レベル許容時間選択画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像を受信して録画する動画像録画装置において、
複数段階の品質レベルの動画像を選択可能に表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された複数段階の品質レベルの動画像から選択された動画像の品質レベルを基準レベルとして設定するレベル設定手段と、
受信している動画像の画像品質を取得する取得手段と、
録画をしている際に、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された基準レベルより低くなった場合、録画を一時停止する一時停止手段と、
前記一時停止手段により録画を一時停止している際に、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された基準レベルより高くなった場合、録画を再開する録画再開手段と、
を備えたことを特徴とする動画像録画装置。
【請求項2】
動画像を受信して録画する動画像録画装置において、
複数段階の品質レベルの動画像を選択可能に表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された複数段階の品質レベルの動画像から選択された動画像の品質レベルを第1の基準レベルとして設定するとともに、同様に前記表示手段により表示された複数段階の品質レベルの動画像から選択された動画像の品質レベルを第2の基準レベルとして設定するレベル設定手段と、
受信している動画像の画像品質を取得する取得手段と、
録画をしている際に、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された第1の基準レベルより低くなった場合、録画を一時停止する一時停止手段と、
前記一時停止手段により録画を一時停止している際に、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された第2の基準レベルより高くなった場合、録画を再開する録画再開手段と、
を備えたことを特徴とする動画像録画装置。
【請求項3】
前記一時停止手段は、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された基準レベルより低い状態が所定時間継続した場合に、録画を一時停止する請求項1記載の動画像録画装置。
【請求項4】
前記録画再開手段は、前記取得手段により取得された画像品質が前記レベル設定手段により設定された基準レベルより高い状態が所定時間継続した場合に、録画を再開する請求項3記載の動画像録画装置。
【請求項5】
時間を入力する時間入力手段と、
前記入力手段により入力された時間を、前記一時停止手段及び録画再開手段で使用される所定時間として設定する時間設定手段と、
を備えた請求項4記載の動画像復号装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−219564(P2008−219564A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55440(P2007−55440)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】