説明

半導体発光素子

本発明は半導体発光素子に関する。本発明の半導体発光素子は第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層の下に活性層と、前記活性層の下に第2導電型半導体層と、前記第2導電型半導体層の下に第2電極層と、前記第2電極層の一側上に絶縁膜と、前記絶縁膜の上に前記第1導電型半導体層の一端に電気的に連結された第1電極を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体発光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
III-V族窒化物半導体は青色/緑色発光ダイオード(LED)といった光素子、MOSFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、HEMT(Hetero junction Field Effect Transistors)等の高速スイッチング素子、照明、または表示装置の光源等として幅広く用いられている。特にIII族窒化物半導体を利用した発光素子は、可視光線から紫外線までの領域に対応する直接遷移型バンドギャップを有し、高効率の光放出を実現することができる。
【0003】
前記窒化物半導体は主にLED(Light Emitting Diode)、またはレーザーダイオード(LD)として活用されており、製造工程や光効率を改善するための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は複数の化合物半導体層の下に第2電極層及び外側に第1電極を含む半導体発光素子を提供する。
【0005】
本発明は発光構造物の下に第2電極層を配置し、前記第2電極層の一側上に絶縁膜及び前記絶縁膜の上に第1電極を配置した半導体発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体発光素子は第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層の下に活性層と、前記活性層の下に第2導電型半導体層と、前記第2導電型半導体層の下に第2電極層と、前記第2電極層の一側上に絶縁膜と、前記絶縁膜の上に前記第1導電型半導体層の一端に電気的に連結された第1電極を含む。
【0007】
本発明の半導体発光素子は第1導電型半導体層、前記第1導電型半導体層の下に活性層、前記活性層の下に第2導電型半導体層を含む発光構造物と、前記発光構造物の下に第2電極層と、前記発光構造物の外側に前記第1導電型半導体層と電気的に連結された第1電極と、前記第1電極と前記第2電極層の間に絶縁膜を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明は複数の化合物半導体層の外側に第1電極を配置することで、第1電極及びワイヤによる光吸収問題を解決することができる。
また、本発明は光効率を改善することができる。
また、本発明は半導体発光素子の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施例に係わる半導体発光素子を示す側断面図である。
【図2】図1の第1電極にワイヤを連結した例を示す図面である。
【図3】第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。
【図4】第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。
【図5】第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。
【図6】第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。
【図7】第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。
【図8】第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。
【図9】第2実施例に係わる半導体発光素子を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の半導体発光素子に対し添付された図面を参照して説明する。なお、実施例の説明において、各層の上又は下に対する基準は図面を参照するものであり、また、各層の厚さは一例であり、図面の厚さを限定するものではない。実施例において、各層/膜、領域、パターン又は構造物が基板、各層/膜、領域、パッド又はパターンの「上」に又は「下」に形成されると記載される場合、「上」と「下」は直接又は他の層を介在して形成されるものも含む。
【0011】
図1は第1実施例に係わる半導体発光素子を示す側断面図で、図2は図1の第1電極にワイヤをボンディングした例を示す図面である。
【0012】
図1に示すように、半導体発光素子100は第1導電型半導体層110、活性層120、第2導電型半導体層130、第2電極層140、伝導性支持部材150、絶縁膜160及び第1電極170を含む。
【0013】
前記半導体発光素子100はIII-V族化合物半導体を利用したLEDを含み、前記LEDは青色、緑色、または赤色等の光を放出する有色LEDやUV-LEDからなることができる。前記LEDの放出光は、本発明の技術範囲内で多様に具現することができる。
【0014】
前記第1導電型半導体層110は第1導電型ドーパントがドーピングされたIII-V族元素の化合物半導体、例えばGaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP等から選択することができる。
【0015】
