説明

医療用針のための安全シールド

外側針カニューレが伸長している針ハブを含んでいる医療用針シールド装置が提供されている。内側針が、外側針カニューレに対して摺動可能に動くように設けられている。内側針の末端を包囲するために、少なくとも1つのシールドが、後退位置から伸長位置まで伸長可能である。シールドは、シールド内に設けられた結合部材を含んでおり且つ内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口を形成している係合面を形成している。結合部材が、抵抗力を形成するために摺動可能な受け入れ中に内側針と係合する少なくとも1つの抵抗誘起部材を含んでいる。この抵抗力は、結合部材の回転を容易化して、結合面が内側針と係合して摺動可能な動きを阻止する。結合部材は、当該係合部材から延び且つ内側針と係合して結合部材の回転を阻止する針連通面を更に含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、概して、医療用針のための安全シールドに関し、より特別には、医療用針の針先端を保護する安全シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
偶発的な針穿刺に伴う問題は、血液サンプルの採取、経皮薬剤の注入及びその他医療用針の使用を含む医療処置の技術において良く知られている。現代のエイズに対する曝露、肝炎及びその他の深刻な血液から生じる病原体に対する曝露に対して過敏性のために、針による穿刺の問題に多大な注目が寄せられて来た。
【0003】
患者からの針の抜き取り処置は、一般的に、専門家が針が抜き取られる傷部位を押すために片手を使用する一方で、もう一方の手によって針装置を抜き取ることを必要とする。この処置を行う専門家が針の廃棄に対して払うよりも高い優先度で患者に対して注意を払うこともまた一般的なやり方である。安全シールドを備えていない典型的な針装置の場合には、このような優先性は、手の届く範囲内に使用できる鋭利物容器が存在する便利さか患者の傍に置いておく安全な廃棄のための別の手段を必要とする。安全な処置方法に従いながら適切な注意を払うことは、火傷している人及び精神病棟のような患者の肉体的な状態及び精神的な状態によって複雑化されることが多い。このような状態においては、患者に注意を払いながら使用済みの針を適切に廃棄することは難しい。
【0004】
針に対する注意及び廃棄の問題に伴う広範囲の知識及び歴史は、偶発的な針による穿刺を防止するための多くの装置によってもたらされて来た。現在の安全装置の問題点としては、これらの装置の複雑さ及び部品の数を要因とする使用の難しさ及び高いコストがある。
【0005】
ある種の医療処置においては、医師が針ハブの内側での流体のフラッシュバックを検知することが望ましい。これまでは、公知の医療用針シールド装置は、流体のフラッシュバックの適切な視認に適合していない。
【0006】
他の公知の装置は、ばね、入れ子式、枢動等によって作動せしめられるかシースを採用している。しかしながら、これらの装置は、作動が不発となるか又は作動させるのが煩雑であるので不利であるかも知れない、更に、現在の装置の欠点としては、部品の複雑さ及び部品数を要因とする高い製造コストがある。従って、これらのタイプの従来技術による装置は、危険な露出を防止するために医療用針装置を適切に且つ信頼性高くシールドすることができない。
【0007】
ある種の医療処置中には、安全シールドを針ハブに対して保持することが望ましい。取り扱い及び使用準備中に針安全シールドが外れるのを防止することもまた望ましい。例えば、ある種のタイプの医療用針装置からのシースの取り外し中に、針安全シールドが針ハブからはずれるのを防止することが重要である。
【0008】
結局、従来技術の不利な点及び欠点を解消することによって針安全装置のための更に満足すべき解決方法を提供する必要性が存在したままである。従って、針の先端に対する危険な曝露を防止するために医療用針に沿って摺動可能に動くことができる安全シールドを採用している更に適切で且つ信頼性の高い医療用針シールド装置を提供することが望ましい。このような針シールド装置は、針カニューレの針先端をシールドするために容易に且つ信頼性高く動くことができるべきである。更に、流体のフラッシュバックの適切な視認を可能にする針シールド装置を提供することも望ましい。
【発明の開示】
【0009】
従って、本発明は、使用後に医療用針の先端を効率良く且つ低廉に保護する医療用針シールド装置の必要性に答える。本発明は、当該技術において経験される関連する不利な点及び欠点を解決する。より特別には、本発明の装置及び方法は、安全針装置の技術における重要な進歩をもたらす。
【0010】
一つの実施形態においては、医療用針シールド装置が本発明の原理に従って提供されている。この医療用針シールド装置は、末端まで延びている外側針カニューレを有している針ハブを含んでいる。外側針カニューレに対して摺動可能に動くために内側針が設けられている。内側針の末端を包囲するために、少なくとも1つのシールドが後退位置から伸長位置まで伸長可能である。このシールドは、シールド内に設けられている接合部材を含み且つ後退位置と伸長位置との間で内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口部を形成している結合面を規定している。
【0011】
結合部材は、該部材が内側針を摺動可能に受け入れる際に内側針に対して抵抗力を生じるように少なくとも1つの抵抗誘起部材を含んでいる。この抵抗力は、内側針の長手軸線に対する結合部材の回転を容易にして、結合面が内側針と係合してシールドの伸長位置における内側針の摺動可能な動きを防止する。係合部材は更に、針と連通している面が内側針と係合可能で結合部材の回転を防止するように該結合部材から伸長している針連通面を含んでいる。保持装置が、針ハブとの解除可能な係合のために針連通面から横方向に伸長している。
【0012】
結合部材は、内側針が結合部材に対して摺動可能である非結合位置と結合面が内側針と係合して少なくとも1つのシールドの伸長位置における内側針の摺動可能な動きを防止する結合位置との間を、内側針の長手軸線に対して回転可能であっても良い。結合部材は、針連通面まで伸びている1以上の外方へ作動するアームを含んでいても良い。
【0013】
内側針は、その操作のために柄に取り付けることができる。針ハブは、保持装置を受け入れる構造とされたハブ穴を形成していても良い。針ハブは、少なくとも1つのシールドのハウジングによって解除可能に取り付けることができても良い。医療用針シールドは、複数のシールドを更に含んでいても良い。
【0014】
少なくとも1つの抵抗誘起部材は、開口部とほぼ整合しているキャビティを形成することができる。このキャビティは、針に対して抵抗力を形成するために針を摺動可能に受け入れる構造とされている。結合部材は、開口部を形成している結合面を含んでいるほぼ平らな開口部プレートを含んでいても良い。少なくとも1つの抵抗誘起部材は、開口部プレートから延びている一対のアームを含んでいても良い。アームは、開口部プレートから隔置されているカールした端部を有することができる。アームは、偏倚可能な部材を含むことができる。
【0015】
シールドは、その内側面から延びている少なくとも1つの遮断部材を形成しているハウジングを含むことができる。少なくとも1つの遮断部材は、結合部材を結合位置へと付勢するために結合部材と係合可能とすることができる。開口部プレートは、少なくとも1つの遮断部材と係合できるように軸線方向に移動可能であって、結合位置への結合部材の回転を生じさせる。
【0016】
この医療用針シールド装置は更に、少なくとも1つのシールドを包囲する外側ハウジングを更に含んでいても良い。この外側ハウジングは、少なくとも1つのシールドを当該シールドに対して相対的に回転するように支持している。少なくとも1つのシールドは、少なくとも1つの軸受けによって外側ハウジングによって相対的な回転動作できるように支持され得る。
【0017】
代替的な実施形態においては、医療用針シールド装置は、外側針カニューレの末端を包囲するために、後退位置から伸長位置まで伸長可能であるシールドを含んでいる。このシールドは、プローブを受け入れる構造とされているプローブガイドを末端に形成している。プローブは、外側針カニューレに対して摺動可能に動く構造とされている。
【0018】
もう一つ別の実施形態においては、医療用針シールド装置は、針ハブを含んでおり、該針ハブは、針ハブから末端まで延びている外側針カニューレを備えている。内側針は、外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置されている。柄が内側針に取り付けられており、該柄は、内側針と連通しているフラッシュチャンバを形成している。フラッシュチャンバは、医療装置への結合を容易にする嵌合部を有している。シールドは、針ハブに解除可能に取り付けることができ且つ内側針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能である。柄はシールドに隣接して配置されている。
【0019】
代替的な実施形態においては、医療用針シールド装置は、針ハブと該針ハブに対して設けられた針とを含んでいる。少なくとも1つのシールドは、針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能である。結合部材がシールド内に設けられ、針を後退位置から伸長位置まで摺動可能に受け入れる構造とされた開口部を形成している結合面を形成している。少なくとも1つの保持部材が、シールドとハブとの間に係合可能である。保持部材は、ハブによって形成されたシールド保持部材と解除可能に係合する構造とされたシールドによって形成されたハブ保持部材を含むことができる。例えば、この保持部材は、針ハブから径方向に延びており且つシールド内の穴と解除可能に係合するようになされたボスとして形成することができる。別の方法として、保持部材は、バヨネット嵌合、傾斜嵌合、戻り止め嵌合、スナップ嵌合、変形可能な幾何学的構造、摩擦嵌合、マグネット結合又は吸引装置として形成することができる。
【0020】
この実施形態の医療用針シールド装置においては、シールドは、そこから延びているシース保持部材をも含んでいる。シース保持部材は、該シース保持部材からのシースの取り外しによってシールドとハブとの間に係合された保持部材から外れない。シース保持部材は、例えば、シースとの圧入嵌合、スナップ嵌合又はねじ嵌合できる構造とすることができる。
【0021】
ここに記載されている医療用針シールドは、シェルディガー針、単一壁導入針、クルナン針、バイオプシー針、導入針、骨バイオプシー針、ヒューバー針、脊麻針、硬麻針、細密吸引針、又は同軸針等に対して使用できるようにすることができる。
【0022】
特別な実施形態においては、本発明による医療用針シールド装置は、そこから外側カニューレが延びている針ハブと、外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置された内側針とを含んでいる。シールドは、外側針カニューレの末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能である。シールドは、プローブを受け入れる構造とされた末端にプローブガイドを形成しており、プローブは、外側針カニューレに対して摺動可能に動く構造とされている。
【0023】
ハブ保持部材が、シールドによって形成されており且つ針ハブによって形成されたシールド保持部材に対して解除可能に係合する構造とされている。シールドは、該シールド内に設けられた結合部材を含んでいる。この係合部材は、後退位置と伸長位置との間で外側針カニューレを摺動可能に受け入れる構造とされた開口部を形成している結合面を形成している。
【0024】
結合部材は、外側針カニューレに対して抵抗力を生じさせるために外側針カニューレを摺動可能に受け入れる際に外側針カニューレと係合する少なくとも1つの抵抗誘起部材を含んでいる。抵抗力は、外側針カニューレの長手軸線に対する結合部材の回転を容易にして、結合面が外側針カニューレと係合してシールドの伸長位置における外側針カニューレの摺動可能な動きを防止する。結合部材は、針連通面が外側針カニューレと係合して結合部材の回転を防止することができるように該結合部材から延びている針連通面を更に含んでいる。
