説明

半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造と製造方法

【課題】 汚染問題を解決できる半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造と製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体材料層401A、合成水晶半導体402A、第1良導体406A、第2良導体405A及び絶縁層404Aを含む。半導体材料層401Aの局部は外部に第1種雑質が混合されて、第1種の半導体材料区域403Aを形成する。第1良導体406Aと第1種雑質の半導体材料区域403Aとを接続させ、合成半導体402Aは第1種雑質を混入した半導体材料区域403Aにスパッター加工する。合成半導体402Aの内部にも第1種雑質及び第2種雑質が混入され、合成水晶半導体402A上の局部に第2良導体405Aをスパッター加工する。第1良導体406Aと第2良導体405Aの間は、合成水晶半導体402で仕切っておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造と製造方法に関わるもので、主に、高容量コンデンサーの構造と生産プロセスに用いる。特に、半導体(一例として、シリカ)集積回路のプロセスに応用すると、半導体生産プロセスを完全に許容し、高容量コンデンサーが作られる。
【背景技術】
【0002】
電子産業は高容量コンデンサーで製品の要求に応えるほか、絶えず誘電層の厚みを減少しながら、コンデンサーの面積を増やし、軽薄短小の趨勢が見られる。一例として、コンデンサーと密接関係を持つダイナミックメモリは、ビット密度の増大により、コンデンサーがトレンチ(trench)又は翼状構造、又は、誘電率の高い誘電材料(BaTiO3又はその他の強誘電材料)を用いて二酸化ケイ素に代わる。
【0003】
コンデンサー誘電体の厚みの縮小化は、プロセス技術と崩壊電場の限界により、さらなるの突破は難しい。
さらに、面積を増大することは、軽薄短小の趨勢に相反するものである。特に、集積回路のプロセスに応用するとき、面積の増大は集積回路のコストアップの他、大きい面積は集積回路の低い収率を導く。
【0004】
トレンチ又は翼状構造にするとき、生産プロセスの困難度は収率の低下とコストアップの問題を引き起こす。
もし、その他の高誘電材料で二酸化ケイ素に取り代わるとき、生産プロセスは成熟したケイ素プロセスの許容性がないため、新たに強誘電材料に関する技術の開発が必要である。しかし、最も重要な課題は、これらの強誘電材料は半導体のケイ素プロセスに厳重な汚染問題を引き起こす恐れがあることである。
【0005】
一方、バリアコンデンサー領域の開発に成功している(特許文献1参照)。図1に示す通り、公知の技術は、一層の還元されたSr,Ba)TiO3セラミック材103(低い抵抗値)と一層の還元されたSr,Ba)TiO3セラミック材102(高い抵抗値)の結合により、バリアコンデンサー100を形成している。さらに、絶縁層の両側に一層の導電材料101と導電材料104を塗布して、コンデンサー電極の構造とする。結晶粒界106の高い抵抗値と結晶粒子105の低い抵抗値の特性を利用し、外部より電圧を両側の電極104に印加するとき、結晶粒子105自体の抵抗値は低いため、ほとんど電圧が印加されない。一方、結晶粒界106の高い抵抗値の特性により、電極101と電極104の電圧はほぼ全部結晶粒界106に印加されている。これを数式で表すと、下記の通りである。
【0006】
【数1】

【0007】
cは、二つの電極間の誘電体の厚さである。
Aは、誘電体の面積である。
r0は、誘電体の誘電係数である。
【0008】
図2に示す通り、結晶粒子202と結晶粒子302の抵抗値は結晶粒界201と結晶粒界301の抵抗値より遥かに低いため、電極203と電極204間、電極303と電極304間の電圧はほとんど結晶粒界201と結晶粒界301に印加されるため、数1の式を下記の通りに修正する。
【0009】
【数2】

【0010】
Nは、二つの金属層誘電体の厚みdcの中において、n個の誘電結晶粒子202と誘電結晶粒子302を有する。
【0011】
【数3】

【0012】
gは、結晶粒子202と結晶粒子302の直径の平均値である。
iは、結晶粒界201と結晶粒界301の幅の平均値である。
g>>diのため、通常、dg〜103i又はさらに高くなる。したがって、静誘電量は、元の1千倍に増加される。図3は、図2を理想化したミクロの構造図を示す。しかしながら、このような方法で作り出されたコンデンサーの誘電損失は、かなり大きい。誘電損失を数式で表すと、以下の通りである。
