説明

化粧料構成体又は化粧品の装飾方法並びに装飾される化粧品

【課題】光を照射することにより化粧料又は化粧料を容器に収納した化粧品を装飾し、意匠性に優れた化粧料又は化粧料を容器に収納した化粧品を提供すること。
【解決手段】透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体に光を照射し、あるいは、前記化粧料構成体を収納した化粧品の前記化粧料構成体に光を照射し、それによって化粧料構成体が光って化粧料構成体あるいは化粧品が装飾される化粧料構成体あるいは化粧品の装飾方法。さらに、前記方法における容器に発光体を設けた化粧品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料構成体又は化粧料構成体が容器に収納された化粧品の前記化粧料構成体に光を照射して化粧料構成体を光らして化粧料構成体又は化粧品を装飾する方法、並びに前記化粧品において、容器に設けた発光体からの光を前記化粧料構成体に照射すると該化粧料構成体が光り装飾されるようにした化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料及びそれを容器に収納した化粧品は、それらの機能はもとより、意匠的に優れたものが使用者の心を和ませること等から好まれている。従来、化粧料又は化粧料を容器に収納した化粧品(以下、「化粧料収納化粧品等」ともいう。)の意匠性をアップするために、容器の形状、色調、模様等のデザイン、化粧料の色、模様等を工夫していた。
【0003】
光で化粧料収納化粧品等を装飾することも意匠性をアップする一つの方法であり、従来容器を光らせる技術が開発されており、例えば、飲料用のカップ、グラス等に対し光の照射乃至発散性のイルミネーション機能をもたせ、特にそのボトム部分で所定形状の光輝部分が形成されるようにした照明型容器に関する技術(特許文献1参照。)、導電体をもつ容器及びこの導電体に接触給電する給電ディスクと、給電を受け発光する発光装飾体で構成される化粧品等の瓶に照明を施す装飾照明付容器に関する技術(特許文献2参照。)等が開示されている。しかしながら、これらは、化粧品用の容器でなかったり、化粧品用であっても単に容器に光を照射して明るくしたり、光りの色によって色づけしたりするに過ぎず、化粧料収納化粧品等の意匠性としては充分でなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−105231号公報
【特許文献2】特開平8−124410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、光を照射することにより化粧料収納化粧品等を装飾し、意匠性に優れた化粧料収納化粧品等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、透明乃至半透明化粧料と、化粧料組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体に光を照射したところ前記化粧料構成体がきれいに光ってみえ、従来にない意匠性に優れた化粧料構成体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、第一発明は、透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体に光を照射し、それによって化粧料構成体が光って化粧料構成体が装飾される化粧料構成体の装飾方法であって、前記化粧料構成体が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体であることを特徴とする前記化粧料構成体の装飾方法である。
【0008】
また、第二発明は、容器に透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体を収納した化粧品の、前記化粧料構成体に光を照射し、それによって化粧料構成体が光って化粧品が装飾される化粧品の装飾方法であって、前記化粧料構成体が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体であることを特徴とする前記化粧品の装飾方法である。
【0009】
また、第三発明は、容器に設けた発光体から光を照射することを特徴とする前記化粧品の装飾方法である。
【0010】
また、第四発明は、透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体を該化粧料構成体に光を照射する機能を有する発光体を設けた容器に収納した化粧品であって、前記化粧料構成体が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体であり、前記化粧料構成体が前記発光体からの光の照射によって光ることを特徴とする前記化粧品である。
【0011】
本発明において、透明、半透明、不透明は、この順に連続的に変化する状態であり、それぞれ当業者間で認識されている状態のものである。
【0012】
本発明において、光直進透過率とは、分光光度計(例えば、島津製作所製、分光光度計UV−2550)により、10mmの角型石英セルを用いて室温で測定されたものであり、単位は%である。
【0013】
本発明において、液状、半固形、固形等の用語は常温での状態を示す。例えば、半固形、固形とは、常温において流動性を有しないもの。また、液状とは、常温において流動性を有する、例えば液体をいう。なお、液状油分、半固形油分、固形油分等はいずれも当業者の間で認識されているものである。
【0014】
本発明において、光透過性容器は光を透過する性質を有する容器であり、容器内の内容物を蓋を取り外すことなく容器壁面を隔て観察することのできる容器のことをいう。光透過性容器の全光線透過率は1〜100%の範囲を示す。なお、該容器の全光線透過率はJIS K7105、JIS K7361に準じて測定される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体に光を照射するようにしたので、前記化粧料構成体に光が照射されると該化粧料構成体がきれいに光ってみえ、化粧料構成体の視覚効果とあいまって、化粧料構成体に優れた意匠性を付与することができる。前記化粧料構成体を、容器に充填すると、容器が光透過性の場合、容器をとおして化粧料構成体が見え、化粧料構成体が収納された化粧品が優れた意匠性が付与される。また、光を発する発光体を容器に設けて化粧料構成体に光を照射するようにすることにより、発光体とともに化粧品を移動することができ、携帯用の優れた意匠性の化粧品として使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
【0017】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る化粧料構成体又はそれを容器に収納した化粧品(以下、「化粧料構成体収納化粧品等」ともいう。)の装飾方法及び化粧料構成体収納化粧品等について詳説する。
【0018】
図1は本発明の一つの実施の形態に係る化粧品10を示す概念的な図である。また、図2は、図1の化粧品10の構造を説明するために図1の化粧品10の一部の内部構造が見えるように示した概念的な図である。
【0019】
図1及び2における化粧品10は、円柱形の光透過性の容器(光透過性容器45)(高さ45mm、直径20mm)内にリップグロスが収納されている。前記リップグロスは、半透明油性ゲル状化粧料(外側)内に、不透明油性ゲル状化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20である。なお、前記リップグロスが収納された化粧品10は以下のようにして製造した。
【0020】
[リップグロスの製造]
(1)半透明油性ゲル状化粧料(外側)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)重質流動イソパラフィン 40.0
