説明

医用画像処理装置、医用画像処理方法、医用画像処理プログラム

【課題】操作者の手を煩わすことなく解剖学的特徴を識別することが出来る医用画像処理装置、医用画像処理方法および医用画像処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本実施形態に係る医用画像処理装置1は、被検体に対する医用画像データセットと、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点と前記注目領域もしくは前記注目部位に関する参照画像データとを有する参照データセットとを記憶する記憶部6と、前記医用画像データセットにおける前記被検体の医用画像と、前記参照データにおける前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行する位置合わせ部14と、前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記医用画像に割り当てる割り当て規則を決定する割り当て規則決定部18と、前記決定された割り当て規則を用いて、前記医用画像に前記解剖学的標識点を割り当てる割り当て部20と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像における解剖学的特徴を識別することができる医用画像処理装置、医用画像処理方法、医用画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ断層撮影のような3次元画像化技術は、被検体の解剖学的構造についてのボリューム表示を実行する能力を有する。操作者は、任意の断面を撮影してリアルタイムに取得された画像、または一旦保存した画像を、解剖学的構造についてのボリューム表示することができる。加えて、解剖学的構造についてのボリューム表示に対して、操作者は、個々の解剖学的構造を正確に表示させるために画像処理技術を利用することができる。3次元画像化技術は、複数のボリュームデータセットを生成する。ボリュームデータセット各々は、複数のボクセルの3次元配列を有する。複数のボクセル各々は、測定されたボリュームに関連する特性を有する。コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:以下、CTと呼ぶ)によるボリュームデータセットの場合には、各々のボクセルにおけるデータは、通常、被検体により減衰されたX線の吸収率のデータを示している。
【0003】
さまざまな異なる目的のために、ボリュームデータセット(例えばCTデータセット)から特定の解剖学的な領域、または特徴を識別することが望まれている。
【0004】
例えば、非常に大量のCTデータセット、または他のボリュームデータセットは、病院のデータベースに記憶されている。通常、CTデータセット、または他のボリュームデータセットは、患者に関するデータ(以下、患者データと呼ぶ)、または撮影に関するデータ(以下、撮影データと呼ぶ)、メタデータ(付帯情報)とともに所定の記憶領域に記憶される。患者データや撮影データは、撮影された患者を特定し、撮影パラメータを表現し、撮影対象の患者部位を特定する。特定のケースにおいて、データセット内の画像の特徴にラベル(標識)付けしたラベルデータ(メタデータの一種)が、画像とともに保存される。しかしながら、医用画像データセット各々とともに記憶される患者データ、撮影データおよび他の付帯情報における質および量は、大きく変化する場合がある。放射線技師、または他の医療関係者からの熟練した入力なしで、特定の医用画像データセットが何に関する画像を表しているかを決定することは困難である。すなわち、画像データセットとともに用意される通常の付帯情報を用いて、特定の解剖学的特徴を表す医用画像に関連する医用画像データセットを特定するために、データベースを自動的に探索することは、困難、または不可能である。
【0005】
医用画像における解剖学的領域を識別することにおける他の重要な問題は、CT装置または他の医用画像診断装置におけるスカウト画像(scout images)の使用に関係する。CT画像を取得するとき、まず、一つの角度または一組の角度において、被検体を透過したX線の測定が実行される。被検体を透過したX線の測定とは、通常、X線源が固定された角度の位置で、X線の投影データを取得することである。この投影データの測定におけるX線のエネルギーは、CTスキャンで用いられるX線のエネルギーに比べて低エネルギーである。もしくは、この投影データの測定における分解能は、CTスキャンにおける分解能より低分解能である。このようなCTスキャン前の初期測定は、スカウトイメージ測定と呼ばれ、例えば、医用画像診断に必要な画像のスライス位置を決定するために、短いスキャンで実行される。このスカウトイメージ測定により発生される画像は、従来のX線像に類似している。スキャノグラム(scanogram)という用語も、スカウト画像に関連して使用される。操作者は、典型的には、医用画像診断装置に関連する被検体の位置を確認するためにスカウト画像を検討する。この検討により、操作者は、特定の解剖学的特徴または領域について、近似的な位置を識別する。その後、操作者は、次のX線撮影に備えて医用画像診断装置を準備するためにスカウト画像の情報を使用する。上記次のX線撮影では、特定の解剖学的な領域に対して、より正確な、またはより高い放射線量を用いた撮影が実行される。操作者によるスカウト画像の検討では、通常、解剖学的領域を識別することが要求される。この時、自動的な処理手順は、提供されない。もし、操作者がスカウト画像を検討する際に失敗を犯せば、被検体の不適当な解剖学的領域は、次のX線撮影において、不要な被曝にさらされる。
【0006】
他の例として、解剖学的領域は、一般に、特定の解剖学的特徴を代表する医用画像データについて、解析または観察を可能にするために識別される。一連の技術が、特定の解剖学的特徴または領域を位置決めするため、または識別するために開発されている。また、上記技術は、画像化または解析のために医用画像データセットの特別な部分を自動的に選択するために、開発されている。いくつかの既知の技術は、組織および臓器の区分化を用いることにより、解剖学的領域または特徴を探し出す技術である。このような技術において、閾値処理と領域生成処理とは、胴の典型的な画像データを区分するために用いられる。閾値処理と領域生成処理とは、人体を、皮膚、皮下脂肪、内蔵脂肪、筋肉、臓器、骨格、横隔膜、胸腔、腹腔などに分類する。上記のような処理によれば、ボクセル各々は、ハンスフィールドユニット(Hounsfield Unit)値に基づいて、例えば、空気、脂肪、筋肉、臓器、または骨格などに識別される。異なる解剖学的特徴は、異なるタイプのボクセルに関する分布に基づいて識別される。この時、異なるタイプのボクセルは、領域生成処理で用いられる。
【0007】
代替技術として、人体の外形、骨に相当する領域、肺に相当する領域は、閾値処理と連結領域ラベリングとにより検出される。この時、胸部、骨盤またはその他の部位への解剖学的領域の分類は、ボリュームデータにおける各々のスライスにおける骨の部分と肺の部分とに関する解析に基づいて実行される。また、被検体の撮影位置(仰向け、うつ伏せ、またはその他(特別な体位の場合、うつぶせ等の他に、「other」という選択肢がある))も決定される。次に解剖学的標識点を有するスライスが、関心のある解剖学的標識点に適したものとして選択された様々な異なる技術を用いて、識別される。最後に、骨盤領域と胸部領域とが、解剖学的標識点により示されたマップ内への補間結果に基づいて、これら各々を構成する領域または臓器にさらに細分化される。
【0008】
さらに別の技術として、解剖学的特徴は、機械学習技術に基づいて、Axial(アキシャル)軸の周りのスライス分類を用いて位置決めされる。第1に、Axial(アキシャル)面のCTスライスが、正規化された状態に対して、回転させられる。第2に、各々スライスは、例えば、スライス各々の画像データにおける一連の特徴に基づいて、多くの異なる種類のひとつに分類される。第3に、ダイナミックプログラミングが、スライス分類の不整合を解消する。
【0009】
さらに知られた技術は、骨格に関して閾値処理された2次元投影に関する解析に基づいた技術である。2値化された2次元画像における複数の水平線が、最遠位の上限の閾値点によって定義された区間の幅と、この区間内に位置する上限の閾値点の割合とに基づいて、クラスターに分類される。この時、クラスターに分けられた領域(同じクラスターに属する水平線に関して隣接する集合)は、調整された分類器を用いて、異なる骨格の領域に分類される。
【0010】
解剖学的領域または特徴を識別するために上述したような既知の自動または半自動の技術は、一般的に演算量が多く、パイプラインとアルゴリズムとが複雑である。一般に、上記技術は、特定の解剖学的特徴についての詳細な解析などの他のある目的と、特定の解剖学的特徴の検出とを有する。もしくは、解剖学的特徴の推定は、通常、他の目的の副産物として得られる。しかしながら、上記既知の技術は、演算量が多いため、一般に、3次元画像データセットにおける解剖学的領域の効率的かつ迅速な決定には適さない。
【0011】
解剖学的特徴の識別に対して有用な上述したような他のアプリケーションの場合、そのような識別は、例えば、スカウト画像、またはデータベースに記憶された画像の検討などに従って、通常、操作者によって手動で実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2008/0148082号
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0267471号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】B Hass, T Coradi, M Scholz, P Kunz, M Huber, U Oppitz, L Andre’, V Lengkeek, D Huyskens, A van Esch, and R Reddick. “Automatic segmentation of thoracic and pelvic CT images for radiotherapy planning using implicitanatomic knowledge and organ-specific segmentation strategies”, Physics in medicine and biology, 53(6):1751-71, March 2008.