【0013】
【数4】

【0014】
gは、結晶粒子202と結晶粒子302の抵抗である。
iは、結晶粒界201と結晶粒界301の抵抗である。
低周波製品に応用するとき、抵抗係数が極めて大きい場合を除き、誘電損失は受けられないほど大きくなる。結晶粒子202と結晶粒子302の抵抗値を小さくすることに対し、結晶粒界201と結晶粒界301の抵抗を大きくしておき(そうしないと、数2は成立しない)、バリア層コンデンサー(Barrier Layer Capacitor)200とバリア層コンデンサー300の特徴を引き出している。
【0015】
【特許文献1】米国特許第2,520,376号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、一種の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造と製造方法の提供に関わるもので、一種の高容量コンデンサーに応用される構造と製造方法である。特に、半導体(一例として、ケイ素)集積回路の生産プロセスに応用するとき、高容量コンデンサーを作り出すことができるほか、半導体生産プロセスと完全に許容性を持っているため、他の高誘電材料のように、ケイ素プロセスに汚染する問題がなく、一部のコンデンサー生産プロセスにおける問題点を簡素化できる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造は、合成水晶半導体の結晶粒子の低い抵抗値と結晶粒界の高い抵抗値特性を利用して、コンデンサーを形成する。結晶粒子は周期表第3種又は周期表第5種のいずれかを混入及び高温活性化した合成水晶半導体があり、結晶粒界は酸素又は窒素化合物のいずれか又は両者が混合されている。
【0018】
本発明の半導体バリア結晶粒界コンデンサー構造の一つの例は、半導体材料層、合成水晶半導体、第1良導体、第2良導体及び絶縁層が含まれる。半導体材料層は、第1種の半導体材料区域を形成する。第1良導体と第1種雑質の半導体材料区域とを接続させ、合成半導体は第1種雑質を混入した半導体材料区域にスパッター加工する。合成半導体の内部にも第1種雑質及び第2種雑質を混入させ、合成水晶半導体上の局部に第2良導体をスパッター加工する。さらに、第1良導体と第1種雑質を混入した半導体材料区域に接続させる。合成水晶半導体は、第1種雑質の半導体材料区域上にスパッター加工する。第1良導体と第2良導体の間を合成水晶半導体で仕切っておく。合成水晶半導体と第1良導体は、上表面の周縁に絶縁層をスパッター加工する。
【0019】
本発明の半導体バリア結晶粒界コンデンサー構造の一つの例は、半導体材料層、合成水晶半導体、第1良導体、第2良導体及び絶縁層が含まれる。半導体材料層は、第1種の半導体材料区域を形成する。第1良導体と第1種雑質の半導体材料区域とを接続させ、合成半導体は第1種雑質を混入した半導体材料区域にスパッター加工する。合成半導体の内部にも第1種雑質及び第2種雑質を混入した上、合成水晶半導体上の局部に第2良導体をスパッター加工する。第1良導体と第2良導体との間を合成水晶半導体で仕切っておく。合成水晶半導体と第1良導体は、上表面の周縁に絶縁層をスパッター加工する。第2良導体の表面は、順番に一層以上の合成水晶半導体と良導体をスパッター加工する。さらに、追加された合成水晶半導体の内部にも第2種雑質を混入させる。追加された良導体は、交差して第1良導体又は第2良導体のいずれかに接続する。
【0020】
本発明の半導体バリア結晶粒界コンデンサー構造の一つの例は、半導体材料層、合成水晶半導体、第2種雑質を混入した半導体材料区域及び第2良導体が含まれる。半導体材料層に第1種雑質を混入させ、第2種雑質を混入した半導体材料区域を形成する。第1種雑質を混入した半導体材料区域に合成水晶半導体をスパッター加工するための井戸を設ける。さらに、合成水晶半導体は、井戸区域に対してポール穴区域が形成されている。第2良導体をその上にスパッター加工する。合成水晶半導体の内部にも第1種雑質及び第2種雑質が混入されている。
【0021】
本発明の半導体バリア結晶粒界の構造は、合成水晶半導体の結晶粒子の低い抵抗値と結晶粒界の高い抵抗値特性を利用して、コンデンサーを形成するとき、以下の段取りが含まれる。
【0022】
a.半導体材料区域より構成される半導体材料層の局部区域の表面は、外部に高濃度の第1種雑質を混入させ、第1種雑質の半導体材料区域を形成する。
