説明

化粧板

【課題】せっこうボードを基板とし、かつ難燃剤を配合しないポリオレフィン系樹脂をシート基材としながらも、製造が容易で、かつ不燃性を備えた化粧板を提供する。
【解決手段】厚さ12.5mm以上のせっこうボードからなる基板に、該基板側から順次シーラー層、接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材及び表面保護層を積層してなる化粧板であって、該接着剤層の固形物換算での塗工量が15〜30g/m2、該シート基材の厚さが0.04〜0.10mmであり、かつ該接着剤層が接着基剤と組成物基準で25〜60質量%の水酸化アルミニウムとを含有する組成物からなることを特徴とする化粧板である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、せっこうボードを基板とする化粧板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラスチックフィルムの基材に色彩や模様、もしくは凹凸等を施すことにより美観を付与した化粧シートを、せっこうボードからなる基板に貼り合わせた化粧板は、建築物の天井、壁材等の内外装用建材又は家具等の様々な用途に使用されている。(例えば、特許文献1参照)
これらのせっこうボードを基板とする化粧板の内、不燃性の高い化粧板は、流し台、ガスコンロ等のキッチン回りやその他の建築基準法上不燃性を要請されている建築物の各所に用いられており、せっこうボードを基板とする化粧板が不燃認定を受けることは、非常に重要であり、この認定を受けるべく種々の試みがなされている。
【0003】
例えば、特許文献2には、せっこうボード等の無機質系基板の一方の面に、接着剤層、化粧シート、表面保護層が順次積層された積層体において、前記表面保護層が難燃剤を添加した電離放射線硬化性樹脂からなる難燃性化粧板が提案されている。
また、特許文献3〜7には、層状珪酸塩、金属水酸化物、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤、グラスファイバー及び/又はメラミン誘導体を配合してなるポリオレフィン系樹脂層を有するシート状成形体をせっこうボード等の不燃性基板に貼り合わせてなる化粧板が開示されている。
これらの発明は、いずれもシート基材や表面保護層に難燃剤を配合することにより難燃性化粧シートを得ようとするものであり、せっこうボードのように亜鉛めっき鋼板又は珪酸カルシウム板より燃え易い基板の場合、シート基材や表面保護層に多量の難燃剤を配合する必要があった。
しかしながら、シート基材であるポリオレフィン系樹脂に多量の難燃剤を配合すると、化粧シートの製造や得られた化粧シートの化粧板への加工が困難になり、実用性を有し、かつ「不燃性認定」を備えた化粧板を得ることが難しかった。
また、表面保護層に難燃剤を多量に配合すると、表面硬度が低くなり、意匠性にも劣るので問題であった。
【0004】
【特許文献1】特開平9−32240号公報
【特許文献2】特開2000−43184号公報
【特許文献3】特開2003−12942号公報
【特許文献4】特開2003−311901号公報
【特許文献5】特開2004−58659号公報
【特許文献6】特開2004−149664号公報
【特許文献7】特開2004−160818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況下で、せっこうボードからなる基板に、難燃剤を配合しないポリオレフィン系樹脂をシート基材に用いた化粧シートを積層することにより、製造が容易で、せっこうボードへの加工がし易く、かつ不燃性と高い表面強度を備えた化粧板を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基板に貼着する化粧シートのシート基材をなすポリオレフィン系樹脂に難燃剤を配合するのではなく、シート基材に積層される接着剤層の接着基剤に難燃剤を配合することによって、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
【0007】
1.厚さ12.5mm以上のせっこうボードからなる基板に、該基板側から順次シーラー層、接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材及び表面保護層を積層してなる化粧板であって、該接着剤層の固形物換算での塗工量が15〜30g/m2、該シート基材の厚さが0.04〜0.10mmであり、かつ該接着剤層が接着基剤と組成物基準で25〜60質量%の水酸化アルミニウムとを含有する組成物からなることを特徴とする化粧板。
2.ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンである上記1に記載の化粧板。
3.接着基剤が、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジンエステル系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、イソシアネート類、石油樹脂及びフェノール樹脂からなる群から選ばれる一種もしくは2種以上である上記1又は2に記載の化粧板。
4.水酸化アルミニウムの平均粒径が0.1〜80μmである上記1〜3のいずれかに記載の化粧板。