前記第1導電型半導体層110がN型半導体層の場合、前記第1導電型ドーパントはSi、Ge、Sn、Se、Te等のN型ドーパントを含む。前記第1導電型半導体層110は電極接触層として機能し、単層、または多層からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0016】
前記第1導電型半導体層110の一端115には第1電極170が電気的に連結される。前記第1電極170は前記第1導電型半導体層110の一端115の下、または外側に並んで配置され、第1極性の電源が供給される。ここで、前記第1導電型半導体層110の全表面には所定形状の凹凸部(ラフネス;図示しない)が形成され、このような凹凸部は、本発明の技術範囲内で追加又は変更することができる。
【0017】
また、前記第1導電型半導体層110の上には透光性電極層(図示しない)が形成され、前記透過性電極層は前記第1電極170によって供給された第1極性の電源を全領域に拡散させる。前記透過性電極層はITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrOx、RuOx、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITOの少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
前記第1導電型半導体層110の下には活性層120が形成され、前記活性層120は単一量子井戸構造、または多重量子井戸構造からなることができる。前記活性層120はIII-V族元素の化合物半導体材料を利用して井戸層と障壁層の周期、例えば、InGaN井戸層/GaN障壁層の周期またはAlGaN井戸層/GaN障壁層の周期をなすことができる。
【0019】
前記活性層120は、発光させる光の波長に応じたバンドギャップエネルギーを有する材料から選択することができる。前記活性層120は青色波長の光、赤色波長の光、緑色波長の光等の有色光を発光する材料を含むことができ、これに限定されるものではない。前記活性層120の上または/及び下には導電型クラッド層が形成され、前記導電型クラッド層はAlGaN層からなることができる。
【0020】
前記活性層120の下には第2導電型半導体層130が形成される。前記第2導電型半導体層130は第2導電型ドーパントがドーピングされたIII-V族元素の化合物半導体、例えばGaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP等から選択することができる。前記第2導電型半導体層130がP型半導体層の場合、前記第2導電型ドーパントはMg、Ze等のP型ドーパントを含む。前記第2導電型半導体層130は電極接触層として機能し、単層、または多層からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0021】
ここで、前記第1導電型半導体層110、前記活性層120、前記第2導電型半導体層130は発光構造物135として定義することができる。また、前記第1導電型半導体層110はP型半導体、および前記第2導電型半導体層130はN型半導体からなることができる。前記第2導電型半導体層130の下には第3導電型半導体層、例えばN型半導体層、またはP型半導体層が形成される。これによって、前記発光構造物135はN-P接合、P-N接合、N-P-N接合、P-N-P接合構造の少なくとも1つを含むことができる。
【0022】
前記第2導電型半導体層130の下には前記第2電極層140が形成される。前記第2電極層140は反射電極材料、またはAg、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びこれらの選択的な組合により構成された物質からなることができる。ここで、前記反射電極材料は反射率が50%以上の特性の材料からなることができる。
【0023】
前記第2電極層140には複数個のパターンがマトリックス形状または/及び層の形態からなるオーミック接触層(図示しない)が形成される。前記オーミック接触層はITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium zinc oxide)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、ATO(antimony tin oxide)等の材料の少なくとも1つを含む。
【0024】
ここで、前記第2電極層140は前記第2導電型半導体層130にショットキー接触またはオーミック接触することができる。前記オーミック接触層が存在する場合、前記第2電極層140は前記第2導電型半導体層130にショットキー接触し、前記オーミック接触層は前記第2導電型半導体層130にオーミック接触する。これによって、前記第2電極層140及び前記オーミック接触層は電気的特性が異なるので、前記第2導電型半導体層130に供給される電流を分散させることができる。
【0025】
前記第2電極層140は第2極性の電源を前記発光構造物135に安定的に供給する電極として機能し、前記第2導電型半導体層130を介在して入射した光を反射させる。
【0026】
前記第2電極層140の下には前記伝導性支持部材150が形成される。前記伝導性支持部材150は銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、モルリブデン(Mo)、銅タングステン(Cu-W)、キャリアウェハ(例えば、Si、Ge、GaAs、ZnO、Sic等)等から具現することができる。前記伝導性支持部材150は電解メッキ方式からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0027】
