説明

半二重位相配列アンテナシステム

ある例示的実施形態では、位相配列アンテナは、双方向アンテナ偏波器を備え、双方向動作のために構成される。双方向アンテナ偏波器は、パワー分割器、パワー結合器、および移相器の能動的実装を結合してもよい。さらに、別の例示的実施形態では、双方向アンテナ偏波器は、広範囲に及ぶシステム柔軟性および現場再構成性を有する。さらに別の例示的実施形態では、双方向位相配列アンテナは、「レーダ様」用途で動作し、送受信機能は、半二重方式で動作する。さらに、例示的実施形態では、位相配列アンテナは、多重周波数帯域および/または多重偏波にわたって動作するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
位相配列アンテナは、多重放射素子を使用し、無線周波数(RF)信号を送信、受信、または送受信する。位相配列アンテナは、移動中通信(COTM)アンテナ、休止中通信(COTP)アンテナ、衛星通信(SATCOM)航空用端末、SATCOMモバイル通信、ローカル多地点配信サービス(LMDS)、無線2地点間(PTP)マイクロ波システム、およびSATCOM接地端末を含む、種々の潜在的可能性において使用され得る。さらに、位相配列アンテナ内の一般的構成要素は、したがって、周波数感応性であって、特定の周波数帯域のために設計される、分散型構成要素である。一般的SATCOMシステムは、時分割多重化(TDM)である、転送リンクと、時分割多重アクセス(TDMA)である、返信リンクとを有する。受信および送信機能は、同時に達成される必要はなく、同期および同期のための時間基準は、動作帯域幅効率のための上述の通信システムのうちの全部ではないにしても、大部分における一般的要因である。
【0002】
一般的電子的に操作可能な位相配列アンテナは、移相器、パワー分割器、パワー結合器、およびハイブリッドのアセンブリを備える。加えて、一般的電子的に操作可能な位相配列は、位相配列内の放射素子毎に、これらの構成要素のうちの少なくともいくつかを要求し、アーキテクチャのコストおよび複雑性を増加させる。加えて、電子的に操作可能な位相配列アンテナは、半二重機能として動作する場合、より複雑である。半二重位相配列アンテナは、同一放射素子を通して、送受信するように構成される。
【0003】
一般的デジタル移相器は、切替え型遅延ラインを使用し、物理的に大きく、その分散型性質のため、狭帯域の周波数にわたって動作する。別の種類の一般的デジタル移相器は、切替え型遅延ラインと比較してより良好な動作帯域幅を有するが、依然として、物理的に大きい、切替え型ハイパス/ローパスフィルタアーキテクチャを実装する。また、これらの移相器は、多くの場合、ガリウムヒ素(GaAs)上に作製される。他の材料が使用されてもよいが、GaAsは、電子デバイスの良好な性能を提供するように設計および制御されるより高い品質の材料である。しかしながら、他の可能性のある材料よりも高い品質の材料であることに加え、GaAsはまた、より高価で、より製造が困難である。一般的位相配列構成要素は、GaAs上の多くの面積を占め、より高いコストをもたらす。さらに、固体回路を伴う標準的移相器は、一般的には、約(2n)dBの損失(式中、nは、移相器内の位相ビットの数である)である高無線周波数(RF)パワー損失を有する。別の先行技術実施形態は、RF MEMSスイッチを使用し、より低い損失を有するが、依然として、同様の空間を消耗し、概して、モノリシックソリューションと互換性がない。
【0004】
デジタル移相器に加えて、直角位相ハイブリッドまたは他の微分位相発生ハイブリッドもまた、種々のRF用途において使用される。ある例示的実施形態では、直角位相ハイブリッドは、円形偏波信号、パワー結合、またはパワー分割を発生させるために使用される。ある例示的実施形態では、直角位相ハイブリッドの出力は、等しい振幅および公称90°位相差を有する。別の一般的実施形態では、直角位相ハイブリッドは、Lange連結器、分岐線路連結器、および/または同等物等、分散型構造として実装される。マジックTまたはリングハイブリッド等の180°ハイブリッドは、公称180°移相をもたらす。一般に、直角位相ハイブリッドおよび180°ハイブリッドは、周波数帯域が限定され、有意な物理的空間を要求する。加えて、構造は、性質上、分散型であるため、その物理的サイズは、周波数の低下に伴って増加する。さらに、直角位相ハイブリッドおよび180°ハイブリッドは、一般的には、GaAsから成り、パワー分割器として使用されると、ハイブリッド当たり約3−4dBの付随RFパワー損失を、パワー結合器として使用されると、約1dBの付随パワー損失を有する。
【0005】
また、同相パワー結合器および同相パワー分割器は、種々のRF用途において使用される。ある例示的実施形態では、同相ハイブリッドの出力は、同等振幅および実質的ゼロ微分位相差を有する。別の例示的実施形態では、パワー結合器として構成される、同相ハイブリッドの入力は、実質的ゼロ微分位相および振幅偏移に遭遇する。先行技術実施形態では、同相ハイブリッドは、Wilkinson連結器等の分散型構造として実装される。一般に、同相ハイブリッドは、周波数帯域が限定され、有意な物理的空間を要求する。加えて、構造は、性質上、分散型であるため、物理的サイズは、周波数の低下に伴って増加する。同相ハイブリッドは、一般的には、GaAsから成る。さらに、同相ハイブリッドは、概して、パワー分割器として使用されると、ハイブリッド当たり約3−4dBの付随RFパワー損失を、パワー結合器として使用されると、約1dBの付随RFパワー損失を有する。
【0006】
加えて、一般的位相配列アンテナは、1度に単一ビームのみ形成し、多くの場合、偏波アジリティが不可能である。付加的ビームを形成し、および/または同一放射開口からの偏波アジリティ能力を有するために、付加的移相およびパワー分割または構成要素結合が、放射素子毎に要求される。これらの付加的構成要素は、一般的には、性質上、分散型であって、有意な物理的空間を要求し、損失が多く、比較的に狭い周波数帯域にわたってのみ動作する。これらの理由から、多重周波数帯域にわたって動作可能な、偏波アジリティ多重ビーム位相配列アンテナは、実際は、実現が困難である。さらに、位相配列アンテナ内の一般的構成要素は、したがって、周波数感応性であって、特定の周波数帯域のために設計される、分散型構成要素である。
【0007】
先行技術位相配列アンテナの偏波器は、一般的には、特定の偏波に特有である。線形、円形、または楕円形であってもよいが、一般に、異なる偏波に対処するように電子的に再構成不可能である。さらに、一般的通信ベースの位相配列アンテナのみ、送信または受信のいずれかのために、放射素子を使用するが、2つの機能間の切替えを行わない。これは、概して、送受信周波数帯域が、適切な効率によって、両帯域をサポートすることを防止するほど、十分に離れてはいないためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、周波数が限定されず、偏波特有ではない位相配列アンテナの必要性が存在する。また、異なる偏波に対する再構成であって、半二重方式において、同一放射素子を使用して、送受信可能であるアンテナ偏波器の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある例示的実施形態では、位相配列アンテナは、単一開口内に半二重アーキテクチャを備える。位相配列アンテナは、共通放射素子を通して、無線周波数信号を送受信するように構成される。ある例示的実施形態では、送受信周期は、同時に生じず、種々の信号を絶縁可能にする。無線周波数信号は、偏波制御およびビーム操作の両方のために調節される。受信実施形態では、多重RF信号は、受信され、少なくとも1つの受信ビーム出力に結合される。送信実施形態では、少なくとも1つの送信ビーム入力は、分割され、多重放射素子を通して送信される。
【0010】
さらに、例示的実施形態では、位相配列アンテナは、多重周波数帯域および/または多重偏波にわたって動作するように構成される。位相配列アンテナは、従来の分散型構成要素およびGaAs機能を能動的構成要素と置換し、電子的に操作可能な多重ビーム位相配列アンテナを動作させる。能動的構成要素の広帯域性質は、多重周波数帯域にわたって、同時に動作を可能にする。さらに、アンテナ偏波は、サブ配列または個々の放射素子レベルで静的または動的に制御されてもよい。
【0011】
例示的位相配列アンテナの利点として、システムの容量および柔軟性の向上が挙げられる。さらに、多重周波数帯域にわたって、操作可能なアンテナは、システムの可用性を最適化する。本システムは、モバイル用途、または多重システムが所望される、固定位置用途に実装されてもよい。また、単一アンテナは、多重システムおよび/またはユーザと通信可能であって、容量および可用性の向上を可能にする。
【0012】
ある例示的実施形態では、位相配列アンテナは、双方向アンテナを備え、双方向動作のために構成される。双方向アンテナ偏波器は、パワー分割器、パワー結合器、および移相器の能動的実装を結合してもよい。さらに、別の例示的実施形態では、双方向アンテナ偏波器は、広範囲に及ぶシステム柔軟性および現場再構成性を有する。さらに別の例示的実施形態では、双方向位相配列アンテナは、「レーダ様」用途で動作し、送受信機能は、半二重方式で動作する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のより完全な理解は、図面(同一参照番号は、図面を通して、類似素子を指す)と併せて検討される場合、発明を実施するための形態および請求項を参照することによって導出されるであろう。
【図1】図1は、能動的パワー分割器の例示的実施形態を例示する。
【図2】図2は、能動的パワー結合器の例示的実施形態を例示する。
【図3】図3は、能動的ベクトル発生器の例示的実施形態を例示する。
【図4】図4は、双方向アンテナ偏波器の例示的実施形態を例示する。
【図5】図5は、半二重アーキテクチャを伴う、位相配列アンテナの例示的実施形態を例示する。
【図6】図6は、簡略化半二重アーキテクチャを伴う、位相配列アンテナの例示的実施形態を例示する。
【図7】図7は、波形修正の例示的実施形態を例示する。
【図8】図8は、色分布の例示的実施形態を例示する。
【図9】図9A〜9Cは、例示的実施形態による、種々の衛星スポットビーム多色アジリティ方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
当業者が本発明を実践可能となるよう十分に詳細に、例示的実施形態が本明細書において説明されるが、他の実施形態が実現されてもよく、合理的な材料的、電気的および機械的変更が、発明の精神および範囲から逸脱することなくなされてもよいことを理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、例示目的のためだけに提示される。
【0015】
位相配列アンテナは、概して、偏波構成要素を有する各放射素子を伴う多重放射素子を備える。ある例示的実施形態では、放射素子は、空間的に直交の線形偏波、空間的かつ電気的に直交の円形偏波、または空間的に直交であるが、電気的に非直交の楕円形偏波を有する。ある例示的実施形態では、位相配列アンテナは、種々の構成要素を備える。種々の構成要素は、ベクトル発生器、能動的パワー分割器、能動的パワー結合器、または同等物を含んでもよい。さらに、ある例示的実施形態では、位相配列アンテナは、パッチアンテナを備える。パッチアンテナが、図に例示され、本明細書に説明されるが、他の種類の放射素子が、実装されてもよい。そのような放射素子は、分裂放射体、フィードホーンアンテナ、クロスノッチアンテナ、スロットアンテナ、および同等物を含む。
【0016】
ある例示的実施形態では、各放射素子は、2つのフィードポートを有し、平衡化されていないフィードシステムをもたらす。さらに別の例示的実施形態では、各放射素子は、3つのフィードポートを有し、部分的に平衡化されたフィードシステムをもたらす。別の例示的実施形態では、各放射素子は、4つのフィードポートを有し、完全に平衡化されたフィードシステムをもたらす。
【0017】
ある例示的実施形態では、2つのフィードポートを伴う位相配列アンテナは、異なる偏波を発生および制御するように構成される。例示的偏波状態は、単一円形偏波状態、単一楕円形偏波状態、単一線形偏波状態、および2つの直交線形偏波状態を含む。
【0018】
放射素子は、RF集積回路(RFIC)と通信状態にあってもよい。ある例示的実施形態では、RFICは、基本的偏波を他の直交偏波状態に分割、改変、および再結合するように構成される。加えて、RFIC内の正味の偏波状態に対応するRF信号は、配列のビーム形成ネットワーク内において結合されてもよい。
【0019】