【非特許文献2】Keigo Nakamura, Yuanzhong Li, Wataru Ito, and Kazuo Shimura. “A machine leaning approach for body part recognition based on CT images”. In Proceedings of SPIE, volume 6914, pages 69141U-69141U-9. SPIE, 2008.
【非特許文献3】Xiangrong Zhou, Takeshi Hara, Ryujiro Yokoyama, Takuji Kiryu, M Kanematsu, and Hiroaki Hoshi. “Preliminary Study for Automated Recognition of Anatomical Structure from Torso CT Images”. In IEEE 27th Annual Con-ference Engineering in Medicine and Biology, Shanghai, China, 2005
【非特許文献4】Xiangrong Zhou, Tatsuro Hayashi, Takeshi Hara, Hiroshi Fujita, Ryujiro Yokoyama, Takuji Kiryu, and Hiroaki Hoshi. “Automatic recognition of lung lobes and fissures from multislice CT images”. SPIE, volume 5370, pages1629-1633. SPIE, 2004.
【非特許文献5】Xiangrong Zhou, Naoki Kamiya, Takeshi Hara, Hiroshi Fujita, and Ryujiro Yokoyama. “Automated Recognition of Human structure from Torso CT images”. In 4th IASTED International Conference Visualization, Imaging and Image Processing, pages584-589, Marbella, Spain, 2004.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
目的は、操作者の手を煩わすことなく解剖学的特徴を識別することが出来る医用画像処理装置、医用画像処理方法および医用画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本実施形態に係る医用画像処理装置は、被検体に対する医用画像データセットと、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点と前記注目領域もしくは前記注目部位に関する参照画像データとを有する参照データセットとを記憶する記憶部と、前記医用画像データセットにおける前記被検体の医用画像と、前記参照データにおける前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行する位置合わせ部と、前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記医用画像に割り当てる割り当て規則を決定する割り当て規則決定部と、前記決定された割り当て規則を用いて、前記医用画像に前記解剖学的標識点を割り当てる割り当て部と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本実施形態に係り、解剖学的特徴または解剖学的領域を識別する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本実施形態に係り、参照データセットのアトラスデータ(解剖図譜)における解剖学的標識点の位置を、被検体の医用画像のMIP上での対応する位置に、マッピングすることの概要の一例を示す概要図である。
【図4】図4は、本実施形態に係り、ボリュームレンダリングされた画像を、選択された解剖学的な領域のハイライトとともに示す図である。
【図5】図5は、本実施形態に係り、ボリュームレンダリングされた画像を、選択された解剖学的な領域のハイライトとともに示す図である。
【図6】図6は、本実施形態の変形例に係り、X線コンピュータ断層撮影装置に接続された医用画像処理装置の構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる医用画像処理装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0018】
図1は、本実施形態に係る医用画像処理装置1のブロック構成図を示している。医用画像処理装置1は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下、PCと呼ぶ)またはワークステーションなどの処理部2と、処理部2に接続された表示部4、記憶部6、キーボードおよびマウスなどの入力部8とを有する。
【0019】
処理部2は、中央演算処理ユニット(Central Processing Unit:以下、CPUと呼ぶ)を有する。CPU10は、様々なソフトウェアモジュールあるいは、他のソフトウェア・コンポーネントを読み込み、実行する。図1における実施形態において、ソフトウェアモジュールは、投影データ発生部12と、位置合わせ部14と、割り当て規則決定部18と、割り当て部20と、設定部22とを有する。
【0020】
投影データ発生部12は、被検体に関するボリュームデータに対して前処理し、ボリュームデータを投影処理した投影画像データセットを発生する。
【0021】
位置合わせ部14は、被検体の医用画像と注目領域もしくは注目部位の画像との位置合わせを実行する。
【0022】
割り当て規則決定部18は、位置合わせに基づいて、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点を、被検体の医用画像に割り当てる割り当て規則を決定する。
【0023】
割り当て部20は、決定された割り当て規則を用いて、被検体の医用画像に解剖学的標識点を割り当てる。割り当て部20は、医用画像に割り当てられた解剖学的標識点を用いて、医用画像における複数の解剖学的特徴にそれぞれ対応する複数の解剖学的領域を決定する。
【0024】
設定部22は、事前設定として、例えば、色、コントラスト、分解能、視野角、操作者にとって利用可能な画像診断ツールまたはアイコン、および、表示されるための特定の解剖学的領域に依存した解析パラメータまたは他のディスプレイパラメータ、撮影パラメータなどを設定する。設定部22は、特定の解剖学的領域または特定の解剖学的特徴(例えば、胴または肺)に対して実行された後の撮影に関する撮影パラメータを操作者が入力する場合であって、操作者により入力された後の撮影の撮影範囲が解剖学的領域または特徴を完全に含まない場合、撮影範囲に解剖学的領域または特徴が含まれていないことを示すメッセージを、表示部4に出力する。設定部22は、放射強度(Radiation having an intensity:例えば、CT装置における管電圧、管電流、核磁気共鳴装置におけるパルス強度、著音波診断装置における周波数等)が解剖学的特徴または解剖学的領域に対する予め決定された安全な限度を超える場合、自動的に警告信号を発生する。なお、設定部22は、操作者によって指示された被検体の撮影位置と放射強度とをモニタする機能を有していてもよい。
【0025】
