説明

化学増幅型フォトレジスト組成物

【課題】良好な解像度、良好なラインエッジラフネス及び良好なパターン倒れ耐性を有するパターンを形成することができる化学増幅型フォトレジスト組成物等を提供する。
【解決手段】式(I)で表される酸発生剤及び式(II)で表される構造単位を含む樹脂を含有し、式(I)で表される酸発生剤の含有量が、酸発生剤の全量に対して45〜100重量%であり、樹脂における、式(II)で表される構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して35〜70モル%であり、樹脂における、飽和環状炭化水素基を有する構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して50〜70モル%であり、樹脂が、互いに異なる4種以上の構造単位を有する樹脂である化学増幅型フォトレジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の微細加工に用いられる化学増幅型フォトレジスト組成物、化学増幅型フォトレジスト組成物を用いたパターン形成方法に関するに関する。
【背景技術】
【0002】
化学増幅型フォトレジスト組成物として、例えば、樹脂として下記に示すモノマーA、モノマーB及びモノマーDを、50:25:25のモル比で仕込み、重合させてなる樹脂10部と、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート0.27部と、クエンチャーとして2,6−ジイソプロピルアニリン0.0325部と、溶剤とからなる化学増幅型フォトレジスト組成物が提案されている(特許文献1)。

また、樹脂として下記に示すモノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、35:12:23:30のモル比で仕込み、重合させてなる樹脂10部と、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート又は1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート0.5部と、クエンチャーとして2,6−ジイソプロピルアニリン0.065部と、溶剤とからなる化学増幅型フォトレジスト組成物が提案されている(特許文献2)。

更に、樹脂として下記に示すモノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、34:8:8:34:16のモル比で仕込み、重合させてなる樹脂10部と、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート0.4部及び1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム 1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート0.3部と、クエンチャーとして2,6−ジイソプロピルアニリン0.065部と、溶剤とからなる化学増幅型フォトレジスト組成物が提案されている(特許文献3)。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−257078号公報
【特許文献2】特開2008−170983号公報
【特許文献3】特開2008−209917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の化学増幅型ポジ型レジスト組成物では、必ずしも良好な解像度、良好なラインエッジラフネス及び良好なパターン倒れ耐性を有するパターンを形成することができない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
1. 式(I)で表される酸発生剤及び式(II)で表される構造単位を含む樹脂を含有し、
式(I)で表される酸発生剤の含有量が、酸発生剤の全量に対して45〜100重量%であり、
樹脂における、式(II)で表される構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して35〜70モル%であり、
樹脂における、飽和環状炭化水素基を有する構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して50〜70モル%であり、
樹脂が、互いに異なる4種以上の構造単位を有する樹脂である化学増幅型フォトレジスト組成物。

[式(I)及び式(II)中、Q及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
及びXは、互いに独立に、単結合又は−[CH−を表し、該−[CH−に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
kは、1〜8の整数を表す。
は、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、Yと同じ骨格の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、式(IXa)又は式(IXb)で表されるカチオンを表す。]

[式(IXa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]

[式(IXb)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
mは、0又は1を表す。]
【0006】
2. Yがアダマンチル基又はシクロヘキシル基を表し、該アダマンチル基及びシクロヘキシル基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい1項記載の組成物。
【0007】
3. 式(II)で表される構造単位を含む樹脂が酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂である1項又は2項記載の組成物。
【0008】
4. 式(II)で表される構造単位を含む樹脂とは異なる他の樹脂を含む1項〜3項のいずれか記載の組成物。
【0009】
5. 酸発生剤の含有量が、式(II)で表される構造単位を含む樹脂100質量部に対して、1〜20質量部である1項〜4項のいずれか記載の組成物。
【0010】
6. 1項〜5項のいずれか記載の組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程、レジスト膜を露光する工程、露光後のレジスト膜を現像する工程を含むパターン形成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物によれば、良好な解像度、良好なラインエッジラフネス及び良好なパターン倒れ耐性を有するパターンを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物(以下「レジスト組成物」という場合がある)は、式(I)で表される酸発生剤及び式(II)で表される構造単位を含む樹脂を含有し、式(I)で表される酸発生剤の含有量が、酸発生剤の全量に対して45〜100重量%であり、樹脂における、式(II)で表される構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して35〜70モル%であり、樹脂における、飽和環状炭化水素基を有する構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して50〜70モル%であり、樹脂が、互いに異なる4種以上の構造単位を有する樹脂である。

[式(I)及び式(II)中、Q及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
及びXは、互いに独立に、単結合又は−[CH−を表し、該−[CH−に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
kは、1〜8の整数を表す。
は、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、Yと同じ骨格の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、式(IXa)又は式(IXb)で表されるカチオンを表す。]

[式(IXa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]

[式(IXb)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
mは、0又は1を表す。]
【0013】
がアダマンチル基又はシクロヘキシル基を表すことが好ましく、該アダマンチル基及びシクロヘキシル基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
【0014】
式(I)で表される酸発生剤(以下「酸発生剤(A)」という場合がある)のアニオン部としては、例えば、以下の式(IA)、式(IB)、式(IC)、式(ID)で表されるアニオンなどが挙げられる。
【0015】

【0016】
[式(IA)、式(IB)、式(IC)及び式(ID)中、Q、Q及びYは、式(I)におけるにおけるものと同じものを表す。
11は、炭素数1〜15のアルキレン基を表す。
12は、炭素数1〜16のアルキレン基を表す。]
【0017】
更に、Yが置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するアニオン部、Yが置換基として水酸基を有するアニオン部(ラクトン構造を有するものを除く)、Yがラクトン構造を有するアニオン部、Yがケトン構造を有するアニオン部、Yが置換基として炭素数6〜12のアリール基を有するアニオン部などに分類される。
【0018】
式(IA)で表されるアニオン部としては、例えば、下記のもの等が例示される。
【0019】
式(IA)中、Yが置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0020】

【0021】

【0022】
式(IA)中、Yが置換基として水酸基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0023】

【0024】

【0025】
式(IA)中、Yがラクトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0026】

【0027】
式(IA)中、Yがケトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0028】

【0029】
式(IA)中、置換基として炭素数6〜12のアリール基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0030】

【0031】
式(IB)で表されるアニオン部として、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0032】
式(IB)中、Yが置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0033】

【0034】

【0035】
式(IB)中、Yが置換基として水酸基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0036】

