説明

化粧料

【課題】皮膚の真皮を構成する線維芽細胞の活性亢進と、細胞外マトリックス成分の中で皮膚弾力性に関し重要な役割を果たしているコラーゲンの合成を亢進することにより、内的要因で起こる器官・組織・細胞の活性低下による皮膚の老化を効果的に抑制或いは改善する作用を有すると共に、皮膚刺激が少なく生体安全性にもすぐれた成分を見出し、かかる成分を化粧料配合原料として用いることにより、有効性と安全性とを兼ね具えた化粧料を提供すること。
【解決手段】発芽玄米の糠、そのエキス、それら糠又はエキスの酵素分解物及び発酵物から選ばれた1種又は2種以上を化粧料中に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に有効な化粧料に関し、詳しくは、真皮線維芽細胞賦活作用とコラーゲン合成促進作用とを併せ持ち、それら作用の相乗的効果により皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に高い有効性を示すと共に、生体安全性にもすぐれた天然物由来成分を含んでなり、皮膚を健常で且つ若々しい状態に保持し或いは改善するために用いて有用な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷或いは細胞外マトリックス成分の量的低下、炎症などの外的要因が複雑に絡み合って生ずる現象である。それらのうち、内的要因に基づく皮膚の老化は、真皮線維芽細胞の活性低下や増殖能の低下、さらにはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分の減少により、皮膚組織が柔軟性や弾力を失うことや、表皮基底細胞の不活化により、皮膚角質層のバリア機能、皮脂分泌機能、水分保持機能が低下することによって生じ、皮膚の形態的・生理的変化としては、シワ、タルミ、肌荒れなどの症状として現れる。
この皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全で若々しい状態に保持するため、従来より種々の活性成分の使用が提案され、それら成分を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC類、ビタミンE類などの抗酸化剤、グリチルリチン酸などの抗炎症剤、各種紫外線吸収剤、α-ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分、尿素などの保湿剤等がそれである。
しかしながら、それら成分は一般に、上述した皮膚老化要因のうちの一つを防止或いは改善することに与るに過ぎないため、それら成分を配合した従来の化粧料によっては、真に満足し得る皮膚老化防止効果は得られないのが現状である。 また、成分の種類によっては、皮膚刺激性や皮膚感作性を有するなど生体に対する安全性に問題があったり、或いは細胞の活性化、増殖作用が十分では無いなどの難点もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、従来の化粧料にみられる上述のごとき問題点に鑑み、皮膚の老化、肌荒れ等の諸要因に対して複合的、多面的に作用することにより皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に高い有効性を示すと共に、皮膚に対する安全性の点でも十分満足し得る新たな化粧料配合成分を見出すべく鋭意研究を行った結果、発芽玄米の糠のエキス、さらにはその酵素分解物或いは発酵物が、真皮線維芽細胞の賦活作用と真皮に於けるコラーゲン合成の促進作用とを併せ持つと共に、米由来の成分であることから生体安全性にもすぐれ、上記の目的に合致するものであることを知り、本発明を完成するに至った。
【0004】
米糠或いは米糠由来成分を化粧料配合原料として利用することについては、従来より種々の提案がなされている。
例えば、特開昭53-015434号公報には、米糠に麹菌を接種、培養して得られる培養物を含み、皮膚の新陳代謝を促進する効果を有する皮膚化粧料が、特開昭59-154971号公報には、米糠を炒ってアルコールで抽出した美肌剤が、特開昭62-187404号公報には米糠から得られるスフィンゴ糖脂質とステロイド配糖体或いはトリテルペノイド配糖体を含み、皮膚の老化防止に有効な化粧料が、特開昭62-106008号公報及び特開平01- 093521号公報には米糠からの浴剤が、特開平01-066106号公報には、米糠に含まれる多糖類を配合した肌荒れ改善に有効な化粧料が、特開平02-053705公報には、米糠原料から得られる水溶性抗酸化物を含有してなり、酸化による皮膚の老化や皮膚機能の損傷の予防・改善に有効な化粧料が、特開平04-368314号公報には、米糠或いはそのエキスを含み、皮膚改善作用と美肌化作用を示す貼付剤が、特開平05-221844号公報には、米糠のアルカリ抽出液の酵素分解物を含む老化防止化粧料が、特開平07-304648号公報及び特開2000-264834号公報には、米糠の中性媒体抽出物及び酸性水性媒体抽出物をそれぞれ有効成分として含む美白化粧料が、又特開平2004-083594号公報には、米糠の中性媒体抽出物の酵素処理分解物を配合した美白化粧料がそれぞれ開示されている。
しかしながらそれら公知文献には、米糠として本発明に云う発芽玄米から得られる糠を使用することを具体的に開示したものは全く見当たらない。
又、後に試験例1及び2に示す通り、糠のエキスの有する線維芽細胞賦活作用とコラーゲン合成促進作用は、米糠のなかでも特に発芽玄米の糠に顕著に認められるが、かかる事実についても、当然ながら公知文献中には何らの記載もなされておらず又これを示唆するものすら示されていない。
【0005】
一方、発芽米を化粧料配合原料として用いることに関してもいくつかの提案がなされており、例えば特開平07-002628号、同07-10733号、同07-41426号、同07-187992、同07-252129号及び同08-119870号の各公報には、発芽米の抽出物、発芽米或るいはその抽出物の酵素もしくは麹処理物、さらにはそれらの発酵物などを、育毛剤、保湿・老化防止化粧料、活性酸素消去剤、入浴剤、表皮角質層健全化剤及びターンオーバー正常化剤の有効成分としてそれぞれ用いることが開示されている。
しかしながら、それら公知発明の奏する化粧効果は、入浴剤や表皮角質層健全化剤或いはターンオーバー正常化剤の場合はもとより、特開07-010733号の保湿・老化防止化粧料にしても、その効果として皮膚表面の皮溝及び皮丘の健常化効果が挙げられているに過ぎないことから明らかな通り、いずれも表皮の健全、健常化に関わるものであるか、もしくは特開平07-41426号の活性酸素消去剤のように、紫外線によって誘発される活性酸素などの外的要因に基づく皮膚の老化や肌荒れの改善に関わるものであって、発芽玄米の糠由来の成分の示す真皮線維芽細胞賦活作用によって、加齢などの内的要因に起因する真皮の老化、細胞・組織の活性低下を防ぎ、さらにはコラーゲンの合成を促進することで、皮膚の弾力を保ち、肌荒れやツヤの低下、さらには皺の発生を防ぐなど、皮膚を内部から健全、健常なものとする本発明の化粧料とは、明らかに作用機序並びにそれによって得られる効果を異にしている。
しかも、それら公知発明に於いて上記の角質層健全化作用などの有効性が確認されているのは、もっぱら発芽米の胚乳部についてであって、糠部の有する有効性に関しては具体的に何も示されておらず、従ってそれら公知発明からは、発芽玄米の糠を積極的に化粧料配合成分として利用するとの技術思想は、これを全く読み取ることができない。
【0006】
以上の従来技術の現状よりすれば、本発明で有効成分として用いる発芽玄米の糠のエキスやその酵素分解物或いは発酵物が、顕著な真皮線維芽細胞賦活作用とコラーゲン合成促進作用とを併せ持ち、それら両作用の相乗効果によって真皮を健全、健常化することによって、すぐれた皮膚老化防止効果、肌荒れの予防、改善効果を奏することについては、これを到底予測し得ないことが明らかである。