処理部2は、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)16を有する。図1の実施形態によれば、ハードディスクドライブ16は、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点と、上記注目領域もしくは注目部位に関する参照画像データとを有する参照データセットを記憶する。なお、参照データセットは、注目領域もしくは注目部位に対するアトラスデータ(解剖図譜)として解剖学的標識点を有していてもよい。この時、参照画像データによる参照画像と、アトラスデータおける解剖学的標識点とは、位置関係(縮尺率および断面方向など)が同一である。
【0026】
処理部2は、PC(Personal Computer)に関する他の標準コンポーネントを有する。PCに関する他の標準コンポーネントとは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)、データバス、様々なデバイスドライバを有するオペレーティングシステム、例えばグラフィックカードのような様々な周辺機器と接続するためのハードウェアデバイスなどである。上記標準コンポーネントは、明瞭さのために、図1には図示されていない。
【0027】
図1の実施形態における記憶部6は、データベースを有する。データベースは、多数の異なるデータセットを記憶する。多数の異なるデータセットとは、例えば、被検体に対するCT検査により取得された3次元的なCTボリュームデータセット(以下、医用画像データセットと呼ぶ)である。入力部8を介して選択された医用画像データセット7が、処理のために図示していないサーバから処理部2へダウンロードされる。図1に示す記憶部6は、例えば、大量の患者データを記憶するサーバである。なお、記憶部6は、医用画像保管通信システム(Picture Archiving and Communication System:以下、PACSと呼ぶ)の一部を構成していてもよい。なお、他の実施形態においては、医用画像データセット7は、サーバからダウンロードされる代わりに、処理部2の図示していないメモリに記憶されてもよい。なお、記憶部6は、参照データセットを記憶してもよい。
【0028】
上述したように、位置合わせの処理は、被検体の医用画像と注目領域もしくは注目部位の画像との位置合わせを実行する処理である。図1の実施形態によれば、参照データセットは、参照画像データとして、2次元参照画像データを有する。2次元参照画像データとは、参照患者または他の被検体に関する実際のCT検査により得られた3次元ボリュームデータセットに対するコロナル(Coronal)方向の最大値投影(Maximum Intensity Projection:以下、MIPと呼ぶ)による2次元画像に関するデータである。また、アトラスデータは、解剖学的標識点を有する。解剖学的標識点は、例えば基準点データを有する。基準点データは、解剖学的特徴に対応する予め決定された位置を識別するために用いられる。図1の実施形態によれば、基準点データは、体軸方向に沿って、解剖学的特徴がどこに位置するかを示す距離と、解剖学的特徴を特定する識別子とを有する。なお、他の実施形態においては、基準点データは、2次元または3次元における解剖学的特徴の位置を示す2次元または3次元座標を有していてもよい。
【0029】
図1における実施形態では、2次元参照画像データは、参照患者に対して実行された全身の医用画像データである。また、16個の異なる基準点が用いられてもよい。他の実施形態においては、2次元参照画像データは、身体の一部を示していてもよい。身体の一部とは、例えば、胴部領域などである。また、基準点の数は、あらゆる数に設定可能である。
【0030】
解剖学的標識点として用いられる解剖学的特徴は、例えば、頭蓋頂部(Skull Top)、眼窩(Orbitae)、頭蓋底(Skull Base)、下顎(Lower Jaw)、頸部(Neck)、上腕骨頭(Humerus Heads)、肺頂部(Lung Tops)、柄部(Manubrium)、大動脈弓(Aortic Arch)、肺動脈幹(Pulmonary Trunk)、肝臓頂部(Liver Top)、肝臓最大(Liver Largest)、複数の門(Hili)、脾臓最大(Spleen Largest)、腎臓最大(Kidneys Largest)、腸骨翼(Iliac Wings)、仙腸関節(Ileosacral Joints)、大腿骨頭(Femur Heads)、座骨(Ischiatic Bones)、上部脚(Upper Legs)、膝蓋骨(Patellae)、上部腓骨脛骨接続部(Upper Fibula Tibia Joints)、下部脚(Lower Legs)、下部腓骨脛骨接続部(Lower Fibula Tibia Joints)、踝関節(Ankle)などである。
【0031】
アトラスデータの解剖学的標識点に関する基準点は、例えば、参照データセットから得られた参照画像に対する操作者による識別と考察とに基づいて、予めアトラスデータ上に決定され、記憶される。例えば、CTデータセットにおける最大値は通常骨質から得られるため、MIPは、骨格の特徴が被検体の医用画像において容易に識別可能であることを保証する。図1における実施形態において、基準点は、骨格上の点である。骨格上の点は、MIPから容易に識別可能である。基準点としての骨格の特徴の使用は、骨格の特徴に関する位置、大きさ、寸法などが、他の解剖学的特徴(例えば、筋肉または組織)に比べて、被検体間または時間経過に関してほとんど変化しないという好都合な点を有する。
【0032】
ひとつの操作モードに従って操作中に処理部2により実行される処理を、図2のフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートは、解剖学的特徴または解剖学的領域を識別する処理(以下、解剖学的特徴識別処理と呼ぶ)の流れを示すフローチャートである。
【0033】
処理方法の第1の段階において、例えばCT検査により測定されたデータセット(以下、測定データセットと呼ぶ)のうち選択された測定データセット(または医用画像データセット)7が、記憶部6から検索される(ステップS1)。なお、ステップS1として、記憶部6に記憶された医用画像データセットのうち、入力部8を介した操作者の操作により選択された医用画像データセットが、記憶部6から選択されてもよい。測定データセットとは、例えば、ボリュームデータセットである。
【0034】
次の段階で、測定データセットに関連付けられたメタデータ(付帯情報)が、読み出され、必要に応じて後の使用のために、図示していないメモリに記憶される。メタデータは、患者識別子、データの大きさを示すスケーリング情報(例えば、各々の方向における1ピクセルまたは1ボクセルあたりの長さmm)を有する。このとき、測定データセットの前処理が実行されてもよい(ステップS2)。前処理とは、例えば、本処理に無関係のデータを削除することなどである。
【0035】
次の段階において、測定データセットのMIP処理が、測定データセットの2次元コロナルMIPを発生するために実行される(ステップS3)。
【0036】
位置合わせに関する処理が、位置合わせ部14により実行される。位置合わせ部14は、初めに、アトラスデータに対応する参照データセットのスケーリング(各々の方向における1ピクセルあたりの長さmm)を決定する。位置合わせ部14は、測定データセットのMIPに関するスケーリングを、必要に応じて調整する。これにより、測定データセットのMIPに関するスケーリングは、参照データセットにおけるスケーリングと同じになる。
【0037】