【0037】
式(IB)中、Yがラクトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0038】

【0039】
式(IB)中、Yがケトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0040】

【0041】
式(IB)中、Yが置換基として炭素数6〜12のアリール基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0042】

【0043】
式(IC)で表されるアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0044】
式(IC)中、Yが置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0045】

【0046】
式(IC)中、Yが置換基として水酸基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0047】

【0048】
式(IC)中、Yがラクトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0049】

【0050】
式(IC)中、Yがケトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0051】

【0052】
式(IC)中、Yが置換基として炭素数6〜12のアリール基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0053】

【0054】
式(ID)で表されるアニオン部としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0055】
式(ID)中、Yが置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0056】

【0057】
式(ID)中、Yが置換基として水酸基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0058】

【0059】
式(ID)中、Yがラクトン構造を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0060】

【0061】
式(ID)中、Yが置換基として炭素数6〜12のアリール基を有するアニオン部の具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0062】

【0063】
式(I)におけるZは、式(IXa)又は式(IXb)で表されるカチオンである。
【0064】

【0065】
[式(IXa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]
【0066】

【0067】
[式(IXb)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
mは、0又は1を表す。]
【0068】
炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0069】
式(IXa)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0070】

【0071】
前記式(IXb)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0072】

【0073】

【0074】
前記のアニオン及びカチオンは、組合せることができる。
【0075】
このような酸発生剤(A)を用いる場合、単独で用いても複数種を同時に用いてもよい。また、酸発生剤(A)以外の酸発生剤を併用してもよい。
本発明で用いられる式(I)で表される酸発生剤として、例えば、式(Xa)、式(Xb)、式(Xc)、式(Xd)、式(Xe)、式(Xf)、式(Xg)、式(Xh)、式(Xi)、式(Xj)、式(Xk)又、式(Xl)、式(Xm)、式(Xn)又は式(Xo)等で表される酸発生剤が好ましく挙げられる。
【0076】

【0077】

【0078】
[式(Xa)〜(Xi)中、P〜Pは、式(IXa)におけるものと同じ意味を表す。
10〜P21及びBは、式(IXb)におけるものと同じ意味を表す。
及びQは、式(I)におけるものと同じものを表す。
11は、式(IA)におけるものと同じものを表す。]
【0079】
式(I)で表される酸発生剤(A)の製造方法としては、例えば、式(1)で表される塩と、式(3)で表されるオニウム塩とを、例えば、アセトニトリル、水、メタノール等の不活性溶媒中にて、0〜150℃程度の温度範囲、好ましくは0〜100℃程度の温度範囲で、攪拌して反応させて、酸発生剤(A)を塩として得る方法などが挙げられる。
式(3)のオニウム塩の使用量は、通常、式(1)で表される塩1モルに対して、0.5〜2モル程度である。該塩は再結晶で取り出してもよいし、水洗して精製してもよい。
【0080】

【0081】
[式(1)中、Q、Q、X及びYは、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
Mは、Li、Na、K又はAgを表す。
式(3)中、Zは、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
1−は、F、Cl、Br、I、BF、AsF、SbF、PF、又はClOを表す。]
【0082】
前記の製造に用いられる式(1)で表される塩の製造方法としては、例えば、先ず、式(4)で表されるアルコールと、式(6)で表されるカルボン酸とをエステル化反応させて、式(1)で表される塩を得る方法などが挙げられる。
【0083】

【0084】
[式(4)中、Q、Q、X及びYは、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
式(6)中、Mは、式(1)におけるものと同じ意味を表す。]
【0085】
別法としては、例えば、式(4)で表されるアルコールと式(7)で表されるカルボン酸とをエステル化反応した後、MOHで加水分解して式(1)で表される塩を得る方法等も挙げられる。
【0086】

【0087】
[式(4)中、X及びYは、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
式(7)中、Q及びQは、式(I)におけるものと同じ意味を表す。]
【0088】
前記エステル化反応は、通常、ジクロロエタン、トルエン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒中にて、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。エステル化反応においては、通常、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸などの有機酸及び/又は硫酸等の無機酸を添加してもよい。
【0089】
また、エステル化反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施してもよい。
【0090】
エステル化反応における式(6)で表されるカルボン酸の使用量は、通常、式(4)で表されるアルコール1モルに対して、0.2〜3モル程度、好ましくは0.5〜2モル程度である。エステル化反応における酸触媒の使用量は、触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度である。
【0091】
本発明レジスト組成物は、式(II)で表される構造単位を有する樹脂(以下「樹脂(B)」という場合がある)を含む。樹脂(B)は、式(II)で表される構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して35〜70モル%であり、飽和環状炭化水素基を有する構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して50〜70モル%であり、互いに異なる4種以上の構造単位を有する樹脂である。
【0092】
式(II)で表される構成単位としては、具体的には、例えば、イソボルニルエステル及び2−アルキル−2−アダマンチルエステル、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルエステルのような飽和環状炭化水素基を含むエステルなどが挙げられる。
【0093】
これらの中で、式(IIa)又は式(IIb)で表される構造単位が好ましい。
【0094】

【0095】
[式(IIa)及び式(IIb)中、R及びXは、式(II)におけるものと同じ意味を表す。
は、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の飽和環状炭化水素基を表す。
は、メチル基を表す。
nは、0〜14の整数を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜8の炭化水素基を表すか、あるいはRとRとが互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはヘテロ原子を含んでもよい。また、RとRとが互いに結合してRが結合する炭素原子とR5が結合する炭素原子との間の直接結合を表すか、Rが結合する炭素原子とRが結合する炭素原子との間で二重結合を形成してもよい。
mは、1〜3の整数を表す。]
【0096】
式(IIa)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0097】

【0098】

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】
また、式(IIb)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0103】

【0104】

【0105】
これらの中でも、例えば、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチル又はメタクリル酸1−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニル)メチル等を好ましく挙げることができる。
【0106】
式(II)で表される構造単位は、水酸基(ただし、カルボキシル基中のOH基を除く)を側鎖に有していてもよい。
【0107】
水酸基(ただし、カルボキシル基中のOH基を除く)を側鎖に有する構造単位としては、例えば、カルボン酸の各種エステル、具体的には、例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルに代表される環状アルキルエステル;ノルボルニルエステル、1−アダマンチルエステル、2−アダマンチルエステルのような多環式エステルの一部が水酸基に置換された構造等があげられる。
【0108】
これらの中で、式(III)で表される構造単位等を挙げることができる。
【0109】