5.表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものである上記1〜4のいずれかに記載の化粧板。
6.シーラー層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、カオリナイト及び二酸化チタンからなる群から選ばれる一種もしくは2種以上の無機材料をシーラー層基準で15質量%以上含有する上記1〜5のいずれかに記載の化粧板。
7.シーラー層の固形物換算での塗工量が、5〜20g/m2である上記6に記載の化粧板。
8.シート基材と表面保護層との間に、更に装飾層を配設してなる上記1〜7のいずれかに記載の化粧板。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、せっこうボードからなる基板に、難燃剤を配合しないポリオレフィン系樹脂をシート基材に用いた化粧シートを積層することにより、製造が容易で、せっこうボードへの加工がし易く、かつ不燃性と高い表面強度を備えた化粧板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、厚さ12.5mm以上のせっこうボードからなる基板に、該基板側から順次シーラー層、接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材及び表面保護層を積層してなる化粧板である。また、所望により、シート基材と表面保護層との間に、装飾層がさらに積層されてもよい。装飾層には、絵柄模様層、隠蔽層及び/又は透明樹脂層が含まれる。装飾層として、絵柄模様層と隠蔽層との双方が積層される場合は、隠蔽層は、通常、絵柄模様層とシート基材との間に積層される。
本発明においては、接着剤層、シート基材、装飾層及び表面保護層を順次積層して成る積層体を総称して化粧シートという。
【0010】
以下、本発明の好ましい実施態様の一つを示した模式図である図1を用いて、本発明の化粧板の典型的な構造を説明する。図1において、本発明の化粧板10は、基板11である厚さ12.5mm以上のせっこうボードに、基板11の表面を平滑にして均質な塗面を得るための、いわゆる目止めのためのシーラー層12を塗工する。そのシーラー層12の表面に接着剤層13を配設する。シーラー層12は、せっこうボードからのアルカリ成分溶出を防止し、接着剤層13の基板11への浸透を防止すると共に、接着剤層13との密着性を向上する。さらに、その接着剤層13の表面にポリオレフィン系樹脂からなるシート基材14を配設する。シート基材14の表面には、所望により配設される装飾層15が印刷又は塗工され、シート基材14と装飾層15との表面の一部又は全面を表面保護層16が覆い、表面を保護している。図1においては、化粧シート17は接着剤層13、シート基材14、装飾層15及び表面保護層16から構成されている。
【0011】
本発明においては、接着剤層13の固形物換算での塗工量が15〜30g/m2あり、シート基材14の厚さが0.04〜0.10mmであることを要する。接着剤層13の固形物換算での塗工量が15g/m2未満であると基板との密着性が落ち、30g/m2を超えると有機物量の増大により不燃性が悪くなるからである。また、シート基材14の厚さが0.04mm未満であるとダク(粗さ)が外観として現れることがあり、シート基材が破け易くなるからであり、他方、0.10mmを超えると有機物量の増大により不燃性が悪くなるからである。
さらに、接着剤層13が接着基剤と組成物基準で25〜60質量%の水酸化アルミニウムとを含有する組成物からなることを要する。水酸化アルミニウムの量が25質量%より少ないと不燃性が悪くなり、60質量%より多いと基板との密着性(粘着性能)が低下するからである。
【0012】
本発明の化粧板10は、人的災害等の発生を抑制する見地から、不燃性であることが望まれる。ここで、「不燃性である」とは、建築基準法第68条の26第1項の規定に基づき、同法第2条第9号及び同法施行令第108条の2第1〜3号(不燃材料)の規定に適合するものをいう。具体的には、本発明の化粧板10に対して、同法第2条第9号に定める燃焼性評価試験装置を用いて、前記化粧板10の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、かつ加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを指す。
本発明において、上記のような厚さのシート基材14並びに上記のような塗工量及び特定の配合範囲の接着剤層13を有する化粧板10であれば、「不燃性」の条件を満たすことが判明した。
本発明において、基板をなすせっこうボードの厚さを12.5mm以上と限定するのは、平成12年5月30日 建設省告示1400号により、厚さが12ミリメートル以上のせっこうボードが不燃材料と定められているからである。
【0013】
本発明に係るシート基材に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はエチレン/プロピレン共重合体等からなるポリオレフィン系の非エラストマー、又はポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。これらの素材を用いると、シート基材を製造する(「成膜する」と同義である)ことが容易であり、また、加熱して凹凸を付与する、いわゆるエンボス加工が容易であるので好ましい。ここで言うポリエチレン、ポリプロピレン又はエチレン/プロピレン共重合体は、これらを主成分とするブレンド樹脂や、これらを成分とするブロックもしくはグラフト共重合体をも含む。
