説明

半導体デバイスの欠陥評価方法及び欠陥評価装置

【課題】故障位置の特定のみならず、故障状態をも特定することができる半導体デバイスの欠陥評価方法及び欠陥評価装置を提供する。
【解決手段】半導体デバイスの欠陥評価方法は、評価対象の半導体デバイスにプローブ光を照射して半導体デバイスに発生させた電流を検出する第1電流検出ステップと、発生させた電流から半導体デバイスの欠陥位置を検出する欠陥位置検出ステップと、検出した半導体デバイスの欠陥位置にプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射することにより、欠陥位置における電流を検出する第2電流検出ステップと、検出した欠陥位置における電流から欠陥位置の光励起準位を検出する光励起準位検出ステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの欠陥評価方法及び欠陥評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等を構成するTFT基板の欠陥は、装置の故障の原因となる。このため、TFT基板の欠陥の有無及びその位置を特定する必要があり、このようなTFT基板等に生じた欠陥の位置を特定する方法(欠陥評価方法)が、従来から研究・開発されている。
【0003】
上記TFT基板は半導体で構成されており、このような半導体デバイスの欠陥評価方法としては、一般的に、エミッション解析法、OBIC(Optical Beam Induced Curent)解析法、又は、IR−OBIRCH(Infra Red−Optical Beam Induced Resistance Change)解析法等が挙げられる。
【0004】
エミッション解析法は、キャリア再結合による発光を検出する方法であり、TFTのゲート絶縁膜のリーク位置を特定できる。
【0005】
OBIC解析法は、レーザ光(例えば、He−Neレーザ、波長633nm)等を、半導体素子にスキャン照射し、サンプルの半導体層に吸収された光によって励起されたキャリアが半導体素子の外部に流れる電流によって像を画く方法である。
【0006】
IR−OBIRCH解析法は、赤外線レーザを、半導体素子にスキャン照射して、照射部分の温度を上げ、それに伴う半導体素子の変動電流を外部に取出すことにより像を画く方法である。これは、配線の抵抗異常位置の特定に特に有効である。
【0007】
ここで、上述のような欠陥評価方法として、例えば、特許文献1では、シリコンウエーハ上に作製したMOS(Metal Oxide Semiconductor)ダイオードについて、絶縁破壊の原因であるゲート酸化膜の欠陥評価をOBIC解析法等によって非破壊で実施する技術が開示されている。そして、これによれば、MOSダイオードのゲート酸化膜のリーク位置を検出できる、と記載されている。
【0008】
また、特許文献2では、半導体集積回路の内部相互配線に電流を流した状態でレーザビームを照射し、内部相互配線に流れる電流の変化を検知することで内部相互配線の欠陥を検出する装置において、チップに照射するレーザビームによって電子−正孔対が励起しないレーザビームの波長範囲を選択する、すなわち半導体素子の温度上昇に伴う電流変化によって生じた欠陥のみが検出されるようにレーザ波長を選択する技術が開示されている。そして、これによれば、半導体集積回路の内部相互配線の欠陥を短時間で破壊せずに検出することができる、と記載されている。
【特許文献1】特開2000−88782号公報
【特許文献2】特開平7−167924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したような従来の欠陥評価方法及び欠陥評価装置では、半導体デバイスの故障位置を特定できるが、その位置における半導体デバイスの故障状態については特定することができない。本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、故障位置の特定のみならず、故障状態をも特定することができる半導体デバイスの欠陥評価方法及び欠陥評価装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、評価対象の半導体デバイスにプローブ光を照射して半導体デバイスに発生させた電流を検出する第1電流検出ステップと、検出した電流から半導体デバイスの欠陥位置を検出する欠陥位置検出ステップと、検出した半導体デバイスの欠陥位置にプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射することにより、欠陥位置における電流を検出する第2電流検出ステップと、検出した欠陥位置における電流から欠陥位置の光励起準位を検出する光励起準位検出ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、プローブ光を照射して発生した電流を検出することにより欠陥位置を特定した半導体デバイスに、再度プローブ光をその欠陥位置に照射して光励起準位を検出するため、半導体デバイスの欠陥位置、即ち故障位置のみならず、故障状態も特定することができる。
【0012】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、第1電流検出ステップにおいて、プローブ光を半導体デバイスにスキャン照射することにより半導体デバイスに電流を発生させてもよい。