ある例示的実施形態において、図4を簡単に参照すると、双方向アンテナ偏波器は、2つのスイッチ、2対のベクトル発生器、パワー結合器、およびパワー分割器を備える。双方向アンテナ偏波器は、同一放射素子を使用して、RF信号の送信または受信のいずれかを行うように構成される。言い換えると、双方向アンテナ偏波器は、受信モードと送信モードとの間の切替えが可能である一方、共通の放射素子を介して通信する。さらに、ある例示的実施形態では、放射素子は、シングルエンド様式、差動様式、またはそれらのいくつかの組み合わせで駆動される。さらに、ある例示的実施形態では、双方向アンテナ偏波器は、送受信両方のために構成される2対のベクトル発生器を有する、送受信両方の動作のモードにおいて、ビーム操作および偏波アジリティを提供する。
【0020】
能動的分割器:図1は、例示的能動的パワー分割器の概略図を例示する。ある例示的実施形態では、能動的パワー分割器100は、差動入力サブ回路110、第1の差動出力サブ回路120、および第2の差動出力サブ回路130を備える。差動入力サブ回路110
は、共通エミッタノードを伴う対合トランジスタ111、112を有し、差動増幅器において一般的であるように、一定電流バイアスされる。入力信号は、差動入力サブ回路110内の対合トランジスタ111、112のベースに通信される。第1および第2の差動出力サブ回路120、130は両方とも、共通ベースノードを伴う一対のトランジスタを備え、各共通ベースは、接地に接続される。
【0021】
第1の差動出力サブ回路120は、入力サブ回路トランジスタ112のうちの1つのコレクタに接続される第1のトランジスタ121エミッタを有する。第2の出力サブ回路トランジスタ122のエミッタは、他の入力サブ回路トランジスタ111のコレクタに接続される。例示的実施形態では、第1の出力は、第1の差動出力サブ回路120のトランジスタ121、122のコレクタから導出される。さらに、第2の差動出力サブ回路130は、同様に接続されるが、トランジスタ131、132エミッタは、トランジスタ121、122に対して、入力サブ回路トランジスタ111、112コレクタに逆に接続される。
【0022】
第1と第2の差動出力サブ回路との間の入力サブ回路トランジスタコレクタ接続を逆にすることによって、第1の出力および第2の出力は、相互に対して、約180°だけ位相がずれる。別の例示的実施形態では、トランジスタ131、132エミッタは、入力サブ回路トランジスタ111、112コレクタに逆に接続されず、第1の出力および第2の出力を相互に対して略同相にさせる。一般に、パワー分割器を通る出力信号の絶対移相は、第1と第2の出力信号との間の相対位相ほど重要ではない。
【0023】
ある例示的実施形態では、能動的パワー分割器100は、入力RF信号を2つの出力信号に変換する。出力信号レベルは、振幅が等しくあってもよいが、これは、必須ではない。先行技術の受動的パワー分割器の場合、各出力信号は、入力信号より約3dBパワーが低いであろう。対照的に、能動的パワー分割器100等の例示的能動的分割器は、利得を提供可能であって、入力信号と出力信号との間の相対パワーレベルは、調節可能であって、選択的に設計可能である。ある例示的実施形態では、出力信号は、ように構成される、入力信号にわたって、実質的に不変または正のパワー利得を達成してもよい。例えば、出力信号は、入力信号にわたって、3dBの信号パワー利得を達成してもよい。ある例示的実施形態では、出力信号は、0dB乃至5dB範囲内のパワー利得を達成してもよい。さらに、出力信号は、任意の好適なパワー利得を達成するように構成されてもよい。
【0024】
例示的実施形態によると、能動的パワー分割器100は、ゼロまたは実質的にゼロである、2つの信号間に微分位相を伴う、出力信号を生成する。動的パワー分割器を通した出力信号の絶対移相は、出力信号間の差動位相ほど重要ではなくてもよい。
【0025】
別の例示的実施形態では、加えて、能動的パワー分割器100は、入力および出力ポートにおいて、整合インピーダンスを提供する。整合インピーダンスは、50オーム、75オーム、または他の好適なインピーダンスであってもよい。さらに、ある例示的実施形態では、能動的分割器100は、能動的パワー分割器の出力ポート間に絶縁を提供する。一例示的実施形態では、能動的パワー結合器100は、分散型構成要素の欠如によって、動作周波数から独立したコンパクトサイズを有するRFICとして製造される。
【0026】
能動的結合器:ある例示的実施形態では、図2を参照すると、能動的パワー結合器200は、第1の差動入力サブ回路210、第2の差動入力サブ回路220、シングルエンド出力サブ回路230、および差動出力サブ回路240を備える。各差動入力サブ回路210、220は、2つの対のトランジスタを含み、各差動入力サブ回路210、220の各トランジスタは、差動増幅器において一般的であるように、一定電流バイアスを伴う共通エミッタノードを有する。
【0027】
第1の入力信号は、第1の差動入力サブ回路210内のトランジスタのベースに通信される。例えば、入力信号In1の第1のラインは、第1の差動入力サブ回路210内の各トランジスタ対の一方のトランジスタに提供され、入力信号In1の第2のラインは、各トランジスタ対の他方のトランジスタに提供される。同様に、第2の入力信号は、第2の差動入力サブ回路220内のトランジスタのベースに通信される。例えば、入力信号In2の第1のラインは、第1の差動入力サブ回路220内の各トランジスタ対の一方のトランジスタに提供され、入力信号In2の第2のラインは、各トランジスタ対の他方のトランジスタに提供される。さらに、ある例示的実施形態では、差動出力信号は、第1および第2の差動入力サブ回路210、220内のトランジスタのコレクタからの信号の組み合わせによって形成される。
【0028】
ある例示的実施形態では、能動的パワー結合器200は、2つの入力RF信号を単一出力信号に変換する。出力信号は、シングルエンド出力サブ回路230におけるシングルエンド出力、または差動出力サブ回路240における差動出力のいずれかであることが可能である。言い換えると、能動的パワー結合器200は、能動的パワー分割器100の逆の機能を果たす。入力信号レベルは、任意の振幅および位相であることが可能である。能動的パワー分割器と同様に、能動的パワー結合器200は、利得を提供することが可能であって、入力と出力との間の相対パワーレベルもまた調節可能であって、選択的に設計可能である。ある例示的実施形態では、出力信号は、入力信号にわたって、実質的に不変または正の信号パワー利得を達成する。例えば、出力信号は、入力信号にわたって、3dBのパワー利得を達成してもよい。ある例示的実施形態では、出力信号は、0dB乃至5dB範囲内のパワー利得を達成してもよい。さらに、出力信号は、任意の好適なパワー利得を達成してもよい。
【0029】
ある例示的実施形態では、加えて、能動的パワー結合器200は、入力および出力ポートにおいて、整合インピーダンスを提供する。整合インピーダンスは、50オーム、75オーム、または他の好適なインピーダンスであってもよい。さらに、ある例示的実施形態では、能動的パワー結合器200は、パワー結合器の入力ポート間に絶縁を提供する。一例示的実施形態では、能動的パワー結合器200は、分散型構成要素の欠如によって、動作周波数から独立したコンパクトサイズを有するRFICとして製造される。
【0030】
ベクトル発生器:ある例示的実施形態では、ベクトル発生器は、RF入力信号を、所望のレベルに位相および/または振幅が偏移された出力信号(時として、出力ベクトルとも称される)に変換する。これは、一般的移相器の機能に取って代わり、振幅制御の能力を追加する。言い換えると、ベクトル発生器は、規模および位相制御回路である。例示的実施形態では、ベクトル発生器は、RF入力信号を直角位相ネットワークにフィードし、約90°位相が異なる2つの出力信号をもたらすことによって、本機能を達成する。2つの出力信号は、並列象限選択回路に、次いで、並列可変利得増幅器(VGA)を通して、フィードされる。ある例示的実施形態では、象限選択回路は、コマンドを受信し、それらの間に付加的相対移相を伴わずに、出力信号をパスするか、あるいは付加的180°によって出力信号の一方または両方を反転するように構成されてもよい。本方式では、360°連続体の4つすべての可能性のある象限が、両直交信号に利用可能である。電流加算器から結果として生じる合成出力信号は、振幅および位相のうちの少なくとも1つにおいて変調される。
【0031】
例示的実施形態によると、かつ図3を参照すると、ベクトル発生器300は、受動的I/Q発生器310、第1の可変利得増幅器(VGA)320および第2のVGA321、それぞれ、位相反転切替えのために構成される、第1の象限選択330および第2の象限選択331、ならびに電流加算器340を備える。第1の象限選択330は、I/Q発生器310および第1のVGA320と通信状態にある。第2の象限選択331は、I/Q発生器310および第2のVGA321と通信状態にある。さらに、ある例示的実施形態では、ベクトル発生器300は、第1のデジタル/アナログ変換器(DAC)360および第2のDAC361を制御する、デジタルコントローラ350を備える。第1および第2のDAC360、361は、それぞれ、第1および第2のVGA321、320を制御する。加えて、デジタルコントローラ350は、第1および第2の象限選択330、331を制御する。
【0032】
ある例示的実施形態では、ベクトル発生器300は、RF信号を2つの別個のベクトル、同相(I)ベクトルおよび直角位相(Q)ベクトルに分割することによって、RF信号の位相および振幅を制御する。一実施形態では、RF信号は、差動的に通信される。差動RF信号通信は、ベクトル発生器300を通してであっても、またはベクトル発生器300の種々の部分に限定されてもよい。別の例示的実施形態では、RF信号は、非差動的に通信される。IベクトルおよびQベクトルは、並行して処理され、それぞれ、第1および第2の象限選択330、331によって行われる、位相反転切替えを通過する。位相反転スイッチの得られる出力として、4つの可能性のある信号を備える。すなわち、非反転I、反転I、非反転Q、および反転Qである。このように、フェーザ図の全4つの象限は、VGA320、321によるさらなる処理のために利用可能である。ある例示的実施形態では、4つの可能性のある信号である、非反転I、反転I、非反転Q、および反転Qのうちの2つは、2つの選択された信号が、電流加算器340内で結合され、合成RF信号を形成するまで、それぞれ、VGA320、321を通して処理される。電流加算器340は、位相および振幅調節を伴う、合成RF信号を出力する。ある例示的実施形態では、合成RF信号は、差動信号形態にある。別の例示的実施形態では、合成RF信号は、シングルエンド形態にある。
【0033】
ある例示的実施形態では、象限偏移およびVGA機能の制御は、一対のDACによって提供される。ある例示的実施形態では、デジタルコントローラ350の再構成は、適切なDAC分解能および自動利得制御(AGC)動的範囲が存在する場合、ベクトル発生器300が加工された後、位相ビット数をデジタル的に制御可能にする。適切なDAC分解能およびAGC動的範囲を伴う、ある例示的実施形態では、任意の所望のベクトル位相および振幅は、デジタル制御を使用して、選択可能な精密量子化ステップによって生成可能である。別の例示的実施形態では、DAC360、361の再構成は、ベクトル振幅の調節を促進するために、ベクトル発生器300が加工された後、行うことが可能である。
【0034】
例示的実施形態によると、位相配列アンテナは、モノリシックソリューションにおいて、シリコンゲルマニウム(SiGe)上に製造される、能動的構成要素を備える。GaAs、シリコン、あるいは現在周知または今後考案される他の好適な材料等、他の材料が使用されてもよい。能動的構成要素を使用するモノリシックSiGe実施形態は、より低いコスト、より小さい物理的サイズ、より広い動作帯域幅、およびパワー損失ではなく、パワー利得を提供する能力を含め、先行技術における分散型/受動的ネットワークに勝るある点をもたらす。
【0035】
さらに、別の例示的実施形態では、位相配列放射素子の偏波は、2つのベクトル発生器を並行して動作させ、空間的直交方式において、2つのベクトル発生器の両出力信号を放射素子にフィードすることによって調節可能である。線形偏波は、1つのベクトルが、放射素子を駆動させると生じる。円形偏波は、電気的に90°位相がずれた2つのベクトルが、空間直交方式において、放射素子を駆動させると生じる。楕円形偏波は、電気的に90°以外の値だけ位相がずれた2つのベクトルが、空間直交方式において、放射素子を駆動させると生じる。
【0036】