上述の種々のポリオレフィン系樹脂の内、ポリエチレン又はポリプロピレンが特に好ましい。
【0014】
本発明における接着基剤としては、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジンエステル系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、イソシアネート類、石油樹脂及びフェノール樹脂からなる群から一種もしくは2種以上選ばれるものが好ましい。これらの内、エチレン・酢酸ビニル樹脂が、ポリオレフィン系樹脂との接着性が良好であるので、特に好ましい。
【0015】
本発明における水酸化アルミニウムとしては、平均粒径が0.1〜80μmであることが好ましく、平均粒径が0.1〜30μmであれば、さらに好ましい。平均粒径が80μm以下であれば、接着剤中の沈降性、分散性、相溶性を好適に確保ために好ましい。平均粒径は小さいほど好ましいが、入手し易さの観点からは平均粒径が0.1μm以上であることが好ましい。
水酸化アルミニウム の平均粒子径は、レーザ散乱法における粒度分布測定法によって求められる体積基準の値であって、より具体的には、レーザ散乱式粒度分布計にて測定した値として求めることができる。
【0016】
上述の水酸化アルミニウム は、市販品を用いることができ、そのような市販品として、例えば、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−43M」(平均粒子径:0.75μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−43」(平均粒子径:0.75μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−42M」(平均粒子径:1.1μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−42」(平均粒子径:1.1μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−32」(平均粒子径:8μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−31」(平均粒子径:20μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−21」(平均粒子径:26μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−10」(平均粒子径:55μm)、昭和電工(株)社製「ハイジライト H−10A」(平均粒子径:50μm)、日本軽金属(株)社製「B1403」(平均粒子径:1μm)、日本軽金属(株)社製「B703」(平均粒子径:2μm)、日本軽金属(株)社製「B103」(平均粒子径:8μm)、日本軽金属(株)社製「B153」(平均粒子径:15μm)、日本軽金属(株)社製「B303」(平均粒子径:30μm)、日本軽金属(株)社製「B53」(平均粒子径:50μm)、住友化学(株)社製「C301」(平均粒子径:2μm)、住友化学(株)社製「C303」(平均粒子径:3μm)、住友化学(株)社製「C308」(平均粒子径:8μm)等が挙げられる。
【0017】
本発明における表面保護層16としては、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものが好ましい。
ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、電子線又は紫外線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。電離放射線硬化性樹脂組成物が電子線を照射することにより、架橋、硬化することが特に好ましい。
前記電離放射線硬化性樹脂組成物としては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ重合性モノマー、特に、(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましく、電離放射線硬化が好適に達成される。硬化性の観点から(メタ)アクリレートモノマーの含有量は50質量%以上であることがさらに好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
【0018】
上述の電離放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(メタ)アクリレートモノマーとしては、多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
また、前記電離放射線硬化性樹脂組成物には、所望により、(メタ)アクリレートモノマーとともに、重合性オリゴマーを混合してもよい。重合性オリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