【0013】
このような構成によれば、プローブ光を半導体デバイスにスキャン照射することにより半導体デバイスに電流を発生させるため、半導体デバイスの欠陥評価を効率良く行うことができる。
【0014】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、第1電流検出ステップにおいて、プローブ光を半導体デバイスの略全面に照射することにより半導体デバイスに電流を発生させてもよい。
【0015】
このような構成によれば、プローブ光を半導体デバイスの略全面に照射することにより半導体デバイスに電流を発生させるため、半導体デバイス略全面にわたりその欠陥位置及び故障状態を特定することができる。
【0016】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、評価対象の半導体デバイスが第1及び第2端子を有する電子回路を備えており、第1端子をプローブ光の照射により発生した電流を検出する端子として用い、第2端子を半導体デバイス駆動信号発生器に接続し、第1端子で検出する電流が一定となる駆動信号を半導体デバイスに入力した状態でプローブ光を照射することにより半導体デバイスに電流を発生させてもよい。
【0017】
このような構成によれば、評価対象の半導体デバイスについて、それが組み込まれた液晶表示装置等の状態で、その欠陥位置及び故障状態を特定することができるため、簡便に欠陥評価できる。
【0018】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価装置は、評価対象の半導体デバイスにプローブ光を照射するプローブ光源と、プローブ光源からプローブ光を照射することにより半導体デバイスに発生した電流を検出する第1電流検出手段と、第1電流検出手段で検出した電流から半導体デバイスの欠陥位置を検出する欠陥位置検出手段と、欠陥位置検出手段で検出した半導体デバイスの欠陥位置にプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射する波長可変プローブ光源と、波長可変プローブ光源からプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射されることにより半導体デバイスに発生した電流を検出する第2電流検出手段と、第2電流検出手段で検出した欠陥位置における電流から欠陥位置の光励起準位を検出する光励起準位検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、プローブ光を照射して発生した電流を第1電流検出手段で検出することにより欠陥位置を特定した半導体デバイスに、再度プローブ光をその欠陥位置に照射して欠陥位置検出手段で光励起準位を検出するため、半導体デバイスの欠陥位置、即ち故障位置のみならず、故障状態も特定することができる。
【0020】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価装置は、プローブ光源が、波長可変プローブ光源を兼ねていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、プローブ光源が、波長可変プローブ光源を兼ねているため、それぞれ別体の光源を設けなくてよく、装置の構成が簡潔となる。
【0022】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価装置は、第1電流検出手段が、第2電流検出手段を兼ねていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、第1電流検出手段が、第2電流検出手段を兼ねているため、それぞれ別体のものを設けなくてよく、装置の構成が簡潔となる。
【0024】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価装置は、欠陥位置検出手段が、光励起準位検出手段を兼ねていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、欠陥位置検出手段が、光励起準位検出手段を兼ねているため、それぞれ別体のものを設けなくてよく、装置の構成が簡潔となる。
【0026】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価装置は、プローブ光源が、半導体デバイスにスキャン照射することにより半導体デバイスに電流を発生させるように構成されていてもよい。
【0027】
このような構成によれば、プローブ光源が、プローブ光を半導体デバイスにスキャン照射することにより半導体デバイスに電流を発生させるため、半導体デバイスの欠陥評価を効率良く行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る半導体デバイスの欠陥評価方法及び欠陥評価装置によれば、半導体デバイスの故障位置の特定のみならず、故障状態をも特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0030】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る評価対象の半導体デバイスとして、液晶表示装置に用いられるTFT基板に形成された多数のTFTのうちの、1個のTFTに係る欠陥評価を行う場合を例にして説明する。