【0007】
【特許文献1】特開昭53-015434号公報
【特許文献1】特開昭59-154971号公報
【特許文献3】特開昭62-187404号公報
【特許文献4】特開昭62-106008号公報
【特許文献5】特開平01-093521号公報
【特許文献6】特開平01-066106号公報
【特許文献7】特開平02-053705号公報
【特許文献8】特開平04-368314号公報
【特許文献9】特開平05-221844号公報
【特許文献10】特開平07-304648号公報
【特許文献11】特開2000-264834号公報
【特許文献12】特開2004-083594号公報
【特許文献13】特開平07-002628号公報
【特許文献14】特開平07-010733号公報
【特許文献15】特開平07-041426号公報
【特許文献16】特開平07-187992号公報
【特許文献18】特開平07-252129号公報
【特許文献19】特開平08-119870号公報
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち本発明は、発芽玄米の糠、そのエキス、それら糠又はエキスの酵素分解物及びそれら糠又はエキスの発酵物から選ばれた1種又は2種以上を配合したことを特徴とする化粧料に関するものである。
ここで発芽玄米の糠とは、発芽玄米を精米して発芽米とする際に得られる胚芽と胚乳の外皮を主体としてなるものを言うが、これに胚乳の成分が多少含まれていても差し支えない。
又、本発明に於いて化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
【発明の効果】
【0009】
発芽玄米の糠或いはそのエキスは、真皮線維芽細胞の活性化作用とコラーゲン産生促進作用とを併せ持っており、それら作用の複合に基づく相乗的な抗老化作用により、本発明の化粧料は、皮膚の弾力性やハリを向上させて、シワやタルミなどの皮膚の老化や不健全化の症状を予防或いは改善し、皮膚を真に健全で若々しい状態に維持する効果を奏する。又、上記の糠或いはそのエキスの酵素分解物或いは発酵物は、いずれも糠或いはエキスそれ自体と同様の強い真皮線維芽細胞賦活作用及びコラーゲン合成促進作用を有するだけでなく、酵素処理或いは発酵処理を施されたことによって、糠特有の匂いが軽減され或いは消失するという利点を有しており、さらにそれに加えて、エキスの特性、例えば抽出液であればその流動特性が改善される結果、ろ過などの固液分離操作が容易となり、製造工程に於ける作業効率が大幅に向上するとの利点をも有している。
又、本発明化粧料で用いる上記の活性成分は、皮膚に対する刺激性がなく、このため本発明の化粧料は生体安全性にも大変すぐれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に於いて、発芽玄米の糠としては、例えばコシヒカリ、ササニシキ、アキタコマチ、ヒトメボレなどの粳米や糯米を常法に従って発芽処理して得られる発芽玄米を、通常行われる精米方法によって精米した際に得られる糠を用いることができる。
発芽玄米の精米に当たって、精米歩合をどの範囲とするかについては特に制限はないものの、糠或るいはそのエキスの示す有効性の観点からは、精米歩合を一般に80%以上、特に90%以上とすることが好ましく、かかる精米歩合として得られる糠が本発明に於いて好適に用いられる。
【0011】
本発明の化粧料には、上記の発芽玄米の糠それ自体或いはこれを抽出溶媒で抽出して得られるエキス、さらにはそれら糠或いは抽出エキスの酵素分解物もしくは発酵物の1種又は2種以上が有効成分として配合される。
酵素分解物或いは発酵物は、先に述べた通り、糠或いは抽出エキスと同様のすぐれた線維芽細胞賦活作用及びコラーゲン合成促進作用を有するだけでなく、酵素処理或いは発酵処理を施されたことによって、米糠特有の匂いが軽減されたり、或いは抽出エキスの流動特性が改善されて製造効率が向上するなどの利点を有している。
【0012】
発芽玄米の糠の抽出エキスは、発芽玄米の糠を、必要に応じて予めこれに微粉末化処理、脱脂処理などを施した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触させることによって調製することができる。又、超臨界抽出法を用いてもよい。
【0013】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
なお、得られる抽出エキスの線維芽細胞賦活作用或いはコラーゲン産生促進作用の観点から、本発明に於いては、それら溶媒のうちでも特に高極性のものが好適に使用される。さらには化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種の単独溶媒又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
【0014】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
【0015】
本発明の抽出エキスの調製に際して、抽出液のpHは5〜9の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0016】
又、抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類、抽出方法等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に1〜100℃、好ましくは30〜80℃の範囲であり、又抽出時間は、0.1〜24時間程度、特に0.5〜3時間程度が好適である。
【0017】
以上の抽出処理が終わったならば、ろ過、遠心分離などの固液分離手段を施して液相を分取し、一般にはそのpHを化粧料配合成分として好ましい範囲である4〜8に調整した上、これをそのまま、もしくは希釈或いは減圧濃縮等により適宜の濃度に調整して化粧料に配合する。又必要ならば、この液相をスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化して化粧料に配合してもよい。さらに場合によっては、上記の固液分離手段を施す前の抽出原液を用いることもできる。
【0018】
発芽玄米の糠或いはそのエキスに酵素分解処理を施して酵素分解物を調製する場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパインなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素及びリパーゼなどの脂肪分解酵素から選ばれた1種又は2種以上が用いられ、特にそれら4種の酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせ用いることが好ましい。
【0019】
それらの酵素による発芽玄米の糠或いはそのエキスの酵素分解処理は、被処理物として糠それ自体或いはエキス粉末を用いる場合であれば、それらを水或いは水と低級アルコールもしくは多価アルコールとの混液などの媒体、好適には水に懸濁或いは溶解した上、又エキス溶液を用いる場合であれば、これをそのままか、もしくは必要に応じて濃度調整等を施した上、これに酵素を添加し、酵素の至適温度付近に1〜24時間保持することによって行われる。
この場合、エキス溶液の調製に用いた抽出溶媒が、酵素反応の妨げとなる恐れのあるときには、該溶媒を一旦留去した上、ここに得られるエキス粉末を好ましくは水に再溶解或いは分散させて酵素処理を行うようにする。
酵素の添加量は、被処理物として糠それ自体を用いる場合であれば、その固形分に対して、合計で0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲であり、又糠のエキスを用いる場合は、同じく固形分に対して合計で0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲である。