加えて、位相配列アーキテクチャに応じて、先行技術実施形態に勝る他の利点も可能である。利点のうちのいくつかとして、分散型構造が要求されないため、広範に及ぶシステムの柔軟性および非常にコンパクトなアンテナシステムが挙げられる。一実施形態では、位相配列アーキテクチャの制御機能構成要素のサイズは、コンパクトであって、動作周波数から独立している。さらに、いくつかの実施形態は、差動信号伝達を採用し、RF信号がアナログ形態にある時、信号絶縁を改善する。
【0037】
主要な利点のうちのいくつかとして、RF信号は、アンテナシステムを通して通知される際、受動的先行技術システムにおいて生じる損失ではなく、不変または若干正のパワー利得を受けることが挙げられる。別の利点は、アンテナシステムが、帯域制限されないことである。言い換えると、アンテナシステムは、X、K、Ku、Ka、およびQ帯域を含む、すべての周波数帯域に適用可能である。さらに、ある例示的実施形態では、アンテナシステムは、2−20GHz、20−40GHz、または30−45GHz等の特定の周波数範囲にわたって動作する。
【0038】
また、アンテナシステムの再構成可能性も、利点である。ある例示的実施形態では、アンテナシステムは、製品寿命全体にわたって、DAC内の位相ビット数を再構成する能力を含む。別の例示的実施形態では、アンテナシステムは、製品寿命全体にわたって、システムの振幅テーパを再構成可能である。さらに別の例示的実施形態では、アンテナシステムは、製品寿命全体にわたって、システム偏波を再構成可能である。さらに、適切なDAC分解能およびAGC動的範囲を伴う、ある例示的実施形態では、任意の所望のベクトル位相および振幅は、デジタル制御を使用して、選択可能な精密量子化ステップよって生成可能である。
【0039】
双方向偏波器:ある例示的実施形態によると、かつ図4を参照すると、双方向アンテナ偏波器400は、第1のベクトル発生器411および第2のベクトル発生器412と通信状態にある第1のスイッチ410、ならびに第3のベクトル発生器421および第4のベクトル発生器422と通信状態にある第2のスイッチ420を備える。ある例示的実施形態では、双方向アンテナ偏波器400は、能動的パワー結合器430、能動的パワー分割器440、および多重デジタル/アナログ変換器(DAC)コントローラ450をさらに備える。別の例示的実施形態では、パワー結合器430およびパワー分割器440は、受動的分散型構成要素であり得る。DACコントローラ450は、ベクトル発生器を制御するように構成される。一実施形態では、1つのDACは、1つのベクトル発生器を駆動するように実装される。例えば、ベクトル発生器は、所望のビーム操作、偏波、および振幅テーパのうちの少なくとも1つを提供するように調節される。
【0040】
ある例示的実施形態では、スイッチ410、420のうちの少なくとも1つは、単極双投(SPDT)スイッチである。別の例示的実施形態では、スイッチ410、420のうちの少なくとも1つは、2つの短極双投(SPST)スイッチを備える。さらに別の例示的実施形態では、スイッチ410、420は、最大4つのベクトル発生器の信号経路接続を制御可能な1つの双極両投スイッチと置換される。さらに別の例示的実施形態では、スイッチ410、420は、2つの双極単投スイッチと置換される。さらに、スイッチ410、420は、放射素子401とベクトル発生器411、412、421、422との間の少なくとも1つの信号経路を遮断または完了するように構成要素される、任意の切替えデバイスであってもよい。
【0041】
ある例示的実施形態によると、スイッチ410、420は、放射素子401と通信状態にあって、送受信モードのために、双方向アンテナ偏波器400内の信号ルーティングを制御する。二重スイッチは、2つ以上のフィードを有する単一放射素子に、送受信両方機能を行うことを可能にさせる。ある例示的実施形態では、各放射素子は、2つのフィードポートを有し、平衡化されていないフィードシステムをもたらす。さらに別の例示的実施形態では、各放射素子は、3つのフィードポートを有し、部分的に平衡化されたフィードシステムをもたらす。別の例示的実施形態では、各放射素子は、4つのフィードポートを有し、完全に平衡化されたフィードシステムをもたらす。ある例示的実施形態では、単一放射素子401は、半二重方式にいおいて、RF信号を送受信する。
【0042】
送信モードでは、能動的パワー分割器440は、入力信号を第1の送信入力信号および第2の送信入力信号に分配する。能動的パワー分割器440は、第1の送信入力信号をベクトル発生器412に、第2の送信入力信号をベクトル発生器422に、提供する。ベクトル発生器412、422は、放射素子401の意図されたビーム操作、偏波、および振幅テーパのために、それぞれ、第1ならびに第2の送信入力信号上で移相および振幅調節のうちの少なくとも1つを行う。ベクトル発生器412は、第1の調節された送信信号を発生させ、ベクトル発生器422は、第2の調節された送信信号を発生させる。第1の調節された送信信号は、スイッチ410を介して、ベクトル発生器412から放射素子401の空間的直交フィードの一方に通信される。同様に、第2の調節された送信信号は、スイッチ420を介して、ベクトル発生器422から放射素子401の空間的直交フィードの他方に通信される。
【0043】
受信モードでは、放射素子は、2つの信号、すなわち、第1の受信信号および第2の受信信号に空間的に直交に分配される、信号を受信する。放射素子401の空間的直交フィードは、スイッチ410を介して、第1の受信入力信号をベクトル発生器411に通信する。同様に、放射素子401の空間的直交フィードもまた、スイッチ420を介して、第2の受信入力信号をベクトル発生器421に通信する。ある例示的実施形態では、ベクトル発生器411、421は、それぞれ、第1および第2の受信入力信号を位相ならびに振幅偏移するように構成される。ベクトル発生器411は、第1の調節された受信信号を発生させ、ベクトル発生器421は、第2の調節された受信信号を発生させる。
【0044】
さらに、ある例示的実施形態では、ベクトル発生器411、421は、能動的パワー結合器430と通信状態にある。能動的パワー結合器は、ベクトル発生器411から第1の調節された受信信号を、ベクトル発生器421から第2の調節された受信信号を受信する。2つの調節された受信信号は、能動的パワー結合器430によって結合され、受信出力信号を形成する。
【0045】
ある例示的実施形態によると、双方向アンテナ偏波器400は、任意の偏波を伴う信号のビーム操作および発生または受信が可能である。これは、線形、円形、および楕円形偏波を含む。信号偏波は、順に、DAC450によって制御される、ベクトル発生器によって制御される。ある例示的実施形態では、DAC450は、再プログラム可能であって、したがって、ベクトル発生器によって生成された偏波は、双方向アンテナ偏波器400の物理的修正を伴わずに、加工後を含め、随時、変更可能である。
【0046】
半二重アーキテクチャ:例示的実施形態により、図5を参照すると、第1の放射素子501と通信状態にある位相配列集積回路(IC)500は、送信モードおよび受信モードを有する。位相配列集積回路500は、第1の送受信スイッチ510、第2の送受信スイッチ511、第1の低雑音増幅器(LNA)520、第2のLNA522、第1のパワー増幅器521、および第2のパワー増幅器523を備える。ある例示的実施形態では、位相配列集積回路500は、4つのベクトル発生器530、531、532、533、能動的パワー結合器540、および能動的パワー分割器541をさらに備える。ある例示的実施形態では、ベクトル発生器530、531、532、533はそれぞれ、デジタル/アナログ変換器(DAC)550から制御信号を受信する。
【0047】
ある例示的実施形態によると、送受信スイッチ510、511、LNA520、522、およびパワー増幅器521、523は、GaAsチップ上に位置する。さらに、ベクトル発生器530、531、532、533、能動的パワー結合器540、および能動的パワー分割器541は、SiGeチップ上に位置する。上述のように、SiGeチップは、GaAsチップより安価であって、安価なアンテナシステムをもたらす。種々の構成要素を異なる材料に分配するように説明されるが、位相配列IC500は、GaAsまたはSiGe材料上のすべての構成要素、あるいはGaAsチップまたはSiGeチップ上に位置するベクトル発生器、結合器、または分割器のいくつか、もしくはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。加えて、第2の放射素子502と通信状態にある位相配列IC500のアーキテクチャおよび機能性は、第1の放射素子501のものと実質的に類似するために、詳細に説明されない。
【0048】
ある例示的実施形態では、かつ図5を継続して参照すると、位相配列IC500は、半二重通信のために構成される。一実施形態では、位相配列IC500は、少なくとも2つの放射素子、すなわち、第1の放射素子501および第2の放射素子502と通信状態にある。2つの放射素子のみ例示されるが、位相配列IC500は、多重放射素子と通信状態にあってもよい。位相配列IC500のある例示的実施形態では、各放射素子は、送信ビーム経路および受信ビーム経路と通信状態にある。別の例示的実施形態では、送信ビーム経路および受信ビーム経路の少なくとも一部は、直交偏波信号を通信するために分配される。さらに、ある例示的実施形態では、差動信号伝達は、部分的に、または位相配列IC500を全体を通して、使用される。
【0049】
さらに、ある例示的実施形態によると、送信ビームは、第1の放射素子501および第2の放射素子502に提供される。送信ビームは、能動的パワー分割器543によって、重放射素子経路に分配される。各放射素子経路は、送信ビーム信号を受信し、さらに、パワー分割器、例えば、能動的パワー分割器541を使用して、信号を分配する。ある例示的実施形態では、分配された送信ビーム信号は、2つのベクトル発生器532、533に通信される。ベクトル発生器は、それぞれの送信信号の位相および/または振幅を調節するように構成される。ある例示的実施形態では、一方のベクトル発生器は、ビーム操作を提供し、他方のベクトル発生器は、偏波追跡を提供する。さらに、ビーム操作および偏波追跡を提供するように構成される、ベクトル発生器の任意の好適なアーキテクチャが、実装されてもよい。本アーキテクチャは、送信モードにおける独立偏波柔軟性をもたらす。ある例示的実施形態では、それぞれの送信信号は、信号が相互に対して直交偏波を有するように、位相調節される。さらに、送信経路は、それぞれ、ベクトル発生器532、533から調節された送信信号を受信する、パワー増幅器521、523を備える。
【0050】
ある例示的実施形態では、第1の送受信スイッチ510および第2の送受信スイッチ511は、適切なモードの際、所望の信号経路を有効にするように構成される。ある例示的実施形態では、送受信スイッチ510、511は、単極双投スイッチである。単極双投として説明されるが、スイッチ510、511は、1つの信号経路を有効にし、別の信号経路を無効にするように構成される、任意のスイッチまたは多重スイッチであってもよい。双方向アンテナ偏波器400のスイッチ410、420と同様に、送受信スイッチ510、511は、種々の種類のスイッチおよび構成を備えてもよい。
【0051】
送信モードでは、送受信スイッチ510は、パワー増幅器521の出力信号を第1の放射素子501の第1のフィードに通信させる。同様に、送受信スイッチ511は、パワー増幅器523の出力信号を第1の放射素子501の第2のフィードに通信させる。対照的に、受信モードでは、送受信スイッチ510は、第1の放射素子501から第1のLNA520への受信信号の第1の偏波されたフィードの通信を有効にする。同様に、送受信スイッチ511は、第1の放射素子501から第2のLNA522への受信信号の第2の偏波されたフィードの通信を有効にする。
【0052】
第1のLNA520の信号出力は、ベクトル発生器530にフィードし、第2のLNA522の信号出力は、ベクトル発生器531にフィードする。ベクトル発生器532、533と同様に、ある例示的実施形態では、ベクトル発生器530、531は、それぞれの受信信号の位相および/または振幅を調節するように構成される。ある例示的実施形態では、一方のベクトル発生器は、ビーム操作を提供し、他方のベクトル発生器は、偏波追跡を提供する。本アーキテクチャは、受信モードでは、独立偏波柔軟性をもたらす。
【0053】
ある例示的実施形態では、ベクトル発生器530、531のそれぞれの出力は、能動的パワー結合器540に結合される。ベクトル発生器530、531の出力は、第1の放射素子501からの単一受信信号を形成するように結合される、偏波された受信信号の2つの部分を表す。第1の放射素子501からの結合された受信信号は、能動的パワー結合器542において、第2の放射素子502からの他の結合された受信信号とさらに結合され、受信ビームを形成する。さらに、3つ以上の放射素子からを含む、放射素子からの任意の数の信号が結合されてもよい。ある例示的実施形態では、単一開口のすべての放射素子から結合された受信信号は、受信ビームに結合される。