前記第2電極層140及び前記伝導性支持部材150は前記発光構造物135に第2極性の電源を供給する第2電極部材として使われ、前記第2電極部材は単層、または多層からなることができる。ここで、単層の第2電極部材は前記第2導電型半導体層130の下に接着剤により付着することができる。
【0028】
前記発光構造物135の外側はエッチングされた領域A1が存在し、前記電極層140の縁より内側に配置される。
【0029】
前記第1電極170は前記絶縁膜160によって他の層120〜140と絶縁され、前記第1導電型半導体層110と電気的に連結される。前記第1電極170はTi、Al、In、Ta、Pd、Co、Ni、Si、Ge、Ag及びAu中の少なくとも1つの物質からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0030】
前記絶縁膜160は側壁部161、162、ベース部163及び支持部164を含む。前記絶縁膜160はSiO、SiN、AlO、TiOから選択的に形成される。前記絶縁膜160の側壁部161、162は前記第1電極170の外周面に形成され、円形、または多角形形状からなることができる。この場合、前記第1電極170は円形、または多角形形状からなることができる。
【0031】
前記側壁部161、162中の内側壁部161は前記第2導電型半導体層130と前記活性層120の外側と前記第1電極170の間に配置され、前記第1電極170の内側面を前記各層120、130と絶縁させる。また、前記内側壁部161は前記第1導電型半導体層110の一端115の下まで延長され、前記第1電極170と前記活性層120の間を電気的に分離させる。前記第1導電型半導体層110の一端115は前記第1電極170の上に部分的に重なるように形成される。
【0032】
前記側壁部161、162中の外側壁部162はチップのチャネル領域で前記第1電極170の他の側面を絶縁させ、前記第1電極170の外側の露出を防止する。
【0033】
前記ベース部163は前記第1電極170と前記第2電極層140の間に形成され、前記側壁部161、162の下に配置される。前記ベース部163は前記第2電極層140の一側上に形成され、前記第1電極170と前記第2電極層140の間を電気的に絶縁させる。
【0034】
前記ベース部163の内側に延長された支持部164は前記第2導電型半導体層130と前記第2電極層140の間に配置され、前記絶縁膜160がチップから分離することを防止する。
【0035】
前記第2電極層140の上面外側周りにはパッシベーション層165が形成される。前記パッシベーション層165はリング形状または帯形状を有し、前記絶縁膜160のベース部163に連結され、前記絶縁膜160と同一材料からなることができる。即ち、前記絶縁膜160は前記パッシベーション層165を更に含むことができる。
【0036】
また、前記パッシベーション層165は前記絶縁膜160と異なる材料、例えば伝導性物質からなり、例えばITO、IZO、AZO、IZTO、IAZO、IGZO、IGTO、ATO等を含むことができる。前記パッシベーション層165は形成しないこともできる。
【0037】
前記パッシベーション層165は前記第2電極層140と前記発光構造物135の距離を離隔させることで、前記電極層140から前記発光構造物135の側壁に伝わる影響を遮断することができる。
【0038】
前記第1電極170は前記絶縁膜160によって前記発光構造物135の外側と前記第2電極層140の一側上に配置され、前記第1導電型半導体層110に電気的に連結され、他の層120〜140とは電気的に開放される。
【0039】
図2に示すように、前記第1電極170の上にワイヤ180をボンディングする。この場合、前記ワイヤ180は前記半導体発光素子100の外側に配置された前記第1電極170に連結されることで、前記半導体発光素子100の外側方向に配置される。
【0040】
第1極性の電源は前記第1電極170を介在して前記第1導電型半導体層110に供給され、前記第2極性の電源は前記伝導性支持部材150及び第2電極層140を介在して供給される。前記半導体発光素子100の活性層120から放出された光は全方向に放射される。
【0041】
この時、前記第1導電型半導体層110の上面には他の障害物がないので、光L1の進行を妨害する障害物を減らすことができる。
【0042】
一例として、前記第1電極が前記第1導電型半導体層の上面に配置され、ワイヤがボンディングされると、次のような問題が発生することがある。前記第1電極及び前記ワイヤは前記第1導電型半導体層の上に抽出される光の経路を妨害する障害物として作用することがある。即ち、前記第1導電型半導体層の上側に配置された前記第1電極及び前記ワイヤが光を吸収する問題が発生することがある。
【0043】
前記半導体発光素子100のサイドに第1電極170を配置することで、ワイヤ180が素子上部を経由しなくなり、これによって、光抽出効率を改善することができる。
【0044】
図3〜図8は第1実施例に係わる半導体発光素子の製造過程を示す図面である。図3に示すように、基板101の上には複数の化合物半導体層が積層された発光構造物135が形成される。前記発光構造物135は第1導電型半導体層110、活性層120、及び第2導電型半導体層130の順に積層することができる。
【0045】
前記基板101はサファイア基板(Al)、GaN、SiC、ZnO、Si、GaP、InP、そしてGaAs等からなる群から選択することができる。前記基板101には凹凸パターンが形成され、これに限定されるものではない。
【0046】
