説明

医用画像診断装置及び医用画像の付帯情報処理装置

【課題】サーバから取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する情報についても利用者に提供することを可能とする。
【解決手段】記憶部33は、付帯情報を記憶する。システム制御部37は、DICOM画像サーバ200から送信される付帯情報を取得する。システム制御部37は、取得した付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ取得した付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を記憶部33から抽出する。システム制御部37は、取得し付帯情報に含まれた情報と抽出した情報とを表した表示画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像情報に付帯される付帯情報を処理する医用画像診断装置及び医用画像の付帯情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の医用画像診断装置(モダリティ)で生成された医用画像には、当該医用画像に関する患者ID、患者氏名、検査日時等の複数の項目に関する情報を含む付帯情報が付帯されている。医用画像情報及び付帯情報のデータ量は大きいので、画像サーバ等にて記憶・管理されている。また、医用画像情報及び付帯情報は、画像サーバでなく外付け等の種々の記憶媒体に記憶・管理される場合もある。
【0003】
これら医用画像情報及び付帯情報のオンライン通信や記憶媒体への記憶には、その標準規格であるDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格に則って行われることが多い。本規格に則って医用画像情報及び付帯情報のフォーマットや通信のプロトコルを設定することにより、各種医用画像診断装置で生成された医用画像情報及び付帯情報や、メーカの異なる医用画像診断装置で生成された医用画像情報及び付帯情報を、共通に管理することが可能となる。
【0004】
利用者が、DICOM規格に準拠した画像サーバに保存されている医用画像情報及びその付帯情報を取得しようとする際には、DICOM規格で規定されているQuery/Retrieveというプロトコルを使用する。付帯情報の項目は多数存在するために、DICOM規格においては、要求に対して必ず送信しなければならない項目を最小限のみ規定する。それ以外の項目は、画像サーバ毎に送信するか否かが設定される。このため画像サーバは、送信すべきとして定められている項目(画像サーバがサポートしている項目)に関する情報のみしかない。換言すれば、利用者は画像サーバがサポートしている項目に関する情報のみしか取得・閲覧することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、サーバから取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する情報についても利用者に提供することを可能とする医用画像診断装置及び医用画像の付帯情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係わる医用画像診断装置は、被検体に関する医用画像を表した医用画像情報を生成する医用画像生成部と、複数項目のそれぞれについての前記医用画像に関する情報を含む付帯情報を生成する付帯情報生成部と、前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報を記憶する記憶部と、前記医用画像生成部により生成された前記医用画像情報と前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報とを前記サーバに送信する送信部と、前記サーバから送信される付帯情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを表した表示画像を生成する表示画像生成部と、を具備する。
【0007】
請求項5記載の発明に係わる医用画像診断装置は、被検体に関する医用画像を表した医用画像情報を生成する医用画像生成部と、複数項目のそれぞれについての前記医用画像情報に関する情報を含む付帯情報を生成する付帯情報生成部と、前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報を記憶する記憶部と、前記医用画像生成部により生成された前記医用画像情報と前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報とを前記サーバに送信する送信部と、利用者からの要求に応じて医用画像情報の送信を前記サーバに要求する要求部と、前記要求部による前記要求に応じて前記サーバから送信された医用画像情報及びこれに付帯して前記サーバから送信された付帯情報をそれぞれ取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを表した表示画像を生成する表示画像生成部と、前記取得部によって取得された前記医用画像情報が表す医用画像と前記表示画像とを表示する表示部と、を具備する。
【0008】
請求項6記載の発明に係わる医用画像の付帯情報処理装置は、医用画像の付帯情報を記憶する記憶部と、サーバから送信される付帯情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを表した表示画像を生成する表示画像生成部と、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サーバから取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する情報についても利用者に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係わるX線CT(Computed Tomography)装置1の構成を示す図である。図1に示すように、X線CT装置1は、スキャン装置10とコンピュータ装置20とを備える。なお、スキャン装置10には、X線管とX線検出器とが1体となって被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプや、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあるが、いずれのタイプでも本発明は適用可能である。本実施形態においては回転/回転タイプとして説明する。