【0054】
例示的実施形態により、図6を参照すると、第1の放射素子601と通信状態にある簡略化位相配列集積回路(IC)600は、送信モードおよび受信モードを有する。本例示的実施形態では、共通ベクトル発生器は、送受信両方の機能のために使用され、位相配列IC500と比較して、システム内のベクトル発生器の数を半分に減少させる。ベクトル発生器数の減少は、システムの複雑性を低減させる一方、依然として、ビーム操作、偏波追跡、および多帯域能力を提供する。さらに、デジタル信号ルーティングの複雑性も、半減される。さらに、位相配列IC600のある例示的実施形態では、放射素子当たりの回路の複雑性は、2倍の放射素子が、位相配列IC500と同一複雑性の単一チップによって実装され得るように、低減される。回路の複雑性は、チップ当たりの行われるRF、デジタル、および/またはアナログ機能の数に関する。さらに、簡略化位相配列IC600は、位相配列IC500と比較して、より少ないベクトル発生器によって、パワー消費が低減され得る。
【0055】
ある例示的実施形態では、位相配列IC600は、第1の送受信スイッチ610、第2の送受信スイッチ611、第1のLNA620、第2のLNA622、第1のパワー増幅器621、および第2のパワー増幅器623を備える。ある例示的実施形態では、位相配列集積回路600は、第1のベクトル発生器630、第2のベクトル発生器631、能動的パワー結合器640、および能動的パワー分割器641をさらに備える。加えて、ある例示的実施形態では、位相配列IC600は、ベクトル発生器スイッチ650、651、652、653を備える。ある例示的実施形態では、ベクトル発生器630、631はそれぞれ、デジタル/アナログ変換器(DAC)660から制御信号を受信する。
【0056】
ある例示的実施形態によると、送受信スイッチ610、611、LNA620、622、およびパワー増幅器621、623は、GaAsチップ上に位置する。さらに、ベクトル発生器630、631、能動的パワー結合器640、および能動的パワー分割器641は、SiGeチップ上に位置する。種々の構成要素を異なる材料に分配するように説明されるが、位相配列IC600は、GaAsまたはSiGe材料上のすべての構成要素、あるいはGaAsチップまたはSiGeチップ上に位置するベクトル発生器、結合器、または分割器のいくつか、もしくはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。加えて、第2の放射素子602と通信状態にある位相配列IC600のアーキテクチャおよび機能性は、第1の放射素子601のものと実質的に類似するために、詳細に説明されない。
【0057】
ある例示的実施形態において、図6を継続して参照すると、位相配列IC600は、半二重線通信のために構成される。一実施形態では、位相配列IC600は、少なくとも2つの放射素子、すなわち、第1の放射素子601および第2の放射素子602と通信状態にある。2つの放射素子のみが例示されるが、位相配列IC600は、多重放射素子と通信状態にあってもよい。位相配列IC600のある例示的実施形態では、各放射素子は、送信ビーム経路および受信ビーム経路と通信状態にある。ある例示的実施形態では、送信ビーム経路および受信ビーム経路の少なくとも一部は、直交偏波信号を通信するために分配される。さらに、ある例示的実施形態では、差動信号伝達は、部分的に、または位相配列IC600全体を通して、使用される。
【0058】
ある例示的実施形態によると、送信ビームは、第1の放射素子601および第2の放射素子602に提供される。送信ビームは、能動的パワー分割器643によって、多重放射素子経路に分配される。ある例示的実施形態では、各放射素子経路は、送信ビーム信号を受信し、分割器、例えば、能動的パワー分割器641を使用して、信号をさらに分配する。別の例示的実施形態では、ベクトル発生器スイッチ650は、送信ビーム信号をベクトル発生器630に送信し、LNA620からの信号経路を無効にするように構成される。同様に、例示的実施形態では、ベクトル発生器スイッチ652は、送信ビーム信号をベクトル発生器631に送信し、LNA622からの信号経路を無効にするように構成される。言い換えると、ベクトル発生器スイッチは、アンテナシステムの現在のモードに基づいて、種々の信号経路を有効および無効にする。
【0059】
ある例示的実施形態では、分配された送信ビーム信号は、それぞれ、ベクトル発生器スイッチ650、652から2つのベクトル発生器630、631に通信される。ベクトル発生器は、それぞれの送信信号の位相および/または振幅を調節するように構成される。ある例示的実施形態では、ベクトル発生器650、652は、単極双投スイッチである。単極双投として説明されるが、ベクトル発生器スイッチ650、652は、1つの信号経路を有効にし、別の信号経路を無効にするように構成される、任意のスイッチまたは多重スイッチであってもよい。ある例示的実施形態では、一方のベクトル発生器は、ビーム操作を提供し、他方のベクトル発生器は、偏波追跡を提供する。本アーキテクチャは、送信モードにおける独立偏波柔軟性をもたらす。さらに、ビーム操作および偏波追跡を提供するように構成される、ベクトル発生器の任意の好適なアーキテクチャが、実装されてもよい。
【0060】
ある例示的実施形態では、それぞれの送信信号は、ベクトル発生器630、631によって、位相および振幅が調節される。ベクトル発生器630によって発生させられる、調節された送信信号は、ベクトル発生器スイッチ651を介して、パワー増幅器621に通信される。加えて、ベクトル発生器631によって発生させられる、調節された送信信号は、ベクトル発生器スイッチ653を介して、パワー増幅器623に通信される。ある例示的実施形態では、ベクトル発生器スイッチ651、653は、単極双投スイッチである。単極双投として説明されるが、ベクトル発生器スイッチ651、653は、1つの信号経路を有効にし、別の信号経路を無効にするように構成される任意のスイッチまたは多重スイッチであってもよい。
【0061】
ある例示的実施形態では、第1の送受信スイッチ610および第2の送信受信スイッチ611は、適切なモードの際、所望の信号経路を有効にするように構成される。ある例示的実施形態では、送受信スイッチ610、611は、単極双投スイッチである。単極双投として説明されるが、スイッチ610、611は、1つの信号経路を有効にし、別の信号経路を無効にするように構成される任意のスイッチまたは多重スイッチであってもよい。双方向アンテナ偏波器400のスイッチ410、420と同様に、送受信スイッチ610、611は、種々の種類のスイッチおよび構成を備えてもよい。
【0062】
送信モードでは、送受信スイッチ610は、パワー増幅器621の出力信号を第1の放射素子601の第1のフィードに通信させる。同様に、送受信スイッチ611は、パワー増幅器623の出力信号を第1の放射素子601の第2のフィードに通信させる。対照的に、受信モードでは、送受信スイッチ610は、第1の放射素子601から第1のLNA620への受信信号の第1の偏波されたフィードの通信を有効にする。同様に、送受信スイッチ611は、第1の放射素子601から第2のLNA622への受信信号の第2の偏波されたフィードの通信を有効にする。
【0063】
第1のLNA620の信号出力は、ベクトル発生器スイッチ650を通して、ベクトル発生器630にフィードし、第2のLNA622の信号出力は、ベクトル発生器スイッチ652を通して、ベクトル発生器631にフィードする。ある例示的実施形態では、ベクトル発生器630、631は、それぞれの受信信号の位相および/または振幅を調節するように構成される。ある例示的実施形態では、一方のベクトル発生器は、ビーム操作を提供し、他方のベクトル発生器は、偏波追跡を提供する。本アーキテクチャは、送信モードにおける独立偏波柔軟性をもたらす。さらに、ビーム操作および偏波追跡を提供するように構成される、ベクトル発生器の任意の好適なアーキテクチャが、実装されてもよい。
【0064】
ある例示的実施形態では、ベクトル発生器630の出力は、受信モードでは、ベクトル発生器スイッチ651を通して、能動的パワー結合器640に通信される。さらに、ベクトル発生器631の出力は、受信モードでは、ベクトル発生器スイッチ653を通して、能動的パワー結合器640に通信される。ベクトル発生器630、631の出力は、第1の放射素子601からの単一受信信号を形成するように結合される、偏波された受信信号の2つの部分を表す。ある例示的実施形態では、第1の放射素子601からの結合された受信信号は、能動的パワー結合器642において、第2の放射素子602からの他の結合された受信信号と結合され、受信ビームを形成する。ある例示的実施形態では、単一開口のすべての放射素子から結合された受信信号は、受信ビームに結合される。
【0065】
ある例示的実施形態では、位相配列IC500、600は、モノリシックソリューションとして、段階的に接続されてもよい。さらに、システムを段階的に接続することは、Ku−帯域およびKa−帯域にわたって等、多帯域動作を可能にする。例示的実施形態では、位相配列IC500、600は、ビーム操作および多重偏波をサポートする。加えて、説明されるアーキテクチャは、1次元配列ならびに2次元配列のために実装されてもよい。
【0066】
システム用途:ある例示的実施形態によると、単一開口半二重アンテナシステムは、異なる瞬間において、送受信モードで動作する。同時に送受信が存在しないように、動作モードを分配することによって、送受信信号は、相互から絶縁される。加えて、周波数フィルタは、半二重通信を利用する場合、信号を分離するために必要とされない。一実施形態では、動作時間は、送信モードにおける時間量が、受信モードにおける時間量と実質的に同等であるように、対称的である。別の実施形態では、動作時間は、非対称であって、より多くの時間が、送信または受信モードのいずれかに割り当てられる。実際の時分割は、ユーザのニーズおよび/またはデータ負荷の関数であってもよい。ある例示的実施形態では、半二重スケジューラを使用して、送受信時間要件の衝突を回避する。ある例示的実施形態では、多重周波数における多重ビームは、タイムスロット分配を変化させ、タイムスロット毎にビーム指向を更新することによって、並列ベクトル発生器アーキテクチャを必要とすることなく、サポート可能である。
【0067】
さらに、ある例示的実施形態では、位相配列アンテナシステムは、ローカルセンサ内のドリフトを再度ゼロにすることによって、衛星追跡エラーを補正する。ドリフトを補正する方法の1つは、任意のエラーを判定し、ドリフト補正を行うために、連続ロービングを使用するものである。連続ロービング方法では、アンテナシステムは、多重衛星位置を確認し、真の衛星位置を示す戻り情報を得る。例えば、アンテナシステムは、5つの異なる場所に信号を送信してもよい。場所のうちの1つは、4つの周囲場所を伴うアンテナシステムに従う衛星位置である。戻り情報は、ローカルセンサ内にドリフトが存在するかどうか、どの方向に補正を行う必要があるかを示す。次いで、このドリフト情報は、アンテナシステム内のドリフトを補正するために使用されてもよい。
【0068】
一般的な連続ロービング方法では、すべての多重衛星位置が、順番に確認される。しかしながら、衛星位置を順番に確認することは、アンテナシステムが、通常動作におけるように、データを通信していない付加的動作時間を使用し得る。ある例示的実施形態によると、連続ロービング手順は、通常動作と時間的に交互に配置され、通常動作に殆どまたは全く妨害をもたらさない。具体的には、例示的実施形態では、アンテナシステムは、第1の位置における衛星を確認し、通常動作においてデータを送信または受信し、第2の位置における衛星を確認し、通常動作においてデータを送信または受信し、第3の位置における衛星を確認する等である。ロービング方法の位置確認は、送信および/または受信周期間のアンテナシステム切替えの時間周期内に一気に生じることが可能である。
【0069】
ある例示的実施形態では、位相配列アンテナシステムは、多重ビーム間で切り替わるように構成される。多重ビームは、多重衛星間で分配されてもよく、または多重ビームは、単一の衛星からブロードキャストされてもよい。例えば、位相配列アンテナシステムは、異なるスポットビーム衛星間で切り替わってもよい。一実施形態では、ビーム切替えを使用して、多重重複ビーム間の負荷偏移を行う。
【0070】
