説明

化粧料

【課題】 強いチロシナーゼ活性抑制作用を有し、シミ・ソバカスなど皮膚の色素沈着に対してすぐれた予防並びに症状改善効果を発揮して皮膚を若々しく健全な状態に保持し改善すると共に、皮膚に対する刺激等が少なく生体安全性にもすぐれた新規な美白成分を天然物中に見出し、かかる成分を化粧料中に配合することにより、顕著な美白・美肌化効果と高い生体安全性とを具えた化粧料を提供すること。
【解決手段】 ミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物を化粧料に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に対してすぐれた美白・美肌化作用を示し、基礎化粧料をはじめ、メイクアップ化粧料、浴用剤などとして有用な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
日焼け或いは加齢に伴って生ずる色素沈着、特にシミ、ソバカスを予防或いは改善し、皮膚を若々しく健全な状態に保持することを目的として、従来より種々の美白剤が提案され、それらを配合した化粧料が上市されている。しかしながら、それら従来の美白剤によっては、美白・美肌化効果と皮膚安全性の双方を十分満足せしめることは困難であり、かかる点の改善された美白剤を含む新規な化粧料が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑み、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな美白有効成分を見出すべく鋭意研究を行った結果、ミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物が顕著なチロシナーゼ活性抑制作用を示し、これによって美白・美肌化効果と皮膚安全性にすぐれた化粧料の提供が可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0004】
ミカン科ミカン属に属する植物の抽出物或いは含有成分の化粧料配合剤としての利用は公知であり、美白剤としても知られている。
例えば、ミカン属植物の果皮より抽出されるポリメトキシフラボンの美白剤としての利用(特許文献1参照)、柑橘類の果皮由来のリモナイドを用いたサンスクリーン効果や美白効果(特許文献2参照)、また、ウンシュウミカンの未成熟果実から得られるヘスペリジンを含有する美白効果又は色素沈着症の改善効果(特許文献3参照)、ウンシュウミカンの果実に多く含まれるβ−クリプトキサンチンの美白効果(特許文献4参照)、ミカン科サルカケミカン属の植物の抽出物からなる美白剤(特許文献5参照)が知られている。しかしながら、それら公知技術は、ミカン属植物の果実や果皮或いは種子の抽出物を使用しており、又抽出部位を特に限定しない場合にあっても、具体例として挙げているのは果実や果皮等の使用のみであって、それ以外の部位の使用例は知られていない。
本発明者らは、ミカン属植物の果実や果皮或いは種子以外の部位について、化粧料配合原料としての利用可能性を検討した結果、ミカン属植物の葉の抽出物に、上記公知文献に開示されている美白有効成分の葉に於ける含量からは予期し得ない、新規成分に基づくと思われる顕著なチロシナーゼ活性抑制作用を認め、本発明を完成するに至った。
【0005】
【特許文献1】特開2002−3363号
【特許文献2】特開2004−359570号
【特許文献3】特許3800611号
【特許文献4】特開2006−104088号
【特許文献5】特開2006−169188号
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち本発明は、ミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物を配合したことを特徴とする化粧料である。
なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
【発明の効果】
【0007】
ミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物を配合してなる本発明の化粧料は、有効成分として含む該抽出物の示す強いチロシナーゼ活性抑制作用により、シミ、ソバカスなど皮膚の色素沈着を顕著に抑制或いは軽減すると共に、該抽出物が天然物由来のものである為、皮膚に対する刺激等が少なく安全性にすぐれている。
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるミカン科ミカン属に属する植物としては、例えばイヨカン(Citrus iyo Hort. ex Tanaka:伊予柑)、ウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.:温州蜜柑)、オオベニミカン(Citrus tangerina Tanaka)、オレンジ(Citrus sinensis Osbeck)、カボス(Citrus sphaerocarpa Hort. ex Tanaka:臭橙)、キシュウミカン(Citrus kinokuni Hort. ex Tanaka:紀州蜜柑)、キズ(Citrus kisu Tanaka)、キンコウジ(Citrus obovoidea Hort. ex Takahashi )、グレープフルーツ(Citrus paradisi Macf.)、ケラジ(Citrus keraji Hort. ex Tanaka)、サツマキコク(Citrus neoaurantium Hort. ex Tanaka)、ザボン(Citrus grandis Osbeck:文旦)、サンキ(Citrus sunki Sakurai)、サンボウカン(Citrus sulcata Hort. ex Takahashi)、シークヮーサー(Citrus depressa Hayata)、シトロン(Citrus medica)、シュンコウカン(Citurs shunkokan Hort. ex Tanaka)、スダチ(Citrus sudachi Hort. ex Shirai:酢橘)、ダイダイ(Citrus aurantium L.:橙)、タチバナ(Citrus tachibana Tanaka:橘)、タンカン(Citrus tankan Hayata)、ダンシータンゼリン(Citrus tangerina Hort. ex Tanaka)、チチュウカイマンダリン(Citrus deliciosa Tenore)、トウキンカン(Citrus mitis Lour.)、ナオシチ(Citrustakuma sudachi Hort. ex Tanaka)、ナツミカン(Citrus natsudaidai Hayata:夏蜜柑)、ネーブル(Citrus sinensis Osbeck var. brasiliensis Tanaka)、ハッサク(Citrus hassaku Hort. ex Tanaka:八朔)、ハナユ(Citrus hanayu Hort. ex Shirai)、ヒュウガナツ(Citrus tamurana Hort. ex Tanaka:日向夏)、フクレミカン(Citrus tumida Hort. ex Tanaka)、ブッシュカン(Citrus medica var. sarcodactylis)、フナドコ(Citrus funadoko Hort. ex Y. Tanaka)、ベルガモット(Citrus bergamia Risso et Poit.)、ポンカン(Citrus reticulata Blanco:椪柑)、ポンキ(Citrus ponki Tanaka)、マルブシュカン(Citrus medica L.)、マンキツ(Citrus tardiferax Hort. ex Tanaka)、ユコウ(Citurs yuko Hort. ex Tanaka)、ユズ(Citrus junos Sieb. ex Tanaka:柚子)、ライム(Citrus aurantifolia Swingle)、レモン(Citrus limon Burm.:檸檬)などが挙げられる。
それらのうちでも、得られる抽出物のチロシナーゼ活性抑制作用の観点、さらには原料入手の容易さ等の点からウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉の使用が最も好ましい。また、本発明に用いる植物に於いて産地等に限定されず、採取時期についても、特に限定されないものであるが、好ましくは4月から果実採取後1ヶ月間までの期間がより望ましい。
【0009】
本発明のミカン科ミカン属の葉の抽出物を調製する場合、該植物の抽出部位としての葉は、葉身又は葉片と呼ばれる部位と葉柄のいずれか一方、もしくは両者の部位を用いることができる。
