説明

半導体チップを基板に付与するための装置及びその方法

複数の担体(4)、特にスマートカード又はフレックスカードに半導体チップを付与するデバイス及び方法に関する。本発明によると、接着剤付与デバイス(1)を前記担体(4)上の規定位置に接着剤を付与するために使用し、嵌合デバイス(2)を前記担体(4)上の位置に前記半導体チップ(5)を付与するために使用し、そして、硬化デバイス(3)を前記接着剤の硬化のために使用する。前記硬化デバイス(3)及び/又はその他のデバイスは、クランピングデバイス(13,14)により、前記デバイスと共に、前記担体(4)の輸送用のコンベヤーベルト(6)へ連結することができて、そして、リフティングデバイス(15)により、前記コンベヤーベルト(6)の速度で、輸送方向に置き換えることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、複数の基板、特に、スマートカードモジュール及びフレックスボードに半導体チップを付与する、請求項1及び10の前提部に記載の装置及び方法に関する。
【0002】
基板に半導体チップを付与する、特に、スマートカードモジュール又はフレックスボードにフリップチップを付与する装置は、通常、前記基板上の規定された基板位置に接着剤を付与するための第1の接着剤付与デバイスと、前記基板位置にフリップチップを嵌合(fit)するための第2の嵌合デバイスと、接着剤を硬化するための第3の硬化デバイスとを有している。この場合、フリップされるべき前記チップは、前記嵌合作業間に前記基板上に逆さまに置かれるため、前記フリップチップ上の突出部が基板素材と接触し、そして、あらかじめ付与された接着剤を硬化することにより、前記硬化作業間に前記基板素材と連結することができる。
【0003】
前記の種々の装置は、輸送経路に並んで配置され、そして、前記基板及び/又は半導体チップを処理する、加工及び/又は制御作業によって異なる加工時間を有する。その結果、例えば、前記硬化デバイスの硬化時間が比較的長いため、前記嵌合デバイスにより規定された嵌合速度は必然的に減速される。なぜなら、嵌合速度を減速しない場合、既に嵌合された前記基板が、前記硬化デバイスの前の前記輸送経路上に積み重ねられてしまうからである。このことは、同様に、前記装置の全体としての処理量を低下させる。
【0004】
更に、制御時間及び輸送経路が長いために、前記嵌合位置を正確に制御することができない。
【0005】
従来、前記の種々の加工時間を互いに適合するため、前記嵌合デバイスの嵌合速度は、前記嵌合時間が前記硬化時間と一致するように減速される。エポキシスポット(Epoxy spot)の形態での接着剤の基板への付与は、例えば、基板ごとに300msかかる。前記嵌合デバイスは、嵌合ごとに600msの所要時間を必要とし、そして、前記硬化プロセスは、最終結合プロセスとして10sかかる。従って、コンベヤーベルト(コンベヤーベルト上には、基板が並んで配置されている)として設計された輸送経路の移動が段階的である場合、比較的短い付与及び嵌合時間を、長い硬化時間に適合させるために、各々の場合において、輸送速度を、輸送方向での1指標工程により、1つの指標工程当り10sに減速する。その結果、前記装置の処理量が低下する。
【0006】
他方では、例えば、600msの従来の嵌合時間に相当する硬化時間を有する硬化プロセスは、急速に硬化することのできない現在公知の前記接着剤の配合では不可能である。
【0007】
前記嵌合デバイス及び前記接着デバイスの片側と、前記硬化デバイスのもう片側との間に緩衝域を有する装置も公知である。前記緩衝域により、既に嵌合された基板を、ウェイティングループ(waiting loop)の形状において、比較的多数の基板が前記硬化デバイスを経過できるまで、待機させることが可能であり、接着剤が付与されている多数の基板を同時に硬化するために、硬化デバイスはサーモード(thermode)アレイの形態の多数の加工ユニットを含む。
【0008】
前記サーモードアレイに配置される前記加工デバイスは、個々のサーモードであり、そして、前記の目的のために二次元の態様、つまり、X方向とY方向とに配置されている。サーモードの数は、前記嵌合時間に対する前記硬化時間の長さによって決まる。例えば、前記硬化時間が9.6sであり、そして前記嵌合時間が600msである場合、前記基板を同時加工するためには、合計16のサーモードがサーモードアレイに提供される。この方法において、前記装置では高い処理量が維持されるが、輸送経路が追加されるため、前記緩衝域は前記装置全体の加工正確度に悪影響をもたらす。前記の長い輸送経路では、粘度の低い接着剤を使用することができない。