【0031】
(欠陥評価装置10の構成)
図1に、本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価装置10の全体構成を示す概略図を示す。欠陥評価装置10は、光照射部20、電流検出部30、信号処理部40、及び、制御部(不図示)で構成されている。
【0032】
光照射部20は、波長可変レーザ光源21(プローブ光源、波長可変プローブ光源)、XYZステージ22、XYZステージコントローラ23、XYスキャン光学系24、XYスキャン光学系コントローラ25、ミラー26、ハーフミラー27、レンズ28、及び、サンプル観察用光学顕微鏡システム50で構成されている。
【0033】
波長可変レーザ光源21は、XYZステージ22上に設けられている。波長可変レーザ光源21としては、例えば、半導体レーザ光源、サファイアレーザ光源等を用いることができる。波長可変レーザ光源21は、XYZステージ22と一体として移動するように構成されている。
【0034】
XYZステージ22は、光照射部20の最下部に設けられ、平板状に形成されている。XYZステージ22は、XYZステージコントローラ23に電気的に接続されている。
【0035】
XYZステージコントローラ23は、XYZステージ22の側方に設置されている。XYZステージコントローラ23は、不図示の制御部に電気的に接続されている。
【0036】
XYスキャン光学系24は、XYZステージ22の上方で、且つ、波長可変レーザ光源21から出射されるレーザ光が、それらの間に設けられたミラー26によって反射されて、下方から入射するような位置に設けられている。XYスキャン光学系24は、XYスキャン光学系コントローラ25に電気的に接続されている。XYスキャン光学系24は、XYスキャンミラーを有している(不図示)。XYスキャン光学系24は、その上方に、ハーフミラー27及びレンズ28が下方から上方へとこの順に設けられている。
【0037】
XYスキャン光学系コントローラ25は、XYスキャン光学系24の側方に設けられている。XYスキャン光学系コントローラ25は、信号処理部40及び制御部に、それぞれ電気的に接続されている。
【0038】
サンプル観察用光学顕微鏡システム50は、XYスキャン光学系24の側方に設けられている。サンプル観察用光学顕微鏡システム50は、光源51、ハーフミラー52、レンズ53、及び、CCDカメラ54で構成されている。
【0039】
光源51は、照明用の光源であればどのようなものでもよく、例えば、ハロゲンランプで構成されている。
【0040】
ハーフミラー52は、光源51からの光をレンズ53へ屈折させ、且つ、ハーフミラー27からの光をレンズ53に反射させる位置に設けられている。
【0041】
レンズ53は、ハーフミラー52の下方に設けられている。
【0042】
CCDカメラ54は、ハーフミラー52の下方に設けられており、信号処理部40に電気的に接続されている。
【0043】
電流検出部30は、光照射部20の上方に設けられている。電流検出部30は、評価対象のTFT基板60を載置するためのサンプルステージ31、プローブ針32,33,34、マニュピレータ35,36,37、電源38、電流検出増幅器39(第1電流検出手段、第2電流検出手段)及び、マニュピレータ用光学顕微鏡システム70で構成されている。
【0044】
サンプルステージ31は、互いに間隔を空けて、評価対象のTFT基板60の両端部を支持するように二体が設けられている。サンプルステージ31は、その表面に吸着孔が複数形成されている。
【0045】
プローブ針32,33,34は、それぞれ対応するTFT素子、即ち、TFT基板のソース61、ゲート62及びドレイン63にそれぞれ一端が接触するように設けられている。
【0046】
マニュピレータ35,36,37は、それぞれ対応するプローブ針32,33,34の他端を保持するように設けられている。
【0047】
電源38は、TFT基板60のゲート62に接触するプローブ針33を保持するマニュピレータ36に電気的に接続されている。
【0048】
電流検出増幅器39は、その一端でTFT基板60のドレイン63に接触するプローブ針34を保持するマニュピレータ37に電気的に接続されている。電流検出増幅器39は、その他端で信号処理部40に電気的に接続されている。
【0049】
マニュピレータ用光学顕微鏡システム70は、サンプルステージ31の上方に設けられている。マニュピレータ用光学顕微鏡システム70は、光源71、ハーフミラー72、及び、レンズ73,74で構成されている。
【0050】
光源71は、照明用の光源であればどのようなものでもよく、例えば、ハロゲンランプで構成されている。
【0051】
ハーフミラー72は、光源71からの光をレンズ74へ反射させ、且つ、ドレイン63からの反射光をレンズ73に透過させる位置に設けられている。
【0052】
レンズ73,74は、ハーフミラー72を挟んで、それぞれドレイン63の垂直上方に設けられている。
【0053】
信号処理部40は、波長可変レーザ光源21、XYスキャン光学系コントローラ25、CCDカメラ54、電流検出増幅器39、及び、不図示の制御部に電気的に接続されている。信号処理部40は、信号処理システム41(欠陥位置検出手段、光励起準位検出手段)及びモニター42が設けられている。
【0054】
(欠陥評価装置10の動作)
次に、欠陥評価装置10の動作について説明する。