【0110】
[式(III)中、R31は、水素原子又はメチル基を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子、メチル基又は水酸基を表す。
は、メチル基を表す。
n’は、0〜10の整数を表す。
Z’’単結合又は−[CHk1−を表し、該−[CHk1−に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
k1は、1〜8の整数を表す。]
【0111】
式(III)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0112】

【0113】

【0114】
これらの中でも、例えば、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸1−(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチル、メタクリル酸1−(3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチル等を好ましく挙げることができる。
【0115】
式(II)で表される構成単位としては、例えば、ラクトン構造を側鎖に有していてもよい。具体的には、例えば、β−ブチロラクトン構造を有する化合物、γ−ブチロラクトン構造を有する化合物、シクロアルキル骨格やノルボルナン骨格にラクトン構造が付加した化合物などがあげられる。
【0116】
これらの中で、例えば、式(IVa)、式(IVb)又は式(IVc)のいずれかで表される構造単位等を好ましく挙げることができる。
【0117】

【0118】
[式(IVa)〜式(IVc)中、R41は、水素原子又はメチル基を表す。
は、水素原子又はメチル基を表す。
lは、1〜5の整数を表す。lが2以上のとき、複数のRは、互いに同一でも異なってもよい。
10及びR11は、互いに独立に、カルボキシル基、シアノ基又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
l’は、0〜3の整数を表す。l’が2以上のとき、複数のR10及びR11は、互いに同一でも異なってもよい。
Z’’は、式(III)におけるものと同じ意味を表す。]
【0119】
式(IVa)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0120】

【0121】
また、式(IVb)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0122】

【0123】

【0124】
また、式(IVc)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0125】

【0126】

【0127】
これらの中でも、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03.7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルから得られる樹脂等を好ましく挙げることができる。
【0128】
樹脂(B)において、式(II)で表される構造単位は、1種でも2種以上含まれていてもよい。
また、樹脂(B)は、式(II)で表される構造単位以外の構造単位を有してもよい。式(II)で表される構造単位以外の構造単位としては、例えば、2−ノルボルネンから導かれる構造単位等が挙げられる。2−ノルボルネンは、重合の際に、例えば対応する2−ノルボルネンの他に無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物を併用したラジカル重合により主鎖へ導入してもよい。2−ノルボルネンから導かれる構造単位は、ノルボルネン構造の二重結合が開いて形成され、式(d)で表すことができる。また、無水マレイン酸及び無水イタコン酸から導かれる構造単位は、無水マレイン酸及び無水イタコン酸の二重結合が開いて形成され、それぞれ式(e)及び(f)で表すことができる。
【0129】

【0130】
ここで、式(d)中のR25及びR26は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基もしくは−COOU(Uはアルコール残基である)を表すか、あるいは、R25及びR26が、−C(=O)OC(=O)−で表されるカルボン酸無水物残基を表す。
前記−COOUは、カルボキシル基がエステルとなったものであり、Uに相当するアルコール残基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、2−オキソオキソラン−3−又は−4−イル基などを挙げることができる。ここで、アルキル基の置換基として、水酸基や炭素数3〜36の飽和環状炭化水素残基などが結合していてもよい。
25及びR26におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、水酸基が結合したアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
【0131】
式(d)で表されるノルボネン構造を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
2−ノルボルネン、
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、
5−ノルボルネン−2−メタノール、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物。
【0132】
なお、式(d)中の前記−COOUのUについて、カルボキシル基の−O−に結合する炭素原子が4級炭素原子である飽和環状炭化水素基を含むエステルなどの酸に不安定な基であれば、ノルボルネン構造を有するといえども、酸に不安定な基を有する構造単位である。ノルボルネン構造と酸に不安定な基とを含むモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0133】
式(I)で表される酸発生剤(A)と、式(II)で表される構造単位を有する樹脂(B)とは、その構造中に、共通する部分構造を有する。具体的には、式(I)におけるYと、式(II)におけるYとが同じ骨格の環である。環が同じ骨格であることにより、樹脂と酸発生剤との相溶性が良好になり、さらに酸の拡散が小さくなりことから、前記の樹脂と酸発生剤とを含む化学増幅型フォトレジスト組成物を用いてパターンを形成する際に、優れたパターンを形成できるという効果を示す。
環に含まれる水素原子が置換された環は、置換基の種類に関わらず、同じ骨格の環に含まれる。
環に含まれる−CH−が他の骨格に置き換わった環は、同じ骨格の環に含まれない。
【0134】
樹脂における、式(II)で表される構造単位の含有量は、樹脂の全構造単位に対して、35〜70モル%であり、好ましくは50〜70モル%である。
更に、樹脂における、飽和環状炭化水素基を有する構造単位の含有量は、樹脂の全構造単位に対して、50〜70モル%であり、好ましくは、50〜65モル%である。
【0135】
樹脂(B)は、互いに異なる4種以上の構造単位を有する樹脂であることが好ましい。
樹脂(B)は、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂であることが好ましい。
このような樹脂(B)は、単独で用いても複数種を同時に用いてもよい。また、樹脂(B)以外の樹脂を併用してもよい。
【0136】
また、本発明レジスト組成物を製造するにあたっては、樹脂及び酸発生剤とともに、塩基性化合物、好ましくは、塩基性含窒素有機化合物、とりわけ好ましくはアミン又はアンモニウム塩を含有させることができる。塩基性化合物をクエンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。クエンチャーに用いられる塩基性化合物としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0137】

