説明

医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラム

【課題】画像データの容量を増加させずに、複数フレームの画像データを含むマルチフレーム画像データ又は各フレームの画像データを使用するときの画像データの読み込み時間を短縮することが可能な医用画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理部3は、複数フレームのフレーム画像データと、撮影条件を含むマルチ付帯情報とが結合されたマルチフレーム画像データからマルチ付帯情報を抽出し、マルチフレーム画像データから各フレームのフレーム画像データを生成し、マルチ付帯情報から各フレームの撮影条件を含むシングル付帯情報を作成する。画像生成部5は、マルチ付帯情報と各フレームのフレーム画像データとを結合することでマルチフレーム画像データを生成し、所望フレームのシングル付帯情報と所望フレームのフレーム画像データとを結合することで所望フレームのシングルフレーム画像データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数フレームの医用画像データを含む画像データを処理する医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置やMRI装置などの医用画像診断装置によって生成された医用画像データは、ネットワークを介して接続された医用画像管理システム(PACS)において管理される。この医用画像管理システム(PACS)は、ネットワークを介して病院情報システム(HIS)や放射線情報システム(RIS)に接続されている。医師などの操作者は、ネットワークに接続された医用画像観察装置を用いて、医用画像管理システムから所望の医用画像データを読み出すことによって、医用画像を読影することができる。
【0003】
医用画像診断装置によって生成された医用画像データは、DICOM規格に準拠されており、医用画像観察装置は、そのDICOM規格によって規定された画像データに基づいて医用画像を表示する。また、医用画像データは、DICOM規格に従って患者ごとに分類され、患者ごとの分類は更に検査ごとに分類されている。検査は医用画像データのシリーズから成り立っており、シリーズには複数の医用画像データが含まれている。このような構造で医用画像データを分類すると、患者を頂点とし、その患者にある検査が実施され、その検査は医用画像データのシリーズからなり、シリーズは医用画像データを含むことになる。
【0004】
従来において、画像データとしては、1フレームのみの画像(イメージ)を有するシングルフレーム画像データが用いられているが、複数フレームの画像を有するマルチフレーム画像データが用いられるようになってきている。
【0005】
シングルフレーム画像データは、例えば、1フレームの画像データに付帯情報が結合された画像データである。付帯情報としては、患者を特定するための患者情報や、検査内容を特定するための検査情報や、シリーズを特定するためのシリーズ情報や、撮影の条件を示す撮影条件などを含む情報である。また、マルチフレーム画像データは、例えば、複数フレームの画像データに、複数フレームの画像データに共通の付帯情報が結合した画像データである。
【0006】
マルチフレーム画像データを扱う場合に、画像データの容量が大きいことが障害になる場合がある。ここで、従来技術におけるマルチフレーム画像データについて、図4を参照して説明する。図4は、マルチフレーム画像データの構造を模式的に示す図である。図4に示すように、マルチフレーム画像データ300は、それぞれ1フレームの画像データを表すフレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANが結合した状態の画像データである。また、マルチフレーム画像データ300は、複数フレームのフレーム画像データに共通のマルチ付帯情報Fを含んでいる。このように、マルチフレーム画像データ300は、それぞれ1フレームの画像データを表すフレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANが結合した画像データに、共通のマルチ付帯情報Fが結合した画像データである。マルチ付帯情報Fは、患者情報や検査情報や撮影条件などの情報を含んでいる。
【0007】
以上のような構造を有するマルチフレーム画像データ300において、N番目のフレームであるフレーム画像データANを使用する場合、マルチフレーム画像データ300の先頭から、N番目のフレームであるフレーム画像データANまでデータを読み込む必要がある。このように、従来技術に係る画像データの管理方法によると、使用しないデータも含めてシークする必要がある。例えば、マルチフレーム画像データ300が、4000フレームのフレーム画像データで構成されている場合において、1000番目のフレームの画像データだけを使用したい場合であっても、1番目のフレームの画像データから1000番目のフレームの画像データまで読み込む必要がある。このように、不要なデータへのアクセスが必要であるため、画像データの読み込みに時間を要し、画像処理などの処理の速度が低下する問題がある。また、マルチ付帯情報Fは、各フレームの画像データと結合しているため、マルチ付帯情報Fの内容を変更する場合には、各フレーム画像データまでもすべて書き出す必要がある。そのため、マルチ付帯情報Fを変更する場合であっても、その処理に時間を要する問題がある。さらに、マルチフレーム画像データ300に含まれる一部の画像データ(一部のフレーム画像データ)を対象にして処理を行う場合にも、すべてのフレーム画像データを書き出す必要があるため、その処理に時間を要する問題がある。
【0008】
また、上記の速度低下の問題を解消するために、マルチフレーム画像データから複数のシングルフレーム画像データを生成し、マルチフレーム画像データと、複数のシングルフレーム画像データとを保存する方法が提案されている。この従来技術に係る管理方法について、図5を参照して説明する。図5は、マルチフレーム画像データの構造と、複数のシングルフレーム画像データの構造とを模式的に示す図である。この従来技術に係る管理方法は、医用画像診断装置によって取得されたマルチフレーム画像データ300をそのまま保存する。また、マルチフレーム画像データ300から、各フレームの画像データを表すフレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANを作成する。さらに、マルチフレーム画像データ300のマルチ付帯情報Fから、各フレームの画像データのシングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、及びシングル付帯情報FNを作成する。シングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、及びシングル付帯情報FNは、それぞれ患者情報や検査情報や撮影条件などの情報を含んでいる。