前記基板101の上にはIII-V族化合物半導体が成長され、その成長装備は電子ビーム蒸着器、PVD(physical vapor deposition)、CVD(chemical vapor deposition)、PLD(plasma laser deposition)、二重型熱蒸着器(dual-type thermal evaporator)、スパッタリング、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)等によって形成することができ、このような装備に限定されない。
【0047】
前記基板101の上にはバッファ層(図示しない)または/及びUndoped半導体層(図示しない)が形成される。前記バッファ層(図示しない)は単結晶バッファ層またはIII-V族化合物半導体からなり、前記基板101との格子定数差を減少させる。前記Undoped半導体層はGaN系半導体からなることができる。前記基板101、バッファ層、Undoped半導体層は薄膜成長後分離、または除去することができる。ここで、前記基板101と第1導電型半導体層110の間には前記活性層120を保護するために、別途のパターン化された金属物質(図示しない)を形成することもできる。
【0048】
前記基板101の上には第1導電型半導体層110が形成される。前記第1導電型半導体層110は第1導電型ドーパントがドーピングされたIII-V族元素の化合物半導体、例えばGaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP等から選択することができる。前記第1導電型半導体層110がN型半導体層の場合、前記第1導電型ドーパントはSi、Ge、Sn、Se、Te等のN型ドーパントを含む。
【0049】
前記活性層120は前記第1導電型半導体層110の上にIII-V族化合物半導体からなり、単一量子井戸構造、または多重量子井戸構造を有する。前記活性層120は青色波長の光、赤色波長の光、緑色波長の光等の有色光を発光する材料を用いることができる。前記活性層120の上または/及び下には導電型クラッド層が形成され、前記導電型クラッド層はAlGaN系半導体からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
前記第2導電型半導体層130は前記活性層120の上に形成され、第2導電型ドーパントがドーピングされたIII-V族元素の化合物半導体、例えばGaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP等から選択することができる。前記第2導電型半導体層130がP型半導体層の場合、前記第2導電型ドーパントはMg、Ze等のP型ドーパントを含む。
【0051】
前記第2導電型半導体層130の上には第3導電型半導体層、例えばN型半導体層、またはP型半導体層が形成される。これによって、前記発光構造物135はN-P接合、P-N接合、N-P-N接合、P-N-P接合構造の少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
図4に示すように、第1メサエッチングを行って第2導電型半導体層110の一側領域167を露出させる。ここで、前記メサエッチング方式はドライエッチングまたは/及び湿式エッチングにより前記第2導電型半導体層130の一部において前記第1導電型半導体層110が露出されるまで行われる。前記エッチング方式は、本発明の技術範囲内で変更することができる。
【0053】
前記第1導電型半導体層110の一側領域167には第1電極170が形成される。前記第1電極170はTi、Al、In、Ta、Pd、Co、Ni、Si、Ge、Ag及びAu中の少なくとも1つの物質からなることができるが、これに限定されるものではない。前記第1導電型半導体層110の一側は前記第1電極170の下面が接触され、その接触領域の大きさは前記第1メサエッチングによるエッチング領域によって変わってくる。
【0054】
ここで、前記第1電極170の下は前記第1導電型半導体層110に電気的に接触される。前記第1電極170の厚さH1は前記第2導電型半導体層130の上面高さと同一、またはそれより低く或は高く形成される。前記第1電極170は前記第2導電型半導体層130、前記活性層120の側面とは所定の間隔離隔され、原形、多角形形状、またはライン形状からなることができる。
【0055】
図5に示すように、前記第1電極170の外周面及び上面には絶縁膜160が形成される。前記絶縁膜160は側壁部161、162、ベース部163、支持部164を含み、前記第1電極170の露出領域をカバーする。前記絶縁膜160はSiO、SiN、AlO、TiOから選択的に形成される。
【0056】
前記側壁部161、162は前記第1電極170の外周面に形成され、内側壁部161は前記第1電極170の内側面と前記第1導電型半導体層110、前記活性層120及び前記第2導電型半導体層130の一側を絶縁させ、外側壁部162はチップのチャネル領域において前記第1電極170の他の側面を絶縁させ、前記第1電極170の外側の露出を防止する。
【0057】
前記ベース部163は前記第1電極170の上面に形成され、前記第1電極170の上面を絶縁させる。前記ベース部163の内側に延長された前記支持部164は前記絶縁膜160の全体を支持する。
【0058】
前記第2導電型半導体層130の上面外側周りにはパッシベーション層165が形成される。前記パッシベーション層165はリング形状、または帯形状を有し、前記絶縁膜160のベース部163に連結され、前記絶縁膜160と同一材料からなることができる。即ち、前記絶縁膜160は前記パッシベーション層165を更に含むことができる。
【0059】
また、前記パッシベーション層165は前記絶縁膜160と異なる材料、例えば伝導性物質からなり、例えばITO、IZO、AZO、IZTO、IAZO、IGZO、IGTO、ATO等を含むことができる。前記パッシベーション層165は形成しないこともできる。