【0009】
更に、前記硬化作業中に、前記基板とそれらを担持する前記コンベヤーベルトが作動していない間に、付与された接着剤を有する多数の基板が、サーモードアレイによって同時に硬化される装置も公知である。同時に、前記コンベヤーベルトが静止している間に、前記嵌合デバイスによって複数の基板が嵌合される。しかしながら、前記の装置は、同様に、多数の基板を同時に嵌合するので輸送経路が長くなり、必然的に前記嵌合速度が減速する。更に、輸送経路が長いため、前記装置の全体としての前記加工正確度が低下する。
【0010】
EP1170787A1には、輸送方向から見た場合に、始めに、装置が支持プレートにより担持され、そして、次に加熱プレートにより担持される、フレキシブル基板上に半導体チップを取り付けるための装置及び方法が記載されている。加熱プレートの加熱機能の効果によって前記基板に付与された前記接着剤を硬化する間に、前記加熱プレートは、前記基板を更に輸送するために輸送方向に移動される。前記の装置は、同様に、コンベヤーベルトの補助を必要とせずに、各々の装置が、始めに支持プレートにより担持され、そして、次に加熱プレートにより担持されなくてはならないために、処理量が低い。
【0011】
従って、本発明の課題は、高い加工正確度を維持したまま、嵌合時間と比較して長い加工時間を有するデバイスを少なくとも一つ配置しているにもかかわらず、嵌合速度が速く高処理量である、半導体チップを基板に付与するための装置及び方法を提供することである。
【0012】
この課題は、請求項1の特徴に従った前記装置、及び、請求項10の特徴に記載の前記方法によって達成される。
【0013】
複数の基板、特に、スマートカードモジュール又はフレックスボードに半導体チップを付与する装置であり、接着剤付与デバイスにおいて規定の基板位置で接着剤を基板に付与し、嵌合デバイスにおいて前記基板位置で前記基板に前記半導体チップを嵌合し、そして、硬化デバイスにおいて接着剤を硬化する装置において、本発明の重要なポイントは、前記硬化デバイス及び/又は追加デバイスをクランピングデバイスによってコンベヤーベルトに連結することができ、そしてコンベヤーベルトは前記基板を前記デバイスに沿って輸送し、そしてリフティングデバイスによって前記コンベヤーベルトの輸送速度で前記輸送方向へ移動することができることである。このように、短い嵌合時間を維持したまま、前記嵌合時間と比較すると長い加工時間(加工及び/又は制御時間)を有する前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスによる加工が、前記装置全体としての処理量を低下することなく可能である。これは、前記コンベヤーベルトの速度と同じ速度でそのまま完全に移動させる前記硬化デバイス及び/又は追加デバイスに、前記コンベヤーベルト(段階的に移動する)と、コンベヤーベルトに配置された前記基板とを連結させることにより達成される。
【0014】
或る好ましい態様によると、前記コンベヤーベルトに連結することができる前記硬化デバイス及び/又は追加デバイスにおいて、複数の加工及び/又は制御ユニットが前記コンベヤーベルトの輸送方向に配置されるため、基板の輸送の際に、加工及び/又は制御ユニットは、前記半導体チップを嵌合される前記基板の加工及び/又は制御を同時に実行する。加工及び/又は制御ユニットの数が、1ユニットの加工及び/又は制御時間により表される複数の嵌合時間により決まる場合には、前記コンベヤーベルトが移動する間に、前記基板の同時加工及び制御を実行することができて、そして、前記嵌合作業が実行されている間にも、前記基板の同時加工及び制御を実行することができる。従って、もはや前記ユニットの前記嵌合時間と、前記加工及び/又は制御時間とを一致させる必要がない。従って、このことは、前記嵌合時間により規定される前記処理量を維持する。
【0015】