b.第1種雑質の半導体材料区域の表面に合成水晶半導体をスパッター加工する。
c.混入方式にて高濃度の第1種雑質と第2種雑質をそれぞれ合成水晶半導体の内部に混入させる。
【0023】
d.合成水晶半導体の表面一層の良導体をスパッター加工して、コンデンサー素子のひな型を形成する。
e.最後に、コンデンサー素子のひな型を炉配管に送り込んで、高温活性化により合成水晶半導体の第1種雑質と第2種雑質に混入させる。
【0024】
本発明の半導体バリア結晶粒界コンデンサー製造方法の一つの例は、合成水晶半導体結晶粒子の低い抵抗値と結晶粒界の高い抵抗値特性を利用して、コンデンサーを形成するとき、以下の段取りが含まれる。
【0025】
a.半導体材料区域より構成される半導体材料層の局部区域の表面は、外部に高濃度の第1種雑質を混入させ、第1種雑質の半導体材料区域を形成する。
b.第1種雑質の半導体材料区域の表面に合成水晶半導体をスパッター加工する。
c.混入方式にて高濃度の第1種雑質と第2種雑質をそれぞれ合成水晶半導体の内部に混入させる。
【0026】
d.第1良導体をスパッター加工した上、第1良導体と第1種雑質を混合した半導体材料区域に接続させる。
e.合成水晶半導体上の局部区域に第2良導体をスパッター加工して、第1良導体と第2良導体を仕切っておく。
【0027】
f.第2良導体の表面に少なくとも一層以上の合成水晶半導体と良導体をスパッター加工するほか、追加された合成水晶半導体の内部に第1種雑質と第2種雑質を混入する。追加された良導体は、交差して順番に第1良導体又は第2良導体のいずれかに接続する。そして、合成水晶半導体と良導体を交差してスパッター加工した後、コンデンサー素子のひな型を形成する。
g.最後に、コンデンサー素子のひな型を炉配管に送り込んで、高温活性化により合成水晶半導体の第1種雑質と第2種雑質に混入させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施例1)
図4A〜図4Dによる本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造と製造方法の実施の段取りは、以下の通りである。
図4Aに示す通り、本実施例の材料として、半導体材料層401はケイ素系列のウエハーを使用する。半導体材料層401の半導体材料は、周期表第4種(ケイ素又はゲルマニウム)、周期表第3種(ホウ素)及び周期表第5種の元素(ヒ素)より構成される第35種の元素のうちの一つを使用する。
【0029】
図4Bに示すように、半導体材料層401の局部区域の表面の外部に1016〜1021atom/cm3の高濃度の第1種雑質を混入して、第1種雑質の半導体材料区域403を形成する。第1種雑質は、周期表第3種又は周期表第5種の元素のいずれかを使用する。その目的は、高い抵抗値の本質半導体材料(ケイ素)を低い抵抗値の雑質区域に転換して[第3種元素を混入してp型(p型ケイ素)を作り上げ、一方、第5種元素を混入してn型(n型ケイ素)を作り上げて]、本実施例の実施後の高誘電量素子の一つの電極となる。
【0030】
図4Cに示すように、第1種雑質を混入した半導体材料区域403の表面に化学気相成長法(CVD)又は物理的気相成長法(PVD)により合成水晶半導体402(合成水晶ケイ素)をスパッター加工する。合成水晶半導体402の半導体材料には、周期表第4種のケイ素を使用できる。
【0031】
その後、混入方式(イオン注入)にて前述した1016〜1021atom/cm3の高濃度の第1種雑質と第2種雑質をそれぞれ合成水晶半導体402の内部に混入させる。混入する第2種雑質は、酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混合したものを使用する。
【0032】
図4Dに示すように、合成水晶半導体402の表面の周縁にさらに絶縁層404をスパッター加工する。絶縁層404は、酸化ケイ素より構成される。
図4Eに示すように、合成水晶半導体402の表面に化学気相成長法(CVD)又は物理的気相成長法(PVD)により一層の良導体405(低い抵抗値及び高溶融点の導体をコンデンサー素子のもう一つの電極に構成する)をスパッター加工した後、コンデンサー素子400のひな型を形成する。
【0033】