【0009】
そして、各フレームのフレーム画像データと各フレームのシングル付帯情報とを結合することで、複数のシングルフレーム画像データを生成する。例えば、1番目のフレームであるフレーム画像データA1と1番目のフレームのシングル付帯情報F1とを結合することで、1番目のシングルフレーム画像データ401を作成し、2番目のフレームであるフレーム画像データA2と2番目のフレームのシングル付帯情報F2とを結合することで、2番目のシングルフレーム画像データ402を作成する。そして、従来技術においては、マルチフレーム画像データ300と、シングルフレーム画像データ401、402、・・・、及び400Nとを保存していた。このように、マルチフレーム画像データ300から各フレームの画像データであるシングルフレーム画像データ401、402、・・・、及び400Nを作成し、マルチフレーム画像データ300と、シングルフレーム画像データ401、402、・・・、及び400Nとを保存していた。このように2種類の画像データを保存することで、N番目のフレームの画像データを使用する場合に、N番目のフレームであるシングルフレーム画像データ400Nを直接読み込んで使用することが可能となる。すなわち、マルチフレーム画像データ300自体を使用する場合には、マルチフレーム画像データ300を読み込んで使用し、所望のフレームの画像データを使用する場合には、所望のフレームのシングルフレーム画像データを直接読み込んで使用することが可能となる。これにより、所望のフレームの画像データのみを使用したい場合には、不要な画像データにアクセスする必要がないため、画像データの読み込みの時間を短縮し、画像処理などの処理の速度を向上させることができる。
【0010】
しかしながら、上述した従来技術に係る管理方法によると、マルチフレーム画像データと、複数のシングルフレーム画像データとを保存する必要があるため、保存しなければならないデータ量が2倍になってしまう問題がある。また、付帯情報を変更する場合や画像処理を実行する場合に、マルチフレーム画像データとシングルフレーム画像データとを対象として処理を実行する必要があるため、処理時間が2倍になってしまう問題がある。
【0011】
さらに、別の従来技術として、画像を複数の区画に分割し、区画ごとに処理を行う方法が提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、マルチフレーム画像データに対応していないため、上述した読み込み時間の増加の問題やデータ容量の増加の問題を解決することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−204437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この発明は上記の問題を解決するものであり、医用画像診断装置によって生成された画像データの容量を増加させずに、複数フレームの画像データを含むマルチフレーム画像データ、又は個々のフレームの画像データを使用するときの画像データの読み込みの時間を短縮することが可能な医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、医用画像撮影装置による撮影によって一連のデータとして取得された複数フレームのフレーム画像データと、前記複数フレームに共通し、前記撮影の条件を示す撮影条件を含むマルチ付帯情報とが結合されたマルチフレーム画像データを受ける受信手段と、前記マルチフレーム画像データから前記マルチ付帯情報を抽出する付帯情報抽出手段と、前記マルチフレーム画像データをフレームごとに分割することで、各フレームの画像を表すフレーム画像データを生成する分割手段と、前記マルチ付帯情報から各フレームの画像の撮影条件を含むシングル付帯情報を作成する付帯情報作成手段と、前記マルチ付帯情報及び前記各フレームのシングル付帯情報を、共通の前記フレーム画像データに対応付けて記憶する記憶手段と、を有することを特徴とする医用画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、コンピュータに、医用画像撮影装置による撮影によって一連のデータとして取得された複数フレームのフレーム画像データと、前記複数フレームに共通し、前記撮影の条件を示す撮影条件を含むマルチ付帯情報とが結合されたマルチフレーム画像データを受けて、前記マルチフレーム画像データから前記マルチ付帯情報を抽出する付帯情報抽出機能と、前記マルチフレーム画像データをフレームごとに分割することで、各フレームの画像を表すフレーム画像データを生成する分割機能と、前記マルチ付帯情報から各フレームの画像の撮影条件を含むシングル付帯情報を作成する付帯情報作成機能と、前記マルチフレーム画像データの要求指示を受けた場合、前記マルチ付帯情報と前記各フレームのフレーム画像データとを結合することで、前記マルチフレーム画像データを生成し、所望フレームの画像を表すシングルフレーム画像データの要求指示を受けた場合、前記所望フレームのシングル付帯情報と前記所望フレームのフレーム画像データとを結合することで、前記所望フレームのシングルフレーム画像データを生成する画像生成機能と、を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によると、マルチフレーム画像データをフレームごとのフレーム画像データに分割し、各フレーム画像データのシングル付帯情報を作成して、マルチ付帯情報と複数のフレーム画像データと複数のシングル付帯情報とを記憶して管理することで、データの保存容量を増加させずに、マルチフレーム画像データとシングルフレーム画像データとを生成することが可能となる。すなわち、従来技術のように、マルチフレーム画像データと複数のシングルフレーム画像データとを保存しなくても、マルチ付帯情報、複数のフレーム画像データ、及び複数のシングル付帯情報を生成することで、フレーム画像データと、マルチ付帯情報又はシングル付帯情報との組み合わせを変えるだけで、マルチフレーム画像データ又はシングルフレーム画像データを生成することが可能となる。また、マルチフレーム画像データをフレームごとのフレーム画像データに分割して保存しているため、所望のフレームのフレーム画像データを直接読み込むことが可能となる。これにより、不要な画像データを読み込む必要がないため、読み込み時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態に係る医用画像処理装置による処理内容を説明するための図であり、マルチフレーム画像データの構造と、複数のシングルフレーム画像データの構造とを模式的に示す図である。