【0138】

【0139】
式中、T、T12及びTは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。該アルキル基の水素原子、シクロアルキル基の水素原子又はアリール基の水素原子は、水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
【0140】
13〜T15は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。該アルキル基の水素原子、シクロアルキル基の水素原子、アリール基の水素原子、又はアルコキシ基の水素原子は、互いに独立に、水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
【0141】
は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜10のシクロアルキル基を表す。該アルキル基の水素原子又はシクロアルキル基の水素原子は、互いに独立に、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
【0142】
Aは、炭素数1〜6のアルキレン基、カルボニル基、イミノ基、スルフィド基又はジスルフィド基を表す。
また、T〜Tにおいて、直鎖構造と分岐構造との両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。
【0143】
このような化合物として、具体的には、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−イソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2’−ジピコリルアミン、3,3’−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンなどを挙げることができる。
【0144】
さらには、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
【0145】
より好ましいクエンチャーとしては、式(XII)で表される化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラヘキシルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラオクチルアンモニウムハイドロオキサイド、フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、3−トリフルオロメチル−フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどが挙げられる。
【0146】
本発明の本発明レジスト組成物は、その全固形分量を基準に、通常、樹脂を80〜99重量%程度、酸発生剤を1〜20重量%程度の範囲で含有すればよい。
【0147】
また、本発明レジスト組成物がクエンチャーとして塩基性化合物を含有する場合、該塩基性化合物の含有量は、本発明レジスト組成物の全固形分量を基準に、通常、0.01〜5重量%程度の範囲である。
【0148】
本発明レジスト組成物は、さらに、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0149】
本発明レジスト組成物は、通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態で、シリコンウェハーなどの基体上に、スピンコーティングなどの通常工業的に用いられる方法に従って塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で一般に用いられている溶剤が使用しうる。
【0150】
前記の溶剤としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。
【0151】
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
本発明レジスト組成物は、露光マージンに優れ、液浸リソグラフィ用やダブルイメージング用にも好適に用いることができるので、本発明は工業的に有用である。
【実施例】
【0152】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。実施例及び比較例の中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
【0153】
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
【0154】
装置;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Multipore HXL−M 3本+ guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
【0155】
また、化合物の構造は、NMR(GX−270型又はEX−270型;日本電子(株)製)、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)を用いて確認された。
【0156】
(酸発生剤A1の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.4部(無機塩含有、純度62.7%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)及びN,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し、2時間撹拌して混合物を調製した。
一方、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部及びN,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した。この溶液に、前記の混合物を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を含む溶液をそのまま次の反応に用いた。得られたジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を含む溶液に、クロロホルム17.2部及び14.8%トリフェニルスルホニウムクロライド水溶液2.9部を添加した。15時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。次いで、残った水層をクロロホルム6.5部で抽出することにより有機層を回収した。さらに残った水層に、前記の抽出操作を繰り返して行い、さらに有機層を回収した。前記の各有機層を合せた後、イオン交換水で洗浄し、その後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、撹拌後、濾過することにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(A1)0.2部を得た。
【0157】

【0158】
(酸発生剤A2の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部(無機塩含有、純度62.6%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.6%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部の混合物に、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.5部を得た。H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.4部(純度35.6%)に、アセトニトリル16部及びイオン交換水16部を加えた。得られた混合物に、トリフェニルスルホニウムクロライド1.7部、アセトニトリル5部及びイオン交換水5部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、得られた混合物をクロロホルム142部で抽出することにより有機層を回収した。回収された有機層をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物をtert−ブチルメチルエーテル24部でリパルプすることにより、白色固体としてトリフェニルスルホニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A2)1.7部を得た。
【0159】

【0160】
(酸発生剤A3の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル200部及びイオン交換水300部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液460部を滴下した。得られた混合物を100℃で2.5時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸175部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩328.19部(無機塩を除去していないため、含有量63.5%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩39.4部(含有量63.5%)、1−アダマンタンメタノール21.0部及びジクロロエタン200部の混合物に、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)24.0部を加え、これを7時間加熱還流した。その後、濃縮してジクロロエタンを留去し、濃縮残渣にtert−ブチルメチルエーテル250部添加し、リパルプ後、濾過した。残渣にアセトニトリル250部を添加し、撹拌した後、ろ過し、得られた濾液を濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩32.8部を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩32.8部を、イオン交換水100部に溶解させることにより得られた溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド28.3部及びメタノール140部溶液を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、得られた濃縮物をクロロホルム200部で2回抽出した。2回の抽出により得られた回収された有機層を合せて、該有機層が中性になるまで、イオン交換水を用いた洗浄操作を繰り返し、その後、得られた有機層を濃縮した。濃縮液に、tert−ブチルメチルエーテル300部を添加し、撹拌した後、濾過して白色析出物を回収し、これを減圧乾燥することにより白色結晶としてトリフェニルスルホニウム1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A3)39.7部得た。
【0161】

【0162】
(酸発生剤A4の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル200部及びイオン交換水300部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液460部を滴下した。これを100℃で2.5時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸175部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩328.19部(無機塩含有、純度62.8%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩123.3部(純度62.8%)、1−アダマンタンメタノール65.7部及びジクロロエタン600部の混合物に、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)75.1部を加え、これを12時間加熱還流した。その後、濃縮してジクロロエタンを留去し、濃縮残渣にtert−ブチルメチルエーテル400部を添加し、リパルプ後、濾過した。残渣にアセトニトリル400部を添加し、撹拌後、ろ過を2回繰返し、濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩99.5部を得た。
次いで、2−ブロモアセトフェノン150部をアセトン375部に溶解し、これにテトラヒドロチオフェン66.5部を滴下した。得られた混合物を室温で24時間攪拌した後、生成した白色析出物をろ過して回収し、これをアセトンで洗浄し、次いで乾燥することにより白色結晶として1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウムブロマイド207.9部を得た。
先に得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩99.5部を、アセトニトリル298部に溶解させた。得られた溶液に、上記で得られた1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウムブロマイド79.5部及びイオン交換水159部溶液を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、得られた濃縮物をクロロホルム500部で2回抽出した。2回の抽出により回収された有機層を合せて、これをイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液に、tert−ブチルメチルエーテル250部を添加し、撹拌した後、ろ過して白色析出物を回収し、これを減圧乾燥することにより白色結晶として1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A4)116.9部を得た。
【0163】

【0164】
(酸発生剤A5の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部(無機塩含有、純度62.6%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.8%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部に、濃硫酸0.8部を加え、これを30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.5部を得た。H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩10.0部(純度55.2%)に、アセトニトリル30部及びイオン交換水20部を加えた。これに、1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウムブロミド5.0部、アセトニトリル10部及びイオン交換水5部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、得られた濃縮物をクロロホルム98部で抽出した。前記抽出により回収された有機層をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物を酢酸エチル70部でリパルプすることにより白色固体として1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A5)5.2部を得た。
【0165】