【0020】
以上の酵素分解処理が終わったならば、処理液に加熱処理を施して酵素を失活させた後、ここに得られる液をそのまま、もしくはろ過、遠心分離などによって液相を分取し、さらに必要ならばpH調整、濃度調整或いは粉末化処理等を施した上、化粧料の配合原料として供する。
【0021】
一方、発芽玄米の糠或いはそのエキスの発酵処理は、例えば以下のようにして行われる。
即ち、まず被発酵物を媒体に溶解もしくは懸濁させた発酵処理液を調製する、この場合、被発酵物として糠それ自体もしくはエキス粉末を用いるのであれば、酵素分解処理の場合と同様に、それらを水、水/低級アルコール混液或いは水/多価アルコール混液などの媒体、好適には水に懸濁或いは溶解して発酵処理液とする。 一方、エキス溶液を発酵する場合であれば、これをそのまま、もしくは必要ならば濃度調整や溶媒置換等を行って、発酵処理液とすればよい。
【0022】
次に、この発酵処理液に、発酵に先立って殺菌処理を施し、発酵の障害となる雑菌を除去する。
この雑菌の除去方法としては、発酵処理液を加熱処理する加熱殺菌法を用いるのが一般的であるが、これに代えて、発酵処理液自体を元々無菌状態のものとして調製する方法、例えば発芽玄米の糠それ自体を発酵する場合であれば、糠を予め殺菌エタノールで殺菌した後、無菌水等の無菌媒体に懸濁する方法を用いるようにしてもよい。
加熱殺菌処理としては、発酵処理液を120〜130℃で10〜20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80〜90℃に60〜120分間保持することを1日1回2〜3日間繰り返す間断殺菌法といった方法が一般に用いられる。
【0023】
次に、この発酵処理液を発酵タンクに入れ、菌を植菌して発酵を行わせしめる。菌としては、例えば乳酸菌、麹菌、酵母、納豆菌、テンペ菌などから選ばれた1種又は2種以上の菌が用いられる。植菌量は、発酵処理液に対して一般に10〜10/mLの範囲である。
【0024】
発酵に用いる乳酸菌としては、例えばラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L. brevis)、ラクトバシルス カゼイ(L. casei)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌;カルノバクテリウム ディバージェンス(Carnobacterium divergens)、カルノバクテリウム ピシコーラ(C. piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌;ロイコノストック メセンテロイズ(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック シトレウム(L. citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌;ストレブトコッカス フェーカリス(Streptococcus faecalis)、ストレブトコッカス ピオジェネス(S. pyogenes)等のストレブトコッカス(Streptococcus)属の乳酸菌;エンテロコッカス・カゼリフラバス(Enterococcus caseliflavus)、エンテロコッカス サルフレウス(E. sulfreus)等のエンテロコッカス(Enterococcus)属の乳酸菌;ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス ラフィノラクティス(L. rafinolactis)等のラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌;ヴェイセラ コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ カンドゥレリ(W. kandleri)等のヴェイセラ(Weissella)属の乳酸菌;アトポビウム ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム パービュラス(A. parvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌;バゴコッカス フルビアリス(Vagococcus fluvialis)、バゴコッカス サーモニナラム(V. salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌;ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス ペントサセウス(P. pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌等が挙げられるが、それら乳酸菌のうちでも、得られる発酵物の作用効果の観点と取り扱いのし易さの点から、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)の使用が好ましい。
【0025】
発酵に用いる麹菌としては、例えばアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)アスペルギルス・ポリオキソジェネス(Aspergillus polyoxogenes)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・カワウチ(Aspergillus kawauchii)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌、モナスカス・アンカ(Monascus anka)、モナスカス・ビロサス(monascus pilosus)等の紅麹菌など、いずれの麹菌でも使用可能であるが、中でも発酵液の色が薄いことや発酵臭が比較的少ないといった点で、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)が最も好ましい。
【0026】
発酵に用いる酵母としては、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomy
ces cerevisiae)、サッカロミセス・アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス・カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・バヨナス(Saccharomyces bayonus)等のサッカロミセス属の酵母、トルラスポラ・デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ・ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ・ロゼィ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母、ジゴサッカロミセス・ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス・ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)ジゴサッカロミセス・サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス・ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス・ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母、カンディダ・ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ・エチェリシィ(Candida etchellsii)、カンディダ・ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ・サケ(Candida sake)、カンディダ・スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母など、いずれの酵母でも使用可能であるが、中でも食品に最も広く利用され、発酵力が強いといった点で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が最も好ましい。