最後に、コンデンサー素子400のひな型を炉配管に送り込んで、高温活性化(activate)により合成水晶半導体402の内部に第3種元素又は第5種元素を混入(注入)するほか、合成水晶半導体402(合成水晶ケイ素)の結晶粒界(grain boundary)を先に混入した酸素イオン又は窒素イオンで厚み60オングストローム(Å)以下の酸化ケイ素層又は窒化ケイ素層、もしくは、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の合成層(つまり、SiO2−Si34の組合せ層)に形成して、結晶粒界の抵抗を増やして、誘電体の漏電又は誘電損失を低減できる。
【0034】
本実施例の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの基本構造例は、図4Dに示すように、半導体材料層401と合成水晶半導体402とが含まれる。半導体材料層401の局部区域に外部より第1種雑質を混入して、第1種雑質の半導体材料区域403を形成する。合成水晶半導体402は、第1種雑質の半導体材料区域403上にスパッター加工する。さらに、合成水晶半導体402の内部にも第2種雑質が混入されている。合成水晶半導体402の表面の周縁にさらに絶縁層404をスパッター加工する。合成水晶半導体402の表面に良導体405をスパッター加工する。
【0035】
図5A〜図5Gに示す本発明の好ましい実施例の段取りは、以下の通りである。
図5Aに示すように、本実施例の材料として、半導体材料層401Aはケイ素系列のウエハーを使用する。半導体材料層401Aの半導体材料は、周期表第4種(ケイ素又はゲルマニウム)、周期表第3種(ホウ素)及び周期表第5種の元素(ヒ素)より構成される第35種の元素のうちの一つを使用する。
【0036】
図5Bに示すように、半導体材料層401Aの局部区域の表面は外部に1016〜1021atom/cm3のような高濃度の第1種雑質を混入して、第1種雑質の半導体材料区域403Aを形成する。第1種雑質は、周期表第3種又は周期表第5種の元素のいずれかを使用する。その目的は、高い抵抗値の本質半導体材料(ケイ素)を低い抵抗値の雑質区域に転換して[第3種元素を混入してp型(p型ケイ素)を作り上げ、一方、第5種元素を混入してn型(n型ケイ素)を作り上げて]、本実施例の実施後の高誘電素子の一つの電極となる。
【0037】
図5Cに示すように、第1種雑質を混入した半導体材料区域403Aの表面に化学気相成長法(CVD)又は物理的気相成長法(PVD)により合成水晶半導体402A(合成水晶ケイ素)をスパッター加工する。合成水晶半導体402Aの半導体材料は、周期表第4種のケイ素(ゲルマニウムを使用しても良い)を使用できる。
【0038】
その後、混入方式(イオン注入)にて前述した1016〜1021atom/cm3の高濃度の第1種雑質と第2種雑質をそれぞれ合成水晶半導体402Aの内部に混入させる。混入する第2種雑質は、酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混合したものを使用する。
【0039】
図5Dに示すように、化学気相成長法(CVD)又は物理的気相成長法(PVD)により第1良導体406Aをスパッター加工する。第1良導体406Aと第1種雑質を混入した半導体材料区域403Aを接続させる。第1良導体406Aの抵抗係数が低く、溶融点が高い良導体を使用する。
【0040】
図5Eに示すように、合成水晶半導体402Aの表面の周縁にさらに絶縁層404Aをスパッター加工する。絶縁層404Aは、酸化ケイ素より構成される。
図5Fに示すように、合成水晶半導体402A上の局部区域に第2良導体405Aをスパッター加工する。第1良導体406Aと第2良導体405Aの間は、合成水晶半導体402Aで仕切っておく。このプロセスまでは、本発明で単独に実施可能な実施例を構成する。
【0041】
図5Gに示すように、第2良導体405Aの表面に少なくとも順番に一層以上の合成水晶半導体402Aと良導体をスパッター加工する。追加された合成水晶半導体402Aの内部にも第1種雑質と第2種雑質を混入している。追加された良導体は、交差して順番に第1良導体406A又は第2良導体405Aのいずれかに接続する。さらに、第1良導体406A又は第2良導体405Aは、抵抗係数が低く、溶融点が高い良導体である。これは、コンデンサー素子の一つの電極となる。このように、交差して合成水晶半導体402Aと良導体をスパッター加工する目的は、コンデンサー素子の等価面積を増大することにある。図5Gに示すのは、コンデンサー素子400Aのひな型を形成したものである。
【0042】