【0025】
更に別の実施形態においては、本発明は、針ハブと該ハブに対して設けられている針とを含んでいる医療用針シールド装置を提供している。針ハブは、針を出て行く流体のフラッシュバックを視認できる構造とされている拡大部分を含んでいる。少なくとも1つのシールドが、針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長することができる。シールド内に結合部材が設けられており、該結合部材は、後退位置と伸長位置との間で内側針を摺動可能に受け入れることができる構造とされた開口部を形成している結合面を形成している。
【0026】
この実施形態においては、拡大器は、拡大された視野のための比較的小さい焦点領域からの光を屈折させる視認領域を形成している湾曲した部分を含んでいる。この実施形態による医療用針シールド装置は、例えば、単一壁の導入針ハブ、バイオプシー針ハブ、脊麻針ハブ又は硬麻針ハブのような技術において知られている特別なハブに対して使用する構造とすることができる。
【0027】
この実施形態による医療用針シールドはまた、シールドとハブとの間に係合可能な少なくとも1つの保持部材をも含むことができる。例えば、ハブ保持部材は、シールドによって形成することができ且つハブによって形成されたシールド保持部材と解除可能に係合する構造とすることができる。
【0028】
本発明による医療用針シールド装置の特別な実施形態は針ハブを含んでおり、該針ハブは、該ハブから末端まで延びている外側針カニューレと、外側針カニューレに対して摺動可能に動くように設けられている内側針とを備えている。該内側針に柄を取り付けることができ、該柄は、内側針と連通しているフラッシュバック部を形成している。このフラッシュバック部は、医療用装置に対する結合を容易にする嵌合部を有している。
【0029】
特別な実施形態においては、針ハブ内に拡大器が設けられており、該拡大器は、針ハブ内の流体のフラッシュバックの見えを拡大するようになされている。シールドが、針ハブに対して解除可能に取り付けることができ且つ内側針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能である。シールドに隣接して柄が設けられている。針ハブによって形成されたシールド保持部材と解除可能に係合する構造とされたシールドによって形成されている。
【0030】
該シールドは、結合面を形成しているシールド内に設けられた結合部材を含んでいる。この結合面は、後退位置と伸長位置との間で内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口部を形成している。この結合部材は、内側針に対して抵抗力を形成するために内側針を摺動可能に受け入れる際に抵抗誘起部材が内側針と係合するように、少なくとも1つの抵抗誘起部材を含んでいる。この抵抗力は、内側針の長手軸線に対する結合部材の回転を容易にして、結合面が内側針と係合してシールドの伸長位置における内側針の摺動可能な動きを防止する。
【0031】
この結合部材は、該結合部材から延びている針連通面を更に含んでいて、この針連通面が内側針と係合できるようにして結合部材の回転を防止する。針ハブのハブ穴と解除可能に係合するために、保持部材が前記針連通面から横方向に延びている。
【0032】
特別な実施形態においては、シールドは、該シールドから延びているシース保持部材を更に含んでいる。シース保持部材は、シース保持部材からのシースの外れによってシールドとハブとの間に係合された保持部材を外さないように、シースに対する解除可能な嵌合を提供する。
【好ましい実施形態の説明】
【0033】
本発明の上記の及びその他の特徴及び利点は、添付図面と組み合わせてなされる実施形態の以下の詳細な説明によって更に十分に理解できるであろう。
【0034】
以下、ここに開示された医療用針シールド装置及びその作動方法の例示的な実施形態を、経皮的流体の注入、医薬の注入若しくは流体の採取のための医療用針、バイオプシーのような他の針のガイドに関して、より特別には例えば偶発的な針穿刺を含む針先端に対する危険な曝露を防止する針カニューレによって採用された針シールド装置に関して説明する。しかしながら、本発明は、例えば、硬麻針、脊麻針、バイオプシー針、マリファナ(chiba)針、脊椎カリエス針、コーナンド針、同軸導入針、Y−部位等のような対象者に予防薬剤、薬剤、治療薬等を注入するための広範囲のカニューレ針及び装置に対する用途が見出すことが考えられる。
【0035】
本発明は、軟組織バイオプシー、骨バイオプシー、瀉血、消化器、腸管、泌尿器、獣医学等に関する処置の際に採取されるものを含む体液及び/又は組織の採取のために採用することができる。医療用針シールド装置は、限定的ではないが、流体の注入、流体の採取、カテーテル、カテーテル導入器、ガイドワイヤ導入器、バイオプシー針導入器、脊椎麻酔及び硬膜麻酔、バイオプシー、失神、透析、血液ドナー、ベレス針、ヒューバー針等を含む他の医療用針の用途に使用することができる。
【0036】
以下の説明において、“基端”という用語は、医師に近い構造部分を示しており、“末端”という用語は、医師から遠い方の部分を示している。ここで使用されている“対象者”という用語は、医療用針シールド装置を使用して注入を受ける患者又は血液、流体及び/又は組織の採取を受ける患者を示している。本発明に従って、“医師”という用語は、注入を管理し、流体又は組織の採取を行い又は医療用針シールド装置から針カニューレを抜き取る人及びその補助者を含んでも良い。
【0037】
以下の説明は、医療用針シールド装置の説明を含んでおり、その後に、本発明による医療用針シールド装置を作動させる方法が続いている。添付図面に図示されている本発明の例示的な実施形態を詳細に参照する。
【0038】
図面を参照すると、幾つかの図面を通して、同様の構成要素が同様の参照符号によって示されている。最初に図1乃至8を参照すると、本発明の原理の少なくとも1つの実施形態に従って構成された医療用針シールド装置は、例えば、針アセンブリのスタイレット316のような針の末端314を包囲するために後退位置(図1)から伸長位置(図4)まで伸長可能であるシールド300を含んでいる。後退位置においては、シールド300は、外側針317の針ハブ332に隣接して配置されている。
【0039】
図示されている実施形態においては、針アセンブリは、中空の外側針317を含んでいる。スタイレット316が、以下に説明するように、医療用針の適用中に一緒に使用するための針317に対して摺動可能に且つ同心状に配置されている。スタイレットの柄318は、その操作を容易にするためにスタイレット316に結合されている。例えば、針カニューレ、ガイドワイヤ導入器等を含む他の針アセンブリもまた考えられる。
【0040】
種々の針内での組織の穴開けを防止するためにスタイレットが一般的に使用される。スタイレットの材料としては、一般的に、ステンレス鋼及びポリプロピレンが含まれる。ステンレス鋼製のスタイレットは、針による穿刺の可能性を防止する。ポリプロピレンは、針穿刺による傷の可能性を示さないけれども、余りに可撓性であり且つより小さな直径の針において臨床的価値を有するスタイレットとして使用することができない。従って、ステンレス鋼のものと類似している堅牢性を有しているポリマーを使用する実施形態を考えることができる。しかしながら、これらの実施形態は、鋭利ではなく且つステンレス鋼のように針穿刺の可能性を主張する尖端特性を有している。この目的を達成するポリマーとしては、限定的ではないが、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリスルホン、PEL(ポリエーテルイミド)、ポリアミド等が含まれる。
【0041】
結合部材364がシールド300内に配置されており且つ結合面368を形成している。結合面368は、後退位置と伸長位置との間でのスタイレット316の摺動可能な受け入れのための構造とされた開口部366を形成している。結合部材364は、例えばそこから延びている摩擦部材362のような抵抗誘起部材を含んでいる。
【0042】
摩擦部材362は、該摩擦部材がスタイレット316と係合してスタイレット316に対して抵抗力を形成するように、後退位置と伸長位置との間を摺動可能にスタイレット316に係合する構造とされている。1つの又は複数の摩擦部材362を採用することも考えられる。
【0043】
抵抗は、遮断部材340及び/又は342のうちの一方と組み合わせられて結合部材364を結合位置へと動かす(図4及び5)。遮断部材340及び/又は364を結合位置へと動かす力の結合を生じさせる。
【0044】
スタイレット316が針連通面との係合状態から解除されると、結合部材364及び保持器414は結合位置へと動く。結合部材364の回転は、針連通面372においてもはやスタイレット316との係合によって対抗しない。従って、結合部材364は、保持器414に対する結合状態への傾斜を受ける。結合部材364の回転によって、結合面368は、スタイレット316と摩擦係合してその動きを防止する。
【0045】
遮断部材340及び/又は342は、シールド300上に付与された力が長手軸線xに沿ったいずれかの方向の相対的な動きを生じるので結合部材364を結合位置へと動かす。これは、スタイレット316をシールド300内に維持して末端314への危険な曝露を避ける。針連通面372は、スタイレット316と係合するために、リブ、突出部、キャビティ等を含んでいても良いこと又は針連通面372の一部分がスタイレット316と係合することは考えられる。
【0046】
スタイレット300は、結合部材364を包囲するハウジング312を含んでいる。図示された実施形態においては、ハウジング312は、ハウジングの第1の部分328とハウジングの第2の部分330とを含んでいる。ハウジング部分328,330は、例えば、矩形、球形等のような種々の形状及び寸法とすることができることが考えられる。ハウジングの部分328,330は、例えば、スナップ嵌合、接着、溶剤接着、熱溶着、超音波溶着、ねじ結合、リベット結合等のような如何なる適当な方法によって結合しても良いことが考えられる。別の方法として、ハウジング312は、一体に形成しても又は多くのハウジング部分を一体に組み立てても良く且つ実質的に透明か不透明等であっても良い。ハウジング部分328,330は、医療用針シールド装置の操作を容易にするために、リブ、隆起部等を含んでいても良い。
【0047】
針ハブ332が針317に対して取り付けられている。針ハブ332は、保持器414との解除可能な係合によってシールド300に解除可能に取り付けられている。針ハブ332は、結合部材364を受け入れて係合するためのハブ穴424を備えている。針ハブ332はまた、例えば、シールド300との解除可能な係合のための安全シールド保持部材(図示せず)をも含んでいても良い。適当な係合部材の例としては、限定的ではないが、バヨネット嵌合、傾斜嵌合、戻り止め嵌合、スナップ嵌合、変形可能な幾何学的構造、摩擦嵌合、吸引嵌合、マグネット結合等がある。
【0048】
針ハブ332は、特別な医療用途の要件に従って、種々の用途のために、本発明の医療用針シールド装置によって採用される。シールド300及び針ハブ332は、使用のために針317及びスタイレット316を摺動可能に支持している。柄318はその操作を容易にする。
【0049】
図示された実施形態においては、針ハブ332はまた、針ハブ332をシールド300から離れる方向に長手軸線xに沿って付勢するための指用タブ405をも含んでいる。この構造は、医療用針用途の際に、針ハブ332と針317とのシールド300に対する取り外し及び使用を容易にする。指用タブ405は、針の用途に従って、別の形状及び寸法とすることもできる。少なくとも一つの実施形態においては、ハブ332はまた、流体が針317を出て行った直後の流体のフラッシュバックを見るための位置に拡大器部分をも含んでいる。
【0050】
針ハブ332のフランジは、ハウジング312の内面近くに設けられた制御面410に対して同心状に支持されている。制御面410は、該制御面を解除可能に支持するためのフランジ404の外側面411と係合している。外側面411は、ハウジング312との解除可能な位置決めを維持するために摩擦嵌合、干渉嵌合等によって制御面410と係合しても良い。制御面410は、針ハブ332の他の部分と係合しても良いことが考えられる。更に、上記したシールド保持部材(図示せず)が、例えば、フランジ404から径方向に延びているボスとしてフランジ404によって形成することができる。かみ合いハブ保持部材は、例えば、制御面410内の“L”字形状の穴として形成することができる。