次に、位置合わせ部14は、最初の整合手続きを実行する。最初の整合手続きにおいて、位置合わせ部14は、参照データの位置と測定データセットの位置との間の相対位置(オフセット)を探索する。相対位置は、測定データセットにより表示される被検体の医用画像と、参照データセットにより表される参照画像との間の許容できる適合性を提供する。最初の整合手続きは、参照データセットと測定データセットとの間の垂直の相対位置を決定するために、y方向(通常横方向)だけにおいて異なる開始位置を用いて、多くの高速検索を実行することを有する。この探索により、垂直の相対位置は、所定の値にすることができる。
【0038】
なお、上記探索および整合手続きとして、あらゆる適切な探索および整合手続きが用いられてもよい。また、上記探索および整合手続きは、解空間を探索するための他の技術またはあらゆる最適化技術を有していてもよい。図2に記載の実施形態において、パウエル法が、最適化のための技術として用いられる。使用することが可能な他の最適化の技術は、シミュレートされたアニーリング(annealing)、BFGS(Broyden Fletcher−Goldfarb−Shanno)法、シンプレックス(Simplex)アルゴリズムなどである。探索及び整合手続きは、参照データセットのMIP(以下、参照MIPと呼ぶ)上のピクセルの位置(以下、参照位置と呼ぶ)に対応する測定データセットのMIP(以下、測定MIPと呼ぶ)上のピクセルの位置(以下、測定位置と呼ぶ)について、参照MIPと測定MIPとの間の相対位置が異なるために、参照位置のピクセル値と測定位置のピクセル値とを比較する。
【0039】
割り当て規則決定部18は、最初の整合手続きによって得られた相対位置に基づいて、アトラスデータにおける解剖学的標識点を、測定データセットに関する被検体の医用画像に割り当てる割り当て規則を決定する。具体的には、割り当て規則とは、例えば、解剖学的標識点を、被検体の医用画像に割り当てるための変換である。まず、最初の整合手続きによって得られた相対位置と変換とは、出発点として使用される。次の段階において、さらに精密な整合手続きが実行される。精密な整合手続きは、割り当て規則決定部18により、参照MIPにより表される2次元画像と測定MIPにより表される2次元画像との最適な位置合わせを提供するために、リジッド変換(rigid transformation)条件または行列を探索することである。リジッド変換とは、剛体の平行移動、回転、拡大、縮小に関する変換である。なお、この時、解空間を探索するために、上記探索および整合手続きとして、あらゆる適切な探索および整合手続きが用いられてもよい。出発点としての最初の整合手続きより得られた相対位置または変換を用いることにより、以下のことが保証される。すなわち、最良のリジッド変換の探索が探索空間における局所的な複数の最大、最小で行き詰まらないように、より精密な位置決め手続きが適当な出発点で開始されることが保証される。
【0040】
図2に記載の実施形態において、リジッド変換は、アフィン変換(affine transformation)である。アフィン変換は、個別の線形変換(x=Ax+B、y=Ay+B)に従って、測定MIPにおけるx座標y座標各々を変換する。代替の実施形態においては、変換は、x方向またはy方向の一方の方向であってもよい。また、他の代替の実施形態としては、変換として、非リジッド変換が用いられてもよい。非リジッド変換(位置合わせ)は、非剛体の位置合わせとして用いられる。上記代替の実施形態においては、リジッド変換は、初めに取得され、最適な非リジッド位置合わせの探索の出発点として用いられる。これにより、割り当て規則が決定される(ステップS4)。
【0041】
次の段階(ステップS5)において、割り当て部20により、アトラスデータにおいて予め定義された解剖学的標識点を示す複数の基準点各々の位置が、参照MIPにおける位置から測定MIPの対応する位置へ、決定されたリジッド変換を用いてマップされる。上記マップは、例えば、図3に概念的に示されている。図3における実線の矢印は、地図に関する参照データセットにおける解剖学的標識点(32a、32b、32c、32d、32e、32f)のy方向における複数の基準点の位置を、測定MIPのy方向における対応する複数の位置へマップすることを示している。
【0042】
次の段階(ステップS6)において、測定MIPにおける解剖学的領域は、解剖学的標識点の位置に基づいて、割り当て部20により決定されてもよい。解剖学的領域は、開始点と終了点と間における適切な解剖学的標識点を用いることで定義される。例えば、鎖骨と特定の脊椎とは、身体の胴の範囲を定めるために用いられてもよい。この時、測定MIPに対する胴領域は、鎖骨に対して(アトラスデータからのリジッド変換によるマッピングを用いて)決定された位置と特定の脊椎に対して決定された位置との間の領域として、決定される。あるいは、特定の解剖学的領域に関する開始点と終了点とは、一致することなしに、解剖学的標識点の位置から得られてもよい。例えば、特定の解剖学的領域は、2つの選択された解剖学的標識点の位置の間の中ほどに、定義されてもよい。
【0043】
特定の解剖学的領域に対する開始点が識別され、解剖学的領域に対する終了点が識別されない場合、さらに開始点または終了点が医用画像の末端の前においても識別されない場合、解剖学的領域は、医用画像の末端まで拡張されてもよい。
【0044】
解剖学的標識点に関する識別された位置と、解剖学的領域の識別された位置との両方または一方は、被検体の医用画像における対応する位置へマップされる。解剖学的標識点に関する識別された位置と、解剖学的領域の識別された位置との両方または一方は、付帯情報として測定データセットとともに記憶される。図2に関する実施形態において、アトラスデータにおける解剖学的標識点はコロナルMIPに基づいているため、解剖学的位置または領域は、コロナル方向ではなく、トランスバース方向とサジタル方向とのうちひとつまたは両方の方向において特定される。
【0045】
図2に関する実施形態において、割り当て部20は、他の医用画像データセットまたは測定データセットにおける解剖学的特徴または解剖学的領域に関する自動識別を具備していてもよい。例えば、解剖学的領域(例えば、胴部、腹部、頭部)を自動的に識別するための方法は、測定データセットに解剖学的領域が含まれているか否かを判別し、開始位置と領域各々の拡張とを自動的に推定する。図2に関する実施形態は、医用画像と参照画像との位置合わせと既知の最適化、または実際の被検体から得られた参照データセットと測定データセットとの間のマッピングを決定するための他の解空間探索技術を用いているため、計算上単純である。解剖学的領域または特徴の自動識別を提供するために、医用画像の内容に関するスライスごとの解析、または複雑な特徴抽出および分類、またはプログラムの訓練手続は、図2の実施形態によれば要求されない。本実施形態によれば、自動識別に関する手続きは、ロバスト性が高く、速やかに実行することが可能となる。
【0046】
上述した図2に関する実施形態の操作モードにおいて、ボリュームデータの投影が実行されてもよい。このとき、位置合わせの処理は、被検体に関するボリュームデータの投影画像を注目領域もしくは注目部位の投影画像に一致させる処理である。代替の実施形態として、測定データセットは、スカウト画像データセットまたはスキャノグラムに関連したデータセットであってもよい。スカウト画像データセットは、固定された角度でのX線管の位置で、被検体に対してX線の投影を実行することにより得られる。代替の実施形態として、スカウト画像データセットは、被検体を透過した投影を代表している。この時、ボリュームデータセットの投影を得るためのデータ処理は要求されない。位置合わせに関する処理は、スカウト画像データセットを参照データセットに整合させる。このとき、参照データセットは、参照用のボリュームデータセットの投影、または参照用のスカウト画像データセットを有する。