最後に、コンデンサー素子400Aのひな型を炉配管に送り込んで、高温活性化(activate)により合成水晶半導体402Aの内部に第3種元素又は第5種元素を混入(注入)するほか、合成水晶半導体402A(合成水晶ケイ素)の結晶粒界(grain boundary)を先に混入した酸素イオン又は窒素イオンで厚み60オングストローム(Å)以下の酸化ケイ素層又は窒化ケイ素層、もしくは、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の合成層(つまり、SiO2−Si34の組合せ層)に形成して、結晶粒界の抵抗を増やして、誘電体の漏電又は誘電損失を低減できる。
【0043】
本実施例の半導体バリア結晶粒界コンデンサー構造の好ましい実施例の一つは、半導体材料層401A、合成水晶半導体402A、第1良導体406A、第2良導体405A及び絶縁層404Aが含まれる。半導体材料層401Aは、第1種の半導体材料区域403Aを形成する。第1良導体406Aと第1種雑質の半導体材料区域403Aとを接続させ、合成半導体402Aは第1種雑質を混入した半導体材料区域403Aにスパッター加工する。合成半導体402Aの内部にも第1種雑質及び第2種雑質を混入した上、合成水晶半導体402A上の局部に第2良導体405Aをスパッター加工する。第1良導体406Aと第2良導体405Aとの間は、合成水晶半導体402Aで仕切っておく。合成水晶半導体402Aと第1良導体406Aは、上表面の周縁に絶縁層404Aをスパッター加工する。(このプロセスまでは、本発明で単独に実施可能な実施例を構成する。)第2良導体405Aの表面は、順番に一層以上の合成水晶半導体402Aと第1良導体をスパッター加工する。さらに、追加された合成水晶半導体402Aの内部にも第1種雑質と第2種雑質を混入させる。追加された良導体は、交差して第1良導体406A又は第2良導体405Aのいずれかに接続する。
【0044】
(実施例2)
本発明の実施例2による半導体バリア結晶粒界コンデンサー構造は、前述した製造方法により実施する。ただし、半導体材料層401Bにくぼみ(番号を振り付けていないが、後に説明する井戸(W)と重なる)を形成している。くぼみは、半導体材料層401Bの表面に第1種雑質を混入した後、井戸(W)を形成する。図6に示すように、本発明の実施例2は、半導体材料層401B(単結晶ケイ素層又は第1良導体)、合成水晶半導体402B、第1種雑質を混入した半導体材料区域403B及び第2良導体405Bが含まれる。第1種雑質を混入した半導体材料区域403Bは、合成水晶半導体402Bをスパッターするための井戸(W)を設けている。合成水晶半導体402Bは、井戸区域(W)に対称したポール穴区域(V)を設け、第2良導体405Bをこの上にスパッター加工する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】公知のケイ素バリア結晶粒界コンデンサー構造の概略図である。
【図2】公知のケイ素バリア結晶粒界コンデンサー構造の模式図である。
【図3】公知のケイ素バリア結晶粒界コンデンサーの理想化した構造の模式図である。
【図4A】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図4B】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図4C】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図4D】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図4E】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造を示す概略図である。
【図5A】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図5B】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図5C】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図5D】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図5E】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図5F】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造の製造方法を示す概略図である。
