半導体発光デバイス及びその作製方法
発光デバイス及びそれを作製する方法が開示される。発光デバイスは、青色光又は紫外線を放射し、半導体構造体に取り付けられている発光ダイオード(LED)を含む。半導体構造体は、II〜VI族化合物の少なくとも1層を含み、放射された青色光又は紫外線の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換する再発光半導体構造体を含む。半導体構造体は、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップは、InPをエッチングできるエッチャントに耐えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して半導体発光デバイスに関する。本発明は特に、1つ以上のII−VI族化合物を含む半導体発光デバイスに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
発光デバイスは、投射型ディスプレイシステム、液晶ディスプレイ用のバックライトなどを含む、多種多様な用途で使用される。投射システムは、通常、高圧水銀ランプなど、1つ以上の白色光源を使用する。白色光線は、通常、3原色、すなわち、赤色、緑色、及び青色に分かれ、それぞれの画像形成空間光変調器へと導かれて、原色ごとに画像を生成する。得られる原色画像ビームは、組み合わされ、見るために投射スクリーン上に投射される。
【0003】
ごく最近では、発光ダイオード(LED)が白色光源の代替物として考えられている。LEDは、従来の光源に匹敵する輝度及び動作寿命を提供する可能性を有する。しかし、現在のLED、特に緑色の発光LEDは、比較的非効率である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光源は、一般に、体積が大きく、1つ以上の原色の放射において非効率であり、集積困難であり、それらを用いる光学システムにおいてサイズ及び電力消費の増大を招く傾向にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、本発明は半導体発光デバイスに関する。一実施形態では、発光デバイスは、青色光又は紫外線を放射し、半導体構造体に取り付けられた発光ダイオード(LED)を含む。半導体構造体は、II−VI族化合物の少なくとも1層を含み、放射される青色光又は紫外線の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換する再発光半導体構造体を含む。半導体構造体は、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップは、InPをエッチングできるエッチャントに耐えることができる。
【0006】
別の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントによってエッチングすることができるInPを含む基板を含む。半導体構造体は、この基板上にモノリシックに成長し、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップ構造体は、第1のエッチャントに耐えることができる。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸を含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む。
【0007】
他の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントによってエッチングすることができるGaAsを含む基板を含む。半導体構造体は、基板上にモノリシックに成長し、第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体を更に含む。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族ポテンシャル井戸を含む再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる。
【0008】
他の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントによってエッチングすることができるGeを含む基板を含む。半導体構造体は、基板上にモノリシックに成長し、(Al)GaInAs、(Al)GaAs、AlInP、GaInP、又はAl(Ga)AsPを含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップ構造体は、第1のエッチャントに耐えることができる。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる、再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸を含む。再発光半導体構造体は、ポテンシャル井戸に密接に隣接し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む。
【0009】
他の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントに耐えることができる半導体基板を含む。半導体構造体は、基板上にモノリシックに成長し、第1のエッチャントによってエッチングすることができる半導体犠牲層を更に含む。半導体構造体は、犠牲層上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸を含む。再発光半導体構造体は、ポテンシャル井戸に密接に隣接し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む。少なくとも再発光半導体構造体中のいくつかの層は、第1エッチャントに耐えることができる。
【0010】
別の実施形態では、半導体システムは、第1の基板上にモノリシック集積化されている複数の別個の光源を含む。半導体システムは、第1のエッチャントによってエッチングすることができる第2の基板を含む半導体構造体を更に含む。半導体構造体は、第2の基板上にモノリシックに成長し、第1のエッチャントに耐えることができるエッチストップ構造体を更に含む。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、複数の別個の光源のそれぞれによって放射される光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができる再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、複数の別個の光源に取り付けられ、それらを被覆する。
【0011】
別の実施形態では、半導体構造体を作製する方法は、(a)基板を準備する工程と、(b)基板上にエッチストップ層をモノリシックに成長させる工程と、(c)エッチストップ層上にポテンシャル井戸をモノリシックに成長させる工程と、(d)ポテンシャル井戸を光源に接合する工程と、(e)エッチストップ層が耐えることができる第1のエッチャントによって基板を除去する工程と、(f)エッチストップ層を第2のエッチャントによって除去する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面と共に以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明がより完全に理解及び評価されよう。
【図1】発光デバイスの概略的側面図。
【図2A】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2B】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2C】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2D】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2E】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2F】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図3】発光デバイスの概略的側面図。
【図4】図3の発光デバイスの一部分の概略的側面図。
【図5A】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5B】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5C】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5D】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5E】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【0013】
多数の図で使用される同一の参照番号は、同一又は類似の特性及び機能を有する同一又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願は、半導体光源及び半導体波長変換器を含む半導体発光デバイスを作製する方法を開示する。特に、開示される方法は、波長変換器、及び2つ以上の異なる半導体族からの光源の、効率的で、コンパクトで、低コストの集積化を可能にする。例えば、本願は、半導体波長変換器を半導体光源と集積化する方法を教示し、従来の半導体プロセス方法を使用して一方をもう一方の上に、高品質でモノリシックに成長させることは不可能であるか、又は実用的ではない。
【0015】
ある場合では、半導体波長変換器及び光源は、III〜V族など同じ半導体族からのものである。このような場合では、例えば、III〜V族波長変換器をIII〜V族LEDなどのIII〜V族光源の上に直接モノリシックに成長させ、作製することは実行可能であることもある。しかしながら、ある場合では、高い変換効率及び/又は他の望ましい特性を有する波長変換器は、LEDが属する族とは異なる半導体族からのものである。そのような場合では、一方のコンポーネントを他方の上に高品質に成長させることは不可能であるか、又は実現不可能な場合がある。例えば、波長変換器はII〜VI族からのものであることがあり、LEDなどの光源は、III〜V族からのものであることがある。このような場合において、本願は、まず波長変換器を好適な基板上に作製し、次いでこの波長変換器を光源に取り付けることによって、波長変換器を効率的に光源と集積化させることにより、発光デバイスを作製する方法を開示する。基板は、取り付けの前又は後に除去することができる。開示される方法は、波長変換器若しくは発光デバイスの性能及び/又は特性に影響を及ぼすことなく基板を除去することを可能にする。
【0016】
ある場合では、波長変換器は、光を、より長い波長の光に変換できる、半導体ポテンシャル又は量子井戸などのポテンシャル若しくは量子井戸を含むことができる。開示される方法は、II〜VI族などの半導体族からの1つ以上のポテンシャル井戸又は量子井戸を含み、III〜V族などの異なる半導体族からのLEDなどの光源と集積化される、半導体構造体及び発光デバイスを効率的に作製するために利用することができる。開示される作製方法は、例えば、安価で、入手しやすく、加工しやすい(例えばエピタキシャル積層体の層からの除去が容易である)基板などのコンポーネントを使用することによって、作製コストの低減を可能にする。
【0017】
ある場合では、LEDなどの光源は半導体族に属し、スペクトルの効率領域で動作することができ、すなわち、光源が高効率かつ高輝度で光を放射することができる。このような場合、同じ半導体族に属する好適な(例えば、高効率な)波長変換器が無い可能性がある。例えば、光源はIII〜V族のLEDであることができ、好適な波長変換器は、LEDによって放射された光を、高効率で、高輝度で、小さい分散など所望の特性を備えた、より長い波長の光に下方変換することができるII〜VI族のポテンシャル井戸又は量子井戸であることができる。波長変換器は、開示される方法を使用して、LEDと集積化させることができ、コンパクトで、軽量で、安価な発光デバイスが得られる。このような発光デバイスは、例えばスペクトルの可視領域において、異なる波長で全体的に高効率で光を放射することができる。発光デバイスは、例えば、1つ以上の原色又は白色光を出力するように設計することができる。開示される発光デバイスの発光効率及びコンパクトさは、重量、サイズ、及び消費電力が低減された携帯型の投射システムなど、新規の改良された光学システムをもたらすことができる。
【0018】
ある場合では、開示される方法は、ポテンシャル井戸波長変換器などの波長変換器を、(その上で波長変換器を擬似格子整合して(pseudomorphic)又は格子整合して成長することができる基板など)好適な基板上に作製するために利用することができる。ある場合では、基板を除去することが望ましい。例えば、基板は光学的に不透明及び/又は望ましくなく厚い場合がある。そのような場合では、基板は、基板全体が除去されるまでエッチングされてもよく、しかし、基板が厚いため、波長変換器のエッチングを避けるのは難しい。更に、得られるエッチングされた表面は、受け入れ難いほど粗く、例えば、波長変換器の性能に影響を与えることがある。
【0019】
本願において開示される方法は、波長変換器及び/又は発光デバイスに、全く若しくはほとんど悪影響を及ぼすことなく基板の除去を可能にする。ある場合では、1つ以上の薄いエッチストップ層が、波長変換器と基板の間に配置されてもよく、よって基板は、例えばエッチストップ層をエッチングしないか、又はわずかにエッチングするのみのエッチャントを使用して除去することができる。このような場合において、エッチストップ層は、エッチャントから波長変換器を効果的に保護することができる。ある場合では、エッチストップ層は、発光デバイス内に保持されてもよい。いくつかの他の場合では、薄いエッチストップ層は、例えば波長変換器に影響を与えないエッチャントを使用することによって除去することができる。
【0020】
ある場合では、1つ以上の犠牲層が波長変換器と基板の間に配置されてもよい。このような場合では、犠牲層は、波長変換器によって、またある場合では、基板によっても耐えられ得るエッチャントによってエッチングすることができる。したがって、基板は、波長変換器の特性に悪影響を与えることなく、犠牲層をエッチングすることによって除去することができる。
【0021】
開示される方法は、単色(例えば、緑色、又は緑及び黒色)又はカラーの画像を形成するために、光源の集積化されたアレイを作製するのに利用することができる。このような開示される発光デバイス(light emitted device)のアレイは、光源及び画像形成デバイスの主要機能を組み合わせることができ、消費電力、サイズ、及びコストの低減となる。例えば、ディスプレイシステムでは、開示される発光デバイスは、光源及び画像形成デバイスの両方として機能し、それによってバックライト若しくは空間光変調器の必要性を排除するか、又は低減することができる。別の例として、開示される発光デバイスを投射システムに組み込むことは、画像形成デバイス及びリレー光学系の必要性を排除するか、又は低減させる。
【0022】
ディスプレイシステムにおけるピクセルのアレイなどの発光素子のアレイが開示され、そこでは発光素子のうちの少なくとも一部が、電気信号に応答して光を放射することができるエレクトロルミネセントデバイス(LEDなど)を含む。発光素子の少なくとも一部は、エレクトロルミネセントデバイスによって放射されている光を下方変換する、1つ以上のポテンシャル井戸及び/又は量子井戸など、1つ以上の光変換素子を含むことができる。本明細書で使用するとき、下方変換は、変換された光の波長が、変換されていない光又は入射光の波長よりも大きいことを意味する。