【0027】
発酵に用いる納豆菌としては、例えばバシルス・ナットー(Bacillus natto)、バシルス・サブチルス(Bacillus subtilis)、バシルス・サーキュランス(Bacillus circulans)等のバシルス属の細菌が使用可能であるが、中でも食品に広く使用されており、安全性が高い点で、バシルス・ナットー(Bacillus natto)が最も好ましい。
【0028】
発酵に用いるテンペ菌としては、例えばリゾプス・アジゴスポラス(Rhizopus azygosporus)、リゾプス・ミクロスボラス チネンシス(Rhizopus microsporus chinensis)、リゾプス・ミクロスポラス オリゴスポラス(Rhizopus microsporus oligosporus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)等のリゾプス属の真菌(カビ)が使用可能であるが、中でもインドネシアをはじめ東南アジア地域で発酵食品に広く使用されており安全性が高い点で、リゾプス・ミクロスポラス オリゴスポラス(Rhizopus microsporus oligosporus)やリゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)が最も好ましい。
【0029】
発酵温度は一般には5〜50℃の範囲であり、好ましくは乳酸菌、麹菌、納豆菌及びテンペ菌であれば、その生育至適温度である35〜40℃の範囲、酵母であれば同じく生育至適温度である25〜35℃の範囲である。発酵期間は、いずれの菌も、至適温度に於いて一般に3時間〜10日、好ましくは10時間〜3日の範囲である。
【0030】
なお、以上の発酵処理を行うに当たって、発芽玄米の糠の成分が各菌の資化源としてより有効に利用されるようにするため、各菌の植菌前もしくは植菌と同時に前酵素を添加して、発芽玄米の糠或いはそのエキスに酵素による加水分解処理を施すことが好ましく、特に発芽玄米の糠それ自体を被発酵物とする場合には、かかる酵素処理を併用することが有効である。
この処理に用いる酵素種及び処理条件は、前記した酵素分解処理の場合と同様であって何ら差し支えない。
【0031】
以上の発酵処理が終わったならば、各菌の殺菌と酵素処理を併用した場合であれば酵素の失活を兼ねて、発酵液に70〜100℃で10〜120分程度の加熱殺菌処理を施した後、これをそのまま、或いは一般且つ好適にはろ過或いは遠心分離などの固液分離手段によって液相を分取し、必要ならばpHを通常の化粧料のpH領域であるpH6〜8に調整し、さらに必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上、化粧料の配合原料として供する。又、場合によっては、固液分離後の液相をスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化した上化粧料に配合してもよい。
【0032】
本発明の発芽玄米の糠、そのエキス或いはそれらの酵素分解物もしくは発酵物を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられる。又、貼付剤の形とすることもできる。
【0033】
本発明の化粧料中に於ける発芽玄米の糠、そのエキス或いはそれらの酵素分解物もしくは発酵物の配合量は、固形分として、例えば基礎化粧料については、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲、頭髪化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲、又清浄用化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。
【0034】
本発明の化粧料には、上記の必須成分のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
又、本発明の必須成分の有効性や特長を損なわない限り、他の生理活性成分を併せ配合することも何ら差し支えない。
【0035】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0036】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪酸アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro:Rhamnaceae)抽出物等を配合することもできる。
【0037】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、N−(3,4,5,6−テトラヒドロキシ−2−オキソヘキシル)ピログルタミン酸等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌発酵米、ムコポリサッカライド(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物等が挙げられる。
【0038】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添デンプンを主体とする糖化合物等が挙げられる。
【0039】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャーマル(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノン等がある。
【0040】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0042】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液等がある。
【0043】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、柑橘類(例えばミカン、ユズ、ダイダイ、ザボンなど)の抽出物及びその単離物質(例えばナリルチン、ヘスペリジンなど)、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米発酵エキス、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペチギノサ抽出物、柑橘類(例えばミカン、ユズ、ダイダイ、ザボンなど)の抽出物及びその単離物質(例えばナリルチン、ヘスペリジンなど)、酵母抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、ハス発酵液、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキス、ユリ全草抽出物等がある。
【0044】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート、ビタミンEリン酸エステルナトリウム塩等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0045】
次に、製造例、試験例及び実施例(化粧料の処方例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
【0046】
製造例1.発芽玄米の糠のエキスの調製