【0166】
(酸発生剤A6の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で2.5時間還流し、冷却後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩158.4部(無機塩含有、純度65.1%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩50.0部(純度65.1%)、シクロヘキシルメタノール18.76部及びジクロロエタン377部に、p−トルエンスルホン酸31.26部を加え、これを6時間加熱還流した。その後、得られた混合物を濃縮してジクロロエタンを留去した後、これにn−ヘプタン200部添加し、リパルプ後、濾過した。得られた濾過残渣にアセトニトリル200部を添加し、撹拌した後、濾過し、回収された濾液を濃縮して、ジフルオロスルホ酢酸−1−シクロヘキシルメチルエステルナトリウム塩39.03部を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸−1−シクロヘキシルメチルエステルナトリウム塩39.03部を、イオン交換水195.2部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド39.64部及びイオン交換水196.4部を添加し、更にアセトニトリル500部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、これを濃縮し、得られた濃縮物をクロロホルム250部で2回抽出した。2回の抽出により回収された有機層を合せて、これをイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮物をtert−ブチルメチルエーテル200部でリパルプすることにより、白色固体としてトリフェニルスルホニウム(1−シクロヘキシルメトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナートジフルオロメタンスルホナート(A6)40.16部を得た。
【0167】

【0168】
(酸発生剤A7の合成)
前述の「酸発生剤A1の合成」に記載された合成方法に準じた合成方法により合成されたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.0部(含有量49.1%)に、クロロホルム50.0部を添加した。得られた混合物に、メチルジフェニルスルホニウムクロライド水溶液42.0部(濃度5.0%)を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、分液し、有機層を回収した。次いで、残った水層をクロロホルム25.0部で抽出することにより有機層を回収した。両者の有機層を合せて、これをイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル29.6部を添加し、撹拌した後、デカンテーションした。残渣に酢酸エチル16.6部を添加し、撹拌した後、デカンテーションすることにより、淡黄色液体としてメチルジフェニルスルホニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A7)1.6部を得た。
【0169】

【0170】
(酸発生剤A8の合成)
チオアニソール5.0部をアセトニトリル15.0部に溶解し、これに過塩素酸銀(I)8.35部を添加し、さらにヨウ化メチル5.71部のアセトニトリル11.4部溶液を添加し、24時間撹拌した。析出した固体を濾過して除去した後、濾液を濃縮してアセトニトリルを留去した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル36.8部を添加し、撹拌後、濾過することにより白色結晶としてジメチルフェニルスルホニウムパークロレート8.22部を得た。
前述の「酸発生剤A6の合成」に記載される合成方法に順下合成方法により合成されたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩5.98部に、クロロホルム35.9部を添加した。得られた混合物に、上記で得られたジメチルフェニルスルホニウムパークロレート4.23部及びイオン交換水12.7部を添加した。得られた混合物を4時間撹拌した後、分液し、有機層を回収した。次いで、残った水層をクロロホルム23.9部で抽出することにより有機層を回収した。回収された両者の有機層を合せて、イオン交換水で中性になるまで洗浄を繰返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル31.8部を添加し、撹拌した後、濾過することにより、白色固体としてジメチルフェニルスルホニウム1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A8)5.38部を得た。
【0171】

【0172】
(酸発生剤A9の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル200部及びイオン交換水300部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液460部を滴下した。得られた混合物を100℃で2.5時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸175部で中和した。得られた溶液を濃縮して、ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩328.19部(無機塩を除去していないため、含有量62.8%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(含有量62.8%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部に、濃硫酸0.8部を加え、これを30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄して、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩を含む混合物5.5部を得た。H−NMRによる分析の結果、無機塩を除去していないため、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩の含有量は57.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩4.3部(含有量57.6%)に、クロロホルム43.0部を添加した。得られた混合物に、下記構造のスルホニウム塩2.2部及びイオン交換水11.7部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、分液し、回収された有機層が中性になるまで、イオン交換水で洗浄を繰返し、得られた有機層を濃縮した。
【0173】

【0174】
濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル15.0部を添加し、撹拌した後、デカンテーションした。残渣を乾燥することにより、白色固体として化合物(A9)2.3部を得た。
【0175】

【0176】
(酸発生剤A10の合成)
リチウムアルミニウムハイドライド10.4部、無水テトラヒドロフラン120部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、エチルジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩62.2部を無水THF900部に溶かした溶液を氷冷下で滴下し、23℃で5時間攪拌した。反応マスに酢酸エチル50.0部、6N塩酸50.00部を添加、攪拌後、分液を行った。有機層を濃縮後、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩を84.7g得た(純度60%)。
また、4−オキソ−1−アダマンタンカルボン酸4.5部、無水THF90部を添加し室温で30分間攪拌し溶解した。この溶液にカルボニルジイミダゾール3.77部、無水THF45部の混合溶液を室温で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応溶液を、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩7.87部(純度60%)、無水THF50部の混合中に、54℃〜60℃で30分間で滴下した。反応溶液を65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、ナトリウム 4−オキソ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート4.97部(収率59%)を得た。
次いで、ナトリウム 4−オキソ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート1.0部、クロロホルム20部を仕込み、23℃で30分間攪拌後、更に塩化トリフェニルスルホニウム(13.1%水溶液)6.3部を23℃で加えた。12時間室温で攪拌した後、分液を行った。有機層にイオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(A10)1.36部を得た。
【0177】

【0178】
(酸発生剤A11の合成)
3−ヒドロキシ−1−アダマンタンカルボン酸3.51部、無水THF75部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、カルボニルジイミダゾール2.89部、無水THF50部の混合溶液を23℃で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応液を、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩6.04部(純度60%)、無水THF50部の混合液中に54〜60℃で、25分間で滴下し、65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、ナトリウム 3−ヒドロキシ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート2.99部を得た。
ナトリウム 3−ヒドロキシ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメ
タンスルホナート1.0部、クロロホルム30部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、塩化トリフェニルスルホニウム(13.1%水溶液)6.3部を23℃で12時間攪拌した後、分液を行った。有機層にイオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(A11)1.6部を得た。
【0179】