【図3】この発明の実施形態に係る医用画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】マルチフレーム画像データの構造を模式的に示す図である。
【図5】マルチフレーム画像データの構造と、複数のシングルフレーム画像データの構造とを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。図2は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置による処理内容を説明するための図であり、マルチフレーム画像データの構造と、複数のシングルフレーム画像データの構造とを模式的に示す図である。
【0018】
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置1は、医用画像撮影装置10に接続されている。医用画像撮影装置10は、被検体内を画像化することで医用画像データを生成する。医用画像撮影装置10は、超音波を送受信することで被検体内を映像化する超音波診断装置、X線を照射することで被検体内を映像化するX線診断装置やX線CT装置、又は、磁場を発生させて被検体内を映像化するMRI装置などが該当する。医用画像撮影装置10は、撮影によって得られた医用画像データを医用画像処理装置1に出力する。この実施形態では、医用画像撮影装置10は、一連のデータとして複数フレームの画像を有するマルチフレーム画像データを生成し、そのマルチフレーム画像データを医用画像処理装置1に出力する。例えば図2に示すように、医用画像撮影装置10は、撮影によってマルチフレーム画像データ100を生成し、そのマルチフレーム画像データ100を医用画像処理装置1に出力する。マルチフレーム画像データ100は、それぞれ1フレームの画像データを表すフレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANが結合した画像データに、共通のマルチ付帯情報Fが結合した画像データである。
【0019】
マルチ付帯情報Fは、DICOM規格に従って、撮影日時情報、患者を特定するための患者情報、検査内容を特定するための検査情報、シリーズを特定するためのシリーズ情報、画像データ固有の番号であるイメージID(UID)、撮影の条件を示す撮影条件、及び、画像を再構成するための画像生成条件を含んでいる。撮影条件は、医用画像撮影装置10によって画像データを収集するための条件であり、医用画像撮影装置10の種類に依存する。例えばX線CT装置の撮影条件には、スキャンの開始位置、スキャン範囲(寝台移動量)、及び、X線管球に印加する電圧値などが含まれる。また、MRI装置の撮影条件には、例えば、撮影範囲、磁場強度、検出コイルの種類、及び、検出コイルの設置場所などが含まれる。また、画像生成条件は、撮影によって得られたデータから画像データを再構成するための条件である。例えば、画像生成条件には、再構成範囲、画像の位置、方向、及び厚さなどの条件が含まれる。
【0020】
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置1は、受信部2、画像処理部3、画像記憶部4、画像生成部5、表示制御部6、及びユーザインターフェース(UI)7を備えている。
【0021】
(受信部2)
受信部2は、医用画像撮影装置10から出力されたマルチフレーム画像データを受信し、画像処理部3に出力する。なお、受信部2が、この発明の「受信手段」の1例に相当する。
【0022】
(画像処理部3)
画像処理部3は、付帯情報抽出部31と、画像データ分割部32と、付帯情報作成部33とを備えている。画像処理部3は、受信部2から出力されたマルチフレーム画像データを受けて、そのマルチフレーム画像データからマルチ付帯情報を抽出し、マルチフレーム画像データからフレームごとの画像データであるフレーム画像データを生成し、マルチフレーム画像データのマルチ付帯情報から各フレーム画像データのシングル付帯情報を作成する。以下、画像処理部3の各部について説明する。
【0023】
(付帯情報抽出部31)
付帯情報抽出部31は、複数のフレーム画像データとマルチ付帯情報とが結合されたマルチフレーム画像データから、そのマルチ付帯情報を抽出する。例えば図2に示すように、付帯情報抽出部31は、マルチフレーム画像データ100から、共通のマルチ付帯情報Fを抽出する。また、付帯情報抽出部31は、抽出元のマルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)を含んだファイル名を作成し、そのファイル名を抽出されたマルチ付帯情報Fのファイル名として定義する。そして、付帯情報抽出部31は、抽出元のマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)がファイル名に含まれるマルチ付帯情報Fを画像記憶部4に出力する。画像記憶部4は、付帯情報抽出部31から出力されたマルチ付帯情報Fを記憶する。このように、付帯情報抽出部31は、マルチフレーム画像データ100とは別のデータとしてマルチ付帯情報Fを抽出する。なお、付帯情報抽出部31が、この発明の「付帯情報抽出手段」の1例に相当する。また、イメージID(UID)が、この発明の「マルチフレーム画像データを特定するための画像情報」の1例に相当する。
【0024】
(画像データ分割部32)
画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データからフレームごとの画像データであるフレーム画像データを生成する。例えば図2に示すように、画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100をフレーム単位で分割することで、1番目のフレームであるフレーム画像データA1、2番目のフレームであるフレーム画像データA2、・・・、及びN番目のフレームであるフレーム画像データANを生成する。1例として、画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100の先頭のフレームのフレーム画像データ(1番目のフレームのフレーム画像データA1)からマルチフレーム画像データ100を読み込んで、フレームごとに画像データを分割することで、フレーム画像データA1、A2、・・・、ANを生成する。
【0025】
また、画像データ分割部32は、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)と、フレームの番号を特定するためのフレーム情報と、を含んだファイル名を各フレームのフレーム画像データごとに作成する。すなわち、画像データ分割部32は、各フレームのフレーム画像データA1、A2、・・・、及びANのそれぞれのファイル名に、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)と、フレームの番号を特定するためのフレーム情報とを含ませる。