前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスのスライディング作業を適合させるために、特に、前記装置全体としてのプロセスフロー(process flow)に対する、開始位置への戻りにおいて、前記装置は、前記加工及び/又は制御ユニットの加工及び/又は制御時間の総和に相当する継続時間と、移動した前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスを前記輸送方向とは反対方向の開始位置を戻すのに必要な所要時間とをセットするためのタイマーデバイスを有している。
【0016】
加工及び制御時間内に、規定された嵌合時間で嵌合デバイスにより嵌合することができる、輸送方向に移動している基板の数と、同数の加工及び/又は制御ユニットが前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイス中に配置される。従って、緩衝域の補助を必要とせずに、前記基板及び前記半導体チップの処理量の高い継続的な加工/制御が可能である。
【0017】
或る好ましい態様によると、前記の移動可能な硬化デバイスは、加工ユニットとして、前記コンベヤーベルト上に配置されたサーモードアレイと、前記基板の基板位置に割り当てられている複数のサーモードを含む前記サーモードアレイと、前記コンベヤーベルトの下に配置されている加熱プレートとを含む。前記サーモードアレイ及び前記加熱プレートは、前記クランピングデバイスの閉鎖と共に、前記コンベヤーベルトの方向と、前記コンベヤーから離れる方向とへ移動することができる方法で、前記コンベヤーベルトの平面に対して垂直方向に、スライドデバイスを用いて移動させることができる。前記輸送方向における前記加熱プレートを含む全ての前記サーモードアレイの移動の間に、前記複数のサーモードは、付与される半導体チップを伴った接着剤を付与された多数の基板を同時硬化することができる。
【0018】
前記クランピングデバイスは、移動可能な前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスの末端領域に好ましく配置されている、二つのクランピングジョーユニット、つまり、前記コンベヤーベルトの上下へガイドされることのできる前記上側と下側ジョーとを含む。この方法において、前記結合作業間に、個々の基板に関連する、前記サーモードの正確な位置決めを確定するために、連結すべき前記エレメント、例えば基板及び半導体チップは、前記サーモードに関して固定した態様で配置される。
【0019】
前記リフティングデバイス(15)は、輸送方向において、前記コンベヤーベルトを段階的に移動させるためのコンベヤーベルトドライブに連結している。このことにより、前記コンベヤーベルトの前記輸送速度で、移動するべき前記硬化デバイスの移動速度の正確な一致が保証される。
【0020】
更に、移動した前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスが輸送方向と反対方向へ戻される間に、前記コンベヤーベルトを静止状態に保つために、本発明の前記装置は、前記装置に固定されている追加のクランピングデバイスを有する。
【0021】
複数の基板に半導体チップを付与するための本発明の方法は、以下の工程:
第1のクランピングデバイスを閉鎖することによって、前記硬化デバイス及び/又は追加デバイスを、前記装置に沿って、前記基板を輸送するコンベヤーベルトに連結し;
前記輸送方向へ移動している前記コンベヤーベルトを放出するために、前記装置に固定されている第2のクランピングデバイスを開放し;
前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイス中に配置されている、加工及び制御ユニットを、前記コンベヤーベルトの平面に対して垂直方向の閉鎖位置へ移動させ;
規定の加工及び/又は制御時間で、記加工及び/又は制御ユニットによって半導体チップに嵌合している複数の基板の同時加工及び/又は制御の間に、前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスを、前記コンベヤーベルトによって輸送方向に移動し;
前記加工及び/又は制御時間の満了の後に、前記加工及び/又は制御ユニットを、前記コンベヤーベルトの平面から離れた開放位置に移動させ;
前記装置に固定されている前記第2のクランピングデバイスを閉鎖し;
前記第1のクランピングデバイスを開放し;
前記硬化デバイス及び/又は前記追加デバイスを、前記輸送方向とは反対方向の開始位置へと戻す、
ことを、好ましくも含む。
【0022】