【0180】
(酸発生剤A12の合成)
5−ヒドロキシメチル−2−アダマンタノン エチレンケタール1.00部、ピリジン2.47部、無水塩化メチレン5部を添加し23℃で30分間攪拌した。次いで、氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物2.37部、塩化メチレン5部の溶解液を滴下し、3〜5℃で2時間攪拌した。反応溶液に塩化メチレン10部、イオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)分取することにより、5−トリフルオロメタンスルホニルメチル−2−アダマンタノン エチレンケタール1.19部を得た。
水素化ナトリウム0.2285部、無水ジメチルスルホキシド3部を添加し、60℃で30分間攪拌した。次いで、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩0.62部を添加し、60℃で1時間攪拌した。更に、5−トリフルオロメタンスルホニルメチル−2−アダマンタノンエチレンケタール1.00部、無水ジメチルスルホキシド
9部の溶解液を滴下し、60℃で5時間攪拌した。冷却後、反応マスをカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、ナトリウム スピロ{アダマンタン−4,4’−[1,3]ジオキソラン}−1−イル−メトキシメチルジフルオロメタンスルホナート0.28部を得た。 ナトリウム スピロ{アダマンタン−4,4’−[1,3]ジオキソラン}−1−イル−メトキシメチルジフルオロメタンスルホナート0.2部、クロロホルム10部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、塩化トリフェニルスルホニウム(12.8%水溶液)1.5部を23℃で36時間攪拌した後、分液を行った。有機層にイオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(A12)0.24部を得た。
【0181】

【0182】
(酸発生剤A13の合成)
塩化トリフェニルスルホニウム(14.2%水溶液)573.7部、ジフルオロスルホ酢酸 ナトリウム塩(18.0%水溶液)300.0部を仕込み、25℃で約20時間攪拌した。析出した白色固体をろ別、イオン交換水100部で洗浄した後、乾燥してトリフェニルスルホニウム ヒドロキシカルボニルジフルオロメタンスルホナートを88.4部得た。
得られたトリフェニルスルホニウム ヒドロキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート9.5部、N,N’−ジメチルホルムアミド47.6部を仕込み溶解し、炭酸カリウム3.0部、ヨウ化カリウム0.9部を添加し、50℃で約1時間攪拌した。その後、40℃まで冷却し、クロロ酢酸 ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル5.0部、N,N’−ジメチルホルムアミド40部の溶解液を滴下し、40℃で23時間反応した。反応後冷却し、クロロホルム106部、イオン交換水106部を加えて攪拌、静置後、分離した。水層をクロロホルム106部で2回抽出し、全有機層を合わせて、イオン交換水106部で水層が中性になるまで水洗を繰り返した。有機層に活性炭3.5部を加えて攪拌した後、ろ別した。ろ液を濃縮し、酢酸エチル38部を加えて攪拌した後、上澄液を除去した。残渣にtert−ブチルメチルエーテル38部を加えて攪拌した後、上澄液を除去した。残渣をクロロホルムに溶解した後、濃縮して燈色オイル状物として、化合物(A13)4.3部を得た。
【0183】

【0184】
続いて、樹脂の合成例を以下に記載する。当該合成例に用いたモノマーは、下記の通りである。
【0185】

【0186】
〔樹脂B1の合成〕
モノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比35:15:20:30の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8100の共重合体を収率78%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B1とした。樹脂B1におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、50モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、50モル%である。
【0187】

【0188】
〔樹脂B2の合成〕
モノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比30:15:5:20:30の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8500の共重合体を収率73%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B2とした。樹脂B2におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、35モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、50モル%である。
【0189】

【0190】
〔樹脂B3の合成〕
樹脂B2の合成において、モノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーDの仕込み比を、モル比35:5:15:20:25に代えること以外は同様な合成方法に準じて樹脂B3を合成することにより、重量平均分子量が約8600の共重合体を収率70%で得た。樹脂B3におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、50モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、55モル%である。
【0191】
〔樹脂B4の合成〕
モノマーF、モノマーE、モノマーH及びモノマーCを、モル比40:10:10:40の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.2質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7400の共重合体を収率74%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B4とした。樹脂B4におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、50モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、60モル%である。
【0192】

【0193】
〔樹脂B5の合成〕
モノマーA、モノマーB及びモノマーDを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8000の共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B5とした。樹脂B5における無置換のアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は75モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、75モル%である。
【0194】

【0195】
〔樹脂B6の合成〕
モノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比35:15:15:35の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8000の共重合体を収率72%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B6とした。樹脂B6におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、50モル%である。アダマンタノン骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、35モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、50モル%である。
【0196】

【0197】
〔樹脂B7の合成〕
モノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比35:15:40:10の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7800の共重合体を収率73%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B7とした。樹脂B7におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、50モル%である。ノルボルナンラクトン骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、40モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、50モル%である。
【0198】

【0199】
〔樹脂B8の合成〕
モノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比55:5:5:20:15の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8000の共重合体を収率70%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B8とした。樹脂B8におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、60モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、65モル%である。
【0200】

【0201】
〔樹脂B9の合成〕
モノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比55:15:20:10の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8100の共重合体を収率78%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B9とした。樹脂B9におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、70モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、70モル%である。
【0202】

【0203】
〔樹脂B10の合成〕
モノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比35:12:23:30の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8100の共重合体を収率78%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B10とした。樹脂B10におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、47モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、47モル%である。
【0204】

〔樹脂B11の合成〕
モノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比34:8:8:34:16の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7800の共重合体を収率73%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B11とした。樹脂B11におけるアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は、42モル%である。飽和環状炭化水素基を有する構造単位の比率は、50モル%である。
【0205】