【0055】
XYZステージコントローラ23は、制御部からの信号によってXYZステージ22をXYZ方向に移動させる。このとき、XYZステージ22上に設けられた波長可変レーザ光源21もXYZステージ22と一体となって移動する。CCDカメラ54の視野内に解析領域が映るように、XYZステージ22の位置を合わせる。
【0056】
信号処理部40の信号処理システム41からの信号によって、波長可変レーザ光源21から所定の波長のレーザ光(プローブ光)が水平方向へ出射される。波長可変レーザ光源21から水平方向へ出射されたレーザ光は、ミラー26によって上方へ反射される。
【0057】
ミラー26で反射されたレーザ光は、上方のXYスキャン光学系24へ入射する。
【0058】
XYスキャン光学系24は、信号処理部40の信号処理システム41からの信号を受信したXYスキャン光学系24コントローラによって、XY方向に順次移動される。XYスキャン光学系コントローラ25は、XYスキャン光学系24内部のXYスキャンミラーを駆動させることにより、サンプルステージ31に載置された評価対象のTFT基板60の解析領域にレーザ光をスキャン照射することができる。また、CCDカメラ54の視野内の解析が必要な領域をスキャン照射できる。さらに、任意の一点においてスキャンを止め、その一点にレーザ光を照射することもできる。
【0059】
XYスキャン光学系24に入射したレーザ光は、XYスキャン光学系24内を通り、上方のハーフミラー27へ向けて出射される。ハーフミラー27へ入射したレーザ光は、ハーフミラー27を透過して上方のレンズ28へ入射する。レンズ28へ入射したレーザ光は、上方のTFT基板60へ向けて出射される。
【0060】
サンプル観察用光学顕微鏡システム50の光源51は、水平方向に光を照射する。光源51から照射された光は、ハーフミラー52を透過して側方のハーフミラー27へ入射する。ハーフミラー27へ入射した光は、ハーフミラー27で反射され、上方のレンズ28へ入射する。上方のレンズ28へ入射した光は、TFT基板60のレーザ光照射位置周辺を照射し、その反射光をレンズ28へ向けて出射する。
【0061】
レンズ28へ出射されたTFT基板60からの反射光は、レンズ28を通り、ハーフミラー27で反射されて側方のハーフミラー52へ入射する。ハーフミラー52へ入射したTFT基板60からの反射光は、ハーフミラー52で反射されて下方のレンズ53を通り、CCDカメラ54へ到達する。
【0062】
CCDカメラ54は、到達した光をTFT基板60のレーザ光照射位置を表示する画像信号として信号処理部40へ送る。
【0063】
信号処理部40へ送られたCCDカメラ54からの信号は、信号処理システム41で所定の処理がなされてモニター42で表示される。
【0064】
レンズ28から上方へ出射されたレーザ光は、上方のサンプルステージ31に載置された評価対象のTFT基板60へ照射される。
【0065】
サンプルステージ31は、その表面に形成された吸着孔からの負圧によって、TFT基板60をサンプルステージ31上に強固に保持する。
【0066】
マニュピレータ35,36,37は、評価対象のTFT基板60のソース61、ゲート62、及び、ドレイン63に、それぞれプローブ針32,33,34を接触させる。
【0067】
電源38は、プローブ針33を通してTFT基板60のゲート62にゲート電圧を印加する。
【0068】
電流検出増幅器39は、バイアス印加機能を有し、TFT基板60のドレイン63からの電流を受け、増幅した後、信号処理部40へ送る。
【0069】
マニュピレータ用光学顕微鏡システム70の光源71は、水平方向へ光を照射する。光源71から照射された光は、側方のハーフミラー72で反射されて下方のレンズ74を通り、TFT基板60のソース61、ゲート62、又は、ドレイン63周辺を照射する。TFT基板60のソース61、ゲート62、又は、ドレイン63周辺を照射した光は、そのまま反射されて上方へ向かい、レンズ74、ハーフミラー72、及び、レンズ73を通って観察者側へ出射され、ソース61、ゲート62、又は、ドレイン63周辺の画像が観察される。
【0070】
(欠陥評価装置10を用いた半導体デバイスの欠陥評価方法)
次に、本発明の実施形態1に係る欠陥評価装置10を用いた半導体デバイスの欠陥評価方法について説明する。
【0071】
まず、評価対象の半導体デバイスとして、液晶表示装置等に用いられるTFT基板60を準備する。TFT基板60は、ガラス基板66上にp−Si層67が形成され、TFT素子としてソース61、ゲート62及びドレイン63が、それぞれゲート絶縁膜68を介して形成されている。
【0072】
次に、TFT基板60を、間隔を空けて設けられた2体のサンプルステージ31上に載置し、サンプルステージ31の吸着孔からの負圧によりTFT基板60を強固に保持する。
【0073】
次に、マニュピレータ用光学顕微鏡システム70のレンズ73,74の位置を、TFT基板60のソース61、ゲート62、及び、ドレイン63上に順次移動さる。そして、その都度、光源71から光を照射させて、ソース61、ゲート62、及び、ドレイン63の位置を観察しながらマニュピレータ35,36,37によりプローブ針32,33,34を対応するTFT素子(ソース61、ゲート62、又は、ドレイン63)に、それぞれ接触させる。
【0074】