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)ミネラルオイル 残量
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(6)消泡剤 適量
(7)酸化防止剤 適量
(8)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0021】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0022】
(製造方法)
(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカを均一に混練り分散した後、防腐剤、香料を添加して、半透明の油性ゲル状化粧料(リップグロス)を製造した。この化粧料の硬度は10であった。また、前記油性ゲル状化粧料の波長680nm、530nm、470nmの光の光直進透過率はそれぞれ75.635%(680nm)、67.048%(530nm)、59.536%(470nm)であった。以下、波長680nm、530nm、470nmの光の光直進透過率をこのように表す。
【0023】
(2)不透明油性ゲル状化粧料(内側)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)トリエチルヘキサノイン 残量
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(5)酸化チタン 2.6
(6)赤色202号 0.2
(7)黄色4号 1.5
(8)酸化防止剤 適量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0024】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0025】
(製造方法)
(2)〜(4)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを溶解し、油性ゲルを調製後、(5)〜(7)の着色顔料を投入し均一に分散した後、酸化防止剤、防腐剤、香料を添加して、油性ゲル状化粧料を製造した。この油性ゲル状化粧料は外観不透明でありピンク色を呈しており、粘度は11,500mPa・sであった。また、前記油性ゲル状化粧料の光直進透過率は、0.000%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0026】
(3)化粧品10
前記半透明油性ゲル状化粧料(外側)を図1に示した光透過性容器45に温度85℃にて充填した。次いで、前記不透明油性ゲル状化粧料(内側)のデザインが保持できる温度まで前記半透明油性ゲル状化粧料(外側)を放冷して、光透過性容器45の上部から、前記不透明油性ゲル状化粧料(内側)が吐出される充填ノズル(細い管)を前記光透過性容器45内の半透明油性ゲル状化粧料(外側)の底まで入れた。次いで、前記光透過性容器45を回転運動させ、前記ノズルから前記不透明油性ゲル状化粧料(内側)を常温にて吐出させながら前記ノズルを引き上げて、前記半透明油性ゲル状化粧料(外側)内に立体模様(ラセン模様)の不透明油性ゲル状化粧料(内側)が分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(リップグロス)を製造した。
【0027】
なお、前記光透過性容器45は透明なPET製であり、キャップ41(高さ40mm、直径20mm)によって蓋がされている。キャップ41には先端に塗布具44を設けた樹脂製の透明軸43が取り付けられリップグロス中に垂下している。前記軸43の基部にはしごき42部材が設けられており、リップグロスを塗布具44により塗布する際に、不要のリップグロスを取り除く機能を有している。化粧品10の使用に当たっては、前記キャップ41を開けて軸43についたリップグロスを適用部位に該軸43を用いて塗布する。
【0028】
キャップ41の内側には光源として一個の光度1500mcdのLED31からなる発光体30がそれを発光させる電池50に電気的に接続されて内蔵されている。図2において、電池50によってLED31が通電されると、LED31は発光し、発光した光はリップグロスを上方から縦方向に照射し、リップグロス内に入射する。
【0029】
図3には、図1(図2)の化粧品10のリップグロス(化粧料構成体20)に照度1500lxの光を照射した状態の光りの具合を概念的に示した。図3の化粧料構成体20の白い部分が光っていることを示すものである。なお、図3の60は入射光を示すものである。
【0030】
前記図1における実施の形態では、光透過性容器45内に収納される本発明に係る化粧料構成体20として、半透明油性ゲル状化粧料(外側)内に、不透明油性ゲル状化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20のリップグロスを用いた例について説明したが、本発明においては、前記リップグロスからなる化粧料構成体20に限られることはない。
【0031】
本発明における化粧料構成体20は、外側を形成する透明乃至半透明化粧料の内側に組成物及び/又は物質を分離状態で存在させた化粧料構成体20、あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体20又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体20である。なお、前記組成物は透明乃至不透明化粧料であり、前記物質は固体乃至液体状物質又は気体状物質である。
【0032】
本発明における化粧料構成体20を構成する前記透明乃至半透明化粧料は、400〜750nmのいずれかがの波長の光の光直進透過率が0.050%以上のものである。これらのうち、光直進透過率が0.050〜90.000%の範囲の半透明化粧料は、このものに光りを照射することによりきれいな光りを見ることができる。
【0033】
本発明においては半透明の化粧料のみが光りが照射されることにより光る。透明な化粧料は光らない。また、光が透過しない400〜750nmのいずれの波長の光の光直進透過率が0.000の不透明な化粧料でも光らない。
【0034】
半透明状の化粧料は、該化粧料を透過する光の拡散光によって光るものと考えられる。すなわち、半透明化粧料に入射された光は、ゲル等の組成、粉体(以下、粉末ともいう。)等の物質、粒子・界面・結晶等の構成等によって屈折、散乱、反射等を起こし、進行方向や空間的な分布等に変化を受けて、透過する光の一部が拡散等によって妨げられることによって光ってみえると考えられる。
【0035】
本発明の図1〜3においては、化粧料構成体20に光りが照射されることにより、光は外側の半透明な化粧料を透過し、半透明化粧料を光らし、透過した光は内側の不透明な化粧料に反射し、該不透明化粧料の周辺を光らせる。
【0036】
本発明に係る半透明化粧料としては、例えば、次の(A)〜(D)の半透明化粧料が挙げられる。
(A)半透明油性化粧料
(B)水、油分、界面活性剤を含有した、エマルジョンからなる半透明化粧料
(C)液晶からなる半透明化粧料
(D)半透明水性化粧料
【0037】
以下、前記(A)〜(D)の半透明化粧料について、詳述する。
【0038】
(A)半透明油性化粧料について
半透明油性化粧料は液状油分を半透明化した化粧料であれば特に限定されず、例えば、(A1)液状油分及び油ゲル化剤を含有した、液状油分を油ゲル化剤でゲル化した油性ゲル状化粧料、(A2)液状油分及び固形状油分を含有した、液状油分を固形状油分で増粘乃至固化した油性化粧料等が挙げられる。これらの半透明油性化粧料は、液状油分を油ゲル化剤でゲル化する、液状油分に固形状油分を配合する等により調製される。例えば、前記(A1)の油性化粧料における油ゲル化剤の配合量は特に限定されないが、前記油性化粧料全量中1〜20質量%の範囲で配合すれば充分である。また、前記(A2)の油性化粧料における固形状油分の配合量は特に限定されることなく、固形状油分の種類、配合量を調整することによって流動性を有するものから固形化されたものまでを得ることができる。本発明においては、液状油分を油ゲル化剤でゲル化して半透明化した油性化粧料であると、光の照射によって特にきれいに見られる。