【0047】
なお、図2の実施形態は、様々なアプリケーションに使用されてもよい。例えば、識別された解剖学的領域は、操作者に対して表示されるため、または強調表示するために、測定データセットの一部分を選択するのに使用されてもよい。また、識別された解剖学的領域は、測定データセットについて視点が与えられたボリュームデータに対する関心ボリューム(Volume Of Interest:以下、VOIと呼ぶ)の事前設定を自動的に決定するために、用いられてもよい。なお、事前設定は、測定データセットのどの部分が表示されるか、または強調表示されるかを決定してもよい。また、事前設定は、例えば、色、コントラスト、分解能、視野角、操作者にとって利用可能な画像診断ツールまたはアイコン、および、表示されるための特定の解剖学的領域に依存した解析パラメータまたは他のディスプレイパラメータを、設定部22により自動的に設定してもよい。
【0048】
図4および図5は、測定データセットに関してボリュームレンダリングされた画像(以下、レンダリング画像と呼ぶ)を、選択された解剖学的な領域のハイライトとともに示す図である。このとき、測定データセットは、図2の実施形態に関する手続きを受ける。具体的には、測定データセットにおいて異なる解剖学的領域と位置とが自動的に決定される。次いで、決定された位置と解剖学的領域の範囲とを代表する付帯情報が記憶される。
【0049】
図4は、操作者により選択された腹部領域と頭部および頸部領域とのハイライト表示の一例を示す図である。入力部8を介して、操作者により腹部、頭部、頸部領域が選択されると、腹部領域と頭部および頸部領域の範囲と位置とを識別する付帯情報に基づいて、レンダリング画像上の範囲が選択され、ハイライト表示される。一方、選択されていない領域は、選択された解剖学的領域に比べて、図4の表示画像において薄暗く表示される。レンダリング、画像の表示、他の視点の表示、アイコンなどは、既知の医用画像技術およびボリュームレンダリング技術に従って実行されてもよい。しかしながら、画像の表示のために用いられる各種設定は、図2の実施形態を用いて決定された解剖学的領域から、自動的に決定されてもよい。
【0050】
図5は、解剖学的領域に関する画像について、図4とは別の一例を示す図である。解剖学的領域は、図2の実施形態を用いて自動的に決定された領域に対する開始点と終了点とに基づいて、選択され表示される。図5の例において、腹部領域は、腹部領域の周りに長方形の箱を自動的に描くことにより選択され、強調表示される。
【0051】
なお、上述した実施形態は、さらなる解析または手続きの処理のための開始点として、解剖学的領域または解剖学的特徴を自動的に識別し位置決めするために用いられてもよい。例えば、上述した実施形態を用いて得られた解剖学的領域または特徴に関係する情報は、以下のような後の様々な手続きのためのインプットとして用いられてもよい。
【0052】
・自動骨領域抽出手順。参照データセットまたは測定データセットにより表される解剖学的領域の情報は、骨の分類器に使用することができる。骨の分類器は、各々の領域に対して骨の種類を分類する機能を有する。これにより、骨の分類に関して改善された結果を提供することができる。
【0053】
・自動臓器抽出手順。解剖学的領域に関係する情報は、器官の区分化の性能を向上することができるヒントポイントまたは開始位置を提供するために使用することができる。
【0054】
・自動ハンギングプロトコル。
【0055】
・例えば上述したようなボリュームレンダリングの視点に対する自動VOI事前設定。
【0056】
・自動検査ナビゲーション。解剖学的領域の範囲および解剖学的特徴の位置の情報は、特別な解剖学的領域または解剖学的特徴の代表的なデータを自動的に選択または表示する機能の供給を可能にします。
【0057】
上述した実施形態は、別の応用として、データマイニングの実施で、多くの医用画像データセットを検索し処理することに使用することができる。各々の医用画像データセットに対して、医用画像データセットにより示される解剖学的領域または解剖学的特徴は、自動的に識別される。解剖学的領域と解剖学的領域の位置とのうち少なくとも一方を識別するデータ(以下、識別データと呼ぶ)は、医用画像データセット各々に関連付けられて記憶される。識別データは、解剖学的領域に基づいて、複数の医用画像データセットの集積からこれらの医用画像データセットの次の検索または解析を可能にする。
【0058】
代替の実施形態として、処理部2は、図6で概略的に示すように、CT画像診断装置40接続される。処理部2は、CT画像診断装置40からCT画像データを検索し、検索されたCT画像データを処理する。図6における代替の実施形態における処理部2は、CT画像診断装置40の操作を制御するための制御端末として使用される。
【0059】
CT検査において、被検体は、CT画像撮影に備えて、CT画像診断装置40の天板に載置される。この時、処理部2は、CT画像診断装置40に、一つの角度または限定された一連の角度から被検体の全身スキャンを迅速に実行するように命令する。対照的に、通常の検査における撮影に関する高分解能モードは、被検体とCT画像診断装置40とに関するひとつの方向で、またはより大きい角度で実行される。
【0060】
最初の撮影結果は、処理部2に出力される。処理部2は、出力された最初の撮影結果に基づいて、一連のスカウト画像データまたは、スキャノグラムデータと呼ばれるデータを発生する。スカウト画像データは、表示部4に表示される。操作者は、撮影された被検体に対して特定の解剖学的特徴に関する近似的な方向と位置とを決定するために、スカウト画像を検討することができる。このとき、操作者は、CT画像診断装置40を用いてより詳細な後の撮影のための撮影パラメータ(例えば、撮影範囲など)を、設定することができる。例えば、操作者は、被検体に対する後の撮影のための撮影範囲を決定するために、スカウト画像を検討することができる。撮影範囲は、関心のある特定の解剖学的特徴を含むことを保証するように決定される。なお、撮影パラメータは、スカウト画像に基づいて、設定部22により設定されてもよい。
【0061】
図6における実施形態には、以下のような特徴がある。操作者に対するスカウト画像の表示と同様に、またはその代わりに、図2で示された解剖学的特徴識別処理は、アトラスデータにスカウト画像データを整合させるために、スカウト画像データに対して適用されてもよい。したがって、位置合わせの処理は、スカウト画像データにより表される被検体の解剖学的領域の位置を識別することができる。図2の位置合わせの処理を用いて得られた解剖学的領域の位置であって、CT画像診断装置40に関する被検体の解剖学的領域の位置は、CT画像診断装置40を用いたより詳細な後の撮影のための撮影範囲の位置を自動的に決定するために使用されてもよい。このように操作者は、スカウト画像の検討のあとに、撮影範囲の位置を手動で設定する必要がない。しかしながら、自動位置合わせ手順から得られた解剖学的領域の位置は、操作者により設定された撮影パラメータが正しく安全であることを保証するための検査またはバックアップとして、通常よく使用される。
【0062】