【0026】
例えば、画像データ分割部32は、1番目のフレームのフレーム画像データA1については、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、1番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をフレーム画像データA1のファイル名として定義する。同様に、画像データ分割部32は、2番目のフレームのフレーム画像データA2については、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、2番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をフレーム画像データA2のファイル名として定義する。また、画像データ分割部32は、N番目のフレームのフレーム画像データANについては、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、N番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をフレーム画像データANのファイル名として定義する。
【0027】
1例として、画像データ分割部32は、フレーム画像データA1のファイル名には、1番目のフレームであることを示す情報(フレームNo.1)を含ませ、フレーム画像データA2のファイル名には、2番目のフレームであることを示す情報(フレームNo.2)を含ませ、フレーム画像データANのファイル名には、N番目のフレームであることを示す情報(フレームNo.N)を含ませる。
【0028】
そして、画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と個々のフレームの番号を示すフレーム情報とがファイル名に含まれる各フレーム画像データ(フレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データAN)を、画像記憶部4に出力する。画像記憶部4は、画像データ分割部32から出力された各フレーム画像データを記憶する。このように、画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100を個々のフレームのフレーム画像データA1、A2、・・・、及びANに分割する。なお、画像データ分割部32が、この発明の「分割手段」の1例に相当する。また、フレーム情報が、この発明の「各フレームを特定するためのフレーム情報」の1例に相当する。
【0029】
(付帯情報作成部33)
付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データのマルチ付帯情報から各フレーム画像データのシングル付帯情報を作成する。例えば図2に示すように、付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100のマルチ付帯情報Fから、各フレームの画像データのシングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、及びシングル付帯情報FNを作成する。図2に示す例では、付帯情報作成部33は、マルチ付帯情報Fから、フレーム画像データA1についてシングル付帯情報F1を作成し、フレーム画像データA2についてシングル付帯情報F2を作成し、フレーム画像データANについてシングル付帯情報FNを作成する。
【0030】
シングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、及びシングル付帯情報FNは、マルチ付帯情報Fと同様にDICOM規格に従って、撮影日時情報、患者情報、検査情報、シリーズ情報、撮影条件、及び画像生成条件を含んでいる。
【0031】
また、付帯情報作成部33は、元のマルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)と、フレームの番号を特定するためのフレーム情報と、を含んだファイル名を各フレームのシングル付帯情報ごとに作成する。すなわち、付帯情報作成部33は、各フレームのシングル付帯情報F1、F2、・・・、及びFNのそれぞれのファイル名に、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)と、フレームの番号を特定するためのフレーム情報とを含ませる。
【0032】
例えば、付帯情報作成部33は、1番目のフレームのシングル付帯情報F1については、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、1番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をシングル付帯情報F1のファイル名として定義する。同様に、付帯情報作成部33は、2番目のフレームのシングル付帯情報F2については、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、2番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をシングル付帯情報F2のファイル名として定義する。また、付帯情報作成部33は、N番目のフレームのシングル付帯情報FNについては、元の画像データであるマルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、N番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をシングル付帯情報FNのファイル名として定義する。
【0033】
1例として、付帯情報作成部33は、シングル付帯情報F1のファイル名には、1番目のフレームであることを示す情報(フレームNo.1)を含ませ、シングル付帯情報F2のファイル名には、2番目のフレームであることを示す情報(フレームNo.2)を含ませ、シングル付帯情報FNのファイル名には、N番目のフレームであることを示す情報(フレームNo.N)を含ませる。
【0034】