【図5G】本発明の実施例1による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造を示す概略図である。
【図6】本発明の実施例2による半導体バリア結晶粒界コンデンサーの構造を示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
400 コンデンサー素子、400A コンデンサー素子、401 半導体材料層、401A 半導体材料層、401B 半導体材料層、402 合成水晶半導体、402A 合成水晶半導体、402B 合成水晶半導体、403 半導体材料区域、403A 半導体材料区域、403B 半導体材料区域、404 絶縁層、404A 絶縁層、405 良導体、405A 第2良導体、405B 第2良導体、406A 第1良導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成半導体結晶粒子の低い抵抗値と結晶粒界の高い抵抗値の特性を利用して、コンデンサーを形成し、半導体と合成半導体の材料は周期表第4種、周期表第3種及び周期表第5種の元素より構成される35種の元素のうちの一つを使用し、結晶粒子は周期表第3種又は周期表第5種の元素のうちの一つの合成半導体を混入及び高温活性化したものであり、結晶粒界は酸素又は窒素化合物のいずれか又は両者を混合することを特徴とする半導体バリア結晶粒界の構造。
【請求項2】
半導体材料層、合成水晶半導体、第1良導体、第2良導体及び絶縁層を含み、半導体材料層及び合成半導体の半導体材料は周期表第4種、周期表第3種及び周期表第5種の元素より構成された第35種の元素の一つを使用し、半導体材料層の局部は外部に第1種雑質を混合して、第1種の半導体材料区域を形成し、混合された第1種雑質は周期表第3種又は周期表第5種の元素のうちのいずれかを使用し、第1良導体と第1種雑質の半導体材料区域とを接続させ、合成半導体は第1種雑質を混入した半導体材料区域にスパッター加工し、合成半導体の内部にも第1種雑質及び第2種雑質を混入させ、混入された第2種雑質は酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混合した後、合成水晶半導体上の局部に第2良導体をスパッター加工し、第1良導体と第2良導体の間は合成水晶半導体で仕切っておき、第1良導体と第2良導体は抵抗係数が低く、高溶融点の良導体であることを特徴とする半導体バリア結晶粒界の構造。
【請求項3】
半導体材料層、合成半導体、第1良導体、第2良導体及び絶縁層が含まれ、半導体材料層及び合成水晶半導体の半導体材料は周期表第4種、周期表第3種及び周期表第5種の元素より構成される第35種の元素の一つを使用し、半導体材料層の局部は外部より第1種雑質を混合して、第1種の半導体材料区域を形成させ、混合された第1種雑質は周期表第3種又は周期表第5種の元素のうちの一つを使用し、第1良導体と第1種雑質の半導体材料区域とを接続させ、合成水晶半導体は第1種雑質を混入した半導体材料区域にスパッター加工し、合成水晶半導体の内部にも第1種雑質及び第2種雑質を混入させ、混入された第2種雑質は酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混合した後、合成水晶半導体上の局部に第2良導体をスパッター加工し、第1良導体と第2良導体の間を合成水晶半導体で仕切っておき、第1良導体及び第2良導体は抵抗係数が低く、高溶融点の良導体であることを特徴とする半導体バリア結晶粒界の構造。
【請求項4】
半導体材料層、合成水晶半導体、第1種雑質を混入した半導体材料区域及び第2良導体が含まれ、半導体材料層及び合成水晶半導体材料層の半導体材料は周期表第4種、周期表第3種及び周期表第5種の元素より構成される第35種の元素のうちの一つであり、半導体材料層の上に第1種雑質を混合して、第1種雑質を混合した半導体材料区域を形成し、混合した第1種雑質は周期表第3種又は周期表第5種の元素のいずれかであり、第1種雑質の半導体材料区域に井戸が設けられて合成水晶半導体をその上にスパッター加工し、第2良導体の封入のため、合成水晶半導体の井戸に対応してポール穴(pole hole)区域を形成し、合成水晶半導体にも第1種雑質と第2種雑質を混入し、混入された第2種雑質は酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混入することを特徴とする半導体バリア結晶粒界の構造。
【請求項5】
合成水晶半導体の結晶粒子の低い抵抗値と結晶粒界の高い抵抗値特性を利用して、コンデンサーを形成するとき、以下の段取りを含み、