【0039】
(B)エマルジョンからなる半透明化粧料について
エマルジョンからなる半透明化粧料は、外観が半透明を呈するエマルジョンからなる化粧料である。該化粧料は、エマルジョンを製造する一般的な方法で調整される。例えば、エマルジョンを構成する分散相と分散媒相の屈折率の差、油分量、界面活性剤量を調整して乳化することによって調製することができる。
【0040】
(C)液晶からなる半透明化粧料について
液晶からなる半透明化粧料は液晶により半透明を呈するものであり、前記液晶としては、スメティック液晶、ネマティック液晶、コレステリック液晶等が用いられる。また、液晶を形成する化合物としては、例えば、リン脂質、多価アルコール、低級アルコール、コレステロール誘導体等が挙げられる。
【0041】
(D)半透明水性化粧料について
半透明水性化粧料は水を半透明化した化粧料であれば特に限定されず、例えば、(D1)水及び水ゲル化剤を含有した、水を水ゲル化剤でゲル化した水性ゲル状化粧料等が挙げられる。これらの半透明水性化粧料は、水を水ゲル化剤でゲル化する等の方法で調製される。例えば、前記(D1)の水性化粧料における水ゲル化剤の配合量は特に限定されないが、前記水性化粧料全量中1〜20質量%の範囲で配合すれば充分である。
【0042】
また、前記透明化粧料としては特に限定されないが、例えば、透明エマルジョン化粧料、水を水溶性増粘剤で増粘させた透明水性化粧料等が挙げられる。前記透明エマルジョン化粧料は、例えば、エマルジョンを構成する分散相と分散媒相の屈折率の差、油分量、界面活性剤量を調整して乳化することによって調製することができる。また、前記水を水溶性増粘剤で増粘させた透明水性化粧料は、水溶性増粘剤を水に均一に混合、溶解することによって調製される。
【0043】
また、前記不透明化粧料としては、例えば、前記不透明エマルジョン化粧料の他、粉末を配合して不透明化した油性ゲル状化粧料、油性固形化粧料、水性ゲル化粧料等が挙げられる。前記不透明エマルジョン化粧料は一般的なエマルジョンの調製法を用いて製造する。なお、不透明化粧料は造粒物であることが好ましい。
【0044】
また、前記固体状物質としては、例えば、ガラス、クリスタル、PET、シリコーン等が挙げられる。また、固形状油分等の化粧料原料も挙げることができる。
【0045】
また、前記気体状物質としては、例えば、気泡等が挙げられる。
【0046】
本発明に係る前記透明化粧料、半透明化粧料、不透明化粧料の構成成分としては、化粧料に一般的に用いられるものから選択して用いることができる。
【0047】
例えば、液状油分としては、例えば、マカデミアナッツ油、月見草油、ホホバ油、重質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸、オレイルアルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、パーフロロポリエーテル等が挙げられる。
【0048】
固形状油分としては、例えば、硬化油、モクロウ、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ホホバロウ、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セチルアルコール、トリミリスチン酸グリセリル等が挙げられる。
【0049】
界面活性剤としては、化粧料に一般的に用いられるものが挙げられる。例えば、パルミチン酸ナトリウム、アシルメチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等の両性界面活性剤;
【0050】
ソルビタンモノステアレート、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)ソルビタンモノオレエート、POEソルビットモノラウレート、POEソルビタンモノオレート、POEグリセリンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(以下、PEGという。)モノオレート、PEGジステアレート、POE2−オクチルドデシルエーテル、プルロニック型類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)2−デシルテトラデシルエーテル、POE硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0051】
粉体としては、化粧料に一般的に用いられるものが挙げられる。例えば、ラメ材、顔料(有機、無機、パール顔料等)、シリカ、高分子材料、シリコーン系粉体等が挙げられる。
【0052】
前記ラメ材としては、具体的に、(PET/PMMA)ラミネート、(PET/ポリオレフィン)ラミネート、(PET/Al/エポキシ樹脂)ラミネート等が挙げられる。
【0053】
前記有機顔料としては、具体的に、赤色202号、赤色201号、赤色228号、赤色226号、青色404号、黄色4号、黄色5号等が挙げられる。
【0054】
前記無機顔料としては、具体的に、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素等が挙げられる。
【0055】
前記パール顔料としては、具体的に、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス、ホウケイ酸(Ca/Al)等が挙げられる。
【0056】
前記高分子材料としては、具体的に、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリアミド樹脂粉末、セルロース粉末等が挙げられる。
【0057】
前記シリコーン系粉体としては、具体的に、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。
【0058】
油ゲル化剤としては、パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸石けん等の金属石鹸、ジメチルシリル化シリカ等の処理シリカ、シロキサンベースのポリアミド類等が挙げられる。
【0059】
水ゲル化剤としては、デンプングリコール酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、セルロース、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド共重合体、ベントナイト、ラポナイト、微粉酸化ケイ素、コロイダルアルミナ等が挙げられる。
【0060】
その他、例えば、水、前記以外の油分、保湿剤、多価アルコール、増粘剤、前記以外の水溶性高分子、皮膜形成剤、非水溶性高分子、高分子エマルジョン、低級アルコール、糖類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ビタミン類、美白剤,皮膚賦活剤,血行促進剤,抗脂漏剤,抗炎症剤(消炎剤)等の薬剤、植物抽出物、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、収斂剤、清涼剤、香料等を挙げることができる。
【0061】
本発明における化粧料構成体20は、光透過性容器45に収納して化粧品10として容器(光透過性容器45)をとおして光りの状態を見ることができる。また、前記構成体が固形状のものであれば容器をとおさずに光りの状態を見ることもできる。
【0062】