そして、付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と個々のフレームの番号を示すフレーム情報とがファイル名に含まれる各シングル付帯情報(シングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、シングル付帯情報FN)を、画像記憶部4に出力する。画像記憶部4は、付帯情報作成部33から出力された各シングル付帯情報を記憶する。このように、付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100のマルチ付帯情報Fから、別のデータとして各フレーム画像データのシングル付帯情報を作成する。なお、付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100を対象として、マルチフレーム画像データ100自体から、各フレーム画像データのシングル付帯情報F1、F2、・・・、FNを作成しても良い。すなわち、マルチフレーム画像データ100にはマルチ付帯情報Fが含まれているため、付帯情報作成部33は、マルチ付帯情報Fを対象とする代わりに、マルチフレーム画像データ100を対象として各フレーム画像データのシングル付帯情報F1、F2、・・・、FNを作成しても良い。なお、付帯情報作成部33が、この発明の「付帯情報作成手段」の1例に相当する。
【0035】
(画像記憶部4)
画像記憶部4は、付帯情報抽出部31から出力された、マルチフレーム画像データ100のマルチ付帯情報Fを記憶する。また、画像記憶部4は、画像データ分割部32から出力された、フレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANを記憶する。また、画像記憶部4は、付帯情報作成部33から出力された、シングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、及びシングル付帯情報FNを記憶する。なお、画像記憶部4が、この発明の「記憶手段」の1例に相当する。
【0036】
(画像生成部5)
画像生成部5は、画像取得部51と、第1画像生成部52と、第2画像生成部53とを備えている。画像生成部5は、ユーザインターフェース(UI)7から入力された画像要求の指示に従って、複数のフレーム画像データに基づいてマルチフレーム画像データを生成し、又は、所望のフレームのフレーム画像データに基づいてシングルフレーム画像データを生成する。以下、画像生成部5の各部について説明する。
【0037】
(画像取得部51)
画像取得部51は、マルチフレーム画像データの要求の指示、又はシングルフレーム画像データの要求の指示をユーザインターフェース(UI)7から受けて、その要求の指示に従って、マルチフレーム画像データの生成に必要な情報、又はシングルフレーム画像データの生成に必要な情報を画像記憶部4から取得する。例えば、画像取得部51は、マルチフレーム画像データの要求の指示を受けると、マルチフレーム画像データのマルチ付帯情報と、各フレームのフレーム画像データとを画像記憶部4から取得して、第1画像生成部52に出力する。また、画像取得部51は、所望のフレームのシングルフレーム画像データの要求の指示を受けると、所望のフレームのシングル付帯情報と、所望のフレームのフレーム画像データとを画像記憶部4から取得して、第2画像生成部53に出力する。
【0038】
例えば、操作者が操作部71を用いて、マルチフレーム画像データの要求の指示をし、所望のマルチフレーム画像データを特定するためのイメージID(UID)を指定すると、マルチフレーム画像データの要求指示と、そのイメージID(UID)とがユーザインターフェース(UI)7から画像取得部51に出力される。画像取得部51は、マルチフレーム画像データの要求指示とイメージID(UID)とを受けると、そのイメージID(UID)がファイル名に含まれるマルチ付帯情報Fと、そのイメージID(UID)がファイル名に含まれる各フレームのフレーム画像データと、を画像記憶部4から取得して第1画像生成部52に出力する。
【0039】
一方、操作者が操作部71を用いて、シングルフレーム画像データの要求の指示をし、所望のマルチフレーム画像データを特定するためのイメージID(UID)と、そのマルチフレーム画像データにおける所望の番号のフレームを特定するためのフレーム情報とを指定すると、シングルフレーム画像データの要求指示と、そのイメージID(UID)と、所望のフレームを特定するフレーム情報とが、ユーザインターフェース(UI)7から画像取得部51に出力される。画像取得部51は、シングルフレーム画像データの要求指示と、イメージID(UID)と、所望のフレームを特定するフレーム情報とを受けると、そのイメージID(UID)と所望のフレームのフレーム情報とがファイル名に含まれるシングル付帯情報と、そのイメージID(UID)と所望のフレームのフレーム情報とがファイル名に含まれフレーム画像データと、を画像記憶部4から取得して第2画像生成部53に出力する。
【0040】
1例として、4000フレームあるフレーム画像データ群のうち、操作者が操作部71を用いて1000番目のフレームを特定するフレーム情報を指定すると、画像取得部51は、1000番目のフレームのフレーム情報がファイル名に含まれる付帯情報F1000と、1000番目のフレームのフレーム情報がファイル名に含まれるフレーム画像データA1000とを画像記憶部4から取得して、第2画像生成部53に出力する。
【0041】
(第1画像生成部52)
第1画像生成部52は、操作者によって指定されたイメージID(UID)がファイル名に含まれるマルチ付帯情報Fと、そのイメージID(UID)がファイル名に含まれる各フレームのフレーム画像データとを画像取得部51から受ける。そして、第1画像生成部52は、各フレームのフレーム画像データを結合し、さらに、結合された複数のフレーム画像データにマルチ付帯情報Fを結合することで、マルチフレーム画像データを生成する。例えば図2に示すように、第1画像生成部52は、1番目のフレームのフレーム画像データA1、2番目のフレームのフレーム画像データA2、・・・、及びN番目のフレームのフレーム画像データANを結合し、さらに、結合された複数のフレーム画像データにマルチ付帯情報Fを結合することで、マルチフレーム画像データ200を生成する。
【0042】
第1画像生成部52は、マルチフレーム画像データを表示制御部6に出力する。表示制御部6は、第1画像生成部52によって生成されたマルチフレーム画像データに基づくマルチフレーム画像を表示部72に表示させる。例えば表示制御部6は、マルチフレーム画像を動画像として表示部72に表示させる。
【0043】
(第2画像生成部53)
第2画像生成部53は、操作者によって指定されたイメージID(UID)と所望のフレームのフレーム情報とがファイル名に含まれるシングル付帯情報と、そのイメージID(UID)と所望のフレームのフレーム情報とがファイル名に含まれるフレーム画像データとを画像取得部51から受ける。そして、第2画像生成部53は、シングル付帯情報とフレーム画像データとを結合することで、シングルフレーム画像データを生成する。例えば図2に示すように、1番目のフレームが指定された場合、第2画像生成部53は、1番目のフレームのフレーム画像データA1と、1番目のフレームのシングル付帯情報F1とを結合することで、シングルフレーム画像データ201を生成する。また、2番目のフレームが指定された場合、第2画像生成部53は、2番目のフレームのフレーム画像データA2と、2番目のフレームのシングル付帯情報F2とを結合することで、シングルフレーム画像データ202を作成する。同様に、N番目のフレームが指定された場合、第2画像生成部53は、N番目のフレームのフレーム画像データANと、N番目のフレームのシングル付帯情報FNとを結合することで、シングルフレーム画像データ200Nを作成する。