発芽玄米の糠100gに精製水1000gを混合し、50℃で3時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明の発芽玄米の糠のエキス溶液323gを得た(固形分濃度1.52%)。
【0047】
製造例2.発芽玄米の糠のエキスの調製
発芽玄米の糠330gに精製水1000gを混合し、30℃で24時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明の抽出物溶液245gを得た(固形分濃度4.21%)。これを、固形分濃度が1.50%となるように精製水で希釈して、発芽玄米の糠のエキス溶液を得た。
【0048】
製造例3.発芽玄米の糠のエキスの調製
発芽玄米の糠100gに精製水とエタノールの8:2(重量比)混液1000gを混合し、4℃で72時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明の発芽玄米の糠のエキス溶液650gを得た(固形分濃度1.44%)。
【0049】
製造例4.発芽玄米の糠のエキスの調製
発芽玄米の糠200gに精製水と1,3‐ブチレングリコールの7:3(重量比)混液1200gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明の発芽玄米の糠のエキス溶液820gを得た(固形分濃度1.25%)。
【0050】
製造例5.発芽玄米の糠のエキスの調製
製造例1と同様にして調製した発芽玄米の糠のエキス溶液500gを凍結乾燥した後粉砕し、黄褐色の発芽玄米の糠のエキス粉末7.0gを得た。
【0051】
製造例6.発芽玄米の糠のエキスの酵素分解物溶液の調製
発芽玄米の糠100gに精製水1000gを混合し、50℃で3時間抽出を行った後ろ過し、発芽玄米の糠のエキス溶液340gを得た。この溶液に対して、0.5gのリパーゼを添加し、50℃で3時間加水分解処理を行い、次いで80℃で1時間加熱して酵素を失活させた後ろ過し、淡褐色透明の発芽玄米の糠エキスの酵素分解物溶液301gを得た(固形分濃度2.11%)。
【0052】
製造例7.発芽玄米の糠のエキスの酵素分解物溶液の調製
発芽玄米の糠100gに精製水1000gを混合し、50℃で3時間抽出を行った後ろ過し、発芽玄米の糠のエキス溶液340gを得た。この溶液に対して、リパーゼ、パパイン、グルコアミラーゼ、セルラーゼを各々0.1gずつ添加し、50℃で3時間加水分解処理を行い、次いで80℃で1時間加熱して酵素を失活させた後ろ過し、淡褐色透明の発芽玄米の糠のエキスの酵素分解物溶液311gを得た(固形分濃度1.90%)。
【0053】
製造例8.発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液の調製
発芽玄米の糠100gに精製水900gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過し、約500gの淡黄色透明のエキス溶液を得た(固形分濃度3.87%)。この得られたエキス溶液を加熱殺菌した。この抽出物溶液にリパーゼ0.2g、パパイン0.2g、グルコアミラーゼ0.2g及びペクチナーゼ0.2gを加えた後、乳酸菌(ラクトバチルス プランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で18時間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱色処理を行い、発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液322g(固形分濃度3.67%)を得た。
【0054】
製造例9.発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として乳酸菌に代えて麹菌(アスペルギルス オリゼー)を用いる他は製造例8と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液330g(固形分濃度3.69%)を得た。
【0055】
製造例10.発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として乳酸菌に代えて酵母(サッカロミセス セレビシエ)を用いる他は製造例8と同様(但し、培養温度は30℃)にして、発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液380g(固形分濃度3.22%)を得た。
【0056】
製造例11.発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として乳酸菌に代えて納豆菌(バシルス ナットー)を用いる他は製造例8と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物溶液312g(固形分濃度3.59%)を得た。
【0057】
製造例12.発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えてテンペ菌(リゾプス ミクロスポラス オリゴスポラス)を用いる他は製造例8と同様にして、発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液392g(固形分濃度3.18%)を得た。
【0058】
製造例13.発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液の調製
酵素の添加を行わず、又発酵日数を3日とする他は製造例8と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液332g(固形分濃度3.44%)を得た。
【0059】
製造例14.発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液の調製
酵素の添加を行わず、又発酵日数を3日とする他は製造例9と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液339g(固形分濃度3.22%)を得た。
【0060】
製造例15.発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液の調製
酵素の添加を行わず、又発酵日数を3日とする他は製造例10と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液360g(固形分濃度3.36%)を得た。
【0061】
製造例16.発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物溶液の調製
酵素の添加を行わず、又発酵日数を3日とする他は製造例11と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物溶液382g(固形分濃度3.45%)を得た。
【0062】
製造例17.発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液の調製
酵素の添加を行わず、又発酵日数を3日とする他は製造例12と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの発酵物溶液322g(固形分濃度3.39%)を得た。
【0063】
製造例18.発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバチルス プランタラムに代えてカルノバクテリウム ディバージェンスを用いる他は製造例8と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液304g(固形分濃度3.82%)を得た。
【0064】