【0060】
図6に示すように、前記第2導電型半導体層130及び前記絶縁膜160の上には第2電極層140が形成され、前記第2電極層140の上には伝導性支持部材150が形成される。前記第2導電型半導体層130の上面外側周りに配置された前記パッシベーション層165は前記第2電極層140と前記発光構造物135の距離を離隔させることで、前記電極層140から前記発光構造物135の側壁に伝わる影響を遮断することができる。
【0061】
前記第2電極層140は反射電極材料、例えばAg、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びこれらの選択的な組合により構成された物質からなることができる。前記第2電極層140と前記第2導電型半導体層130の間には複数個のパターンまたは/及び層の形態からなるオーミック接触層(図示しない)が形成され、前記オーミック接触層はITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium zinc oxide)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、ATO(antimony tin oxide)等の材料の少なくとも1つを含む。
【0062】
前記第2電極層140は第2極性の電源を前記発光構造物135に安定的に供給する電極として機能する。ここで、前記第2電極層140は前記第2導電型半導体層130にショットキー接触またはオーミック接触することができる。また、前記オーミック接触層が存在する場合、前記オーミック接触層と前記第2電極層が電気的抵抗が異なるので、前記第2導電型半導体層130に供給される電流を分散させることができる。
【0063】
前記伝導性支持部材150は銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、モルリブデン(Mo)、銅タングステン(Cu-W)、キャリアウェハ(例えば、Si、Ge、GaAs、ZnO、Sic等)等から具現することができる。ここで、前記第2電極層140は例えば、スパッタリング方式によって形成され、前記伝導性支持部材150は、例えばメッキ方式によって形成され、このような形成方法は、本発明の技術範囲内で変更することができる。
【0064】
図6及び図7に示すように、前記基板101を除去する。この場合、前記基板101が上方に向くように配置した後、前記基板101を除去する。
【0065】
前記第1導電型半導体層110の下に配置された基板101を物理的または/及び化学的方式によって除去する。例えば、前記基板101に一定領域の波長を有するレーザーを照射すると、前記基板101と第1導電型半導体層110の間の境界面において熱エネルギーが集中し、前記基板101が分離される。そして、前記基板101が除去された第1導電型半導体層110の表面に対してICP/RCE(Inductively coupLED Plasma/Reactive Ion Etching)方式による研磨工程を行うことができる。
【0066】
また、前記基板110と前記第1導電型半導体層110の間に非導電型半導体層、例えばバッファ層または/及びUndoped(ドーピング無しの)半導体層が存在する場合、エッチング方式または研磨方式によって除去することができるが、これに限定されるものではない。
【0067】
図7及び図8に示すように、前記第1電極170及び前記絶縁膜160の上には前記第1導電型半導体層110の一側が配置される。
【0068】
前記第1導電型半導体層110の上面に所定形状の凹凸部(図示しない)を形成することができる。また、前記第1導電型半導体層110の上には透光性電極層(図示しない)を形成することができ、前記透光性電極層は電流を拡散できるものとして、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrOx、RuOx、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITOの少なくとも1つを含むことができる。
【0069】
前記発光構造物135に対して第2メサエッチングを行う。この場合、前記発光構造物135の外側周りにはエッチングされた領域A1が存在し、前記発光構造物135の外側周りは前記第2電極層140の縁より内側に配置される。ここで、前記A1領域は存在しない場合もある。
【0070】
前記第2メサエッチング方式は湿式エッチングまたは/及びドライエッチング方式を用いることができ、本発明の技術範囲内で変更することができる。
【0071】
前記第1導電型半導体層110の一側領域D1の所定領域に対して第2メサエッチングを行うと、前記第1導電型半導体層110の一側に第1電極170の上面が露出する。前記第1導電型半導体層110の所定領域D2が前記第1電極170の上に重なる形態で配置されるので、前記第1電極170は前記第1導電型半導体層110の一端115に電気的に連結される。前記半導体発光素子100は前記第1導電型半導体層110の側方向に前記第1電極170を配置し、前記第1電極170にボンディングされるワイヤを素子の外側に配置することができる。これによって、半導体発光素子100の光抽出効率を改善することができる。
【0072】
図9は第2実施例に係わる半導体発光素子を示す側断面図である。第2実施例の説明において、第1実施例と同一部分に対しては第1実施例を参照し、その詳細説明は省略することにする。
【0073】
図9に示すように、半導体発光素子100Aは第1導電型半導体層110、活性層120、第2導電型半導体層130、第2電極層140、伝導性支持部材150及び複数個の絶縁膜160、160A、複数個の第1電極170、170Aを含む。