【0044】
第2画像生成部53は、シングルフレーム画像データを表示制御部6に出力する。表示制御部6は、第2画像生成部53によって生成されたシングルフレーム画像データに基づくシングルフレーム画像を表示部72に表示させる。例えば表示制御部6は、シングルフレーム画像データ201に基づくシングルフレーム画像を表示部72に表示させる。なお、画像生成部5が、この発明の「画像生成手段」の1例に相当する。
【0045】
この実施形態では、画像生成部5によって生成されたマルチフレーム画像データ、又はシングルフレーム画像データに基づく画像を表示部72に表示したが、それらの画像を表示の対象とせずに、画像処理の対象としても良い。例えば、操作者が操作部71を用いて所望の画像処理の指示を与えると、画像生成部5は、マルチフレーム画像データ又はシングルフレーム画像データを、図示しない処理部に出力する。処理部は、画像生成部5によって生成されたマルチフレーム画像データ又はシングルフレーム画像データに対して、指示された画像処理を施す。このように、マルチフレーム画像又はシングルフレーム画像を表示する代わりに、画像処理の対象としても良い。また、マルチフレーム画像又はシングルフレーム画像を表示する場合には、操作者が操作部71を用いて表示の指示を与えるようにすれば良い。
【0046】
ユーザインターフェース(UI)7は、操作部71と表示部72とを備えている。操作部71は、ジョイスティックやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチ、各種ボタン、及びキーボードなどで構成されている。表示部72は、CRTや液晶ディスプレイなどのモニタで構成されており、医用画像を表示する。
【0047】
画像処理部3、画像生成部5、及び表示制御部6は、1例として、図示しないCPUと、ROM、RAMなどの記憶装置とによって構成されている。記憶装置には、画像処理部3の機能を実行するための画像処理プログラム、画像生成部5の機能を実行するための画像生成プログラム、及び、表示制御部6の機能を実行するための表示制御プログラムが記憶されている。また、画像処理プログラムには、付帯情報抽出部31の機能を実行するための付帯情報抽出プログラム、画像データ分割部32の機能を実行するための画像データ分割プログラム、及び、付帯情報作成部33の機能を実行するための付帯情報作成プログラムが含まれている。また、画像生成プログラムには、画像取得部51の機能を実行するための画像取得プログラム、第1画像生成部52の機能を実行するための第1画像生成プログラム、及び、第2画像生成部53の機能を実行するための第2画像生成プログラムが含まれている。そして、CPUが、各プログラムを実行することで、各部の機能を実行する。なお、画像処理プログラムと画像生成プログラムとによって、この発明の「医用画像処理プログラム」の1例を構成する。
【0048】
(動作)
次に、この実施形態に係る医用画像処理装置1の動作について、図3を参照して説明する。図3は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0049】
(ステップS01)
まず、受信部2は、医用画像撮影装置10によって生成されたマルチフレーム画像データ100を受信し、画像処理部3に出力する。
【0050】
(ステップS02)
付帯情報抽出部31は、マルチフレーム画像データ100から、共通のマルチ付帯情報Fを抽出する。また、付帯情報抽出部31は、抽出元のマルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)を含んだファイル名を作成し、そのファイル名を抽出されたマルチ付帯情報Fのファイル名として定義する。そして、付帯情報抽出部31は、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)がファイル名に含まれるマルチ付帯情報Fを画像記憶部4に出力する。画像記憶部4は、マルチ付帯情報Fを記憶する。
【0051】
(ステップS03)
画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100をフレーム単位で分割することで、フレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANを作成する。また、画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)と、フレームの番号を特定するためのフレーム情報と、を含んだファイル名を各フレームのフレーム画像データごとに作成する。例えば図2に示すように、画像データ分割部32は、フレーム画像データA1については、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、1番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をフレーム画像データA1のファイル名として定義する。同様に、画像データ分割部32は、フレーム画像データANについては、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、N番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をフレーム画像データANのファイル名として定義する。そして、画像データ分割部32は、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と個々のフレームの番号を示すフレーム情報とがファイル名に含まれる各フレーム画像データを、画像記憶部4に出力する。画像記憶部4は、各フレーム画像データを記憶する。
【0052】
(ステップS04)