a.半導体材料より構成される半導体材料層の局部区域の表面の外部に高濃度の第1種雑質を混入させ、第1種雑質の半導体材料を混入した第1種雑質の半導体材料区域を形成し、半導体材料は周期表第4種、周期表第3種及び周期表第5種の元素より構成される第35種の元素のうちの一つであり、混入された第1種雑質は周期表第3種か周期表第5種の元素のいずれかを使用し、
b.第1種雑質の半導体材料区域の表面に合成水晶半導体をスパッター加工し、
c.その後、混入方式にて高濃度の第1種雑質と第2種雑質をそれぞれ合成水晶半導体の内部に混入させ、第2種雑質は酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混合したものを使用し、
d.合成水晶半導体の上部の表面に一層の良導体をスパッター加工して、コンデンサー素子のひな型を形成し、良導体は抵抗値が低く、溶融点が高く、
e.最後に、コンデンサー素子のひな型を炉配管に送り込んで、高温活性化により合成水晶半導体の第1種雑質と第2種雑質に混入させることを特徴とする半導体バリア結晶粒界コンデンサーの製造方法。
【請求項6】
段取りaの第1種雑質、段取りcの第1種雑質及び段取りcの第2種雑質の濃度は、1016〜1021atom/cm3であることを特徴とする請求項5の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの製造方法。
【請求項7】
段取りeは、合成水晶半導体の結晶粒界を元の第2種雑質より酸化させ、一層の化合物を形成し、形成された化合物の厚みは60オングストローム(Å)以下であることを特徴とする請求項5の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの製造方法。
【請求項8】
合成水晶半導体の結晶粒子の低い抵抗値と結晶粒界の高い抵抗値特性を利用して、コンデンサーを形成するとき、以下の段取りを含み、
a.半導体材料より構成される半導体材料層の局部区域の表面の外部に高濃度の第1種雑質を混入させ、第1種雑質の半導体材料を混入した第1種雑質の半導体材料区域を形成し、半導体材料層の半導体材料は周期表第4種、周期表第3種及び周期表第5種の元素より構成される第35種の元素のうちの一つであり、混入された第1種雑質は周期表第3種か周期表第5種の元素のいずれかを使用し、
b.第1種雑質の半導体材料区域の表面に合成水晶半導体をスパッター加工し、
c.その後、混入方式にて高濃度の第1種雑質と第2種雑質をそれぞれ合成水晶半導体の内部に混入させ、第2種雑質は酸素元素又は窒素元素のいずれか又は両者を混合したものを使用し、
d.第1良導体をスパッター加工した上、第1良導体と第1種雑質を混合した半導体材料区域に接続させ、
e.合成水晶半導体上の局部区域に第2良導体をスパッター加工して、第1良導体と第2良導体を仕切っておき、
f.第2良導体の表面に少なくとも一層以上の合成水晶半導体と良導体をスパッター加工するほか、追加された合成水晶半導体の内部に第1種雑質と第2種雑質を混入し、追加された良導体は交差して順番に第1良導体又は第2良導体のいずれかに接続し、合成水晶半導体と良導体を交差してスパッター加工した後、コンデンサー素子のひな型を形成し、
g.最後に、コンデンサー素子のひな型を炉配管に送り込んで、高温活性化により合成水晶半導体の第1種雑質と第2種雑質に混入させることを特徴とする半導体バリア結晶粒界コンデンサーの製造方法。
【請求項9】
段取りaの第1種雑質、段取りcの第1種雑質及び段取りcの第2種雑質の濃度は、1016~1021atom/cm3であることを特徴とする請求項8の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの製造方法。
【請求項10】
段取りeは、合成水晶半導体の結晶粒界を元の第2種雑質より酸化させ、一層の化合物を形成し、形成された化合物の厚みは60オングストローム(Å)以下であることを特徴とする請求項8の半導体バリア結晶粒界コンデンサーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−36136(P2007−36136A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221173(P2005−221173)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(505287427)
【Fターム(参考)】