前記加工及び/又は制御ユニットを開放位置へ移動する工程を、前記硬化デバイス及び/又は追加デバイスが共に移動するので、輸送方向での前記コンベヤーベルトの運動とは独立して実施することができる。
【0023】
可能な限り高い処理量を達成するためには、前記コンベヤーベルト(段階的な態様で移動している)上の前記基板を嵌合する際に、前記輸送速度を前記嵌合速度と一致させる。
【0024】
更なる有利な態様は、特許請求の範囲の従属項により明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1a】各々の場合において、従来技術により、半導体チップを基板に付与する装置の模式的断面図である;
【図1b】各々の場合において、従来技術により、半導体チップを基板に付与する装置の模式的断面図である;
【図1c】各々の場合において、従来技術により、半導体チップを基板に付与する装置の模式的断面図である;
【図1d】各々の場合において、従来技術により、半導体チップを基板に付与する装置の模式的断面図である;
【図2】本発明の或る実施態様により、半導体チップを基板に付与する装置の模式的断面図である;
【図3】図2において模式的に示した装置の細部、すなわち、可動の硬化デバイスの細部の斜視図である。
【0026】
図1a〜1dは、各々の場合おいて、半導体チップを基板に付与するための、4つの異なる従来装置の断面図を示す。図1a〜1dに示された前記装置は、各々の場合において、エポキシ樹脂のスポット形態の接着剤を基板に付与するための接着剤付与デバイス1と、半導体チップを基板に嵌合するための嵌合デバイス2と、接着剤を硬化させるための硬化デバイス3a、3b、3cとを含む。前記基板4は、一方で前記コンベヤーベルトの後方に配置され、他方で前記コンベヤーベルト上に段階的に配置されて、そして、各々の場合において、前記矢印7及び9により示される、前記輸送方向での1つの指標工程によって移動する(後者は段階的に移動する)。
【0027】
通常、前記接着剤の前記付与は300ms、フリップチップとして設計されている半導体チップの前記嵌合には600ms、そして、前記硬化デバイスにおける前記サーモード硬化には10sかかる。
【0028】
図1aに示された前記装置において、基板4にフリップチップを嵌合する嵌合時間を前記硬化時間と一致させるため、従って、嵌合速度が、大幅に長い硬化時間によって左右される。これは、装置全体としての処理量の大幅な低下をもたらす。
【0029】
図1bに示された前記装置は、硬化時間が嵌合時間600msよりも短い硬化デバイス3aを有する。これは、あらかじめ付与された接着剤が確実に硬化していないので、突出部に提供される前記フリップチップの前記基板への確実な連結が生じないということを意味する。
【0030】
図1cに示された前記装置は、前記嵌合デバイス2及び前記接着剤付与デバイス1の片側と、前記硬化デバイス3の片側との間に緩衝域10を含む。前記緩衝域10において、サーモードアレイの形態の加工ユニットを有する前記硬化デバイス3bへ、比較的大多数の前記基板が導入されるまで、既に嵌合された前記基板4が、ウェイティングループの形状に取り残され、そして前記硬化装置は接着剤が付与された多数の基板の同時硬化用の形態の多数の加工ユニットを有する。
【0031】
前記サーモードアレイに配置される前記加工デバイスは、個々のサーモードであり、そして、可能な限り多くの接着剤を同時に硬化するために、二次元の態様、つまり、X方向とY方向とに配置される。
【0032】
前記硬化時間は9.6sであり、前記嵌合時間は600msである。従って、前記サーモードアレイは、16の新しい基板を同時に嵌合できるのに対して、前記接着剤の合計16の同時硬化用のサーモードを有する。この方法において、前記装置の高い処理量が維持できるが、輸送経路が追加されるため、前記緩衝域は前記装置全体の加工正確度に悪影響をもたらす。
【0033】
図1dは、前記硬化作業中の、前記基板4とそれらを担持する前記コンベヤーベルト6の移動が停止している間に、付与された接着剤を有する多数の基板4が、サーモードアレイ3cによって同時に硬化される装置を示す。同時に、前記コンベヤーベルト6の静止間に、前記嵌合デバイス2によって複数の基板4が嵌合される。前記コンベヤーベルト6が段階的に移動するための所要の指標工程は、前記矢印9に示されるように著しく長い。このことは、嵌合領域12及び接着剤付与区域11の示された長さによっても明らかである。しかしながら、前記の装置も、多数の基板の同時嵌合に長い輸送経路を必要とするため、前記嵌合速度を減速しなければならない。更に、輸送経路が長いので、前記装置全体としての加工正確度が低下する。