付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100のマルチ付帯情報Fから、各フレームの画像データのシングル付帯情報F1、シングル付帯情報F2、・・・、及びシングル付帯情報FNを作成する。また、付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100の固有の番号であるイメージID(UID)と、フレームの番号を特定するためのフレーム情報と、を含んだファイル名を各フレームのシングル付帯情報ごとに作成する。例えば、付帯情報作成部33は、シングル付帯情報F1については、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、1番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をシングル付帯情報F1のファイル名として定義する。同様に、付帯情報作成部33は、シングル付帯情報FNについては、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と、N番目のフレームであることを示すフレーム情報と、を含んだファイル名を作成し、そのファイル名をシングル付帯情報FNのファイル名として定義する。そして、付帯情報作成部33は、マルチフレーム画像データ100のイメージID(UID)と個々のフレームの番号を示すフレーム情報とがファイル名に含まれる各シングル付帯情報を、画像記憶部4に出力する。画像記憶部4は、各シングル付帯情報を記憶する。
【0053】
(ステップS05)
操作者は操作部71を用いて、マルチフレーム画像データの要求の指示、又は、シングルフレーム画像データの要求の指示を与える。マルチフレーム画像データの要求指示を与える場合は、操作者は操作部71を用いて、イメージID(UID)を指定する。操作者によって与えられたマルチフレーム画像データの要求指示と、操作者によって指定されたイメージID(UID)とが、ユーザインターフェース(UI)7から画像取得部51に出力される。一方、シングルフレーム画像データの要求指示を与える場合に、操作者は操作部71を用いて、イメージID(UID)と、所望の番号のフレームを特定するためのフレーム情報とを指定する。操作者によって与えられたシングルフレーム画像データの要求指示、操作者によって指定されたイメージID(UID)、及びフレーム情報が、ユーザインターフェース(UID)から画像取得部51に出力される。
【0054】
(ステップS06)
操作者がマルチフレーム画像データの要求を指示した場合(ステップS05、Yes)、画像取得部51は、マルチフレーム画像データの要求指示とイメージID(UID)とをユーザインターフェース(UI)7から受けて、そのイメージID(UID)がファイル名に含まれるマルチ付帯情報Fと、そのイメージID(UID)がファイル名に含まれる各フレームのフレーム画像データと、を画像記憶部4から取得して第1画像生成部52に出力する。第1画像生成部52は、フレーム画像データA1、フレーム画像データA2、・・・、及びフレーム画像データANを結合し、さらに、結合された複数のフレーム画像データにマルチ付帯情報Fを結合することで、マルチフレーム画像データ200を生成する。第1画像生成部52は、マルチフレーム画像データ200を表示制御部6に出力する。
【0055】
(ステップS07)
表示制御部6は、マルチフレーム画像データ200に基づくマルチフレーム画像を表示部72に表示させる。
【0056】
(ステップS08)
一方、操作者がシングルフレーム画像データの要求を指示した場合(ステップS05、No)、画像取得部51は、シングルフレーム画像データの要求指示と、イメージID(UID)と、所望のフレームのフレーム情報とをユーザインターフェース7(UI)から受けて、そのイメージID(UID)と所望のフレームのフレーム情報とがファイル名に含まれるシングル付帯情報と、そのイメージID(UID)と所望のフレームのフレーム情報とがファイル名に含まれるフレーム画像データと、を画像記憶部4から取得して第2画像生成部53に出力する。例えば図2に示すように、1番目のフレームが指定された場合、第2画像生成部53は、1番目のフレームのフレーム画像データA1と、1番目のフレームのシングル付帯情報F1とを結合することで、シングルフレーム画像データ201を生成する。第2画像生成部53は、シングルフレーム画像データ201を表示制御部6に出力する。
【0057】
(ステップS09)
表示制御部6は、シングルフレーム画像データ201に基づくシングルフレーム画像を表示部72に表示させる。
【0058】
以上のように、マルチフレーム画像データをフレームごとのフレーム画像データに分割し、各フレーム画像データのシングル付帯情報を作成して、マルチ付帯情報と複数のフレーム画像データと複数のシングル付帯情報とを保存して管理することで、データの保存容量を増加させずに、マルチフレーム画像データとシングルフレーム画像データとを生成して使用することが可能となる。すなわち、従来技術に係る管理方法のように、マルチフレーム画像データと複数のシングルフレーム画像データとを保存しなくても、マルチ付帯情報、複数のフレーム画像データ、及び複数のシングル付帯情報を生成することで、フレーム画像データと、マルチ付帯情報又はシングル付帯情報との組み合わせを変えるだけで、マルチフレーム画像データ又はシングルフレーム画像データを生成することが可能となる。これにより、データ容量を増加させずに、マルチフレーム画像データ又はシングルフレーム画像データを使用することが可能となる。
【0059】
また、従来技術に係る管理方法では、マルチ付帯情報は、各フレームのフレーム画像データと結合しているため、マルチ付帯情報の内容を変更する場合には、各フレーム画像データまでもすべて書き出す必要があった。これに対して、この実施形態に係る医用画像処理装置1によると、マルチ付帯情報及びシングル付帯情報を、画像データとは別のデータとして管理しているため、変更対象となるマルチ付帯情報又はシングル付帯情報のみを変更することが可能となる。すなわち、付帯情報を変更する場合に、画像データにアクセスする必要がないため、処理時間を短縮することが可能となる。例えば、1番目のフレームのシングル付帯情報F1のみを変更したい場合、そのシングル付帯情報F1のみを変更することが可能となるため、従来技術と比べてより高速に処理することが可能となる。
【0060】
また、従来技術に係る管理方法では、マルチフレーム画像データに含まれる一部の画像データを対象にして処理を行う場合にも、すべてのフレーム画像データを書き出す必要があった。これに対して、この実施形態に係る医用画像処理装置1によると、マルチフレーム画像データは、複数のフレーム画像データに分離された状態で管理されているため、処理対象となるフレーム画像データのみにアクセスして処理を行うことが可能となる。このように、不要な画像データにアクセスする必要がないため、処理時間を短縮することが可能となる。例えば、1番目のフレームのフレーム画像データA1のみを使用したい場合、そのフレーム画像データA1のみを読み込んで処理を実行することが可能となるため、従来技術と比べてより高速に処理することが可能となる。
【0061】
なお、上述したフローチャートにおいて、ステップS02からステップS04までの処理の順番は、特に限定されない。ステップS02からステップS04のそれぞれの処理の順番を変えても、上述した実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0062】