別の実施形態では、ビーム切替えは、衛星とアンテナシステムとの間の相対位置の変化によって生じてもよい。衛星は、静止軌道に乗っているかまたは静止軌道に乗っていなくてもよい。本明細書で使用されるように、静止衛星は、地球の自転周期(1日)と同一軌道周期を有する衛星である。したがって、静止衛星は、地球上の同一場所に静止したままである。対照的に、非静止衛星は、地球の自転周期と異なる軌道周期を有し、決して連続的な時間周期ではない不動の受信機の範囲内にある衛星をもたらす。
【0071】
衛星が静止軌道に乗っているかまたは静止軌道に乗っていないかにかかわらず、ビーム切替えは、種々のハンドオフ手順を伴う。一般に、ハンドオフ手順は、新しいビームが利用可能かどうかを判定するステップと、第1の(または、現在の)ビームから第2の(または、新しい)ビームへの切替えを調整するステップとを伴う。
【0072】
ハンドオフ手順の一側面は、送信周期および受信周期が同時に生じるように、ビームおよび/または衛星を同期させることである。アンテナシステムが、連続モードで動作し、多重衛星間を切り替えられる場合、ある例示的実施形態では、多重衛星はすべて、同期される。一実施形態では、同期された衛星は、常に、同一スケジュールで信号を送受信する。別の実施形態では、同期された衛星は、時折、同一送信/受信スケジュールで動作し、衛星間の任意のハンドオフが、同期された周期の際に生じる。アンテナシステムが、断続モードで動作し、多重衛星間を切り替えられる場合、遮断周期は、ハンドオフの際に生じてもよい。遮断周期は、衛星毎に異なる送信/受信スケジュールによるものである。遮断を補償するために、ある例示的実施形態では、アンテナシステムは、エンドユーザが遮断周期に気付かないように、データ送信をバッファリングする。さらに、ある例示的実施形態では、かつ図7を参照すると、同期語が、規則的間隔において、信号に挿入される。言い換えると、同期語は、一定間隔で生じる。一実施形態では、同期語は、2.5ミリ秒毎に信号に挿入される。別の実施形態では、同期語は、1乃至20ミリ秒の範囲内にある規則的間隔において、信号に挿入される。さらに、同期語を挿入する規則的間隔は、任意の好適な時間周期であってもよい。同期語は、波形を修正し、周知の聴取間隔において、同期を可能にする。一例示的実施形態では、アンテナシステムは、全同期間隔の際に聴取する。受信データから動作可能に発達された情報を使用して、転送リンクに関する送信時間および周波数を同期させ、周知の「クリア」な聴取間隔の際に送信する。ある例示的実施形態によると、所与の端末のための送受信間隔の制御は、転送リンク波形内の特定の同期語を使用して達成される。
【0073】
上述のように、例示的実施形態では、位相配列アンテナシステムは、周波数限定ではないが、代わりに、多重周波数にわたって通信可能である。第1の実施形態では、アンテナシステムは、Ka−、Ku−帯域にわたって動作する。具体的には、Ka−帯域は、27.5−31.0GHzとして画定されてもよく、Ku−帯域は、14−14.5GHzとして画定されてもよい。第2の実施形態では、アンテナシステムは、X−、Ka−帯域にわたって動作する。具体的には、X−帯域は、7.25−8.4GHzとして画定されてもよく、Ka−帯域は、27.5−31.0GHzとして画定されてもよい。第3の実施形態では、アンテナシステムは、Q−、K−帯域にわたって動作する。具体的には、Q−帯域は、44−45GHzとして画定されてもよく、K−帯域は、17.5−21.2GHzとして画定されてもよい。
【0074】
4色システム:消費者衛星RF通信の分野では、衛星は、一般的には、個人用パラボラアンテナを有する消費者に、データ(例えば、映画ならびに他のテレビ番組、インターネットデータ、および/または同等物)を送信および/または受信するであろう。より最近では、衛星は、より多くのモバイルプラットフォーム(航空機、電車、および/または自動車に取り付けられた送受信機等)からデータを送信/受信し得る。手持式または携帯用衛星送受信機の使用の増加は、将来、標準的となることが予測される。時として、本書では、自宅用衛星送受信機と併せて説明されるが、ここで論じられる、従来技術限定は、衛星と通信する任意の個人用消費者地上用送受信機(あるいは、送信機または受信機)にも適用され得る。
【0075】
伝搬無線周波数(RF)信号は、異なる偏波、すなわち、線形、楕円形、または円形を有することが可能である。線形偏波は、垂直偏波および水平偏波から成る一方、円形偏波は、左旋円偏波(LHCP)および右旋円偏波(RHCP)から成る。アンテナは、一般的には、LHCP等のある偏波を通過させ、RHCP等の他の偏波を拒絶するように構成される。
【0076】
また、従来の超小型地上局(VSAT)アンテナは、ハードウェアに依存する固定偏波を利用する。基本偏波は、概して、衛星端末の設置の際に設定され、その時点で、偏波器ハードウェアの手動構成が、固定される。例えば、偏波器は、概して、LHCPまたはRHCPに対して設定され、適所に締結される。従来のVSATアンテナ内で偏波を変更することは、偏波器の締結を解除し、90°対向円形偏波に回転させ、次いで、偏波器を再締結することを要求する場合がある。明らかに、これは、多くの周波数において行うことは不可能であって、限定数(約5、または可能性として、10)の送受信機のみ、所与の1日で、技術者によって切替え可能である。
【0077】
一般的な単一偏波アンテナと異なり、いくつかのデバイスは、アンテナ端末を分解せずに、偏波を変更するように構成される。実施例として、従来技術の実施形態は、「野球ボール」スイッチを使用して、偏波間に電子的に命令可能な切替えを提供する。「野球ボール」スイッチの回転は、1つの信号経路を接続し、他の信号経路を終端させることによって、偏波に変更を生じさせる。しかしながら、各「野球ボール」スイッチは、独立制御回路網を伴う別個の回転アクチュエータを要求し、このことが、デバイスのコストを増加さて、(全くではないにしても)消費者広帯域またはVSAT端末内で使用されず、代わりに、限定数の端末を有する大規模地上局のために使用される。
【0078】
さらに、別のアプローチは、各偏波に対して複製ハードウェアを伴うシステムを有することである。偏波選択は、所望の信号の経路を完成または有効にし、望ましくない信号を選択から除外することによって達成される。本アプローチは、多くの場合、受信専用端末、例えば、低コストハードウェアを有する衛星テレビ受信機内で使用される。しかしながら、VSATまたは広帯域端末等の送受信の両方を行う双方向端末の場合、ハードウェアを複製させることは、端末のコストを大幅に増加させる。
【0079】
従来の衛星は、特定の周波数帯域および特定の偏波において、無線周波数信号を介して、地上に設けられた送受信機と通信し得る。周波数帯域および偏波の各組み合わせは、「色」として知られる。衛星は、局所的な地理的領域に「ビーム」として信号を送信し、そのビーム上の信号にアクセス可能な地理的領域は、地図上の「スポット」によって表され得る。各ビーム/地点は、関連付けられた「色」を有するであろう。したがって、異なる色のビームは、同一周波数、同一偏波、または両方を有していないことになるであろう。
【0080】
実際は、任意の特定の地点において、任意の1つの地上用送受信機に「可視」である、2つ、3つ、またはそれ以上のビームが存在し得るように、隣接するスポット間にいくつかの重複が存在する。隣接するスポットは、一般的には、隣接するビームからの雑音/干渉を低減させるために、異なる「色」を有するであろう。
【0081】
従来技術では、広帯域消費者衛星送受信機は、一般的には、1つの色に設定され、送受信機の寿命の間、その設定のままである。万が一、衛星から送信される信号の色が変更される場合、その色に基づいてその衛星と通信していた地上用送受信機はすべて、直ちに、立ち往生するか、または切断されるであろう。一般的には、技術者は、消費者の自宅を訪問し、送受信機または偏波器を手動で交換し(または、可能性として、物理的に分解し、再度組み立て)、消費者の地上用送受信機を、新しい「色」信号に基づいて衛星と再度通信可能にする必要があるであろう。この実践上の影響として、従来技術では、衛星から送信される信号色に変更が行われない。
【0082】
類似の理由から、第2の実践的制限として、地上用送受信機は、一般的には、ある色から別の色に変更されないことである(すなわち、変更される場合、それは、手動プロセスである)。したがって、アンテナシステムの周波数および/または偏波を遠隔で変更するための新しい低コストの方法およびデバイスの必要性が存在する。また、略瞬時かつ頻繁に、変更され得る方法およびデバイスの必要性が存在する。
【0083】
スポットビーム通信衛星システムでは、周波数および偏波の多様性の両方を利用して、隣接するスポットビームからの干渉を低減する。ある例示的実施形態では、周波数および偏波は両方とも、通信トラフィック容量を最大にするために、地理的に分離される他のビーム内で再使用される。スポットビームパターンは、概して、異なる色を使用して、地図上で識別され、そのスポットビーム内で使用される周波数および偏波極性の組み合わせを識別する。次いで、周波数および偏波極性の再使用パターンは、いくつの異なる組み合わせ(または、「色」)が使用されるかによって画定される。
【0084】
種々の例示的実施形態により、図8を参照すると、アンテナシステムは、周波数および偏波の切替えのために構成される。一特定の例示的実施形態では、周波数および偏波の切替えは、2つの周波数範囲間および2つの異なる偏波間の切替えを備える。これは、4つの色切替えとして知られ得る。他の例示的実施形態では、周波数および偏波の切替えは、合計6つの別個の色に対して、3つの周波数範囲間および2つの異なる偏波間の切替えを備える。さらに、種々の例示的実施形態では、周波数および偏波の切替えは、任意の好適な数の周波数範囲を伴う2つの偏波間の切替えを備え得る。別の例示的実施形態では、周波数および偏波切替えは、任意の好適な数の周波数範囲を伴う2つを超える偏波間の切替えを備え得る。
【0085】
種々の例示的実施形態によると、周波数および偏波切替えを行う能力は、地上マイクロ波通信端末において、多くの効果を有する。例えば、そうすることによって、帯域幅の拡大、負荷シフト、ローミング、データ速度/ダウンロードスピードの加速、システム上のユーザ群の全体的効率の向上、または個々のデータ通信速度の改善を促進し得る。地上マイクロ波通信端末は、一例示的実施形態では、2地点間端末を備える。別の例示的実施形態では、地上マイクロ波通信端末は、ブロードキャストされるRF信号の周波数範囲および/または偏波極性を切り替えるように構成される衛星等、任意の衛星と通信状態にある地上端末を備える。これらの地上マイクロ波通信端末は、スポットビームベースのシステムである。
【0086】
種々の例示的実施形態によると、それぞれ、スポットおよび/または色と関連付けられた1つ以上のRF信号ビームを通信するように構成される衛星は、マイクロ波通信システムにおいて多くの効果を有する。例えば、種々の実施形態による例示的端末に対して上述されたものと同様に、そうすることによって、帯域幅の拡大、負荷シフト、ローミング、データ速度/ダウンロードスピードの加速、システム上のユーザ群の全体的効率の向上、または個々のデータ通信速度の改善を促進し得る。別の例示的実施形態によると、衛星は、衛星によってブロードキャストされるRF信号の周波数範囲および/または偏波極性を遠隔で切り替えるように構成される。これは、マイクロ波通信システムにおいて多くの効果を有する。別の例示的実施形態では、衛星は、周波数および/または偏波切替えを行う能力を有する端末等、任意の好適な地上マイクロ波通信端末と通信状態にある。
【0087】
従来技術のスポットビームベースのシステムは、周波数および偏波の多様性を使用して、隣接するスポットビームからの干渉を低減または排除する。これは、非隣接ビームにおいて周波数を再使用させ、衛星容量およびスループットの増加をもたらすことを可能にする。残念ながら、従来技術では、そのような多様性を有するために、そのようなシステムの設置業者は、設置時、正確な偏波極性を設定する、または端末の異なる偏波極性型を搬送することが可能でなければならない。例えば、設置用地において、設置業者は、左旋円偏波に対して構成される第1の端末および右旋円偏波に対して構成される第2の端末を搬送し、ある地理的領域内で第1の端末を、別の地理的領域内で第2の端末を使用する場合がある。代替として、設置業者は、ある偏波から別の偏波に切り替えるために、端末を分解し、再度組み立てることが可能である場合がある。これは、例えば、偏波器を除去し、90°回転させ、偏波器を新しい配向に再設置することによって行われる場合がある。これらの従来技術ソリューションは、設置用地において、種々の構成要素を搬送する必要があるため望ましくないという点から煩わしい。また、手動分解/再組立ステップは、人的エラーおよび/または欠損の可能性を招く。