【0012】
スキャン装置10は架台(ガントリ)11を有する。架台11は、円環又は円板状の回転フレーム12を回転可能に支持する。回転フレーム12は、撮影領域中に天板13に載置された被検体Pを挟んで対向するようにX線管14とX線検出器15とを有する。回転フレーム駆動部16は、回転フレーム12を一定の角速度で連続回転させる。X線管14は、高電圧発生部17からの高電圧の印加とフィラメント電流の供給を受けてX線を発生する。X線検出器15には、データ収集部(DAS;Data Acquisition System)18が接続される。データ収集部18は、X線検出器15の各チャンネルの電流信号を収集する。データ収集部18は、収集した電流信号をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は純生データと呼ばれる。純生データは、データ収集部18によって光や磁気を使った非接触型又はスリップリング型のデータ伝送部(図示せず)を経由してコンピュータ装置20に供給される。
【0013】
コンピュータ装置20は、ネットワーク通信機能を有し、ネットワーク100を介してDICOM規格に準拠した画像サーバ(以下、DICOM画像サーバと呼ぶことにする)200と通信可能である。
【0014】
コンピュータ装置20は、前処理部21、医用画像生成部23、付帯情報生成部25、通信部27、操作部29、表示部31、記憶部33、スキャン制御部35、システム制御部37を備える。以下、個々の構成要素について説明する。
【0015】
前処理部21は、純生データに対して、チャンネル間の感度不均一の補正、また主に金属部等のX線強吸収体による極端な信号強度の低下又は信号脱落の補正等の前処理を行う。
【0016】
医用画像生成部23は、前処理部21により補正を受けたデータ(投影データ、生データ)に基づいて、被検体に関する医用画像を表す医用画像情報を生成する。
【0017】
付帯情報生成部25は、医用画像情報に付帯される付帯情報を生成する。付帯情報は、検査日時、患者ID、患者氏名、生年月日、性別、撮影条件、妊娠、診察番号等の各項目(属性)に関する情報をそれぞれ含む。
【0018】
通信部27は、ネットワーク100を介してDICOM画像サーバ200と通信する。
【0019】
操作部29は、操作者が表示部31に表示された画像リストを見ながら取得したい医用画像及びその付帯情報の項目を入力する(取得要求の入力)ために備えられる。
【0020】
画像リストは、DICOM画像サーバ200に記憶されている全ての医用画像情報やその付帯情報の一覧である。
【0021】
表示部31は、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)等からなる。表示部31は、DICOM画像サーバ200から取得された画像リスト、医用画像、及び後述する表示画像等を表示する。なお、表示部31をX線CT装置1には内蔵させず、表示部31で行っている表示を、外部の表示デバイスや、ネットワーク100を介してX線CT装置1と通信可能な別の装置に内蔵又は外付けされた表示デバイス等にて行わせるとしてもよい。
【0022】
記憶部33は、付帯情報、表示画像を表す情報、或いは後述する各種処理を行うためのプログラム等を記憶する。
【0023】
スキャン制御部35は、回転フレーム駆動部16、高電圧発生部17及び架台11内の各部を制御する。
【0024】
システム制御部37は、X線CT装置1としての動作を実現するように各構成要素を制御する。システム制御部37は、既存のX線CT装置が備える各種の機能を実現するための制御機能に加えて、書き込み機能、送信機能、要求機能、取得機能、抽出機能及び表示画像生成機能を備える。システム制御部37は、例えばCPU及びメモリを含み、記憶部33からプログラム読み出して上記メモリ上に展開し、このプログラムに従った処理を上記CPUが実行することによって、これらの各機能を実現する。以下、各機能について説明する。
【0025】
書き込み機能によりシステム制御部37は、付帯情報生成部25で生成された全ての付帯情報を記憶部33に書き込む。
【0026】
送信機能によりシステム制御部37は、医用画像情報及び付帯情報をDICOM画像サーバ200に送信する。
【0027】
要求機能によりシステム制御部37は、操作部29で入力された取得要求をDICOM画像サーバ200に送信する。
【0028】
取得機能によりシステム制御部37は、取得要求に応じてDICOM画像サーバ200が送信する医用画像情報及び付帯情報を取得する。
【0029】
抽出機能によりシステム制御部37は、DICOM画像サーバ200から取得した付帯情報に含まれる情報に関連し、且つDICOM画像サーバ200から取得できなかった項目に関連した情報を、記憶部33に記憶されている付帯情報から抽出する。
【0030】
表示画像生成機能によりシステム制御部37は、DICOM画像サーバ200から取得した付帯情報に含まれる情報と記憶部33から抽出した情報とを表した表示画像を生成する。
【0031】
以下、図2を参照しながら、医用画像情報の生成からDICOM画像サーバ200への医用画像情報及びその付帯情報の送信までの一動作例を説明する。
【0032】