(変形例)
次に、上述した医用画像処理装置1の変形例について説明する。変形例においては、医用画像撮影装置10は、マルチフレーム画像データの代わりに、複数のシングルフレーム画像データを生成して、医用画像処理装置1に出力する。変形例においては、付帯情報抽出部31は、各シングルフレーム画像データからシングル付帯情報を分離することで、複数のフレーム画像データと複数のシングル付帯情報とを生成する。また、付帯情報作成部33は、付帯情報抽出部31によって作成された複数のシングル付帯情報に基づいて、各シングル付帯情報を含むマルチ付帯情報を作成する。そして、画像記憶部4は、各シングル付帯情報と、マルチ付帯情報と、各フレーム画像データとを記憶する。
【0063】
上述した実施形態と同様に、操作者が操作部71を用いてマルチフレーム画像データの要求指示を与えると、画像取得部51は、マルチ付帯情報と、複数のフレーム画像データとを画像記憶部4から取得して第1画像生成部52に出力する。第1画像生成部52は、複数のシングルフレーム画像データを結合し、さらに、結合された複数のシングルフレーム画像データにマルチ付帯情報を結合することで、マルチフレーム画像データを生成する。
【0064】
一方、操作者が操作部71を用いて所望のフレームのシングルフレーム画像データの要求指示を与えると、画像取得部51は、指定されたフレームのシングル付帯情報と、指定されたフレームのフレーム画像データとを画像記憶部4から取得して第2画像生成部53に出力する。第2画像生成部53は、フレーム画像データにシングル付帯情報を結合することで、シングルフレーム画像データを生成する。
【0065】
以上のように、複数のシングルフレーム画像データが医用画像撮影装置10によって生成された場合であっても、上述した実施形態と同じ効果を奏することが可能となる。すなわち、シングル付帯情報とマルチ付帯情報と複数のフレーム画像データとを管理することで、データの保存容量を増加させずに、マルチフレーム画像データとシングルフレーム画像データとを生成して使用することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 医用画像処理装置
2 受信部
3 画像処理部
4 画像記憶部
5 画像生成部
6 表示制御部
7 ユーザインターフェース(UI)
10 医用画像撮影装置
31 付帯情報抽出部
32 画像データ分割部
33 付帯情報作成部
51 画像取得部
52 第1画像生成部
53 第2画像生成部
71 操作部
72 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像撮影装置による撮影によって一連のデータとして取得された複数フレームのフレーム画像データと、前記複数フレームに共通し、前記撮影の条件を示す撮影条件を含むマルチ付帯情報とが結合されたマルチフレーム画像データを受ける受信手段と、
前記マルチフレーム画像データから前記マルチ付帯情報を抽出する付帯情報抽出手段と、
前記マルチフレーム画像データをフレームごとに分割することで、各フレームの画像を表すフレーム画像データを生成する分割手段と、
前記マルチ付帯情報から各フレームの画像の撮影条件を含むシングル付帯情報を作成する付帯情報作成手段と、
前記マルチ付帯情報及び前記各フレームのシングル付帯情報を、共通の前記フレーム画像データに対応付けて記憶する記憶手段と、
を有することを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記マルチフレーム画像データの要求指示を受けた場合、前記記憶手段に記憶されている前記マルチ付帯情報と前記各フレームのフレーム画像データとを結合することで、前記マルチフレーム画像データを生成し、所望フレームの画像を表すシングルフレーム画像データの要求指示を受けた場合、前記記憶手段に記憶されている前記所望フレームのシングル付帯情報と前記所望フレームのフレーム画像データとを結合することで、前記所望フレームのシングルフレーム画像データを生成する画像生成手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記マルチフレーム画像データを特定するための画像情報を前記マルチ付帯情報に付帯させて記憶し、前記画像情報と前記各フレームを特定するためのフレーム情報とを、前記各フレームのフレーム画像データと前記各フレームのシングル付帯情報とに付帯させて記憶し、
前記画像生成手段は、前記マルチフレーム画像データの要求指示と所望のマルチフレーム画像データを特定するための画像情報の入力とを受けた場合、前記受けた画像情報が付帯されている前記マルチ付帯情報と前記受けた画像情報が付帯されている前記各フレームのフレーム画像データとを前記記憶手段から取得して結合することで、前記所望のマルチフレーム画像データを生成し、前記所望フレームの画像を表すシングルフレーム画像データの要求指示と前記所望のフレームのフレーム情報の入力とを受けた場合、前記受けたフレーム情報が付帯されている前記シングル付帯情報と前記受けたフレーム情報が付帯されている前記フレーム画像データとを前記記憶手段から取得して結合することで、前記所望フレームのシングルフレーム画像データを生成することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
医用画像撮影装置による撮影によって一連のデータとして取得された複数フレームのフレーム画像データと、前記複数フレームに共通し、前記撮影の条件を示す撮影条件を含むマルチ付帯情報とが結合されたマルチフレーム画像データを受けて、前記マルチフレーム画像データから前記マルチ付帯情報を抽出する付帯情報抽出機能と、
前記マルチフレーム画像データをフレームごとに分割することで、各フレームの画像を表すフレーム画像データを生成する分割機能と、
前記マルチ付帯情報から各フレームの画像の撮影条件を含むシングル付帯情報を作成する付帯情報作成機能と、
前記マルチフレーム画像データの要求指示を受けた場合、前記マルチ付帯情報と前記各フレームのフレーム画像データとを結合することで、前記マルチフレーム画像データを生成し、所望フレームの画像を表すシングルフレーム画像データの要求指示を受けた場合、前記所望フレームのシングル付帯情報と前記所望フレームのフレーム画像データとを結合することで、前記所望フレームのシングルフレーム画像データを生成する画像生成機能と、
を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−172444(P2010−172444A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17587(P2009−17587)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】