【0021】
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
【0022】
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等が挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
【0023】
また本発明における電離放射線硬化性樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、艶消し剤、表面強化剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等が挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
【0024】
本発明においては、このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線としては電子線が好ましい。そして、電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、シーラー層12、シート基材14又は装飾層15として電子線により劣化する材料を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、シーラー層12、シート基材14又は装飾層15への余分の電子線の照射を抑制することが好ましい。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することができる。
【0025】
本発明に係るシーラー層12としては、目止めのために有効なものであれば、有機シーラー、無機シーラー及びそれらの混合物のいずれでもよい。
有機シーラーとしては、ポリエステルポリオール樹脂、アクリルポリオールとイソシアネートとによるアクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、アミノアルキド樹脂等の樹脂の中から、シーラー層を配設する目的を満足するものを適宜選択使用すれば良い。
ウレタン樹脂としては、例えば2液硬化型ウレタン樹脂、1液硬化型(湿気硬化型)ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等が挙げられ、アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂〔ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの意味で用いる。〕が挙げられる。
【0026】
無機シーラーとしては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、カオリナイト及び二酸化チタンの何れか1成分又はこれらから選んだ2成分以上を含有する層として形成することが好ましい。ここで、酸化ケイ素成分は、オルガノアルコキシシラン、第4級アンモニウム珪酸塩、又はアミノ基含有シリケートを用い、酸化ジルコニウム成分としては、オルガノアルコキシジルコニウムを用い、酸化アルミニウムとしては、コロイド状或いは微粒子状アルミナを用いれば良い。カオリナイトとは、アルミニウムの含水珪酸塩鉱物で粘土鉱物の一種をいい、天然カオリナイト及び合成カオリナイトのいずれであってもよい。二酸化チタンは、ルチル型及びアナターゼ型のいずれであってもよい。また、無機シーラー用塗料を塗布することにより無機シーラー層を形成すると良い。なお、複数種の成分を用いる場合には、それらを塗料状態で混合し使用すれば良い。また、塗料は、水、及び/又は親水性有機溶剤にて粘度等の塗布適性を適宜調整することができる。
本発明においては、不燃性を確保する観点から、シーラー層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、カオリナイト及び二酸化チタンからなる群から選ばれる一種もしくは2種以上の無機材料を、シーラー層基準で(即ち、シーラー層の塗膜形成後の全固形分基準で)、15質量%以上含有することが好ましい。該無機材料の平均粒径は0.1〜50μmであることが好ましい。残部のシーラー層基準で85質量%未満のものとしては、例えば樹脂成分を接着剤層との接着性向上剤等として添加しても良い。該樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール、アクリルウレタン樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂等を用いることができる。
また、上記塗料中には、必要に応じて、炭酸カルシウム、ゼオライト等の平均粒径0.1〜50μmの無機粒子、顔料等の着色剤、あるいはチタン酸カリウムウィスカーのような針状無機材料等を添加しても良い。
【0027】
本発明においては、シーラー層の固形物換算での塗工量が、5〜20g/m2であることが好ましい。5g/m2以上であれば、せっこうボードからのアルカリ成分溶出を防止し、接着剤層13の基板11への浸透を防止すると共に、接着剤層13との密着性を向上するという効果を好適に奏することができる。また、20g/m2を超えても更なる効果の向上は期待できず、経済的ではない。
【0028】