製造例19.発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバチルス プランタラムに代えてロイコノストック メセンテロイズを用いる他は製造例8と同様にして、発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵溶液310g(固形分濃度3.61%)を得た。
【0065】
製造例20.発芽玄米の糠の乳酸菌発酵物溶液の調製
発芽玄米の糠100gに精製水900gを混合して懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液にリパーゼ1.0g、パパイン1.0g、グルコアミラーゼ1.0g及びペクチナーゼ1.0gを加えた後、乳酸菌(ラクトバチルス プランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱色処理を行い、発芽玄米の糠の乳酸菌発酵物溶液632g(固形分濃度4.12%)を得た。
【0066】
製造例21.発芽玄米の糠の酵母発酵物溶液の調製(2)
発芽玄米の糠100gに精製水900gを混合して懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液にリパーゼ1.0g、パパイン1.0g、グルコアミラーゼ1.0g及びペクチナーゼ1.0gを加えた後、酵母(サッカロミセス セレビシエ)を10個/mL接種し、30℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱色処理を行い、発芽玄米の糠の酵母発酵物溶液522g(固形分濃度3.99%)を得た。
【0067】
製造例22.発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物粉末の調製
製造例8と同様にして得た発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕して発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物粉末12gを得た。
【0068】
製造例23.発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物粉末の調製
製造例9と同様にして得た発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕して発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物粉末11gを得た。
【0069】
製造例24.発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物粉末の調製
製造例10と同様にして得た発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕して発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物粉末10gを得た。
【0070】
製造例25.発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物粉末の調製
製造例11と同様にして得た発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕して発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物粉末11gを得た。
【0071】
製造例26.発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物粉末の調製
製造例12と同様にして得た発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕して発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物粉末11gを得た。
【0072】
比較製造例1.米糠エキスの調製
製造例1において、発芽玄米の糠に代えて、発芽していない普通米由来の米糠を使用する他は製造例1と同様にして、米糠エキス溶液を得た(固形分2.60%)。
【0073】
比較製造例2.米糠エキスの乳酸菌発酵物溶液の調製。
製造例8において、発芽玄米の糠に代えて、発芽していない普通米由来の米糠を使用する他は製造例8と同様にして、米糠エキスの乳酸菌発酵物溶液を得た。(固形分3.96%)。
【0074】
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0075】
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例3の発芽玄米の糠のエキス溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0076】
実施例3.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例4の発芽玄米の糠のエキス溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0077】
実施例4.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例8の発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0078】
実施例5.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例11の発芽玄米の糠のエキスの納豆菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0079】
実施例6.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例10の発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0080】
実施例7.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例12の発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0081】
実施例8.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液液に代えて製造例18の発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0082】
実施例9.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例6の発芽玄米の糠のエキスの酵素分解物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0083】
実施例10.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例7の発芽玄米の糠のエキスの酵素分解物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0084】
実施例11.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例20の発芽玄米の糠の乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0085】
実施例12.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0086】
実施例13.ローション
[成分] 部
製造例9の発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0087】