次に、サンプル観察用光学顕微鏡システム50の光源51から光を照射して、CCDカメラ54による画像を信号処理部40のモニター42で観察しながら、TFT基板60がモニター42に映るようにXYZステージ22をXYZステージコントローラ23で移動させる。
【0075】
次に、TFT基板60のゲート62に電源38を接続し、ゲート電圧を印加する。また、ソース61は0電位にしておく。
【0076】
次に、信号処理部40からの信号により、波長可変レーザ光源21からレーザ光を照射する。このとき、レーザ光の波長は、バンド間準位を介した光励起キャリアが発生する波長、例えば、Siのバンドギャップ1.12eVより少しエネルギーの高い値の波長である1.03μm(1.2eV)に設定する。
【0077】
このとき、レーザ光の光線直径は、μmオーダーからサブμmオーダーに絞っている。
【0078】
続いて、XYスキャン光学系24を走査することにより、レーザ光をモニター42の視野に対応するTFT基板領域にスキャン照射し、CCDカメラ54を用いてTFT基板60の反射像を撮影する。
【0079】
次に、レーザ光をスキャンしながら、TFT基板60に発生する変動電流を、ドレイン63からプローブ針34を通して電流検出増幅器39で検出する。電流検出増幅器39は、検出した電流を増幅して変動電流として信号処理部40へ送る。
【0080】
次に、信号処理部40は、レーザスキャン信号と、電流検出増幅器39から送られた変動電流とを同期させて変動電流像をモニター42上に画く。この変動電流像を観察することによって発生する電流が変動するTFT基板60上の箇所がわかる。
【0081】
例えば、n−chTFT基板にドレイン電圧5V、ゲート電圧マイナス6Vを印加してオフ状態とした場合、ドレイン側チャネル端部の高電界領域で、OBIC信号が発生し、変動電流を検出する。このとき、欠陥に起因した準位が多く存在する箇所は、より多くの光励起キャリアが発生し、大きい変動電流が発生するため、この変動電流値を検討することにより、TFT基板の欠陥位置、即ち、故障位置が特定できる。
【0082】
続いて、以下のように、特定したTFT基板60の故障位置の光励起準位を調べる。
【0083】
まず、XYスキャン光学系コントローラ25によってXYスキャン光学系24を固定することにより、特定した変動電流発生領域の一点に、波長可変レーザ光源21によるレーザ光照射位置を固定する。
【0084】
次に、波長を、例えば4μmから0.2μmまで変化させて、レーザ光を照射する。このとき、準位間遷移に対応する波長で変動電流が変化し、その結果より準位のエネルギーが確認できる。
【0085】
本実施形態1では、p−Si層を有するTFT基板60を評価対象の半導体デバイスとして用いているため、光励起準位は、SiとSiO2の界面準位、p−Si層中の欠陥準位、あるいは不純物準位等が考えられる。
【0086】
例えば、SiとSiO2の界面準位が、伝導帯の下0.1eVの位置、及び価電子帯の上0.1eVの位置にある場合、準位間のエネルギーは、図2に示すように、1.02eV(1.22μm)、0.92eV(1.35μm)となる。ここで、エネルギー準位は、フォトンエネルギーに対する微分によるデータ処理を行えば、より明確となる。また、OBIC信号発生箇所の中から1箇所を選び、照射レーザの波長を変えると、TFT基板60のドレイン電流は、図3に示すように、0.92eV、1.22eV、及び、Siのバンドギャップ1.12eVで変化が生じる。このようにして光励起準位を知ることができ、TFT基板60の故障箇所における故障状態を知ることができる。
【0087】
(実施形態2)
次に、評価対象の半導体デバイスとして、液晶表示装置状態の電子回路を形成したTFT基板の欠陥評価を例にして説明する。
【0088】
(欠陥評価装置100の構成)
図4に本発明の実施形態2に係る半導体デバイスの欠陥評価装置100の全体構成を示す概略図を示す。欠陥評価装置100は、光照射部20、電流検出部130、信号処理部40及び制御部(不図示)で構成される。
【0089】
半導体デバイスの欠陥評価装置100の構成は、電流検出部130のみ、上述した実施形態1に係る欠陥評価装置10と異なる。電流検出部130は、光照射部20の上方に設けられている。電流検出部130は評価対象の液晶表示装置110を載置するためのサンプルステージ31、液晶表示装置駆動信号発生器(半導体デバイス駆動信号発生器)120、電流検出増幅器39(第1電流検出手段、第2電流検出手段)で構成されている。液晶表示装置110は、TFT基板111、カラーフィルター112、シール剤113、液晶層114から構成される。TFT基板111には、液晶表示装置を動作させるための電子回路が形成されている。
【0090】
サンプルステージ31は互いに間隔を空けて、評価対象の液晶表示装置110の両端を支持するように二体が設けられている。サンプルステージはその表面に吸着孔が複数形成されている。
【0091】
液晶表示装置駆動信号発生器120及び電流検出増幅器39は、それぞれケーブルで液晶表示装置110に接続されている。
【0092】
(欠陥評価装置100の動作)
次に、本発明の実施形態2に係る欠陥評価装置100の動作について説明する。
【0093】
光照射部20、信号処理部40の動作は、欠陥評価装置10と同じである。
【0094】