【0206】
実施例1〜71、比較例1〜33
表1に示すように、以下の各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、各種の化学増幅型フォトレジスト組成物を調製した。
【0207】
<酸発生剤>
酸発生剤;A1〜A9
C1:トリフェニルスルホニウム ペンタフルオロエタンスルホナート
<樹脂>
樹脂;B1〜B5
<クエンチャー>
Q1:2、6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 245部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
【0208】
シリコンウェハーに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記の化学増幅型フォトレジスト組成物を乾燥後の膜厚が0.15μmとなるようにスピンコートした。組成物塗布後、得られたシリコンウェハーをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークした。このようにして化学増幅型フォトレジスト組成物の膜が形成されたシリコンウェハーに、ArFエキシマステッパー〔FPA5000−AS3;(株)キャノン製、NA=0.75 2/3Annular〕を用いて、露光量を段階的に変化させて、ラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、前記シリコンウェハーは、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理された。次いで、得られたシリコンウェハーは、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像された。
有機反射防止膜基板の上の現像後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を表3に示した。なお、ここでいうダークフィールドパターンとは、外側にクロム層(遮光層)をベースとしてライン状にガラス面(透光部)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られるパターンであり、露光現像後は、ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が残されるものである。得られたパターン等について、以下の評価を行った。
【0209】
実効感度:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で示した。
解像性評価:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光した際のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、比較例3を基準(△で表記)とし、これよりも解像しているものを○、変化がないものを△、これよりも悪化しているものを×として判断した。比較例3は90nmを解像しているが、テーパー形状であり、裾引きが観察された。同じ解像度でも裾引きが改善されている場合には○、裾引きが悪化している場合には×とした。
ラインエッジラフネス評価(LER):リソグラフィプロセス後のレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、比較例3を基準(△で表記)とし、これよりも滑らかになっているものを○、変化がないものを△、これよりも悪化しているものを×とした。
側壁の凹凸線幅を測定し、比較例3より凹凸線幅の小さいものを○、凹凸線幅の大きいものを×とした。
パターン倒れ評価:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光した際のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、比較例3を基準(△で表記)とし、これよりもパターンの線幅細りが緩和されてパターン形状が保持されているものを○、変化がないものを△、パターンにアンダーカットが入っているもの、パターンがその線幅細りにより倒れかかっているもの及び倒れているものを×とした。
【0210】
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 樹脂 酸発生剤 クエンチャー PB/PEB
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 B1/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例2 B1/10部 A1/A2=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例3 B1/10部 A1/A2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例4 B1/10部 A1/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例5 B1/10部 A1/A2=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例6 B1/10部 A1/A2=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例7 B1/10部 A1/A3=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例8 B1/10部 A1/A3=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例9 B1/10部 A1/A3=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例10 B1/10部 A3=0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例11 B1/10部 A1/A4=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例12 B1/10部 A1/A4=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例13 B1/10部 A1/A5=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例14 B1/10部 A1/A6=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例15 B1/10部 A1/A7=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例16 B1/10部 A1/A7=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例17 B1/10部 A1/A7=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例18 B1/10部 A1/A7=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例19 B1/10部 A1/A7=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例20 B1/10部 A1/A8=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例21 B1/10部 A1/A8=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例22 B1/10部 A8=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例23 B1/10部 A1/A9=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例24 B1/10部 A1/A9=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例25 B2/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例26 B2/10部 A1/A2=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例27 B2/10部 A1/A2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例28 B2/10部 A1/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例29 B2/10部 A1/A2=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例30 B2/10部 A1/A2=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例31 B2/10部 A1/A3=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例32 B2/10部 A1/A3=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例33 B2/10部 A1/A3=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例34 B2/10部 A3=0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例35 B2/10部 A1/A4=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例36 B2/10部 A1/A4=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例37 B2/10部 A1/A5=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例39 B2/10部 A1/A6=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例39 B2/10部 A1/A7=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例40 B2/10部 A1/A7=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例41 B2/10部 A1/A7=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例42 B2/10部 A1/A7=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例43 B2/10部 A1/A7=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例44 B2/10部 A1/A8=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例45 B2/10部 A1/A8=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例46 B2/10部 A8=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例47 B2/10部 A1/A9=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例48 B2/10部 A1/A9=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例49 B2/10部 A1/A6=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例50 B3/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例51 B3/10部 A1/A2=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例52 B3/10部 A1/A2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例53 B3/10部 A1/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例54 B3/10部 A1/A2=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例55 B3/10部 A1/A2=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例56 B4/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例57 B4/10部 A1/A2=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例58 B4/10部 A1/A2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例59 B4/10部 A1/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例60 B4/10部 A1/A2=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例61 B4/10部 A1/A2=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例62 B4/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例63 B4/10部 A1/A2=0.50/0.20部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例64 B4/10部 A1/A2=0.40/0.30部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例65 B4/10部 A1/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例66 