ステップSA1においてシステム制御部37は、被検体に関する医用画像を生成するために前処理部21、医用画像生成部23及びスキャン制御部35に撮影指令を送信する。この撮影指令に応じてスキャン制御部35は、被検体Pに関する純生データをデータ収集部18に収集するように回転フレーム駆動部16、高電圧発生部17及び架台10内の各部の動作を制御する。撮影指令に応じて前処理部21は、データ収集部18により収集された純生データを前処理し、投影データを生成する。撮影指令に応じて医用画像生成部23は、前処理部21により生成された投影データに基づいて医用画像情報を生成する。
【0033】
ステップSA2においてシステム制御部37は、付帯情報を生成するために付帯情報生成部25に付帯情報生成指令を送信する。付帯情報生成指令に応じて付帯情報生成部25は、被検体に関する付帯情報を生成する。生成される付帯情報は、例えば、検査日時、患者ID、患者氏名、生年月日、性別、撮影条件、妊娠、診察番号、患者の身長・体重、撮影部位、モダリティの種類及び主治医師名等の各項目に関する情報である。
【0034】
ステップSA3においてシステム制御部37は、ステップSA2にて生成された付帯情報を記憶部33に書き込む。記憶部33での付帯情報の記憶は、X線CT装置1又は記憶部33固有のフォーマットで行っても良いし、DICOM規格に準拠したフォーマットで行っても良い。
【0035】
ステップSA4においてシステム制御部37は、ステップSA1にて生成された医用画像情報及びステップSA2にて生成された付帯情報を通信部27を介してDICOM画像サーバ200に送信する。送信された医用画像情報及びその付帯情報は、例えば、DICOM規格に準拠したフォーマットで、DICOM画像サーバ200によって管理される。
【0036】
次に、図3を参照しながら、取得要求の入力から表示画像の表示までの一動作例を説明する。
【0037】
利用者が画像リストを参照するために医用画像情報の取得を要求する操作を操作部29にて行った場合に、システム制御部37は図3に示す処理を実行する。
【0038】
ステップSB1においてシステム制御部37は、操作部29での上記の操作に応じて、利用者が取得を要求している医用画像情報及びその付帯情報の項目を判定する。ここで受け付ける要求は、一人の患者に関してでも複数の患者に関してでも構わない。ただし説明の簡単のため、ここでは、氏名が「A」である一人の患者についての医用画像情報及びその付帯情報の取得が要求されたこととする。またここでは、取得が要求された付帯情報の項目は、患者氏名、患者ID、患者生年月日、患者性別、検査日時、撮影条件、妊娠及び診察番号とする。
【0039】
ステップSB2においてシステム制御部37は、ステップSB1で判定した医用画像情報及び付帯情報の項目を示した取得要求を通信部27を介してDICOM画像サーバ200に送信する。この取得要求の送信は、DICOM Query/Retrieveプロトコル(以下、DICOM Q/Rプロトコルと呼ぶことにする)に基づくQuery要求として行う。
【0040】
この取得要求を受けるとDICOM画像サーバ200は、この取得要求に従って医用画像情報及び付帯情報をQuery応答として送信する。ただし、DICOM画像サーバ200は、要求された付帯情報の項目のうちでDICOM画像サーバ200がサポートしている項目に関する情報のみを送信する付帯情報に含める。
【0041】
図4は、今回要求した付帯情報の項目についてのDICOM画像サーバ200でのサポート状況の一例を示す図である。この例では、「患者氏名」、「患者ID」、「生年月日」及び「性別」なる各項目は、DICOM画像サーバ200によってサポートされているが、「検査日時」、「撮影条件」、「妊娠」及び「診察番号」なる各項目は、DICOM画像サーバ200によってサポートされていない。
【0042】
図5は、上記の条件下でDICOM画像サーバ200が送信する付帯情報の具体例を示す図である。この付帯情報は、DICOM画像サーバ200がサポートしている項目、つまり、患者氏名、患者ID、患者生年月日及び性別の各項目に関して、「A」、「456789」、「1982/1/12」、「女」なる各データがそれぞれ含まれている。なお、このように付帯情報に含まれた各項目に関するデータのことを以下では、項目データと呼ぶことにする。
【0043】
ステップSB3においてシステム制御部37は、上述のようにDICOM画像サーバ200から送信された医用画像情報及び付帯情報を通信部27を介して取得する。
【0044】
ステップSB4においてシステム制御部37は、DICOM画像サーバ200に対して要求した全ての項目に関する項目データがステップSB2にて取得した付帯情報に全て含まれているか否かを確認する。
【0045】
ここで含まれていると判断したならばシステム制御部37は、ステップSB4からステップSB5へ進む。ステップSB5においてシステム制御部37は、ステップSB3にて取得した医用画像情報及び付帯情報に基づいて表示画像を生成する。
【0046】
ステップSB4にて含まれていと判断したならば、システム制御部37は、ステップSB4からステップSB6へ進む。ステップSB6においてシステム制御部37は、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれる少なくとも1つの項目データを識別情報として、記憶部33に記憶されている複数の付帯情報から、識別情報を含んだ付帯情報を特定する。
【0047】
識別情報としては、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれた項目データのいずれを使用しても良い。ただし識別情報としては、記憶部33に記憶されている付帯情報からステップSB3にて取得した医用画像情報に対応するものを識別するのに適する項目データを用いることが望ましい。一般的に患者IDや患者氏名についての項目データは、必ずしも患者と1対1に対応するとは言えないので、それらの項目データを単独で用いるよりも、患者IDと患者氏名との項目データの組み合わせを用いる方が好適である。もちろん、それ以外の項目についての項目データの組み合わせを識別情報としてもよい。また、2つの項目データの組み合わせでなく、3つ、4つ或いはそれ以上の項目データの組み合わせを識別情報としてもよい。なお、どの項目についての項目データを識別情報にするかは、予め定められているとしても、利用者によってその都度任意に決定されてもよい。