電流検出部130の動作を以下説明する。サンプルステージ31は、その表面に形成された吸着孔からの負圧によって、液晶表示装置110をサンプルステージに強固に保持する。液晶表示装置駆動信号発生器120は液晶表示装置110に接続され、任意の定常状態の信号を出力できる。電流検出増幅器39は、バイアス機能を有し、液晶表示装置110の1つの端子(第1端子)に接続されている。電流検出増幅器39は、レーザ光照射による変動電流を増幅し、信号処理部40へ送る。
【0095】
(欠陥評価装置100を用いた半導体デバイスの欠陥評価方法)
次に、本発明の実施形態2に係る欠陥評価装置100を用いた半導体デバイスの欠陥評価方法について説明する。
【0096】
まず、液晶表示装置110を、間隔を空けて設けられた2体のサンプルステージ31上に載置し、サンプルステージ31の吸着孔からの負圧によりTFT基板111を強固に保持する。
【0097】
次に、液晶表示装置110の端子の1つ(第1端子)を電流検出増幅器39に接続し、液晶表示装置110の1つ以上のその他の端子(第2端子)を液晶表示装置駆動信号発生器120に接続する。次に、液晶表示装置駆動信号発生器120から定常状態の信号を出す。また、電流検出増幅器39は、バイアス印加機能を有するので、所定の電圧に設定する。
【0098】
次に、信号処理部40からの信号により、波長可変レーザ光源21からレーザ光を照射する。このとき、レーザ光の波長は、バンド間準位を介した光励起キャリアが発生する波長、例えば、Siのバンドギャップ1.12eVより少しエネルギーの高い値の波長である1.03μm(1.2eV)に設定する。
【0099】
このとき、レーザ光の光線直径は、μmオーダーからサブμmオーダーに絞っている。
【0100】
続いて、XYスキャン光学系24を走査することにより、レーザ光を液晶表示装置110にスキャン照射し、CCDカメラ54を用いて反射像を撮影する。
【0101】
次にレーザ光をスキャンしながら、液晶表示装置110に発生する変動電流を電流検出増幅器39で検出する。電流検出増幅器39は、検出した電流を変動電流として信号処理部40へ送る。
【0102】
次に信号処理部40は、レーザスキャン信号と、電流検出増幅器39から送られた変動電流とを同期させて変動電流像をモニター42上に画く。この変動電流像を観察することによって発生する電流が変動する液晶表示装置110の箇所がわかる。
【0103】
例えば、図5に示すゲートドライバ出力バッファアンプ140を測定した場合、各TFTのバンドの状態は図6のようであり、オフ状態TFTのドレイン側の電界の高い領域で発生したOBIC信号が検出できる。どのTFTからOBIC信号がでているか確認することにより、動作状態を確認することができる。もし、OBIC信号が発生すべきTFTにOBIC信号が検出されなければ、そのTFTに不具合があると考えられる。
【0104】
また、局所的にOBIC信号が強い場合は、そこに不具合があることがわかる。その箇所の光励起準位を、以下のように調べる。
【0105】
まず、XYスキャン光学系コントローラ25によってXYスキャン光学系24を固定することにより、特定した変動電流発生領域の一点に、波長可変レーザ光源21によるレーザ照射位置を固定する。
【0106】
次に、波長を、例えば4μmから0.2μmまで変化させて、レーザ光を照射する。このとき、準位間遷移に対応する波長で変動電流が変化し、その結果より準位のエネルギーが確認できる。
【0107】
尚、上記実施形態1、2では、レーザ光をXYスキャン光学系24およびXYスキャン光学系コントローラ25でスキャン照射したが、XYZステージ22をスキャンしても良い。この場合、XYスキャン光学系24およびXYスキャン光学系コントローラ25は不要であり、XYZステージコントローラ23の制御信号が、信号処理システム41に入力される。
【0108】
また、上記実施形態1、2では、プローブ光として波長可変レーザ光を用いたが、白色光源の光を分光器で分光した光ビームを用いてもよい。
【0109】
また、上記実施形態1では、評価対象の半導体デバイスとして、液晶表示装置に用いられるTFT基板を例に挙げたが、これに限定されず、PDP(plasma display panel;プラズマディスプレイパネル)、有機EL(organic electroluminescence )、又は、SED(surface-conduction electron-emitter display;表面電界ディスプレイ)等のその他の表示装置に用いられるTFT基板、又は、その他の半導体デバイス等を用いてもよい。
【0110】
(作用効果)
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、評価対象のTFT基板60にレーザ光を照射してTFT基板60に発生させた電流を検出する第1電流検出ステップと、検出した電流からTFT基板60の欠陥位置を検出する欠陥位置検出ステップと、検出したTFT基板60の欠陥位置にレーザ光を所定範囲で波長を変化させて照射することにより、欠陥位置における電流を検出する第2電流検出ステップと、検出した欠陥位置における電流から欠陥位置の光励起準位を検出する光励起準位検出ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0111】
このような構成によれば、レーザ光を照射して発生した電流を検出することにより欠陥位置を特定したTFT基板60に、再度レーザ光をその欠陥位置に照射して光励起準位を検出するため、TFT基板60の欠陥位置、即ち故障位置のみならず、故障状態も特定することができる。