【0074】
前記複数個の絶縁膜160、160Aは発光構造物135の両側に配置され、前記第1電極170、170Aを他の層120〜140と電気的に絶縁させる。前記絶縁膜160、160Aに対する具体的な説明は第1実施例を参照することにする。
【0075】
前記複数個の第1電極170、170Aは前記第1導電型半導体層110の一側115及び他側117が重なる領域D2、D3が同一又は異なる。また、前記複数個の第1電極170、170Aは前記第1導電型半導体層110の上に形成された電極パターンによって電気的に連結される。
【0076】
前記半導体発光素子100Aは前記第1導電型半導体層110の両側方向に前記第1電極170、170Aを配置し、前記第1電極170、170Aにボンディングされる複数個のワイヤを素子の外側に配置することができる。これによって、半導体発光素子100Aの光抽出効率を改善することができる。
【0077】
以上、本発明を実施例を中心に説明したが、これらの実施例は例示であり、本発明を限定するものではない。本発明の精神と範囲を遺脱することなく、多様な変形と応用が可能であることは、当業者にとって自明である。例えば、本発明の実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施することができるものであり、このような変形と応用に係る差異点も、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明はLEDのような半導体発光素子を提供することができる。また、本発明は半導体発光素子の光効率を改善することができる。また、本発明は半導体発光素子をパッケージングした光源を照明、指示、表示分野等に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層の下に活性層と、前記活性層の下に第2導電型半導体層と、前記第2導電型半導体層の下に第2電極層と、前記第2電極層上に絶縁膜と、前記絶縁膜の上に前記第1導電型半導体層の一端に電気的に連結された第1電極と、を含む半導体発光素子。
【請求項2】
前記第2電極層の下に伝導性支持部材を含む請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記絶縁膜は前記第2電極層の一側上及び前記第1電極の下にベース部と、及び前記第1電極の周りに側壁部と、を含む請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記絶縁膜は前記ベース部から前記第2電極層と前記第2導電型半導体層の間に一部延長された支持部を含む請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記側壁部は前記第2導電型半導体層、前記活性層、及び前記第1電極を電気的に絶縁させる請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記第1電極は前記ベース部上に円形、多角形形状、またはライン形状に形成される請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記第2電極層の他側と前記第2導電型半導体層の間に第2絶縁膜、または前記第2電極層の他側上に第2絶縁膜と前記第2絶縁膜上に他の第1電極を含む請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記第2電極層は反射率が50%以上の特性を有する請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
第1導電型半導体層、前記第1導電型半導体層の下に活性層、前記活性層の下に第2導電型半導体層を含む発光構造物と、前記発光構造物の下に第2電極層と、前記発光構造物の外側に前記第1導電型半導体層と電気的に連結された第1電極と、前記第1電極と前記第2電極層の間に絶縁膜と、を含む半導体発光素子。
【請求項10】
前記発光構造物は前記第2導電型半導体層と前記第2電極層の間にN型半導体層、またはP型半導体層を含む請求項9に記載の半導体発光素子。
【請求項11】
前記絶縁膜は前記第2導電型半導体層及び前記活性層の外側と前記第1電極の間を絶縁させる請求項9に記載の半導体発光素子。
【請求項12】
前記第1電極は前記第2導電型半導体層と前記活性層から離隔され、前記第1導電型半導体層の一段下に形成される請求項9に記載の半導体発光素子。
【請求項13】
複数個の前記第1電極及び前記絶縁膜は前記第2電極層の両側に配置される請求項9に記載の半導体発光素子。
【請求項14】
前記第1導電型半導体層上に凹凸部または/及び透光性電極層を含む請求項9に記載の半導体発光素子。
【請求項15】
前記第2電極層の下に複数個のパターンを有するオーミック接触層と、前記第2電極層及び前記オーミック接触層の下に伝導性支持部材を含む請求項9に記載の半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−519161(P2011−519161A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506185(P2011−506185)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001992
【国際公開番号】WO2009/131335
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(510110301)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】