例えば、処理部2は、特定の解剖学的領域または特徴に対してより詳細な撮影を実行するために設定部22により設定された撮影パラメータが、図2の位置合わせ手順を用いることにより自動的に決定された解剖学的領域の位置と無矛盾であるか否かを検査してもよい。この検査は例えば、以下のような場合である。操作者が、特定の解剖学的領域または特定の解剖学的特徴(例えば、胴または肺)に対して実行された後の撮影に関する撮影パラメータを入力する場合であって、操作者により入力された後の撮影の撮影範囲が、解剖学的領域または特徴を完全に含まない場合、設定部22は、撮影範囲に解剖学的領域または特徴が含まれていないことを示すメッセージを、表示部4に出力する。これにより、操作者は、撮影をそのまま続けるか、入力された撮影パラメータを再考するかを選択することができる。
【0063】
別の操作モードにおいて、設定部22は、操作者によって指示された被検体の撮影位置と放射強度とをモニタする機能を有していてもよい。処理部2は、図2の解剖学的特徴識別処理から撮影に関する解剖学的領域または解剖学的特徴を自動的に決定する。放射強度が解剖学的特徴または解剖学的領域に対する予め決定された安全な限度を超える場合、設定部22は、自動的に警告信号を発生する。このとき、操作者は、放射強度または撮影範囲を変更することも可能である。
【0064】
図2に関して述べた実施形態は、解剖学的特徴識別処理を、3次元参照データセットから得られたコロナル方向における2次元MIPである参照データセットに対して実行する。代替の実施形態に対して既に上述したように、非リジッド変換によるマッピングは、リジッド変換によるマッピングと同様にまたは、その代わりに用いられてもよい。さらに、別の実施形態において、位置合わせ手順に関する様々なバリエーションが提供されてもよい。
【0065】
例えば、ある代替の実施形態において、参照データセットは、参照3次元データセットに関して、コロナル2次元投影MIP画像(以下、コロナル参照MIPと呼ぶ)とサジタル2次元投影MIP画像(以下、サジタル参照MIPと呼ぶ)とを有していてもよい。このとき、参照データセットは、コロナル参照MIPとサジタル参照MIPとにそれぞれ対応するアトラスデータを有する。アトラスデータは、コロナルMIP上の位置とサジタルMIP上の位置とにそれぞれ対応する複数の解剖学的標識点を有する。投影データ発生部12は、3次元の測定データセット(ボリュームデータ)に対して、コロナル2次元投影MIP画像(以下、コロナル測定MIPと呼ぶ)とサジタル2次元投影MIP画像(サジタル測定MIPと呼ぶ)とを発生する。位置合わせ部14は、コロナル測定MIPとコロナル参照MIPとの位置合わせを実行する。位置合わせ部14は、サジタル測定MIPとサジタル参照MIPとの位置合わせを実行する。上記位置合わせは、例えば、図2に関して述べられた位置合わせの処理を用いて実行される。アトラスデータにおける解剖学的標識点の位置をコロナル測定MIPおよびサジタル測定MIPにそれぞれ割り当てるための割り当て規則が、上記位置合わせに基づいて決定される。決定された割り当て規則により、複数の解剖学的標識点各々に対して得られたコロナル測定MIP上の位置とサジタル測定MIP上の位置とが、それぞれ異なる場合がある。この時、解剖学的標識点各々に対して得られた2つの異なる位置に関する座標は、例えば、解剖学的標識点各々に対して一つの位置を得るために、平均化されてもよい。あるいは、複数の解剖学的標識点各々に対して得られた2つの異なる位置は、測定データセットに対する解剖学的領域の位置を決定するために、組み合わせて処理されてもよい。
【0066】
他の代替的な実施形態において、複数の参照画像各々に対応する複数の参照データセットが提供される。参照データセット各々は、異なる被検体に対して実行された測定データセットに対応するアトラスデータを有する。アトラスデータは、一つの投影データまたは多数の投影データ(例えば、コロナルMIP、コロナルMIPとサジタルMIPとの両方)をそれぞれ有する。
【0067】
このような実施形態において、測定データセットから発生された一つのMIPまたは複数のMIPは、参照データセットにおける複数のMIP(例えば、コロナルに対するコロナル、サジタルに対するサジタル)を用いて位置合わせされてもよい。このように、解剖学的標識点の位置を測定データセットに移すための位置合わせは、参照データセットにおける参照画像に対する測定データセットの医用画像の位置合わせから得られる。
【0068】
アトラスデータから測定データセットへの解剖学的標識点の移動は、あらゆる位置合わせにおいて決定された割り当て規則の適切な使用により実行されてもよい。あらゆる割り当て規則は、複数の参照画像各々に対して決定される。上記処理は、様々なアトラスデータから移された解剖学的標識点の様々な位置を決定する。様々なアトラスデータは、あらゆる以下の方法でお互いに組み合されて、測定データセットに割り当てられてもよい。
【0069】
・加算平均。解剖学的標識点各々に対応する複数の位置(座標)の平均化と、平均化された位置(座標)からの解剖学的領域の推定。
【0070】
・中間値に基づいた異常値の排除。例えば、解剖学的標識点各々に対する最低3つの割り当てられた位置(以下、割り当て位置と呼ぶ)が与えられると、この複数の割り当て位置(座標)の中間値が決定される。決定された中間値とは異なる割り当て位置であって、かつ予め決定された量より大きい割り当て位置が、解剖学的標識点に対応する位置から取り除かれる。上記位置の取り除きによる残りの位置が、各解剖学的標識点に対して、一つの位置を決定するために平均化される。
【0071】
・重複予測量。予測量は、アトラスデータと撮影データセットとの間の位置合わせの品質指標を提供するために、学習機能により訓練される。さらに予測量は、測定データセットに対応する異なるアトラスデータの重複量を予測するために用いられる。解剖学的標識点を有するアトラスデータに関する予測量は、測定データセットに存在することが要求される。また、これらの予測量は、特定の測定データセットに対する位置合わせの処理で用いられる最適なアトラスデータを予め選択するために、用いられてもよい。さらに、予測量は、選択された異なるアトラスデータ各々を用いて得られた複数の解剖学的標識点の位置を組み合わせるために、用いられてもよい。例えば、各解剖学的標識点に対して決定された位置の加算平均は、撮影データとよく一致するアトラスデータを利用した位置合わせの結果得られる標識点の重みを大きくすることによって、利用できる。
【0072】
一つの例として、予測量は、異なるアトラスデータからアトラスデータを選択するため、またはより大きな重みをアトラスデータに与えるために用いられる。アトラスデータは、測定データセットに関する被検体と同性または同年代である被検体から得られる。例えば、子供の複数の測定(例えばCT検査)各々に対応するアトラスデータは、通常、成人被検体の測定から得られた測定データセットにおける複数の解剖学的標識点を識別するためには用いられない。また、逆も同様である。
【0073】
さらに代替の実施形態において、多数の位置合わせの処理は、同じ測定データセットに対して適用される。この方法において、上述したように、アトラスデータに含まれる解剖学的標識点の位置を得るために、すべての測定データセットから得られるMIPは、すべての参照データセットから得られるMIPを用いて位置合わせされる。その後、各解剖学的標識点または複数の解剖学的標識点の一部分が、測定データセットのMIPに割り当てられる。さらに、解剖学的標識点に関して識別された位置の周囲の選択された領域における位置に対応する測定データセットの一部は、参照データセットにおけるアトラスデータの対応する領域を基に、参照データセットに対して位置決めされる。さらなる位置合わせの処理を実行することによって、測定データセットにおける解剖学的標識点の位置の識別に関する正確さは、いくつかの場合で改善される。
【0074】