【0023】
本出願で開示される発光素子のアレイは、例えば、投射システム又は他の光学システムで使用するための、適応照明システムなどの照明システムで使用することができる。
【0024】
図1は、半導体構造体105に取り付けられた光源110を含む発光デバイス100の概略的側面図である。半導体構造体105は、基板180、基板180上にモノリシックに成長したエッチストップ構造体170、及びエッチストップ構造体170上にモノリシックに成長したモノリシック再発光半導体構造体190を含む。再発光半導体構造体は、光源110によって放射される光の少なくとも一部分を吸収し、吸収された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光として再放射する。例えば、光源110は、紫外線を放射することができ、再発光半導体構造体は、青色、緑色、又は赤色光を再放射することができる。別の実施例として、光源110は青色光を放射することができ、再発光半導体構造体は、緑色又は赤色光を再放射することができる。
【0025】
本明細書で使用するとき、モノリシック集積化は、同一の基板(共通基板)上に作製され、その同一の基板上で最終用途に使用される2つ以上の電子デバイスを含むが、必ずしもこれだけに限定するものではない。ユニットとして別の基板に移されるモノリシック集積化デバイスは、モノリシック集積化されたままである。代表的な電子デバイスとしては、LED、トランジスタ、及びコンデンサが挙げられる。
【0026】
2つ以上の素子それぞれの諸部分がモノリシック集積化されている場合、2つの素子は、モノリシック集積化されているものと見なされる。例えば、2つの発光デバイスは、例えば2つの要素内の光源がモノリシック集積化されている場合、モノリシック集積化されている。これは、例えば各素子内の光変換コンポーネントが、対応する光源に接着剤で接合されている場合でも言えることである。
【0027】
発光デバイスのアレイが半導体層を含む場合では、発光デバイスのアレイは、デバイスが同一の基板上に製造されるとき、及び/又はそれらが共通の半導体層を含むとき、モノリシック集積化されている。例えば、各発光デバイスがn型半導体層を含む場合、それらの発光デバイスは、n型半導体層がそれらの発光デバイスにわたって延びる場合にはモノリシック集積化されている。このような場合では、発光デバイス内のn型半導体層は、発光デバイスのアレイにわたって連続層を形成する。
【0028】
ある場合では、基板180及び/又はエッチストップ構造体170が、光学的に不透明及び/又は受け入れ難いほどに厚いときなど、基板及び/又はエッチストップ構造体は発光デバイスから除去されてもよい。
【0029】
概して、光源110は所望の波長で、又は所望の波長範囲で光を放射することができるいずれかの光源であってもよい。例えば、ある場合では、光源110は、青色光又は紫外線を放射するLEDであってもよい。ある場合では、光源110は、III〜V族LEDなどのIII〜V族半導体光源であってもよく、AlGaInN半導体合金を含んでもよい。例えば、光源110はGaN系LEDであってもよい。
【0030】
ある場合では、光源110は、1つ以上のp型及び/又はn型半導体層、1つ以上のポテンシャル及び/又は量子井戸を含み得る1つ以上の活性層、バッファー層、基板層、並びにスーパーストレート(superstrate)層を含むことができる。
【0031】
光源110は、ホットメルト接着剤などの接着剤、溶接、加圧、熱、又はこのような方法の任意の組み合わせなどの任意の好適な方法によって、あるいは用途において望ましいことのある他の方法によって、半導体構造体105に取り付けることができるか、又は接合することができる。好適なホットメルト接着剤の例としては、半結晶ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、及びアクリル樹脂が挙げられる。
【0032】
他の代表的な接着材料には、Norland 83H(Cranbury NJのNorland Productsによって供給されている)などのアクリレート系光学接着剤、Scotch−Weld瞬間接着剤(St.Paul,MNの3M Companyによって供給されている)などのシアノアクリレート、Cyclotene(商標)(Midland,MIのDow Chemical Companyによって供給されている)などのベンゾシクロブテン、CrystalBond(Redding CAのTed Pella Inc.)などの透明ワックス;ケイ酸ナトリウム系の液状ガラス、水ガラス若しくは溶解性ガラス、及びスピンオンガラス(SOG)など、を含む、光学的に透明なポリマー接着剤などの、光学的に透明なポリマー材料が挙げられる。
【0033】
ある場合では、光源110は、ウエファー接合技法によって半導体構造体105に取り付けることができる。例えば、図1を参照すると、光源110の最下方面及び半導体構造体105の最上方面は、例えば、プラズマCVDプロセス又は従来のCVDプロセスを使用して、シリカ又は他の無機材料の薄い層でコーティングすることができる。次に、コーティングされた面を、任意に平坦化し、熱、加圧、水、又は1つ以上の化学剤の組み合わせを使用して互いに接合することができる。接合は、コーティングされた面のうちの少なくとも一方に水素原子を衝突させることによって、又は低エネルギープラズマで一方又は両方の面を活性化させることによって、改善することができる。ウエファー接合方法は、例えば、米国特許第5,915,193号及び同第6,563,133号、並びにQ.−Y.Tong and U.Gosele(John Wiley & Sons,New York,1999)の第4章及び第10章に記載されている。
【0034】
再発光半導体構造体190は、第1のウィンドウ120及び第2のウィンドウ160をそれぞれ、第1の吸収層130及び第2の吸収層150をそれぞれ、並びにポテンシャル井戸140を含む。再発光半導体構造体190は、青色光又は紫外線など、光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができるII〜VI族の化合物の少なくとも1つの層を含む。ある場合では、II〜VI族の波長変換器は、II〜VI族ポテンシャル又は量子井戸を含む。
【0035】
本明細書で使用するとき、ポテンシャル井戸は、キャリアを1つの次元内だけに閉じ込めるように設計された多層半導体構造内の半導体層(1つ又は複数)を意味しており、その際、半導体層(1つ又は複数)は、周囲の層よりも低い伝導帯エネルギー、及び/又は周囲の層よりも高い価電子帯エネルギーを有する。量子井戸は、一般に、量子化効果が井戸内の電子−正孔の対の再結合のためのエネルギーを増大させるほど十分に薄いポテンシャル井戸を意味する。量子井戸は、通常、約100nm以下又は約10nm以下の厚さを有する。
【0036】
ある場合では、ポテンシャル又は量子井戸140は、光源110によって放射される光子のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有するII−VI族半導体ポテンシャル又は量子井戸を含む。概して、ポテンシャル又は量子井戸140のポテンシャル井戸遷移エネルギーは、ポテンシャル又は量子井戸によって再放射される光子のエネルギーに実質的に等しい。
【0037】
ある場合では、ポテンシャル井戸140は、合金の3つの構成要素として化合物ZnSe、CdSe、及びMgSeを有する、CdMgZnSe合金を含むことができる。ある場合では、Cd、Mg、及びZnのうちの1つ以上、特にMgは、合金に存在しなくてもよい。例えば、ポテンシャル井戸140は、赤色で再放射することができるCd0.70Zn0.30Se量子井戸、又は緑色で再放射することができるCd0.33Zn0.67Se量子井戸を含むことができる。別の例として、ポテンシャル井戸140は、Cd、Zn、Se、及び所望によりMgの合金を含むことができ、その場合、合金系は、Cd(Mg)ZnSeによって表すことができる。別の例として、ポテンシャル井戸140は、Cd、Mg、Se、及び所望選択のZnの合金を含むことができる。ある場合では、ポテンシャル井戸はZnSeTeを含むことができる。ある場合では、量子井戸140は、約1nm〜約100nm、又は約2nm〜約35nmの範囲の厚さを有する。
【0038】
ある場合では、ポテンシャル井戸140は、光源110によって放射される光の一部分を、より長い波長の光に変換することができる。ある場合では、ポテンシャル井戸140は、II〜VI族のポテンシャル井戸を含むことができる。一般に、ポテンシャル井戸140は、任意の伝導及び/又は価電子帯プロファイルを有することができる。ポテンシャル井戸についてのいくつかの代表的な伝導帯プロファイルが、図2A〜2Fに概略的に示されており、ECは、伝導帯エネルギーを表す。具体的には、図2Aに示されるポテンシャル井戸210は、正方形又は矩形プロファイルを有し、図2Bに示されるポテンシャル井戸220は、第2の矩形プロファイル222及び第3の矩形プロファイル223と組み合わされた第1の矩形プロファイル221を有し、図2Cに示されるポテンシャル井戸230は、直線的に傾斜したプロファイルを有し、図2Dに示されるポテンシャル井戸240は、矩形プロファイル242と組み合わされた、直線的に傾斜したプロファイル241を有し、図2Eに示されるポテンシャル井戸250は、放物線状など、湾曲したプロファイルを有し、図2Fに示されるポテンシャル井戸260は、矩形プロファイル262と組み合わされた放物線状プロファイル261を有する。
【0039】
ある場合では、ポテンシャル井戸140は、nドープ又はpドープされていてよく、その際、ドーピングは、任意の好適な方法によって、及び任意の好適なドーパントを含めることによって、達成することができる。ある場合では、光源110及び再発光半導体構造体190は、2つの異なる半導体族からのものであってもよい。例えば、ある場合では、光源110は、III〜V族半導体デバイスであってもよく、再発光半導体構造体190は、II〜VI族半導体デバイスであってもよい。ある場合では、光源110は、AlGaInN半導体合金を含むことができ、再発光半導体構造体190は、Cd(Mg)ZnSe半導体合金を含むことができる。
【0040】
ある場合では、発光デバイス100は、単一ポテンシャル井戸を有してもよい。ある場合では、発光デバイス100は、少なくとも2つのポテンシャル井戸、又は少なくとも5つのポテンシャル井戸、又は少なくとも10のポテンシャル井戸を有してもよい。
【0041】
第1の吸収層130及び第2の吸収層150は、ポテンシャル井戸140に近接して、LED 110から放射される光の吸収を助ける。ある場合では、吸収層は、材料内の光生成キャリアがポテンシャル井戸に効率良く拡散できるような材料を含む。ある場合では、光吸収層は、II〜VI族半導体など、無機半導体などの半導体を含んでもよい。例えば、吸収層130及び150の少なくとも1つは、Cd(Mg)ZnSe半導体合金を含んでもよい。
【0042】
ある場合では、光吸収層は、光源110によって放射される光子のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。そのような場合では、光吸収層は、光源によって放射される光を強力に吸収することができる。ある場合では、光吸収層は、ポテンシャル井戸140の遷移エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。そのような場合では、光吸収層は、ポテンシャル井戸によって再放射される光に対して、実質的に、光学的に透明である。
【0043】
ある場合では、光吸収層130及び150の少なくとも1つは、ポテンシャル井戸140に密接に隣接してもよく、すなわち、1つ又は数個の介在層が吸収層とポテンシャル井戸との間に配置されてもよい。ある場合では、光吸収層130及び150の少なくとも1つは、ポテンシャル井戸140に直接隣接してもよく、すなわち、いずれの介在層も吸収層とポテンシャル井戸との間に配置されない。
【0044】
例示の発光デバイス100は、2つの光吸収層130及び150を含む。概して、発光デバイスは、吸収層を有さなくても、1つ、2つ、又は2つを超える吸収層を有してもよい。概して、光吸収層は、ポテンシャル井戸140に十分密接しており、よって光吸収層内の光生成キャリアは、ポテンシャル井戸に拡散する適切な機会を有する。
【0045】
第1のウィンドウ120及び第2のウィンドウ160は、主としてバリアを提供するように設計され、よって吸収層で光生成される電子−正孔対などのキャリアは、自由又は外部面(再発光半導体構造体190の面122など)に移動しないか、又は移動する可能性が少ない。例えば、第1のウィンドウ120は主として、光源110によって放射される光によって第1の吸収層130に生成されるキャリアが、それらが非放射的に再結合することのある面22に移動することを阻止する。ある場合では、ウィンドウ120及び160は、光源110によって放射される光子のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。そのような場合、ウィンドウ120及び160は、光源110によって放射される光、及びポテンシャル井戸140によって再放射される光に対して、実質的に、光学的に透明である。
【0046】
代表的な発光デバイス100は、2つのウィンドウを含む。概して、発光デバイスは、ウィンドウも有さなくてもよく、又は任意の数のウィンドウを有してもよい。例えば、ある場合では、発光デバイス100は、光源110とポテンシャル井戸140との間に、又は光源110と吸収層130との間に配置される単一ウィンドウを有する。
【0047】
ある場合では、発光デバイス100内の2つの隣接する層間の境界面の位置は、明確な(well-defined)又ははっきりとした(sharp)境界面であってもよい。ある場合では、層内の材料組成物は、厚さ方向に沿った距離に応じて変化し、2つの隣接する層間の境界面は、明確でなくてもよく、例えば段階的な境界面であってもよい。例えばある場合では、第1の吸収層130及び第1のウィンドウ120は、同じ材料構成成分を有するが、異なる材料濃度であり得る。そのような場合では、吸収層の材料組成物は、ウィンドウ層の材料組成物に徐々に変化し2層間の段階的な境界面が得られる。例えば、両方の層がMgを含む場合では、Mgの濃度は吸収層からウィンドウへ段階的に移るときに増加していてもよい。
【0048】
エッチストップ構造体170は、再発光半導体構造体と基板180との間に配置され、主として、基板180をエッチングすることができるエッチャントに耐えるように設計されている。例えば、エッチャントが基板全体を実質的にエッチングした後、エッチストップ構造体の少なくとも一部分がエッチャントによってエッチングされずに残っている場合、エッチストップ構造体は、基板をエッチングすることができるエッチャントに耐える。ある場合では、基板のエッチング速度は、エッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも10倍速い、又はエッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも20倍速い、又はエッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも50倍速い、エッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも100倍速い。
【0049】
ある場合では、エッチストップ層170は、基板180よりも実質的に薄い。例えば、ある場合では、エッチストップ構造体170の厚さは、約10マイクロメートル未満、又は約8マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は約2マイクロメートル未満、又は約1マイクロメートル未満であり、並びに、基板180の厚さは、約50マイクロメートル超、又は約100マイクロメートル超、又は約200マイクロメートル超、又は約300マイクロメートル超、又は約500マイクロメートル超、又は約1000マイクロメートル超である。