実施例14.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例12の発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0088】
実施例15.乳液
実施例12のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例21の発芽玄米の糠の酵母発酵物溶液を用いるほかは実施例12と同様にして乳液を得た。
【0089】
実施例16.乳液
実施例12のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例13の発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例12と同様にして乳液を得た。
【0090】
実施例17.乳液
実施例12のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例14の発芽玄米の糠のエキスの麹菌発酵物溶液を用いるほかは実施例12と同様にして乳液を得た。
【0091】
実施例18.乳液
実施例12のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例15の発芽玄米の糠のエキスの酵母発酵物溶液を用いるほかは実施例12と同様にして乳液を得た。
【0092】
実施例19.乳液
実施例12のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて製造例16の発芽玄米の糠の納豆菌発酵物溶液を用いるほかは実施例12と同様にして乳液を得た。
【0093】
実施例20.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレー 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0094】
実施例21.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0095】
実施例22.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0096】
実施例23.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0097】
実施例24.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*AE」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0098】
実施例25.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子(Brassica Alba)種子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0099】
実施例26.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0100】
実施例27.乳液
実施例20のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)5.0部を用いるほかは実施例20と同様にして乳液を得た。
【0101】
実施例28.ローション
[成分] 部
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.1
水酸化カリウム 適量
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0102】
実施例29.プレストパウダー
[A成分 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
6−ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例5の発芽玄米の糠のエキス粉末 0.2
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
【0103】
実施例30.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例12の発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0104】
実施例31.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0105】
実施例32.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
O−メチルセファラノリン 0.002
l−メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
製造例17の発芽玄米の糠のエキスのテンペ菌発酵物溶液 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
【0106】
実施例33.ヘアートリートメント
[成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
製造例8の発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液 5.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を80℃に加温した後混合攪拌してヘアートリートメントを得た。本品はヘアーパックとしても好適なものであった。
【0107】
実施例34.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
【0108】
実施例35.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例19の発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
【0109】
実施例36.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0110】
実施例37.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例22の発芽玄米の糠のエキスの乳酸菌発酵物粉末 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0111】
比較実施例1.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて比較製造例1の普通米由来の糠のエキス溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0112】
比較実施例2.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の発芽玄米の糠のエキス溶液に代えて比較製造例2の普通米由来の糠エキスの乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0113】
試験例1.線維芽細胞賦活試験
製造例1〜3、6及び8〜12で得られた発芽玄米の糠のエキス、その酵素処理物溶液及びその発酵物溶液(以上、本発明例)と比較製造例1及び2で得られた普通米の糠のエキスおよびその発酵物溶液(以上、比較例)を試料として用い、それらを各々精製水で希釈して固形分が1%となるように調整した溶液について線維芽細胞の活性に対する亢進作用を調べた。
【0114】
[試験方法]