【0112】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、第1電流検出ステップにおいて、レーザ光をTFT基板60にスキャン照射することによりTFT基板60に電流を発生させることを特徴とする。
【0113】
このような構成によれば、レーザ光をTFT基板60にスキャン照射することによりTFT基板60に電流を発生させるため、TFT基板60の欠陥評価を効率良く行うことができる。
【0114】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、第1電流検出ステップにおいて、レーザ光をTFT基板60の略全面に照射することによりTFT基板60に電流を発生させることを特徴とする。
【0115】
このような構成によれば、レーザ光をTFT基板60の略全面に照射することによりTFT基板60に電流を発生させるため、TFT基板60略全面にわたりその欠陥位置及び故障状態を特定することができる。
【0116】
本発明の実施形態2に係る半導体デバイスの欠陥評価方法は、評価対象の半導体デバイスが第1及び第2端子を有する電子回路を備えており、第1端子をプローブ光の照射により発生した電流を検出する端子として用い、第2端子を半導体デバイス駆動信号発生器に接続し、第1端子で検出する電流が一定となる駆動信号を半導体デバイスに入力した状態でプローブ光を照射することにより半導体デバイスに電流を発生させてもよい。
【0117】
このような構成によれば、評価対象の半導体デバイスについて、それが組み込まれた液晶表示装置等の状態で、その欠陥位置及び故障状態を特定することができるため、簡便に欠陥評価できる。
【0118】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価装置10は、評価対象のTFT基板60にレーザ光を照射する波長可変レーザ光源21と、波長可変レーザ光源21からレーザ光を照射することによりTFT基板60に発生した電流を検出する電流検出増幅器39と、電流検出増幅器39で検出した電流からTFT基板60の欠陥位置を検出する信号処理システム41と、を備える。さらに、波長可変レーザ光源21は、信号処理システム41で検出したTFT基板60の欠陥位置にレーザ光を所定範囲で波長を変化させて照射し、電流検出増幅器39は、波長可変レーザ光源21からレーザ光を所定範囲で波長を変化させて照射されることによりTFT基板60に発生した電流を検出し、信号処理システムは、電流検出増幅器39で検出した欠陥位置における電流から欠陥位置の光励起準位を検出することを特徴とする。
【0119】
このような構成によれば、レーザ光を照射して発生した電流を電流検出増幅器39で検出することにより欠陥位置を特定したTFT基板60に、再度レーザ光をその欠陥位置に照射して信号処理システム41で光励起準位を検出するため、TFT基板60の欠陥位置、即ち故障位置のみならず、故障状態も特定することができる。
【0120】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価装置10は、故障位置特定のためのレーザ光を照射するレーザ光源と、故障状態特定のためのレーザ光を照射するレーザ光源とが、いずれも波長可変レーザ光源21であることを特徴とする。
【0121】
このような構成によれば、故障位置特定のためのレーザ光を照射するレーザ光源と、故障状態特定のためのレーザ光を照射するレーザ光源とで、それぞれ別体の光源を設けなくてよく、装置の構成が簡潔となる。
【0122】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価装置10は、故障位置特定のための電流の検出と故障状態特定のための電流の検出とを、それぞれ電流検出増幅器39で行うことを特徴とする。
【0123】
このような構成によれば、故障位置特定のための電流の検出と故障状態特定のための電流の検出とで、それぞれ別体の電流検出手段を設けなくてよく、装置の構成が簡潔となる。
【0124】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価装置10は、欠陥位置の検出と光励起準位の検出とを、それぞれ信号処理システム41で行うことを特徴とする。
【0125】
このような構成によれば、欠陥位置の検出と光励起準位の検出とで、それぞれ別体の検出手段を設けなくてよく、装置の構成が簡潔となる。
【0126】
本発明の実施形態1に係る半導体デバイスの欠陥評価装置10は、波長可変レーザ光源21が、TFT基板60にスキャン照射することによりTFT基板60に電流を発生させるように構成されていることを特徴とする。
【0127】
このような構成によれば、波長可変レーザ光源21が、レーザ光をTFT基板60にスキャン照射することによりTFT基板60に電流を発生させるため、TFT基板60の欠陥評価を効率良く行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