【0050】
ある場合では、エッチストップ170は、基板180上に擬似格子整合して成長しているか、基板180上に擬似格子整合して成長している層を含み、すなわち、結晶性エッチストップ構造体170の格子定数が、結晶性基板180の格子定数に十分に類似であり、よって基板上にエッチストップを作製するとき又は成長させるとき、エッチストップはミスフィット欠陥がないか、又は低密度のミスフィット欠陥で基板の格子間隔を適合することができる。このような場合において、エッチストップ構造体の格子定数は、基板の格子定数に制限されてもよい。
【0051】
ある場合では、エッチストップ170は、基板180に格子整合された層であるか、又は基板180に格子整合された層を含み、すなわち、結晶性エッチストップ構造体170の格子定数が、結晶性基板180の格子定数と実質的に等しく、ここで、実質的に等しいとは、2つの格子定数が約0.2%以下、又は互いに約0.1%以下、又は互いに0.01%以下で互いに異なるということを意味する。
【0052】
ある場合では、基板180はInPを含むことができる。このような場合では、エッチストップ構造体170は、GaInAs及び/又はAlInAs、及び/又は1つ以上のGaInAsP合金など、1つ以上のAlGaInAs合金を含むことができる。InP基板は、例えば、室温又は高温にてHCL溶液中で基板をエッチングすることによって除去することができる。このような場合では、AlGaInAs又はGaInAsPエッチストップ構造体170は、効果的にHCL溶液に耐えることができる。GaInAsエッチストップ構造体170は、30%の水酸化アンモニウムを約30mL、30%の過酸化水素を5mL、アジピン酸を40グラム、及び水を200mL含むエッチング溶液を使用することによって除去することができる。例として、このような溶液は、攪拌されたとき、約5分で厚さ200nmのGaInAsをエッチングすることができる。ある場合では、GaInAsのエッチストップ構造体170は、構造体をプラズマ、イオンビーム、又は他の湿式エッチャントに供することによって除去することができる。
【0053】
ある場合では、基板180はGeを含んでもよい。このような場合では、エッチストップ構造体170は、AlGaInAs合金、例えばGaInAs及び/若しくはAlInAs、GaInP、AlGaInP、Al(Ga)AsP、又は(Al)GaAs合金、例えばGaAs及び/若しくはAlGaAsを含んでもよい。Ge基板の利点は、基板に毒性がなく、一般的に、例えばGaAs基板よりも安価であることである。Ge基板は、例えば、R.Venkatasubramanian,et al.,「Selective Plasma Etching of Ge Substrates for Thin Freestanding GaAs−AlGaAs Heterostructures,」Appl.Phys.Lett.Vol.59,p.2153(1991)に記載されているように、例えばCF4/O2プラズマで基板をエッチングすることによって、除去することができる。
【0054】
ある場合では、基板180はGaAsを含んでもよい。このような場合では、エッチストップ構造体170は、GaAs基板上にモノリシックに成長することができ、GaAsをエッチングすることができるエッチングに耐える(withstand and etchant)ことができる。例えば、エッチストップ構造体170は、BeTe、AlGaAs合金、又はGaInP若しくはAlInPなどのAlGaInP合金など、II〜VI族化合物を含んでもよい。
【0055】
ある場合では、エッチストップ層が、AlGaAsを含むときなど、GaAs基板は、NH4OH、及び室温又は高温で十分に濃縮されたH2O2の溶液中で、例えば、強力に攪拌して基板をエッチングすることによって除去することができる。このような場合において、例えばエッチストップ表面上に酸化アルミニウムを形成することにより、エッチングはAlGaAsエッチストップ構造体で実質的に停止することができる。
【0056】
ある場合では、エッチストップ層がGaInPを含むときなど、GaAs基板は、例えば、H2SO4及びH2O2の水溶液中で、基板をエッチングすることによって除去されてもよい。このような場合では、エッチングはGaInPエッチストップ構造体で実質的に停止することができる。
【0057】
ある場合では、薄いエッチストップ構造体が、AlGaAs合金、GaInP若しくはAlInPなどのAlGaInP合金、又はBeTeを含むとき、エッチストップ層は、プラズマエッチング法、又はイオンビームエッチング法などの任意の好適なエッチング技法を使用することによって、並びにエッチングがエッチストップ全体が除去されたときに終了され得るように、例えばエッチング時間をモニタリングすることによって除去されてもよい。
【0058】
ある場合では、基板180がGaAsを含むとき、第1の吸収層130などの吸収層及び/又は第1のウィンドウ120などのウィンドウは、例えば、MgZnSSe合金及び/又はBeMgZnSe合金を含むことができる。
【0059】
ある場合では、基板180がGaAsを含むときなど、ポテンシャル井戸140は、例えば、CdZn(S)Se及び/又はZnSeTeの圧縮歪み合金を含んでもよく、ここでは括弧内の材料は任意の物質である。このような場合では、発光デバイスは、ポテンシャル井戸140内で歪を補償する又は軽減するために、第1歪補償層135及び第2の歪補償層145などの追加層をそれぞれ有することができる。歪補償層は、例えば、ZnSSe及び/又はBeZnSeを含むことができる。例示の発光デバイス100は、2つの歪補償層をポテンシャル井戸140の各側上に1つ含む。概して、発光デバイスは、歪補償層を有さないか、1つ、又は2つ以上の歪補償層を有することができる。例えば、ある場合では、発光デバイスは、ポテンシャル井戸140の1つの側上にのみ単一の歪補償層を有することができる。
【0060】
ある場合では、基板180及びエッチストップ構造体170は、発光デバイス100から除去される。ある場合では、これらの2つのコンポーネントは、半導体構造体105が光源110に取り付けられた後に除去される。ある場合では、これらの2つのコンポーネントは、半導体構造体105が光源110に取り付けられる前に除去される。
【0061】
図3は、半導体構造体305に取り付けられた光源110を含む発光デバイス300の概略的側面図である。半導体構造体305は、基板180、基板180上にモノリシックに成長した犠牲層310、犠牲層310上にモノリシックに成長したエッチストップ構造体170、及びエッチストップ構造体170上にモノリシックに成長したモノリシック再発光半導体構造体190を含む。再発光半導体構造体は、光源110によって放射される光の少なくとも一部分を吸収し、吸収された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光として再放射する。
【0062】
ある場合では、犠牲層310を除去することによって、例えば、側部311及び312から犠牲層にアクセスし、これをエッチングすることによって、基板180は半導体構造体305から除去することができる。ある場合では、犠牲層310が、再発光半導体構造体190に悪影響を与えることなく除去され得るときなど、エッチストップ構造体170は発光デバイス300には存在しなくてもよい。
【0063】
ある場合では、基板180は、Ge又はGaAsを含んでもよく、犠牲層310は、擬似格子整合AlAs若しくはMgSe、又は基板上に成長した、格子整合したMgZnSeを含むことができる。例えば、AlAs犠牲層は、例えばE.Yablonovitch,et al.,「Van der Waals Bonding of GaAs Epitaxial Liftoff Films onto Arbitrary Substrates,」Appl.Phys.Lett.Vol.56,p.2419(1990)に記載されているように、HF溶液中に発光デバイスを部分的に浸漬することによって除去することができる。他の例として、MgSe犠牲層は、HF溶液中に発光デバイスを少なくとも部分的に浸漬することによって除去することができる。図4は、発光デバイス300の一部分の概略的側面図であり、層410は部分的にエッチングされた犠牲層310である。
【0064】
ある場合では、犠牲層310が基板180よりも大幅に薄いときなど、犠牲層をエッチングすることによって基板を除去することが、例えば、それが基板をエッチングするよりも短時間であり、及び/又は低コストであるためより望ましいことがある。ある場合では、除去された基板は廃棄されてもよい。ある場合では、除去された基板は、例えば、洗浄及び/又は研磨などの再調整の後に再び使用されてもよい。ある場合では、犠牲層310の厚さは、約10マイクロメートル未満、又は約8マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は約2マイクロメートル未満、又は約1マイクロメートル未満、又は約0.5マイクロメートル未満、又は0.2マイクロメートル未満であり、並びに基板180の厚さは、約50マイクロメートル超、又は約100マイクロメートル超、又は約200マイクロメートル超、又は約300マイクロメートル超、又は約500マイクロメートル超、又は約1000マイクロメートル超である。
【0065】
ある場合では、ウィンドウ層、ポテンシャル井戸層、及び/又は吸収層などの再発光半導体構造体190内の層及びコンポーネントの少なくとも一部は、犠牲層310をエッチングすることができるエッチャントに耐えることができる。ある場合では、再発光半導体構造体の全体が、犠牲層310をエッチングできるエッチャントに耐えることができる。
【0066】
図5Aは、半導体構造体520及び光源組立体510の概略的側面図である。ある場合では、半導体構造体520は、半導体構造体105など、本明細書に開示されるいずれかの実施形態と類似であってもよく、基板180に類似の基板550、基板550上にモノリシックに成長したエッチストップ構造体170に類似のエッチストップ構造体540、及びエッチストップ構造体170上にモノリシックに成長した再発光半導体構造体190に類似の再発光半導体構造体を含んでもよい。
【0067】
光源組立体510は、共通基板514上にモノリシックに作製された複数の別個の光源512を含む。ある場合では、別個の光源512は、光源110に類似してもよい。例えば、別個の光源512は、III〜VI族LEDであってもよい。
【0068】
半導体構造体520及び光源組立体510のそれぞれは、エピタキシャル成膜法など、既知の作製方法を使用して作製することができる。例えば、分子線エピタキシー(MBE)プロセスは、例えばInP基板550など、基板550上に層530及び540を成膜するため使用されてもよい。その他の代表的な作製方法には、化学気相成長法(CVD)、有機金属気相成長法(MOCVD)、液相エピタキシー(LPE)及び気相エピタキシー(VPE)が挙げられる。
【0069】
ある場合では、別個の光源512がLEDを含むとき、別個の光源は、MOCVDなどの既知の作製方法を使用して作製することができ、ここでは基板514は、例えばサファイア基板、SiC基板、GaN基板、又は用途に好適であり得る任意の他の基板であってもよい。ある場合では、LED光源512は、電極、透明な電気的接点、ビア、及び接合層などの層並びに/又はコンポーネントを含むことができる。一般に、光源512は、従来のフォトリソグラフィ方法並びに従来のエッチング及び/又は成膜方法などによって、半導体微細加工業界で使用される従来の方法を使用して製作することができる。
【0070】
図5Bは、再発光半導体構造体が光源512に面している状態で取り付けられた、又は接合された、図5Aからの2つの構造体の概略的側面図である。取り付けは、例えば、直接ウエファーボンディングによって、又は接合プロセス中に2つのウエファー間に1つ以上の接合層を配置することによって、実施することができる。接合層には、例えば、1つ以上の薄い若しくは非常に薄い金属層、1つ以上の薄い金属酸化物層、あるいは、接着剤、カプセル材(encapsulants)、高屈折率ガラス、若しくは低温ゾル−ゲル材料などのゾル−ゲル材料、又はこれらのいずれかの組み合わせなど、他の材料の1つ以上の層を含むことができる。
【0071】
ある場合では、光源組立体510を半導体構造体520に取り付けるときに使用される接合層の厚さは、約5nm〜約200nm、又は約10nm〜約100nm、又は約50nm〜約100nmの範囲であってもよい。ある場合では、接合層が光学接着剤であるときなど、接合層の厚さは約1μm超、又は約2μms超、又は約5μms超、又は約7μms超、又は約10μm超であってもよい。ある場合では、2つのコンポーネント間の接合は、例えば、積層によって、又は温度及び/若しくは圧力の適用によって、達成することができる。
【0072】
光源組立体510が半導体構造体520に接合された後、基板550は、本明細書に記載される方法を使用して除去され、図5Cに概略的に示されている構造となる。
【0073】
ある場合では、例えば本願に開示される方法の1つ又は組み合わせを使用して、エッチストップ構造体も除去されてもよく、図5Dに概略的に示されている発光デバイスのアレイ570が得られる。発光デバイスのアレイ570は、別個の発光源512のアレイ又は複数の別個の発光源512にわたって延びる再発光半導体構造体530を含む。ある場合では、隣接する別個の発光源512間の再発光半導体構造体530の少なくとも一部分は除去することができ、図5Eに概略的に示されている構造体となり、ここでは再発光半導体構造体560が、再発光半導体構造体530の一部分である。
【0074】
再発光半導体構造体530の一部分の除去は、例えば、既知のパターン形成及びエッチング方法を使用して達成することができる。代表的なパターニング方法としては、フォトリソグラフィが挙げられる。代表的なエッチング方法としては、湿式エッチングが挙げられる。例えば、II〜VI半導体光変換素子は、メタノール及び臭素を包含する溶液を使用してエッチングすることができる。
【0075】
ある場合では、発光デバイスのアレイ570内の発光デバイスは、アクティブマトリックスとして構成されており、すなわち、各発光デバイスが、発光デバイスを駆動させるための専用スイッチ回路を発光デバイスのアレイ内に含む。
【0076】
ある場合では、発光デバイスのアレイ570内の発光デバイスは、パッシブマトリックスとして構成されており、すなわち、発光デバイスが、アクティブマトリックスとして構成されていない。パッシブマトリックス構成では、いずれの発光デバイスも、デバイスを駆動させるための専用スイッチ回路を発光デバイスのアレイ内に有さない。
【0077】
通常、パッシブマトリクス構成では、発光デバイスのアレイ内の発光デバイスは、一度に1つの行に通電される。対照的に、アクティブマトリクス構成では、通常は一度に1つの行がアドレスされるが、スイッチング回路によって、通常、発光デバイスに連続的に通電できるようになる。
【0078】
本明細書で使用するとき、「垂直の」、「水平の」、「上方の」、「下方の」、「左」、「右」、「上側」及び「下側」、「最上」及び「最下」などの用語、並びに他の類似の用語は、諸図に示される相対的位置を指す。一般に、物理的な実施形態は、異なる向きを有する可能性があり、その場合、それらの用語は、そのデバイスの実際の向きに修正された相対的位置を指すものとする。例えば、図3での構造体が、図における向きと比較して90度回転されている場合、面312はなお、犠牲層310の「側部」であると見なされる。
【0079】