【0048】
ステップSB7においてシステム制御部37は、ステップSB6にて特定した付帯情報から、取得要求したにも係わらずステップSB6にて取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する項目データ(DICOM画像サーバ200がサポートしていない項目に関する項目データ)を記憶部33から抽出する。
【0049】
ステップSB6及びステップSB7の処理を具体的に説明する。ここでは一例として識別情報を、患者氏名に関する項目データと患者IDに関する項目データとの組み合わせとする。すなわちここでは、識別情報は、「A」及び「456789」となる。まずシステム制御部37は、記憶部33から識別情報(「A」及び「456789」)を含んだ付帯情報を特定する。次に、システム制御部37は、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する項目データ、すなわち検査日時、撮影条件、妊娠及び診察番号の各項目に関する項目データとして例えば「2006/11/16」、「****」、「×」及び「123456」を記憶部33からそれぞれ抽出する。
【0050】
ステップSB8においてシステム制御部37は、ステップSB3にて取得した医用画像情報と、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれる項目データと、ステップSB7にて抽出した項目データとに基づいて表示画像を生成する。表示画像の一例としては、医用画像情報が表す医用画像と、ステップSB3にて取得した項目データ及びステップSB7にて抽出した項目データを結合(マージ)するとともに各項目データの項目名を表した付帯情報の一覧表とを含む。
【0051】
図6は、ステップSB8で生成された表示画像に含まれる付帯情報の一覧表の一例を示す図である。図6に示す一覧表には、DICOM画像サーバ200がサポートしている項目KS(患者氏名、患者ID、生年月日及び性別)とDICOM画像サーバ200がサポートしていない項目KO(検査日時、撮影条件、妊娠及び診察番号)とに関する項目データが含まれる。
【0052】
なおシステム制御部37は、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれる項目データとステップSB7にて抽出した項目データとを区別可能に示した一覧表を表す表示画像を生成してもよい。図7は、このような一覧表の一例を示した図である。図7に示す一覧表は、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれる項目データ及びその項目名に関する枠内の部分(DS)と、ステップSB7にて抽出した項目データ及びその項目名に関する枠内の部分(DO)とを異なる色で示している。なお、ステップSB3にて取得した付帯情報に含まれる項目データとステップSB7にて抽出した項目データとを区別可能とする方法は、上記の方法に限定する必要はなく、例えば、項目がサポートされているか否かによってその項目名及びその項目に関する項目データの文字の色、太さ或いは形状を変えたり、文字をブリンクさせたりしてもよい。また、項目名や項目データに関する枠を、サポートの有無によって、色、太さ或いは形状等を変えてもよい。
【0053】
システム制御部37は、ステップSB5又はステップSB8にて表示画像を生成し終えると、各ステップからステップSB9へ進む。ステップSB9においてシステム制御部37は、ステップSB5又はステップSB8で生成した表示画像を表示部31に表示させる。
【0054】
かくして、DICOM画像サーバ200から取得した付帯情報に含まれなかった項目に関する項目データについても利用者に提供することが可能となる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0056】
(1)本実施形態では、説明の簡単のため、医用画像診断装置の一例としてX線CT装置1を用いた。しかしながら、これに拘泥される必要はなく、医用画像診断装置として、X線撮影装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、ガンマカメラ或いはPET(Positron Emission Tomography)等であってもよい。それら医用画像診断装置は、被検体に関する画像データを収集する構成要素、その画像データに基づいて医用画像情報を生成する構成要素、付帯情報生成部25、通信部27、操作部29、表示部31、記憶部33及びシステム制御部37を備える。
【0057】
(2)図3に示した処理を実現するための装置として、図1に示すような、本実施形態に係る通信部27、操作部29、表示部31、記憶部33及びシステム制御部37を備える医用画像の付帯情報処理装置を用いてもよい。医用画像の付帯情報処理装置におけるシステム制御部37は、少なくとも要求機能、取得機能、抽出機能及び表示画像生成機能を備える。
【0058】
(3)上記実施形態では、ネットワーク規格の一例としてDICOM規格を用いるとした。しかし、これに拘泥される必要はなく、他のネットワーク規格を用いるとしてもよい。
【0059】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係わる医用画像診断装置の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係わる、医用画像情報の生成からDICOM画像サーバへの医用画像情報及びその付帯情報の送信までの一動作例を示す図。