複数の測定データセットにそれぞれ対応する複数のMIPに関する位置合わせは、上述したものと同様である。代替の実施形態において、他の投影(例えば、an average intensity projection(平均値投影)、または a cumulative intensity projection(加算値投影)など)は、MIPの代わりに用いられてもよい。他の代替的な実施形態において、測定データセットそれ自身は、被検体を通した投影を示している。測定データセットは、3次元データセットよりはむしろ2次元データセット(例えば、スキャノグラムデータセットとして呼ばれるスカウト画像データセット)であってもよい。
【0075】
上述された実施形態は、特徴点抽出、分類、臓器抽出を要求することなしに、解剖学的領域のおおむね正しい位置の迅速な決定を提供することも可能である。なお、入力部8を介した操作者の指示に応じて、特徴点抽出、分類、臓器抽出を実行することも可能である。
【0076】
上述した実施形態は、CT画像データセットに対する処理について述べられているが、他の適当な医用画像データセットで代替の実施形態に用いられてもよい。他の適当な医用画像データセットとは、例えば、磁気共鳴医用画像データセット、または血管造影ボリューム(またはコーンビーム)データセットなどである。
【0077】
ここでは、特定のモジュールついて述べられているが、代替の実施形態において、一つまたはそれ以上のモジュールに関する機能は、一つのモジュールにより提供されてもよい。または、一つのモジュールにより提供される機能は、二つまたはそれ以上のモジュールにより提供されてもよい。
【0078】
以下のことは、通常の技術を有する技術者によりよく理解される。すなわち、本実施形態はソフトウェアによってある機能を実行するが、この機能は、ハードウェア単独、またはハードウェアとソフトウェアとの混合によって、実行されてもよい。ハードウェアとは、例えば、一つまたはそれ以上のASICs(特定用途向けIC)などである。以上のことから、実施形態は、ソフトウェアにより実行されることのみに限定されない。なお、本実施形態における医用画像処理装置は、医用画像診断装置に組み込むことも可能である。
【0079】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本医用画像処理装置1によれば、被検体の医用画像と注目領域もしくは注目部位の画像(参照画像)との位置合わせに基づいて、参照画像に対応したアトラスデータにおける解剖学的標識点を医用画像に割り当てるための割り当て規則(変換規則)を決定することができる。次いで、決定された割り当て規則を用いて、アトラスデータにおける解剖学的標識点を、医用画像に割り当てることができる。さらに、割り当てられた解剖学的標識点を用いて、解剖学的領域を決定することができる。以上のことから、本医用画像処理装置1は、医用画像における解剖学的領域の決定における計算を単純化しており、高いロバスト性を有する。このため、本医用画像処理装置1は、医用画像における解剖学的領域の自動識別に関する処理を、速やかに実行することが可能となる。また、本医用画像処理装置によれば、解剖学的領域または特徴の自動識別を提供するために、医用画像の内容に関するスライスごとの解析、または複雑な特徴抽出および分類、またはプログラムの訓練手続は、要求されない。
【0080】
また、本医用画像処理装置1により得られた解剖学的領域または特徴に関係する情報は、自動骨領域抽出手順、自動臓器抽出手順、自動ハンギングプロトコル、自動VOI事前設定、自動検査ナビゲーションなどの様々な手続きのためのインプットとして用いられてもよい。
【0081】
加えて、本医用画像処理装置1によれば、特定の解剖学的領域または特定の解剖学的特徴に対して実行された後の撮影に関する撮影パラメータを入力する場合であって、操作者により入力された後の撮影の撮影範囲が、解剖学的領域または特徴を完全に含まない場合、撮影範囲に解剖学的領域または特徴が含まれていないことを示すメッセージを、表示部4に出力することができる。これにより、操作者は、撮影をそのまま続けるか、入力された撮影パラメータを再考するかを選択することができる。
【0082】
また、本医用画像処理装置1は、操作者によって指示された被検体の撮影位置と放射強度とをモニタする機能を有していてもよい。本医用画像処理装置1は、放射強度が解剖学的特徴または解剖学的領域に対する予め決定された安全な限度を超える場合、自動的に警告信号を発生する。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
1…医用画像処理装置、2…処理部、4…表示部、6…記憶部、7…医用画像データセット、8…入力部、10…中央演算処理装置(CPU)、12…投影データ発生部、14…位置合わせ部、16…ハードディスクドライブ(HDD)、18…割り当て規則決定部、20…割り当て部、22…設定部、40…CT画像診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対する医用画像データセットと、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点と前記注目領域もしくは前記注目部位に関する参照画像データとを有する参照データセットとを記憶する記憶部と、
前記医用画像データセットにおける前記被検体の医用画像と、前記参照画像データにおける前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行する位置合わせ部と、
前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記医用画像に割り当てる割り当て規則を決定する割り当て規則決定部と、
前記決定された割り当て規則を用いて、前記医用画像に前記解剖学的標識点を割り当てる割り当て部と、
を具備することを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記割り当て部は、前記医用画像に割り当てられた前記解剖学的標識点を用いて、前記医用画像における前記複数の解剖学的特徴にそれぞれ対応する複数の解剖学的領域を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記割り当て規則決定部は、前記位置合わせを最適化させて、前記割り当て規則を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記被検体に対する異なる投影にそれぞれ対応する複数の投影画像データセットを記憶すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記投影画像データセットは、コロナルまたはサジタル方向からの2次元投影による画像データセットであること、
を特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記医用画像データセットに基づいて、投影画像データセットを発生する投影データ発生部をさらに具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記投影画像データセットは、2次元最大値投影と平均値投影と加算値投影とのうち少なくとも一つにより発生されたデータセットであること、
を特徴とする請求項6に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記投影画像データセットは、スキャノグラムデータセットを有すること、
を特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記位置合わせ部は、前記投影画像データセットに対して、前記参照画像データセットを用いて、前記位置合わせを実行すること、