本発明の種々の態様の説明を容易にするために、本発明の特定の実施例について上で詳細に説明しているが、その意図は、本発明を実施例の細部に限定することではないことを理解されたい。むしろ、その意図は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨と範囲に包含される全ての修正物、等価物、及び代替物を網羅することである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して半導体発光デバイスに関する。本発明は特に、1つ以上のII−VI族化合物を含む半導体発光デバイスに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
発光デバイスは、投射型ディスプレイシステム、液晶ディスプレイ用のバックライトなどを含む、多種多様な用途で使用される。投射システムは、通常、高圧水銀ランプなど、1つ以上の白色光源を使用する。白色光線は、通常、3原色、すなわち、赤色、緑色、及び青色に分かれ、それぞれの画像形成空間光変調器へと導かれて、原色ごとに画像を生成する。得られる原色画像ビームは、組み合わされ、見るために投射スクリーン上に投射される。
【0003】
ごく最近では、発光ダイオード(LED)が白色光源の代替物として考えられている。LEDは、従来の光源に匹敵する輝度及び動作寿命を提供する可能性を有する。しかし、現在のLED、特に緑色の発光LEDは、比較的非効率である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光源は、一般に、体積が大きく、1つ以上の原色の放射において非効率であり、集積困難であり、それらを用いる光学システムにおいてサイズ及び電力消費の増大を招く傾向にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、本発明は半導体発光デバイスに関する。一実施形態では、発光デバイスは、青色光又は紫外線を放射し、半導体構造体に取り付けられた発光ダイオード(LED)を含む。半導体構造体は、II−VI族化合物の少なくとも1層を含み、放射される青色光又は紫外線の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換する再発光半導体構造体を含む。半導体構造体は、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップは、InPをエッチングできるエッチャントに耐えることができる。
【0006】
別の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントによってエッチングすることができるInPを含む基板を含む。半導体構造体は、この基板上にモノリシックに成長し、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップ構造体は、第1のエッチャントに耐えることができる。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸を含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む。
【0007】
他の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントによってエッチングすることができるGaAsを含む基板を含む。半導体構造体は、基板上にモノリシックに成長し、第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体を更に含む。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族ポテンシャル井戸を含む再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる。
【0008】
他の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントによってエッチングすることができるGeを含む基板を含む。半導体構造体は、基板上にモノリシックに成長し、(Al)GaInAs、(Al)GaAs、AlInP、GaInP、又はAl(Ga)AsPを含むエッチストップ構造体を更に含む。エッチストップ構造体は、第1のエッチャントに耐えることができる。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる、再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸を含む。再発光半導体構造体は、ポテンシャル井戸に密接に隣接し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む。
【0009】
他の実施形態では、半導体構造体は、第1のエッチャントに耐えることができる半導体基板を含む。半導体構造体は、基板上にモノリシックに成長し、第1のエッチャントによってエッチングすることができる半導体犠牲層を更に含む。半導体構造体は、犠牲層上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸を含む。再発光半導体構造体は、ポテンシャル井戸に密接に隣接し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む。少なくとも再発光半導体構造体中のいくつかの層は、第1エッチャントに耐えることができる。
【0010】
別の実施形態では、半導体システムは、第1の基板上にモノリシック集積化されている複数の別個の光源を含む。半導体システムは、第1のエッチャントによってエッチングすることができる第2の基板を含む半導体構造体を更に含む。半導体構造体は、第2の基板上にモノリシックに成長し、第1のエッチャントに耐えることができるエッチストップ構造体を更に含む。半導体構造体は、エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、複数の別個の光源のそれぞれによって放射される光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができる再発光半導体構造体を更に含む。再発光半導体構造体は、複数の別個の光源に取り付けられ、それらを被覆する。
【0011】
別の実施形態では、半導体構造体を作製する方法は、(a)基板を準備する工程と、(b)基板上にエッチストップ層をモノリシックに成長させる工程と、(c)エッチストップ層上にポテンシャル井戸をモノリシックに成長させる工程と、(d)ポテンシャル井戸を光源に接合する工程と、(e)エッチストップ層が耐えることができる第1のエッチャントによって基板を除去する工程と、(f)エッチストップ層を第2のエッチャントによって除去する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面と共に以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明がより完全に理解及び評価されよう。
【図1】発光デバイスの概略的側面図。
【図2A】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2B】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2C】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2D】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2E】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図2F】ポテンシャル井戸についての代表的な伝導帯プロファイルの概略図。
【図3】発光デバイスの概略的側面図。
【図4】図3の発光デバイスの一部分の概略的側面図。
【図5A】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5B】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5C】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5D】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【図5E】発光デバイスを作製するプロセスの中間段階又は工程でのデバイスの略図。
【0013】
多数の図で使用される同一の参照番号は、同一又は類似の特性及び機能を有する同一又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願は、半導体光源及び半導体波長変換器を含む半導体発光デバイスを作製する方法を開示する。特に、開示される方法は、波長変換器、及び2つ以上の異なる半導体族からの光源の、効率的で、コンパクトで、低コストの集積化を可能にする。例えば、本願は、半導体波長変換器を半導体光源と集積化する方法を教示し、従来の半導体プロセス方法を使用して一方をもう一方の上に、高品質でモノリシックに成長させることは不可能であるか、又は実用的ではない。
【0015】
ある場合では、半導体波長変換器及び光源は、III〜V族など同じ半導体族からのものである。このような場合では、例えば、III〜V族波長変換器をIII〜V族LEDなどのIII〜V族光源の上に直接モノリシックに成長させ、作製することは実行可能であることもある。しかしながら、ある場合では、高い変換効率及び/又は他の望ましい特性を有する波長変換器は、LEDが属する族とは異なる半導体族からのものである。そのような場合では、一方のコンポーネントを他方の上に高品質に成長させることは不可能であるか、又は実現不可能な場合がある。例えば、波長変換器はII〜VI族からのものであることがあり、LEDなどの光源は、III〜V族からのものであることがある。このような場合において、本願は、まず波長変換器を好適な基板上に作製し、次いでこの波長変換器を光源に取り付けることによって、波長変換器を効率的に光源と集積化させることにより、発光デバイスを作製する方法を開示する。基板は、取り付けの前又は後に除去することができる。開示される方法は、波長変換器若しくは発光デバイスの性能及び/又は特性に影響を及ぼすことなく基板を除去することを可能にする。
【0016】
ある場合では、波長変換器は、光を、より長い波長の光に変換できる、半導体ポテンシャル又は量子井戸などのポテンシャル若しくは量子井戸を含むことができる。開示される方法は、II〜VI族などの半導体族からの1つ以上のポテンシャル井戸又は量子井戸を含み、III〜V族などの異なる半導体族からのLEDなどの光源と集積化される、半導体構造体及び発光デバイスを効率的に作製するために利用することができる。開示される作製方法は、例えば、安価で、入手しやすく、加工しやすい(例えばエピタキシャル積層体の層からの除去が容易である)基板などのコンポーネントを使用することによって、作製コストの低減を可能にする。
【0017】
ある場合では、LEDなどの光源は半導体族に属し、スペクトルの効率領域で動作することができ、すなわち、光源が高効率かつ高輝度で光を放射することができる。このような場合、同じ半導体族に属する好適な(例えば、高効率な)波長変換器が無い可能性がある。例えば、光源はIII〜V族のLEDであることができ、好適な波長変換器は、LEDによって放射された光を、高効率で、高輝度で、小さい分散など所望の特性を備えた、より長い波長の光に下方変換することができるII〜VI族のポテンシャル井戸又は量子井戸であることができる。波長変換器は、開示される方法を使用して、LEDと集積化させることができ、コンパクトで、軽量で、安価な発光デバイスが得られる。このような発光デバイスは、例えばスペクトルの可視領域において、異なる波長で全体的に高効率で光を放射することができる。発光デバイスは、例えば、1つ以上の原色又は白色光を出力するように設計することができる。開示される発光デバイスの発光効率及びコンパクトさは、重量、サイズ、及び消費電力が低減された携帯型の投射システムなど、新規の改良された光学システムをもたらすことができる。
【0018】
ある場合では、開示される方法は、ポテンシャル井戸波長変換器などの波長変換器を、(その上で波長変換器を擬似格子整合して(pseudomorphic)又は格子整合して成長することができる基板など)好適な基板上に作製するために利用することができる。ある場合では、基板を除去することが望ましい。例えば、基板は光学的に不透明及び/又は望ましくなく厚い場合がある。そのような場合では、基板は、基板全体が除去されるまでエッチングされてもよく、しかし、基板が厚いため、波長変換器のエッチングを避けるのは難しい。更に、得られるエッチングされた表面は、受け入れ難いほど粗く、例えば、波長変換器の性能に影響を与えることがある。
【0019】
本願において開示される方法は、波長変換器及び/又は発光デバイスに、全く若しくはほとんど悪影響を及ぼすことなく基板の除去を可能にする。ある場合では、1つ以上の薄いエッチストップ層が、波長変換器と基板の間に配置されてもよく、よって基板は、例えばエッチストップ層をエッチングしないか、又はわずかにエッチングするのみのエッチャントを使用して除去することができる。このような場合において、エッチストップ層は、エッチャントから波長変換器を効果的に保護することができる。ある場合では、エッチストップ層は、発光デバイス内に保持されてもよい。いくつかの他の場合では、薄いエッチストップ層は、例えば波長変換器に影響を与えないエッチャントを使用することによって除去することができる。
【0020】
ある場合では、1つ以上の犠牲層が波長変換器と基板の間に配置されてもよい。このような場合では、犠牲層は、波長変換器によって、またある場合では、基板によっても耐えられ得るエッチャントによってエッチングすることができる。したがって、基板は、波長変換器の特性に悪影響を与えることなく、犠牲層をエッチングすることによって除去することができる。
【0021】
開示される方法は、単色(例えば、緑色、又は緑及び黒色)又はカラーの画像を形成するために、光源の集積化されたアレイを作製するのに利用することができる。このような開示される発光デバイス(light emitted device)のアレイは、光源及び画像形成デバイスの主要機能を組み合わせることができ、消費電力、サイズ、及びコストの低減となる。例えば、ディスプレイシステムでは、開示される発光デバイスは、光源及び画像形成デバイスの両方として機能し、それによってバックライト若しくは空間光変調器の必要性を排除するか、又は低減することができる。別の例として、開示される発光デバイスを投射システムに組み込むことは、画像形成デバイス及びリレー光学系の必要性を排除するか、又は低減させる。
【0022】
ディスプレイシステムにおけるピクセルのアレイなどの発光素子のアレイが開示され、そこでは発光素子のうちの少なくとも一部が、電気信号に応答して光を放射することができるエレクトロルミネセントデバイス(LEDなど)を含む。発光素子の少なくとも一部は、エレクトロルミネセントデバイスによって放射されている光を下方変換する、1つ以上のポテンシャル井戸及び/又は量子井戸など、1つ以上の光変換素子を含むことができる。本明細書で使用するとき、下方変換は、変換された光の波長が、変換されていない光又は入射光の波長よりも大きいことを意味する。
【0023】
本出願で開示される発光素子のアレイは、例えば、投射システム又は他の光学システムで使用するための、適応照明システムなどの照明システムで使用することができる。
【0024】