化粧料構成体20の調製法については、特に限定されないが、例えば、(1)容器内に、下層に位置する充填物を充填した後、その上から上層に位置する充填物を充填する方法や、(2)容器内に、外側に位置する充填物を充填した後、ノズル等を用いて前記充填物中に内側に位置する充填物をノズル等から吐出して充填する方法や、(3)容器内に、外側に位置する充填物を充填した後、内側に位置する充填物を添加し、該充填物を分散させる方法や、(4)一般的なモールド成型や滴下法等の任意の方法により成型あるいは造粒された内側に位置する充填物を外側に位置する充填物に分散し、該分散物を容器内に充填する方法等が挙げられる。また、調製の際の化粧料の充填温度等の温度については、化粧料の物性やデザイン描画性・保持性等を考慮したうえで任意に設定される。
【0063】
本発明における化粧料構成体20は、例えば、前記化粧料構成体20の内側の組成物(化粧料)や物質によって立体模様のデザインを形成させることができる。具体的なデザインとしては、例えば、ラセン模様、玉模様、星形模様、ランダム模様、造形物からなる模様等が挙げられる。
【0064】
なお、透明乃至半透明化粧料の内側に前記透明乃至不透明化粧料からなる組成物を存在させる場合、内側に位置する前記組成物(化粧料)は、外側に位置する前記組成物と分離状態で存在させることができれば特にその形態は限定されないが、安定に存在させるためには、流動性の液状でないものが好ましい。
【0065】
前記化粧料構成体20の分離状態で存在する各組成物は、いずれも、粘度で測定できる範囲のものは、B型回転粘度計(ローターNo.1〜4、回転数12r/min.)(例えば、東機産業株式会社製のB型回転粘度計)で25℃で測定したときの値として、粘度1,000〜200,000mPa・sの範囲にすることが好ましい。
【0066】
また、硬度で測定できる範囲のものは、25℃の試料を、FUDOH REO METER(例えば、レオテック社製のFUDOH REO METER)で、10φの球を使用し、進入速度6cm/min.、20mm進入したときの値として、硬度1〜100の範囲にすることが好ましい。本発明における粘度、硬度は、特に記載があるものを除き全て上記条件で測定されたものである。
【0067】
なお、硬度が前記測定法で測定不能の固形化粧料のような硬いものについては、25℃の試料を、FUDOH REO METER(例えば、レオテック社製のFUDOH REO METER)で、2φの平板を使用し、進入速度3cm/min.にて進入したときの平均値(固形化粧料の測定条件で測定した硬度という。)として、硬度50〜300の範囲にすることが好ましい。上記粘度もしくは硬度の好ましい範囲は、特に前記デザインを形成させる場合に、デザインが安定に得られる点で好ましい。
【0068】
本発明における化粧料構成体20の具体的応用例としては、例えば、固形状タイプの棒状化粧料(口紅、リップクリーム、ファンデーション、化粧下地等)、化粧石鹸等、液状、半固形状タイプの口紅、リップクリーム、ファンデーション、化粧下地等、リップグロス、ヘアワックス、コールドクリーム、ヘアカラー、洗顔料、化粧水、乳液、美容液、シャンプー、リンス、オーデコロン、練り香水、爪クリーム、エナメル、バスオイル等が挙げられる。
【0069】
光り方については、化粧料構成体20が、透明乃至半透明化粧料の内側に透明乃至不透明化粧料及び/あるいは固体状物質又は気体状物質を分離状態で存在させた化粧料構成体20の場合で、外側が透明化粧料の場合、該透明化粧料と内側の透明化粧料、半透明化粧料、不透明化粧料、固形状物質又は気体状物質等の組成物又は物質のそれぞれとの界面が光ってみえ、美しい装飾がみられる。特に、化粧料構成体20によってデザインを形成させることによって、前記化粧料構成体20に光を照射すると、デザインの界面で光が反射することにより、デザインの外周が光ってみえたりする等デザインの意匠性に加えて、意匠性をさらに向上させることができる。なお、内側が半透明化粧料の場合、該半透明化粧料も光りが見られ、意匠性はさらに向上する。
【0070】
外側が半透明化粧料の場合、透明化粧料同様に装飾され、さらに加えて、外側の半透明化粧料も光って美しさを増す。
【0071】
また、化粧料構成体20が、透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体20又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体20の場合、前記外側と内側から構成される化粧料構成体20と同様、透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質の、上下2段以上に重ねた境界又は縦方向の多重の境界が光ってみえ、美しい装飾がみられ、さらに半透明化粧料も光って美しい意匠性を発揮する。
【0072】
前記図1〜3を用いて説明した実施の形態では、光源としての発光体30としてLED31の例について説明したが、発光体30はこれに限られず、光を発して、前記化粧料構成体収納化粧品等の化粧料構成体20を照射する機能を有するものであればよく、例えば、紫外線ライト、蛍光体を使用することも可能である。例えば、紫外線ライトを発光体30とした場合、照射部分に紫外線にて発光する成分又は材料等があれば、審美的な発光を得ることができる。また、蛍光体を発光体30とした場合は、電源が不要の為、省スペースにて半永久的に発光を得ることができる。
【0073】
発光体30の取り付け位置については、前記実施の形態では、発光体30は容器(光透過性容器45)のキャップ41の内側に内蔵されている例について説明したが、特に限定されるものではなく、容器の底部等他の部位に内蔵しても構わず、また塗布具44の付いた化粧品10等のように部材を設けた化粧品10においては、塗布具44等の部材を蛍光材料で形成して発光体30としてもよい。また、前記実施の形態では、発光体30を1個設けた例について説明したが、発光体30の個数は任意に設定することができる。また発光体30を容器とは別体にした装置に設けてもよい。該別体の装置は容器に組み込んでも、また容器とは別体を維持して外部から照射しても構わない。発光体30を光源として利用するために発光体30を光らす方法は、電池50によるものに限られず、種々の方法を利用することができる。発光体30からの光を化粧品10の収納物に照射するに当たっては、特に限定されないが、化粧品10の収納物の全体に照射しても、また一部でも構わない。本発明において、照射する光りは、白色光、着色光等いずれでも構わない。
【0074】
光量についても、種々変化させることにより、異なった趣のある光を見ることができる。例えば、光量を弱めたLED31を照射すると、化粧料構成体20中の半透明化粧料の視覚効果が増大し、光によるグラデーション効果が得られる。また、光量を強めLED31を照射すると、光拡散効果により半透明化粧料全体が光って見える。LED31の色は、白色、赤色、緑色いずれでも利用可能である。
【0075】
容器の形態としては、特に限定されることなく、化粧品用容器として一般的なものが用いられる。例えば、円柱、直方体、立方体、球状等の形状を有するものいずれでも構わない。また、容器のタイプで示せば、前記ボトルタイプ以外に、ジャー、チューブ、コンパクト容器、ポンプ容器、口紅容器等とすることができる。
【0076】
また、前記実施の形態では、容器が光透過性素材で形成された透明な光透過性容器45の例について説明したが、このものに限定されるものではなく、半透明であってもよい。光透過性容器45は透明であることが好ましい。また、光透過性容器45は全てが光透過性素材でなくても一部が光透過性であればよい。また、化粧料構成体20が、容器に収納され容器に収納されたものをそのまま使用するような化粧料の場合、容器は光透過性容器45である必要があるが、化粧料構成体20が、例えば棒状のリップスティックのように固体状で、繰り出し式容器に収納されて、化粧料が容器から飛び出るものである場合、容器は必ずしも光透過性容器45でなくても構わない。また、容器の材質としては前記PET等の樹脂以外に、ガラス、金属等を用いることができる。
【0077】