ヒト皮膚真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有最小必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を2.5又は5.0%の濃度(溶液濃度として)になるように添加して、37℃でさらに3日間培養した。次に培地を除去し界面活性剤(TRITON X−100)を添加した細胞処理液に、0.2%のMTTを添加して37℃に保持した後、波長370〜630nmでMTTが還元されて生成するホルマザンを測定した。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試験試料の代わりにグルコースを100mM添加した場合及び試料無添加の場合(コントロール)について同様の試験を行った。
各試料の線維芽細胞賦活効果は、波長370〜630nmに於ける吸光度(MTT活性)を以て示した。
【0115】
[結果]
結果を表1に示す。表1に於いて、MTT活性率とは、試料無添加(コントロール)のMTT活性を100としたときの、各試料添加時のMTT活性の相対値を表す。
【表1】

表1に示すように、本発明の発芽玄米の糠のエキス(製造例1〜3)には、正常ヒト由来線維芽細胞に対してMTT活性(細胞活性)を亢進するという効果が確認された。又、発芽玄米の糠エキスの酵素分解物(製造例6)及び発酵物(製造例8〜12)にも、エキスと同様の強い細胞活性亢進作用が認められた。
これに対して、比較例として実施した普通米の糠のエキス(比較製造例1)及びその発酵物(比較製造例2)にも、線維芽細胞を活性化する作用が僅かに認められたものの、その作用は本発明の試料より遙かに弱いものであった。
【0116】
試験例2.コラーゲン産生促進試験
試験例1と同様の試料(固形分濃度を1.0%としたもの)について、コラーゲン産生促進作用を調べた。
[試験方法]
ヒト皮膚真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有最小必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を2.5又は5.0%の濃度(溶液濃度として)になるように添加して、37℃でさらに5日間培養した。
次に培養液を除去し、0.04%ファストグリーン、0,05%シリウスレッド溶液を添加し、細胞内のコラーゲン及び非コラーゲンを染色した後、充分に洗浄した。次に0.1%NaOH含有メタノールで抽出し、コラーゲン量を波長540nmで測定した。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試験試料の代わりにL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム(APM)を2mM添加した場合及び試料無添加の場合(コントロール)について同様の試験を行った。
結果は、試料無添加(コントロール)の場合の波長520nmに於ける吸光度を100としたときの各試料添加時の吸光度の相対値(コラーゲン合成率)を以て示した。
【0117】
[結果]
結果を表2に示す。
【表2】

【0118】
表2に示すように、本発明の発芽玄米の糠のエキス(製造例1〜3)には、正常ヒト由来線維芽細胞におけるコラーゲン産生を顕著に亢進する効果が確認された。又、発芽玄米の糠エキスの酵素分解物(製造例6)及び発酵物(製造例8〜12)にも、上記エキスと同等のコラーゲン合成促進作用が認められた。
これに対して、普通米の糠のエキス(比較製造例1)及び発酵物(比較製造例2)の示すコラーゲン合成促進作用は本発明試料に遠く及ばないものであった。
【0119】
試験例3.皮膚刺激性
[試料]
(1)製造例1のエキスを日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料1)
(2)製造例2のエキスを日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料2)
(3)製造例6の酵素分解物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料3)
(4)製造例8の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料4)
(5)製造例12の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料5)
(6)日局親水ワセリン(対照)
【0120】
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に本発明試料1〜5及び対照の日局親水ワセリンをそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
【0121】
結果を表3に示す。
【表3】

【0122】
表3の結果から明らかな通り、本発明の発芽玄米の糠のエキス、その酵素分解物及びその発酵物は、皮膚刺激がなく安全性に極めてすぐれている。
【0123】
試験例1.モニターテスト
実施例1及び4のクリームと比較実施例1及び2のクリームについて、モニターテストにより皮膚に対する効果を調べた。
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性40名を被験者として20名ずつ2つのグループ(A、B)に分け、各グループに、実施例1と比較実施例1のクリーム又は実施例4と比較実施例2のクリームの2種の組み合わせのいずれかを割り振り、それぞれ左右の頬部に、実施例又は比較実施例のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、小ジワに対する改善効果及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0124】
[評価基準]
(小ジワに対する改善効果)
A:殆ど目立たなくなった
B:かなり目立たなくなった
C:わずかに目立たなくなった
D:変わらない
E:かえって増えた
(肌のはり、艶に対する改善効果)
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
【0125】
[結果]
結果を表4に示す。なお、表中のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の数を示す。
【表4】

【0126】
表4に示す通り、発芽玄米の糠のエキス或いはその発酵物を活性成分として配合してなる本発明のクリームは、皮膚の老化或いは不健全化の典型的な症状であるシワ、たるみ等に対してすぐれた改善作用を示す。
これに対して、普通米の糠のエキス或いはその発酵物を配合した比較実施例のクリームでは、殆ど改善効果が見られず、明らかに有効性に違いがある結果となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発芽玄米の糠、そのエキス、それら糠又はエキスの酵素分解物及びそれら糠又はエキスの発酵物から選ばれた1種又は2種以上を配合したことを特徴とする化粧料。
【請求項2】
酵素分解物が、発芽玄米の糠又はそのエキスを、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、繊維素分解酵素及び脂肪分解酵素から選ばれた少なくとも1種の酵素で処理して得られたものである請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
発酵物が、発芽玄米の糠又はそのエキスを乳酸菌、麹菌、酵母、納豆菌及びテンペ菌から選ばれた少なくとも1種の菌で発酵させて得られたものである請求項1に記載の化粧料。

【公開番号】特開2007−131578(P2007−131578A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326715(P2005−326715)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000162021)共栄化学工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】