図1は、半導体構造体105に取り付けられた光源110を含む発光デバイス100の概略的側面図である。半導体構造体105は、基板180、基板180上にモノリシックに成長したエッチストップ構造体170、及びエッチストップ構造体170上にモノリシックに成長したモノリシック再発光半導体構造体190を含む。再発光半導体構造体は、光源110によって放射される光の少なくとも一部分を吸収し、吸収された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光として再放射する。例えば、光源110は、紫外線を放射することができ、再発光半導体構造体は、青色、緑色、又は赤色光を再放射することができる。別の実施例として、光源110は青色光を放射することができ、再発光半導体構造体は、緑色又は赤色光を再放射することができる。
【0025】
本明細書で使用するとき、モノリシック集積化は、同一の基板(共通基板)上に作製され、その同一の基板上で最終用途に使用される2つ以上の電子デバイスを含むが、必ずしもこれだけに限定するものではない。ユニットとして別の基板に移されるモノリシック集積化デバイスは、モノリシック集積化されたままである。代表的な電子デバイスとしては、LED、トランジスタ、及びコンデンサが挙げられる。
【0026】
2つ以上の素子それぞれの諸部分がモノリシック集積化されている場合、2つの素子は、モノリシック集積化されているものと見なされる。例えば、2つの発光デバイスは、例えば2つの要素内の光源がモノリシック集積化されている場合、モノリシック集積化されている。これは、例えば各素子内の光変換コンポーネントが、対応する光源に接着剤で接合されている場合でも言えることである。
【0027】
発光デバイスのアレイが半導体層を含む場合では、発光デバイスのアレイは、デバイスが同一の基板上に製造されるとき、及び/又はそれらが共通の半導体層を含むとき、モノリシック集積化されている。例えば、各発光デバイスがn型半導体層を含む場合、それらの発光デバイスは、n型半導体層がそれらの発光デバイスにわたって延びる場合にはモノリシック集積化されている。このような場合では、発光デバイス内のn型半導体層は、発光デバイスのアレイにわたって連続層を形成する。
【0028】
ある場合では、基板180及び/又はエッチストップ構造体170が、光学的に不透明及び/又は受け入れ難いほどに厚いときなど、基板及び/又はエッチストップ構造体は発光デバイスから除去されてもよい。
【0029】
概して、光源110は所望の波長で、又は所望の波長範囲で光を放射することができるいずれかの光源であってもよい。例えば、ある場合では、光源110は、青色光又は紫外線を放射するLEDであってもよい。ある場合では、光源110は、III〜V族LEDなどのIII〜V族半導体光源であってもよく、AlGaInN半導体合金を含んでもよい。例えば、光源110はGaN系LEDであってもよい。
【0030】
ある場合では、光源110は、1つ以上のp型及び/又はn型半導体層、1つ以上のポテンシャル及び/又は量子井戸を含み得る1つ以上の活性層、バッファー層、基板層、並びにスーパーストレート(superstrate)層を含むことができる。
【0031】
光源110は、ホットメルト接着剤などの接着剤、溶接、加圧、熱、又はこのような方法の任意の組み合わせなどの任意の好適な方法によって、あるいは用途において望ましいことのある他の方法によって、半導体構造体105に取り付けることができるか、又は接合することができる。好適なホットメルト接着剤の例としては、半結晶ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、及びアクリル樹脂が挙げられる。
【0032】
他の代表的な接着材料には、Norland 83H(Cranbury NJのNorland Productsによって供給されている)などのアクリレート系光学接着剤、Scotch−Weld瞬間接着剤(St.Paul,MNの3M Companyによって供給されている)などのシアノアクリレート、Cyclotene(商標)(Midland,MIのDow Chemical Companyによって供給されている)などのベンゾシクロブテン、CrystalBond(Redding CAのTed Pella Inc.)などの透明ワックス;ケイ酸ナトリウム系の液状ガラス、水ガラス若しくは溶解性ガラス、及びスピンオンガラス(SOG)など、を含む、光学的に透明なポリマー接着剤などの、光学的に透明なポリマー材料が挙げられる。
【0033】
ある場合では、光源110は、ウエファー接合技法によって半導体構造体105に取り付けることができる。例えば、図1を参照すると、光源110の最下方面及び半導体構造体105の最上方面は、例えば、プラズマCVDプロセス又は従来のCVDプロセスを使用して、シリカ又は他の無機材料の薄い層でコーティングすることができる。次に、コーティングされた面を、任意に平坦化し、熱、加圧、水、又は1つ以上の化学剤の組み合わせを使用して互いに接合することができる。接合は、コーティングされた面のうちの少なくとも一方に水素原子を衝突させることによって、又は低エネルギープラズマで一方又は両方の面を活性化させることによって、改善することができる。ウエファー接合方法は、例えば、米国特許第5,915,193号及び同第6,563,133号、並びにQ.−Y.Tong and U.Gosele(John Wiley & Sons,New York,1999)の第4章及び第10章に記載されている。
【0034】
再発光半導体構造体190は、第1のウィンドウ120及び第2のウィンドウ160をそれぞれ、第1の吸収層130及び第2の吸収層150をそれぞれ、並びにポテンシャル井戸140を含む。再発光半導体構造体190は、青色光又は紫外線など、光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができるII〜VI族の化合物の少なくとも1つの層を含む。ある場合では、II〜VI族の波長変換器は、II〜VI族ポテンシャル又は量子井戸を含む。
【0035】
本明細書で使用するとき、ポテンシャル井戸は、キャリアを1つの次元内だけに閉じ込めるように設計された多層半導体構造内の半導体層(1つ又は複数)を意味しており、その際、半導体層(1つ又は複数)は、周囲の層よりも低い伝導帯エネルギー、及び/又は周囲の層よりも高い価電子帯エネルギーを有する。量子井戸は、一般に、量子化効果が井戸内の電子−正孔の対の再結合のためのエネルギーを増大させるほど十分に薄いポテンシャル井戸を意味する。量子井戸は、通常、約100nm以下又は約10nm以下の厚さを有する。
【0036】
ある場合では、ポテンシャル又は量子井戸140は、光源110によって放射される光子のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有するII−VI族半導体ポテンシャル又は量子井戸を含む。概して、ポテンシャル又は量子井戸140のポテンシャル井戸遷移エネルギーは、ポテンシャル又は量子井戸によって再放射される光子のエネルギーに実質的に等しい。
【0037】
ある場合では、ポテンシャル井戸140は、合金の3つの構成要素として化合物ZnSe、CdSe、及びMgSeを有する、CdMgZnSe合金を含むことができる。ある場合では、Cd、Mg、及びZnのうちの1つ以上、特にMgは、合金に存在しなくてもよい。例えば、ポテンシャル井戸140は、赤色で再放射することができるCd0.70Zn0.30Se量子井戸、又は緑色で再放射することができるCd0.33Zn0.67Se量子井戸を含むことができる。別の例として、ポテンシャル井戸140は、Cd、Zn、Se、及び所望によりMgの合金を含むことができ、その場合、合金系は、Cd(Mg)ZnSeによって表すことができる。別の例として、ポテンシャル井戸140は、Cd、Mg、Se、及び所望選択のZnの合金を含むことができる。ある場合では、ポテンシャル井戸はZnSeTeを含むことができる。ある場合では、量子井戸140は、約1nm〜約100nm、又は約2nm〜約35nmの範囲の厚さを有する。
【0038】
ある場合では、ポテンシャル井戸140は、光源110によって放射される光の一部分を、より長い波長の光に変換することができる。ある場合では、ポテンシャル井戸140は、II〜VI族のポテンシャル井戸を含むことができる。一般に、ポテンシャル井戸140は、任意の伝導及び/又は価電子帯プロファイルを有することができる。ポテンシャル井戸についてのいくつかの代表的な伝導帯プロファイルが、図2A〜2Fに概略的に示されており、ECは、伝導帯エネルギーを表す。具体的には、図2Aに示されるポテンシャル井戸210は、正方形又は矩形プロファイルを有し、図2Bに示されるポテンシャル井戸220は、第2の矩形プロファイル222及び第3の矩形プロファイル223と組み合わされた第1の矩形プロファイル221を有し、図2Cに示されるポテンシャル井戸230は、直線的に傾斜したプロファイルを有し、図2Dに示されるポテンシャル井戸240は、矩形プロファイル242と組み合わされた、直線的に傾斜したプロファイル241を有し、図2Eに示されるポテンシャル井戸250は、放物線状など、湾曲したプロファイルを有し、図2Fに示されるポテンシャル井戸260は、矩形プロファイル262と組み合わされた放物線状プロファイル261を有する。
【0039】
ある場合では、ポテンシャル井戸140は、nドープ又はpドープされていてよく、その際、ドーピングは、任意の好適な方法によって、及び任意の好適なドーパントを含めることによって、達成することができる。ある場合では、光源110及び再発光半導体構造体190は、2つの異なる半導体族からのものであってもよい。例えば、ある場合では、光源110は、III〜V族半導体デバイスであってもよく、再発光半導体構造体190は、II〜VI族半導体デバイスであってもよい。ある場合では、光源110は、AlGaInN半導体合金を含むことができ、再発光半導体構造体190は、Cd(Mg)ZnSe半導体合金を含むことができる。
【0040】
ある場合では、発光デバイス100は、単一ポテンシャル井戸を有してもよい。ある場合では、発光デバイス100は、少なくとも2つのポテンシャル井戸、又は少なくとも5つのポテンシャル井戸、又は少なくとも10のポテンシャル井戸を有してもよい。
【0041】
第1の吸収層130及び第2の吸収層150は、ポテンシャル井戸140に近接して、LED 110から放射される光の吸収を助ける。ある場合では、吸収層は、材料内の光生成キャリアがポテンシャル井戸に効率良く拡散できるような材料を含む。ある場合では、光吸収層は、II〜VI族半導体など、無機半導体などの半導体を含んでもよい。例えば、吸収層130及び150の少なくとも1つは、Cd(Mg)ZnSe半導体合金を含んでもよい。
【0042】
ある場合では、光吸収層は、光源110によって放射される光子のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。そのような場合では、光吸収層は、光源によって放射される光を強力に吸収することができる。ある場合では、光吸収層は、ポテンシャル井戸140の遷移エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。そのような場合では、光吸収層は、ポテンシャル井戸によって再放射される光に対して、実質的に、光学的に透明である。
【0043】
ある場合では、光吸収層130及び150の少なくとも1つは、ポテンシャル井戸140に密接に隣接してもよく、すなわち、1つ又は数個の介在層が吸収層とポテンシャル井戸との間に配置されてもよい。ある場合では、光吸収層130及び150の少なくとも1つは、ポテンシャル井戸140に直接隣接してもよく、すなわち、いずれの介在層も吸収層とポテンシャル井戸との間に配置されない。
【0044】
例示の発光デバイス100は、2つの光吸収層130及び150を含む。概して、発光デバイスは、吸収層を有さなくても、1つ、2つ、又は2つを超える吸収層を有してもよい。概して、光吸収層は、ポテンシャル井戸140に十分密接しており、よって光吸収層内の光生成キャリアは、ポテンシャル井戸に拡散する適切な機会を有する。
【0045】
第1のウィンドウ120及び第2のウィンドウ160は、主としてバリアを提供するように設計され、よって吸収層で光生成される電子−正孔対などのキャリアは、自由又は外部面(再発光半導体構造体190の面122など)に移動しないか、又は移動する可能性が少ない。例えば、第1のウィンドウ120は主として、光源110によって放射される光によって第1の吸収層130に生成されるキャリアが、それらが非放射的に再結合することのある面22に移動することを阻止する。ある場合では、ウィンドウ120及び160は、光源110によって放射される光子のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。そのような場合、ウィンドウ120及び160は、光源110によって放射される光、及びポテンシャル井戸140によって再放射される光に対して、実質的に、光学的に透明である。
【0046】
代表的な発光デバイス100は、2つのウィンドウを含む。概して、発光デバイスは、ウィンドウも有さなくてもよく、又は任意の数のウィンドウを有してもよい。例えば、ある場合では、発光デバイス100は、光源110とポテンシャル井戸140との間に、又は光源110と吸収層130との間に配置される単一ウィンドウを有する。
【0047】
ある場合では、発光デバイス100内の2つの隣接する層間の境界面の位置は、明確な(well-defined)又ははっきりとした(sharp)境界面であってもよい。ある場合では、層内の材料組成物は、厚さ方向に沿った距離に応じて変化し、2つの隣接する層間の境界面は、明確でなくてもよく、例えば段階的な境界面であってもよい。例えばある場合では、第1の吸収層130及び第1のウィンドウ120は、同じ材料構成成分を有するが、異なる材料濃度であり得る。そのような場合では、吸収層の材料組成物は、ウィンドウ層の材料組成物に徐々に変化し2層間の段階的な境界面が得られる。例えば、両方の層がMgを含む場合では、Mgの濃度は吸収層からウィンドウへ段階的に移るときに増加していてもよい。
【0048】
エッチストップ構造体170は、再発光半導体構造体と基板180との間に配置され、主として、基板180をエッチングすることができるエッチャントに耐えるように設計されている。例えば、エッチャントが基板全体を実質的にエッチングした後、エッチストップ構造体の少なくとも一部分がエッチャントによってエッチングされずに残っている場合、エッチストップ構造体は、基板をエッチングすることができるエッチャントに耐える。ある場合では、基板のエッチング速度は、エッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも10倍速い、又はエッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも20倍速い、又はエッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも50倍速い、エッチストップ構造体のエッチング速度よりも少なくとも100倍速い。
【0049】
ある場合では、エッチストップ層170は、基板180よりも実質的に薄い。例えば、ある場合では、エッチストップ構造体170の厚さは、約10マイクロメートル未満、又は約8マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は約2マイクロメートル未満、又は約1マイクロメートル未満であり、並びに、基板180の厚さは、約50マイクロメートル超、又は約100マイクロメートル超、又は約200マイクロメートル超、又は約300マイクロメートル超、又は約500マイクロメートル超、又は約1000マイクロメートル超である。
【0050】
ある場合では、エッチストップ170は、基板180上に擬似格子整合して成長しているか、基板180上に擬似格子整合して成長している層を含み、すなわち、結晶性エッチストップ構造体170の格子定数が、結晶性基板180の格子定数に十分に類似であり、よって基板上にエッチストップを作製するとき又は成長させるとき、エッチストップはミスフィット欠陥がないか、又は低密度のミスフィット欠陥で基板の格子間隔を適合することができる。このような場合において、エッチストップ構造体の格子定数は、基板の格子定数に制限されてもよい。