を特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記割り当て規則は、リジッド変換と非リジッド変換とのうち少なくとも一つの変換を示す規則であること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記位置合わせ部は、複数の解剖学的特徴の位置の周囲に対応する所定範囲に対する前記参照データセットと前記医用画像データセットとから選択されたデータセットを用いて、前記医用画像における前記解剖学的特徴の位置を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記記憶部は、異なる複数の注目領域もしくは異なる複数の注目部位にそれぞれ対応する複数の参照データセットを記憶し、
前記複数の参照データセット各々は、前記異なる複数の注目領域もしくは前記異なる複数の注目部位各々に対応する参照画像データおよび前記解剖学的標識点をそれぞれ有すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
前記位置合わせ部は、
前記複数の参照画像データセット各々と前記医用画像との前記位置合わせをそれぞれ実行し、
前記割り当て規則決定部は、
前記複数の参照画像データセット各々と前記医用画像との前記位置合わせに基づいて、前記複数の参照画像データセットにそれぞれ対応する複数の割り当て規則を決定し、
前記割り当て部は、
前記決定された複数の割り当て規則を用いて、前記解剖学的標識点を前記医用画像に割り当てること、
を特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記位置合わせ部は、前記被検体に関する少なくとも一つの解剖学的特徴と前記複数の注目領域もしくは注目部位各々に関する少なくとも一つの前記解剖学的特徴との間の類似性を決定すること、
を特徴とする請求項13に記載の医用画像処理装置。
【請求項15】
前記位置合わせ部は、前記類似性を用いて、前記位置合わせで用いられる参照データセットを前記複数の参照データセットから選択すること、
を特徴とする請求項14に記載の医用画像処理装置。
【請求項16】
前記割り当て部は、
前記解剖学的特徴各々に対して前記医用画像に割り当てられた前記複数の解剖学的標識点を、前記解剖学的特徴各々について一体化すること、
を特徴とする請求項13に記載の医用画像処理装置。
【請求項17】
前記割り当て部は、前記複数の解剖学的標識点各々に異なる重みを付与して一体化すること、
を特徴とする請求項16に記載の医用画像処理装置。
【請求項18】
前記規則決定部は、所定の最適化処理を用いて、最適な割り当て規則を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項19】
前記解剖学的標識点は、前記注目領域もしくは前記注目部位の骨格に関する特徴を示す位置であること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項20】
前記参照データセットは、前記前記注目領域もしくは前記注目部位に対して実行された医用画像検査により発生された参照画像データを有すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項21】
前記被検体に対する次の撮影条件を決める複数のパラメータを設定する設定部をさらに具備し、
前記記憶部は、前記被検体に関するスカウト画像を記憶し、
前記位置合わせ部は、前記スカウト画像と前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行し、
前記規則決定部は、前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記スカウト画像に割り当てる割り当て規則を決定し、
前記割り当て部は、前記決定された割り当て規則を用いて前記スカウト画像に割り当てられた前記解剖学的標識点に基づいて、前記スカウト画像における解剖学的特徴に対応する解剖学的領域を決定し、
前記設定部は、前記解剖学的領域の位置に基づいて、前記複数のパラメータを設定すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項22】
前記被検体に対する次の撮影条件を決める複数のパラメータを設定する設定部をさらに具備し、
前記記憶部は、前記被検体に関するスカウト画像を記憶し、
前記位置合わせ部は、前記スカウト画像と前記前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行し、
前記規則決定部は、前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記スカウト画像に割り当てる割り当て規則を決定し、
前記割り当て部は、前記決定された割り当て規則を用いて前記スカウト画像に割り当てられた前記解剖学的標識点に基づいて、前記スカウト画像における解剖学的特徴に対応する解剖学的領域を決定し、
前記設定部は、前記解剖学的領域に基づいて前記複数のパラメータを設定し、前記設定された複数のパラメータが前記解剖学的領域の位置に対応しないとき警報信号を出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項23】
前記設定部は、
前記設定されたパラメータが、前記解剖学的領域の位置に対して予め決定された閾値より大きい放射強度を示すか否かを決定し、
前記閾値より前記放射強度が大きいとき前記警報信号を発生すること、
を特徴とする請求項22に記載の医用画像処理装置。
【請求項24】
被検体に対する医用画像データセットと、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点と前記注目領域もしくは前記注目部位に関する参照画像データとを有する参照データセットとを記憶し、
前記医用画像データセットにおける前記被検体の医用画像と、前記参照データにおける前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行し、
前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記医用画像に割り当てる割り当て規則を決定し、
前記決定された割り当て規則を用いて、前記医用画像に前記解剖学的標識点を割り当てること、
を特徴とする医用画像処理方法。
【請求項25】
コンピュータに
被検体に対する医用画像データセットと、注目領域もしくは注目部位に関する複数の解剖学的特徴各々の位置を示す解剖学的標識点と前記注目領域もしくは前記注目部位に関する参照画像データとを有する参照データセットとを記憶させる記憶機能と、
前記医用画像データセットにおける前記被検体の医用画像と、前記参照データにおける前記注目領域もしくは前記注目部位の画像との位置合わせを実行させる位置合わせ機能と、
前記位置合わせに基づいて、前記解剖学的標識点を前記医用画像に割り当てる割り当て規則を決定させる割り当て規則決定機能と、
前記決定された割り当て規則を用いて、前記医用画像に前記解剖学的標識点を割り当てさせる割り当て機能と、
を実現させることを特徴とする医用画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−130667(P2012−130667A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248396(P2011−248396)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】