【0088】
これらの従来技術の解決策は、さらに、あらゆる実践的目的に対して、特定の端末のための周波数範囲および偏波を永久的に設定する。これは、周波数範囲および偏波への任意の変更が、修理要請の時間および費用を含むので、そのように行われる。設置業者は、物理的場所を訪問し、分解/再組立技法を使用して、または端末全体を単に交換することによって、偏波を変更する必要があるであろう。消費者広帯域衛星端末市場では、修理要請のコストは、機器のコストを超え得、一般に、そのような端末内の偏波極性を手動で変更することは、経済的に実行可能ではない。
【0089】
種々の例示的実施形態によると、電子的または電気機械的に、周波数範囲および/または偏波極性を切り替えるための低コストシステムおよび方法が提供される。ある例示的実施形態では、端末の周波数範囲および/または偏波は、端末への人的接触を伴わずに変更可能である。言い換えると、端末の周波数範囲および/または偏波は、修理要請を伴わずに変更可能である。ある例示的実施形態では、システムは、端末の周波数範囲および/または偏波極性を遠隔で変更させるように構成される。
【0090】
一例示的実施形態では、システムおよび方法は、2つ以上の周波数範囲の中から所望の周波数範囲に電子的に設定可能な単一種類の端末を設置することを促進する。いくつかの例示的周波数範囲として、受信10.7GHz乃至12.75GHz、送信13.75GHz乃至14.5GHz、受信18.3GHz乃至20.2GHz、および送信28.1GHz乃至30.0GHzが挙げられる。さらに、2地点間システムの他の所望の周波数範囲は、15GHz乃至38GHz内である。別の例示的実施形態では、システムおよび方法は、2つ以上の偏波極性の中から所望の偏波極性に電子的に設定可能な単一種類の端末の設置を促進する。偏波極性は、例えば、左旋円、右旋円、垂直線形、水平線形、または任意の他の直交偏波を備え得る。さらに、種々の例示的実施形態では、それぞれ、周波数範囲および偏波極性の選択肢の中から、端末の周波数範囲および偏波極性の両方を電子的に選択可能な単一種類の端末が設置され得る。
【0091】
ある例示的実施形態では、送信および受信信号は対合されて、共通切替え機構が、同時に両信号を切り替える。例えば、ある「色」は、RHCPを使用する周波数範囲19.7GHz乃至20.2GHzの受信信号と、LHCPを使用する周波数範囲29.5GHz乃至30.0GHzの送信信号であり得る。別の「色」は、同一周波数範囲を使用するが、RHCPを使用して送信し、LHCPを使用して受信し得る。故に、ある例示的実施形態では、送信および受信信号は、反対の偏波で動作される。しかしながら、いくつかの例示的実施形態では、送信および受信信号は、自己干渉のない動作のために、信号絶縁要件を増加させる同一偏波で動作される。
【0092】
したがって、第1の地理的領域に対して第1の様式で、第1の領域と異なる第2の地理的領域に対して第2の様式で構成可能な単一の端末タイプが設置され得、その場合、第1の地理的領域は、第1の色を使用し、第2の地理的領域は、第1の色と異なる第2の色を使用する。
【0093】
例示的実施形態によると、地上マイクロ波通信端末等の端末は、負荷平衡を促進するように構成され得る。別の例示的実施形態によると、衛星は、負荷平衡を促進するように構成され得る。負荷平衡は、特定の衛星上の負荷の一部または2地点間システムをある偏波極性/周波数範囲「色」あるいは「ビーム」から別のものに移動させるステップを伴う。ある例示的実施形態では、負荷平衡は、端末あるいは衛星の周波数範囲および/または偏波極性を遠隔で切り替える能力によって有効化される。
【0094】
したがって、例示的実施形態では、負荷平衡の方法は、1つ以上の地上マイクロ波通信端末の周波数範囲および/または偏波極性を遠隔で切り替えるステップを備える。例えば、システムオペレータまたは負荷監視コンピュータは、システム帯域幅リソースの動的変化が、あるユーザをあまり混雑し得ない隣接するビームに移動させることが有利であろう状況をもたらしていることを判定し得る。一実施例では、それらのユーザは、負荷の再変化に伴って、後で戻ってもよい。ある例示的実施形態では、本信号切替え(したがって、本衛星の能力「負荷平衡」)は、周期的に行うことが可能である。他の例示的実施形態では、負荷平衡は、同時または実質的に同時に、多くの端末(例えば、数百または数千の端末)上で行うことが可能である。他の例示的実施形態では、負荷平衡は、数千のユーザ端末を手動で再構成する必要なく、多くの端末上で行うことが可能である。
【0095】
一例示的実施形態では、信号偏波の動的制御は、偏波ホッピングを利用することによって、セキュアな通信のために実装される。通信セキュリティは、他の認証ユーザに周知の速度で、通信信号の偏波を変更することによって向上可能である。不正ユーザは、任意の所与の瞬間、正確な偏波を知らないことになり、一定偏波を使用する場合、不正ユーザは、短い瞬間のみ、正確な偏波を有することになるであろう。セキュアな通信のための偏波ホッピングの類似用途は、信号スキャンのために、偏波ホッピングを使用することである。言い換えると、アンテナの偏波は、信号検出を監視するために継続的に調節可能である。
【0096】
ある例示的実施形態では、負荷平衡は、システム負荷に基づいて、必要に応じた頻度で行われる。例えば、負荷平衡は、季節ベースに行われ得る。例えば、負荷は、学校、大学などが、その学期を開始ならびに終了する際、大幅に変更し得る。別の実施例として、休暇シーズンは、大幅な負荷変動をもたらし得る。例えば、特定の地理的領域は、非常に高い負荷のデータトラフィックを有し得る。これは、その領域内のより高い平均人口密度、その領域内のより高い送受信機の平均数、またはその領域内のより高いデータ送信の平均使用によるものであり得る。別の実施例では、負荷平衡は、時間ベースで行われる。さらに、負荷平衡は、任意の好適な時間で行われ得る。一実施例では、最大使用が、6−7PMの間である場合、最大負荷ビーム領域内のユーザの一部は、異なる時間帯の隣接するビームに切り替えられ得る。別の実施例では、地理的領域が、オフィスおよび自宅端末の両方を備え、オフィス端末が、自宅端末と異なる時間に最大負荷を被る場合、負荷平衡は、自宅とオフィス端末との間で行われてもよい。さらに別の実施形態では、特定の領域は、事業、科学研究活動、グラフィック/ビデオ集約的娯楽データ送信、スポーツイベント、または会議内の高トラフィックに関連する等、局在的信号送信トラフィックの増加を有し得る。言い換えると、ある例示的実施形態では、負荷平衡は、送受信機群の任意のサブ群の色を切り替えることによって行われてもよい。
【0097】
ある例示的実施形態では、消費者広帯域地上端末は、どの色が利用可能であって、別の動作色に切り替えるかについて、事前にプログラムされた命令に基づいて判定するように構成される。例えば、地上端末は、2つ以上のビーム(それぞれ、異なる色)に対して可視性を有し得る。地上端末は、2つ以上のビームのいずれが接続により優れているかを判定し得る。この判定は、任意の好適な要因に基づいて行われてもよい。一例示的実施形態では、どの色を使用すべきかの判定は、データ速度、ダウンロードスピード、および/またはその色と関連付けられたビーム上の容量に基づく。他の例示的実施形態では、判定は、無作為または任意の他の好適な方法で行われる。
【0098】
本技法は、種々の理由から、短および長周期の両方にわたって負荷が変化するので、地理的不動の実施形態において有用であって、そのような色選択の自己調節は、負荷平衡を促進する。また、本技法は、「ローミング」の形態として、モバイル衛星通信において有用である。例えば、一例示的実施形態では、広帯域地上端末は、信号強度に基づいて別の動作色に切り替えるように構成される。これは、ローミング判定が信号強度に基づく、従来の携帯電話型ローミングとは対照的である。対照的に、ここでは、色分布は、チャネル内の容量に基づく。したがって、ある例示的実施形態では、どの色を使用すべきかの判定は、端末があるスポットから別のスポットに移動することに伴って、通信スピードを最適化するために行われてもよい。代替として、ある例示的実施形態では、衛星による色信号ブロードキャストは、変化してもよく、またはスポットビームは、移動され得、依然として、広帯域地上端末は、異なる色上で通信するように自動的に調節するように構成され得る(例えば、チャネル容量に基づいて)。
【0099】
別の例示的実施形態によると、衛星は、それぞれ、スポットおよび/または色と関連付けられた1つ以上のRF信号ビームを通信するように構成される。別の例示的実施形態によると、衛星は、衛星によってブロードキャストされるRF信号の周波数範囲および/または偏波極性を遠隔で切り替えるように構成される。別の例示的実施形態では、衛星は、追加の色をブロードキャストするように構成され得る。例えば、面積および/または衛星は、第1の時間において、4色のみ有するが、2つの追加の色(合計6色となる)が、第2の時間に動的に追加される場合がある。この場合、特定のスポットの色を新しい色のうちの1つに変更することが望ましいであろう。図9Aを参照すると、スポット4は、「赤色」から、次いで、新しい色「黄色」に変化する。一例示的実施形態では、色を追加する能力は、あるデバイス内の広帯域幅にわたって、送信および/または受信の両方を操作し、その広帯域幅にわたって、そのデバイスの周波数を同調させるためのシステムの能力の機能であり得る。
【0100】
例示的実施形態により、新たに図8を参照すると、衛星は、ダウンリンク、アップリンク、およびサービスエリアを有し得る。サービスエリアは、それぞれ、それぞれの領域を照射するためのスポットビームに対応する、より小さい領域から成ってもよい。スポットビームは、相互に隣接し、重複領域を有し得る。衛星通信システムは、多くの作用パラメータを有する:(1)直交時間または周波数スロットの数(以下、色パターンと定義される);(2)ビーム間隔(交差点におけるビームロールオフによって特徴付けられる);(3)周波数再使用パターン(再使用パターンは、均一分散型容量が要求される場合、構造内で規則的であり得る);および(4)ビームの数(より多くのビームを伴う衛星は、より高いシステム柔軟性およびより優れた帯域幅効率を提供するであろう)。偏波は、時間または周波数スロットに加え、再使用パターンを画定するための量として使用され得る。一例示的実施形態では、スポットビームは、第1のスポットビームおよび第2のスポットビームを備え得る。第1のスポットビームは、第1の複数の加入者端末に情報を送信するために、地理的領域内の第1の領域を照射し得る。第2のスポットビームは、第2の複数の加入者端末に情報を送信するために、地理的領域内の第1の領域に隣接する第2の領域を照射し得る。第1および第2の領域は、重複し得る。
【0101】
第1のスポットビームは、第1の特性偏波を有し得る。第2のスポットビームは、第1の偏波に直交する第2の特性偏波を有し得る。偏波直交性は、隣接するビーム間の絶縁量を提供する役割を果たす。偏波は、周波数スロットと組み合わされ、隣接するビームとそのそれぞれのサービスエリアとの間により高い絶縁度を達成し得る。第1のビーム内の加入者端末は、第1の特性偏波に一致する偏波を有し得る。第2のビーム内の加入者端末は、第2の特性偏波に一致する偏波を有し得る。
【0102】
隣接するビームの重複領域内の加入者端末は、第1のビームまたは第2のビームに任意に割り当てられ得る。この任意の割当ては、衛星システムにおける柔軟性であって、重複領域内の任意の加入者端末に対するサービスの開始後、再割当てを介して改変され得る。隣接するスポットビームによって照射される重複領域内の加入者端末の偏波を遠隔で変更する能力は、加入者の分布および数を変更するための動作の重要な改善および衛星リソースの使用の最適化である。例えば、第1のビームから第2のビームまた第2のビームから第1のビームにユーザあるいはユーザ群を再割当てするための衛星リソースの効率的使用および個々の加入者サービスの改善であり得る。したがって、隣接するビーム間に絶縁を提供するための量として偏波を使用する、衛星システムは、第1の偏波状態から第2の直交偏波状態に偏波を切替えまたは変更するためのコマンドを含有する信号を送信することによって、遠隔で偏波を変更するように構成され得る。偏波の意図的変更は、ビーム絶縁量を増加させるために偏波を使用する、スポットビーム衛星システム内の隣接するビームへの再割当てを容易にし得る。
【0103】