【0051】
ある場合では、エッチストップ170は、基板180に格子整合された層であるか、又は基板180に格子整合された層を含み、すなわち、結晶性エッチストップ構造体170の格子定数が、結晶性基板180の格子定数と実質的に等しく、ここで、実質的に等しいとは、2つの格子定数が約0.2%以下、又は互いに約0.1%以下、又は互いに0.01%以下で互いに異なるということを意味する。
【0052】
ある場合では、基板180はInPを含むことができる。このような場合では、エッチストップ構造体170は、GaInAs及び/又はAlInAs、及び/又は1つ以上のGaInAsP合金など、1つ以上のAlGaInAs合金を含むことができる。InP基板は、例えば、室温又は高温にてHCL溶液中で基板をエッチングすることによって除去することができる。このような場合では、AlGaInAs又はGaInAsPエッチストップ構造体170は、効果的にHCL溶液に耐えることができる。GaInAsエッチストップ構造体170は、30%の水酸化アンモニウムを約30mL、30%の過酸化水素を5mL、アジピン酸を40グラム、及び水を200mL含むエッチング溶液を使用することによって除去することができる。例として、このような溶液は、攪拌されたとき、約5分で厚さ200nmのGaInAsをエッチングすることができる。ある場合では、GaInAsのエッチストップ構造体170は、構造体をプラズマ、イオンビーム、又は他の湿式エッチャントに供することによって除去することができる。
【0053】
ある場合では、基板180はGeを含んでもよい。このような場合では、エッチストップ構造体170は、AlGaInAs合金、例えばGaInAs及び/若しくはAlInAs、GaInP、AlGaInP、Al(Ga)AsP、又は(Al)GaAs合金、例えばGaAs及び/若しくはAlGaAsを含んでもよい。Ge基板の利点は、基板に毒性がなく、一般的に、例えばGaAs基板よりも安価であることである。Ge基板は、例えば、R.Venkatasubramanian,et al.,「Selective Plasma Etching of Ge Substrates for Thin Freestanding GaAs−AlGaAs Heterostructures,」Appl.Phys.Lett.Vol.59,p.2153(1991)に記載されているように、例えばCF4/O2プラズマで基板をエッチングすることによって、除去することができる。
【0054】
ある場合では、基板180はGaAsを含んでもよい。このような場合では、エッチストップ構造体170は、GaAs基板上にモノリシックに成長することができ、GaAsをエッチングすることができるエッチングに耐える(withstand and etchant)ことができる。例えば、エッチストップ構造体170は、BeTe、AlGaAs合金、又はGaInP若しくはAlInPなどのAlGaInP合金など、II〜VI族化合物を含んでもよい。
【0055】
ある場合では、エッチストップ層が、AlGaAsを含むときなど、GaAs基板は、NH4OH、及び室温又は高温で十分に濃縮されたH2O2の溶液中で、例えば、強力に攪拌して基板をエッチングすることによって除去することができる。このような場合において、例えばエッチストップ表面上に酸化アルミニウムを形成することにより、エッチングはAlGaAsエッチストップ構造体で実質的に停止することができる。
【0056】
ある場合では、エッチストップ層がGaInPを含むときなど、GaAs基板は、例えば、H2SO4及びH2O2の水溶液中で、基板をエッチングすることによって除去されてもよい。このような場合では、エッチングはGaInPエッチストップ構造体で実質的に停止することができる。
【0057】
ある場合では、薄いエッチストップ構造体が、AlGaAs合金、GaInP若しくはAlInPなどのAlGaInP合金、又はBeTeを含むとき、エッチストップ層は、プラズマエッチング法、又はイオンビームエッチング法などの任意の好適なエッチング技法を使用することによって、並びにエッチングがエッチストップ全体が除去されたときに終了され得るように、例えばエッチング時間をモニタリングすることによって除去されてもよい。
【0058】
ある場合では、基板180がGaAsを含むとき、第1の吸収層130などの吸収層及び/又は第1のウィンドウ120などのウィンドウは、例えば、MgZnSSe合金及び/又はBeMgZnSe合金を含むことができる。
【0059】
ある場合では、基板180がGaAsを含むときなど、ポテンシャル井戸140は、例えば、CdZn(S)Se及び/又はZnSeTeの圧縮歪み合金を含んでもよく、ここでは括弧内の材料は任意の物質である。このような場合では、発光デバイスは、ポテンシャル井戸140内で歪を補償する又は軽減するために、第1歪補償層135及び第2の歪補償層145などの追加層をそれぞれ有することができる。歪補償層は、例えば、ZnSSe及び/又はBeZnSeを含むことができる。例示の発光デバイス100は、2つの歪補償層をポテンシャル井戸140の各側上に1つ含む。概して、発光デバイスは、歪補償層を有さないか、1つ、又は2つ以上の歪補償層を有することができる。例えば、ある場合では、発光デバイスは、ポテンシャル井戸140の1つの側上にのみ単一の歪補償層を有することができる。
【0060】
ある場合では、基板180及びエッチストップ構造体170は、発光デバイス100から除去される。ある場合では、これらの2つのコンポーネントは、半導体構造体105が光源110に取り付けられた後に除去される。ある場合では、これらの2つのコンポーネントは、半導体構造体105が光源110に取り付けられる前に除去される。
【0061】
図3は、半導体構造体305に取り付けられた光源110を含む発光デバイス300の概略的側面図である。半導体構造体305は、基板180、基板180上にモノリシックに成長した犠牲層310、犠牲層310上にモノリシックに成長したエッチストップ構造体170、及びエッチストップ構造体170上にモノリシックに成長したモノリシック再発光半導体構造体190を含む。再発光半導体構造体は、光源110によって放射される光の少なくとも一部分を吸収し、吸収された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光として再放射する。
【0062】
ある場合では、犠牲層310を除去することによって、例えば、側部311及び312から犠牲層にアクセスし、これをエッチングすることによって、基板180は半導体構造体305から除去することができる。ある場合では、犠牲層310が、再発光半導体構造体190に悪影響を与えることなく除去され得るときなど、エッチストップ構造体170は発光デバイス300には存在しなくてもよい。
【0063】
ある場合では、基板180は、Ge又はGaAsを含んでもよく、犠牲層310は、擬似格子整合AlAs若しくはMgSe、又は基板上に成長した、格子整合したMgZnSeを含むことができる。例えば、AlAs犠牲層は、例えばE.Yablonovitch,et al.,「Van der Waals Bonding of GaAs Epitaxial Liftoff Films onto Arbitrary Substrates,」Appl.Phys.Lett.Vol.56,p.2419(1990)に記載されているように、HF溶液中に発光デバイスを部分的に浸漬することによって除去することができる。他の例として、MgSe犠牲層は、HF溶液中に発光デバイスを少なくとも部分的に浸漬することによって除去することができる。図4は、発光デバイス300の一部分の概略的側面図であり、層410は部分的にエッチングされた犠牲層310である。
【0064】
ある場合では、犠牲層310が基板180よりも大幅に薄いときなど、犠牲層をエッチングすることによって基板を除去することが、例えば、それが基板をエッチングするよりも短時間であり、及び/又は低コストであるためより望ましいことがある。ある場合では、除去された基板は廃棄されてもよい。ある場合では、除去された基板は、例えば、洗浄及び/又は研磨などの再調整の後に再び使用されてもよい。ある場合では、犠牲層310の厚さは、約10マイクロメートル未満、又は約8マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は約2マイクロメートル未満、又は約1マイクロメートル未満、又は約0.5マイクロメートル未満、又は0.2マイクロメートル未満であり、並びに基板180の厚さは、約50マイクロメートル超、又は約100マイクロメートル超、又は約200マイクロメートル超、又は約300マイクロメートル超、又は約500マイクロメートル超、又は約1000マイクロメートル超である。
【0065】
ある場合では、ウィンドウ層、ポテンシャル井戸層、及び/又は吸収層などの再発光半導体構造体190内の層及びコンポーネントの少なくとも一部は、犠牲層310をエッチングすることができるエッチャントに耐えることができる。ある場合では、再発光半導体構造体の全体が、犠牲層310をエッチングできるエッチャントに耐えることができる。
【0066】
図5Aは、半導体構造体520及び光源組立体510の概略的側面図である。ある場合では、半導体構造体520は、半導体構造体105など、本明細書に開示されるいずれかの実施形態と類似であってもよく、基板180に類似の基板550、基板550上にモノリシックに成長したエッチストップ構造体170に類似のエッチストップ構造体540、及びエッチストップ構造体170上にモノリシックに成長した再発光半導体構造体190に類似の再発光半導体構造体を含んでもよい。
【0067】
光源組立体510は、共通基板514上にモノリシックに作製された複数の別個の光源512を含む。ある場合では、別個の光源512は、光源110に類似してもよい。例えば、別個の光源512は、III〜VI族LEDであってもよい。
【0068】
半導体構造体520及び光源組立体510のそれぞれは、エピタキシャル成膜法など、既知の作製方法を使用して作製することができる。例えば、分子線エピタキシー(MBE)プロセスは、例えばInP基板550など、基板550上に層530及び540を成膜するため使用されてもよい。その他の代表的な作製方法には、化学気相成長法(CVD)、有機金属気相成長法(MOCVD)、液相エピタキシー(LPE)及び気相エピタキシー(VPE)が挙げられる。
【0069】
ある場合では、別個の光源512がLEDを含むとき、別個の光源は、MOCVDなどの既知の作製方法を使用して作製することができ、ここでは基板514は、例えばサファイア基板、SiC基板、GaN基板、又は用途に好適であり得る任意の他の基板であってもよい。ある場合では、LED光源512は、電極、透明な電気的接点、ビア、及び接合層などの層並びに/又はコンポーネントを含むことができる。一般に、光源512は、従来のフォトリソグラフィ方法並びに従来のエッチング及び/又は成膜方法などによって、半導体微細加工業界で使用される従来の方法を使用して製作することができる。
【0070】
図5Bは、再発光半導体構造体が光源512に面している状態で取り付けられた、又は接合された、図5Aからの2つの構造体の概略的側面図である。取り付けは、例えば、直接ウエファーボンディングによって、又は接合プロセス中に2つのウエファー間に1つ以上の接合層を配置することによって、実施することができる。接合層には、例えば、1つ以上の薄い若しくは非常に薄い金属層、1つ以上の薄い金属酸化物層、あるいは、接着剤、カプセル材(encapsulants)、高屈折率ガラス、若しくは低温ゾル−ゲル材料などのゾル−ゲル材料、又はこれらのいずれかの組み合わせなど、他の材料の1つ以上の層を含むことができる。
【0071】
ある場合では、光源組立体510を半導体構造体520に取り付けるときに使用される接合層の厚さは、約5nm〜約200nm、又は約10nm〜約100nm、又は約50nm〜約100nmの範囲であってもよい。ある場合では、接合層が光学接着剤であるときなど、接合層の厚さは約1μm超、又は約2μms超、又は約5μms超、又は約7μms超、又は約10μm超であってもよい。ある場合では、2つのコンポーネント間の接合は、例えば、積層によって、又は温度及び/若しくは圧力の適用によって、達成することができる。
【0072】
光源組立体510が半導体構造体520に接合された後、基板550は、本明細書に記載される方法を使用して除去され、図5Cに概略的に示されている構造となる。
【0073】
ある場合では、例えば本願に開示される方法の1つ又は組み合わせを使用して、エッチストップ構造体も除去されてもよく、図5Dに概略的に示されている発光デバイスのアレイ570が得られる。発光デバイスのアレイ570は、別個の発光源512のアレイ又は複数の別個の発光源512にわたって延びる再発光半導体構造体530を含む。ある場合では、隣接する別個の発光源512間の再発光半導体構造体530の少なくとも一部分は除去することができ、図5Eに概略的に示されている構造体となり、ここでは再発光半導体構造体560が、再発光半導体構造体530の一部分である。
【0074】
再発光半導体構造体530の一部分の除去は、例えば、既知のパターン形成及びエッチング方法を使用して達成することができる。代表的なパターニング方法としては、フォトリソグラフィが挙げられる。代表的なエッチング方法としては、湿式エッチングが挙げられる。例えば、II〜VI半導体光変換素子は、メタノール及び臭素を包含する溶液を使用してエッチングすることができる。
【0075】
ある場合では、発光デバイスのアレイ570内の発光デバイスは、アクティブマトリックスとして構成されており、すなわち、各発光デバイスが、発光デバイスを駆動させるための専用スイッチ回路を発光デバイスのアレイ内に含む。
【0076】
ある場合では、発光デバイスのアレイ570内の発光デバイスは、パッシブマトリックスとして構成されており、すなわち、発光デバイスが、アクティブマトリックスとして構成されていない。パッシブマトリックス構成では、いずれの発光デバイスも、デバイスを駆動させるための専用スイッチ回路を発光デバイスのアレイ内に有さない。
【0077】
通常、パッシブマトリクス構成では、発光デバイスのアレイ内の発光デバイスは、一度に1つの行に通電される。対照的に、アクティブマトリクス構成では、通常は一度に1つの行がアドレスされるが、スイッチング回路によって、通常、発光デバイスに連続的に通電できるようになる。
【0078】
本明細書で使用するとき、「垂直の」、「水平の」、「上方の」、「下方の」、「左」、「右」、「上側」及び「下側」、「最上」及び「最下」などの用語、並びに他の類似の用語は、諸図に示される相対的位置を指す。一般に、物理的な実施形態は、異なる向きを有する可能性があり、その場合、それらの用語は、そのデバイスの実際の向きに修正された相対的位置を指すものとする。例えば、図3での構造体が、図における向きと比較して90度回転されている場合、面312はなお、犠牲層310の「側部」であると見なされる。
【0079】
本発明の種々の態様の説明を容易にするために、本発明の特定の実施例について上で詳細に説明しているが、その意図は、本発明を実施例の細部に限定することではないことを理解されたい。むしろ、その意図は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨と範囲に包含される全ての修正物、等価物、及び代替物を網羅することである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造体に取り付けられた青色光又は紫外線を放射する発光ダイオード(LED)を含む発光デバイスであって、