【0051】
図示されている実施形態においては、ハウジング312は、ハウジング312に対する針ハブ332の位置決めを容易にするハブストッパ面412を含んでいる。ハブストッパ面412は、ハウジング312による及びに対する取り付け中に針ハブ332の基端方向への動きを防止する。ハブストッパ面412は、特別な医療用針用途の要件に従って、ハウジング312に対する挿入程度の制御を容易にするのが有利である。1つ又は複数のハブストッパ面412を採用しても良い。ハブストッパ面412は、針ハブ332に対する取り付けを容易にするために、ばね、クリップ等を含んでいても良いことが考えられる。更に、上記したハブ保持部材(図示せず)は、例えば、ハブストッパ面412から径方向内方へ延びているボスとしてハブストッパ面412によって形成することができることも考えられる。かみ合いシールド保持部材(図示せず)は、例えば、フランジ404内の“L”字形状の穴として形成することができる。
【0052】
保持器414は、針連通面372の末端から横方向に延びている。ハブ保持器414は、針ハブ332のハブ穴424内に対応して受け入れる十分な長さだけ延びている。結合部材364の非結合又は摺動位置と関連して、保持器414は、シールド300のハウジング312に解除可能に取り付けるためにハブ穴424内で針ハブ332と係合している。
【0053】
医療用針シールド装置の構成部品は、特別な医療用途及び/又は医師の好みに応じて、例えば、ポリマー又はステンレス鋼のような金属の医療用途に適した材料によって作ることができる。半硬質及び硬質のポリマーばかりでなく、成形された医療等級のポリプロピレンのような弾性材料が製造用として考えられる。しかしながら、当業者は、本発明に従って組み立て及び製造に適した他の材料及び製造方法もまた適していることを認識するであろう。
【0054】
外側針317もまた可撓性のポリマー材料によって作られても良いこと及び医療用針装置の構成要素は、例えば、カテーテル、シェルディンガー針のようなガイドワイヤ導入器等のような他の用途に採用しても良いことが考えられる。
【0055】
結合部材364は、一体に形成されても良く且つ開口部プレート365、摩擦部材362、端部検知部材371、針連通面337及び保持器414を含んでいる。結合部材364は、1以上の摩擦部材362を含んでいても良いことが考えられる。開口部プレート365は、以下に説明するように、スタイレット316を結合するための力を生成するための十分な堅牢性を有する矩形で概して平らな形状を有している。開口部プレート365は、弓形の面、波状面等を有していても良いことが考えられる。更に、開口部プレート365は、特別な用途の要件に従った剛性度合いを有していても良いことも考えられる。
【0056】
摩擦部材362は、結合部材364によって一体に形成され且つ開口部366と整合し且つスタイレット316と係合するように関連して開口部プレート365から延びていても良い。各摩擦部材362は、スタイレット316との摺動係合を容易にするために隔置されている可撓性のアーム363を含んでいても良い。このような係合は、スタイレット316に対して摩擦抵抗力を生じる。遮断部材340及び/又は342のうちの一つと組み合わせたこの摩擦抵抗力は、結合部材364をスタイレット316に対して動かして開口部プレート365の傾斜力及び傾きを生じる。傾斜力及び傾きは結合部材364の回転を強いる。単一の摩擦部材を採用しても良いことが考えられる。更に、摩擦部材362は、針の用途の特別な要件に従って変化する摩擦力を有することができる可撓性部分を有していても良いことも考えられる。
【0057】
スタイレット316の動きによって助長されるように、傾斜力は、結合部材364の回転に対抗し且つ防止する端部検知部材371のてこ作用又はモーメントを生じさせる。この傾斜力は、結合部材364の非結合状態又は摺動状態(図2)においてスタイレット316に対する針連通面372の係合に対抗する。
【0058】
端部検知部材371は、開口部プレート365からスタイレット316に対して平行に末端方向へ延びている。端部検知部材317は、開口部プレート365によって規定された面に対して直角に向けられても良い。直角な配向は、結合部材364との結合状態又は非結合状態で廃棄するための開口部プレート364の傾斜を容易にする。端部検知部材371は、開口プレート365に対して種々の方向に向けることができ且つそこから柔軟に延びることができる。
【0059】
針連通面372は、スタイレット316に向けられた端部検知部材371の傾斜力に対抗する。この傾斜力は、遮断部材340及び/又は342のうちの一つと組み合わせられた摩擦部材362によって発生され且つ開口部プレート365の傾斜を容易にする。しかしながら、傾斜は、スタイレット316に対する針の係合により、非結合又は摺動状態においては阻止される。スタイレット316は基端方向に後退せしめられ、シールド300は末端方向に伸長せしめられ、スタイレット316は針連通面372に摺動可能に係合し続ける。
【0060】
図4に示されているようにスタイレット316が針連通面372との係合状態から解除されると、摩擦部材362とスタイレット316との間に抵抗力が生じる。遮断部材342と組み合わせられたこの抵抗力は、上記したように開口部プレート365を結合状態へと移動させる。
【0061】
開口部プレート365の回転によって、結合面368がスタイレット316と摩擦係合せしめられてその動きが阻止される。シールド300に長手軸線xに沿った方向の力がかかると、遮断部材340,342は開口部プレート365を結合状態へと移動させる。これによって、スタイレット316はシールド300内に維持されて末端314に対する危険な曝露が避けられる。
【0062】
遮断部材340,342は、ハウジング部分328,330のうちの一方又は両方によって形成することができ且つスタイレット316と干渉しないように配置される。遮断部材340,342は、各々、結合状態での開口部プレート365の廃棄を容易にする面340A,342Aを形成している。
【0063】
シールド300の後退位置と伸長位置との間を動く際にスタイレット316と摺動係合するように開口部プレート365内に開口366が形成されている。開口366は、該開口366の両側に形成された係合面368を含んでおり、これらの係合面は、スタイレット316と係合してシールド300の伸長位置における動きを阻止する。スタイレット316の動きを阻止するための係合として貫通、摩擦、干渉等が含まれても良いことは考えられる。開口366は、放射状、角形等のような種々の幾何学的構造を有していても良いことが考えられる。更に、開口366は、例えば“U”字形状のような開口部プレート365内の開口したキャビティを形成し且つ開口部プレート365の複数の端縁のうちの1つ又は複数に対して開口していても良いことも考えられる。
【0064】
長手軸線xに対する開口部プレート365の傾斜によって、スタイレット316の結合面368を介するシールド300内の摺動及び結合を容易にして末端314に対する危険な曝露を防止する。例えば、図2に示されているように、開口部プレート365は、長手軸線xに対して約90°の角度で配向されて、開口部プレート365がスタイレット316に対してほぼ直角に配置されるようになされている。非結合状態又は摺動状態においては、スタイレット316は、開口366内で自由に摺動する。スタイレット316が後退せしめられ且つシールド300が伸長せしめられると、スタイレット316は、針連通面372と係合し続け、開口部プレート365は長手軸線xに対して直角な向きに維持される。
【0065】
図5を参照すると、シールド300は、遮断部材342と組み合わせられた摩擦部材362が結合部材364を長手軸線xに対して回転させる。開口部プレート365は、長手軸線xに関して90°未満の角度αで配向されるように、スタイレット316に対する直角整合状態から回転する。角度αは開口部プレート365の片側から測定することができることが考えられる。
【0066】
開口部プレート365は角度αまで回転し、結合部材364は結合状態に近づく。結合状態は、開口部プレート365の結合状態により、スタイレット316に対する結合面368の結合を含んでいる。この係合は、摩擦部材362及び遮断部材340,342と組み合わせられてスタイレット316に対する結合摩擦力を形成して末端方向及び基端方向の両方向におけるシールド300に対するスタイレット316の動きを阻止し且つ末端314をシールド300内に維持して末端314に対する危険な曝露を防止する。
【0067】
図2に示されているように、例えば、シールド300は後退位置にあり、スタイレット316は一杯に伸長されている。結合部材364と開口部プレート365とは、開口部プレート365が長手軸線xにほぼ直角であるように非結合又は摺動状態にある。結合部材340,342は、開口部プレート365と係合して開口部プレート365を直角状態に維持することができる。遮断部材340,342はまた、スタイレット316の伸長中にこのような配置を維持しても良いし又はスタイレット316と係合しなくても良い。
【0068】
図5に示されているように、スタイレット316が後退し且つシールド300が伸長すると、摩擦部材362は、スタイレット316との係合によって結合部材364上に抵抗力を生じさせ、遮断部材342と結合して開口部プレート365を係合状態へと反時計方向に回転させる。遮断部材の面340A,342Aは、開口部プレート365と係合して直角状態から結合状態への回転を助長して結合面368が上記したようにスタイレット316と係合するようにさせる。この構造は、スタイレット316の動きを阻止する。
【0069】
スタイレット316に対する結合部材364の結合は、結合面368とスタイレット316との間に発生される摩擦力によって助長される。この摩擦係合によって、シールド300が伸長位置にあるときにハウジング312に対するスタイレット316の軸線方向の動きが阻止される。この構造は、スタイレット316に対する危険な曝露を防止するので有利である。結合面368は摩擦係合を増大させるために鋭い端縁を含んでいても良いことが考えられる。更に、例えば、開口部366の形状及び寸法、スタイレット316の形状及び寸法、開口部プレート365の厚み、遮断部材340,342の接触点からスタイレット316の中心線までの寸法並びに針の用途の特別な要件に応じた開口366とスタイレット316との間の摩擦係数のような1以上の変化するファクタによって結合摩擦力が形成され且つ変化することも考えられる。
【0070】
摩擦部材362は、開口部プレート365の傾斜の変化によって抵抗力を変えるような構造としても良く、この抵抗力の変化は、例えば摩擦部材362と係合するための楔形状又は切り欠きの傾斜のような摩擦部材の形状の幾何学的構造の変化によって達成することができることが考えられる。抵抗力のこの変化はまた、摩擦改造材料又は例えばオイル、ジェル、グリース若しくは摩擦を増大させるコーティングのようなコーティングの選択的な適用によって達成することもできる。
【0071】
スタイレット316が基端方向に後退せしめられ、シールド300が末端方向に伸長せしめられると、保持器414は、摩擦部材362によって発生される傾斜力によって、長手軸線xに対して反時計方向に回転せしめられる(図4)。保持器414は、針ハブ332をハウジング312から解除するためにハブ穴424から外れる。医師は、指用タブ405を操作して針ハブ332をシールド300から末端方向へ離れるように操作することができる。保持器414は、針連通面372から種々の方向に向けられても良いことは考えられる。更に、ハブ穴424は、針ハブ332の外周の近辺まで延びるように種々の大きさとすることができることも考えられる。
【0072】
図9を参照すると、上記のものと類似した結合部材364の代替的な実施形態が示されている。開口部プレート565は、多角形状の構造を有しており且つスタイレット316に平行に均一な軸線方向に延びている端部検知部材571を有している。針連通面572は、端部検知部材571のアーム間のキャビティ523に橋を渡すために横切る方向に延びている。結合部材364は、上記したものと類似のハブ穴424と係合するために延びている保持器514を含んでいる。摩擦部材562は、スタイレット316と結合するためのカールした係合面を含んでいる。