ダウンリンクは、選択された周波数および/または偏波の組み合わせに基づいて、多重「色」を備え得る。他の周波数および周波数範囲が使用され得、他の偏波も同様であるが、実施例として、1つの多色実施形態が提供される。例えば、新たに図8を参照すると、ダウンリンクでは、色U1、U3、およびU5は、左旋円偏波(「LHCP」)され、色U2、U4、およびU6は、右旋円偏波(「RHCP」)される。周波数領域では、色U3およびU4は、18.3−18.8GHzであって、U5およびU6は、18.8−19.3GHzであって、U1およびU2は、19.7−20.2GHzである。本例示的実施形態では、各色は、500MHz周波数範囲を表すことに留意されたい。他の周波数範囲も、他の例示的実施形態において使用され得る。したがって、LHCPまたはRHCPのうちの1つを選択し、利用可能な選択肢の中から周波数帯域を指定することは、色を特定することになるであろう。同様に、アップリンクは、それぞれ、色として指定可能な周波数/偏波の組み合わせを備える。多くの場合、LHCPおよびRHCPは、例示されるように、逆転され、信号絶縁の増加をもたらすが、これは必要ではない。アップリンクでは、色U1、U3、およびU5は、RHCPであって、色U2、U4、およびU6は、LHCPである。周波数ドメインでは、色U3およびU4は、28.1−28.6GHzであって、U5およびU6は、28.6−29.1GHzであって、U1およびU2は、29.5−30.0GHzである。本例示的実施形態では、各色は、同様に、500MHz周波数範囲を表すことに留意されたい。
【0104】
ある例示的実施形態では、衛星は、スポットおよび色と関連付けられた1つ以上のRF信号ビーム(スポットビーム)をブロードキャストし得る。さらに、本衛星は、第1の色から第2の異なる色に、スポットの色を変更するように構成される。したがって、新たに図9Aを参照すると、スポット1は、「赤色」から「青色」に変更される。
【0105】
あるスポットの色が変更されると、隣接するスポットの色も同様に変更することが望ましいであろう。再び、図9A参照すると、地図は、第1の時間点におけるスポット色の群を示し、本時間における本群は、9110と指定され、地図のコピーは、第2の時間点におけるスポット色の群を示し、9120と指定される。色の一部または全部は、第1の時間点と第2の時間点との間で変化し得る。例えば、スポット1は、赤色から青色に変化し、スポット2は、青色から赤色に変化する。しかしながら、スポット3は、同じままである。このように、ある例示的実施形態では、隣接するスポットは、同じ色ではない。
【0106】
スポットビームのいくつかは、1つの色であって、他のスポットビームは、異なる色である。信号分離のために、類似色のスポットビームは、一般的には、相互に隣接して位置しない。ある例示的実施形態において、再び図8を参照すると、例示される分布パターンは、4色スポットビーム周波数再使用のための一例示的レイアウトパターンを提供する。本パターンでは、色U1は、別の色U1に隣接しない等であることを認識されたい。しかしながら、一般的には、スポットビームは、重複し、スポットビームは、円形サービスエリアによってより良く表され得ることに留意されたい。さらに、信号の強度は、円形が、特定のスポットビームの範囲の接近に過ぎないように、円形の中心からの距離に伴って低下し得ることを理解されたい。円形サービスエリアは、地図上にオーバーレイされ、どのスポットビームが特定の面積内で利用可能であるかを判定し得る。
【0107】
例示的実施形態によると、衛星は、第1の地理的場所から第2の地理的場所に、1つ以上のスポットを偏移させるように構成される。これは、第1の場所から第2の場所にスポットの中心を偏移させるように説明され得る。また、これは、スポットの有効サイズ(例えば、直径)を変更するように説明される場合もある。例示的実施形態によると、衛星は、第1の場所から第2の場所にスポットの中心を偏移させる、および/または1つ以上のスポットの有効サイズを変更するように構成される。従来技術では、そのような作用は、地上用送受信機を立ち往生させるため、スポットを偏移させることは考えられないであろう。地上用送受信機は、1つ以上のスポットの偏移が、いくつかの地上端末を異なる色の新しいスポットと通信不可能にするため、立ち往生することになるであろう。
【0108】
しかしながら、ある例示的実施形態では、送受信機は、容易に色を切り替えるように構成される。したがって、ある例示的方法では、1つ以上のスポットの地理的場所は、偏移され、地上用送受信機の色は、必要に応じて、調節され得る。
【0109】
ある例示的実施形態では、スポットは、高負荷地理的領域が、2つ以上の重複スポットによって網羅されるように偏移される。例えば、図9Bおよび9Cを参照すると、特定の地理的領域9210は、非常に高い負荷のデータトラフィックを有し得る。本例示的実施形態では、面積9210は、図9Bによって例示される第1の時間点において、スポット1によってのみサービス提供される。図9Cによって例示される第2の時間点では、スポットは、面積9210が、現在、サービス提供される、またはスポット1、2、および3によって網羅されるように、偏移されている。本実施形態では、面積9210内の地上用送受信機は、送受信機のうちのいくつかが、スポット1によって、他は、スポット2によって、さらに他は、スポット3によって、サービス提供されるように、調節され得る。言い換えると、面積9210内の送受信機は、3色のうちの1つが、選択的に割り当てられ得る。このように、本面積内の負荷は、共有される、または負荷平衡可能である。
【0110】
ある例示的実施形態では、衛星および/または端末の切替えは、任意の規則性を伴って生じてもよい。例えば、偏波は、夕方の時間の間に切り替えられ、次いで、経時的に生じる送信負荷変動を反映するために、営業時間の間は戻され得る。ある例示的実施形態では、偏波は、システム内の素子の寿命の間、数千回切り替えられ得る。
【0111】
一例示的実施形態では、端末の色は、地上用送受信機の設置まで、判定または割当が行われない。これは、ある特定の色として設定される、工場から出荷されるユニットとは対照的である。その「色」に関する懸念を伴うことなく、地上用送受信機を出荷する能力は、1つのユニットのみ(2つ、4つ、またはそれ以上とは対照的に)保管する必要があるため、より簡単な在庫管理プロセスを促進する。ある例示的実施形態では、端末が設置され、次いで、色が、手動で、または電子的に、自動様式で設定される(すなわち、技術者が、人的エラーを起こすことは不可能である)。別の例示的実施形態では、色は、遠隔中央制御センタによって割り当てられる等、遠隔で設定される。別の例示的実施形態では、ユニット自体が、最良の色を判定し、その色で動作する。
【0112】
留意され得るように、特定の端末に対して、どの色を使用すべきかの判定は、任意の数の要因に基づいてもよい。色は、どの信号が最強であるか、利用可能な色の中で無作為に割り当てられた利用可能な色間の利用可能な相対帯域幅、地理的考慮、時間的考慮(天気、帯域幅使用、イベント、労働パターン、曜日、スポーツイベント、および/または同等物等)、および同等物に基づいてもよい。以前、地上消費者広帯域端末は、設置時、または迅速に、遠隔で、使用の際に変動する状況に基づいて、どの色を使用すべきかの判定は不可能であった。
【0113】
例示的実施形態によると、システムは、加入者端末の遠隔アドレス指定能力を促進するように構成される。一例示的実施形態では、システムは、特定の端末を遠隔でアドレス指定するように構成される。システムは、各加入者端末をアドレス指定するように構成され得る。別の例示的実施形態では、加入者端末群が、アドレス指定可能であり得る。これは、特定の送受信機および/または加入者端末群と命令を通信するために、未知または今後判明される、任意の数の方法を使用して、生じてもよい。したがって、遠隔信号は、ある色から別の色に切り替えるように、端末または端末群に命令し得る。端末は、任意の好適な様式でアドレス指定可能であり得る。一例示的実施形態では、IPアドレスは、各端末と関連付けられる。ある例示的実施形態では、端末は、モデムまたはセットトップボックスを通して(例えば、インターネットを介して)、アドレス指定可能であり得る。したがって、例示的実施形態によると、システムは、特定の端末にアドレス指定されたコマンドを送信することによって、加入者端末の特性偏波を遠隔で変更するために構成される。これは、負荷平衡および同等物を促進し得る。サブ群は、より大きな地理的領域内の地理的サブ群、または任意の好適なベースに基づいて形成される任意の他の群であり得る。
【0114】
このように、個々のユニットは、1対1ベースで制御され得る。同様に、サブ群内のユニットはすべて、同時に色を変更するように命令され得る。一実施形態では、群は、小サブ群(例えば、100のサブ群であって、それぞれ、より大きな群内の端末の1%を占める)に分割される。他のサブ群は、端末の5%、10%、20%、35%、50%、および同等物を占める場合がある。サブ群の粒度は、負荷平衡のより精密な同調を促進し得る。
【0115】
したがって、地図上の場所A(図8の実践的分布図参照)に位置する、4色切替え可能送受信機を伴う個人は、利用可能な色U1、U2、およびU3を有するであろう。送受信機は、その時点における必要性に最も好適なそれらの3色のうちの1つ上で動作するように切り替えられ得る。同様に、地図上の場所Bは、利用可能な色U1およびU3を有するであろう。最後に、地図上の場所Cは、利用可能な色U1を有するであろう。多くの実践的状況では、送受信機は、特定の面積内で利用可能な2色または3色の選択肢を有するであろう。
【0116】
色U5およびU6もまた、使用される場合があり、スポットビームパターン内で使用する色の選択肢をさらに増加させることに留意されたい。また、これは、特定の場所内の特定の送受信機に利用可能な選択肢をさらに増加させ得る。4色または6色実施形態として説明されるが、任意の好適な数の色が、本明細書に説明されるように、色切替えのために使用され得る。また、衛星として本明細書に説明されるが、説明は、送受信機と通信するように構成されるまたは他の類似遠隔通信システムにも有効であることが意図される。
【0117】
端末の周波数範囲/偏波は、遠隔で、ローカルで、手動でのうちの少なくとも1つ、またはそれらのいくつかの組み合わせで、選択され得る。一例示的実施形態では、端末は、遠隔で制御され、ある周波数範囲/偏波から別のものに切り替えるように構成される。例えば、端末は、周波数範囲/偏波の切替えを制御する、中央システムからの信号を受信し得る。中央システムは、負荷変化が、左旋円偏波されたチャネルを大幅に減速させたが、右旋円偏波されたチャネルが、利用可能な帯域幅を有することを判定し得る。次いで、中央システムは、いくつかの端末の偏波を遠隔で切り替え得る。これは、一様に、切替え型および非切替え型ユーザに対するチャネル可用性を改善するであろう。さらに、切り替えるためのユニットは、地理、天気、使用特性、個々の帯域幅要件、および/または他の考慮に基づいて選択され得る。さらに、周波数範囲/偏波の切替えは、不良送信品質に関して、消費者が企業に電話を架けることに応答して行われ得る。
【0118】
周波数範囲および偏波の両方の切替えとの関連において、本明細書に説明されるが、本明細書に論じたものに類似する効果および利点は、周波数または偏波の一方のみを切り替えて実現され得ることに留意されたい。
【0119】
本明細書に説明される周波数範囲切替えは、任意の数の方法で行われてもよい。ある例示的実施形態では、周波数範囲切替えは、電子的に行われる。例えば、周波数範囲切替えは、位相配列内の移相器を調節する固定周波数発振器または変換器間で切り替える、および/または同調可能発振器信号を備える同調可能二重変換送信機を使用することによって、実装され得る。本発明と併用するための周波数切替えの追加の側面は、2009年11月6日出願の米国特許出願第12/614,293号「DUAL CONVERSION TRANSMITTER WITH SINGLE LOCAL OSCILLATOR」(その内容は、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0120】
別の例示的実施形態によると、本明細書に説明される偏波切替えは、任意の数の方法で行われてもよい。ある例示的実施形態では、偏波切替えは、直交アンテナポートにおける信号の相対位相を調節することによって、電子的に行われる。
【0121】
本明細書に説明されるように、端末は、切替えを生じさせる信号を受信するように構成されてもよく、信号は、遠隔源からであってもよい。例えば、遠隔源は、中央オフィスであってもよい。別の実施例では、設置業者または消費者は、切り替えるためのコマンドを送信する端末に接続される、ローカルコンピュータを使用して、偏波を切り替えることが可能である。別の実施形態では、設置業者または消費者は、順に、切り替えるための信号を送信する、テレビセットトップボックスを使用して、偏波を切り替えることが可能である。偏波切替えは、性能を向上させるための手段として、または不良性能を解決するための別の選択肢として、設置の際に生じてもよい。