以上説明したように、本発明は、透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体20に光を照射し、それによって化粧料構成体20が光って化粧料構成体20が装飾される化粧料構成体20の装飾方法であって、前記化粧料構成体20が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体20あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体20又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体20であることを特徴とする前記化粧料構成体20の装飾方法を提供する。
【0078】
さらに、容器に透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体20を収納した化粧品10の、前記化粧料構成体20に光を照射し、それによって化粧料構成体20が光って化粧品10が装飾される化粧品10の装飾方法であって、前記化粧料構成体20が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体20あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体20又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体20であることを特徴とする前記化粧品10の装飾方法を提供する。
【0079】
これらの方法によれば、化粧料構成体20に光が照射されるので、化粧料構成体20の一部又は全部が光ってみえたり、該化粧料構成体20の多相の界面、例えば、内相の組成物又は物質の表面はきれいに光ったりし、化粧料構成体20自体や化粧料構成体20が収納された化粧品10に優れた意匠性を付与することができる。例えば、前記化粧料構成体20の内相のデザインを工夫すれば、視覚効果を向上させることもできる。
【0080】
前記装飾方法の一実施態様として、容器に設けた発光体30から光を照射することを特徴とする前記化粧品10の装飾方法を採用することができる。これによれば、前記意匠性に優れた化粧品10を携帯用として移動することができる。
【0081】
また、本発明においては、前記方法を用いて、透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体20を該化粧料構成体20に光を照射する機能を有する発光体30を設けた容器に収納した化粧品10であって、前記化粧料構成体20が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体20あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体20又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体20であり、前記化粧料構成体20が前記発光体30からの光の照射によって光ることを特徴とする前記化粧品10が提供される。なお、前記容器は、光透過性容器45であることが好ましい。
【0082】
このように、前記発光体30を容器に設けた化粧品10とすることにより、発光体30とともに化粧品10を移動することができる。携帯用として、前記方法によって得られる優れた意匠性の化粧品10を具現化できる。
【実施例】
【0083】
以下、さらに実施例を挙げて本発明について説明する。配合量は質量%である。
【0084】
[製造例1]透明化粧料(透明エマルジョン化粧料)
成分 配合量(質量%)
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.1
イソステアリン酸PEG−15グリセリル 0.5
PEG−40水添ひまし油 1.0
プルラン 0.1
1,3−BG 6.0
グリセリン 4.0
水 残量
防腐剤 適量
合計100.0
【0085】
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、イソステアリン酸PEG−15グリセリル、PEG−40水添ひまし油を混合し、加熱した(A部)。一方、他の成分を混合、加熱した後、前記A部を添加しながら乳化して、低粘度(液状)の透明なエマルジョンからなる化粧料を製造した。前記透明エマルジョン化粧料の光直進透過率は、98.890%(680nm)、99.060%(530nm)、99.605%(470nm)であった。
【0086】
[製造例2]透明化粧料(水性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)水 残量
(2)カルボマー 0.4
(3)防腐剤 適量
(4)1,3−BG 8.3
(5)グリセリン 4.5
(6)ペンチレングリコール 1.0
(7)水 2.0
(8)pH調整剤 適量
合計100.0
【0087】
(1)〜(3)を充分溶解し、該溶解物に(4)〜(6)を溶解した後、(7)〜(8)を添加しpH調整を行って、透明状の水性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料の粘度は55,000mPa・sであった。また、前記水性ゲル状化粧料の光直進透過率は、98.826%(680nm)、97.478%(530nm)、96.741%(470nm)であった。
【0088】
[製造例3]半透明化粧料(油性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)重質流動イソパラフィン 残量
(3)ミネラルオイル 20.0
(4)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(6)酸化防止剤 適量
(7)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(8)赤色202号 0.1
(9)ホウケイ酸(Ca/Al) 2.0
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
合計100.0
【0089】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0090】
(2)〜(6)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカ、赤色202号を均一に混練分散した後、ホウケイ酸(Ca/Al)、防腐剤、香料を添加して、半透明の油性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料は硬度10であった。また、前記油性ゲル状化粧料の光直進透過率は0.075%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0091】
[製造例4]半透明化粧料(油性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)重質流動イソパラフィン 残量
(3)ミネラルオイル 20.0
(4)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(6)消泡剤 適量
(7)酸化防止剤 適量
(8)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(9)赤色202号 0.01
(10)(PET/PMMA)ラミネート 0.1
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
合計100.0
【0092】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0093】