【0073】
図10を参照すると、上記のものと類似した結合部材364の別の代替的な実施形態が示されている。端部検知部材671は、開口部プレート665から軸線方向に延びており、保持器614がそこから横切る方向に延びている。摩擦部材662が結合面668に隣接して配置されている。摩擦部材662は、ここに説明するように、スタイレット316と摺動可能に係合し且つ抵抗力を生じさせるために開口部プレート665から弓形状に撓んでいる。結合部材364は、結合部材364の回転を阻止するためにスタイレット316と係合可能な針連通面672を有している。
【0074】
図11を参照すると、上記したものと似た結合部材のもう一つ別の実施形態が示されている。端部検知部材771が開口部プレート765から軸線方向に延びており、保持器7714がそこから横切る方向に延びている。摩擦部材762は、開口部プレート765によって取り付けられている矩形形状を有している。摩擦部材762は、開口766と整合された開口部を形成している。摩擦部材762の開口部と開口766の結合面668とは、スタイレット316に摺動可能に係合して上記したものと似た抵抗力を形成する。結合部材364は、スタイレット316と係合して結合部材364の回転を防止することができる針連通面772を有している。
【0075】
図12に示されているもう一つ別の実施形態においては、結合部材364は、各々、開口部プレート365の基端側及び末端側に設けられた別個の摩擦部材862を含んでいる。摩擦部材862は、該摩擦部材とのスタイレット316の摺動を可能にする摩擦嵌合リングであり且つスタイレット316との係合によって上記したものに似た摩擦抵抗力を付与する。スタイレット316が摺動すると抵抗力が形成され、摩擦部材862が開口部プレート365と係合する。摩擦部材862は開口部プレート365と係合し且つ遮断部材340と協働して開口部プレート365を反時計方向に回転させる。結合面368は、スタイレット316と係合して上記したようにスタイレット316の軸線方向の動きを阻止する。摩擦部材862は、高分子物質、金属等のような材料によって製造することができることが考えられる。
【0076】
別の方法として、図13に示されているように、摩擦部材962は、2つの部材964を連結し又は結合させる一体部材を形成しても良い。部材964は、スタイレット316及び開口部プレート365と係合して図12に関して説明したものと同様にスタイレット316の軸線方向の動きを阻止する。開口366は、スタイレット316との係合によって抵抗力を形成して上記したものと似た結合部材364の回転を生じさせることが考えられる。更に、結合部材364の回転を生じさせるためにスタイレット316に対して摩擦抵抗力を形成する例えばジェル、グリース等のような材料を採用しても良いことも考えられる。
【0077】
図14に示されている代替的な実施形態においては、ハウジング312は、ハブ支持部材1020を含んでいる。ハブ支持部材1020は、針ハブ332によって受け入れられてシールド300に対する針ハブ332の取り外し可能な取り付けを有利に助長する。別の方法として、図15に示されているように、ハウジング312の制御面410は削除するか又は排除しても良い。この構造は、ハブ支持部材1020がこの構造との同心関係によって針ハブ332の取り付けを単独で助長するのを可能にする。
【0078】
再び図1乃至8を参照すると、医師(図示せず)は、シールド300が後退位置(図2)にあり且つ結合部材364が非結合又は摺動状態にあるように柄318を操作する。スタイレット316は、針ハブ332が針317の周りに配置され且つ針ハブ332がハウジング312に対して解除可能に取り付けられるようにシールド300に対して伸長される。スタイレット316及び針317を備えた医療用針シールド装置を採用する方法は、医師によって完璧に行われる。
【0079】
スタイレット316が基端方向に後退せしめられて、シールド300が伸長位置に向かって伸長される。結合部材364は、スタイレット316が針連通面372及び結合面368と係合して上記したように開口366内での摺動を助長する。
【0080】
図5を参照すると、スタイレット316が針連通面372を通り過ぎると、保持器414は、摩擦部材362に対するスタイレット316の係合によって生じる傾斜力によって自由に回転する。開口部プレート365は、直角な状態から遮断部材340,342によって助長されるように結合状態のための傾斜状態へと長手軸線xに対して反時計方向に回転する。開口部プレート365は、長手軸線xに対して角度αまで回転する。
【0081】
保持器414は、ハブ穴424から外れて、針ハブ332はハウジング312から解除される。針ハブ332は、指用タブ405によって末端方向に操作することができる。結合状態においては、結合面368は、スタイレット316と係合してハウジング312内のスタイレット316の軸線方向の動きを阻止する。シールド300は、伸長位置に配置されて末端314に対する危険な曝露を阻止する。
【0082】
図16乃至19を参照すると、医療用針安全装置のもう一つ別の代替的な実施形態が示されている。把持部材部分1129を有している外側把持部材1125が、シールド300の回転及び包囲のために設けられている。外側把持部材1125は、柄318に取り付けられ且つシールド300の伸長位置においてシールド300及びスタイレット316に対して自由に回転する。外側ハウジング1125の相対的な回転は、外側ハウジング1125内に形成された軸受け開口部127における支持によって助長される。軸1131,1131Aは、各々、軸受け開口部1130,1127によって回転可能に支持されている。結合状態においては、軸受け構造は、シールド300及びスタイレット316に対する外側ハウジング1125の回転を支持する。ハウジング312は、上記したものと似た遮断部材340,342を含んでいる。スタイレット316は、遮断部材340,342に対して枢動可能に動くように遮断部材340,342内を通過する。軸1131の半体同士は、スタイレット316及び保持器414がその中に配置されるように互いに隔置されている。
【0083】
図20を参照すると、代替的な実施形態において、ハウジング312は、ハウジング312に取り付けられたスラストカラー1132を含んでいる。外側把持部材1125の対応スラストベース1133は、スラストカラー1132を支持する構造とされており且つハウジング312と外側把持部材1125との間の相対的な軸線方向の動きを制御する。スラストカラー1132は、ハウジング312の回転を助長し且つ外側把持部材1125内でのシールド300の傾斜を制限するために、スラストベース1133内で自由に回転する。別の方法として、図21及び37に示されているように、外側把持部材1125は、上記したものと似たハブ支持部材1120を含んでいる。もう一つ別の代替例においては、図23乃至25に示されているように、ハウジング312の制御面410は、上記したものと同様に、削除されても排除されても良い。ハウジング312に対する針ハブ332の取り付け関係を容易にするために、外側ハウジング1125に結合されている。
【0084】
図26を参照すると、シールド300は後退位置にあり、結合部材364は非結合又は摺動位置にある。スタイレット316は、末端314が針317から突出するようにシールド300に対して伸長されている。針ハブ332は、ハウジング312に対して解除可能に取り付けられている。図27を参照すると、スタイレット316は、シールド300が伸長位置まで伸長され且つ結合部材364が結合位置に配置されるように、基端方向に後退せしめられている。伸長位置においては、針ハブ332はシールド300から解除され、外側ハウジング1125はシールド300を包囲している。
【0085】
この構造は、スタイレット316の長手軸線xを中心とするシールド300の回転を阻止して、結合部材364が不所望に回転してスタイレット316に対する保護結合係合を妨害しないようにスタイレット316の長手軸線xを中心とするシールド300の回転を阻止する。従って、シールド300の保護構造を故意に悪用し且つ破壊する可能性が減じられる。開口部1127の長さは、スタイレット316に対する開口部1127の径方向のクリアランスが外側把持部材1125内でのシールド300の傾斜を制限するように長くしても良いことが考えられる。この構造は、外側把持部材1125に対するシールド300の径方向の接触を防止する。
【0086】
もう一つ別の実施形態においては、図28乃至32に示されているように、医療用針シールド装置は、上記したものと同様に、針アセンブリのスタイレット1216の末端1215を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能であるシールド1200を含んでいる。スタイレット1216は、医療用針用途の際に針アセンブリを採用するために、針アセンブリの針1217に対して摺動可能に且つ同心状に配置されている。スタイレットの柄1218は、スタイレット1216に対して結合されている。
【0087】
結合部材1264は、シールド1200内に設けられており且つ結合面1268を形成している。結合面1268は、開口部1266を形成している。結合部材1264は、該結合部材から延びている摩擦部材1262を含んでいる。結合部材1264は、スタイレット1216と係合して結合部材1264の回転を防止する針連通面1272を有している。摩擦部材1262は、後退位置と伸長位置との間をスタイレット1216に対して摺動可能に係合して、摩擦部材1262がスタイレット1216と係合して上記したものと同様にスタイレット1216に対する抵抗力を生じさせる構造とされている。シールド1200は、結合部材1264を包囲しているハウジング1212を含んでいる。
【0088】
スタイレット1216が針連通面1272との係合状態から解除されると、結合部材1264と保持器1214とは結合位置へと動く。結合部材1264の回転によって、結合面1268がスタイレット1216と係合せしめられてその動きを阻止する。ハウジング1212は、シールド1200に付与された力が該シールド1200の長手軸線xに沿ったいずれかの方向の相対的な動きを生じさせると、結合部材1264を結合位置へと動かす遮断部材1240及び/又は1242を含んでいる。このことにより、スタイレット1216がシールド1200内に維持されて末端1214に対する危険な曝露が避けられる。
【0089】
結合部材1264は、開口部プレート1265、摩擦部材1262、端部検知部材1271、針連通面1272及び保持器1214を含んでいる。端部検知部材1271は、上記したように、針連通面1272及び保持器1214の回転を容易化する一対の弓状のアームを含んでいる。
【0090】
摩擦部材1262は、開口1266と整合し且つスタイレット1216と係合するために開口部プレートから延びている。各摩擦部材1262は、開口部プレート1265から隔置されているU字形状のアームを含んでいても良い。U字形状のアーム同士は、スタイレット1216に対する摺動係合を容易化するために隔置されている。このような係合によって、スタイレット1216に対する摩擦抵抗力が形成される。この摩擦抵抗力は、遮断部材1240及び/又は1242のうちの一方と組み合わせられて、結合部材1264をスタイレット1216に対して動かして保持器1214に傾斜力を生じさせ且つ開口部プレート1265の傾きを生じさせる。針連通面1272は、スタイレット1216の方に向けられた端部検知部材1271の傾斜力に対抗する。
【0091】
スタイレット1216が針連通面1272との係合状態から解除されると、開口部プレート1265の回転が結合面1268をスタイレット1216に摩擦係合させてその動きを阻止する。遮断部材1240,1242は、シールド1200に対して長手軸線xに沿ったいずれかの方向の力がかけられると、開口部プレート1265を結合状態へと移動させる。これは、スタイレット1216をシールド1200内に維持して末端1214に対する危険な曝露を避ける。
【0092】