【0122】
他の例示的実施形態では、手動方法を使用して、ある偏波から別の偏波に端末を変更してもよい。これは、システムの筐体内のスイッチを物理的に移動させることによって、または筐体外にスイッチを延出させ、偏波を手動で切り替えることをより容易にすることによって、達成可能である。これは、設置業者または消費者のいずれかによって行われ得る。
【0123】
上述の多色実施形態のいくつかの例示的実施形態は、先行技術に勝る利益を享受し得る。例えば、ある例示的実施形態では、低コスト消費者広帯域地上端末アンテナシステムは、アンテナ、アンテナと信号通信する送受信機、およびアンテナシステムを第1の偏波極性と第2の偏波極性との間で切り替えさせるように構成される、偏波極性スイッチを含んでもよい。本例示的実施形態では、アンテナシステムは、第1の偏波極性および/または第2の偏波極性で動作するように構成されてもよい。
【0124】
ある例示的実施形態では、システムリソース負荷バランシングの方法が開示される。本例示的実施形態では、方法は、以下のステップを含んでもよい:(1)第1のスポットビーム上の負荷が所望のレベルより高く、第2のスポットビーム上の負荷が付加的負荷に対応するために十分低いかどうかを判定するステップと、(2)第2のスポットビームの視野内の切替えのために利用可能な第1のスポットビーム上の消費者広帯域地上端末を識別するステップと、(3)切替えに利用可能な端末に、遠隔コマンドを送信するステップと、(4)遠隔コマンドに基づいて、第1のビームから第2のビームに、該端末内の色を切り替えるステップ。本例示的実施形態では、第1および第2のスポットビームはそれぞれ、異なる色である。
【0125】
ある例示的実施形態では、衛星通信システムが開示される。本例示的実施形態では、衛星通信システムは、以下を含んでもよい:多重スポットビームをブロードキャストするように構成される衛星と、種々の地理的場所における複数のユーザ端末アンテナシステムと、偏波極性および周波数のうちの少なくとも1つを切り替え、第1のスポットビームから第2のスポットビームに切り替えるために、複数のユーザ端末アンテナシステムのサブセットのうちの少なくともいくつかに命令するように構成される、遠隔システムコントローラ。本例示的実施形態では、多重スポットビームは、少なくとも、第1の色の第1のスポットビームおよび第2の色の第2のスポットビームを含んでもよい。本例示的実施形態では、少なくとも、複数のユーザ端末アンテナシステムのサブセットは、第1および第2のスポットビームも両方の視野の中に位置してもよい。
【0126】
以下の出願は、本主題に関連する:米国特許出願第12/759,123号「ACTIVE BUTLER AND BLASS MATRICES」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.7100号);米国特許出願第12/759,043号「ACTIVE HYBRIDS FOR ANTENNA SYSTEMS」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.7200号);米国特許出願第12/759,064号「ACTIVE FEED FORWARD AMPLIFIER」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.7300号);米国特許出願第12/759,130号「ACTIVE PHASED ARRAY ARCHITECTURE」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.7600号);米国特許出願第12/758,996号「PRESELECTOR AMPLIFIER」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.6800号); 米国特許出願第12/759,148号「ACTIVE POWER SPLITTER」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.8700号);米国特許出願第12/759,059号「MULTI−BEAM ACTIVE PHASED ARRAY ARCHTECTURE」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.6500号);米国特許出願第12/759,113号「DIGITAL AMPLITUDE CONTROL OF ACTIVE VECTOR GENERATOR」(本願と同時に出願されている)(代理人整理番号第36956.9000号)(その内容は、任意の目的のために、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる)。
【0127】
効果、他の利点、および問題に対する解決策が、特定の実施形態に関して上述された。しかしながら、効果、利点、問題に対する解決策、および任意の効果、利点、または解決策を生じさせるか、あるいはより顕著となり得る、任意の素子は、任意または全部の請求項の重要、必須、または不可欠な特徴あるいは素子として解釈されるものではない。本明細書で使用されるように、用語「includes(含む)」、「including(含む)」、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、またはそれらの任意の他の変形例は、素子のリストを備える、プロセス、方法、物品、または装置が、それらの素子のみを含むものではなく、明示的に列挙されない、あるいはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の素子を含み得るように、非排他的含有を網羅するものと意図される。さらに、本明細書に説明されるいかなる素子も、「不可欠」または「重要」として明示的に説明されない限り、本発明の実践のために要求されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射素子と通信状態にある双方向アンテナ偏波器であって、該双方向アンテナ偏波器は、
送信信号および受信信号の位相および振幅のうちの少なくとも1つを調節するように構成される少なくとも2つのベクトル発生器と、
該送信信号および該受信信号に対する信号ルーティングを制御するように構成される少なくとも1つのスイッチと
を備え、該双方向アンテナ偏波器は、該放射素子との半二重通信のために構成される、双方向アンテナ偏波器。
【請求項2】
前記少なくとも2つのベクトル発生器の各々は、前記送信信号および前記受信信号の独立フィードを処理する、請求項1に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項3】
前記少なくとも2つのベクトル発生器の各々は、個々に前記放射素子の2つのフィードポートと通信状態にある、請求項1に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項4】
前記双方向アンテナ偏波器の少なくとも一部は、シリコンゲルマニウム上に製造される、請求項1に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項5】
双方向アンテナ偏波器であって、
放射素子と通信状態にある少なくとも1つの送受信スイッチであって、該双方向アンテナ偏波器の送信モードまたは受信モードに基づいて信号ルーティングを制御するように構成される、少なくとも1つの送受信スイッチと、
該少なくとも1つの送受信スイッチと通信状態にある複数のベクトル発生器であって、送信信号および受信信号の位相および振幅のうちの少なくとも1つを調節するように構成される、複数のベクトル発生器と
を備える、双方向アンテナ偏波器。
【請求項6】
送信入力信号を第1の送信信号および第2の送信信号に分配するように構成される、能動的パワー分割器をさらに備え、該第1の送信信号は、該複数のベクトル発生器の第1のベクトル発生器に提供され、該第2の送信信号は、該複数のベクトル発生器の第2のベクトル発生器に提供される、請求項5に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項7】
前記複数のベクトル発生器の第3のベクトル発生器から第1の受信信号を受信し、該複数のベクトル発生器の第4のベクトル発生器から第2の受信信号を受信するように構成される能動的パワー結合器をさらに備え、該能動的パワー結合器は、該第1の受信信号と該第2の受信信号とを結合し、受信出力信号を形成する、請求項5に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項8】
前記双方向アンテナ偏波器は、送信モードおよび受信モードにおいて動作する、請求項5に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項9】
前記双方向アンテナ偏波器は、送信モードまたは受信モードにおいて動作する、請求項5に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項10】
前記双方向アンテナ偏波器は、線形偏波、円形偏波、または楕円形偏波のうちの少なくとも1つを使用して、前記送信信号および前記受信信号を通信する、請求項5に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項11】
前記複数のベクトル発生器は、所望のビーム操作、偏波、および振幅テーパを提供するように構成される、請求項5に記載の双方向アンテナ偏波器。
【請求項12】
第1のフィードポートおよび第2のフィードポートを備える放射素子と通信状態にある双方向アンテナ偏波器であって、該双方向アンテナ偏波器は、
第1のベクトル発生器であって、該第1のベクトル発生器は、該第1のフィードポートと通信状態にあり、該第1のベクトル発生器は、スイッチを介して該第1のフィードポートと接続されることにより、スイッチの状態変化に応答して、送受信両方のために使用可能である、第1のベクトル発生器と、
第2のベクトル発生器であって、該第2のベクトル発生器は、該第2のフィードポートと通信状態にあり、該第2のベクトル発生器は、スイッチを介して該第2のフィードポートと接続されることにより、スイッチの状態変化に応答して、送受信両方のために使用可能である、第2のベクトル発生器と
を備え、該双方向アンテナ偏波器は、半二重通信のために構成される、双方向アンテナ偏波器。
【請求項13】
受信データと送信データとの間で時分割するように構成される単一の開口アンテナであって、同期語が、規則的な間隔で該受信されたデータに投入されることにより、周期的なシステム同期を可能にする、単一開口アンテナ。
【請求項14】
前記受信データと送信データとの間で時分割することは、半二重通信である、請求項13に記載の単一開口アンテナ。
【請求項15】
前記規則的な間隔は、1ミリ秒乃至20ミリ秒の範囲内にある、請求項13に記載の単一開口アンテナ。
【請求項16】
前記データは、継続時間の間、可変である複数のフレームを備える、請求項13に記載の単一開口アンテナ。
【請求項17】
前記同期語は、前記複数のフレーム内の位置に関わらず、前記規則的な間隔で前記データに投入される、請求項16に記載の単一開口アンテナ。
【請求項18】
第1の衛星は、地上局から前記同期語を受信し、該地上局は、送信フレーム内の位置に関わらず、規則的な間隔で衛星に該同期語を投入する、請求項13に記載の単一開口。
【請求項19】
送受信機は、前記第1の衛星から第2の衛星へのハンドオフを促進するために、前記衛星送信における前記同期語の受信に応答して、該第1の衛星および第2の衛星との同期を判定する、請求項18に記載の単一開口。
【請求項20】
送受信機は、前記第1の衛星内のビームからビームへのハンドオフを促進するために、前記衛星送信における前記同期語の受信に応答して、該第1の衛星との同期を判定する、請求項18に記載の単一開口。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−523803(P2012−523803A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506132(P2012−506132)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030906
【国際公開番号】WO2010/120790
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(501152020)ビアサット・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】