(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカ、赤色202号を均一に混練分散した後、(PET/PMMA)ラミネート、防腐剤、香料を添加して、半透明の油性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料は硬度10であった。また、前記油性ゲル状化粧料の光直進透過率は44.299%(680nm)、10.921%(530nm)、21.537%(470nm)であった。
【0094】
[製造例5]半透明化粧料(油性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)重質流動イソパラフィン 40.0
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)ミネラルオイル 残量
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(6)消泡剤 適量
(7)酸化防止剤 適量
(8)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0095】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0096】
(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、ジメチルシリル化シリカを均一に混練り分散した後、防腐剤、香料を添加して、半透明の油性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料の硬度は10であった。また、前記油性ゲル状化粧料の光直進透過率は75.635%(680nm)、67.048%(530nm)、59.536%(470nm)であった。
【0097】
[製造例6]半透明化粧料(油性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)重質流動イソパラフィン 40.0
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)ミネラルオイル 残量
(5)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(6)消泡剤 適量
(7)酸化防止剤 適量
(8)赤色202号 0.05
(9)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
合計100.0
【0098】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0099】
(2)〜(7)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを加熱溶解し油性ゲルを調製したものに、赤色202号、ジメチルシリル化シリカを均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、半透明の油性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料の粘度は22,500mPa・sであった。また、前記油性ゲル状化粧料の光直進透過率は0.188%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0100】
[製造例7]半透明化粧料(油性液状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)マイクロクリスタリンワックス 0.5
(2)ミネラルオイル 残量
(3)水添ポリイソブテン 60.0
(4)消泡剤 適量
(5)酸化防止剤 適量
(6)赤色202号 0.05
(7)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(8)防腐剤 適量
(9)香料 適量
合計100.0
【0101】
(1)〜(5)の油性成分を加熱溶解したものに、赤色202号、ジメチルシリル化シリカを均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、半透明の油性液状化粧料化粧料を製造した。この化粧料の粘度は4,130mPa・sであった。また、前記油性液状化粧料の光直進透過率は0.169%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0102】
[製造例8]不透明化粧料(不透明エマルジョン化粧料)
成分 配合量(質量%)

PEG−7ジメチコン 1.5
シクロペンタシロキサン 13.0
1,3−BG 2.0
水 2.0

ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 5.0
シクロペンタシロキサン 16.0
シクロヘキサシロキサン 13.0
架橋型メチルポリシロキサン 0.1
PEG−7ジメチコン 0.5
PEG−10ジメチコン 2.0

酸化亜鉛 3.0
酸化チタン 15.0

水 残量
1,3−BG 3.0
防腐剤 適量
添加剤 適量
合計100.0
【0103】
常温にて、B成分C成分を均一分散し顔料ペーストを調製した。顔料ペーストをA成分に分散した後、D成分を徐々に添加、分散乳化して不透明のエマルジョン化粧料を製造した。この化粧料の粘度は3,500mPa・sであった。また、前記不透明エマルジョン化粧料の光直進透過率は0.000%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0104】
[製造例9]不透明化粧料(油性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸デキストリン(注) 5.0
(2)トリエチルヘキサノイン 残量
(3)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(4)リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(5)酸化チタン 2.6
(6)赤色202号 0.2
(7)黄色4号 1.5
(8)酸化防止剤 適量
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0105】
(注)レオパールKL(千葉製粉株式会社製)
【0106】
(2)〜(4)の油性成分にパルミチン酸デキストリンを溶解し、油性ゲルを調製後、(5)〜(7)の着色顔料を投入し均一に分散した後、酸化防止剤、防腐剤、香料を添加して、油性ゲル状化粧料を製造した。この油性ゲル状化粧料は外観不透明でありピンク色を呈しており、粘度は11,500mPa・sであった。また、前記油性ゲル状化粧料の光直進透過率は、0.000%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0107】
[製造例10]不透明化粧料(油性固形化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)ヒドロキシステアリン酸 10.0
(2)水添アビエチン酸グリセリル 8.0
(3)ミネラルオイル 残量
(4)イソノナン酸イソトリデシル 10.0
(5)ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 50.0
(6)酸化防止剤 適量
(7)赤色202号 2.0
(8)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
合計100.0
【0108】
(1)〜(6)の油性成分を加熱溶解したものに、赤色202号、ジメチルシリル化シリカを均一に混練分散した後、防腐剤、香料を添加して、不透明の油性固形化粧料を製造した。この化粧料の硬度は固形化粧料の測定条件で270であった。また、前記油性固形化粧料の光直進透過率は0.000%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0109】
[製造例11]不透明化粧料(水性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)水 残量