II〜VI族化合物の少なくとも1つの層を含み、前記放射された青色光又は紫外線の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換する再発光半導体構造体と、
AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体であって、前記エッチストップは、InPをエッチングすることができるエッチャントに耐えることができる、エッチストップと、を含む、発光デバイス。
【請求項2】
前記LEDが、GaN系LEDを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記II〜VI族化合物の少なくとも1つの層が、ポテンシャル井戸を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記ポテンシャル井戸が、Cd(Mg)ZnSe又はZnSeTeを含む、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記再発光半導体構造体が、前記ポテンシャル井戸と密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸の遷移エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記吸収層が、前記ポテンシャル井戸に直接隣接している、請求項5に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記より長い波長の光が、緑色光を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記より長い波長の光が、赤色光を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、InP上に擬似格子整合して成長することができる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、InPに格子整合する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、AlGaInAs化合物を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、GaInAsP化合物を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、AlGaInAsP化合物を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項14】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができるInPを含む基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体であって、前記エッチストップ構造体が、前記第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体と、
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、
前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び前記第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸、及び
前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を含む、半導体構造体。
【請求項15】
前記再発光半導体構造体が、前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項16】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射する発光ダイオード(LED)を更に含み、前記LEDが前記再発光半導体構造体に取り付けられ、前記ウィンドウが前記吸収層と前記LEDとの間に配置されている、請求項15に記載の半導体構造体。
【請求項17】
前記第1の光子エネルギーが、青色光又は紫外線に相当する、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項18】
前記ポテンシャル井戸が、Cd(Mg)ZnSe又はZnSeTeを含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項19】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができるGaAsを含む基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、前記第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体と、
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII−VI族のポテンシャル井戸を含む再発光半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む、半導体構造体。
【請求項20】
前記エッチストップが、GaAs上に擬似格子整合して成長する、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項21】
前記エッチストップが、GaAsに格子整合する、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項22】
前記エッチストップが、II〜VI族化合物、AlGaAs、GaInP、及びBeTeの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項23】
前記II〜VI族ポテンシャル井戸が、CdZn(S)Se又はZnSeTeを含む、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項24】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射し、請求項19に記載の半導体構造体に取り付けられた発光ダイオードを含む、発光デバイス。
【請求項25】
前記再発光半導体構造体が、前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む、請求項24に記載の半導体構造体。
【請求項26】
前記再発光半導体構造体が、前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む、請求項24に記載の半導体構造体。
【請求項27】
前記再発光半導体構造体が、前記II〜VI族ポテンシャル井戸内の歪を補償する第1の歪補償層を更に含む、請求項24に記載の半導体構造体。
【請求項28】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができるGeを含む基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、(Al)GaInAs、(Al)GaAs、AlInP、GaInP、又はAl(Ga)AsPを含むエッチストップ構造体であって、前記エッチストップ構造体は、前記第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体と、
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、
前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び前記第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸、及び
前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する、吸収層を含む、半導体構造体。
【請求項29】
前記再発光半導体構造体が、前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む、請求項28に記載の半導体構造体。
【請求項30】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射する発光ダイオード(LED)を更に含み、前記LEDが前記再発光半導体構造体に取り付けられ、前記ウィンドウが前記吸収層と前記LEDとの間に配置されている、請求項29に記載の半導体構造体。
【請求項31】
前記第1の光子エネルギーが、青色光又は紫外線に相当する、請求項28に記載の半導体構造体。
【請求項32】
前記ポテンシャル井戸が、CdZn(S)Se又はZnSeTeを含む、請求項28に記載の半導体構造体。
【請求項33】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントに耐えることができる半導体基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、前記第1のエッチャントによってエッチングすることができる半導体犠牲層と、
前記犠牲層上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、
前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び前記第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸、及び
前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を含み、
前記再発光半導体構造体内の少なくとも一部の層は、第1のエッチャントに耐えることができる、半導体構造体。
【請求項34】
前記再発光半導体構造体が、前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項35】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射する発光ダイオード(LED)を更に含み、前記LEDが前記再発光半導体構造体に取り付けられ、前記ウィンドウが前記吸収層と前記LEDとの間に配置されている、請求項34に記載の半導体構造体。
【請求項36】
前記基板が、Ge及びGaAsの少なくとも1つを含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項37】
前記犠牲層が、Al、Mg、AlAs、及びMg(Zn)Seの少なくとも1つを含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項38】
前記犠牲層が、前記基板上に擬似格子整合して成長する、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項39】
前記犠牲層が、前記基板に格子整合する、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項40】
前記第1の光子エネルギーが、青色光又は紫外線に相当する、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項41】
前記ポテンシャル井戸が、Cd(Mg)ZnSe、CdZn(S)Se、又はZnSeTeを含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項42】
前記再発光半導体構造体が、前記第1のエッチャントに耐えることができる、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項43】
半導体システムであって、
第1の基板の上にモノリシックに集積化されている複数の別個の光源と、
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができる第2の基板、
前記第2の基板上にモノリシックに成長し、前記第1のエッチャントに耐えることができるエッチストップ構造体、及び
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、前記複数の別個の光源のそれぞれによって放射された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができる再発光半導体構造体、を含む、半導体構造体と、を含む半導体システムであって、
前記再発光半導体構造体が、前記複数の別個の光源に取り付けられ、それらを被覆する、半導体システム。
【請求項44】
前記各別個の光源が、III〜V族LEDである、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項45】
前記第2の基板が、InP、GaAs、及びGeの1つを含む、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項46】
前記エッチストップ構造体が、AlGaInAs、GaInAsP、AlGaAs、GaInP、AlInP、GaInAs、AlInAs、GaAs、及びBeTeの1つを含む、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項47】
前記再発光半導体構造体が、II〜VI族ポテンシャル井戸を含む、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項48】
半導体構造体を作製する方法であって、
(a)基板を提供する工程と、
(b)前記基板上にエッチストップ層をモノリシックに成長させる工程と、
(c)前記エッチストップ層上にポテンシャル井戸をモノリシックに成長させる工程と、
(d)前記ポテンシャル井戸を光源に接合する工程と、
(e)前記エッチストップ層が耐えることができる第1のエッチャントによって前記基板を除去する工程と、
(f)前記エッチストップ層を第2のエッチャントによって除去する工程と、を含む、方法。
【請求項49】
前記工程(a)〜(f)が逐次的に実施される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ポテンシャル井戸が、前記光源によって放射された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができる、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記ポテンシャル井戸と密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸の遷移エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する吸収層をモノリシックに成長させる工程を更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記光源によって放射される光子のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有するウィンドウ構造体をモノリシックに成長させる工程を更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項1】
半導体構造体に取り付けられた青色光又は紫外線を放射する発光ダイオード(LED)を含む発光デバイスであって、
II〜VI族化合物の少なくとも1つの層を含み、前記放射された青色光又は紫外線の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換する再発光半導体構造体と、
AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体であって、前記エッチストップは、InPをエッチングすることができるエッチャントに耐えることができる、エッチストップと、を含む、発光デバイス。