本発明において、シート基材14と表面保護層16との間に、所望により配設される装飾層15の内、絵柄模様層及び隠蔽層の形成は、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷、転写印刷等の公知の印刷法で形成する。装飾層はシート基材14の表面(主に、表面保護層16側表面)に設ける他、シート基材14を多層構成とする場合はその層間の場合もある。
絵柄模様層は、化粧板10の付加価値を高める目的で設けられる。また、隠蔽層は、シート基材等の色を隠蔽する目的で設けられ、絵柄模様層の意匠性を高めたり、着色層として色彩や明度を付与したりするものである。
絵柄模様層又は隠蔽層の形成に用いるインキとしては、バインダーの樹脂に、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン、セルロース系樹脂(例えば、ニトロセルロース)等を用い、着色剤には、例えば、チタン白、弁柄、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム粉、真鍮粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を用いる。
【0029】
なお、装飾層の内、絵柄模様層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号又は各種抽象模様等であり、隠蔽層では、通常、全面ベタである。また、絵柄模様層又は隠蔽層としては、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜し金属薄膜層等も使用される。金属薄膜層は、部分的にパターン状に或いは全面に設ける。
また、凹凸模様は、代表的にはエンボス加工により賦形するが、この他、ヘアライン加工等のその他の方法で賦形する場合もある。
【0030】
また、透明樹脂層は、通常、シート基材14と絵柄模様層又は隠蔽層との間に介在して両者の接着力を良好ならしめるために設けるものであり、シート基材14面に透明樹脂層を塗布し乾燥後、絵柄模様層及び/又は隠蔽層面を重ね合わせ圧着ロールにて加圧積層するのが好ましい。透明樹脂層に用いられる樹脂としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサングリコール等のグリコール類とアジピン酸、イソフタール酸、テレフタール酸等の二塩基酸との重縮合反応によって得られるポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニールメタンジイソシアネート等のイソシアネートからなる2液硬化型ポリエステルポリオール系ウレタン樹脂が挙げられ、好ましく用いられる。
【0031】
本発明の化粧板10は、予め、接着剤層13、ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材14及び表面保護層16を積層して、化粧シート17を製造した後、厚さ12.5mm以上のせっこうボードからなる基板11の表面にシーラー層12を塗布し、硬化後、そのシーラー層12の表面に化粧シート17の接着剤層13表面が対向するように重ね合わせ、接着して製造することが好ましい。
また、所望により、予め、ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材14及び表面保護層16を積層しておき、別途、基板11の表面にシーラー層12を塗布し、硬化後、そのシーラー層12の表面に更に接着剤層13をスプレー、スプレッダー、バーコーター等の塗布装置を用いて塗布し、乾燥した後、シート基材14表面と接着剤層13表面とが対向するように重ね合わせ、接着して、化粧板を製造してもよい。
化粧シートが貼着された基板は、コールドプレス、ホットプレス、ロールプレス、ラミネーター、ラッピング、縁貼り機,真空プレス等の貼着装置を用いて圧締され、化粧板等に加工されることが好ましい。
【実施例】
【0032】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、化粧板の総発熱量、最大発熱速度及び基板割れは、下記の方法に従って測定した。
1.総発熱量、最大発熱速度及び基板割れ
建築基準法第2条9号に定める燃焼性評価試験装置を用いて、各化粧板の加熱開始後20分間の総発熱量(単位:MJ/m2)を求めた。また、加熱開始後20分間の最大発熱速度として、200kW/m2を超える時間を秒単位で求めた。
また、基板割れは、加熱開始後20分間の試験終了後の基板の亀裂や穴の有無を確認し、裏面まで貫通する亀裂や穴のいずれもないものを○、裏面まで貫通する亀裂や穴のいずれかがあったものを×とした。
【0033】
実施例1〜2及び比較例1〜6
8枚の厚さ12.5mmのせっこうボード(建設省告示1400号で定められた不燃材料、すなわち不燃仕様のものを用いた)の表面に、それぞれ下記組成の酸化ケイ素系シーラー塗料を、固形物換算での塗工量が15g/m2になるように塗工し、硬化し、8枚のシーラー層付きせっこうボードを得た。
シーラー塗料(酸化ケイ素系)の組成内容
(1)アミノ基含有シリケート(SiO2濃度25%) 30質量部
(2)アクリル樹脂エマルション(固形部50%) 5質量部
(3)二酸化ケイ素(平均粒径3μm) 15質量部