B4/10部 A1/A2=0.30/0.40部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例67 B4/10部 A1/A2=0.25/0.45部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例68 B6/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例69 B6/10部 A2=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例70 B6/10部 A1/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例71 B7/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例72 B7/10部 A13=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例73 B7/10部 A1/A13=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例74 B7/10部 A1/A2/A13=0.3/0.2/0.2部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例75 B6/10部 A10/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例76 B6/10部 A10/A1=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例77 B6/10部 A12/A2=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例78 B6/10部 A12/A1=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例79 B8/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例80 B9/10部 A1=0.70部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例81 B1/10部 A1/A11=0.35/0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 B5/10部 A1=0.27部 Q1/0.0325部 130℃/130℃
比較例2 B10/10部 A2=0.5部 Q1/0.065部 100℃/105℃
比較例3 B10/10部 A1=0.51部 Q1/0.065部 100℃/105℃
比較例4 B11/10部 A2/A4=0.4/0.3部 Q1/0.065部 100℃/95℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0211】
[表2]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. (*1)モル% (*2)モル% (*3)重量% (*4)重量%
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 50 50 100 100
実施例2 50 50 100 71
実施例3 50 50 100 57
実施例4 50 50 100 43
実施例5 50 50 100 36
実施例6 50 50 100 100
実施例7 50 50 100 100
実施例8 50 50 100 100
実施例9 50 50 100 100
実施例10 50 50 100 100
実施例11 50 50 71 100
実施例12 50 50 50 100
実施例13 50 50 71 71
実施例14 50 50 100 71
実施例15 50 50 100 71
実施例16 50 50 100 57
実施例17 50 50 100 50
実施例18 50 50 100 43
実施例19 50 50 100 36
実施例20 50 50 100 100
実施例21 50 50 100 100
実施例22 50 50 100 100
実施例23 50 50 100 71
実施例24 50 50 100 50
実施例25 35 50 100 100
実施例26 35 50 100 71
実施例27 35 50 100 57
実施例28 35 50 100 50
実施例29 35 50 100 43
実施例30 35 50 100 36
実施例31 35 50 100 100
実施例32 35 50 100 100
実施例33 35 50 100 100
実施例34 35 50 100 100
実施例35 35 50 71 100
実施例36 35 50 50 100
実施例37 35 50 100 71
実施例38 35 50 100 71
15 50 100 29
実施例39 35 50 100 71
実施例40 35 50 100 57
実施例41 35 50 100 50
実施例42 35 50 100 43
実施例43 35 50 100 36
実施例44 35 50 100 100
実施例45 35 50 100 100
実施例46 35 50 100 100
実施例47 35 50 100 71
実施例48 35 50 100 50
実施例49 35 50 100 50
15 50 100 50
実施例50 50 55 100 100
実施例51 50 55 100 71
実施例52 50 55 100 57
実施例53 50 55 100 50
実施例54 50 55 100 43
実施例55 50 55 100 36
実施例56 50 60 100 100
実施例57 50 60 100 71
実施例58 50 60 100 57
実施例59 50 60 100 50
実施例60 50 60 100 43
実施例61 50 60 100 36
実施例62 50 60 100 100
実施例63 50 60 100 71
実施例64 50 60 100 57
実施例65 50 60 100 50
実施例66 50 60 100 43
実施例67 50 60 100 36
実施例68 50 50 100 100
実施例69 35 50 100 100
実施例70 50 50 100 50
35 50 100 50
実施例71 50 50 100 100
実施例72 40 50 100 100
実施例73 50 50 100 50
40 50 100 50
実施例74 50 50 100 43
10 50 100 29
40 50 100 29
実施例75 35 50 100 50
実施例76 35 50 100 100
実施例77 35 50 100 50
実施例78 50 50 100 50
実施例79 60 65 100 100
実施例80 70 70 100 100
実施例81 50 50 100 50
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 75 75 100 100
比較例2 47 47 100 0
比較例3 47 47 100 100
比較例4 42 50 100 43
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*1)環構造:酸発生剤と同じ骨格の環構造を含む構造単位のモル%(重量%)
(*2)飽和環状基:飽和環状基を含む構造単位のモル%
(*3)式(IXa)又は式(IXd)で表されるカチオンを有する酸発生剤の含有量:重量%
(*4)樹脂と同じ骨格の環構造を含む酸発生剤の含有量:重量%
【0212】
[表3]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 実効感度 解像性 LER パターン倒れ耐性
(mJ/cm2)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 43 ○ ○ △
実施例2 40 ○ ○ ○
実施例3 37 ○ ○ ○
実施例4 35 ○ ○ ○
実施例5 34 △ △ ○
実施例6 33 △ △ ○
実施例7 37 ○ ○ ○
実施例8 34 ○ ○ ○
実施例9 33 ○ ○ ○
実施例10 34 △ ○ ○
実施例11 37 ○ ○ ○
実施例12 48 ○ ○ ○
実施例13 38 ○ ○ ○
実施例14 35 ○ ○ ○
実施例15 39 ○ ○ ○
実施例16 39 ○ ○ ○
実施例17 37 ○ ○ ○
実施例18 35 △ △ ○
実施例19 34 △ △ ○
実施例20 48 ○ ○ ○
実施例21 52 ○ ○ ○
実施例22 35 ○ △ △
実施例23 40 ○ ○ ○
実施例24 44 ○ ○ ○
実施例25 45 ○ ○ ○
実施例26 43 ○ ○ ○
実施例27 40 ○ ○ ○
実施例28 38 ○ ○ ○
実施例29 36 △ ○ ○
実施例30 34 △ ○ ○
実施例31 39 ○ ○ ○
実施例32 36 ○ ○ ○
実施例33 35 ○ ○ ○
実施例34 35 △ ○ ○
実施例35 39 ○ ○ ○
実施例36 49 ○ ○ ○
実施例37 40 ○ ○ ○
実施例38 37 ○ ○ ○
実施例39 41 ○ ○ ○
実施例40 40 ○ ○ ○
実施例41 39 ○ ○ ○
実施例42 37 △ ○ ○
実施例43 35 △ ○ ○
実施例44 50 ○ ○ ○
実施例45 54 ○ ○ ○
実施例46 37 ○ △ △
実施例47 42 ○ ○ ○
実施例48 45 ○ ○ ○
実施例49 36 ○ ○ ○
実施例50 47 ○ ○ ○
実施例51 45 ○ ○ ○
実施例52 41 ○ ○ ○
実施例53 39 ○ ○ ○
実施例54 37 △ ○ ○
実施例55 35 △ ○ ○
実施例56 43 ○ ○ ○
実施例57 41 ○ ○ ○
実施例58 37 ○ ○ ○
実施例59 35 ○ ○ ○
実施例60 34 △ ○ ○
実施例61 33 △ ○ ○
実施例62 33 ○ ○ ○
実施例63 31 ○ ○ ○
実施例64 27 ○ ○ ○
実施例65 25 ○ ○ ○
実施例66 24 △ ○ ○
実施例67 24 △ ○ ○
実施例68 44 ○ ○ ○
実施例69 41 △ ○ ○
実施例70 42 ○ ○ ○
実施例71 40 ○ ○ ○
実施例72 38 ○ ○ ○
実施例73 39 ○ ○ ○
実施例74 38 ○ ○ ○
実施例75 41 ○ ○ ○
実施例76 43 ○ ○ ○
実施例77 44 △ ○ ○
実施例78 46 ○ ○ ○
実施例79 43 ○ ○ △
実施例80 44 ○ ○ △
実施例81 43 ○ ○ △
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 38 × × ×
比較例2 38 × △ △
比較例3 44 △ △ △
比較例4 42 △ × ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【産業上の利用可能性】
【0213】
本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物によれば、良好な解像度、良好なラインエッジラフネス及び良好なパターン倒れ耐性を有するパターンを形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される酸発生剤及び式(II)で表される構造単位を含む樹脂を含有し、
式(I)で表される酸発生剤の含有量が、酸発生剤の全量に対して45〜100重量%であり、
樹脂における、式(II)で表される構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して35〜70モル%であり、
樹脂における、飽和環状炭化水素基を有する構造単位の含有量が、樹脂の全構造単位に対して50〜70モル%であり、
樹脂が、互いに異なる4種以上の構造単位を有する樹脂である化学増幅型フォトレジスト組成物。

[式(I)及び式(II)中、Q及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
及びXは、互いに独立に、単結合又は−[CH−を表し、該−[CH−に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
kは、1〜8の整数を表す。
は、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、Yと同じ骨格の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、式(IXa)又は式(IXb)で表されるカチオンを表す。]

[式(IXa)中、P〜Pは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]

[式(IXb)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
mは、0又は1を表す。]
【請求項2】
がアダマンチル基又はシクロヘキシル基を表し、該アダマンチル基及びシクロヘキシル基に含まれる水素原子は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい請求項1記載の組成物。
【請求項3】
式(II)で表される構造単位を含む樹脂が酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂である請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
式(II)で表される構造単位を含む樹脂とは異なる他の樹脂を含む請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
【請求項5】
酸発生剤の含有量が、式(II)で表される構造単位を含む樹脂100質量部に対して、1〜20質量部である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程、レジスト膜を露光する工程、露光後のレジスト膜を現像する工程を含むパターン形成方法。

【公開番号】特開2010−134445(P2010−134445A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245300(P2009−245300)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】