スタイレット1216が後退せしめられ、シールド1200が伸長せしめられると、摩擦部材1262は、結合部材1264上にスタイレット1216に対する係合による抵抗力を生じさせ且つ遮断部材1240と係合させて開口部プレート1265を反時計方向に回転させて結合状態とする。遮断部材1240A,1242Aは、開口部プレート1265と係合して、直角位置から結合位置への回転を容易化して、結合面1268が上記したようにスタイレット1216と係合するようにさせる。この構造はスタイレット1216の動きを阻止する。
【0093】
針ハブ1232は針1217に対して取り付けられている。針ハブ1232は、保持器1214に対する解除可能な結合によってシールド1200に対して解除可能に取り付けられている。針ハブ1232は、保持器1214を受け入れ且つ該保持器1214と係合するためのハブ穴1224を有している。この構造は、医療用針としての使用の際に、シールド1200からの針ハブ1232及び針1217の取り外し及び使用を容易化する。
【0094】
針ハブ1232のフランジは、以下に説明するように、外側把持部材1225の制御面1210によって同心状に支持されている。他の形体の結合を採用しても良いことが考えられる。制御面1210は、該制御面の解除可能な支持のためにフランジ1204と係合する。ハウジング1212は、該ハウジング1212に対する針ハブ1232の位置決めを容易化するハブストッパ面1201を含んでいても良い。
【0095】
針ハブ1232のハブ穴1224内への受け入れのために保持器1214が針連通面1272から延びている。結合部材1264の非結合又は摺動状態に関連して、保持器1214は、シールド1200に対する解除可能な取り付けのためにハブ穴1224内に配置されている。スタイレット1216が後退せしめられ、シールド1206が伸長せしめられると、保持器1214は、反時計方向に回転してハブ穴1224から外れて針ハブ1232をハウジング1212から解放する。
【0096】
シールド1200の回転及び包囲のために外側把持部材1225が設けられている。外側把持部材1225は、柄1218に対して取り付けられ且つシールド1200の伸長位置において、シールド1200及びスタイレット1216に対して自由に回転する。外側ハウジング1225の相対的な回転は、上記したものと同様に、外側ハウジング1225及び軸1234内に形成された軸受け開口部1223において支持されることによって容易化される。係合状態においては、少なくとも1つの軸受けを含んでいる軸受け構造は、シールド1200及びスタイレット1216に対する外側ハウジング1225の回転を支持する。
【0097】
図33を参照すると、医療用針シールド装置のもう一つ別の実施形態は、安全シールドを医療用針のハブに対して解除可能に保持するための手段を含んでいる。図34乃至36に示されているようにハブ1801は、安全シールド1804上のハブ保持部材と相互作用する安全シールド保持部材1802を含んでいる。この相互作用によって、故意に取り外されるまで安全シールド1804がハブ1801に対して保持される。この相互作用としては、例えば、バヨネット嵌合、傾斜嵌合、戻り止め嵌合、スナップ嵌合、変形可能な幾何学的構造、摩擦嵌合、吸引結合、マグネット結合又は当技術において知られているあらゆる適当な取り外し可能な保持構造がある。
【0098】
安全シールドは、相互作用方法に打ち勝つことによって保持部材1818から解除しても良い。図37乃至42に示された一つの構造は、バヨネット嵌合を含んでいる。この嵌合は、例えば、安全シールド1804を回転させ、次いで、安全シールド1804を末端方向へ伸長させることによって打ち勝つことができる。その他のこのような嵌合及び相互作用方法も同様に打ち勝つことができる。
【0099】
この構造はまた、外側把持部材1810を備えた安全シールド1804をも提供する。この外側把持部材は、安全シールド1804の作動を容易化するために使用しても良い。医師は、外側把持部材1810を把持し且つ(必要ならば)保持部材1818を外れさせ且つ安全シールド1804が作動せしめられるまで該安全シールド1804を末端方向へ伸長させる。ここに説明する結合部材に基づいて、安全シールド1804は、外側把持部材1810と共に使用するようになされている。外側把持部材は、例えば、翼部、タブ、ボタン、環状リム等を含むことができる。把持を容易にするために、リブ、グリップ形状等のような選択された表面構造を安全シールド面に設けることもできる。
【0100】
図43乃至45を参照すると、安全シールドを医療用針のハブに解除可能に保持するための別の手段が図示されている。安全シールド1804は、表面1805における摩擦によってハブ1801と相互作用する安全シールド保持部材1818を含んでいる。この相互作用によって、安全シールド1804は、故意に取り外されるまでハブ1801に保持される。保持部材1818とハブ1801との間の相互作用はまた、ハブ1801に対する安全シールド1804の整合機構としても機能することができる。安全シールドは、表面1805における摩擦嵌合に打ち勝つことによって保持部材1818から解除されても良い。1以上の保持部材1818を使用しても良いことが考えられる。
【0101】
図45は、安全シールドを医療用針のハブに解除可能に保持するための保持部材1818のもう一つ別の実施形態を示している。保持部材1818は、表面1805において摩擦嵌合によってハブ1801と相互作用する伸長面を含んでいる。この相互作用によって、安全シールド1804は、故意に取り外されるまでハブ1801に保持される。保持部材1818とハブとの間の相互作用はまた、ハブ1801に対する安全シールド1804のための整合機構として作用することもできる。安全シールドは、表面1805における摩擦嵌合に打ち勝つことによって保持部材1818から解放することができる。1以上の保持部材1818を使用しても良いことが考えられる。
【0102】
図46乃至48に示された特別な構造は、シース保持部材1821によって安全シールド1804に嵌合するシース1820を含んでいる。このシース保持部材は、シース1820の取り外しが安全シールド1804と干渉せず又は外れさせないように安全シールド保持部材1802に結合することができる。シース保持部材1821は、例えば、摩擦嵌合、圧入、吸引結合、バヨネット嵌合、戻り止め結合、変形可能な幾何学構造、スナップ嵌合等を含むことができる。シース保持部材1821は、故意に取り外されるまでシース1820を保持する。シース1820を取り外すためには、医師は、シース1820を把持し且つシース保持部材1821が外れるまでシース1820を末端方向に付勢することができる。
【0103】
図49乃至51を参照すると、本発明の医療用安全シールド装置のもう一つ別の特別な実施形態は、その中の流体のフラッシュバックを見るための拡大器部分1902を有しているハブ1901を含んでいる。ハブ1901は、フラッシュバックが針1903を出て行った直後に流体のフラッシュバックを見るためにハブ1901に形成されるか又は取り付けられた拡大器部分1902を含んでいる。図50に示されている拡大器部分1902の視認部分1904は、拡大器部分1902の焦点領域1905よりも大きい。それによって、医師は、より大きな視認領域1904を介してフラッシュバック領域1906の小さい部分を見ることができ且つフラッシュバックをより容易に見ることができ、それによってある医療処置に対する対処時間を短くすることができる。
【0104】
ハブ1901上の拡大器部分1902は、焦点領域1905からの光を医師の視認領域1904へと屈折させることによって焦点領域1905の視認程度を高める。図51は、光が焦点領域1905から視認領域1904の湾曲した部分1907を通過する際に、焦点領域1905から拡大器部分1902への光の屈折を示している。これによって、焦点領域1905は、視認領域1904から見たときに拡大され、流体のフラッシュバックの視覚検知程度が高められる。
【0105】
焦点領域1905の大きさ及び配置並びに拡大程度は、湾曲した部分1907の湾曲程度に依存する。焦点領域1905、湾曲部分1907及び視認領域1904は、特別な用途に対してより良く適合するようにすることができる。例えば、このような適合としては、限定的ではないが、焦点領域1905の大小、拡大程度の大小及び視認領域の大小がある。拡大器部分1902は、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、PVC、ガラス等のような多数の透明材料のうちのいずれかによって形成することができることが考えられる。更に、拡大器部分1902は、例えば、ハブ1901が実質的に透明な材料によって作られた状態でハブ1901と一体的に形成しても良い。
【0106】
図52乃至54に示されているように、もう一つ別の実施形態においては、医療用針シールド装置は、図28乃至32に関して説明したものと類似しており且つ針アセンブリのスタイレット1316の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能であるシールド1300(図53)内に設けられた結合部材1364を含んでいる。スタイレット1316は、骨バイオプシー針としての使用の際に採用するために針アセンブリの針1317と摺動可能に且つ同心状に設けられる。スタイレットの柄1318は、スタイレット1316に結合されている。
【0107】
作動中には、本発明の原理に従って説明されたものと類似した医療用針シールド装置が、針ハブ1332によって採用するために設けられる。医師(図示せず)は、シールド1300が後退位置(図52)にあり且つ結合部材1364が非結合位置又は摺動位置にあるように柄1318を操作する。スタイレット1316は、針ハブ1332が針1317の周りに配置され且つ針ハブ1332がハウジング1312に対して解除可能に取り付けられるように、シールド1300に対して伸長せしめられる。スタイレット1316及び針1317を備えた医療用針シールド装置を採用する処置は、医師によって完璧に行われる。
【0108】
針ハブ1332は、ハウジング1312に対して解除可能に取り付けられている。図53を参照すると、スタイレット1316は、シールド1300が伸長位置へと伸長せしめられ且つ結合部材1364が結合位置に配置されるように基端方向に後退せしめられる。針ハブ1332はシールド1300から解放され、外側ハウジング1325は伸長位置においてシールド1300を包囲する。このことにより、スタイレット1316がシールド1300内に維持されてスタイレット1316の末端に対する危険な曝露を避けることができる。
【0109】
別の方法として、図55乃至57に示されているように、図52乃至54に関して上記したシールド1300を含んでいる医療用針シールド装置は、図28乃至32に関して説明したものと類似しているシールド1400内に設けられた結合部材1464を含んでいる。シールド1400は、結合部材1464を包囲しているハウジング1412を含んでいる。シールド1400は、針1317の末端を包囲するために、後退位置から伸長位置まで伸長可能である。
【0110】
作動時には、針ハブ1332がシールド1300から解除され、外側ハウジング1325が伸長位置においてシールド1400を包囲する。これにより、針1317がシールド1400内に保持されてその末端に対する危険な曝露を避けることができる。
【0111】
図58乃至60に示された代替的な実施形態においては、医療用針シールド装置は、上記したものと類似したシールド1600内に配置されている結合部材1664を含んでおり、シールド1600は、針アセンブリの針1517の末端を包囲するために、後退位置から伸長位置まで伸長可能である。スタイレット1517は、プローブガイド1634を使用する骨バイオプシー針用途の際に針アセンブリに対して使用するために、針アセンブリの針1517に対して摺動可能に且つ同心状に設けられている。
【0112】
結合部材1664は、シールド1600内に配置されており且つ結合面1668を形成している。結合部材1664は、そこから延びている摩擦部材1662を含んでいる。結合部材1664は、結合部材1664の回転を阻止するために針1517と係合可能である針連通面1672を有している。摩擦部材1662は、後退位置と伸長位置との間を針1517に対して摺動可能に係合する構造とされていて、上記したものと同様に、摩擦部材1662が針1517と係合して針1517に対して抵抗力を形成するようになされている。