(2)カルボマー 0.3
(3)防腐剤 適量
(4)1,3−BG 6.5
(5)グリセリン 3.5
(6)ペンチレングリコール 1.0
(7)水 2.0
(8)pH調整剤 適量
(9)マイカ 10.0
(10)ガラス末 10.0
合計100.0
【0110】
(1)〜(3)を充分溶解し、該溶解物に(4)〜(6)成分を溶解した後、(7)〜(8)を添加しpH調整を行った後、(9)、(10)を添加し分散させて不透明の水性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料の粘度は64,000mPa・sであった。また、前記水性ゲル状化粧料の光直進透過率は0.000%(680nm)、0.000%(530nm)、0.000%(470nm)であった。
【0111】
[製造例12]半透明化粧料(水性ゲル状化粧料)
成分 配合量(質量%)
(1)水 残量
(2)カルボマー 0.4
(3)防腐剤 適量
(4)1,3−BG 8.3
(5)グリセリン 4.5
(6)ペンチレングリコール 1.0
(7)水 2.0
(8)pH調整剤 適量
(9)ガラス末 0.01
合計100.0
【0112】
(1)〜(3)を充分溶解し、該溶解物に(4)〜(6)を溶解した後、(7)〜(8)を添加しpH調整を行った後、(9)を添加し分散させて半透明の水性ゲル状化粧料を製造した。この化粧料の粘度は55,000mPa・sであった。また、前記水性ゲル状化粧料の光直進透過率は64.906%(680nm)、62.514%(530nm)、61.773%(470nm)であった。
【0113】
上記製造例で示した化粧料を用いて本発明の化粧料構成体20及び該化粧料構成体20を光透過性容器45に収納した化粧品10を製造した。以下、代表的な化粧品10を実施例として示す。
【0114】
[実施例1]
半透明化粧料(外側)内に、半透明化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0115】
製造例4で得られた半透明化粧料(外側)を光透過性容器45に温度85℃にて充填した。なお、前記光透過性容器45は、図4に示したほぼ円柱形のPET製光透過性容器45(高さ;45mm、直径;最小20mm、最大25mm)であり、照明関連の機構は図2と同じである。
【0116】
次いで、製造例6の半透明化粧料(内側)のデザインが保持できる温度まで前記半透明化粧料(外側)を放冷して、光透過性容器45の上部から、製造例6の半透明化粧料(内側)が吐出される充填ノズル(細い管)を前記光透過性容器45内の半透明化粧料(外側)の底まで入れた。次いで、前記光透過性容器45を回転運動させ、前記ノズルから前記半透明化粧料(内側)を常温にて吐出させながら前記ノズルを、前記半透明化粧料(外側)内を上下させて、前記半透明化粧料(外側)内に立体模様(星形模様)の半透明化粧料(内側)が分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(リップグロス)を製造した。
【0117】
次いで、図3における場合と同様に照度1500lxのLED31にて、上方から縦方向に照射し、横方向から目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、外側及び内側の半透明化粧料が共に光って見え、該化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。なお、内側の半透明化粧料の周辺は光って見え、美しさを増していた。図4には、前記化粧品10の化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図を示した。
【0118】
[実施例2]
半透明化粧料(外側)内に、不透明化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0119】
製造例5で得られた半透明化粧料(外側)を実施例1と同様の光透過性容器45に温度85℃にて充填した。
【0120】
次いで、製造例9の不透明化粧料(内側)のデザインが保持できる温度まで前記半透明化粧料(外側)を放冷して、光透過性容器45の上部から、製造例9の不透明化粧料(内側)が吐出される充填ノズル(細い管)を前記光透過性容器45内の半透明化粧料(外側)の底まで入れた。次いで、前記光透過性容器45を回転運動させ、前記ノズルから前記不透明化粧料(内側)を常温にて吐出させながら前記ノズルを引き上げて、前記半透明化粧料(外側)内に立体模様(ラセン模様)の不透明化粧料(内側)が分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(リップグロス)を製造した。
【0121】
次いで、実施例1と同様に目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、外側の半透明化粧料が光って見え、さらに内側の不透明化粧料の周辺が光って見え、前記化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。なお、図5には、前記化粧品10の化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図を示した。
【0122】
[実施例3]
半透明化粧料(外側)内に、半透明化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0123】
製造例4で得られた半透明化粧料(外側)を実施例1と同様の光透過性容器45に温度85℃にて充填した。
【0124】
次いで、製造例7の半透明化粧料(内側)のデザインが保持できる温度まで前記半透明化粧料(外側)を放冷して、光透過性容器45の上部から、製造例7の半透明化粧料(内側)が吐出される充填ノズル(細い管)を前記光透過性容器45内の半透明化粧料(外側)の底まで入れた。次いで、前記光透過性容器45を間欠回転運動させ、前記ノズルから前記半透明化粧料(内側)を常温にて吐出させながら前記ノズルを引き上げて、前記半透明化粧料(外側)内に立体模様(玉模様)の半透明化粧料(内側)が分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(リップグロス)を製造した。
【0125】
次いで、実施例1と同様に目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、外側及び内側の半透明化粧料が共に光って見え、該化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。なお、内側の半透明化粧料の周辺は光って見え、美しさを増していた。図6には、前記化粧品10の化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図を示した。
【0126】
[実施例4]
透明化粧料(外側)内に、不透明化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0127】
製造例2で得られた透明化粧料(外側)を常温にて光透過性容器45に充填した。なお、前記光透過性容器45は、円柱形のPET製光透過性容器45(高さ;95mm、直径;30mm)であり、照明関連の機構は図2と同じであるが、光透過性容器45の下部に設けたものである。
【0128】
次いで、常温にて、光透過性容器45の上部から、製造例8の不透明化粧料(内側)が吐出される充填ノズル(細い管)を前記光透過性容器45内の透明化粧料(外側)の底まで入れた。次いで、前記光透過性容器45を回転運動させ、前記ノズルから前記不透明化粧料(内側)を常温にて吐出させながら前記ノズルを、前記透明化粧料(外側)内を上下させて、前記透明化粧料(外側)内に立体模様の不透明化粧料(内側)が分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(美容ゲルクリーム)を製造した。