【図3】本実施形態に係わる取得要求の送信から表示画像の表示までの処理の一動作例を説明する図。
【図4】本実施形態に係わる、付帯情報の各項目についてのDICOM画像サーバでのサポート状況の一例を示す図。
【図5】図3の動作例においてDICOM画像サーバが送信する付帯情報の具体例を示す図
【図6】ステップSB8で生成された表示画像に含まれる付帯情報の一覧表の一例を示す図。
【図7】図6とは異なり、DICOM画像サーバから取得した項目データと記憶部から抽出した項目データとを区別可能に示す一覧表の一例を示す図。
【符号の説明】
【0061】
1…X線CT装置、10…スキャン装置、20…コンピュータ装置、21…前処理部、23…医用画像生成部、25…付帯情報生成部、27…通信部、29…操作部、31…表示部、33…記憶部、35…スキャン制御部、37…システム制御部、100…ネットワーク、200…DICOM画像サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に関する医用画像を表した医用画像情報を生成する医用画像生成部と、
複数項目のそれぞれについての前記医用画像に関する情報を含む付帯情報を生成する付帯情報生成部と、
前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報を記憶する記憶部と、
前記医用画像生成部により生成された前記医用画像情報と前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報とを前記サーバに送信する送信部と、
前記サーバから送信される付帯情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、
前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを表した表示画像を生成する表示画像生成部と、
を具備する医用画像診断装置。
【請求項2】
前記表示画像を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記取得部は、DICOM規格に準拠したサーバから送信される前記付帯情報を取得することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
前記表示画像生成部は、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれる情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを区別可能に表す画像として前記表示画像を生成することを特徴とする請求項1記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
被検体に関する医用画像を表した医用画像情報を生成する医用画像生成部と、
複数項目のそれぞれについての前記医用画像情報に関する情報を含む付帯情報を生成する付帯情報生成部と、
前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報を記憶する記憶部と、
前記医用画像生成部により生成された前記医用画像情報と前記付帯情報生成部により生成された前記付帯情報とを前記サーバに送信する送信部と、
利用者からの要求に応じて医用画像情報の送信を前記サーバに要求する要求部と、
前記要求部による前記要求に応じて前記サーバから送信された医用画像情報及びこれに付帯して前記サーバから送信された付帯情報をそれぞれ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、
前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを表した表示画像を生成する表示画像生成部と、
前記取得部によって取得された前記医用画像情報が表す医用画像と前記表示画像とを表示する表示部と、
を具備する医用画像診断装置。
【請求項6】
医用画像の付帯情報を記憶する記憶部と、
サーバから送信される付帯情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた少なくとも1つの項目の情報に関連し且つ前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれなかった項目に関連した情報を前記記憶部から抽出する抽出部と、
前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれた情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを表した表示画像を生成する表示画像生成部と、
を具備する医用画像の付帯情報処理装置。
【請求項7】
前記表示画像を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の医用画像の付帯情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、DICOM規格に準拠したサーバから送信される前記付帯情報を取得することを特徴とする請求項6記載の医用画像の付帯情報処理装置。
【請求項9】
前記表示画像生成部は、前記取得部によって取得された前記付帯情報に含まれる情報と前記抽出部によって抽出された前記情報とを区別可能に表す画像として前記表示画像を生成することを特徴とする請求項6記載の医用画像の付帯情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−206687(P2008−206687A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45901(P2007−45901)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】