【0010】
抽出物の調製は、ミカン科ミカン属の植物の葉を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのままもしくは乾燥した上、必要に応じて細切或いは粉砕し、浸漬法、向流抽出法など常法に従って抽出溶媒と接触せしめることによって行うことができる。
【0011】
ここで抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
【0012】
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物のチロシナーゼ活性抑制作用の観点から、また化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明に於いては水、低級アルコール類或いは多価アルコール類などの親水性溶媒が好適に用いられる。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば水もしくは低級アルコール類(特にエタノール)の単独使用、或いは水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒又は、水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコールもしくはプロピレングリコール)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
【0013】
混合溶媒を用いる場合、各溶媒の混合比は、例えば水とエタノール、水と1,3−ブチレングリコール、或いは水とプロピレングリコールとの混合溶媒であれば、いずれも重量比で1:1〜10:1程度の範囲とすることが好ましい。
【0014】
抽出物の調製に際して、抽出液のpHに特に限定はないが、一般には4〜8の範囲とすることが好ましく、かかる意味で、必要ならば前記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0015】
抽出温度、抽出時間、浴比等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpH、或いは植物の細切度等によっても異なるが、例えば水を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、抽出温度は一般に1〜60℃、好ましくは20〜50℃の範囲であり、又抽出時間は、4℃の冷温抽出の場合で12時間〜10日間、特に24時間〜7日間、室温抽出の場合で6時間〜7日間、特に24時間〜4日間、60℃の高温抽出の場合で30分〜2時間、特に1時間〜6時間の範囲である。浸漬法の場合、浴比は重量比で、植物体に対して溶媒が一般に5〜50倍量、好ましくは10〜30倍量の範囲となるようにするのがよい。
【0016】
かくして得られる抽出物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま化粧料配合剤として使用してもよく、又必要ならば減圧濃縮等により適宜の濃度として用いてもよい。さらに場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化することもできる。
【0017】
以上の如くして調製される本発明のミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物は、後に試験例に示す通り、顕著な細胞内チロシナーゼ活性阻害作用を有すると共に、皮膚に対する刺激性が少なく生体安全性にもすぐれ、シミやソバカスの発生を予防し或いはそれらの症状を改善して肌を若々しく健全な状態に維持することを目的として化粧料に配合して極めて有用なものである。 従って、本発明によればかかるミカン科ミカン属の植物の抽出物を含有する美白、美肌化化粧料が提供される。
【0018】
本発明のミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物を含む化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明の化粧料に於けるミカン科ミカン属に属する植物の葉の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。
【0020】
本発明の化粧料には、必須成分のミカン科ミカン属植物の葉の抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。又、本発明のミカン科ミカン属植物の葉の抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせ化粧料に配合することも何ら差し支えない。
【0021】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
【0023】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、ビャッキュウ抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0024】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0025】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
【0026】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0027】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0028】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出物、イネ抽出物等がある。
【0029】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、コンブ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
【0030】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0031】
次に、製造例、実施例(処方例)及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0032】
製造例1.ミカン属植物の葉のエキスの調製(1)
ミカン属植物のウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉を乾燥、粉砕し、粉砕物30gに精製水600gを混合し、40℃で攪拌しながら2時間抽出を行った後ろ過し、褐色透明のウンシュウミカンの葉の抽出物溶液520gを得た(固形分濃度1.4%)。
【0033】
製造例2.ミカン属植物の葉のエキスの調製(2)
ミカン属植物のウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉を乾燥、粉砕し、粉砕物30gに精製水600gを混合し、60℃で攪拌しながら4時間抽出を行った後ろ過し、褐色透明のウンシュウミカンの葉の抽出物溶液480gを得た(固形分濃度1.6%)。
【0034】
製造例3.ミカン属植物の葉のエキスの調製(3)
ミカン属植物のウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉を乾燥し、その細切物100gに精製水とエタノールの8:2(重量比)混液900gを混合し、60℃で6時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明のウンシュウミカンの葉の抽出物溶液820gを得た(固形分濃度1.1%)。
【0035】
製造例4.ミカン属植物の葉のエキスの調製(4)
ミカン属植物のウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉を乾燥、粉砕し、粉砕物100gに精製水と1,3−ブチレングリコールの7:3(重量比)混液900gを混合し、60℃で3時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明のウンシュウミカンの葉の抽出物溶液720gを得た(固形分濃度0.9%)。
【0036】
製造例5.ミカン属植物の葉のエキスの調製(5)