【0034】
図2は、本発明の或る態様により、基板に半導体チップを提供する装置の模式的断面図である。前記装置は、同様に、接着剤付与デバイス1、嵌合デバイス2、及び硬化デバイス3dを有している。前記硬化デバイス3dを、末端に嵌合された2つのクランピングジョーユニット13及び14を含むクランピングデバイスにより、前記コンベヤーベルト6へ連結できる。前記クランピングジョーユニット13及び14は、前記コンベヤーベルトの下に配置された連結エレメント15によって互いに連結されている。前記連結エレメント15は、前記コンベヤーベルトの輸送方向での、前記コンベヤーベルト及び前記硬化デバイス3dの輸送用に提供されているコンベヤーベルトドライブ(図示せず)に連結される。
【0035】
前記硬化デバイス3dを、前記矢印16により示されるように、輸送方向と輸送方向とは反対方向とへ移動することができる。
【0036】
前記硬化デバイス3dは、外被17中に配置されているサーモードアレイ18を含み、各々のサーモードが接着剤とフリップチップ5が付与された基板位置に割り当てられている、個々のサーモード19を含む。
【0037】
前記サーモードは、前記コンベヤーベルト6に対して垂直に、前記矢印20の方向へ前後に移動することができる。
【0038】
更に、前記外被17において、加熱プレート21が前記コンベヤーベルト6の下側に配置されているため、前記加熱プレート21を前記コンベヤーベルト6の方向と前記コンベヤーベルトから離れる方向とへ、前記矢印22の方向に移動することができる。
【0039】
本発明の装置の操作モードは、以下に記載の方法に基づいて示される:
【0040】
第1の工程では、前記硬化デバイス3dを、前記クランピングジョーユニット13及び14を閉鎖することによって、前記コンベヤーベルトにしっかりと連結する。
【0041】
第2の工程では、前記装置に固定されている追加クランピングデバイス23を、前記コンベヤーベルト6を放出するために開放する。
【0042】
第3の工程では、これらのエレメントを閉鎖位置に移動させるために、前記サーモードアレイ18及び前記加熱プレート21を、矢印20及び22の方向へ、前記コンベヤーベルト6の方に移動する。
【0043】
次に、第4の工程では、前記図の平面を右へと流れる輸送方向において、前記コンベヤーベルト6の前記輸送速度で前記硬化デバイス3d全体を輸送する。同時に、前記サーモード19及び前記加熱プレート21が、前記基板4の前記基板位置に付与された接着剤を硬化する。
【0044】
前記硬化作業がひとたび終了すると、前記サーモードアレイ18及び前記加熱プレート21が再び開放される。
【0045】
次に、前記追加クランピングデバイス23を閉鎖し、そして前記クランピングジョー13及び14が開放される。
【0046】
次に、前記硬化デバイス3d全体が、前記輸送方向とは反対方向の開始位置へと戻される。
【0047】
図3は、図2に模式的に示されている移動可能な前記硬化デバイス3dを示す、前記装置の詳細の斜視図を示している。このダイヤグラムから、合計11の前記サーモード19が、前記コンベヤーベルト6上に配置されて、そして、前記加熱プレート21が、前記コンベヤーベルト6の下に配置されていることが分かる。
【0048】
前記末端に備えられた前記クランピングジョーユニットは、閉鎖した位置において前記コンベヤーベルト6の上側及び下側に対して押し付けられる、各々の場合における、上側クランピングジョー24a、24bと下側クランピングジョー25a、25bを含んでいる。
【0049】
この点で、前記に記載された全ての部分は、それ自体及び任意の組合せとの両方において、特に、前記図面に詳細に示されているものにおいて、本発明の必須要件としてクレームされているということを注意されたい。当業者は、これらの修正に精通しているものとする。実施例によって、前記硬化デバイスは任意の所望の制御デバイスにより置き換えることができ、同様に、加工時間は前記嵌合時間を超えて、そして、連結、及び前記コンベヤーベルトと共に、前記コンベヤーベルト方向への前記制御装置の移動を可能にする。
【符号の説明】
【0050】
1・・・接着剤付与デバイス;2・・・嵌合デバイス;
3、3a、3b、3c、3d・・・硬化デバイス;4・・・基板;