以上説明したように、本発明は、半導体デバイスの欠陥評価方法及び欠陥評価装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施形態1に係る欠陥評価装置10の模式図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るSiとSiO2の界面準位間エネルギーを示す図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る電流とフォトンエネルギーとの相関図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る欠陥評価装置100の模式図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る液晶表示装置ゲートドライバ回路測定例の説明図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る出力バッファアンプ構成TFTバンド図である。
【符号の説明】
【0130】
10,100 欠陥評価装置
20 光照射部
21 波長可変レーザ光源
22 XYZステージ
23 XYZステージコントローラ
24 XYスキャン光学系
25 XYスキャン光学系コントローラ
26 ミラー
27,52,72 ハーフミラー
28,53,73,74 レンズ
30 電流検出部
31 サンプルステージ
32,33,34 プローブ針
35,36,37 マニュピレータ
39 電流検出増幅器
40 信号処理部
41 信号処理システム
42 モニター
50 サンプル観察用光学顕微鏡システム
38,51,71 光源
54 CCDカメラ
70 マニュピレータ用光学顕微鏡システム
110 液晶表示装置
120 液晶表示装置駆動信号発生器
130 電流検出部
140 ゲートドライバ出力バッファアンプ
141 TFT1
142 TFT2
143 TFT3
144 TFT4
150 ゲートドライバ回路(出力バッファアンプ前段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象の半導体デバイスにプローブ光を照射して該半導体デバイスに発生させた電流を検出する第1電流検出ステップと、
上記検出した電流から上記半導体デバイスの欠陥位置を検出する欠陥位置検出ステップと、
上記検出した半導体デバイスの欠陥位置にプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射することにより、該欠陥位置における電流を検出する第2電流検出ステップと、
上記検出した欠陥位置における電流から該欠陥位置の光励起準位を検出する光励起準位検出ステップと、
を備えた半導体デバイスの欠陥評価方法。
【請求項2】
上記第1電流検出ステップにおいて、上記プローブ光を上記半導体デバイスにスキャン照射することにより該半導体デバイスに電流を発生させる請求項1に記載の半導体デバイスの欠陥評価方法。
【請求項3】
上記第1電流検出ステップにおいて、上記プローブ光を上記半導体デバイスの略全面に照射することにより該半導体デバイスに電流を発生させる請求項1に記載の半導体デバイスの欠陥評価方法。
【請求項4】
評価対象の半導体デバイスが第1及び第2端子を有する電子回路を備えており、該第1端子を上記プローブ光の照射により発生した電流を検出する端子として用い、該第2端子を半導体デバイス駆動信号発生器に接続し、該第1端子で検出する電流が一定となる駆動信号を該半導体デバイスに入力した状態で該プローブ光を照射することにより該半導体デバイスに電流を発生させる請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体デバイスの欠陥評価方法。
【請求項5】
評価対象の半導体デバイスにプローブ光を照射するプローブ光源と、
上記プローブ光源からプローブ光を照射することにより上記半導体デバイスに発生した電流を検出する第1電流検出手段と、
上記第1電流検出手段で検出した電流から上記半導体デバイスの欠陥位置を検出する欠陥位置検出手段と、
上記欠陥位置検出手段で検出した上記半導体デバイスの欠陥位置にプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射する波長可変プローブ光源と、
上記波長可変プローブ光源からプローブ光を所定範囲で波長を変化させて照射することにより上記半導体デバイスに発生した電流を検出する第2電流検出手段と、
上記第2電流検出手段で検出した上記欠陥位置における電流から該欠陥位置の光励起準位を検出する光励起準位検出手段と、
を備えた半導体デバイスの欠陥評価装置。
【請求項6】
上記プローブ光源は、上記波長可変プローブ光源を兼ねている請求項5に記載の半導体デバイスの欠陥評価装置。
【請求項7】
上記第1電流検出手段は、上記第2電流検出手段を兼ねている請求項5に記載の半導体デバイスの欠陥評価装置。
【請求項8】
上記欠陥位置検出手段は、上記光励起準位検出手段を兼ねている請求項5に記載の半導体デバイスの欠陥評価装置。
【請求項9】
上記プローブ光源は、上記半導体デバイスにスキャン照射することにより該半導体デバイスに電流を発生させるように構成されている請求項5に記載の半導体デバイスの欠陥評価装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−46101(P2008−46101A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328365(P2006−328365)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】