【0129】
次いで、図2と同様の部品を用い、照度1500lxのLED31にて、下方から縦方向に照射し、横方向から目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、内側の不透明化粧料の周辺が光って見え、該化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。図7には、前記化粧品10の化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図を示した。
【0130】
[実施例5]
透明化粧料(外側)内に、不透明化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0131】
実施例4の「製造例8の不透明化粧料(内側)」を「製造例11の不透明化粧料(内側)」に替えた以外は実施例4と同様にして、透明化粧料(外側)内に立体模様の不透明化粧料(内側)が分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(美容ゲルクリーム)を製造した。
【0132】
次いで、実施例4と同様に目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、実施例4と同様に内側の不透明化粧料の周辺が光って見え、該化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。
【0133】
[実施例6]
半透明化粧料(外側)内に、不透明化粧料(内側)を分離状態で存在させた化粧料構成体20が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0134】
製造例12で得られた半透明化粧料(外側)へ、あらかじめ滴下法によって造粒された製造例10の不透明化粧料(内側)を投入し、粒の形状に影響のない程度の撹拌力にて常温分散を行った。
【0135】
次いで、製造例12を連続層とした製造例10分散体を、実施例1と同様の光透過性容器45に常温にて充填することで、前記半透明化粧料(外側)内に造粒された不透明化粧料(内側)が、分離状態で形成された化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(リップグロス)を製造した。
【0136】
次いで、実施例1と同様に目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、外側の半透明化粧料が光って見え、さらに内側の不透明化粧料の周辺が光って見え、前記化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。なお、図8には、前記化粧品10の化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図を示した。
【0137】
[実施例7]
上下2段の二種の半透明化粧料が光透過性容器45に収納された化粧品10
【0138】
製造例3で得られた半透明化粧料(下段)を実施例1と同様の光透過性容器45の半分に温度85℃にて充填した。次いで、前記半透明化粧料(下段)を65〜80℃まで放冷して、同光透過性容器45中に製造例4で得られた半透明化粧料(上段)を温度85℃にて前記半透明化粧料(下段)の上に重ねて充填して、上下2段の二種の化粧料からなる化粧料構成体20が前記光透過性容器45に収納された化粧品10(リップグロス)を製造した。
【0139】
次いで、実施例1と同様に目視にて光具合を観察して評価した。化粧料構成体20は、全体が光って見え、該化粧料構成体20及び化粧料構成体20を充填した化粧品10は優れた意匠性を奏していた。図9には、前記化粧品10の化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図を示した。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る化粧品10を示す概念的な図である。
【図2】図1の化粧品10の構造を説明するために図1の化粧品10の一部の内部構造が見えるように示した概念的な図である。
【図3】図1(図2)の化粧品10のリップグロスに光を照射した状態の光りの具合を示した概念的な図である。
【図4】化粧料構成体20を充填した実施例1に係る化粧品10の前記化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図である。
【図5】化粧料構成体20を充填した実施例2に係る化粧品10の前記化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図である。
【図6】化粧料構成体20を充填した実施例3に係る化粧品10の前記化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図である。
【図7】化粧料構成体20を充填した実施例4に係る化粧品10の前記化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図である。
【図8】化粧料構成体20を充填した実施例6に係る化粧品10の前記化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図である。
【図9】化粧料構成体20を充填した実施例7に係る化粧品10の前記化粧料構成体20に光を照射した状態の写真図である。
【符号の説明】
【0141】
10 化粧品
20 化粧料構成体
30 発光体
31 LED
41 キャップ
42 しごき
43 軸
44 塗布具
45 光透過性容器
50 電池
60 入射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体に光を照射し、それによって化粧料構成体が光って化粧料構成体が装飾される化粧料構成体の装飾方法であって、前記化粧料構成体が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体であることを特徴とする前記化粧料構成体の装飾方法。
【請求項2】
容器に透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体を収納した化粧品の、前記化粧料構成体に光を照射し、それによって化粧料構成体が光って化粧品が装飾される化粧品の装飾方法であって、前記化粧料構成体が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体であることを特徴とする前記化粧品の装飾方法。
【請求項3】
容器に設けた発光体から光を照射することを特徴とする請求項2記載の化粧品の装飾方法。
【請求項4】
透明乃至半透明化粧料と、透明乃至不透明化粧料からなる組成物及び/あるいは固体状物質又は気体状物質からなる物質とを分離状態で存在させた化粧料構成体を該化粧料構成体に光を照射する機能を有する発光体を設けた容器に収納した化粧品であって、前記化粧料構成体が、透明乃至半透明化粧料の内側に前記組成物及び/又は前記物質を分離状態で存在させた化粧料構成体あるいは透明乃至半透明化粧料と前記組成物及び/又は前記物質を上下2段以上に重ねた化粧料構成体又は縦方向に多重状態に並べた化粧料構成体であり、前記化粧料構成体が前記発光体からの光の照射によって光ることを特徴とする前記化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−99226(P2010−99226A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272854(P2008−272854)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(390041036)株式会社日本色材工業研究所 (37)
【Fターム(参考)】