(4)カオリナイト(平均粒径5μm) 15質量部
(5)チタン酸カリウムウィスカー(平均長15μm) 2質量部
(6)二酸化チタン(平均粒径0.5μm) 25質量部
(7)水 5.8質量部
(8)エチレングリコール 2質量部
(9)ノニオン系界面活性剤 0.5質量部
(10)シリコーン系レベリング剤 0.5質量部
上記各化合物を混合、攪拌した組成物。

次に、表1に示すシート基材に、アクリル・ウレタン系樹脂からなるインキを使用して隠蔽層を塗工した後、アクリル・ウレタン系樹脂からなるインキを使用して木目模様の絵柄模様層をグラビア印刷した。次いで、下記組成内容のウレタンアクリレート系電子線硬化型樹脂組成物を夫々5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層4とした。次いで、70℃で24時間の養生を行い、8枚の表面保護層付きシートを得た。
ウレタンアクリレート系電子線硬化型樹脂組成物の組成内容
(1)ウレタンアクリレート 86質量部
(2)ワックス 5質量部
(3)シリカ 5質量部
(4)紫外線吸収剤 4質量部

その後、表面保護層付きシートの裏面であるシート基材面に表1に示す組成の接着剤層を固形物換算での塗工量が表1に示すように塗工し、8種類の化粧シートを得た。水酸化アルミニウムの平均粒径は1μmであった。
前記8枚のシーラー層付きせっこうボードのシーラー層の表面に前記8種類の化粧シートの接着剤層表面が対向するように重ね合わせ、接着した後、貼着装置であるラミネーターを用いて圧締し、8種類の化粧板を得た。
これら8種類の化粧板の不燃性を評価するため、総発熱量、最大発熱速度及び基板割れを評価した。評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
表1から分かるように、実施例1及び2の化粧板は、いずれも良好な不燃性を有し、不燃認定を取得し得ることとなった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の化粧板は、各種家具類、台所製品のキャビネット等の化粧板や建築内装材として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の化粧板の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
【0038】
10 化粧板
11 基板
12 シーラー層
13 接着剤層
14 シート基材
15 装飾層
16 表面保護層
17 化粧シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ12.5mm以上のせっこうボードからなる基板に、該基板側から順次シーラー層、接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材及び表面保護層を積層してなる化粧板であって、該接着剤層の固形物換算での塗工量が15〜30g/m2、該シート基材の厚さが0.04〜0.10mmであり、かつ該接着剤層が接着基剤と組成物基準で25〜60質量%の水酸化アルミニウムとを含有する組成物からなることを特徴とする化粧板。
【請求項2】
ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンである請求項1に記載の化粧板。
【請求項3】
接着基剤が、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジンエステル系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、イソシアネート類、石油樹脂及びフェノール樹脂からなる群から選ばれる一種もしくは2種以上である請求項1又は2に記載の化粧板。
【請求項4】
水酸化アルミニウムの平均粒径が0.1〜80μmである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧板。
【請求項5】
表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものである請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板。
【請求項6】
シーラー層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、カオリナイト及び二酸化チタンからなる群から選ばれる一種もしくは2種以上の無機材料をシーラー層基準で15質量%以上含有する請求項1〜5のいずれかに記載の化粧板。
【請求項7】
シーラー層の固形物換算での塗工量が、5〜20g/m2である請求項6に記載の化粧板。
【請求項8】
シート基材と表面保護層との間に、更に装飾層を配設してなる請求項1〜7のいずれかに記載の化粧板。

【図1】
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【公開番号】特開2007−231589(P2007−231589A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53885(P2006−53885)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】