【0113】
結合部材1664は、開口部プレート1665,摩擦部材1662、端部検知部材1671及び針連通面1672を含んでいる。端部検知部材1671は、上記したように、針連通面1672の回転を容易化する。
【0114】
作動時には、本発明の原理による上記したものと類似した医療用針シールド装置は、針ハブ1532に対して使用するために設けられる。医師は、シールド1600が後退位置(図58)にあり且つ結合部材が非結合位置又は摺動位置にあるように、ハブ1532を操作する。
【0115】
針ハブ1532は、シールド1600に対して解除可能に取り付けられている。図59を参照すると、針1517は基端方向に後退せしめられていて、シールド1600が伸長位置へと伸長せしめられ且つ結合部材1664が結合位置に配置されている。針ハブ1532はシールド1600から解除され、外側ハウジング1625は伸長位置においてシールド1600を包囲している。これによって、針1517がシールド1600内に維持されて針1517の末端に対する危険な曝露が避けられる。
【0116】
プローブガイド1634は、シールド1600に対して一体化された漏斗形状を有しており且つ骨バイオプシー処置によって汚染されるかも知れない針1517の周囲に配置されている。プローブガイド1634のこの漏斗形状によってプローブロッド1535に対する取り付けが容易になる。従って、シールド1600及びプローブガイド1634は、医師に対する危険な曝露を防止する。プローブガイド1535は、針1517の末端内に挿入され、その中を通過せしめられて針ハブ1532から試料(図示せず)を押し出す。
【0117】
図61乃至65に示されたもう一つ別の代替的な実施形態においては、医療用針シールド装置は、針汗の針1716の末端を包囲するために後退位置(図61)から伸長位置(図65)まで伸長可能である上記したものと類似のシールド1700を含んでいる。針1716は、PICC導入器用途の際に針アセンブリに対して使用するために針アセンブリのシース1717に対して摺動可能に且つ同心状に設けられている。シース1717は、分割可能であっても良いし又は分割可能でなくても良い。針1716は、尖った末端を有する中空穴を有するカニューレである。シース1717は、ポリマー材料によって作られるのが望ましい。
【0118】
柄1718は針1716に対して結合されている。柄1718は、針1716に対して連通しているフラッシュチャンバ1736を有していても良い。ルアー嵌合部1737がフラッシュチャンバ1736と連通していて、ルアー式のスリップ又はルアー式の係止取り付け機構によって種々の医療装置に対する結合を容易化している。
【0119】
図28乃至32に関して説明したものと類似している結合部材1764がシールド1700内に設けられている。シールド1700は、結合部材1764を包囲するハウジング1712を含んでいる。
【0120】
針ハブ1732が針1717に対して取り付けられている。針ハブ1732は、結合部材1764の保持器1714に対する解除可能な係合によってシールド1700に対して解除可能に取り付けられている。針ハブ1732は、結合部材1764を受け入れ且つ該結合部材と係合するためのハブ穴1732を備えている。この構造は、医療用針の使用の際に、シールド1700に対する針ハブ1732及びシース1717の取り外し及び使用を容易にする。
【0121】
針ハブ1732のフランジは、以下に説明するように、外側把持部材1725の制御面によって同心状に支持されている。制御面は、解除可能な支持のためにフランジと係合している。保持器1714が針ハブ1732のハブ穴1724内に受け入れられるように延びている。結合部材1764の非結合又は摺動状態に関連して、保持器1714がシールド1700に解除可能に取り付けるためにハブ穴1724内に配置されている。針1716が後退せしめられ且つシールド1700が伸長せしめられると、保持器1714は、反時計方向に回転し且つハブ穴1724から外れて針ハブ1732をハウジング1712から解放する。
【0122】
外側把持部材1725は、シールド1700の回転及び包囲のために設けられている。外側把持部材1725は、柄1718に対して取り付けられており且つシールド1700の伸長状態においてシールド1700及び針1716に対して自由に回転する。外側ハウジング1725の相対的な回転は、上記したものと同様に、外側ハウジング1725に形成された軸受け開口部及び軸における支持によって容易化されている。結合状態においては、軸受け構造は、シールド1700及び針1716に対する外側ハウジング1725の回転を支持している。
【0123】
図65を参照すると、針1716は、基端方向に後退せしめられてシールド1700が伸長位置へと伸長せしめられ且つ結合部材1764が結合位置に配置されている。針ハブ1732はシールド1700から解放されており、シールド1700は伸長位置において針1716の末端を包囲している。このことにより、針1716がシールド1700内に維持されて針1716の末端に対する危険な曝露が避けられる。
【0124】
外側回転ハウジングは、種々の構造の多数の部分から構成されても良く又は特別な用途に適するように一体に形成されても良い。
【0125】
上記した種々のシールドは、シールドを針に沿って所望の挿入深さに位置決めすることによって所望の挿入深さを測定するために使用しても良い。上記した種々のシールドは、挿入中に把持することによって針を安定化するために使用しても良いことも考えられる。
【0126】
本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特別な形態で実施化しても良い。従って、以上の実施形態は、全ての点において例示のためのものであり且つ限定的なものではないと考えられるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく特許請求の範囲によって示されており、従って、特許請求の範囲の等価物の意味及び範囲内に含まれる全ての変更が保護されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は、本発明の原理による医療用針シールド装置の一つの特別な実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、ハウジング部分が分離された状態の図1に示された医療用針シールド装置の非結合状態のシールドの破断斜視図である。
【図3】図3は、図2に示された医療用針シールド装置の破断斜視図である。
【図4】図4は、ハウジング部分が分離された状態の図1に示された医療用針シールド装置の非結合状態のシールドの破断斜視図である。
【図5】図5は、係止状態の図4に示されたシールドの破断斜視図である。
【図6】図6は、図1に示された医療用針シールド装置の結合部材の拡大斜視図である。
【図7】図7は、図5に示されたシールドのハウジング部分の拡大斜視図である。
【図8】図8は、図5に示されたシールドの代替的な破断斜視図である。
【図9】図9は、図6に示された結合部材の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図10】図10は、図6に示された結合部材のもう一つ別の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図11】図11は、図6に示された結合部材のもう一つ別の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図12】図12は、摩擦部材の代替的な実施形態を示している図5に示された破断斜視図である。
【図13】図13は、摩擦部材のもう一つ別の実施形態を示している図12に示されているシールドの破断斜視図である。
【図14】図14は、付加的なハブ支持部材を備えた図1に示されている医療用針シールド装置の代替的な実施形態の破断斜視図である。
【図15】図15は、シールドの代替的な実施形態を示している図1に示された医療用針シールド装置の破断斜視図である。
【図16】図16は、外側回転可能ハウジングを備えた図1に示された医療用針シールド装置の破断斜視図である。
【図17】図17は、ハウジングが除去された状態の図16に示された医療用針シールド装置の拡大破断斜視図である。
【図18】図18は、図17に示されたハウジング部分の斜視図である。
【図19】図19は、図16に示された医療用針シールド装置の軸の拡大斜視図である。
【図20】図20は、部品が分離された状態の図16に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の破断斜視図である。
【図21】図21は、部品が分離された状態の図16に示された医療用針シールド装置のもう一つ別の代替的な実施形態の破断斜視図である。
【図22】図22は、図21に示されたハウジング部分の拡大斜視図である。
【図23】図23は、ハウジング部分が除去された状態の図16に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図24】図24は、図23に示された軸の拡大斜視図である。
【図25】図25は、図23に示されたハウジング部分の拡大斜視図である。
【図26】図26は、作動前の状態の図16に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図27】図27は、作動状態の図16に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図28】図28は、ハウジングが除去された状態の図16に示された医療用針シールド装置のもう一つ別の実施形態の破断斜視図である。
【図29】図29は、図28に示された医療用針シールド装置のハウジングの拡大斜視図である。
【図30】図30は、図29に示されたハウジングの代替的な斜視図である。
【図31】図31は、図28に示された外側ハウジングの拡大斜視図である。
【図32】図32は、図28に示された医療用針シールド装置によって採用されている結合部材の拡大斜視図である。
【図33】図33は、シースを備えた図16に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図34】図34は、本発明による医療用針シールド装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【図35】図35は、図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図36】図36は、図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大破断斜視図である。
【図37】図37は、安全シールド保持部材とハブ保持部材との間の係合状態を示している図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図38】図38は、安全シールド保持部材とハブ保持部材との間の部分的な分離状態を示している図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図39】図39は、安全シールド保持部材とハブ保持部材との間の部分的な分離状態を示している図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図40】図40は、安全シールド保持部材とハブ保持部材との間の分離状態を示している図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図41】図41は、伸長された針シールドを示している図34に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【図42】図42は、伸長された針シールドを示している図34に示された実施形態に類似の医療用針シールド装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【図43】図43は、本発明による医療用針シールド装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【図44】図44は、図43に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大破断斜視図である。