【請求項2】
前記LEDが、GaN系LEDを含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記II〜VI族化合物の少なくとも1つの層が、ポテンシャル井戸を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記ポテンシャル井戸が、Cd(Mg)ZnSe又はZnSeTeを含む、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記再発光半導体構造体が、前記ポテンシャル井戸と密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸の遷移エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む、請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記吸収層が、前記ポテンシャル井戸に直接隣接している、請求項5に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記より長い波長の光が、緑色光を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記より長い波長の光が、赤色光を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、InP上に擬似格子整合して成長することができる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、InPに格子整合する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、AlGaInAs化合物を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、GaInAsP化合物を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記AlInAs又はGaInAs化合物が、AlGaInAsP化合物を含む、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項14】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができるInPを含む基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、AlInAs又はGaInAs化合物を含むエッチストップ構造体であって、前記エッチストップ構造体が、前記第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体と、
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、
前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び前記第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸、及び
前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を含む、半導体構造体。
【請求項15】
前記再発光半導体構造体が、前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項16】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射する発光ダイオード(LED)を更に含み、前記LEDが前記再発光半導体構造体に取り付けられ、前記ウィンドウが前記吸収層と前記LEDとの間に配置されている、請求項15に記載の半導体構造体。
【請求項17】
前記第1の光子エネルギーが、青色光又は紫外線に相当する、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項18】
前記ポテンシャル井戸が、Cd(Mg)ZnSe又はZnSeTeを含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項19】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができるGaAsを含む基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、前記第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体と、
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、ポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII−VI族のポテンシャル井戸を含む再発光半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む、半導体構造体。
【請求項20】
前記エッチストップが、GaAs上に擬似格子整合して成長する、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項21】
前記エッチストップが、GaAsに格子整合する、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項22】
前記エッチストップが、II〜VI族化合物、AlGaAs、GaInP、及びBeTeの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項23】
前記II〜VI族ポテンシャル井戸が、CdZn(S)Se又はZnSeTeを含む、請求項19に記載の半導体構造体。
【請求項24】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射し、請求項19に記載の半導体構造体に取り付けられた発光ダイオードを含む、発光デバイス。
【請求項25】
前記再発光半導体構造体が、前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を更に含む、請求項24に記載の半導体構造体。
【請求項26】
前記再発光半導体構造体が、前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む、請求項24に記載の半導体構造体。
【請求項27】
前記再発光半導体構造体が、前記II〜VI族ポテンシャル井戸内の歪を補償する第1の歪補償層を更に含む、請求項24に記載の半導体構造体。
【請求項28】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができるGeを含む基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、(Al)GaInAs、(Al)GaAs、AlInP、GaInP、又はAl(Ga)AsPを含むエッチストップ構造体であって、前記エッチストップ構造体は、前記第1のエッチャントに耐えることができる、エッチストップ構造体と、
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、
前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び前記第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸、及び
前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する、吸収層を含む、半導体構造体。
【請求項29】
前記再発光半導体構造体が、前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む、請求項28に記載の半導体構造体。
【請求項30】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射する発光ダイオード(LED)を更に含み、前記LEDが前記再発光半導体構造体に取り付けられ、前記ウィンドウが前記吸収層と前記LEDとの間に配置されている、請求項29に記載の半導体構造体。
【請求項31】
前記第1の光子エネルギーが、青色光又は紫外線に相当する、請求項28に記載の半導体構造体。
【請求項32】
前記ポテンシャル井戸が、CdZn(S)Se又はZnSeTeを含む、請求項28に記載の半導体構造体。
【請求項33】
半導体構造体であって、
第1のエッチャントに耐えることができる半導体基板と、
前記基板上にモノリシックに成長し、前記第1のエッチャントによってエッチングすることができる半導体犠牲層と、
前記犠牲層上にモノリシックに成長し、第1の光子エネルギーを有する光の少なくとも一部分を、前記第1の光子エネルギーよりも小さい第2の光子エネルギーを有する光に変換することができる再発光半導体構造体と、を含む半導体構造体であって、前記再発光半導体構造体は、
前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギー、及び前記第2の光子エネルギーと実質的に等しいポテンシャル井戸遷移エネルギーを有するII〜VI族半導体ポテンシャル井戸、及び
前記ポテンシャル井戸に密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸遷移エネルギーよりも大きく、かつ前記第1の光子エネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する吸収層を含み、
前記再発光半導体構造体内の少なくとも一部の層は、第1のエッチャントに耐えることができる、半導体構造体。
【請求項34】
前記再発光半導体構造体が、前記第1の光子エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第1のウィンドウ構造体を更に含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項35】
前記第1の光子エネルギーを有する光を放射する発光ダイオード(LED)を更に含み、前記LEDが前記再発光半導体構造体に取り付けられ、前記ウィンドウが前記吸収層と前記LEDとの間に配置されている、請求項34に記載の半導体構造体。
【請求項36】
前記基板が、Ge及びGaAsの少なくとも1つを含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項37】
前記犠牲層が、Al、Mg、AlAs、及びMg(Zn)Seの少なくとも1つを含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項38】
前記犠牲層が、前記基板上に擬似格子整合して成長する、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項39】
前記犠牲層が、前記基板に格子整合する、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項40】
前記第1の光子エネルギーが、青色光又は紫外線に相当する、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項41】
前記ポテンシャル井戸が、Cd(Mg)ZnSe、CdZn(S)Se、又はZnSeTeを含む、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項42】
前記再発光半導体構造体が、前記第1のエッチャントに耐えることができる、請求項33に記載の半導体構造体。
【請求項43】
半導体システムであって、
第1の基板の上にモノリシックに集積化されている複数の別個の光源と、
半導体構造体であって、
第1のエッチャントによってエッチングすることができる第2の基板、
前記第2の基板上にモノリシックに成長し、前記第1のエッチャントに耐えることができるエッチストップ構造体、及び
前記エッチストップ構造体上にモノリシックに成長し、前記複数の別個の光源のそれぞれによって放射された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができる再発光半導体構造体、を含む、半導体構造体と、を含む半導体システムであって、
前記再発光半導体構造体が、前記複数の別個の光源に取り付けられ、それらを被覆する、半導体システム。
【請求項44】
前記各別個の光源が、III〜V族LEDである、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項45】
前記第2の基板が、InP、GaAs、及びGeの1つを含む、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項46】
前記エッチストップ構造体が、AlGaInAs、GaInAsP、AlGaAs、GaInP、AlInP、GaInAs、AlInAs、GaAs、及びBeTeの1つを含む、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項47】
前記再発光半導体構造体が、II〜VI族ポテンシャル井戸を含む、請求項43に記載の半導体システム。
【請求項48】
半導体構造体を作製する方法であって、
(a)基板を提供する工程と、
(b)前記基板上にエッチストップ層をモノリシックに成長させる工程と、
(c)前記エッチストップ層上にポテンシャル井戸をモノリシックに成長させる工程と、
(d)前記ポテンシャル井戸を光源に接合する工程と、
(e)前記エッチストップ層が耐えることができる第1のエッチャントによって前記基板を除去する工程と、
(f)前記エッチストップ層を第2のエッチャントによって除去する工程と、を含む、方法。
【請求項49】
前記工程(a)〜(f)が逐次的に実施される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ポテンシャル井戸が、前記光源によって放射された光の少なくとも一部分を、より長い波長の光に変換することができる、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記ポテンシャル井戸と密接に隣接し、前記ポテンシャル井戸の遷移エネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する吸収層をモノリシックに成長させる工程を更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記光源によって放射される光子のエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有するウィンドウ構造体をモノリシックに成長させる工程を更に含む、請求項48に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【公表番号】特表2011−507273(P2011−507273A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538014(P2010−538014)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/082778
【国際公開番号】WO2009/075973
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/082778
【国際公開番号】WO2009/075973
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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