5・・・フリップチップ;6・・・コンベヤーベルト;
7、8、9・・・指標工程のある輸送方向;10・・・緩衝域;
11・・・接着剤付与区域;12・・・嵌合領域の長さ;
13、14・・・クランピングジョーユニット;15・・・連結エレメント;
16・・・移動方向;17・・・外被;18・・・サーモードアレイ;
19・・・サーモード;20、22・・・移動方向;21・・・加熱プレート;
23・・・クランピングデバイス;
24a、24b・・・上側クランピングジョー;
25a、25b・・・下側クランピングジョー。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板、特に、スマートカードモジュール又はフレックスボードに半導体チップ(5)を付与する装置であり、接着剤付与デバイス(1)において規定の基板位置で接着剤を基板(4)に付与し、嵌合デバイス(2)において前記基板位置で前記基板に前記半導体チップ(5)を嵌合し、そして、硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)において接着剤を硬化する装置であって、前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は追加デバイスを、クランピングデバイス(13,14)によってコンベヤーベルト(6)に連結することができ、そしてコンベヤーベルト(6)は前記基板(4)を前記デバイスに沿って輸送し、そしてリフティングデバイス(15)によって輸送方向に前記コンベヤーベルトの輸送速度で移動することができることを特徴とする、前記装置。
【請求項2】
前記コンベヤーベルト(6)に連結することができる前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は追加デバイスにおいて、複数の加工及び/又は制御ユニット(19)が前記コンベヤーベルト(6)の輸送方向に配置され、前記基板(4)が輸送される際に、加工及び/又は制御ユニットが、前記半導体チップ(5)に嵌合している前記基板(4)の同時の加工及び/又は制御を実施することを特徴とする、請求項1に記載の前記装置。
【請求項3】
加工及び/又は制御ユニット(19)の加工及び/又は制御時間の総和に相当する継続時間と、移動した前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は追加デバイスを輸送方向と反対方向の開始位置へ戻すのに必要な所要時間とをセットするためのタイマーデバイスにより特徴づけられる、請求項2に記載の前記装置。
【請求項4】
加工及び/又は制御時間内において規定された嵌合速度で嵌合デバイス(2)により嵌合することができ、輸送方向に移動している基板(4)の数と同じ数の加工及び/又は制御ユニット(19)が、前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は追加デバイスに配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の前記装置。
【請求項5】
移動可能な前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)が、前記コンベヤーベルト(6)上に配置されたサーモードアレイ(18)と、前記基板(4)の基板位置に割り当てられた複数の前記サーモードアレイと、前記コンベヤーベルト(6)下に配置された少なくとも一つの加熱プレート(21)とを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記装置。
【請求項6】
前記サーモードアレイ(18)及び前記加熱プレート(21)を、前記クランピング装置(13,14)が閉鎖されると、コンベヤーベルト(6)の方向及びコンベヤーベルト(6)から離れる方向に移動することができるように、スライド装置によって前記コンベヤーベルトの平面に対して直角方向に移動させることができることを特徴とする、請求項5に記載の前記装置。
【請求項7】
前記クランピングデバイスが、好ましくは移動可能な前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は追加デバイスの末端領域に配置されている、少なくとも2つのクランピングジョーユニット(13,14)を含み、その上側及び下側クランピングジョー(24a,25a;24b,25b)が、上側及び下側から前記コンベヤーベルト(6)の方へガイドされることができることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記装置。