【図45】図45は、本発明による医療用針シールド装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【図46】図46は、シース保持部材を備えているシースを示している図34に示された実施形態に似た医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図47】図47は、シース保持部材を示している図34に示されている医療用針シールド装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【図48】図48は、シース保持部材から外されたシースを示している図46に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態の拡大斜視図である。
【図49】図49は、本発明の代替的な実施形態による拡大器部分を備えた医療用針シールド装置のハブの拡大斜視図である。
【図50】図50は、図49に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態によるハブの拡大破断斜視図である。
【図51】図51は、図49に示された医療用針シールド装置の代替的な実施形態によるハブの拡大破断斜視図である。
【図52】図52は、図40に示された医療用針シールド装置のもう一つ別の実施形態の斜視図である。
【図53】図53は、部品が分離された状態の図52に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図54】図54は、断面状態の図52に示された医療用針シールド装置の破断斜視図である。
【図55】図55は、図52に示された医療用針シールド装置のもう一つ別の実施形態の斜視図である。
【図56】図56は、図55に示された医療用針シールド装置の部分断面斜視図である。
【図57】図57は、部品が分離された状態の図55に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図58】図58は、図1に示された医療用針シールド装置のもう一つ別の実施形態の斜視図である。
【図59】図59は、部品が分離された状態の図58に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図60】図60は、部分的に断面で示された図59に示されたハウジングの図である。
【図61】図61は、図46に示された医療用針シールド装置のもう一つ別の実施形態の斜視図である。
【図62】図62は、図61に示された医療用針シールド装置の断面斜視図である。
【図63】図63は、部品が分離された状態の図61に示された医療用針シールド装置の斜視図である。
【図64】図64は、図61に示された医療用針シールド装置の破断斜視図である。
【図65】図65は、部品が分離された状態の図61に示された医療用針シールド装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用針シールド装置であって、
末端まで延びている外側針カニューレと、当該外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置された内側針とを有する針と、
前記内側針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能である少なくとも1つのシールドであって、内部に結合部材が設けられ、前記後退位置と伸長位置との間を前記内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口を形成する結合面を形成しているシールドとを含み、
前記結合部材は、少なくとも1つの抵抗誘起部材を含んで、当該少なくとも1つの抵抗誘起部材は、前記内側針に対する抵抗力を形成するために、前記内側針を摺動可能に受け入れる際に前記内側針と係合するようになされており、前記抵抗力は、前記内側針の長手軸線に対する前記結合部材の回転を容易化して、前記結合面が前記シールドの伸長位置において前記内側針の摺動可能な動きを阻止するために前記内側針と係合するようになされており、
前記結合部材は更に、針連通面であって、前記内側針と係合するようになされており且つ前記内側針と係合して前記結合部材の回転を阻止することができるように延びている前記針連通面と、前記針ハブに対して解除可能に係合するために前記針連通面から横切る方向に延びている保持器とを含んでいることを特徴とする医療用針シールド装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記少なくとも1つの抵抗誘起部材が、前記開口部に対してほぼ整合しているキャビティを形成しており、当該キャビティは、前記針に対する抵抗力を形成するために前記針を摺動可能に受け入れる構造とされている、医療用針シールド装置。
【請求項3】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記開口を形成している結合面を含んでいる実質的に平らな開口部プレートを含んでいる、医療用針シールド装置。
【請求項4】
請求項3に記載の医療用針シールド装置であって、
前記少なくとも1つの抵抗誘起部材が、前記開口部プレートから延び且つカールした端部を有している一対のアームを含んでいる、医療用針シールド装置。
【請求項5】
請求項4に記載の医療用針シールド装置であって、
前記アームが撓み可能な部材を含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項6】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記内側針が前記結合部材に対して摺動可能である非結合状態と、前記結合部材が前記内側針と係合して前記少なくとも1つのシールドの前記伸長状態において前記内側針の摺動可能な動きを阻止する結合状態との間を、前記内側針の長手軸線に対して回転可能である、医療用針シールド装置。
【請求項7】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドが、その内側表面から延びている少なくとも1つの遮断部材を形成しているハウジングを含み、前記少なくとも1つの遮断部材が、前記結合部材を係合状態へと付勢するために前記結合部材と係合可能である医療用針シールド装置。
【請求項8】
請求項3に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドが、その内側表面から延びている少なくとも1つの遮断部材を形成しているハウジングを含んでおり、前記開口部プレートが、前記結合部材を係合位置へ回転させる少なくとも1つの遮断部材と係合可能であるように軸線方向に動くことができるようになされた医療用針シールド装置。
【請求項9】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
少なくとも1つのシールドを包囲している外側把持部材を更に含んでおり、前記外側把持部材は、当該外側把持部材に対する相対的な回転動作のために前記少なくとも1つのシールドを支持している医療用針シールド装置。
【請求項10】
請求項9に記載の医療用針シールド装置であって、
前記少なくとも1つのシールドが、前記少なくとも1つの軸受けによって前記外側把持部材による相対的な回転動作のために支持されている医療用針シールド装置。
【請求項11】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記内側針が、その操作のために柄に取り付けられている医療用針シールド装置。
【請求項12】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記針ハブが前記少なくとも1つのシールドのハウジングに解除可能に取り付けることができる医療用針シールド装置。
【請求項13】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記針ハブが、前記結合部材の前記保持器を受け入れる構造とされている医療用針シールド装置。
【請求項14】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記針連通面まで延びている少なくとも1つの外側へ弓状に撓んだアームを含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項15】
請求項1に記載の医療用針シールド装置であって、
複数のシールドを更に含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項16】
医療用針シールド装置であって、
末端まで延びている外側針カニューレと、当該外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置された内側針とを有する針と、
前記外側針カニューレの末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能であるシールドであって、その末端に、前記外側針カニューレに対して摺動可能に動く構造とされたプローブを受け入れる構造とされたプローブガイドを形成しており、内部に結合部材が設けられ、前記後退位置と伸長位置との間を前記外側針カニューレを摺動可能に受け入れる構造とされた開口が形成された結合面を形成しているシールドとを含み、
前記結合部材は、少なくとも1つの抵抗誘起部材を含み、当該少なくとも1つの抵抗誘起部材は、前記外側針カニューレに対する抵抗力を形成するために、前記外側針カニューレを摺動可能に受け入れる際に前記外側針カニューレと係合するようになされており、前記抵抗力は、前記外側針カニューレの長手軸線に対する前記結合部材の回転を容易化して、前記結合面が前記シールドの伸長位置において前記外側針カニューレの摺動可能な動きを阻止するために前記外側針カニューレと係合するようになされており、
前記結合部材は更に、針連通面であって、前記外側針カニューレと係合するようになされており且つ前記外側針カニューレと係合して前記結合部材の回転を阻止することができるように延びている前記針連通面を含んでいることを特徴とする医療用針シールド装置。
【請求項17】
請求項16に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記外側針カニューレが前記結合部材に対して摺動可能である非結合状態と、前記結合面が前記外側針カニューレと係合して前記シールドの前記伸長状態において前記外側針カニューレの摺動可能な動きを阻止する結合状態との間を、前記外側針カニューレの長手軸線に対して回転可能である、医療用針シールド装置。
【請求項18】
請求項16に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドが、その内側表面から延びている少なくとも1つの遮断部材を形成しているハウジングを含み、前記遮断部材が、前記結合部材を係合状態へと回転させる少なくとも1つの遮断部材と係合するように軸線方向に移動可能である開口部プレートを含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項19】
医療用針シールド装置であって、
末端まで延びている外側針カニューレと、当該外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置された内側針とを有する針と、
前記内側針に取り付けられ且つ前記内側針と連通しているフラッシュチャンバであって医療装置に対する接続を容易にする嵌合部を有しているフラッシュチャンバを形成している柄と、
前記針ハブに解除可能に取り付けることができ且つ前記内側針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能であり、前記柄が隣接して配置されているシールドであって、内部に結合部材が設けられ、前記後退位置と伸長位置との間で前記内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口を形成する結合面を形成しているシールドとを含み、