ミカン属植物のウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉を乾燥、粉砕し、粉砕物50gに1,3−ブチレングリコール1000gを混合し、40℃で2時間抽出を行った後ろ過し、抽出物溶液920gを得た。これに精製水394gを加えて混合後ろ過し、淡褐色透明のウンシュウミカンの葉の抽出物溶液1210gを得た(固形分濃度0.5%)。
【0037】
製造例6.ミカン属植物の葉のエキス粉末の調製(6)
製造例1と同様にして調製したウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の葉の抽出物溶液520gを凍結乾燥した後粉砕し、黄褐色のミカン葉抽出物粉末7.0gを得た。
【0038】
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0039】
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中製造例1の抽出物溶液に代えて製造例2の抽出物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0040】
実施例3.クリーム
実施例1のB成分中製造例1の抽出物溶液に代えて製造例3の抽出物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0041】
実施例4.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。こ
れを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0042】
実施例5.ローション
[成分] 部
製造例3の抽出物溶液 5.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0043】
実施例6.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例4の抽出物溶液 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0044】
実施例7.乳液
実施例4のB成分中、製造例1の抽出物溶液に代えて製造例2の抽出物溶液を用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
【0045】
実施例8.乳液
実施例4のB成分中、製造例1の抽出物溶液に代えて製造例3の抽出物溶液を用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
【0046】
実施例9.乳液
実施例4のB成分中、製造例1の抽出物溶液に代えて製造例4の抽出物溶液を用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
【0047】
実施例10.乳液
実施例4のB成分中、製造例1の抽出物溶液に代えて製造例5の抽出物溶液を用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
【0048】
実施例11.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレー 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量 [C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0049】
製造例12.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0050】
実施例13.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0051】
実施例14.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0052】
実施例15.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0053】
実施例16.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0054】
実施例17.乳液
実施例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
【0055】
実施例18.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例6の抽出物粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
【0056】
実施例19.リクイドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリクイドファンデーションを得た。
【0057】
実施例20.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例3の抽出物溶液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0058】
実施例21.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例5の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0059】
実施例22.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例6の抽出物粉末 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0060】
試験例1.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用
[試験方法]
培養B16マウスメラノーマ細胞を、96穴マイクロプレートに8×10個/穴播種し、10%仔牛血清(FBS)含有イーグル最少必須培地(MEM)中、37℃、5%CO2の条件下に1日間予備培養した後、10%FBS含有イーグルMEM培地で製造例1及び製造例2の抽出物溶液をそれぞれ2.5%又は5.0%の濃度(溶液として)となるように希釈した液に置換し、同条件で2日間培養した。
次に培養液を除去し、0.3mg/mlのMTT溶液を添加するか、もしくは界面活性剤(Triton X-100)と5mMのL−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用い、波長570−630nmで細胞活性値を、又波長490nmでチロシナーゼ活性値をそれぞれ測定した。
なお、比較のため、製造例1の抽出物溶液の代わりに、精製水を添加した場合(ブランク)についても、同様の試験を行った。
[結果]
試験例1で得られた細胞活性値を図1に、またチロシナーゼ活性値を図2に示した。図1及び図2の結果から、本発明のミカン科ミカン属植物抽出物が、細胞活性の低下を伴うことなく、細胞内チロシナーゼ活性を有意に抑制することが認められた。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】は、試験例1の各試料の細胞活性値を示すグラフである(縦軸:細胞活性値)。
【図2】は、試験例1の各試料のチロシナーゼ活性値を示すグラフである(縦軸:チロシナーゼ活性値)。
【符号の説明】
【0062】
A:ブランク(精製水)
B:製造例1の2.5%溶液
C:製造例1の5.0%溶液
D:製造例2の2.5%溶液
E:製造例2の5.0%溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミカン科ミカン属(Rutaceae Citrus)に属する植物の葉の抽出物を配合したことを特徴とする化粧料。
【請求項2】
ミカン科ミカン属に属する植物としてウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)を用いる請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
美白用である請求項1〜2に記載の化粧料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−137846(P2009−137846A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312973(P2007−312973)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000162021)共栄化学工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】