【請求項8】
前記リフティングデバイス(15)が、前記コンベヤーベルトの輸送方向への段階的な移動用のコンベヤーベルトドライブに連結していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記装置。
【請求項9】
移動した前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は前記追加デバイスが輸送方向と反対方向に戻される間に、前記コンベヤーベルトを静止状態に保つための、前記装置に固定されている追加クランピングデバイス(23)を特徴とする、請求項3〜8のいずれか一項に記載の前記装置。
【請求項10】
複数の基板、特に、スマートカードモジュール又はフレックスボードに半導体チップ(5)を付与する方法であり、接着剤付与デバイス(1)において規定の基板位置で接着剤を基板(4)に付与して、嵌合デバイス(2)において前記基板位置で前記基板を前記半導体チップ(5)に嵌合して、そして、硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)において接着剤を硬化する方法において、以下の工程:
第1のクランピングデバイス(13,14)を閉鎖することによって、前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は追加デバイスを、前記装置に沿って、前記基板(4)を輸送するコンベヤーベルト(6)に連結し;
前記輸送方向へ移動している前記コンベヤーベルト(6)を放出するために、前記装置に固定されている第2のクランピングデバイス(23)を開放し;
前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は前記追加デバイス中に配置されている、加工及び制御ユニット(19)を、前記コンベヤーベルトの平面に対して垂直方向の閉鎖位置へ移動させ;
規定の加工及び/又は制御時間で、前記加工及び/又は制御ユニット(19)によって前記半導体チップ(5)に嵌合している、複数の前記基板(4)の同時加工及び/又は制御の間に、前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は前記追加デバイスを、前記コンベヤーベルト(6)によって輸送方向に移動させ;
前記加工及び/又は制御時間の満了の後に、前記加工及び/又は制御ユニット(19)を、前記コンベヤーベルトの平面から離れた開放位置に移動させ;
前記装置に固定されている、第2のクランピングデバイスを閉鎖し;
前記第1のクランピングデバイス(13,14)を開放し;
前記硬化デバイス(3,3a,3b,3c,3d)及び/又は前記追加デバイスを、輸送方向とは反対方向の開始位置へと戻す、
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
前記加工及び/又は制御ユニット(19)を開放位置へ移動させる工程を、輸送方向での前記コンベヤーベルト(6)の運動とは独立して実施することができることを特徴とする、請求項10に記載の前記方法。
【請求項12】
前記輸送速度が、前記コンベヤーベルト(6)上の前記基板(4)が嵌合する嵌合速度に相当し、前記コンベヤーベルトが段階的な態様で移動していることを特徴とする、請求項10又は11に記載の前記方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−500788(P2006−500788A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540732(P2004−540732)
【出願日】平成15年9月27日(2003.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010778
【国際公開番号】WO2004/032202
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(503187040)ミュールバウアー・アクチエンゲゼルシャフト (3)
【Fターム(参考)】