前記結合部材は、少なくとも1つの抵抗誘起部材を含み、当該少なくとも1つの抵抗誘起部材は、前記内側針に対する抵抗力を形成するために、前記内側針を摺動可能に受け入れる際に前記内側針と係合するようになされており、前記抵抗力は、前記内側針の長手軸線に対する前記結合部材の回転を容易化して、前記結合面が前記シールドの伸長位置において前記内側針の摺動可能な動きを阻止するために前記内側針と係合するようになされており、
前記結合部材は更に、針連通面であって、前記内側針と係合するようになされており且つ前記内側針と係合して前記結合部材の回転を阻止することができるように延びている前記針連通面を含んでおり、保持器が、前記針ハブのハブ穴と解除可能に係合できるように前記針連通面から横切る方向に延びていることを特徴とする医療用針シールド装置。
【請求項20】
請求項19に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記内側針が前記結合部材に対して摺動可能である非結合状態と、前記結合面が前記内側針と係合して前記シールドの前記伸長状態において前記内側針の摺動可能な動きを阻止する結合状態との間を、前記内側針の長手軸線に対して回転可能である、医療用針シールド装置。
【請求項21】
請求項19に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドが、その内側表面から延びている少なくとも1つの遮断部材を形成しているハウジングを含み、前記遮断部材が、前記結合部材を係合状態へと回転させる少なくとも1つの遮断部材と係合するように軸線方向に移動可能である開口部プレートを含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項22】
請求項19に記載の医療用針シールド装置であって、
ルアー式スリップ又はルアー式係止機構を更に含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項23】
医療用針シールド装置であって、
針ハブと、
前記針ハブに対して設けられた針と、
前記針の末端を包囲するために、後退位置から伸長位置まで伸長可能である少なくとも1つのシールドと、
前記シールド内に設けられ且つ後退位置と伸長位置との間で前記針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口を形成した結合面を形成している結合部材と、
前記シールドと前記針ハブとの間に係合可能である少なくとも1つの保持部材とを含む医療用針シールド装置。
【請求項24】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記保持部材が、前記シールドに対して形成され且つ前記針ハブに対して形成されたシールド保持部材と解除可能に係合する構造とされているハブ保持部材を含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項25】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記少なくとも1つの保持部材が、前記シールド内の穴と解除可能に係合するようになされた前記針ハブから径方向に延びているボスを含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項26】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記少なくとも1つの保持部材が、バヨネット嵌合、傾斜嵌合、戻り止め結合、スナップ嵌合、変形可能な幾何学的構造、摩擦嵌合、マグネット結合又は吸引装置のうちの1つを含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項27】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドがそこから延びており且つ前記シース保持部材に対する前記シースの外れが前記シールドと前記針ハブとの間に係合せしめられた前記保持部材を外れさせないように、シースに対する解除可能な嵌合を有しているシース保持部材を含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項28】
請求項27に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シース保持部材が、前記シースに対して、圧入、スナップ嵌合又はねじ結合のうちの1つのための構造とされている医療用針シールド装置。
【請求項29】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記針が前記結合部材に対して摺動可能である非結合状態と、前記結合面が前記針と係合して前記シールドの前記伸長状態において前記針の摺動可能な動きを阻止する結合状態との間を、前記針の長手軸線に対して回転可能である、医療用針シールド装置。
【請求項30】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材は、少なくとも1つの抵抗誘起部材を含み、当該少なくとも1つの抵抗誘起部材は、前記針に対する抵抗力を形成するために、前記針を摺動可能に受け入れる際に前記針と係合するようになされており、前記抵抗力及びシールドは、前記針の長手軸線に対する前記結合部材の回転を容易化して、前記結合面が前記シールドの伸長位置において前記針の摺動可能な動きを阻止するために前記針と係合するようになされており、
前記結合部材は更に、針連通面であって、前記針と係合するようになされており且つ前記針と係合して前記結合部材の回転を阻止することができるように延びている前記針連通面を含んでおり、
前記針ハブと解除可能に係合するために保持器が前記針連通面から横切る方向に延びていることを特徴とする医療用針シールド装置。
【請求項31】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドを包囲する外側ハウジングを更に含み、該外側ハウジングは、前記シールドを当該外側ハウジングに対して相対的に回転動作できるように支持している医療用針シールド装置。
【請求項32】
請求項31に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドが、前記外側ハウジングが相対的に回転動作できるように、少なくとも1つの軸受けによって支持されている医療用針シールド装置。
【請求項33】
請求項23に記載の医療用針シールド装置であって、
前記針がその操作のために柄に取り付けられている医療用針シールド装置。
【請求項34】
医療用針シールド装置であって、
末端まで延びている外側針カニューレと、当該外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置された内側針とを有する針と、
前記外側針カニューレの末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能であるシールドであって、その末端に、前記外側針カニューレに対して摺動可能に動く構造とされたプローブを受け入れる構造とされたプローブガイドを形成しており、内部に結合部材が設けられ、前記後退位置と伸長位置との間を前記外側針カニューレを摺動可能に受け入れる構造とされた開口が形成された結合面を形成しているシールドと、
前記針ハブによって形成されたシールド保持部材に対して解除可能に係合する構造とされた前記シールドによって形成されたハブ保持部材とを含み、
前記結合部材は、少なくとも1つの抵抗誘起部材を含み、当該少なくとも1つの抵抗誘起部材は、前記外側針カニューレに対する抵抗力を形成するために、前記外側針カニューレを摺動可能に受け入れる際に前記外側針カニューレと係合するようになされており、前記抵抗力及びシールドは、前記外側針カニューレの長手軸線に対する前記結合部材の回転を容易化して、前記結合面が前記シールドの伸長位置において前記外側針カニューレの摺動可能な動きを阻止するために前記外側針カニューレと係合するようになされており、
前記結合部材は更に、前記外側針カニューレと係合するようになされており且つ前記外側針カニューレと係合して前記結合部材の回転を阻止することができるように延びている針連通面を含んでいることを特徴とする医療用針シールド装置。
【請求項35】
請求項34に記載の医療用針シールド装置であって、
前記結合部材が、前記外側針カニューレが前記結合部材に対して摺動可能である非結合状態と、前記結合面が前記外側針カニューレと係合して前記シールドの前記伸長状態において前記外側針カニューレの摺動可能な動きを阻止する結合状態との間を、前記外側針カニューレの長手軸線に対して回転可能である、医療用針シールド装置。
【請求項36】
医療用針シールド装置であって、
針ハブと、
前記針ハブに対して設けられた針と、
前記針の末端を包囲するために、後退位置から伸長位置まで伸長可能である少なくとも1つのシールドと、
前記シールド内に設けられ且つ後退位置と伸長位置との間で前記内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口を形成した結合面を形成している結合部材とを含み、
前記針ハブは、前記針から出て行く流体のフラッシュバックを見ることができる構造とされた拡大器部分を備えている医療用針シールド装置。
【請求項37】
請求項36に記載の医療用針シールド装置であって、
前記拡大器が、視認領域を形成している湾曲部分を含んでおり、当該湾曲部分は、前記焦点領域の拡大された視認のためにより小さい焦点領域からの光を屈折させるようになされている医療用針シールド装置。
【請求項38】
請求項36に記載の医療用針シールド装置であって、
前記ハブが、単一壁の導入器針ハブ、バイオプシー針ハブ、脊麻針ハブ又は硬麻針ハブのうちの1つである医療用針シールド装置。
【請求項39】
請求項36に記載の医療用針シールド装置であって、
前記シールドと前記ハブとの間に係合可能である少なくとも1つの保持部材を更に含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項40】
請求項39に記載の医療用針シールド装置であって、
前記保持部材が、前記ハブによって形成されたシールド保持部材と解除可能に係合できる構造とされている前記シールドによって形成されたハブ保持部材を含んでいる医療用針シールド装置。
【請求項41】
医療用針シールド装置であって、
末端まで延びている外側針カニューレと、当該外側針カニューレに対して摺動可能に動くように配置された内側針とを有する針と、
前記内側針に取り付けられ且つ前記内側針と連通しているフラッシュチャンバであって医療装置に対する接続を容易にする嵌合部を有しているフラッシュチャンバを形成している柄と、
前記針ハブ内に設けられ且つ前記流体チャンバを拡大して見ることができるようになされた拡大器と、
前記針ハブに解除可能に取り付けることができ且つ前記内側針の末端を包囲するために後退位置から伸長位置まで伸長可能であり、前記柄が隣接して配置されており、内部に結合部材が設けられ、前記後退位置と伸長位置との間で前記内側針を摺動可能に受け入れる構造とされた開口を形成した結合面を形成しているシールドと、
前記針ハブによって形成されたシールド保持部材に解除可能に係合する構造とされている前記シールドによって形成されたハブ保持部材とを含む医療用針シールド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【公表番号】特表2006−522655(P2006−522655A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509803(P2006−509803)
【出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/010800
【国際公開番号】WO2004/091687
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(500110186)スペシャライズド・ヘルス・プロダクツ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】